[1.第1実施形態]
[パチンコ遊技機の構成]
本発明に係る遊技機を実施するための形態を以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。なお、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、表示手段としての演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aおよび第2保留表示器25Bのそれぞれでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶情報の個数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4Aでは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第1始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第1保留記憶情報)の個数を特定可能な第1特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。第2保留表示器25Bでは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第2始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第2保留記憶情報)の個数を特定可能な第2特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。
演出表示装置5の表示領域における下部の左右2箇所には、第1保留表示エリア5D、第2保留表示エリア5Uが設定されている。第1保留表示エリア5Dでは、第1始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶情報の個数を特定可能な第1特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。第2保留表示エリア5Uでは、第2始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶情報の個数を特定可能な第2特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。
第1保留表示エリア5Dにおいては、第1保留記憶情報が発生するごとに左側に保留画像が増加する態様で保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第1保留記憶情報に対応する右端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像Hが1つずつ右方向にシフトする表示が行なわれる。第2保留表示エリア5Uにおいては、第2保留記憶情報が発生するごとに右側に保留画像Hが増加する態様で保留画像が表示されていき、第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第2保留記憶情報に対応する左端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像が1つずつ左方向にシフトする表示が行なわれる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、第1保留表示エリア5Dまたは第2保留表示エリア5Uにおいて表示されていた保留画像Hが、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置5における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリア5Dと第2保留表示エリア5Uとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれにおいて表示された保留画像Hについては、対象となる保留記憶情報の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化演出が実行される場合がある。保留表示態様変化演出においては、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。
たとえば、保留画像Hの色としては、青色、緑色、および、赤色に変化可能である。保留表示態様変化演出は、所定の割合で実行することが決定され、演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示結果が大当り表示結果となるときには、青色<緑色<赤色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定され、一方、当該変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、赤色<緑色<青色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定される。これにより、保留表示態様変化演出が実行されたときにおける変化後の保留画像Hの色に基づく大当りへの期待度は、青色<緑色<赤色という関係の割合となるように設定されている。したがって、保留表示態様変化演出が実行されたときには、変化後の保留画像の色に基づいて、遊技者の大当りへの期待感を盛上げることが可能となる。
また、アクティブ画像AHについても、保留画像Hと同様に、表示態様変化演出が実行され、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。そのようなアクティブ表示の表示態様変化演出についても、保留表示態様変化演出と同様の選択割合で、大当りへの期待度が特定可能な態様で、変化後の色または形状等の表示態様が決定される。なお、アクティブ表示については、表示態様変化演出を実行しなくてもよい。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の外周には、前面枠に設けられた天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cが設けられている。この実施の形態では、前面枠のうちの上方に天枠LED9aが設けられ、前面枠のうちの左方に左枠LED9bが設けられ、前面枠のうちの右方に右枠LED9cが設けられている。また、遊技盤2にも盤側LED9d,9eが設けられている。この実施の形態では、遊技盤2の左方に盤側LED9dが設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eが設けられている。なお、パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態(有利状態)に制御される。
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。なお、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
なお、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り遊技状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eなどの発光体における点灯動作(点滅動作)、可動部材321の動作などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」、「大当り信頼度」、「期待度」、または、「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」及び「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、本実施の形態では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。なお、本実施の形態では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
なお、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。さらに、演出制御基板12との間で演出制御用中継基板16Aを介して接続された制御基板として、駆動制御基板16B、発光体制御基板16C〜16Fが、搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部302、可動部材321といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音出力動作の全部または一部、遊技枠側に設けられている天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9c、遊技盤2側に設けられている盤側LED9d,9eの点灯/消灯動作の全部または一部、可動部302や可動部材321の動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音声信号(効果音信号)を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御用中継基板16Aを介して駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに各種信号を伝送するための配線も接続されている。
駆動制御基板16Bに伝送される情報信号は、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330の駆動により可動部302や可動部材321を動作させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Cに伝送される情報信号は、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の左方に左枠LED9bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の上方に天枠LED9aとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の右方に右枠LED9cとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、この実施の形態では、図2に示すように、発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120から演出制御用中継基板16Aのみを中継して伝送される。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120から演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dを中継して伝送される。さらに、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120から演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを中継して伝送される。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aは、遊技盤2の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、演出制御基板12から駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに向けて伝送される各種信号を中継する。裏パックは、遊技盤2の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央には演出表示装置5が臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板11や音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16Cなどを、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板12が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。
駆動制御基板16Bは、演出制御基板12とは別個に設けられた駆動制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、可動部302の回動制御や、可動部材321の移動制御を行うためのドライバICなどが搭載されている。駆動制御基板16Bからの出力信号は、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330に向けて伝送される。
発光体制御基板16Cは、遊技盤2に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
発光体制御基板16D〜16Fは、遊技機用枠3に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
なお、パチンコ遊技機1には、発光体制御基板16C〜16F以外にも、例えば、可動部材321に設けられた発光部321Aの点灯制御を行うための基板なども配置されているが、図示は省略している。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連(本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示であり、1つの始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する演出表示。)の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eの点灯動作などを制御するために用いられる発光体制御コマンド、可動部材321の動作などを制御するために用いられる駆動制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御基板12における演出制御用CPU120、ROM121、および、RAM122等の演出制御の実行に関わる電気部品は、演出制御用マイクロコンピュータとも呼ばれる。
また、本実施の形態では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には演出ユニット300が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット300に設けられる各種モータ(第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。なお、図2において、これら電子部品のうち第1演出用モータ303、第2演出用モータ330以外の図示は省略している。
なお、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321や演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
なお、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、後述するように可動体(可動物)としての可動部材321が上昇する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
図3(1)は、駆動制御基板16Bの構成例を示している。図3(1)に示すように、駆動制御基板16Bには、モータ駆動ドライバ412が搭載されている。モータ駆動ドライバ412には、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が入力される。そして、モータ駆動ドライバ412は、入力された制御信号で示される駆動制御情報にもとづいて、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行う。
図3(2)は、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体制御基板16Cの構成例を示している。図3(2)に示すように、発光体制御基板16Cには、発光体ドライバ411a,411bが搭載されている。発光体ドライバ411aには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9dの点灯制御を行う。また、発光体ドライバ411bには、演出制御用中継基板16Aを介して、さらに発光体ドライバ411aを経由して、シリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9eの点灯制御を行う。
なお、図3(2)に示すように、発光体制御基板16Cでは、演出制御基板12の演出制御用CPU120から伝送された制御信号が、同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ間で順次伝送される(本例では、発光体ドライバ411aから発光体ドライバ411bに伝送される)ことによって、各発光体ドライバにそれぞれ伝送されるように構成されている。
図4は、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体制御基板16D〜16Fの構成例を示している。図4に示すように、発光体制御基板16Dには、発光体ドライバ413bが搭載されている。発光体ドライバ413bには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ413bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、左枠LED9bの点灯制御を行う。なお、図4において、発光体制御基板16D〜16Fは、例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネスなどの配線部材を介して相互に接続されている。
また、図4に示すように、発光体制御基板16Eには、発光体ドライバ413aが搭載されている。発光体ドライバ413aには、演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、天枠LED9aの点灯制御を行う。
また、図4に示すように、発光体制御基板16Fには、発光体ドライバ413cが搭載されている。発光体ドライバ413cには、演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413cは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、右枠LED9cの点灯制御を行う。
なお、図4に示すように、発光体制御基板16D〜16Fでは、演出制御基板12の演出制御用CPU120から伝送された制御信号が、異なる発光体制御基板16D〜16Fにそれぞれ搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバ413a〜413cにそれぞれ伝送されるように構成されている。
また、この実施の形態では、遊技盤2に設けられている各LEDをそれぞれ盤側LED9d,9eと包括的に表現しているが、具体的には、遊技盤2の左方に盤側LED9dとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。また、この実施の形態では、遊技枠に設けられている各LEDをそれぞれ天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cと包括的に表現しているが、具体的には、遊技枠の上方に天枠LED9aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の左方に左枠LED9bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の右方に右枠LED9cとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。
また、この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411b、および天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、同じ種類のシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて実現される。図5は、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。また、図6は、図5に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。
なお、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路には、入力したシリアル信号形式の信号を24チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものと、入力したシリアル信号形式の信号を12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものとの2種類があるのであるが、一部の回路素子や端子の数が異なるだけで同様の構成および機能を備えるため、図5および図6に示す例では代表して24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路について説明することとし、12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路については相違する部分のみ説明することとする。なお、この実施の形態では、発光体ドライバ411a,411bは24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現され、モータ駆動ドライバ412および発光体ドライバ413a〜413cは12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図5および図6に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、演出制御用中継基板16Aや発光体制御基板16D,16Eを経由して演出制御用CPU120からのクロック信号を入力するCLK/I端子やデータを入力するDATA/I端子が設けられている。また、入力されたクロック信号とデータの一部はシリアル−パラレル変換回路内で分岐されて、そのままシリアル−パラレル変換回路からスルー出力可能であり、クロック信号をスルー出力するCLK/O端子とデータをスルー出力するDATA/O端子とが設けられている。
例えば、この実施の形態では、図4に示すように、発光体制御基板16Dの発光体ドライバ413bは、演出制御用中継基板16Aを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aに出力しているのであるが、発光体ドライバ413bを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。また、例えば、この実施の形態では、図4に示すように、発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aは、演出制御用中継基板16Aおよび発光体制御基板16Dを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Fの発光体ドライバ413cに出力しているのであるが、発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413cを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。
また、図5および図6に示すように、CLK/I端子から入力されたクロック信号およびDATA/I端子から入力されたデータの他の一部は、デコーダに入力されてシリアル信号形式から24チャネルのパラレル信号形式の信号にデコードされる。そして、レジスタブロックに設けられた各レジスタにそれぞれ一旦格納された後、内部発振クロック回路による内部クロック信号(本例では、6MHzの内部クロック信号)を用いてパルス幅変調(PWM)され、それぞれ各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力される。なお、12チャネルの回路である場合には、12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換されて各ドライブ出力端子Q0〜Q11から出力される。なお、各ドライブ出力端子Q0〜Q23や各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が、例えばLEDなどの発光体に供給されたり動作用モータに供給されたりすることになる。
また、図5および図6に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(12チャネルの回路ではAD0〜AD5)が設けられており、端子AD0〜AD4をそれぞれH(ハイ)またはL(ロー)に設定することにより、シリアル−パラレル変換回路ごとにアドレスを設定することが可能である。DATA/Iから入力されるデータにはアドレス情報も含まれ、シリアル−パラレル変換回路は、入力したデータに含まれるアドレス情報が設定したアドレスと一致するデータのみパラレル信号形式の信号にデコードして各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する。
なお、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が5端子AD0〜AD4設けられているので、最大32種類のアドレスを設定可能であり、最大で32個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が6端子AD0〜AD5設けられているので、最大64種類のアドレスを設定可能であり、最大で64個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたS端子は、CLK/O端子から出力するクロック信号のスルー出力、およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子である。S端子をL(ロー)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図7は、クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。図7(1)に示すように、S端子をL(ロー)に設定し通常のスルーレートの出力に設定すると、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)がある程度大きい。これに対して、図7(2)に示すように、S端子をH(ハイ)に設定し低スルーレートの出力に設定すると、通常のスルーレートの設定の場合と比較して、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが緩やかとなる。
一般に、基板からの電波放射を抑制するためにはスルーレートを低く抑えた方がよく、図7(2)に示す低スルーレートの出力に設定した方がよい。一方、ノイズに対する耐性を確保するためには波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい方がよく、図7(1)に示す通常のスルーレートの出力設定した方がよい。
なお、S端子の設定は、単にCLK/O端子から出力するクロック信号およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力の波形を設定するだけではなく、CLK/I端子から入力したクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えている。すなわち、一般に演出制御用CPU120などから出力されたクロック信号およびデータは、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、シリアル−パラレル変換回路のCLK/I端子およびDATA/I端子に到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号やデータが入力される場合がある。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路は、単に入力したクロック信号やデータをそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号やデータを本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備える。この場合、S端子の設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。一方で、S端子の設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、シリアル−パラレル変換回路の外部に増幅回路等を設けて、シリアル−パラレル変換回路の外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたT端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のタイムアウトリセット機能を設定するための設定端子である。T端子をL(ロー)に設定するとタイムアウトリセット機能が無効状態に設定され、端子をH(ハイ)に設定するとタイムアウトリセット機能が有効状態に設定される。
T端子をH(ハイ)に設定しタイムアウトリセット機能を有効状態に設定すると、CLK/I端子およびDATA/I端子からクロック信号およびデータを入力し、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から信号の出力を開始した後、所定期間(本例では、1秒)を経過するとタイムアウトしたものとされて、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が自動的にリセット(出力停止)される。従って、タイムアウトリセット機能を有効状態に設定した場合には、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から継続して各LEDや動作モータに信号を供給したい場合には、例えば、演出制御用CPU120から少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する必要がある。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、10msごとに制御信号の書き換えを行う処理を行っており、各ドライブ出力端子からの出力を継続する場合には、10msごとに演出制御用CPU120からシリアル−パラレル変換回路に繰り返し制御信号が出力されることにより、タイムアウトリセット機能が有効状態にセットされていても各ドライブ出力端子からの出力が継続される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/S端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のドライブ方式を設定するための設定端子である。Q/S端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定される。また、Q/S端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/I端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号の出力論理を反転して出力するか否かを設定するための設定端子である。Q/I端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定される。また、Q/I端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたR端子は、電流リファレンス設定端子である。具体的には、図5に示すように、R端子は定電流回路を経由して各ドライブ出力端子A0〜A23と接続され、R端子とグランド(GND)との間に任意の抵抗値の外部抵抗を接続することによって、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値を所定の範囲(例えば、4mA〜20mA)で設定することができる。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたVP端子は、保護用の静電保護端子である。VP端子には、そのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧が接続される。すなわち、VP端子にそのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧を接続すれば、その電源電圧以上の過電圧を逃がすことができる。なお、シリアル−パラレル変換回路において複数種類の電源電圧が用いられる場合には、電圧値が高い方の電源電圧をVP端子に接続するようにすればよい。
次に、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットについて説明する。図8は、制御データフォーマットを説明するための説明図である。シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの基本的な制御データフォーマットは、図8(1)に示す共通フォーマットと、図8(2)に示す基本フォーマットとによって構成される。
図8(1)に示すように、共通フォーマットは、9ビットのヘッダ(HD)、4ビットのデバイスID(ID)、5ビットのデコードアドレスAD0〜AD4(図5および図6参照)、および1ビットのEXデータによって構成される。なお、EXデータは、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが基本フォーマットであるか、後述する拡張フォーマットであるかを設定するためのものであり、基本フォーマットではEX=0に設定される。
図8(2)に示すように、基本フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される。例えば、LEDの点灯制御を行うためのデータを伝送する場合、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとに時系列に6ビットのデータを設定して伝送することによって、LEDの階調制御も含めた点灯制御を行うことができる。
また、制御データフォーマットとして、図8(2)に示す基本フォーマットに代えて拡張フォーマットを使用することも可能である。具体的には、図8(1)に示す共通フォーマットにおいてEX=1に設定されていれば、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが、図8(3)に示す拡張フォーマットとなる。
図8(3)に示すように、拡張フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される。拡張フォーマットでは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとのデータが1ビットで構成されるので、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットを小さくすることができる。例えば、シリアル−パラレル変換回路を用いて第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を駆動制御する場合であれば、LEDなどの発光体の点灯制御を行う場合と異なり階調制御などを行う必要がないので、図8(3)に示すような拡張フォーマットを用いることが有効である。
なお、図8では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットについて説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットでは、例えば、図8(1)に示す共通フォーマットが6ビットのデコードアドレスAD0〜AD5を含む点で異なる。また、例えば、図8(2)に示す基本フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される分短い点で異なる。さらに、例えば、図8(3)に示す拡張フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される分短い点で異なる。
また、シリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。図9は、シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では6MHzのクロック信号が出力されるので、図9に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの6相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q23を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
この実施の形態では、図9に示すように、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成され、ドライブ出力端子Q12〜Q15の4チャネルでグループ4が構成され、ドライブ出力端子Q16〜Q19の4チャネルでグループ5が構成され、ドライブ出力端子Q20〜Q23の4チャネルでグループ6が構成される。そして、図9に示すように、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
なお、図9では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
次いで、図5〜図9を用いて説明したシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバ411a,411bや、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例について説明する。図10〜図12は、シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図10は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を示している。また、図11は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を示している。また、図12は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を示している。
まず、図10を用いて、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を説明する。図10に示すように、この実施の形態では、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
後述するように、この実施の形態では、発光体ドライバ411aに対してアドレス[02]が割り振られており(図24参照)、図10に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD1は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0,AD2〜AD4はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00010(B)=[02]に設定されている場合が示されている。
なお、図10では発光体ドライバ411aにおけるデコードアドレスの設定態様が示されているが、後述するように、発光体ドライバ411bに対してはアドレス[03]が割り振られているので(図24参照)、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD0,AD1が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD2〜AD4がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00011(B)=[03]に設定されることになる。
また、図10に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図3(2)に示すように、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、全て同じ発光体制御基板16C上に搭載され、発光体ドライバ間の制御信号の伝送は同じ発光体制御基板16C上で行われる(基板をまたがった伝送は行われない)ので、ノイズに対する耐性はそれ程気にする必要はない。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を低スルーレートの出力に設定することによって、むしろ基板からの電波放射を抑制するように構成している。
また、図10に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図10に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図10に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図10に示す例では、VP端子には電源電圧VCL(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図10に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23は、盤側LED9d,9eに接続されている。なお、図10に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されている図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよいし、発光体として単色LEDを用いるのであれば1つの端子が1つの単色LEDに接続されるように構成してもよい。また、例えば、1つの端子に複数の単色LEDが直列に複数接続されるように構成してもよい。
また、図10に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
次に、図11を用いて、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を説明する。図11に示すように、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
後述するように、この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412に対してアドレス[04]が割り振られており(図24参照)、図11に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0,AD1,AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000100(B)=[04]に設定されている場合が示されている。
また、図11に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図3(1)に示すように、モータ駆動ドライバ412と他のドライバとの間で制御信号の伝送が行われることはないのであるから、S端子をグランド(GND)に接続(L(ロー)に設定)してクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力となるように設定してもよい。
また、図11に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図11に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともに電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、Q/S端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定され、Q/I端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定されている。
また、図11に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図11に示す例では、VP端子には電源電圧VCC(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図11に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子が1つ目の第1演出用モータ303に接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子が2つ目の第2演出用モータ330に接続されている。なお、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の2つの動作用モータの制御が行われ、グループ3のQ8〜Q11の端子は不要であることから、Q8〜Q11の端子はグランド(GND)に接続されている。
