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気の向くままに、今日の話題をお届け

以前は、Gazooブログ「今日の話題は」をやっていました。
基本、忘備録的日記です。

暴走事故を考える(AT限定免許の功罪)

2020-02-28 23:02:42 | 交通事故

暴走事故を考える、今回5回目。(しつこいって? いや、本題はこれですよw)

あくまで私見ですが、自分なりに今まで検証してきて感じたことです。

AT限定免許ができたお陰で、ペダルを踏み間違えるような低い練度のドライバーが、世の中に出ている。

 

まず、AT免許のドライバーの方が、比率的に事故率が高い、と言う事を示しているのがこちらのページ。

→ MT車とAT車の事故率はどちらが高い

「今やAT車の方がMT車より多く世に出回っているから、事故だって多くなって当然でしょ?」と思われるかもしれませんが、「事故率」なので、MT車もAT車も、「100台当たりで換算したらどうなるか?」 という比率であり、絶対数ではありません。

 

さて、以前から、「AT車だから暴走するんだよ。MT車なら絶対暴走しないよ。」と、私の周囲の高齢者ドライバー達(MTしか乗っていない人達)が主張していました。

この「以前」っていつ頃かというと、昭和の末期。

つまり、1990年以前って事。

30年以上も前からあった話です。

丁度、AT車の普及が拡大し始めた頃ですね。→オートマチックトランスミッション

 

当時の暴走事故の多発がきっかけで、今ではAT車に標準装備されている、PとNレンジ以外ではエンジンがかからない、という機能が盛り込まれる事になったのです。

(それにプラスされて、ブレーキを踏んだ状態で、となりますね。)

それ以前の車は、全部のレンジでブレーキを踏まなくてもエンジンがかけられた、みたいです。

 

その結果、どんな状況で暴走が起きたのか?

走行してきた後に停車して、レンジをD(又はR)に入れたままエンジンを切り、車から降りる。

車に戻ってきた後、レンジの位置を確認しないままエンジンを掛けてしまい、暴走。

 

30年以上も前から、AT車の暴走の歴史は始まっているのです。

 

私の周囲にいる現在の高齢者ドライバーの多くは、この頃からAT車の危険性を理解している為、MTを乗り続けているのですね。

 

さて、本題。

そんな状況であるにもかかわらず、数年後には今回のAT限定免許が1991年に設定されています。

そして、それまで運転免許を取る為の最大の難関の1つと言われていた、「坂道発進」が、容易くクリアできる事が可能となりました。

 

実はこの坂道発進、ペダルを正確に正しく踏み替える事ができないと、MT車ではまともに発進できないのです。

つまり、MTの運転免許を取得したドライバーは、「坂道発進」というカリキュラムによって、「ペダルを正確に踏み替える技術を、教習所を卒業する段階できちんと取得できている」と言えるのです。

 

「そんなことないでしょ、AT免許でも、教習所できちんと教えているのだから、できるでしょ?」

いいえ、残念ながら坂道発進ができる確認をするだけであって、そこに「ペダルを正確に踏み替える技術」は必要とされていませんでした。

 

実は先日、AT限定免許を取得した知人がいたので、参考に聞いてみました。

私「坂道発進って今もカリキュラムに有るの?」

知「ありますね。」

私「どんな感じ? AT車だと(教習所の)坂道発進で、後ろに下がることないでしょ?」

知「うん、全然下がらない。『あ、きちんと発進できますね。』で終わっちゃった」

私「・・・・・」

 

もう、何のためのカリキュラムなのでしょうねぇ・・・、どこが「教習」なのでしょうか・・・。

 

ATでは教習所程度の坂道の場合、停止状態でブレーキを離したところで、後ろに下がる事はまずありません。

そこには、ドライバーが恐怖心を感じたり緊張したり、なんて事は皆無。

MT車ではそうはいかない。

ブレーキを離した瞬間に後ろに下がり始めるので、ドライバーはブレーキペダルをなかなか離す事ができない。

後ろに下がるや否や、驚いて急ブレーキを踏む、最初はその繰り返しです。

「うまく発進しないと後続車がいる場合車をぶつけてしまう・・・」という恐怖心と闘いながら、左足でクラッチをつなぎつつ、右足をブレーキからアクセルに素早く移してアクセルを吹かす。

