【発明の詳細な説明】
磁石
本発明は、契約番号70NANB5H1037に基づき米国政府の援助を受けてなされたも
のである。政府は、本発明において一定の権利を有している。
本発明は、物体の磁気操作の分野に関するものである。本発明は、特に、磁性
ビーズ、例えば診断用検定のためのサンプルを用意するために用いられる常磁性
ビーズ、を操作するのに有用な永久磁石の新規な設計に関するものである。
多くの企業が、抗体等の付着生体分子を有する常磁性ビーズを販売している。
このような企業としては、Bang Laboratories(インディアナ州カールメル)やD
ynal(ニューヨーク州レイク・サクセス)が挙げられる。これらのビーズは、サ
ンプル中の特定の細胞タイプや特定の分子に結合させるために用いることができ
るが、磁気特性を用いることでビーズを保持しながら非結合材料を洗い流すこと
販売されているものが挙げられる。これらのビーズのうち後半のものは核酸を結
合するので、他の生化学的検定のうちポリメラーゼ連鎖反応用のサンプルを用意
するために使用することができる。
これらのビーズは、種々の検定を行うための小型反応システムで使用すること
もできる。このような小型システムの欠点は、標準的な磁石をこのような装置の
セルに対向して配置した場合に、磁石が磁性ビーズに十分な力を与えることがで
きないことである。従って、生化学反応または化学反応を促進するこのようなビ
ーズの潜在的価値は、上述の小型システムとの関連で使用される場合は失われて
しまう。
発明の概要
N極またはS極のいずれかに相当する永久磁石の一端部が適切な形状を有して
いる場合、磁石のその端部の付近の磁界勾配dH/dxが大きく高まり、その結
果、磁石を動かすことにより磁性ビーズに付加することのできる力が大きく高ま
る。更に、磁界勾配dH/dxは、N極およびS極の方位を交番させて一体に接
合された永久磁石の複数の薄片から磁石を構成することにより高めることもでき
る。これにより接合部の付近における磁界勾配が高まり、磁性ビーズに付加する
ことのできる力を再び高める結果となる。
特に本発明は、一つの態様では、磁性ビーズを回転、移動、または保持するた
めの組合せに関する。この組合せは、セルと、N極またはS極において尖り端部
を有する磁石と、を備えている。ここで、この尖り端部は、セルと接触させても
よい。また、この尖り端部は、セルの近接内面の約250μm以内に配置しても
よいし、セルの近接内面の約50μm以内に配置してもよい。磁石は、勾配屋根
形状を有していてもよい。磁石の屋根形状を形成する二つの面は、約90°〜約
150°の角度オフセットを有していてもよいし、約110°〜約130°の角
度オフセットを有していてもよい。本発明のこの態様は、磁性ビーズを更に備え
ている。ここで、磁性ビーズは、有機分子または非有機分子に共有結合的または
非共有結合的に結合している。また、このビーズは、少なくとも約0.01セン
チ−グラム−秒(“cgs”)単位の磁化率を有しており、磁石は、このビーズ
に少なくとも約10ダインの力を付加することができる。また、磁石は、ビーズ
に少なくとも約100ダインの力を付加するようになっていてもよい。
第2の態様では、本発明は、少なくとも約0.01cgs単位の磁化率を有す
る磁性ビーズを回転、移動、または保持する方法に関する。この方法は、(a)
磁石を用いることにより、ビーズの回転、移動、または保持が求められる平面内
の軸に沿って磁界勾配dH/dxを形成するステップであって、この磁界勾配は
少なくとも約10ダインの力をビーズに加えるのに十分な大きさを有しているス
テップと、(b)この磁石を動かして、磁性ビーズの対応する運動を誘起するス
テップと、を備えている。ここで、ビーズの回転、移動、または保持が求められ
る平面内の軸に沿った磁界勾配dH/dxは、少なくとも約100ダインの力を
ビーズに加えるのに十分な大きさを有していてもよい。また、磁性ビーズはセル
内にあり、化学反応または生化学反応が磁性ビーズの表面で起こる。
第3の態様では、本発明は、N極およびS極の方位を交番させながら相互に接
合された二つ以上の磁石薄片を備える磁石に関する。ここで、磁石薄片間の接合
