「プレスリリース」の版間の差分

[[File:World Bank press release loan-in-China 19630927.jpg|thumb|220px|[[世界銀行]]プレスリリース文書の例]]

'''プレスリリース'''（{{Lang-en|press release}}、{{lang-fr|communiqué de press}}）とは、[[報道機関]]に向けた、情報の提供・告知・発表のこと。「{{en|news release}} '''ニュースリリース'''」「報道発表」とも<ref>「記者発表」や「記者会見」という語は、「プレスリリース」の同義語ではなく、プレスリリースの中でも特定の手法、（わざわざ）記者を集めて発表することや会見すること、を指す。</ref>。英語で「{{en|pressnews release}} プレス」は（元々は）、「[[新聞]]」または「[[新聞社]]」で（それが転じて「'''報道機関」というニュアンスで用いて）、「{{en|release}} リリース」は「発表'''」「公開」「放出」等を意味するとも。

プレスリリースの発表には、[[ファクシミリ]]送信、[[インターネット]]の[[ウェブサイト]]掲示、郵送<ref name="noro">野呂エイシロウ『プレスリリースはラブレター: テレビを完全攻略する戦略的PR術』（万来舎、2009年10月1日発売、ISBN 9784901221382）{{要ページ番号|date=2019-02-23}}</ref>、文書の直接配布（投げ込み）、[[記者会見]]、などの方法が用いられ、（ここ20年ほどでは）[[電子メール]]で行うことや、電子メールと[[インターネット]]の自社[[ウェブサイト]]の情報掲載を組み合わせて行われる割合も増えてきている。

[[企業]]では（、一般的には）[[広報]]部門の担当者（「広報担当（者）」）、[[インベスター・リレーションズ|IR]]部門の担当者、マーケティング部門の担当者などがリリースを行っていることが多い。[[政府]]などでは、広報担当者が行ったり、あるいは[[報道官]]などが行うことがある。

==; プレスリリースと報道機関 ==側の選択

殆: ほとんどのプレスリリースは、実際には記事にして貰もらえない<ref name="noro" />。発表する側の組織内では「重要な情報」だと思われている事柄でも、報道機関や通信社に「記事にするに値しない」（たとえば「ニュース性が無い」「掲載に値しない」「消費者が関心を持っていない」など）と判断されるとれば、記事にはならない。[[メディア (媒体)|メディア]]の掲載可能スペースも限られており、情報を読者や視聴者に「届けるに値するもの」と「届けるに値しないもの」に、それぞれの判断で取捨選択することも、報道機関や[[通信社]]の重要な仕事である。

“普通の”案件、よくあるような案件の場合、たとえば企業の（しばしばありがちな）新規製品・や新サービスの発表、ちょっとした[[人事異動　]]等の場合は、一般に、[[ファクシミリ]]・[[電子メール]]など・[[手紙]]で報道機関に送付する。報道機関には一般に、プレスリリース用のFAX番号や電子メールアドレスがあるので、それを調べて個々に送信する方法がある。[[パブリック・リレーションズ|PR]]会社などの配信代行サービスを使い、広報資料を送ることも可能である。

最近は、記者クラブで配布した資料のと全く同じ物資料を、自社の公式[[ウェブサイト]]に掲載する官庁・企業が多い。ウェブサイトの中にプレスリリースのコーナーを設けており、[[ウェブページ]]を[[ウェブブラウザー]]で閲覧可能にすることによって、利用者の便を図っていることも多い。

記者クラブでの資料配布は、それ以前に[[情報公開]]していないことが前提であるため、ウェブサイトへの掲載は、記者クラブでの資料配布と同時刻、あるいはそれ以降に行われる。

官公庁や公社などの場合、内部に[[記者クラブ]]（[[記者室]]）があるので、そこで行う。また、民間企業のことでも、特に大きな社会問題・関心事となっていてる場合（各報道機関の記者の側のほうが、自主的に張り付くほどの状態になっている場合など）は）、記者クラブが会見開催要望を出して、本社の大会議室や講堂に、長テーブルと椅子を置くなどへ緊して、急にごしらえの会見場を設けることもある。

経済指標や統計、現物を持ち込むことができない（大型の）工業製品の発表など、発表内容と発表場面との関連性が薄い場合はカメラ撮影は行われず、いたって落ち着いた雰囲気で行われる。

[[不祥事]]が発生した場合の[[謝罪]]会見などの場合は、カメラの[[エレクトロニックフラッシュ|フラッシュ]]や[[照明]]を浴びながら、厳緊迫しい空た雰囲気の中での会見となることが多い。記者からも厳しい質問が飛び出すことになる。

発表する側も質問する側も、発言内容には注意をする必要があり、不正確・不用意な発言をすると問題、取り返しのつかないことになってしまうことがもある。

また、記者会見中に事件が起きるたりすると、肝心のプレスリリースの内容自体がメディアにのらず、他の話題ばかりが報道されることにもなりかねない<ref group="注釈">

: 2003年7月18日、[[長野県庁]]の表現道場（当時[[長野県知事]]だった[[田中康夫]]の[[脱・記者クラブ宣言|脱記者クラブ宣言]]によって[[記者クラブ]]がフリー記者にも開放されていた）で行われた県知事記者会見におたく評論家の[[宅八郎]]が参加し、田中康夫が過去に雑誌で連載していた内容について謝罪をするように執拗に要求し、田中がこれを拒否すると宅が怒鳴り声を上げながら激しく抗議するなど場内は異様な雰囲気に包まれた。この一部始終はテレビや雑誌などのメディアでも取り上げられ話題になった。因みに、この時宅は[[フリーランス]]として会見に参加していた。</ref>。