「国鉄EF64形電気機関車」の版間の差分
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
タグ: 差し戻し済み Refタグつき記述の除去 |
||
(同じ利用者による、間の3版が非表示) | |||
34行目: | 34行目: | ||
}} |
}} |
||
'''EF64形電気機関車'''(EF64がたでんききかんしゃ)は、[[日本国有鉄道]](国鉄)が[[1964年]]に開発した、[[線形 (路線)#勾配|勾配]]線区用向け[[直流電化|直流]][[電気機関車]]である。 |
'''EF64形電気機関車'''(EF64がたでんききかんしゃ)は、[[日本国有鉄道]](国鉄)が[[1964年]]に開発した、[[線形 (路線)#勾配|勾配]]線区用向け[[直流電化|直流]][[電気機関車]]である。 |
||
== 製造の経緯 == |
|||
[[1960年]]に国鉄の大型電気機関車としては最初の近代化形である[[国鉄EF60形電気機関車|EF60形]]が完成して以後、本線の列車牽引用としては[[東海道本線|東海道]]・[[山陽本線]]向けの[[国鉄EF61形電気機関車|EF61形]]と[[信越本線]]用の[[国鉄EF62形電気機関車|EF62形]]・[[国鉄EF63形電気機関車|EF63形]]が開発されていた。 |
|||
EF60形・EF61形は平坦路線牽引用、またEF62形は信越本線[[横川駅 (群馬県)|横川駅]] - [[軽井沢駅]]間の国鉄最急勾配に対応した本務機、EF63形は[[碓氷峠]]用[[補助機関車|補機]]という特殊設計となっており、他の一般勾配路線では、EF62形・EF63形が備える急勾配用の装置は必要としなかった。 |
|||
しかし一方で、[[奥羽本線]]の[[板谷峠]](1949年に直流電化、1968年に交流化し当形式は撤退)越え<ref group="注">本形式の計画時点で東北本線の交流電化が進められており、奥羽本線も[[米沢駅]] - [[山形駅]]間での電化工事が完成した後は[[福島駅 (福島県)|福島]]- 山形駅間を通して交流電化する計画であったことから、板谷峠周辺の直流変電所で[[国鉄EF16形電気機関車|EF16形]]の回生電力転換に使われていた整流器を本形式の出力に対応し力行用に転用するといった小規模な工事で済み、交流化後は他線区へも転用可能な発電ブレーキ搭載機が妥当とされた。</ref>区間や、[[中央本線]]<ref group="注">当時、回生ブレーキ搭載車である[[国鉄ED61形電気機関車|ED61形]]の重連運用が行われていたが、本務機と補機の車輪径の差異が原因とされる回生ブレーキの失効が頻発し、安定的な動作をする発電ブレーキ搭載のF級機が強く要望されていた。</ref>など、20パーミルから33パーミル程度の中勾配区間に対応する発電ブレーキ搭載の新型F級電気機関車が必要とされる直流電化路線も多く、これに対応するために開発され1964年に登場したのが本形式である。 |
|||
1964年から[[1976年]]の間に、基本番台(1 - 79)79両、[[1980年]]から[[1982年]]の間に大幅な設計変更を行った1000番台(1001 - 1053)53両の計132両が製造された。 |
|||
== 構造 == |
== 構造 == |
||
531行目: | 522行目: | ||
== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
||
{{Commonscat|JNR EF64|EF64形}} |
|||
{{国鉄の新性能電気機関車}} |
|||
{{JR東日本の車両リスト}} |
|||
{{JR東海の車両リスト}} |
|||
{{JR西日本の車両リスト}} |
|||
{{JR貨物の車両リスト}} |
|||
{{デフォルトソート:こくてつEF64}} |
|||
[[Category:日本国有鉄道の電気機関車|EF64]] |
|||
[[Category:東日本旅客鉄道の電気機関車|EF64]] |
|||
[[Category:東海旅客鉄道の電気機関車|EF64]] |
|||
[[Category:西日本旅客鉄道の電気機関車|EF64]] |
|||
[[Category:日本貨物鉄道の電気機関車|EF064]] |
|||
[[Category:1964年製の鉄道車両]] |
|||
[[Category:東芝製の電気機関車]] |
|||
[[Category:川崎重工業製の電気機関車]] |
|||
[[Category:汽車製造製の電気機関車]] |
2021年5月15日 (土) 09:25時点における版
お願い:車両の動きなどについては、Wikipedia:検証可能性に反する、個人の目撃報告や外部の私設サイトなどを典拠とする情報を記載しないでください。これらはWikipedia:出典を明記するやWikipedia:独自研究は載せない、Wikipedia:信頼できる情報源などの方針により除去されることがあります。 |
国鉄EF64形電気機関車 | |
---|---|
EF64 1052 | |
基本情報 | |
運用者 |
日本国有鉄道 東日本旅客鉄道 東海旅客鉄道 西日本旅客鉄道 日本貨物鉄道 |
製造所 |
東京芝浦電気(基本番台のみ) 川崎電機製造・川崎車輛(基本番台のみ)→富士電機・川崎重工業 東洋電機製造・汽車製造(基本番台のみ) 東洋電機製造・川崎重工業 |
製造年 | 1964年 - 1982年 |
製造数 | 132両 |
主要諸元 | |
軸配置 | Bo - Bo - Bo |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500V (架空電車線方式) |
全長 |
17,900 mm *1 18,600 mm *2 |
全幅 |
2,800 mm *1 2,900 mm *2 |
全高 |
3,959 mm *1 4,062 mm *2 |
