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ラグの「素直に生きれば人生は楽しい」

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シチュエーションの創造

2008年04月10日 | 造形憧憬


兵庫県三田市にあるロールケーキで有名なパティスリーに行ってきました。





TV東京(大阪ではTV大阪)で放送されている
「TVチャンピオン(現在は不定期:TVチャンピオン2)」 の 「ケーキ職人大会」 の
グランドチャンピオン決定戦で決勝まで残り、「味覚部門」 で最高点を獲得した
有名なパティシエがオーナーを勤めるお店が三田市のニュータウンにあります。
( 以前は神戸市垂水区にお店があったという記憶が ・・・ )

テレビ放映から約7年が経過しているのですが、未だに行列が途絶えない
というこのパティシエのパティスリー。ただ、単に味が良いだけではないはずです。
私はその有り方に興味があり、機会があれば行ってみたいと思っていました。

自宅から車(一般道)で約1時間のドライブです。
寄り道をしながら向かったので、ニュータウンに到着したのは少し陽が傾きかけた
夕方4時過ぎになってしまいました。もうロールケーキは売り切れている時間帯かも
しれません。まあ、ケーキを買うことが目的ではありませんので ・・・ と思いつつ、
目指すパティスリーに近づき駐車場に誘導している警備員の横を見やると ・・・
店外にまでお客さんが溢れ出しています。大げさな話ではなく、ざっと50人ほどの
大行列です。

とりあえず、車を停めて行列の最後尾に並びます。( 条件反射? )
キョロキョロと挙動不審な私が気になったのか、お店の男性スタッフがツカツカ
っと近づいてきます。そして、“○○ロールでしょうか?” と声を掛けてきました。
私はシステムがわからないまま、前方で並んでいる方々の様子(反応)を見て、
“ハイっ!” と答えてみました。すると、“先ほど、「ロールケーキの本日最終分は、
あと70本になりました。」 と厨房から声が掛かっておりますので、お客様(私)に
行き当たらない可能性もございます。ご了承くださいませ。只今、前のお客様から
ご入用の本数をスタッフがお聞きしておりますので、もうしばらくお待ち戴けます
でしょうか? ” と説明してくれました。私は “わかりました。” と返して待ちました。

前方から先ほどとは別の男性スタッフがメモ用紙を持って近づいてきます。
“何本ご入用でしょうか?” と列のお客様に声を掛けているようです。その数を
聞いてメモ用紙に書き込み、引換券として渡しているようです。そして、お客様から
聞いた数は、別のメモ用紙に 「正」 の字で書き込んでいました。私の前に並んで
いたカップルのところまでやってきました。メモ用紙を覗き見ると、「正」 の字は
確実に10以上書き込まれています。( ちょっとヤバイんちゃうのん!・・・ ??? )

ここで苦言を一つ。
白いメモ用紙に 「1」 とか 「2」 の数字だけ書き込んで渡すのが、競馬や競艇の
予想屋みたいで好感が持てません。聞けば、ほぼ毎日行列ができているようです。
そして、ご入用の本数をスタッフが伺う ・・・ せめて、ロゴ入りの用紙くらい用意は
できるはずです。良い紙を使ってほしいとは言いませんが、お客様が醒めてしまう
ようなツールは絶対にNGです。

“何本(ご入用)でしょうか?”
“えぇ~っと、2本お願いします。”
どうやら私も買えるようです。予定(残り70本)からすれば、残り5本位の位置
だったようですが、その後、スタッフがインカムで連絡を取り合っている姿を見る
限り、状況しだい(待ち客の様子しだい)でいくらか融通は利くような雰囲気も ・・・ 。

並んでから約40分、やっと店内に潜入できました。
スタッフは厨房含めて20人ほど居たでしょうか。店外で案内してくれたスタッフを
はじめ、皆、対応は悪くありません。( どちらかといえば、「良い」 と感じました )
外で並んでいた時から、イベントや遊園地の人気アトラクションに並ぶような緊張感
やワクワク感はさほどなかったのですが、さすがに数十人並ぶと妙な一体感が
生まれていました。それが店内に入った瞬間を境に解きほぐされるかのように、
それぞれが自我に戻る感じがあります。

「ロールケーキ」 を待って並んでいたお客さんのほとんどが、ロールケーキ以外の
生菓子や焼菓子も購入していました。その光景をみているうちに私の番が回って
きました。ロールケーキの2本も、オッサンがわざわざ並んで1本というのも何か
悪い(不自然な)気がする ・・・ という小心から、“頼まれました” を演じるかのように
「2本」 だったのに、まだ、それ以外に買わなければなりませんか ・・・

結局、定番人気の 「○○ぷりん」 や 「バウムクーヘン」 も売り切れだったのに
買うつもりもなかったチーズケーキ2ヶ・プリン2ヶ・シュークリーム1ヶ、計5ヶの
プチガトーお買い上げです。( 嫁さん曰く、これが “私の悪いクセ” のようです )
まあ、これも仕事に繋がるはず ・・・ てな言い訳をしながらお持ち帰り致しました。





今回、時間がありませんでしたので細かなチェックはできませんでした。そして、
このパティスリー以外の施設(お菓子教室・バウム工房・ブランジェリー・Cafe・
アイスラボ・コンフィチュールとマカロンのお店)を廻ることもできませんでしたが、
行列ができるパティスリーの人気の秘密は、やはり 「味」 だけではありません。
パティスリーの玄関まで続く行列はガーデン(庭)を進みます。そのガーデンでは
土と木(花)、そして銅人形(北海道の仙人のようなアーティストさんの作品)が
出迎えてくれます。こうした付随施設を含め、“美味しさの物語を街化” している
「シチュエーション」 そのものが人気を博して口コミを生んでいるのだと感じます。
そこにオーナーパティシエの熱い思いがあったことは言うまでもありません。

まだまだ “行列伝説” は続きそうです。



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