パラモア
パラモア(Paramore)は、アメリカ合衆国テネシー州出身のロックバンド。バンド名は「秘密の恋人」を意味する「Paramour」や「愛のために」という意味を持つ「Par Amor」という言葉のスペルを変えたものである[10]。
パラモア | |
---|---|
| |
基本情報 | |
出身地 | アメリカ合衆国 テネシー州フランクリン |
ジャンル | |
活動期間 | 2004年 - |
レーベル | |
公式サイト | paramore.net |
メンバー | |
旧メンバー |
|
経歴
編集歌好きの家族に囲まれ、ヘイリーはコンテストに出場するなどして幼いころから歌に親しんでいた。ヘイリーが13歳の時ミシシッピ州メリディアンからテネシー州フランクリンに引っ越した際、学校でジョシュとザックのファロ兄弟と知り合い、意気投合、バンド活動を始める。またヘイリーはファロ兄弟からU2などを薦められて大きな刺激を受け、本格的に曲制作にも取り組むようになる。まもなくヘイリーの家の隣に住んでいたジェイソンが加入する。
地元で名声を得た後、州都ナッシュビルでデビューに向けたデモテープ作成を開始。これを聴いたレーベル、フュエルド・バイ・ラーメンと契約し、2005年にデビューアルバム『オール・ウィ・ノウ・イズ・フォーリング』を発売。(ヘイリーは17歳、ザックは15歳でデビューしたことになる)。なお同レーベルの先輩にはフォール・アウト・ボーイがおり、パラモアはしばしば「フォール・アウト・ボーイの弟團」と紹介される。
2007年6月12日、2ndアルバム『ライオット!』がBillboard 200で最高位15位、全英アルバムチャートで最高位24位を記録。2008年、第50回グラミー賞で最優秀新人賞に選抜された。
2008年の映画『トワイライト〜初恋〜』に楽曲「ディコード〜恋の暗号」を提供。
前作から2年を過ぎた2009年9月29日、3rdアルバム『ブラン・ニュー・アイズ』を発売。ビルボード2位、イギリスチャートでは1位を獲得するなど、世界各国での人気が不動のものとなった。
しかし、2010年12月18日付の公式ブログにて、ジョシュとザックの脱退が明らかにされる。バンドは残ったメンバーで活動を継続することも合わせて発表された[11]。
2011年6月に、3人となったメンバーで初の楽曲「モンスター」を、映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のサントラからシングルとしてリリース。
2013年4月9日、ファロ兄弟が脱退し3人となったメンバーで初の4thアルバム『パラモア』をリリース。ビルボードチャートではバンド史上初の初登場1位を獲得した。
2015年2月8日に行われた第57回グラミー賞にて、アルバム『パラモア』からの4thシングル「エイント・イット・ファン」でバンド初のグラミー賞「最優秀ロック・ソング賞」を受賞した。
2015年12月16日、ベーシストのジェレミーの脱退が発表された[12]。
2016年6月、バンドのInstagramにて、2010年に脱退したドラマーのザックが新作のレコーディングに参加することが明かされたが、ザック自身はこの時点でバンドへの復帰は否定した。しかしながらその後2017年2月、ザックのバンド復帰が正式に発表された[13]。メンバーが入れ替わった3人で2017年5月、5thアルバム『アフター・ラフター』をリリース。
2024年2月5日に開催された第66回グラミー賞にて、アルバム『ディス・イズ・ホワイ』でBest Rock Albumを、またアルバムのタイトル曲「ディス・イズ・ホワイ」で、Best Alternative Music Performanceを受賞した[14]。
メンバー
編集現メンバー
編集- ヘイリー・ウィリアムス(Hayley Williams) - ボーカル、キーボード
- ステージではピアノやギターを演奏することがある。
- テイラー・ヨーク(Taylor York) - リード・リズムギター、コーラス
- 前任のラム脱退後にサポートメンバーとして加入し、2009年に正式メンバーとなる[15]。ヘイリーと共に、作詞や作曲も多く担当している。
- ザック・ファロ(Zac Farro) - ドラムス、パーカッション
- 兄のジョシュとともに2010年に離脱、2017年に復帰した。また、HalfNoiseとしてソロ活動も行っている。
旧メンバー
編集- ジョシュ・ファロ(Josh Farro) - リードギター、コーラス
- 自身のブログにて、バンドがメジャーレーベルに操作された商品に成り下がっていることに対しての反発を脱退理由として挙げ、ウィリアムスはレーベルに巧みに操られ、他メンバーを自身のソロプロジェクトの駒のように扱うと非難した。その後2011年にNovel Americanを結成(ザックも合流したが、2014年解散)。
- ジェレミー・デイヴィス(Jeremy Davis) - ベース
- 2015年に脱退。自身への印税をめぐってヘイリーとバンドマネージャーを相手に訴訟を起こしたのがきっかけで、友好的なものではなかった[16]。
- ジェイソン・バイナム(Jason Bynum) - ギター
- デビュー直後に脱退した模様。
- ジョン・ヘンブリー(John Hembree) - ベース
- 2005年にジェレミーが一時離脱した時に、デビューアルバムに代役として参加。
