[go: nahoru, domu]

JP4171228B2 - Soluble type RAGE measurement method - Google Patents

Soluble type RAGE measurement method Download PDF

Info

Publication number
JP4171228B2
JP4171228B2 JP2002048096A JP2002048096A JP4171228B2 JP 4171228 B2 JP4171228 B2 JP 4171228B2 JP 2002048096 A JP2002048096 A JP 2002048096A JP 2002048096 A JP2002048096 A JP 2002048096A JP 4171228 B2 JP4171228 B2 JP 4171228B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
rage
soluble rage
sequence
antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002048096A
Other languages
Japanese (ja)
Other versions
JP2003128700A (en
Inventor
博 山本
賢一 小幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Pharma Chemical Co Ltd filed Critical Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
Priority to JP2002048096A priority Critical patent/JP4171228B2/en
Publication of JP2003128700A publication Critical patent/JP2003128700A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4171228B2 publication Critical patent/JP4171228B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒト由来の可溶型 RAGE ポリペプチドに対する抗体、それを用いたスクリーニング、測定検査、診断、治療のための用途に関する。
【0002】
【従来技術】
近年糖尿病患者数は増加の一途を辿り、1998年の厚生省統計では我が国の推定罹患人口は690 万人、予備軍を含めると1400万人と報告されている。糖尿病患者の生命予後と quality of life (QOL)を直接左右するのは、一次的なインスリン作用不足ではなく、高血糖の結果二次的に起こる全身各部の血管障害すなわち血管合併症である。したがって、糖尿病合併症の成因を明らかにし、また、如何にこれを克服するかを解明することは緊急な解決を要する国民的研究課題である。発明者らは、糖尿病合併症の発症・進展に関わる環境因子ならびに遺伝因子につき探索してきた結果、前者として糖尿病状態で加速的に形成・蓄積される後期糖化反応生成物(advanced glycation endproducts, AGE) 、後者としてはAGE を認識・結合する細胞表面特異受容体(receptor for AGE, RAGE)と下流にあるシグナル分子群・エフェクター遺伝子群が重要であることを培養血管細胞を用いた試験管内実験ならびにトランスジェニック動物を用いた個体レベルでの実験から明らかにした(J. Biol. Chem., 272, 8723-8730, 1997; 275, 27781-25790, 2000; J. Clin. Invest., 108, 261-268, 2001)。
【0003】
従来、糖尿病血管合併症には感受性/抵抗性遺伝要因が存在することが知られているが、その実体については未だ不明である。
AGE は、糖尿病や老化に伴った様々な合併症に関与することが指摘され、モノサイト/マクロファージ、ニューロン、平滑筋細胞、内皮細胞などの細胞表面に発現される受容体などの細胞表面受容体と結合することも知られている。AGE はこうした受容体(レセプター)と相互作用し、様々な生理的及び生物学的作用を生体や細胞に及ぼすと考えられている。AGE は、例えば、内皮細胞に対してはそれを増殖させたり、また透過性や血栓形成を高める。また、モノサイト/マクロファージなどでは、サイトカインの放出を促したり、さらには細胞の増殖、移動、マトリックスの合成に関与する各種ファクターの放出を促したりする。さらに、脈管壁における炎症反応にも関与することも疑われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
AGE はその受容体(レセプター)と相互作用し、様々な生理的及び生物学的作用を生体や細胞に及ぼし、その結果、様々な疾患や病気を引き起こしたり、悪化させる働きをしている証拠が明らかにされつつあるので、AGE と RAGE との間の相互作用に影響を与える物質を明らかにし、様々な疾患や病気の原因及びその予防や治療、診断をできるようにすることが求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ごく最近本発明者の山本は、ヒト血管細胞で発現するRAGE蛋白に分子多様性があり、これはRAGE遺伝子転写産物のオルタナティブ スプライシングによることを明らかにし(図1参照)、そして、主要分子種の一つが可溶型RAGE蛋白で、膜結合領域を欠くため細胞外に分泌される一方、成熟膜結合型蛋白と同一の細胞外ドメインをもつため、AGE を捕捉しうることを見出した。実際、組み換えヒト可溶型RAGE蛋白を精製しAGE リガンドとの結合実験を行うと、高い親和性で種々のAGE 画分と結合することが立証された。したがって、もしこの可溶型RAGE蛋白の発現の程度に個人差があれば、当該蛋白の血中レベルが高い患者は糖尿病合併症を起こしにくく、逆に血中レベルが低ければ合併症を起こしやすいという可能性が想定される。
かくして、このヒト可溶型RAGE蛋白に対するモノクローナル抗体を作製し、これを用いた当該タンパクの測定系を開発し、糖尿病合併症発症・進展のリスク予知を図ることを目的とする。本発明は、新規な可溶型RAGEポリペプチドあるいはその塩に特異的に免疫反応する抗体及びその各種用途、例えばスクリーニング、診断あるいは治療用途を提供する。
【0006】
本発明は、
〔1〕 次のものに対する抗体:
(1)(A)可溶型 RAGE ポリペプチド若しくは
(B) (i)該可溶型 RAGE のアミノ酸配列と少なくとも60% の相同性を有し且つ
(ii) (a) 可溶型 RAGE のアミノ酸配列のうちの少なくとも 5〜347 個の連続したアミノ酸残基を有するもの、
(b) 膜結合型RAGEの有している膜貫通ドメインを欠失し且つC 末端側には配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Glu332〜Met347のうちの少なくとも 1〜16個の連続したアミノ酸残基を有するもの、
(c) 配列表の配列番号:2のN 末端側アミノ酸配列Met1〜Val117のうちの少なくとも 1〜117 個の連続したアミノ酸残基を有し且つ膜結合型RAGEの有している膜貫通ドメインを欠失しているもの、
(d) 膜結合型RAGEの有しているN 末端側アミノ酸配列の1 〜117 個の連続したアミノ酸残基のうちの少なくとも 1〜117 個の連続したアミノ酸残基を有し且つその C末端側には配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Glu332〜Met347のうちの少なくとも 1〜16個の連続したアミノ酸残基を有するもの、及び
(e) 配列表の配列番号:2のアミノ酸配列を有するものあるいはそれと実質的に同等の生物活性を示すもの
から成る群から選ばれたポリペプチドまたはその塩、
(2) 配列表の配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち、
(i) 少なくとも連続した5 〜115 個のアミノ酸残基を有するもの、
(ii) 少なくとも連続した116 〜230 個のアミノ酸残基を有するもの、
(iii) 少なくとも連続した231 〜347 個のアミノ酸残基を有するもの、
(iv) 第1番目〜第117 番目のアミノ酸配列のうちの少なくとも1個以上の連続したアミノ酸残基を有するもの、
(v) 第332 番目〜第347 番目のアミノ酸配列のうちの少なくとも1個以上の連続したアミノ酸残基を有するもの、
(vi) 第19番目〜第347 番目のアミノ酸配列を有するもの、
(vii) 第1番目〜第347 番目のアミノ酸配列を有するもの、及び
(viii) それらのいずれか一つと実質的に同等のアミノ酸配列を有するもの
からなる群から選ばれたポリペプチドまたはその塩、
(3) 前記(1) 又は(2) のポリペプチドのうち、AGE とそのレセプターの間の相互作用、可溶型RAGEの発現量及び/又はAGE 捕捉活性の変化に起因した疾患に対して活性を有するポリペプチドまたはその塩、あるいは
(4) 前記(1) 〜(3) のいずれか一記載のポリペプチドの部分ペプチドまたはその塩;
【0007】
〔2〕 上記〔1〕の(1) 〜(4) のいずれか一記載のポリペプチドまたはその塩と特異的に免疫反応する抗体を測定試薬として用いることを特徴とする上記〔1〕の(1) 〜(4) のいずれか一記載のポリペプチドまたはその塩の免疫学的測定方法;
〔3〕 上記〔1〕の(1) 〜(4) のいずれか一記載のポリペプチドまたはその塩と特異的に免疫反応する抗体を含むことを特徴とする組成物;
〔4〕 上記〔1〕の(1) 〜(4) のいずれか一記載のポリペプチドまたはその塩と特異的に免疫反応する抗体を含むことを特徴とする上記〔1〕の(1) 〜(4) のいずれか一記載のポリペプチドまたはその塩の免疫学的測定試薬;
〔5〕 上記〔1〕記載の抗体を含有していることを特徴とする医薬;
〔6〕 上記〔1〕記載の抗体を含有していることを特徴とするAGE とそのレセプターの間の相互作用、可溶型RAGEの発現量及び/又はAGE 捕捉活性の変化に起因した疾患診断剤;
〔7〕 上記〔1〕記載の抗体を使用した、可溶型RAGEの産生を亢進し、糖尿病合併症の発症及び/又は進展を防ぐ化合物のスクリーニング方法又はスクリーニングキット;
〔8〕 上記〔1〕記載の抗体を使用した、体液中の可溶型RAGEを検出し、糖尿病合併症、老化に付随した各種疾患、アルツハイマー病、動脈硬化症、生体内タンパク質のグリケーション化に起因した疾患あるいは病気の発症及び/又は進展、腫瘍の浸潤又は拡散を予知する方法;及び
〔9〕 上記〔1〕記載の抗体を使用し、可溶型RAGEの産生をスクリーニングすることにより得られる、可溶型RAGE産生制御化合物を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、
〔10〕 配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Glu332〜Met347のうちの少なくとも 4〜16個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドまたはその塩と特異的に免疫反応する抗体;
〔11〕 上記〔10〕記載の抗体を測定試薬として用いることを特徴とする上記〔1〕の(1) 〜(4) のいずれか一記載のポリペプチドまたはその塩の免疫学的測定方法;
〔12〕 上記〔10〕記載の抗体を含むことを特徴とする組成物;
〔13〕 上記〔10〕記載の抗体を含むことを特徴とする上記〔1〕の(1) 〜(4) のいずれか一記載のポリペプチドまたはその塩の免疫学的測定試薬;
〔14〕 上記〔10〕記載の抗体を含有していることを特徴とする医薬;
〔15〕 上記〔10〕記載の抗体を含有していることを特徴とするAGE とそのレセプターの間の相互作用、可溶型RAGEの発現量及び/又はAGE 捕捉活性の変化に起因した疾患診断剤;
〔16〕 固相化された抗体である上記〔1〕又は〔10〕記載の抗体;
〔17〕 標識化された抗体である上記〔1〕又は〔10〕記載の抗体;
〔18〕 ヒト化された抗体である上記〔1〕又は〔10〕記載の抗体;
〔19〕 上記〔1〕、〔10〕又は〔18〕記載の抗体を使用したAGE とそのレセプターの間の相互作用、可溶型RAGEの発現量及び/又はAGE 捕捉活性の変化に起因した疾患の治療及び/又は予防法;
【0009】
〔20〕 上記〔1〕、〔10〕、〔16〕、〔17〕又は〔18〕記載の抗体をアフィニティ・クロマトグラフィーなどのアフィニティプローブとして使用すること;
〔21〕 糖尿病合併症、老化に付随した各種疾患、アルツハイマー病、腫瘍の浸潤又は拡散、動脈硬化症、生体内タンパク質のグリケーション化に起因した疾患あるいは病気の診断あるいは検知のための上記〔2〕又は〔11〕記載の測定方法;
〔22〕 糖尿病合併症、老化に付随した各種疾患、アルツハイマー病、腫瘍の浸潤又は拡散、動脈硬化症、生体内タンパク質のグリケーション化に起因した疾患あるいは病気の診断あるいは検知のための上記〔4〕又は〔13〕記載の試薬;及び
〔23〕 糖尿病合併症、老化に付随した各種疾患、アルツハイマー病、腫瘍の浸潤又は拡散、動脈硬化症、生体内タンパク質のグリケーション化に起因した疾患あるいは病気の治療及び/又は予防用の上記〔5〕又は〔14〕記載の医薬を提供する。
また、本発明は、新規な可溶型RAGEに特異的に免疫反応する抗体、それらのスクリーニング、診断あるいは治療目的の用途を提供する。本発明は、可溶型RAGEに関係した遺伝子診断技術を提供し、例えば糖尿病、がん、アルツハイマー病などへの罹患抵抗性・感受性決定の一素因と考えられる新規な可溶型RAGEの発現や多型を遺伝子診断し、さらに、当該診断結果に基づき関連疾患罹病へのリスクを下げるような遺伝子治療技術を提供する。
【0010】
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
本明細書において、用語「及び/又は」とは、 (1)併合的接続関係と (2)選択的接続関係の両方が存在することを意味しており、例えば「治療及び/又は予防」の場合では (1)治療及び予防並びに (2)治療又は予防の両方を包含する意味で使用されている。その他においても用語「及び/又は」は同様に (1)併合的接続関係と (2)選択的接続関係の両方を包含する意味で使用されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本明細書において「可溶型RAGE」とは、糖尿病性合併症と関連の深いReceptor for advanced glycation endproducts (RAGE)に関連したペプチドであって、RAGEのスプライシング バリアントで膜貫通領域を有しない本発明で開示されている新規なペプチドを指している。該可溶型RAGEは、347 個のアミノ酸残基からなるペプチドであり、そのC 末端側には特徴的な配列GluGlyPheAspLysValArgGluAlaGluAspSerProGlnHisMetを有しており、膜貫通型RAGE(膜型RAGE又は膜結合型RAGEともいう)に存在する膜貫通ドメインを欠いていることを特徴としている。該可溶型RAGEは、advanced glycation endproducts (AGEs) 結合活性を有するか、あるいはAGE とそのレセプターの間の相互作用に阻害あるいは抑制活性を有することが挙げられる。典型的には、本発明の可溶型RAGEは、生体内に存在する天然型ペプチド(内在性ペプチドあるいは内因性ペプチド)で、C末端部分の16個のアミノ酸残基においてRAGE蛋白質と異なっているものである。本発明の代表的な可溶型RAGEとしては、配列表の配列番号:1のDNA でコードされて産生されるポリペプチド、例えば配列表の配列番号:2のアミノ酸配列またはそれと実質的に同等なアミノ酸配列を有するポリペプチドが挙げられる。また、本発明の代表的な可溶型RAGEは、配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Glu332〜Met347のうちの少なくとも 1〜16個の連続したアミノ酸残基をそのC 末端側に有し且つAGE 結合活性を有するもの、配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Met1〜Val117のうちの少なくとも 1〜117 個の連続したアミノ酸残基をN 末端側に有し且つAGE 結合活性を有するもの、あるいはそれらの特徴を有し且つ配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Tyr118〜Gly331に対し少なくとも60% の相同性を有するものなどで、新規なものが挙げられる。
【0012】
本明細書で用いる用語「ポリペプチド」としては、以下に記載するような如何なるポリペプチドを指すものであってもよい。ポリペプチドの基本的な構造は周知であり、当該技術分野において非常に数多くの参考書及びその他の刊行物に記載がある。こうしたことに鑑み、本明細書で用いる用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合又は修飾したペプチド結合により互いに結合しているような2個又はそれ以上のアミノ酸を含む任意のペプチド又は任意のタンパク質を意味する。本明細書で用いる用語「ポリペプチド」としては、当該分野において通常、例えばペプチド、オリゴペプチドあるいはペプチドオリゴマーとも称せられる短い鎖のもの、及びタンパク質と一般的に言われ、多くの形態のものが知られている長い鎖のものの両方を意味してよい。ポリペプチドは、しばしば、通常、20種の天然型アミノ酸(天然に存在しているアミノ酸: あるいは遺伝子でコードされるアミノ酸)と称されるアミノ酸(20個存在している)以外のアミノ酸を含有していてもよい。ポリペプチドは、また末端アミノ酸残基を含めて、その多くのアミノ酸残基が翻訳された後にプロセッシング及びその他の改変(あるいは修飾)されるといった天然の工程によるのみならず、当業者に周知の化学的改変技術によっても、上記のポリペプチドはそれが改変(修飾)できることは理解されよう。該ポリペプチドに加えられる改変(修飾)については、多くの形態のものが知られており、それらは当該分野の基礎的な参考書及びさらに詳細な論文並びに多数の研究文献にも詳しく記載されており、これらは当業者に周知である。幾つかのとりわけ常套的な改変・修飾としては、例えばグリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のγ−カルボキシル化、水酸化及びADP-リボシル化等が挙げられ、例えばT. E. Creighton, Proteins-Structure and Molecular Properties, Second Edition, W. H. Freeman and Company, New York, (1993); B.C.Johnson (Ed.), Posttranslational Covalent Modification of Proteins, Academic Press, New York, (1983) (Wold, F., "Posttranslational Protein Modifications: Perspective and Prospects", pp.1-12); Seifter et al., "Analysis for Protein Modifications and nonprotein cofactors", Meth. Enzymol., 182: 626-646 (1990); Rattan et al., "Protein Synthesis: Posttranslational Modification and Aging", Ann. N. Y. Acad. Sci., 663: p.48-62 (1992)等の記載を参照できる。
【0013】
本発明の「ポリペプチド」としては、特には可溶型RAGE及びその関連ポリペプチドを包含する。該可溶型RAGE及びその関連ポリペプチドとしては、ヒト由来のものが挙げられ、可溶性でAGE 結合活性を有するものあるいは膜貫通型RAGEに存在する膜貫通ドメインを欠いているもの、例えば膜貫通領域を有しないAGE 結合活性を有するものが挙げられ、代表的にはC 末端側に特徴的な配列GluGlyPheAspLysValArgGluAlaGluAspSerProGlnHisMetを有しているものが挙げられ、より具体的には、配列表の配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち、少なくとも第332 位〜第347 位のアミノ酸配列を有するもの、第1 位〜第117 位のアミノ酸配列を有するもの、同第19位〜第347 位のアミノ酸配列を有するもの、同第1位〜第347 位のアミノ酸配列を有するもの、及びそれらのいずれか一つと少なくとも60% より高い相同性、好ましくは70% 以上の相同性、さらに好ましくは80% 以上の相同性、また好ましくは85% 以上の相同性、もっと好ましくは90% 以上の相同性、より好ましくは95% 以上の相同性、特に好ましくは97% 以上の相同性を有し且つAGE 結合活性、AGE とそのレセプターの間の相互作用に対する阻害あるいは抑制活性あるいは同等の抗原性などといった実質的に同等の生物学的活性を有するアミノ酸配列を有するものがすべて挙げられる。
【0014】
本発明のヒト可溶型RAGEとしては、膜に結合していない遊離のもの、可溶性のAGE 結合活性を有するもの、膜貫通型RAGEに存在する膜貫通ドメインを欠いているもの、C 末端側にGlu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met あるいはその一部を有し、RAGEファミリーのスプライシング バリアントの一種であるもので且つ新規なアミノ酸配列を有するものであればよい。より好ましくは、本発明のペプチドとしては、RAGEファミリーと少なくとも60% より高い相同性を持つアミノ酸配列を有するもののうち、膜貫通ドメインを欠くだけでなく、配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Glu332〜Met347のうちの少なくとも 1〜16個の連続したアミノ酸残基を有するものが挙げられ、特には配列表の配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち、少なくとも第332 位〜第347 位のアミノ酸配列部位、第1 位〜第117 位のアミノ酸配列部位あるいはそれの主要部位(例えば、該第332 位〜第347 位の全部又は一部を含む連続したアミノ酸残基、あるいは該第1 位〜第347 位のうちの連続したアミノ酸残基5個以上、好ましくは10個以上、また好ましくは20個以上、さらに好ましくは30個以上、より好ましくは40個以上、また好ましくは50個以上、さらに好ましくは60個以上、もっと好ましくは70個以上、また好ましくは80個以上、さらに好ましくは90個以上、もっとも好ましくは100 個以上、また好ましくは110 個以上) を有するものが挙げられる。代表的には、本発明のペプチドは、配列表の配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち、少なくとも第19位〜第347 位のアミノ酸配列を有するもの、及びそれらのいずれか一つと実質的に同等のアミノ酸配列を有するものからなる群から選ばれたものである。さらに本発明のペプチドとしては、配列表の配列番号:2で表されるアミノ酸配列の一部または全部を有していてもよい。こうした配列を有するものはすべて包含されてよい。
【0015】
本明細書中、「相同性」とは、ポリペプチド配列(あるいはアミノ酸配列)又はポリヌクレオチド配列(あるいは塩基配列)における2本の鎖の間で該鎖を構成している各アミノ酸残基同志又は各塩基同志の互いの適合関係において同一であると決定できるようなものの量(数)を意味し、二つのポリペプチド配列又は二つのポリヌクレオチド配列の間の配列相関性の程度を意味するものである。相同性は容易に算出できる。二つのポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列間の相同性を測定する方法は数多く知られており、「相同性」(「同一性」とも言われる)なる用語は、当業者には周知である (例えば、Lesk, A. M. (Ed.), Computational Molecular Biology, Oxford University Press, New York, (1988); Smith, D. W. (Ed.), Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Academic Press, New York, (1993); Grifin, A. M. & Grifin, H. G. (Ed.), Computer Analysis of Sequence Data: Part I, Human Press, New Jersey, (1994); von Heinje, G., Sequence Analysis in Molecular Biology, Academic Press, New York, (1987); Gribskov, M. & Devereux, J. (Ed.), Sequence Analysis Primer, M-Stockton Press, New York, (1991) 等) 。二つの配列の相同性を測定するのに用いる一般的な方法には、Martin, J. Bishop (Ed.), Guide to Huge Computers, Academic Press, San Diego, (1994); Carillo, H. & Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073 (1988) 等に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。相同性を測定するための好ましい方法としては、試験する二つの配列間の最も大きな適合関係部分を得るように設計したものが挙げられる。このような方法は、コンピュータープログラムとして組み立てられているものが挙げられる。二つの配列間の相同性を測定するための好ましいコンピュータープログラム法としては、GCG プログラムパッケージ (Devereux, J. et al., Nucleic Acids Research, 12(1): 387 (1984)) 、BLASTP、BLASTN、FASTA (Atschul, S. F. et al., J. Molec. Biol., 215: 403 (1990)) 等が挙げられるが、これらに限定されるものでなく、当該分野で公知の方法を使用することができる。
【0016】
本発明の可溶型RAGEをコードする核酸は、代表的には配列表の配列番号:2で表されるペプチド及びその一部の連続したアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有するもの、例えば、配列表の配列番号:1で表される塩基配列の少なくとも25-1068 位により構成される塩基配列を含有するもの、配列表の配列番号:1で表される塩基配列の少なくとも136-1065位により構成される塩基配列を含有するもの、及び配列表の配列番号:1で表される塩基配列の25-27 位のATG から1066-1068 位のTGA より構成される塩基配列を含有するもの(1066-1068 の終止コドンTGA は、TAA またはTAG であってもよい)であることができるし、配列表の配列番号:1で表される塩基配列の25位から1065位の塩基配列を含有するもの、塩基配列に開始コドン (Met をコードするコドン) 及び終止コドンを付加したもの、また、該塩基配列がコードするタンパク質と少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を持ち且つ配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Glu332〜Met347のうちの少なくとも 1〜16個の連続したアミノ酸残基を有し、尚且つAGE 結合活性、AGE とそのレセプターの間の相互作用に対する阻害あるいは抑制活性を有するかあるいは同等の抗原性などのそれと実質的に同等の生物学的活性を有するペプチドをコードするといったそれと同効の塩基配列を含有するものであれば如何なるものであってもよい。該可溶型RAGEをコードする核酸は、一本鎖DNA 、二本鎖DNA 、RNA 、DNA:RNA ハイブリッド、合成DNA などの核酸であり、またヒトゲノムDNA 、ヒトゲノミックDNA ライブラリー、ヒト組織・細胞由来のcDNA、合成DNA のいずれであってもよい。該可溶型RAGEをコードする核酸の塩基配列は、修飾(例えば、付加、除去、置換など)されることもでき、そうした修飾されたものも包含されてよい。さらには、以下説明するように、本発明の核酸は、本発明のペプチドあるいはその一部をコードするものであってよく、好ましいものとしてはDNA が挙げられる。また上記「同効の塩基配列」とは、例えばストリンジェントな条件で配列表の配列番号:1の塩基配列のうちの連続した5個以上の塩基配列、好ましくは10個以上の塩基配列、より好ましくは15個以上の塩基配列、さらに好ましくは20個以上の塩基配列とハイブリダイズし、該可溶型RAGEと実質的に同等のアミノ酸配列をコードするものなどが挙げられる。
【0017】
配列表の配列番号:1で表される塩基配列またはそれと同効の塩基配列を含有する本発明のDNA は、例えば以下に示す方法によって取得できる。
なお、遺伝子組換え技術は、例えば J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd edition)", Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989); D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995);日本生化学会編、「続生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、東京化学同人 (1986);日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸 III(組換えDNA 技術)」、東京化学同人 (1992); R. Wu ed., "Methods in Enzymology", Vol. 68 (Recombinant DNA), Academic Press, New York (1980); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100 (Recombinant DNA, Part B) & 101 (Recombinant DNA, Part C), Academic Press, New York (1983); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 153 (Recombinant DNA, Part D), 154 (Recombinant DNA, Part E) & 155 (Recombinant DNA, Part F), Academic Press, New York (1987); J. H. Miller ed., "Methods in Enzymology", Vol. 204, Academic Press, New York (1991); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 218, Academic Press, New York (1993)などに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法あるいはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる (それらの中にある記載はそれを参照することにより本明細書の開示に含められる) 。
【0018】
クローニングされているヒト由来のcDNAライブラリー、例えば種々のヒト由来の組織あるいは培養細胞(特には、ヒトの腎臓、脳、松果体、下垂体後葉、神経細胞、網膜、網膜血管細胞、網膜神経細胞、胸腺、血管、内皮細胞、血管平滑筋細胞、血液細胞、マクロファージ、リンパ球、精巣、卵巣、子宮、腸、心臓、肝臓、膵臓、小腸、大腸、歯肉関連細胞、皮膚関連細胞、糸球体細胞、尿細管細胞、結合組織細胞などの組織・細胞等)cDNAライブラリーから得られたcDNA挿入配列を持つプラスミドを、適当な検知系によって、AGE 結合活性あるいはAGE とそのレセプターの間の相互作用に対する阻害あるいは抑制活性のうちの少なくとも一つの活性を指標にして選別を行う。この検索手法は、繰り返し行なうことができる。こうして同定された核酸につき、その配列決定する。また、同定された配列に基づいて適切なプライマーを設計・合成し、場合によっては、同定された配列のオリジンである動物由来のcDNAライブラリーを用いるなどし、目的の配列をポリメラーゼ・チェイン・リアクション(polymerase chain reaction: PCR)増幅する。得られたDNA 断片はそれをプローブに種々のヒト組織あるいは培養細胞等から構築されたヒトゲノミック DNAライブラリーあるいはヒト由来cDNAライブラリーをスクリーニングし、プローブにハイブリダイズするクローンを選択し、該クローン中の(c)DNAの挿入配列の塩基配列を決定し、新規な可溶型RAGE及びそれに関連する塩基配列を有するDNA 断片を決定・取得することもできる。必要に応じて該クローン中の DNAの挿入配列はサブクローニングすることができる。こうして解析された新規なポリペプチドをコードしている核酸を有していると考えられるDNA 配列を基に、該可溶型RAGE及びそれに関連する塩基配列をコードする遺伝子を取得することも可能である。また、解析された該新規な可溶型RAGE及びそれに関連する遺伝子配列(DNA配列) を基にセンスプライマーとアンチセンスプライマーをデザインし、合成することができる。センスプライマーは、好ましくは解析された該所望のペプチドと推定されるコード配列の5'端側のエキソン部位から選んで合成することができ、アンチセンスプライマーは、好ましくは解析された該所望のペプチドと推定されるコード配列の3'端側のエキソン部位から選んで合成することができ、より好ましくは該センスプライマー合成に利用したエキソン部位以外から選ぶことができる。
【0019】
当該cDNAは、その全長を一度に入手することを目指してもよいが、解析されたエキソン部位 (複数のエキソン部位) を利用して、複数のプライマーをデザインして合成し、複数のPCR をデザインして行い(必要に応じて塩基配列決定されたDNA 断片を解析して、当該cDNAの全塩基配列を決定し、それに基づいてクローニングし)、得られたDNA 断片から当該所望のcDNAを得ることができる。プライマーは、好ましくは 5個以上の塩基、さらに好ましくは10個以上の塩基からなるオリゴヌクレオチド、より好ましくは18〜25個の塩基からなるオリゴヌクレオチドが挙げられる。プライマーの作製は、当該分野で知られた方法で行うことができ、代表的にはフォスフォジエステル法、フォスフォトリエステル法、フォスフォアミダイト法などにより合成でき、例えば自動DNA 合成装置、例えば、model 381A DNA synthesizer (Applied Biosystems) などを用いて合成できる。cDNAライブラリーと前記のセンスプライマー及びアンチセンスプライマーを用いてPCR を行い、cDNAを増幅することもできる。また、当該核酸の取得には、上記のようにして同定されたクローンから特異的なハイブリダイゼーションプローブを調製し、ヒト由来DNA ライブラリーをスクリーニングし、プローブにハイブリダイズするクローンを選択することにより行うことができる。プローブなどを放射性同位体などによって標識するには、市販の標識キット、例えばランダムプライム DNAラベリングキット (Boehringer Mannheim)などを使用して行うことができる。例えば、random-primingキット (Pharmacia LKB, Uppsala) などを使用して、プローブ用DNA を [α-32P]dCTP (Amersham)などで標識し、放射活性を持つプローブを得ることができる。
【0020】
さらに鋳型として用いるcDNAライブラリーは、市販の種々の組織由来cDNAライブラリーを直接使用することもでき、例えばStratagene, Invitrogen, Clontechなどから市販されたcDNAライブラリーを用いることができる。典型的な例では、該標識DNA 断片とヒト組織・細胞から調製した遺伝子ライブラリー、例えばヒトP1 artificial chromosome ゲノミックライブラリー(Human Genome Mapping Resource Center)、ヒト脳cDNAライブラリー (例えば、Clontechなどから入手可能) を用い、ハイブリダイゼーションを行う。ヒト脳cDNAライブラリーは、例えば、λgt10などのファージ中に構築することができ、それを大腸菌C600hfl 株などの宿主大腸菌に感染させ、プラークを形成させて得ることができる。必要に応じて該クローン中のcDNAの挿入配列はサブクローニングすることができる。決定された塩基配列を基にして、目的とするDNA を単離することもできる。
塩基配列の決定は、ダイデオキシ法、例えば M13ダイデオキシ法など、Maxam-Gilbert 法などを用いて行うことができるが、市販のシークエンシングキット、例えば Taqダイプライマーサイクルシークエンシングキット(Applied Biosystems)、Sequenase v 2.0 kit などを用いたり、自動塩基配列決定装置、例えば蛍光DNA シーケンサー装置 (例えば、Model 373A, Applied Biosystems) などを用いて行うことが出来る。ダイデオキシ法に用いられるポリメラーゼとしては、例えば、DNA ポリメラーゼ Iのクレノー・フラグメント、AMV 逆転写酵素、Taq DNA ポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、修飾 T7 DNA ポリメラーゼなどが挙げられる。
【0021】
本明細書中、「ポリメラーゼ・チェイン・リアクション(Polymerase Chain Reaction) 」又は「PCR 」とは、一般的に、米国特許第 4683195号明細書などに記載されたような方法を指し、例えば、所望のヌクレオチド配列をインビトロで酵素的に増幅するための方法を指している。一般に、PCR 法は、鋳型核酸と優先的にハイブリダイズすることのできる2個のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、プライマー伸長合成を行うようなサイクルを繰り返し行うことを含むものである。典型的には、PCR 法で用いられるプライマーは、鋳型内部の増幅されるべきヌクレオチド配列に対して相補的なプライマーを使用することができ、例えば、該増幅されるべきヌクレオチド配列とその両端において相補的であるか、あるいは該増幅されるべきヌクレオチド配列に隣接しているものを好ましく使用され得る。
PCR 反応は、当該分野で公知の方法あるいはそれと実質的に同様な方法や改変法により行うことができるが、例えば R. Saiki, et al., Science, 230: 1350, 1985; R. Saiki, et al., Science, 239: 487, 1988 ; H. A. Erlich ed., PCR Technology, Stockton Press, 1989 ; D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) ; M. A. Innis et al. ed., "PCR Protocols: a guide to methods and applications", Academic Press, New York (1990)); M. J. McPherson, P. Quirke and G. R. Taylor (Ed.), PCR: a practical approach, IRL Press, Oxford (1991); M. A. Frohman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 8998-9002 (1988) などに記載された方法あるいはそれを修飾したり、改変した方法に従って行うことができる。また、PCR 法は、それに適した市販のキットを用いて行うことができ、キット製造業者あるいはキット販売業者により明らかにされているプロトコルに従って実施することもできる。
【0022】
代表的な場合には、例えば鋳型となる1st strand DNAとプライマーとを、10×反応緩衝液 (Taq DNA ポリメラーゼに添付されている) 、dNTPs ( デオキシヌクレオシド三リン酸dATP, dGTP, dCTP, dTTPの混合物)、Taq DNA ポリメラーゼ及び脱イオン蒸留水と混合する。混合物を、例えば、GeneAmp 2400 PCR system, Perkin-Elmer/Cetus などの自動サーマルサイクラーを用いて一般的なPCR サイクル条件下にそのサイクルを25〜60回繰り返すが、増幅のためのサイクル数は適宜目的に応じて適当な回数とすることができる。PCR サイクル条件としては、例えば、変性90〜95℃ 5〜100 秒、アニーリング40〜60℃ 5〜150 秒、伸長65〜75℃ 30 〜300 秒のサイクル、好ましくは変性 94 ℃ 15 秒、アニーリング 58 ℃ 15 秒、伸長 72 ℃ 45 秒のサイクルが挙げられるが、アニーリングの反応温度及び時間は適宜実験によって適当な値を選択できるし、変性反応及び伸長反応の時間も、予想されるPCR 産物の鎖長に応じて適当な値を選択できる。アニーリングの反応温度は、通常プライマーと鋳型DNA とのハイブリッドのTm値に応じて変えることが好ましい。伸長反応の時間は、通常1000bpの鎖長当たり1 分程度がおおよその目安であるが、より短い時間を選択することも場合により可能である。
【0023】
得られたPCR 産物は、通常 1〜2% アガロースゲル電気泳動にかけて、特異なバンドとしてゲルから切り出し、例えば、gene clean kit (Bio 101)などの市販の抽出キットを用いてDNA を抽出する。抽出されたDNA は適当な制限酵素で切断し、必要に応じ精製処理したり、さらには必要に応じ5'末端をT4ポリヌクレオチドキナーゼなどによりリン酸化した後、pUC18 などのpUC 系ベクターといった適当なプラスミドベクターにライゲーションし、適当なコンピータント細胞を形質転換する。クローニングされたPCR 産物はその塩基配列を解析される。
また、当該遺伝子のエキソン部位のうち解析した5'端側のエキソン部位の塩基配列に基づいてデザインされたプライマーを利用して、当該所望のcDNAの5'端側のcDNAを取得し、一方当該遺伝子のエキソン部位のうち解析した3'端側のエキソン部位の塩基配列に基づいてデザインされたプライマーを利用して、当該所望のcDNAの3'端側のcDNAを取得し、次に必要に応じてこれらプライマーや得られた当該遺伝子の5'端側のcDNA並びに3'端側のcDNAの塩基配列の情報を利用してデザインしたプライマーを用い、ヒトの組織、特には、ヒト脳組織などから単離したmRNAから逆転写酵素により作製された1st strand cDNA を鋳型にしてPCR により増幅して、当該遺伝子のcDNAを得ることもできる。
【0024】
5'端側のプライマーとしては、少なくとも開始コドンを含有するか、あるいは該開始コドンを含めて増幅できるように選択し、また3'端側のプライマーとしては、少なくともストップコドンを含有するか、あるいは該ストップコドンを含めて増幅できるように選択することが好ましい。当該遺伝子の全長のcDNAを得るにあたり、PCR は上記したようにして行なうことができ、また好ましいPCR サイクル条件としては、例えば、変性92〜95℃ 10 〜20秒、アニーリング55〜60℃ 10 〜30秒、伸長65〜75℃ 150〜300 秒のサイクル、より好ましくは変性 94 ℃ 15 秒、アニーリング 58 ℃ 15 秒、伸長 68 ℃ 4分のサイクルが挙げられる。
