児島湖
児島湖(こじまこ)は、岡山県南部、児島湾の湾奥にある人工湖。面積10.9km2、有効貯水量約1,800万m3[1]。
児島湖 | |
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児島湖の航空写真。国土交通省 「国土画像情報(カラー空中写真)」を基に作成。 | |
所在地 |
日本 岡山県岡山市南区・玉野市 |
位置 | |
面積 | 10.88 km2 |
最大水深 | 9.0 m |
平均水深 | 2.1 m |
貯水量 | 0.026 km3 |
水面の標高 | 0 m |
成因 | 人工湖 |
淡水・汽水 | 淡水 |
湖沼型 | 過栄養湖 |
プロジェクト 地形 |
概要
編集児島湾の湾奥を締切堤防によって締め切って造られた人工湖である。かつては児島湾の一部であったが、1959年に旭川河口の岡山港と対岸の児島半島との間に1,558mの淡水湖堰堤 (児島湾締切堤防) が完成し、児島湾の西部が淡水化されて児島湖となった[1]。児島湾周辺の干拓によって増加した農地の用水確保と塩害・高潮被害の防止、低湿地の排水と干拓堤防の強化を目的として造成された[1][2][3] 。ダム湖を除いた人造湖としてはオランダのアイセル湖に次ぐ世界で2番目の広さを持つ[2][3]。貯水量は2,607万トン、流域面積は543.7km3。流域内人口は67万2千人で、岡山県の人口の3分の1に達する[4]。
湖水の塩分濃度は完工当初は1000分の8以下、1970年代には1000分の0.2-0.3に低下し、農業用水としてはもちろん、工業用水としても使用可能となった。受益農地は5,140ヘクタール[3]。
一方で漁業に対しては負の影響を与えた。児島湾はもともと水深が浅くて塩分濃度が薄く、干潟の形成も相俟って魚の宝庫で、児島湾独自の漁法も多くみられたが、相次ぐ干拓と児島湖の誕生により漁場を失い、衰退した[3]。また、明治期に設立され、ハイガイやモガイの養殖などを手掛けてきた児島養貝会社も、児島湖淡水化事業により事業を廃止した[5]。
戦後の高度経済成長によりかつての干拓地が急速に住宅地化したことで、流入する笹ヶ瀬川や倉敷川、妹尾川を通じ湖水の汚染が広がった[2][3]。日本でもっとも水質汚染の激しい湖沼のひとつ[6]とされ、春先から夏場にかけては湖一帯で悪臭の発生することがある。湖沼水質保全特別措置法指定湖沼。
地理
編集岡山県の南部に位置する。岡山市街地にも近く、瀬戸内海にもほど近い。湖畔には岡山空港があったが、地形上の制約から1988年に移転し、以後は岡南飛行場として存続している。
歴史
編集流入河川
編集脚注
編集- ^ a b c 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 2』、TBSブリタニカ、1973年初版/1991年第2版改訂、986頁「児島湖」項。
- ^ a b c 『日本大百科全書 9』、小学館、1986年、290頁「児島湖」項(由比浜省吾著)。
- ^ a b c d e 『岡山県大百科事典 上』、山陽新聞社、昭和55年、1007頁「児島湖」項(元田弘祐著)。
- ^ 児島湖ハンドブック - 岡山県、平成27年3月。
- ^ 『岡山県大百科事典 上』、山陽新聞社、昭和55年、1012頁「児島養貝会社」項(由比浜省吾著)。
- ^ 児島湖ハンドブック51-52ページによれば、2013年(平成25年)のCOD平均値は6.7mg/lで全国ワースト11位。平成16年から平成25年まで、ワースト9位から14位の間で推移している。