既に説明したように、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、グループ1〜3の3つのグループにグループ分けされてドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングが分散されているのであるが、同じ動作用モータ(本例では、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330)に出力される信号間で出力タイミングが異なっていたのでは、動作用モータの駆動精度を維持できないおそれがある。そこで、この実施の形態では、図11に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続するようにして、そのように動作用モータの駆動精度を維持できなくなる事態が発生することを防止ししている。
なお、逆に、例えば、図10で説明した盤側LED9d,9eに接続する場合や、後述する図12の天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cに接続する場合など発光体に接続する場合には、上記のような駆動精度の問題などは生じないのであるから、各発光体に出力される信号間で出力タイミングが異なっていても、それ程支障が生じることはない。従って、ドライブ出力端子からの出力信号をLEDなどの発光体に接続する場合には、それ程出力タイミングを気にする必要はない。
次に、図12を用いて、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を説明する。図12に示すように、この実施の形態では、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
後述するように、この実施の形態では、発光体ドライバ413aに対してアドレス[07]が割り振られており(図25参照)、図12に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000111(B)=[07]に設定されている場合が示されている。
なお、図12では発光体ドライバ413aにおけるデコードアドレスの設定態様が示されているが、後述するように、発光体ドライバ413bに対してはアドレス[08]が割り振られているので(図25参照)、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD3が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0〜AD2,AD4,AD5がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001000(B)=[08]に設定されることになる。また、後述するように、発光体ドライバ413cに対してはアドレス[09]が割り振られているので(図25参照)、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、A0,AD3が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD1,AD2,AD4,AD5がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001001(B)=[09]に設定されることになる。
また、図12に示す例では、S端子はグランド(GND)に接続されている。すなわち、S端子をL(ロー)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図4に示すように、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、相互に異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載され、異なる基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号の伝送が行われるので、ノイズの影響が大きい。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定することによって、ノイズに対する耐性を確保するように構成している。
また、図12に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図12に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図12に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図12に示す例では、VP端子には電源電圧VDL(12V)が接続されている。すなわち、図12に示す例では、シリアル−パラレル変換回路には12Vの電源電圧(VDL)と5Vの電源電圧(VCL、VCC)とが用いられているので、で電圧値が高い方の12Vの電源電圧VDLをV端子に接続し、12V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図12に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11は、天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cとしての複数の発光体に接続されている。なお、図12に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されていたり、同様の制御を行う3つの発光体(例えば、単色LED)が直列に接続されていたりする図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよい。
また、図12に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
また、図10〜図12に示すように、この実施の形態では、発光体ドライバ411やモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのT端子がそれぞれH(ハイ)に設定されタイムアウト機能が有効状態に設定されている。この実施の形態では、例えば、演出制御用CPU120は、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eを点灯制御するための制御信号を出力したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330を駆動制御するための制御信号を出力したりするのであるが、タイムアウト機能が有効状態に設定されているので、制御信号を1度出力しただけでは所定期間(本例では、1秒)経過後には各ドライブ出力端子からの出力信号が自動的にリセットされて点灯制御や駆動制御を継続できない。そこで、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、例えば、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している。
なお、この実施の形態では、上記のようにタイムアウト機能を有効状態に設定するように構成し、所定期間(本例では、1秒)ごとに発光体ドライバ411a,411bやモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのドライブ出力端子からの出力が自動的に停止されるように構成しているので、例えば、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を行った後、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を停止させる制御を行ったにもかかわらず、信号の取りこぼしや誤動作によって第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動が停止せず、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付きを起こしてしまうような事態を防止できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図10〜図12に示すように、一律にT端子をH(ハイ)に設定しタイムアウト機能を有効状態に設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、用途に応じてタイムアウト機能の有効状態と無効状態との設定を使い分けてもよい。例えば、モータ駆動ドライバについては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付き防止の観点からタイムアウト機能を有効状態に設定する一方で、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cなどの発光体に関しては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330と異なり焼き付きなどの問題は生じないのであるから、T端子をL(ロー)に設定しタイムアウト機能を無効状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、点灯制御や駆動制御を継続して実行するために、演出制御用CPU120が少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する(具体的には、10msごとに制御信号の書き換えを行う処理を行って繰り返し制御信号を出力する)場合を示しているが、そのような制御態様にかぎられない。例えば、演出制御用CPU120とは別に出力回路(出力IC)を設け(演出制御基板12上に設けてもよいし、演出制御用中継基板16Aなど他の基板上に設けてもよい)、演出制御用CPU120が制御信号を1回出力すると、出力回路が、その1回出力された制御信号にもとづいて、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図10〜図12に示すように、T端子が電源電圧VCC(5V)に接続され、ハードウェア上で物理的にT端子がH(ハイ)に設定されてタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、T端子設定用のレジスタにT端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的にタイムアウト機能を有効状態とするか無効状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図10〜図12に示すように、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値(本例では、10kΩ)の外部抵抗が接続され、ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11の全出力の駆動電流値が15MAに設定されている。ここで、内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))も存在することから、そのような内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして用いて、内部リファレンス抵抗を用いるように設定することも考えられるが、一般にシリアル−パラレル変換回路が備える内蔵リファレンス抵抗は駆動電流値が固定(例えば、20mA固定)であったり誤差も大きい(例えば、誤差±30%)。そこで、この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に外部抵抗を接続して外部リファレンス抵抗を用いることによって、適切な駆動電流値(本例では、15MA)に設定するとともに、誤差も提言している(本例では、誤差±3%)。
なお、発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして、内部リファレンス抵抗と外部リファレンス抵抗との両方を利用可能なシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて、用途に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、演出用にLEDなどの複数の発光体が密集して設けられている場合には、発光がまばらとなると演出に支障が生じることから、外部リファレンス抵抗を用いるようにし誤差が小さくなるように構成してもよい。一方、エラー報知ようなど単独で用いられるLEDの点灯制御を行う場合には、そのような演出上の障害はなく多少誤差が大きくても構わないことから、内部リファレンス抵抗を用いるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、電気部品(本例では、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を動作させるための第1演出用モータ303、可動部材321を動作させるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(本例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(本例では、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備える。また、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、入力した制御信号と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる第1出力状態(本例では、通常のスルーレートの出力状態)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(本例では、低スルーレートの出力状態)とのいずれかの出力状態に設定可能である(本例では、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される)。そのため、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、基板からの電波放射を抑制できる一方、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。具体的には、低スルーレートの出力状態に設定すれば基板からの電波放射を抑制でき、通常のスルーレートの出力状態に設定すれば誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられている(本例では、図3(2)に示すように、発光体制御基板16C上に複数の発光体ドライバ411a,411bが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ411a,411b間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第2出力状態に設定されている(本例では、図10に示すように、発光体制御基板16C上に搭載された発光体ドライバ411a,411bではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、同一基板内に他の出力手段が設けられている場合には、基板からの電波放射を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている(本例では、図4に示すように、発光体ドライバ413a〜413cはそれぞれ異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板16D〜16Fに搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第1出力状態に設定されている(本例では、図12に示すように、発光体制御基板16D〜16F上に搭載された発光体ドライバ413a〜413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、配線部材を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている場合には、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
上記のように、この実施の形態では、一般に回路基板はノイズ耐性が高いので回路基板内における接続関係では電波放射の抑制を優先して低スルーレートの出力状態に設定して緩やかな信号波形とし、逆に基板間に接続される配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)はノイズ耐性が低いので回路基板間の絶族関係ではノイズ耐性を優先して通常のスルーレートの出力状態として矩形波に近い信号波形としている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
なお、この実施の形態では、図10〜図12に示すように、S端子が電源電圧VCC(5V)に接続されたりグランド(GND)に接続され、ハードウェア上で物理的にS端子がH(ハイ)に設定されて低スルーレートの出力状態に設定されたりL(ロー)に設定されて通常のスルーレートの出力状態に設定されたりしている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、S端子設定用のレジスタにS端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的に低スルーレートの出力状態とするか通常のスルーレートの出力状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一基板内に搭載された出力手段(本例では、発光体ドライバ)間での低スルーレートの出力状態による制御信号の伝送、または異なる基板に搭載された出力手段間での通常のスルーレートの出力状態による制御信号の伝送のいずれか一方のみが行われる基板(本例では、発光体制御基板16C〜16F)を備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの発光体制御基板に複数の発光体ドライバが搭載されている場合であって、それらの発光体ドライバのうち同じ発光体制御基板上の発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものと、さらに他の発光体制御基板に搭載れた発光体ドライバに対して制御信号を伝送するものとが混在するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバであっても、発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものは低スルーレートの出力状態に設定し、他の発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバに対して制御信号を出力するものは通常のスルーレートの出力状態に設定するように構成してもよい。
また、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号を伝送する場合であっても、必ずしも低スルーレートの出力状態に設定するのではなく、例えば、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合には、通常のスルーレートの出力状態に設定するようにしてもよい。図13は、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合の変形例を示す説明図である。
図13に示す変形例1では、発光体制御基板16G上に搭載された1つの発光体ドライバ413dが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板16G上の発光体ドライバ413eに伝送され、分岐した他方の制御信号が同じ発光体制御基板16G上の発光体ドライバ413fに伝送される場合が示されている。変形例1に示すように、同じ発光体制御基板16G上であっても、制御信号が分岐されてそれぞれ他の発光体ドライバ413e,413fに伝送される場合には、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図13に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。
すなわち、出力手段と同一基板内に設けられた複数の他の出力手段が該出力手段に並列に接続されている場合(本例では、図13に示す変形例1のように、発光体制御基板16G上に搭載された1つの発光体ドライバ413dが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板16G上の発光体ドライバ413eに伝送され、分岐した他方の制御信号が同じ発光体制御基板16G上の発光体ドライバ413fに伝送される場合)には、出力手段は、第1出力状態に設定される(本例では、図13に示す変形例1のように、発光体制御基板16G上に搭載された発光体ドライバ413dではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)ように構成してもよい。このように構成することにより、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
図13に示す変形例2では、発光体制御基板16H上に搭載された1つの発光体ドライバ413gが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板16H上の発光体ドライバ413hに伝送され、分岐した他方の制御信号が外部の発光体制御基板(図示せず)上の発光体ドライバ(図示せず)に伝送される場合が示されている。変形例2に示すように、分岐した他方の制御信号が外部基板に伝送される場合であっても、やはり変形例1と同様に、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図13に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。このように構成することにより、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
すなわち、出力手段が設けられた第1基板と、該第1基板と配線部材を介して接続された第2基板とのそれぞれに設けられた複数の他の出力手段が該出力手段に並列に接続されている場合(本例では、図13に示す変形例2のように、発光体制御基板16H上に搭載された1つの発光体ドライバ413gが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板16H上の発光体ドライバ413hに伝送され、分岐した他方の制御信号が外部の発光体制御基板(図示せず)上の発光体ドライバ(図示せず)に伝送される場合)には、出力手段は、第1出力状態に設定される(本例では、図13に示す変形例2のように、発光体制御基板16H上に搭載された発光体ドライバ413gではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)ように構成してもよい。このように構成することにより、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する(本例では、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図9に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)。そして、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(本例では、図9に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)。そのため、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、動作を行う可動部材(本例では、可動部302、可動部材321)を備える。また、可動部材を動作させる駆動手段(本例では、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(本例では、図11に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)。そのため、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(本例では、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(本例では、タイムアウト機能)を有する(本例では、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図6参照。)。そのため、配線不具合などによる動作不具合を回避でき、電気部品を安定して制御することができる。
また、この実施の形態によれば、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段を備える(本例では、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している)。そのため、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(本例では、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図6参照。)。そのため、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
なお、この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路のうちクロック信号およびデータのスルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bや、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412については、S端子がH(ハイ)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定され(図10および図11参照)、クロック信号およびデータのスルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについては、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される(図12参照)場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。以下、全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される変形例3について説明する。
図14および図15は、変形例3におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。図14に示すように、変形例3では、スルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bについても、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される。また、図15に示すように、変形例3では、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412についても、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される。なお、変形例3において、スルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについては図12に示した接続態様と同様であり、スルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される。従って、図14および図15に示す変形例3では、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される。
図14および図15に示す変形例3によれば、全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定するように統一化されているので、回路設定の共通化により設計ミスを抑制することができる。
また、逆に、例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が低スルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。以下、全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が低スルーレートの出力に設定される変形例4について説明する。
図16は、変形例4におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。図16に示すように、変形例4では、スルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについても、S端子がH(ハイ)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。なお、変形例4において、スルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bについては図10に示した接続態様と同様であり、スルー出力が低スルーレートの出力に設定される。また、変形例4において、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412については図11に示した接続態様と同様であり、スルー出力が低スルーレートの出力に設定される。従って、図16に示す変形例3では、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図16に示す変形例4によれば、全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力を低スルーレートの出力に設定するように統一化されているので、回路設定の共通化により設計ミスを抑制することができる。
なお、全て低スルーレートの出力に設定するように構成すると、基板外のシリアル−パラレル変換回路にスルー出力する場合にはノイズに対する耐性を確保するのが難しくなるおそれがあるが、例えば、そのような場合には、スルー出力の出力先との間にアンプ内蔵のバッファ回路を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、バッファ回路が内蔵するアンプによってスルー出力が増幅され、低スルーレートの出力であってもノイズに対する耐性をある程度確保することができる。
また、この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路に演出用モータ303,330が接続される場合に、出力タイミングが同じであるグループのドライブ出力端子を接続する(図11参照)場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、発光体としてフルカラーLEDが用いられる場合に、同じフルカラーLEDの3つの端子(RGB端子)については、出力タイミングが同じであるグループのドライブ出力端子を接続するように構成してもよい。以下、フルカラーLEDに関して出力タイミングが同じであるグループのドライブ出力端子を接続する変形例5について説明する。
図17は、変形例5におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。図17に示すように、変形例5では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子の中のQ0〜Q2の3つの端子に1つ目のフルカラーLEDのR端子、G端子およびB端子がそれぞれ接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子の中のQ4〜Q6の3つの端子に2つ目のフルカラーLEDのR端子、G端子およびB端子がそれぞれ接続されている。さらに、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ3のQ8〜Q11の4チャネルの端子の中のQ8〜Q10の3つの端子に3つ目のフルカラーLEDのR端子、G端子およびB端子がそれぞれ接続されている。
図17に示す変形例5によれば、同じフルカラーLEDに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続することによって、フルカラーLEDの発光精度を確保することができる。
なお、フルカラーLEDの接続に必要な端子数は3端子(R端子、G端子およびB端子)であることから、図17に示すように、グループ1、グループ2およびグループ3のそれぞれの4端子の中の1端子は接続に不要となる(図17に示す例では、Q3端子、Q7端子およびQ11端子)。この場合、図17に示すQ3端子およびQ7端子のように、フルカラーLEDの接続に不要な端子はグランド(GND)に接続されるようにしてもよい。
また、フルカラーLEDの接続に不要な端子を他の用途に用いるようにしてもよい。例えば、演出用の可動部材(演出役物)をソレノイドを駆動させることによって動作させるように構成する場合、その演出役物用のソレノイドの接続は1端子で可能であるので、図17に示すQ11に示すように、フルカラーLEDの接続に不要な端子に、演出役物用のソレノイド500を接続するように構成してもよい。
また、例えば、演出用の可動部材(演出役物)を複数備えた遊技機において、遊技領域に左右対称に設けられた演出役物を何らかの態様で同期して動作させるような場合に、それらの左右対称に設けられた演出役物用のソレノイドを同じグループのドライブ出力端子に接続するように構成してもよい。そのように構成すれば、左右対称に設けられた演出役物など同期して動作される可動部材の動作制度を確保することができる。
また、例えば、演出役物用のソレノイドを備える場合に、シリアル−パラレル変換回路のドライブ端子と演出役物用のロックソレノイドとの間に所定の電力制御ICを接続するように構成してもよい。この場合、所定の電力制御ICは、入力端子側に所定値以上の高電圧の入力があったときのみに出力端子側から電力を出力する電力スイッチ(いわゆるハイサイドスイッチであり、その入力側がシリアル−パラレル変換回路のドライブ端子に接続され、出力側が演出役物用のロックソレノイドに接続される。そして、例えば、複数の演出役物用のソレノイドを備える場合に、それらの演出役物用のハイサイドスイッチの入力側を同じグループのドライブ端子に接続し、それらの演出役物用のハイサイドスイッチとロックソレノイドとを同じグループのドライブ端子からの信号により制御されるように構成してもよい。また、例えば、同じグループの中でフルカラーLEDの接続に不要な端子(本例では、Q3端子、Q7端子およびQ11端子)にハイサイドスイッチを接続し、そのハイサイドスイッチの出力側に演出役物用のロックソレノイドを接続するように構成したりしてもよい。
また、例えば、7セグメントLEDやドット表示器の点灯制御を行う場合に、これら7セグメントLEDやドット表示器への入力を同じグループのドライブ端子に接続するように構成し、点灯制御用の信号の出力タイミングをあわせるように構成してもよい。
また、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の中に未使用端子がある場合に、それらの未使用端子を非接続状態とすると、静電気などの要因によりサージ電圧がそれらの未使用端子に入力され、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合を生じる恐れがある。そこで、シリアル−パラレル変換回路の内部にサージ電圧対策用の保護回路を設けるようにすることも考えられるが、シリアル−パラレル変換回路の製造費用が増加することになる点で好ましくない。そこで、それらの未使用端子を所定の基準電位に接続するように構成して、サージ電圧を所定の電源基板(図示せず)における基準電位側に逃がすようにし、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制するように構成してもよい。以下、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の未使用端子を基準電位としてグランド(GND)に接続する変形例6について説明する。
図18〜図20は、変形例6におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図18は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図18に示す例では、24個のドライブ出力端子Q0〜Q24のうち18個のドライブ出力端子Q0〜Q17に盤側LEDが接続されているが、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23が未使用端子となっており、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
また、図19は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例の変形例を示している。図19に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち8個のドライブ出力端子Q0〜Q7に各演出用モータが接続されているが、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11が未使用端子となっており、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
また、図20は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図20に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち9個のドライブ出力端子Q0〜Q8に各枠用のLEDが接続されているが、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11が未使用端子となっており、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
図18〜図20に示す変形例6によれば、サージ電圧が発生しても、そのサージ電圧をグランド(GND)側に逃がすことができ、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制することができる。
また、図18〜図20に示す変形例6では、さらに、保護用の静電保護端子であるVP端子にそれぞれ3kΩの外部抵抗が接続されている。このようにVP端子に外部抵抗を接続するように構成することによって、仮にサージ電圧が発生したとしても、VP端子に定格電流以上の電流が流れることを防止し、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生をさらに抑制できるようにしている。
また、図18〜図20に示す変形例6では、未使用端子を基準電位としてグランド(GND)に接続する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、他の固定電位に接続するように構成してもよい。以下、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の未使用端子を基準電位として固定電位に接続する変形例7について説明する。
図21〜図23は、変形例7におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図21は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図21に示す例では、24個のドライブ出力端子Q0〜Q24のうち18個のドライブ出力端子Q0〜Q17に盤側LEDが接続されているが、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23が未使用端子となっており、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23の未使用端子が固定電位としてVCL(5V)に接続されている(VP端子と同じ電源電圧に接続されている)。
また、図22は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例の変形例を示している。図22に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち8個のドライブ出力端子Q0〜Q7に各演出用モータが接続されているが、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11が未使用端子となっており、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11の未使用端子が固定電位としてVCC(5V)に接続されている(VP端子と同じ電源電圧に接続されている)。
また、図23は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図23に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち9個のドライブ出力端子Q0〜Q8に各枠用のLEDが接続されているが、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11が未使用端子となっており、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11の未使用端子が固定電位としてVDL(12V)に接続されている(VP端子と同じ電源電圧に接続されている)。
図21〜図23に示す変形例7によれば、サージ電圧が発生しても、そのサージ電圧をそれぞれ固定電位(VCL(5V)やVCC(5V)、VDL(12V))側に逃がすことができ、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制することができる。
また、図21〜図23に示す変形例7においても、さらに、保護用の静電保護端子であるVP端子にそれぞれ3kΩの外部抵抗が接続されている。このようにVP端子に外部抵抗を接続するように構成することによって、仮にサージ電圧が発生したとしても、VP端子に定格電流以上の電流が流れることを防止し、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生をさらに抑制できるようにしている。
なお、図21〜図23に示す例では、未使用端子をそれぞれVP端子と同じ電源電圧に接続する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、VP端子に接続されている電源電圧に関係なく、一律に未使用端子をVDL(12V)に接続するようにするなど、十分高い電源電圧に接続してサージ電圧を逃がすことができるように構成されたものであればよい。また、例えば、サージ電圧対策用の電源電圧を設けるようにし、一律に未使用端子をそのサージ電圧対策用の電源電圧に接続するように構成してもよい。
この実施の形態では、各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cおよびモータ駆動ドライバ412には、あらかじめアドレスが割り振られている。図24および図25は、各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cおよびモータ駆動ドライバ412に付与されるアドレスの例を示す説明図である。
この実施の形態では、演出制御基板12において、あらかじめROM121に設けられた所定のアドレス記憶領域に、図24および図25に示す各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cおよびモータ駆動ドライバ412のアドレスが設定されたアドレス管理テーブルが記憶されている。そして、既に説明したように、各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cおよびモータ駆動ドライバ412のデコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(またはAD0〜AD5)の接続状態を設定することにより、あらかじめ付与されたアドレスが設定され、演出制御基板12側でアドレス管理テーブルを用いて管理されているアドレスと実際に各ドライバに設定されているアドレスとが一致している。
この実施の形態では、演出制御用CPU120は、天枠LED9a〜9cや盤側LED9d,9eの発光制御を行う場合には、発光対象のLEDに対応する発光体ドライバのアドレスをROM121に設けられた所定のアドレス記憶領域から読み出し、読み出したアドレスを図8に示す制御データフォーマットのデコードアドレスの設定ビットにセットして(図8(1)参照)、そのアドレスをセットした制御データを各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cに出力することによって、天枠LED9a〜9cや盤側LED9d,9eの発光制御を行う。
