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魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ゴテンカエルウオ

2024年08月01日 23時07分05秒 | 魚介類飼育(海水)

今日から8月です。

昨年の4月に我が家にやってきたのに、残念ながらまだ一度も紹介できていなかった子。イソギンポ科・カエルウオ族・スジギンポ属のゴテンカエルウオ。前回ご紹介したナメラハゼと同じ水槽で飼育している。ナメラハゼは浅い潮だまりに多いがこのゴテンカエルウオはサンゴがリッチな場所に見られ、同じ潮だまりではハナカエルウオやロウソクギンポといった種が確認できた。

スジギンポ属の魚は琉球列島には5種が生息し、このほか琉球列島にいない2種を合わせて7種が日本に分布している。なお本種の学名については魚類検索によるとEntomacrodus thalassinus thalassinusで三名法になっている。Entomacrodus thalassinus longicirrusという亜種が台湾からタイにかけて分布しているようで、これについては比Fishbaseにおいてはそれぞれ別種扱い。ホシギンポも同様にEntomacrodus stelifer steliferと三名法であるが、やはりFishbaseではそれぞれ別種扱いである。亜種Entomacrodus stellifer lightiはおもにアジアの大陸沿岸や台湾などに分布。なおスジギンポ属はカエルウオ族のほかの多くの種とことなり、西・東大西洋や東太平洋沿岸にも種数は少ないが生息している。ちなみに私がスジギンポ属魚類を長期飼育するのはこれが2回目である。前回はアオモンギンポでこれは3年近く飼育できた。今回も長く生きてほしい。

カエルウオ族魚類は「コケ取り」として飼育されることがあるが、残念ながらゴテンカエルウオはコケ取りはしてくれない。ほかのカエルウオ族魚類の多くの種よりも動物食性が強いのかもしれない。餌については最初のうちは「海藻70」を与えていたが、いまでは海藻70のほかメガバイトレッドも爆食いである。体長は4cmほどにしかならないらしくこの属としては小型種といえそうである。

このゴテンカエルウオは小型のオーバーフロー水槽「クロスミニ」で飼育している。いい水槽であるが残念ながら製造中止になったらしく、メーカーであるマルカン・ニッソーのサイトからも情報が消滅している。小型オーバーフロー水槽といえばジェックスの「グラステリアAGS」くらいしかない。あれはガラス水槽だったため結構重くなってしまう。同居魚は先述したナメラハゼやミナミイソハゼなどハゼ類のほか、イソギンポ科のシマギンポと同居している。

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ナメラハゼ

2024年07月31日 19時18分44秒 | 魚介類飼育(海水)

もう今日で7月もおしまいです。最近こちらは毎日のように夕方大雨が降ってサンダーボルトが襲来しております。みなさんもお気をつけて。写真の魚はハゼ科のナメラハゼ。背中の斑紋は同じハゼ亜目のドンコを彷彿とさせ、独特のフォルムも大好きである。琉球列島では決してめずらしいものではなく、潮が引いた後の潮だまりで大きな石をどかすとその下に潜んでいることが多々ある。サンゴがリッチな潮だまりというよりも、内湾の比較的泥っぽい場所でも見られる。筆者はイレズミハゼというハゼが好きであるがそのハゼを探すときに見つかったのだが、肝心のイレズミハゼは見られなかった。残念!

過去2回飼育していたことがあるが、その時は長期飼育ができなかった。今回の個体は2023年の4月に採集したもので、年単位の飼育は初めてである。ゆったりしているので他の素早い魚が多い水槽だと長生きしないのかもしれない。

スズメダイやキンチャクダイなど、表層から中層で餌をとる魚が多くいると、うまく餌をとれないで餓死してしまう。そんなタイプの魚なのではないかと思われる。この水槽にはそのようなタイプの魚がいないので、うまく飼育できているのではないかと思われる。ナメラハゼは過去にも記事を書いている。2枚目の写真の後ろにいる魚については、ナメラハゼと一緒に採集して持ち帰ってきた魚であるが、これまで紹介できていなかったので、明日にでもご紹介したい。

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イチモンジチョウ

2024年07月30日 15時51分24秒 | 昆虫・クモ

もう7月も終盤です。ということで、格好いいチョウを発見。タテハチョウ科のイチモンジチョウというらしい。普通種だという話だが、不思議と見たことがなかったチョウの一種である。

