[go: nahoru, domu]

眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

柱時計

2019-03-12 | 
深酒をした夜
 永遠の霞ゆく記憶の流れに
  君の残像を表記した
   崩れゆくのだ  
    あらゆるものが
     音もなく静かに
      ワインのボトルが2本空いた頃合い
       君がくすくすと微笑んだ
        可能性が軽減され
         絶望の成分が構成された眠れない夜
          君の昔を

          垂れ流す情報の唾液が気管に入って誤嚥する
           ハイガーゼで口腔内を拭うけれど
            喰いしばった歯肉から血流が零れるのだ
             懺悔した深夜の徘徊に於いて
              優しさは無難なのだろうか
               それとも辛辣な無視こそが安寧の時間なのだろうか
                琥珀
                 長崎の坂道を上ると土産物屋があって
                  其処でビードロを買った
                   眼鏡橋の上から其れを
                    不意に投げつけたのだ
                     上空から投下された
                      あの日あの時
                       深酒をした

                       怠惰な微笑をかずます白い帽子
                        拍子抜けするほど青い空を眺め  
                         空虚感が木霊する
                          もう帰ろう
                           帰るべき処を失ったけれど

                           アイスピックで氷を砕いた
                            表層
                             剥がれ落ちる皮膚の欠片は
                              雑踏に紛れた有象無象の夢の在りか
                               偏屈なマスターが酒を造った

                               やがてさ
                                青の時代がやってくるよ

                                ヴァイオリンを悪戯しながら黒猫が云う
                                 情報が錯綜しているのさ
                                  だからね
                                   直感を信じるんだ
                                    我々が生き物だったあの頃の様に
                                     青の匂いを探すんだ

                                     黒猫は云う

                                    後悔と憐憫の隙間に青を見つけるんだ
                                   君があの店で探したビードロの玩具のようにね
                                  哀しい玩具
                                 優しい玩具
                                廃墟のデパートのマネキン人形
                               見つけるんだ
                              青の欠片を

                             僕等は永遠を信じない
                            けれど永遠を探す旅に出た
                           ビスケットと水筒のワインを携えて
                          きっと永遠に恋い焦がれて

                         メメント・モリ
                        (死を想え)

                        情報に溺れたら
                       唾液腺を刺激するんだ
                      柔らかに記憶が薄れゆくこと
                     打刻された傷口から赤い血が流れても
                    打刻訂正が出来ない現実に打ちのめされても
                   僕等は青い空を夢見る
                  空を飛びたい
 
                 宙空に舞う想い
                記憶
               笑い声
              黄昏時の公園のベンチ

             嗚呼

            嗚呼

           柱時計が鳴った

          時を告げた

         深酒をした深夜

        きっと


       きっと


      ぎゅっと抱きしめて

     
     抱きしめるから


    


























   
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