シェブロン選手権
シェブロン選手権(The Chevron Championship)は、全米女子ゴルフのメジャー選手権のひとつである。選手権のスポンサーはシェブロンが務め、IMGとの共催で行われる。
シェブロン選手権 | |
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トーナメント情報 | |
創設 | 1972年 |
開催地 | アメリカ合衆国 |
開催コース | ザ・クラブatカールトン・ウッズ |
基準打数 | 72 |
ヤーデージ | 6,824ヤード (6,240 m) |
ツアー | LPGA |
競技方法 | ストロークプレー |
賞金総額 | 790万ドル |
開催月 | 4月 |
最高記録 | |
最少打数 | 269 ドッティー・ペッパー (1999年) |
通算スコア | –19 同上 |
最新優勝者 | |
ネリー・コルダ |
概要
編集1972年、同国の歌手であるダイナ・ショアの企画により歯磨きメーカーであるコルゲート社とのタイアップによるトーナメント「コルゲート・ダイナ・ショア・ウィナーズ・サークル」として発足した。1983年に全米女子メジャーに昇格する。その後スポンサーの変更等により、トーナメント名も変更されたが「ダイナ・ショア」の名前は彼女の死(1994年2月)の後も1999年まで残された。
第1回からカリフォルニア州ランチョ・ミラージュの「ミッションヒルズ・カントリークラブ」を会場としており、毎年3月下旬に行われ、4月第1日曜日に最終日を設定している。そのシーズンのメジャーの初戦として熱戦を繰り広げている。しかし同週にオーガスタ・ナショナル女子アマチュアが開催されることなどから、2023年大会からテキサス州ヒューストン近郊のゴルフ場で開催、かつ時期も4月中旬頃に変更される予定。これは放映権を持つNBCの意向だという[1][2]。
1982年からナビスコがスポンサーとなり、2002年からクラフトフーヅがスポンサーに加わった。しかし、2014年の大会を最後に降板。同年のCMEグループ・ツアー選手権開催直前に2015年から日本の航空会社である全日本空輸(ANA)がタイトルスポンサーとなり[3]、大会名も変更となった。
2021年10月5日、IMGと全米女子プロゴルフ協会は、石油関連大手のシェブロンがANAインスピレーションの新スポンサーとなり、「ザ・シェブロン選手権」にリニューアルされると発表した。契約は、2022年3月開催の2022年大会から6年間。ANAは協賛社となる[4]。
この大会の優勝者にはチャンピオンローブとダイナ・ショア・トロフィーが授与される。
2023年開催コースがザ・クラブatカールトン・ウッズに変更された。
トーナメント名の変遷
編集- 1972 - 1980年:コルゲート・ダイナ・ショア・ウィナーズ・サークル
- 1981年:コルゲート・ダイナ・ショア
- 1982年:ナビスコ・ダイナ・ショア・インビテーショナル
- 1983年 - 1999年:ナビスコ・ダイナ・ショア
- 2000・2001年:ナビスコ選手権
- 2002年 - 2014年:クラフト・ナビスコ選手権
- 2015年 - 2021年:ANAインスピレーション
- 2022年 - 2027年:シェブロン選手権
出場資格
編集- LPGA殿堂入りをしている者
- 歴代優勝者
- 過去5年のエビアン選手権・全米女子オープン・全英女子オープン・全米女子プロゴルフ選手権優勝者
- 同選手権1ヶ月前と開催週のロレックス女子世界ランキング40位以内の選手(2月末最終月曜日付けのランキング)。
- 前週までのLPGAツアーポイントランキング上位
その他、特別推薦枠がある。
池へのジャンプ
編集ミッションヒルズ時代では優勝者は18番ホールのグリーン脇にある池に飛び込む通称『ポピーポンド』が恒例となっていた。
- 1988年、エイミー・オルコットが同大会2度目の優勝の際に飛び込んだのが最初とされる
- 1991年、オルコットが3度目の優勝を果たし、大会ホステスであるショアと一緒に飛び込んだ
- 1992年にはドッティー・モクリー(モクリーは結婚していた際の姓、現在はペッパー)はプレイオフを制して優勝したが、これが10番ホールだったので飛び込めなかった
- 1994年、ドナ・アンドリュースが大会直前に亡くなったショアを偲んでジャンプを行って以来、これが伝統となる
歴代優勝者
編集年 | 日程 | 優勝者 | 国 | スコア | パー | 2位との差 | 総額 ($) |
優勝賞金 ($) | |
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2024 | Apr 18–21 | ネリー・コルダ | アメリカ合衆国 | 275 | −13 | 2打差 | 7,900,000 | 1,185,000 | |
2023年 | 4月20–23日 | リリア・ヴ | アメリカ合衆国 | 68-69-73-68 | 278 | −10 | プレーオフ | 5,100,000 | 765,000 |
2022年 | 3月31日 – 4月3日 | ジェニファー・カプチョ | アメリカ合衆国 | 66-70-64-74 | 274 | −14 | 2打差 | 5,000,000 | 750,000 |
2021年 | 4月1–4日 | パティ・タバタナキト | タイ | 66-69-67-68 | 270 | −18 | 2打差 | 3,100,000 | 465,000 |
2020年 | 9月10–13日 | イ・ミリム | 韓国 | 70-65-71-67 | 273 | −15 | プレーオフ | 3,100,000 | 465,000 |
2019年 | 4月4–7日 | コ・ジンヨン | 韓国 | 69-71-68-70 | 278 | −10 | 3打差 | 3,000,000 | 450,000 |