翅を広げてくれていたが、デジカメのズームがなぜかうまくいかず、結局こんな写真しか撮らせてくれなかった。なお、白い線が2本あればフタスジチョウ、3本あればミスジチョウということで、ミスジリュウキュウスズメダイみたい。なおミスジチョウという略称をもつ、種標準和名ミスジチョウチョウウオとは門の段階で異なるので、一応注意しておこう。タテハチョウは意外に種が多く、近辺でもキタテハやらツマグロヒョウモンが多数見つかる。森の中にいくとヒメジャノメなんてのもいる。チョウの種が多いのはうれしい。

しかしながら「魚のぶろぐ」なのに最近10個中4つが昆虫がらみの記事というのはどうなんだろう。イチモンジチョウの公開でついにこのぶろぐカテゴリー「昆虫・クモ」も50件になってしまった。ちなみに軟体動物門(イカ・タコ類)は30件、甲殻類(エビ・カニ)が21件である。なお、みな海へ山へと忙しい生活をおくることになるのだろうが、椎名さんは8月末までひきこもり&お仕事の予定。

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高揚感をもたらすものの違いというお話

2024年07月28日 17時41分47秒 | 環境問題

この間から流れているTwitter、現(略)のツイート。黄色くマーキングしているのがもとツィート(一部略している)。詳しく読みたい方はリンクを貼っておくので、リンクの「Twitter」の文字をXだかYだか、あるいはももいろクローバーみたいにzにでも変えてみてみてください。

MORIX @morix082

カブトムシの写真撮ってたら、若い男性2人組が登場。
「ペアや!ジモティーで1000円で売れるで!」と言いながら網を伸ばしてきたので、撮影中だと伝えたら舌打ちされた。

「生き物→売れるやん!」って考えが一般的になりつつある世の中…嫌だな。

引用もと:https://twitter.com/morix082/status/1816801633428447491 MORIX (@morix082)さんのTwitterより)。

昆虫といえば、私たちの時代では捕虫網をもち、夏の暑い中にトンボやらセミやらを追いかけ、トカゲやカエルなど捕まえようものならもう(いい意味で)大パニックであった。わーい、やったという高揚感がある。その高揚感はどこから来るのかというと、「これまで探していたものを捕まえることができた喜び」「捕獲したら家で飼育して楽しむ喜びと責任」というものが大きい。しかし、いま若い人たちが味わうその高揚感は「ネットオークションに出せば●●円で売れる」とか、そのような「カネ」がからむものになってしまっている。生き物イコールカネになる。それだけではあまりにも悲しいし、そんなことばかりやっている人は、えげつない量の生物をオークションに出していたりする。

では、漁業だっておんなじではないか、昆虫採集を「業」としてやっている人もいるじゃないか、そのような意見を聞くこともある。しかしこういう業というのは(少なくともタテマエでは)永続的に、持続可能なように、獲りすぎない工夫や規則などが(一応)ある。その日暮らしの小遣い稼ぎのような輩とは違うのである。しかも先述のようにえげつない量の生物をオークションに出すわけだから、その地域の個体群に大きな打撃となってしまうのである。

なお写真は今年初となるカブトムシの雌。今年はいつものクヌギの木のある場所で何度も昆虫を探しているものの、残念ながらアリさんくらいしかみていない。カブトムシは雌が飛んでくることが多く、これもライトに飛んできたものである。今はパリでは4年にいちどの祭典、ようやくまともな形で復活しめでたい。太陽の冠にはみなさんお気をつけて!

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ミナミミゾレウツボ

2024年07月26日 16時26分19秒 | 魚紹介

この間は長崎以外からも稀少な魚が我が家にやってきていました。ウツボ科・ウツボ属のミナミミゾレウツボ。ミナミミゾレウツボは南方性のウツボで稀な種、紀伊半島から琉球列島、小笠原諸島に分布し、海外では西太平洋に広く分布しているという。