運転整備重量 | 96.0 t |
台車 |
DT120A形(両端 DT121A形(中間)*1 DT138A形(両端)DT139A形(中間)*2 |
動力伝達方式 | 1段歯車減速吊り掛け式 |
主電動機 |
直流直巻電動機 MT52(MT52A・MT52B)形×6基 |
歯車比 | 18:69=1:3.83 |
制御方式 |
抵抗制御・3段組合せ・弱め界磁 (バーニア制御付) |
制御装置 | 自動進段電動カム軸制御 |
制動装置 |
EL14AS形自動空気ブレーキ 抑速発電ブレーキ |
保安装置 | ATS-S(新製時) |
最高速度 | 100 km/h |
設計最高速度 | 115 km/h |
定格速度 | 45.0 km/h(1時間定格・全界磁) |
定格出力 | 2,550 kW |
定格引張力 | 20,350 kgf |
備考 |
*1:基本番台 *2:1000番台 |
EF64形電気機関車(EF64がたでんききかんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が1964年に開発した、勾配線区用向け直流電気機関車である。
構造
※全車に共通的な事柄のみ記す。
車体
重連運転を行うことからEF62形・EF63形と同様の前面貫通形となっているが、前面窓部分の傾斜をなくしているためEF62形・EF63形とは若干印象の異なる前面形状となった。
また本形式では車体塗装をぶどう色2号(茶色)ではなく、青15号に前面下半部のみクリーム1号の新塗装としている。従来は寝台特急列車牽引用のEF60形500番台のみが青色とクリーム色のツートンカラーであったが、本形式以降、直流新形電気機関車はすべてこの塗装が採用[注 1]されることとなった。
搭載機器
EF62形をベースに、軸配置を2軸ボギー3台車の一般的な配置「Bo - Bo - Bo」に戻し、併せて歯車比をEF62形の16:71=1:4.44から高速性能をやや重視した18:69=1:3.83に変更した。
制御方式は、直列・直並列・並列の3段組み合わせ制御である[1]。制御装置として、電動カム軸式抵抗制御器(CS22)、電動カム軸式転換・バーニア制御器(CS23)、電動カム軸式界磁制御器(CS24)を搭載する[1]。勾配区間での空転・滑走対策としてはEF62形を基にした主回路の橋絡渡り接続、ノッチ細分化や軸重補償が採用された[2]。
主電動機は設計当時の国鉄電気機関車で標準的に採用されていた直流直巻整流子電動機のMT52(端子電圧750V時1時間定格定格出力425kW)を6基搭載する。総定格出力は2,550kWである。
重連運転を想定し、重連総括制御装置と正面貫通扉を備え、また下り坂での安全対策のため発電ブレーキを搭載する。発電ブレーキが速やかに立ち上がるよう、本形式の逆転器は界磁電流の向きを変える界磁転換方式[注 2]ではなく、電機子電流の向きを変えるという電機子転換方式を採用した。発電ブレーキはあくまで66.7パーミルでの運用を前提としたEF62形に対し、25 - 35パーミル前後の勾配で運用することを基本に編成重量に応じた均衡速度を選択できるものとなり、EF62・EF63形で採用した発電ブレーキ時のバーニア制御等、急勾配対策の特殊装備は省略されている[3]。
客車列車に使用するため電気暖房装置(EG)[注 3]を搭載した車両と、未搭載の貨物列車専用機が存在する。
番台区分別概説
基本番台
勾配線用で発電ブレーキを常用する設計であることから、抵抗器の放熱を効率よく行うため、車体側面のエアフィルタ部の開口面積を大きく設計してあるのが特徴である。79両が製造された。
台車は、同じ軸配置B-B-BかつMT52系電動機搭載のEF70形用をベースとした、DT120A(両端台車)およびDT121A(中間台車)を装着する[4]。
制御器用電源として、MH81B-DM44B二相交流式電動発電機を搭載する。交流60Hz、5kVAの容量を備え、交流24V、交流50V、交流100Vのほか、整流器を介して直流100Vを供給する。加えて、EG搭載機にはMH107A-DM69A電動発電機を搭載する。
空気ブレーキなどで使用される圧縮空気を供給する電動空気圧縮機は、架線からの直流1,500Vを電源としたシロッコファン式の MH92B-C3000 を1基搭載する。
冷却用の電動送風機は架線からの直流1,500Vを電源とし、主電動機用として MH91I-FK102 を2基、主抵抗器用として MH110-FK77 を6基搭載する[5]。
また、当初の投入区間が豪雪地帯である板谷峠であったことから、EF16形を参考に寒冷地対策も重視され汽笛はAW2形とAW5形の二種類を装備、台車の砂撒き管には凍結対策のヒーターを備えたほか[6]、運転室前面窓上にはツララ切り、窓周囲には防護柵(プロテクター)取り付け用のボルトが備えられた[注 4]。
- 1・2
- 1964年11月に落成した量産試作車。
(山陽本線西阿知駅 - 倉敷駅間 2007年11月7日)
- 3 - 12
- 1965年7月から9月にかけて落成した1次量産車。
2002年9月10日
- 29・30
- 1968年9月に落成した3次量産車。
- 31 - 36
- 1970年1月から4月にかけて落成した4次量産車。
(深谷駅-岡部駅間 2021年2月4日)
- 37 - 43
- 1971年3月から5月にかけて落成した5次量産車。
- 抵抗制御器をCS22BからCS22Cに変更。
- バーニア制御器をCS23BからCS23Cに変更。
- 界磁制御器をCS24AからCS24Bに変更。
- 単位スイッチをSR114からSR124に、SR117からSR125に変更。
- 前面貫通扉ステップの形状変更。
- 前面窓がデフロスタから熱線入りガラスに変更。
- 空転滑走検知装置を車軸発電機方式から電機子電流の変化を検知する方式へ変更。
- 44・45
- 1971年9月に落成した6次量産車。仕様は5次量産車と同一。
(坂城駅 2008年3月11日)
- 46 - 75
- 1973年3月から7月にかけて落成した7次量産車。
