小郡官衙遺跡
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小郡官衙遺跡(おごおりかんがいせき)は、福岡県小郡市小郡にある古代官衙の遺跡。筑後国御原郡の郡家の跡と言われている。国の史跡に指定されている。
概要
[編集]1967年以後、数度にわたる発掘調査の結果、7世紀後半から8世紀後半にかけての3つの時期にわたる掘立柱建物などが確認された。
7世紀後半の第1期とされる時期については、倉庫とみられる総柱建物3棟が検出されたのみで、全体の規模は判然としない。建物の中軸線は南北方向から西へ10度傾いている。8世紀に入ってからの時期とあたるとみられる第2期の建物群の中軸線の方位が変わり、南北方向から東へ40度傾いた線を主軸にしている。建物群は東・西・北の3群に分かれ、東側はコの字型に並べられた郡庁とみられる建物、西側は厨屋、北側は正倉(みやけ)と推定されている。8世紀半ばから後半の第3期は主軸はほぼ南北方向に向けられ、第2期と同様の施設が置かれていたが、武器庫と推定される施設の側の溝からは鉄鏃が出土している。
遺跡の一部は公園として整備されている。
参考文献
[編集]- 渡辺正気「小郡官衙跡」(『福岡県百科事典』(西日本新聞社、1982年) ISBN 978-4-8167-0029-3)
- 石松好雄「小郡官衙跡」(『日本史大事典 1』(平凡社、1992年) ISBN 978-4-582-13101-7)
- 和田萃「小郡官衙遺跡」(『国史大辞典 15』(吉川弘文館、1996年) ISBN 978-4-642-00515-9)
- 倉住靖彦「小郡官衙遺跡」(『日本歴史大事典 1』(小学館、2001年) ISBN 978-4-095-23001-6)
- 『図説日本の史跡 第4巻 古代1』同朋舎、1991、pp.116 - 117
座標: 北緯33度24分4.85秒 東経130度33分24.34秒 / 北緯33.4013472度 東経130.5567611度