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個人向け国債と高金利のネット銀行の定期預金、違いは何?金利と解約条件

「個人向け国債」と「高金利のネット定期預金」、どちらに預けた方が得なのか?という疑問に対して、両方の「金利」と「解約要件」に焦点を当て考えてみましょう。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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<目次>

大きな違いは何?個人向け国債とネット定期

資産運用をする際、「安全性の高さ」をメインに考えるとすれば「個人向け国債」と「高金利のネット定期預金」のどちらかを検討する方は多いでしょう。

今回は、この2つの商品の違いについて、両方の「金利」と「解約要件」に焦点を当て考えてみましょう。
個人向け国債と高金利のネット銀行の定期預金、預けるならどちらが良い?

個人向け国債と高金利のネット銀行の定期預金、預けるならどちらがいい?

個人向け国債と高金利ネット定期預金、金利の違い

個人向け国債と高金利ネット定期預金、それぞれの金利はどのくらいなのでしょうか?

●個人向け国債の金利
個人向け国債は、日本政府が発行する債券で、個人のみを対象に販売されています。個人向け国債には「変動金利型10年」「固定金利型5年」「固定金利型3年」の3種類があります。

変動金利型10年は、金利市場の動きに応じて半年ごとに見直されますが、最低金利が「0.05%」に設定されており、それ以下になることはありません。

固定金利型5年は、発行時の金利が満期まで固定されます。市場の金利が上昇しても金利は変わりません。また、固定金利型3年も、5年満期と同じく発行時の金利が満期まで固定されます。

最新の個人向け国債の税引き前の金利は以下となります。
変動10:0.72%
固定5:0.61%
固定3:0.38%

参照:財務省「個人向け国債」

●ネット銀行の金利
ネット銀行とは、インターネット専業銀行のことです。最小限の店舗だけで、サービスの提供が行われており、顧客との接点もほぼインターネット・電話のみとなっています。

代表的なものに、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、ソニー銀行、PayPay銀行、楽天銀行などがあります。ネット銀行は、通常の銀行と比べ、社員の人件費や店舗維持費用などが少なく済むため、高金利な定期預金が見られることがあります。さらに期間限定でキャンペーン金利や新規口座開設をした人向けのキャンペーンで通常よりも高い金利を適用する場合もあります。

ネット銀行の定期預金の金利とは以下になります。

【SBI新生銀行の定期預金の金利】(2024年7月17日時点)
・1年:年0.35% 
・3年:0.45% ※2024年9月2日(月)までのキャンペーン金利
・5年:0.55% ※2024年9月2日(月)までのキャンペーン金利

ネット銀行は、ネット上で手続きをすべて済ませられるため、お住まいに関係なく口座開設ができます。もし、給与振込や公共料金の引き落としなどの取引で利用しているネット銀行があれば、金利のアップとなる場合もあります。一度チェックしてみるとよいでしょう。

個人向け国債と高金利ネット定期預金、満期前にやめるときの違い

個人向け国債と高金利ネット定期預金、満期になる前にお金が必要になったときはどうなるのでしょうか?以下のような違いがありますので覚えておきましょう。

●個人向け国債を中途換金したいときは?
個人向け国債を購入した後、もし予定外の出来事で、お金が少し必要になったときは中途換金ができます。中途換金とは、個人向け国債の満期前に、その一部または全部を換金することです。中途換金は「1万円単位」で手続き可能。必要なお金を中途換金して、残りは満期まで置いておくこともできます。

ただし、中途換金ができるのは、購入後1年が経過した後でなければいけません。また、中途換金時には、直前2回分の利息相当額(税引き後)だけは差し引かれる点には注意しましょう。

このように、個人向け国債は比較的流動性が高い商品のため、急にお金が必要なときにも対応しやすいといえます。

●ネット銀行の定期預金を解約したいときは?
ネット定期預金の解約要件は、銀行ごとに異なります。一般的に、定期預金は、満期まで継続することを約束する代わりに、普通預金よりも高い金利が得られる金融商品です。中途解約するときは、以下のような点に注意しましょう。

●定期預金を中途解約するときの注意点1:解約手数料がかかる
一部の金融機関では、定期預金を解約する際に手数料が発生する場合があります。

●定期預金を中途解約するときの注意点2:利息に損失を被る
中途解約することは可能ですが、その際、受け取ることができる金利は、当初の金利よりも低い利率となる場合が多くあります。

先ほど紹介した「SBI新生銀行のスタートアップ円定期預金」の場合であれば、解約手数料はかかりませんが、以下のように預入期間に応じて中途解約利率が適用されます

【預入期間が1、3、6カ月の場合】
・解約日における普通預金の利率

【預入期間が1年の場合】
・預入日から解約までの期間が6カ月未満:解約日における普通預金の利率
・預入日から解約までの期間が6カ月以上1年未満:約定利率※×50%
※約定利率とは、預け入れたときの金利のことです

ネット銀行の定期預金は途中で解約するよりも満期まで預けておく方がよいでしょう。

利息の受け取り方の違い

利息の受け取り方として、個人向け国債は半年に一度、利息をもらうことができます。定期預金は満期に一括で利息をもらえることが多いです。半年ごとに利息を受け取りたいようであれば、個人向け国債に預けるといいでしょう。

単利か複利かの違い

金融商品で運用をするときの金利には、「単利」「複利」があり、それぞれで利息の付き方が異なります。個人向け国債の金利は「単利」です。複利とは、元本に対して一定期間ごとに付いた利息も元本に組み入れ、利息を含めた元本に対して利息を計算します。

個人向け国債は、単利なので利息が元本に組み込まれることはありません。定期預金は期間によりますが期間が長ければ、単利と複利から選べることが多いです。同じ金利で同じ期間であれば、個人向け国債よりも定期預金に預けたほうが利息は多くもらえることになります。
 

まとめ

個人向け国債とネット銀行の定期預金、どちらを選ぶかは個々の投資目的や運用期間などにより変わります。それぞれの特徴を理解して、より適した商品を選びましょう。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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