- 抵抗制御器をCS22CからCS22Dに変更。
- バーニア制御器をCS23CからCS23Dに変更。
- 界磁制御器をCS24BからCS24Cに変更。
- 制御器前面に観音扉を取付。
- 以上4点は雪害対策の一環[9]。
- 76 - 79
- 1976年1月に落成した8次量産車の76・77と同年11月に落成した9次量産車の78・79に大別される。
なお、各製造次別の製造メーカー・EG搭載・新製配置・名目は下記表を参照。
製造次 | 車両番号 | 製造メーカー | 電気暖房用EG | 予算 | 製造名目 | 新製配置 |
---|---|---|---|---|---|---|
量産試作車 | 1 | 東芝 | 搭載 | 昭和38年度第3次債務 | 奥羽本線板谷峠対応EF16形取替 | 福島機関区 |
2 | 川崎車輛 川崎電機製造 | |||||
1次量産車 | 3 - 7 | 東芝 | 昭和39年度第5次債務 | |||
8 - 12 | 川崎車輛・ 川崎電気製造 | |||||
2次量産車 | 13 | 東芝 | 未搭載 | 昭和40年度第2次民有 | 中央東線および既電化区間輸送力増強用 | 甲府機関区 |
14・15 | 川崎車輛 川崎電気製造 | |||||
16 - 20 | 東芝 | 昭和40年度第1次債務 | 中央西線名古屋 - 瑞浪間電化開業[注 6] | |||
21 - 28 | 川崎車輛 川崎電気製造 | |||||
3次量産車 | 29・30 | 昭和42年度第3次債務 | 中央西線瑞浪 - 中津川間電化開業 | 稲沢第二機関区 | ||
4次量産車 | 31・32 | 川崎重工業 富士電機[注 7] |
搭載 | 昭和44年度民有 | 新東京国際空港資材運搬 | 甲府機関区 |
33 - 36 | 昭和44年度第2次債務 | 中央東線・飯田線・身延線貨物列車輸送力増強 | ||||
5次量産車 | 37 - 39 | 汽車製造 東洋電機製造 |
昭和45年度第1次債務 | 飯田線・身延線等貨物列車輸送力増強および 中央東線電気機関車新性能化 | ||
40 - 43 | 川崎重工業 富士電機 | |||||
6次量産車 | 44 | 汽車製造 東洋電機製造 |
昭和45年度第3次債務 | 中央東線石油専用列車増発 | ||
45 | 川崎重工業 富士電機 | |||||
7次量産車 | 46 - 50 | 川崎重工業[注 8] 東洋電機製造 |
昭和48年度民有 | 中央西線中津川 - 塩尻間および 篠ノ井線松本 - 篠ノ井間電化開業 |
篠ノ井機関区 | |
51 - 55 | 川崎重工業 富士電機 |
長野運転所[注 9] | ||||
56 - 64 | 川崎重工業 東洋電機製造 |
未搭載 | 甲府機関区[注 10] 長野運転所[注 11] | |||
65 - 75 | 川崎重工業 富士電機 |
稲沢第二機関区[注 12] 長野運転所[注 13] | ||||
8次量産車 | 76 | 昭和49年度第3次債務 | 飯田線旧型電気機関車代替[注 14] | 甲府機関区 | ||
77 | 川崎重工業 東洋電機製造 | |||||
9次量産車 | 78・79 | 昭和50年度第2次債務 |
1000番台
側面の造型に特徴を持つ
2005年7月22日 拝島駅
1000番台は1970年代末期に開発された国鉄最後の直流電気機関車である。上越線や高崎線で当時使われていたEF58形・EF15形・EF16形の置き換え用に1980年より投入された。
1011号機は川崎重工業の機関車(SL・EL・DL)製造累計4,500号車であり、兵庫工場で記念式典が行われた[10]。ラストナンバーは1982年(昭和57年)10月28日落成[11]の1053号機であり、同機は国鉄最後の新製機関車である[11]。
性能は基本番台とほぼ同様であるが、各部仕様は基礎から再検討がなされたため、基本番台との差異は大きい。計画にあっては形式の変更もあり得たが、労働組合との間で新型機関車導入に関わる難しい折衝を行う必要があるので在来機のマイナーチェンジ(新規番台区分)扱い[注 15]とした。
上越線の沿線が国内有数の豪雪地帯であったことから、雪害対策を特に重視し、車内機器配置方法は大きく変更された。車体側面の一端に大型のブロアールーバーがあり、ここが第2機器室、その前後が第1機器室、第3機器室と3分割にされた。主抵抗器とその送風機や主電動機送風機など冷却空気の必要な機器を第2機器室に集中して配置し、主抵抗器の排熱風をルーバーとその内側のフィルタの間に還流することで防雪対策としているほか、運転室の防音にも配慮している。第1機器室と第3機器室には発熱の少ない機器が配置されているが、主電動機送風機で室内を与圧することで粉雪や塵埃の侵入を抑止し、防雪・防塵対策としている。この結果、他の国鉄電機では見られない側面左右非対称の車体になった。
耐雪装備を大幅に強化し、本形式基本番台やEF65形の一部、EF81形の一部に搭載されている発熱体付きの砂管は、通常の塗装では熱により塗膜が劣化、剥離するため、アルミ粉が含まれた耐熱塗料で塗装されている。
制御装置は基本番台最終増備車に準じたCS22D抵抗制御器・CS23Dバーニア制御器・CS24C界磁制御器を搭載しており、1000番台・基本番台双方との重連総括運転[注 16]が可能である。
制御器および補機の動作用電源として、電動発電機はDM104ブラシレス直流電動機を採用してブラシレス化を行い、電気暖房用電源(EG)はサイリスタを使用したSC14静止形インバータ[注 17]とした。
主抵抗器は基本番台のMR74では発電ブレーキ時の容量が不足することから新設計のMR146に、主電動機は電機子軸径とブラシ保持器改良などを図ったMT52Bに、集電装置はPS22B下枠交差式パンタグラフとなった。
車体が長くなった結果、基本番台の台車では両端台車の首振り角および中間台車の左右動幅が不足するため、EF81形にて実績のある揺れ枕省略形のDT138・DT139に勾配途中での長時間停車時に使用するブレーキシリンダロック装置を追加した、DT138A(両端台車)/DT139A(中間台車)とした。
