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'''新聞奨学生'''('''しんぶんしょうがくせい''')とは、[[新聞]]社の[[奨学金]]制度。[[学費]]の一部もしくは全を新聞社が肩代わりする代わりに、学生が在学中[[新聞配達]]を続けるものである。多くは、[[大学]]近辺の[[新聞販売店]]に斡旋される。
'''新聞奨学生'''('''しんぶんしょうがくせい''')とは、[[新聞]]社の[[奨学金]]制度。[[学費]]の一部もしくは全を新聞社が肩代わりする代わりに、在学中[[新聞配達]]業務行うものである。多くは、都市部の[[新聞販売店]]に斡旋される。労働環境は決して良好とは言えない場合が多く、時に[[奴隷]]と呼ばれるほどの重労働が課されるケースが発覚する事もあるなど、問題点もある。


== 概要 ==
労働環境は決して良好とは言えない場合が多く、時に[[奴隷]]と呼ばれるほどの重労働が課されるケースが発覚する事もある。中途退会の場合は借り受けたお金を一括で返済せねばならない。
販売店で[[新聞配達]]に従事し、朝刊を配ったのち夕刊までの空いた時間に学校に通う事となる。
毎月、[[給料]]が支給されるほか、[[寮]]の提供があるなど住居・食事等負担軽いが、夕刊配達の都合上、午後の講義が受講できなくなるなどのデメリットもある。この為精神的・体力苦しくなる場合があり、学業の内容によっては両立させるのは簡単なではない。


各奨学会によって支給される[[奨学金]]の金額や適応可能な[[学校]]・地域・労働条件・イベントなどが異なる。[[新聞社]]によっては[[夕刊]]業務無かったり、併設の[[予備校]]が用意されている場合もある。
== 概要 ==
毎月、[[給料]]が支給されるほか、[[寮]]の提供があるなど金銭面で苦労無くなるが、夕刊配達の都合上、午後の講義が受講できなくなるなどのデメリットもある。体力や忍耐力欠ける場合、学業の内容(必修の語学など)によっては両立させるのは簡単なことではない。
学校が専門学校で二年間の場合、その二年間、新聞配達業務を終えると卒業祝い金が支給される。

各奨学会によって適応可能な[[学校]]・地域・労働条件・イベントなどが大きく異なる。[[夕刊]]の配達課されない・新聞奨学生用の[[予備校]]が併設されている・海外研修旅行が全員にる・集金業務を免除されている。


奨学金は、卒業まで働いていれば返済の義務は限度額を超えたもの以外基本的に発生しないが、事情があって中途退会などする場合は奨学会への一括返済が必要となる。
奨学金は、卒業まで働いていれば返済の義務は限度額を超えたもの以外基本的に発生しないが、事情があって中途退会などする場合は奨学会への一括返済が必要となる。


=== システム構造 ===
[[産経新聞]]の場合は、元々夕刊がないため、午後の授業を受けることができるが、集金が課せられる場合は集金時期のみ午後の授業は出ることができない場合がある。又、営業も課せられている場合は、一月丸々午後の授業が出ることができないこともある。
各新聞社が主催する奨学会が学生を募集し、[[新聞販売店]]に労働力として斡旋する。本社直営で営業する店舗と、他企業(法人または個人事業主)が経営する店舗と主に二種類に分かれる。
*奨学会は育英会のように呼び名が異なる場合がある。


== ==
=== 奨学コース ===
奨学会により様々だが、朝夕刊の配達・付帯作業・集金業務が基本となる。奨学金・給料が減額になるが集金業務が免除されるコースが用意されている場合もある。
2002~2004の[[読売新聞]]東京配属の奨学生の生活。
*産経新聞奨学会の場合、夕刊業務が無い。

=== 学費支給と貸与 ===
各学校の制度によって異なるが、多くの場合入学の際に学費納入が必要となる。その為まず奨学会は学生(または代理人)に'''貸与'''を行い貸し付ける。金利は基本的に生じない。その後、規定の期間業務に従じる事で[[奨学金]]が'''支給'''され、貸与された金額との'''相殺'''が行われる。卒業まで労働に従事した場合は殆ど場合完全相殺となり差異は生じない。
*貸与・支給は年間単位で更新される。
*奨学会の制度によっては貸与を受けるのは学生本人ではなく配属先の販売所長になる場合がある。
*相殺は年間単位で支給された[[奨学金]]で行うものと、月間単位で支給され随時相殺されるものと二種類ある。<ref name="seikaku">正確な制度詳細は各新聞者の奨学会に確認をとること</ref>