また、演出制御用CPU120は、演出用モータ303,330の駆動制御を行う場合には、その演出用モータ303,330に対応するモータ駆動ドライバ412のアドレスをROM121に設けられた所定のアドレス記憶領域から読み出し、読み出したアドレスを図8に示す制御データフォーマットのデコードアドレスの設定ビットにセットして(図8(1)参照)、そのアドレスをセットした制御データをモータ駆動ドライバ412に出力することによって、演出用モータ303,330の駆動制御を行う。
また、演出制御用CPU120は、図24および図25に示すアドレス管理テーブルにおいて設定されていないアドレス(本例では、アドレス[00]や[01]、[05]、[06]など)に対しては(データ化けなどによる誤動作の場合を除いて)制御データを出力することはない。
この実施の形態では、アドレス[00]および[01]は未使用のアドレスとされている。また、アドレス[02]は発光体ドライバ411aに対して付与され、アドレス[03]は発光体ドライバ411bに対して付与されている。また、アドレス[04]はモータ駆動ドライバ412に対して付与されている。
さらに、アドレス[05]および[06]は未使用のアドレスとされている。そして、アドレス[07]は発光体ドライバ413aに対して付与され、アドレス[08]は発光体ドライバ413bに対して付与され、アドレス[09]は発光体ドライバ413cに対して付与されている。
また、既に説明したように、アドレスが[02]である発光体ドライバ411aと、アドレスが[03]である発光体ドライバ411bとは、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって構成され、シリアルデータをパラレルデータに変換し、それぞれ遊技盤2の24個の盤側LED9d,9eに供給する。
また、既に説明したように、アドレスが[04]であるモータ駆動ドライバ412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって構成され、シリアルデータをパラレルデータに変換し、第1演出用モータ303を駆動するための駆動信号として4つの出力端子(Q0〜Q3)から出力し、第2演出用モータ330を駆動するための駆動信号として4つの出力端子(Q4〜Q7)から出力する。なお、この実施の形態では、所定のアドレス記憶領域のアドレスが[04]に対応した領域のうちの出力端子番号08〜23の領域は未使用領域となる。
また、既に説明したように、アドレスが[07]である発光体ドライバ413aと、アドレスが[08]である発光体ドライバ413bと、アドレスが[09]である発光体ドライバ413cとは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって構成され、シリアルデータをパラレルデータに変換し、それぞれ遊技枠の12個の天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cに供給する。なお、この実施の形態では、所定のアドレス記憶領域のアドレスが[07]〜[09]に対応した領域のうちの出力端子番号12〜23の領域は未使用領域となる。
図24および図25に示すように、この実施の形態では、複数の電気部品に対して、所定の設定可能範囲における値のうち最小値を超える所定値以上の範囲にアドレス情報が設定されている。具体的には、この実施の形態では、複数の電気部品(本例では、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を回動させるための第1演出用モータ303、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330)に制御データを出力する各発光体ドライバやモータ駆動ドライバに付与可能なアドレスのうち、最小値(本例では、アドレス[00])から直ちに付与されるように構成するのではなく、最小値を超える所定値(本例では、アドレス[02])以上から付与されるように構成し、最小値から所定値未満のアドレス(本例では、アドレス[00]〜[01])が未使用アドレスとなるように構成されている。
また、図24および図25に示すように、この実施の形態では、複数の電気部品の少なくとも一部に対して、所定の設定可能範囲においてアドレス情報が不連続に設定されている。具体的には、この実施の形態では、複数の電気部品(本例では、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を回動させるための第1演出用モータ303、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330)に制御データを出力する各発光体ドライバやモータ駆動ドライバに付与可能なアドレスのうち、実際に各発光体ドライバやモータ駆動ドライバに付与されるアドレスが不連続となる部分があるように構成されている(本例では、アドレス[05]〜[06]が未使用アドレスとなっており、アドレス[04]からアドレス[07]までの間が不連続となっている)。
上記のように、この実施の形態では、アドレスが不連続となるように付与したり、最小値を超える所定値からアドレスを付与したりするように構成されているので、未設定のアドレスを含む制御データが送信されても、いずれのドライバに対しても設定されていないアドレスである以上、いずれのLEDやモータなどの電気部品に対して信号を誤って出力するおそれはなく、送信された制御データのアドレス情報に不備がある場合に電気部品の制御に誤動作が生じる可能性を低減することができる。
また、一般に、遊技機の開発段階においてLEDや演出用モータの数に変更があった場合や使用する基板の統廃合などの変更があった場合に、発光体ドライバやモータ駆動ドライバなどの各ドライバに対してアドレスを再割り当てする必要があり、遊技機の開発効率が低下するおそれがある。これに対して、この実施の形態によれば、アドレスが不連続となるように付与したり、最小値を超える所定値からアドレスを付与したりするように構成されているので、開発段階で不要なドライバが発生しても、その不要となったドライバに付与されていたアドレスを欠番扱いとしてアドレスの再割り当てを行わないようにしたり、新たに必要なドライバが発生しても、元々未使用となっているアドレス(例えば、図24および図25に示すアドレス[00],[01],[05],[06])を割り当てることによってアドレスの再割り当てを不要とすることができ、開発段階のコストを削減することができ、開発効率を向上させることができる。
なお、各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cやモータ駆動ドライバ412に対するアドレスの割り振りの仕方は、図24および図25に示した態様にかぎらず、様々な態様が考えられる。
例えば、図24および図25に示す例では、アドレス[00],[01]を未使用アドレスとしてアドレス[02]以上から各ドライバに付与する場合を示しているが、アドレス[00]のみを未使用アドレスとしてアドレス[01]以上から各ドライバに付与するように構成してもよい。また、さらに未使用アドレスを多くして、例えば、アドレス[00]〜[02]を未使用アドレスとしてアドレス[03]以上から各ドライバに付与するように構成してもよい。
また、例えば、図24および図25に示す例では、アドレス[05],[06]を未使用としてアドレスを不連続とする場合を示しているが、アドレス[05]のみを未使用としてアドレスを不連続とするように構成してもよいし、さらに未使用アドレスを多くして、例えば、アドレス[05]〜[07]を未使用アドレスとしてアドレスを不連続とするように構成してもよい。
また、図24および図25に示す例では、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路(本例では、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)と24チャネルのシリアル−パラレル変換回路(本例では、発光体ドライバ411a,411b)とを1つのテーブルを用いてアドレス管理する場合を示しているが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路と24チャネルのシリアル−パラレル変換回路とを別々のテーブルを用いてアドレス管理するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、アドレスの割り振りに関してのみ、アドレスが不連続となるように付与したり、最小値を超える所定値からアドレスを付与したりするように構成する場合を示したが、各ドライバの出力端子番号に関しても、出力端子番号が不連続となるように設定したり、最小値を超える所定値から出力端子番号を設定したりするように構成してもよい。例えば、アドレス[02]に設定された発光体ドライバ411aについて、出力端子番号[00],[01]を未使用端子番号とし、出力端子番号[02]から各LEDに設定するように構成したり、途中の出力端子番号[05],[06]を未使用端子番号とし、各LEDに設定される出力端子番号が不連続となるように構成したりしてもよい。
[パチンコ遊技機の動作]
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図37のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図37に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図38は、特別図柄プロセス処理として、図37に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞判定処理では、まず、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。そして、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
なお、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施の形態では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図39は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
次に、演出制御用CPU120は、可動部材321を移動させる慣らし動作を実行する可動部材慣らし処理を実行する(S51A)。可動部材慣らし処理については図41で後述する。そして、演出制御用CPU120は、予告演出などの演出における可動部材321の複数種類の動きのパターンの動作を確認したり、位置検出センサ333によって可動部材321の初期位置(本実施の形態では第1位置)を検出したり、その初期位置に可動部材321を移動させたりする可動部材初期化処理を実行する(S51B)。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、エラー演出を実行する処理の1つであるエラー報知処理を実行する(S54A)。ステップS54Aのエラー報知処理では、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されたエラー指定コマンドに対応して、演出表示装置5の表示領域におけるエラー画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからのエラー音声出力動作、LED9a〜9eにおけるエラー発光動作等によるエラー報知等が行われる。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図40は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留表示エリア5D及び第2保留表示エリア5Uにおける保留記憶表示を始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、後述するLED制御を行うための演出実行設定処理も実行される。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
[演出ユニットの構造]
次に、図3〜図36に基づいて、演出ユニット300について説明する。図3は、(A)は演出ユニットを示す正面図、(B)は背面図である。図27は、演出ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図28は、演出ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図29は、(A)は可動部が傾倒位置にある状態、(B)は可動部が起立位置にある状態を示す正面図である。図30は、(A)はピニオンギヤ、(B)はラックギヤを示す背面図である。図31は、(A)は可動部材が第1位置にある状態、(B)は第2位置にある状態を示す概略図である。図33は、(A)はピニオンギヤがラックギヤに噛合した状態、(B)はラックギヤを移動させている状態、(C)はラックギヤが規制されている状態を示す概略図である。図34は、(A)〜(D)は規制状態となるまでのギヤの状態を示す要部拡大図である。図35は、(A)は規制状態、(B)はピニオンギヤを第1作動方向へ回転させることで規制解除状態へ変化した状態、(C)は駆動初期状態を示す概略図である。図36は、(A)は規制状態、(B)はピニオンギヤを第2作動方向へ回転させることで規制解除状態へ変化した状態、(C)は駆動初期状態を示す概略図である。
図26〜図29に示すように、演出ユニット300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、所定箇所に固設されたベース部301と、該ベース部301に対し回動可能に設けられた可動部302と、可動部302を横向きに傾倒する傾倒位置(図29(A)参照)と縦向きに起立する起立位置(図29(B)参照)と、の間で回動させる第1演出用モータ303と、を有する。
ベース部301には、軸受孔310が貫通して形成されているとともに、該軸受孔310の周辺には、軸受孔310を中心とする円弧形状をなすガイド溝311が形成されている。ベース部301の背面における軸受孔310の右下方位置には、可動部302を回動させる第1演出用モータ303が背面に固設されており、ベース部301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤312が固着されている。
回転盤312の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材313が突設されており、該軸部材313には、リンク部材314の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤312の周縁における軸部材313の反対側には検出片315が突設されており、該検出片315が回転盤312の下方に設けられた位置検出センサ316により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部302が傾倒位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部302は、回動部材320と、回動部材320の前面側に該回動部材320に対してスライド移動可能に設けられた可動部材321と、回動部材320の背面側にて可動部材321と一体に移動するラックギヤ322と、を有する。可動部材321は、回動部材320に対し回動軸325側の第1位置と該第1位置よりも回動軸325から離れる第2位置と、の間で往復移動可能とされている。
なお、本実施の形態では、演出制御用CPU120は、可動部302が起立位置にあるときに、可動部材321を第1位置と第2位置との間で移動させる可動演出を実行するようになっている。また、可動部材321は、第1位置にあるときには演出表示装置5の表示画面の下方に少なくとも一部が退避し、第2位置において演出表示装置5の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている(図1参照)。
回動部材320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔310に後側から挿入されることで回動軸325と、回動軸325の左側に突設されガイド溝311に後側から挿入される第1ガイド軸326と、回動軸325の右上に突設されガイド溝311に後側から挿入される第2ガイド軸327と、が突設されている。
ガイド溝311を挿通してベース部301の前面側に突出した第2ガイド軸327の先端には、リンク部材314の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤312と回動部材320とはリンク部材314を介して連結されている。また、回動軸325の外周には、回動部材320を常時起立位置側へ向けて付勢するコイルバネ328が設けられている。
第1ガイド軸326の左側には、可動部材321を左右方向に案内する直線状のスライド溝329が左右方向に向けて延設されている。回動部材320の前面におけるスライド溝329の上方には、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330が固設されており、ベース部301を貫通して後側に突出した駆動軸330aの先端には、ラックギヤ322を作動させるピニオンギヤ331が固着されている。なお、本実施の形態では、第2演出用モータ330としてステッピングモータが適用されている。
回動部材320の左側の背面には、ラックギヤ322を付勢するための引張バネ323の左端が係止されるフック332が後向きに突設されている。また、右側の背面には、ラックギヤ322の右端に形成された検出片334を検出する位置検出センサ333が設けられており、該検出片334が位置検出センサ333により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部材321が第1位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部材321は、円盤状の発光部321Aと、発光部321Aから右側に延びる取付部321Bと、を有する。発光部321Aは、内部に図示しない複数の発光ダイオード(LED)が設けられ、前方に光を出射可能とされている。また、取付部321Bの背面には、2つのボス334a,334bが突設されており、該ボス334a,334bはスライド溝329に挿入され、ラックギヤ322の背面側から螺入されるネジN1によりラックギヤ322が止着されることで、回動部材320前側に配置された可動部材321と回動部材320の後側に配置されたラックギヤ322とが一体化されている。
一体化された可動部材321とラックギヤ322とは、2つのボス334a,334bがスライド溝329に挿入されていることで、回動部材320に対し左右方向にスライド移動可能に案内される。また、ラックギヤ322の右側には、左端が回動部材320のフック332に係止された引張バネ323の右端が係止されるフック335が後向きに突設されている。すなわち、引張バネ323は、一端が回動部材320のフック332に係止され、他端がラックギヤ322のフック335に係止されていることで、可動部材321を常時第2位置側へ向けて付勢する。
このように構成された演出ユニット300は、可動部302は、駆動初期状態において、図29(A)に示すように傾倒位置に位置している。そして、第1演出用モータ303により回転盤312が正面視右周りに回動することにより、リンク部材314により第2ガイド軸327が下方に引かれることで、回動軸325を中心として正面視時計回りに約90度回転し、図29(B)に示す起立位置まで回転する。なお、傾倒位置から起立位置へ回動する際に、コイルバネ328の付勢力が作用するため、第1演出用モータ303にかかる負荷が軽減される。また、第1演出用モータ303を逆駆動させることで、起立位置から傾倒位置へ回動する。
次に、ピニオンギヤ331とラックギヤ322の詳細な構造について説明する。図30(A)に示すように、ピニオンギヤ331は、円盤部材の周面の一部に複数の駆動歯が突設された回転ギヤである。駆動歯は、回転方向に向けて複数突設される駆動歯340Aと、駆動軸330aから歯が噛み合う位置までを半径とするピッチ円における歯厚寸法L2が駆動歯340Aの歯厚寸法L1よりも大きい駆動歯340Bと、ピッチ円における歯厚寸法L3が駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸の駆動歯340Cと、を有している(歯厚寸法L1<L2<L3)。
また、このように駆動歯340A,340B,340Cの歯厚寸法L1,L2,L3がそれぞれ異なることで、駆動歯340Aの先端面342A、駆動歯340Bの先端面342B及び駆動歯340Cの先端面342Cそれぞれにおける周方向の長さ寸法は、歯厚寸法L1,L2,L3の関係と同じである。つまり、先端面342Bの周方向の長さ寸法は、先端面342Aの周方向の長さ寸法より長寸とされ、先端面342Cの周方向の長さ寸法は、先端面342A,342Bの周方向の長さ寸法より長寸とされている。
なお、本実施の形態では、先端面342A,342Bは平坦面とされ、後述する規制部を構成する先端面342Cは、駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面とされている。
各駆動歯340Aと駆動歯340Aとの間の歯溝寸法L4と、駆動歯340Aと駆動歯340Bとの間の歯溝寸法L5とは同一とされ(歯溝寸法L4=L5)、駆動歯340Aと駆動歯340Cとの間の歯溝寸法L6は、歯溝寸法L4,L5より長寸とされている(L4,L5<L6)。これら駆動歯340A,340B,340Cは、周面の約1/3に亘り形成されており、周面の残りの2/3は、駆動歯を円周方向に欠落させた欠落部341とされている。つまり、ピニオンギヤ331は、駆動歯を有しラックギヤ322に噛合する噛合部と、駆動歯を有せずラックギヤ322に噛合しない非噛合部と、を周面に有する。
なお、本実施の形態では、ピニオンギヤ331は、図30(A)における時計回りがラックギヤ322を第2位置から第1位置へ、つまり、第1方向へ移動させる第1作動方向であり、反時計回りがラックギヤ322を第1位置から第2位置へ、つまり、第2方向へ移動させる第2作動方向である。
図30(B)に示すように、ラックギヤ322は、棒状部材の側面の一部に複数の従動歯が突設されたギヤである。従動歯は、ピニオンギヤ331側の側面に沿って複数突設される従動歯350Aと、駆動歯が噛み合う位置における歯厚寸法L12が従動歯350Aの歯厚寸法L11よりも大きい従動歯350Bと、歯厚寸法L13が従動歯350A,350Bの歯厚寸法L11,L12よりも長寸の従動歯350Cと、を有している(歯厚寸法L11<L12<L13)。また、各従動歯350A,350B,350Cの先端面は平坦面とされている。
各従動歯350Aと従動歯350Aとの間の歯溝寸法L14と、従動歯350Aと従動歯350Cとの間の歯溝寸法L15とは同一とされ(歯溝寸法L14=L15)、従動歯350Aと従動歯350Bとの間の歯溝寸法L16は、歯溝寸法L14,L15より長寸とされている(L14,L15<L16)。
なお、ラックギヤ322における歯溝寸法L14,L15は、駆動歯340Aの歯厚寸法L1に対応する寸法とされ、歯溝寸法L16は、駆動歯340Bの歯厚寸法L2に対応する寸法とされている。また、ピニオンギヤ331における歯溝寸法L4,L5は、従動歯350Aの歯厚寸法L11に対応する寸法とされ、歯溝寸法L6は、従動歯350Cの歯厚寸法L13に対応する寸法とされている。
これら従動歯350A,350B,350Cは、側面の長手方向の下部から上下方向の略中央まで形成されており、中央から上方は、従動歯を長手方向に欠落させた欠落部351とされている。つまり、ラックギヤ322は、従動歯を有しピニオンギヤ331に噛合する噛合部と、従動歯を有せずピニオンギヤ331に噛合しない非噛合部と、を側面に有する。
なお、本実施の形態では、ラックギヤ322は、図30(B)における上方の第2位置と下方の第1位置との間で移動する。つまり、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回転することで第2位置から第1位置へ、つまり、第1方向へ移動し、ピニオンギヤ331が第2作動方向へ回転することで第1位置から第2位置へ、つまり、第2方向へ移動するようになっている。
次に、ピニオンギヤ331とラックギヤ322の作動態様について、図31〜図36に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、可動部302が起立位置にあるときに可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作するため、以下においては、可動部302が起立位置にあるときの上下左右方向を基準として説明する。
なお、本実施の形態では、可動部302が起立位置にあるときに可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作する例について説明するが、可動部302が傾倒位置にあるときや回動中に可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作するようにしてもよい。
図31(A)及び図31(B)に示すように、可動部材321(ラックギヤ322)は、回動部材320に対し、ボス334bがスライド溝329の下端に位置する下方の第1位置と、ボス334aがスライド溝329の上端に位置する上方の第2位置と、の間で上下方向に往復移動可能とされている。
図31(A)に示すように、可動部材321は、第1位置において引張バネ323による上方への付勢力が作用しているが、ピニオンギヤ331とラックギヤ322とが、後述するように駆動歯340Cの先端面342Cに従動歯350Cの歯先が当接することで引張バネ323の付勢力による可動部材321の上方への移動を規制する規制状態(ロック状態)へ変化することで、第2演出用モータ330がオフ状態であっても、可動部材321は第1位置に保持される。なお、規制状態(ロック状態)の詳細については後述する。
図31(B)に示すように、規制状態が解除されると、可動部材321は、引張バネ323の付勢力により上方に移動した後、該引張バネ323により第2位置に保持される。つまり、引張バネ323による付勢力は可動部材321の荷重を上回っている。
次いで、図33(A)に示すように、駆動歯340Bが対応する従動歯350Bに上方から噛合した状態で、図33(B)に示すように、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回動することで、駆動歯340Aと対応する従動歯350Aとが噛合し、ラックギヤ322が引張バネ323による上向きの付勢力に抗して第1方向(下方向)へ移動していく。そして、図33(C)に示すように、駆動歯340Cの先端面342Cに従動歯350Cの歯先が当接することで規制状態となり、ラックギヤ322、つまり、可動部材321が第1位置に保持される。
ここで、規制解除状態から規制状態(ロック状態)へ変化する際の詳細について説明する。図33(A)に示すように、可動部材321が第2位置にある状態において、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回転することで、駆動歯340A,340Bが従動歯350A、350Bに噛合することにより、引張バネ323による上向きの付勢力に抗してラックギヤ322が第1方向へ移動し、可動部材321が第1位置へ向けて下降する。
次いで、図34(A)に示すように、複数のうち駆動歯340Cに隣接する駆動歯340Aと複数のうち従動歯350Cに隣接する従動歯350Aとの噛合が解除される前に、駆動歯340Cと従動歯350Cとが噛合され、駆動歯340Aと従動歯350Aとの噛合が解除される。そして、図34(B)に示すように、駆動歯340Cがラックギヤ322の欠落部351に対向した後、駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面の歯元から歯先へ向けて移動していく。
そして、図34(C)に示すように、ピニオンギヤ331の回転により駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面から離れると、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除される。つまり、駆動歯340Cは欠落部341に隣接する隣接駆動歯であり、従動歯350Cは欠落部351に隣接する隣接従動歯である(駆動歯340Cは、複数の従動歯のうち第1方向の後側の端部の従動歯350Cに噛合する駆動歯である)ことで、後続の駆動歯と従動歯との噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させる動力の伝達が途絶えるため、ピニオンギヤ331の回転により駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面から離れ、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除されると、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力により第2方向へ移動しようとする。
そして、図34(C)に示すように、ピニオンギヤ331がさらに回転すると、駆動歯340Cの先端面342Cが、ラックギヤ322の各従動歯350A,350B,350Cの歯先を通る歯先線Tに交差する。このとき、上記したように、後続の駆動歯と従動歯との噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させる動力の伝達が途絶えていることで、ラックギヤ322は、引張バネ323の付勢力により第2方向へ移動しようとするため、従動歯350Cの歯先が駆動歯340Cの先端面342Cに押し付けられるように当接する。
このように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sは、駆動歯340Cの歯面から(図34(A)参照)、駆動歯340Cの歯先へ移動した後(図34(B)参照)、駆動歯340Cの先端面342Cへと移動する(図34(C)参照)。つまり、駆動歯340Cの歯面から歯先へ向けて摺接したまま滑るように先端面342Cへ乗り移る。
その後、従動歯350Cの歯先が先端面342Cにおける周方向の略中央位置に到達した際に第2演出用モータ330がオフ状態となりピニオンギヤ331の回転が停止される(図34(D)参照)。この状態において、先端面342Cが歯先線Tに対し交差するように、第2方向へ向けてラックギヤ322側に傾斜して配置され、また、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力により上方へ向けて付勢されていることで、従動歯350Cの歯先が先端面342Cに押し付けられ、ラックギヤ322の第2方向への移動が規制される規制状態(ロック状態)となる。すなわち、駆動歯340Cと従動歯350Cとは、ラックギヤ322を第2方向(上方向)への移動を規制する規制手段を構成している。
また、ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、規制部を構成する先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成されていることで、図34(C)に示すように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sが駆動歯340Cの歯面から先端面342Cへ移動した後、図34(D)に示す位置までピニオンギヤ331が回転しても、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点Sがラックギヤ322の第2方向へ変位することがないので、ピニオンギヤ331の回転に応じてラックギヤ322が微動、つまり、可動部材321が僅かに上昇して遊技者に違和感を与えることを防止できる。
例えば、規制部を構成する先端面342Cが平坦面である場合、図34(C)に示すように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sが駆動歯340Cの歯面から先端面342Cへ移動した後、図34(D)に示す位置までピニオンギヤ331が回転すると、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点S’がラックギヤ322の第2方向へ変位してしまう。また、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させて規制状態を解除しようとする際に、先端面342Cが湾曲面の場合に比べて、引張バネ323による付勢力が増大するため、第2演出用モータ330にかかる負荷が大きくなってしまう。よって、先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成することが好ましい。
なお、本実施の形態では、第2演出用モータ330はステッピングモータであるため、基準位置からのステップ数(回転角度)により駆動歯340Cが図34(D)に示す規制位置に停止するようにピニオンギヤ331の回転を停止させることができるが、例えば、駆動歯340Cが図34(D)に示す規制位置にあることを検知するセンサ等を設け、該センサからの検出状況に基づいてピニオンギヤ331の回転を停止させるようにしてもよい。
また、規制状態に変化させる際にピニオンギヤ331の回転を停止する停止位置を、例えば、先端面342Cに従動歯350Cが当接する範囲内の複数個所に設定し、所定回数ごとに異なる個所に停止するようにすることで、繰り返しの停止により先端面342Cの局所が摩耗により変形することを回避することができる。この場合、例えば、先端面342Cを欠落部341の周方向に亘り延設すること等が考えられる。
次に、規制状態の解除方法について説明する。まず、図35(A)に示す規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回動させることで、駆動歯340Cが移動して従動歯350Cの歯先が先端面342Cから離れ、欠落部341がラックギヤ322に対向して先端面342Cと歯先線Tとの交差が解除されることで、先端面342Cによる従動歯350Cの規制が解除され、規制状態から規制解除状態へ変化する。
図35(B)に示すように、規制解除状態となることで、ラックギヤ322は引張バネ323の引張力により第2方向へ上昇するため、可動部材321は第1位置から第2位置へ向けて高速で移動する。また、本実施の形態では、第1位置が駆動初期位置とされているため、図35(C)に示すように、規制解除状態へ変化した後もピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させて、駆動歯340Bが従動歯350Bに噛合する位置に到達したときに第2演出用モータ330をオフ状態としてピニオンギヤ331の回転を停止させる。
よって、可動部材321を第2位置から第1位置へ移動させる際には、ピニオンギヤ331をさらに第1作動方向へ回転させることで、駆動歯340B,340Aと従動歯350B,350Aとの噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させることができる。このように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させるだけで、可動部材321を第1位置から第2位置へ移動させることができるとともに、第2位置から第1位置へ移動させることもできるため、第2演出用モータ330を制御する演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できる。
図36には、規制状態の解除方法の他の例が示されている。図36(A)に示す規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向と逆の第2作動方向へ回動させることで、駆動歯340Cが移動して従動歯350Cの歯先が先端面342Cから離れ、先端面342Cと歯先線Tとの交差が解除されるが、従動歯350Cが駆動歯340Cと駆動歯340Aとの間の歯溝に入り込み、図34(A)に示すように、従動歯350Cの歯面が駆動歯340Cの歯面に当接する噛合状態になるため、ラックギヤ322の引張バネ323による第2方向への移動が駆動歯340Cとの当接により規制される。
よって、ピニオンギヤ331をさらに第2作動方向へ回転させることで、ラックギヤ322をピニオンギヤ331の回転により上昇させることができる。すなわち、図35に示すように、規制状態においてピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させることで規制状態を解除した場合、可動部材321は引張バネ323の付勢力により所定速度で第1位置から第2位置へ移動するが、図36に示すように、規制状態においてピニオンギヤ331を第2作動方向へ回転させることで規制状態を解除した場合、可動部材321を任意の速度で第1位置から第2位置へ移動させることができる。
具体的には、ピニオンギヤ331を低速で回転させれば可動部材321を低速で、ピニオンギヤ331を高速で回転させれば可動部材321を高速で上昇させることができる。また、上昇させる途中で停止させたり、上下動させたりするなど、種々の態様にて上昇させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、駆動源としての第2演出用モータ330により回転(作動)する駆動ギヤとしてのピニオンギヤ331と、ピニオンギヤ331に噛合される従動ギヤとしてのラックギヤ322と、を備え、ラックギヤ322は、引張バネ323によって、ピニオンギヤ331により移動(作動)する第1方向と反対の第2方向へ付勢されており、ピニオンギヤ331は、駆動歯340A,340B,340Cを一部欠落させた欠落部341と、欠落部341に隣り合う隣接駆動歯としての駆動歯340Cの先端に設けられる規制部としての先端面342Cと、を有し、駆動歯340Cとラックギヤ322の従動歯350Cとの噛合が解除された後、該従動歯350Cが先端面342Cに当接することによりラックギヤ322の第2方向への移動が規制される。
すなわち、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除され、欠落部341がラックギヤ322に対向すると、第2方向へ付勢されているラックギヤ322の従動歯350Cが先端面342Cに当接することにより該第2方向への移動が規制される。このように、ピニオンギヤ331の駆動歯340Cに設けられた先端面342Cを用いてラックギヤ322の第2方向への移動を規制することができるので、ラックギヤ322や可動部材321の第1方向への移動を規制するための規制手段を別個に設けるなどして部品点数を増加させることなく、駆動ギヤと従動ギヤとによる簡素な構造でラックギヤ322の作動を停止させることができる。
また、前記実施の形態では、従動ギヤであるラックギヤ322は、引張バネ323により第2方向へ付勢されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、従動ギヤはバネ部材以外の付勢手段により第2方向へ付勢されていてもよい。また、例えば、可動部302を上下反転して設ける場合、ラックギヤ322は、可動部材321の荷重により常時下方(第2方向)へ付勢されることになるため、自重により第2方向へ付勢されるもの等も含まれる。
また、ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、ラックギヤ322は、第1位置(図31(A)で示す位置)と該第1位置とは異なる第2位置(図31(C)で示す位置)との間で往復作動可能であり、ピニオンギヤ331がラックギヤ322を第1方向へ作動させる第1作動方向に回転することで、駆動歯340A,340B,340Cと従動歯350A,350B,350Cとの噛合により第2位置から第1位置へ移動した後、欠落部341が対向し駆動歯340A,340B,340Cと従動歯350A,350B,350Cとの噛合が解除されることにより、引張バネ323により第2方向へ付勢され、第1位置から第2位置へ作動する。
このように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させるだけでラックギヤ322を往復作動させることができるので、第2演出用モータ330の制御負荷を軽減できる。
また、先端面342Cに従動歯350Cが当接することにより、ラックギヤ322の第2方向への移動が規制される規制状態は、ピニオンギヤ331を、図35に示すように、ラックギヤ322を第1方向へ作動させる第1作動方向または図36に示すように、第1作動方向とは反対の第2作動方向に作動させることで解除可能である。
このようにすることで、ピニオンギヤ331を第1作動方向と第2作動方向のうち一作動方向へ回転させても規制状態が解除されない場合、他方向へ作動させることで解除されるため、ラックギヤ322の従動歯350Cが先端面342Cに噛んでラックギヤ322を移動できなくなることを回避しやすくなる。
また、規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させたときと第2作動方向へ回転させたときとで、ラックギヤ322の作動態様が異なる。具体的には、図35(B)に示すように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させると、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力にて上昇し、図36(B)に示すように、ピニオンギヤ331を第2作動方向へ回転させると、ラックギヤ322はピニオンギヤ331の回転に応じて上昇することで、ラックギヤ322に一体化されている可動部材321の作動態様を多様化することができる。
また、駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされている(例えば、歯厚寸法L1<L2<L3)。このようにすることで、従動歯350A,350B,350Cと噛合されていない非噛合状態から噛合状態となるときに駆動歯340Cにかかる負荷による破損等を防止できる。また、歯厚寸法L3が広くなることで規制部を構成する先端面342Cも広くなるので、従動歯350Cを規制しやすくなる。
ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、規制部を構成する先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成されていることで、従動歯350Cが先端面342Cに当接している状態においてピニオンギヤ331が回転しても、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点Sがラックギヤ322の移動方向に変位することがないので、ピニオンギヤ331の回転に応じてラックギヤ322が微動することを防止できる。
また、従動歯において駆動歯340Cに噛合する従動歯350Cの歯厚寸法L13は、他の従動歯350B,350Cの歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされている(歯厚寸法L11<L12<L13)このようにすることで、駆動歯340Cと噛合されていない非噛合状態から噛合状態となるときに従動歯350Cにかかる負荷による破損等を防止できる。また、規制部に当接している状態において第2方向へ付勢される力によりかかる負荷による破損等を防止できる。
[演出ユニットのケーブル]
図26、図31および図32を参照して、演出ユニット300には、可動部材321の発光部321AのLEDに電力を供給するケーブル361が設けられる。
図32(A)および図32(B)は、それぞれ、図31(A)および図31(B)の側面を模式的に表したものである。なお、図32においては、見易くするために、可動部材321と回動部材320との間隔、および、回動部材320とラックギヤ322との間隔は、広めに描いているが、実際は、図で示すよりも狭くなっている。
図1で示されるように、ケーブル361は、ベース部301の演出制御基板12からの中継基板に設けられるコネクタ363から、回動部材320に設けられるケーブル361の押さえ部材364を経て、可動部材321の発光部321AのLEDが搭載されるLED基板に設けられるコネクタ362に接続される。
図32(A)で示されるように、可動部材321が第1位置で待機している状態であるときには、ケーブル361の押さえ部材364とコネクタ362との間の部分は、かなり屈曲した状態である。
図32(B)で示されるように、可動部材321が第2位置に進出した状態であるときには、ケーブル361の押さえ部材364とコネクタ362との間の部分は、伸びて余裕が余り無い状態となる。
このため、可動部材321には、ケーブル361によって第2位置から第1位置へ向かう方向の力が掛かる。ケーブル361が伸びた状態においては、ケーブル361の被覆材は樹脂であるので、ケーブル361が冷えている状態のときは、冷えていない状態のときよりも、ケーブル361によって可動部材321に掛かる力は強くなる。
