レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2012/09訪問 2012/09/14
<H24.9.>
初めて昼も行ったので採点書き込み&修正。
――――――――――――
<H23.8.>
「定刻には、絶対遅刻したらあかんえ」 ――半年待ちとも言われる人気興行ですが、紹介者にキツく注意されていたので、かなり急いで行ったら開演30分前に到着しまだ開場前。仕方なく近くをブラブラ時間潰しでした。やっと開場したら、他の客は軒並みタクシーで乗り付けてます。
この「公演」には珍しく、開演時間を過ぎてもカウンター内は準備中。でも意外ににこやかに仕事を楽しんでいる様子は、見ていて心地よい。 定刻10分遅れで主宰が登場し開演。食事つきの公演なのか?公演つきの食事なのか?よく分からないこの夜の興行。とりあえず、梅のジュースが出されました。
結局この夜出されたメニューは以下の通り。どうしても食べる方に注意がいきます。
・先付:蓮の葉に載せた三重県産車海老と白ずいきと蓴菜
・なすと淡路沼島産鱧のお椀(花火のお椀)
・愛媛産鯛のお造り
・釧路産つぶ貝、明石産ごま鯖、境港産鮪のにぎり
・釧路産サンマの寿司に肝汁と大間産紫の寿司
・焼物:長崎産ぐじの若狭焼き、万願寺唐辛子、水茄子
・長崎産天然アワビ焼きを肝ソースで
・鶏もみじ肉のダシにトマトと白きくらげと牛ランプ芯肉のスープ
・大トロと赤身切身の鉄火巻
・鱧の子の玉締めご飯
・レモンのジュレとサワークリームに白桃・ネクタリン・巨峰・メロンのデザート
わざわざ蓮の葉の上に載せて水滴も落とす先付は、見て圧巻。これを店主は店員たちに任せることなく客全員分を自分で仕上げていきます。だから時間がかかるのですが、その調理がすでにパフォーマンス。誰もが焦れることなく、店主のパフォーマンスに注目。
お椀は、国産最高級品のひとつ淡路沼島産の鱧の地味をじっくり出したお椀。食材もさりながら、蓋の裏には花火の天金が。店主いわく、京には花火がないのでせめて料理中に花火が見たいと。「それって、自分の好みですかい?」とツッコミ入れる常連客に室内爆笑ですが、この天金がなかなかよくできています。お椀に手彫りで彫らせたそうで、写真に撮れないのが残念。
「そんなん、当たり前やん!」と紹介者には後で言われましたが、東京では有名料理人の多くが店にいないのが「当たり前」な中、この店の店主は常に店にいるだけでなく、料理の大半を全て自分で作っています。それが「パフォーマンス」となり、液状化ではなく「劇場化」するのですが、自分の仕事を演じながらも常に客全員に対する目配りを忘れない点には、傍目に感服しました。
「食べログ」には、常連客とは話し込んでばかりだけど一見客には見向きもしない云々と書かれていたけど、一見客の筆者にもしっかり挨拶し、気を使い、アルコール飲めない筆者のために奥から店ブランドのノンアルコールドリンクを「これ、わたくしからです。是非お試しください」と出してきたり。もちろん、永らくの常連と「今度×日に○○に食べ行こ」なんて個人的な話もしていますが、京都でも他地域でも、それはある意味ある程度は当然。永く通う常連と一見客とで待遇が全く同じでは、かえって悪平等でしょう。しかし、そんなに大差ない、だから傍目にイヤミには映らない。きっと「食べログ」で店主の「客差別」を非難しているレビュアーは、常に自分の知識をひけらかして自分が最高の待遇を受けないと気がすまない、「分相応」を弁えぬ独善的な食べ手なのでしょう。他方「存在の連鎖」を弁える筆者からすれば、一見客が相手にされなくても普通の祇園にあって、「他にどこ食べに行かれます?」「わては『賛否両論』やから、陰で非難も多いけど、色々聞いてはります?」などと笑えない話題ながらも適度に相手してくれながら、調理の手も休めず着々と仕事を進める店主の様子に魅入られました。
優れた食材を選んでいることはもちろんですが、その捌き手の卓越した腕あってこそ、食材もより生かされるというもの。さらに「公演」(笑)となると、しめて22000円という金額が低コスパとは感じられません。「公演」と食材と調理の巧みのワザに、当初暖簾をくぐる時には「まぁ、一生に一度くらいは、こんな浪費してもいいな」と再訪なんて考えていなかった筆者に、通いを決意させたほどでした。 上記の記述は初来店のものですが、こうしてすでに来店も3回目のなろうとしております。感性が合い店との相性が良いのかもしれません。