部は一つの面を定めており、これにより、磁界勾配dH/dxの極大値が接合部
に現れるようになっている。また、磁石薄片の厚さは、約0.5mm〜約2.5
mmであり、この磁石は少なくとも4枚の磁石薄片を備えている。
第4の態様では、本発明は、磁性ビーズを回転、移動、または保持するための
組合せに関する。この組合せは、セルと、N極およびS極の方位を交番させなが
ら相互に接合された二つ以上の磁石薄片を備える磁石と、を備えている。これら
の磁石薄片間の接合部は一つの磁気面を定めており、これにより、磁界勾配dH
/dxの極大値が接合部に現れるようになっている。ここで、この磁気面は、セ
ルと接触させてもよいし、セルの近接内面の約250μm以内に配置してもよい
。
図面の簡単な説明
本発明の内容は、添付の図面とともに以下の詳細な説明を考察することにより
容易に理解することができる。ここで、
図1は、N極において屋根形状を有する永久磁石を示している。
図2は、永久磁石の薄片から形成された円柱形磁石を示している。
図3は、永久磁石の薄片間の接合部に蓄積する磁性ビーズを示している。
図4A、4Bおよび4Cは、本発明の磁石を使用して磁性ビーズを輸送したり
、溶液がビーズの上を通過する間、所定箇所にビーズを保持したり、ビーズを動
かして攪拌を起こしたりする様子を示している。
理解を容易にするため、図面に共通の同一要素には可能な限り同一の参照番号
を使用している。
詳細な説明
ある実施形態では、本発明は、磁石を密閉セルの外壁に接触させて配置した場
合に磁性物体をセル内で操作するのに十分な強さの磁界を生じさせる特性を有す
る磁石に関する。さらに、別の実施形態では、本発明は、前述の磁石とセルとを
備える組合せに関する。ここで、このセルは、化学反応または生化学反応の実行
時に使用される試薬および磁性物体を含んでいる。このような反応は、例えば、
診断用検定や法医学的検定の目的のためであってもよいし、このような検定用の
核酸の準備のためであってもよいし、化学の分野で知られているような組合せラ
イブラリのメンバの化学合成であってもよい。
上述のように、磁性ビーズの磁気的性質を用いて密閉セル内で特定の試薬を操
作したり混合を行おうとする場合、セル内で磁性ビーズを使用するのには困難が
伴う。このような困難は、磁性ビーズに作用する力が次の式
F=κvVH(dH/dX)
に示されるように磁界の強さH、磁界の勾配dH/dx、体積磁化率κvおよび
ビーズの体積Vに比例することを認識することによって理解することができる。
ここで、体積磁化率κvは、磁化率κvをビーズの体積Vで除算したものであり、
κmは、この技術分野で理解されている無次元数であり、本明細書ではセンチ−
グラム−秒(“cgs”)系との関連で用いられる。
上記の式は、力が磁界の強さ(磁石からの距離の2乗分の1に比例して減少)
と磁界の強さの導関数(磁石からの距離の3乗分の1に比例して減少)との積に
比例することを示している。従って、磁性ビーズに作用する力は、磁石からの距
離の5乗分の1に比例して減少する。この分析結果は、実際には、ビーズを所定
箇所に保持し、移動し、あるいは回転させるようにビーズに十分な磁力を付加す
ることが非常に困難なことを示している。この分析結果は更に、標準的な平表面
磁石(その表面で小さな磁界勾配を有している)は、磁性ビーズに力を付加する
場合にはあまり有効でないことも示している。
この力の付加の目的では、用語「磁性ビーズ」には、任意の適切な形状と好ま
しくは約0.001g未満の質量を有し、磁石を用いて押し引きすることの可能
な任意の適切な物体が含まれている。常磁性ビーズは、十分な強さの磁界中にあ
る場合は磁界のソースに引き寄せられるが、それ以外の場合は磁気特性を示さな
いビーズである。例を挙げると、例えばFe2O3などの鉄が非磁性基体(例えば
ポリスチレン)中に拡散した磁性ビーズは、常磁性と考えられる。好適な常磁性
ビーズは、ポリスチレン中に拡散した常磁性材料から構成され、高分子膜(最適
なのはポリスチレン膜)内に封人される。ある応用例では、使用される磁性ビー
ズはそれ自体が磁石であり、従って磁界のソースである。このようなビーズは、
磁性材料、例えばこの技術分野で公知の永久磁石、から構成される。常磁性材料