空気ブレーキなどで使用される圧縮空気を供給する電動空気圧縮機は、MH3064A-C3000形を1基搭載する。これはEF66形0番台2次車と同様のものである。
電動機などの冷却に使用する電動送風機は、主電動機用としてMH3084-FK144を、抵抗器用としてMH3085-FK145を、それぞれ1基ずつ搭載する。
なお、2次車からは集電装置がPS22Cに変更され、上越線水上 - 石打間補機運用に充当する際、深夜に重連総括制御用ジャンパ連結器などを着脱する際の照明の設置が求められたことから、正面ジャンパ連結器上部に斜め下向きの作業灯[注 18]が追加設置されている。
- 1000番台番号別分類
製造次 | 車両番号 | 製造メーカー | 電気暖房用EG | 予算 | 新製配置 |
---|---|---|---|---|---|
1次車 | 1001 - 1007 | 川崎重工業 東洋電機製造 |
搭載 | 昭和54年度第2次債務 | 長岡運転所 |
1008 - 1016 | 川崎重工業 富士電機 | ||||
2次車 | 1017 - 1023 | 川崎重工業 東洋電機製造 |
昭和55年度第1次債務 | ||
1024 - 1032 | 川崎重工業 富士電機 | ||||
3次車 | 1033 - 1041 | 川崎重工業 東洋電機製造 |
未搭載 | 昭和56年度第1次債務 | |
1042 - 1053 | 川崎重工業 富士電機 |
1000番台製造時、川崎重工業兵庫工場での車体製作スケジュールが確保できなかったため[13]、同社宇都宮工場(1986年廃止)で車体製作と塗装を実施し[13]、完成した構体を兵庫工場まで輸送して最終的な艤装作業が実施された[13]。
運用
国鉄時代
1964年から1965年にかけて落成した最初の12両は直流電化区間だった奥羽本線板谷峠越え(福島 - 米沢間)のEF16形置換え用として福島機関区に配置され、試運転を経て1965年10月からEF16形に代わり本格的な運用を開始、急行「津軽」に代表される客車列車、貨物列車の牽引だけでなく、同区間を通る気動車特急であった「つばさ」「やまばと」の前補機も務めたが、これらは1968年の同線交流化に伴い、全機が稲沢第二機関区に転出した[14]。
1966年から製造された基本番台増備車は甲府機関区・長野運転所・篠ノ井機関区・稲沢第二機関区などに配置され、主に中央本線・篠ノ井線で運用された。
上越線への1000番台投入の前には乗務員訓練・営業運転などで、基本番台5両が長岡運転所に転出し上野 - 長岡間で急行「能登」や寝台特急「北陸」などを牽引するなど1000番台と共用されたが、計画両数が出揃った後に再び転配された。
寝台特急「出羽」
1984年
1000番台53両は落成時点では全車が長岡運転所に配置され、増備車が落成すると一部は高崎第二機関区(現・高崎機関区)に転出したが、いずれも上越線で使用された。
1980年には伯備線電化に備え、基本番台の一部が岡山機関区に転出したほか、1987年には長岡運転所から1000番台も転出した。また1984年に青梅線・南武線の貨物列車で使用していたED16形の取替えのため基本番台・1000番台の一部が八王子機関区(現・八王子総合鉄道部)に転出した。
58[注 19]は1978年10月に長野県で開催されたやまびこ国体、77は1986年10月に山梨県で開催されたかいじ国体の際にそれぞれお召し列車を牽引した[15][注 20]。お召し予備機の62とあわせて供奉車との電話用栓受けが設置されている。塗装は58は連結器および解放テコ・手すりなどが銀色に装飾されただけなのに対し、77は車体側面に白線が追加されているが、後の更新でJR貨物標準色となり、お召し機としての特徴を失った。
JR発足後
1987年の国鉄分割民営化では本形式は基本番台・1000番台とも製造された全車がJRに承継された。貨物列車牽引用に使用されていた車両が多く日本貨物鉄道(JR貨物)に全体の85%に及ぶ113両(基本番台68両・1000番台45両)が、東日本旅客鉄道(JR東日本)に14両(基本番台6両・1000番台8両)が、東海旅客鉄道(JR東海)に基本番台3両が、西日本旅客鉄道(JR西日本)に基本番台2両がそれぞれ承継された。
会社 | 所属 | 車両番号 | 総数 | |
---|---|---|---|---|
JR東日本 | 高崎運転所 | 36 - 39・1001 | 5両 | 14両 |
北長野運転所 | 41・42 | 2両 | ||
長岡運転区 | 1029 - 1032・1051 - 1053 | 7両 | ||
JR東海 | 名古屋車両区 | 2・35・66 | 3両 | 3両 |
JR西日本 | 下関運転所 | 1・9 | 2両 | 2両 |
JR貨物 | 高崎機関区 | 3・8・1002 - 1028・1033 - 1047 | 44両 | 113両 |
塩尻機関区 | 10・13 - 26・43 - 55・58 - 64・68 - 70 | 27両 | ||
稲沢機関区 | 4 - 7・11・12・27 - 34・56・57・65・67・71 - 79 | 38両 | ||
岡山機関区 | 40・1048 - 1050 | 4両 |
JR東日本
現在は定期運用を持たず、臨時列車・ジョイフルトレイン・工臨・配給列車(#電車牽引用特殊装備の設置も参照)で運用される。
以前は寝台特急牽引の定期運用があった。運用区間はいずれも上野駅 - 長岡駅間で1000番台が充当され、民営化時は「北陸」と「出羽」を担当。1990年9月からは「鳥海」が加わり3往復体制になるが、「出羽」・「鳥海」は1997年3月までに廃止。2009年3月14日から冬季定時性確保のため「あけぼの」がEF81形から1000番台へ変更。さらに翌2010年3月12日の「北陸」廃止までの1年間だけ0番台(37・38)も運用に投入された。その後37・38は高崎車両センターへ戻り、1000番台が2014年3月14日の「あけぼの」の廃止まで担当した。2015年には、1052・1053が長岡車両センターから高崎車両センターへ転属、老朽化の進んでいる38・39を置き換えた。
