「ひねり飛車」の版間の差分
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'''ひねり飛車'''(ひねりびしゃ)は、[[将棋]]の戦法の一つ。別名『'''縦歩取り'''(たてふどり)』。 |
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この戦法の「縦歩取り」というのは、その名の通り、縦から、[[歩兵|歩]]を狙う戦法。つまり、[[先手]]なら(普通は先手にしかできないが)、[[後手]]の3四歩を狙って、2六にいた[[飛車]]を3六へ持っていく |
この戦法の「縦歩取り」というのは、その名の通り、縦から、[[歩兵|歩]]を狙う戦法。つまり、[[先手]]なら(普通は先手にしかできないが)、[[後手]]の3四歩を狙って、2六にいた[[飛車]]を3六へ持っていく(勿論、後手はとられないようにする)。この後、この飛車を左側へと転換するのだが(これが『ひねり飛車』の由来)、後手の3四歩を狙った手が、損になるような気がするが、実は、3四の歩を守るためには、3三[[金将|金]]しか手段がない。つまり、相手の金を三段目まで、釣り上げて悪形にするのが、3六飛車の狙いである。後手としては、悪形にされて、[[玉将|玉]]を囲うのが難しくなり、よって、固い囲いができなくなる。あとは、左側から攻め込んで勝負がつく。 |
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==ひねり飛車の衰退== |
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他の後手の対抗策は、3三金の悪形を何とかしないといけないということで、考え付かれたのが「[[たこ金]]」である。この「たこ」は海にいる「[[蛸]]」ではなく空に浮かべる「[[凧]]」である。 |
他の後手の対抗策は、3三金の悪形を何とかしないといけないということで、考え付かれたのが「[[たこ金]]」である。この「たこ」は海にいる「[[蛸]]」ではなく空に浮かべる「[[凧]]」である。 |
2005年11月29日 (火) 15:41時点における版
ひねり飛車(ひねりびしゃ)は、将棋の戦法の一つ。別名『縦歩取り(たてふどり)』。
この戦法の「縦歩取り」というのは、その名の通り、縦から、歩を狙う戦法。つまり、先手なら(普通は先手にしかできないが)、後手の3四歩を狙って、2六にいた飛車を3六へ持っていく(勿論、後手はとられないようにする)。この後、この飛車を左側へと転換するのだが(これが『ひねり飛車』の由来)、後手の3四歩を狙った手が、損になるような気がするが、実は、3四の歩を守るためには、3三金しか手段がない。つまり、相手の金を三段目まで、釣り上げて悪形にするのが、3六飛車の狙いである。後手としては、悪形にされて、玉を囲うのが難しくなり、よって、固い囲いができなくなる。あとは、左側から攻め込んで勝負がつく。
ひねり飛車の衰退
後手は、上記の局面を打破するための対策が立てられた。△3四歩を省略することにより、金を3三の悪形にする必要もなく、3六へ持っていった飛車はただ単に一手損になってしまう。3六に飛車を動かさなくともいいようだが、後手の飛車が8六に居座られると、飛車を左側に振るため▲7五歩が指せない。なので、△3四歩がないにもかかわらず、飛車を3六に持っていかなければならない。これは、飛車を猫、3三の歩を鼠に例えて、「ネコ式」と呼ばれた。また、金を3段目に持ってこれないことによって後手の囲いも固くなる。これが、一時期ひねり飛車が指されなくなる原因であった。
しかし1986年頃からの、ある一戦法の流行を受け、それを応用し、これを打開した。(1992年頃)その戦法というのが「塚田スペシャル」である。相掛かりでの戦法であったので、似ているといえば似ている。これによって、▲3六飛にかわる▲2四歩が考え出されたのだった。それにより、▲2四歩を打たれる前に8六の飛車を撤退させるのが主流となった。その理由として、相手(先手)に一手損させるのは美味しいが、それよりも▲2四歩からの仕掛けが厳しいことが挙げられる。しかし、3三金が不必要となったため、囲いが固くなり、先手の勝率が低いことは確かである。本家「塚田スペシャル」は決定的な対抗策が出てしまって廃れたが、ここにそれが受け継がれている。
他の後手の対抗策は、3三金の悪形を何とかしないといけないということで、考え付かれたのが「たこ金」である。この「たこ」は海にいる「蛸」ではなく空に浮かべる「凧」である。 この戦法は、3三の金を大胆にも、4四から飛び立たせ、2二の角の「ヒモ」を頼りに攻めていく戦法である。