引張バネ323は、第2演出用モータ330によって可動部材321が第2位置になるまで引っ張られる。このため、第2演出用モータ330は、引張バネ323が最も引っ張られた状態の引張力(付勢力)よりも強い力を発生することが可能である。
前述したように、引張バネ323による付勢力は、可動部材321の荷重を上回っている。しかし、引張バネ323による付勢力を強くすると、引張バネ323を引っ張る第2演出用モータ330の出力も強くする必要がある。出力の大きいモータを用いると製造コストが上がるため、モータの出力は必要最小限であることが好ましい。
本実施の形態における引張バネ323としては、可動部材321の荷重だけではなく、ケーブル361が伸びた状態での可動部材321を引っ張る力、および、第2演出用モータ330のコストも考慮して、必要最小限の付勢力が得られるバネが用いられる。
このため、万一、品質の悪いケーブル361が用いられ、低温で硬くなるような場合、可動部材321を最初に移動させるときに、引張バネ323の付勢力が不足することが考えられる。通常は低温で想定以上に硬くなるようなケーブルが用いられることはない。
しかし、本実施の形態においては、引張バネ323の付勢力が不足するような事態が生じないようにするために、夜間に放置されて冷えたパチンコ遊技機1を起動するときに、後述の図41のステップS515で示すように、可動部材321の動きを慣らすための慣らし動作をする。可動部材321を第1位置から第2位置まで移動させる慣らし動作をすることによって、ケーブル361が屈伸させられることでケーブル361を柔軟に慣らすことができる。その結果、引張バネ323の付勢力が不足するような事態を未然に防止することができる。
また、本実施の形態においては、パチンコ遊技機1が起動されているときは、ケーブル361は、熱を発する物(演出表示装置5、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330)の近傍に設けられるため、ケーブル361が熱によって柔軟性が高い状態が保たれる。
図41は、演出制御メイン処理における可動部材慣らし処理(S51A)を示すフローチャートである。図41を参照して、演出制御用CPU120は、可動部302を起立位置に移動させるよう第1演出用モータ303を制御する(S511)。
そして、演出制御用CPU120は、この可動部302の移動において、異常が検出されたか否かを判定する(S512)。異常が検出された(S512でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部302の異常を報知する(S513)。報知は、演出表示装置5での表示およびスピーカ8L,8Rからの音声出力によって行なわれる。
次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行なわれたか否かを判定する(S514)。可動部302の移動の異常が検出されていない(S512でNO)と判定した場合、および、報知を停止させる操作が行なわれた(S514でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部材321を第1位置に移動させるよう第2演出用モータ330を制御する(S515)。ここで、可動部材321を第2位置と第1位置との間で往復させるようにしてもよい。
このように、引張バネ323よりも力の強い第2演出用モータ330によって可動部材を移動させるので、より確実に、可動部材321を移動させることができる。これによって、ケーブル361が曲がった状態から伸ばされた状態とされることによってケーブル361および可動部材321の動きを慣らすことができる。
そして、演出制御用CPU120は、この可動部材321の移動において、異常が検出されたか否かを判定する(S516)。異常が検出された(S516でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部材321の異常を報知する(S517)。報知は、演出表示装置5での表示およびスピーカ8L,8Rからの音声出力によって行なわれる。
次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行なわれたか否かを判定する(S518)。可動部材321の移動の異常が検出されていない(S516でNO)と判定した場合、および、報知を停止させる操作が行なわれた(S518でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
次にLED9a〜9eの制御について説明する。LED9a〜9eは、実行される演出に対応した複数種類の発光パターンで発光(点灯、点滅など)可能となっている。演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた制御用データ領域に制御用データが設定されている場合にLED9a〜9eを所定の発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御可能となっている。
また、制御用データ領域に設定される制御用データは、各発光体制御基板16C〜16Fにおいて発光(点灯、点滅など)制御を行うためのデータである。具体的に、各々の発光パターンには、それらを一意に識別するための識別子が割り当てられており、上述した制御用データは、この識別子を示すデータである。演出制御用CPU120は、制御用データ領域に制御用データが設定されている場合には、この制御用データを読み取り、各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力する。各発光体制御基板16C〜16Fでは、制御用データが示す識別子で識別された発光パターンで発光するように各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cなどによって制御することで、LED9a〜9eが点灯/消灯駆動される。一方、制御用データ領域がNULLの場合は、当該制御用データ領域に制御用データは設定されていないと判定する。また、制御用データが設定されるタイミングは、当該制御用データにより制御を開始するタイミング、又は当該制御用データにより制御を開始するタイミングよりも前のタイミングである。以下の説明では、LED9a〜9eのいずれかのLEDによる演出を説明する場合には、単にLED演出と表現することがある。
図42は、制御用データ領域の一例を示す図である。制御用データ領域は、一の制御用データ領域と他の制御用データ領域とを少なくとも含む。具体的に、本実施形態の場合は、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の5つの制御用データ領域を含む。そして、各レイヤは、音声を出力する音演出に対応している。例えば、「エラー」演出は、演出表示装置5にもエラーを示す画面が表示される演出であるが、そのうちのエラー音を出力する演出に対応している。なお、音演出は、音を出さない演出(無音演出)も含み、この無音演出に対応したLED演出があってもよい。この無音演出に対応したLED演出は、LEDを消灯させるのではなく、発光させる演出である。
また、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5は優先順位が設定されており、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5(レイヤ1が最も優先順位が低く、レイヤ5が最も優先順位が高い)となっている。ここで、「優先順位が設定されている」とは、具体的に、演出制御用CPU120がLED9a〜9eを制御する場合には、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に制御用データが設定されているか否かを判定し、設定されていると判定された制御用データ領域に設定されている制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力するという制御を行うため、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に優先されることを示している。なお、優先順位の設定を実現する例は、これに限るものではなく、例えば、各レイヤに優先順位を示す値を割り当てるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、まず制御用データが設定されている全てのレイヤに割り当てられた値を参照し、(複数のレイヤに制御データが設定されている場合であっても)その中で優先順位が最も高い値(例えば最大値)が割り当てられているレイヤに設定された制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力することとなる。
このように、レイヤには優先順位が設定されているため、LED演出では1つのLED演出のみが行われ、複数のLED演出が同時に行われることはないが、LED演出に対応する音演出は同時に行われることがある。例えば、レイヤ1の制御用データ領域にBGM演出の制御用データが設定され、レイヤ1より優先順位が高いレイヤの制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されていない場合は、BGM演出のLED演出とともに、BGMが音演出として行われる。この状態で、例えばレイヤ3の制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されると、LED演出では、BGM演出のLED演出が終了して、他の演出のLED演出が行われるが、音演出では、BGMと他の演出の音演出とが同時に行われる。
演出制御用CPU120は、いずれか一方の制御用データ領域に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。具体的に例えば、遊技状態が低ベース状態では、図42に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動、リーチ変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告B演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告A演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
また、遊技状態が高ベース状態では、図42に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2のBGM演出(リーチ変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告演出(全て)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
さらに、遊技状態が大当り遊技状態では、図42に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(大当り)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告演出(保留連、昇格)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の大入賞口入賞演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確変入賞演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
演出制御用CPU120は、両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。具体的に例えば、レイヤ2とレイヤ3の両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ3に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。さらに、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ4に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。
さらに、本実施形態において、第1遊技状態中において一の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターンと、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態中に一の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターンとが異なる。具体的には、図42に示されるように、制御用データ領域は、遊技状態(低ベース状態、高ベース状態、大当り遊技状態)ごとに設けられている。そして、例えば低ベース状態中において例えばレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターン(予告A演出に対応した発光パターン)と、低ベース状態とは異なる例えば高ベース状態中にレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターン(BGM演出に対応した発光パターン)とが異なる。
図42に示される制御用データ領域への設定は、原則として一の遊技が終了するたびにリセットされる。「一の遊技」とは、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態の場合は、可変表示の開始に始まり、可変表示の停止表示により終了するまでの遊技を示し、遊技状態が大当り遊技状態の場合は、大当り遊技状態の開始から終了までの遊技を示している。
従って、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態の場合、制御用データは、可変表示の開始タイミングまたは可変表示中の演出の開始タイミングで設定され、可変表示の停止表示または各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングによりリセットされる。なお、各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングが到来しない場合でも、可変表示が停止表示した場合にはリセットされる。
また、遊技状態が大当り遊技状態の場合、制御用データは、S173の特図当り待ち処理またはS176の大当り遊技中処理などにて設定され、大当りが終了した場合、ラウンドが終了した場合、または各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングによりリセットされる。
例外的に複数の遊技に跨って行われる演出(例えば、先読予告演出や、複数回の大当りを含む演出)に対応するLED9a〜9eによるLED演出の制御用データの設定は遊技の終了によりリセットされることはない。なお、複数の遊技に跨って行われるLED演出は、上述した遊技状態により異なる一の遊技を組み合わせたものを改めて一の遊技とし、この一の遊技の複数に跨る演出もLED演出であってもよい。
次に、図42に示される各演出について説明する。上述したように、本実施形態におけるLED制御は、図42に示される各演出における音演出に対応している。以下の説明では、各演出において発光(点灯、点滅など)するLEDが記載されているが、記載されているLEDのみが発光(点灯、点滅など)する場合と、他のLEDも発光(点灯、点滅など)する場合がある。
図42において、エラー演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されたエラー指定コマンドに対応して、演出表示装置5の表示領域におけるエラー画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからのエラー音声出力動作、LED9a〜9eにおけるエラー発光動作等によるエラー報知等が行われる演出である。本実施形態でのエラー演出は、LED9a〜9eの全てが発光(点灯、点滅など)する演出である。そして、図42に示されるように、演出制御用CPU120は、最も高い優先順位が設定される制御用データ領域(レイヤ5)に制御用データが設定されている場合には、遊技状態に依らずエラー演出を示す発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御するようになっている。
確定報知演出は、V字状に配列されたLEDなどが点滅したり、演出表示装置5の表示領域にV字状の図柄が表示される演出であり、演出図柄の変動中に行われる大当りが確定を示す演出(予告)である。
確変入賞演出には、例えば、確変入賞口(若しくは確変入賞口内に設けられた所定領域。以下、確変入賞口等)の入賞の有無により大当り後の状態を確定させる態様のV確変タイプの遊技機において、確変入賞口等に入賞した際に行われる演出である。確変入賞口等に入賞した場合、大当り後の状態を確変状態とし、確変入賞口等に入賞しなかった場合、大当り後の状態を非確変状態とすることが一般的である。この場合、遊技者に確変入賞口等への入賞を狙わせる演出が設けられており、この演出を本実施形態では確変チャレンジ演出と称する。図1に示したパチンコ遊技機1には、確変入賞口は設けられていないが、LED制御の一例を説明するために、本実施形態での確変入賞演出は、例えば特別可変入賞球装置7内に上記所定領域を設け、その所定領域へ入賞した際にLED(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDでもよい)が発光(点灯、点滅など)する演出とする。また、確変チャレンジ演出は、本実施形態では、LED(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDでもよい)が発光(点灯、点滅など)する演出とする。なお、この確変入賞口は、確変アタッカーともいわれる。
予告A演出、及び予告B演出は、本実施形態では、いずれの演出もLED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)するとともに演出表示装置5の表示領域における演出であって、予告A演出は、キャラクタAが演出表示装置5の表示領域に表示される演出であり、予告B演出は、キャラクタBが演出表示装置5の表示領域に表示される演出である。また「予告(全て)」は、予告A演出、及び予告B演出を示している。また、「予告(保留連、昇格)」のうち、予告(保留連)は、大当り前又は大当り中に保留された保留内に大当りとなる保留が存在する場合に、大当りとなる保留が存在することを大当り中に予告する演出である。予告(昇格)は、上述した大当り中昇格演出や、例えば大当りラウンド数が8ラウンドから16ラウンドなどに増加するラウンド数昇格演出である。この「予告(保留連、昇格)」は、LED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)するとともに演出表示装置5の表示領域における演出である。
大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置7へ入賞したときに行われる演出である。本実施形態での大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置7へ入賞するたびにLED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)する演出である。この大入賞口入賞演出では、所謂オーバー入賞時に特に目立たせるような演出が行われることがある。
以上説明した各演出では、LED演出のみの演出だけではなく、LED演出以外の演出(例えば、音による音演出、演出表示装置5による表示演出、または音演出と表示演出を組み合わせた演出等)が行われることがあるが、以下の説明において、特に断らない限り、「演出」は、当該演出におけるLED演出のみを示すものとする。LED演出とLED以外の演出を含む演出全体を示す場合には「演出(全て)」と表現する。また、LED以外の演出を示す場合には「演出(LED以外)」と表現する。例えば、「BGM演出」は、LED演出のみを示し、「BGM演出(全て)」は、LED演出の他に、音演出などLED以外の演出を含む演出全体を示し、「BGM演出(LED以外)」は、音演出などLED以外の演出を示す。
また、以上説明した各演出において、BGM演出の優先順位は、BGMの性質上、いずれの遊技状態においても最も低く設定される。低ベース状態において、予告A演出は予告B演出より優先順位が高いが、これは予告A演出が予告B演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。さらに低ベース状態において、確定報知演出は予告A演出よりも優先順位が高いが、これは確定報知演出が大当り確定を示す演出であるためである。
高ベース状態において、BGM(リーチ変動)演出は、BGM(通常)演出より優先順位が高いが、これはBGM(リーチ変動)演出がBGM(通常)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。高ベース状態において、予告(全て)演出は、BGM(リーチ変動)演出より優先順位が高いが、これは予告(全て)演出がBGM(リーチ変動)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。高ベース状態において、確定報知演出は、予告(全て)演出より優先順位が高いが、これは確定報知演出が予告(全て)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。
大当り遊技状態において、予告(保留連、昇格)演出は、BGM(大当り)演出より優先順位が高いが、これは予告(保留連、昇格)がBGM(大当り)演出より遊技者にとって重要な演出であるためである。大当り遊技状態において、大入賞口入賞演出は、予告(保留連、昇格)演出より優先順位が高いが、これは大入賞口入賞演出は入賞するたびに行われるものであり、予告(保留連、昇格)演出(LED以外)は一般的に演出表示装置5の表示領域において大入賞口入賞演出よりも比較的長く行われる演出であるところ、大入賞口入賞演出を予告(保留連、昇格)演出より優先順位を高くした場合には、いずれの演出も遊技者に告知可能であるが、予告(保留連、昇格)演出を大入賞口入賞演出よりも優先順位を高くした場合には、予告(保留連、昇格)演出のみが行われ、大入賞口入賞演出が行われなくなるためである。また、上述したように、大入賞口入賞演出ではオーバー入賞時の演出が行われることが一般的であり、オーバー入賞は遊技者にとって本来であれば得られない利益のため、演出の重要性が高いためでもある。
各演出の制御用データの設定は、BGM演出及び複数の遊技に跨って行われる演出の制御用データを除き、各演出ごとに定められた時間が経過するとリセットされる。なお、一般的なパチンコ遊技機における演出(全て)として、2つ以上の演出(全て)に分岐する演出(全て)がある。こうした複数の演出(全て)に分岐する場合は、分岐するときに対応する演出の制御用データを再設定することとなる。
以上説明した各制御用データ領域に設定される制御用データは一例であり、図42に示した例に限るものではなく、パチンコ遊技機の演出等に応じて適宜設定される。
図43および図44は、LED制御例を示すタイムチャートである。まず、図43に示すタイムチャートは、エラー報知が実行されておらず、遊技状態が低ベース状態で、可変表示が行われてなく、さらに保留も存在しない状態において、時間T1で始動入賞があり、演出図柄が変動を開始し、時間T2に予告B演出が発生し、さらに時間T3で予告A演出が発生した場合のタイムチャートを示している。なお、BGM演出(LED以外)は、時間T1から最後まで行われ、予告B演出(LED以外)は、時間T2から最後まで行われ、予告A演出(LED以外)は、時間T3から最後まで行われている。制御対象LEDは、一例としてLED9a〜9eとしている。
図43に示されるタイムチャートでは、縦軸は各レイヤに対応するLED制御を示し、横軸は時間を示している。
また、図43では、レイヤ5の制御用データ領域に設定される制御用データをエラー演出の制御用データとし、レイヤ4の制御用データ領域に設定される制御用データを確定報知演出の制御用データとし、レイヤ3の制御用データ領域に設定される制御用データを予告A演出の制御用データとし、レイヤ2の制御用データ領域に設定される制御用データを予告B演出の制御用データとし、レイヤ1の制御用データ領域に設定される制御用データをBGM演出の制御用データとしている。
LED9a〜9eは、エラー演出では色Aで発光(点灯、点滅など)し、確定報知演出では色Bで発光(点灯、点滅など)し、予告A演出では色Cで発光(点灯、点滅など)し、予告B演出では色Dで発光(点灯、点滅など)し、BGM演出では色Eで発光(点灯、点滅など)する。
また、図43に示されるタイムチャートでは、LED9a〜9eの発光色等を示す表示態様が示されている。この表示態様において、「消」は、LED9a〜9eが消灯していることを示し、アルファベットは、それに対応する色で発光(点灯、点滅など)していることを示す。「消」やアルファベットによる表現は、これから説明する他のタイムチャートでも用いられる。
さらに、図43に示されるタイムチャートでは、各レイヤに対応する演出(LED以外)が実行されているか否かも示されている。例えば、BGM演出(全て)は、LED演出とともに音演出を実行する演出であるので、優先順位が低くLED演出が実行されない場合でも音演出を実行することはできる。
また、図43の場合、各演出(LED以外)は同時に実行可能である。例えば、予告A演出(LED以外)と予告B演出(LED以外)は同時に実行可能である。
以上を踏まえ、図43のタイムチャートについて説明する。まず、各制御用データ領域に制御用データが設定されていないので、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは消灯している。
時間T1にて始動入賞があり、レイヤ1の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、BGMLED制御がオンとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Eで発光(点灯、点滅など)する。
次いで、時間T2にて、レイヤ1より優先順位の高いレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、予告BLED制御がオンとなり、BGMLED制御がオフとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Dで発光(点灯、点滅など)する。
次いで、時間T3にて、レイヤ2より優先順位の高いレイヤ3の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、予告ALED制御がオンとなり、予告BLED制御がオフとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Cで発光(点灯、点滅など)する。図43に示した制御によれば、BGM演出より遊技者にとって重要な予告B演出が優先され、さらに予告B演出よりも重要な予告A演出が優先されることから、遊技者に各LED演出による視覚効果を適切に与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図44に示すタイムチャートは、遊技状態が低ベース状態で、可変表示が行われてなく、さらに保留も存在しない状態において、時間T1で始動入賞があり、演出図柄が変動を開始し、時間T2に予告B演出が発生し、さらに時間T3で予告A演出が発生した場合であることは図43と同じであるが、エラー報知の実行中である場合のタイムチャートを示している。
図44に示す例では、エラー報知の実行中であるので、エラー演出(LED以外)が実行されているとともに、レイヤ5の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Aで発光(点灯、点滅など)している。そして、レイヤ5に設定されるエラー報知用の制御用データは最も優先順位が高いので、時間T1や時間T2、時間T3となってBGM演出や予告B演出、予告A演出の発生タイミングとなっても、エラーLED制御が継続されるとともにエラー演出(LED以外)の実行も継続される。
なお、図44に示すように、エラー報知の実行中であっても、BGM演出(LED以外)や、予告B演出(LED以外)、予告A演出(LED以外)は同時に実行可能である。
また、図43および図44では、一例として、遊技状態が低ベース状態である場合のLED制御例を示しているが、遊技状態が高ベース状態である場合や大当り遊技状態である場合も、図42に示すレイヤの優先順位に従ってLED制御が行われる。
図45および図46は、演出図柄変動開始処理(ステップS74)にて実行される演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、一例として図42で示した制御用データ領域を用いて説明する。また、このフローチャートの説明では、「演出Yの制御用データをレイヤNの制御用データ領域に設定し、演出Yの開始タイミングに従って演出制御パターンのLED制御データを設定すること」を、単に「演出Yの制御用データをレイヤNに設定する」と表現する。例えば、「予告演出の制御用データをレイヤ2に設定する」との記載は、「予告演出の制御用データをレイヤ2の制御用データ領域に設定し、予告演出の開始タイミングに従って演出制御パターンのLED制御データを設定すること」を意味する。
図45に示す演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、エラーLED発光中か否か(例えば、LED9a〜9eを色Aで発光(点灯、点滅など)中であるか否か)の判定を行う(ステップS901)。演出制御用CPU120は、ステップS54Aのエラー報知処理を実行したか否かで判定する。
エラーLED発光中である場合には(ステップS901;Yes)、エラー演出が最も優先順位が高いため、演出制御用CPU120は、下位のレイヤに制御用データを設定せずに、ステップS915に進む。
エラーLED発光中である場合には(ステップS901;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技状態が高ベース状態か否かの判定を行う(ステップS902)。遊技状態が高ベース状態の場合には(ステップS902;Yes)、演出制御用CPU120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(ステップS903)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(ステップS903;Yes)、演出制御用CPU120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ2に設定し(ステップS904)、ステップS906に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(ステップS903;NO)、演出制御用CPU120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS905)、ステップS906に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、予告演出を実行するか決定するための予告決定処理を行う(ステップS906)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告決定処理の決定結果から、予告演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS907)。予告演出を実行しない場合には(ステップS907;No)、ステップS909に進む。予告演出を実行する場合には(ステップS907;Yes)、演出制御用CPU120は、予告演出の制御用データをレイヤ3に設定する(ステップS908)。
次いで、演出制御用CPU120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(ステップS909)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS910)。確定報知演出を実行しない場合には(ステップS910;No)、ステップS912に進む。確定報知演出を実行する場合には(ステップS910;Yes)、演出制御用CPU120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(ステップS911)。次いで、演出制御用CPU120は、各決定処理で決定された各演出制御パターンを選択する(ステップS912)。そして、演出実行設定処理を終了する。
ステップS902の処理に戻り、遊技状態が低ベース状態の場合には(ステップS902;No)、図46のステップS913に進む。演出制御用CPU120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(ステップS913)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(ステップS913;Yes)、演出制御用CPU120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS914)、ステップS916に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(ステップS913;NO)、演出制御用CPU120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS915)、ステップS916に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、予告B演出を実行するか決定するための予告B決定処理を行う(ステップS916)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告B決定処理の決定結果から、予告B演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS917)。予告B演出を実行しない場合には(ステップS917;No)、ステップS919に進む。予告B演出を実行する場合には(ステップS917;Yes)、演出制御用CPU120は、予告B演出の制御用データをレイヤ2に設定する(ステップS918)。
次いで、演出制御用CPU120は、予告A演出を実行するか決定するための予告A決定処理を行う(ステップS919)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告A決定処理の決定結果から、予告A演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS920)。予告A演出を実行しない場合には(ステップS920;No)、ステップS922に進む。予告A演出を実行する場合には(ステップS920;Yes)、演出制御用CPU120は、予告A演出の制御用データをレイヤ3に設定する(ステップS921)。
次いで、演出制御用CPU120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(ステップS922)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS923)。確定報知演出を実行しない場合には(ステップS923;No)、ステップS912に進む。確定報知演出を実行する場合には(ステップS923;Yes)、演出制御用CPU120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(ステップS924)。
以上説明した演出図柄変動開始処理におけるLED9a〜9eの制御の他に、変動パターンコマンド受信待ち処理、演出図柄変動中処理、及び大当り遊技中処理などにおいてもLED9a〜9eの制御が行われる。例えば、変動パターンコマンド受信待ち処理において、パチンコ遊技機1の電源投入時に客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、直ちにLED9a〜9eを客待ちデモ演出でのLED態様で表示させる。一方、BGM演出が一定パターンを繰り返す演出を行っている場合には、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドを受信した数秒後にLED9a〜9eを客待ちデモ演出でのLED態様で表示させる。このように、同じ客待ちデモ指定コマンドを受信した場合でも、状況に応じて制御内容が異なる。
また、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理において設定された開始タイミングに基づき、LED9a〜9eを制御するとともに、各演出ごとに定められた時間が経過するか、可変表示が終了すると当該演出の制御用データの設定をリセットする。さらに、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、遊技者の操作に応じてLED9a〜9eを制御することがある。遊技者の操作例として、例えばスティックコントローラ31Aのトリガボタンの押下操作などがある。このような押下操作に応じて、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120はLED9a〜9eを制御する。また、大当り遊技中処理において、演出制御用CPU120は、図42に示した各制御用データを制御用データ領域に設定してLED9a〜9eを制御するとともに、各演出ごとに定められた時間が経過すると当該演出の制御用データの設定をリセットする。また、大当り遊技中処理においても、遊技者の操作に応じてLED9a〜9eを制御することがあるので、演出制御用CPU120は、押下操作に応じてLED9a〜9eを制御する。
以上のように、この実施の形態では、優先順位が設定された複数層(本例では、図42に示すレイヤ1〜レイヤ5)を有するデータ設定領域(本例では、図42に示す制御用データ領域)を備える。また、データ設定領域の各層に、少なくとも電気部品のうちの発光体(本例では、LED9a〜9e)の発光制御を行うための発光データを設定可能である。そして、制御手段(本例では、演出制御用CPU120)は、発光データにもとづいて発光体の発光制御を行うことが可能であり、データ設定領域の複数の層に発光データが設定されている場合に、優先順位が高い層に設定されている発光データにもとづいて発光体の発光制御を行う。そのため、層(レイヤ)の切り替えによって優先順位を簡単に切り替えて発光体の発光制御を行うことができる。
また、この実施の形態では、実行される演出(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出等)に対応した複数種類の発光パターン(例えば、色パターン、点滅パターン等)で発光可能な発光装置(例えば、LED9a〜9e等)と、発光装置を制御可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、制御手段は、制御用データが制御用データ領域に設定されている場合に発光装置を所定の発光パターンにて発光させるように制御可能であり、制御用データ領域は一の制御用データ領域(例えば、図42のレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域等)と他の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうち、一の制御用データ領域とは異なる制御用データ領域等)とを少なくとも含み、いずれか一方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの、いずれかの制御用データ領域等)に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターン(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出に対応した発光パターン等)にて発光装置を発光させるように制御し、両方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの2つの制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合は、優先順位(例えば、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5等)が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて発光装置を発光させるように制御可能であり、第1遊技状態中(例えば、図42の低ベース状態)において一の制御用データ領域(例えば、図42の低ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域等)に制御用データ(例えば、図42の低ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域に設定される予告B演出の制御用データ等)が設定されるときの発光パターンと、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態中(例えば、図42の高ベース状態)に一の制御用データ領域に制御用データ(例えば、図42の高ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域に設定されるBGM演出の制御用データ等)が設定されるときの発光パターンとが異なる。そのため、遊技状態に応じた優先順位でランプ演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、実行される演出(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出等)に対応した複数種類の発光パターン(例えば、色パターン、点滅パターン等)で発光可能な発光装置(例えば、LED9a〜9e等)と、発光装置を制御可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、制御手段は、制御用データが制御用データ領域に設定されている場合に発光装置を所定の発光パターンにて発光させるように制御可能であり、制御用データ領域は一の制御用データ領域(例えば、図42のレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域等)と他の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうち、一の制御用データ領域とは異なる制御用データ領域等)とを少なくとも含み、いずれか一方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの、いずれかの制御用データ領域等)に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターン(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出に対応した発光パターン等)にて発光装置を発光させるように制御し、両方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの2つの制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合は、優先順位(例えば、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5等)が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて発光装置を発光させるように制御可能であり、制御用データ領域には、優先順位が低い順に第1データ領域(例えば、レイヤ1の制御用データ領域等)、第2データ領域(例えば、レイヤ2の制御用データ領域等)、第3データ領域(例えば、レイヤ3の制御用データ領域等)が設けられており、第2データ領域に設定される制御用データとして、発光装置を発光させるように制御する制御用データ(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDを発光させるように制御する制御用データ等)と、発光装置を消灯させるように制御する消灯制御用データとがあり、第1データ領域に制御用データ(例えば、BGM演出の制御用データ等)が設定されている場合に、第2データ領域に消灯制御用データを設定し、当該消灯制御用データが設定されているときに、第3データ領域に制御用データ(例えば、大入賞口入賞演出の制御用データ等)を設定可能である。そのため、優先順位の高い発光パターンを目立たせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図43から図46で示した演出説明は一例で、この実施の形態で示した演出は図43から図46に示した遊技状態以外に適用してもよい。具体的には、例えば図43で示した遊技状態は低ベース状態であるが、大当り遊技状態に適用するようにしてもよい。
また、説明したLED9a〜9eの制御における演出は音演出としていたが、音演出に限らず、演出表示装置5において実行される演出、役物を稼働させる演出などであってもよい。また、レイヤ数を5としているが、レイヤ数は2以上であればよい。さらに、設定データ領域は、低ベース状態、高ベース状態、大当り遊技状態ごとに設けられているが、これに限らず、低確高ベース状態、高確高ベース状態など、種々の状態ごとに設けるようにしてもよい。