生きているときや新鮮なときは体中を黄色い粘液で覆っているものの、この粘液は脱落したり、あるいは標本にすると落っこちてしまうようである。同じようにやや深場に生息するウツボ科のアセウツボなどは皮膚に毒があり、ほかの魚を殺すことがあるというが、本種についてはどうだろうか。いずれにせよ、生時は全身が黄色く白っぽい斑点がめだつミナミミゾレウツボであるが、粘液が消えると微妙なまだら模様になってしまい、ちょっと残念なところである。水深200m前後にすむ深海性のウツボ科魚類であり、水中での色彩や生き様などはよく知られていないが、ほかのウツボ科魚類の多くの種と同様に、小魚やタコなどを捕食する動物食性の強い魚であることは確実であろう。

頭部だけ見るとドクウツボあたりにも似ている。本種については当初、「オキナワノコギリウツボ」かと思われたが、鰓孔付近には黒色斑がなく、ミナミミゾレウツボということになった。いずれにせよこのミゾレウツボの仲間と近いグループは同定が難しいといえるかもしれない。この仲間は歯の切縁に鋸歯があるのが特徴とされている。だから「オキナワノコギリウツボ」という名前なのだろうな、とも思った。歯の写真については撮影していないが、頭は撮影用に残してあるので、近いうち撮影してこのぶろぐでもアップしたいと思っている。

毒があるかもしれないというミナミミゾレウツボだが、唐揚げは無難に美味しかった。皮膚に毒があるとされるアデウツボも琉球列島では食用になり、市場にも出るという。また目的の耳石も無事に採取できた。今回のミナミミゾレウツボはTwitter(現・X)においてHN「魚のゲボ」さんより購入させていただきました。ありがとうございました。

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アシベニカギバ

2024年07月23日 05時15分35秒 | 昆虫・クモ

先日発見したかわいこちゃん。アシベニカギバというガ(蛾)の仲間である。翅の色彩も特徴的なのだが、ひっくり返すと標準和名のように脚が赤いのが特徴であった。ただインターネットでこのアシベニカギバを検索すると、どうも翅の色は同定には使えないらしい(種の変異が多いともいえる)。カギバガ科のガは翅の色や模様が特徴的なものが多く、好きなガになりそう。発見した場所は道路の上だったので、捕まえて近くの草むらへ逃がしてあげた。幼虫はイモムシタイプのようである。

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オオクロコガネ

2024年07月22日 10時11分09秒 | 昆虫・クモ

先週のこん活こと昆虫活動の記録。コウチュウ目(甲虫目)・コガネムシ科のオオクロコガネ。見たことない昆虫については以前に見た、よく似た昆虫の名前をうろ覚えで検索にかけるのだが、これはわからなかった。頭に残っていたのは「コカブト」であったが、コカブトとは大きく異なる見た目であった。すじが格好いい。Twitterにアップしたところ「ゆうぎり」さんより「オオクロコガネだと思います」と回答をいただいた。ありがとうございます。これはライトトラップに飛んできたものを撮影。

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暴れん坊水槽

2024年07月21日 15時54分41秒 | 魚介類飼育(海水)

が家には海水魚水槽が7本あるが、これはそのうちの1本。暴れん坊水槽である。その名の通り、気性の激しい魚が2匹。最近下の水槽の仕切り板を外して、それにあわせて同種をいじめ殺し、セグロマツカサをいじめていたナミマツカサをこの水槽へ移した。

タンクメイトのヒメゴンベも健在であるが、ヒメゴンベは模様が薄くなっている。暗いところで飼育していたら、色が薄くなるのはよくある話だ。フレームエンゼルフィッシュなどが強い照明下で色が黒っぽくなるというのはよくある話だが、その際は暗い水槽で飼育して色をもどすことがあるという。

濾過システムは我が家では珍しいエーハイム製の外部濾過槽である。本来ならこれに上部濾過槽を組み合わせるところなのだが、今回はまだつけていない。一応、押入れの中に上部濾過槽があるので、どこからかポンプを調達すれば動かすことができる。外部濾過槽は酸欠になりやすいというリスクもあるので、複数の濾過槽と組み合わせたい、そういうものなのである。

ちなみにナミマツカサは他にイットウダイ科の魚がいないところではいたっておとなしい性格をしている。口に入る魚以外であれば混泳は概ね問題なさそう。ゴンベは肉食が強いが自分より大きな魚とは概ねうまくやれるよう。ただテンジクダイ科の魚はつついて殺してしまうことがあり、要警戒である。