JR東海
ジョイフルトレイン「ユーロライナー」の牽引や工臨に充当された。
民営化時は名古屋車両所に配置されていたが、後に静岡車両区に転属した。2005年の「ユーロライナー」消滅後は、もっぱら工臨運用に充当されるケースが多かったが、2008年にレール輸送用キヤ97系が登場。本形式による工臨運用も置換えられ、2009年1月16日付で2が廃車されJR東海所有の本形式は消滅した。
JR西日本
民営化時には下関運転所に配置されていたが、後に岡山電車区に転属した。
稼動状態にあったのは9のみで山陽本線・伯備線・山陰本線などで臨時列車や工臨運用のほか、JR貨物岡山機関区の代走運用にも投入された。
2009年までに2両とも廃車となり、JR西日本所有の本形式は消滅した。
JR貨物
後継形式開発遅れのため基本番台初期車には製造後35年以上の経年車が存在するものの1000番台とともに2002年まで廃車は発生していなかった。しかし、2003年に後継機であるEH200形が開発されたことから初の廃車が発生した。
基本番台はその後もEH200形の増備進展に伴い淘汰が進行しており、2007年3月18日のダイヤ改正では、塩尻機関区篠ノ井派出が担当する中央東線運用の大半をEH200形で代替した。さらに2008年3月15日のダイヤ改正では篠ノ井派出の運用が消滅。同派出所属で全般検査期限に余裕がある更新機と高崎機関区所属の1000番台4両が愛知機関区へ転出した。
2010年3月のダイヤ改正では、上越線での定期運用が終了。岡山機関区・高崎機関区所属車が愛知機関区に転出し集中配置となった。
- 元岡山機関区所属車(1046 - 1050)は伯備線での重連総括運用が存在しないことから、空気元ダメ管や釣り合い管のホース類が撤去されていたが、配置統合後の2010年後半から重連運用を可能とするために再設された[16]。
2011年3月からJR東海管内でATS-PTが運用開始されたため中央西線・篠ノ井線運用が1000番台に置換えられた[17]。
- 0番台はATS-PF未搭載のため伯備線のみで運用。
2012年3月ダイヤ改正以降の運用線区は、東北本線(黒磯以南)・高崎線・東海道本線・成田線・鹿島線・中央西線・篠ノ井線・伯備線である。
- このうち成田線・鹿島線は、新鶴見機関区所属EF65形が担当していた運用移管によるものである[18]。
- 首都圏送り込みを兼ねていた中央東線運用および高崎線重連運用がEH200形に統一されたため首都圏での重連運用が消滅[19]。代替の送り込み運用として東海道本線1往復が設定された[20]。
2013年現在、重連運用は東海道本線(稲沢 – 名古屋)・中央西線・篠ノ井線のみである。0番台は3月末で全機運用を離脱した。
2014年3月ダイヤ改正では、中央東線での運用が復活した。
2013年度から2014年度にかけ、1000番台の未更新機1040・1048・1050が愛知機関区構内で解体された。保留車となっていた0番台は2015年3月1日時点で全車除籍済みとなっており、愛知機関区構内で解体された。
改造・塗色変更など
塗装変更機
EF64 37 2005年1月21日 八王子 | ||
EF64 37
2005年1月21日 八王子 |
EF64 41 金ナンバー車
2007年2月4日 |
- 37・41(ぶどう色塗装機)
- 37は、2003年4月に茶色(ぶどう色2号)[注 21]一色塗装とされた[21]。2009年3月までは高崎車両センター高崎支所配置・甲府運転区常駐の形で、おもに中央東線の工事列車や団体臨時列車に使用されていた。2009年3月14日のダイヤ改正時に長岡車両センターに転属し寝台特急「あけぼの」[注 22]の牽引にも充当されるようになったが、「北陸」の廃止による必要車両数減により2010年3月13日付で高崎車両センターへ転属となった。
- 2006年5月、同年6月に中央本線塩尻 - 辰野 - 岡谷間で運転される「たつのぴっかり号」「くりちゃん号」にあわせて、長野総合車両センター配置の41も37と同様にぶどう色塗装となり、同時に車両番号表記と製造銘板の文字が金色になった。折しも同センターに配置されている客車ジョイフルトレイン「浪漫」もこのころに運用離脱の噂が立っており、同車が運用離脱するまでの間は僚機の42よりも41が運用されるようになった。「浪漫」と42の運用離脱後も工事列車やJR西日本所有のジョイフルトレイン「あすか」の牽引に用いられたが、41は2008年7月に運用を終え廃車解体された。37は2018年から2019年にかけて秋田総合車両センターで全般検査が施行され、出場時に新性能直流電機標準色に戻され、この塗装は消滅した[22][23]。
- 1001・1052(ぶどう色塗装機)
- 高崎車両センターに配置されている1052が2018年4月に、1001に代わりぶどう色塗装機となって検査から出場した[24]。
- 以前は1001が同塗装機で、1987年3月にお座敷客車「くつろぎ」をはじめとするイベント列車牽引ならびに、EF55 1の補機としてぶどう色1色に白帯を配した塗装に変更された。
- 同機は主に高崎・上越線の工事列車・臨時列車で使用されているほか、団体臨時列車の牽引などで東海道・中央・信越・伊東線・日光線などに入線した事例もある。また、きわめて稀な例だがブルートレインの臨時牽引も担当し、廃止される以前の「北陸」や、故障により運用に就くことが不可能となった国鉄EF81形電気機関車などの代走として「あけぼの」の運用に就当されたこともある。同センターに配置されているD51 498蒸気機関車の無火回送の牽引仕業に充てられる場合もある。1001は2017年に秋田総合車両センターで全般検査が施行され、出場時に国鉄色に戻された[25]。
- 35・66(「ユーロライナー」専用機)
- 1985年8月に登場した12系ジョイフルトレイン「ユーロライナー」の専用機として、66が当時は稲沢機関区(現・愛知機関区)に所属していた。(塗色変更は鷹取工場で実施)DD51形とともに塗色変更されたもので、本形式としては初の塗色変更機である。同機は国鉄分割民営化後はJR東海に承継された。追加として35が1990年の全般検査で塗装変更された。