または磁性材料は、好ましくはビーズの約10%w/w〜約70%w/w、より
好ましくは約30%w/w〜約50%w/wを構成しているとよい。好適な
実施形態では、ビーズは、(i)分子を共有結合的もしくは非共有結合的に結合さ
せる活性部位、(ii)生物分子などの結合有機分子、または(iii)結合無機分子を
有している。
ある実施形態では、永久磁石を備えた磁気マニピュレータを用いて上述の磁性
ビーズを引き寄せ、あるいは押し戻す。このマニピュレータ、そして特にこのマ
ニピュレータに含まれる磁石は、一端における磁界勾配の大きさを高めるような
形状を有している。この磁石の好適な形状は、この磁石によって操作されるビー
ズの最も近くに配置される頂部の一点に延びる円錐形である。別の好適な形状は
、角錐形である。ここでも、この角錐形は、本発明との関連で操作されるビーズ
の最も近くに配置される尖り頂部を有している。更に別の好適な形状は、勾配屋
根である。ここでも、屋根の尖った先端は、操作されるビーズの最も近くに配置
される。本明細書では、円錐形または角錐形の尖り頂部や屋根形の先端は、他の
適切な形状の尖り部分とともに一括して、本発明との関連で使用される磁気マニ
ピュレータに含まれる磁石の「尖り端部」と呼ぶ。別の実施形態では、磁気マニ
ピュレータは、磁石の複数の薄片から構成されている。これらの薄片は、一体に
接合されて、磁界勾配の大きさがより大きい接合部を形成している。
本明細書で用いられる用語「セル」は、化学反応または生化学反応を行ったり
、このような反応に用いられる反応物質や試薬を輸送するのに適した内部空洞を
有する任意の構造を指している。このようなセルとしては、チャネル、マイクロ
チャネル、分離管、毛細管や、反応溜めまたは試薬溜めが挙げられる。ただし、
これらに限定されるわけではない。反応溜めまたは試薬溜めは、本発明の磁気マ
ニピュレータが溜めの外壁に接触しているときに溜めの内部に適切な磁界を及ぼ
すことができるように、比較的小さな容積(例えば、約100μl以下の容積)
を有していることが好ましい。ここで、適切な磁界とは、溜めの内部に配置され
た磁性ビーズを操作することが可能な磁界である。前述のビーズを溜めの間で輸
送することができるチャネル、マイクロチャネルまたは毛細管は、幅が約50μ
m〜約500μmで深さが約25μm〜約100μmという寸法を有している。
ただし、このような寸法に限定されるわけではない。好適な寸法としては、幅が
約100μm〜約200μm、深さが約30μm〜約80μmという寸法が挙げ
ら
れる。このような寸法は、ビーズが反応溜めまたは試薬溜めを出てチャネル、マ
イクロチャネル、または毛細管に入ることが望ましいかどうか(これは当業者が
判断する)にかかわらず、実行される化学反応または生化学反応に必要な反応物
質の体積や、使用されるビーズの寸法を考慮して定められる。
図1では、磁気マニピュレータの磁性部品の一態様である磁石100が、第1
の屋根パネル102Aおよび第2の屋根パネル102Bを有する屋根形状をその
N極において有している。第1および第2の屋根パネル102Aおよび102B
の各々は、好ましくは約90°〜約150°、より好ましくは約110°〜約1
30°という相互に対する角度オフセットθ(すなわち傾き)を有している。図
示のように、ある好適な実施形態では、セルに近接した高い磁場勾配をより広範
囲の領域に与えることが容易になるように、磁石の頂部101は一平面内に位置
している。頂部101は、平滑であることが好ましい。より好ましくは、頂部1
01は、頂部の実質的に全部(すなわち、頂部の長さの少なくとも約90%)を
平坦な外形、管状の外形、または丸みを帯びた外形を有するセルの側面に隣接さ
せて配置することが可能になるような形状を有している。
磁石100は、任意の永久磁石である。この磁石としては、ネオジム−鉄−ホ
ロン(neodymium-iron-horon)磁石が好ましい。これは、例えば、EdmundScient
ific Co.(ニュージャージー州バーリントン)から市販されている。
この磁石は、セル構造のプラスチック、ガラス、シリカその他の材料と共に使
用するのに最適である。ここで、この構成材料は、磁気特性を有しておらず、ま