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全国の国立公園に高級リゾートホテル誘致

2024年07月19日 16時27分08秒 | 環境問題

【独自】全国35カ所の国立公園に高級リゾートホテル誘致、岸田総理が表明へ(テレ東BIZ)

https://news.yahoo.co.jp/articles/621294f8031d7cf307bc9cd46a3e326eddb49a95

全国に35か所あるすべての国立公園にリゾートをつくるという表明。要は「外国人観光客がたくさん来てくれても三大都市圏に集中しているから、地方にももっと外国人観光客が来てくれるように」ということである。また「国立公園の魅力を高める」ということも含まれているという。たしかに、自然公園法では「利用も促進」とあるから間違ったことは言っていないのかもしれないが、外国からたくさんの観光客を呼び寄せるというのはどうなんだろうか。そりゃあたくさんの人がお金を落として地元の人はうれしいかもしれないが、「お金」という目先のことにとらわれたのではその国立公園がもつ魅力を失うことになるかもしれない。

筆者は最近は沖縄県を2回、2019年、2020年に訪問している。2019年はまだ例の太陽の冠が流行る前であり、恐ろしい数の人が公設市場や町中、沖縄美ら海水族館にあふれていた。そしてその多くの人の話す言葉は明らかに日本語ではなかった。2020年は太陽の冠が流行ったが人はそれなりにいた。しかし中つ国の言葉を話す人は消え、つかの間の静けさが訪れた。現在は沖縄にも中つ国の言葉を話す人が戻ってきているといい、地元民は概ね歓迎しているものの、治安の問題であったり、天然記念物のオカヤドカリの違法な捕獲、それも大量の捕獲など問題が多い。正直いって、「地方は静かにしてやってくれないか」「有名な観光地や高級ホテルがなくても地方に魅力を感じ訪問する外国人は大歓迎」と私はいいたい。ただでさえ西表島などオーバーツーリズムが問題になって入島料とかいう話になっているはずなのに・・・

そして国立公園周辺にも開発が行われ貴重な自然が失われるということは西表島などで散々見てきたものである。石垣島のゴルフ場・リゾート問題もまだ残っており、生き物たちが安心して暮らせる日々はまだまだ遠いのかもしれない。この報道が勇み足であることを祈るしかない。

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セグロマツカサ

2024年07月18日 07時12分33秒 | 魚介類飼育(海水)

前回の「魚介類飼育(海水」」カテゴリではセグロマツカサがナミマツカサに追い掛け回されて尾がぼろぼろになった話をした。ナミマツカサのほうがセグロマツカサよりも若干大きく、尾鰭端が短くなってしまったのだ。

現在はここまで回復。ただこのセグロマツカサは2019年6月に沖縄県で釣ってきた個体。そのため結構高齢個体なのかもしれない。だから回復もゆっくりかな。ちなみに高齢ではあるが、餌は配合飼料、ホワイトシュリンプ、魚肉ミンチいずれも「爆食い」。後ろにいるカスリイシモチも概ね元気。やはり餌は配合飼料やホワイトシュリンプなど何でも食ってくれるので助かる。この間など魚のミンチを独占しており、腹がフグのようになっていた。

セグロマツカサを撮影しようとしたらイエローリップダムゼルフィッシュが割込み。この子は2018年にお迎えし、今年の6月で5年半我が家の水槽で暮らしている。餌はミンチやホワイトシュリンプも食うが、配合飼料が大好物。このほかやはり2018年に我が家にやってきたクマノミがいる。水かえしたので、魚も気持ちよさそう。