- 1010 JR貨物試験塗装
- 前面の塗り分けは青とクリームのままで、側面に大きく「JR」の黄文字が施された。後に前面のクリーム色が黄色に変更されたが、最終的に後述の大宮車両所更新機塗装になった。
JR貨物更新工事
本形式の老朽化による故障防止と修繕費用の低減および設備投資抑制の観点から更新工事が施工された[26]。
EF64 67(広島車両所更新)
2011年10月2日 備中神代 |
EF64 67(左 広島車両所更新)
EF64 68(右 大宮車両所更新) 下部青帯の位置など意匠の違いに注意 |
0番台に対しては1995年から、1000番台に関しては2003年から施工された。更新A工事の施工内容は以下のとおりである[27]。
- 主要電気配線の交換
- 主電動機電機子軸強化
- 主電動機電機子コイル巻き替えおよび絶縁強化
- 電動発電機・電動送風機の絶縁強化
- 一体圧延車輪の採用
- 車体外板の補修と貫通扉・側扉の交換
- 運転室整備(シート交換・塗色変更)
- 機械式記録式速度計の電気式化
1993年には更新B工事が開始され、台車台枠新製および制御装置の換装が追加されているが、予算都合上更新A工事に比べると施行数は少ない[28]。
更新工事を施工した機関車は未施工機と区別する必要性から車体塗装が変更された。
- 0番台
ライトパープルをベースにディープブルーとスカイブルーで塗り分け(3色更新色)、乗務員扉はからし色[注 23]とされた。広島車両所施工車は、塗装工程簡略化の観点[注 24]から貫通扉もからし色のままで鎧戸はディープブルー一色とされた[29]。大宮車両所施行車に関しても塗装工程簡略化を考慮し、1997年よりライトパープルとディープブルー(2色更新色)になっている[30]。その後の全般検査は全車大宮車両所施工となったが、57は2色更新色に変更されたものの67は広島式更新塗装を継承した塗色するなどの差異が存在する。
0番台施工車は以下のとおり。
- 43・47 - 51・53・56・57・59 - 65・67・68・70・72 - 77・79
- 1000番台(大宮車両所施行)
大宮車両所更新
最初に竣工した1015の車体塗装はEF65形・EF66形などと共通のJR貨物標準色であったが、EF65 1000番台との識別を容易にするため、2003年夏以降に更新された1009以降は青を基調に白の斜めストライプを配した大宮車両所独自のデザインに変更された。また、本塗装はさらに改良が加えられ、前後ストライプ間のエアフィルター上部屋根肩にも白が入るようになり、以降このスタイルとなった。
同所での施工車は、以下のとおり。
- 1002 - 1005・1007 - 1011・1013・1015・1017・1018・1020 - 1028・1033 - 1036・1038・1039・1042 - 1045
- 1000番台(広島車両所施行)
岡山機関区配置機は、1047が2006年7月に、1049が同年11月に、1046が2007年2月に広島車両所で施工された。塗装は大宮車両所施工車と異なる独自デザインとされたが、1047は2012年全般検査の際、大宮式更新塗色に変更された。1049は2013年5月・1046は2013年10月に大宮車両所で全般検査を受けたが、広島車両所デザインを踏襲した塗色で出場した[注 25]。
電車牽引用特殊装備の設置
2010年3月8日 大宮
総合車両製作所新津事業所(旧・JR東日本新津車両製作所)では、JR東日本の首都圏向け通勤形・一般形電車を製造しているが、同所で落成した車両を首都圏へ配給回送[注 26]するため、電車牽引用装備を長岡車両センター配置の1030・1031・1032が装備する。
各総合車両センターで改造落成した車両の配給回送でも運用されるほか、廃車車両の解体作業が従来の大宮総合車両センターから長野総合車両センターに移管されたため、長野への廃車車両の牽引回送でも運用される。その様子を指して、愛好家からは「死神」という俗称で呼ばれる事もある[31]。
特殊な例では、E233系をベースとする小田急電鉄の4000形電車が、乗り入れ先の常磐緩行線に導入が予定されていたCBTC関連工事(白紙化[32])及び、千代田線ホームドア関連工事を行うため、1030〜1032号機の牽引で、事前に回送してあった松戸車両センターから大宮総合車両センターに配給回送されたことがある[33]。
現状
- JR貨物
2019年3月15日現在[34]
- 愛知機関区
- 1002-1005・1008-1011・1013・1015・1017・1018・1020-1028・1033・1034・1035-1039・1042-1044・1046・1047・1049号機
- JR東日本
2020年4月1日現在[35]
廃車
2015年度までに64両(基本番台57両・1000番台7両)が廃車された。
※この書体は更新施工車
- 2003年度:11両
- JR東日本:1029
- JR貨物:3・5・6・7・8・14・21・24・25・26
- 2004年度:7両
- JR貨物:11・16・17・18・19・23・32
- 2005年度:2両
- JR貨物:13・18・65
- 2006年度:5両
- JR東日本:42
- JR貨物:12・27・28・29
- 2007年度:14両
- JR貨物:22・30・40・44・45・46・48・49・50・52・54・55・58・62
- 2008年度:17両
- JR東日本:41
- JR東海:2・35・66
- JR西日本:1・9
- JR貨物:4・15・20・56・57・64・69・71・73・78・79
- 2011年度:1両
- JR東日本:36
- 2012年度:1両
- JR貨物:1007
- 2013年度:3両
- JR貨物:1040・1048・1050
- 2015年度:4両
- JR東日本:38・39
- JR貨物:1014・1041
- 2017年度:1両
