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ディズニー・モバイル

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ディズニー・モバイルDisney Mobile)は、ウォルト・ディズニー・カンパニーの日本法人であるウォルト・ディズニー・ジャパンが行っている携帯電話事業である。

本項では、ディズニーがソフトバンクモバイル(以下ソフトバンク)のネットワークを使用したMVNOとして展開するディズニー・モバイル・オン・ソフトバンクDisney Mobile on SoftBank)並びにNTTドコモ(以下ドコモ)との協業で展開するディズニー・モバイル・オン・ドコモDisney Mobile on docomo)の双方について述べる。

ディズニー・モバイル・オン・ソフトバンク

2008年3月1日サービス開始。ディズニーが他の携帯電話事業者から通信網(3Gネットワーク)を借り受けてサービスを提供するMVNO仮想移動体通信事業者)という方式を用いる。そのため、ディズニーとソフトバンクは別々の電気通信事業者となる。なお両社は、両社の包括的な協業によるサービスであり、単なるMVNOとは異なると主張している。3G音声サービスのMVNO方式での携帯電話事業への参入としてはアジア初となる。

ディズニーが独自に提供するのは、端末やコンテンツ、サービスで、通信網の整備はディズニーとソフトバンク両社の提携により行われる。利用者はウォルト・ディズニー・ジャパンと契約することになるが、基本的にはソフトバンクのサービスエリア内で端末を利用することができ、ソフトバンクの公式コンテンツへもアクセスすることができるなど、国内のソフトバンクの端末で受けられるサービスはほとんど利用可能である。想定する主な利用者は20-30代の女性としている。日本は携帯電話の通信速度が速く、ディズニーの人気も高いことから参入を決めたという。サービス開始時点では、使用地域、通話品質、機能、料金体系はソフトバンクとほぼ共通しているため、「単にディズニーがソフトバンク向けに携帯電話を発売しただけ」のようなイメージとならないよう、ディズニーのイメージに沿った専用ブースを販売店に設けるという[1]

契約数に関しては、ソフトバンクは「ディズニー・モバイルの契約者数はソフトバンク側にカウントされる」としている。なお、電気通信事業者協会(TCA)による契約数発表では、他の既存MVNOの契約数は、MVNOにネットワークを提供する移動通信事業者(MNO)の契約数に合算されて計上されている(日本通信はNTTドコモ・KDDIおよびウィルコムに計上)。

サービス開始に向けた記者発表会の席上で「ソフトバンクを含め、他社からの乗り換えは携帯電話番号ポータビリティ(MNP)での移行にて対応する」と云う言い回しをしていたことから[2]、他社からの移行ではない新規契約者への番号割当には、すでにソフトバンクへ割り当てられている番号帯とは異なる新たな番号帯が総務省からディズニーへ割り当てられると見る向きもあったが、そもそも総務省は「自ら電気通信回線設備を保有しないMVNOに対して直接電話番号を指定することはない」としており[3]、新規契約の場合もソフトバンクに割り当てられている番号帯の中から番号が選ばれることになる。

販売チャネル

端末の販売や契約はサービス開始と同時に、ソフトバンクショップ家電量販店、ディズニーのオンラインストアなどで行っている。また、ソフトバンクショップはディズニー・モバイルのサービス拠点にもなり、アフターサービスなども行う。各店舗ではディズニー・モバイル専用のブースを設けて、説明員などを常駐させる。また、故障受付などの問い合わせ窓口は、専用ダイヤルに加えて、ソフトバンクショップでも対応する。

問い合わせ専用ダイヤルは、0800から始まる独自のフリーコール番号だが、故障専用ダイヤルはソフトバンクの故障専用番号(当初は、九州(中国・四国を併せて管轄)設置の0088番号であったが、現在は全国統一の0800番号がアナウンスされている)と同一となっている。

なお、MNP問い合わせダイヤルはソフトバンクと同一のものを利用している(ディズニー・モバイルの総合受付ダイヤルからMNP関連のメニューを選択した場合も、ソフトバンク用のガイダンス・メニューに転送される)。因みに、ソフトバンクショップで手続きする場合は、単一のソフトバンクショップ内でMNP番号の発行からソフトバンク⇔ディズニー・モバイル間のMNP手続きがすべて完了する仕組みとなっている(ただし、このMNP移行のケースでは、のりかえ割クーポンの適用対象外となる)。