得られたPCR 産物は、上記と同様にしてクローニングしてその塩基配列を解析され決定される。
また決定されたDNA の塩基配列を基にプライマーをデザインし、これらプライマーと各種の動物細胞由来のcDNAライブラリー(例えば、各種のヒト細胞由来のcDNAライブラリー)を用いて、スクリーニングを行うことにより、同様に目的とするクローンを得ることができる。またこれらプライマーを用いてPCR 増幅を行い、目的とするコード配列含有核酸や、新規な遺伝子、それらの断片などを得ることができる。こうして可溶型RAGEと相同性を有するが、配列が新規なPCR 産物を検索することもできる。
【0025】
本明細書中、「オリゴヌクレオチド」とは、比較的短い一本鎖又は二本鎖のポリヌクレオチドで、好ましくはポリデオキシヌクレオチドが挙げられ、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., Vol.28, p.716-734 (1989) に記載されているような既知の方法、例えば、トリエステル法、ホスファイト法、ホスホアミダイト法、ホスホネート法などの方法により化学合成されることができる。通常合成は、修飾された固体支持体上で合成を便利に行うことができることが知られており、例えば、自動化された合成装置を用いて行うことができ、該装置は市販されている。該オリゴヌクレオチドは、一つ又はそれ以上の修飾された塩基を含有していてよく、例えば、イノシンなどの天然においては普通でない塩基あるいはトリチル化された塩基などを含有していてよい。
得られた PCR産物をクローニングし、得られた PCR産物の塩基配列を決定し、新規な可溶型RAGE及びそれに関連したコード配列を有する DNA断片を取得することもできる。また、この DNA断片をプローブに同様にして種々のcDNAライブラリーをスクリーニングし、目的とするDNA を単離することもできる。PCR 産物のクローニングには、例えば、p-Direct (Clontech), pCR-ScriptTM SK(+) (Stratagene), pGEM-T (Promega), pAmpTM (Gibco-BRL)などの市販のプラスミドベクターを用いることが出来る。
【0026】
cDNAライブラリーを構築するためには、cDNAを入手する必要があるが、これは、例えば次のようにして得られる。種々のヒトの組織あるいは培養細胞からmRNAを単離する。mRNAの単離は、当該分野で公知の方法あるいはそれと実質的に同様な方法や改変法により行うことができるが、J. Sambrook et al.,"Molecular Cloning", 2nd ed., Chapter 7, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N. Y. (1989) ; D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) ; L. Grossman et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 12, Part A & B, Academic Press, New York (1968); S. L. Berger et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 152, p.33 & p.215, Academic Press, New York (1987);Biochemistry, 18: 5294-5299, 1979などに記載の方法、例えばグアニジン−塩化セシウム法、チオシアン酸グアニジン法、フェノール法などの方法で行うことが出来る。mRNAの単離に用いられるキットとしては、例えば、Pharmacia, Stratagene, Gibco-BRLなどから市販されているものが挙げられる。必要に応じ、得られた全RNA はオリゴ(dT)−セルロースカラム、スピンカラム、オリゴ(dT)結合磁性ビーズなどを使用して精製してポリ (A)+ mRNAを得ることが出来る。
【0027】
このmRNA及び逆転写酵素(RNA依存性DNA ポリメラーゼ) を用いて、cDNAを作製する。逆転写反応では、オリゴ(dT)プライマーを用いることができる。オリゴ(dT)プライマーは、好適には12〜18個のT残基を持つものが使用できる。指向性クローニングを行う場合には、12〜18個のT残基の5'側に制限酵素部位を連結した合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いることも好ましい。こうしたプライマーの例としては、Xba I オリゴ(dT)プライマーアダプターなどが挙げられる。またランダムヘキサマープライマーを用いると、mRNAの5'末端側が得られる可能性が増大し、このランダムヘキサマープライマーは単独で、あるいはオリゴ(dT)プライマーと混合して使用できる。逆転写反応では、必要に応じてRNase 阻害剤、例えば、RNasin (Boehringer Mannheim)を加えることができる。mRNA及び逆転写酵素を用いてのcDNA合成は当該分野で公知の方法あるいはそれと実質的に同様な方法や改変法により行うことができるが、H. Land et al., Nucleic Acids Res., 9: 2251, 1981; U. Gubler et al., Gene, 25: 263-269, 1983; S. L. Berger et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 152, p.307, Academic Press, New York (1987) などに記載の方法が挙げられる。
【0028】
得られたcDNAはそれを基にして、ファージベクター、プラスミドベクターを使用するなどしてcDNAライブラリーを構築できる。またファージベクターを使用する以外で、大腸菌などの宿主細胞の形質転換をするには、例えばカルシウム法、ルビジウム/カルシウム法、カルシウム/マンガン法、TFB 高効率法、FSB 凍結コンピテント細胞法、迅速コロニー法、エレクトロポレーションなど当該分野で知られた方法あるいはそれと実質的に同様な方法で行うことができる(D. Hanahan, J. Mol. Biol., 166: 557, 1983 など)。目的とするDNA を単離するためには、逆転写PCR (polymerase chain reaction coupled reverse transcription; RT-PCR) 、RACE (rapid amplification of cDNA ends) を適用することが出来る。RACEは、例えば、M. A. Innis et al. ed., "PCR Protocols" (M. A. Frohman, "a guide to methods and applications"), pp.28-38, Academic Press, New York (1990) などに記載された方法に従って行うことができる。RT-PCR産物はプラスミドベクターにクローニングすることができ、それを高効率のコンピータント細胞に導入できる。
更に、微量の細胞あるいは組織からmRNAを単離精製できる方法、例えば、REX kit, United States Biochemical; Glass MAX TM RNA spin cartridge system, Gibco-BRL などの市販のキットを利用し、得られたmRNAをオリゴ(dT)プライマーを用いて逆転写して、1st strand DNAを合成し、ついで1st strand DNAの3'末端にホモポリマーテール (例えば、G残基)を付けた後、あるいは該 DNAにアダプターを付けた後、オリゴ(dT)プライマーとオリゴ(dC)プライマーあるいはアダプタープライマーを用いてcDNAを PCR増幅することもできる。これに適した市販のキットとしては、SuperScript TM pre-amplification system (Gibco-BRL); cDNA Cycle TM kit (Invitrogen) などが挙げられる。
【0029】
ハイブリダイゼーションは、所定の挿入DNA を保持するなどしている微生物により形成されたプラークをナイロンフィルターなどの膜に転写せしめ、必要に応じ変成処理、固定化処理、洗浄処理などを施した後、その膜に転写せしめられたものを、必要に応じ変成させた標識プローブDNA 断片と、ハイブリダイゼーション用バッファ中で反応させて行われる。ハイブリダイゼーション処理は、普通約35℃〜約80℃、より好適には約50℃〜約65℃で、約15分〜約36時間、より好適には約1 時間〜約24時間行われるが、適宜最適な条件を選択して行うことができる。例えば、ハイブリダイゼーション処理は、約55℃で約18時間行われる。ハイブリダイゼーション用バッファとしては、当該分野で普通に使用されるものの中から選んで用いることができ、例えば、Rapid hybridization buffer(Amersham)などを用いることができる。転写した膜の変成処理としては、アルカリ変性液を使用する方法が挙げられ、その処理後中和液や緩衝液で処理するのが好ましい。また膜の固定化処理としては、普通約40℃〜約 100℃、より好適には約70℃〜約90℃で、約15分〜約24時間、より好適には約1 時間〜約4 時間ベーキングすることにより行われるが、適宜好ましい条件を選択して行うことができる。例えば、フィルターを約80℃で約2 時間ベーキングすることにより固定化が行われる。転写した膜の洗浄処理としては、当該分野で普通に使用される洗浄液、例えば1M NaCl 、1mM EDTAおよび 0.1% Sodium Dodecyl sulfate (SDS) 含有 50mM Tris-HC1緩衝液,pH8.0 などで洗うことにより行うことができる。ナイロンフィルターなどの膜としては、当該分野で普通に使用されるものの中から選んで用いることができ、例えば、ナイロンフィルター[ハイボンド(Hybond)-N、Amersham]などを挙げることができる。
【0030】
上記アルカリ変性液、中和液、緩衝液としては、当該分野で普通に使用されるものの中から選んで用いることができ、アルカリ変性液としては、例えば、0.5M NaOH および1.5M NaCl を含有する液などを挙げることができ、中和液としては、例えば、1.5M NaCl 含有 0.5M Tris−HCl 緩衝液,pH8.0 などを挙げることができ、緩衝液としては、例えば、 2×SSPE(0.36M NaCl、20mM NaH2PO4および2mM EDTA)などを挙げることができる。またハイブリダイゼーション処理に先立ち、非特異的なハイブリダイゼーション反応を防ぐために、必要に応じて転写した膜はプレハイブリダイゼーション処理することが好ましい。このプレハイブリダイゼーション処理は、例えば、プレハイブリダイゼーション溶液[50% formamide、 5×Denhardt's溶液(0.2 %ウシ血清アルブミン、0.2 % polyvinyl pyrrolidone)、 5×SSPE、0.1 % SDS、100 μg/ml 熱変性サケ精子DNA ]などに浸し、約35℃〜約50℃、好ましくは約42℃で、約 4〜約24時間、好ましくは約 6〜約8 時間反応させることにより行うことができるが、こうした条件は当業者であれば適宜実験を繰り返し、より好ましい条件を決めることができる。ハイブリダイゼーションに用いる標識プローブDNA 断片の変成は、例えば、約70℃〜約100 ℃、好ましくは約100 ℃で、約1 分間〜約60分間、好ましくは約 5分間加熱するなどして行うことができる。なお、ハイブリダイゼーションは、それ自体公知の方法あるいはそれに準じた方法で行うことができるが、本明細書でストリンジェントな条件とは、例えばナトリウム濃度に関し、約15〜約50mM、好ましくは約19〜約40mM、より好ましくは約19〜約20mMで、温度については約35〜約85℃、好ましくは約50〜約70℃、より好ましくは約60〜約65℃の条件を示す。
【0031】
ハイブリダイゼーション完了後、フィルターを十分に洗浄処理し、特異的なハイブリダイゼーション反応をした標識プローブDNA 断片以外の標識プローブを取り除く。フィルターの洗浄処理は、当該分野で普通に使用されるものの中から選んで用いて行うことができ、例えば、0.1 % SDS含有 0.5×SSC ( O.15M NaCl、15mM クエン酸)溶液などで洗うことにより実施できる。
ハイブリダイズしたプラークは、代表的にはオートラジオグラフィーにより検出することができるが、当該分野で用いられる方法の中から適宜選択してプラーク検出に用いることもできる。検出したシグナルに相当するプラークを、適切な緩衝液、例えば、SM溶液( 100mM NaCl および10mM MgSO4含有50mM Tris-HCl 緩衝液、pH7.5 )などに懸濁し、ついでこのファージ懸濁液を適度に希釈して、大腸菌に感染させ、得られた大腸菌を培養して、その培養された大腸菌から目的組換え体ファージを得る。なお、必要に応じて上記プローブDNA を使用して、ハイブリダイゼーション処理により遺伝子ライブラリーやcDNAライブラリーから目的組換え体ファージをスクリーニングする処理は、繰り返して行うことができる。また目的組換え体ファージは、培養された大腸菌から抽出処理、遠心分離処理などを施して得ることができる。
【0032】
得られたファージ粒子は、当該分野で普通に使用される方法で精製分離することができ、例えば、グリセロールグラジエント超遠心分離法(Molecular cloning, a laboratory manual, ed. T. Maniatis, Cold Spring Harbor Laboratory, 2nd ed. 78, 1989)などにより精製することができる。ファージ粒子からは、当該分野で普通に使用される方法でDNA を精製分離することができ、例えば、得られたファージをTM溶液(10mM MgSO4含有50mM Tris-HCl 緩衝液、pH7.8 )などに懸濁し、DNase I およびRNase A などで処理後、20mM EDTA 、50μg/ml Proteinase K 及び0.5 %SDS 混合液などを加え、約65℃、約1 時間保温した後、これをフェノール抽出ジエチルエーテル抽出後、エタノール沈殿によりDNA を沈殿させ、次に得られたDNA を70%エタノールで洗浄後乾燥し、TE溶液(10mM EDTA 含有10mM Tris-HC1 緩衝液、pH8.0 )に溶解するなどして得られる。また、目的としているDNA は、サブクローニングなどにより大量に得ることも可能であり、例えばサブクローニングは、宿主として大腸菌を用いプラスミドベクターなどを用いて行うことができる。こうしたサブクローニングにより得られたDNA も、上記と同様にして遠心分離、フェノール抽出、エタノール沈殿などの方法により精製分離できる。
【0033】
こうして本発明に従って、目的とするDNA を含有するクローン(例えば、組換え体ファージなどとして)を得ることができる。例えば、このクローン化した組換え体ファージより単離されたDNA インサートの配列決定された塩基配列の全長は1223bpであり、その配列は配列表の配列番号:1で示されたものが得られていることが認められる。同定されたDNA 配列中には、推定347 個のアミノ酸をコードするオープンリーディングフレームの存在が認められ、その推定されるアミノ酸配列は、配列表の配列番号:2で示されるようなものと認められる。本配列は、RAGEのスプライシング バリアントであって、そのC 末端側には特徴的な配列Glu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met を有しており、さらに膜貫通型RAGEに存在する膜貫通ドメインを欠いたものである。この推定されるタンパク質は、新規なヒトRAGE類の一つであり、それをここでは「可溶型RAGE」と呼ぶ。そして、可溶型RAGE遺伝子は、新規なRAGEファミリーに属するポリペプチドをコードしていることは明白であり、可溶型RAGE遺伝子を用いて作製した組換え体プラスミドは全て新規な組換え体であり、そのプラスミドで形質転換あるいはトランスフェクトされ得られた形質転換体あるいはトランスフェクタントも新規なものである。
【0034】
配列表の配列番号:1で示される塩基配列の全部あるいは一部を有する核酸は、化学合成によって得ることも可能である。その場合断片を化学合成し、それらを酵素により結合することによってもよい。また、化学合成断片を上記したようにして、プライマーあるいはプローブとして用いて目的とする配列を得ることも可能である。PCR 法で用いるプライマーとしては、上記の部位を含むDNA 断片を増幅できるものであれば、特に限定されない。代表的には、プライマーは (a)配列表の配列番号:1に示された塩基配列のうちの任意の領域に相当する塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び (b)配列表の配列番号:1に示された塩基配列のうちの任意の領域に対する相補塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを使用することができ、より好ましくは(1) 配列表の配列番号:1に示された塩基配列のうちの5'端側の任意の領域に相当する塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び (2)配列表の配列番号:1に示された塩基配列のうちの3'端側の任意の領域に対する相補塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを使用することができ、例えば、5 個以上の塩基、より好ましくは10個以上の塩基、さらに好ましくは15個以上の塩基を有するオリゴヌクレオチドが挙げられ、3 〜150 個、好ましくは10〜150 個、より好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜35個のヌクレオチドを含有するものが挙げられる。また、PCR 条件も特に限定されず、通常行われる公知の条件でよく、例えば、上記した文献の記載を参考に選択することができる。PCR においては、DNA 鎖の熱変性、プライマーのアニーリング及びポリメラーゼによる相補鎖の合成からなる一つのサイクルが、例えば、10〜50回、好ましくは20〜35回、より好ましくは25〜30回繰り返して行われる。
【0035】
本発明で得られたDNA 断片を、下記で詳しく説明するような適当なベクター、例えば、プラスミドpEX 、pMAMneo 、pKG5などのベクターに組込み、下記で詳しく説明するような適当な宿主細胞、例えば、大腸菌、酵母、CHO 細胞、COS 細胞などで発現させることができる。また、該DNA 断片は、そのままあるいは適当な制御配列を付加したDNA 断片として、または適当なベクターに組込み、そして動物に導入して、可溶型RAGE遺伝子、例えば、可溶型RAGEを発現するトランスジェニック動物を作成することができる。動物としては、哺乳動物が挙げられ、例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ウシなどが挙げられる。好ましくは、マウスなどの動物の受精卵に該DNA 断片を導入して、トランスジェニック動物を作成することができる。
可溶型RAGE遺伝子産物の確認を、可溶型RAGE遺伝子をトランスフェクションした、293T細胞、COS-1 細胞などのそれに適した動物細胞などを用いて行うことができる。この外来遺伝子を哺乳動物などの動物細胞に導入する方法としては当該分野で知られた方法あるいはそれと実質的に同様な方法で行うことができ、例えばリン酸カルシウム法(例えば、F. L. Graham et al., Virology, 52: 456, 1973など)、DEAE- デキストラン法(例えば、D. Warden et al., J. Gen. Virol., 3: 371, 1968など)、エレクトロポレーション法(例えば、E. Neumann et al., EMBO J, 1: 841, 1982 など)、マイクロインジェクション法、リボソーム法、ウイルス感染法、ファージ粒子法などが挙げられる。こうして可溶型RAGE遺伝子をトランスフェクションされた動物細胞の産生する遺伝子産物は、それを解析することもできる。
【0036】
可溶型RAGE遺伝子など(本発明で得られたDNA など)を組込むプラスミドとしては遺伝子工学的に常用される宿主細胞(例えば、大腸菌、枯草菌等の原核細胞宿主、酵母、CHO 細胞、COS 細胞等の真核細胞宿主、Sf21等の昆虫細胞宿主)中で該DNA が発現できるプラスミドであればどのようなプラスミドでもよい。こうした配列内には、例えば選択した宿主細胞で発現するのに好適に修飾されたコドンが含まれていることができるし、制限酵素部位が設けられていることもできるし、目的とする遺伝子の発現を容易にするための制御配列、促進配列など、目的とする遺伝子を結合するのに役立つリンカー、アダプターなど、さらには抗生物質耐性などを制御したり、代謝を制御したりし、選別などに有用な配列(ハイブリドタンパク質や融合タンパク質をコードするものも含む)等を含んでいることができる。
好ましくは、適当なプロモーター、例えば大腸菌を宿主とするプラスミドでは、トリプトファンプロモーター(trp) 、ラクトースプロモーター(lac) 、トリプトファン・ラクトースプロモーター(tac) 、リポプロテインプロモーター(lpp) 、λファージ PL プロモーター等を、動物細胞を宿主とするプラスミドでは、SV40レートプロモーター、MMTV LTRプロモーター、RSV LTR プロモーター、CMV プロモーター、SRαプロモーター等を、酵母を宿主とするプラスミドでは、GAL1、GAL10 プロモーター等を使用し得る。
【0037】
大腸菌を宿主とするプラスミドとしては、例えばpBR322、pUC18 、pUC19 、pUC118、pUC119、pSP64 、pSP65 、pTZ-18R/-18U、pTZ-19R/-19U、pGEM-3、pGEM-4、pGEM-3Z 、pGEM-4Z 、pGEM-5Zf(-) 、pBluescript KS TM 、(Stratagene)などが挙げられる。大腸菌での発現に適したプラスミドベクターとしては、pAS 、pKK223 (Pharmacia)、pMC1403 、pMC931、pKC30 、pRSET-B (Invitrogen)なども挙げられる。動物細胞を宿主とするプラスミドとしては、SV40ベクター、ポリオーマ・ウイルスベクター、ワクシニア・ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙げられ、例えばpcD 、pcD-SRα、CDM8、pCEV4 、pME18S、pBC12BI 、pSG5 (Stratagene) などが挙げられる。酵母を宿主とするプラスミドとしては、YIp 型ベクター、YEp 型ベクター、YRp 型ベクター、YCp 型ベクターなどが挙げられ、例えばpGPD-2などが挙げられる。宿主細胞としては、宿主細胞が大腸菌の場合、例えば大腸菌K12 株に由来するものが挙げられ、例えばNM533 、XL1-Blue、C600、DH1 、DH5 、DH11S 、DH12S 、 DH5α、DH10B 、HB101 、MC1061、JM109 、STBL2 、B834株由来としては、BL21(DE3)pLysSなどが挙げられる。宿主細胞が動物細胞の場合、例えばアフリカミドリザル線維芽細胞由来のCOS-7 細胞、COS-1 細胞、CV-1細胞、マウス線維芽細胞由来のCOP 細胞、MOP 細胞、WOP 細胞、チャイニーズ・ハムスター細胞由来のCHO 細胞、CHO DHFR- 細胞、ヒトHeLa細胞、マウス細胞由来C127細胞、マウス細胞由来NIH 3T3 細胞などが挙げられる。昆虫細胞としては、カイコ核多角体病ウイルス (Bombyx mori nuclear polyhedrosis virus) あるいはそれに由来するものをベクターとし、カイコ幼虫あるいはカイコ培養細胞、例えばBM-N細胞などを用いることが挙げられる。植物細胞を宿主細胞として使用することも可能であり、それに適するベクターと共に、それらは当該分野で広く知られている。
【0038】
本発明の遺伝子工学的手法においては、当該分野で知られたあるいは汎用されている制限酵素、逆転写酵素、DNA 断片をクローン化するのに適した構造に修飾したりあるいは変換するための酵素であるDNA 修飾・分解酵素、DNA ポリメラーゼ、末端ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、DNA リガーゼなどを用いることが出来る。制限酵素としては、例えば、R. J. Roberts, Nucleic Acids Res., 13: r165, 1985; S. Linn et al. ed. Nucleases, p. 109, Cold Spring Harbor Lab., Cold Spring Harbor, New York, 1982; R. J. Roberts, D. Macelis, Nucleic Acids Res., 19: Suppl. 2077, 1991などに記載のものが挙げられる。逆転写酵素としては、例えばマウスモロネイ白血病ウイルス (mouse Moloney leukemia virus; MMLV) 由来の逆転写酵素 (reverse transcriptase)、ニワトリ骨髄芽球症ウイルス (avian myeloblastosis virus; AMV)由来の逆転写酵素などが挙げられる。逆転写酵素は、RNase H 欠損体などは好ましく用いることができ、特にはRNase H 活性を欠いた修飾MMLV RT が好ましく使用でき、さらには熱安定性の高いものが好ましい。適した逆転写酵素としては、MMLV RT (Gibco-BRL) 、Superscript RT plus (Life Technologies) などが挙げられる。
【0039】
DNA ポリメラーゼとしては、例えば大腸菌DNA ポリメラーゼ、その誘導体であるクレノウ・フラグメント、大腸菌ファージT4 DNAポリメラーゼ、大腸菌ファージT7 DNAポリメラーゼ、耐熱菌DNA ポリメラーゼなどが挙げられる。末端ヌクレオチジルトランスフェラーゼとしては、例えばR. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100, p. 96, Academic Press, New York (1983) に記載の3'-OH 末端にデオキシヌクレオチド(dNMP)を付加するTdTaseなどが挙げられる。DNA 修飾・分解酵素としては、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼなどが挙げられ、例えばヘビ毒ホスホジエステラーゼ、脾臓ホスホジエステラーゼ、大腸菌DNA エキソヌクレアーゼ I、大腸菌DNA エキソヌクレアーゼIII 、大腸菌DNA エキソヌクレアーゼ VII、λエキソヌクレアーゼ、DNase I 、ヌクレアーゼS1、ミクロコッカス (Micrococcus) ヌクレアーゼなどが挙げられる。DNA リガーゼとしては、例えば大腸菌DNA リガーゼ、T4 DNAリガーゼなどが挙げられる。
DNA 遺伝子をクローニングしてDNA ライブラリーを構築するのに適したベクターとしては、プラスミド、λファージ、コスミド、P1ファージ、F因子、YAC などが挙げられ、好ましくはλファージ由来のベクターが挙げられ、例えばCharon 4A 、Charon 21A、λgt10、λgt11、λDASHII、λFIXII 、λEMBL3 、λZAPII TM (Stratagene) などが挙げられる。
【0040】
本発明のタンパク質をコードする核酸を含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体は、必要に応じて適当な選択マーカーを用い、繰り返しクローニングを行うことにより、高い発現能を安定して有する細胞株を得ることができる。例えば、宿主細胞として動物細胞を用いた形質転換体において、dhfr遺伝子を選択マーカーとして利用した場合、MTX 濃度を徐々に上げて培養し、耐性株を選択することにより、本発明のタンパク質をコードするDNA を増幅させ、より高い発現を得られる細胞株を得ることができる。本発明の形質転換体は、本発明のタンパク質をコードする核酸が発現可能な条件下で培養し、目的物を生成、蓄積せしめることができる。該形質転換体は、当該分野で汎用されている培地中で培養することができる。例えば、大腸菌、枯草菌等の原核細胞宿主、酵母などを宿主としている形質転換体は、液体培地を好適に使用することができる。培地中には、該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、たとえばグルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、麦芽エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては,例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。また、酵母、ビタミン類、カザミノ酸、生長促進因子などを添加してもよい。また、必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリル アクリル酸のような薬剤を加えることができる。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0041】
培養は、例えば大腸菌では通常約15〜約45℃で約3〜約75時間行い、必要により、通気や攪拌を加えることもできる。宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、たとえば約5〜約20%の胎児牛血清を含むMEM 培地、PRMI1640培地、DMEM培地などが用いられる。pHは約6〜約8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜約40℃で約15〜約72時間行い、必要に応じて通気や攪拌を加える。上記培養細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により粗抽出液を得る方法などを適宜用いることができる。緩衝液の中には尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白変性剤や、トリトン X-100(商品名)、ツウィーン-80 (商品名)などの界面活性剤を加えてあってもよい。培養液中に目的生成物が分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる目的生成物は、自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせてその精製を行なうことができ、例えば硫酸アンモニウム沈殿法などの塩析、セファデックスなどによるゲルろ過法、例えばジエチルアミノエチル基あるいはカルボキシメチル基などを持つ担体などを用いたイオン交換クロマトグラフィー法、例えばブチル基、オクチル基、フェニル基など疎水性基を持つ担体などを用いた疎水性クロマトグラフィー法、色素ゲルクロマトグラフィー法、電気泳動法、透析、限外ろ過法、アフィニティ・クロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法などにより精製して得ることができる。好ましくは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、リガンドなどを固定化したアフィニティー・クロマトグラフィーなどで処理し精製分離処理できる。例えば、ゼラチン−アガロース・アフィニティー・クロマトグラフィー、ヘパリン−アガロース・クロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0042】
さらに、本発明に係わる可溶型RAGEの遺伝子塩基配列を基に遺伝子工学的に常用される方法を用いることにより、可溶型RAGEのアミノ酸配列中に適宜、1個ないし複数個以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入、転移あるいは付加したごとき変異を導入した相当するタンパク質を製造することができる。こうした変異・変換・修飾法としては、日本生化学会編、「続生化学実験講座1、遺伝子研究法 II 」、p105(広瀬進)、東京化学同人(1986); 日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸 III(組換えDNA 技術)」、p233(広瀬進)、東京化学同人(1992); R. Wu, L. Grossman, ed., "Methods in Enzymology", Vol. 154, p. 350 & p. 367, Academic Press, New York (1987); R. Wu, L. Grossman, ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100, p. 457 & p. 468, Academic Press, New York (1983); J. A. Wells et al., Gene, 34: 315, 1985; T. Grundstroem et al., Nucleic Acids Res., 13: 3305, 1985; J. Taylor et al., Nucleic Acids Res., 13: 8765, 1985; R. Wu ed., "Methods in Enzymology", Vol. 155, p. 568, Academic Press, New York (1987); A. R. Oliphant et al., Gene, 44: 177, 1986 などに記載の方法が挙げられる。例えば合成オリゴヌクレオチドなどを利用する位置指定変異導入法(部位特異的変異導入法) (Zoller et al., Nucl. Acids Res., 10: 6487, 1987; Carter et al., Nucl. Acids Res., 13: 4331, 1986), カセット変異導入法 (cassette mutagenesis: Wells et al., Gene, 34: 315, 1985), 制限部位選択変異導入法 (restriction selection mutagenesis: Wells et al., Philos. Trans. R. Soc. London Ser A, 317: 415, 1986),アラニン・スキャンニング法 (Cunningham & Wells, Science, 244: 1081-1085, 1989), PCR 変異導入法, Kunkel法, dNTP[αS]法(Eckstein),亜硫酸や亜硝酸などを用いる領域指定変異導入法等の方法が挙げられる。
【0043】
さらに得られた本発明のタンパク質は、化学的な手法でその含有されるアミノ酸残基を修飾することもできるし、ペプチダーゼ、例えばペプシン、キモトリプシン、パパイン、ブロメライン、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼなどの酵素を用いて修飾したり、部分分解したりしてその誘導体などにすることができる。本発明のタンパク質は、C 末端が通常カルボキシル基(-COOH) またはカルボキシレート (-COO- ) であるが、C 末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR) であってもよい。ここでエステルにおけるR としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルもしくはn-ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8 シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12 アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル-C1-2 アルキル基などのC7-14 アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。本発明のタンパク質が C末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC 末端のエステルなどが用いられる。
【0044】
さらに、本発明のタンパク質には、上記したタンパク質において、N 末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC1-5 アルキル−カルボニル基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、N 端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミル化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、-OH 、-COOH 、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。また遺伝子組換え法で製造する時に融合タンパク質として発現させ、生体内あるいは生体外で天然の可溶型RAGEと実質的に同等の生物学的活性を有しているものに変換・加工してもよい。遺伝子工学的に常用される融合産生法を用いることができるが、こうした融合タンパク質はその融合部を利用してアフィニティクロマトグラフィーなどで精製することも可能である。こうした融合タンパク質としては、ヒスチジンタグに融合せしめられたもの、あるいは、β-ガラクトシダーゼ(β-gal)、マルトース結合タンパク (MBP), グルタチオン-S-トランスフェラーゼ (GST)、チオレドキシン (TRX)又は Cre Recombinaseのアミノ酸配列に融合せしめられたものなどが挙げられる。同様に、ポリペプチドは、ヘテロジーニアスなエピトープのタグを付加され、該エピトープに特異的に結合する抗体を用いてのイムノアフィニティ・クロマトグラフィーによる精製をなし得るようにすることもできる。より適した実施態様においては、該エピトープタグとしては、例えば AU5, c-Myc, CruzTag 09, CruzTag 22, CruzTag 41, Glu-Glu, HA, Ha.11, KT3, FLAG (registered trademark, Sigma-Aldrich), Omni-probe, S-probe, T7, Lex A, V5, VP16, GAL4, VSV-G などが挙げられる。(Field et al., Molecular and Cellular Biology, 8: pp.2159-2165 (1988); Evan et al., Molecular and Cellular Biology, 5: pp.3610-3616 (1985); Paborsky et al., Protein Engineering, 3(6): pp.547-553 (1990); Hopp et al., BioTechnology, 6: pp.1204-1210 (1988); Martin et al., Science, 255: pp.192-194 (1992); Skinner et al., J. Biol. Chem., 266: pp.15163-15166 (1991); Lutz-Freyermuth et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87: pp.6393-6397 (1990)など) 。酵母を利用した two-hybrid 法も利用できる。さらに融合タンパク質としては、検出可能なタンパク質となるようなマーカーを付されたものであることもできる。より好適な実施態様においては、該検出可能なマーカーは、ビオチン/ストレプトアビジン系のBiotin Avi Tag、螢光を発する物質などであってよい。該螢光を発する物質としては、オワンクラゲ (Aequorea victorea)などの発光クラゲ由来の緑色螢光タンパク質(green fluorescent protein: GFP)、それを改変した変異体(GFPバリアント) 、例えば、EGFP (Enhanced-humanized GFP), rsGFP (red-shift GFP), 黄色螢光タンパク質 (yellow fluorescent protein: YFP), 緑色螢光タンパク質 (green fluorescent protein: GFP),藍色螢光タンパク質 (cyan fluorescent protein: CFP), 青色螢光タンパク質 (blue fluorescent protein: BFP), ウミシイタケ (Renilla reniformis) 由来のGFP などが挙げられる(宮脇敦史編、実験医学別冊ポストゲノム時代の実験講座3−GFP とバイオイージング、羊土社 (2000年))。また、上記融合タグを特異的に認識する抗体(モノクローナル抗体及びそのフラグメントを含む)を使用して検出を行うこともできる。
【0045】
本発明の好ましい態様において、精製を好適に実施するのに役立つマーカー配列、例えばヘキサ−ヒスチジンペプチドを融合したものなどが使用できる。こうした融合タンパク質の発現及び精製は、それに適した市販のキットを用いて行うことができ、キット製造業者あるいはキット販売業者により明らかにされているプロトコルに従って実施することもできる。タンパク質の構造の修飾・改変などは、例えば日本生化学会編、「新生化学実験講座1、タンパク質 VII、タンパク質工学」、東京化学同人(1993)を参考にし、そこに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法、さらにはそれらと実質的に同様な方法で行うことができる。また下記するようにその生物学的活性のうちには、免疫的に活性、例えば抗原性を有するということも含まれてよい。該修飾・改変のうちには、脱アミノ化、ヒドロキシル化、リン酸化、メチル化、アセチル化、開環、閉環、含有糖鎖の種類を違うものに変えること、含有糖鎖の数を増減すること、D-体アミノ酸残基への置換などであってもよい。それらの方法は、当該分野で知られている(例えば、T. E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, pp.79-86 W.H. Freeman & Co., San Francisco, USA (1983) 等) 。
【0046】