- ウィリアム・“ハンター”・ラム(William "Hunter" Lamb) - リズムギター、コーラス
- 2007年初頭に脱退。結婚が理由。
ディスコグラフィ
編集アルバム
編集年 | タイトル | アルバム詳細 | チャート最高位 | 認定 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
US [17] |
AUS [18] |
AUT [19] |
CAN [17] |
FIN [20] |
GER [21] |
IRE [22] |
NLD [23] |
NZ [24] |
UK [25] | ||||
2005 | オール・ウィ・ノウ・イズ・フォーリング |
|
— | — | — | — | — | — | — | — | — | 51 |
|
2007 | ライオット! | 15 | 47 | 66 | — | 26 | — | 53 | 61 | 15 | 24 | ||
2009 | ブラン・ニュー・アイズ |
|
2 | 1 | 6 | 3 | 5 | 7 | 1 | 23 | 1 | 1 | |
2013 | パラモア | 1 | 1 | 13 | 3 | 10 | 8 | 1 | 18 | 1 | 1 | ||
2017 | アフター・ラフター |
|
6 | 3 | 10 | 9 | 14 | 18 | 4 | 17 | 7 | 4 | |
2023 | ディス・イズ・ホワイ |
|
— | 1 [39] |
— | — | — | 6 | 2 [40] |
22 | 3 [41] |
1 [42] | |
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。 |
ライブ・アルバム
編集- 『Live in the UK 2008』 (2008年1月30日)
- 『ザ・ファイナル・ライオット』[CD+DVD] (2008年11月25日)
- 2008年8月12日にアメリカ、シカゴのコングレス・シアターで撮影されたライヴ映像。DVDにはツアー中でのドキュメンタリー“40 Days Of Riot!”も収録されている。
リミックス・アルバム
編集- 『Re: This Is Why』(2023年10月6日)[43]
EP
編集- 『The Summer Tic EP』 (2006年8月2日)
- 『2010 Summer Tour EP』 (2010年8月10日)
- 『The Only Exception EP』 (2010年9月28日)
- 『Singles Club』 (2011年12月14日)
- 『The Holiday Sessions』 (2013年4月20日)
シングル
編集発表 | タイトル | 初収録アルバム |
---|---|---|
2005年 | プレッシャー | オール・ウィ・ノウ・イズ・フォーリング |
エマージェンシー | ||
2006年 | オール・ウィ・ノウ | |
2007年 | ミザリー・ビジネス | ライオット! |
ハレルヤ | ||
クラッシュクラッシュクラッシュ | ||
2008年 | ザット・ワット・ユー・ゲット | |
ディコード〜恋の暗号 | オリジナル・サウンドトラック トワイライト〜初恋〜 | |
2009年 | イグノランス | ブラン・ニュー・アイズ |
ブリック・バイ・ボーリング・ブリック | ||
2010年 | ジ・オンリー・エクセプション | |
ケアフル | ||
プレイング・ゴッド | ||
2011年 | モンスター | 『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』オリジナル・サウンドトラック |
2013年 | ナウ | パラモア |
スティル・イントゥー・ユー | ||
デイドリーミング | ||
2014年 | エイント・イット・ファン | |
2017年 | ハード・タイムス | アフター・ラフター |
トールド・ユー・ソー | ||
フェイク・ハッピー | ||
2018年 | ローズ・カラード・ボーイ | |
コート・イン・ジ・ミドル | ||
2022年 | ディス・イズ・ホワイ | ディス・イズ・ホワイ |
ザ・ニュース | ||
2023年 | セ・コム・サ | |
ランニング・アウト・オブ・タイム |
来日公演
編集2006年
編集- 6月3日(土)北海道 HMV SAPPORO
- 6月4日(日)北海道 ZEPP SAPPORO
- 6月6日(火)東京都 渋谷 CYCLONE
- 6月7日(水)東京都 渋谷 CLUB QUATTRO
- 6月8日(木)大阪府 心斎橋 CLUB QUATTRO
2007年
編集- 9月25日(火)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 9月26日(水)大阪府 BIG CAT
- 9月27日(木)東京都 SHIBUYA O-EAST
2009年
編集- 8月7日(金)千葉県 サマーソニック 東京
- 8月8日(土)大阪府 サマーソニック 大阪
2010年
編集- 2月10日(水) 大阪府 松下IMP HALL
- 2月13日(土)東京都 新木場 STUDIO COAST
- 2月14日(日)東京都 新木場 STUDIO COAST