2018年 | 3月29日 - 4月2日 | パーニラ・リンドベルグ | スウェーデン | 65-67-70-71 | 273 | −15 | プレーオフ | 2,800,000 | 420,000 |
2017年 | 3月30日 – 4月2日 | ユ・ソヨン[5] | 韓国 | 68-69-69-68 | 274 | −14 | プレーオフ | 2,700,000 | 405,000 |
2016年 | 3月31日 – 4月3日 | リディア・コ | ニュージーランド | 70-68-69-69 | 276 | −12 | 1打差 | 2,600,000 | 390,000 |
2015年 | 4月2–5日 | ブリタニー・リンシコム (2) | アメリカ合衆国 | 72-68-70-69 | 279 | –9 | プレーオフ | 2,500,000 | 375,000 |
2014年 | 4月3–6日 | レクシー・トンプソン | アメリカ合衆国 | 73-64-69-68 | 274 | –14 | 3打差 | 2,000,000 | 300,000 |
2013年 | 4月4–7日 | 朴仁妃 | 韓国 | 70-67-67-69 | 273 | –15 | 4打差 | 2,000,000 | 300,000 |
2012年 | 3月29日 – 4月1日 | ユ・ソンヨン | 韓国 | 69-69-72-69 | 279 | –9 | プレーオフ | 2,000,000 | 300,000 |
2011年 | 3月31日 – 4月3日 | ステイシー・ルイス | アメリカ合衆国 | 66-69-71-69 | 275 | –13 | 3打差 | 2,000,000 | 300,000 |
2010年 | 4月1–4日 | 曾雅妮 | 台湾 | 69-71-67-68 | 275 | –13 | 1打差 | 2,000,000 | 300,000 |
2009年 | 4月2–5日 | ブリタニー・リンシコム | アメリカ合衆国 | 66-74-70-69 | 279 | –9 | 1打差 | 2,000,000 | 300,000 |
2008年 | 4月3–6日 | ロレーナ・オチョア | メキシコ | 68-71-71-67 | 277 | –11 | 5打差 | 2,000,000 | 300,000 |
2007年 | 3月29日 – 4月1日 | モーガン・プレッセル | アメリカ合衆国 | 74-72-70-69 | 285 | –3 | 1打差 | 2,000,000 | 300,000 |
2006年 | 3月30日 – 4月2日 | カリー・ウェブ (2) | オーストラリア | 70-68-76-65 | 279 | –9 | プレーオフ | 1,800,000 | 270,000 |
2005年 | 3月24–27日 | アニカ・ソレンスタム (3) | スウェーデン | 70-69-66-68 | 273 | –15 | 8打差 | 1,800,000 | 270,000 |
2004年 | 3月25–28日 | グレース朴 | 韓国 | 72-69-67-69 | 277 | –11 | 1打差 | 1,600,000 | 240,000 |
2003年 | 3月27–30日 | パトリシア・メルニエ=ルブック | フランス | 70-68-70-73 | 281 | –7 | 1打差 | 1,600,000 | 240,000 |
2002年 | 3月28–31日 | アニカ・ソレンスタム (2) | スウェーデン | 70-71-71-68 | 280 | –8 | 1打差 | 1,500,000 | 225,000 |
2001年 | 3月22–25日 | アニカ・ソレンスタム | スウェーデン | 72-70-70-69 | 281 | –7 | 3打差 | 1,500,000 | 225,000 |
2000年 | 3月23–26日 | カリー・ウェブ | オーストラリア | 67-70-67-70 | 274 | –14 | 10打差 | 1,250,000 | 187,500 |
1999年 | 3月25–28日 | ドッティー・ペッパー (2) | アメリカ合衆国 | 70-66-67-66 | 269 | –19 | 6打差 | 1,000,000 | 150,000 |
1998年 | 3月26–29日 | パット・ハースト | アメリカ合衆国 | 68-72-70-71 | 281 | –7 | 1打差 | 1,000,000 | 150,000 |
1997年 | 3月27–30日 | ベッツィ・キング (3) | アメリカ合衆国 | 71-67-67-71 | 276 | –12 | 2打差 | 900,000 | 135,000 |
1996年 | 3月28–31日 | パティ・シーハン | アメリカ合衆国 | 71-72-67-71 | 281 | –7 | 1打差 | 900,000 | 135,000 |
1995年 | 3月23–26日 | ナンシー・ボウエン | アメリカ合衆国 | 69-75-71-70 | 285 | –3 | 1打差 | 850,000 | 127,500 |
1994年 | 3月24–27日 | ドナ・アンドリュース | アメリカ合衆国 | 70-69-67-70 | 276 | –12 | 2打差 | 700,000 | 105,000 |
1993年 | 3月25–28日 | ヘレン・アルフレッドソン | スウェーデン | 69-71-72-72 | 284 | –4 | 2打差 | 700,000 | 105,000 |
1992年 | 3月26–29日 | ドッティー・モーリー | アメリカ合衆国 | 69-71-70-69 | 279 | –9 | プレーオフ | 700,000 | 105,000 |