2位
1回
2011/10訪問 2011/11/28
食材が客をひきつける引力ブラックホール、今年見つけた至宝の店
昨晩Twitterのフォロワーさんが呟いていた獣肉豊富な店が横浜にあるというので、今日はついでもあったから突入しました。来店直前に店に電話すると、「一人ならOK」。週末でこんなご時世(震災不況&肉刺事故)で外食産業不況なのに、予約も含めて満席の盛況ぶり。店に着いて「大丈夫ですか?」といっても、店主は余裕の返答、ユッケどころかホルモンのナマ刺を堂々と扱っていました。それも、米沢牛A5ランク肉。
でも、この店で米沢牛なんてありふれた肉を注文するのは、よほどの素人か「店のメニューを食べ尽くした」よほどの常連くらい。
定番だそうなので注文してみた「生肉ご飯」は、その米沢牛A5肉らしい。その奥はダチョウの刺身。 他にも、「ラクダ肉特上ロース刺」。でも他は焼物ばかりでごめんなさい。こんなmixiニュースが出ていると知っていれば、米沢牛ナマホルモン盛り合わせを食べておきましたよ。他に今夜σ(^^)が食べたのは、カンガルーガーリック焼き、蛇の焼物、カナダ産ウサギのぶつ切りモモ焼き、ひよこの塩焼き、あと形状がリアルなカエルの焼物↑でした。満腹ですが、他に猪・鹿はエレメンタリーとして置いている(今夜は品切)そうです。鍋もあり、その後オフ会は数回開かせてもらいました。るそうですので、オフ会したいですね>マイミク各位。
特に蛇は裏メニューで、他の客に「ほかに裏メニューとかないの?」と尋ねられた店主が「もう少量ですが、蛇が・・・」と言った瞬間に筆者)が「それ、頂戴!」と間髪入れず(笑) 店内の皆から「まるで『それロン! ドラドラ大三元!』みたいですね」と暫く話題にされましたよ。でもそれ以上の珍品「ウーパールーパーのから揚げ」が秋のヒットでした。晩秋には「今回を逃すともう数年はお目にかかれれない」野生ヒグマ鍋が登場、いつも参加者難に困る弊主催オフ会がこの時ばかりは増員につぐ増員で「あわや貸しきりか?」とまで案じられました。
来店のたびに必ず新たな獣肉との出会いがある店。価格はやや高めですが、毎月レベルで重宝して通っています。
3位
1回
2011/11訪問 2011/11/29
京阪四条駅を降りて夕食処を探して歩いている時に、四条縄手北西角に発見したニュージーランドカフェ。そういえば、ホテルのパンフにあった、インターネットができるカフェだぁ!と入店。
注文したのは、「ニュージーランドプレート」(ラム肉のカレー炒め、ムール貝ワイン蒸し、サーモンサラダなど)、「とろとろ卵のラムカレー」、ニュージーランド紅茶「ベル」。これで充分満腹です。味も対価価値的にそう悪くないし。写真の奥、窓の向こうにはあの壱銭洋食が!(笑)
この界隈、知っていたダイニングバーがバシバシ潰れている昨今だけに、小腹を満たせるお店は重宝です。二次会にも使えそうだし。
と以後通ってます。たまに店内でコンサートやイベントも開かれており、高望みしなければ使い買っての良い店です。
【H23.4. 加筆修正】
今回の震災避難中は、週複数回ペースで通っていました。日替わりのプレート(ミニコース)も増え、客層もややレベルアップし、ますます居心地良くなり、また京都での生活のアドバイスなどお世話にもなりました。
4位
1回
2011/11訪問 2011/11/30
震災避難で数十日も京都にいると、食事に困ります。こんな時に偶然見つけた店。パエリアは全品、割高ながら一人用があり、独り客でもパエリアを楽しめる貴重な店。東京で“独りパエリア”できる店なんて聞いたことがないだけに、連日通って店の全パエリアを完食しました。味や料理のできは価格相応で、決して低コスパではない。京都の食べ仲間や祇園のお茶屋衆を連れて行っても好評でしたし、開店間もないらしく地元住民たちも知りませんでした。スペイン料理店としては姉妹店もありますが、“独りパエリア”できるのはここだけ。貴重な店だけにそっとしておきたいです。
5位
1回
2011/05訪問 2011/05/24