かくして本発明のヒト由来のタンパク質は、1個以上のアミノ酸残基が同一性の点で天然のものと異なるもの、1個以上のアミノ酸残基の位置が天然のものと異なるものであってもよい。本発明のヒト由来のタンパク質は、可溶型RAGEに特有なアミノ酸残基が1個以上(例えば、1〜80個、好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜40個、さらに好ましくは1〜20個、特には1〜10個など)欠けている欠失類縁体、特有のアミノ酸残基の1個以上(例えば、1〜80個、好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜40個、さらに好ましくは1〜20個、特には1〜10個など)が他の残基で置換されている置換類縁体、1個以上(例えば、1〜80個、好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜40個、さらに好ましくは1〜20個、特には1〜10個など)のアミノ酸残基が付加されている付加類縁体も包含する。天然の可溶型RAGEの特徴であるドメイン構造あるいはリガンド結合能が維持されていれば、上記のごとき変異体は、全て本発明に包含される。また本発明の可溶型RAGEは天然の可溶型RAGEと実質的に同等の一次構造コンフォメーションあるいはその一部を有しているものも含まれてよいと考えられ、さらに天然の可溶型RAGEと実質的に同等の生物学的活性を有しているものも含まれてよいと考えられる。さらに天然に生ずる変異体の一つであることもできる。本発明のヒト由来のタンパク質は、例えば、配列表の配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち、(1) 第19位〜第347 位のアミノ酸配列を有するもの、(2) 同第1 位〜第347 位のアミノ酸配列を有するもの、及び(3) 少なくとも同第38位〜第117 位のアミノ酸配列を有し且つ同第332 位〜第347 位のアミノ酸配列を有するものからなる群から選ばれたアミノ酸配列に対し、60% 、場合によっては70% より高い相同性を有しているものが挙げられ、より好ましくはそれに対し、80% あるいは90% 以上の相同アミノ酸配列を有するものが挙げられ、特には膜貫通ドメインを欠くもの、C 末端側に配列GluGlyPheAspLysValArgGluAlaGluAspSerProGlnHisMetあるいはその一部を有しているものが挙げられる。本発明のヒト由来のタンパク質の一部のものとは、該ヒト由来のタンパク質の一部のペプチド(すなわち、該タンパク質の部分ペプチド)であって、本発明の可溶型RAGEと実質的に同等な活性を有するものであればいずれのものであってもよい。例えば、該本発明のタンパク質の部分ペプチドは、本発明の可溶型RAGEの構成アミノ酸配列のうち少なくとも5個以上、好ましくは20個以上、さらに好ましくは50個以上、より好ましくは70個以上、もっと好ましくは100 個以上、ある場合には200 個以上のアミノ酸配列を有するペプチドが挙げられ、好ましくはそれらは連続したアミノ酸残基に対応するものであるか、あるいは、例えば、配列表の配列番号:2で示されるアミノ酸配列のうち対応する領域に対する相同性に関して、上記と同様の相同性を有するものが挙げられる。
【0047】
本明細書において、「実質的に同等」とは蛋白質の活性、例えば、阻害活性、生理的な活性、生物学的な活性が実質的に同じであることを意味する。さらにまた、その用語の意味の中には、実質的に同質の活性を有する場合を包含していてよく、該実質的に同質の活性としては、AGE とRAGEとの間の相互作用に対する活性、例えば、AGE のいずれか一つに対する結合活性、膜貫通型RAGEのAGE のいずれか一つに対する結合活性に対して抑制あるいは阻害する活性などを挙げることができる。該実質的に同質の活性とは、それらの活性が性質的に同質であることを示し、例えば、生理的に、薬理学的に、あるいは生物学的に同質であることを示す。例えば、AGE の膜貫通型RAGEに対する結合を阻害する活性などの活性が、同等 (例えば、約 0.001〜約1000倍、好ましくは約0.01〜約100 倍、より好ましくは約 0.1〜約20倍、さらに好ましくは約 0.5〜約2 倍) であることが好ましいが、これらの活性の程度、タンパク質の分子量などの量的な要素は異なっていてもよい。次に、アミノ酸の置換、欠失、あるいは挿入は、しばしばポリペプチドの生理的な特性や化学的な特性に大きな変化を生ぜしめないし、こうした場合、その置換、欠失、あるいは挿入を施されたポリペプチドは、そうした置換、欠失、あるいは挿入のされていないものと実質的に同一であるとされるであろう。該アミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一な置換体としては、そのアミノ酸が属するところのクラスのうちの他のアミノ酸類から選ぶことができうる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、トリプトファン、メチオニンなどが挙げられ、極性(中性)としては、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミンなどが挙げられ、陽電荷をもつアミノ酸(塩基性アミノ酸)としては、アルギニン、リジン、ヒスチジンなどが挙げられ、陰電荷をもつアミノ酸(酸性アミノ酸)としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
【0048】
本発明のタンパク質及びその一部のペプチドの合成には、当該ペプチド合成分野で知られた方法、例えば液相合成法、固相合成法などの化学合成法を使用することができる。こうした方法では、例えばタンパク質あるいはペプチド合成用樹脂を用い、適当に保護したアミノ酸を、それ自体公知の各種縮合方法により所望のアミノ酸配列に順次該樹脂上で結合させていく。縮合反応には、好ましくはそれ自体公知の各種活性化試薬を用いるが、そうした試薬としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドなどカルボジイミド類を好ましく使用できる。生成物が保護基を有する場合には、適宜保護基を除去することにより目的のものを得ることができる。
本発明のタンパク質及びその一部のペプチドは、それが遊離型のものとして得られた場合には、それ自体公知の方法あるいはそれに準じた方法で塩に変換することができ、またそれらは塩として得られた場合には、それ自体公知の方法あるいはそれに準じた方法で遊離型のものあるいは他の塩に変換することができる。本発明のタンパク質及びその一部のペプチドの塩としては、生理的に許容されるものあるいは医薬として許容されるものが好ましいが、これらに限定されない。こうした塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩、例えば酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマール酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩などが挙げられる。さらに該塩としては、アンモニウム塩、例えばエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ヒドロキシエチルアミンなどの有機塩基との塩なども挙げられる。
【0049】
こうした本発明の可溶型RAGE及びその変異体、修飾体、誘導体などは、上記で説明したような分離・精製処理を施すことができる。本発明では、「断片」、「誘導体」及び「類縁体」なる用語は、配列番号:2のポリペプチド、配列番号:1の配列から転写され且つスプライシングされていないか又は特異的にスプライシングされた hnRNA又はmRNAによりコードされるポリペプチド、又はゲノミックDNA によりコードされるポリペプチドに関連して、その「断片」、「誘導体」又は「類縁体」と称した場合、このようなポリペプチドと本質的に同一の生物学的機能又は活性を有しているポリペプチドを意味する。従って、類似体にはプロタンパク質部分が切断されて活性成熟ポリペプチドを産生するような、活性化できるプロタンパク質等が包含される。本発明のポリペプチドは組換えポリペプチド、天然ポリペプチド又は合成ポリペプチドでよい。特定の好ましい態様では、これは組換えポリペプチドである。
これまで先行技術に開示されている可溶型RAGEは、膜貫通ドメインを有するRAGE遺伝子から細胞外部位を遺伝子操作により人工的に作成したものであるのに対して、本発明の可溶型RAGEは、生体内に存在する天然型ペプチド(内在性ペプチドあるいは内因性ペプチド)で、C末端部分の16個のアミノ酸残基においてRAGE蛋白質と異なっているものである。先行技術に開示されている、遺伝子操作により人工的に作成された可溶型RAGEは、それ自体天然に存在するフォームでないので、非生理的なものであること、また分離・精製の過程で除去しきれなかった宿主昆虫細胞由来の夾雑物に対する免疫反応がおこる恐れもあり、さらに体外からの投与が必要であるが、それは蛋白であるため経口で行うことには無理があり、静脈等への注射等が必要となり、患者に苦痛を強いることになるなど、患者などへの負担の問題がある。これに対し、本発明の可溶型RAGEの有利な点としては、内在性に産生される天然のフォームなので、生理的なものであり、抗体ができる恐れが少なく、さらに経口剤などを開発して、そうした医薬により本発明の可溶型RAGEの発現を誘導できるようになれば、苦痛を与えることなしに、糖尿病患者を合併症から守ることなどができる。本発明の可溶型RAGEの変異体、修飾体、誘導体などは、本発明の可溶型RAGEに由来することからその可溶型RAGEの有する有利な点と同様な利点を期待できる。
【0050】
一方では、こうして、本発明は上記したポリペプチドをコードするDNA 配列、そして天然の特性の全部あるいは一部を有する可溶型RAGEのポリペプチド、さらにその類縁体あるいは誘導体をコードするDNA 配列も包含する。本発明のポリヌクレオチドは、アミノ末端に付加アミノ酸又はカルボキシル末端に付加アミノ酸を加えた成熟タンパク質、又は成熟タンパク質に内在するポリペプチド (例えば、成熟形態で一つ以上のポリペプチド鎖を有する場合) のアミノ酸をコードしているものであることができる。このような配列は、前駆体から成熟形態のタンパク質へのプロセッシングにおいても何らかの働きをなすものであってよく、例えば、タンパク質の移動や輸送を促進したり、タンパク質の半減期を延長もしくは短縮したり、又はタンパク質を操作してその検出もしくは産生を容易にすることができるものであってよい。一般的には、例えば、付加アミノ酸は、細胞酵素によりプロセッシングされ、成熟タンパク質から取り除かれる。1又はそれ以上のプロ配列と融合した成熟形態ポリペプチドを有する前駆タンパク質は、不活性形態ポリペプチドであることができる。プロ配列が除去されると、このような不活性前駆体は、通常活性化される。プロ配列のいくつか又は全ては、活性化の前に除去できる。通常、このような前駆体はプロタンパク質と称される。本発明のポリペプチドは、成熟タンパク質、リーダー配列を付加してある成熟タンパク質 (プレタンパク質と称することができる) 、プレタンパク質のリーダー配列ではない1又はそれ以上のプロ配列を有する成熟タンパク質の前駆体、又はリーダー配列及び1又はそれ以上のプロ配列を有するプロタンパク質の前駆体であるプレプロタンパク質であってよい。また、該プロ配列は通常活性形態ポリペプチド及び成熟形態ポリペプチドを産み出すようなプロセッシングの段階で除去され得る。
【0051】
本発明のDNA 配列は、これまで知られていなかった哺乳動物のタンパク質のアミノ酸配列に関する情報を提供しているから、こうした情報を利用することも本発明に包含される。こうした利用としては、例えば可溶型RAGE及び関連タンパク質をコードする哺乳動物、特に好ましくはヒトの、ゲノムDNA 及びcDNAの単離及び検知のためのプローブの設計などが挙げられる。
本発明のDNA 配列は、例えば可溶型RAGE及び関連タンパク質をコードする哺乳動物、特に好ましくはマウス、ラットやヒトの、ゲノムDNA 及びcDNAの単離及び検知のためのプローブとして有用である。プローブは、必要に応じて、抗体に関連して挙げられている標識を付与しておくことができる。遺伝子の単離にあたっては、PCR 法、さらには逆転写酵素 (RT) を用いたPCR 法 (RT-PCR) を利用することが出来る。可溶型RAGE cDNA 及びその関連DNA は、クローニングされ、配列決定された可溶型RAGE cDNA 配列から推定されるアミノ酸配列に基づき特徴的な配列領域を選び、DNA プライマーをデザインして化学合成し、得られたDNA プライマーを用いて、PCR 法、RT-PCR、その他の方法を用いて可溶型RAGE関連遺伝子の単離、検出などに利用することが出来る。例えば、可溶型RAGE mRNA のヒト組織中での発現を各種の組織由来poly (A)+ RNA に対するノーザンブロット分析により検討することができる。本発明のcDNAをプローブとして用いれば、例えばノーザン・ブロティング、サザン・ブロティング、in situ ハイブリダイゼーションなどによりヒト組織中での可溶型RAGE mRNA の発現や可溶型RAGE遺伝子自体などを検出・測定でき、ヒト組織における細胞内タンパク質代謝、ホルモン前駆体の活性化、および組織マトリックスや骨の改変を含む、多くの正常な細胞のプロセスに関与する、AGE とRAGEとの間の相互作用における役割、アルツハイマー病、糖尿病合併症、動脈硬化症、高脂血症、アレルギー疾患、炎症性疾患、神経変性疾患およびがんの浸潤・転移の様な多くの疾患等の研究の発展に貢献できる。可溶型RAGEに関連した疾患の遺伝子診断にも利用できる。そうした診断は、当該可溶型RAGE及び関連タンパク質をコードする核酸の異常、例えば損傷、突然変異、発現低下、発現過多などを診断するものであることができる。
【0052】
本発明に従えば、本発明の可溶型RAGEの遺伝子診断法(検出方法)が提供できる。該遺伝子診断法では、(a) 核酸試料を得る工程、(b) 工程(a) にて得られた核酸試料を、例えばPCR 法、RNA ポリメラーゼを利用した核酸増幅法、鎖置換増幅法などで遺伝子増幅し、例えば該可溶型RAGE遺伝子に存在しうる変異部位などを含む領域が増幅された核酸断片を得る工程、及び(c) 工程(b) の核酸断片について変異の存在を調べる工程を含む態様が挙げられる。増幅の対象となる、変異部位を含む領域としては、本発明の可溶型RAGEの遺伝子の塩基配列のうち、疾患の原因となる変異を含んでいる領域であれば特に限定されず、例えば、配列表の配列番号:1に示される塩基配列の中の任意の位置の塩基を含む領域が挙げられる。上記工程(c) においては、当該分野で当業者に知られている変異の存在に検出方法の中から適切な方法を選んでそれを適用でき、特には限定されないが、例えばASPCR (allele-specific PCR) 法により得られたDNA 断片長を調べることにより検出することができる。DNA 断片長を調べる方法は、特に限定されるものではないが、例えば螢光DNA シークエンサーなどを使用して行うことができる。本工程で使用される変異検出法としては、例えば制限酵素断片長多型 (restriction fragment length polymorphism: RFLP) を検出して調べる方法などが挙げられる。また、変異の検出には、例えば変異部位を含む適当なDNA 片をプローブに用いるハイブリダイゼーション法や、SSCP法(単鎖高次構造多型)のような公知の変異検出法を使用してよい。本発明の遺伝子診断に従い、本発明の可溶型RAGEに関係した遺伝子診断が可能であり、例えば糖尿病、がん、アルツハイマー病などへの罹患抵抗性・感受性決定の一素因と考えられる本発明の可溶型RAGEの発現や多型を遺伝子診断し、さらに、当該診断結果に基づき関連疾患罹病へのリスクを下げるような遺伝子治療を行うことが可能となる。
【0053】
本明細書中で開示した可溶性RAGE及びそれに関連したタンパク質、そのフラグメント、さらにはDNA を含めた核酸(mRNA やオリゴヌクレオチドを含む) は、それらを単独あるいは有機的に使用し、更には以下で説明する技術(アンチセンス法、モノクローナル抗体を含めた抗体、トランスジェニク動物など)とも適宜組合わせて、ゲノミックス及びプロテオミックス技術に応用できる。例えば、可溶性RAGE変異体は、ドミナントネガティブ効果を利用した機能解析にも利用可能である。また、二本鎖RNA (dsRNA) を使用してのRNAi (RNA interference) 技術への応用の途もある。かくして、一塩基多型(SNP; single nucleotide polymorphisms)を中心とした遺伝子多型解析、核酸アレイ、タンパク質アレイを使用した遺伝子発現解析、遺伝子機能解析、タンパク質間相互作用解析、関連疾患解析、疾患治療薬解析をすることが可能となる。例えば、核酸アレイ技術では、cDNAライブラリーを使用したり、PCR 技術で得たDNA を基板上にスポッティング装置で高密度に配置して、ハイブリダイゼーションを利用して試料の解析が行われる。該アレイ化は、針あるいはピンを使用して、あるいはインクジェトプリンティング技術などでもって、スライドガラス、シリコン板、プラスチックプレートなどの基板のそれぞれ固有の位置にDNA が付着せしめられることによりそれを実施することができる。該核酸アレイ上でのハイブリダイゼーションの結果得られるシグナルを観察してデータを取得する。該シグナルは、螢光色素などの標識(例えば、Cy3, Cy5, BODIPY, FITC, Alexa Fluor dyes(商品名), Texas red(商品名) など) より得られるものであってよい。検知にはレーザースキャナーなどを利用することもでき、得られたデータは適当なアルゴリズムに従ったプログラムを備えたコンピューターシステムで処理されてよい。また、タンパク質アレイ技術では、タグを付された組換え発現タンパク質産物を利用してよく、二次元電気泳動(2-DE)、酵素消化フラグメントを含めての質量分析 (MS)(これにはエレクトロスプレーイオン化法(electrospray ionization: ESI), マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(matrix-assisted laser desorption/ionization: MALDI)などの技術が含まれ、MALDI-TOF 分析計、ESI-3 連四重極分析計、ESI-イオントラップ分析計などを使用してよい) 、染色技術、同位体標識及び解析、画像処理技術などが利用されることができる。したがって、本発明には上記で得られるあるいは利用できる可溶性RAGE及びそれに対する抗体に関連したソフトウエア、データベースなども含まれてよい。
【0054】
本発明で得られたDNA (例えば、可溶型RAGEをコードするDNA )を対象動物に転移させるにあたっては、それをDNA 断片としてあるいは該DNA を動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合して用いるのが一般に有利である。たとえば、マウスに可溶型RAGE DNAを導入する場合、これと相同性が高い動物由来の可溶型RAGE DNAを動物細胞で発現させうる各種プロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトを、対象動物の受精卵、たとえばマウス受精卵へマイクロインジェクションすることによって可溶型RAGEを高産生する遺伝子導入(トランスジェニック)マウスを作出できる。マウスとしては、特に純系のマウスに限定されないが、例えば、C57BL/6 、Balb/C、C3H 、(C57BL/6×DBA/2)F1(BDF1)などが挙げられる。このプロモーターとしては、例えばウイルス由来プロモーター、メタロチオネイン等のユビキタスな発現プロモーターなどが好ましく使用しうる。また該可溶型RAGE DNAを導入する場合、組換えレトロウイルスに組み換えて、それを用いて行うこともできる。好適には対象DNA を導入されたマウス受精卵は、例えば、ICR のような仮親のマウスを使用して生育せしめることができる。
受精卵細胞段階における本発明で得られたDNA (例えば、可溶型RAGEをコードするDNA )の転移は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。DNA 転移後の作出動物の胚芽細胞において可溶型RAGEをコードするDNA が存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに該可溶型RAGEをコードするDNA を有することを意味する。遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てにおいて、該可溶型RAGEを発現できる可能性を有している。
【0055】
該可溶型RAGE DNA導入動物は、交配により遺伝子を安定に保持することを確認して、該DNA 保有動物として通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。さらに、目的DNA を保有する雌雄の動物を交配することにより、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNA を有するように繁殖継代することができる。該可溶型RAGE DNAが導入された動物は、該可溶型RAGEタンパク質が高発現させられているので、該可溶型RAGEタンパク質に対する阻害剤(インヒビター)のスクリーニング用の動物などとして有用である。また可溶型RAGE遺伝子の発現を阻害することのできるアンチセンス オリゴヌクレオチド、例えば、アンチセンスDNA などのスクリーニング用の動物などとして有用である。
この遺伝子導入動物を、組織培養のための細胞源として使用することもできる。例えば、遺伝子導入マウスの組織中のDNA もしくはRNA を直接分析するかあるいは遺伝子により発現されたタンパク質・組織を分析することにより、AGE とRAGEとの間の相互作用に関連したタンパク質について分析することができる。該可溶型RAGEを産生する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用して、たとえば脳、胸腺、血管内皮細胞などの血管細胞、血液細胞、精巣、脳、腸、腎臓やその他の組織由来の細胞についてその機能を研究することができる。また、その細胞を用いることにより、たとえば各種組織の機能を高めるような医薬開発に資することも可能である。また、高発現細胞株があれば、そこから、可溶型RAGEを単離精製することも可能である。トランスジェニック マウスなどに関連した技術は、例えば、Brinster, R. L., et al.,; Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 4438, 1985; Costantini, F. & Jaenisch, R. (eds): Genetic manipulation of the early mammalian embryo, Cold Spring Harbor Laboratory, 1985などの文献に記載の方法あるいはそこに引用された文献に記載の方法、さらにはそれらの改変法により行うことができる。
【0056】
本発明で得られた遺伝子(例えば、可溶型RAGEに相当するマウス可溶型RAGEをコードするDNA)に変異をもち、マウス可溶型RAGEを全く発現しない変異マウス(ノックアウトマウス)を作出することができる。たとえば、該遺伝子の翻訳開始コドンの前後4kb を含むおよそ8kb のゲノムDNA の中央近傍に位置し翻訳開始コドンに近いエキソンにneo 耐性遺伝子-polyA付加シグナルからなる遺伝子カセットを挿入した変異遺伝子を持つターゲティングベクターを構築することができる。挿入する遺伝子カセットはneo 耐性遺伝子カセット以外にDT-Aカセット、tkカセット、lacZカセットなどが挙げられる。ターゲティングベクターを直鎖状に開き、樹立したマウス胚性幹細胞(embryonic stem cells: ES細胞)にエレクトロポレーションで導入、さらに培養してneo 耐性を獲得したES細胞を選別する。ES細胞は129 、C57BL/6 、F1(C57BL/6×CBA)マウスなどのマウス系統から選択して調製することができる。neo 耐性を獲得したES細胞は、マウス可溶型RAGE遺伝子領域において遺伝子カセットを挿入したターゲティングベクターと相同組換えを起こしていると想定され、少なくともマウス可溶型RAGE遺伝子アレルのうち一つは破壊され、マウス可溶型RAGEを正常に発現できなくなる。選別には挿入した遺伝子カセットによりそれぞれ適当な方法が選択され、また、変異の導入はPCR 、サザンハイブリダイゼーションあるいはノーザンハイブリダイゼーションなどの方法を用いて確認することができる。
【0057】
変異を導入したES細胞は、C57BL/6 、BALB/c、ICR マウスなどから取り出した8細胞期胚に注入、1日培養し胚盤胞に発生したものをICR のような仮親に移植することで個体まで生育させることができる。生まれる子マウスは変異をもつES細胞と正常な宿主胚に由来するキメラマウスで、ES細胞に由来する細胞がどの程度含まれるかは個体の毛色で判断する。従って、ES細胞と宿主胚は毛色の異なった系統の組合わせが望ましい。得られたキメラマウスの変異はヘテロであり、これらを適宜交配することでホモ変異マウスを得ることができる。このようにして得られたホモ変異マウスは生殖細胞および体細胞の全てにおいて、マウス可溶型RAGE遺伝子のみが破壊され、マウス可溶型RAGEを全く発現せず、繁殖継代される子孫もまた同様の表現系をもつ。
このノックアウトマウスは正常マウスとの比較において、発生、成長、生殖、老化および死など個体のライフサイクルにおける可溶型RAGEの役割や各臓器、組織における可溶型RAGEの機能を解析するのに有用である。また、AGE とRAGEとの間の相互作用に関連した医薬品開発にも応用できる。ノックアウトマウスはこれらモデル動物としてだけではなく、組織培養のための細胞源として使用することもでき、細胞レベルでの可溶型RAGEの機能解析などに供することができる。ノックアウトマウス等に関連した技術は、例えば、Mansour, S. L., et al.,; Nature, 336: 348-352, 1988; Joyner, A. L., ed.; Gene targeting, IRL Press, 1993; 相沢慎一, ジーンターゲティングES細胞を用いた変異マウスの作成,羊土社,1995などの文献に記載の方法あるいはそこに引用された文献に記載の方法、さらにはそれらの改変法により行うことができる。
【0058】
本発明に従えば、可溶型RAGE遺伝子の発現を阻害することのできるアンチセンス・オリゴヌクレオチド(核酸)を、クローン化したあるいは決定された可溶型RAGEをコードするDNA の塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうしたオリゴヌクレオチド(核酸)は、可溶型RAGE遺伝子のmRNAとハイブリダイズすることができ、該mRNAの機能を阻害することができるか、あるいは可溶型RAGE関連mRNAとの相互作用などを介して可溶型RAGE遺伝子の発現を調節・制御することができる。可溶型RAGE関連遺伝子の選択された配列に相補的なオリゴヌクレオチド、及び可溶型RAGE関連遺伝子と特異的にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドは、生体内及び生体外で可溶型RAGE遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、またそれに関連した病気などの治療又は診断に有用である。用語「対応する」とは、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列又は核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。ヌクレオチド、塩基配列又は核酸とペプチド(タンパク質)との間で「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)の配列又はその相補体から誘導される指令にあるペプチド(タンパク質)のアミノ酸を通常指している。当該遺伝子の5'端ヘアピンループ、5'端6-ベースペア・リピート、5'端非翻訳領域、ポリペプチド翻訳開始コドン、タンパク質コード領域、ORF 翻訳開始コドン、3'端非翻訳領域、3'端パリンドローム領域、及び3'端ヘアピンループは、好ましい対象領域として選択しうるが、当該遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
【0059】
目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に相補的なオリゴヌクレオチドとの関係は、対象物とハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドとの関係を意味し、それは、「アンチセンス」であるということができる。アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、2-デオキシ-D- リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、D-リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、プリン又はピリミジン塩基のN-グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販のタンパク質核酸及び合成配列特異的な核酸ポリマー)又は特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはDNA やRNA 中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それらは、2本鎖DNA,1本鎖DNA,2本鎖RNA,1本鎖RNA,さらにDNA:RNA ハイブリッドであることができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド又は非修飾オリゴヌクレオチド、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合又は硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例えばタンパク質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L- リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有しているもの、インターカレント化合物(例えば、アクリジン、プソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」及び「核酸」とは、公知のプリン及びピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリン及びピリミジン、アシル化されたプリン及びピリミジン、あるいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌクレオシド及び修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
【0060】
本発明のアンチセンス核酸は、RNA 、DNA 、あるいは修飾された核酸である。修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうした修飾は当該分野で数多く知られており、例えばJ. Kawakami et al., Pharm Tech Japan, 8: 247, 1992; 8: 395, 1992; S. T. Crooke et al. ed.,Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993などに開示がある。本発明のアンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形態で与えられることができうる。こうした付加形態で用いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピッド、コレステロールなど)といった疎水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。その他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNase などのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるものではない。
【0061】
アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは可溶型RAGEの生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に適用できる。
以上述べた、本発明者らの研究成果により可溶型RAGEの遺伝子及び組換えDNA 分子を宿主に移入し、可溶型RAGEを発現させ、目的とする可溶型RAGEを得る方法が提供される。こうして本発明によれば、可溶型RAGEの遺伝子を実質的に発現する組換え体あるいはトランスフェクタント及びその製造法、さらにはその用途も提供される。
別の面では、本発明はRAGEファミリーに属する天然型(ネイティブ)可溶型RAGE(特には、内在性(endogenous)可溶型RAGE) に関し、AGE とRAGEとの相互作用に対して活性を有する(例えば、AGE の膜結合型RAGEへの結合抑制あるいは阻害活性を有するなど)し且つC 末端側には配列表の配列番号:2のアミノ酸配列Glu332〜Met347のうちの少なくとも 1〜16個の連続したアミノ酸残基を有するポリペプチドの一種であり且つ 天然のヒト可溶型RAGEと実質的に同等な活性を有することを特徴とするタンパク質またはその塩、より好ましくは可溶型RAGEまたはその塩と、実質的に同等な活性を有するか、あるいは実質的に同等の一次構造コンフォメーションを持つ該タンパク質の少なくとも一部あるいは全部を有するポリペプチドを、大腸菌などの原核生物あるいは哺乳動物細胞などの真核生物で発現させることを可能にするDNA やRNA などの核酸に関するとすることができる。またこうした核酸、特にはDNA は、(a) 配列表の配列番号:2で表されるアミノ酸配列をコードできる配列あるいはそれと相補的な配列、(b) 該(a) のDNA 配列またはその断片とハイブリダイズすることのできる配列、及び(c) 該(a) 又は(b) の配列にハイブリダイズすることのできる縮重コードを持った配列であることができる。ここでハイブリダイズの条件としては、ストリンジェントな条件であることができる。こうした核酸で形質転換され、本発明の該ポリペプチドを発現できる大腸菌などの原核生物あるいは哺乳動物細胞などの真核生物も本発明の特徴をなす。
【0062】
こうして典型的には本発明の目的は、可溶型RAGE遺伝子、それから誘導されたプローブを用い、あるいはさらに必要に応じ、可溶型RAGEに対する阻害物質を用い、被検試料中の可溶型RAGEあるいはその遺伝子、さらには産生細胞を検知・分別定量する優れた方法及びその為の試薬キットを提供することにある。本発明はこうした可溶型RAGEあるいはその遺伝子、さらには産生細胞を検知・分別定量することのできる試薬キットのうちの各試薬をすべてその実施態様のうちに含むと理解される。さらに本発明の目的は、上記方法を用いて可溶型RAGEあるいはその遺伝子、さらには産生細胞を検知・分別定量することにより、細胞内タンパク質代謝、ホルモン前駆体の活性化、および組織マトリックスあるいは骨の改変など、多くの正常な細胞のプロセスに関与するAGE とRAGEとの相互作用の役割、糖尿病合併症、動脈硬化症、血栓症、高脂血症、アルツハイマー病、アレルギー疾患、炎症性疾患、骨粗鬆症、神経変性疾患およびがんの浸潤・転移の様な多くの疾患などをモニターし得る方法並びに試薬あるいは診断剤を提供することにある。したがって、医学的・生理学的分野における上記試薬の各種利用、AGE とRAGEとの相互作用に起因する応答・症状・疾患の研究・解析・測定、診断、予防、治療などの目的で上記試薬を使用することは、すべて本発明のその実施態様のうちに含まれると理解される。
【0063】
本発明の可溶型RAGEあるいはその塩は、AGE とRAGEとの相互作用に対して活性を有し、例えばAGE と膜貫通型RAGEとの結合を抑制あるいは阻害する活性を有し、例えば生体防御・老化・成人病性血管障害・がんなどにおいて重要な働きを有する因子であると考えられる。そして、該タンパク質は可溶型RAGE無形成症、可溶型RAGE発現不全症、可溶型RAGE遺伝子欠損症など病状を呈する可溶型RAGE関連機能不全疾患の治療に有用であると考えられる。すなわち、可溶型RAGE、変異体、修飾体、誘導体を含有する医薬を用いれば、可溶型RAGEによる活性が不充分であることに起因する疾患患者を健常な状態にすることが可能である。本発明のポリペプチドは、AGE 活性阻害剤の一つであり、該タンパク質の発現量やAGE 活性阻害活性が減少している場合に生ずる種々の疾患の治療及び/又は予防剤などの医薬として有用である。また本発明のポリペプチドは、AGE 活性が亢進している場合に生ずる種々の疾患の治療及び/又は予防剤などの医薬として有用である。例えば、生体内において可溶型RAGEが減少あるいは欠損しているために、細胞における当該生物学的活性が十分に得られていないか、あるいは正常でない症状の患者の場合には、(A) 本発明のタンパク質等を該患者に投与することによるか、(B) 本発明のDNA などの核酸を該患者に投与して、生体内で本発明のタンパク質等を発現させることによるか、(C) 本発明のDNA などの核酸を発現可能に導入した細胞を該患者に移植することによって、生体内に本発明のタンパク質等を補充する等して、該患者における当該症状を改善したりする。
【0064】
本発明の可溶型RAGEの生物学的活性などの機能(例えば、AGE と膜貫通型RAGEとの結合を抑制あるいは阻害する活性など)を促進する化合物(アゴニスト、あるいは促進剤)又はその塩は、可溶型RAGE機能不全症状、糖尿病合併症、動脈硬化症、血栓症、高脂血症、アルツハイマー病、神経変性疾患、リウマチ性関節炎およびがんの浸潤・転移などの各種の疾病の治療及び/又は予防剤として有用な医薬として使用できる。一方、本発明の可溶型RAGEの生物学的活性などの機能(例えば、AGE と膜貫通型RAGEとの結合を抑制あるいは阻害する活性など)を阻害する化合物(アンタゴニスト、あるいは阻害剤)又はその塩は、過可溶型RAGE機能症、AGE とRAGEとの相互作用に起因した疾患や病気、がんなどの各種の疾病の治療及び/又は予防剤などの医薬として使用できる。例えば可溶型RAGEは、AGE の生理作用あるいは生物活性を抑制あるいは阻害する作用を有し、AGE 過多にに起因する疾患の治療用医薬として有用である。
【0065】
かくして、本発明の可溶型RAGEなどのポリペプチド等は、本発明の可溶型RAGEなどのポリペプチド等の、生物学的活性などの機能(例えば、AGE と膜貫通型RAGEとの結合を抑制あるいは阻害する活性など)を促進する化合物(アゴニスト)や阻害する化合物(アンタゴニスト)又はそれらの塩をスクリーニングするための試薬として有用である。かくして、本発明の可溶型RAGEなどのポリペプチド、その一部のペプチド又はそれらの塩を用いた、本発明の可溶型RAGEといったタンパク質、その一部のペプチド又はそれらの塩などの生物学的活性などの機能(例えば、AGE の生理作用あるいは生物活性を抑制あるいは阻害する活性など)を促進する化合物(アゴニスト)や阻害する化合物(アンタゴニスト)又はそれらの塩のスクリーニング方法も提供される。
該スクリーニングでは、例えば(i) 本発明のタンパク質、その一部のペプチド又はそれらの塩(該タンパク質を発現する形質転換体を含んでいてもよい、以下同様)などにAGE などの基質を接触させた場合と、(ii)本発明のタンパク質、その一部のペプチド又はそれらの塩などに基質及び試験試料を接触させた場合との比較を行う。具体的には、上記スクリーニングでは、当該生物学的活性(例えば、AGE とRAGEとの相互作用に関連した活性など)を測定して、比較する。また、該スクリーニングは、膜結合型RAGE存在下にそれを行ってよい。
基質としては、AGE 等の基質となることのできるものであれば何れのものであってよい。例えば、AGE とRAGEとの相互作用を測定する目的で使用されるもの中から選んで用いることができるが、好ましくは合成されたAGE などを使用できる。基質は、そのまま使用できるが、好ましくはフルオレッセインなどの蛍光、酵素や放射性物質で標識したものを使用できる。
【0066】
試験試料としては、例えばタンパク質、ペプチド、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、植物抽出物、動物などの組織抽出物、細胞抽出物などが挙げられる。試験試料に使用される試験化合物の例には、好ましくは抗AGE 抗体、抗RAGE抗体、AGE とRAGEとの結合阻害剤、タンパク質の糖化反応に対するインヒビター活性を有する化合物、特には合成化合物などを含んでいてよい。これら化合物は、新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。該スクリーニングは、通常の結合活性の測定法に準じて実施することができ、例えば当該分野で公知の方法などを参考にして行うことができる。また、各種標識、緩衝液系その他適当な試薬等を使用したり、そこで説明した操作等に準じて行うことができる。使用ペプチドなどは、活性化剤で処理したり、その前駆体あるいは潜在型のものを活性型のものに予め変換しておくこともできる。測定は通常トリス塩酸緩衝液、リン酸塩緩衝液などの反応に悪影響を与えないような緩衝液等の中で、例えば、pH約4〜約10 (好ましくは、pH約6〜約8)において行うことができる。これら個々のスクリーニングにあたっては、それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて、本発明の可溶型RAGEあるいはそれと実質的に同等な活性を有するポリペプチドあるいはペプチドに関連した測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる〔例えば、Methods in Enzymology, Academic Press 社 (USA)発行) など参照〕。
【0067】
本発明のスクリーニング方法又はスクリーニングキットを用いて得られる化合物又はその塩は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などから選ばれた化合物であり、本発明のタンパク質等の機能を促進あるいは阻害する化合物である。該化合物の塩としては、例えば、薬学的に許容される塩などが挙げられる。例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'- ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0068】
本明細書中、「抗体」との用語は、広義の意味で使用されるものであってよく、所望の可溶型RAGEポリペプチド及び関連ペプチド断片に対するモノクローナル抗体の単一のものや各種エピトープに対する特異性を持つ抗体組成物であってよく、また1価抗体または多価抗体並びにポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を含むものであり、さらに天然型(intact)分子並びにそれらのフラグメント及び誘導体も表すものであり、F(ab')2, Fab' 及びFab といったフラグメントを包含し、さらに少なくとも二つの抗原又はエピトープ (epitope)結合部位を有するキメラ抗体若しくは雑種抗体、又は、例えば、クワドローム(quadrome), トリオーム(triome)などの二重特異性組換え抗体、種間雑種抗体、抗イディオタイプ抗体、さらには化学的に修飾あるいは加工などされてこれらの誘導体と考えられるもの、公知の細胞融合又はハイブリドーマ技術や抗体工学を適用したり、合成あるいは半合成技術を使用して得られた抗体、抗体生成の観点から公知である従来技術を適用したり、DNA 組換え技術を用いて調製される抗体、本明細書で記載し且つ定義する標的抗原物質あるいは標的エピトープに関して中和特性を有したりする抗体又は結合特性を有する抗体を包含していてよい。特に好ましい本発明の抗体は、天然型の可溶型RAGEポリペプチドを特異的に識別できるものであり、例えば、全長型RAGEポリペプチドや全長型RAGEポリペプチドからそのN 末端側あるいはそのC 末端側を開裂せしめて生成せしめた公知の可溶化型RAGEポリペプチドとは区別してそれを認識できるものである。
【0069】