た、セル内に位置する磁性ビーズまたは常磁性ビーズに対する本発明の磁石の作
用を妨げるような厚さも有していない。このようなセルの設計により、本発明の
磁石の頂部の実質的に全部がセルの近接内面の約250μm以内、好ましくは近
接内面の50μm以内に接近できるようになる。ここで、近接内面とは、磁石に
最も近いセルの内面のことである。この磁石は、ビーズが0.01cgs単位の
磁化率κMを有している場合に、セルの近接内面において少なくとも約10ダイ
ンの力をビーズに付加できるようになっていることが好ましく、より好ましくは
少なくとも約100ダインの力を付加できるようになっていると良い。
本発明の磁石を用いることで、前述のビーズを所定箇所に保持したり、ビーズ
を第1の位置から第2の位置に移動させたり、ビーズを回転させたりすることが
できる。ここで、この回転は、ビーズの移動や所定箇所へのビーズの保持中に行
われる。これにより、ビーズが浸漬される試薬または緩衝剤とビーズとを混合し
たり、ビーズに結合した第1反応物質に起こる反応に過剰な第2反応物質を安定
して与えることができる。このような使用としては、特に、(1)ビーズの試薬
溜めから反応溜めへの移動あるいはその逆の移動、(2)ビーズの試薬溜めまた
は反応溜めからの除去、(3)ビーズを回転させることによる試薬溜めまたは反
応溜めの内容物の混合、(4)ビーズをセル中において固定式または回転式で所
定箇所に保持し、新鮮なまたは異なる緩衝剤または試薬混合物を流してビーズの
間を通過させることにより、ビーズが浸漬される緩衝剤または試薬混合物を、あ
る緩衝剤または試薬混合物から同じ緩衝剤もしくは試薬混合物の新鮮な部分また
は異なる緩衝剤もしくは試薬混合物に変更すること、を挙げることができる。た
だし、これらに限定されるわけではない。
図2は、本発明の磁石200の一実施形態を示している。この磁石200は、
第1の磁石薄片201、第2の磁石薄片202、第3の磁石薄片203等の間に
第1の接合部211、第2の接合部212、第3の接合部213等を有する表面
220を備えている。用語「接合部」は、表面220に沿った磁石薄片の接合箇
所を指している。磁界勾配dH/dxの大きさが最大となる領域を定めるのは、
これらの第1接合部211、第2接合部212、第3接合部213等である。こ
のため、表面220の形状を定めるのは、第1接合部211、第2接合部212
、第3接合部213等の間に見られるいかなるピットや谷にかかわらず、これら
の接合部によって定められる形状である。
フレーズ「N極およびS極の交番方位」の意味は、第1薄片磁石201と第2
薄片磁石202との間に形成される第1接合部211に関連して説明することが
できる。第1磁石薄片201と第2磁石薄片202とを分離した場合、接合部2
11を以前に形成していた各薄片の縁部は、それぞれ磁界勾配の極大の焦点とな
る。接合部211における磁界勾配が分離磁石薄片の上記縁部のいずれにおける
勾配よりも大きい場合、これらの薄片は「N極およびS極の交番方位」を有する
ように接合されている。
この磁石薄片は、図1の磁石を構成するものと同じ材料から構成することがで
きる。これらの磁石薄片間の接合は、例えば接着剤を用いて行うことができる。
この磁石薄片は、ニュージャージー州ベレビレのHardmanから市販されているExt
ra-Fast Setting EpoxyTMなどのエポキシ系接着剤によって一体に接合されるこ
とが好ましい。
表面220は、平滑であることが好ましい。これは、第1接合部211、第2
接合部212、第3接合部213等の上の隣接面間に隙間や分離を含むことなく
平滑な二次元形状を重ねることができるように、突起や窪みが実質的にないこと
を意味している。より具体的には、表面220は、第1接合部211、第2接合
部212、第3接合部213等の実質的に全部(すなわち、接合部の長さの少な
くとも約90%)を任意の適切な形状のセルの側面に隣接させて配置できるよう
にする形状を有している。ここで、適切な形状のセルとしては、平坦な外形や管
状の外形や丸みを帯びた外形を有するセルが挙げられる。ただし、これらに限定
されるわけではない。
第1磁石薄片211、第2磁石薄片212、第3磁石薄片213等は、約0.