あ、まだレビュー書いてなかった(^^ゞ 4月に京都府庁に行った帰りに偶然見つけました。烏丸通りから来る際には「『宮本むなし』の前」と覚えると分かりやすい。
江戸末期開業以来150年余の老舗の京都支店で、本店は吉野だそうです。主メニューは「本仕立て葛きり「吉野天人」」と「本葛もち」。当然、両方頂きましたよ。
この2つを食べると、それもきな粉や黒蜜をつけずに食べると、葛本来の持ち味が楽しめます。葛だけで食感を楽しめる店、東京には寡聞にして知りません。まさに「葛きりの概念を根底から覆された」店でした。以来、上洛の際には必ず通っています。先行レビューにもあるように、本葛もちのきな粉は無い方がいい客も多そう。きな粉の有無を選択できればいいですね。
6位
1回
2011/09訪問 2013/01/14
今夜はマイミクさん主宰コミュのオフ会で、2年半前に開店し、連絡先非公開・完全紹介制・一見お断りの家庭料理割烹「園山」へ。
京都のおばんざい屋に常連店を多数持つ(でも近年行ってないけど)筆者からすれば、すでに京都で経験済の類の店です。昨年訪ねたマイミクも多くmixi内でも話題になっていたこともあって、一説には「家庭料理の最高峰」と呼ばれているらしい。
洛中のおばんざい店や祇園のお茶屋などの「一見お断り」が、実はそんなに敷居が高いわけでもなく合理性を備えている通り、この店も敷居はそう高くない。女性主体の店だけに、妄りに酔客や不逞の一見客が来ると大混乱になるので、自衛的関所を設定しているだけ。だから入店後の接客に冷たさは無く、居心地は良かった。でもメニューの知識はもう少し欲しかったかなぁ。料理写真のメニュー説明がいい加減なのは、聴き取り難い店員の説明の所以です。これだけ食材に凝り選び抜いているのに、お品書きが配られないのは惜しい。簡単なコピー1枚配られるだけで、客の好感度はかなり上昇するとは、経験上(笑)明らかなのに。 あと飲物メニューに価格が一切記されていないのも、祇園のお茶屋じゃあるまいし(笑) 精算の時に皆困惑していました。
料理自体は平凡=家庭料理ながら、食材選びには健康志向の配慮を感じました。「食べログ」先発店評では料理の味と粗末さが酷評されていますが、家庭料理ってそんなにドハデなものではないだけに、評価は分かれやすい。で確かに粗末かもしれない。それは京都のおばんざいでも同じ。日常の食卓が豪勢だったら、相当のセレブでしょう。昭和の頃だったら、こういう店は常連客頼みにのみしか成立し得ないと思います。でも
・共稼ぎで主婦が家の外に出され安定した家庭料理が供給されずまともな夕食を用意しなくなった「男女共同参画社会」の現代
・結婚しても家で夕食を取れない破綻夫婦の増加(ん?)
・結婚すらしない非婚人口の増大
・インターネットの普及と経済不況などの雇用関係の悪化による憂さ晴らしとしての美食人口の急増
といった要因により、かつてはカネを出す必要性など考えられなかった「家庭料理」や「おばんざい」は、料理の一分野としての地位を確立し、健康食としての安定した立場を確保しました。そういう時代をうまく掴んで園山さんは事業運営しているなぁ、と実感しながら、つい次の予約をしてしまう筆者でした(笑)
【2011.9. 05 震災以降、コース料理が格段に飛躍しているので評価修正】
その後、年数回ペースでオフ会を開いているうちに、カウンター席で独りメシもできるようになりました。料理も、伝統として残す従来のメニューもあれば、「野菜のパフェ」など新規に人気を得るメニューもあり、今ではほぼ毎月通っています。
7位
1回
2012/01訪問 2012/01/03
「美濃幸」で修業した店主が独立、高台寺や銅閣で知られる祇園の奥座敷、東山安井に昨夏開店。以後隠れ家店なのか検索でもなかなかヒットせず、この「食べログ」にも未掲載のままでした。
料理は懐石の枠組を基本としながらも創作料理の要素をもつ皿もあり、“セミ懐石”といったところか。ただ懐石としての季節の皿の基本は押さえた上で、店主なりの京料理を創り出そうという意欲が感じられます。近所に有名和食割烹の多い中でにあっては未熟な部分も散見されますが、今後の成長が楽しみな感じもします。価格も手頃で、その意味では高コスパかもしれません。意外にも京の白足袋族が夜半に集まる店らしく、料理以上のものが得られそうな店として、暫く通って生暖かく見守ってみたいと思います。