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フタイロハナスズキ

2024年07月15日 16時27分57秒 | 魚紹介

みなさんこんにちは。三連休はいかがでしたでしょうか。椎名さんは3連休は3連勤でした。

今回の長崎魚特集。最終回は大本命。入手した超希少種、スズキ目・ハタ科・ハナスズキ属のフタイロハナスズキ。

フラッシュ撮影したフタイロハナスズキ

フタイロハナスズキはハナスズキ属の稀種である。その特徴は体側で、体は赤いのだが、背中が黄色っぽくなる。その赤色と黄色の境界に暗色縦帯が入っているが、今回の個体では不明瞭であった。しかし同一個体をフラッシュ焚いて撮影したらうっすらと濃い赤色の縦帯が見られる。尾鰭基部には小さい赤褐色斑が入るのも特徴。このフタイロハナスズキによく似たものにトゲハナスズキという種がいるが、トゲハナスズキの尾鰭項後部背縁と腹縁は乳白色になることのほか、形態においてもフタイロハナスズキの背鰭軟条数は12であるのに対し、トゲハナスズキでは13~14(ふつう14)、臀鰭軟条数はフタイロハナスズキでは通常9とされるが、トゲハナスズキでは通常10~11であることにより区別できる。フタイロハナスズキは体長215mmになり、ハナスズキやゴマハナスズキと並んで大型種の範疇になるだろう。なお、ベニスズキは27cmにもなるというが、いつか出会ってみたい魚がまた増えたということでもある。

眼の上方は明瞭に黄色である。この点はフタイロハナスズキの写真が掲載されている「東シナ海・黄海の魚類誌」のものとちょっと違う雰囲気である。眼の上の黄色い部分と体の背部の黄色域が接するのだろう。フラッシュ焚いているからこのような色なのかもしれないが。

本種の含まれるハナスズキ属は、ハタ科旧ハタ亜科のなかでもとりわけ美しいものである。美しい色彩で観賞魚としても飼育されているが、コスジハナスズキなど浅場でも見られる種はともかく、深いところにすむものはいずれもかなり高額なお値段となってしまっている。それはそれなりの理由があり、深場に生息するため生かして持ち帰るのが困難なためである。よく「釣った後もしばらく生きているよ」という声も聞かれるのだが、瀕死の状態ではだめで、飼育するためには元気なまま船上から陸上へとあげなければならない。そのためには高価な器具と作法が必要になる。のであれば、高額なのも頷けるというものである。

このフタイロハナスズキが新種記載されたのは1999年とそんなに古くはない。しかしながらそれより古くから知られていた。伊豆海洋公園通信(IOP Diving News)の表紙を飾った写真は1970年代に伊豆半島で撮影されたものである。しかしながら当時はトゲハナスズキとされていた。真っ赤な体で背中が薄い黄色なのが特徴で、海中の写真では陸の写真とはどうも異なって見える。分布域は伊豆半島、愛媛県宇和海、八重山諸島、東シナ海に生息し、海外では台湾に生息する。2007年当時で数個体しか得られていない稀種とされていたが、東シナ海では漁獲されているので、今回は標本にせず、食してみることに。

フタイロハナスズキのお刺身。うまし。

皮をあぶったもの。最高である。

フタイロハナスズキのお刺身。ふつうのお刺身+皮目を少しあぶってみたのだが、これが非常に美味である。皮の下のうまみが凝縮されているのだ。もともと赤色が美しい魚だったので、刺身の色も美しい。これは刺身しょうゆよりもぽん酢がよく似合うものである。以前のトゲハナスズキは普通にお刺身で食したので皮を引いたのだが、なんとももったいないことをしていたものだ。このフタイロハナスズキは長崎県 マルホウ水産「魚喰民族」石田拓治さんより。いつもありがとうございます。

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バケムツ

2024年07月13日 16時47分56秒 | 魚紹介

今回は久々に我が家にやってきた魚。スズキ目・マラキクチュス科・バケムツ属のバケムツ。本種は長らくホタルジャコ科とされたが、現在はマラキクチュス科とされる。この科にはワキヤハタやオオメハタなどが含まれるが、科の標準和名はついていない。そもそもこのバケムツがマラキクチュス科も怪しい気がする。

頭はしゅっとした感じで小さい。スミクイウオは丸っこくて0系みたいだが、バケムツだと100系みたいな感じか。水の抵抗が少なく、速く泳ぐのに適しているのだろう。種標準和名ムツにも似ているが、ムツとは別科の魚である。体側の鱗ははがれやすい。この個体は釣りによって得られたものであるが、もし底曳網で漁獲されたのであれば、ぼろぼろになってしまっていただろう。

臀鰭は3棘。スミクイウオ科の魚ではほとんどが2棘であるため見分けは難しくない。日本産ではバケスミクイウオが臀鰭に3棘を持っているが、大きさなどで容易に見分けることができるだろう。このバケムツは体長で211mm、全長で255mmもあった。バケスミクイウオはもっと小さい。

バケムツはお刺身にして食べた。というか、今回でバケムツ3回目なのだが、刺身以外で食したことはない。だけど刺身で美味しいし、刺身がいちばん好きなのだからしかたがない。塩焼きや煮つけにしても美味しいかもしれないが、そもそもあまり漁獲されない。ということでこのバケムツが今回我が家にやって来た長崎産魚類の本命「その1」であった。もう1種いるのだが、これはまた後日ご紹介したい。今回のバケムツも「たくじー」「魚喰民族」こと石田拓治さんより。いつもありがとうございます。今日は短いですが、いまからお仕事なのでこれにて失礼!