以上説明した制御用データ領域に設定される制御用データとして、ランプ制御基板14に出力する制御用データを例にしたが、発光パターンを示すデータのアドレス、または、オンオフなどを示す1ビットのデータであってもよい。
制御用データ領域に発光パターンを示すデータのアドレスが設定される場合、演出制御用CPU120は、制御用データ領域に設定されたアドレスを参照して、当該アドレスに記憶されている制御用データをランプ制御基板14に出力し、制御用データ領域がNULLの場合は、制御用データが設定されていないと判定する。
制御用データ領域にオンオフを示す1ビットのデータが設定される場合、演出制御用CPU120は、制御用データ領域にオンを示す「1」が設定されているときに、当該制御用データ領域に対応する演出の発光パターンを示す制御用データをランプ制御基板14に出力し、制御用データ領域にオフを示す「0」が設定されている場合は、制御用データが設定されていないと判定する。従って、「0」が設定されている場合は、当該制御用データ領域に対応する演出の発光パターンを示す制御用データがランプ制御基板14に出力されないため、当該発光パターンでランプ9は発光されないこととなる。
また、ランプの発光パターンとして、色の違いによる実施形態について説明したが、これに限らず、発光間隔が異なる点滅パターンなどを用いるようにしてもよい。さらに、色A、B、C、D、Eの具体例として、青、黄、緑、赤、金、虹が挙げられるが、複数の色で発光してもよい。
また、この実施の形態では、制御手段は、最も高い優先順位が設定される制御用データ領域(例えば、図42のレイヤ5の制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合には、遊技状態に依らずエラーを示す発光パターンにて発光させるように制御する。そのため、エラーを適切に報知することができる。
また、この実施の形態では、制御用データ領域に設定されたときに第1発光パターンにて発光装置を発光させる第1制御用データ(例えば、図42の予告A演出の制御用データ)と、制御用データ領域に設定されたときに第2発光パターンにて発光装置を発光させる第2制御用データとが存在し、一の遊技状態中(例えば、図42の低ベース状態等)において、第1制御用データ(例えば、図42のレイヤ3に設定される予告A演出の制御用データ)は第2制御用データ(例えば、図42のレイヤ2に設定される予告B演出の制御用データ)よりも優先順位が高い制御用データ領域に設定され、一の遊技状態とは異なる遊技状態(例えば、図42(B)の高ベース状態等)において、第1制御用データ(例えば、図42(B)のレイヤ2に設定される予告A演出の制御用データ)は第2制御用データ(例えば、図42(B)のレイヤ3に設定される予告B演出の制御用データ)よりも優先順位が低い制御用データ領域に設定される。そのため、遊技状態に応じた優先順位でランプ演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
[可動部駆動機構の変形例]
次に、可動部駆動機構の変形例について説明する。図47は、(A)〜(D)は可動部駆動機構の変形例1としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図48は、(A)〜(D)は可動部駆動機構の変形例2としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図49は、(A)〜(D)は可動部駆動機構の変形例3としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図50は、(A)は可動部駆動機構の変形例4としての規制部、(B)は可動部駆動機構の変形例5としての規制部を示す説明図である。
前記実施の形態では、駆動ギヤの一例としてピニオンギヤ331が適用され、従動ギヤの一例としてラックギヤ322が適用されていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、駆動ギヤと従動ギヤの種別は種々に変更可能である。
例えば、図47に示す変形例1のように、駆動ギヤG1及び従動ギヤG2の双方を回転ギヤとし、図47(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG1を第1作動方向へ回転させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410を当接させ、従動ギヤG2の第2方向への移動が規制される規制状態とすることができる。
このように、従動ギヤとして回転ギヤを適用してもよい。また、前記実施の形態では、隣接駆動歯としての駆動歯340Cに噛合する従動歯350Cの歯厚寸法L13が、他の従動歯350B,350Cの歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、隣接駆動歯としての駆動歯400に噛合する従動歯410の歯厚寸法L13が、他の従動歯の歯厚寸法L11,12よりも長寸とされていなくてもよい。
また、図48に示す変形例2のように、駆動ギヤG3をラックギヤ、従動ギヤG4を回転ギヤとし、図48(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG3を第1作動方向へ移動させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410が当接させ、従動ギヤG4の第2方向への移動を規制する規制状態とすることができる。このように、駆動ギヤとしてラックギヤを適用してもよい。
また、前記実施の形態では、規制部としての先端面342Cを有する隣接駆動歯としての駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされていなくてもよい。
具体的には、図49に示す変形例3のように、駆動ギヤG5を回転ギヤ、従動ギヤG6をラックギヤとし、図49(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG5を第1作動方向へ移動させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410が当接させ、従動ギヤG6の第2方向への移動が規制される規制状態とすることができる。このように、隣接駆動歯としての駆動歯400の先端面402の周方向の長さ寸法は、必ずしも他の駆動歯の先端面の周方向の長さ寸法よりも長寸とされなくてもよく、図49(D)に示すように、先端面402が歯先線Tを交差するようになれば、他の駆動歯の先端面の周方向の長さ寸法とほぼ同じまたは短寸であってもよい。
また、前記実施の形態では、規制部としての先端面342Cは、駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面とされていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、例えば、平坦面、球面あるいは凹状面等にて構成されていてもよい。また、図50(A)の変形例4に示すように、先端面の一部または先端面全域に、従動歯350Cが係止可能な係止凹部420等を形成することで、従動歯350Cが先端面342C上を滑っても、従動歯350Cの歯先が係止凹部420に係止されることで噛みやすくなるので、従動歯350Cが規制部としての先端面342C上を滑って規制状態に変化しにくくなることを抑制できる。
また、前記実施の形態では、規制部の一例として、欠落部341に隣接する駆動歯340Cの先端面342Cが適用されていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、規制部は駆動歯の先端面にて構成されるものに限定されるものではなく、図50(B)の変形例5に示すように、駆動歯340Cの先端面342Cと、該先端面342Cから欠落部341側へ延設された延設面430と、により構成される規制面としてもよい。すなわち、規制部は、駆動歯の先端面のみにより形成されるものだけでなく、先端面から欠落部側へ延設される延設面など、駆動歯として機能しない部位にて構成されていてもよい。
また、規制部を構成する先端面342C及び延設面430からなる規制面の作動方向の長さ寸法は、前記実施の形態や変形例に記載のものに限定されるものではなく、例えば、延設面430等の規制面が、欠落部341の長手方向に亘り延設されていてもよい。
また、前記実施の形態や変形例1〜4では、駆動ギヤは、隣接駆動歯の第1作動方向の後側に駆動歯が欠落した欠落部を有していたが、欠落部とは駆動歯が存在しない部分であり、例えば、扇状のギヤの円弧にのみ駆動歯が形成されているギヤや、隣接駆動歯が第1作動方向の後側の端部に形成されたラックギヤなども、欠落部を有していることになる。
また、従動ギヤにおいても、第1方向の後側に従動歯が欠落した欠落部を有していたが、例えば、扇状のギヤの円弧にのみ従動歯が形成されているギヤや、隣接駆動歯に噛合する従動歯が第1方向の後側の端部に形成されたラックギヤなども、欠落部を有していることになる。
また、前記実施の形態では、駆動ギヤと従動ギヤの種別として、ラックギヤとピニオンギヤを適用したが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、平歯車、かさ歯車及びはすば歯車等を適用してもよい。
また、前記実施の形態では、第2演出用モータ330の駆動軸330aに固着されたピニオンギヤ331が駆動ギヤとされ、可動部材321に一体化されたラックギヤ322が従動ギヤとされていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、駆動源により駆動する複数のギヤのうち互いに噛合する2つのギヤが駆動ギヤと従動ギヤとされていればよい。例えば、ピニオンギヤ331に直接または間接的に噛合するギヤを駆動ギヤとし、該駆動ギヤに噛合するギヤを従動ギヤとしてもよい。また、可動部材321は従動ギヤであるラックギヤ322に直接設けられていなくてもよく、例えば、可動部材321は、ラックギヤ322の動力を伝達する動力伝達機構の一部に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、回動部材320に対し可動部材321を第1位置と第2位置との間で移動させる駆動機構として、駆動ギヤと従動ギヤとを適用していたが、これに限定されるものではなく、例えば、可動部302を傾倒位置と起立位置との間で駆動させる駆動機構として、本発明の駆動ギヤと従動ギヤとを適用してもよいし、あるいは、他の可動演出ユニットの駆動機構として適用してもよい。また、このように演出用の可動部を駆動させる駆動機構に適用するものだけでなく、例えば、特別可変入賞球装置7の大入賞口用扉などを開閉させるための駆動機構等、遊技用可動部の駆動機構として適用してもよい。
[可動部材を用いた演出例]
次に、可動部材321を用いた演出例を説明する。図51は、バトルリーチ演出が実行されるときの演出表示装置5の表示画面図である。図52は、ストーリーリーチ演出が実行されるときの演出表示装置5の表示画面図である。
バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出は、演出制御用CPU120により実行される。バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出は、リーチ演出のうち、ノーマルリーチと呼ばれる通常のリーチ演出と比べて、大当り表示結果となるときに選択される割合が高く設定された複数種類の特別のリーチ演出(スーパーリーチ演出)のうちに含まれる特定のスーパーリーチ演出である。さらに、これらスーパーリーチ演出においては、大当り期待度が、たとえば、バトルリーチ演出<ストーリーリーチ演出という関係に設定されている。なお、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との大当り期待度は、この逆の関係でもよい。
バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のそれぞれは、演出表示装置5の画像表示による演出表示と、可動部材321の演出動作とが組合せられた演出である。
図51に示すバトルリーチ演出を説明する。演出図柄の変動表示においては、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動表示が一斉に開始され、たとえば、「左」,「右」,「中」というような所定の停止順番に従って、演出図柄表示エリア5L,5R,5Cにおいて演出図柄の変動表示が順次停止されていき、最終的に全演出図柄表示エリアで演出図柄が停止して、表示結果が導出表示されたときに、変動表示が終了する。
演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図51(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rが停止した段階で、同一図柄が停止すると、リーチ状態となる。リーチ状態となるタイミングまでの変動表示は、ノーマルリーチとスーパーリーチとで異ならない、通常変動表示の演出態様で実行される。ノーマルリーチとスーパーリーチとでは、リーチ状態となった後の演出態様が異なる。
リーチ演出としてバトルリーチ演出が実行されるときには、図51(B)のように、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける演出図柄が縮小された小図柄表示形式となって画面右上隅部に移動表示され、「バトルリーチ」という文字が示されたメッセージ画像53が画面中央部に表示される。これにより、バトルリーチ演出が実行されることが報知される。
バトルリーチ演出においては、図51(C)〜(E)に示すように、味方キャラクタ61(遊技者の味方側)と、敵キャラクタ62(遊技者の敵側)とが対戦(バトル)する動画像を表示する対戦演出(対戦時の効果音および対戦時の楽曲音の出力も含む演出)が実行される。
バトルリーチ演出において、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、図51(E)に示すように味方キャラクタ61が勝利する勝利演出画像表示がされ、さらに、図51(D),(E)に示すように勝利演出画像上に粒子エフェクト画像71を重畳表示する画像が表示され、かつ、可動部材321が起立位置に動作して、演出表示装置5の表示領域の前方に出現する勝利演出が実行される。
一方、バトルリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、味方キャラクタ61が敗北する画像表示をする敗北演出がされ、図51(D),(E)に示すような粒子エフェクト画像71および可動部材321を用いた演出が実行されない。
具体的に、対戦演出においては、図51(C)に示すように味方キャラクタ61および敵キャラクタ62が登場する表示がされた後、図51(D)に示すように、味方キャラクタ61と敵キャラクタ62とが対戦(バトル)する動画像が表示される。たとえば図51(D)では味方キャラクタ61が敵キャラクタ62を攻撃する場面が示されている。図51(D)に示すように、対戦演出において、味方キャラクタ61が攻撃する場面(勝利を示唆する場面)では、演出表示装置5の画面中央下部の領域で、演出効果表示としての粒子エフェクト画像71を出現させて、勝利演出表示に重畳表示する粒子エフェクト演出がされる。味方キャラクタ61が勝利する場合には、図51(E)に示すように、味方キャラクタ61が敵キャラクタ62を倒して味方キャラクタ61が勝利したことを特定可能な画像が表示される勝利演出が実行される。勝利演出においては、さらに、図51(E)に示すように、可動部材321が、起立位置に移動することにより、演出表示装置5の表示領域における中央部の領域に出現する可動体動作演出がされる。そして、出現した可動部材321は、発光させられる。
図51(E)に示すように、可動体動作演出により可動部材321が出現して起立位置に移動したときには、可動部材321の周囲で、重畳表示する粒子エフェクト画像71の出現表示数が増加して粒子エフェクト画像71の表示範囲が拡大するような表示態様を示す動画像が表示される。その動画像は、可動部材321の動作に基づく演出効果を高めるために粒子エフェクト画像71を用いて実行される演出であり、動作効果演出と呼ばれる。このような動作効果演出により、可動部材321の動作態様と、粒子エフェクト画像71の表示態様とが関連した演出が実行されることとなる。このような演出が実行されることにより、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出をすることができる。
そして、図51(F)のように、小図柄形式で表示されていた演出図柄において大当り表示結果(同一図柄停止)が導出表示され、「おめでとうございます」という文字が示されたメッセージ画像55が、リーチ状態の結果を示す演出であるリーチ結果演出として画面中央部に表示される。これにより、バトルリーチ演出に遊技者が勝利したこと(大当りとなったこと)が報知される。その後、図51(G)のように、小図柄形式で大当り表示結果が表示されていた演出図柄が、図52(A)のような元の大きさと元の位置に復帰して表示され、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行なわれる。
一方、バトルリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述した敗北演出が実行され、小図柄形式で表示されていた演出図柄においてはずれ表示結果が導出表示され、その演出図柄が、元の大きさと元の位置に復帰して表示されることとなる。
次に、図52に示すストーリーリーチ演出を説明する。演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図52(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rが停止してリーチ状態となった後、リーチ演出としてストーリーリーチ演出が実行されるときには、まず、図52(B)のように、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける演出図柄が縮小された小図柄表示形式となって画面右上隅部に移動表示され、「ストーリー前半」という文字が示されたメッセージ画像54Aが画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が実行されることが報知される。
ストーリーリーチ演出は、たとえば特定の物語のようなストーリー性がある動画像(ストーリー動画像)が表示される演出である。この例では、ストーリーリーチ演出が、前半部と後半部との2部構成とされている。ストーリーリーチ演出は、ストーリーが完結せずに途中で演出が終了してはずれ表示結果が導出表示される場合と、ストーリーが最後まで継続し演出が完結して大当り表示結果が導出表示される場合とがある。
なお、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ストーリーリーチ演出が前半部で終了する演出が実行され、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、ストーリーリーチ演出が前半部から後半部に続き最後まで継続する演出が実行されるようにしてもよい。
また、ストーリーリーチ演出は、最後まで演出が実行された方が、前半部で演出が終了された場合よりも、大当りの期待度が高くなるように、演出が選択される設定がされてもよい。また、ストーリーリーチ演出は、前半部と後半部とに分かれていない1部構成であってもよい。
メッセージ画像54Aが表示された後、「ストーリー前半」に対応するストーリーに従って展開される動画像が表示される。「ストーリー前半」が終了し、「ストーリー後半」が続いて実行されるときに、図52(C)のように、「ストーリー後半」という文字が示されたメッセージ画像54Bが画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が継続して実行されることが報知される。なお、ストーリーリーチ演出においては、メッセージ画像54A,54Bのようなストーリーリーチ演出であることを報知する画像は表示されなくてもよい。
メッセージ画像54Bが表示された後、「ストーリー後半」に対応するストーリーに従って展開される動画像が表示される。ストーリーリーチ演出において、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、ストーリーが完結したことが特定可能な画像表示として、図52(D)に示すような黒画像72上に炎エフェクト画像73を重畳表示する画像が表示され、かつ、図52(E)に示すように、可動部材321が起立位置に動作して、演出表示装置5の表示領域の前方に出現するストーリー完結演出が実行される。
一方、ストーリーリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ストーリーが完結しないことが特定可能なストーリー未完結演出がされ、図52(D),(E)に示すような黒画像72、炎エフェクト画像73、および、可動部材321を用いた演出が実行されない。
具体的に、ストーリー完結演出においては、図52(D)に示すように、演出表示装置5の表示領域全体を黒色の黒画像72に変化させ、演出表示装置5の画面中央下部の領域で、演出効果表示としての炎エフェクト画像73を出現させて、黒画像72に重畳表示する演出がされる。ストーリー完結演出においては、さらに、図52(E)に示すように、可動部材321が、起立位置に移動することにより、演出表示装置5の表示領域における中央部の領域に出現する可動体動作演出がされる。そして、出現した可動部材321は、発光させられる。
図52(E)に示すように、可動体動作演出により可動部材321が出現して起立位置に移動したときには、可動部材321の周囲で、重畳表示する炎エフェクト画像73の炎が大きくなって炎エフェクト画像73の表示範囲が拡大するような表示態様を示す動画像が表示される。その動画像は、可動部材321の動作に基づく演出効果を高めるために炎エフェクト画像73を用いて実行される演出であり、図51の場合と同様に、動作効果演出と呼ばれる。このような動作効果演出により、可動部材321の動作態様と、炎エフェクト画像73の表示態様とが関連した演出が実行されることとなる。このような演出が実行されることにより、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出をすることができる。
そして、図52(F)のように、小図柄形式で表示されていた演出図柄において大当り表示結果(同一図柄停止)が導出表示され、「おめでとうございます」という文字が示されたメッセージ画像55が、リーチ状態の結果を示す演出であるリーチ結果演出として画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が完結したことが報知される。その後、図52(G)のように、小図柄形式で大当り表示結果が表示されていた演出図柄が、図52(A)のような元の大きさと元の位置に復帰して表示され、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行なわれる。
ストーリーリーチ演出においては、バトルリーチ演出と同様にエフェクト画像を表示するが、バトルリーチ演出とは異なり、演出表示装置5の表示領域全体を黒画像とし、その黒画像上にエフェクト画像を重畳表示することにより、エフェクト画像をより一層強調して表示することができ、バトルリーチ演出よりも演出効果が高い画像表示を実行することができる。これにより、バトルリーチ演出よりも大当りへの期待度が高く設定されたストーリーリーチ演出の貴重感(プレミア感)を高めることができる。
一方、ストーリーリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述したストーリー未完結演出が実行され、小図柄形式で表示されていた演出図柄においてはずれ表示結果が導出表示され、その演出図柄が、元の大きさと元の位置に復帰して表示されることとなる。
なお、可動部材321は、円盤状の部分が、演出制御用CPU120により駆動制御されるモータ等の駆動手段により回転動作させることが可能に構成されてもよい。そのように可動部材321の円盤状の部分を回転制御可能な構成とする場合には、図51(E)または図52(E)のように、可動部材321が起立位置に動作して演出表示装置5の表示領域の前方に、出現するとき、または、出現したときに、円盤状の部分を回転させる制御をしてもよい。その場合には、可動部材321の回転動作に合せて、図51(E)の粒子エフェクト画像71および図52(E)の炎エフェクト画像73のようなエフェクト画像を動作させる画像を演出表示装置5において表示する演出制御を実行してもよい。そのようにすれば、可動部材321とエフェクト画像とを用いたことにより得られる演出効果をより高めることができる。
また、可動部材321は、回転動作に限らず、その構成部材の一部または全部が、演出制御用CPU120により駆動制御されるソレノイド等の駆動手段により、開閉または収縮する等の変形動作をする構成の可動部材としてもよく、そのような構成とする場合には、特定の演出場面において、演出表示装置5の表示領域の前に位置した可動部材の変形動作に合せて、演出表示装置5に表示するエフェクト画像を動作させる画像を表示する演出制御を実行してもよい。
次に、バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のような特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体演出との制御例をタイミングチャートを用いて説明する。
図53は、特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体演出との制御例を示すタイミングチャートである。図53(A)には、図51に示すようなバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例が示されている。図53(B)には、図52に示すようなストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例が示されている。
まず、図53(A)を参照して、演出制御用CPU120により実行されるバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例を説明する。バトルリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図51(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置5において実行される。
演出表示装置5においては、リーチ状態が発生すると、図51(B),(C)に示すように、メッセージ画像53が表示されるとともに、バトルリーチ演出に対応する対戦演出等の動画像が表示される。演出表示装置5において図51(D),(E)に示すような、対戦演出の画像表示から勝利演出の画像表示に変化するタイミングは、バトルリーチ演出に関する映像の第1回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなバトルリーチ演出に関する第1回目の映像の変化の節目となるタイミング(第1映像変化節目)においては、図51(D),(E)に示すような対戦演出画像上に粒子エフェクト画像71を重畳表示する画像を演出表示装置5において表示する粒子エフェクト演出と、可動部材321を動作させる可動体動作演出とが連携する態様で実行される。
演出表示装置5において図51(E),(F)に示すような、可動部材321が起立位置に移動するとともに、勝利演出の画像表示からリーチ結果演出の画像表示に変化するタイミングは、バトルリーチ演出に関する映像の第2回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなバトルリーチ演出に関する第2回目の映像の変化の節目となるタイミング(第2映像変化節目)においては、図51(E)に示すような勝利演出の画像上に粒子エフェクト画像71を重畳表示する画像等の動作効果演出が演出表示装置5において実行される。
そして、動作効果演出および可動体動作演出が終了すると、演出表示装置5において図51(F)に示すようなリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、演出表示装置5において図51(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行なわれるとともに、変動表示が終了する。
このように、バトルリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、黒画像72上に粒子エフェクト画像71を重畳表示するような演出効果表示が実行される。さらに、バトルリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、可動部材321のような可動体演出と演出効果表示とを連携させた演出が実行される。
次に、図53(B)を参照して、演出制御用CPU120により実行されるストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例を説明する。ストーリーリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図52(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置5において実行される。
演出表示装置5においては、リーチ状態が発生すると、図52(B),(C)に示すように、メッセージ画像54A,54Bが表示されるとともに、ストーリーリーチ演出に対応するストーリー動画像等の動画像が表示される。演出表示装置5において図52(D),(E)に示すような、ストーリー演出の画像表示からストーリー完結演出の画像表示に変化するタイミングは、ストーリーリーチ演出に関する映像の第1回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなストーリーリーチ演出に関する第1回目の映像の変化の節目となるタイミング(第1映像変化節目)においては、図52(D),(E)に示すような黒画像72上に炎エフェクト画像73を重畳表示する画像を演出表示装置5において表示する炎エフェクト演出と、可動部材321を動作させる可動体動作演出とが連携する態様で実行される。
演出表示装置5において図52(E),(F)に示すような、可動部材321が起立位置に移動するとともに、ストーリー完結演出の画像表示からリーチ結果演出の画像表示に変化するタイミングは、ストーリーリーチ演出に関する映像の第2回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなストーリーリーチ演出に関する第2回目の映像の変化の節目となるタイミング(第2映像変化節目)においては、図52(E)に示すような黒画像72上に炎エフェクト画像73を重畳表示する画像等の動作効果演出が演出表示装置5において実行される。
そして、動作効果演出および可動体動作演出が終了すると、演出表示装置5において図52(F)に示すようなリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、演出表示装置5において図52(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行なわれるとともに、変動表示が終了する。
このように、ストーリーリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、黒画像72上に炎エフェクト画像73を重畳表示するような演出効果表示が実行される。さらに、ストーリーリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、可動部材321のような可動体演出と演出効果表示とを連携させた演出が実行される。
図51,図53(A)に示すバトルリーチ演出、および、図52,図53(B)に示すストーリーリーチ演出は、具体的に、演出制御用CPU120において、次のような処理が実行されることにより実現される。
変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンド)として、スーパーリーチの変動パターンコマンドのうち、バトルリーチ演出を実行する種類のスーパーリーチの変動パターンが指定された変動パターンコマンドが演出制御基板12において受信されると、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理(S74)において、図51および図53(A)に示すような、バトルリーチ演出をする演出表示装置5の画像表示制御および可動部材321の動作制御を行なうための演出制御データ(プロセスデータ等)を、予め記憶された複数種類の演出制御データから選択して、RAM122に設定(記憶)する。バトルリーチ演出は、変動表示結果が大当り表示結果となるときと、はずれ表示結果となるときとで一部が異なるため、変動表示結果が特定可能な変動パターンコマンドまたは表示結果指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU120が、受信したコマンド内容を解析することにより、変動表示結果を認識し、変動表示結果に応じた演出制御データを選択する。そして、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示を開始し、演出図柄変動中処理(S75)において、バトルリーチ演出を実行するために設定した演出制御データを用いて、可動体演出処理および演出効果表示処理等を実行することにより、演出表示装置5の画像表示制御および可動部材321の動作制御を行ない、図51および図53(A)に示すようなバトルリーチ演出を実行する。
変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンド)として、スーパーリーチの変動パターンコマンドのうち、ストーリーリーチ演出を実行する種類のスーパーリーチの変動パターンが指定された変動パターンコマンドが演出制御基板12において受信されると、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理(S74)において、図52および図53(B)に示すような、ストーリーリーチ演出をする演出表示装置5の画像表示制御および可動部材321の動作制御を行なうための演出制御データ(プロセスデータ等)を、予め記憶された複数種類の演出制御データから選択して、RAM122に設定(記憶)する。ストーリーリーチ演出は、変動表示結果が大当り表示結果となるときと、はずれ表示結果となるときとで一部が異なるため、変動表示結果が特定可能な変動パターンコマンドまたは表示結果指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU120が、受信したコマンド内容を解析することにより、変動表示結果を認識し、変動表示結果に応じた演出制御データを選択する。そして、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示を開始し、演出図柄変動中処理(S75)において、ストーリーリーチ演出を実行するために設定した演出制御データを用いて、可動体演出処理および演出効果表示処理等を実行することにより、演出表示装置5の画像表示制御および可動部材321の動作制御を行ない、図52および図53(B)に示すようなストーリーリーチ演出を実行する。
図51および図53(A)に示すバトルリーチ演出と、図52および図53(B)に示すストーリーリーチ演出とのように、複数種類の演出表示において、可動体演出が実行可能であるときに、いずれの種類の演出表示が行なわれるかに応じて、エフェクト画像を黒画像上に重畳表示する態様の演出効果表示と、エフェクト画像を演出画像上に重畳表示する態様の演出効果表示というような、異なる態様の演出効果表示が表示可能であるので、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果を高めることができる。
また、図51(E)および図53(A)に示すように、可動部材321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるバトルリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図51(D),(E)の粒子エフェクト画像71のような特定態様の演出効果表示を、勝利演出画像の表示のような特定種類の演出表示に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される特定種類の演出表示と演出表示装置5のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となり、特定種類の演出表示による可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果をより一層高めることができる。
また、図52(E)および図53(B)に示すように、可動部材321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるストーリーリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図52(D),(E)の炎エフェクト画像73のような特定態様の演出効果表示を、黒画像72のような演出表示装置5の全表示領域で表示された所定画像に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される所定種類の所定演出と演出表示装置5のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となることに加えて、可動体演出を強調して遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出は、スーパーリーチ以外のリーチ演出において実行してもよく、リーチ演出以外の演出において実行してもよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出は、演出に関する映像の変化の節目となるタイミングで実行する例を示したが、これに限らず、演出の実行開始時から所定時間経過後のタイミング等の演出に関する映像の変化の節目となるタイミング以外のタイミングで実行するようにしてもよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出における演出効果表示として、粒子エフェクト画像と、炎エフェクト画像とを一例として説明したが、これに限らず、当該演出効果表示としては、光が放射する態様のエフェクト画像等のその他の種類の演出効果表示を用いてもよい。
また、図51および図52に示すように、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との2種類の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能とした例を示したが、これに限らず、3種類以上の複数種類の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能としてもよい。
また、図51および図52に示すように、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出とのような複数の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能とするときに、黒画像72を表示するか否かにより演出効果表示の態様を異ならせた例を示した。しかし、これに限らず、演出効果表示の態様を異ならせる例としては、どの種類の演出表示も黒画像を表示するが、エフェクト画像のような演出効果表示の種類が異なるようにしてもよい。その場合における演出効果表示の種類が異なるとは、演出効果表示の画像の形状、色、表示範囲、輝度等の演出効果表示の構成要素のいずれかが異なるものであればよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出としては、図51および図52に示すような演出効果表示の画像を先に表示した後に可動体を動作させる演出に限らず、演出効果表示の画像表示と可動体の動作とを同じタイミングで実行する演出を用いてもよく、可動体を先に動作させた後に演出効果表示の画像を表示する演出を用いてもよい。
また、前述したストーリーリーチ演出のように黒画像72を用いる演出としては、演出表示装置5の表示領域全体に黒画像72を表示する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、エフェクト画像を表示する領域等の演出表示装置5における一部の表示領域に黒画像72を表示する制御をしてもよい。
また、前述した可動部材のような可動体とエフェクト画像のような演出効果表示とを連携させる演出として、演出表示の状況が異なる複数種類の演出表示がされるときのそれぞれにおいて可動体を動作させる演出をする場合には、可動体を動作させる演出表示の状況に応じて、異なる種類の演出効果表示としてのエフェクト画像表示を可動体の動作に連係させて表示する演出を実行するようにしてもよい。たとえば、次のような演出表示の状況において、異なる種類のエフェクト画像表示を実行するようにしてもよい。(a)演出図柄の変動表示中においてリーチ状態となる前に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(b)擬似連における仮停止時に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(c)ノーマルリーチの実行中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(d)スーパーリーチの演出の実行中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(e)演出内容が発展する発展演出形式のスーパーリーチの実行中における演出の発展時に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(f)大当り表示結果となったことを報知した後に再度抽選演出(たとえば、確変大当りとするか非確変大当りとするかを抽選する演出等)をするときに、可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(g)大当り遊技状態の演出中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(h)遊技が行なわれていないときに実行される客待ちデモ表示中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。なお、前述したような複数種類の演出表示の状況において実行するエフェクト画像表示のうち、少なくとも2つが異なっていればよい。
[可動部材を用いたその他の演出例]
次に、可動部材321のような可動体を用いたその他の演出例を説明する。以下に説明する演出は、演出制御用CPU120により実行される。図54は、特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体合体動作演出との制御例を示すタイミングチャートである。
前述した可動部材321のような可動体としては、複数の可動部材を含み、通常状態において分離状態にあり、特定状態において合体状態に動作する制御を行なうことが可能な合体可能可動部材を用いてもよい。合体可能可動部材は、複数の可動部材が複数の可動部材のそれぞれに対応して設けられた駆動手段(モータ、ソレノイド等)により連動させられるものであってもよく、複数の可動部材が1つの駆動手段(モータ、ソレノイド等)により連動させられるものであってもよい。
図54の制御例については、図53の制御例と重複した説明を省略し、図53の制御例と異なる部分を主に説明する。図54(A)には、図51に示すようなバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体合体演出との制御例が示されている。図53(B)には、図52に示すようなストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体合体演出との制御例が示されている。
図54の制御例が図53の制御例と異なるのは、図53の可動体動作演出の代わりに、可動体合体動作演出が実行されることである。
図54(A)に示すバトルリーチ演出では、図51のようなバトル演出での図51(E)に示す可動部材321による可動体動作演出の代わりに、合体可能可動部材が分離状態から合体状態に動作する可動体合体演出が実行される。
図54(B)に示すストーリーリーチ演出では、図52のようなストーリーリーチ演出での図52(E)に示す可動部材321による可動体動作演出の代わりに、合体可能可動部材が分離状態から合体状態に動作する可動体合体演出が実行される。
また、図54(B)に示すストーリーリーチ演出では、図52(C)の「ストーリー後半」のメッセージ画像54Bが表示された後に実行されるストーリーリーチ演出の後半部の終了直前に、たとえば、演出表示装置9の特定の表示領域において、「ボタンを押せ」等のプッシュボタン31Bの操作を促進する操作促進表示を行なう操作促進演出が実行される。そして操作促進演出の開始時から所定期間内に遊技者によりプッシュボタン31Bが操作されたとき、または、当該所定期間内に当該操作がされずに所定期間が経過したときに、前述した可動体合体演出が実行される。
