2022-07-05
タイヤの偏摩耗を放置していませんか?予防法や摩耗による性能の低下についても解説
画像出典:photoAC
「最近タイヤの性能が落ちてきたな」と考えていませんか?
それはタイヤの偏磨耗が原因かも。タイヤの偏摩耗を放置すると、騒音やタイヤ寿命の短期化などにつながります。
本記事では、タイヤの編摩耗の対策方法や偏摩耗による影響を解説します。
「最近タイヤの性能が落ちてきたのはタイヤの摩耗が原因?」「タイヤの摩耗を放置するとどうなるの?」と疑問をお持ちの方は多いでしょう。
タイヤは空気圧の不足や急発進・急ブレーキなど、普段の走行で少しづつ偏ったすり減り方をします。これを「偏摩耗」と呼び、放置してしまうとタイヤや走行性能にさまざまな悪影響を及ぼしかねません。
本記事では、タイヤの偏摩耗がおよぼす影響や、偏摩耗を起こさないための対策方法ついて詳しく解説します。タイヤの偏摩耗に関する基本知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
タイヤの偏摩耗とは?
画像出典:photo AC
タイヤの偏摩耗とは、トレッド(タイヤが地面と接地する面)部分が偏って摩耗してしまう現象です。トレッドがまんべんなくすり減っていくのが理想的なのですが、普段の走行の中で偏摩耗は起きやすく、気付かないうちに少しづつ偏ったすり減り方をします。ではなぜ偏摩耗は起こってしまうのでしょうか。偏摩耗の原因と種類について解説します。
偏摩耗の原因は?
偏摩耗の原因は、大きく分けて以下の3種類に分けられます。
- タイヤが原因
- 車体が原因
- 道路状況が原因
それでは1つずつ解説していきます。
【タイヤが原因で起こる偏摩耗】
不適正な空気圧 |
タイヤの空気圧は、ゴムタイヤの性質上、自然にもれて低下してしまいます。空気圧の過多・不足どちらの場合でも偏摩耗がおこるため、月に1度は空気圧のチェックを行いましょう。 |
トレッドゴムの材質 |
トレッドゴムとは、タイヤと地面が接するゴム層の部分です。スポーツタイプのタイヤは性能が高い分、トレッドゴムの摩耗が早いのが特徴です。 |
摩耗しやすい構造のタイヤを使用している |
タイヤの構造は「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」に分けられます。バイアスタイヤはラジアルタイヤと比較して摩耗に弱いです。 |
【車体が原因でおこる偏摩耗】
過度な積載量で走行する |
乗車人数が多い、積載量が多いまま走行すると、タイヤへの負担が増え、摩耗しやすくなります |
急発進・急ブレーキ・コーナリング |
急発進や急ブレーキは、縦方向に強い摩擦が加わるため、タイヤの摩耗に大きく影響します。過度なコーナリングも、横方向の摩擦がタイヤに加わるため、摩耗しやすい状況になります。 |
走行速度が早い |
高速道路のような速度の早い走行は、タイヤと地面の接地面の動きが大きくなるため、摩耗しやすくなります。 |
【道路状況が原因でおこる偏摩耗】
路面状況が悪い |
地面が凸凹している、石や岩があるなど、荒い路面はタイヤが地面と均一に接する事が出来ません。タイヤの破損や、部分的な摩耗の原因となります。 |
路面温度が高い |
夏の道路は地面が高熱になります。タイヤのゴムが軟化してしまい、摩耗が進行しやすくなります。 |
偏摩耗の種類は?
