寒霞渓
概要
編集星ヶ城と美しの原高原の間、範囲は東西7キロメートル、南北4キロメートルに及ぶ大渓谷で、そこに約1300万年前の火山活動により堆積した疑灰角礫岩などが、度重なる地殻変動と風雨による侵食により、断崖や奇岩群を形成している。『日本書紀』にも記述がある奇勝で、元々は鍵掛(鉤掛)、神懸、神駆などの字が当てられてカンカケの名で呼ばれてきた。これはガンカケ、ガッカケなどとともに崩れた崖や絶壁などを指す語であるが[1]、これを元に明治初期の儒学者、藤沢南岳が寒霞渓と命名した。
当地は、大正12年(1923年)3月7日に「神懸山(寒霞渓)」として国の名勝に指定され、また1934年の瀬戸内海国立公園設置の契機となった、大渓谷と海を一望できる景勝地である。ほか、日本三大渓谷美、日本三大奇勝や日本百景、「21世紀に残したい日本の自然100選」[2]等に選ばれている。新緑や特に紅葉の季節は多くの観光客で賑わう。
登山道の名所
編集- 寒霞渓表十二景
- 通天窓
- 紅雲亭
- 錦屏風
- 老杉洞
- 蟾蜍岩
- 玉筍峰
- 画帖石
- 層雲壇
- 荷葉岳
- 女羅壁
- 烏帽子岩
- 四望頂
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03. 錦屏風
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06. 玉筍峰
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08. 層雲壇
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10. 烏帽子岩
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12. 四望頂
- 寒霞渓裏八景
- 鹿岩
- 松茸岩
- 石門
- 大師洞
- 幟岳
- 大亀岩
- 二見岩
- 螺貝岩
施設
編集展望台
編集- 第一展望所 - 内海湾と裏八景を望む。
- 第二展望所 - 八角堂、かわら投げ所がある。
- 鷹取展望台 - 眼下の層雲壇に連なる峡谷から内海湾まで一望できる。応神天皇が鷹 狩をしたと伝わる場所。
- 四望頂展望台 - 渓谷の先に玉筍峰と烏帽子岩を望める。小豆島スカイラインに接する。
その他
編集- ロープウェイ山頂駅付近
- 阿豆枳島(あずきしま)神社三笠山拝殿
- 三笠山登山道
- レストラン
- 建設費一億円のトイレ
- お土産屋
- ロープウェイこううん駅(紅雲亭)付近
- バス停留所
- 紅雲亭
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レストラン
-
建設費1億円の豪華トイレ
所在地
編集交通アクセス
編集車・バイクで直接登ることもできる。またハイキングの場合は、徒歩またはバスで ⑤登山道入り口である紅雲亭まで行き、そこから登山道(表12景)かロープウェイを選択するのが一般的である。裏8景の登山道入り口は紅雲亭より少し下がったところにある。
交通公共機関は寒霞渓公式サイトを参照。
周辺情報
編集- 星ヶ城城址、阿豆枳島神社本殿…星ヶ城山山頂が瀬戸内海の最高地点となる。
- 四方指(しほうざし) - 小豆島で2番目に高い三角点(776m)である前ノ田(まえのた)付近の地名。四方を指しても遮る物がないという意味
- 銚子渓 - 銚子の滝、お猿の国(銚子渓自然動物園)、仙多公峰、さくらの森
- 石門洞(島四国18番札所) - 洞窟に建てられた山岳霊場
- 清滝山(島四国14番札所) - 洞窟に建てられた山岳霊場
- 宝生院(島四国54番札所) - 宝生院のシンパクは国の特別天然記念物
- 小豆島大観音
- オリーブ神殿と句碑の森
- 中山地区 - 中山千枚田(棚田百選)、蛙子池、湯船の水(日本の名水百選)
- 小豆島オリーブ公園
参考文献
編集- 「しょうどしま 道草・遠足探検隊」社団法人小豆島観光協会2006年3月発行
脚注
編集- ^ 松尾俊郎「古語に基づく地名の若干」『駒澤地理』第4-5巻、駒澤大学文学部地理学教室、1968年3月、1-8頁、NAID 120006612654。 p.6 より
- ^ 21世紀に残したい日本の自然100選 1983年/(財)森林文化協会・朝日新聞社 Archived 2011年7月16日, at the Wayback Machine. 『森林文化.com』 森林文化協会 2013-4-5閲覧
関連項目
編集- 香川県の観光地
- 香川のみどり百選
- 寒霞渓ブルーライン
- 八日目の蝉 - 鷹取展望台が映画版の撮影地となった。
- 日本国指定名勝の一覧