ディズニーストア等、一般のディズニーグッズ販売店での店頭販売は、2010年11月より、ソフトバンクショップ代理店などを手がけるテレコムサービスの協力により繁華街の主要店舗3店舗で開始した(ただし、仙台東映プラザ店(2010年10月16日の営業を以って閉店)での取り扱いは、2011年8月31日を以って終了している)。

また、ディズニー・モバイル専門のショップ店として「ディズニー・モバイル ショップ」が2011年3月1日の新宿店を皮切りに順次開業し、2011年7月時点で3ヶ店となっており、同年8月には4店舗目、同年9月には5~7店舗目が開業している。同年11月25日には、東北初となる、イオンモール名取店が開業している(既存のソフトバンクとは別位置)。8店舗とも、テレコムサービスが直接代理店として運営している(なお、ソフトバンク店舗は、テレコムサービスが代理店となっている拠点の中で2次代理店運営となっている店舗が比較的多く見られる)。

利用料金・端末料金

Disney Mobile 3G・Disney Mobileスマートフォン契約

原則として、料金プランは月額980円の定額サービス(一定時間帯を除く)である「ホワイトプラン(D)」のみとなる。内容はソフトバンクが提供している「ホワイトプラン」とほぼ同じで、ここに「Wホワイト(D)」や「ホワイト家族24(D)」「パケットし放題(D)」など、ソフトバンクの料金プランとほぼ同様のものをそれぞれ組み合わせて利用する。端末購入時は「スーパーボーナス(D)」が適用される(スーパーボーナスを利用しない方法での購入も可能)。無料通話は、ディズニー・モバイルの契約者同士だけでなくソフトバンクの契約者との通話にも適用されるほか、ディズニー・モバイルの契約者もソフトバンクの「ホワイト家族24」の対象に追加できることなどから、料金的にはソフトバンクの携帯電話と同じ感覚で利用することができる。

ソフトバンクの「ホワイトプラン」サービス内容改定後は「ホワイトプラン(D)」も同様にサービス改定された。その結果、ディズニー・モバイルのサービスを新たに契約する際には二年契約が必須となった(ディズニー・モバイルには「ホワイトプラン(D)」以外の料金プランが存在しないため)。

請求締については、ソフトバンクでの契約同様、同様、10日締め、20日締め、末日締めのいずれかが、契約時期や契約地域によってランダムに設定される形となっている。

モジュール契約

コンテンツ

Yahoo!ケータイをカスタマイズした独自のポータルサイトDisney Web」が用意され、通常のソフトバンクの端末につけられている「Y!ボタン」の代わりの「Dボタン」を押すことでアクセスできる。「Disney Web」では、検索エンジンニュース交通情報などのソフトバンクの通常コンテンツに加え、現在ソフトバンク向けに提供されている23のディズニー公式サイトが、通信料金に加え有料会員登録(通常は月額105~315円)が必要なところを通信料金のみで利用できる。また、ショッピングやファッション、コスメなどの女性向けのサービスやコンテンツ、ディズニー・モバイル限定コンテンツなども提供される。

さらに、限定の着信音(着信メロディ:全43曲、着信ボイス:全43種)や動画、ゲーム、待受画面などを端末にプリインストールするほか、専用のポータルサイトからもダウンロードできるようにする。オリジナルの絵文字(全365文字)や、動きのあるイラストなどでメールを装飾するデコレメールなども利用できる。

ポイントプログラム

契約者向けにポイントプログラム「ディズニー・マジックポイント・クラブ」を設ける。本サービスの場合は、利用料金100円(税抜)ごとに1ポイントが付与されるほか、キャンペーンへの応募・申し込みや契約期間に応じて貯めることもできる。貯まったポイントはオンラインで確認することができ、電池パックACアダプタ卓上ホルダなどといったオプションとの交換に加え、スペシャルコンテンツ、ディズニーのDVDCD、グッズなどとの交換、懸賞への応募などにも利用できる。現状では従来のキャリアが提供しているポイントサービスとそれほど大差はないが、今後は他のポイントプログラムとの連携も検討していくという。サービス開始時点では貯まったポイントを端末の購入代金として使用することはできないが、今後検討される予定としていた。