5mm〜約2.5mmの厚さを有していることが好ましく、約1mm〜約1.5
mmの厚さを有していると更に好ましい。磁石200は、少なくとも4枚の磁石
薄片を有していることが好ましく、少なくとも約8枚の磁石薄片を有していると
更に好ましい。
磁石200は、第1接合部211、第2接合部212、第3接合部213等の
実質的に全部をセルの近接内面の約250μm以内、より好ましくはセルの近接
内面の約50μm以内に配置することの可能なセルと共に使用されることが好ま
しい。ここで、近接面とは、磁石の位置に最も近い面である。
図3は、第1接合部211、第2接合部212、第3接合部213等に蓄積さ
れる磁性ビーズ250を示している。ビーズは、第1縁部230Aおよび第2縁
部230Bでも蓄積する。その理由は、この箇所でも磁界勾配dH/dxが、例
えば第1接合部211および第2接合部212間の空間における勾配よりも大き
いからである。ただし、第1縁部230Aおよび第2縁部230Bにおける勾配
は、第1接合部211、第2接合部212、第3接合部213等における勾配ほ
どは大きくない。
図4Aは、二つの方向のいずれかに移動する磁石200を示している。この磁
石の移動は、結果としてセル300内に位置するビーズの平行移動を引き起こす
。図4Bは、セル300を通って磁性ビーズ250の上方を流れる流体310を
示している。ここで、ビーズ250は磁石200によって所定箇所に固定されて
いるので、流体によって運び去られることはない。図4Cでは、磁石200を回
転させることにより磁性ビーズまたは常磁性ビーズ250がかき混ぜられ、攪拌
を起こしている。図4A〜図4Cに示されるものと同じ動作は、例えば図1に示
されるような第1の実施形態の磁石を用いて実行することもできる。DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION Magnet The present invention was made with United States government support under contract number 70NANB5H1037. The government has certain rights in the invention. The invention relates to the field of magnetic manipulation of objects. The present invention is particularly directed to a novel design of permanent magnets useful for operating magnetic beads, such as paramagnetic beads used to prepare samples for diagnostic assays. Many companies sell paramagnetic beads with attached biomolecules such as antibodies. Such companies include Bang Laboratories (Carmel, Indiana) and Dynal (Lake Success, New York). These beads can be used to bind specific cell types or specific molecules in the sample, but use magnetic properties to wash away unbound material while retaining the beads. Some are sold. The latter of these beads binds nucleic acids and can be used to prepare samples for polymerase chain reaction among other biochemical assays. These beads can also be used in small reaction systems to perform various assays. A disadvantage of such a small system is that when a standard magnet is placed opposite the cell of such a device, the magnet cannot exert enough force on the magnetic beads. Thus, the potential value of such beads for promoting biochemical or chemical reactions is lost when used in conjunction with the miniature systems described above. SUMMARY OF THE INVENTION If one end of a permanent magnet, corresponding to either the north or south pole, has a suitable shape, the magnetic field gradient dH / dx near that end of the magnet will increase significantly, Moving the magnet greatly increases the force that can be applied to the magnetic beads. Further, the magnetic field gradient dH / dx can also be increased by constructing the magnet from a plurality of thin pieces of permanent magnet joined together with alternating north and south poles. This increases the magnetic field gradient in the vicinity of the joint, which again results in an increase in the force that can be applied to the magnetic beads. In particular, the invention relates, in one aspect, to a combination for rotating, moving, or holding magnetic beads. The combination comprises a cell and a magnet having a sharp end at the north or south pole. Here, this pointed end may be brought into contact with the cell. Also, the sharp end may be located within about 250 μm of the inner surface of the cell, or may be located within about 50 μm of the inner surface of the cell. The magnet may have a sloping roof shape. The two surfaces forming the roof shape of the magnet may have an angular offset of about 90 ° to about 150 °, or may have an angular offset of about 110 ° to about 130 °. This aspect of the invention further comprises magnetic beads. Here, the magnetic beads are covalently or non-covalently bonded to organic molecules or non-organic molecules. Also, the beads have a magnetic susceptibility of at least about 0.01 centi-gram-seconds ("cgs"), and the magnet can apply a force of at least about 10 dynes to the beads. The magnet may also be adapted to apply at least about 100 dynes to the beads. In a second aspect, the invention is directed to a method of rotating, moving, or holding magnetic beads having a magnetic susceptibility of at least about 0.01 cgs units. The method comprises the steps of: (a) forming, by using a magnet, a magnetic field gradient dH / dx along an axis in the plane in which rotation, movement, or holding of the bead is sought, wherein the magnetic field gradient is at least about Having a sufficient magnitude to apply a force of 10 dynes to the beads; and (b) moving the magnet to induce a corresponding movement of the magnetic beads. Here, the magnetic field gradient dH / dx along the axis in the plane in which the rotation, movement, or retention of the bead is sought is sufficient to apply at least about 100 dynes to the bead. Good. Also, the magnetic beads are in the cell, and a chemical or biochemical reaction occurs on the surface of the magnetic beads. In a third aspect, the invention relates to a magnet comprising two or more magnet flakes joined together with alternating north and south pole orientations. Here, the joint between the magnet flakes defines one surface, whereby the maximum value of the magnetic field gradient dH / dx appears at the joint. The