繁栄する米国と欧州列強に屈したアジア、 アフリカをその目に焼き付けた玉虫左太夫。だが帰国後にその経験を生かすのは難しかった。郷里仙台に戻れば、下級藩士に戻る左太夫。だが倒幕のうねりは、いよいよ奥州に迫り来た。新政府軍からも列強からも奥州は守らねばならぬ。奥州に押し寄せる倒幕軍。この国の明日のため、左太夫は奔走する！
仙台の下級藩士の家に生まれ、江戸で学問を積むためには、逐電するしかなかった玉虫左太夫。やがて頭角をあらわし、勝海舟、坂本龍馬との知己を得る。列強の圧力の中、米国へ向けた使節団がポーハタン号で、品川沖を出発。新見豊前守の従者として乗り込んだ左太夫は、見知ったことを懸命に記録していった。勝海舟、坂本龍馬らとの交流を経て、郷里仙台に戻った左太夫だったが……。
仙台の下級藩士の家に生まれ、江戸で学問を積むためには、逐電するしかなかった玉虫左太夫。やがて頭角をあらわし、勝海舟、坂本龍馬との知己を得る。列強の圧力の中、米国へ向けた使節団がポーハタン号で、品川沖を出発。新見豊前守の従者として乗り込んだ左太夫は、見知ったことを懸命に記録していった。勝海舟、坂本龍馬らとの交流を経て、郷里仙台に戻った左太夫だったが……。
繁栄する米国と欧州列強に屈したアジア、 アフリカをその目に焼き付けた玉虫左太夫。だが帰国後にその経験を生かすのは難しかった。郷里仙台に戻れば、下級藩士に戻る左太夫。だが倒幕のうねりは、いよいよ奥州に迫り来た。新政府軍からも列強からも奥州は守らねばならぬ。奥州に押し寄せる倒幕軍。この国の明日のため、左太夫は奔走する！
玉虫左太夫
仙台藩下級藩士。条約批准のための遣米使節に随行して、日本人初の世界一周を果たす。帰国後、藩命で京洛や西国の動きを探った。戊辰戦争がはじまり幕府が傾きだすと、奥羽諸国の間を奔走して「奥羽越列藩同盟」の結成に尽力した。
大槻磐渓
仙台藩藩校・養賢堂で教鞭を執る漢学者。「奥羽越列藩同盟」の理論的指導者になった。
伊達義邦
仙台藩十三代藩主。東国の中では開明的で、左太夫を重用。「奥羽越列藩同盟」の盟主に。
勝海舟
貧乏旗本の出で、遣米使節のころは軍艦操練所教授方頭取。咸臨丸で左太夫と同時に渡米。
坂本龍馬
土佐藩脱藩浪士。攘夷派だったが、勝と出会いその弟子に。左太夫ともたびたび交流した。
林復斎
後に昌平坂学問所の長官である大学頭に。若き日の左太夫を雇い入れた。
新見豊前守
万延元年の遣米使節の正使。左太夫を従者にし、世界一周を共にした。
松平容保
会津藩九代藩主。孝明天皇との結びつきが強く、京都守護職を引き受けた。
松平春嶽
越前福井藩主。将軍選定のとき慶喜を推して、安政の大獄では謹慎に。
久坂玄瑞
長州藩士。吉田松陰の流れをくむ生粋の攘夷論者。禁門の変で討ち死に。
土方歳三
新撰組副長。一時、左太夫も付け狙った。京から会津、仙台へと落ちた。
●会津藩救済嘆願のために結成された「奥羽越列藩同盟」。
盟主を仙台藩の伊達義邦、副総裁を米沢藩の上杉斉憲とし、加盟は31藩に及んだ。
左太夫は軍務局議事応接頭取という役職に就いた。
明治元年（1866）
制作／ジェイ・マップ