なお、このような操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、図54(A)のバトルリーチ演出におけるバトルリーチ画像表示の終了直前に実行させてもよい。このように、操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、特定のスーパーリーチ演出における第1映像変化節目で実行されてもよい。また、操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、特定のスーパーリーチ演出における第2映像変化節目等のその他の映像変化節目で実行されてもよい。また、操作手段の操作に応じて可動体合体演出を実行させるときの操作手段としては、プッシュボタン31B以外に、たとえば、スティックコントローラ31A等の他の操作手段が用いられてもよい。また、操作手段に限らず、モーションセンサ等の遊技者の動作を検出する検出手段により遊技者の特定の動作が検出されたことに応じて、可動体合体演出を実行させるようにしてもよい。つまり、遊技者の動作に応じて可動体合体演出を実行する演出制御であれば、どのような演出制御が実行されてもよい。
また、このような操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、実行されなくてもよい。このような操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、演出制御用CPU120が実行する所定の抽選処理により所定割合で実行するか否かを選択し、実行することが選択されたときに実行するようにしてもよい。
以上に説明したような合体可能可動部材を用いた可動体合体演出を実行する場合には、前述した可動部材321を用いた可動体合体演出を実行する場合と同様の効果を得ることができ、さらに、合体動作により演出の面白みを向上させることができる。
[ラウンド実行中の可動体動作演出]
前述したように、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしても良い。具体的には、特図ゲームにおける確定特別図柄として通常大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、100%の割合で通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示され、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、第1の割合(例えば60%)で確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示され、第2の割合(例えば40%)で通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されるように構成する。
このような構成において、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が停止表示される場合に、大当り遊技状態終了後に確変制御が行われるか否かを示唆する演出を、大当り表示処理(S77)、大当り遊技中処理(S78)、あるいは大当り終了演出処理(S79)等において実行する。本実施形態では、大当り遊技中処理(S78)において、所定のラウンド(例えば5回目のラウンド)が実行されているときに、当該大当り遊技状態終了後に確変制御が行われるか否かを示唆するラウンド中示唆演出を実行するものとする。この所定のラウンドは、大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い通常開放ラウンドであるものとする。
このラウンド中示唆演出では、図56(b)及び(d)に示すように、黒画像1001上に炎エフェクト画像1010又は雷エフェクト画像1020を重畳表示するエフェクト演出、及び、可動部材321を動作させる可動体動作演出が連携する態様で実行され、その後に、図56(f)〜(h)に示すように、キャラクタ1060がハンマー1061で岩1062を割るアクションを行い、その結果、岩1062が割れるか否かにより、当該大当り遊技状態終了後に確変制御が行われるか否かを報知するチャレンジ演出が実行される、という演出構成となっている。
ラウンド中示唆演出では、図55に示すように、A1〜A3、B1〜B2のいずれかの演出パターンにより、エフェクト演出及び可動体動作演出が連携する態様で実行される。エフェクト演出として、図56(b)に示すように、黒画像1001上に炎エフェクト画像1010を重畳表示するものを炎エフェクト演出と称し、図56(d)に示すように、黒画像1001上に雷エフェクト画像1020を重畳表示するものを雷エフェクト演出と称する。
大当り種別が確変大当りである場合、即ち、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示されている場合には、チャレンジ演出において確変制御を報知する成功態様となり(図56(g))、当該大当り遊技状態終了後に確変制御されることが報知される。大当り種別が非確変大当りである場合、即ち、特図ゲームにおける確定特別図柄として通常大当り図柄が停止表示されている場合には、チャレンジ演出において確変制御を報知しない失敗態様となり(図56(h))、当該大当り遊技状態終了後に確変制御されない(低確状態となる)ことが報知される。
演出パターンA1は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として炎エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出及び2回目のエフェクト演出は実行することなく、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には2%の割合で演出パターンA1を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には50%の割合で演出パターンA1を選択する。
演出パターンA2は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として炎エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出を実行すると共に2回目のエフェクト演出として炎エフェクト演出を実行した後、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には8%の割合で演出パターンA2を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には25%の割合で演出パターンA2を選択する。
演出パターンA3は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として炎エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出を実行すると共に2回目のエフェクト演出として雷エフェクト演出を実行した後、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には25%の割合で演出パターンA3を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には1%の割合で演出パターンA3を選択する。
演出パターンB1は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として雷エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出及び2回目のエフェクト演出は実行することなく、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には25%の割合で演出パターンB1を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には16%の割合で演出パターンB1を選択する。
演出パターンB2は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として雷エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出を実行すると共に2回目のエフェクト演出として雷エフェクト演出を実行した後、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には40%の割合で演出パターンB2を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には8%の割合で演出パターンB2を選択する。
これら演出パターンA1〜A3、及び、B1〜B2の各演出パターンで可動体動作演出及びエフェクト演出が実行された場合、大当り種別が確変大当りである期待度が高い順序に、A3、B2、B1、A2、A1となる。ここでいう期待度とは、例えば、当該演出パターンで演出が実行された場合に、[確変大当りとなる割合÷(確変大当りとなる割合+非確変大当りとなる割合)]により算出される。可動体動作演出及びエフェクト演出が1回のみ実行される演出パターン(A1,B1)よりも、可動体動作演出及びエフェクト演出が2回実行される演出パターン(A2,A3,B2)の方が期待度が高い。
そして、雷エフェクト演出を含む演出パターン(A3、B1、又はB2)により演出が実行された場合には、雷エフェクト演出を含まない演出パターン(A1又はA2)により演出が実行された場合よりも期待度が高い。また、1回目のエフェクト演出が雷エフェクト演出である場合には(B1又はB2)、1回目のエフェクト演出が炎エフェクト演出である場合(A1、A2、又はA3)よりも期待度が高い。ただし、1回目のエフェクト演出が炎エフェクト演出であり、2回目のエフェクト演出が雷エフェクト演出である場合、即ち成り上がりの演出となる場合には、1回目及び2回目のエフェクト演出がいずれも雷エフェクト演出である場合よりも期待度が高い。
なお、1回目のエフェクト演出が雷エフェクト演出であり、2回目のエフェクト演出が炎エフェクト演出となるような所謂成り下がりの演出パターンは設けられていない。このような成り下がりの演出を制限する(このような演出を禁止するか又はその実行割合をA3よりも低くする)ことにより、エフェクト演出の興趣を低下させないようにしている。
次に、図56を用いて、A1又はA3の演出パターンで可動体動作演出及びエフェクト演出が実行される場合の例を説明する。前述したリーチ結果演出が終了すると、演出表示装置5において図56(a)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行われるとともに、変動表示が終了する。この例では、特図ゲームにおける確定特別図柄として通常大当り図柄が停止表示される場合において演出図柄の変動表示結果として通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されているか、又は、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合において演出図柄の変動表示結果として通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されているものとする。
図56(a)の例では、確変図柄ではない図柄番号が「4」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5R,5Cにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されている。また、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行われている。演出制御用CPU120は、大当り遊技状態への制御に伴い、各ラウンドの実行に応じた演出を実行する。例えば、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御を行い、画面の右上部に「Round××」(××は当該大当り遊技状態におけるラウンドの回数を示す)という文字が示された画像1000を表示する。そして、5回目のラウンドの実行に応じた演出として、ラウンド中示唆演出を実行する。
図56(b)に示す1回目の可動体動作演出では、演出制御用CPU120は,可動部材321を傾倒位置から起立位置まで移動させる(起立1回目)。そして、可動部材321が起立位置に達したタイミング(起立状態となったタイミング)で、画像1000の背景画像を通常の背景画像から黒画像1001に変化させると同時に該黒画像1001上に炎エフェクト画像1010を重畳表示する炎エフェクト演出を実行する。
可動部材321が起立位置にある起立状態で炎エフェクト演出を所定期間継続すると、演出制御用CPU120は、図56(c)に示すように、画像1000の背景画像を黒画像1001から通常の背景画像に戻すと同時に炎エフェクト画像1010を消去することにより炎エフェクト演出を終了させる。そして、炎エフェクト演出が終了したタイミングで、可動部材321を起立位置から傾倒位置まで移動させる(傾倒1回目)。
演出パターンとしてA1が選択されていた場合には、可動部材321が傾倒位置に移動した後(傾倒1回目の後)、演出制御用CPU120はチャレンジ演出に移行する。一方、演出パターンとしてA3が選択されていた場合には、可動部材321が傾倒位置に移動した後(傾倒1回目の後)、図56(d)に示す2回目の可動体動作演出で、演出制御用CPU120は、可動部材321を傾倒位置から起立位置まで再び移動させる(起立2回目)。そして、可動部材321が起立位置に達したタイミング(起立状態となったタイミング)で、画像1000の背景画像を通常の背景画像から黒画像1001に変化させると同時に該黒画像1001上に雷エフェクト画像1020を重畳表示する雷エフェクト演出を実行する。
可動部材321が起立位置にある起立状態で雷エフェクト演出を所定期間継続すると、演出制御用CPU120は、図56(e)に示すように、画像1000の背景画像を黒画像1001から通常の背景画像に戻すと同時に雷エフェクト画像1020を消去することにより雷エフェクト演出を終了させる。そして、雷エフェクト演出が終了したタイミングで、可動部材321を起立位置から傾倒位置まで再び移動させる(傾倒2回目)。そして、可動部材321が傾倒位置に移動した後、演出制御用CPU120はチャレンジ演出に移行する。
なお、演出パターンとしてA2が選択されていた場合には、図56(d)に示す2回目の可動体動作演出で、演出制御用CPU120は、黒画像1001上に炎エフェクト画像1010を重畳表示する炎エフェクト演出を再び実行し、図56(e)で2回目の炎エフェクト演出を終了させて、チャレンジ演出に移行する。
図56(f)に示すように、演出制御用CPU120は、チャレンジ演出において、まず、大当り種別が確変大当りであるか又は非確変大当りであるかによらず、共通の演出画像を表示する。
この演出画像は、「チャレンジタイム」という文字が示された画像1050、及び、その下方に表示される「岩が割れたら確変昇格!!」という文字が示されたメッセージ画像1051、並びに、キャラクタ1060、ハンマー1061、及び、岩1062の各画像により構成されている。これにより、「キャラクタ1060がハンマー1061により岩1062を割ろうとする演出である」ことを遊技者に想起させ、さらに「岩が割れる態様となると、停止図柄演出によらず大当り種別が確変大当りである」ことを遊技者に認識させる。
大当り種別が確変大当りであった場合には、演出制御用CPU120は、図56(g)に示すように、キャラクタ1060がハンマー1061により岩1062を割ることに成功した成功態様の画像を表示すると共に、「確変昇格!!」という文字が示されたメッセージ画像1070を表示する。これにより、遊技者は、停止図柄演出においては通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されていたものの、特図ゲームにおける確定特別図柄としては確変大当り図柄が停止表示されていたことを把握する。
大当り種別が非確変大当りであった場合には、演出制御用CPU120は、図56(h)に示すように、キャラクタ1060がハンマー1061により岩1062を割ることに失敗してハンマー1061が壊れた失敗態様の画像を表示すると共に、「失敗!」という文字が示されたメッセージ画像1080を表示する。これにより、遊技者は、停止図柄演出において通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されていた通り、特図ゲームにおける確定特別図柄としても通常大当り図柄が停止表示されていたことを把握する。
図57(A)〜(C)は、演出パターンA1〜A3の各パターンが選択されたときの、可動体動作演出、エフェクト演出、及びチャレンジ演出の実行タイミング及び実行期間を示すタイミングチャートである。
演出パターンA1〜A3のいずれの場合であっても、タイミング(1)で確変図柄ではない図柄番号の演出図柄が所定の有効ライン上に揃って停止表示される停止図柄演出が実行されると、タイミング(2)で大当り表示処理(S77)が実行された後、大当り遊技中処理(S78)に移行する。また、大当り遊技中処理(S78)において、各ラウンドに応じた演出が実行され、5回目のラウンドに応じた演出として、前述したラウンド中示唆演出が実行される。5回目のラウンドが開始されると、タイミング(3)で可動部材321の1回目の起立動作が行われるときに炎エフェクト演出が実行され、タイミング(4)で可動部材321の1回目の傾倒動作が行われるときに炎エフェクト演出が終了する。
このように、1回目の可動体動作演出の実行期間では、演出パターンA1〜A3のいずれの場合にも共通態様のエフェクト演出が実行されることになる。そのため、遊技者は、1回目の可動体動作演出の実行期間において、いずれの演出パターンであるかを把握困難となっている。
演出パターンA1の場合には、その後に2回目の可動体動作演出が行われることなく、タイミング(7)でチャレンジ演出に移行する。演出パターンA2の場合には、タイミング(5)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が実行され、タイミング(6)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(7)でチャレンジ演出に移行する。演出パターンA3の場合には、タイミング(5)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに雷エフェクト演出が実行され、タイミング(6)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに雷エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(7)でチャレンジ演出に移行する。
演出パターンA1〜A3のいずれの場合であっても、チャレンジ演出において(8)のタイミングで結果報知が行われ、成功態様となり当該大当り遊技状態終了後に高確状態となる旨が報知されるか、又は、失敗態様となり当該大当り遊技状態終了後に低確状態となる旨が報知される。
このように、演出パターンA3が選択された場合には、1回目の可動体動作演出が実行されるときと、2回目の可動体動作演出が実行されるときとで、異なる態様のエフェクト演出が実行されるようになっているため、可動体動作演出とエフェクト演出とが連携する演出の態様を多様化させ、興趣を向上させることができる。
また、演出パターンA3が選択された場合には、A3と同じく1回目の可動体動作演出で炎エフェクト演出が実行される演出パターンA1やA2が選択された場合と比較して期待度、即ち後に実行されるチャレンジ演出において成功態様となる割合が高い。そのため、遊技者は、2回目の可動体動作演出が実行されるか否か、また、2回目の可動体動作演出が実行されるとした場合に、これに伴い炎エフェクト演出と雷エフェクト演出のいずれか実行されるのかに注目することになり、可動体動作演出とエフェクト演出とが連携する演出の興趣を一層向上させることができる。
また、雷エフェクト演出が実行される演出パターンは、炎エフェクト演出のみが実行される演出パターンと比較して期待度が高いが、演出パターンA3のように、1回目の可動体動作演出で炎エフェクト演出が実行されたとしても、2回目の可動体動作演出で雷エフェクト演出が実行されるような演出パターンを設けておくことにより、1回目の可動体動作演出で炎エフェクト演出が実行された場合であっても遊技者を落胆させず、2回目の可動体動作演出で雷エフェクト演出が実行されることを期待させることができる。さらに、1回目の可動体動作演出で雷エフェクト演出が実行される演出パターンと比較しても、演出パターンA3の方が期待度が高いことにより、1回目の可動体動作演出で炎エフェクト演出が実行された場合に遊技者の興味を持続させることができる。
(変形例1)
エフェクト演出の実行中に、演出表示装置9の特定の表示領域において、プッシュボタン31Bの操作を促進する操作促進表示を行う操作促進演出を実行するようにしても良い。そして、操作促進演出の開始時から所定期間内に遊技者によりプッシュボタン31Bが操作されたときに、演出制御用CPU120が、エフェクト演出の態様を変化させるようにしても良い。
図58に具体例を示す。図58(a)〜(c)に関する説明は、図56(a)〜(c)と同様であり、説明を省略する。可動部材321が傾倒位置に移動した後(傾倒1回目の後)、図56(i)に示す2回目の可動体動作演出で、演出制御用CPU120は、可動部材321を傾倒位置から起立位置まで再び移動させる(起立2回目)。そして、可動部材321が起立位置に達したタイミング(起立状態となったタイミング)で、画像1000の背景画像を黒画像1001に変化させると同時に該黒画像1001上に炎エフェクト画像1020を重畳表示する炎エフェクト演出を再度実行する。
可動部材321が起立位置にある起立状態で炎エフェクト演出を所定期間継続すると、演出制御用CPU120は、図56(j)に示すように、黒画像1001及び炎エフェクト画像1010上に、プッシュボタン31Bを模した画像1090及び「押せ!」という文字が示されたメッセージ画像1091からなる操作促進画像が重畳表示される操作促進演出が実行される。
この操作促進画像は、表示開始からプッシュボタン31Bが操作されることなく予め定められた所定期間(例えば3秒間)を経過したときには、消去される(操作促進演出が終了する)ものである。操作促進画像が表示されている期間内にブッシュボタン31Bが操作されると、操作促進画像が消去される(操作促進演出が終了する)。そして、ブッシュボタン31Bが操作されたとき、演出制御用CPU120は、演出パターンとして遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更可能な演出パターンが選択されていた場合には、図56(k)のように、黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像を炎エフェクト画像1010から雷エフェクト画像1020に変化させる。一方、演出パターンとして遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更させない演出パターンが選択されていた場合には、図56(l)のように、黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像を炎エフェクト画像1010のまま変化させない。
図59(A)は、遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更可能な演出パターンが選択された場合における、可動体動作演出、エフェクト演出、及びチャレンジ演出の実行タイミング及び実行期間を示すタイミングチャートである。
タイミング(1)〜(4)に関する説明は、図57と同様であり、説明を省略する。タイミング(5)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が実行される。そして、2回目の炎エフェクト演出期間内におけるタイミング(X)で操作促進画像が表示される。操作促進画像が表示されているときに、タイミング(Y)でプッシュボタン32Bが操作されたことに応じて、黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像を炎エフェクト画像1010から雷エフェクト画像1020に変化させる。タイミング(6)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに雷エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(7)でチャレンジ演出に移行する。
このように、エフェクト演出の態様を遊技者の操作に応じて変化させることを可能とするにより、エフェクト演出の興趣を一層向上させることができる。また、遊技者の操作に応じて、期待度の低い炎エフェクト画像1010から期待度の高い雷エフェクト画像1020に変化させることにより、演出に意外性を持たせることができる。
例えば、前述した演出パターンA2において、2回目の炎エフェクト演出が実行されている期間内に黒画像1001及び炎エフェクト画像1010に操作促進画像を重畳表示させる。そして、プッシュボタン31Bが操作されると、操作促進画像が消去される(操作促進演出が終了する)ものの、黒画像1001に重畳表示されているエフェクト画像は炎エフェクト画像1010のまま変化しないように演出制御するものとする。これにより、「遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更させない演出パターン」を構成しても良い。
また、前述した演出パターンA3において、2回目の可動体動作演出が実行されるときに、エフェクト演出として、当初は黒画像1001に雷エフェクト画像1020ではなく炎エフェクト画像1010を重畳表示させるようにしておき、炎エフェクト画像1010が表示されている期間内に黒画像1001及び炎エフェクト画像1010に操作促進画像を重畳表示させる。そして、プッシュボタン31Bが操作されると、操作促進画像が消去される(操作促進演出が終了する)と共に、黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像が炎エフェクト画像1010から雷エフェクト画像1020に変化するように演出制御するものとする。これにより、「遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更させる演出パターン」を構成しても良い。
なお、図59(A)に示す例では、プッシュボタン31Bの操作に応じて炎エフェクト演出から雷エフェクト演出に変化するときに、既に開始されている黒画像1001の表示を終了させることなく継続して、その黒画像1001に重畳表示させるエフェクト画像のみを炎エフェクト画像1010から雷エフェクト画像1020に変更するようにしている。即ち、エフェクト演出が、第1演出である黒画像1001と第2演出であるエフェクト画像とにより構成されているとすると、第1演出の態様を変更することなく第2演出の態様のみを変更することにより、一連の演出を実行中に遊技者の操作に応じてその態様が変化したかのような印象を与えることができる。
(変形例2)
前述した例では、可動体動作演出、エフェクト演出、及びチャレンジ演出が、ラウンドの実行中に実行される演出であり、大当り遊技状態終了後に確変制御されるか否かを示唆するものであったが、このような形態に限らず、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、演出図柄が変動表示されているときに実行されるリーチ演出として、可動体動作演出、エフェクト演出、及びチャレンジ演出が実行され、これらの演出パターンや演出態様によって大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆するようにしても良い。
前述した演出パターンA1〜A3、及び、B1〜B2は、リーチ状態において実行される可動体動作演出及びエフェクト演出の演出パターンとして適用されるものとする。即ち、演出パターンA1〜A3、及び、B1〜B2の各演出パターンで、リーチ演出として可動体動作演出及びエフェクト演出が実行された場合、大当り遊技状態に制御される割合が高い順序に、A3、B2、B1、A2、A1となる。
図59(B)には、リーチ演出としての、エフェクト演出及び可動体演出、並びにチャレンジ演出の制御例が示されている。演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時(11)からリーチ状態の発生時(12)までの間に、図51(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置5において実行される。
演出表示装置5においてタイミング(12)でリーチ状態が発生すると、リーチ演出に移行する。リーチ演出において、タイミング(13)で可動部材321の1回目の起立動作が行われるときに炎エフェクト演出が実行され、タイミング(14)で可動部材321の1回目の傾倒動作が行われるときに炎エフェクト演出が終了する(演出パターンA1〜A3の例)。
演出パターンA1の場合には、その後に2回目の可動体動作演出が行われることなく、タイミング(17)でチャレンジ演出に移行する。演出パターンA2の場合には、タイミング(15)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が実行され、タイミング(16)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(17)でチャレンジ演出に移行する。図59(B)に例示する演出パターンA3の場合には、タイミング(15)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに雷エフェクト演出が実行され、タイミング(16)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに雷エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(17)でチャレンジ演出に移行する。
そして、演出図柄の変動表示結果として、大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されると決定されている場合には、チャレンジ演出においてタイミング(18)で成功態様になり、当該変動表示の結果として大当り遊技状態に制御されることが報知される。演出図柄の変動表示結果として、リーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されると決定されている場合には、チャレンジ演出においてタイミング(18)で失敗態様になり、大当り遊技状態に制御されないことが報知される。このように、タイミング(18)で演出表示装置5においてリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、タイミング(19)で演出表示装置5において図51(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行われるとともに、変動表示が終了する。
(その他の変形例)
上記の実施形態では、演出パターンA1〜A3及びB1〜B2に係る可動体動作演出が、可動部材321を傾倒位置(第1位置)から起立位置(第2位置)まで移動させる演出である例について説明したが、このような形態に限らず、遊技機が複数の可動部材を有しており、各可動部材をそれぞれに対応した第1位置から第2位置まで移動させることにより、各可動部材がそれぞれの第2位置に存在する状態で、各可動部材が集合していることにより特定形態(合体形態)が構成される可動体合体動作演出が実行されるようにしても良い。可動体動作演出の終了に伴い、各可動部材がそれぞれに対応した第2位置から第1位置まで移動することにより、特定形態(合体形態)が解除される。なお、可動体合体動作演出に関しては、後述する図54においても詳述する。
また、可動体動作演出は、可動部材の形態が変化する演出であっても良く、可動部材の位置が変化することなく所定の動作、例えば回転態様の動作を行う演出であっても良い。例えば、可動体動作演出は、可動部材が拡開・収縮態様に変化する演出、開放・閉鎖態様に変化する演出、伸長・縮小態様に変化する演出、あるいは、可動部材が他の役物(例えば遊技盤面に固定されており動作しない役物)と合体する演出であっても良い。
上記の実施形態では、可動体動作演出と連携する演出が、演出表示装置5において、黒画像1001上にエフェクト画像を重畳表示させるエフェクト演出である例について説明したが、このような形態に限らず、可動体動作演出と連携する演出は、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e又は可動部材321の発光部321Aを特定の態様で発光させる演出であっても良い。例えば、演出パターンA1〜A3,B1〜B2において、「炎エフェクト演出」に代えて「天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e又は発光部321Aを第1発光色(例えば青)で発光させる演出」を実行し、「雷エフェクト演出」に代えて「天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e又は発光部321Aを第2発光色(例えば赤)で発光させる演出」を実行すると良い。
また、可動体動作演出と連携する演出は、スピーカ8L,8Rから特定音(特定の効果音や特定の楽曲)を出力させる演出であっても良い。例えば、演出パターンA1〜A3,B1〜B2において、「炎エフェクト演出」に代えて「スピーカ8L,8Rから第1特定音(例えば低音域小音量の効果音)を出力させる演出」を実行し、「雷エフェクト演出」に代えて「スピーカ8L,8Rから第2特定音(例えば高音域大音量の効果音)を出力させる演出」を実行すると良い。
また、上記の実施形態では、可動体動作演出及びこれと連携して実行されるエフェクト演出の後に、演出表示装置5にてチャレンジ演出を実行することにより、所定状態(確変状態又は大当り遊技状態)に制御されるか否かを報知するようにしているが、このような形態に限らず、所定状態となるか否かを報知する報知演出は、先に実行された可動体動作演出において動作した可動部材321、あるいはこれとは異なる可動部材を動作させるか否かにより、所定状態となるか否かを報知する演出であっても良い。
例えば、演出パターンA1〜A3,B1〜B2の演出が終了した後に、所定状態(確変状態又は大当り遊技状態)となる旨を報知する場合には、可動部材321を傾倒位置から起立位置まで移動させると共に、黒画像1001上に炎エフェクト画像1010及び雷エフェクト画像1020とは異なる特殊画像を重畳表示させるようにしても良い。
上記の実施形態では、演出パターンA2、A3、及びB2のように、複数回の可動体動作演出が実行される場合には、1回目の可動体動作演出の終了に伴い、第1演出である黒画像1001及び第2演出であるエフェクト画像の両方が消去されて一旦は通常の背景画像に戻る例について説明したが、このような形態には限られない。例えば、1回目の可動体動作演出が終了するときに、1回目のエフェクト画像は消去される一方で、黒画像1001は継続して通常の背景画像には戻らず、2回目の可動体動作演出が実行されるときには、その継続している黒画像1001上に2回目のエフェクト画像が重畳表示されるようにしても良い。このような形態とすることより、遊技者は、1回目の可動体動作演出が終了した後にも黒画像1001が継続していることにより、2回目の可動体動作演出が実行されることを期待することができる。
さらに、このような形態とした場合には、可動体動作演出が1回のみ実行される演出パターン(A1及びB1)において、1回目の可動体動作演出が終了して黒画像1001に重畳表示されていたエフェクト画像が消去された後も、黒画像1001を所定期間(例えばチャレンジ演出に移行するまでは)継続させるようにしても良い。このようにすることで、1回目の可動体動作演出終了後にも所定期間は遊技者の興味を維持することができる。
また、1回目の可動体動作演出が実行される前から、第1演出としての黒画像1001を予め表示させておき、所定条件が成立したとき(例えば可動部材321が起立状態となったとき)に、その黒画像1001上に1回目のエフェクト画像を重畳表示させるようにしても良い。このように、エフェクト画像は黒画像1001の表示期間内において表示される(第2演出は第1演出の実行期間内において実行される)ものであれば良い。
また、1回目の可動体動作演出が終了するときに、黒画像1001及び1回目のエフェクト画像の両画像を継続して通常の背景画像には戻らず、2回目の可動体動作演出が実行されるときには、その継続している黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像を、1回目のエフェクト画像から2回目のエフェクト画像に変更するようにしても良い。
上記の実施形態では、可動部材321が起立状態となっている期間とエフェクト画像が表示される期間とが一致している例について説明したが、このような形態に限らず、可動部材321が傾倒位置から起立位置に移動する移動期間内又はその移動期間よりも前からエフェクト画像の表示が開始されるようにしても良く、可動部材321が起立位置から傾倒位置に移動する移動期間内又はその移動期間よりも後にエフェクト画像の表示が終了するようにしても良い。「可動部材321の動作に伴いエフェクト演出が実行される」とは、[可動部材321が傾倒位置から起立位置への移動を開始してから、起立状態となり、さらに起立位置から傾倒位置への移動を終了するまでの期間]のうちの少なくとも一部と、[エフェクト画像が表示されている期間]の少なくとも一部が重複していれば良い。
上記の実施形態では、可動体動作演出とエフェクト演出とが連携する態様の演出により、大当り遊技状態終了後に確変制御が行われるか否かを示唆したり、あるいは、演出図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示された後に大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆するものであったが、このような形態に限らず、特殊なリーチ演出が実行されるか否かを示唆するものであっても良く、始動条件が成立しているが開始条件が成立していない変動表示(保留されている特図ゲーム)について、大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆するもの(所謂先読み予告演出)であっても良い。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図51および図53(A)に示すバトルリーチ演出と、図52および図53(B)に示すストーリーリーチ演出とのように、複数種類の演出表示において、可動体演出が実行可能であるときに、いずれの種類の演出表示が行なわれるかに応じて、エフェクト画像を黒画像上に重畳表示する態様の演出効果表示と、エフェクト画像を演出画像上に重畳表示する態様の演出効果表示というような、異なる態様の演出効果表示が表示可能であるので、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果を高めることができる。
(2) 図51(E)および図53(A)に示すように、可動部材321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるバトルリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図51(D),(E)の粒子エフェクト画像71のような特定態様の演出効果表示を、勝利演出画像の表示のような特定種類の演出表示に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される特定種類の演出表示と演出表示装置5のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となり、特定種類の演出表示による可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果をより一層高めることができる。
(3) 図52(E)および図53(B)に示すように、可動部材321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるストーリーリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図52(D),(E)の炎エフェクト画像73のような特定態様の演出効果表示を、黒画像72のような演出表示装置5の全表示領域で表示された所定画像に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される所定種類の所定演出と演出表示装置5のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となることに加えて、可動体演出を強調して遊技の興趣を向上させることができる。
(4) パチンコ遊技機1が起動されたときに、図39のステップS51Bの可動部材初期化処理における初期動作のように、可動体の動作を確認するための確認動作と、図39のステップS51A,図41の可動部材慣らし処理における動作のように、可動体を移動させる慣らし動作とを実行させる。このため、可動体の動きが慣れていないため可動体の動作に影響を与えることを抑制することができる。その結果、可動体が良好に動作しないことを抑制することが可能とすることができる。
以上説明した遊技機は、以下のような特徴的な構成も備えている。
(1) 遊技を行なうことが可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
待機位置(たとえば、図31,図32で示す第1位置)および進出位置(たとえば、図31,図32で示す第2位置)に移動可能な可動物(たとえば、可動部材321)と、
前記遊技機が起動されたときに、前記可動物の動作を確認するための確認動作(たとえば、図39のステップS51Bの可動部材初期化処理における初期動作、イニシャル動作ともいう)と、前記可動物を移動させる慣らし動作(たとえば、図39のステップS51A,図41の可動部材慣らし処理における動作、ショートイニシャル動作ともいう)とを実行させる制御手段(たとえば、演出制御用CPU120)とを備える。
このような構成によれば、可動物の動作を確認するための確認動作と、可動物を移動させる慣らし動作とを実行させる。このため、可動物の動きが慣れていないため可動物の動作に影響を与えることを抑制することができる。その結果、可動物が良好に動作しないことを抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記慣らし動作で前記可動物の動作に異常が検出された場合、エラー処理(たとえば、異常の報知)を実行するエラー処理手段(たとえば、図41のステップS513,ステップS517)をさらに備える。
このような構成によれば、慣らし動作で可動物の動作に異常が検出された場合、エラー処理が実行される。その結果、可動物が正常に動作しない状態に対応した処理を実行することができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記制御手段は、前記確認動作よりも前に前記慣らし動作を実行させる(たとえば、図39参照)。
このような構成によれば、確認動作よりも前に慣らし動作が実行される。その結果、確認動作において可動物が良好に動作しないことを抑制できる。
(4) 上記(3)の遊技機において、
前記制御手段は、前記慣らし動作で前記可動物の動作に異常が検出された場合、前記確認動作の実行を禁止し(たとえば、図41のステップS514,ステップS518で報知停止操作がされるまでは、図39のステップS51Bの可動部材初期化処理が実行されない)。
このような構成によれば、慣らし動作で可動物の動作に異常が検出された場合、確認動作の実行が禁止される。その結果、可動物が正常に動作しない状態のまま確認動作が実行されてしまうことを抑制できる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記可動物は、遊技中と前記慣らし動作の実行中とで異なる動力源によって前記進出位置まで動かされる。
このような構成によれば、遊技中と慣らし動作の実行中とで異なる動力源によって可動物が進出位置まで動かされる。その結果、慣らし動作を好適な動力源で実行することができる。
(6) 上記(5)の遊技機において、
前記可動物は、遊技中は弾性体(たとえば、引張バネ323。渦巻きバネ、板バネ、ゴムなどの他の弾性体であってもよい。)を、前記慣らし動作の実行中は前記弾性体よりも力の強いモータ(たとえば、第2演出用モータ330)を、動力源として前記進出位置まで動かされる。
このような構成によれば、慣らし動作は弾性体よりも力の強いモータが可動物の動力源とされる。その結果、慣らし動作において可動物をより確実に進出位置まで動かすことができる。
(7) 上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記可動物は、前記可動物の移動に伴って屈伸する電気ケーブル(たとえば、ケーブル361)を含み、
前記慣らし動作は、前記可動物を移動させることで前記電気ケーブルを屈伸させて慣らす動作である。