上手く発進できなければ車が後ろに下がるので、それを防ぐためにまた急ブレーキをかける。

 

その結果、ペダルを正しく踏み替える技術を磨き、ドライバーになれる技術を取得して卒業しているのです。

 

まとめると、MT車の坂道発進のカリキュラムは、ペダルを正しく操作する技術を身に着けると同時に、急ブレーキの掛け方も身に着けている、と言えるでしょう。

 

AT限定免許の功罪、まとめます。

運転免許証を取得するハードルを下げ、結果的にドライバーの数が増え車の販売台数を増やし、日本の基幹産業を育成し経済成長を進めた。

「急ブレーキの掛け方が上手くできない」(その結果、「ブレーキアシストシステム」なる機能が付加される。)

「ペダルを踏み間違えて暴走する」(その結果、「自動ブレーキシステム」が付加される)

「ドライバーの運転練度低下による事故の増加」「自動車の高額化」につながった。

 

と私は考えています。

 

今はコロナウィルスで騒ぎになっているからこの件は静かになっていますが、運転レベルの低いドライバーが多くなっている昨今、また暴走事故でメディアが騒ぐようになる、そんな気がしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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暴走事故について、考えてみる(MT車は、ペダルを踏み間違えをする様な練度では、普通に運転できない)

2020-02-10 20:01:33 | 交通事故

暴走事故について考えてみる、今回で4回目になりました。

今回は、

高齢で運転技術の練度が衰えたドライバーなら、ペダルの踏み間違えをする可能性が高いから、MT車でも暴走するのでは?

と言う事について話してみます。

結論から言いますと、ほとんど有り得ないと思います。

理由は凄く簡単。

MT車では、ペダルを正しく操作できないと、普通に運転する事ができないから。

です。

 

ドライバーがやる「仕事」について考えてみましょうか。

・発進加速~50km/hくらいまでの定速走行。

AT車ではDにシフトしてブレーキから足を離してアクセルを踏む。

速度が50km/hになればアクセルの踏み加減を浅くして速度調整するだけ。

・50km/h~減速停車。

AT車では、止まるまでブレーキを踏み続ければいいだけ。

そこに運転の練度は何ら必要ありません

しいて言えば、ペダルを間違えずに踏むだけ。

 

7行くらいで説明が済んでしまいましたね。

だから、幼児でも動かせてしまう・・・

 

では、MT車はどうでしょう。

一般的な5段ギアのMT車の場合。

・発進加速~50km/hくらいまでの定速走行。

1速ギアにシフトして発進する際に、車の免許を取得するにあたっての最大の難関の一つである、クラッチミートが存在します。

これは、左足で半クラッチという微妙なつなぎ方の調整ができないと、エンストを起こしたり、ガックン発進をしたりで、まともな発進ができません。

そして、2・3・4・5速にシフトアップしていきますが、シフトの際には

右足で一瞬アクセルの踏み方を緩める → 左足でクラッチ踏み込む → 左手でギアを次のギアに正しくチェンジする → 右足でアクセルの踏み加減を調整し左足でクラッチをつなぐ(ここでも半クラッチの練度が要求されます)

という一連の作業を ギアチェンジする度に実施しなければなりません。

4回操作が必要になりますね。

・減速の場合はまだ楽で、ブレーキで減速してエンストする直前まで減速したら、クラッチを切る。

止まってからギアをNに戻す。

それでもAT車に比べ、左足でクラッチを踏む・左手でギアをNに戻す、という操作は1回ですが必要です。

因みに、左足でクラッチを切らなくてはエンストしてしまいますから、ドライバーは止まる時に足がクラッチを踏むような習慣が身に付いてしまいます。

発進~定速走行~停止。

AT車に比べ遥かにやる事が多いですよね。

動画を撮ろうと思いましたが、わかり易い動画を上げていらっしゃるHPを見つけたので、ご覧ください。

 マニュアル車(MT車)の運転方法・出発手順を5ステップで思い出す動画集

 

さて、もうお判りかと思いますが、MT車のドライバーは無意識に「止まる時はクラッチを切る」動作をするように習慣が付いていますので、駐車場でブレーキと間違ってアクセルを踏んでしまっても、左足ですぐクラッチを切る事ができるのです。