偏摩耗の種類を紹介します。どれも目視で確認できるものばかりなので、ぜひ自分のタイヤと照らし合わせながらチェックしてみましょう。
画像:GOODYEAR
タイヤのトレッドの両サイドが中央部分に比べて早く摩耗している状態です。
空気圧不足や、積載量の過多などの原因が考えられます。
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トレッドの中央部分が両サイドより早く摩耗している状態です。
空気圧過多の状態で走行している場合によく見られます。
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トレッドの内・外どちらか一方のショルダーだけが摩耗している状態です。
アライメントと呼ばれる、前輪または後輪の取りつけ具合の不良が原因で、タイヤの角度がズレている場合に見られる現象です。
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トレッドが走行の摩擦によって、羽(フェザー)のようにめくれている状態です。
こちらもアライメントの整備不良でおこります。
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タイヤのブロックがすべて一定の角度でななめに摩耗している状態です。
のこぎりの歯のようにギザギザとした状態になることから名付けられました。
タイヤのローテーション不足や、空気圧不足が原因で起こります。
画像:GOODYEAR
トレッドの一部分だけが摩耗している状態です。
急ブレーキ・急発進などタイヤに負担のかかる運転操作が多かったり、タイヤのバランスが悪いと起こる現象です。
タイヤの偏摩耗が及ぼす影響
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タイヤの偏摩耗が及ぼす影響は大きく分けて2つあります。
- タイヤの寿命が短くなる
- 走行性能の悪化
日々のタイヤの使い方ひとつで、タイヤは少しずつ偏摩耗していきます。
偏摩耗の影響を知って、タイヤを上手に使用しましょう。
タイヤの寿命が短くなる
偏摩耗を放置すると、タイヤの寿命が短くなってしまいます。
偏摩耗を起こしていないタイヤのトレッド部分は、溝が均一にまんべんなく摩耗しているのが特徴で、溝の深さが1.6mmになったら交換の目安です。タイヤが偏摩耗することで、トレッドの一部が急速に摩耗してしまい、交換時期が早まってしまう原因につながります。
また、タイヤの寿命は車の使用頻度や環境により異なりますが、走行距離が30,000kmを超えたら交換の目安という見方が一般的です。走行距離がまだ短いのに、タイヤの摩耗が見られる時は偏摩耗を疑いましょう。
走行性能の悪化
タイヤの偏摩耗は、走行性能の悪化にもつながります。具体的には、タイヤ本体の排水性の悪化、走行中の騒音や振動があげられます。
タイヤの排水性とは、タイヤの進行方向に水を弾き飛ばす性能と、接地部分の水を後方に流し出す性能を指します。偏摩耗によりタイヤの溝のバランスが崩れることで、この排水性が悪化してしまうことも。雨の日の走行や濡れている地面を走行する際、日常的なスピードであってもタイヤが滑ってしまい、大変危険です。
また、偏摩耗により、特定の箇所のみ溝がすり減ることで、走行中の騒音や振動につながります。ただ、こういった変化は走行するごとに少しづつ変化していくものなので、自分ではなかなか気付けません。定期的にディーラーやガソリンスタンドに持ち込んで、プロの目でしっかりチェックしてもらいましょう。
偏摩耗を予防する方法
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タイヤの偏摩耗を予防する2つの方法をご紹介します。以下の2つの方法は、どちらか一方だけ行うのではなく、両方の方法を定期的に行うようにしましょう。
1. タイヤの適正な空気圧を保つ
2. 定期的なタイヤの位置交換(ローテーション)を行う
タイヤの適正な空気圧を保つ
タイヤを偏摩耗させないために、タイヤの適切な空気圧を保つようにしましょう。空気圧が低すぎるとタイヤの両外側がすり減り、逆に空気圧が高すぎると内側だけがすり減ってしまい、タイヤの寿命を大幅に縮めてしまいかねません。
そのため、空気が不足していれば補充を、過剰であれば減圧を行うことで、空気圧を一定に保ち、偏摩耗を防ぐことが可能です。月に1度程度はディーラーやガソリンスタンドに持ち込んで、タイヤの空気圧を確認してもらうようにしてください。
定期的なタイヤの位置交換(ローテーション)を行う
定期的にタイヤの位置交換(ローテーション)を行うのも、偏摩耗を防ぐうえでとても重要です。
タイヤを同じ位置に固定して長く走行すると、偏摩耗が起きやすくなるためです。位置交換を行うことで、摩耗のクセを均一化できます。位置交換を行う時期は車種やタイヤの種類により異なりますが、タイヤメーカーのBRIDGESTONEは、5000km走行でタイヤの位置交換の実施を推奨しています。(引用:BRIDGESTONE)
タイヤの交換位置に関しては、回転方向の指定の有無によって変わってきます。摩耗状態を正確に把握する為にも、自己判断で位置交換を行わずに、定期的にプロの目でチェックしてもらいましょう。
タイヤはどこまで摩耗すると性能が落ちる?