- JR貨物:1012
- 2018年度:3両
- JR貨物:1006・1016・1019
国鉄色へ復帰
JR貨物所属のEF64 1000番台の未更新機は2018年までに廃車または運用離脱した[注 28]ため、更新工事施工車のみの稼動となり未更新機と区別する必要がなくなったことから、塗装工程の簡略化のため同形機をかつての塗色であった国鉄色に復帰することにした。まず、2017年11月21日に1028号機が大宮車両所での全般検査で、国鉄色に復帰して出場した。1028号機は2017年12月に運用に復帰している。また、1022号機も全般検査を受け2018年3月19日に国鉄色に復帰して出場した[38]。今後は、全般検査で同車両所へ入場する同形機を順次国鉄色へ復帰させる予定である[注 29]。また、EF200形以降や更新機で使われていた塗料が製造中止になったため、1022号機以降から使用塗料を変更している。
復帰施工機は、2020年5月現在をベース[39]とするが、同年7月に施工済み機が1機増加したため、全体的には2020年7月現在とする[40]。
- 1021 - 1026・1028・1033・1034・1036 - 1038・1043・1044・1049号機
保存機
画像 | 番号 | 所在地 | 備考 |
---|---|---|---|
EF64 18 | 山梨県甲州市勝沼町菱山3040 勝沼ぶどう郷駅前公園 |
2005年(平成17年)に廃車。翌2006年(平成18年)11月より保存展示。 | |
EF64 77 | 愛知県稲沢市 愛知機関区 ※解体済み |
廃車後にJR更新色から、かいじ国体に合わせて運行されたお召し列車牽引時の塗色に復元され、長らく屋外に長期保管されていたが、2019年(令和元年)11月に一部の部品を抜き取った上で同機関区解体線に移動し[41]、翌2020年(令和2年)1月に解体された。 | |
EF64 22 | 鳥取県八頭郡八頭町 ※カットボディ |
個人所有 |
脚注
注釈
- ^ 旧形のEF58形も後にこの色に塗り替えられた。
- ^ EF60形やEF65形に搭載されている。
- ^ EG搭載車両は車端部1位・3位側の乗務員室扉脇に表示灯(EG灯)を備えているので判別可能である。なお2009年現在は機関車のEGを必要とする客車が現存しないため電気暖房装置は使用されていない。
- ^ 板谷峠で運用された1 - 12は冬期に防護柵を装備したが他の線区では使用されず、1 - 12も福島機関区からの転出後は使用しなくなり、31以降は装備自体が廃止された。
- ^ 未装備の45までと重連運転する際には元空気ダメ設定圧力の差により安全弁が作動するため、1973年以降は圧力ゲージ目盛板、調圧機圧力、安全弁を45以前と同じにし、増圧装置の使用を取り止めた。
- ^ 実際には中央東線に本形式を投入し、当時同線で運用されていたEF60形を中央西線電化開業用に捻出。
- ^ 川崎車輛は1969年4月に川崎重工業に、川崎電機製造は1968年10月に富士電機にそれぞれ合併。
- ^ 汽車製造は1972年に川崎重工業に合併。
- ^ 篠ノ井機関区開設までの配置で短期間で転属。
- ^ 56・57
- ^ 58 - 64
- ^ 65 - 67・71・72
- ^ 68 - 70・73 - 75
- ^ 当時中央東線で運用されていたED61形をED62形に改造の上飯田線に投入し、老朽化が進んでいたED18形・ED19形を代替。
- ^ 同様な事例としてディーゼル機関車のDD51形800番台と交流電気機関車のED76形500番台がある[12]。
- ^ 基本番台との重連総括は一部機能の制約があるほか、増圧ブレーキ有無の関係で元空気ダメ設定圧力が基本番台は780kPa、1000番台は880kPaと異なるため、短期間の試験を除いて実際の運用例はない。
- ^ 搭載は1001 - 1032までで、1033 - 1053は貨物列車専用として搭載を省略。
- ^ 1次車にも後に装備された。
- ^ 2008年3月25日廃車。
- ^ 77は国鉄最後のお召し列車牽引機となる。
- ^ EF64形は登場時から全機青15号とクリーム色1号の塗り分けであるが、2落成時に試験塗装としてごくわずかの期間だけぶどう色を纏った時期があった。
- ^ 0番台は専ら「あけぼの」専用で、「北陸」は2009年9月に数回38が充当されたのみ。37の「北陸」牽引は実現せず終わっている。
- ^ 更新時期によって塗り分けの位置が60mm程度異なる。
- ^ 3色更新色と比べて2日の行程短縮が可能となった。
- ^ 側面の運転台窓がつや消し黒で塗装されていないなど、細部は異なる。
- ^ 新津車両製作所時代は、JR東日本が自社製造→自社使用したために配給列車となっていた。総合車両製作所移管後は試運転を終えた後に新潟車両センターへ入区してJR東日本へ引き渡しを行った後、同センターから同様に配給列車として輸送されている。新津車両製作所では他鉄道事業者向けの車両製造も行っていたが、その場合は甲種輸送となり、牽引機もJR貨物所属のEF64形となっていた。
- ^ E231系・E233系・E235系・E531系の配給の場合、電車側のパンタグラフも上げ通電状態での牽引回送を行う。これは、電車側ブレーキ機器の動作指令から必要となる。
- ^ 未更新機で国鉄色だった1019号機が休車となり、運用離脱した。
- ^ ただし、EF64 1000番台自体の車齢が約40年で、その置き換えにEH200形の増備も考えられ、全般検査も年に数両のペースで実施されていることから、現在籍機全てが国鉄色に復帰する可能性は低いものと見られる。
出典
- ^ a b 『Rail Magazine』338、ネコ・パブリッシング、2011年、p.110
- ^ 『レイル』1983年春の号、プレス・アイゼンバーン、p.67
- ^ 『レイル』1983年春の号、プレス・アイゼンバーン、p.67
- ^ 『J-train』vol.35、2009年、イカロス出版、p.19
- ^ 「電車モーターを設計していたころ」(PDF)『わだち』第128号、鉄道友の会福井支部、2010年1月。
