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'''黒ルーシ'''([[ウクライナ語]]:''{{lang|uk|Чорна Русь}}''[[ベラルーシ語]]:''{{lang|be|Чорная Русь}}'')は、[[ネマン川]]の上流域、[[ベラルーシ]]北西部の歴史的[[地名]]である。主な市町は[[フロドナ]]、[[ナヴァフルーダク]]、[[スロニム]]、[[ヴァウカヴィスク]]、[[リーダ]]、[[ネスヴィジュ]]。
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'''黒ルーシ'''([[ウクライナ語]]:''{{lang|uk|Чорна Русь}}''[[ベラルーシ語]]:''{{lang|be|Чорная Русь}}'';[[ラテン語]]:''Ruthenia Nigra'')は、[[ネマン川]]の上流域、[[ベラルーシ]]北西部の歴史的[[地名]]である。主な市町は[[フロドナ]]、[[ナヴァフルーダク]]、[[スロニム]]、[[ヴァウカヴィスク]]、[[リーダ]]、[[ネスヴィジュ]]。


== 概要 ==
== 概要 ==
初めて「黒ルーシ」という地名は、[[ルーシ人|ルーシ]]側の史料ではなく、[[14世紀]]以降の[[西欧]]側の記録など見られる。その地名は単に「[[白ルーシ]]」の反対語として用いられたことが多く、地名の範囲が曖昧なものであった。例えば、[[1591年]]の[[英国]]の[[:en:Giles Fletcher, the Elder|G.フレッチャー]]著『Of the Russe Common Wealth』では「黒ルーシ」は[[モスクワ]]を中心とした地域を指し、[[1668年]]の[[オランダ]]の[[:en:George Horn|G.ホルン]]著『Orbis Imperans』では「黒ルーシ」は[[キエフ]]を中心とした地域を指している。一方、[[ポーランド]]の[[:en:Szymon Starowolski|S.スタロヴォーリスキ]]は「黒ルーシ」は[[チェルニーヒウ]]周辺の地域であり、[[イタリア]]の[[:en:Alexander Guagnini|A.グアニニ]]は「黒ルーシ」は[[リヴィウ]]の地域であると主張しいていた。
「黒ルーシ」という地名が最初に見られるのは、[[ルーシ人|ルーシ]]側の史料ではなく、[[14世紀]]以降の[[西ヨーロッパ|西欧]]側の記録でる。そこでは単に「[[白ルーシ]]」の反対語として用いられたことが多く、地名の対象とする範囲が曖昧なものであった。例えば、[[1591年]]の[[イギリス|英国]]の[[:en:Giles Fletcher, the Elder|Gフレッチャー]]著『Of the Russe Common Wealth』では「黒ルーシ」は[[モスクワ]]を中心とした地域を指し、[[1668年]]の[[オランダ]]の[[:en:George Horn|G.ホルン]]著『Orbis Imperans』では「黒ルーシ」は[[キエフ]]を中心とした地域を指している。一方、[[ポーランド]]の[[:en:Szymon Starowolski|Sスタロヴォーリスキ]]は「黒ルーシ」は[[チェルニーヒウ]]周辺の地域であり、[[イタリア]]の[[:en:Alexander Guagnini|Aグアニニ]]は「黒ルーシ」は[[リヴィウ]]の地域であると主張しいていた。


やがて[[1766年]]に、[[:pl:Hllaryon Karpiński|H.カルピニスキ]]著『Lexykon geograficzny』という[[リトアニア大公国]]の歴史名辞典において「黒ルーシ」は初めて[[ネマン川]]の上流域に限定された。辞典によれば、「黒ルーシ」はリトアニアの[[ヴァウカヴィスク県]]ならびに[[ミンスク県]]に当たる地域であるという。I.カルピーンスキによる「黒ルーシ」は18世紀以後の歴史学・地理学に定着して今に至っている。
やがて[[1766年]]に、[[:pl:Hllaryon Karpiński|Hカルピニスキ]]著『Lexykon geograficzny』という[[リトアニア大公国]]の歴史名辞典において「黒ルーシ」は初めて[[ネマン川]]の上流域に限定された。この辞典によれば、「黒ルーシ」はリトアニアの[[ヴァウカヴィスク県]]ならびに[[ミンスク県]]に当たる地域であるという。H・カルピスキによる「黒ルーシ」は18世紀以後の歴史学・地理学に定着し、現在に至っている。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
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*{{be icon}} [http://www.autary.iig.pl/bely/www/kartahrafija/chronika/kniha/index.htm {{lang|be|Белы ''А. Хроніка «Белай Русі»: нарыс гісторыі адной геаграфічнай назвы''. Менск, 2000.}}]
*{{be icon}} [http://www.autary.iig.pl/bely/www/kartahrafija/chronika/kniha/index.htm {{lang|be|Белы ''А. Хроніка «Белай Русі»: нарыс гісторыі адной геаграфічнай назвы''. Менск, 2000.}}]
*{{ru icon}} {{lang|ru|Ширяев Е. Е. ''Беларусь: Русь Белая, Русь Черная и Литва в картах''. Мн., 1991.}}
*{{ru icon}} {{lang|ru|Ширяев Е. Е. ''Беларусь: Русь Белая, Русь Черная и Литва в картах''. Мн., 1991.}}

== 関連項目 ==
* [[ルーシ]] - その他のルーシの一覧


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*{{uk icon}} [http://history.franko.lviv.ua/IIIch.htm {{lang|uk|''Довідник з історії України'' / ред. І.Підкови та Р.Шуста.- К.: Генеза, 1993.}}]
* {{uk icon}} [http://history.franko.lviv.ua/IIIch.htm {{lang|uk|''Довідник з історії України'' / ред. І.Підкови та Р.Шуста.- К.: Генеза, 1993.}}]


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2009年10月20日 (火) 10:34時点における版

黒ルーシウクライナ語Чорна Русьベラルーシ語Чорная Русь)は、ネマン川の上流域、ベラルーシ北西部の歴史的地名である。主な市町はフロドナナヴァフルーダクスロニムヴァウカヴィスクリーダネスヴィジュ

概要

「黒ルーシ」という地名が最初に見られるのは、ルーシ側の史料ではなく、14世紀以降の西欧側の記録である。そこでは単に「白ルーシ」の反対語として用いられたことが多く、地名の対象とする範囲が曖昧なものであった。例えば、1591年英国G・フレッチャー著『Of the Russe Common Wealth』では「黒ルーシ」はモスクワを中心とした地域を指し、1668年オランダG.ホルン著『Orbis Imperans』では「黒ルーシ」はキエフを中心とした地域を指している。一方、ポーランドS・スタロヴォーリスキは「黒ルーシ」はチェルニーヒウ周辺の地域であり、イタリアA・グアニニは「黒ルーシ」はリヴィウの地域であると主張しいていた。

やがて1766年に、H・カルピニスキ著『Lexykon geograficzny』というリトアニア大公国の歴史地名辞典において「黒ルーシ」は初めてネマン川の上流域に限定された。この辞典によれば、「黒ルーシ」はリトアニアのヴァウカヴィスク県ならびにミンスク県に当たる地域であるという。H・カルピニスキによる「黒ルーシ」は18世紀以後の歴史学・地理学に定着し、現在に至っている。

参考文献

関連項目

外部リンク