抗原物質に対して作製されるモノクローナル抗体は、培養中の一連のセルラインにより抗体分子の産生を提供することのできる任意の方法を用いて産生される。修飾語「モノクローナル」とは、実質上均質な抗体の集団から得られているというその抗体の性格を示すものであって、何らかの特定の方法によりその抗体が産生される必要があるとみなしてはならない。個々のモノクローナル抗体は、自然に生ずるかもしれない変異体が僅かな量だけ存在しているかもしれないという以外は、同一であるような抗体の集団を含んでいるものである。モノクローナル抗体は、高い特異性を持ち、それは単一の抗原性をもつサイトに対して向けられているものである。異なった抗原決定基(エピトープ) に対して向けられた種々の抗体を典型的には含んでいる通常の(ポリクローナル)抗体調製物と対比すると、それぞれのモノクローナル抗体は当該抗原上の単一の抗原決定基に対して向けられているものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養により合成され、他のイムノグロブリン類の夾雑がないあるいは少ない点でも優れている。モノクローナル抗体は、ハイブリッド抗体及びリコンビナント抗体を含むものである。それらは、所望の生物活性を示す限り、その由来やイムノグロブリンクラスやサブクラスの種別に関わりなく、可変領域ドメインを定常領域ドメインで置き換えたり(例えば、ヒト化抗体) 、あるいは軽鎖を重鎖で置き換えたり、ある種の鎖を別の種の鎖でもって置き換えたり、あるいはヘテロジーニアスなタンパク質と融合せしめたりして得ることができる(例えば、米国特許第4816567 号; Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp.79-97, Marcel Dekker, Inc., New York, 1987 など) 。モノクローナル抗体を製造する好適な方法の例には、ハイブリドーマ法 (G. Kohler and C. Milstein, Nature, 256, pp.495-497 (1975)); ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozbor et al., Immunology Today, 4, pp.72-79 (1983); Kozbor, J. Immunol., 133, pp.3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp.51-63, Marcel Dekker, Inc., New York (1987);トリオーマ法; EBV-ハイブリドーマ法 (Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96 (1985))(ヒトモノクローナル抗体を産生するための方法);米国特許第4946778 号 (単鎖抗体の産生のための技術) が挙げられる他、抗体に関して以下の文献が挙げられる:
【0070】
S. Biocca et al., EMBO J, 9, pp.101-108 (1990); R.E. Bird et al., Science, 242, pp.423-426 (1988); M.A. Boss et al., Nucl. Acids Res., 12, pp.3791-3806 (1984); J. Bukovsky et al., Hybridoma, 6, pp.219-228 (1987); M. DAINO et al., Anal. Biochem., 166, pp.223-229 (1987); J.S. Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, pp.5879-5883 (1988); P.T. Jones et al., Nature, 321, pp.522-525 (1986); J.J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 121 (Immunochemical Techniques, Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies), Academic Press, New York (1986); S. Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, pp.6851-6855 (1984); V.T. Oi et al., BioTechniques, 4, pp.214-221 (1986); L. Riechmann et al., Nature, 332, pp.323-327 (1988); A. Tramontano et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83, pp.6736-6740 (1986); C. Wood et al., Nature, 314, pp.446-449 (1985); Nature, 314, pp.452-454 (1985) あるいはそこで引用された文献(それらの中にある記載はそれを参照することにより本明細書の開示に含められる) 。
【0071】
本発明に係るモノクローナル抗体は、それらが所望の生物活性を示す限り、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の種から誘導される又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体の対応配列と同一又はホモローガスであるが、一方、鎖の残部は、別の種から誘導される又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体の対応配列と同一又はホモローガスである、「キメラ」抗体(免疫グロブリン) を特に包含する(米国特許第4816567 号明細書; Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, pp.6851-6855 (1984)) 。以下、モノクローナル抗体を例に挙げて、抗体の作製につき詳しく説明する。本発明のモノクローナル抗体は、ミエローマ細胞を用いての細胞融合技術を利用して得られたモノクローナル抗体であってよく、例えば次のような工程で作製できる。
1.免疫原性抗原の調製
2.免疫原性抗原による動物の免疫
3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製
4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合
5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及びモノクローン化
6.モノクローナル抗体の製造
【0072】
1.免疫原性抗原の調製
抗原としては、上記で記載してあるように、可溶型RAGEポリペプチド又はそれから誘導された断片を単離したものを用いることもできるが、決定された可溶型RAGEのアミノ酸配列情報を基に、適当なオリゴペプチドを化学合成しそれを抗原として利用することができる。代表的には配列表の配列番号:2の
(1) 少なくとも第332 位〜第347 位のアミノ酸配列;
(2) 第1 位〜第117 位のアミノ酸配列;
(3) 第19位〜第347 位のアミノ酸配列; 及び
(4) 第1位〜第347 位のアミノ酸配列
から成る群から選ばれた領域に存在するアミノ酸残基のうちの連続した少なくとも5個のアミノ酸を有するペプチドが挙げられる。
抗原は、そのまま適当なアジュバントと混合して動物を免疫するのに使用できるが、免疫原性コンジュゲートなどにしてもよい。例えば、免疫原として用いる抗原は、可溶型RAGEを断片化したもの、あるいはそのアミノ酸配列に基づき特徴的な配列領域を選び、ポリペプチドをデザインして化学合成して得られた合成ポリペプチド断片であってもよい。また、その断片を適当な縮合剤を介して種々の担体タンパク質類と結合させてハプテン−タンパク質の如き免疫原性コンジュゲートとし、これを用いて特定の配列のみと反応できる(あるいは特定の配列のみを認識できる)モノクローナル抗体をデザインするのに用いることもできる。デザインされるポリペプチドには予めシステイン残基などを付加し、免疫原性コンジュゲートの調製を容易にできるようにしておくことができる。担体タンパク質類と結合させるにあたっては、担体タンパク質類はまず活性化されることができる。こうした活性化にあたり活性化結合基を導入することが挙げられる。
活性化結合基としては、(1) 活性化エステルあるいは活性化カルボキシル基、例えばニトロフェニルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、1-ベンゾトリアゾールエステル基、N-スクシンイミドエステル基など、(2) 活性化ジチオ基、例えば2-ピリジルジチオ基などが挙げられる。担体タンパク質類としては、キーホール・リンペット・ヘモシアニン (KLH)、牛血清アルブミン (BSA)、卵白アルブミン、グロブリン、ポリリジンなどのポリペプタイド、細菌菌体成分、例えばBCG などが挙げられる。
【0073】
2.免疫原性抗原による動物の免疫
免疫は、当業者に知られた方法により行うことができ、例えば村松繁、他編、実験生物学講座 14 、免疫生物学、丸善株式会社、昭和60年、日本生化学会編、続生化学実験講座5、免疫生化学研究法、東京化学同人、1986年、日本生化学会編、新生化学実験講座 12 、分子免疫学 III、抗原・抗体・補体、東京化学同人、1992年などに記載の方法に準じて行うことができる。免疫化剤を(必要に応じアジバントと共に)一回又はそれ以上の回数哺乳動物に注射することにより免疫化される。代表的には、該免疫化剤及び/又はアジバントを哺乳動物に複数回皮下注射あるいは腹腔内注射することによりなされる。免疫化剤は、上記抗原ペプチドあるいはその関連ペプチド断片を含むものが挙げられる。免疫化剤は、免疫処理される哺乳動物において免疫原性であることの知られているタンパク質(例えば上記担体タンパク質類など)とコンジュゲートを形成せしめて使用してもよい。アジュバントとしては、例えばフロイント完全アジュバント、リビ(Ribi)アジュバント、百日咳ワクチン、BCG 、リピッドA、リポソーム、水酸化アルミニウム、シリカなどが挙げられる。免疫は、例えばBALB/cなどのマウス、ハムスター、その他の適当な動物を使用して行われる。抗原の投与量は、例えばマウスに対して約1〜400 μg/動物で、一般には宿主動物の腹腔内や皮下に注射し、以後1〜4週間おきに、好ましくは1〜2週間ごとに腹腔内、皮下、静脈内あるいは筋肉内に追加免疫を2〜10回程度反復して行う。免疫用のマウスとしてはBALB/c系マウスの他、BALB/c系マウスと他系マウスとのF1マウスなどを用いることもできる。必要に応じ、抗体価測定系を調製し、抗体価を測定して動物免疫の程度を確認できる。本発明の抗体は、こうして得られ免疫された動物から得られたものであってよく、例えば、抗血清、ポリクローナル抗体等を包含する。
【0074】
3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製
細胞融合に使用される無限増殖可能株(腫瘍細胞株)としては免疫グロブリンを産生しない細胞株から選ぶことができ、例えば P3-NS-1-Ag4-1 (NS-1, Eur.J. Immunol., 6: 511-519, 1976)、SP-2/0-Ag14 (SP-2, Nature, 276: 269 〜270,1978 )、マウスミエローマ MOPC-21セルライン由来のP3-X63-Ag8-U1 (P3U1, Curr. topics Microbiol. Immunol., 81: 1-7, 1978 )、P3-X63-Ag8 (X63, Nature, 256: 495-497, 1975 ) 、P3-X63-Ag8-653 (653, J. Immunol., 123: 1548-1550, 1979) などを用いることができる。8-アザグアニン耐性のマウスミエローマ細胞株はダルベッコMEM 培地 (DMEM培地) 、RPMI-1640 培地などの細胞培地に、例えばペニシリン、アミカシンなどの抗生物質、牛胎児血清(FCS) などを加え、さらに8−アザグアニン(例えば5〜45μg/ml) を加えた培地で継代されるが、細胞融合の2〜5日前に正常培地で継代して所要数の細胞株を用意することができる。また使用細胞株は、凍結保存株を約37℃で完全に解凍したのち RPMI-1640培地などの正常培地で3回以上洗浄後、正常培地で培養して所要数の細胞株を用意したものであってもよい。
【0075】
4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合
上記2.の工程に従い免疫された動物、例えばマウスは最終免疫後、2〜5日後にその脾臓が摘出され、それから脾細胞懸濁液を得る。脾細胞の他、生体各所のリンパ節細胞を得て、それを細胞融合に使用することもできる。こうして得られた脾細胞懸濁液と上記3.の工程に従い得られたミエローマ細胞株を、例えば最小必須培地(MEM培地) 、DMEM培地、RPMI-1640 培地などの細胞培地中に置き、細胞融合剤、例えばポリエチレングリコールを添加する。細胞融合剤としては、この他各種当該分野で知られたものを用いることができ、この様なものとしては不活性化したセンダイウイルス(HVJ: Hemagglutinating Virus of Japan)なども挙げられる。好ましくは、例えば30〜60%のポリエチレングリコールを 0.5〜2ml加えることができ、分子量が 1,000〜8,000 のポリエチレングリコールを用いることができ、さらに分子量が 1,000〜4,000 のポリエチレングリコールがより好ましく使用できる。融合培地中でのポリエチレングリコールの濃度は、例えば30〜60%となるようにすることが好ましい。必要に応じ、例えばジメチルスルホキシドなどを少量加え、融合を促進することもできる。融合に使用する脾細胞(リンパ球): ミエローマ細胞株の割合は、例えば 1:1〜20:1とすることが挙げられるが、より好ましくは 4:1〜7:1 とすることができる。
融合反応を1〜10分間行い、次にRPMI-1640 培地などの細胞培地を加える。融合反応処理は複数回行うこともできる。融合反応処理後、遠心などにより細胞を分離した後選択用培地に移す。
【0076】
5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及びモノクローン化
選択用培地としては、例えばヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含む、FCS 含有MEM 培地、RPMI-1640 培地などの培地、所謂 HAT培地が挙げられる。選択培地交換の方法は、一般的には培養プレートに分注した容量と等容量を翌日加え、その後1〜3日ごとに HAT培地で半量ずつ交換するというように処理することができるが、適宜これに変更を加えて行うこともできる。また融合後8〜16日目には、アミノプテリンを除いた、所謂HT培地で1〜4日ごとに培地交換をすることができる。フィーダーとして、例えばマウス胸腺細胞を使用することもでき、それが好ましい場合がある。
ハイブリドーマの増殖のさかんな培養ウェルの培養上清を、例えば放射免疫分析(RIA) 、酵素免疫分析(ELISA) 、蛍光免疫分析(FIA) などの測定系、あるいは蛍光惹起細胞分離装置(FACS)などで、所定の断片ペプチドを抗原として用いたり、あるいは標識抗マウス抗体を用いて目的抗体を測定するなどして、スクリーニングしたりする。
目的抗体を産生しているハイブリドーマをクローニングする。クローニングは、寒天培地中でコロニーをピック・アップするか、あるいは限界希釈法によりなされうる。限界希釈法でより好ましく行うことができる。クローニングは複数回行うことが好ましい。
【0077】
6.モノクローナル抗体の製造
得られたハイブリドーマ株は、FCS 含有MEM 培地、RPMI-1640 培地などの適当な増殖用培地中で培養し、その培地上清から所望のモノクローナル抗体を得ることが出来る。大量の抗体を得るためには、ハイブリドーマを腹水化することが挙げられる。この場合ミエローマ細胞由来の動物と同系の組織適合性動物の腹腔内に各ハイブリドーマを移植し、増殖させるか、あるいは例えばヌード・マウスなどに各ハイブリドーマを移植し、増殖させ、該動物の腹水中に産生されたモノクローナル抗体を回収して得ることが出来る。動物はハイブリドーマの移植に先立ち、プリスタン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン)などの鉱物油を腹腔内投与しておくことができ、その処理後、ハイブリドーマを増殖させ、腹水を採取することもできる。腹水液はそのまま、あるいは従来公知の方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿法などの塩析、セファデックスなどによるゲルろ過法、イオン交換クロマトグラフィー法、電気泳動法、透析、限外ろ過法、アフィニティ・クロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法などにより精製してモノクローナル抗体として用いることができる。好ましくは、モノクローナル抗体を含有する腹水は、硫安分画した後、DEAE−セファロースの如き、陰イオン交換ゲル及びプロテインAカラムの如きアフィニティ・カラムなどで処理し精製分離処理できる。特に好ましくは抗原又は抗原断片(例えば合成ペプチド、組換え抗原タンパク質あるいはペプチド、抗体が特異的に認識する部位など)を固定化したアフィニティ・クロマトグラフィー、プロテインAを固定化したアフィニティ・クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト・クロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0078】
また、トランスジェニックマウス又はその他の生物、例えば、その他の哺乳動物は、本発明の免疫原ポリペプチド産物に対するヒト化抗体等の抗体を発現するのに用いることができる。
またこうして大量に得られた抗体の配列を決定したり、ハイブリドーマ株から得られた抗体をコードする核酸配列を利用して、遺伝子組換え技術により抗体を作製することも可能である。当該モノクローナル抗体をコードする核酸は、例えばマウス抗体の重鎖や軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用するなどの慣用の手法で単離し配列決定することができる。一旦単離されたDNA は、上記したようにして発現ベクターに入れ、CHO, COSなどの宿主細胞に入れることができる。該DNA は、例えばホモジーニアスなマウスの配列に代えて、ヒトの重鎖や軽鎖の定常領域ドメインをコードする配列に置換するなどして修飾することが可能である (Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 6581, 1984)。かくして所望の結合特異性を有するキメラ抗体やハイブリッド抗体も調製することが可能である。また、抗体は、下記するような縮合剤を用いることを含めた化学的なタンパク合成技術を適用して、キメラ抗体やハイブリッド抗体を調製するなどの修飾をすることも可能である。
ヒト化抗体は、当該分野で知られた技術により行うことが可能である(例えば、Jones et al., Nature, 321: pp.522-525 (1986); Riechmann et al., Nature, 332: pp.323-327 (1988); Verhoeyen et al., Science, 239: pp.1534-1536 (1988))。ヒトモノクローナル抗体も、当該分野で知られた技術により行うことが可能で、ヒトモノクローナル抗体を生産するためのヒトミエローマ細胞やヒト・マウスヘテロミエローマ細胞は当該分野で知られている (Kozbor, J. Immunol., 133, pp.3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp.51-63, Marcel Dekker, Inc., New York (1987)) 。バイスペシフィックな抗体を製造する方法も当該分野で知られている (Millstein et al., Nature, 305: pp.537-539 (1983); WO93/08829; Traunecker et al., EMBO J., 10: pp.3655-3659 (1991); Suresh et al., "Methods in Enzymology", Vol. 121, pp.210 (1986)) 。
【0079】
さらにこれら抗体をトリプシン、パパイン、ペプシンなどの酵素により処理して、場合により還元して得られるFab 、Fab'、F(ab')2 といった抗体フラグメントにして使用してもよい。
抗体は、既知の任意の検定法、例えば競合的結合検定、直接及び間接サンドイッチ検定、及び免疫沈降検定に使用することができる(Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.147-158 (CRC Press, Inc., 1987) 。
抗体を検出可能な原子団にそれぞれコンジュゲートするには、当分野で知られる任意の方法を使用することができ、例えば、David et al., Biochemistry, 13巻, 1014-1021 頁(1974); Pain et al, J. Immunol. Meth., 40: pp.219-231 (1981);及び "Methods in Enzymology", Vol. 184, pp.138-163 (1990) により記載の方法が挙げられる。標識物を付与する抗体としては、IgG 画分、更にはペプシン消化後還元して得られる特異的結合部Fab'を用いることができる。これらの場合の標識物の例としては、下記するように酵素(ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼあるいはβ-D- ガラクトシダーゼなど)、化学物質、蛍光物質あるいは放射性同位元素などがある。
【0080】
本発明での検知・測定は、イムノ染色、例えば組織あるいは細胞染色、イムノアッセイ、例えば競合型イムノアッセイまたは非競合型イムノアッセイで行うことができ、ラジオイムノアッセイ、ELISA などを用いることができ、B−F分離を行ってもよいし、あるいは行わないでその測定を行うことができる。好ましくは放射免疫測定法や酵素免疫測定法であり、さらにサンドイッチ型アッセイが挙げられる。例えばサンドイッチ型アッセイでは、一方を本発明の可溶型RAGE及びその関連ペプチド断片に対する抗体とし、他方を可溶型RAGEのC 末端側残基に対する抗体とし、そして一方を検出可能に標識化する。同じ抗原を認識できる他の抗体を固相に固定化する。検体と標識化抗体及び固相化抗体を必要に応じ順次反応させるためインキュベーション処理し、ここで非結合抗体を分離後、標識物を測定する。測定された標識の量は抗原、すなわち可溶型RAGEポリペプチド断片抗原の量と比例する。このアッセイでは、不溶化抗体や、標識化抗体の添加の順序に応じて同時サンドイッチ型アッセイ、フォワード(forward)サンドイッチ型アッセイあるいは逆サンドイッチ型アッセイなどと呼ばれる。例えば洗浄、撹拌、震盪、ろ過あるいは抗原の予備抽出等は、特定の状況のもとでそれら測定工程の中で適宜採用される。特定の試薬、緩衝液等の濃度、温度あるいはインキュベーション処理時間などのその他の測定条件は、検体中の抗原の濃度、検体試料の性質等の要素に従い変えることができる。当業者は通常の実験法を用いながら各測定に対して有効な最適の条件を適宜選定して測定を行うことが出来る。
【0081】
抗原あるいは抗体を固相化できる多くの担体が知られており、本発明ではそれらから適宜選んで用いることができる。担体としては、抗原抗体反応などに使用されるものが種々知られており、本発明においても勿論これらの公知のものの中から選んで使用できる。特に好適に使用されるものとしては、例えばガラス、例えば活性化ガラス、多孔質ガラス、シリカゲル、シリカ−アルミナ、アルミナ、磁化鉄、磁化合金などの無機材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリルアミド、架橋ポリアクリルアミド、スチレン−メタクリレート共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共重合体など、架橋化アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、デキストラン、アガロース、架橋アガロース、セルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートなどの天然または変成セルロース、架橋デキストラン、ナイロンなどのポリアミド、ポリウレタン、ポリエポキシ樹脂などの有機高分子物質、さらにそれらを乳化重合して得られたもの、細胞、赤血球などで、必要に応じ、シランカップリング剤などで官能性基を導入してあるものが挙げられる。
さらに、ろ紙、ビーズ、試験容器の内壁、例えば試験管、タイタープレート、タイターウェル、ガラスセル、合成樹脂製セルなどの合成材料からなるセル、ガラス棒、合成材料からなる棒、末端を太くしたりあるいは細くしたりした棒、末端に丸い突起をつけたりあるいは偏平な突起をつけた棒、薄板状にした棒などの固体物質(物体)の表面などが挙げられる。
【0082】
これら担体へは、抗体を結合させることができ、好ましくは本発明で得られる抗原に対し特異的に反応するモノクローナル抗体を結合させることができる。担体とこれら抗原抗体反応に関与するものとの結合は、吸着などの物理的な手法、あるいは縮合剤などを用いたり、活性化されたものなどを用いたりする化学的な方法、さらには相互の化学的な結合反応を利用した手法などにより行うことが出来る。
標識としては、酵素、酵素基質、酵素インヒビター、補欠分子類、補酵素、酵素前駆体、アポ酵素、蛍光物質、色素物質、化学ルミネッセンス化合物、発光物質、発色物質、磁気物質、金属粒子、例えば金コロイドなど、放射性物質などを挙げることができる。酵素としては、脱水素酵素、還元酵素、酸化酵素などの酸化還元酵素、例えばアミノ基、カルボキシル基、メチル基、アシル基、リン酸基などを転移するのを触媒する転移酵素、例えばエステル結合、グリコシド結合、エーテル結合、ペプチド結合などを加水分解する加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼなどを挙げることができる。酵素は複数の酵素を複合的に用いて検知に利用することもできる。例えば酵素的サイクリングを利用することもできる。
【0083】
代表的な放射性物質の標識用同位体元素としては、[32P], [125I], [131I],[3H],[14 C],[35S] などが挙げられる。
代表的な酵素標識としては、西洋ワサビペルオキシダーゼなどのペルオキシダーゼ、大腸菌β-D- ガラクトシダーゼなどのガラクトシダーゼ、マレエート・デヒドロゲナーゼ、グルコース-6- フォスフェート・デヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、カタラーゼ、ウシ小腸アルカリホスファターゼ、大腸菌アルカリホスファターゼなどのアルカリフォスファターゼなどが挙げられる。
アルカリホスファターゼを用いた場合、4-メチルウンベリフェリルフォスフェートなどのウンベリフェロン誘導体、ニトロフェニルホスフェートなどのリン酸化フェノール誘導体、NADPを利用した酵素的サイクリング系、ルシフェリン誘導体、ジオキセタン誘導体などの基質を使用したりして、生ずる蛍光、発光などにより測定できる。ルシフェリン、ルシフェラーゼ系を利用したりすることもできる。カタラーゼを用いた場合、過酸化水素と反応して酸素を生成するので、その酸素を電極などで検知することもできる。電極としてはガラス電極、難溶性塩膜を用いるイオン電極、液膜型電極、高分子膜電極などであることもできる。
酵素標識は、ビオチン標識体と酵素標識アビジン(ストレプトアビジン)に置き換えることも可能である。標識は、複数の異なった種類の標識を使用することもできる。こうした場合、複数の測定を連続的に、あるいは非連続的に、そして同時にあるいは別々に行うことを可能にすることもできる。
【0084】
本発明においては、信号の形成に4-ヒドロキシフェニル酢酸、1,2-フェニレンジアミン、テトラメチルベンジジンなどと西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ、ウンベリフェリルガラクトシド、ニトロフェニルガラクトシドなどとβ-D- ガラクトシダーゼ、グルコース-6- リン酸・デヒドロゲナーゼなどの酵素試薬の組合わせも利用でき、ヒドロキノン、ヒドロキシベンゾキノン、ヒドロキシアントラキノンなどのキノール化合物、リポ酸、グルタチオンなどのチオール化合物、フェノール誘導体、フェロセン誘導体などを酵素などの働きで形成しうるものが使用できる。
蛍光物質あるいは化学ルミネッセンス化合物としては、フルオレセインイソチオシアネート、例えばローダミンBイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネートなどのローダミン誘導体、ダンシルクロリド、ダンシルフルオリド、フルオレスカミン、フィコビリプロテイン、アクリジニウム塩、ルミフェリン、ルシフェラーゼ、エクォリンなどのルミノール、イミダゾール、シュウ酸エステル、希土類キレート化合物、クマリン誘導体などが挙げられる。
標識するには、チオール基とマレイミド基の反応、ピリジルジスルフィド基とチオール基の反応、アミノ基とアルデヒド基の反応などを利用して行うことができ、公知の方法あるいは当該分野の当業者が容易になしうる方法、さらにはそれらを修飾した方法の中から適宜選択して適用できる。また上記免疫原性複合体作製に使用されることのできる縮合剤、担体との結合に使用されることのできる縮合剤などを用いることができる。
【0085】
縮合剤としては、例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソチオシアネート、N,N'- ポリメチレンビスヨードアセトアミド、N,N'- エチレンビスマレイミド、エチレングリコールビススクシニミジルスクシネート、ビスジアゾベンジジン、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、スクシンイミジル 3-(2- ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、N-スクシンイミジル 4-(N- マレイミドメチル)シクロヘキサン-1- カルボキシレート(SMCC)、N-スルホスクシンイミジル 4-(N- マレイミドメチル)シクロヘキサン-1- カルボキシレート、N-スクシンイミジル (4- ヨードアセチル)アミノベンゾエート、N-スクシンイミジル 4-(1- マレイミドフェニル)ブチレート、 N-(ε−マレイミドカプロイルオキシ)コハク酸イミド(EMCS), イミノチオラン、S-アセチルメルカプトコハク酸無水物、メチル-3-(4'- ジチオピリジル)プロピオンイミデート、メチル-4- メルカプトブチリルイミデート、メチル-3- メルカプトプロピオンイミデート、N-スクシンイミジル-S- アセチルメルカプトアセテートなどが挙げられる。
【0086】
本発明の測定法によれば、測定すべき物質を酵素などで標識したモノクローナル抗体などの標識抗体試薬と、担体に結合された抗体とを順次反応させることができるし、同時に反応させることもできる。試薬を加える順序は選ばれた担体系の型により異なる。感作されたプラスチックなどのビーズを用いた場合には、酵素などで標識したモノクローナル抗体などの標識抗体試薬を測定すべき物質を含む検体試料と共に最初適当な試験管中に一緒に入れ、その後該感作されたプラスチックなどのビーズを加えることにより測定を行うことができる。
本発明の定量法においては、免疫学的測定法が用いられるが、その際の固相担体としては、抗体などタンパク質を良く吸着するポリスチレン製、ポリカーボネイト製、ポリプロピレン製あるいはポリビニル製のボール、マイクロプレート、スティック、微粒子あるいは試験管などの種々の材料および形態を任意に選択し、使用することができる。
測定にあたっては至適pH、例えばpH約4〜約9に保つように適当な緩衝液系中で行うことができる。特に適切な緩衝剤としては、例えばアセテート緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、フォスフェート緩衝剤、トリス緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、ボレート緩衝剤、グリシン緩衝剤、炭酸塩緩衝剤、トリス−塩酸緩衝剤などが挙げられる。緩衝剤は互いに任意の割合で混合して用いることができる。抗原抗体反応は約0℃〜約60℃の間の温度で行うことが好ましい。
酵素などで標識されたモノクローナル抗体などの抗体試薬及び担体に結合せしめられた抗体試薬、さらには測定すべき物質のインキュベーション処理は、平衡に達するまで行うことができるが、抗原抗体反応の平衡が達成されるよりもずっと早い時点で固相と液相とを分離して限定されたインキュベーション処理の後に反応を止めることができ、液相又は固相のいずれかにおける酵素などの標識の存在の程度を測ることができる。測定操作は、自動化された測定装置を用いて行うことが可能であり、ルミネセンス・ディテクター、ホト・ディテクターなどを使用して基質が酵素の作用で変換されて生ずる表示シグナルを検知して測定することもできる。
【0087】
抗原抗体反応においては、それぞれ用いられる試薬、測定すべき物質、さらには酵素などの標識を安定化したり、抗原抗体反応自体を安定化するように適切な手段を講ずることができる。さらに、非特異的な反応を除去し、阻害的に働く影響を減らしたり、あるいは測定反応を活性化したりするため、タンパク質、安定化剤、界面活性化剤、キレート化剤などをインキュベーション溶液中に加えることもできる。キレート化剤としては、エチレンジアミン四酢酸塩 (EDTA) がより好ましい。
当該分野で普通に採用されていたりあるいは当業者に知られた非特異的結合反応を防ぐためのブロッキング処理を施してもよく、例えば、哺乳動物などの正常血清タンパク質、アルブミン、スキムミルク、乳発酵物質、コラーゲン、ゼラチンなどで処理することができる。非特異的結合反応を防ぐ目的である限り、それらの方法は特に限定されず用いることが出来る。
本発明の測定方法で測定される試料としては、あらゆる形態の溶液やコロイド溶液、非流体試料などが使用しうるが、好ましくは生物由来の試料、例えば胸腺、睾丸、腸、腎臓、脳、乳癌、卵巣癌、結腸・直腸癌、血液、血清、血漿、関節液、脳脊髄液、膵液、胆汁液、唾液、羊水、尿、その他の体液、細胞培養液、組織培養液、組織ホモジュネート、生検試料、組織、細胞などが挙げられる。
これら個々の免疫学的測定法を含めた各種の分析・定量法を本発明の測定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて、本発明の当該対象物質あるいはそれと実質的に同等な活性を有する物質に関連した測定系を構築すればよい。
【0088】
これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる〔例えば、入江 寛編,「ラジオイムノアッセイ」,講談社,昭和49年発行;入江 寛編,「続ラジオイムノアッセイ」,講談社,昭和54年発行;石川栄治ら編,「酵素免疫測定法」,医学書院,昭和53年発行;石川栄治ら編,「酵素免疫測定法」(第2版),医学書院,昭和57年発行;石川栄治ら編,「酵素免疫測定法」(第3版),医学書院,昭和62年発行;H. V. Vunakis et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 70 (Immunochemical Techniques, Part A), Academic Press, New York (1980); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 73 (Immunochemical Techniques, Part B), Academic Press, New York (1981); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 74 (Immunochemical Techniques, Part C), Academic Press, New York (1981); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 84 (Immunochemical Techniques, Part D: Selected Immunoassays), Academic Press, New York (1982); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 92 (Immunochemical Techniques, Part E: Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods), Academic Press, New York (1983); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 121 (Immunochemical Techniques, Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies), Academic Press, New York (1986); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 178 (Antibodies, Antigens, and Molecular Mimicry), Academic Press, New York (1989); M. Wilchek et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 184 (Avidin-Biotin Technology), Academic Press, New York (1990); J. J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 203 (Molecular Design and Modeling: Concepts and Applications, Part B: Anibodies and Antigens, Nucleic Acids, Polysaccharides, and Drugs), Academic Press, New York (1991) などあるいはそこで引用された文献 (それらの中にある記載はそれを参照することにより本明細書の開示に含められる) 〕。
【0089】
本発明の抗可溶型RAGE抗体、特にモノクローナル抗体を用いて、エピトープマッピングを行うこともでき、各エピトープを認識する抗体を用いれば可溶型RAGE及びその関連ペプチド断片などの検知・測定を行うことができる。
可溶型RAGE及びその関連ペプチド断片に対する抗体は、可溶型RAGEによるAGE と膜結合型RAGE受容体との相互作用の抑制あるいは阻害などの現象の検出及び/又は測定、さらにはAGE の過剰により生ずる各種の生理活性物質あるいは生理現象又は生物現象の検出及び/又は測定、また、可溶型RAGE産生を制御する因子や機構の研究・開発などに有用である。該抗体、特にモノクローナル抗体は、(i) AGE とRAGEとの間での相互作用に起因する組織あるいは細胞が関連する障害、異常及び/又は疾患を検出したり、(ii) AGEとRAGEとの間での相互作用に起因する細胞の腫瘍化、細胞の移動、浸潤、遊走及び/又は転移あるいはその可能性を検出したり、(iii) タンパク質の糖化反応に関連して生ずる障害、異常及び/又は疾患あるいはその可能性を検出したり、(iv)可溶型RAGEの発現量を測定したり、(v) AGE 捕捉活性の変化を検出及び/又は測定したり、(vi)可溶型RAGE産生を制御する化合物などの探索をしたり、及び/又は(vii) 該可溶型RAGE産生を制御する化合物の活性の検知及び/又は測定をしたりなどするのに有用である。糖尿病合併症、組織の異常、がんの移動性、浸潤性、走化性及び/又は転移性の程度を知るのに使用できると期待される。
本発明にしたがえば、可溶型RAGEによるAGE の膜結合型RAGEとの相互作用の抑制あるいは阻害活性を検出及び/又は測定し、糖尿病治療剤、糖尿病合併症予防・治療剤、組織の疾患予防・治療剤、抗炎症剤、抗がん剤、がん転移阻害剤、動脈硬化症治療剤、アルツハイマー治療剤、関節破壊治療剤、抗アレルギー剤及び/又は免疫抑制剤の効果判定モニターとして使用することが可能となる。
また、本発明では、AGE による組織・細胞あるいはタンパク質の異常化現象の検出及び/又は測定方法やそのための試薬が提供できる。
【0090】
本発明の活性成分〔例えば、(a) 可溶型RAGEポリペプチド、その一部のペプチドまたはそれらの塩、それに関連するペプチド等、(b) 該可溶型RAGEあるいは可溶型RAGEポリペプチドをコードするDNA などの核酸等、(c) 本発明の抗体、その一部断片(モノクローナル抗体を包含する) またはその誘導体、(d) 可溶型RAGEによるAGE と膜貫通型RAGEとの間の相互作用を抑制あるいは阻害するなどの現象あるいは組織あるいはタンパク質の変質・過剰生産あるいは分解現象といった生物学的活性を抑制及び/又は阻害する化合物またはその塩、可溶型RAGE産生を制御する化合物またはその塩、(e) 本発明のDNA などの核酸に対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドなど、(f) 本発明を使用して見出された活性物質など〕を医薬として用いる場合、例えばAGE とRAGEとの間の相互作用阻害剤またはそれらの塩等は、通常単独或いは薬理的に許容される各種製剤補助剤と混合して、医薬組成物又は医薬調製物などとして投与することができる。好ましくは、経口投与、局所投与、または非経口投与等の使用に適した製剤調製物の形態で投与され、目的に応じていずれの投与形態(吸入法、あるいは直腸投与も包含される)によってもよい。
また、本発明の活性成分は、糖尿病合併症用剤、動脈硬化症用剤、抗高脂血症剤、抗腫瘍剤(抗がん剤)、腫瘍移転阻害剤、血栓形成阻害剤、アルツハイマー治療剤、関節破壊治療剤、消炎剤及び/又は免疫抑制剤と配合して使用することもでき、それらは、有利な働きを持つものであれば制限なく使用でき、例えば当該分野で知られたものの中から選択することができる。
【0091】
そして、非経口的な投与形態としては、局所、経皮、静脈内、筋肉内、皮下、皮内もしくは腹腔内投与を包含し得るが、患部への直接投与も可能であり、またある場合には好適でもある。好ましくはヒトを含む哺乳動物に経口的に、あるいは非経口的(例、細胞内、組織内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、胸腔内、脊髄腔内、点滴法、注腸、経直腸、点耳、点眼や点鼻、歯、皮膚や粘膜への塗布など)に投与することができる。具体的な製剤調製物の形態としては、溶液製剤、分散製剤、半固形製剤、粉粒体製剤、成型製剤、浸出製剤などが挙げられ、例えば、錠剤、被覆錠剤、糖衣を施した剤、丸剤、トローチ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、マイクロカプセル剤、埋込剤、粉末剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、注射剤、液剤、エリキシル剤、エマルジョン剤、灌注剤、シロップ剤、水剤、乳剤、懸濁剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、スプレー剤、吸入剤、噴霧剤、軟膏製剤、硬膏製剤、貼付剤、パスタ剤、パップ剤、クリーム剤、油剤、坐剤(例えば、直腸坐剤)、チンキ剤、皮膚用水剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、塗布剤、輸液剤、注射用液剤などのための粉末剤、凍結乾燥製剤、ゲル調製品等が挙げられる。
医薬用の組成物は通常の方法に従って製剤化することができる。例えば、適宜必要に応じて、生理学的に認められる担体、医薬として許容される担体、アジュバント剤、賦形剤、補形剤、希釈剤、香味剤、香料、甘味剤、ベヒクル、防腐剤、安定化剤、結合剤、pH調節剤、緩衝剤、界面活性剤、基剤、溶剤、充填剤、増量剤、溶解補助剤、可溶化剤、等張化剤、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、硬化剤、吸収剤、粘着剤、弾性剤、可塑剤、崩壊剤、噴射剤、保存剤、抗酸化剤、遮光剤、保湿剤、緩和剤、帯電防止剤、無痛化剤などを単独もしくは組合わせて用い、それとともに本発明のタンパク質等を混和することによって、一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態にして製造することができる。