thickness of the magnet flakes is from about 0.5 mm to about 2.5 mm, and the magnet has at least four magnet flakes. In a fourth aspect, the invention relates to a combination for rotating, moving or holding magnetic beads. This combination comprises a cell and a magnet comprising two or more magnet slices joined together with alternating north and south pole orientations. The joint between these magnet flakes defines one magnetic surface, so that a local maximum of the magnetic field gradient dH / dx appears at the joint. Here, this magnetic surface may be in contact with the cell, or may be located within about 250 μm of the close inner surface of the cell. BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS The contents of the present invention can be readily understood by considering the following detailed description in conjunction with the accompanying drawings. Here, FIG. 1 shows a permanent magnet having a roof shape at the N pole. FIG. 2 shows a cylindrical magnet formed from a thin piece of permanent magnet. FIG. 3 shows the magnetic beads accumulating at the joint between the slices of the permanent magnet. FIGS. 4A, 4B and 4C illustrate the use of magnets of the present invention to transport magnetic beads, hold beads in place while a solution passes over them, or move beads to create agitation. It shows how to do. To facilitate understanding, identical reference numerals have been used, where possible, to designate identical elements that are common to the figures. DETAILED DESCRIPTION In one embodiment, the present invention relates to a magnet that has the property of producing a magnetic field strong enough to operate a magnetic object in a cell when the magnet is placed in contact with the outer wall of a closed cell. . Furthermore, in another embodiment, the invention relates to a combination comprising a magnet and a cell as described above. Here, the cell contains reagents and magnetic objects used when performing a chemical or biochemical reaction. Such reactions may be, for example, for the purpose of diagnostic or forensic assays, for the preparation of nucleic acids for such assays, or as is known in the chemical arts. Chemical synthesis of members of a combination library as described above. As described above, when manipulating or mixing specific reagents in a closed cell using the magnetic properties of the magnetic beads, it is difficult to use the magnetic beads in the cell. Such difficulties are caused by the fact that the force acting on the magnetic beads is represented by the following equation F = κ v VH (dH / dX), the magnetic field strength H, the magnetic field gradient dH / dx, the volume susceptibility κ v and It can be understood by recognizing that it is proportional to the volume V of the beads. Here, the volume susceptibility κ v is obtained by dividing the susceptibility κ v by the volume V of the beads, and κ m is a dimensionless number understood in this technical field. Used in connection with the Gram-Second ("cgs") system. The above equation shows that the force is proportional to the strength of the magnetic field (decreasing in proportion to the square of the distance from the magnet) and the derivative of the strength of the magnetic field (1/3 of the distance from the magnet). And decrease). Therefore, the force acting on the magnetic beads decreases in proportion to one fifth of the distance from the magnet. The results of this analysis indicate that in practice it is very difficult to apply sufficient magnetic force to the beads to hold, move or rotate the beads in place. The analysis further shows that standard flat surface magnets (which have a small magnetic field gradient at their surface) are not very effective at applying force to magnetic beads. For the purpose of this application of force, the term "magnetic beads" includes any suitable shape and preferably any mass less than about 0.001 g, which can be pushed and pulled using a magnet. Object is included. Paramagnetic beads are beads that are attracted to the source of the magnetic field when in a magnetic field of sufficient strength, but otherwise exhibit no magnetic properties. For example, magnetic beads in which iron such as Fe 2 O 3 diffuses into a non-magnetic substrate (eg, polystyrene) are considered to be paramagnetic. Preferred paramagnetic beads are composed of a paramagnetic material diffused in polystyrene and sealed in a polymer membrane (optimally a polystyrene membrane). In some applications, the magnetic beads used are themselves magnets, and thus are sources of a magnetic field. Such beads are composed of a magnetic material, such as a permanent magnet known in the art. The paramagnetic or magnetic material preferably comprises from about 10% w / w to about 70% w / w of the beads, more preferably from about 30% w / w to about 50% w / w. In a preferred embodiment, the beads have (i) an active site for covalently or non-covalently binding the molecule, (ii) a bound organic molecule such as a biomolecule, or (iii) a bound inorganic molecule. I have. In one embodiment, the magnetic beads described above are attracted or pushed back using a magnetic