== 奨学生の生活例 ==
一般的な生活例。配達地域によって時間の変動がある。朝刊の場合、到着時刻によって始業時間が1~2時間程度差が出る場合がある。折込チラシの製作は店舗方針により時間が異なる。多くの場合は朝刊後の1~2時間程度。


==== 朝 ====
==== 朝 ====
2時頃起床。前日に用意した折込広告の挟み込みを行い、3時頃から朝刊の配達を行う。5時頃には配達が終わる。お風呂、朝食を終え、学校に向かう。
午前2時30分頃起床。前日に用意した折込広告の挟み込みを行い、3時頃から朝刊の配達を行う。7時頃には配達が終わる。朝食を終え、学校に向かう。


==== 夕 ====
==== 夕 ====
15時までに配達店に戻り、おおよそ17時までに夕刊配達が終わる。朝刊時より新聞が薄く、ちらし・広告もためかなり楽である。
15時までに販売店に戻り夕刊到着後配達を開始。1~2時間程度で配達が終わる。朝刊時より新聞が薄く、チラシ・広告もほぼ無比較的早く配達が終わる。


==== 夜 ====
==== 夜 ====
夕刊配達後、月末(25日~31日)の場合、18時~21時(顧客の生活時間に合わせる)まで、集金業務を行う。顧客によっては夜12時に行ったり、朝7時に行ったりる。顧客都合考えると致し方い。
夕刊配達後、月末の場合、集金業務を行う。世間一般的に21時頃までが集金の時間となるが、顧客の指定によってはの集金ありえる。(著しく集金が困難になる為銀行振込等で対応顧客に依頼すとな
==== ====
月6日の休み。休刊日は別にある。日曜、祝日は夕刊がないため、月曜が休みの場合、1日半休み。


====衣・食・住 ====
==== 休日 ====
新聞社によって規定が異なるが、おおよそ月6日の休日。休刊日は朝刊のみ無い。日曜、祝日は夕刊がない。実際には夕刊業務がある休刊日を休日と表現したり、逆に夕刊の無い日曜祝日も休日と表現される場合があり、注意が必要である。
新聞社の寮に住むとなると、家賃は必要ない。アパートに住む場合、余剰した家賃を払う。寮の場合、光熱費は3000円で使い放題。食事は用意してくれる場合とそうでない場合があり、用意してもらう場合、月3万程度の出費で済む。そうでない場合は自分で食事をする。
寮の場合、共同のキッチン・冷蔵庫・風呂がある。それぞれの状態に関しては配属される新聞社によって異なる。
家具は自分でそろえる。エアコンは完備されていた。部屋には窓、物置もあった。広さ4畳半くらい。


==== 住居・食事 ====
月の給料は税金など引かれると11万円~13万円程度。この差は、配達区域の集金の月達成率85%もしくは90%を達成した場合、月2回(新聞社によっては月1回)古紙回収の手当てなど付随業務が変動するからである。
寮に入居した場合は、家賃は必要ない。光熱費・水道代は毎月一定基本料を給料から天引きとなる。食事は販売店提供の場合とそうでない場合がある。販売店提供の場合、月約3万円程度の負担であり、そうでない場合は給与として支給される。寮は販売店側が借受けたアパートを寮として提供する他販売店の上階を部屋として提供する場合がある。共同のキッチン・冷蔵庫・シャワー室または風呂がある。
社員と同様の時期にボーナスが出る。社員よりはもちろん少ない。

==== 給料 ====
月の給料は新聞社によって異なるがおおよそ11万円~13万円程度。実際にはここから上記の生活費が引かれて9万円前後となる。<ref name="seikaku"/>なお、付帯業務の集金や営業・古紙回収などの業務量により若干変動する。[[拡張業務]]による営業益をあげた場合は臨時の小額ボーナス(拡張料)が出るほか、年間で二期賞与(ボーナス)が出る。いずれも一般の専業社員よりは少ない。