非経口的使用に適した製剤としては、活性成分と、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る媒体との無菌性溶液、または懸濁液剤など、例えば注射剤等が挙げられる。一般的には、水、食塩水、デキストロース水溶液、その他関連した糖の溶液、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類が好ましい注射剤用液体担体として挙げられる。注射剤を調製する際は、蒸留水、リンゲル液、生理食塩液のような担体、適当な分散化剤または湿化剤及び懸濁化剤などを使用して当該分野で知られた方法で、溶液、懸濁液、エマルジョンのごとき注射しうる形に調製する。
【0092】
注射用の水性液としては、例えば生理食塩液、ブドウ糖やその他の補助薬(例えば、D-ソルビトール、D-マンニトール、塩化ナトリウムなど)を含む等張液などが挙げられ、薬理的に許容される適当な溶解補助剤、たとえばアルコール(たとえばエタノールなど)、ポリアルコール(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソルベート 80 TM, HCO-50など)などと併用してもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油などが挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)又は浸透圧調節のための試薬、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、アスコルビン酸などの酸化防止剤、吸収促進剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
【0093】
非経口投与には、界面活性剤及びその他の薬学的に許容される助剤を加えるか、あるいは加えずに、水、エタノール又は油のような無菌の薬学的に許容される液体中の溶液あるいは懸濁液の形態に製剤化される。製剤に使用される油性ベヒクルあるいは溶剤としては、天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいはトリグリセリド類、天然、半合成あるいは合成の油脂類あるいは脂肪酸類が挙げられ、例えばピーナッツ油、トウモロコシ油、大豆油、ゴマ油などの植物油が挙げられる。例えば、この注射剤は、通常本発明化合物を0.1 〜10重量%程度含有するように調製されることができる。
局所的、例えば口腔、又は直腸的使用に適した製剤としては、例えば洗口剤、歯磨き剤、口腔噴霧剤、吸入剤、軟膏剤、歯科充填剤、歯科コーティング剤、歯科ペースト剤、坐剤等が挙げられる。洗口剤、その他歯科用剤としては、薬理的に許容される担体を用いて慣用の方法により調製される。口腔噴霧剤、吸入剤としては、本発明化合物自体又は薬理的に許容される不活性担体とともにエアゾール又はネブライザー用の溶液に溶解させるかあるいは、吸入用微粉末として歯などへ投与できる。軟膏剤は、通常使用される基剤、例えば、軟膏基剤(白色ワセリン、パラフィン、オリーブ油、マクロゴール400 、マクロゴール軟膏など)等を添加し、慣用の方法により調製される。
【0094】
歯、皮膚への局所塗布用の薬品は、適切に殺菌した水または非水賦形剤の溶液または懸濁液に調剤することができる。添加剤としては、例えば亜硫酸水素ナトリウムまたはエデト酸二ナトリウムのような緩衝剤;酢酸または硝酸フェニル水銀、塩化ベンザルコニウムまたはクロロヘキシジンのような殺菌および抗真菌剤を含む防腐剤およびヒプロメルローズのような濃厚剤が挙げられる。
坐剤は、当該分野において周知の担体、好ましくは非刺激性の適当な補形剤、例えばポリエチレングリコール類、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等の、好ましくは常温では固体であるが腸管の温度では液体で直腸内で融解し薬物を放出するものなどを使用して、慣用の方法により調製されるが、通常本発明化合物を0.1 〜95重量%程度含有するように調製される。使用する賦形剤および濃度によって薬品は、賦形剤に懸濁させるかまたは溶解させることができる。局部麻酔剤、防腐剤および緩衝剤のような補助薬は、賦形剤に溶解可能である。経口的使用に適した製剤としては、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、トローチのような固形組成物や、液剤、シロップ剤、懸濁剤のような液状組成物等が挙げられる。製剤調製する際は、当該分野で知られた製剤補助剤などを用いる。錠剤及び丸剤はさらにエンテリックコーティングされて製造されることもできる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。
【0095】
さらに、本発明のDNA などの核酸を上記したような治療及び/又は予防剤として用いる場合、該核酸はそれを単独で用いることもできるし、あるいは上記したような遺伝子組換え技術で使用される適当なベクター、例えばレトロウイルス由来ベクターなどウイルス由来のベクターなどに結合させるなどして用いることができる。本発明のDNA などの核酸は通常の知られた方法で投与でき、そのままで、あるいは、例えば細胞内への摂取が促進されるように、適当な補助剤あるいは生理的に許容される担体などと共に、製剤化されて用いることができ、上記したような、医薬組成物又は医薬調製物などとして投与することができる。また遺伝子治療として知られた方法を適用することもできる。
本発明の活性成分は、その投与量を広範囲にわたって選択して投与できるが、その投与量及び投与回数などは、処置患者の性別、年齢、体重、一般的健康状態、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行なっている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。
【0096】
医薬品製造にあたっては、その添加剤等や調製法などは、例えば日本薬局方解説書編集委員会編、第十四改正 日本薬局方解説書、平成13年6月27日発行、株式会社廣川書店;一番ヶ瀬 尚 他編 医薬品の開発12巻(製剤素剤〔I〕)、平成2年10月15日発行、株式会社廣川書店;同、医薬品の開発12巻(製剤素材〔II〕)平成2年10月28日発行、株式会社廣川書店などの記載を参考にしてそれらのうちから必要に応じて適宜選択して適用することができる。
本発明の活性成分は、AGE の活性、特にはAGE とRAGEとの間の相互作用を抑制あるいは阻害するといった生物学的活性をもつものであれば特に限定されないが、好ましくは有利な作用を持つものが挙げられる。本発明の活性成分は、例えば、(a) 可溶型RAGE、その変異体ポリペプチド、その一部のペプチドまたはそれらの塩等、(b) 該可溶型RAGEをコードするDNA 、可溶型RAGE変異体ポリペプチドをコードするDNA などの核酸等、(c) 本発明の抗体、その一部断片(モノクローナル抗体を包含する) またはその誘導体、(d) 可溶型RAGEによるAGE とRAGEとの間の相互作用を抑制あるいは阻害するといった生物学的活性に有利な作用をもつ化合物またはその塩などが包含される。
【0097】
本発明の活性成分は、AGE とRAGEとの間の相互作用に起因する各種組織あるいは細胞における変化を抑制あるいは阻害するのに有用と期待される。また、該活性成分は、AGE の活性発現の抑制に有用であり、AGE とRAGEとの間の相互作用に起因する障害、異常及び/又は疾患の予防あるいは治療に有用である。また、AGE とRAGEとの間の相互作用が関与する腫瘍細胞などの移動、浸潤、遊走及び/又は転移の制御、例えば抑制に有用であると期待される。
可溶型RAGE及びその関連ペプチドは、悪性腫瘍、すなわち、がんの移動、浸潤及び/又は転移の阻止及び/又は抑制するのに有用で、血管形成・新生阻害剤、抗腫瘍剤及び/又はがん転移抑制剤として期待できる。また、血液系細胞の、AGE が関与した障害、異常及び/又は疾患の予防あるいは治療にも有用で、糖尿病合併症治療・予防剤、動脈硬化症治療・予防剤、血栓症治療・予防剤、消炎剤及び/又は免疫抑制剤としても期待できる。さらに、アルツハイマー治療剤、関節破壊治療剤などとしても期待できる。
【0098】
さらに、本発明では、(a) 可溶型RAGEのアミノ酸配列中、第1 番目のアミノ酸残基〜第347 番目のアミノ酸残基の範囲の配列:
(b) 可溶型RAGEのアミノ酸配列中、第1 番目のアミノ酸残基〜第117 番目のアミノ酸残基の範囲の配列: 及び
(c) 可溶型RAGEのアミノ酸配列中、第332 番目のアミノ酸残基〜第347 番目のアミノ酸残基の範囲の配列
から成る群から選ばれたものに基づいて分子設計を施して、AGE とRAGEとの間の相互作用を抑制あるいは阻害する活性を有する物質を得るのに使用できる。こうして得られる物質も本発明の思想の範囲内のものであるし、本発明の活性成分として扱うことができる。該配列から特定の特徴部分を選択し、(i) そのうちの薬理作用団をイソスターで置き換えることによりなされるか、(ii) 構成アミノ酸残基の少なくとも1個をD体のアミノ酸残基に置き換えるか、(iii) アミノ酸残基の側鎖を修飾するか、(iv) 該配列に存在するアミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基を配置して連結するか、(v) 立体構造を解析してmimic 体をデザインすることなど、当該分野で採用される技術を駆使して行うことができる(例えば、首藤 紘一 編 医薬品の開発7巻(分子設計)、平成2年6月25日発行、株式会社廣川書店及びそこで引用している文献や論文など) 。そうした技術の一部は、上記で説明したものを含んでいる。
明細書及び図面において、用語は、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるか、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。
後述の実施例2(g)に記載の抗可溶型RAGEモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ:269-9C2は、平成13年2月22日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(旧住所表記:茨城県つくば市東1丁目1番3号) (郵便番号 305-8566)の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, International Patent Organism Depositary: IPOD)(旧名称:経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所(NIBH))に寄託されて保管されている(受託番号 FERM P-18218)。
【0099】
【実施例】
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されず、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
なお、以下の実施例において、特に指摘が無い場合には、具体的な操作並びに処理条件などは、DNA クローニングでは J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis, "Molecular Cloning", 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor, N. Y. (1989) 及び D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) ; 特にPCR 法では、H. A. Erlich ed., PCR Technology, Stockton Press, 1989 ; D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) 及び M. A. Innis et al. ed., "PCR Protocols", Academic Press, New York (1990)に記載の方法に準じて行っているし、また市販の試薬あるいはキットを用いている場合はそれらに添付の指示書(protocols) や添付の薬品等を使用している。
なお、試薬として、
Tween 20 : Bio-Rad
スキムミルク(skim milk):森永乳業
Trizma base : Sigma
エタノールアミン(ethanolamine): Sigma
を使用する他、その他の試薬は和光純薬から購入した。
【0100】
実施例1
〔細胞〕
初代培養ヒト皮膚微小血管内皮細胞は、Cascade Biologics, Inc. (Portland,OR) より入手し、 poly(A)+ RNA 精製には継代数 5-10 の細胞を使用した。
〔ポリソ−ム由来 poly(A)+ RNA の分離〕
組織培養用フラスコで培養したヒト皮膚微小血管内皮細胞を氷冷リン酸緩衝生理食塩水で洗浄後、セルスクレイパーで細胞を掻きとった。細胞懸濁液を遠心して細胞を沈澱として回収し、0.25M KCl, 10mM MgCl2, 1mM EDTA, 0.25M sucrose (RNase free), 0.1mM DTT, 2mM 4-(2-aminoethyl)-benzenesulfonyl fluoride, 1,000u/ml RNase inhibitor (Ambion, Inc., Austin, TX) を含む10mM Tris-HCl 緩衝液 (pH7.6)で懸濁後、ダウンス型ホモジナイザ−で破砕した。細胞核とミトコンドリアを除去するため細胞破砕液を12,000 x g、15分間遠心し上清を回収した。得られた上清を100,000 x g で 60 分間遠心し、ポリソ−ム画分を沈澱として回収した。得られたポリソ−ム画分より、Quickprep micro mRNA isolation kit (Amersham Pharmacia Biotech) を用いて、 poly(A)+ RNA を精製した。
【0101】
〔可溶型RAGE cDNA の分離〕
ヒト皮膚微小血管内皮細胞ポリソ−ム由来 poly(A)+ RNA を鋳型にoligo(dT) プライマーと AMV由来逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、RAGE遺伝子のエキソン1とエキソン11(図1参照)に対応するプライマー (配列表の配列番号: 3, 5'-GCCAGGACCCTGGAAGGAAGCA-3'; 配列表の配列番号: 4, 5'-CTGATGGATGGGATCTGTCTGTG-3') とTaKaRa La Taq ポリメラ−ゼを用いてRAGE cDNA を増幅した。増幅されたRAGE cDNA はpCR2.1 (Invitrogen) に挿入して大腸菌XL1-Blueを形質転換した。得られた組換え大腸菌コロニー32クローンよりプラスミドDNA を精製し、ABI377シーケンサ−(Aplied Biosystems Inc) を用いて塩基配列決定を行ない、可溶型RAGEをコードするcDNAを得た。
配列決定された可溶型RAGEをコードするcDNAの塩基配列及び該配列のオープン・リーディング・フレームでコードされるアミノ酸配列を、配列表の配列番号:1に示す。また、配列表の配列番号:2には可溶型RAGEのアミノ酸配列を示す。図2〜4には、膜貫通型RAGE(fullRAGE)及び膜貫通ドメインを有するRAGE cDNA より人工的に作製された組換え可溶化型RAGEとよばれるもの(US5864018) と比較しての本発明の可溶型RAGEをコードする核酸(solubleRAGE) の塩基配列を示す。 また、図5には、fullRAGE及びUS5864018 と比較しての本発明の可溶型RAGE(solubleRAGE) のアミノ酸配列を示す。本発明の可溶型RAGE(solubleRAGE) は天然型(native)内在性(endogenous)であり、fullRAGEとはC 末端部分の16個のアミノ酸(配列番号:2のうちの配列Glu332〜Met347) が異なっている。
【0102】
〔可溶型RAGE発現ベクターの作製〕
可溶型RAGEをコードするcDNAを鋳型として、EcoRI 認識配列を有する5'- プライマー (配列表の配列番号: 5, 5'-GAGAATTCGCCAGGACCCTGGAAGGAAGCA-3')と XbaI 認識配列を有する3'- プライマー (配列表の配列番号: 6, 5'-GATCTAGAGATTGTTGACCATCCCCCCAG-3') を用いて増幅した。増幅されたDNA を精製後、EcoRI とXbaIで消化し、動物細胞発現ベクターpCI-neo vector (Stratagen)の EcoRIとXbaIサイトに挿入した。発現ベクターDNA はQIAGEN社 (Valencia, CA) のプラスミド精製キットにて精製し、塩基配列はABI377シーケンサ−(Aplied Biosystems Inc) を用いて確認した。
【0103】
〔COS 7 細胞への可溶型RAGE発現ベクターの導入とstable transformant の分離〕
可溶型RAGE発現ベクターは、Tfx-20 reagent (Promega Corp., Madison, WI) を用いてCOS 7 細胞へ導入した。発現ベクター導入48時間後に、細胞培養培地にG418(Geneticin) を添加し、2週間後に複数のG418耐性コロニーを得た。得られたクローンは別々に培養し、細胞抽出物および培養培地を抗ヒトRAGE抗体を用いたウエスタンブロットで分析し、可溶型RAGEを高発現しているクローンを選択した。
〔Transformantの培養〕
組織培養用150 mmディッシュを用い、可溶型RAGE過剰発現COS7細胞を5%牛胎児血清及び 500μg/ml G418 含有ダルベッコ変法イーグル培地中で、37℃、5%CO2 の条件下コンフルエントまで培養後、細胞層をPBS (Ca2+/Mg2+-free)で2回洗浄し、培地を完全に取り除いた。続いて無血清ダルベッコ変法イーグル培地中で48時間培養した。その後、培養培地を回収し、10,000 rpmで20分間遠心した上清を0.22μm メンブレンフィルターで濾過し、得られた処理培地から以下の方法に従い可溶型RAGEを精製した。
【0104】
〔可溶型RAGE蛋白の精製〕
処理培地 4L を20 mM Tris-HCl (pH7.4)で平衡化したHiTrap Heparin(カラム体積 3×5 ml、Amersham Pharmacia)に流速3 ml/minでアプライし、75 ml の0.15 M NaCl 含有20 mM Tris-HCl (pH7.4)を用いて流速2 ml/minでカラムを洗浄した。続いて段階的に75 ml の0.3 M, 0.5 M及び1 M NaCl含有20 mM Tris-HCl pH7.4でカラムに結合したheparin 結合性物質を流速2 ml/minで順次溶出させ、5 mlずつ分画した。溶出された可溶型RAGE画分はWestern blottingにより同定した。次いで50 mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5) で平衡化したRESOURCE S 1 ml カラム (Amersham Pharmacia) に50 mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5) で5倍に希釈した可溶型RAGE画分を流速1 ml/minでアプライし、3 mlの0.2 M NaCl含有50 mM 酢酸ナトリウム緩衝液を用い、流速 1 ml/min でカラムを洗浄した。次に5 mlの50 mM 酢酸ナトリウム緩衝液を用い、流速1 ml/minで0.2 M から1.0 M まで直線的なNaClによる濃度勾配をかけ、カラムに結合した陰イオン物質を順次溶出させ、0.5 mlずつ分画した。可溶型RAGE画分はWestern blottingにより決定した。得られた可溶型RAGE画分を2 mlずつPBS (Ca2+/Mg2+-free)で平衡化したHiTrap Desaltingカラム(カラム体積 2×5 ml、Amersham Pharmacia)にアプライし、PBS (Ca2+/Mg2+-free)を用いて流速0.5 ml/minでゲル濾過し、高分子量画分を回収した。その後、必要に応じCentricon YM-3(MILLIPORE) を用いた限外濾過により可溶型RAGE(sRAGE) 濃縮溶液を調製した。
精製sRAGE タンパクの純度は100 ngタンパク相当を10%SDS-PAGE により分離後、ゲルの銀染色により評価した。その結果を、図6に示す。図6中、1は細胞培養上清の銀染色像、そして2は精製蛋白の銀染色像を示す。
なお、上記のクロマトグラフは
【数1】

Figure 0004171228
システム (Amersham Pharmacia) を用い、溶出液は230 nm, 280 nmおよび300 nmにおける吸光度を測定してモニターした。
【0105】
〔精製組換え可溶型RAGE蛋白とAGE との結合試験〕
可溶型RAGEのAGE 結合能を表面プラズモン共鳴法によりBIACORE(Biacore, Sweden)を用いて確認した。Sensor chip CM5 (Biacore) にアミノカップリング法を用いて精製可溶型RAGE蛋白を固定化した。グルコースとウシ血清アルブミン(BSA) を無菌的に37℃で12週間インキュベートして調製したAGE-BSA をBIACORE のマイクロ流路系にアナライトとして500 μg/mlの濃度で添加した。その結果、インラインレファランス(コントロールチップ)やイムノグロブリンを固定したチップには全く反応せず、可溶型RAGEを固定したセンサーチップとのみ特異的な結合を示した。
【0106】
実施例2:モノクローナル抗体の作成
(a) 免疫源
免疫に用いる抗原は、組換え可溶型RAGEをはじめ、配列表の配列番号:2のアミノ酸配列を基にデザインされた合成ペプチドを使用することができる。さらに、免疫に用いる抗原は、得られたcDNAを動物細胞発現ベクターに連結し、これをCHO 細胞、COS 細胞などで発現させて得られる組換え可溶型RAGEを使用することも可能である。これらの抗原タンパク質は、イオン交換、ゲル濾過またはそれ以外の各種クロマトグラフィーによって精製できる。
精製した免疫用抗原を一般的な方法で免疫し、抗体産生細胞を誘導、細胞融合によりハイブリドーマとして抗体産生細胞を得ることができる。さらに精製した免疫用抗原に対する反応性に基づいてクローニング、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマとして株化できる。
また、可溶型RAGE特異的モノクローナル抗体を得るための免疫源としては、可溶型RAGEに特徴的なアミノ酸配列を持つハプテン化合成ペプチドが使用できる。例えば、C 末端にはGlu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met から選択された連続した少なくとも3個以上、好ましくは5個以上の連続したペプチド配列を含むことが特に好ましい。具体的にはCys-Glu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met (CEGFDKVREAEDSPQHM) などが免疫源として好適である。
【0107】
(b) 抗原ポリペプチドの調製
配列番号:2に記載したヒト可溶型RAGEのアミノ酸配列中より特徴的な配列を選択し、合成する。ペプチドはペプチド合成機(ペプチドシンセサイザー9600、MilliGen/Biosearch) を使用して、Fmoc-bop法で合成する。ポリペプチドのN 末端にはシステインを導入する。合成したペプチドはμBondasphere, C18カラム(Waters) を用いた高速液体クロマトグラフィーなどにより精製する。Cys-Glu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met 〔配列番号:7〕を合成し、以下の実験で使用した。
(c) ポリペプチドとBSA の複合体の調製
システイン残基を介してウシ血清アルブミン(BSA)と結合させ、抗原コンジュゲートとした。10.1mgのBSA を1mL の0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0 に溶解したものと1.14mgのEMCS(N-(ε-maleimidecaproyloxy)-succinimide)を24.9μL のジメチルホルムアミドに溶解したものと混合し、30℃、30分間反応させ、ついで、上記の混合液を0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0 で平衡化したSephadex G-25 (Pharmacia)ゲルカラム( 直径13mm、長さ120mm)でゲルろ過する。前記(b)で合成したポリペプチドを0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0 に溶解し、マレイミド結合BSA に対しおおよそ50倍モル量を混合する。すなわち、ポリペプチドに対しマレイミド結合BSA を混合し、4 ℃、20時間インキュベートし、BSA-ポリペプチド複合体を調製する。得られるBSA-ポリペプチド複合体を0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0 で希釈した後、150 μL ずつに分注して-30 ℃で凍結保存する。
【0108】
(d) 抗体産生細胞の調製
前記(c) で調製したBSA-ポリペプチド複合体を完全フロインドアジュバントと共に6 週令Balb/c雌マウスに腹腔内投与し、初回免疫した。おおよそ18日目に0.1Mリン酸緩衝液、pH7.5 に溶解したBSA-ポリペプチド複合体を初回免疫したマウスに腹腔内投与し、追加免疫する。さらにおおよそ52日目に0.1Mリン酸緩衝液、pH7.5 に溶解したBSA-ポリペプチド複合体を静脈内投与し、最終免疫とする。その4 日後に脾臓を摘出し、脾細胞懸濁液を調製する。
(e) 細胞融合
細胞融合には、以下の材料および方法を用いる。RPMI-1640 培地:RPMI-1640 (Flow Lab.)に重炭酸ナトリウム(24mM) 、ピルビン酸ナトリウム(1mM)、ペニシリンG カリウム(50U/ml) 、硫酸アミカシン(100 μg/ml) を加え、ドライアイスでpHを7.2 にし、0.2 μm 東洋メンブレンフィルターで除菌ろ過する。NS-1培地:上記RPMI-1640 培地に除菌ろ過したウシ胎児血清(FCS, M.A. Bioproducts)を15%(v/v)の濃度になるように加える。PEG-4000溶液:RPMI-1640 培地にポリエチレングリコール-4000 (PEG-4000, Merk&Co.)を50%(w/w)になるように加えた無血清培地を調製する。
8-アザグアニン耐性ミエローマ細胞SP2 (SP2/0-Ag14) との融合は、Selected Method in culture immunology p351〜372 (ed. B. B. Mishell and S. N. Shiigi), W. H. Freeman and Company (1980)に記載のOiらの方法を若干改変して行う。
【0109】
前記(d) で調製した有核脾細胞(生細胞率100 %) とミエローマ細胞(生細胞率100 %) とをおおよそ5:1 〜10:1の比率で以下の手順で融合する。ポリペプチド免疫脾細胞懸濁液とミエローマ細胞をそれぞれRPMI1640培地で洗浄する。次に同じ培地に懸濁し、融合させるために有核脾細胞とミエローマ細胞を混合する。すなわち、おおよそ4.0 ×108 個の有核脾細胞に対しおおよそ8.0 ×107 個のミエローマ細胞を混合する。
次に、それぞれの細胞混合液を遠心分離により細胞を沈殿させ、上清を完全に吸引除去する。沈殿した細胞に37℃に加温した50%PEG-4000 含有RPMI-1640 培地(ミエローマ細胞がおおよそ3 ×107 個/mL となるよう体積を決定する) を滴下し、撹拌し、細胞を再懸濁、分散させる。次に添加した50%PEG-4000 含有RPMI-1640 培地の2 倍体積の37℃に加温したRPMI-1640 培地を滴下する。さらに添加した50%PEG-4000 含有RPMI-1640 培地の7 倍体積のRPMI-1640 培地を常に撹拌しながら滴下し、細胞を分散させる。これを遠心分離し、上清を完全に吸引除去する。次に、ミエローマ細胞がおおよそ3 ×106 個/mL となるように37℃に加温したNS-1培地を沈殿した細胞に速やかに加え、大きい細胞塊を注意深くピペッティングで分散する。さらに同培地を加えて希釈し、ポリスチレン製96穴マイクロウエルにウエル当りミエローマ細胞がおおよそ6.0 ×105 個となるように接種する。それぞれの細胞を加えた上記マイクロウエルを7 %炭酸ガス/93 %空気中で温度37℃、湿度100 %で培養する。
【0110】
(f) 選択培地によるハイブリドーマの選択的増殖
(1)使用した培地は以下の通りである。
HAT 培地:前記(e) 項で述べたNS-1培地に更にヒポキサンチン(100 μM)、アミノプテリン(0.4 μM)およびチミジン(16μM)を加える。
HT培地:アミノプテリンを除去した以外は上記HAT 培地と同一組成のものである。
(2)前記(e) 項の培養開始後翌日(1 日目) 、細胞にパスツールピペットでHAT 培地2 滴(約0.1 ml) を加える。2 、3 、5 、8 日目に培地の半分(約0.1 ml) を新しいHAT 培地で置き換え、10日目に培地の半分を新しいHT培地で置き換える。ハイブリドーマの生育が肉眼にて認められた全ウエルについて固相- 抗体結合テスト法(ELISA)により陽性ウエルを調べる。まず、20mM炭酸緩衝液(pH9.6) で希釈した抗原ポリペプチドでポリスチレン製96穴プレートをコート(100ng/ ウエル) し、次に0.05% Tween20含有PBS を用いて洗浄して未吸着のペプチドを除く。各ウエルにハイブリドーマの生育が確認されたウエルの培養上清0.1 mlを添加し、室温で約1 時間静置する。洗浄後、2 次抗体として西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン(Cappel) を加え、さらに室温で約1 時間静置する。洗浄後、基質である過酸化水素と3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB) を加え発色させる。各ウエルに2N硫酸を加え発色反応を停止し、発色の程度をマイクロプレート用吸光度測定機(MRP-A4、東ソー) を用いて450nm の吸光度で測定する。
【0111】
(g) ハイブリドーマのクローニング
上記(f) 項で得られた抗原ペプチドに対する陽性ウエル中のハイブリドーマを、限界希釈法を用いてモノクローン化する。すなわち、NS-1培地1 ml当りフィーダーとしておおよそ107 個のマウス胸腺細胞を含むクローニング培地を調製し、96穴マイクロウエルにハイブリドーマをウエル当り5 個、1 個、0.5 個になるように希釈し、それぞれ36穴、36穴、24穴に加える。5 日目、12日目に全ウエルに約0.1 mlのNS-1培地を追加する。クローニング開始後肉眼的に十分なハイブリドーマの生育を認めたもの、コロニー形成陰性ウエルが50%以上である群について(f)項に記載したELISA を行う。調べた全ウエルが陽性でない場合、抗体陽性ウエル中のコロニー数が1 個のウエルを4 〜6 個選択し、再クローニングを行う。最終的にそれぞれのポリペプチドに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得る。モノクローナル抗体4種類を得た。
(h) モノクローナル抗体のクラス、サブクラスの決定
前述したELISA に従い、それぞれのポリペプチドをコートしたポリスチレン製96穴プレートに、前記(g) 項で得られたハイブリドーマの上清を加える。次にPBS で洗浄後、アイソタイプ特異的ウサギ抗マウスIgG 抗体(Zymed Lab.) を加える。PBS により洗浄後、西洋わさびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG (H +L)を加え、基質として過酸化水素および2,2'- アジノ- ジ(3-エチルベンゾチアゾリン酸) を用いてクラス、サブクラスを決定する。
【0112】
【表1】
Figure 0004171228
【0113】
(i) ハイブリドーマの培養とモノクローナル抗体の精製
得られたハイブリドーマ細胞をNS-1培地で培養し、その上清からモノクローナル抗体を得ることができる。また、得られたハイブリドーマ107 個を予め1 週間前にプリスタンを腹腔内投与したマウス(Balb/c系、雌、6 週齢) に同じく腹腔内投与し、1 〜2 週間後、腹水中からも4 〜7mg/mlのモノクローナル抗体を含む腹水を得ることができる。得られた腹水を40%飽和硫酸アンモニウムで塩析後、IgG クラスの抗体をプロテインA アフィゲル(Bio-Rad)に吸着させ、0.1Mクエン酸緩衝液、pH5.0 で溶出することにより精製する。
【0114】
実施例3:ウエスタンブロッティング
ヒト可溶型RAGEを発現するCOS7細胞の培養上清9 μl 、精製組換えヒト全長型成熟RAGE(膜型RAGE) 750 ngおよびヒト肺抽出蛋白150 ngを還元条件下、10% SDS-PAGEで分離後、polyvinylidene difluoride (PVDF)膜(MILLIPORE )に転写した。続いて1% BSA,5% スキムミルクおよび0.1% Tween 20 含有PBS (ブロッキングバッファー)を用いて室温で1時間ブロッキングした後、ヒト可溶型RAGE特異抗体を発現するハイブリドーマ細胞株269-1D10, 269-4C9, 269-6B12 あるいは269-9C2 の培養上清中、25℃で1 時間インキュベートした。それぞれの膜を0.1% Tween 20 含有PBS (0.1%PBS-T)で4 回洗浄し、結合した抗体をブロッキングバッファーで1:1,000 に希釈したHRP 結合ヒツジ抗マウスイムノグロブリン抗体(Amersham Pharmacia)と25℃、1 時間反応させた。反応後、膜を0.1% PBS-Tで4 回洗浄し、結合した抗体をEnhanced chemiluminescence (ECL, Amersham Pharmacia)により検出した。また陽性コントロールは、ヒト可溶型RAGE蛋白発現COS7細胞培養上清、ヒト組換え全長型成熟RAGE蛋白およびヒト肺抽出蛋白をそれぞれ3 μl 、250ng および50ng用い、ブロッキングバッファーで1:500 に希釈したウサギ抗ヒトRAGE抗血清およびブロッキングバッファーで1:2,000 に希釈したHRP 結合ヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体 (Zymed)により同様に処理し、ECL で検出した。結果を図7に示す。
M :分子量マーカー
1, 4, 7, 10, 16:組換え膜型RAGE
2, 5, 8, 11, 17:組換え可溶型RAGE
3, 6, 9, 12, 18:ヒト肺抽質物(膜型RAGEを多く含む)
結果
各モノクローナル抗体は組換え膜型RAGEおよびヒト肺抽質物中膜型RAGEとは交差反応せず、可溶型RAGEと反応した。
【0115】
実施例4:サンドイッチEIA
下記の方法に従えば、実施例2で調製した抗可溶型RAGE抗体から少なくとも1種を選択し、抗RAGE抗体の2 種の適当な組み合わせによってヒト可溶型RAGEを特異的に検出・測定するサンドイッチEIA 系が構成できる。EIA 系は1 ステップ法、2 ステップ法のいずれも可能であり、標識抗体はFab'-HRPに限定されない。各反応緩衝液の組成や反応条件は測定の目的に応じて、短縮、延長など調整できる。また、標準品となるヒト可溶型RAGEは、組織培養上清、細胞培養上清または実施例2記載あるいはそれ以外の方法で発現した組換え体から精製することができる。精製にはイオン交換、ゲルろ過、抗ヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーまたそれ以外の各種アフィニティークロマトグラフィーの組み合わせによって達成される。
(a) 標識抗体の調製
抗ヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体を0.1M NaCl を含む0.1M酢酸緩衝液、pH4.2 に抗体量の2%(W/W) のペプシンを加え、37℃、24時間消化する。消化物に3M Tris-HCl 、pH7.5 を添加し、反応を停止する。0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0 で平衡化したウルトロゲルAcA54 カラムによるゲルろ過でF(ab')2 画分を分取する。このF(ab')2 画分に最終濃度0.01M となるようにシステアミン塩酸塩を添加し、37℃、1.5 時間還元し、5mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0 で平衡化したウルトロゲルAcA54 カラムによるゲルろ過でFab'画分を分取する。
上記の操作とは別にHRP を0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0 に溶解、HRP の25倍モル量のEMCSをDMF 溶液として加え、30℃、30分間反応させる。これを0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0 で平衡化したNICK-5カラム(Pharmacia)でゲルろ過しマレイミド標識HRP 画分を分取する。
Fab'画分とマレイミド標識HRP を等モルとなるように両画分を混合し 4℃、20時間反応させた後、Fab'の10倍モル量のN-エチルマレイミドで未反応のチオール基をブロックする。これを0.1Mリン酸緩衝液、pH6.5 で平衡化したウルトロゲルAcA54 カラムでゲルろ過し、Fab'-HRP標識抗体を分取する。これに0.1% BSAおよび0.001%クロルヘキシジンを添加して 4℃で保存する。
【0116】
(b) モノクローナル抗体結合担体の調製
抗ヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体を0.1Mリン酸緩衝液、pH7.5 に溶解し、50μg/mLの濃度に調製する。このモノクローナル抗体溶液を96穴マイクロプレートにウエルあたり100 μL ずつ加え、 4℃、18時間静置する。モノクローナル抗体溶液を除去し、生理食塩液で1 回、0.05% Tween20 、0.1M NaCl 、5mM CaCl2 含有Tris-HCl緩衝液、pH8.0 で3回洗浄後、1% BSA、0.1M NaCl 、5mM CaCl2 含有Tris-HCl緩衝液、pH8.0 を加えブロッキングする。
(c)1ステップサンドイッチEIA 法
精製したヒト可溶型RAGE画分を標準抗原としてヒト可溶型RAGE定量用標準曲線を作成する。1% BSA、0.05% Brij35、0.05% Tween20 、0.1M NaCl 、5mM CaCl2 含有Tris-HCl緩衝液、pH8.0 で段階希釈した標準ヒト可溶型RAGEを60μL ずつ分注、それぞれに1% BSA、0.05% Brij35、0.05% Tween 20、0.1M NaCl 、5mM CaCl2 含有Tris-HCl緩衝液、pH8.0 で100ng/50μL に調製した標識抗体Fab'-HRPを60μL ずつ添加し十分混和する。調製した抗体結合マイクロプレートを0.05% Tween20 、0.1M NaCl 、5mM CaCl2 含有Tris-HCl緩衝液、pH8.0 で3回洗浄し、標準抗原と標識抗体混合液を100 μL/ウエルずつ添加する。室温で1 時間反応した後0.05% Tween20 、0.1M NaCl 、5mM CaCl2 含有Tris-HCl緩衝液、pH8.0 で3回洗浄する。次に、6%ジメチルホルムアミド、0.005%過酸化水素含有0.1 M 酢酸緩衝液(pH5.5)に溶解した0.01% 3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンをウエルあたり100 μL 添加し、室温で20分間反応後、2N硫酸を100 μL 添加し反応を停止する。この反応混液の450 nmをマイクロプレートリーダーを用いて測定し、標準曲線を求める。
測定検体は、ヒト血清、脊髄液、血漿、関節液、尿および唾液などヒトに由来する体液成分、各種ヒト組織の抽出液、ヒト由来あるいは組換え体など各種培養細胞の細胞抽出液、培養上清などから調製される。それぞれの測定検体は、標準ヒト可溶型RAGEにかえて上記の1 ステップサンドイッチEIA に供し、標準ヒト可溶型RAGEと同時に反応を進行させる。測定検体から得られた吸光度を標準曲線にあてはめ、測定検体に含まれるヒト可溶型RAGEの量を算出する。
【0117】
実施例5:ヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体の検定
ウエスターン ブロッティング (Western blotting)
ヒト成熟型RAGEタンパク過剰発現GEN-T 細胞抽出物(750 ngタンパク相当) 、ヒト可溶型RAGEタンパク過剰発現COS 7 細胞の培養上清 3μl 、ヒト肺抽出物(150 ngタンパク相当) およびRainbow Marker (ミオシン(myosin), フォスフォリラーゼ b (phosphorylase b), ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin), 卵白アルブミン(ovalbumin), カルボニック アンヒドラーゼ(carbonic anhydrase), トリプシン インヒビター(trypsin inhibitor), リゾチーム(lysozyme) 各 3μg) (Amersham Pharmacia) を還元条件下、10% SDS-PAGEにより分離後、Immobilon transmembrane (MILLIPORE) に転写し、膜をPBS/0.1% Tween 20/5% スキムミルク(skim milk) 溶液中、室温で1時間緩やかに振とうした。次に膜をクローン番号(clone No.) 269-1D10, -4C9, -6B12 および-9C2の培養上清中、室温で1時間反応後、0.1% Tween 20/PBS 溶液で15分間、4回洗浄した。続いてPBS/0.1% Tween 20/ 5% スキムミルク(skim milk) 溶液で1,000 倍に希釈した抗マウスIg (Anti-mouse Ig), horseradish peroxidase linked whole antibody (from sheep) (Amersham Pharmacia)中、室温で1時間反応させ、PBS/0.1% Tween 20 溶液で15分間、4回洗浄した。その後、膜をECL Western Blotting Detection System (Amersham Pharmacia)で処理し、シグナルをX線フィルムで検出した。結果を図8に示す。図8中、M:分子量マーカー(各 3μg)、R:ヒト成熟型RAGE-Hisタグ タンパク、CM: COS 7 細胞過剰発現ヒト可溶型RAGEタンパク、及びL:ヒト肺抽出物を示す。いずれのモノクローナル抗体もヒト成熟型RAGEおよびヒト肺抽出物と反応せず、ヒト可溶型RAGEのみと反応した。
【0118】
実施例6:免疫沈降