【H24.1.-2 評価修正】
夏に初訪問後も、毎月訪問して料理の創意工夫とコース構成全体の向上発展を目の当たりにして、評価修正。特に23時過ぎまで入店できるのが嬉しい。
8位
1回
2010/12訪問 2010/12/19
歌舞伎町でバーテンダーとしての修業を積み、前店Wine BarRabiで店長としての経験を積んだ店主が、前店休業を期に独立開店。筆者の大学時代のサークルの先輩が宮司を務める烏森神社境内からすぐの所に新店舗を開店しました。
すでに前店時代から、廉価で美味なワインを多彩に揃えて頻繁な試飲会を開き、固定客の開拓に成功していたため、当時の常連客がすぐ現店にも集うようになっています。さらに、筆者のチェック対象「フードメニューの充実度」が、新店となってから飛躍的にレベルアップ、「食事のできるバー」としての新規顧客開拓への意欲が感じられます。店内はかなり広くなってソファ席も設けられるなど、前店時代の狭っ苦しさも一掃、落ちついた雰囲気の中で一日の疲れを癒すことができます。あとは、客がいかに店を育てていくか次第で、前店の経験を肥やしとしてさらに飛躍が期待できると思います。
9位
1回
2011/11訪問 2011/11/29
Twitterで見つけて昨年の職場の創立記念日=休日に初訪問して以来、震災前は月複数回のペースで食べに行っていました。何といっても一人鍋には惹かれました。もちろん、筆者とは同営業別業種(謎笑)の方々にも興味あるし。
一応Twitterに書いたのだけど見てなかったみたいで、気づかれず食事。そのままそ知らぬフリして帰ろうかと思ったけど、バレてしまう辺りはやっぱりこの「別業種」。でももっぱらグルメやmixiの話で盛り上がりましたよ。もう雨はあがっていたとはいえ、客の出足は鈍く店内には筆者だけだし。
こんなfirst impactを経て、毎回常に一人鍋2種の選択メニューなのは嬉しい迷わせ方。鍋が新しくなると店のTwitterで呟かれるので即行食べに行っていました。あ、ここってバーでしたね(爆)
そんな中、東日本大震災。震災当日この店は、決して繁盛を極めて左うちわの営業状態というわけでもないのに、無償で炊き出しや店内開放を率先して帰宅難民の助けとなり、その後も今なお被災地の県庁に直接義捐金を送るなど社会貢献にも寄与しているそうです。筆者が震災後すぐ避難しようやく東京に戻り、つい先日久しぶりに来店すると、メニューの大幅改変であの珠玉の鍋メニューも「仕分け」との悲報が。筆者個人的には、月変わりの一人鍋メニューこそがこの店のアイデンティティーで(あ、探偵事務所がアイデンティーでしたっけwww)、風変わりな一人鍋あればこそわざわざ六本木くんだりまで食べに行っていたのに、鍋なくなったらなぁ~(以下自粛) 普通のバーなら、祇園にいくらでもあるし(あ、違うか!?)
もちろん、このレビューの採点は【鍋あってこそのこの点数】ですから、鍋が「仕分け」されれば当然変更されることでしょう。とまぁ、これだけ「食べログ」に書き殴っておけば、「鍋リストラ」は見直されるかも。こんなこと書くから「「食べログ」レビューで店脅している」とかストーカーされるんでしょうけど、個人的には鍋あってのこの店だもん。いよいよ冬本番の昨今だけに、店長の再考を期待しています(笑)
10位
2回
2017/08訪問 2017/08/19
初来店以来十年近く、店主を弄りに上洛のたびごとに複数回、たぶん数十回は来店しています。店主をめぐるコミュニティーもでき、常連客向けの月例珍食会も開かれるようになりました。もっとも筆者はいつも予定が合わず、一度も参加していませんが、過去にはシュールストレミングの食事会などが開かれています。
ふとしたことから、店主はバーテンダーながら料理も作れるという話になり、完全おまかせでフルコースを注文することに。この店の客単価の倍以上となる注文だけに、店主誕生日に有料試食会の運びとなりました。