1991年 | 3月28–31日 | エイミー・オルコット (3) | アメリカ合衆国 | 67-70-68-68 | 273 | –15 | 8打差 | 600,000 | 90,000 |
1990年 | 3月29日 – 4月1日 | ベッツィ・キング (2) | アメリカ合衆国 | 69-70-69-75 | 283 | –5 | 2打差 | 500,000 | 90,000 |
1989年 | 3月30日 – 4月2日 | ジュリ・インクスター (2) | アメリカ合衆国 | 66-69-73-71 | 279 | –9 | 5打差 | 500,000 | 80,000 |
1988年 | 3月31日 – 4月3日 | エイミー・オルコット (2) | アメリカ合衆国 | 71-66-66-71 | 274 | –14 | 2打差 | 500,000 | 80,000 |
1987年 | 4月2–5日 | ベッツィ・キング | アメリカ合衆国 | 68-75-72-68 | 283 | –5 | プレーオフ | 500,000 | 80,000 |
1986年 | 4月3–6日 | パット・ブラッドリー | アメリカ合衆国 | 68-72-69-71 | 280 | –8 | 2打差 | 430,000 | 75,000 |
1985年 | 4月4–7日 | アリス・ミラー | アメリカ合衆国 | 70-68-70-67 | 275 | –13 | 3打差 | 400,000 | 55,000 |
1984年 | 4月5–8日 | ジュリ・インクスター | アメリカ合衆国 | 70-73-69-68 | 280 | –8 | プレーオフ | 400,000 | 55,000 |
1983年 | 3月31 – 4月3日 | エイミー・オルコット | アメリカ合衆国 | 70-70-70-72 | 282 | –6 | 2打差 | 400,000 | 55,000 |
メジャー昇格以前の優勝者
編集年 | 優勝者 | スコア | パー | 2位との差 | 総額 ($) |
優勝賞金 ($) | |
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1982 | サリー・リトル | 76-67-71-64 | 278 | –10 | 3打差 | 300,000 | 45,000 |
1981 | ナンシー・ロペス | 71-73-69-64 | 277 | –11 | 2打差 | 250,000 | 37,500 |
1980 | ドナ・カポニ | 71-67-66-71 | 275 | –13 | 2打差 | 250,000 | 37,500 |
1979 | サンドラ・ポスト (2) | 68-70-68-70 | 276 | –12 | 1打差 | 250,000 | 37,500 |
1978 | サンドラ・ポスト | 65-75-72-72 | 283 | –5 | プレーオフ | 240,000 | 36,000 |
1977 | キャシー・ウィットワース | 76-70-72-71 | 289 | +1 | 1打差 | 240,000 | 36,000 |
1976 | ジュディ・ランキン | 74-72-71-68 | 285 | –3 | 3打差 | 185,000 | 32,000 |
1975 | サンドラ・パーマー | 70-70-70-73 | 283 | –5 | 1打差 | 180,000 | 32,000 |
1974 | ジョー・アン・プレンティス | 71-71-74-73 | 289 | +1 | プレーオフ | 179,000 | 32,000 |
1973 | ミッキー・ライト | 71-74-71-68 | 284 | –4 | 2打差 | 135,000 | 25,000 |
1972 | ジェーン・ブラロック | 71-70-72 | 213 | –3 | 3打差 | 110,000 | 20,050 |
記録
編集- 最多優勝回数:3回、エイミー・オルコット(1983・1988・1991年)、ベッツィ・キング(1987・1990・1997年)、アニカ・ソレンスタム(2001・2002・2005年)
- 最年長優勝:42歳、ジョ・アン・プレンティス(1974年)
- 最年少優勝:18歳、モーガン・プレッセル(2007年)
- 72ホール最高スコア:269、ドッティー・ペッパー(1999年)
- 最多トップテン回数:11回、パット・ブラッドリー
脚注
編集- ^ “LPGA Tour making major changes to year's first major, with new name, purse, course and sponsor”. Golf Digest (October 5, 2021). October 7, 2021閲覧。
- ^ “Women’s golf major gains sponsor and bigger purse amid venue uncertainty”. The Guardian (October 5, 2021). October 7, 2021閲覧。
- ^ “All Nippon Airways (ANA) Takes Flight as Title Sponsor of LPGA's "ANA Inspiration"”. LPGA. 2014年11月19日閲覧。
- ^ “女子メジャー「ANAインスピレーション」冠スポンサー変更「シェブロン選手権」へ 賞金60%増”. 2021年5月7日閲覧。
- ^ ユ・ソヨンがプレーオフ制しメジャー2勝目 レクシーは前日ペナ発覚でVならず - ALBA.bet、2017年4月3日