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== 概要 ==
== 概要 ==
誕生の経緯は1968年に北朝鮮の朝鮮人民軍のゲリラ部隊が当時の朴正煕韓国大統領を暗殺しようと潜入した[[青瓦台襲撃未遂事件]]が起きて、大統領官邸が襲撃された。以降も武装した北朝鮮工作員が韓国に侵入するテロ事件が相次いだ。そのため、1970年の建築基準法を改定によって、当時の新築の低層住宅には、国家非常事態のための防空壕として、地下室の設置を義務づけられた。当初は貸し出すことは禁止されていたが、1980年代にソウルを中心に住宅不足危機になると貸与が解禁された<ref name=":0" />。特に家賃急騰が続くソウルでは、20代の平均月収が約200万ウォン(約18万5000円)、月々の家賃は約54万ウォン(約5万円)である半地下は貧困層にとって、選択肢になっている。太陽がまともに照らさないために薄暗く植物さえも枯れる上に居住者は特有の匂いを放つことになる。夏には、耐えられないほど蒸し暑く、あらゆるところがカビだらけになる。トイレは床から50cmほど上にあり、手を洗う場所はない。天井が低すぎるので、平均身長が極端に高い訳でもない韓国人でさえ、頭をぶつけないように両脚を思い切り広げるうように立たなければ頭をぶつけてしまう程である<ref name=":0" />。韓国国内では半地下は有名だが、ポン・ジュノ監督による「パラサイト」によって、国外での認知度が上昇した<ref name=":0" /><ref name=":1" />。
誕生の経緯は1968年に北朝鮮の朝鮮人民軍のゲリラ部隊が当時の朴正煕韓国大統領を暗殺しようと潜入した[[青瓦台襲撃未遂事件]]が起きて、大統領官邸が襲撃された。以降も武装した北朝鮮工作員が韓国に侵入するテロ事件が相次いだ。そのため、1970年の建築基準法を改定によって、当時の新築の低層住宅には、国家非常事態のための防空壕として、地下室の設置を義務づけられた。当初は貸し出すことは禁止されていたが、1980年代にソウルを中心に住宅不足危機になると貸与が解禁された<ref name=":0" />。特に家賃急騰が続くソウルでは、20代の平均月収が約200万ウォン(約18万5000円)、月々の家賃は約54万ウォン(約5万円)である半地下は貧困層にとって、選択肢になっている。太陽がまともに照らさないために薄暗く植物さえも枯れる上に居住者は特有の匂いを放つことになる。夏には、耐えられないほど蒸し暑く、あらゆるところがカビだらけになる。トイレは床から50cmほど上にあり、手を洗う場所はない。天井が低すぎるので、平均身長が極端に高い訳でもない韓国人でさえ、頭をぶつけないように両脚を思い切り広げるうように立たなければ頭をぶつけてしまう程である<ref name=":0" />。韓国国内では半地下は有名だが、ポン・ジュノ監督による「パラサイト」によって、国外での認知度が上昇した<ref name=":0" /><ref name=":1" />。

== 住居による韓国社会階級 ==
韓国では2008年に『不動産階級社会』という本によって、住居による6つの階級区分が話題になった。。

1、多住宅所有世帯の最富裕層

2、住宅所有世帯

3、所有住宅はあるがローン等のために賃貸に住む世帯

4、保証金5000万w(約500万円)以上の賃貸で暮らす世帯

5、保証金5000万w以下の賃貸で暮らす世帯

6、地下室、ビニールハウス等で暮らす最貧困層

 朝日新聞社によると、10年後の2008年時点では韓国社会の貧困格差は悪化したことで、単純な比較は出来ないが、韓国社会の第1階級が複数不動産所有者やその家族であり、最下層である第6階級に半地下や全地下といった「地下室」であることは変わりないと報じられている<ref name=":1" />。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2020年11月18日 (水) 17:02時点における版

半地下(バンジハ、はんちか)、または全地下は、韓国の最下層住居である。韓国における格差社会や貧困の象徴となっている[1][2][3][4][5]

概要

誕生の経緯は1968年に北朝鮮の朝鮮人民軍のゲリラ部隊が当時の朴正煕韓国大統領を暗殺しようと潜入した青瓦台襲撃未遂事件が起きて、大統領官邸が襲撃された。以降も武装した北朝鮮工作員が韓国に侵入するテロ事件が相次いだ。そのため、1970年の建築基準法を改定によって、当時の新築の低層住宅には、国家非常事態のための防空壕として、地下室の設置を義務づけられた。当初は貸し出すことは禁止されていたが、1980年代にソウルを中心に住宅不足危機になると貸与が解禁された[1]。特に家賃急騰が続くソウルでは、20代の平均月収が約200万ウォン(約18万5000円)、月々の家賃は約54万ウォン(約5万円)である半地下は貧困層にとって、選択肢になっている。太陽がまともに照らさないために薄暗く植物さえも枯れる上に居住者は特有の匂いを放つことになる。夏には、耐えられないほど蒸し暑く、あらゆるところがカビだらけになる。トイレは床から50cmほど上にあり、手を洗う場所はない。天井が低すぎるので、平均身長が極端に高い訳でもない韓国人でさえ、頭をぶつけないように両脚を思い切り広げるうように立たなければ頭をぶつけてしまう程である[1]。韓国国内では半地下は有名だが、ポン・ジュノ監督による「パラサイト」によって、国外での認知度が上昇した[1][3]

住居による韓国社会階級

韓国では2008年に『不動産階級社会』という本によって、住居による6つの階級区分が話題になった。。

1、多住宅所有世帯の最富裕層

2、住宅所有世帯

3、所有住宅はあるがローン等のために賃貸に住む世帯

4、保証金5000万w(約500万円)以上の賃貸で暮らす世帯

5、保証金5000万w以下の賃貸で暮らす世帯

6、地下室、ビニールハウス等で暮らす最貧困層

 朝日新聞社によると、10年後の2008年時点では韓国社会の貧困格差は悪化したことで、単純な比較は出来ないが、韓国社会の第1階級が複数不動産所有者やその家族であり、最下層である第6階級に半地下や全地下といった「地下室」であることは変わりないと報じられている[3]

脚注

  1. ^ a b c d 【写真で見る】 「パラサイト」の半地下 そこで本当に暮らす人たち”. BBCニュース (2020年2月10日). 2020年11月18日閲覧。
  2. ^ 【写真で見る】 「パラサイト」の半地下 そこで本当に暮らす人たち”. BBCニュース (2020年2月10日). 2020年11月18日閲覧。
  3. ^ a b c Company, The Asahi Shimbun. “韓国の「半地下」で暮らした私と『パラサイト』 - 伊東順子|論座 - 朝日新聞社の言論サイト”. 論座(RONZA). 2020年11月18日閲覧。
  4. ^ “Parasite: The real people living in Seoul's basement apartments” (英語). BBC News. (2020年2月10日). https://www.bbc.com/news/world-asia-51321661 2020年11月18日閲覧。 
  5. ^ 「パラサイト 半地下の家族」に出てくるアパート、住み心地は?”. BBCニュース (2020年2月10日). 2020年11月18日閲覧。