1 mlのProtein G Sepharose (Amersham Pharmacia)を 200×g で1分間遠心し、上清を取り除いた後にTSA を加え同様の操作で3回樹脂を洗浄した。次に10,000回転で20分間遠心したヒト可溶型RAGE過剰発現COS 7 細胞の培養上清600 μl を加え室温で2時間穏やかに撹拌、 200×g で1分間遠心した上清を以下に用いた。上記同様TSA で洗浄した樹脂50μl に 100μl のPBS に溶解した可溶型RAGEモノクローナル抗体269-1D10, 269-9C2 あるいは正常マウスイムノグロブリンをそれぞれ50μg ずつ加え、ときどき撹拌しながら4℃で2時間放置した。次に 200×g で1分間遠心し、上清を捨てた後に上記培養上清を 150μl ずつ分注し、ときどき撹拌しながら4℃で2時間放置した。その後 200×g で1分間遠心し、上清を捨てたのち、 500μl のTSA を加え同様の操作で3回樹脂を洗浄した。最後に 500μl のTris-HCl pH 6.8 を加えて樹脂を洗浄した後、 200×g で1分間遠心し上清を捨てた。これにサンプルバッファー(sample buffer; 0.05 M Tris-HCl, pH 6.8/ 2% SDS/0.6% 2- メルカプトエタノール(2-mercaptoethanol)/10% グリセロール(glycerol)/0.005% ブロモフェノール ブルー(bromophenol blue)) 50μl を加え、100 ℃で3分間加熱し、 200×g で1分間遠心した上清のうち20μl を10% SDS-PAGEにより分離した。分離後、Immobilon transmembrane (MILLIPORE) に転写し、膜をPBS/0.1% Tween 20/5% スキムミルク(skim milk) 溶液中、室温で1時間緩やかに振とうした。次に膜を5μg/mlウサギ抗ヒト可溶型RAGEポリクローナル抗体/PBS/0.1% Tween 20/5% スキムミルク(skim milk) 溶液中室温で1時間反応後、0.1% Tween 20/PBS 溶液で15分間、4回洗浄した。続いてPBS/0.1% Tween 20/5% スキムミルク(skim milk) 溶液で1,000 倍に希釈した抗マウスIg (Anti-mouse Ig), horseradish peroxidase linked whole antibody (from sheep) (Amersham Pharmacia)中、室温で1時間反応させ、PBS/0.1% Tween 20 溶液で15分間、4回洗浄した。その後、膜をECL Western Blotting Detection System (Amersham Pharmacia)で処理し、シグナルをX線フィルムで検出した。結果を図9に示す。図9中、1:モノクローナル抗体269-1D10、2:モノクローナル抗体269-9C2 及び3:正常マウスイムノグロブリンを示す。抗可溶型RAGEモノクローナル抗体結合アフィニティーカラムはヒト可溶型RAGEをトラップした。なお、対照に用いたマウス正常イムノグロブリン結合アフィニティーカラムにおいてはヒト可溶型RAGEをトラップすることは出来なかった。
【0119】
実施例7:ヒト可溶型RAGEイムノアフィニティーカラムの作製
ディスポーザブル(disposable) PD-10カラム (Amersham Pharmacia) を用いてヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体269-1D10の溶媒をカップリングバッファー(coupling buffer; 0.2 M NaHCO3, 0.5 M NaCl, pH 8.3) に交換した。氷冷した1 mM塩酸6 mlで洗浄したHiTrap NHS-activated 1ml (Amersham Pharmacia) に上記ヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体溶液1 mlを注入し、室温で30分間反応させた。その後3 mlのcoupling buffer をカラムに注入し、溶出液に1 mlの2M Glycine-HCl, pH2.0 を加え、A280を測定しカップリング効率を算出した。カラムは6 mlのBuffer A (0.5 M ethanolamine, 0.5 M NaCl, pH8.3)、6 mlのBuffer B (0.1 M acetate, 0.5 M NaCl, pH 4.0)で順次洗浄した後、6 mlのBuffer Aを注入し、室温で30分間放置した。再び6 mlのBuffer B、6 mlのBuffer Aで順次カラムを洗浄し、最後に6 mlのBuffer Aで洗浄した。カラムは2 mlの保存溶液(0.05 M Na2HPO4, 0.1% NaN3, pH7.0)を注入後4℃で保存した。上記操作はすべて流速 200μl/min で行った。
【0120】
実施例8:ヒト血清からの可溶型RAGEタンパクの分離
上記の方法に従って作製した可溶型RAGEイムノアフィニティーカラムをSMART systemに取り付け、5 mlのスタートバッファ(start buffer: 50 mM Tris-HCl, 150 mM NaCl, pH8.0)、5 mlの溶出バッファ(elution buffer: 100 mM グリシン(glycine)-HCl, 150 mM NaCl, pH2.5)で順次洗浄後、10 ml のスタートバッファ(start buffer)でカラムを平衡化した。次にMILLEX-GV 0.22μm Filter Unit (MILLIPORE) で濾過したヒト血清 2 ml にスタートバッファ(start buffer) 8 ml を加え、流速 100μl/min でカラムに供し、10 ml のスタートバッファ(start buffer)で洗浄した。続いて溶出液を 230 nm, 280 nm および 300 nm の紫外吸収によりモニターしながら 3 ml の溶出バッファ(elution buffer)で結合物を溶出させ 100μl ずつ分画した。得られたピーク画分に 0.9倍量のトリクロロ酢酸を加えて氷中で30分間放置後、15,000 rpmで20分間遠心、その後上清を捨てエタノール 750μl を加えて再び15,000 rpmで5 分間遠心した後、上清を捨て風乾した。得られた沈殿物を還元条件下、10% SDS-PAGEにより展開後、Immobilon transmembrane (MILLIPORE) に転写し、膜をPBS/0.1% Tween20/5% スキムミルク(skim milk) 溶液中、室温で1時間緩やかに振とうした。次に膜を 5μg/mlウサギ抗ヒト可溶型RAGEポリクローナル抗体/PBS/0.1% Tween 20/5% スキムミルク(skim milk) 溶液中、室温で1時間反応後、PBS/0.1% Tween 20 溶液で15分間、4回洗浄した。続いて膜を 1.5μg/ml anti-ウサギ IgG(H+L) HRP コンジュゲート (Zymed)/PBS/0.1% Tween20/5% スキムミルク(skim milk) 溶液により室温で1時間反応し、PBS/0.1% Tween 20 溶液で15分間、4回洗浄した。その後 ECL Western Blotting Detection System (Amersham Pharmacia) で膜を処理し、シグナルをX線フィルムで検出した。結果を図10に示す。
抗可溶型RAGEモノクローナル抗体結合アフィニティーカラムでヒト血清中の可溶型RAGEをトラップし、そのトラップされたタンパクがヒトRAGEであることをウエスターン ブロット(western blot)により確認した。このことより、ヒト血清中にRAGEタンパクの C末端が欠如した可溶型RAGEが存在することを確認した。
【0121】
実施例9:可溶性RAGEのAGE 中和作用の検討
(AGE 誘導性VEGF発現亢進への可溶性RAGEの影響)
実験には 25 cm2 フラスコでサブコンフルエント(subconfluent)まで培養した初代培養ヒト皮膚微小血管内皮細胞(Cascade Biologics, Inc., Portland, OR 、クラボウ, 大阪より購入) を用いた。細胞は新しい5% ウシ胎児血清(fetal bovine serum), 5 ng/ml 塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor), 10μg/mlヘパリン(heparin) 含有 Hu-Media MV2 培地(medium)(assay medium)で洗浄後、(1) 未添加、(2) 10μg/ml AGE2-BSA 添加、(3) 10μg/ml AGE2-BSA および25μg/ml精製可溶性RAGE添加、のassay mediumに置換し、37℃、4時間保温した。処理後、細胞より poly(A)+ RNA をQuickprep micro mRNA isolation kit (Amersham Pharmacia Biotech) により分離し、SuperScript One-Step RT-PCR キット (GIBCO BRL)を用いて、VEGF mRNA の検出を行った。 VEGF mRNA増幅に用いた poly(A)+ RNA 量は30 ng 、PCR サイクル数は30サイクルである。内部コントロールとして、β−アクチンを用いた (30ng、20サイクル) 。RT-PCR産物を、3%アガロースゲル電気泳動にて分離後、ナイロン膜へアルカリトランスファーし、32P-標識したVEGF特異的オリゴヌクレオチドプローブでハイブリダイゼーションを行った。VEGF mRNA 増幅用プライマーおよびプローブは Nomura et al., J. Biol. Chem. 1995 と同一である。
結果を図11に示す。初代培養ヒト皮膚微小血管内皮細胞におけるVEGF mRNA 発現レベルはAGE 添加により約2倍亢進するが、AGE と可溶型RAGEが共存すると、可溶型RAGEがドミナントネガティブに作用し、AGE によるVEGF mRNA レベルの亢進が防止された。
【0122】
実施例10:ヒト可溶型RAGEを特異的に測定するサンドイッチアッセイ
(測定系A)
(a) モノクローナル抗体結合担体の調製
抗ヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体278-13F11 を0.1Mリン酸緩衝液、pH7.5 に溶解し、25μg/mLの濃度に調製した。このモノクローナル抗体溶液を96穴マイクロプレートにウェルあたり100 μL ずつ加え、4℃、16〜24時間静置した。モノクローナル抗体溶液を除去し、精製水で1回洗浄後、1% BSA、0.15M NaCl、0.001%クロロヘキシジン含有 10mM リン酸緩衝液、pH7.0 を300 μL ずつ加え4℃、24時間以上静置しブロッキングした。
(b) ポリクローナル抗体の調製
合成ペプチド [配列番号:7]をMBS 法によりKLH にコンジュゲートし、ウサギに免疫し抗血清を得た。同合成ペプチドをカップリングしたアフィニティーカラムで抗血清を精製した。
【0123】
(c) ポリクローナル抗体を用いたサンドイッチEIA 法
精製したヒト可溶型RAGE画分を標準抗原として標準曲線を作製した(図12)。調製したモノクローナル抗体結合担体を 300μL の30mM NaCl 、0.01% Tween 20含有 5mM リン酸緩衝液、pH7.0 (洗浄液 A)で1回洗浄した。1% BSA、0.1M NaCl 、15% ブロックエース(大日本製薬)、35μg/mL HAMA 試薬含有 10mM リン酸緩衝液、pH7.0 (緩衝液 A)で1.7 μg/mLに調製したウサギ抗ヒト可溶型RAGE C末端ペプチドポリクローナル抗体を160 μL ずつ抗体結合プレートに加えた。さらに、調製した標準液または測定検体を40μL ずつ加え、マイクロプレートミキサーで十分に混合後、反応液の蒸発を防ぐためにシールを貼り4℃、16〜24時間静置した。洗浄液A でウェルあたり 300μL で4回洗浄し、緩衝液A で5000倍希釈した抗ウサギIgG ペルオキシダーゼ標識抗体(Amersham Pharmacia)を100 μL 加え、25℃、2時間静置した。洗浄液A でウェルあたり 300μL で4回洗浄し、0.1mg/mL 3, 3', 5, 5'-テトラメチルベンジジン、0.0075% 過酸化水素, 1% DMF含有 0.1M クエン酸緩衝液, pH4.0 を 100μL ずつ加え、25℃、30分間静置した。2N硫酸を 100μL ずつ添加し反応を停止し、この反応混液を波長450nm で測定し、標準曲線より検体の測定値を求めた。
【0124】
実施例11:ヒト可溶型RAGEを特異的に測定するサンドイッチアッセイ
(測定系B)
(a) モノクローナル抗体結合担体の調製
抗ヒト可溶型RAGE C末端ペプチドモノクローナル抗体269-1D10を0.1Mリン酸緩衝液、pH7.5 に溶解し、25μg/mLの濃度に調製した。このモノクローナル抗体溶液を96穴マイクロプレートにウェルあたり 100μL ずつ加え、4℃、16〜24時間静置する。モノクローナル抗体溶液を除去し、精製水で1回洗浄後、1% BSA、0.15M NaCl、0.001%クロロヘキシジン含有 10mM リン酸緩衝液、pH7.0 を 300μL ずつ加え4℃、24時間以上静置しブロッキングした。
(b) モノクローナル抗体を用いたサンドイッチEIA 法
精製したヒト可溶型RAGE画分を標準抗原として標準曲線を作製した(図13)。調製したモノクローナル抗体結合担体を 300μL の洗浄液A で1回洗浄した。緩衝液A で 1μg/mLに調製した酵素標識抗体液(278-3A6、IgG-HRP)を 160μL ずつ抗体結合プレートに加えた。さらに、調製した標準液または測定検体を40μL ずつ加え、マイクロプレートミキサーで十分に混合後、反応液の蒸発を防ぐためにシールを貼り4℃、16〜24時間静置した。洗浄液A でウェルあたり 300μL で4回洗浄し、0.1mg/mL 3, 3', 5, 5'-テトラメチルベンジジン、0.0075% 過酸化水素, 1% DMF含有0.1Mクエン酸緩衝液, pH4.0 を 100μL ずつ加え、25℃、30分間静置する。 2N 硫酸を 100μL ずつ添加し反応を停止し、この反応混液を波長450nm で測定し、標準曲線より検体の測定値を求めた。
【0125】
実施例12:ヒト可溶型及び膜型RAGEを特異的に測定するサンドイッチアッセイ
(測定系C)
(a) モノクローナル抗体結合担体の調製
抗ヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体278-13F11 を0.1Mリン酸緩衝液、pH7.5 に溶解し、25μg/mLの濃度に調製した。このモノクローナル抗体溶液を96穴マイクロプレートにウェルあたり 100μL ずつ加え、4℃、16〜24時間静置する。モノクローナル抗体溶液を除去し、精製水で1回洗浄後、1% BSA、0.15M NaCl、0.001%クロロヘキシジン含有 10mM リン酸緩衝液、pH7.0 を 300μL ずつ加え4℃、24時間以上静置しブロッキングした。
(b) モノクローナル抗体を用いたサンドイッチEIA 法
精製したヒト可溶型RAGE画分を標準抗原として標準曲線を作製した(図14)。調製したモノクローナル抗体結合担体を 300μL の洗浄液A で1回洗浄した。緩衝液A で 1μg/mLに調製した酵素標識抗体液 (278-3A6 、IgG-HRP)を 100μL ずつ抗体結合プレートに加えた。さらに、調製した標準液または測定検体を20μL ずつ加え、マイクロプレートミキサーで十分に混合後、25℃、1〜2時間静置した。洗浄液A でウェルあたり 300μL で4回洗浄し、0.1mg/mL 3, 3', 5, 5'-テトラメチルベンジジン、0.0075% 過酸化水素, 1% DMF含有0.1Mクエン酸緩衝液, pH4.0 を 100μL ずつ加え、25℃、30分間静置した。 2N 硫酸を 100μL ずつ添加し反応を停止し、この反応混液を波長450nm で測定し、標準曲線より検体の測定値を求めた。
【0126】
〔各測定系の特異性〕
測定系A、B、Cいずれもヒト可溶型RAGEを標準物質として0.1 〜6.4ng/mLの範囲で良好な標準曲線を描くことができた。
膜型RAGE過剰発現COS-7 細胞をコンフルエントまで培養後、培地を抜き取り、PBS で細胞層を洗浄した。その後、1% n-Octylglucoside, 0.1 M NaCl, 1 mM PMSF含有20 mM Tris-HCl, pH 7.4で細胞をlysis し、遠心した上清について、可溶型RAGEを標準物質としてA、B、Cそれぞれの測定系で測定した。測定系Cでの測定値は48ng/mL であったが、測定系AおよびBではそれぞれ0ng/mL、2.7ng/mLであった(図15)。これらのことから、測定系Cは可溶型および膜型両方のRAGEを認識し、測定系AおよびBは可溶型RAGEのみ認識することが確認された。
【0127】
〔測定系Aを用いたヒト血中可溶型RAGEの測定〕
糖尿病罹病期間 7.8〜17.3年(平均12.5±2.6 年)、インスリン皮下自己注射療法のみで治療を受けているI型糖尿病患者血清及び血漿について、ヒト可溶型RAGEを特異的に測定する測定系Aで測定した。
網膜症の進展程度は眼底所見をもとに、正常、単純網膜症に分類した。腎症については糖尿病腎症病期分類厚生省改定案に準じ、随時尿による尿中アルブミン・クレアチニン比30mg/g未満を腎症前期、30〜299 mg/gを早期腎症と判定した。なお、病期が前増殖性網膜症、増殖性網膜症および顕性腎症以上の患者試料と血清クレアチニン値2mg/dL以上の腎不全期の患者試料は除外した。網膜症、腎症ともに発症していない患者群(合併症未発症群)と腎症を発症していない単純網膜症患者群(単純網膜症患者群)および網膜症を発症していない早期腎症患者群(早期腎症患者群)間で測定系Aを利用して血中可溶型RAGE量を測定し、統計的に解析した。
その結果、合併症未発症群(糖尿病罹病期間12.1±2.3 年)の可溶型RAGE量は単純網膜症患者群(糖尿病罹病期間13.1±2.6 年)、早期腎症発症患者群(糖尿病罹病期間11.7±2.5 年)と比較してそれぞれ有意(p<0.005, p<0.05) に高値を示した(図16)。
糖尿病合併症発症には個人差があり、とくに腎症では約30% が罹患感受性を示すことが知られている。今回の検討では、合併症未発症群の血中可溶型RAGE量が単純網膜症患者群、早期腎症患者群と比較して有意に高い値を示した。このことから糖尿病合併症発症時期における個体間の可溶型RAGE発現量の遺伝的差異が糖尿病合併症罹患感受性/抵抗性の決定因子の一つであると推察され、可溶型RAGEが糖尿病合併症の発生に対して保護的に機能している可能性が考えられた。すなわち、可溶型RAGEを定量することによる、糖尿病合併症罹患感受性、抵抗性の予測可能性が示唆された。
【0128】
【発明の効果】
天然型の可溶型RAGEを測定することが可能であり、AGE とRAGEの間の相互作用に起因する疾患の診断、糖尿病合併症の原因究明、診断・リスク予知などに有用である。ヒト可溶型RAGE蛋白に対するモノクローナル抗体を始めとした抗体などの活性物質を作製し、これを用いた当該タンパクの測定系を開発することが可能で、糖尿病合併症発症・進展のリスク予知などに役立つ。また、可溶型RAGEの産生を制御する化合物の開発も可能となるし、がんの転移、浸潤の診断などにも有用である。
本発明の可溶型RAGEは、生体内に存在する天然型ペプチド(内在性ペプチドあるいは内因性ペプチド)で、C末端部分の16個のアミノ酸残基においてRAGE蛋白質と異なっているものである。本発明の可溶型RAGEは、内在性に産生される天然のフォームなので、生理的なものであり、抗体ができる恐れが少なく、さらに経口可能な可溶型RAGE産生制御化合物及び薬剤などを開発して、そうした医薬により本発明の可溶型RAGEの発現を誘導できるようになれば、苦痛を与えることなしに、糖尿病患者を合併症から守ることなどができる。本発明により、内因性可溶型RAGEポリペプチド若しくはその塩、さらにはそれを基礎とした変異体、修飾体、誘導体などをデザインして得ることが可能となり、またそれらをコードする核酸、該核酸を有するベクター、該ベクターで形質転換された宿主細胞が提供でき、内因性可溶型RAGEに関連した疾患、例えば糖尿病合併症、老化に付随した各種疾患、アルツハイマー病、動脈硬化症、生体内タンパク質のグリケーション化に起因した疾患あるいは病気の発症及び/又は進展、及び腫瘍の浸潤又は拡散などの病的な状態あるいは症状の研究に役立つし、医薬品、診断薬、さらには遺伝子診断や遺伝子治療の途を開くと期待できる。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
【0129】
【配列表】
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228

【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトRAGE遺伝子の構造及びRAGE遺伝子転写産物のオルタナティブスプライシングによって生成される RAGE 蛋白の分子多様性を示す。 C端欠失可溶型が、本発明の可溶型RAGEに相当するものである。
【図2】 膜貫通型RAGE(fullRAGE)及び膜貫通ドメインを有するfullRAGE遺伝子より人工的に作製された可溶化型RAGEとよばれるもの(US5864018) と比較しての本発明の可溶型RAGEをコードする核酸(solubleRAGE) の塩基配列を示す。
【図3】 図2に続く fullRAGE 、US5864018 及びsolubleRAGE の塩基配列を示す。
【図4】 図3に続く fullRAGE 、US5864018 及びsolubleRAGE の塩基配列を示す。
【図5】 fullRAGE及びUS5864018 と比較しての本発明の可溶型RAGE(solubleRAGE) のアミノ酸配列を示す。
【図6】 sRAGE タンパクの10%SDS-PAGE 分離後の電気泳動写真を示す。1は細胞培養上清の銀染色像、2は精製蛋白の銀染色像を示す。
【図7】 本発明の抗可溶型RAGEモノクローナル抗体を使用してのウエスタンブロッティングの結果を示す。
【図8】 ハイブリドーマクローンの検定ウエスターン ブロッティング (western blotting) の結果の電気泳動写真を示す。
成熟型RAGE(R) 、可溶型RAGE過剰発現 COS 7細胞培養上清(CM)、ヒト肺抽出タンパク(L) および7種のタンパクを含む分子量マーカー(M) をSDS-PAGEで分離後、抗可溶型RAGEモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ培養上清を用いウエスターン ブロッティングを行った。
【図9】 可溶型RAGEモノクローナル抗体を用いた免疫沈降の結果の電気泳動写真を示す。
可溶型RAGEモノクローナル抗体269-1D10 (1), 269-9C2 (2) 或いは正常マウスイムノグロブリン(3) を結合させたprotein G Sepharose を用いて可溶型RAGE過剰発現 COS 7細胞培養上清から当該タンパクを免疫沈降後、SDS-PAGEで分離し、ウエスターン ブロッティング (western blotting) により可溶型RAGEを検出した。
【図10】 ヒト血清中に存在する可溶型RAGEタンパクの検出のため、抗ヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体を使用したイムノアフィニティーカラムクロマトグラフィーを行った結果の溶出パターンとそのピーク画分より得られた沈殿物の電気泳動写真を示す。
2.5 mgのヒト可溶型RAGEモノクローナル抗体269-1D10が結合したイムノアフィニティーカラムにヒト血清2 mlをアプライし、カラムクロマトグラフィーを行った。ピーク画分 (fraction no. 16 〜18) はTCA で処理し、沈殿物をSDS-PAGEにより展開、ウサギ抗ヒト可溶型RAGEポリクローナル抗体を用いてウエスターン ブロッティング (western blotting) を行った。
【図11】 可溶型RAGEによるAGE 内皮作用の中和作用を示す。
初代培養ヒト皮膚微小血管内皮細胞を(1) 未添加、(2) 10μg/ml AGE2-BSA 添加、(3) 10μg/ml AGE2-BSA および25μg/ml精製可溶性RAGE添加培養液中で処理後、細胞より poly(A)+ RNA を分離しVEGF mRNA の検出を行った。
【図12】 抗ヒト可溶型RAGE抗体を使用したヒト可溶型RAGE測定サンドイッチアッセイ系(測定系A)で得られた可溶型RAGE画分(標準抗原)の標準曲線を示す。
【図13】 抗ヒト可溶型RAGE抗体を使用したヒト可溶型RAGE測定サンドイッチアッセイ系(測定系B)で得られた可溶型RAGE画分(標準抗原)の標準曲線を示す。
【図14】 抗ヒト可溶型RAGE抗体を使用したヒト可溶型及び膜型RAGE特異的測定サンドイッチアッセイ系(測定系C)で得られた可溶型RAGE画分(標準抗原)の標準曲線を示す。
【図15】 膜型RAGE過剰発現COS-7 細胞のライゼート(上清)を測定系A、B及びCで測定した結果を示す。可溶型RAGEを標準物質として使用した。
【図16】 I型糖尿病患者について、血中ヒト可溶型RAGEを測定系Aで測定した結果を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an antibody against a soluble RAGE polypeptide derived from human, and uses for screening, measurement test, diagnosis and treatment using the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the number of diabetic patients has been increasing. According to statistics from the Ministry of Health and Welfare in 1998, the estimated affected population in Japan was 6.9 million, including the reserve army, 14 million. The prognosis and quality of life (QOL) of diabetic patients are directly influenced by vascular disorders or vascular complications in various parts of the body secondary to hyperglycemia, not primary insulin deficiency. Therefore, to elucidate the cause of diabetic complications and to elucidate how to overcome it is a national research subject that requires urgent solutions. As a result of searching for environmental factors and genetic factors related to the onset and progression of diabetic complications, the inventors have advanced glycation end products (AGE) that are formed and accumulated at an accelerated rate in the diabetic state as the former. As for the latter, the importance of cell surface-specific receptors (receptor for AGE, RAGE) that recognize and bind to AGE and downstream signal molecule group / effector gene group is important in vitro experiments using cultured vascular cells and trans It was clarified from experiments at the individual level using transgenic animals (J. Biol. Chem., 272, 8723-8730, 1997; 275, 27781-25790, 2000; J. Clin. Invest., 108, 261-268 , 2001).
[0003]
Conventionally, it has been known that there are susceptibility / resistance genetic factors in diabetic vascular complications, but the substance is still unknown.
AGE has been pointed out to be involved in various complications associated with diabetes and aging, and cell surface receptors such as receptors expressed on the cell surface such as monosite / macrophages, neurons, smooth muscle cells, and endothelial cells. It is also known to combine with AGE is thought to interact with these receptors (receptors) and exert various physiological and biological effects on living organisms and cells. AGE, for example, proliferates endothelial cells and increases permeability and thrombus formation. In addition, monosite / macrophage promotes the release of cytokines, and further promotes the release of various factors involved in cell proliferation, migration, and matrix synthesis. It is also suspected to be involved in the inflammatory response in the vessel wall.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
There is evidence that AGE interacts with its receptors (receptors) and exerts various physiological and biological effects on living organisms and cells, resulting in various diseases and illnesses. As it is being elucidated, it is necessary to clarify substances that affect the interaction between AGE and RAGE, and to enable the prevention, treatment, and diagnosis of various diseases and illnesses. .
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Most recently, the present inventor Yamamoto has revealed that there is molecular diversity in RAGE proteins expressed in human vascular cells, which is due to alternative splicing of the RAGE gene transcript (see Fig. 1), and the major molecular species. One is a soluble RAGE protein, which is secreted extracellularly because it lacks a membrane-bound region, while it has the same extracellular domain as the mature membrane-bound protein, and has found that it can capture AGE. In fact, when recombinant human soluble RAGE protein was purified and binding experiments with AGE ligands, it was proved that it binds to various AGE fractions with high affinity. Therefore, if there is an individual difference in the level of expression of this soluble RAGE protein, patients with high blood levels of the protein are less likely to cause diabetic complications, and conversely, if the blood levels are low, complications are likely to occur. The possibility is assumed.
Thus, a monoclonal antibody against this human soluble RAGE protein is prepared, and a measurement system for the protein using the monoclonal antibody is developed to predict the risk of developing or progressing diabetic complications. The present invention provides an antibody that specifically immunoreacts with a novel soluble RAGE polypeptide or a salt thereof, and various uses thereof, for example, screening, diagnosis, or therapeutic use.
[0006]
The present invention
[1] Antibodies against:
(1) (A) soluble RAGE polypeptide or
(B) (i) having at least 60% homology with the amino acid sequence of the soluble RAGE and
(ii) (a) a soluble RAGE amino acid sequence having at least 5 to 347 consecutive amino acid residues,
(b) The transmembrane domain possessed by membrane-bound RAGE is deleted, and the amino acid sequence Glu of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing is located on the C-terminal side. 332 ~ Met 347 Having at least 1 to 16 consecutive amino acid residues,
(c) N-terminal amino acid sequence Met of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing 1 ~ Val 117 One having at least 1 to 117 consecutive amino acid residues and lacking the transmembrane domain of membrane-bound RAGE,
(d) having at least 1 to 117 consecutive amino acid residues out of 1 to 117 consecutive amino acid residues of the N-terminal amino acid sequence of membrane-bound RAGE and the C-terminal side thereof Contains the amino acid sequence Glu of SEQ ID NO: 2 in the Sequence Listing 332 ~ Met 347 Having at least 1 to 16 consecutive amino acid residues, and
(e) Those having the amino acid sequence of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing or those having substantially the same biological activity as that
A polypeptide selected from the group consisting of:
(2) Among the amino acid sequences represented by SEQ ID NO: 2 in the sequence listing,
(i) having at least 5 to 115 consecutive amino acid residues,
(ii) having at least 116 to 230 amino acid residues in succession;
(iii) having at least consecutive 231 to 347 amino acid residues,
(iv) having at least one or more consecutive amino acid residues of the first to 117th amino acid sequences;
(v) having at least one or more consecutive amino acid residues from the 332th to 347th amino acid sequences;
(vi) having the 19th to 347th amino acid sequence,
(vii) having the first to 347th amino acid sequence, and
(viii) having an amino acid sequence substantially equivalent to any one of them
A polypeptide selected from the group consisting of:
(3) Of the polypeptides of (1) or (2), active against diseases caused by changes in interaction between AGE and its receptor, soluble RAGE expression level and / or AGE capture activity Or a salt thereof, or
(4) the partial peptide of the polypeptide according to any one of (1) to (3) or a salt thereof;
[0007]
[2] An antibody that specifically immunoreacts with the polypeptide according to any one of (1) to (4) of [1] above or a salt thereof as a measuring reagent. 1) A method for immunological measurement of the polypeptide or a salt thereof according to any one of (4);
[3] A composition comprising an antibody that specifically immunoreacts with the polypeptide or a salt thereof according to any one of (1) to (4) above [1];
[4] The antibody according to [1] above, which comprises an antibody that specifically immunoreacts with the polypeptide according to any one of [1] to [4] above or a salt thereof. (4) an immunoassay reagent for the polypeptide or salt thereof according to any one of
[5] A pharmaceutical comprising the antibody according to [1] above;
[6] Diagnosis of disease caused by change in interaction between AGE and its receptor, expression level of soluble RAGE and / or change in AGE capture activity characterized by containing the antibody according to [1] above Agent;
[7] A screening method or screening kit for a compound that increases the production of soluble RAGE and prevents the onset and / or progression of diabetic complications using the antibody according to [1] above;
[8] Soluble RAGE in body fluids is detected using the antibody according to [1] above, and diabetic complications, various diseases associated with aging, Alzheimer's disease, arteriosclerosis, in vivo protein glycation A method for predicting the onset and / or progression of a disease or illness caused by cancer, tumor invasion or spread; and
[9] A soluble RAGE production control compound obtained by screening production of soluble RAGE using the antibody according to [1] above is provided.