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結論からお伝えすると、タイヤを交換するのは、タイヤの溝が3〜2㎜のタイミングがおすすめです。新品のサマータイヤやオールシーズンタイヤの溝は7〜8㎜程度、新品のスタッドレスタイヤの溝は10㎜程度とされています。
目安として、5000㎞走行で1㎜すり減ると言われていますので、走行距離からタイヤの状態をある程度予想できます。残り溝が5㎜以下になった場合に起きる影響をそれぞれ解説していきますので、参考にしてください。
タイヤの性能が落ち始めるのは走行距離1.5〜2万㎞程度
画像出典:BREDGESTONE
まず、タイヤの性能がガクッと落ちはじめるのは残りの溝が5〜4㎜のタイミングです。
タイヤの残り溝が5〜4㎜の場合、走行距離は約1.5〜2万㎞程度が目安になります。タイヤを交換するタイミングではありませんが、タイヤの溝が浅くなり、摩擦力・グリップ力が弱まることによってブレーキの効きが悪くなりはじめます。この頃から、ブレーキをかけてからストップするまでの制動距離が伸びやすくなるため、違和感を感じ始める方も多いでしょう。
スタッドレスタイヤは、残り溝が5〜4㎜のタイミングでの交換をおすすめします。タイヤのゴムに特殊な加工をして、雪道を快適に走行出来るスタッドレスタイヤは、溝が50%以上摩耗してしまうと十分な機能を発揮できなくなってしまうためです。スタッドレスタイヤは通常のタイヤと比較して、交換時期が早いことを頭に入れておきましょう。
タイヤ交換に最適な時期は走行距離2.5〜3万㎞程度
タイヤの残り溝が3〜2㎜になってくると、サマータイヤやオールシーズンタイヤの場合はそろそろ交換の時期になります。
走行距離に換算すると約2.5〜3万㎞ほどです。タイヤの溝はかなり浅く、ブレーキの効きや乗り心地がさらに悪くなったと感じる方も多いでしょう。
この頃には、タイヤの排水性がかなり悪化しているため、時速80㎞程度の走行でもハイドロプレーニング現象(タイヤと地面の間に水が入り込んで摩擦力が失われ、ブレーキが効かなくなる現象)が起きやすくなっています。新品のタイヤの場合は、時速100㎞程度で起こる現象ですが、残り溝が3〜2㎜程度になると日常の走行でも起きやすくなってしまいます。大変危険なので、早めの交換をおすすめします。
走行できるギリギリのラインは走行距離3万〜4万㎞
タイヤの残り溝が1.6㎜の場合は、走行できるギリギリのラインになってきます。
走行距離に換算すると約3万〜4万㎞ほどとなり、ほとんどの方が運転に違和感を感じるタイミングです。残り溝が1.6㎜になると、タイヤにスリップサインが出始めます。スリップサインはタイヤ1つに5〜9個程度あり、1つでもサインが出ていると車検に通らず、道路を走行できません。
タイヤの残り溝が1.6㎜になると、タイヤの性能がかなり落ちているため、事故やトラブルにつながる危険性が出てきます。スリップサインが出始めたらタイヤの交換を行うのではなく、早めの交換を心がけましょう。
下記の記事でタイヤの交換時期と性能の変化についてくわしく解説しています。合わせてチェックしてみて下さいね。
関連記事:タイヤの溝でわかる交換時期と性能の変化は?車検に合格できる水準は?
タイヤの摩耗を放置すると危険!
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タイヤの偏摩耗を放置するとどうなるのでしょうか?