常日頃から両足と左手の動きが自然と訓練されているので、とっさの時には対応が効くのです。

これは、どんな高齢ドライバーであっても、MT車を普通に運転できる状態であるのなら、左足のクラッチ操作、右足のアクセル操作、左手のギアセレクト が、きちんとできているという事を示しています。

だから、踏み間違えの心配は無いでしょう。

逆に言うと、MT車が普通に運転できなくなってきた場合、安易にAT車に乗り換えるのではなく運転免許返上の道を選ぶべきだと、私は考えています。

 

因みに、私の周囲では田舎と言う事も有り、高齢者ドライバーの8割以上がMT車を運転。

そのうち、8割がMT車が設定されている軽トラックで、男女問わず乗っています。

私の知っている限り、86歳の男性が最高齢のMT車ドライバーですが、まともに運転していますよ。

MT車は外からでもギアチェンジの様子がエンジン音の変化で判るので、上手・下手の判断ができますが、上手に走っています。

また、この地域では踏み間違えによる暴走事故は皆無だそうです。

(交通事故そのものも少ないみたいで、2年間警察の管轄内での死亡事故はゼロと聞いています。)

 

次は、AT限定免許について。

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暴走事故について考えてみる(MT車は暴走しないのか?)

2020-02-04 13:37:02 | 交通事故

前回に続き今度は、「じゃあ、MT車は暴走しないの?」という話につきまして。

 

前に書きました2つの検証から、50km/hで走行中にブレーキを踏み間違えてアクセルを床まで踏んでしまった場合は、AT車はキックダウン制御によって加速体制に移る、と言う事で、暴走し易い、と言える事がわかりました。

では、発進加速の時はどうでしょう。

MT車・AT車双方とも、1速ギアで走行しているので僅か1秒で20km/hも加速してしまいます。

50km/hでは、高いギアで走行している為、1秒の間では5km/hしか加速しません。

ここでまた、機構の差が出てきます。

MT車には、第三のペダルであるクラッチペダルが存在します。

そして、クラッチペダルを踏むだけの仕事を、左足が専門で行っています。

クラッチペダルを踏む事で、エンジンからタイヤに伝わる動力を切る事が出来る為、間違ってアクセルを踏み込んでしまっても暴走に至る事はまずありません。

イメージです。

 

仮に駐車場でドライバーがブレーキとアクセルを踏み間違えてしまったとしても、ブレーキを踏んでいない時間だけ走行してぶつけてしまうかもしれませんが、タイヤへの駆動力を切る事ができるので軽度な事故で済むわけです。

 

でも、AT限定免許の人やMTを長い間運転していない人がこれを読んでも、イマイチ説明不足なので捕捉します。

MT車は、発進停止の際にクラッチを常に踏める体制を取らないと、まともに発進停止ができない。

つまり、駐車場での車庫入れの際には常にクラッチをすぐ踏める状態で車を動かしているので、右足がブレーキと間違ってアクセルを踏んでしまっても、すぐ左足でクラッチを踏む事ができるのです。

 

しかし、AT車では機構上ペダル操作で動力を切る事はできません。

しいて言えば、左足でMT車のクラッチを切る様にブレーキを踏む事ができなくはないでしょうが、とっさの時に左足でブレーキを踏むなんて、常に左足ブレーキを使って走行している人でないと難しいと思います。

でも、その様な人なら足の分業ができているので、踏み間違えはしないでしょう。

また、MT車でも可能ですが、シフトレバーをNに動かす事で動力を切る事は出来ます。

しかしながら、これは私の経験ですけど、とっさの場合ペダル操作はできますが、シフトレバーを操作する動きはできませんね。

急ブレーキをかけたつもりがアクセルを踏んでしまって「えっ!?」と思った次に初めて「アクセルを踏んでしまった」と理解したら、ペダルを踏みなおす方向で対応しますね。

実際ぶつけていませんが、ブレーキのつもりでアクセルを踏みそうになった事が1度有り(状況はまたの機会に説明します)、とっさに踏みなおして事なきを得ていますから。

 

さて、クラッチで動力は切れるけど、高齢で運転技術が衰えたMT車のドライバーでも、クラッチきちんと切って暴走しないで済むものなの?

という疑問が上がりそうなので、それについては、次回アップします。

 

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