- ^ 『レイル』1983年春の号、プレス・アイゼンバーン、p.67
- ^ a b c 『Rail Magazine』339、2011年、ネコ・パブリッシング、p.91
- ^ 『レイル』1983年春の号、プレス・アイゼンバーン、p.67
- ^ 『Rail Magazine』339、2011年、ネコ・パブリッシング、p.95
- ^ 川崎重工業「車両とともに明日を拓く 兵庫工場90年史(資料集)」205P。
- ^ a b 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトアリル」1987年5月臨時増刊号新車年鑑1987年版24P記事。
- ^ 石井幸孝「DD51物語」P149,2004年、JTBパブリッシング
- ^ a b c 交友社「鉄道ファン」1986年12月号連載記事「直流新形電機出生の記録10」98-101P記事。
- ^ 『レイル』1983年春の号、プレス・アイゼンバーン、p.68-70
- ^ 『鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、123頁。
- ^ 『J-train』Vol.42、イカロス出版、2011年、pp.20 - 21
- ^ 『Rail Magazine』338、ネコ・パブリッシング2011年、p.41
- ^ 『J-train』Vol.46、イカロス出版、2012年、p.8
- ^ 『J-train』Vol.46、イカロス出版、2012年、p.7
- ^ 『J-train』Vol.46、イカロス出版、2012年、p.9
- ^ 「RAILWAY TOPICS(高崎運転所のEF64形37号機 茶色に塗色変更)」『鉄道ジャーナル』第37巻第8号、鉄道ジャーナル社、2003年8月1日、96頁。
- ^ “【JR東】EF64 37+DE10 1603秋田総合車両センター入場 |2nd-train鉄道ニュース”. 2nd-train. 2019年8月28日閲覧。
- ^ “【JR東】EF64-37秋田総合車両センター出場配給 |2nd-train鉄道ニュース”. 2nd-train. 2019年8月28日閲覧。
- ^ “EF64 1052とDE10 1752が秋田総合車両センターから出場”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2018年4月5日). 2018年4月7日閲覧。
- ^ “JR東日本EF64 1001、国鉄色に復帰!”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2017年10月27日). 2017年11月6日閲覧。
- ^ 『RailMagazine』165、ネコパブリッシング、1997年、p.30
- ^ 『RailMagazine』165、ネコパブリッシング、1997年、p.16
- ^ 『RailMagazine』165、ネコパブリッシング、1997年、p.33
- ^ 『RailMagazine』165、ネコパブリッシング、1997年、p.31
- ^ 『RailMagazine』165、ネコパブリッシング、1997年、p.32
- ^ “鉄道トリビア(463) 「死神」と呼ばれる機関車がある”. マイナビニュース (2018年7月7日). 2021年1月5日閲覧。
- ^ 交通新聞社 2017年10月5日紙面
- ^ “小田急4000形4060編成が大宮総合車両センターへ”. 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース (2016年11月5日). 2016年11月24日閲覧。
- ^ 『JR貨物時刻表』2019年 P222 機関車配置表(2019年3月15日現在) - 鉄道貨物協会
- ^ 『鉄道ファン』2020年7月号 付録 JR旅客各社の車両配置表 東日本旅客鉄道 高崎車両センター高崎支所 p.14 交友社
- ^ 編集部「編集部が訪問 日本貨物鉄道株式会社 関東支社 大宮車両所 EF64 1028号機 国鉄色に復帰」『鉄道ファン』第58巻3号(通巻683号)、交友社、2018年3月、78 - 83頁。
- ^ 岩成政和「いま魅力の国鉄色電機」『イカロスMOOK『電気機関車EX Vol.6』2018 Winter』vol.6、イカロス出版、2018年2月25日、31,33頁、ISBN 978-4-8022-0466-8。
- ^ 編集部「出来事 2018.3〜4.」『鉄道ファン』第58巻6号(通巻686号)、交友社、2018年6月、179頁。
- ^ 和田稔「首都圏 JR貨物機関車の動き 愛知機関区EF64」『j train Summer 2020 特集 貨物牽引機 2020』vol.78、イカロス出版、2020年7月1日、25頁。
- ^ 『国鉄名機の記録 EF64 1000番台』全53両履歴一覧、2020年12月3日、111頁、ネコ・パブリッシング
- ^ “EF64 77,DD51 1147,DD51 1146が愛知機関区構内で一線留置される”. 鉄道ファン・railf.jp (2019年11月20日). 2019年12月2日閲覧。
参考文献
- 「EF64形電気機関車」杉野清吾・編、鉄道科学社
- 「EF64形のプロフィール」『鉄道ピクトリアル』2009年3月号(通巻815号)、電気車研究会
- 「EF64形 車歴表」同上
- 「JRグループ車両のデータバンク 2008/2009」『鉄道ファン』2009年7月号(通巻579号)、交友社
- 『JR気動車客車情報/JR気動車客車編成表』各号、ジェー・アール・アール編
- 「鉄道車両用塗料の話 JR貨物の場合」『鉄道ファン』2018年6月号(通巻686号)、交友社
- 『貨物牽引機2020』『J-train』2020年7月号(通巻78号)イカロス出版、 24 - 25頁。
- 『国鉄名機の記録 EF64 1000番台』2020年12月3日、ネコ・パブリッシング、 85 - 113頁。