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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
別名 ヴェルヴェッツ
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク
ジャンル ロックアート・ロックオルタナティブ・ロックサイケデリック・ロック
活動期間 1965年 - 1973年
レーベル ヴァーヴ・レコードMGMアトランティック・レコードポリドール
メンバー ルー・リード Vo. G.
ジョン・ケイル Vi. Ba.
スターリング・モリソン G.
モーリン・タッカー Dr.

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド (The Velvet Underground) は、1960年代後半のアメリカロックバンドヴェルヴェッツという略称でも呼ばれる(なお、ヴェルヴェッツ以前に「ザ・ヴェルヴェッツ」というバンドが存在している)。

活動中はヒットには恵まれなかったが、それまでに類を見ない極めて前衛的なサウンド、性におけるタブーや薬物など人間の暗部を深く鋭く見つめる詩世界は、デヴィッド・ボウイセックス・ピストルズなどに多大な影響を与え、ロックの芸術性の向上に大きな役割を果たした。

1996年ロックの殿堂入りを果たす。

メンバー

  • モーリン・タッカー(Maureen Tucker、1944年8月26日 - )-ドラム、コーラス
    アンガス・マクリーズの脱退に伴い加入。メンバー唯一の女性であり、非常に巧みなドラムを叩く。特にアフリカン・ドラムに影響を受けており、バス・ドラムを足でなく手で(スティックで)叩き、ハイハットを殆ど使用しない独特のドラミング・スタイルを持つ。アルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』収録の「アフター・アワーズ」ではヴォーカルを取っているが、リードに無理やり歌わせられたという。

その他のメンバー

  • アンガス・マクリーズ(Angus MacLise、1938年3月4日 - 1979年6月21日)-ドラム
    1965年の結成時に参加、同年脱退。
  • ダグ・ユール(Doug Yule、1947年2月25日 -)-ギター、ベース、ヴォーカル
    ケイルの脱退に伴い1969年加入。1973年に解散するまで参加。後半では中心人物として活躍。

結成

1963年にニューヨークに移り、作曲家として働いていたルー・リードは、そこでイギリスから音楽を学びに来ていたジョン・ケイルに出会う。2人はギターにスターリング・モリソンを、パーカッションにアンガス・マクリーズを迎えて、1965年にヴェルヴェット・アンダーグラウンドとして活動を始める。バンド名は道端に落ちていたペーパーバックのSM小説のタイトルより付けられたという。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ

カフェ・ビザールでヴェルヴェッツのステージを見たアンディ・ウォーホルは、バンドのプロデュースを申し出、ファクトリーに出入りしていたニコをヴォーカルとして加入させる。そして、1967年に、ウォーホルによるバナナのジャケットで有名なデビューアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』が発表される。

このアルバムは商業的には成功することはなかったが、後に再評価され、今日では歴史的な名盤とされている。なお、この前にマクリーズはバンドを離れ、代わりにモリソンの友人の妹モーリン・タッカーが加入した。ニコはファースト・アルバムに参加しただけでバンドを去った。

ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート

ウォーホルから離れて1968年に発表されたセカンド・アルバム『ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート』では、より前衛色を強め、ホワイトノイズを多用した17分に及ぶ大作「シスター・レイ」のような作品が並ぶなど、リードとケイルの音楽性が激しいぶつかり合いと融合を重ねた結果といえるアルバムであった。

知名度ではファースト・アルバムに劣るものの、ファンの間ではその音楽性の高さからこのアルバムをベストに推す声も強い。そのぶつかり合いの激しさが頂点に達した結果、ケイルは最終的にヴェルヴェッツに居場所をなくす事となり、このアルバムを最後にグループを脱退する。だが、ケイルの脱退に関してはリードが決めたという。

解散・再結成

ケイルの代わりにダグ・ユールが参加して制作された1969年のサード・アルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』(『』とも表される)は、ケイルが脱退したこともあって、リードの音楽性が前面に出たアルバムである。全体に叙情的な面が目立つが、前作のような過激さも併せ持っている。また、このアルバムに関しても、リードは後になって、次作と同じように、会社側に勝手にリミックスされたと主張している(リードの言う所のオリジナル・ミックスはBox setに収録されている)。

続く4枚目のアルバム『ローデッド』は、「スウィート・ジェーン」や「ロックンロール」といったリードが現在でも演奏する名曲を含むオーソドックスなロックンロール・アルバムである。ただし、リードは会社側で勝手にリミックスしたと主張しておりこのアルバムを評価していない(ただし、ダグ・ユールは、会社側が勝手にリミックスしたというリードの主張に対して異論を唱えている。彼によると、リミックスはリードによる物であり、リードが何故後になってこのような主張をするようになったのかについては分からないと語っている)。リードの言う所のオリジナル・ミックスはBox setに収録されている。また、リードの望んだ選曲、リミックスにした“Fully loaded version”が後に完全版としてリリースされている

1970年にこのアルバムが発表される直前、リードはグループを脱退し、『ローデッド』はヴェルヴェッツの実質的なラスト・アルバムとなった。1973年にヴェルヴェッツ名義の最後のアルバム『スクイーズ』がリリースされたが、ユールを除いて全てのメンバーが脱退しており、既に名前だけの一人バンドとなっていた。このアルバムがリリースされて程なくバンドは解散した。

その後、ヴェルヴェッツのメンバーは1990年代に何度か再結成を行ったが、1995年にモリソンが死去したことでオリジナル・メンバーでの活動は出来なくなってしまった。

ディスコグラフィ

関連書籍

関連項目