[0008]
In another aspect, the invention provides:
[10] Amino acid sequence Glu of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing 332 ~ Met 347 An antibody that specifically immunoreacts with a polypeptide having at least 4 to 16 consecutive amino acid residues, or a salt thereof;
[11] The immunological measurement method for a polypeptide or a salt thereof according to any one of (1) to (4) above, wherein the antibody according to [10] is used as a measurement reagent;
[12] A composition comprising the antibody according to [10] above;
[13] An immunoassay reagent for the polypeptide or salt thereof according to any one of (1) to (4) above, which comprises the antibody according to [10] above;
[14] A pharmaceutical comprising the antibody according to [10] above;
[15] Diagnosis of a disease caused by an interaction between AGE and its receptor, an expression level of soluble RAGE and / or a change in AGE capture activity characterized by containing the antibody according to [10] above Agent;
[16] The antibody according to [1] or [10] above, which is a solid-phased antibody;
[17] The antibody according to [1] or [10] above, which is a labeled antibody;
[18] The antibody according to [1] or [10] above, which is a humanized antibody;
[19] Diseases caused by changes in interaction between AGE and its receptor, soluble RAGE expression level and / or AGE capture activity using the antibody according to [1], [10] or [18] Treatment and / or prevention of
[0009]
[20] Use of the antibody described in [1], [10], [16], [17] or [18] as an affinity probe for affinity chromatography;
[21] Diagnosis or detection of diseases or illnesses caused by diabetic complications, various diseases associated with aging, Alzheimer's disease, tumor invasion or spread, arteriosclerosis, glycation of in vivo proteins [2] Or the measurement method according to [11];
[22] Diabetes complications, various diseases associated with aging, Alzheimer's disease, tumor invasion or spread, arteriosclerosis, diseases or illnesses caused by glycation of proteins in the body [4] Or the reagent according to [13]; and
[23] For treatment and / or prevention of diseases or illnesses caused by diabetic complications, various diseases associated with aging, Alzheimer's disease, tumor invasion or spread, arteriosclerosis, glycation of in vivo proteins [ 5] or [14] The pharmaceutical according to [14] is provided.
In addition, the present invention provides antibodies that specifically immunoreact with the novel soluble RAGE, and uses thereof for screening, diagnosis, or therapeutic purposes. The present invention provides a genetic diagnostic technique related to soluble RAGE, such as the expression of a novel soluble RAGE that is considered to be a predisposing factor for determining resistance to and susceptibility to diabetes, cancer, Alzheimer's disease, etc. Provided is a gene therapy technique for genetic diagnosis of a polymorphism and further reducing the risk of morbidity of a related disease based on the diagnosis result.
[0010]
Other objects, features, excellence and aspects of the present invention will be apparent to those skilled in the art from the following description. However, it is understood that the description of the present specification, including the following description and the description of specific examples and the like, show preferred embodiments of the present invention and are presented only for explanation. I want. Various changes and / or modifications (or modifications) within the spirit and scope of the present invention disclosed herein will occur to those skilled in the art based on the following description and knowledge from other parts of the present specification. Will be readily apparent. All patent documents and references cited herein are cited for illustrative purposes and are not to be construed as a part of this specification. is there.
As used herein, the term “and / or” means that both (1) a joint connection and (2) a selective connection exist, for example “treatment and / or prevention”. In some cases, it is used to encompass both (1) treatment and prevention and (2) both treatment and prevention. In other cases, the term “and / or” is similarly used to include both (1) merged connections and (2) selective connections.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As used herein, the term “soluble RAGE” refers to a peptide related to the receptor for advanced glycation endproducts (RAGE) that is closely related to diabetic complications, and is a splicing variant of RAGE that does not have a transmembrane region. Refers to the novel peptide disclosed in. The soluble RAGE is a peptide consisting of 347 amino acid residues, and has a characteristic sequence GluGlyPheAspLysValArgGluAlaGluAspSerProGlnHisMet on the C-terminal side. It is characterized by the lack of a transmembrane domain present in The soluble RAGE has an advanced glycation endproducts (AGEs) binding activity, or has an inhibitory or inhibitory activity on the interaction between AGE and its receptor. Typically, the soluble RAGE of the present invention is a naturally occurring peptide (endogenous peptide or endogenous peptide) that exists in vivo and differs from the RAGE protein in 16 amino acid residues in the C-terminal part. Is. A typical soluble RAGE of the present invention includes a polypeptide encoded and produced by the DNA of SEQ ID NO: 1 in the sequence listing, for example, the amino acid sequence of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing or substantially equivalent thereto. A polypeptide having an amino acid sequence can be mentioned. In addition, a typical soluble RAGE of the present invention has the amino acid sequence Glu of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing. 332 ~ Met 347 Having at least 1 to 16 consecutive amino acid residues on the C-terminal side thereof and having AGE binding activity, amino acid sequence Met of SEQ ID NO: 2 in the Sequence Listing 1 ~ Val 117 Having at least 1 to 117 consecutive amino acid residues on the N-terminal side and having AGE binding activity, or those characteristics, and the amino acid sequence Tyr of SEQ ID NO: 2 in the Sequence Listing 118 ~ Gly 331 And novel ones having at least 60% homology to the above.
[0012]
As used herein, the term “polypeptide” may refer to any polypeptide as described below. The basic structure of a polypeptide is well known and is described in numerous references and other publications in the art. In view of these, the term “polypeptide” as used herein refers to any peptide or any protein comprising two or more amino acids such that they are linked together by peptide bonds or modified peptide bonds. To do. As used herein, the term “polypeptide” is commonly referred to in the art as, for example, short chains, also referred to as peptides, oligopeptides or peptide oligomers, and proteins, commonly known in many forms. It may mean both of the long chains that are being made. Polypeptides often contain amino acids other than the 20 amino acids commonly found (naturally occurring amino acids: or amino acids encoded by a gene) (20 amino acids). It may be. Polypeptides also contain chemical chemistry well known to those skilled in the art, not only by natural processes, including terminal amino acid residues, in which many amino acid residues are translated and then processed and otherwise altered (or modified). It will be understood that the above-described polypeptide can be altered (modified) by genetic modification techniques. Many forms of modifications (modifications) made to the polypeptide are known, and they are described in detail in basic reference books and more detailed papers and numerous research literatures in the field. These are well known to those skilled in the art. Some particularly routine alterations / modifications include, for example, glycosylation, lipid binding, sulfation, γ-carboxylation of glutamic acid residues, hydroxylation and ADP-ribosylation, for example TE Creighton, Proteins- Structure and Molecular Properties, Second Edition, WH Freeman and Company, New York, (1993); BCJohnson (Ed.), Posttranslational Covalent Modification of Proteins, Academic Press, New York, (1983) (Wold, F., "Posttranslational Protein Modifications: Perspective and Prospects ", pp.1-12); Seifter et al.," Analysis for Protein Modifications and nonprotein cofactors ", Meth. Enzymol., 182: 626-646 (1990); Rattan et al.," Protein Synthesis: Posttranslational Modification and Aging ", Ann. NY Acad. Sci., 663: p.48-62 (1992).
[0013]
The “polypeptide” of the present invention specifically includes soluble RAGE and related polypeptides. Examples of the soluble RAGE and related polypeptides include those derived from humans, and those that are soluble and have AGE binding activity or lack the transmembrane domain present in transmembrane RAGE, for example, the transmembrane region And those having AGE binding activity, typically having the characteristic sequence GluGlyPheAspLysValArgGluAlaGluAspSerProGlnHisMet on the C-terminal side, more specifically, SEQ ID NO: 2 in the sequence listing Among the amino acid sequences represented, those having at least the 332th to 347th amino acid sequences, those having the 1st to 117th amino acid sequences, and those having the 19th to 347th amino acid sequences Having at least the first to 347 amino acid sequences, and at least 60% homology, preferably 70% or more homology, more preferably 80% or less. Homologies, preferably 85% or more, more preferably 90% or more, more preferably 95% or more, particularly preferably 97% or more, and AGE binding activity And those having an amino acid sequence having substantially equivalent biological activity such as inhibition or suppressive activity on the interaction between AGE and its receptor or equivalent antigenicity.
[0014]
The human soluble RAGE of the present invention includes those that are not bound to the membrane, those that have a soluble AGE binding activity, those that lack the transmembrane domain present in the transmembrane RAGE, and those on the C-terminal side. Glu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met or a part of it and a kind of splicing variant of RAGE family And what is necessary is just to have a novel amino acid sequence. More preferably, as the peptide of the present invention, among those having an amino acid sequence having at least 60% homology with the RAGE family, the peptide of the present invention not only lacks a transmembrane domain but also has the amino acid sequence Glu of SEQ ID NO: 2 in the Sequence Listing. 332 ~ Met 347 Of those having at least 1 to 16 consecutive amino acid residues, and in particular, of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2 in the sequence listing, at least the amino acid sequence of positions 332 to 347 Part, amino acid sequence part from position 1 to position 117 or a main part thereof (for example, consecutive amino acid residues including all or part of positions 332 to 347, or positions 1 to 347) 5 or more, preferably 10 or more, preferably 20 or more, more preferably 30 or more, more preferably 40 or more, more preferably 50 or more, more preferably 50 or more, 60 or more, more preferably 70 or more, preferably 80 or more, more preferably 90 or more, most preferably 100 or more, and preferably 110 or more). Typically, the peptide of the present invention is substantially the same as any one of the amino acid sequences represented by SEQ ID NO: 2 in the sequence listing, having at least the 19th to 347th amino acid sequences, and any one of them. Selected from the group consisting of those having substantially the same amino acid sequence. Furthermore, the peptide of the present invention may have a part or all of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2 in the sequence listing. Anything having such a sequence may be included.
[0015]
In the present specification, “homology” refers to each amino acid residue constituting the chain between two chains in a polypeptide sequence (or amino acid sequence) or polynucleotide sequence (or base sequence) or This means the amount (number) of things that can be determined to be the same in each other's matching relationship, and means the degree of sequence correlation between two polypeptide sequences or two polynucleotide sequences. is there. Homology can be easily calculated. Many methods for measuring homology between two polynucleotide or polypeptide sequences are known, and the term “homology” (also referred to as “identity”) is well known to those skilled in the art (eg, , Lesk, AM (Ed.), Computational Molecular Biology, Oxford University Press, New York, (1988); Smith, DW (Ed.), Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Academic Press, New York, (1993); Grifin , AM & Grifin, HG (Ed.), Computer Analysis of Sequence Data: Part I, Human Press, New Jersey, (1994); von Heinje, G., Sequence Analysis in Molecular Biology, Academic Press, New York, (1987 Gribskov, M. & Devereux, J. (Ed.), Sequence Analysis Primer, M-Stockton Press, New York, (1991), etc.). Common methods used to measure the homology of two sequences include Martin, J. Bishop (Ed.), Guide to Huge Computers, Academic Press, San Diego, (1994); Carillo, H. & Lipman , D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073 (1988), etc., but are not limited thereto. Preferred methods for measuring homology include those designed to obtain the largest match between the two sequences being tested. An example of such a method is one assembled as a computer program. Preferred computer programming methods for measuring homology between two sequences include the GCG program package (Devereux, J. et al., Nucleic Acids Research, 12 (1): 387 (1984)), BLASTP, BLASTN, FASTA (Atschul, SF et al., J. Molec. Biol., 215: 403 (1990)) and the like, but are not limited thereto, and methods known in the art can be used. .
[0016]
The nucleic acid encoding the soluble RAGE of the present invention typically contains a peptide represented by SEQ ID NO: 2 in the sequence listing and a base sequence encoding a part of the continuous amino acid sequence, for example, One containing at least positions 25-1068 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 1 in the sequence listing, at least positions 136-1065 of the base sequence represented by SEQ ID NO: 1 in the sequence listing Containing a base sequence composed, and a base sequence composed of ATG at positions 25-27 to TGA at positions 1066-1068 from the base sequence represented by SEQ ID NO: 1 in the sequence listing (1066) -1068 stop codon TGA may be TAA or TAG), and contains a nucleotide sequence from position 25 to position 1065 of the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 1 in the sequence listing The start codon (codon encoding Met) and Those that have been added to the stop codon, also, SEQ ID and the Sequence Listing has an amino acid sequence having at least 80% homology with a protein base sequence encodes: 2 amino acid sequence Glu 332 ~ Met 347 It has at least 1 to 16 consecutive amino acid residues, and has AGE binding activity, inhibitory or inhibitory activity on the interaction between AGE and its receptor, or an antigenicity equivalent thereto, etc. Any base may be used as long as it contains a base sequence that has the same effect as that of a peptide having a biological activity equivalent to that of the peptide. Nucleic acids encoding the soluble RAGE are nucleic acids such as single-stranded DNA, double-stranded DNA, RNA, DNA: RNA hybrid, synthetic DNA, human genomic DNA, human genomic DNA library, human tissue / cell Either derived cDNA or synthetic DNA may be used. The base sequence of the nucleic acid encoding the soluble RAGE can be modified (for example, added, removed, substituted, etc.), and such modified ones can also be included. Furthermore, as described below, the nucleic acid of the present invention may encode the peptide of the present invention or a part thereof, and preferred examples include DNA. In addition, the “same-effect base sequence” refers to, for example, 5 or more consecutive base sequences of the base sequence of SEQ ID NO: 1 in the sequence listing, preferably 10 or more base sequences under stringent conditions. Preferred are those that hybridize with 15 or more base sequences, more preferably 20 or more base sequences, and encode an amino acid sequence substantially equivalent to the soluble RAGE.
[0017]
The DNA of the present invention containing the base sequence represented by SEQ ID NO: 1 in the sequence listing or the base sequence having the same effect as that can be obtained, for example, by the method shown below.
For example, J. Sambrook, EF Fritsch & T. Maniatis, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd edition)", Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989); DM Glover et al. Ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995); 1, Gene Research Method II ”, Tokyo Kagaku Doujin (1986); Edited by the Japanese Biochemical Society,“ New Chemistry Experiment Course 2, Nucleic Acid III (Recombinant DNA Technology) ”, Tokyo Kagaku Doujin (1992); R. Wu ed., "Methods in Enzymology", Vol. 68 (Recombinant DNA), Academic Press, New York (1980); R. Wu et al. Ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100 (Recombinant DNA, Part B) & 101 (Recombinant DNA, Part C), Academic Press, New York (1983); R. Wu et al. Ed., "Methods in Enzymology", Vol. 153 (Recombinant DNA, Part D), 154 (Recombinant DNA, Part E ) & 155 (Recombinant DNA, Part F), Academic Press, New York (1987); JH Miller ed., "Methods in Enzymology", Vol. 204, Academic Press, New York (1991); R. Wu et al. Ed., "Methods in Enzymology", Vol. 218, Academic Press, New York (1993 ) Or the method described in the literature cited therein, or a method or modification method substantially similar thereto (the description contained therein is incorporated herein by reference) Included in the disclosure).
[0018]
Cloned human cDNA libraries such as various human tissue or cultured cells (especially human kidney, brain, pineal gland, pituitary gland, nerve cells, retina, retinal vascular cells, retinal nerves) Cells, thymus, blood vessels, endothelial cells, vascular smooth muscle cells, blood cells, macrophages, lymphocytes, testis, ovary, uterus, intestine, heart, liver, pancreas, small intestine, large intestine, gingival related cells, skin related cells, glomerulus Cells, tubule cells, connective tissue cells, etc.) AGE binding activity or interaction between AGE and its receptor using a suitable detection system for plasmids containing cDNA inserts obtained from cDNA libraries. Selection is carried out using at least one of the inhibitory or inhibitory activities against the above as an index. This search technique can be repeated. The nucleic acid thus identified is sequenced. In addition, appropriate primers are designed and synthesized based on the identified sequence, and in some cases, the cDNA sequence derived from the animal that is the origin of the identified sequence is used, and the target sequence is polymerase chain reaction. Amplify (polymerase chain reaction: PCR). The obtained DNA fragment is used as a probe to screen a human genomic DNA library or a human-derived cDNA library constructed from various human tissues or cultured cells, and a clone that hybridizes to the probe is selected. (C) It is also possible to determine the base sequence of the DNA insertion sequence and to determine and obtain a novel soluble RAGE and a DNA fragment having the relevant base sequence. If necessary, the inserted sequence of the DNA in the clone can be subcloned. Based on the DNA sequence considered to have a nucleic acid encoding the novel polypeptide thus analyzed, it is also possible to obtain a gene encoding the soluble RAGE and its related nucleotide sequence. is there. In addition, a sense primer and an antisense primer can be designed and synthesized based on the analyzed novel soluble RAGE and a gene sequence (DNA sequence) related thereto. The sense primer can preferably be synthesized by selecting from the exon site at the 5 ′ end of the coding sequence presumed to be the desired peptide analyzed, and the antisense primer is preferably the analyzed desired peptide It can be selected and synthesized from exon sites on the 3 ′ end side of the coding sequence presumed to be, and more preferably, it can be selected from other than the exon sites used for the synthesis of the sense primer.
[0019]
You may aim to obtain the full length of the cDNA at once, but use the analyzed exon sites (multiple exon sites) to design and synthesize multiple primers and design multiple PCRs. (If necessary, analyze the DNA fragment whose nucleotide sequence has been determined, determine the entire nucleotide sequence of the cDNA, and clone based on it), and obtain the desired cDNA from the obtained DNA fragment Can do. The primer is preferably an oligonucleotide composed of 5 or more bases, more preferably 10 or more bases, more preferably an oligonucleotide composed of 18 to 25 bases. Primers can be prepared by methods known in the art, and typically can be synthesized by a phosphodiester method, a phosphophotoester method, a phosphoramidite method, etc., for example, an automatic DNA synthesizer, for example, a model It can be synthesized using 381A DNA synthesizer (Applied Biosystems). It is also possible to amplify cDNA by performing PCR using a cDNA library and the above-mentioned sense primer and antisense primer. The nucleic acid is obtained by preparing a specific hybridization probe from the clone identified as described above, screening a human-derived DNA library, and selecting a clone that hybridizes to the probe. be able to. To label a probe or the like with a radioactive isotope or the like, a commercially available labeling kit such as a random prime DNA labeling kit (Boehringer Mannheim) can be used. For example, using a random-priming kit (Pharmacia LKB, Uppsala), etc. 32 A radioactive probe can be obtained by labeling with P] dCTP (Amersham) or the like.
[0020]
Furthermore, as a cDNA library used as a template, commercially available cDNA libraries derived from various tissues can be used directly, for example, cDNA libraries commercially available from Stratagene, Invitrogen, Clontech, etc. can be used. Typical examples include gene libraries prepared from the labeled DNA fragments and human tissues / cells, such as the human P1 artificial chromosome genomic library (Human Genome Mapping Resource Center), human brain cDNA libraries (for example, Clontech, etc. Hybridization is possible. A human brain cDNA library can be constructed, for example, in a phage such as λgt10, which can be obtained by infecting a host E. coli such as the E. coli C600hfl strain to form a plaque. If necessary, the inserted sequence of cDNA in the clone can be subcloned. Based on the determined nucleotide sequence, the target DNA can also be isolated.
The nucleotide sequence can be determined using the dideoxy method, for example, the M13 dideoxy method, Maxam-Gilbert method, etc., but a commercially available sequencing kit such as Taq dye primer cycle sequencing kit (Applied Biosystems), Sequenase v 2.0 kit or the like can be used, or an automatic nucleotide sequence determination device such as a fluorescent DNA sequencer device (for example, Model 373A, Applied Biosystems) can be used. Examples of the polymerase used in the dideoxy method include Klenow fragment of DNA polymerase I, AMV reverse transcriptase, Taq DNA polymerase, T7 DNA polymerase, and modified T7 DNA polymerase.
[0021]
In the present specification, “polymerase chain reaction” or “PCR” generally refers to a method as described in US Pat. No. 4,683,195, for example, as desired. It refers to a method for enzymatically amplifying a nucleotide sequence in vitro. In general, the PCR method includes repeating cycles such as primer extension synthesis using two oligonucleotide primers that can preferentially hybridize with a template nucleic acid. Typically, the primer used in the PCR method can be a primer complementary to the nucleotide sequence to be amplified in the template, for example, complementary to the nucleotide sequence to be amplified at both ends thereof. Those adjacent to the nucleotide sequence to be amplified can be preferably used.
The PCR reaction can be performed by a method known in the art, or a method or modification method substantially similar thereto. For example, R. Saiki, et al., Science, 230: 1350, 1985; R. Saiki, et al., Science, 239: 487, 1988; HA Erlich ed., PCR Technology, Stockton Press, 1989; DM Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series ), IRL Press, Oxford University Press (1995); MA Innis et al. Ed., "PCR Protocols: a guide to methods and applications", Academic Press, New York (1990)); MJ McPherson, P. Quirke and GR Taylor (Ed.), PCR: a practical approach, IRL Press, Oxford (1991); MA Frohman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 8998-9002 (1988) Alternatively, it can be performed according to a modified or modified method. In addition, the PCR method can be performed using a commercially available kit suitable for the PCR method, and can also be performed according to a protocol clarified by the kit manufacturer or the kit vendor.
[0022]
In a typical case, for example, 1st strand DNA used as a template and a primer are mixed with 10 × reaction buffer (attached to Taq DNA polymerase), dNTPs (deoxynucleoside triphosphates dATP, dGTP, dCTP, dTTP). Mix), Taq DNA polymerase and deionized distilled water. The mixture is repeated 25-60 times under typical PCR cycle conditions using an automated thermal cycler such as GeneAmp 2400 PCR system, Perkin-Elmer / Cetus, etc. Depending on the number of times, it can be set to an appropriate number of times. PCR cycle conditions include, for example, denaturation 90-95 ° C. 5-100 seconds, annealing 40-60 ° C. 5-150 seconds, extension 65-75 ° C. 30-300 seconds, preferably denaturation 94 ° C. 15 seconds, annealing 58 A cycle of 15 ° C and extension 72 ° C for 45 seconds can be mentioned, and the reaction temperature and time for annealing can be appropriately selected by experiment, and the time for denaturation and extension reaction can also be estimated by the chain of the expected PCR product. An appropriate value can be selected according to the length. It is preferable to change the annealing reaction temperature according to the Tm value of the hybrid of the primer and template DNA. The extension reaction time is generally about 1 minute per 1000 bp chain length, but a shorter time can be selected in some cases.
[0023]
The obtained PCR product is usually subjected to 1-2% agarose gel electrophoresis, excised from the gel as a specific band, and DNA is extracted using a commercially available extraction kit such as gene clean kit (Bio 101). The extracted DNA is cleaved with an appropriate restriction enzyme, purified as necessary, and further phosphorylated at the 5 'end with T4 polynucleotide kinase as necessary, and then with an appropriate pUC vector such as pUC18. Ligation into a plasmid vector and transformation of appropriate competent cells. The cloned PCR product is analyzed for its nucleotide sequence.
In addition, by using a primer designed based on the base sequence of the 5 ′ end exon site analyzed among the exon sites of the gene, cDNA of the 5 ′ end side of the desired cDNA is obtained, Using the primers designed based on the nucleotide sequence of the 3 'end exon site analyzed among the exon sites of the gene, obtain the 3' end cDNA of the desired cDNA, and then if necessary These primers and the primers designed using the 5'-end cDNA and 3'-end cDNA base sequence information of the gene of interest are obtained from human tissues, particularly human brain tissues. A cDNA of the gene can also be obtained by amplifying by PCR using 1st strand cDNA prepared from the isolated mRNA by reverse transcriptase as a template.
[0024]
The 5′-end primer is selected so as to contain at least the start codon or can be amplified including the start codon, and the 3′-end primer contains at least a stop codon, or It is preferable to select such that it can be amplified including the stop codon. In obtaining cDNA of the full length of the gene, PCR can be carried out as described above, and preferable PCR cycle conditions include, for example, denaturation 92-95 ° C. 10-20 seconds, annealing 55-60 ° C. 10-30 And a cycle of 65 to 75 ° C. for 150 to 300 seconds, more preferably denaturation 94 ° C. for 15 seconds, annealing 58 ° C. for 15 seconds, and extension at 68 ° C. for 4 minutes.
The obtained PCR product is cloned in the same manner as described above, and its base sequence is analyzed and determined.
In addition, by designing primers based on the determined DNA base sequence and screening using these primers and various animal cell-derived cDNA libraries (eg, various human cell-derived cDNA libraries), Similarly, the target clone can be obtained. PCR amplification using these primers can be performed to obtain the target coding sequence-containing nucleic acid, novel genes, fragments thereof, and the like. Thus, a PCR product having a homology with soluble RAGE but having a novel sequence can also be searched.
[0025]
In the present specification, the “oligonucleotide” is a relatively short single-stranded or double-stranded polynucleotide, preferably a polydeoxynucleotide, and Angew. Chem. Int. Ed. Engl., Vol. 28 , p.716-734 (1989), for example, such as triester method, phosphite method, phosphoamidite method, phosphonate method, and the like. It is known that normal synthesis can be conveniently carried out on a modified solid support, for example using an automated synthesizer, which is commercially available. The oligonucleotide may contain one or more modified bases, for example, a non-naturally occurring base such as inosine or a tritylated base.
The obtained PCR product can be cloned, the base sequence of the obtained PCR product can be determined, and a novel soluble RAGE and a DNA fragment having a coding sequence related thereto can be obtained. In addition, by using this DNA fragment as a probe, various cDNA libraries can be screened and the target DNA can be isolated. For cloning PCR products, for example, p-Direct (Clontech), pCR-Script TM SK (+) (Stratagene), pGEM-T (Promega), pAmp TM Commercially available plasmid vectors such as (Gibco-BRL) can be used.
[0026]
In order to construct a cDNA library, it is necessary to obtain cDNA. This can be obtained, for example, as follows. MRNA is isolated from various human tissues or cultured cells. Isolation of mRNA can be performed by a method known in the art, or a method or modification substantially similar thereto, but J. Sambrook et al., “Molecular Cloning”, 2nd ed., Chapter 7, Cold. Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989); DM Glover et al. Ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) L. Grossman et al. Ed., "Methods in Enzymology", Vol. 12, Part A & B, Academic Press, New York (1968); SL Berger et al. Ed., "Methods in Enzymology", Vol. 152, p.33 & p.215, Academic Press, New York (1987); Biochemistry, 18: 5294-5299, 1979, etc., such as the guanidine-cesium chloride method, the thiocyanate guanidine method, the phenol method, etc. Can be done by the method. Examples of kits used for mRNA isolation include those commercially available from Pharmacia, Stratagene, Gibco-BRL, and the like. If necessary, the total RNA obtained can be purified using an oligo (dT) -cellulose column, spin column, oligo (dT) -coupled magnetic beads, etc. + mRNA can be obtained.
[0027]
Using this mRNA and reverse transcriptase (RNA-dependent DNA polymerase), cDNA is prepared. In the reverse transcription reaction, an oligo (dT) primer can be used. An oligo (dT) primer having preferably 12 to 18 T residues can be used. When performing directional cloning, it is also preferable to use a synthetic oligonucleotide primer in which a restriction enzyme site is linked to the 5 ′ side of 12 to 18 T residues. Examples of such primers include Xba I oligo (dT) primer adapters. When a random hexamer primer is used, the possibility of obtaining the 5 ′ end of mRNA is increased, and this random hexamer primer can be used alone or mixed with an oligo (dT) primer. In the reverse transcription reaction, an RNase inhibitor such as RNasin (Boehringer Mannheim) can be added as necessary. cDNA synthesis using mRNA and reverse transcriptase can be carried out by a method known in the art or substantially the same method or modification, but H. Land et al., Nucleic Acids Res., 9: 2251, 1981; U. Gubler et al., Gene, 25: 263-269, 1983; SL Berger et al. Ed., "Methods in Enzymology", Vol. 152, p.307, Academic Press, New York (1987 ) And the like.
[0028]
Based on the obtained cDNA, a cDNA library can be constructed by using a phage vector or a plasmid vector. Other than using phage vectors, transformation of host cells such as E. coli can be performed using, for example, the calcium method, rubidium / calcium method, calcium / manganese method, TFB high-efficiency method, FSB frozen competent cell method, rapid colony method. It can be carried out by a method known in the art such as a method, electroporation, or a method substantially similar thereto (D. Hanahan, J. Mol. Biol., 166: 557, 1983, etc.). In order to isolate the target DNA, reverse transcription PCR (polymerase chain reaction coupled reverse transcription; RT-PCR) or RACE (rapid amplification of cDNA ends) can be applied. RACE was described, for example, in MA Innis et al. Ed., "PCR Protocols" (MA Frohman, "a guide to methods and applications"), pp. 28-38, Academic Press, New York (1990). Can be done according to the method. The RT-PCR product can be cloned into a plasmid vector and introduced into highly efficient competent cells.
Furthermore, a method capable of isolating and purifying mRNA from a minute amount of cells or tissues, for example, REX kit, United States Biochemical; Glass MAX TM Using commercially available kits such as RNA spin cartridge system, Gibco-BRL, reverse transcription of the obtained mRNA using oligo (dT) primer to synthesize 1st strand DNA, then to the 3 ′ end of 1st strand DNA After attaching a homopolymer tail (eg, G residue) or attaching an adapter to the DNA, the cDNA can also be PCR amplified using an oligo (dT) primer and an oligo (dC) primer or an adapter primer. . A suitable commercial kit for this is SuperScript TM pre-amplification system (Gibco-BRL); cDNA Cycle TM kit (Invitrogen).
[0029]
Hybridization is performed by transferring plaques formed by microorganisms that hold a predetermined inserted DNA to a membrane such as a nylon filter, and performing transformation, immobilization, washing, etc. as necessary. This is carried out by reacting the material transferred to the membrane with a labeled probe DNA fragment that has been modified as necessary in a hybridization buffer. The hybridization treatment is usually performed at about 35 ° C. to about 80 ° C., more preferably about 50 ° C. to about 65 ° C., for about 15 minutes to about 36 hours, more preferably about 1 hour to about 24 hours. The optimum conditions can be selected as appropriate. For example, the hybridization treatment is performed at about 55 ° C. for about 18 hours. The hybridization buffer can be selected from those commonly used in the art, and for example, Rapid hybridization buffer (Amersham) can be used. Examples of the modification treatment of the transferred film include a method using an alkali-denaturing solution, and it is preferable to treat with a neutralizing solution or a buffer solution after the treatment. The membrane is usually fixed at about 40 ° C. to about 100 ° C., more preferably about 70 ° C. to about 90 ° C., about 15 minutes to about 24 hours, more preferably about 1 hour to about 4 hours. Although it is carried out by baking, it can be carried out by appropriately selecting preferable conditions. For example, immobilization is performed by baking the filter at about 80 ° C. for about 2 hours. The transferred membrane can be washed by washing with a commonly used washing solution in the art, such as 50 mM Tris-HC1 buffer containing 1 M NaCl, 1 mM EDTA and 0.1% Sodium Dodecyl sulfate (SDS), pH 8.0. It can be carried out. A membrane such as a nylon filter can be selected from those commonly used in the art, and examples thereof include a nylon filter [Hybond-N, Amersham].
[0030]
The alkali-denaturing solution, neutralizing solution, and buffer solution can be selected from those commonly used in the field, and the alkali-denaturing solution contains, for example, 0.5M NaOH and 1.5M NaCl. Examples of the neutralizing solution include 1.5M NaCl-containing 0.5M Tris-HCl buffer solution, pH 8.0. Examples of the buffer solution include 2 × SSPE (0.36). M NaCl, 20 mM NaH 2 PO Four And 2 mM EDTA). Prior to the hybridization treatment, it is preferable to pre-hybridize the transferred film as necessary in order to prevent nonspecific hybridization reaction. This prehybridization treatment can be performed, for example, by using a prehybridization solution [50% formamide, 5 × Denhardt's solution (0.2% bovine serum albumin, 0.2% polyvinyl pyrrolidone), 5 × SSPE, 0.1% SDS, 100 μg / ml heat-denatured salmon. Sperm DNA] and the like, and the reaction is carried out at about 35 ° C. to about 50 ° C., preferably about 42 ° C., for about 4 to about 24 hours, preferably about 6 to about 8 hours. Those skilled in the art can repeat the experiment as appropriate to determine more preferable conditions. The labeled probe DNA fragment used for hybridization is denatured, for example, by heating at about 70 ° C. to about 100 ° C., preferably about 100 ° C., for about 1 minute to about 60 minutes, preferably about 5 minutes. it can. Hybridization can be carried out by a method known per se or a method analogous thereto, and the stringent conditions in this specification are, for example, about 15 to about 50 mM, preferably about 19 to about sodium concentration. The temperature is about 40 mM, more preferably about 19 to about 20 mM, and the temperature is about 35 to about 85 ° C., preferably about 50 to about 70 ° C., more preferably about 60 to about 65 ° C.
[0031]
After completion of hybridization, the filter is thoroughly washed to remove labeled probes other than labeled probe DNA fragments that have undergone a specific hybridization reaction. The filter can be washed by selecting from those commonly used in the field, for example, with 0.5% SSC (O.15M NaCl, 15 mM citric acid) solution containing 0.1% SDS. Can be implemented.
The hybridized plaque can be typically detected by autoradiography, but can be appropriately selected from methods used in the art and used for plaque detection. Plaques corresponding to the detected signal are collected in a suitable buffer, eg SM solution (100 mM NaCl and 10 mM MgSO Four Suspended in 50 mM Tris-HCl buffer, pH 7.5), etc., and then this phage suspension is appropriately diluted to infect E. coli, and the resulting E. coli is cultured. The desired recombinant phage is obtained. If necessary, the above-described probe DNA can be repeatedly used for screening the target recombinant phage from a gene library or cDNA library by hybridization treatment. The target recombinant phage can be obtained by subjecting the cultured Escherichia coli to extraction treatment, centrifugation treatment, and the like.