==== 集金 ====
==== 集金 ====
月末25日から31日(30までに自分が配達している区域の85%達成目標銀行振り込み大半だが、新聞社同士競争が都心は激しいため、集金希望の顧客に購読更新ごとにサービスする。それを宛てにしている顧客も少なくない。洗剤、ティッシュ、映画・美術展などのチケットなどを集金時にサービスする。
主に月末25日から日までに自分が配達している区域の集金を行うノルマは販売店の規定によるおおよそ80%以上の集金を達成る必要がある。集金時顧客洗剤、ティッシュ、映画・美術展などのチケットなどをサービスで提供する場合が多い


== 問題点その他 ==
==奨学会==
[[新聞奨学生]]の生活は[[新聞販売店]]の店内規則・方針に大きく左右される。この為、仕事量が比較的軽微な場合や重務が課せられる場合があり、学生間で不平等が生じる場合がある。また奨学会の紹介するパンフレットや説明会での待遇・労働条件が実際の配属先の店舗で反映されておらず、学業が困難になるなどの影響がある。<ref name="sangi">外部リンク 参議院 新聞奨学生の労働に関する質問書 参照</ref>

=== 時間的制約 ===
朝も午前2時30などの早い時間から業務を開始し、夜は21~22時頃まで集金業務などに追われる為(特に月末)、勉強時間の確保が難しい場合がある。また、本来[[新聞奨学生]]の規約で禁止されているはずの業務を[[新聞販売店]]が強制する場合もあり、学業に従じる時間を圧迫している面もある。<ref name="sangi"/><ref name="kinyou">週刊金曜日「ある新聞奨学生の死」1998年4月10日 No.214</ref>

=== 午後の授業に出席できない ===
主に大学生の場合夕刊業務がある為午後の授業に出席できず、必修以外の単位の取得が困難となる。必修以外の授業を希望する場合、現状では夕刊業務の無い奨学コースを選び就学するか、販売店と奨学会に相談し配慮を求める形で対応するしかない。

=== 肉体的・精神的な厳しさ ===
時間的制約の為、休養時間・睡眠時間の確保が厳しい。労働災害などの危険性を指摘されており、<ref name="sangi"/>1990年には新聞奨学生の[[上村修一過労死事件|過労死事件]]<ref name="kinyou"/>も発生した。

=== 途中退会時の一括返済問題 ===
途中退会を行う際は学費の一括返済が原則となっている。この為、元々経済的理由で[[新聞奨学生]]となった学生本人と家庭は返済する能力が無く、止むなく労働に従事する事となる。辞めたくても辞められないという状態が発生する事となり労働基準法に定める'''強制労働・前借金契約禁止'''に抵触している疑いがある。<ref name="sangi"/>
*制度によっては、'''貸与額'''と'''支給額'''は年間で同額になっていない。例えば2年制の学校で1年勤め、退会した場合支給額が2年目の支給額よりも低く設定されている為、1年目では完全相殺が行われない。退会すると即時に貸与額から支給額を返済した残りの返済義務が生じる為、止むを得ず2年目に突入してしまうケースがある。

=== 労働者確保としての新聞奨学生 ===
新聞配達業界は雇用が不安定であると言われ、安定した人材雇用が求められていた。一定期間働いてくれる・途中退職などでの欠員が出にくいなどの利点があり、販売店にとっても必要な機関であるといわれている。学生であるがゆえ、学校に通う時間、就職活動などに配慮が求められるが、反面では販売店によっていち労働力としか見ない事業主もあり、学生の就学・就職が困難になる一因となっている。<ref>読売新聞 安藤千代子「がんばれ!!新聞奨学生 日野で就職活動支援の会発足」 2003年03月1日 朝刊(多摩2)</ref>

=== 雇用数の低下===
[http://www.pressnet.or.jp/ 日本新聞協会]の調査によると雇用される学生数の低下傾向が見られ、新聞奨学生制度の縮小も懸念される。