- 2月16日(火)愛知県 名古屋 DIAMOND HALL
2018年
編集- 2月21日(水)東京都 ZEPP TOKYO
- 8月18日(土)大阪府 サマーソニック 大阪
- 8月19日(日)千葉県 サマーソニック 東京
その他
編集- 週末のシンデレラ 世界!弾丸トラベラーで「When It Rains」が番組使用曲。
- 2006年にフュエルド・バイ・ラーメン所属のバンドが参加して行われた『FBR Night Vol.2』に同僚パンチライン、オクトーバーフォールと共に初来日を果たした。2007年にもパンクスプリング出演のため来日する予定があったが、アルバム制作に専念するためキャンセルとなった。サマーソニック09出演で再来日を果たし、2010年には東名阪ツアーも行った。
- ポップ・パンク系のバンドが集まったサウンドトラック『Sound of Superman』ではフー・ファイターズのカヴァー、「My Hero」を披露。
- 『トワイライト〜初恋〜』のサウンドトラックには、「Decode」と「I Caught Myself」が収録されている。
脚注
編集- ^ Brod, Doug, ed (July 2010). “Editor's Letter”. SPIN (SPIN Media): 20. ISSN 0886-3032.
- ^ Sheffield, Rob (2022年6月5日). "オリヴィア、パラモア、アヴリルらの系譜で見る「ポップパンク」の影響力". Rolling Stone Japan. CCCミュージック・ラボ. 2024年4月21日閲覧。
- ^ a b Hill, Stephen (24 April 2023). "Paramore London O2 review: the most vital rock band of their generation". Louder. Future Publishing Limited. 2024年4月21日閲覧。
- ^ Smith, Owen R. (10 August 2023). "Review: Pop-punk veterans Paramore lead all-ages singalong in Seattle". The Seattle Times. 2024年4月21日閲覧。
- ^ a b Collar, Matt. Paramore Biography - オールミュージック. 2024年4月21日閲覧。
- ^ Lipshutz, Jason; Dalley, Hannah (20 April 2023). "30 Female-Fronted Bands That Rule". Billboard. 2024年4月21日閲覧。
- ^ Billboard (Nielsen Business Media) 121 (40): 9. (Octobere 10, 2009). ISSN 0006-2510.
- ^ Billboard Staff (15 May 2017). "Is Paramore the Best Popular Rock Band of the 21st Century? (Staff Debate)". Billboard. 2024年4月21日閲覧。
- ^ Amorosi, A.D. (10 February 2023). "After Six Years Away, Paramore Returns, Refreshed, With 'This Is Why'". Variety. Penske Media Corporation. 2024年4月21日閲覧。
- ^ (インタビュアー:ムラオカ)「PARAMORE」『激ロック インタビュー』、劇ロックエンタテインメント、2007年8月20日 。2024年4月21日閲覧。
- ^ 公式ブログにおける声明
- ^ https://wmg.jp/paramore/news/67783/
- ^ https://wmg.jp/paramore/news/76147/
- ^ “PARAMORE、第66回グラミー賞®で2部門受賞”. skream! (2024年2月5日). 2024年2月6日閲覧。
- ^ デビュー当時からバンドメンバーとの親交があり、デビューアルバムの時点から曲作りにも参加していたものの、学業への専念を先行させるためバンドには加入していなかった。レコーディングではドラムスを担当することもある。
- ^ 『After Laughter』日本盤ライナーノーツより
- ^ a b “Paramore > Charts & Awards > Billboard Albums”. Allmusic. Macrovision. 2009年12月18日閲覧。
- ^ Peak chart positions for albums and singles in Australia
- All top 50 peak positions: “Australian Charts > Paramore”. australian-charts.com Hung Medien. 2009年6月16日閲覧。
- "Misery Business": "ARIA Report Issue 910 – August 13, 2007". ARIA Charts. Retrieved 2008-16-02.
