ナファモスタット
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | フサン (Futhan) |
Drugs.com |
国別販売名(英語) International Drug Names |
法的規制 |
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識別 | |
CAS番号 | 81525-10-2 |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 4413 |
IUPHAR/BPS | 4262 |
ChemSpider | 4260 |
UNII | Y25LQ0H97D |
KEGG | D01670 en:Template:keggcite |
化学的データ | |
化学式 | C19H17N5O2 |
分子量 | 347.37 g/mol |
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ナファモスタット(Nafamostat)はセリンプロテアーゼ阻害薬の一つであり、抗凝固薬に分類される。急性膵炎の症状改善にも用いられる。即効性の蛋白質分解阻害効果があり、血液透析に際してフィブリノーゲンが分解してフィブリンとなることを防ぐ。鳥居薬品が開発し、2019年4月に製造販売承認を日医工に譲渡した。商品名は「フサン」で、後発医薬品もある[1]。
効能・効果
[編集]日本で承認されている効能・効果は、下記の通りである[2]。
- 膵炎の急性症状(急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪、術後の急性膵炎、膵管造影後の急性膵炎、外傷性膵炎)の改善
- 汎発性血管内血液凝固症(DIC)
- 出血性病変または出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析およびプラスマフェレーシス)
副作用
[編集]重大な副作用として添付文書に挙げられているものは、ショック、アナフィラキシー様症状、高カリウム血症、低ナトリウム血症、血小板減少、白血球減少、肝機能障害、黄疸である[2]。
先発品と後発品で共にアレルギー症状を呈し、発現機序が異なることがうかがえたが、後発品では原因究明のシステムが構築されておらず、原因を解明できなかった事例が報告されている[3]。
研究事例
[編集]COVID-19
[編集]2020年3月18日、東京大学医科学研究所(井上純一郎教授ら)は、新型コロナウイルスの感染を阻止する可能性があるとして、国立国際医療研究センターなどと患者に試験投与を開始すると発表。国内では5つ目の治験薬剤になる[4][5]。
2020年5月8日、東京大学は、特定臨床研究「肺炎を有する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を対象としたファビピラビルとナファモスタットメシル酸塩の併用療法の有効性及び安全性を検討する多施設共同単盲検ランダム化比較試験」を開始したと発表した。ファビピラビルを最長14日間投与する群を対照群として、ファビピラビル及びナファモスタットメシル酸塩を併用で最長14日間投与する群における有効性と安全性を検討する単盲検比較試験であり、実施予定被験者数は、160人を計画している[6]。
吸入製剤の開発も進められた[7]が、安全性の問題から2021年には中止となった[8]。
出典
[編集]- ^ “日医工が3連騰、「急性膵炎治療剤『フサン』が新型肺炎有効」と”. shikiho.jp. 2020年5月14日閲覧。
- ^ a b “注射用フサン10 添付文書” (2009年8月). 2015年9月8日閲覧。
- ^ 濱田哲、松原雄、遠藤修一郎ら (2009-09-15). “メシル酸ナファモスタットの先発医薬品,後発医薬品両者で異なるアレルギー症状を呈した血液透析患者の1例”. 透析会誌 42 (7): 541-5 .
- ^ “日本経済新聞 - 新型コロナ治療薬候補に膵炎向け「ナファモスタット」東大医科学研究所、投与し効果検証 2020/3/16 23:00”. 2020年3月18日閲覧。
- ^ “時事メディカル”. 2020年3月18日閲覧。
- ^ “フサンとアビガン併用、コロナ治療の臨床研究 東大など”. 日本経済新聞 電子版(2020年5月8日). 2020年7月21日閲覧。
- ^ 東京大学、理化学研究所、日医工、第一三共による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療に向けたナファモスタット吸入製剤の共同研究開発に関する基本合意のお知らせ 東京大学 2020年6月8日
- ^ 第一三共 新型コロナ治療薬候補ナファモスタット吸入製剤の開発中止 安全性に懸念 ミクスOnline 2021年6月16日