== 奨学会 ==
*[http://www.a-kumiai.or.jp/as/ 朝日新聞奨学会]([[朝日新聞]])
*[http://www.a-kumiai.or.jp/as/ 朝日新聞奨学会]([[朝日新聞]])
*[http://www.mainichi-ikueikai.com/ 毎日新聞育英会]([[毎日新聞]])
*[http://www.mainichi-ikueikai.com/ 毎日新聞育英会]([[毎日新聞]])
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*[[新聞配達]]
*[[新聞配達]]
*[[アルバイト]]
*[[アルバイト]]
*[[上村修一過労死事件]]
*[[奨学金]]
*[[新聞社]]

== 脚注 ==
<div class = "references-small"> <references/> </div>


==外部リンク==
==外部リンク==

2007年12月9日 (日) 02:17時点における版

新聞奨学生しんぶんしょうがくせい)とは、新聞社の奨学金制度。学費の一部もしくは全額を新聞社が肩代わりする代わりに、在学中新聞配達業務を行うものである。多くは、都市部の新聞販売店に斡旋される。労働環境は決して良好とは言えない場合が多く、時に奴隷と呼ばれるほどの重労働が課されるケースが発覚する事もあるなど、問題点もある。

概要

販売店で新聞配達に従事し、朝刊を配ったのち夕刊までの空いた時間に学校に通う事となる。 毎月、給料が支給されるほか、の提供があるなど住居・食事等の負担は軽いが、夕刊配達の都合上、午後の講義が受講できなくなるなどのデメリットもある。この為精神的・体力的に苦しくなる場合があり、学業の内容によっては両立させるのは簡単な事ではない。

各奨学会によって支給される奨学金の金額や適応可能な学校・地域・労働条件・イベントなどが異なる。新聞社によっては夕刊業務が無かったり、併設の予備校が用意されている場合もある。

奨学金は、卒業まで働いていれば返済の義務は限度額を超えたもの以外基本的に発生しないが、事情があって中途退会などする場合は奨学会への一括返済が必要となる。

システム構造

各新聞社が主催する奨学会が学生を募集し、新聞販売店に労働力として斡旋する。本社直営で営業する店舗と、他企業(法人または個人事業主)が経営する店舗と主に二種類に分かれる。

  • 奨学会は育英会のように呼び名が異なる場合がある。

奨学コース

奨学会により様々だが、朝夕刊の配達・付帯作業・集金業務が基本となる。奨学金・給料が減額になるが集金業務が免除されるコースが用意されている場合もある。

  • 産経新聞奨学会の場合、夕刊業務が無い。

学費支給と貸与

各学校の制度によって異なるが、多くの場合入学の際に学費納入が必要となる。その為まず奨学会は学生(または代理人)に貸与を行い貸し付ける。金利は基本的に生じない。その後、規定の期間業務に従じる事で奨学金支給され、貸与された金額との相殺が行われる。卒業まで労働に従事した場合は殆ど場合完全相殺となり差異は生じない。

  • 貸与・支給は年間単位で更新される。
  • 奨学会の制度によっては貸与を受けるのは学生本人ではなく配属先の販売所長になる場合がある。
  • 相殺は年間単位で支給された奨学金で行うものと、月間単位で支給され随時相殺されるものと二種類ある。[1]

奨学生の生活例

一般的な生活例。配達地域によって時間の変動がある。朝刊の場合、到着時刻によって始業時間が1~2時間程度差が出る場合がある。折込チラシの製作は店舗方針により時間が異なる。多くの場合は朝刊後の1~2時間程度。

午前2時30分頃起床。前日に用意した折込広告の挟み込みを行い、3時頃から朝刊の配達を行う。7時頃には配達が終わる。朝食を終え、学校に向かう。

15時頃までに販売店に戻り夕刊到着後配達を開始。1~2時間程度で配達が終わる。朝刊時より新聞が薄く、チラシ・広告もほぼ無い為、比較的早く配達が終わる。

夕刊配達後、月末の場合、集金業務を行う。世間一般的に21時頃までが集金の時間となるが、顧客の指定によっては深夜の集金もありえる。(著しく集金が困難になる為銀行振込等での対応を顧客に依頼する事となる)

休日

新聞社によって規定が異なるが、おおよそ月6日の休日。休刊日は朝刊のみ無い。日曜、祝日は夕刊がない。実際には夕刊業務がある休刊日を休日と表現したり、逆に夕刊の無い日曜祝日も休日と表現される場合があり、注意が必要である。