ちなみに、「ディズニー・マジックポイント・クラブ」自体は、ディズニー・モバイル利用者に限定されたサービスではなく、ディズニーおさいふプラスなどのディズニーサービス各種における共通のポイントプログラムであったが、2011年4月に終了しており、2011年8月時点ではポイント制度はなくなっている。

メールアドレス

  • (ユーザー名)@disney.ne.jp
主要なディズニーキャラクター名などは取得不可能となっている。

端末

いわゆるフィーチャー・フォンDisney Mobile 3GスマートフォンDisney Mobile スマートフォンとソフトバンク同様の端末区分け(2010年の新型番導入以降のもの相当)がされ、使用するディズニー・モバイルUSIMカード(UIMカード)もこの区分に従い、それぞれ別物となる。DM001Photoに使うディズニー・モバイルUSIMカードについてもソフトバンク同様、モジュール契約専用のものとなるため、さらに別物となっている。

シャープとソフトバンクが協力して開発した「SoftBank 820SH821SH」をベースモデルに、背面パネルなどにミッキーフェイスのモノグラムをあしらった「DM001SH」を対応端末の第1弾モデルとして投入する。カラーリングは「DM001SH」限定の「Shiny Silver(シャイニーシルバー)」、「Glitter Gold(グリッターゴールド)」、「Sparkling Pink(スパークルピンク)」の3色。スリムな2つ折タイプの端末で、ワンセグFeliCaおサイフケータイ)などを搭載しており、中央のボタンがミッキーフェイスにデザインされている。ベースモデル同様国際ローミングは不可。販売価格はオープン価格で、市場価格は未定としていた。発売はサービス開始と同時で3月1日からとなる。今後、年間3回のペース(春モデル・夏モデル・秋冬モデル)で新機種を複数色で投入する予定と公表していた。2008年12月6日には国際ローミング対応機種のDM003SHSoftBank 824SHがベース)が投入され、海外利用に対応した。

なお、音声端末については、ACアダプタは別売となっており、独自のものではなくソフトバンクのZTDAA1(シャープ製)が純正品扱いとなる(スマートフォンであるDM009SH/DM010SH/DM011SH/DM012SHは、付属の「充電用microUSB変換アダプタ(SHCDL1)」とセットで利用する形をとる)。その他の純正オプションの一部についても、各機種のベースモデルとされているソフトバンク機種のオプションと同一になっているものも存在する(なお、独自のものもある)。2011年11月現在、他事業者のようなmicroUSBコネクタ仕様のスマートフォン向け共通ACアダプタをソフトバンクでは発売していないため、当面は前述の形で従来型のACアダプタのコネクタ部分を変換(ARIB-A→microUSBtypeB)する形となる。

卓上ホルダも別売だが、DM008SHとスマートフォンであるDM009SH/DM010SH/DM011SH/DM012SHについては、設定されていない。

なお、各種オプションについては、ソフトバンクの契約で獲得したポイントを利用してオンライン上で交換することが可能となっている。

緊急地震速報については、Disney Mobile スマートフォンと、デジタルフォトフレームであるDM001Photoにのみ対応し、DM008SH以前の端末(Disney Mobile 3G端末)については対応していない。緊急速報メールについては、DM012SHより対応予定。

発売中の端末

音声端末

音声端末はすべてシャープ製。

Disney Mobile 3G端末
Disney Mobile スマートフォン端末

モジュール内蔵端末

以下のデジタルフォトフレーム華為技術日本製。

発売予定の端末

音声端末

Disney Mobile スマートフォン端末

ディズニー・モバイル・オン・ドコモ

2012年2月1日にディズニー・モバイル・オン・ドコモの概要が発表された。ソフトバンクの場合とは異なり、ドコモの1ブランドとしてディズニーの名前を冠した端末・サービスが提供される形態となる[4]。実際のサービス開始は端末の販売が開始される2月下旬。

キャッチコピーは「新しい魔法を、その手に」。

サービス内容

ドコモの料金体系・サービスが原則としてそのまま適用される(メールもspモードメールのためドメインは@docomo.ne.jpのまま)が、追加サービスとして以下のサービスが無料で提供される[5]