このような構成によれば、可動物の動作を確認するための確認動作と、可動物を移動させることで電気ケーブルを屈伸させて慣らす慣らし動作とを実行させる。このため、電気ケーブルの動きが慣れていないため可動物の動作に影響を与えることを抑制することができる。その結果、可動物が良好に動作しないことを抑制できる。
(8) 上記(7)の遊技機において、
前記電気ケーブルは、熱を発する物(たとえば、演出表示装置5のLCD、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)の近傍に設けられる。
このような構成によれば、電気ケーブルが熱によって柔軟性が高くなる。その結果、可動物をより確実に動かすことができる。
(9) 前述した実施の形態においては、慣らし動作が前記可動物を移動させることで前記電気ケーブルを屈伸させて慣らす動作であることとした。しかし、これに限定されず、可動物がレールに沿って動くように構成されている場合、可動物がボールねじやリニアガイドなどで動くように構成されている場合、および、可動物がすべり軸受やメタル軸受や樹脂軸受などの軸受によって回転などの動作をするように構成されている場合に、オイルやグリスなどの潤滑剤が馴染むように動かして慣らす動作であることとしてもよい。また、可動物に回転や直動などの摺動部分がある場合、摺動部分の固着を動かして滑らかにして慣らす動作であることとしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、慣らし動作を起動時に行なうようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作を起動後の遊技が行なわれていないデモ中などに定期的に行なってもよい。このようにしても、遊技中に可動物が良好に動作しないことを抑制することができる。
(11) 前述した実施の形態のケーブル361は、LEDに電力を供給するものであることとした。しかし、これに限定されず、他の電気部品(たとえば、可動物を動かすモータやソレノイドなどのアクチュエータや映像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置)に電力または制御信号を供給するものであってもよい。
(12) ケーブル361は、フレキシブルフラットケーブルであってもよいし、被覆線を複数本並べて融着したフラットケーブルであってもよいし、1本の単線,撚線であってもよいし、撚対線であってもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、慣らし動作と確認動作とを分けて行なうようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作と確認動作とを一連の動作として実行するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、確認動作において、可動物の初期位置を検出するようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作において、可動物の初期位置を検出するようにしてもよい。また、慣らし動作および確認動作とは別に、可動物の初期位置を検出するようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ変動表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、変動表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16C〜16Fなどが設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(可動体、発光体、スピーカなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータに対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータに送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、可動体や発光体、スピーカなどに関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータは、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で表示結果(大当りか否か)や変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞の発生時に抽出した乱数の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
[2.第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、パチンコ遊技機1が、LED9を発光させる発光演出を実行する形態である。なお、本発明を適用可能な実施形態が、以下説明する実施形態に限定されるわけでないことは勿論である。
本実施形態では、パチンコ遊技機1の演出制御基板12が、第1実施形態で説明したシリアル−パラレル変換回路を介して左枠LED9b、天枠LED9a及び右枠LED9cを制御して、これらのLED9を点灯・消灯させることで、発光演出を実行する。
図60は、本実施形態におけるシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。
本実施形態において、左枠LED9b、天枠LED9a及び右枠LED9cそれぞれに対応する発光体ドライバ413a、413a及び413cには、12チャンネルのドライブ出力端子が適用される。これらのシリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。
本実施形態において、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では、前述した実施形態と同様に、6MHzのクロック信号が出力される。このため、図60に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させる。
具体的には、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成される。そして、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
また、本実施形態では、発光体ドライバ413a、413a及び413cそれぞれに適用するシリアル−パラレル変換回路には、図17に示す構成を適用することとして説明する。
なお、本実施形態では、12チャンネルのシリアル−パラレル変換回路を適用し、ドライブ出力端子を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けすることとして説明するが、24チャンネルのシリアル−パラレル変換回路を適用し、ドライブ出力端子を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けするようにしてもよい。
また、24チャンネルよりも多い数のチャンネルを有するシリアル−パラレル変換回路を同様に構成し、ドライブ出力端子を1グループあたり規定数のチャネルごとの複数のグループにグループ分けするようにすることも可能である。
以下では、「時間」といった場合には時間幅(時間の長さ)を示す。また、「期間」といった場合には一のタイミングから他のタイミングまでの継続的な時間範囲のことを示す。また、「周期」といった場合には一定時間毎に同じ現象が繰り返される場合の該一定時間のことを示す。
図61は、本実施形態における発光演出の原理を説明するための図である。
演出制御用CPU120は、後述する発光演出振り分けテーブル1212を用いた演出抽選を行って発光演出を実行する。
本実施形態では、パチンコ遊技機1におけるリーチ状態が発生したタイミング(以下、「リーチ状態発生タイミング」という。)で、演出制御用CPU120が、演出制御用中継基板16A、発光体制御基板16D、16E、16Fを介して、それぞれ左枠LED9b、天枠LED9a及び右枠LED9cを発光させて、発光演出を実行する。
本実施形態では、演出制御用CPU120が、単色(特定色)にてLED9を発光させる発光パターン(第1パターン)と、複数色にてLED9を発光させる発光パターン(第2パターン)とにより発光演出を実行可能であり、第1パターンと第2パターンとで、大当り信頼度が異なり、かつ演出期間が異なる点が特徴である。ここでは、説明の簡明化のため、大当り信頼度を、信頼度が低いことを示す「低」、信頼度が中程度であることを示す「中」、信頼度が高いことを示す「高」、信頼度が最高であることを示す「最高」、の4種類に分けて原理説明を行う。
図61は、本実施形態における発光演出の一例を示す図である。
この図では特定のスーパーリーチ演出における発光演出の制御例を示すタイミングチャートを示しており、バトルリーチ演出での発光演出の制御例を示している。
以下の説明では、発光演出の始期となるタイミングを「発光演出開始タイミング」と称し、発光演出の終期となるタイミングを「発光演出終了タイミング」と称する。また、本実施形態では、単色の発光色である「青色」、「赤色」の発光色と、複数色で表現される発光色である「虹色」の発光色とを例示する。
バトルリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図51(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置5において実行される。
演出表示装置5においては、時刻「tm1」においてリーチ状態が発生すると、図51(B)、(C)に示すように、メッセージ画像53が表示されるとともに、バトルリーチ演出に対応する対戦演出等の動画像が表示される。本実施形態では、このリーチ状態の発生に応じて、演出制御用CPU120が、発光演出の実行を開始する。つまり、本実施形態では、発光演出開始タイミングを、リーチ状態が発生したタイミング(時刻「tm1」)とする。
前述したように、演出図柄の変動表示においては、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動表示が一斉に開始され、例えば「左」,「右」,「中」というような所定の停止順番に従って、演出図柄表示エリア5L,5R,5Cにおいて演出図柄の変動表示が順次停止されていき、最終的に全演出図柄表示エリアで演出図柄が停止して、表示結果が導出表示されたときに、変動表示が終了する。
演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図51(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rが停止した段階で、同一図柄が停止すると、リーチ状態となる。演出制御用CPU120は、変動開始からの経過時間をタイマ等によって計時し、その経過時間が、該変動パターンについて予め定められた変動開始からリーチ状態発生までの時間に達した場合に、発光演出開始タイミングと判定して、発光演出の実行を開始する。
図61(A)には、大当り信頼度が(B)、(C)の場合と比べて低く、変動表示結果が「ハズレ」となる例を示している。この例では、バトルリーチ演出中の時刻「tn1」において、発光演出の実行を終了させる場合を示している。つまり、発光演出終了タイミングは時刻「tn1」であり、発光演出期間は時刻「tm1」〜「tn1」までの期間となる。また、この場合、演出制御用CPU120は、発光色AでLED9を発光させるように制御する。この場合における発光色Aは、単色の発光色であって、大当り信頼度が低いことを示す発光色(例えば青色)とすればよい。
ここで、発光演出期間は、該変動における大当り信頼度に基づいて決定される。具体的には、大当り信頼度が高いほど、発光演出期間を長くするように制御される。発光演出期間は、発光演出開始タイミングから発光演出終了タイミングまでの継続的な時間範囲のことを示す。
図61(B)には、大当り信頼度が(A)の場合と比べて高いが、(C)の場合と比べて低く、変動表示結果が「ハズレ」となる例を示している。この例では、バトルリーチ演出中の時刻「tn2(>tn1)」において、発光演出の実行を終了させる場合を示している。つまり、発光演出終了タイミングは時刻「tn2」であり、発光演出期間は時刻「tm1」〜「tn2」までの期間となる。また、この場合、演出制御用CPU120は、発光色BでLED9を発光させるように制御する。この場合における発光色Bは、単色の発光色であって、大当り信頼度が中程度であることを示す発光色(例えば緑色)とすればよい。
図61(C)には、大当り信頼度が(A)、(B)の場合と比べて高いが、(D)の場合と比べて低く、変動表示結果が「ハズレ」となる例を示している。この例では、バトルリーチ演出の後に実行されるリーチ結果演出中の時刻「tn3(>tn2)」において、発光演出の実行を終了させる場合を示している。つまり、発光演出終了タイミングは時刻「tn3」であり、発光演出期間は時刻「tm1」〜「tn3」までの期間となる。また、この場合、演出制御用CPU120は、発光色CでLED9を発光させるように制御する。この場合における発光色Cは、大当り信頼度が高いことを示す発光色(例えば赤色)とすればよい。
図61(D)には、大当り信頼度が最高であり、変動表示結果が「大当り」となる例を示している。この例では、バトルリーチ演出後のリーチ結果演出を経て、最後に実行される停止図柄演出において特別図柄の変動表示が終了する時刻「tn4(>tn3)」に発光演出の実行を終了させる場合を示している。つまり、発光演出終了タイミングは時刻「tn4」であり、発光演出期間は時刻「tm1」〜「tn4」までの期間となる。また、この場合、演出制御用CPU120は、特別発光色でLED9を発光させるように制御する。この場合における特別発光色は、大当り信頼度が「最高」であることを示す特別な色(例えば虹色)とすればよい。
このように、本実施形態では、発光演出において、LED9に発光を開始させるタイミング(発光演出開始タイミング)は共通(例えばリーチ状態発生時)とするが、発光を終了させるタイミング(発光演出終了タイミング)を異ならせることで、遊技者に期待感を抱かせることができる。つまり、大当り期待度が高いほど、発光が継続する時間が長くなるため、遊技者は、大当りとなるのではないかと期待し、高揚感を抱くことができる。
また、特別図柄の変動表示結果が大当りに対応する表示結果となる場合に、特別発光色でLED9を発光させる発光パターンによる発光演出を実行することで、遊技者に特別な期待感を抱かせることができる。
なお、本実施形態では、左枠LED9b、天枠LED9a及び右枠LED9cの3つのLED9を対象として発光を行わせて発光演出を実現するが、これら複数のLED9の全てについて同一の発光色で発光を行わせることとしてもよいし、複数のLED9について、それぞれ異なる色で発光を行わせることとしてもよい。以下では、それぞれ異なる発光色で発光を行わせる場合を例示する。
図62は、本実施形態において、演出制御基板12のROM121に記憶され、発光演出を実現するためのLED9の発光パターンを定めたテーブルである発光パターンテーブル1211のテーブル構成の一例を示す図である。
この発光パターンテーブル1211には、例えば、カテゴリと、発光パターンと、電気部品と、発光種別と、発光色と、発光演出時間(ミリ秒ms)と、が対応付けて定められている。
カテゴリには、発光パターンを分類したカテゴリが定められている。本実施形態では、天枠LED9の発光色(以下、「天枠発光色」という。)が同色となる発光パターンを同一のカテゴリとして、発光パターンの頭の番号(LP1、LP2、LP3、LP4、・・・)で区別する。
発光パターンには、発光演出で適用するLED9の発光パターンの番号がカテゴリに応じて定められている。
電気部品には、該発光パターンにおいて、発光させる対象とするLED9の種別(本実施形態では左枠LED9b、天枠LED9a、右枠LED9c)がそれぞれ定められている。
発光種別には、該発光パターンにおいて、それぞれの電気部品にどのような態様の発光を行わせるかの種別が定められている。この発光種別には、同色で連続的な発光(以下、「連続発光」)を行わせることを示す「連続」や、複数色を切り替えて(変化させて)発光を行わせることを示す「切替」、一の色の点灯・消灯によって点滅を行わせることを示す「点滅」等の態様が含まれる。連続発光は、切れ目なく連続的(継続的)に点灯を行わせることを意味する。
発光色には、該発光パターンにおいて、それぞれの電気部品を発光させる色が定められている。この発光色には「青」、「緑」、「赤」、「虹」等の色が含まれる。
発光演出時間には、該発光パターンを適用して発光演出を実行する時間幅(時間の長さ)が定められている。具体的には、同一のカテゴリに属する発光パターンには、図63で説明する各変動パターンそれぞれに対応させて、該変動パターンの変動表示時間に応じた適切な発光演出時間が定められている。発光演出時間は、前述した発光演出開始タイミングを始期としてLED9に発光を行わせる時間であり、発光パターン毎に発光演出時間が異なるため、発光パターンに応じて発光演出終了タイミングが変化する。
また、図62から分かるように、発光パターンテーブル1211には、同一のカテゴリの発光パターンについて、各LED9に同じ態様での発光を行わせる発光パターンと、各LED9にそれぞれ異なる態様での発光を行わせる発光パターンとが定められている。このようにすることで、複数のバリエーションの発光演出を実現することが可能となり、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
図63は、本実施形態において、演出制御基板12のROM121に記憶され、演出制御用CPU120が上記の発光パターンテーブル1211に定められた発光パターンを選択するための割り振りを定めた発光演出振り分けテーブル1212のテーブル構成の一例を示す図である。
図63(A)には、はずれ時における振り分けテーブルであるはずれ時発光演出振り分けテーブル1212Aを、図63(B)には、通常大当り時における振り分けテーブルである通常大当り時発光演出振り分けテーブル1212Bを示し、図63(C)には、確変大当り時における振り分けテーブルである通常大当り時発光演出振り分けテーブル1212Cをそれぞれ示しており、これらのテーブルには、変動パターン種別と、変動パターンと、変動パターン割り振りと、発光パターン割り振りとが対応付けて定められている。
変動パターン種別には、主基板11から送信される変動パターン種別指定コマンドにより指定される変動パターン種別が定められている。
変動パターンには、該変動パターン種別に属する変動パターンであって、主基板11から送信される変動パターンコマンドにより指定される変動パターンが定められている。図中には変動パターンの内容と括弧書きで変動表示時間を示している。
変動パターン振り分けには、該変動パターンが選択される割合が定められている。
発光パターン割り振りには、発光パターンテーブル1211に定められた発光パターンのうち、天枠発光色に対応するカテゴリ(LP1、LP2、LP3、LP4、・・・)の発光パターンが選択される割合が定められている。
具体的に説明する。
図63(A)のはずれ時発光演出振り分けテーブル1212Aには、変動パターン種別として、「通常変動はずれ」と「ノーマルリーチはずれ」と「スーパーリーチはずれ」とが定められている。
変動パターン種別「通常変動はずれ」には、変動パターンとして「通常変動ではずれ(7秒)」と「通常変動ではずれ(15秒)」とが定められている。
変動パターン種別「ノーマルリーチはずれ」には、変動パターンとして「ノーマルリーチはずれ(20秒)」と「ノーマルリーチ(30秒)」とが定められている。
変動パターン種別「スーパーリーチはずれ」には、変動パターンとして「第1スーパーリーチ(バトル演出)はずれ(40秒)」と「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)はずれ(50秒)」とが定められている。
変動パターン割り振りには、変動パターン「通常変動ではずれ(7秒)」には「60%」が、変動パターン「通常変動ではずれ(15秒)」には「20%」が、変動パターン「ノーマルリーチはずれ(20秒)」には「9%」が、変動パターン「ノーマルリーチはずれ(30秒)」には「6%」が、変動パターン「第1スーパーリーチ(バトル演出)はずれ(40秒)」には「3%」が、変動パターン「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)はずれ(50秒)」には「2%」がそれぞれ定められており、これらの割合を合算すると「100%」となる。
発光パターン割り振りには、変動パターン種別「通常変動ではずれ」及び「ノーマルリーチはずれ」にそれぞれ含まれる変動パターンについては、全て「0%」が定められている。一方、変動パターン種別「スーパーリーチはずれ」に含まれる変動パターンについて、変動パターン「第1スーパーリーチ(バトル演出)はずれ(40秒))」には、青「70%」が、緑「20%」が、赤「10%」が、虹「0%」がそれぞれ定められており、変動パターン「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)はずれ(50秒))」には、青「65%」が、緑「25%」が、赤「10%」が、虹「0%」がそれぞれ定められている。
このはずれ時発光演出振り分けテーブル1212Aでは、変動パターン種別「通常変動はずれ」及び「ノーマルリーチはずれ」については、発光パターン割り振りが全て「0%」とされている。このため、演出制御用CPU120は、通常変動ではずれ及びノーマルリーチはずれの場合には、発光演出を実行しないことになる。一方、変動パターン種別「スーパーリーチはずれ」の場合には、発光パターン割り振りに、相対的に青色>緑色>赤色となるように値が定められており、このうちの青の割合が大部分を占めている。このため、LED9を青色で発光させる発光演出を実行する割合が最も高くなる。また、「虹」については「0%」とされている。このため、LED9を虹色で発光させる発光演出は実行されない。
図63(B)の通常大当り時発光演出振り分けテーブル1212Bには、変動パターン種別として、「ノーマルリーチ大当り」と「スーパーリーチ大当り」とが定められている。
変動パターン種別「ノーマルリーチ大当り」には、変動パターンとして「ノーマルリーチ大当り(20秒)」と「ノーマルリーチ大当り(30秒)」とが定められている。
変動パターン種別「第1スーパーリーチ(バトル演出)大当り(40秒)」と「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)大当り(50秒)」とが定められている。
変動パターン割り振りには、変動パターン「ノーマルリーチ大当り(20秒)」には「5%」が、変動パターン「ノーマルリーチ大当り(30秒)」には「10%」が、変動パターン「第1スーパーリーチ(バトル演出)大当り(40秒)」には「40%」が、変動パターン「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)大当り(50秒)」には「45%」がそれぞれ定められており、これらの割合を合算すると「100%」となる。
発光パターン割り振りには、変動パターン種別「ノーマルリーチ大当り」それぞれ含まれる変動パターンについては、全て「0%」が定められている。一方、変動パターン種別「第1スーパーリーチ(バトル演出)大当り(40秒)」に含まれる変動パターン「第1スーパーリーチ(バトル演出)大当り(40秒)」には、青「20%」が、緑「30%」が、赤「30%」が、虹「20%」がそれぞれ定められており、変動パターン「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)大当り(50秒))」には、青「15%」が、緑「35%」が、赤「30%」が、虹「20%」がそれぞれ定められている。
この通常大当り時発光演出振り分けテーブル1212Bでは、変動パターン種別「ノーマルリーチ大当り」については、発光パターン割り振りが全て「0%」とされている。このため、演出制御用CPU120は、ノーマルリーチ大当りの場合には、発光演出を実行しないことになる。一方、変動パターン種別「スーパーリーチ大当り」の場合には、発光パターン割り振りに、相対的に緑及び赤の割合が高くなるように値が定められている。このため、LED9を緑色又は赤色で発光させる発光演出を実行する割合が相対的に高くなる。
図63(C)の確変大当り時発光演出振り分けテーブル1212Cには、変動パターン種別として、「ノーマルリーチ大当り」と「スーパーリーチ大当り」とが定められている。
変動パターン種別「ノーマルリーチ大当り」には、変動パターンとして「ノーマルリーチ大当り(20秒)」と「ノーマルリーチ大当り(30秒)」とが定められている。
変動パターン種別「第1スーパーリーチ(バトル演出)大当り(40秒)」と「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)大当り(50秒)」とが定められている。
変動パターン割り振りには、変動パターン「ノーマルリーチ大当り(20秒)」には「1%」が、変動パターン「ノーマルリーチ大当り(30秒)」には「4%」が、変動パターン「第1スーパーリーチ(バトル演出)大当り(40秒)」には「40%」が、変動パターン「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)大当り(50秒)」には「55%」がそれぞれ定められており、これらの割合を合算すると「100%」となる。
発光パターン割り振りには、変動パターン種別「ノーマルリーチ大当り」それぞれ含まれる変動パターンについては、全て「0%」が定められている。一方、変動パターン種別「第1スーパーリーチ(バトル演出)大当り(40秒)」に含まれる変動パターン「第1スーパーリーチ(バトル演出)大当り(40秒)」には、青「5%」が、緑「25%」が、赤「40%」が、虹「30%」がそれぞれ定められており、変動パターン「第2スーパーリーチ(ストーリー演出)大当り(50秒))」には、青「1%」が、緑「29%」が、赤「40%」が、虹「30%」がそれぞれ定められている。
この確変大当り時発光演出振り分けテーブル1212Cでは、変動パターン種別「ノーマルリーチ大当り」については、発光パターン割り振りが全て「0%」とされている。このため、演出制御用CPU120は、ノーマルリーチ大当りの場合には、発光演出を実行しないことになる。一方、変動パターン種別「スーパーリーチ大当り」の場合には、発光パターン割り振りに、相対的に赤色及び虹色の割合が高くなるように値が定められている。このため、LED9を赤色又は虹色で発光させる発光演出を実行する割合が相対的に高くなる。
演出制御用CPU120は、主基板11から送信される変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに基づき、上記の発光演出振り分けテーブル1212のうちの対応する変動パターンに定められている割り振りに従って、天枠発光色を選択する。そして、図62の発光パターンテーブル1211に定められている発光パターンであって、選択した天枠発光色のカテゴリに含まれる発光パターンの中から、該変動パターンに対応する発光パターンを選択して、発光演出に用いる発光パターンに決定する。
ここで、大当り信頼度は、複数の発光パターンについて「大当り変動及びはずれ変動の両方を含む全体の出現率における大当り変動での占有率」として定義される。上記の発光演出振り分けテーブル1212に定められた発光パターン割り振りから、概ね、発光色「青」に対応する占有率が大当り信頼度「低」、発光色「緑」に対応する占有率が大当り信頼度「中」、発光色「赤」に対応する占有率が大当り信頼度「高」、発光色「虹」に対応する占有率が大当り信頼度「最高」にそれぞれ対応する。
なお、ここでは天枠発光色に基づいて発光パターンのカテゴリを選択することとして説明したが、これはあくまでも一例に過ぎず、左枠LED9bの発光色(左枠発光色)や右枠LED9cの発光色(右枠発光色)に基づいて発光パターンのカテゴリを選択するように、発光パターンテーブル1211及び発光演出振り分けテーブル1212を定めておくこととしてもよい。
また、上記の発光演出振り分けテーブル1212では、通常変動はずれ、ノーマルリーチはずれ及びノーマルリーチ大当りの変動パターン種別については発光パターン割り振りを「0%」としたが、スーパーリーチの変動パターン種別と同様に、発光色毎に割り振りを定めておくこととしてもよい。
図64は、本実施形態において、演出制御基板12のROM121に記憶され、演出制御用CPU120がLED9の発光制御を行うために用いる発光制御用テーブル1213のテーブル構成の一例を示す図である。
発光制御用テーブル1213には、例えば、発光パターンと、ドライバIDと、出力端子番号と、電気部品と、発光制御生成用データと、が対応付けて定められている。
発光パターンには、発光パターンテーブル1211に定められた各発光パターンが記憶される。
ドライバIDには、発光体ドライバ413a、413b、413cそれぞれを識別するための識別情報としてのID(本実施形態では、順に「D1」、「D2」、「D3」)が記憶される。
出力端子番号には、該発光体ドライバ413の出力端子の番号(本実施形態では00〜11)が記憶される。
電気部品には、該発光体ドライバ413及び該出力端子番号に対応する電気部品(本実施形態では、順に「左枠」、「天枠」、「右枠」)が記憶される。
発光制御生成用データには、該発光体ドライバに適用するシリアル−パラレル変換回路を制御するためのデータであって、図8で説明した制御データフォーマットに基づく発光制御データを生成するために用いられるデータが記憶される。
図65及び図66は、上記の発光制御用テーブル1213に含まれる発光制御生成用データのデータ構成の一例を示す図である。
各発光制御生成用データには、例えば、データ名と、フォーマット種別と、アドレスと、データ送信周期と、単位発光時間と、発光制御周期と、フォーマット用データと、が含まれる。
データ名には、発光制御用テーブル1213の発光パターンに対応するフォーマット生成用データのデータ名が記憶される。
フォーマット種別には、図8に示した基本フォーマット(EX=0)及び拡張フォーマット(EX=1)のうちのいずれのフォーマットを適用するかの識別情報(「基本」又は「拡張」)が記憶される。
アドレスには、該発光体ドライバに適用するシリアル−パラレル変換回路に設定するアドレスが記憶される。
データ送信周期には、演出制御用中継基板16Aを介して、演出制御基板12から各発光体制御基板の発光体ドライバ413に発光制御データを送信する周期が記憶される。本実施形態では、このデータ送信周期を10ms(ミリ秒)として説明する。
単位発光時間には、該発光体ドライバに対応するLED9に発光を行わせる単位時間が記憶される。
発光制御周期には、1周期分の発光の制御単位とする時間(以下、この周期を「発光制御周期」という。)が記憶される。この発光制御周期は、発光種別に応じて異なる。具体的には、発光種別が「連続」や「点滅」である場合には「100ms」といった時間を定めておくことができ、発光種別が「切替」(複数色の変化に伴う特別発光色(虹色)の発光等)である場合には「1800ms」といった時間を定めておくことができる。詳細については後述する。
フォーマット用データには、該フォーマット種別のフォーマットを適用して発光制御データに含める時系列のQデータが記憶される。具体的には、フォーマット用データには、発光順序と、該発光順序に対応するRGB値に対応するQデータと、が対応付けて定められている。
本実施形態では、16進数で表現されるQデータ(カラー16進数、RGBカラー値)によって、LED9の発光を制御することとして説明する。カラー16進数では、RGBそれぞれを2桁ずつ合計6桁の16進数(0〜F)で表現することで「16×16=256階調」を表すが、本明細書では、RGBそれぞれの2桁の数値を同じ値とし、RGBそれぞれを1桁ずつの合計3桁に省略した表記として図示・説明する。また、簡明化のため、16進数を表す「0x」の表記は省略して図示・説明する。
また、Qデータには、アドレスに対応する発光体ドライバ413を構成するシリアル−パラレル変換回路に出力するQデータとして、グループ1を対象とするQデータと、グループ2を対象とするQデータと、グループ3を対象とするQデータとが含まれる。各グループを対応するQデータには、該グループに含まれる4つの出力端子Qから出力させるRGB値が格納される。
具体的には、出力データとしてのRGB値について、グループ1では、Q0がR値(R)に、Q1がG値(G)に、Q2がB値(B)にそれぞれ対応している。Q3はグラウンドに接続されるため無し(−)としている。また、グループ2では、Q4がR値(R)に、Q5がG値(G)に、Q6がB値(B)にそれぞれ対応している。Q7はグラウンドに接続されるため無し(−)としている。また、グループ3では、Q8がR値(R)に、Q9がG値(G)に、Q10がB値(B)にそれぞれ対応している。Q11はソレノイド500に接続されるため無し(−)としている
具体的に説明する。
図65の一番上に示した発光制御生成用データは、データ名が「dat1−1−a」のデータである。
フォーマット種別は「基本」であり、図8(2)の基本フォーマットを適用することが定められている。
アドレスは「08」であり、左枠LED9bに対応する発光体ドライバ413bに適用することが定められている。
データ送信周期は「10ms」であり、演出制御基板12から発光体ドライバ413bに対して10ms毎にデータを送信することが定められている。
単位発光時間は「100ms」であり、左枠LED9bに100msの単位発光時間で発光を行わせることが定められている。
発光制御周期は「100ms」である。該発光パターンの発光種別は「連続」であり、特定色の連続発光を行わせるため、単位発光時間と同じ時間が発光制御周期として定められている。
フォーマット用データにおいて、発光順序には「1」〜「N」までの順序が定められている。また、発光順序「1」〜「N」それぞれについて、各グループのQデータ(RGB値)として「0、0、F」が定められている。全ての発光順序について、QデータのうちのR値及びG値が「0」とされ、B値が「F」とされているため、青色の連続発光が実現される。
図66は、発光制御生成用データの別例を示す図である。
この発光制御生成用データは、データ名が「dat4−1−a」のデータである。
フォーマット種別は「基本」であり、図8(2)の基本フォーマットを適用することが定められている。
アドレスは「08」であり、左枠LED9bに対応する発光体ドライバ413bに適用することが定められている。
データ送信周期は「10ms」であり、演出制御基板12から発光体ドライバ413bに対して10msの周期で繰り返しデータを送信することが定められている。
単位発光時間は「40ms」であり、左枠LED9bに40msの単位発光時間で発光を行わせることが定められている。
発光制御周期は「120ms」である。該発光パターンの発光種別は「切替」であり、赤色、緑色及び青色の3色の切替(変化)による虹色の発光を行わせるため、単位発光時間40msの3倍の時間が発光制御周期として定められている。
フォーマット用データにおいて、発光順序には「1」〜「M」までの順序が定められている。発光順序「1」には、各グループのQデータ(RGB値)として「F、0、0」が定められ、発光順序「2」には、各グループのQデータ(RGB値)として「0、F、0」が定められ、発光順序「3」には、各グループのQデータ(RGB値)として「0、0、F」が定められ、発光順序「4」には、各グループのQデータ(RGB値)として「F、0、0」が定められている。以下同様である。これにより、赤色の発光、緑色の発光及び青色の発光が、それぞれ単位発光時間40ms毎に行われる。その結果、遊技者は、視覚的に虹色の発光がなされているように視認することができる。
図67は、本実施形態における発光パターンの一例及び各発光パターンに対応するRGB値の時間変化を示すタイミングチャートである。
図67(1)には、発光パターンAとして、大当り信頼度「低」に対応し、LED9を単色の青色で連続発光させる例を示している。この例では、R値及びG値を「0」とし、B値を「F」とすることで、単色の青色の連続発光を実現している。図中のΔtsは、前述したデータ送信周期であり、例えば10msである。また、図中のΔtmは、前述した単位発光時間であり、例えば100msである。ここでは発光種別を「連続」として連続発光を実現するため「連続単位発光時間」として図示している。
図67(2)には、発光パターンBとして、大当り信頼度「中」に対応し、LED9を単色の緑色で連続発光させる例を示している。この例では、R値及びB値を「0」とし、G値を「F」とすることで、単色の緑色の連続発光を実現している。図中のΔtsは、前述したデータ送信周期であり、例えば10msである。また、図中のΔtmは、前述した単位発光時間であり、例えば100msである。ここでは発光種別を「連続」として連続発光を実現するため「連続単位発光時間」として図示している。
図67(3)には、発光パターンCとして、大当り信頼度「高」に対応し、LED9を単色の緑色で連続発光させる例を示している。この例では、G値及びB値を「0」とし、R値を「F」とすることで、単色の赤色の連続発光を実現している。図中のΔtsは、前述したデータ送信周期であり、例えば10msである。また、図中のΔtmは、前述した単位発光時間であり、例えば100msである。ここでは発光種別を「連続」として連続発光を実現するため「連続単位発光時間」として図示している。
図67(4)には、発光パターンDとして、大当り信頼度「最高」に対応し、LED9を虹色で発光させる例を示している。この例では、RGB値それぞれを、切替単位発光時間Δtnで、「F」→「0」→「F」→「0」、・・・、と順番に変化させていくことで、虹色の発光を実現している。図中のΔtsは、前述したデータ送信周期であり、例えば10msである。また、図中のΔtsは、前述した単位発光時間であり、例えば40msである。ここでは発光種別を「切替」として切替発光を実現するため「切替単位発光時間」として図示している。
発光パターンA〜Cでは、それぞれ単色の青色、緑色、赤色を連続的に発光させているのに対し、発光パターンDでは、赤色→緑色→青色を順番に変化させることで虹色を表現しているため、単色としての連続的な発光時間が発光パターンA〜Cと比べて短い。また、単位発光時間に着目しても、発光パターンDにおける切替単位発光時間Δtnは、発光パターンA〜Cに対応する連続単位発光時間Δtmよりも短い。
なお、上記の発光パターンにおいて、例えば発光パターンAを、青色ではなく、RGB値をそれぞれ最大値とすることによる白色で連続的に発光させるようにしてもよい。
次に、LEDを階調制御して、混色による発光を実現するための制御データについて説明する。ここで説明する階調制御データにおけるQデータ(RGB値)は、上記の発光制御生成用データに含まれるフォーマット用データのQデータにそのまま適用することが可能である。
図68は、虹色の発光を実現するための階調制御を行うための制御データである階調制御データの一例を図示したものである。
この階調制御データにおいて、最左欄には、発光色の変化を示している。また、その右欄には、切替単位発光時間Δtn/データ送信周期Δtsを示し、その右欄には、各グループ(グループ1、グループ2、・・・)に対応するQデータ(RGB値)を16進数で表現し、最右欄には、発光順序を示している。この例では、切替単位発光時間Δtnは40msであり、データ送信周期Δtsは10msである(Δtn=40、Δts=10)。
発光順序01〜03までは、各グループのQデータ(RGB値)を「F、F、F」とすることで、白色の発光を実現している。発光順序04〜09までは、各グループのQデータ(RGB値)を「F、0、0」とすることで、赤色の発光を実現している。発光順序10〜15までは、各グループのQデータ(RGB値)を「F、A、0」とすることで、橙色の発光を実現している。
発光順序16〜21までは、各グループのQデータ(RGB値)を「F、F、0」とすることで、黄色の発光を実現している。発光順序22〜27までは、各グループのQデータ(RGB値)を「0、F、0」とすることで、緑色の発光を実現している。発光順序28〜33までは、各グループのQデータ(RGB値)を「0、F、F」とすることで、水色の発光を実現している。
発光順序34〜39までは、各グループのQデータ(RGB値)を「0、0、F」とすることで、青色の発光を実現している。発光順序40〜45までは、各グループのQデータ(RGB値)を「8、0、8」とすることで、紫色の発光を実現している。
発光順序01〜45までは、例えば1周期分のQデータとして構成することができる。この1周期に対応する時間が、前述した発光制御周期に相当する。ここでは、発光制御周期を「1800ms」とする。つまり、01〜45までを1セットとして、1800msの発光制御周期で、発光順序に従った発光色で順番にLED9を発光させるように制御する。
上記のように、短い切替単位発光時間Δtsで、LED9に発光させる発光色を複数色で順番に切り替えるように制御することで、人間の視覚的に、虹色の発光がなされているかのように視認させることができる。
図69は、赤色の連続発光を実現するための階調制御データの一例を図示したものである。
この階調制御データにおいて、最左欄には、連続単位発光時間Δtm/データ送信周期Δtsを示し、その右欄には、各グループ(グループ1、グループ2、・・・)に対応するQデータ(RGB値)を16進数で表現し、最右欄には、発光順序を示している。この例では、連続単位発光時間Δtmは100msであり、データ送信周期Δtsは10msである(Δtm=100、Δts=10)。
発光順序01では、各グループのQデータ(RGB値)を「F、0、0」とすることで、赤色の発光を実現している。この発光順序01の発光を、例えば発光制御周期のQデータとして構成することができる。ここでは、発光制御周期を「100ms」とする。つまり、01の発光色を100msの発光制御周期で発光させるように制御すればよい。
図70は、赤色の点滅を実現するための階調制御データの一例を図示したものである。
この階調制御データにおいて、最左欄には、切替単位発光時間Δtn/データ送信周期Δtsを示し、その右欄には、各グループ(グループ1、グループ2、・・・)に対応するQデータ(RGB値)を16進数で表現し、最右欄には、発光順序を示している。この例では、切替単位発光時間Δtnは50msであり、データ送信周期Δtsは10msである(Δtn=50、Δts=10)。
発光順序01は、各グループのQデータ(RGB値)を「F、0、0」とすることで、赤色の発光を実現している。発光順序02は、各グループのQデータ(RGB値)を「0、0、0」とすることで、消灯を実現している。
発光順序01、02は、発光制御周期のQデータとして構成することができる。ここでは、発光制御周期を「100ms」とする。つまり、01、02を1セットとして、100msの発光制御周期で、発光順序に従った発光色で順番にLED9を発光させるように制御すればよい。
なお、上記の階調制御データで説明した発光制御周期(図68では1800ms、図69及び図70では100ms)に対応する期間は、特別図柄の変動期間(特図変動期間)のうちの演出が実行されている期間(演出期間)とは必ずしも対応しない。つまり、発光制御周期は、図68〜図70に示したようなひとまとまりの制御データの1周期分を示す制御上の周期であり、これは演出期間とは関係がない。
ここで、前述した複数色を変化させることによる発光演出(大当り確定時の虹色発光演出)を実行する際に、発光制御周期の整数倍に対応する期間が経過するタイミングが、特別図柄の変動が終了するタイミングと一致すれば問題はないが、特別図柄の変動が終了するタイミングよりも後のタイミングとなる場合には、特別図柄の変動が終了した後もLED9による発光が継続されてしまうため、問題が生ずる。
これを解決するための手法の1つとしては、演出制御用CPU120が、特別図柄の変動が終了するタイミングで、発光停止コマンドをヘッダ(HD)に含めた発光制御データを生成して、発光体ドライバ413(シリアル−パラレル変換回路)に送信するようにするようにすることができる。
この場合、シリアル−パラレル変化回路では、ヘッダ(HD)に発光停止コマンドが含まれる発光制御データを受信した後は、演出制御用CPU120から送信される発光制御データについて、デコーダでのシリアル信号からパラレル信号への変換を停止する。これにより、LED9に対してデータが出力されなくなるため、結果的にLED9の発光が停止される。
なお、他の手法として、演出制御用CPU120が、特別図柄の変動が終了した後は、ブランクデータ(例えば全てのQ値を「0」とするデータ)を発光体ドライバ413に送信するようにしてもよい。
この場合、シリアル−パラレル変化回路は、シリアル信号からパラレル信号への変換は継続的に実行するが、ブランクデータであるためLED9は全消灯となり、結果的にLED9の発光が停止される。
図71は、本実施形態において、演出制御用CPU120が実行する発光演出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、演出制御用CPU120は、発光演出を実行する条件である発光演出実行条件が成立したか否かを判定する(A1)。具体的には、主基板11から変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する。
成立したと判定したならば(A1;Yes)、演出制御用CPU120は、発光パターンを決定する(A3)。具体的には、受信した変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに基づき、発光演出振り分けテーブル1212を用いて、前述した手法で発光パターンテーブル1211から発光パターンを選択して決定する。