住居・食事

寮に入居した場合は、家賃は必要ない。光熱費・水道代は毎月一定基本料を給料から天引きとなる。食事は販売店提供の場合とそうでない場合がある。販売店提供の場合、月約3万円程度の負担であり、そうでない場合は給与として支給される。寮は販売店側が借受けたアパートを寮として提供する他販売店の上階を部屋として提供する場合がある。共同のキッチン・冷蔵庫・シャワー室または風呂がある。

給料

月の給料は新聞社によって異なるがおおよそ11万円~13万円程度。実際にはここから上記の生活費が引かれて9万円前後となる。[1]なお、付帯業務の集金や営業・古紙回収などの業務量により若干変動する。拡張業務による営業益をあげた場合は臨時の小額ボーナス(拡張料)が出るほか、年間で二期賞与(ボーナス)が出る。いずれも一般の専業社員よりは少ない。

集金

主に月末25日頃から末日までに自分が配達している区域の集金を行う。ノルマは販売店の規定によるがおおよそ80%以上の集金を達成する必要がある。集金時顧客に洗剤、ティッシュ、映画・美術展などのチケットなどをサービスで提供する場合が多い。

問題点その他

新聞奨学生の生活は新聞販売店の店内規則・方針に大きく左右される。この為、仕事量が比較的軽微な場合や重務が課せられる場合があり、学生間で不平等が生じる場合がある。また奨学会の紹介するパンフレットや説明会での待遇・労働条件が実際の配属先の店舗で反映されておらず、学業が困難になるなどの影響がある。[2]

時間的制約

朝も午前2時30などの早い時間から業務を開始し、夜は21~22時頃まで集金業務などに追われる為(特に月末)、勉強時間の確保が難しい場合がある。また、本来新聞奨学生の規約で禁止されているはずの業務を新聞販売店が強制する場合もあり、学業に従じる時間を圧迫している面もある。[2][3]

午後の授業に出席できない

主に大学生の場合夕刊業務がある為午後の授業に出席できず、必修以外の単位の取得が困難となる。必修以外の授業を希望する場合、現状では夕刊業務の無い奨学コースを選び就学するか、販売店と奨学会に相談し配慮を求める形で対応するしかない。

肉体的・精神的な厳しさ

時間的制約の為、休養時間・睡眠時間の確保が厳しい。労働災害などの危険性を指摘されており、[2]1990年には新聞奨学生の過労死事件[3]も発生した。

途中退会時の一括返済問題

途中退会を行う際は学費の一括返済が原則となっている。この為、元々経済的理由で新聞奨学生となった学生本人と家庭は返済する能力が無く、止むなく労働に従事する事となる。辞めたくても辞められないという状態が発生する事となり労働基準法に定める強制労働・前借金契約禁止に抵触している疑いがある。[2]

  • 制度によっては、貸与額支給額は年間で同額になっていない。例えば2年制の学校で1年勤め、退会した場合支給額が2年目の支給額よりも低く設定されている為、1年目では完全相殺が行われない。退会すると即時に貸与額から支給額を返済した残りの返済義務が生じる為、止むを得ず2年目に突入してしまうケースがある。

労働者確保としての新聞奨学生

新聞配達業界は雇用が不安定であると言われ、安定した人材雇用が求められていた。一定期間働いてくれる・途中退職などでの欠員が出にくいなどの利点があり、販売店にとっても必要な機関であるといわれている。学生であるがゆえ、学校に通う時間、就職活動などに配慮が求められるが、反面では販売店によっていち労働力としか見ない事業主もあり、学生の就学・就職が困難になる一因となっている。[4]

雇用数の低下

日本新聞協会の調査によると雇用される学生数の低下傾向が見られ、新聞奨学生制度の縮小も懸念される。

奨学会

関連項目

脚注

  1. ^ a b 正確な制度詳細は各新聞者の奨学会に確認をとること
  2. ^ a b c d 外部リンク 参議院 新聞奨学生の労働に関する質問書 参照
  3. ^ a b 週刊金曜日「ある新聞奨学生の死」1998年4月10日 No.214
  4. ^ 読売新聞 安藤千代子「がんばれ!!新聞奨学生 日野で就職活動支援の会発足」 2003年03月1日 朝刊(多摩2)

外部リンク