- "Brick by Boring Brick": "ARIA Report Issue 1038 – January 18, 2010". ARIA Charts. Retrieved November 17, 2010.
- "Careful": "ARIA Report Issue 1070 – August 30, 2010". ARIA Charts. Retrieved September 18, 2013.
- "Monster": (PDF) The ARIA Report: Week Commencing 20 June 2011. Pandora Archive. (June 30, 2011). p. 4 August 21, 2014閲覧。.
- ^ “Austrian Charts > Paramore” (German). austriancharts.com Hung Medien. 2008年6月24日閲覧。
- ^ “Finnish Charts > Paramore”. finnishcharts.com Hung Medien. 2008年6月24日閲覧。
- ^ “Chartverfolgung/Paramore/Longplay” (German). musicline.de PhonoNet. 2008年6月24日閲覧。
- ^ “Irish Charts > Paramore”. irish-charts.com Hung Medien. 2008年6月24日閲覧。
- ^ “Dutch Discography Paramore” (Dutch). Dutchcharts.nl. Hung Medien. 2013年9月9日閲覧。
- ^ “New Zealand Charts > Paramore”. charts.org.nz Hung Medien. 2008年6月24日閲覧。
- ^ “Paramore – The Official Charts Company”. The Official Charts Company. 2010年6月21日閲覧。
- ^ a b c d e f “RIAA - Gold & Platinum”. RIAA.com. April 1, 2016閲覧。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations – 2012 Albums”. Australian Recording Industry Association. 10 May 2013閲覧。
- ^ a b c d e “Certified Awards Search: Paramore” (To access, enter the search parameter "Paramore", then select "Search"). British Phonographic Industry. 2013年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月10日閲覧。
- ^ “American album certifications – Paramore – Riot!”. Recording Industry Association of America. 10 October 2013閲覧。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations – 2009 Albums”. Australian Recording Industry Association. 10 May 2013閲覧。
- ^ a b “Gold and Platinum Search: Paramore”. Music Canada. 10 May 2013閲覧。
- ^ a b “Latest Gold / Platinum Albums”. Recorded Music NZ. 2011年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月10日閲覧。
- ^ Maloy, Sarah (2012年6月12日). “Paramore Will 'Rise From Ashes' On Self-Titled Album, Due April 9”. Billboard. 2012年6月12日閲覧。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations – 2011 Albums”. Australian Recording Industry Association (2011年). February 13, 2012閲覧。
- ^ PARAMORE on Twitter, Twitter
- ^ ARIA Charts - Accreditations, ARIA
- ^ “» ‘Paramore’ Gold in New Zealand! Paramore-Music.com :: Your #1 English Source :: PARAMORE TV”. Paramore-music.com (2007年3月27日). 2014年3月28日閲覧。
- ^ Caulfield, Keith (May 21, 2017). “Harry Styles Debuts at No. 1 on Billboard 200 Albums Chart”. Billboard. May 22, 2017閲覧。
- ^ “ARIA Top 50 Albums Chart”. Australian Recording Industry Association (February 20, 2023). February 17, 2023閲覧。
- ^ “Top 100 Artist Album, Week Ending 17 February 2023”. Official Charts Company. February 17, 2023閲覧。
- ^ “NZ Top 40 Albums Chart”. Recorded Music NZ (February 20, 2023). February 18, 2023閲覧。
- ^ “全英チャート、パラモアがニュー・アルバムで3作目の1位”. BARKS. 2023年2月18日閲覧。
- ^ “PARAMORE、ニュー・アルバム『Re: This Is Why』10/6リリース決定!”. 激ロック (2023年10月4日). 2023年10月7日閲覧。