Disneyシネマ
ディズニーの長編アニメーションやライブアクション映画等の動画コンテンツが提供される。
Dlife
BSデジタル放送で2012年3月開局予定の同名のチャンネルで放送される海外ドラマ等が視聴できる。
Disney mail
Webメールで、@disneymobile.ne.jpドメインのメールアドレスが取得できる。プッシュ配信は非対応。
その他
オリジナルアプリ・壁紙などが提供されるほか、東京ディズニーリゾートにおいてユーザ向け特典等も提供される予定。

また販売は、基本的に全国のドコモショップやドコモ販売店で行われる。ディズニーストア等での販売については現段階では公表されていない。

発売予定の端末

ドコモではいずれもdocomo with seriesとして扱われる。そのため、docomo with seriesとDisney Mobile on docomoシリーズの双方に属する。

イメージキャラクター

今後の展望

ディズニーという異業種の参入により、寡占化が叫ばれている日本の携帯電話市場が活性化することが期待されている。日本はアメリカに次いで2番目にディズニー関連市場が約7,000億円(東京ディズニーリゾート関連を含む)と大きいことから、ディズニー社もディズニー全体の成長の柱となると見込んでいる。

ディズニーはアメリカでも「Disney Mobile」というサービス名で、スプリント・ネクステルの携帯電話通信網(スプリントPCSネットワーク。即ち、CDMA方式)を借り受けて、MVNOとして携帯電話市場に参入したが[8]、競争環境が厳しく利用者数が伸び悩んだことから、2007年12月31日にサービス終了に追い込まれた経緯がある[9]

ディズニーは日本の携帯コンテンツが成熟していること(日本がアメリカよりも携帯電話でのデータ通信の割合が音声通信よりも高いこと)、アメリカでは通信速度が遅く、配信できるコンテンツが限られていたことに加え、ディズニー単独で事業を展開していたことを挙げ、アメリカでの事業展開との違いを強調している。また、日本では2000年から携帯電話向けにコンテンツ提供サービスを行っており、このノウハウを生かして携帯電話事業に参入することを決めたと語っている。事実、3つのキャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)で88サイトを運営しており、約350万件の会員登録がある。なお、今後の利用者数の目標などは公表していない。

沿革

  • 2007年11月12日 - ウォルト・ディズニー・カンパニーの日本法人である、ウォルト・ディズニー・ジャパンがソフトバンクモバイルと協業して、「ディズニー・モバイル」として日本の携帯電話事業へ参入することを発表した。MVNO方式による参入で、移動体通信事業サービス提供に関する電気通信事業の届け出を総務大臣に対して行った。
  • 2008年1月22日 - サービス開始日「3月1日」と詳細なサービス内容、端末概要などを発表し、公式サイトをオープンさせた。
  • 2008年3月1日 - サービス開始。
  • 2012年2月1日 - 「ディズニー・モバイル・オン・ドコモ」発表。同時に従来のサービスは「ディズニー・モバイル・オン・ソフトバンク」と改称された。

脚注・出典

  1. ^ 開発者が明かすディズニー・モバイルの秘密――夢と魔法の世界を手のひらに(BCNランキング 2008年2月29日記事)
  2. ^ 「ディズニー・モバイル」、3月1日スタート - Impress ケータイWatch
  3. ^ MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドラインの「2. 電気通信事業法に係る事項」→「(4) 電気通信番号(電話番号)管理」を参照。
  4. ^ ドコモとディズニーが「Disney Mobile on docomo」、2機種発表 - ケータイWatch・2012年2月1日
  5. ^ 「Disney Mobile on docomo」のスマートフォン2機種を開発 - NTTドコモ・2012年2月1日
  6. ^ ベースはREGZA Phone T-01DTを冠しているが富士通製)。
  7. ^ 現在もドコモのCMに出演している。
  8. ^ MOBILE MAGIC FOR FAMILIES! Walt Disney Company Unveils Breakthrough Wireless Service Specifically Designed for Families(ウォルト・ディズニー公式ニュースリリース 2006年4月5日)
  9. ^ DISNEY TO END U.S.-BASED MVNO OPERATIONS; EXPLORE NEW BUSINESS MODEL FOR POPULAR FAMILY CENTRIC SUITE OF SERVICES AND CONTENT FOR MOBILE(ウォルト・ディズニー公式ニュースリリース 2007年9月27日)

関連項目

外部リンク