manipulator with a permanent magnet. The manipulator, and in particular the magnet included in the manipulator, is shaped to increase the magnitude of the magnetic field gradient at one end. The preferred shape of the magnet is a cone that extends to a point on the top located closest to the bead operated by the magnet. Another suitable shape is a pyramid. Again, this pyramid has a pointed tip located closest to the bead being manipulated in connection with the present invention. Yet another suitable shape is a pitched roof. Again, the pointed tip of the roof is located closest to the beads to be manipulated. As used herein, conical or pyramid-shaped peaks or roof-shaped tips, together with other appropriately shaped sharps, collectively refer to the magnets included in the magnetic manipulators used in connection with the present invention. It is referred to as the "sharp end." In another embodiment, the magnetic manipulator is made up of multiple slices of a magnet. These flakes are joined together to form a joint with a larger field gradient. As used herein, the term "cell" refers to any structure having an internal cavity suitable for conducting a chemical or biochemical reaction or transporting reactants and reagents used in such a reaction. I have. Such cells include channels, microchannels, separation tubes, capillaries, and reaction or reagent reservoirs. However, it is not limited to these. The reaction or reagent reservoir is relatively small in volume (e.g., a volume of less than about 100 [mu] l) so that the magnetic manipulator of the present invention can exert an appropriate magnetic field inside the reservoir when in contact with the outer wall of the reservoir. ) Is preferable. Here, the appropriate magnetic field is a magnetic field capable of operating a magnetic bead disposed inside the reservoir. The channels, microchannels or capillaries capable of transporting the beads between the reservoirs have dimensions of about 50 μm to about 500 μm in width and about 25 μm to about 100 μm in depth. However, it is not necessarily limited to such dimensions. Suitable dimensions include those having a width of about 100 μm to about 200 μm and a depth of about 30 μm to about 80 μm. Such dimensions are dependent upon the chemical reaction or reaction to be performed, whether or not it is desirable for the beads to exit the reaction or reagent reservoir and enter a channel, microchannel, or capillary, as determined by one skilled in the art. It is determined in consideration of the volume of the reactant necessary for the chemical reaction and the size of the beads used. In FIG. 1, a magnet 100, which is an embodiment of a magnetic component of a magnetic manipulator, has a roof shape having a first roof panel 102A and a second roof panel 102B at its north pole. Each of the first and second roof panels 102A and 102B preferably has an angular offset θ (ie, slope) with respect to each other of about 90 ° to about 150 °, more preferably about 110 ° to about 130 °. I have. As shown, in one preferred embodiment, the top 101 of the magnet is located in a plane to facilitate applying a high magnetic field gradient close to the cell over a larger area. The top 101 is preferably smooth. More preferably, the top 101 is adjacent to the side of a cell having a flat profile, a tubular profile, or a rounded profile with substantially all of the top (ie, at least about 90% of the length of the top). It has a shape that allows it to be placed. The magnet 100 is any permanent magnet. The magnet is preferably a neodymium-iron-horon magnet. It is commercially available, for example, from Edmund Scientific Co. (Burlington, NJ). This magnet is ideal for use with cellular plastics, glass, silica and other materials. Here, this constituent material does not have magnetic properties and does not have such a thickness as to hinder the action of the magnet of the present invention on the magnetic beads or paramagnetic beads located in the cell. Such a cell design allows substantially all of the top of the magnet of the present invention to be accessible within about 250 μm, and preferably within 50 μm, of the proximal interior surface of the cell. Here, the close inner surface is the inner surface of the cell closest to the magnet. Preferably, the magnet is capable of applying a force of at least about 10 dynes to the bead on the proximal interior surface of the cell when the bead has a susceptibility κ M in the order of 0.01 cgs, more preferably Is preferably adapted to apply a force of at least about 100 dynes. By using the magnet of the present invention, the beads can be held at a predetermined position, the beads can be moved from the first position to the second position, and the beads can be rotated. Here, this rotation is performed during movement of the beads and holding of the beads at a predetermined position. This makes it possible to mix the bead with the reagent or buffer in which the bead is immersed, or to stably provide an excess of the second reactant to the reaction occurring in the first reactant bound to the bead. Such uses include, among others, (1) movement of beads from