 

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ヒメシマガツオ

2024年07月12日 23時08分55秒 | 魚紹介

今日は雨のおかげで少しは涼しかった我が家。今回のぶろぐ記事は我が家にやってきたのは2回目だが、紹介するのは初めてという魚。スズキ目・シマガツオ科・シマガツオ属のヒメシマガツオという魚。従来オナガシマガツオとも呼ばれていたものは、ヒメシマガツオと同じ種とされている。オナガシマガツオはその名の通り尾鰭が長く伸びていた。マルバラシマガツオとは、体側の縦列鱗数で見分けることができる。マルバラシマガツオのほうが鱗の数が少ない。このヒメシマガツオはシマガツオと異なり稀な種とされ、水揚げされることは極めてまれである。

ヒメシマガツオの幼魚であるが、口には鋭い歯が生えている。幼魚でも肉食性の魚で、その鋭い歯で積極的に幼魚などを捕食するのだろう。よくにたシマガツオはより大きくなり、サバやイカの短冊などの餌にかぶりつく。おそらくこれも東シナ海の旋網漁業で漁獲されたものであろう。このような漁法では、同じシマガツオ科のリュウグウノヒメやら、ベンテンウオなどが漁獲されるのではないかと期待しているのだが、この2種については残念ながらまだ縁がない。いつか漁獲されることを夢見ている私である。

小さいながらも唐揚げにすると美味である。シマガツオ科の魚は成魚は白身で様々な料理に向き、フライや塩焼き、刺身にすると美味。このヒメシマガツオも長崎「たくじー」さんこと石田拓治さんより送っていただいた。ありがとうございました。今回は忙しいので早めに失礼。ここまでじらしてきたが、次回は「本命」の2種について、ご紹介したいと思っている。よろしく。

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カタシロゴマフカミキリ

2024年07月10日 23時13分15秒 | 昆虫・クモ

この間我が家に飛来してきたカミキリムシ。カタシロゴマフカミキリと思われるもの。体中が小さな毛でおおわれている。

顔はシロスジカミキリにも似ているが毛深い。

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ムレハタタテダイ

2024年07月08日 15時03分07秒 | 魚紹介

長崎県からやってきた魚。スズキ目・チョウチョウウオ科・ハタタテダイ属のムレハタタテダイ。ムレハタタテダイは今年すでに一度紹介していたが、今回あらためてご紹介させていただきたい。詳細については前回の記事で書いたので、今回は短く、ぱぱっと。

チョウチョウウオ科の魚は底生動物を食べるか、もしくはサンゴのポリプをつついて食べるものが多い。そのため、なかなか釣り針にかからない。しかしこのムレハタタテダイは集団で動物プランクトンを食べている。そのため、まだ針にかかりやすいものである。市場にもまれに出ることがあるので、チョウチョウウオを食べたいという人が初めて食するチョウチョウウオ科魚類も本種であることが多い。もちろん漁業としての釣りだけでなく、普通に釣りをしていても釣れる。防波堤から釣れた時はオキアミを餌にして釣った。

ムレハタタテダイは今回はじめて刺身で食することになった。前回2021年我が家にやってきていたのだが、その時にはムレハタタテダイを探していたミトさんにプレゼントした。2019年には塩焼きで食している。刺身でハタタテダイ属を食するのはツノハタタテダイ以来2種目である。身は脂がのっておりかなり美味。ただし身の量は少なく、写真は5個体を一つの身に盛り合わせたものである。

今回のムレハタタテダイも長崎 マルホウ水産 石田拓治さんより。いつもありがとうございます。ちなみにこの個体もおまけで入れて頂いたもの。ちゅっ、可愛いくてごめん、じらしすぎててごめん。

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