前述したように、タイヤの偏摩耗を放置するとタイヤの排水性が徐々に悪化していきます。正常な状態のタイヤは、進行方向に水を弾き飛ばすことでタイヤと路面をしっかり接地させ、雨の日でもタイヤが滑ることなく走行することが可能です。
タイヤの偏摩耗によりトレッドの溝が減ることで、タイヤ本来の排水性が悪化し、タイヤと地面の間に水が入り込んで摩擦力が失われ、ブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」を引き起こしやすくなります。
法律上は、タイヤの残り溝が1.6㎜になり、スリップサインが出るまでは走路を走行可能となっています。しかし、実際は走行距離2.5万㎞を超えるとタイヤの溝はかなり浅くなっているため、雨の日にハイドロプレーニング現象を起こしやすくなり大変危険な状態です。偏摩耗によって、タイヤ本体の性能も低下しているため、安全で快適な運転は出来なくなっているのを頭に入れておきましょう。
サマータイヤやオールシーズンタイヤの場合は、タイヤの残り溝が3〜2㎜、スタッドレスタイヤの場合は、残り溝が5〜4㎜のタイミングでの交換がおすすめです。また、タイヤのゴムは紫外線で自然に劣化していくため、走行距離に関わらず、3年が寿命の目安と言われています。タイヤの寿命は意外と短いもの。ぜひ自分のタイヤの状態をチェックしてみましょう。
ハイドロプレーニング現象の危険性や対処方法については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
関連記事:ハイドロプレーニング現象とは?発生する速度と対処方法について解説
タイヤを購入・交換するなら楽天Carタイヤ交換がおすすめ!
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偏摩耗とは、タイヤが偏ったすり減り方をしてしまい、タイヤの性能や寿命が著しく低下してしまう現象です。偏摩耗に限らず、タイヤの摩耗を放置すると、下記のようなトラブルに繋がる可能性があり、大変危険です。
● ブレーキの効きが悪くなる
● ハイドロプレーニング現象につながる
走行距離2.5〜3万㎞を過ぎて性能が落ちたと感じはじめたら、そろそろタイヤの交換を検討しましょう。
そして、タイヤ交換なら「楽天Carタイヤ交換」の利用がおすすめです。楽天Carタイヤ交換なら、楽天市場の対象店舗でタイヤを購入すると同時にタイヤ交換の予約を自宅近くの店舗でできます。
通常は、インターネットで購入したタイヤをガソリンスタンドやディーラー等に持ち込んでタイヤ交換してもらう必要があり、割高な持ち込み料を支払う必要があります。せっかくインターネットで安く購入出来ても、手間と費用がかかってしまい、あまりお得にはなりません。
楽天Carタイヤ交換なら、楽天市場でお得にタイヤを購入できるほか、取付店舗への予約が同時に行えるので、割高な持ち込み料を支払う必要はありません。どこの店舗でも定額でタイヤ交換ができるのも嬉しいポイントです。そのほかにも多くのメリットがあり、お得にタイヤを購入・交換できます。
【楽天Carタイヤ交換のメリット】
● 実店舗よりも安い価格でタイヤを購入できる
● 工賃が一律の料金設定で分かりやすい
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ぜひ一度「楽天Carタイヤ交換」をチェックしてみてください。
参考サイト
ブリヂストン|タイヤの偏摩耗について(参照日:2022−04−10)
https://tire.bridgestone.co.jp/about/maintenance/friction/
日本グッドイヤー|タイヤの摩耗|タイヤの知識(参照日:2022−04−10)
https://www.goodyear.co.jp/knowledge/friction.html
ブリヂストン|タイヤの位置交換(ローテーション)とアライメント(参照日:2022−04−10)
https://tire.bridgestone.co.jp/about/maintenance/rotation/
トーヨータイヤ|Q.異常摩耗とは(参照日:2022−04−10)
https://www.toyotires.jp/support/faq/tire/s_tire_09.html
タイヤ館|タイヤがこんな減り方をしていたらぜひご相談を。偏摩耗は放っておいたらダメですよ。(参照日:2022−04−10)
https://www.taiyakan.co.jp/shop/onomichi/diary/1378641/?tire_uneven-wear_a1
チューリッヒ|ハイドロプレーニング現象とは(参照日:2022−04−10)
https://www.zurich.co.jp/car/useful/column/mj-okazaki/01/?utm_medium=pas&utm_source=iya&utm_campaign=tx&utm_content=100046&argument=hT7qcPFB&dmai=pas_iya_tx_100046&yclid=YSS.1001033242.EAIaIQobChMIqq_Pu9eR9wIVBTdgCh1L_AXnEAAYASAAEgKFMvD_BwE
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