the reagent reservoir to the reaction reservoir or vice versa, (2) removal of beads from the reagent reservoir or reaction reservoir, and (3) rotation of the beads. Mixing the contents of the reagent reservoir or reaction reservoir by (4) holding the beads in place in a fixed or rotating manner in the cell and passing a fresh or different buffer or reagent mixture through the beads. This may include changing the buffer or reagent mixture in which the beads are immersed from one buffer or reagent mixture to a fresh portion of the same buffer or reagent mixture or a different buffer or reagent mixture. However, it is not limited to these. FIG. 2 shows an embodiment of the magnet 200 of the present invention. The magnet 200 includes a first joint 211, a second joint 212, a third joint 213, and the like between the first magnet slice 201, the second magnet slice 202, the third magnet slice 203, and the like. Surface 220 having The term “joint” refers to the junction of the magnet flakes along the surface 220. The regions where the magnitude of the magnetic field gradient dH / dx is maximum are determined by the first joint portion 211, the second joint portion 212, the third joint portion 213, and the like. Thus, the shape of surface 220 is determined by these joints, regardless of any pits or valleys found between first joint 211, second joint 212, third joint 213, etc. Shape. The meaning of the phrase “alternate orientation of the north pole and south pole” can be explained in relation to the first joint 211 formed between the first flake magnet 201 and the second flake magnet 202. When the first magnet slice 201 and the second magnet slice 202 are separated, the edge of each slice that previously formed the joint 211 becomes the focal point of the maximum of the magnetic field gradient. If the magnetic field gradient at the junction 211 is greater than the gradient at any of the edges of the separated magnet flakes, these flakes are joined so as to have an "alternate orientation of north and south poles". This magnet flake can be made of the same material that makes up the magnet of FIG. Bonding between these magnet flakes can be performed using, for example, an adhesive. The magnet flakes are preferably joined together by an epoxy-based adhesive such as Extra-Fast Setting Epoxy ™ available from Hardman, Belleville, NJ. Surface 220 is preferably smooth. This is because protrusions and protrusions are provided so that a smooth two-dimensional shape can be overlapped without any gap or separation between adjacent surfaces on the first joint portion 211, the second joint portion 212, the third joint portion 213, and the like. It means that there is substantially no depression. More specifically, the surface 220 comprises substantially all of the first joint 211, the second joint 212, the third joint 213, etc. (ie, at least about 90% of the length of the joint). It has a shape that allows it to be placed adjacent to the side of a suitably shaped cell. Here, examples of the cell having an appropriate shape include a cell having a flat outer shape, a tubular outer shape, and a rounded outer shape. However, it is not limited to these. The first magnet thin piece 211, the second magnet thin piece 212, the third magnet thin piece 213, and the like have a thickness of about 0.5 mm. It preferably has a thickness of 5 mm to about 2.5 mm, and more preferably has a thickness of about 1 mm to about 1.5 mm. Preferably, the magnet 200 has at least four magnet flakes, and more preferably at least about eight magnet flakes. The magnet 200 arranges substantially all of the first joint 211, the second joint 212, the third joint 213, and the like within about 250 μm of the close inner surface of the cell, and more preferably within about 50 μm of the close inner surface of the cell. It is preferably used with a cell that can be used. Here, the proximity surface is the surface closest to the position of the magnet. FIG. 3 shows the magnetic beads 250 accumulated in the first joint 211, the second joint 212, the third joint 213, and the like. Beads also accumulate at first edge 230A and second edge 230B. The reason is that the magnetic field gradient dH / dx is also greater at this point, for example, than in the space between the first joint 211 and the second joint 212. However, the gradient at the first edge 230A and the second edge 230B is not as large as the gradient at the first joint 211, the second joint 212, the third joint 213, and the like. FIG. 4A shows the magnet 200 moving in one of two directions. This movement of the magnet results in a translation of the beads located within the cell 300. FIG. 4B shows fluid 310 flowing over magnetic beads 250 through cell 300. Here, since the beads 250 are fixed at predetermined positions by the magnet 200, they are not carried away by the fluid. In FIG. 4C, by rotating the magnet 200, the magnetic beads or paramagnetic beads 250 are agitated and agitated. The same operations as those shown in FIGS. 4A to 4C can also be performed using the magnet of the first embodiment, for example, as shown in FIG.
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