次いで、演出制御用CPU120は、発光演出開始タイミングであるか否かを判定する(A5)。具体的には、演出図柄の変動表示を開始してからの経過時間が、該変動パターンについて変動開始からリーチ状態が発生するまでの時間として予め定められた規定時間に達した場合に、発光演出開始タイミングと判定する。
発光演出開始タイミングであると判定したならば(A5;Yes)、演出制御用CPU120は、データ送信タイミングであるか否かを判定する(A7)。データ送信タイミングは、前述したデータ送信周期に対応する時間が経過する毎のタイミングである。
データ送信タイミングであると判定したならば(A7;Yes)、演出制御用CPU120は、各電気部品(LED9)について、ループAの処理を実行する(A9〜A21)。
ループAの処理では、演出制御用CPU120は、該電気部品について、発光制御データを生成する発光制御データ生成処理を実行する(A11)。具体的には、発光制御用データ1213を参照し、A3で決定した発光パターンに対応する発光制御生成用データを読み出す。そして、読み出した発光制御生成用データを用いて、該電気部品について、図8に示す共通フォーマット及びフォーマット種別に対応するフォーマット(基本フォーマット又は拡張フォーマット)でなる発光制御データを生成する。
次いで、演出制御用CPU120は、A9で生成した発光制御データを各発光体制御基板16に送信する発光制御データ送信処理を実行する(A13)。
図4に示すように、演出制御用CPU120から送信される発光制御データは、演出制御用中継基板16Aを介して、最初に発光体制御基板16Dの発光体ドライバ413bを構成するシリアル−パラレル変換回路のデータ入力端子(DATA/I)に入力される。入力された発光制御データは、該シリアル−パラレル変換回路のデータスルー端子(DATA/O)から発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aを構成するシリアル−パラレル変換回路のデータ入力端子(DATA/I)に入力される。入力された発光制御データは、該シリアル−パラレル変換回路のデータスルー端子(DATA/O)から発光体制御基板16Fの発光体ドライバ413cを構成するシリアル−パラレル変換回路のデータ入力端子(DATA/I)に入力される。
各発光体ドライバ413(413a、413b、413c)それぞれを構成するシリアル−パラレル変換回路では、入力された発光制御データの共通フォーマットに含まれるアドレス情報(12チャンネルではAD1〜AD5)が、デコードアドレス入力端子(12チャンネルではAD0〜AD5)から設定されたアドレス情報と一致するか否かが判定され、一致する場合にのみ、入力されたシリアル形式のクロック信号及び発光制御データが、パラレル形式の信号に変換される。つまり、入力される発光制御データに含まれるアドレス情報とデコードアドレス入力端子(12チャンネルではAD0〜AD5)から設定されたアドレス情報とが一致する発光制御データのみが、対応する発光体ドライバ413においてパラレル信号に変換されるため、アドレスが異なる発光体ドライバ413用の発光制御データについては、そのままスルーされる。
次いで、演出制御用CPU120は、グループ番号(グループNo)を“1”だけインクリメントする(A15)。その後、演出制御用CPU120は、該電気部品に対応する全てのグループについて上記の処理が完了したか否かを判定し(A17)、完了していないと判定したならば(A17;No)、A9に処理を戻す。また、完了したと判定したならば(A17;Yes)、演出制御用CPU120は、グループNoを“0”にリセットする(A19)。そして、演出制御用CPU120は、次の電気部品(LED9)へと処理を移す
全ての電気部品(LED9)についてのループAの処理を実行したならば(A21)、演出制御用CPU120は、発光演出の終了タイミングであるか否かを判定する(A23)。終了タイミングではないと判定したならば(A23;No)、演出制御用CPU120は、A7に処理を戻す。
一方、発光演出の終了タイミングであると判定したならば(A23;Yes)、演出制御用CPU120は、処理を終了するか否かを判定する(A25)。処理を継続すると判定したならば(A25;No)、演出制御用CPU120は、A1に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(A25;Yes)、演出制御用CPU120は、発光演出処理を終了する。
本実施形態では、演出制御用CPU120は、LED9を用いた発光演出を実行可能である。演出制御用CPU120は、青色、緑色、赤色等の特定色にてLED9を発光させる第1パターンと、複数色(青色、緑色、赤色等)にてLED9を発光させる第2パターンとにより発光演出を実行可能である。そして、第1パターンと第2パターンとでは、大当り信頼度が異なり、かつ発光演出期間が異なる。
これによれば、第1パターンと第2パターンとで、大当り信頼度を異ならせ、かつ発光演出期間を異ならせることで、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、少なくとも一部の発光態様(例えば発光色)が異なる複数の発光パターンにより発光演出を実行可能であり、複数の発光パターンは、いずれも青色、緑色、赤色等の特定色の発光を含む発光態様であり、これら複数の発光パターンで、大当り信頼度が異なり、かつ特定色についての発光単位時間が異なる。
これによれば、特定色が発光している期間の相違に注目させることが可能となり、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、発光パターンとして、LED9を特定色で点滅させる発光パターンを適用する実施形態について説明する。本実施形態では、特定色を点滅させた発光態様に基づく複数の発光パターンによってLED9を発光させ、複数の発光パターンで、大当り信頼度を異ならせ、かつ特定色の発光の周期(以下、「発光周期」という。)を異ならせる点が特徴である。
図72は、第3実施形態における発光パターンテーブル1211のテーブル構成の一例を示す図である。
この発光パターンテーブル1211のテーブル構成は、図62で説明した発光パターンテーブル1211と同様であるが、その内容が異なっている。
この発光パターンテーブルでは、各カテゴリそれぞれについて、発光パターンの中に、発光種別が「点滅」であり、発光色を「赤」とする発光パターンが含まれている。つまり、LED9に赤の点滅の発光を行わせる発光パターンが定められている。また、赤の点滅の発光パターンが、大当り信頼度に応じてそれぞれ定められている。本実施形態では、この赤の点滅の発光パターンの単位発光時間を、大当り信頼度に応じて変化させることが特徴である。
図73は、この場合における発光制御生成用データのデータ構成の一例を示す図である。
この発光制御生成用データのデータ構成は、図65及び図66で説明した発光制御生成用データと同様であるが、データの内容が異なっている。
具体的には、図73に示す発光制御生成用データは、データ名が「dat11−1−a」のデータである。
フォーマット種別は「基本」であり、図8(2)の基本フォーマットを適用することが定められている。
アドレスは「08」であり、左枠LED9bに対応する発光体ドライバ413bに適用することが定められている。
データ送信周期は「10ms」であり、演出制御基板12から発光体ドライバ413bに対して10ms毎にデータを送信することが定められている。
単位発光時間は「100ms」であり、左枠LED9bに200msの単位発光時間で発光を行わせることが定められている。
発光制御周期は「200ms」である。該発光パターンの発光種別は「点滅」であり、赤色の点灯・消灯による点滅を行わせるため、単位発光時間10msの2倍の時間が発光制御周期として定められている。
フォーマット用データにおいて、発光順序には「1」〜「P」までの順序が定められている。発光順序「1」には、各グループのQデータ(RGB値)として「F、0、0」が定められ、発光順序「2」には、各グループのQデータ(RGB値)として「0、0、0」が定められ、発光順序「3」には、各グループのQデータ(RGB値)として「F、0、0」が定められ、発光順序「4」には、各グループのQデータ(RGB値)として「0、0、0」が定められている。以下同様である。これにより、赤色の点灯・消灯が、それぞれ単位発光時間50ms毎に行われる。その結果、赤色の点滅が実現される。
図74は、本実施形態における発光パターンの一例及び各発光パターンに対応するRGB値の時間変化を示すタイミングチャートである。
図74(1)には、発光パターンEとして、大当り信頼度「低」に対応し、LED9を赤色で点滅させる例を示している。この例では、R値を「F」とし、G値及びB値を「0」とする赤点灯と、RGB値それぞれを「0」とする赤消灯とを、点滅単位発光時間Δtо1ずつ切り替えることで、赤色の点滅を実現している。
図74(2)には、発光パターンFとして、大当り信頼度「中」に対応し、LED9を赤色で点滅させる例を示している。この例では、R値を「F」とし、G値及びB値を「0」とする赤点灯と、RGB値それぞれを「0」とする赤消灯とを、点滅単位発光時間Δtо2ずつ切り替えることで、赤色の点滅を実現している。ここで、点滅単位発光時間Δto2は、図74(1)の点滅単位発光時間Δtо1よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtо2<Δtо1)。
図74(3)には、発光パターンGとして、大当り信頼度「高」に対応し、LED9を赤色で点滅させる例を示している。この例では、R値を「F」とし、G値及びB値を「0」とする赤点灯と、RGB値それぞれを「0」とする赤消灯とを、点滅単位発光時間Δtо3ずつ切り替えることで、赤色の点滅を実現している。ここで、点滅単位発光時間Δto3は、図74(2)の点滅単位発光時間Δtо2よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtо3<Δtо2)。
図74(4)には、発光パターンHとして、大当り信頼度「最高」に対応し、
LEP9を虹色で発光させる例を示している。この例では、RGB値それぞれを、切替単位発光時間Δtnで、「F」→「0」→「F」→「0」→、・・・、と順番に変化させていくことで、虹色の発光を実現している。ここで、切替単位発光時間Δtnは、図74(3)の点滅単位発光時間Δtо3よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtn<Δtо3)。
上記の発光パターンE、F、Gは、赤色を点滅させた発光態様によりLED9を発光させる発光パターンであり、これらの発光パターンは、第1特定パターンに相当する。また、発光パターンHは、複数色(赤色、緑色、青色)のうちの赤色から他の色に変化させる発光態様によりLED9を発光させる発光パターンであり、この発光パターンは、第2特定パターンに相当する。
発光パターンE、F、G(第1特定パターン)と発光パターンH(第2特定パターン)とでは、大当り信頼度が異なり、かつ赤色の発光周期が異なるように制御される。具体的には、大当り信頼度が最も高い発光パターンHが、赤色の発光周期が最も短くなるように制御される。
また、同じ第1特定パターンである発光パターンE、F、Gにおいても、大当り信頼度が異なり、かつ赤色の発光周期が異なるように制御される。具体的には、大当り信頼度が最も高い発光パターンGが、赤色の発光周期、つまり、赤色の点滅周期が最も短くなるように制御される。
上記の例では、赤色の点滅及び点灯をそれぞれ点滅単位発光時間Δtоずつ切り替えているため、点滅単位発光時間Δtoの2倍の時間である「2×Δto」が赤色の発光周期となる。
なお、ここではLED9を点滅させる特定色として赤色を例に挙げて説明したが、これを青色や緑色等の他の色としてもよい。また、点灯と点滅の時間を必ずしも同一としなければならないわけではなく、いずれか一方の時間を他方の時間よりも長くしてもよい。
本実施形態において、演出制御用CPU120は、青色、緑色、赤色等の特定色を点滅させた発光態様によりLED9を発光させる第1特定パターンと、特定色を含む複数色のうちのいずれかの色から他の色に変化させる発光態様によりLED9を発光させる第2特定パターンとにより発光演出を実行可能であり、第1特定パターンと第2特定パターンとでは、大当り信頼度が異なり、かつ特定色の発光周期が異なる。
これによれば、第1特定パターンと第2特定パターンとで、大当り信頼度を異ならせ、かつ特定色の発光周期を異ならせることで、特定色の発光周期の相違に着目させることが可能となり、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
この第3実施形態で説明した発光パターンによる発光演出について、発光演出を開始/終了するタイミング等を含む発光演出の原理や、発光演出を実現するためのデータ構成、制御手法については、第2実施形態と同様の手法を適用可能である。
[第4実施形態]
次に、発光パターンとして、特定色を含む色の変化の態様が共通する発光パターンを適用する実施形態について説明する。本実施形態では、色の変化の態様が共通する共通パターンによってLED9を発光させ、複数の共通パターンで、大当り信頼度を異ならせ、かつ特定色の発光周期を異ならせる点が特徴である。
図75は、この場合における発光制御生成用データのデータ構成の一例を示す図である。
この発光制御生成用データのデータ構成は、図65及び図66で説明した発光制御生成用データと同様であるが、データの内容が異なっている。
具体的には、図75に示す発光制御生成用データは、データ名が「dat21−1−a」のデータである。
フォーマット種別は「基本」であり、図8(2)の基本フォーマットを適用することが定められている。
アドレスは「08」であり、左枠LED9bに対応する発光体ドライバ413bに適用することが定められている。
データ送信周期は「10ms」であり、演出制御基板12から発光体ドライバ413bに対して10ms毎にデータを送信することが定められている。
単位発光時間は「100ms」であり、左枠LED9bに200msの単位発光時間で発光を行わせることが定められている。
発光制御周期は「200ms」である。該発光パターンの発光種別は「切替」であり、白色及び青色の切替(変化)による発光を行わせるため、単位発光時間100msの2倍の時間が発光制御周期として定められている。
フォーマット用データにおいて、発光順序には「1」〜「P」までの順序が定められている。発光順序「1」には、各グループのQデータ(RGB値)として「F、F、F」が定められ、発光順序「2」には、各グループのQデータ(RGB値)として「0、0、F」が定められ、発光順序「3」には、各グループのQデータ(RGB値)として「F、F、F」が定められ、発光順序「4」には、各グループのQデータ(RGB値)として「0、0、F」が定められている。以下同様である。これにより、白色の発光及び青色の発光が、それぞれ単位発光時間50ms毎に行われる。その結果、白青の発光が実現される。
図76は、本実施形態における発光パターンの一例及び各発光パターンに対応するRGB値の時間変化を示すタイミングチャートである。
図76(1)には、発光パターンSとして、大当り信頼度「低」に対応し、LED9を白色及び青色で発光させる例を示している。この例では、R値、G値及びB値を「F」とする第1発光(白色)と、B値を「F」とし、R値及びG値を「0」とする第2発光(青色)とを、切替単位発光時間Δtn1ずつ切り替えることで、白青の切替発光を実現している。
図76(2)には、発光パターンTとして、大当り信頼度「中」に対応し、LED9を白色及び青色で発光させる例を示している。この例では、R値、G値及びB値を「F」とする第1発光(白色)と、B値を「F」とし、R値及びG値を「0」とする第2発光(青色)とを、切替単位発光時間Δtn2ずつ切り替えることで、白青の切替発光を実現している。ここで、切替単位発光時間Δtn2は、図76(1)の切替単位発光時間Δtn1よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtn2<Δtn1)
図76(3)には、発光パターンUとして、大当り信頼度「高」に対応し、LED9を白色及び青色で発光させる例を示している。この例では、R値、G値及びB値を「F」とする第1発光(白色)と、B値を「F」とし、R値及びG値を「0」とする第2発光(青色)とを、切替単位発光時間Δtn3ずつ切り替えることで、白青の切替発光を実現している。ここで、切替単位発光時間Δtn3は、図76(2)の切替単位発光時間Δtn2よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtn3<Δtn2)。
図76(4)には、発光パターンVとして、大当り信頼度「最高」に対応し、LED9を白色及び青色で発光させる例を示している。この例では、R値、G値及びB値を「F」とする第1発光(白色)と、B値を「F」とし、R値及びG値を「0」とする第2発光(青色)とを、切替単位発光時間Δtn4ずつ切り替えることで、白青の切替発光を実現している。ここで、切替単位発光時間Δtn4は、図76(3)の切替単位発光時間Δtn3よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtn4<Δtn3)。
上記の発光パターンS、T、U、Vは、白色及び青色の発光を切り替えることで、色の変化の態様が共通する発光パターンを実現している。また、大当り信頼度が高いほど、白色及び青色の切替単位発光時間が短くなるように制御される。また、発光パターンS、T、U、Vは、複数色を変化させる発光パターンであるため、第2パターンに相当するとともに、色の変化の態様が共通する共通パターンに相当する。
なお、上記では、白青の切替発光を例に挙げて説明したが、同様にして、白緑の切替発光や白赤の切替発光を実現するようにしてもよい。
本実施形態において、演出制御用CPU120は、色の変化の態様が共通する複数の共通パターンにより第2パターンによる発光演出を実行可能であり、複数の共通パターンで、大当り信頼度が異なり、かつ共通色の発光周期が異なる。
これによれば、複数の共通パターンで、大当り信頼度が異なり、共通色の発光周期を異ならせることで、共通色の発光周期の相違に着目させることが可能となり、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
この第4実施形態で説明した発光パターンによる発光演出について、発光演出を開始/終了するタイミング等を含む発光演出の原理や、発光演出を実現するためのデータ構成、制御手法については、第2実施形態と同様の手法を適用可能である。
[5.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[5−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機1として説明したが、遊技メダルを用いて遊技者が遊技を行うことが可能なスロットマシンを本発明に係る遊技機として、上記の実施形態と同様の発光演出を実行するようにしてもよい。
[5−2.発光部]
上記の実施形態では、本発明に係る発光部を、左枠LED9b、天枠LED9a及び右枠LED9cの3種類として説明した。しかし、同様に、例えば盤側LED9d、9eを、本発明に係る発光部としてもよいことは勿論である。
また、例えば、演出用の可動部材(演出役物)をソレノイドを駆動させることによって動作させるように構成し、この演出役物にLEDを構成して役物LEDを、本発明に係る発光部としてもよい。
また、例えば、レーザー加工したアクリル板の側面等からLED光を照射し、特殊なパルス痕によって表面発光させるアクリル板として構成されるLED導光板等の導光板や、7セグ表示方式で表示を行うことが可能なセグ表示器、ドット表示方式で表示を行うことが可能なドット表示器等を発光部としてパチンコ遊技機1に構成し、これらの発光部を本発明に係る発光部として用いて、発光演出を実行するようにしてもよい。
[5−3.発光パターン]
上記の実施形態では、第1パターンとして、特定色を単色として発光部を発光させる発光パターンを例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、混色(RGBを所定の比率で混合した色等)を特定色として連続発光させる発光パターンを第1パターンとして、発光部を発光させるようにしてもよい。
同様に、上記の実施形態では、第1特定パターンとして、特定色を単色として点滅させた発光態様によりLED9を発光させる発光パターンを例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、混色(RGBを所定の比率で混合した色等)を特定色として点滅させる発光パターンを第1特定パターンとして、発光部を発光させるようにしてもよい。
また、発光パターンとして、以下のような発光パターンを定めておくこととしてもよい。
図77は、他の実施形態におけるにおける発光パターンの一例及び各発光パターンに対応するRGB値の時間変化を示すタイミングチャートである。
図77(1)には、発光パターンWとして、大当り信頼度「低」に対応し、LED9を白色及び青色で発光させる例を示している。この例では、R値、G値及びB値を「F」とする第1発光(白色)と、B値を「F」とし、R値及びG値を「0」とする第2発光(青色)とを、切替単位発光時間Δtn5ずつ切り替えることで、白青の切替発光を実現している。
図77(2)には、発光パターンXとして、大当り信頼度「中」に対応し、LED9を白色及び緑色で発光させる例を示している。この例では、R値、G値及びB値を「F」とする第1発光(白色)と、G値を「F」とし、R値及びB値を「0」とする第2発光(緑色)とを、切替単位発光時間Δtn6ずつ切り替えることで、白緑の切替発光を実現している。ここで、切替単位発光時間Δtn6は、図77(1)の切替単位発光時間Δtn5よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtn6<Δtn5)
図77(3)には、発光パターンYとして、大当り信頼度「高」に対応し、LED9を白色及び赤色で発光させる例を示している。この例では、R値、G値及びB値を「F」とする第1発光(白色)と、R値を「F」とし、G値及びB値を「0」とする第2発光(赤色)とを、切替単位発光時間Δtn7ずつ切り替えることで、白赤の切替発光を実現している。ここで、切替単位発光時間Δtn7は、図77(2)の切替単位発光時間Δtn6よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtn7<Δtn6)。
図77(4)には、発光パターンZとして、大当り信頼度「最高」に対応し、LED9を虹色で発光させる例を示している。この例では、RGB値それぞれを、切替単位発光時間Δtn8で、「F」→「0」→「F」→「0」→、・・・、と順番に変化させていくことで、虹色の発光を実現している。ここで、切替単位発光時間Δtn8は、図77(3)の切替単位発光時間Δtn7よりも短い時間とするように定めておくことができる(Δtn8<Δtn7)。
[5−4.発光制御]
上記の実施形態では、16進数で表現されるRGB値に基づいてLED9の発光を制御することとして説明したが、これはあくまでも一例に過ぎず、例えば、10進数(256階調:0〜255)で表現されるRGB値に基づいてLED9の発光を制御するようにしてもよい。
また、例えば、HSV(色相、彩度、明度)色空間に基づくモデリングによって発光制御用データを構成し、この発光制御用データを用いてLED9を発光させて、発光演出を実現するようにしてもよい。
また、RGBを1セットとする発光素子毎に、又は、RGBを1セットとする複数の発光素子毎に、発光単位としての発光領域を構成し、各発光領域それぞれを異なる発光色で発光させるようにしてもよい。例えば、複数の発光素子で構成される発光領域を構成し、それぞれの発光領域を異なる色で発光させてグラデーションを形成することで、虹色の発光を実現するようにしてもよい。
[5−5.発光演出時間]
上記の実施形態では、特別図柄の変動パターンに応じて、発光パターン毎に発光演出時間が定められていることとして説明した。しかし、このようにするのではなく、演出制御用CPU120が、主基板11から送信される変動パターンコマンドから特定される変動パターンに応じて、その都度、発光演出時間を決定して、該決定した発光演出時間でLED9の発光制御を行うようにしてもよい。
[5−6.特定色]
上記の実施形態では、特定色を青色、緑色、赤色等の単色として説明したが、特定色はこれらに限らず、これらの単色を混ぜることで生成される混色を、本発明に係る特定色としてもよい。
また、一般的に、「単色」といった場合、一色のみの混じりけのない色のことを意味する。この場合、RGBで考えると、一の成分のみに値を持たせ、他の成分については値を持たせない(0)としたものを単色と定義することが考えられる。しかし、遊技者が視覚的に単色と認識する色、つまり、遊技者が単色であると視認する色を単色として取り扱って、発光を制御するようにしてもよい。
具体的には、例えば「青色」といった場合、例えば256階調で、B値を「255」とし、R値及びG値を「1〜9」程度の微小な値とした場合であっても、遊技者は「青色」と視認するものと考えられる。「緑色」や「赤色」についても同様である。そこで、例えば、RGB値のうち、単色の主要素となる色に対応する成分の値は最大値とし、他の2成分については微小な値とする発光パターンを、単色の発光パターンとして定めておくようにしてもよい。つまり、実際には混色であっても、遊技者に単色と視認される色については単色とみなして、本発明を適用するようにしてもよい。
また、遊技者に特定の色と視認されるようにLED9を発光させればよいのであって、どのような発光制御手法を適用してLED9を発光させるかは設計事項であり、上記の実施形態で説明したシリアル−パラレル変換回路を用いた制御方法に限定されない。
[5−7.保留表示関連]
上記の実施形態において、演出制御用CPU120が、保留表示器25(第1保留表示器25A又は第2保留表示器25B)に表示される保留表示の表示態様(表示色、点灯/点滅等)に対応する発光パターンにより、LED9を発光させる発光演出を実行するようにしてもよい。
図78は、この場合に演出制御用CPU120が実行する保留表示予告演出決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、演出制御用CPU120は、中継基板15を介して、主基板11から始動入賞時判定結果指定コマンドを受信したか否かを判定する(B1)。
遊技制御用マイクロコンピュータ100側では、始動入賞時に、表示結果(大当りか否か)や変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(表示結果指定コマンド、変動パターン種別指定コマンド)を、始動入賞時判定結果コマンドとして演出制御基板12に送信する。
ここで、変動パターン種別には、「非リーチはずれ」、「ノーマルリーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「ノーマルリーチ大当り」、「スーパーリーチ大当り」といった変動パターンの種別が含まれる。B1では、この始動入賞時判定結果コマンドを主基板11から受信したか否かを判定する。
受信したと判定したならば(B1;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した始動入賞時判定結果指定コマンドに基づいて、ROM121に記憶されている先読み態様決定テーブル1219から保留表示の表示態様を決定する(B3)。演出制御用CPU120は、B3で決定した表示態様で、保留表示器25に保留表示を行わせるように制御する。
また、演出制御用CPU120は、B3で決定した保留表示の表示態様に基づいて、LED9の発光態様を決定する(B5)。演出制御用CPU120は、決定した発光態様に対応する発光パターンで、各LED9を発光させるように制御する。そして、演出制御用CPU120は、保留表示予告演出決定処理を終了する。
図79は、先読み態様決定テーブル1219のテーブル構成の一例を示す図である。
この先読み態様決定テーブルには、例えば、変動パターン種別と、保留表示とが対応付けて定められている。
変動パターン種別には、特別図柄の変動パターンの種別が定められている。
保留表示には、保留表示の表示態様として「点灯」、「点滅」といった保留表示の態様や、通常色、青色、緑色、赤色といった保留表示の表示色、又は、これらの組み合わせが定められている。また、保留表示には、該保留表示の表示態様を選択する選択割合が定められている。
具体的に説明する。
図79に示す先読み態様決定テーブル1219には、変動パターン種別として、「非リーチはずれ」、「ノーマルリーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「ノーマルリーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」が定められている。また、保留表示には、保留表示の表示態様として、「通常点灯」、「青色点灯」、「赤色点灯」、「赤色点滅」が定められている。
変動パターン種別「非リーチはずれ」について、保留表示には、選択割合として、「通常点灯」は「75%」、「青色点灯」は「25%」、「赤色点灯」及び「赤色点滅」は「0%」がそれぞれ定められている。
変動パターン種別「ノーマルリーチはずれ」について、保留表示には、選択割合として、「通常点灯」は「60%」、「青色点灯」は「20%」、「赤色点灯」は「15%」、「赤色点滅」は「5%」がそれぞれ定められている。
変動パターン種別「スーパーリーチはずれ」について、保留表示には、選択割合として、「通常点灯」は「20%」、「青色点灯」は「25%」、「赤色点灯」は「25%」、「赤色点滅」は「30%」がそれぞれ定められている。
変動パターン種別「ノーマルリーチ大当り」について、保留表示には、選択割合として、「通常点灯」は「10%」、「青色点灯」は「20%」、「赤色点灯」は「30%」、「赤色点滅」は「40%」がそれぞれ定められている。
変動パターン種別「スーパーリーチ大当り」について、保留表示には、選択割合として、「通常点灯」は「2%」、「青色点灯」は「8%」、「赤色点灯」は「40%」、「赤色点滅」は「50%」がそれぞれ定められている。
演出制御用CPU120は、変動パターン種別に応じて、上記の選択割合に従って、一の保留表示の表示態様を選択・決定する。この場合、「通常点灯」に決定した場合には、白色点灯の保留表示を行わせ、この白色点灯に対応する白点灯の発光パターンでLED9を発光させる。
「青色点灯」に決定した場合には、青色点灯の保留表示を行わせ、この青色点灯に対応する青点灯の発光パターンでLED9を発光させる。「赤色点灯」に決定した場合には、赤色点灯の保留表示を行わせ、この赤色点灯に対応する赤点灯の発光パターンでLED9を発光させる。また、「赤色点滅」に決定した場合には、赤色点滅の保留表示を行わせ、この赤色点滅に対応する赤点滅の発光パターンでLED9を発光させる。
このように、可変表示に対応する保留表示(特定表示)の表示態様に応じた発光パターンにより発光演出を実行することで、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
なお、ここでは可変表示に対応する特定表示を、実行が保留されている可変表示に対応する表示としての保留表示としたが、実行中の可変表示に対応する表示としてのアクティブ表示を特定表示として、該特定表示の表示態様に応じた発光パターンにより発光演出を実行するようにしてもよい。つまり、本発明に係る特定表示は、保留表示及びアクティブ表示を包括する可変表示対応表示とすることができる。
[5−8.発光演出開始/終了タイミング]
上記の実施形態で説明した発光演出開始タイミング及び発光演出終了タイミングはあくまでも一例であり、適宜設計変更可能であることは勿論である。
図80は、他の発光演出の原理を説明するための図である。
図80(1)は、発光演出の第1の例を示している。
この図では特定のスーパーリーチ演出における発光演出の制御例を示すタイミングチャートを示しており、バトルリーチ演出での発光演出の制御例を示している。
バトルリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図72(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置5において実行される。
演出表示装置5においては、時刻「tm1」においてリーチ状態が発生すると、図51(B)、(C)に示すように、メッセージ画像53が表示されるとともに、バトルリーチ演出に対応する対戦演出等の動画像が表示される。本実施形態では、このリーチ状態の発生に応じて、演出制御用CPU120が、発光演出の実行を開始する。つまり、発光演出の始期(開始タイミング)は、リーチ状態が発生したタイミング(時刻「tm1」)である。
図80(A)には、大当り信頼度が図80(B)、(C)の場合と比べて低く、変動表示結果が「ハズレ」となる例を示している。
この例では、バトルリーチ前半演出が終了する時刻「ts1」において、発光演出の実行を終了させる場合を示している。つまり、発光演出終了タイミングは時刻「ts1」であり、発光演出期間は時刻「tm1」〜「ts1」までの期間となる。また、この場合、演出制御用CPU120は、発光色AでLED9を発光させるように制御する。この場合における発光色Aは、単色の発光色であって、大当り信頼度が低いことを示す発光色(例えば白色や青色)とすればよい。
図80(B)には、大当り信頼度が図80(A)の場合と比べて高いが、図80(C)の場合と比べて低く、変動表示結果が「ハズレ」となる例を示している。
この例では、リーチ状態が発生した時刻「tm1」を発光演出開始タイミングとして、第1演出段階と、その後の第2演出段階との2つの演出段階を含む発光演出の例を示している。この例では、バトルリーチ前半演出が終了する時刻「ts1」において第1演出段階が終了し、その後に発展的に実行されるバトルリーチ後半演出が終了する時刻「ts2」において第2演出段階が終了する。つまり、発光演出全体としては、発光演出開始タイミングが時刻「tm1」、発光演出終了タイミングが時刻「ts2」であり、発光演出期間は時刻「tm1」〜「ts2」までの期間となる。
また、第1演出段階としては、演出開始タイミングが時刻「tm1」、演出終了タイミングが「ts1」であり、第1演出段階の演出期間は、時刻「tm1」〜「ts1」までの期間となる。また、第2演出段階としては、演出開始タイミングが「ts1」、演出終了タイミングが「ts2」であり、第2演出段階の演出期間は時刻「ts1」〜「ts2」までの期間となる。
ここで、演出制御用CPU120は、第1演出段階では、発光色AでLED9を発光させるように制御し、第2演出段階では、発光色BでLED9を発光させるように制御する。この場合における発光色Aは、単色の発光色であって、大当り信頼度が低いことを示す発光色(例えば白色や青色)とすればよく、発光色Bは、単色の発光色であって、大当り信頼度が中程度であることを示す発光色(例えば緑色)とすればよい。
図80(C)には、大当り信頼度が最高であり、変動表示結果が「大当り」となる例を示している。
この例では、リーチ状態が発生した時刻「tm1」を発光演出開始タイミングとして、第1演出段階と、その後の第2演出段階との2つの演出段階を含む発光演出の例を示している。この例では、バトルリーチ前半演出が終了する時刻「ts1」において第1演出段階が終了し、その後に発展的に実行されるバトルリーチ後半演出を経てリーチ結果演出及び停止図柄演出が実行され、最終的に変動表示が終了する時刻「ts3」において第2演出段階が終了する。つまり、発光演出全体としては、発光演出開始タイミングが時刻「tm1」、発光演出終了タイミングが時刻「ts3」であり、発光演出期間は時刻「tm1」〜「ts3」までの期間となる。
また、第1演出段階としては、演出開始タイミングが時刻「tm1」、演出終了タイミングが「ts1」であり、第1演出段階の演出期間は時刻「tm1」〜「ts1」までの期間となる。また、第2演出段階としては、演出開始タイミングが「ts1」、演出終了タイミングが「ts3」であり、第2演出段階の演出期間は時刻「ts1」〜「ts3」までの期間となる。
ここで、演出制御用CPU120は、第1演出段階では、発光色CでLED9を発光させるように制御し、第2演出段階では、特別発光色でLED9を発光させるように制御する。この場合における発光色Cは、単色の発光色であって、大当り信頼度が高いことを示す発光色(例えば赤色)とすればよく、特別発光色は、大当り信頼度が最高であることを示す発光色(例えば虹色)とすればよい。
また、上記の例において、第2演出段階の後に、特別発光色にてLED9を発光させる発光演出を実行するようにしてもよい。例えば、第1演出段階では、発光色A等(第1の特定色)にてLED9を発光させ、その後の第2演出段階では、発光色B、C等(第2の特定色)にてLED9を発光させ、第2演出段階に対応する期間の終了後に、特別発光色にてLED9を発光させる発光演出を実行してもよい。また、第3実施形態で例示した発光パターン(特定色で点滅させる発光パターン)や、第4実施形態で例示した発光パターン(特定色を含む色の変化の態様が共通する発光パターン)を適用してもよい。例えば、第1演出段階では、発光色A等(第1の特定色)を点滅させた発光態様によりLED9を発光させ、その後の第2演出段階では、発光色B、C等(第2の特定色)を点滅させた発光態様によりLED9を発光させ、第2演出段階に対応する期間の終了後に、特別発光色にてLED9を発光させる発光演出を実行するなどしてもよい。発光色や発光態様の組み合わせは、任意の組み合わせとすることができる。
このように、発光部を発光させる色や態様の異なる複数段階の発光演出を実行することで、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。また、第1演出段階や第2演出段階に対応する期間の終了後に、特別発光色でLED9を発光させる発光パターンによる発光演出を実行することで、遊技者に特別な期待感を抱かせることができる。
また、上記の実施形態では、リーチ状態が発生したタイミングを発光演出開始タイミングとしたが、これはあくまでも一例に過ぎず、リーチ状態が発生した後の特定のタイミングを発光演出開始タイミングとしてもよい。例えば、リーチ状態が発生してから一定時間(例えば10秒)が経過したタイミングを発光演出開始タイミングとしてもよい。
また、上記の図61や図80に示す各発光パターンでは、発光演出開始タイミング(時刻「tm1」)をいずれも共通のタイミングとして図示・説明したが、必ずしも全ての発光パターンついて発光演出開始タイミングを共通としなければならないわけではない。
具体的には、変動パターンや変動パターン種別に応じて発光演出開始タイミングを異ならせるようにしてもよいし、実行される演出の種類やリーチの種類に応じて発光演出開始タイミングを異ならせるようにしてもよい。
この場合、結果的に大当り信頼度が高くなる場合ほど、より時間的に遅いタイミングで発光演出を開始するように発光演出開始タイミングを定めておくようにしてもよい。また、逆に、結果的に大当り信頼度が高くなる場合ほど、より時間的に早いタイミングで発光演出を開始するように発光演出開始タイミングを定めておくようにしてもよい。
また、発光演出終了タイミング(図61の時刻「tn」、図80の「ts」)についても、上記の実施形態で示したのはあくまでも一例に過ぎず、適宜変更可能であることは勿論である。上記のように発光演出開始タイミングを共通とする場合であっても異ならせる場合であっても、結果的に大当り信頼度が高くなる場合ほど、より時間的に遅いタイミングで発光演出が終了するように発光演出終了タイミングや発光演出時間を定めておくようにすると好適である。
[5−9.遊技者の動作に基づく発光演出]
上記の実施形態におけるリーチ演出の実行中に、遊技者の所定動作に基づいて発光演出を実行するようにしてもよい。
具体的には、例えば、リーチ演出の実行後に、遊技者によりプッシュボタン31Bが押下され、プッシュセンサ35Bによってプッシュボタン31Bの押下が検知されたことで、プッシュセンサ35Bから検知信号が出力された場合に、演出制御基板12の演出制御用CPU120が、発光演出の実行を開始するようにしてもよい。
また、この場合、遊技者によるプッシュボタン31Bの押下回数、つまり、プッシュセンサ35がプッシュボタン31Bの押下を検知して、検知信号が出力された回数を内部的にカウントしておき、この押下回数が規定回数に達する毎に、LED9を発光させる発光色を変化させるようにしてもよい(例えば、青色→緑色→赤色→虹色)。
なお、上記の他にも、例えば、遊技者によりスティックコントローラ31Aが傾倒操作されて、コントローラセンサユニット35Bによってスティックコントローラ31Aの傾倒操作が検知され、検知信号が出力されたことを契機として、演出制御用CPU120が発光演出を実行するようにしてもよい。
また、この場合、スティックコントローラ31Aの傾倒角度に応じて、LED9を発光させる発光色を変化させるようにしてもよい。この場合は、スティックコントローラ31Aの傾倒角度に応じた数値範囲毎に、発光色をそれぞれ定めておき、演出制御用CPU120が、コントローラセンサユニット35Bによって検出された傾倒角度が含まれる数値範囲に対応する発光色に基づいて、LED9を発光させるようにすればよい。
また、スティックコントローラ31Aには、遊技者が把持する操作桿の所定位置にトリガボタンが設けられているため、このトリガボタンの押下操作が検知された場合に、演出制御用CPU120が発光演出を実行するようにしてもよい。
なお、上記の場合におけるボタン操作やスティック操作は、例えば、発光演出の実行に関わる隠し要素(隠し操作:隠しボタン)として、操作の実行を促す報知を行わないようにすることで、遊技興趣を向上させることができる。
ただし、必ずしも隠し要素としなければならないわけではなく、ボタン操作やスティック操作を促すメッセージや演出画像を演出表示装置5に表示させるなどして、遊技者にボタン操作やスティック操作を行わせるようにしてもよい。
このように、リーチ演出の実行中に、遊技者の所定動作に基づいて発光演出を実行することで、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120が、上記の遊技者によるボタン操作やスティック操作に応じて、発光演出の実行中に所定の効果音をスピーカ8から音出力させるようにしてもよい。
具体的には、例えば、ボタンの押下回数が規定回数(例えば10回)に達する毎や、スティックの傾倒角度が規定角度に達する毎に、スピーカ8から所定の効果音を音出力させるようにしてもよい。
この場合には、ボタンの押下回数やスティックの傾倒角度に応じて、継続発光における特定色を変化させたり(例えば、青色→緑色→赤色→虹色)、点滅発光における特定色の点灯・消灯(例えば、青点灯→青消灯)を変化させたり、切替発光における特定色を変化(例えば、白→青、青→白)を変化させるなどすればよい。
[5−10.発光部位毎の発光]
上記の実施形態において、パチンコ遊技機1に複数の発光部位で構成される発光部を構成し、複数の発光部位をそれぞれ異なる色で発光させる発光演出を実行するようにしてもよい。
具体的には、例えば、帽子状やスティック状、アーチ状等の形状の発光部であって、LED等の複数の発光部位で構成される発光体を構成し、複数の発光部位のLEDをグラデーション変化させて、上記の実施形態で説明した虹色の発光パターンによる発光演出を実現するようにしてもよい。
図81は、この場合における発光部位の色の時間変化の一例を示す図である。ここでは、第1発光部位、第2発光部位及び第3発光部位の3つの発光部位で構成される発光体を制御して、発光演出を実現する場合を例示している。
例えば、第1発光部位の発光色を「白→赤→橙→黄→緑→水色→青→紫→白→・・・」といったように順序で変化させる。この場合、第1発光部位の発光色を基準とし、例えば色を1つずらして、第2発光部位の発光色を「赤→橙→黄→緑→水色→青→紫→白→赤→・・・」の順序で変化させ、例えば色を2つずらして、第3発光部位の発光色を「橙→黄→緑→水色→青→紫→白→赤→橙→・・・」の順序で変化させる。
このように、発光部を構成する複数の発光部位を異なる色で発光させる特別パターンにより発光演出を実行することで、発光演出の演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
[5−11.先読み予告演出]
演出制御用CPU120が、先読み予告演出を実行するようにし、この先読み予告演出の実行に対応させて、発光演出を実行するようにしてもよい。
具体的には、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルには、予告対象となる変動表示に対応する始動入賞に基づいて主基板11から送信される変動カテゴリコマンドの指定内容に応じて、先読み予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、先読み予告演出を実行する場合における複数の先読み予告パターンなどに、割り当てられていればよい。
この場合は、例えば、先読み予告パターンに対応させて、上記の実施形態と同様に複数の発光パターンを定めておく。そして、演出制御用CPU120が、乱数回路124等から抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照して、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとを決定する。そして、決定した先読み予告パターンに対応する発光パターンを選択して、上記の実施形態で説明した発光演出を実行するようにすればよい。