筆者が渋滞で十数分遅れで入店すると、会食者はすでに揃っており、すぐ料理開始。店主は我々の好みを聞きながら次々と料理を出してきます。まず、豚しゃぶと野菜十品目のサラダ。写真では分かりにくいけど、他の通常のフレンチのサラダ2~3人前の量で、十種類の野菜が豚しゃぶと盛られています。野菜を多めながら、この後の皿も肉とバランス良くしつらえてあり、「我々の健康を考えてのバランスですね」と会食者一同順調な滑り出し。2皿目は、「まず、食べてみてください」。記憶のある味わいだけど、この緑の食材は何だろう? 店主が「茄子にランプフィッシュキャビア」と種明かしすると、なるほど!と一同得心。微妙ながらもさっぱりした口当たりが高評で、結局この日一番好評だったメニューでした。
3皿目も当てられず、スケトウダラのサンドイッチだと聞いて、この先にいったい何が出て来るのか?皆さん期待がふくらみます。そういう意味では、珍食や怪しい食材が出なかったのはむしろ予想外でした。4皿目は、滋賀県産鶏肉の豚網脂巻き蒸し焼きにキノコなどの温野菜。鶏や豚の味や脂がキノコにも良い影響を与えていて、また変わった味わいでした。メインには、「ラム肉のローストにソーセージをレモンとトマトのソースで、エリンギとポテト添え」。存在感を主張しながらも肉の地味を邪魔していないソースの出来栄えが皆に称賛されました。
「まだ食べられます?」と聞かれ全員「もちろん!」と答えると、店主は予想通り?と次の料理を作り始め、出されたのが「合鴨のローストにバルサミコ醤油ソースのかもねぎ」。ダブルメインとは!www 前者がレモンソースでさっぱり味だったのに対し、こちらはバルサミコと醤油に合鴨から出た肉汁もブレンドした濃厚なソース。バランスの良いコース構成に皆感心しました。
「まだ食べられます?」と聞かれ全員「もちろん!」と答えると、店主はやはり予想していたのか?パスタを作り始めます。できあがったのは、ブルーチーズが濃厚なマカロニ。といっても臭すぎたりはせず、単にクセが強い味つけ。でも参会者は皆、珍食に関しては歴食の猛者たちばかり。さらりと平らげました。
デザートにスイカが出されたので、旬だねぇ、と口に入れると、レモンの味。レモンで下ごしらえしたスイカだそうです。最後まで「仕込み」を怠らない店主の熱意に一同改めて感心しました。
「また食べられます?」とすっかり満腹の我々が尋ねると、なんせバーだけに普段これだけの食材は在庫していないことから、3日以上前の事前予約と予算指定を擁するとのこと。「何とか、及第ですかね?」と恐る恐る尋ねる店主に、料理内容と価格のバランスからしてコスパも味も良いし充分「優」だと一同高評を惜しまず、店主には良い誕生日となりました。来年の店主誕生日も、また集まって店主にコース料理を作らせましょう(笑)
今月末で現店長が「卒業」して4代目に入る、界隈では老舗に入るであろうバー。もともとは、ビールとガレットを主体とした「meno mosso」とワインバー「Opus One」という別個の店でしたが、今年3月合併、両者の長所がうまく融合して、より用途の広い店となりました。
なんせ店員全員理屈っぽいので、半可通で話題を振ると撃退されます。雑談が議論に転化すると、客であろうとも容赦されません。でも紳士的な議論進行を心得ていれば、談論風発、17世紀ロンドンのコーヒーハウスのような知的論談の場として、店名の通り「今よりゆっくり」寛げるでしょう。最近は「歴史バー」として売ろうとしているのでたまに「歴女」が店長に議論を振ってお茶目に撃退されたりしています。話の流れに乗れれば居心地良いバーなので、ようやく顔覚えられた筆者もふらりと通っています。
かつては音楽バーで、歴代店長や演奏家による生演奏もなされていました。今後人材を得られれば、音楽バーとして復活することもあるかもしれません。
今年の食べ歩きは東日本大震災に言及せずには語れません。震災により閉店を早めたミシュラン三ッ星「ロオジエ」の最後の客として“告別オフ会”を、店からの閉店の電話も跳ね返して無事実現しつつ、その翌日から40日間の京都避難生活。京都にいると行く店が極端に偏ることもあって、来店軒数は増えず、もともと「食べログ」レビュー増やすことに全然熱意がないため、今年のベストレストランを選ぶ今になって慌ててレビューを書いています。
こんな震災後の日本でも、店は次々と開店し、筆者も次々と新しい店に出かけてはいます。今後の余震も心配される中、筆者のレビューが来年は全国にまたがったとしたら、地震を避けて全国を逃げ回っていると思って下さい。地震は震度0でも眠れないんです(泣)