[0032]
The obtained phage particles can be purified and separated by a method commonly used in the art. For example, glycerol gradient ultracentrifugation (Molecular cloning, a laboratory manual, ed. T. Maniatis, Cold Spring Harbor Laboratory , 2nd ed. 78, 1989). From the phage particles, DNA can be purified and separated by a method commonly used in the art. For example, the obtained phage can be treated with TM solution (10 mM MgSO Four Suspend in 50 mM Tris-HCl buffer (pH 7.8), etc., and treat with DNase I and RNase A. Add 20 mM EDTA, 50 μg / ml Proteinase K and 0.5% SDS mixture, and add about 65 ° C, about 65 ° C. After incubating for 1 hour, this was phenol extracted and extracted with diethyl ether, and then DNA was precipitated by ethanol precipitation. Next, the obtained DNA was washed with 70% ethanol and dried, and then TE solution (10 mM EDTA-containing 10 mM Tris-HC1 buffer) was obtained. Obtained by dissolving in a liquid, pH 8.0). The target DNA can also be obtained in large quantities by subcloning. For example, subcloning can be performed using Escherichia coli as a host and a plasmid vector. The DNA obtained by such subcloning can also be purified and separated by methods such as centrifugation, phenol extraction, and ethanol precipitation in the same manner as described above.
[0033]
Thus, according to the present invention, a clone (for example, as a recombinant phage) containing the target DNA can be obtained. For example, the total length of the sequenced nucleotide sequence of the DNA insert isolated from the cloned recombinant phage is 1223 bp, and the sequence is represented by SEQ ID NO: 1 in the sequence listing. It is recognized that In the identified DNA sequence, the presence of an open reading frame encoding an estimated 347 amino acids is recognized, and the estimated amino acid sequence is recognized as shown in SEQ ID NO: 2 in the sequence listing. . This sequence is a splicing variant of RAGE and has a characteristic sequence Glu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln- It has His-Met and lacks the transmembrane domain present in transmembrane RAGE. This putative protein is one of the novel human RAGEs and is referred to herein as “soluble RAGE”. It is clear that the soluble RAGE gene encodes a polypeptide belonging to the novel RAGE family, and all recombinant plasmids prepared using the soluble RAGE gene are novel recombinants. There is also a novel transformant or transfectant obtained by transforming or transfecting with the plasmid.
[0034]
A nucleic acid having all or part of the base sequence shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing can also be obtained by chemical synthesis. In that case, the fragments may be chemically synthesized and joined together by an enzyme. In addition, a chemically synthesized fragment can be used as a primer or a probe as described above to obtain a target sequence. The primer used in the PCR method is not particularly limited as long as it can amplify a DNA fragment containing the above site. Typically, the primer is (a) an oligonucleotide having a base sequence corresponding to any region of the base sequence shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing; and (b) SEQ ID NO: 1 in the sequence listing. An oligonucleotide having a complementary base sequence for any region of the indicated base sequence can be used, more preferably (1) 5 'of the base sequence shown in SEQ ID NO: 1 of the sequence listing An oligonucleotide having a base sequence corresponding to an arbitrary region on the end side, and (2) an oligonucleotide having a complementary base sequence to an arbitrary region on the 3 ′ end side of the base sequence shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing Nucleotides can be used, for example, oligonucleotides having 5 or more bases, more preferably 10 or more bases, more preferably 15 or more bases, and 3 to 150, preferably 10 to 150 pieces, more preferred Or those containing 10 to 50, more preferably 15 to 35 nucleotides. The PCR conditions are not particularly limited, and may be known conditions that are usually performed. For example, the conditions described above can be selected by reference. In PCR, one cycle consisting of heat denaturation of a DNA strand, annealing of a primer, and synthesis of a complementary strand by a polymerase is repeated, for example, 10 to 50 times, preferably 20 to 35 times, more preferably 25 to 30 times. Done.
[0035]
The DNA fragment obtained in the present invention is incorporated into an appropriate vector as described in detail below, for example, a vector such as plasmid pEX, pMAMneo or pKG5, and an appropriate host cell as described in detail below, for example, E. coli. It can be expressed in yeast, CHO cells, COS cells and the like. The DNA fragment can be used as it is or as a DNA fragment to which an appropriate control sequence is added, or incorporated into an appropriate vector and introduced into an animal to express a soluble RAGE gene such as a soluble RAGE. A transgenic animal can be created. Examples of animals include mammals, such as mice, rats, rabbits, guinea pigs, and cows. Preferably, a transgenic animal can be prepared by introducing the DNA fragment into a fertilized egg of an animal such as a mouse.
The soluble RAGE gene product can be confirmed using animal cells suitable for such as 293T cells and COS-1 cells transfected with the soluble RAGE gene. This foreign gene can be introduced into animal cells such as mammals by methods known in the art or substantially similar methods, such as the calcium phosphate method (for example, FL Graham et al., Virology). , 52: 456, 1973, etc.), DEAE-dextran method (eg, D. Warden et al., J. Gen. Virol., 3: 371, 1968), electroporation method (eg, E. Neumann et al. ., EMBO J, 1: 841, 1982, etc.), microinjection method, ribosome method, virus infection method, phage particle method and the like. Thus, the gene product produced by the animal cell transfected with the soluble RAGE gene can be analyzed.
[0036]
As a plasmid into which a soluble RAGE gene or the like (such as the DNA obtained in the present invention) is incorporated, a host cell commonly used in genetic engineering (for example, prokaryotic hosts such as Escherichia coli and Bacillus subtilis, yeast, CHO cells, COS cells) Any plasmid may be used as long as the DNA can be expressed in a eukaryotic host such as Sf21 or an insect cell host such as Sf21. Such sequences can include codons suitably modified for expression in, for example, a selected host cell, can include restriction enzyme sites, and can contain the desired gene. Control and facilitating sequences to facilitate expression, such as linkers and adapters useful for binding the target gene, and antibiotic resistance, metabolism control, selection, etc. Useful sequences (including those encoding hybrid proteins and fusion proteins) can be included.
Preferably, suitable plasmids such as plasmids hosted in E. coli are tryptophan promoter (trp), lactose promoter (lac), tryptophan lactose promoter (tac), lipoprotein promoter (lpp), λ phage P L For plasmids with animal cells as the host, SV40 rate promoter, MMTV LTR promoter, RSV LTR promoter, CMV promoter, SRα promoter, etc. can be used. For yeasts with host cells, GAL1, GAL10 promoter, etc. can be used. .
[0037]
Examples of plasmids hosted in E. coli include pBR322, pUC18, pUC19, pUC118, pUC119, pSP64, pSP65, pTZ-18R / -18U, pTZ-19R / -19U, pGEM-3, pGEM-4, pGEM-3Z, pGEM-4Z, pGEM-5Zf (-), pBluescript KS TM , (Stratagene) and the like. Examples of plasmid vectors suitable for expression in E. coli include pAS, pKK223 (Pharmacia), pMC1403, pMC931, pKC30, and pRSET-B (Invitrogen). Examples of plasmids that use animal cells as hosts include SV40 vectors, polyoma virus vectors, vaccinia virus vectors, retrovirus vectors, etc., for example, pcD, pcD-SRα, CDM8, pCEV4, pME18S, pBC12BI, pSG5 (Stratagene) Etc. Examples of plasmids that use yeast as a host include YIp type vectors, YEp type vectors, YRp type vectors, and YCp type vectors. Examples thereof include pGPD-2. When the host cell is E. coli, examples of the host cell include those derived from E. coli K12 strain, such as NM533, XL1-Blue, C600, DH1, DH5, DH11S, DH12S, DH5α, DH10B, HB101, MC1061, JM109. STBL2 and B834 strains include BL21 (DE3) pLysS. When the host cell is an animal cell, for example, COS-7 cell, COS-1 cell, CV-1 cell derived from African green monkey fibroblast, COP cell derived from mouse fibroblast, MOP cell, WOP cell, Chinese hamster cell CHO cells derived from CHO DHFR - Cell, human HeLa cell, mouse cell-derived C127 cell, mouse cell-derived NIH 3T3 cell and the like. Insect cells include silkworm larvae or silkworm cultured cells, such as BM-N cells, using Bombyx mori nuclear polyhedrosis virus or a vector derived therefrom as a vector. Plant cells can also be used as host cells, and along with suitable vectors, they are widely known in the art.
[0038]
In the genetic engineering technique of the present invention, restriction enzymes, reverse transcriptases, and enzymes for modifying or converting DNA fragments into structures suitable for cloning are known or widely used in the art. Certain DNA modifying / degrading enzymes, DNA polymerases, terminal nucleotidyl transferases, DNA ligases, etc. can be used. Examples of restriction enzymes include RJ Roberts, Nucleic Acids Res., 13: r165, 1985; S. Linn et al. Ed. Nucleases, p. 109, Cold Spring Harbor Lab., Cold Spring Harbor, New York, 1982; RJ Roberts, D. Macelis, Nucleic Acids Res., 19: Suppl. 2077, 1991 and the like. Examples of the reverse transcriptase include reverse transcriptase derived from mouse Moloney leukemia virus (MMLV) and reverse transcriptase derived from chicken myeloblastosis virus (AMV). . As the reverse transcriptase, an RNase H deficient can be preferably used, and in particular, modified MMLV RT lacking RNase H activity can be preferably used, and further, one having high thermal stability is preferable. Suitable reverse transcriptases include MMLV RT (Gibco-BRL) and Superscript RT plus (Life Technologies).
[0039]
Examples of the DNA polymerase include Escherichia coli DNA polymerase, its derivative Klenow fragment, Escherichia coli phage T4 DNA polymerase, Escherichia coli phage T7 DNA polymerase, thermostable DNA polymerase, and the like. Examples of terminal nucleotidyl transferase include deoxynucleotides at the 3′-OH end described in R. Wu et al. Ed., “Methods in Enzymology”, Vol. 100, p. 96, Academic Press, New York (1983). and TdTase to which (dNMP) is added. Examples of DNA modifying / degrading enzymes include exonuclease and endonuclease. , Nuclease S1, Micrococcus nuclease and the like. Examples of the DNA ligase include E. coli DNA ligase, T4 DNA ligase and the like.
Suitable vectors for cloning DNA genes to construct a DNA library include plasmids, λ phage, cosmids, P1 phage, F factor, YAC, etc., preferably λ phage derived vectors, For example, Charon 4A, Charon 21A, λgt10, λgt11, λDASHII, λFIXII, λEMBL3, λZAPII TM (Stratagene).
[0040]
A transformant transformed with an expression vector containing a nucleic acid encoding the protein of the present invention is a cell having high expression ability stably by repeating cloning using an appropriate selection marker as necessary. Stocks can be obtained. For example, in a transformant using animal cells as host cells, when the dhfr gene is used as a selection marker, the MTX concentration is gradually increased and cultured, and a resistant strain is selected to encode the protein of the present invention. A cell line capable of amplifying DNA and obtaining higher expression can be obtained. The transformant of the present invention can be cultured under conditions that allow expression of the nucleic acid encoding the protein of the present invention, and the target product can be produced and accumulated. The transformant can be cultured in a medium commonly used in the art. For example, a liquid medium can be suitably used for a transformant having a prokaryotic host such as Escherichia coli or Bacillus subtilis or yeast as a host. The medium contains a carbon source, a nitrogen source, an inorganic substance and the like necessary for the growth of the transformant. Examples of the carbon source include glucose, dextrin, soluble starch, and sucrose. Examples of the nitrogen source include ammonium salts, nitrates, corn steep liquor, peptone, casein, meat extract, malt extract, soybean cake, and potato extract. Examples of inorganic or organic substances and inorganic substances include calcium chloride, sodium dihydrogen phosphate, magnesium chloride, calcium carbonate, and the like. In addition, yeast, vitamins, casamino acids, growth promoting factors and the like may be added. Moreover, in order to make a promoter work efficiently if necessary, a drug such as 3β-indolylacrylic acid can be added. The pH of the medium is preferably about 5-8.
[0041]
For example, Escherichia coli is usually cultured at about 15 to about 45 ° C. for about 3 to about 75 hours, and if necessary, aeration or agitation can be added. When culturing a transformant whose host is an animal cell, for example, a MEM medium containing about 5 to about 20% fetal bovine serum, a PRMI1640 medium, a DMEM medium, or the like is used. The pH is preferably from about 6 to about 8. Culture is usually performed at about 30 ° C. to about 40 ° C. for about 15 to about 72 hours, and aeration and agitation are added as necessary. When extracting from the above cultured cells, the cells or cells are collected by a known method after culturing, suspended in an appropriate buffer solution, and the cells or cells are destroyed by ultrasonic waves, lysozyme and / or freeze-thawing. After that, a method of obtaining a crude extract by centrifugation or filtration can be used as appropriate. A protein denaturant such as urea or guanidine hydrochloride or a surfactant such as Triton X-100 (trade name) or Tween-80 (trade name) may be added to the buffer. When the target product is secreted into the culture solution, after completion of the culture, the cells or cells and the supernatant are separated by a method known per se, and the supernatant is collected. The target product contained in the culture supernatant or the extract thus obtained can be purified by appropriately combining per se known separation and purification methods, for example, a salt such as ammonium sulfate precipitation method. Analysis, gel filtration using Sephadex, for example, ion exchange chromatography using a carrier having a diethylaminoethyl group or carboxymethyl group, for example, a carrier having a hydrophobic group such as a butyl group, an octyl group, or a phenyl group. It can be obtained by purification by the used hydrophobic chromatography method, dye gel chromatography method, electrophoresis method, dialysis, ultrafiltration method, affinity chromatography method, high performance liquid chromatography method or the like. Preferably, it can be purified and separated by treatment with polyacrylamide gel electrophoresis, affinity chromatography with a ligand or the like immobilized. Examples include gelatin-agarose affinity chromatography, heparin-agarose chromatography, and the like.
[0042]
Furthermore, by using a method commonly used in genetic engineering based on the gene sequence of the soluble RAGE according to the present invention, one or more amino acids are appropriately added to the amino acid sequence of the soluble RAGE. Corresponding proteins into which mutations such as substitutions, deletions, insertions, transfers or additions have been introduced can be produced. Such mutation / conversion / modification methods are described in the Japanese Biochemical Society, “Sequel Biochemistry Experiment Course 1, Genetic Research Method II”, p105 (Susumu Hirose), Tokyo Chemical Doujin (1986); Laboratory Lecture 2, Nucleic Acid III (Recombinant DNA Technology), p233 (Susumu Hirose), Tokyo Chemical Doujin (1992); R. Wu, L. Grossman, ed., "Methods in Enzymology", Vol. 154, p. 350 & p. 367, Academic Press, New York (1987); R. Wu, L. Grossman, ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100, p. 457 & p. 468, Academic Press, New York ( 1983); JA Wells et al., Gene, 34: 315, 1985; T. Grundstroem et al., Nucleic Acids Res., 13: 3305, 1985; J. Taylor et al., Nucleic Acids Res., 13: 8765 , 1985; R. Wu ed., "Methods in Enzymology", Vol. 155, p. 568, Academic Press, New York (1987); AR Oliphant et al., Gene, 44: 177, 1986, etc. Is mentioned. For example, site-directed mutagenesis using synthetic oligonucleotides (site-directed mutagenesis) (Zoller et al., Nucl. Acids Res., 10: 6487, 1987; Carter et al., Nucl. Acids Res., 13: 4331, 1986), cassette mutagenesis (cassette mutagenesis: Wells et al., Gene, 34: 315, 1985), restriction site selection mutagenesis: Wells et al., Philos. Soc. London Ser A, 317: 415, 1986), alanine scanning (Cunningham & Wells, Science, 244: 1081-1085, 1989), PCR mutagenesis, Kunkel, dNTP [αS] (Eckstein) ), Methods such as region-directed mutagenesis using sulfurous acid or nitrous acid.
[0043]
Furthermore, the obtained protein of the present invention can be modified by a chemical method to modify the amino acid residues contained therein, or can be modified with peptidases such as pepsin, chymotrypsin, papain, bromelain, endopeptidase, and exopeptidase. It can be modified or partially decomposed into its derivatives. In the protein of the present invention, the C-terminus is usually carboxyl group (-COOH) or carboxylate (-COO - ), But the C-terminus is an amide (-CONH 2 ) Or ester (-COOR). Here, R 1 in the ester is, for example, C such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl or n-butyl. 1-6 Alkyl groups such as C, such as cyclopentyl, cyclohexyl, etc. 3-8 A cycloalkyl group, for example, C such as phenyl, α-naphthyl, etc. 6-12 Aryl groups such as phenyl-C such as benzyl, phenethyl and the like 1-2 Alkyl groups or α-naphthyl-C such as α-naphthylmethyl 1-2 C such as alkyl group 7-14 In addition to the aralkyl group, a pivaloyloxymethyl group that is widely used as an oral ester is used. When the protein of the present invention has a carboxyl group (or carboxylate) other than the C-terminus, the protein of the present invention also includes those in which the carboxyl group is amidated or esterified. As the ester in this case, for example, the above-mentioned C-terminal ester or the like is used.
[0044]
Further, in the protein of the present invention, the amino group of the N-terminal methionine residue in the above-described protein is a protecting group (for example, C-form such as formyl group, acetyl, etc.). 1-5 C such as alkyl-carbonyl group 1-6 Such as an acyl group), a glutamyl group produced by cleavage of the N-terminal side in vivo and pyroglutamylated, a substituent on the side chain of an amino acid in the molecule (for example, -OH, -COOH, Amino group, imidazole group, indole group, guanidino group, etc.) are suitable protecting groups (for example, C such as formyl group, acetyl group, etc.) 1-6 Examples thereof include those protected with an acyl group or the like, or complex proteins such as so-called glycoproteins to which sugar chains are bound. It can also be expressed as a fusion protein when it is produced by a genetic recombination method, and converted and processed into a protein that has substantially the same biological activity as natural soluble RAGE in vivo or in vitro. Good. Although fusion production methods commonly used in genetic engineering can be used, such fusion proteins can also be purified by affinity chromatography using the fusion part. These fusion proteins include those fused to a histidine tag, or β-galactosidase (β-gal), maltose binding protein (MBP), glutathione-S-transferase (GST), thioredoxin (TRX) or Cre Recombinase. Examples include those fused to amino acid sequences. Similarly, a polypeptide can be tagged with a heterogeneous epitope so that it can be purified by immunoaffinity chromatography using an antibody that specifically binds to the epitope. In a more suitable embodiment, the epitope tag includes, for example, AU5, c-Myc, CruzTag 09, CruzTag 22, CruzTag 41, Glu-Glu, HA, Ha.11, KT3, FLAG (registered trademark, Sigma-Aldrich ), Omni-probe, S-probe, T7, Lex A, V5, VP16, GAL4, VSV-G. (Field et al., Molecular and Cellular Biology, 8: pp. 2159-2165 (1988); Evan et al., Molecular and Cellular Biology, 5: pp. 3610-3616 (1985); Paborsky et al., Protein Engineering , 3 (6): pp. 547-553 (1990); Hopp et al., BioTechnology, 6: pp. 1204-1210 (1988); Martin et al., Science, 255: pp. 192-194 (1992) Skinner et al., J. Biol. Chem., 266: pp. 15163-15166 (1991); Lutz-Freyermuth et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87: pp. 6393-6397 (1990) )Such) . A two-hybrid method using yeast can also be used. Further, the fusion protein may be one with a marker that becomes a detectable protein. In a more preferred embodiment, the detectable marker may be a biotin / streptavidin-based Biotin Avi Tag, a fluorescent substance, or the like. Examples of the fluorescent substance include a green fluorescent protein (GFP) derived from a luminescent jellyfish such as Aequorea victorea, and a modified variant (GFP variant) such as EGFP (Enhanced-humanized). GFP), rsGFP (red-shift GFP), yellow fluorescent protein (YFP), green fluorescent protein (GFP), cyan fluorescent protein (CFP), blue Blue fluorescent protein (BFP), Renilla reniformis-derived GFP, etc. (Miyawaki Atsushi edited by experimental medicine, separate post-genome experimental course 3-GFP and bio-easing, Yodosha (2000) ). Detection can also be performed using an antibody (including a monoclonal antibody and a fragment thereof) that specifically recognizes the fusion tag.
[0045]
In a preferred embodiment of the present invention, a marker sequence useful for suitably carrying out the purification, such as a fusion of hexa-histidine peptide, can be used. Expression and purification of such a fusion protein can be carried out using a commercially available kit suitable for it, and can also be carried out according to protocols established by the kit manufacturer or kit vendor. Modifications and alterations of protein structure are described in, for example, the Japanese Biochemical Society edited by “Neurochemistry Experiment Course 1, Protein VII, Protein Engineering”, Tokyo Kagaku Dojin (1993), or the method described therein or cited therein. It can be carried out in the manner described in the literature, or in a substantially similar manner thereto. In addition, as described below, the biological activity may include immunological activity, eg, antigenicity. Among the modifications and alterations, deamination, hydroxylation, phosphorylation, methylation, acetylation, ring opening, ring closure, changing the type of sugar chain contained in a different one, and increasing or decreasing the number of sugar chains contained In addition, substitution to a D-form amino acid residue may be used. These methods are known in the art (eg, TE Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, pp. 79-86 WH Freeman & Co., San Francisco, USA (1983), etc.).
[0046]
Thus, the human-derived protein of the present invention may have one or more amino acid residues that differ from the natural ones in terms of identity, or one or more amino acid residues that differ in position from the natural ones. Good. The human-derived protein of the present invention has one or more amino acid residues unique to soluble RAGE (for example, 1 to 80, preferably 1 to 60, more preferably 1 to 40, more preferably 1). Deletion analogues lacking ~ 20, in particular 1-10 etc., one or more of the unique amino acid residues (eg 1-80, preferably 1-60, more preferably 1-40) 1 or more (for example, 1 to 80, preferably 1 to 60), more preferably 1 to 20, more preferably 1 to 20, particularly 1 to 10, etc. More preferably, 1 to 40, more preferably 1 to 20, particularly 1 to 10 amino acid residues are added. As long as the domain structure or ligand-binding ability that is characteristic of natural soluble RAGE is maintained, all of the above-mentioned mutants are included in the present invention. Further, it is considered that the soluble RAGE of the present invention may include those having a primary structure conformation or a part thereof that is substantially equivalent to the natural soluble RAGE. It may be included that has biological activity substantially equivalent to RAGE. It can also be one of naturally occurring variants. The human-derived protein of the present invention includes, for example, (1) an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2 in the sequence listing, (1) a protein having an amino acid sequence of positions 19 to 347, (2) From the group consisting of those having an amino acid sequence from position 347 to position 347, and (3) having at least the amino acid sequence from position 38 to position 117 and having the amino acid sequence from position 332 to position 347 Examples include those having 60% homology or higher than 70% homology to the selected amino acid sequence, and more preferably those having 80% or 90% homology amino acid sequence. In particular, those lacking the transmembrane domain and those having the sequence GluGlyPheAspLysValArgGluAlaGluAspSerProGlnHisMet or a part thereof on the C-terminal side. A part of the human-derived protein of the present invention is a partial peptide of the human-derived protein (that is, a partial peptide of the protein), which is substantially equivalent to the soluble RAGE of the present invention. Any one may be used as long as it has a sufficient activity. For example, the partial peptide of the protein of the present invention is at least 5 or more, preferably 20 or more, more preferably 50 or more, more preferably 70 or more, among the constituent amino acid sequences of the soluble RAGE of the present invention. More preferably 100 or more, in some cases 200 or more peptides having an amino acid sequence, preferably they correspond to consecutive amino acid residues or, for example, SEQ ID NO: in the sequence listing : Among the amino acid sequences represented by 2, there are those having the same homology as described above with respect to the homology to the corresponding region.
[0047]
As used herein, “substantially equivalent” means that the activity of the protein, for example, inhibitory activity, physiological activity, and biological activity are substantially the same. Furthermore, the meaning of the term may include the case of having substantially the same activity, including the activity for the interaction between AGE and RAGE, For example, the activity of suppressing or inhibiting the binding activity to any one of AGEs, the binding activity to any one of AGEs of transmembrane RAGE, and the like can be mentioned. The substantially homogeneous activity means that the activities are qualitatively homogeneous, for example, physiologically, pharmacologically, or biologically homogeneous. For example, the activity such as the activity of inhibiting the binding of AGE to transmembrane RAGE is equivalent (for example, about 0.001 to about 1000 times, preferably about 0.01 to about 100 times, more preferably about 0.1 to about 20 times, It is preferably about 0.5 to about 2 times), but quantitative factors such as the degree of activity and the molecular weight of the protein may be different. Second, amino acid substitutions, deletions, or insertions often do not cause significant changes in the physiological or chemical properties of the polypeptide, in which case the substitutions, deletions, or insertions were made. A polypeptide will be substantially identical to one without such substitutions, deletions or insertions. Substantially identical substitutions of amino acids in the amino acid sequence can be selected from other amino acids of the class to which the amino acid belongs. For example, nonpolar (hydrophobic) amino acids include alanine, phenylalanine, leucine, isoleucine, valine, proline, tryptophan, methionine, etc., and polar (neutral) include glycine, serine, threonine, cysteine, tyrosine, Examples include asparagine and glutamine. Examples of positively charged amino acids (basic amino acids) include arginine, lysine, and histidine. Examples of negatively charged amino acids (acidic amino acids) include aspartic acid and glutamic acid. It is done.
[0048]
For the synthesis of the protein of the present invention and a part of the peptide, methods known in the peptide synthesis field, for example, chemical synthesis methods such as liquid phase synthesis method and solid phase synthesis method can be used. In such a method, for example, a resin for protein or peptide synthesis is used, and appropriately protected amino acids are sequentially bonded onto the desired amino acid sequence on the resin by various known condensation methods. For the condensation reaction, various activating reagents known per se are preferably used. As such reagents, for example, carbodiimides such as dicyclohexylcarbodiimide can be preferably used. When the product has a protecting group, the desired product can be obtained by removing the protecting group as appropriate.
When the protein of the present invention and a part of the peptide thereof are obtained as a free form, they can be converted into a salt by a method known per se or a method analogous thereto, and they can also be converted into a salt. When obtained, it can be converted into a free form or other salt by a method known per se or a method analogous thereto. The salt of the protein of the present invention and a part of the peptide is preferably physiologically acceptable or pharmaceutically acceptable, but is not limited thereto. Examples of such salts include salts with inorganic acids such as hydrochloric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, such as acetic acid, formic acid, maleic acid, fumaric acid, succinic acid, citric acid, tartaric acid, malic acid, benzoic acid. And salts with organic acids such as acid, methanesulfonic acid, p-toluenesulfonic acid, and benzenesulfonic acid. Further, examples of the salt include ammonium salts such as salts with organic bases such as ethylamine, dimethylamine, trimethylamine, and hydroxyethylamine.
[0049]
Such soluble RAGE of the present invention and mutants, modifications, derivatives and the like thereof can be subjected to separation / purification treatment as described above. In the present invention, the terms “fragment”, “derivative” and “analog” are transcribed and unspliced or specifically spliced from the polypeptide of SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 1. In the context of a polypeptide encoded by hnRNA or mRNA, or a polypeptide encoded by genomic DNA, such a polypeptide, when referred to as a “fragment”, “derivative” or “analog” thereof, Means a polypeptide having the same biological function or activity. Thus, analogs include proproteins that can be activated such that the proprotein portion is cleaved to produce an active mature polypeptide. The polypeptide of the present invention may be a recombinant polypeptide, a natural polypeptide or a synthetic polypeptide. In certain preferred embodiments, this is a recombinant polypeptide.
The soluble RAGE disclosed in the prior art has been artificially created by genetic manipulation from the RAGE gene having a transmembrane domain, whereas the soluble RAGE of the present invention. Is a naturally occurring peptide (endogenous peptide or endogenous peptide) that exists in vivo and differs from the RAGE protein in 16 amino acid residues at the C-terminal part. The soluble RAGE artificially created by genetic engineering disclosed in the prior art is not a naturally occurring form itself, so it is non-physiological and removed during the separation and purification process. There may be an immune response against contaminants derived from host insect cells that could not be removed, and it is necessary to administer from the outside of the body, but since it is a protein, it is impossible to do it orally, and it is impossible to administer it to veins, etc. There is a problem of burden on patients and the like, such as requiring injection and forcing the patient to suffer. On the other hand, the soluble RAGE of the present invention has an advantage in that it is a natural form produced endogenously, so it is physiological and less likely to produce antibodies. Thus, if such a pharmaceutical can induce the expression of the soluble RAGE of the present invention, it is possible to protect diabetic patients from complications without causing pain. Since the mutants, modifications, derivatives and the like of the soluble type RAGE of the present invention are derived from the soluble type RAGE of the present invention, the same advantages as the advantageous points of the soluble type RAGE can be expected.
[0050]
On the other hand, the present invention thus includes a DNA sequence encoding the above-described polypeptide, a soluble RAGE polypeptide having all or part of its natural properties, and a DNA sequence encoding an analog or derivative thereof. To do. The polynucleotide of the present invention is a mature protein obtained by adding an additional amino acid at the amino terminus or an additional amino acid at the carboxyl terminus, or a polypeptide endogenous to the mature protein (for example, when it has one or more polypeptide chains in a mature form). It can be one that encodes an amino acid. Such sequences may also play a role in the processing of the precursor to the mature form of the protein, such as facilitating protein transport and transport, extending or shortening the protein half-life. Or may be capable of manipulating the protein to facilitate its detection or production. In general, for example, additional amino acids are processed by cellular enzymes and removed from the mature protein. A precursor protein having a mature form polypeptide fused to one or more prosequences can be an inactive form polypeptide. When the prosequence is removed, such inactive precursors are usually activated. Some or all of the prosequences can be removed prior to activation. Such precursors are usually referred to as proproteins. The polypeptide of the present invention comprises a mature protein, a mature protein to which a leader sequence has been added (which can be referred to as a preprotein), and a precursor of a mature protein having one or more prosequences that are not leader sequences of the preprotein. Or a preproprotein that is a precursor of a proprotein having a leader sequence and one or more prosequences. The prosequence may also be removed at a processing stage that normally yields the active form polypeptide and the mature form polypeptide.
[0051]
Since the DNA sequence of the present invention provides information on the amino acid sequence of mammalian proteins that has not been known so far, the use of such information is also encompassed by the present invention. Such applications include, for example, the design of probes for the isolation and detection of genomic DNA and cDNA of mammals, particularly preferably humans, encoding soluble RAGE and related proteins.
The DNA sequences of the present invention are useful as probes for the isolation and detection of genomic DNA and cDNA, for example, mammals encoding soluble RAGE and related proteins, particularly preferably mice, rats and humans. The probe can optionally be provided with the labels listed in connection with the antibody. For gene isolation, PCR and PCR using reverse transcriptase (RT) (RT-PCR) can be used. Soluble RAGE cDNA and its related DNA are selected from the sequence region of amino acids deduced from the cloned and sequenced soluble RAGE cDNA sequence, and DNA primers are designed and chemically synthesized. The obtained DNA primer can be used for isolation, detection, etc. of soluble RAGE-related genes using PCR, RT-PCR, and other methods. For example, the expression of soluble RAGE mRNA in human tissues + It can be examined by Northern blot analysis for RNA. When the cDNA of the present invention is used as a probe, for example, detection of soluble RAGE mRNA expression in human tissues, soluble RAGE gene itself, etc. by Northern blotting, Southern blotting, in situ hybridization, etc. A role in the interaction between AGE and RAGE that can be measured and involved in many normal cellular processes, including intracellular protein metabolism in human tissues, activation of hormone precursors, and tissue matrix and bone modifications It can contribute to the development of research such as Alzheimer's disease, diabetic complications, arteriosclerosis, hyperlipidemia, allergic disease, inflammatory disease, neurodegenerative disease and cancer invasion / metastasis. It can also be used for genetic diagnosis of diseases associated with soluble RAGE. Such diagnosis can diagnose abnormalities of nucleic acids encoding the soluble RAGE and related proteins, such as damage, mutation, decreased expression, and excessive expression.
[0052]
According to the present invention, the gene diagnosis method (detection method) of the soluble RAGE of the present invention can be provided. In the genetic diagnosis method, (a) a step of obtaining a nucleic acid sample, (b) the nucleic acid sample obtained in step (a) is subjected to, for example, a PCR method, a nucleic acid amplification method using RNA polymerase, a strand displacement amplification method, etc. A step of obtaining a nucleic acid fragment amplified by a gene amplification, for example, a region including a mutation site that may be present in the soluble RAGE gene, and (c) a step of examining the presence of a mutation in the nucleic acid fragment of step (b) The aspect containing is mentioned. The region containing the mutation site to be amplified is not particularly limited as long as it is a region containing the mutation causing the disease in the base sequence of the soluble RAGE gene of the present invention, for example, Examples include a region containing a base at an arbitrary position in the base sequence shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing. In the above step (c), an appropriate method can be selected from among detection methods for the presence of mutations known to those skilled in the art in the art, and is not particularly limited. For example, ASPCR (allele-specific It can be detected by examining the length of the DNA fragment obtained by the PCR method. The method for examining the DNA fragment length is not particularly limited, and can be performed using, for example, a fluorescent DNA sequencer. Examples of the mutation detection method used in this step include a method of detecting and examining restriction fragment length polymorphism (RFLP). For detection of mutation, for example, a known mutation detection method such as a hybridization method using an appropriate DNA fragment containing a mutation site as a probe, or an SSCP method (single-chain conformation polymorphism) may be used. . In accordance with the genetic diagnosis of the present invention, genetic diagnosis related to the soluble type RAGE of the present invention is possible. For example, the present invention is considered to be a predisposing factor for determining resistance to and susceptibility to diabetes, cancer, Alzheimer's disease, etc. It is possible to genetically diagnose the expression and polymorphism of soluble RAGE, and to perform gene therapy that lowers the risk of suffering from a related disease based on the diagnosis result.
[0053]
The soluble RAGE and its related proteins, fragments thereof, and nucleic acids including DNA (including mRNA and oligonucleotide) disclosed herein can be used alone or organically and further described below. It can be applied to genomics and proteomics techniques in combination with techniques (antisense methods, antibodies including monoclonal antibodies, transgenic animals, etc.) as appropriate. For example, the soluble RAGE mutant can also be used for functional analysis using a dominant negative effect. In addition, there are applications to RNAi (RNA interference) technology using double-stranded RNA (dsRNA). Thus, gene polymorphism analysis centering on single nucleotide polymorphisms (SNP), gene expression analysis using nucleic acid array and protein array, gene function analysis, protein-protein interaction analysis, related disease analysis, disease treatment Drug analysis can be performed. For example, in nucleic acid array technology, a cDNA library is used, or DNA obtained by PCR technology is placed on a substrate with a spotting device at high density, and sample analysis is performed using hybridization. The arraying is performed by attaching the DNA to each unique position of a substrate such as a glass slide, a silicon plate, or a plastic plate using a needle or a pin, or using an inkjet printing technique or the like. Can do. Data is acquired by observing signals obtained as a result of hybridization on the nucleic acid array. The signal may be obtained from a label such as a fluorescent dye (for example, Cy3, Cy5, BODIPY, FITC, Alexa Fluor dyes (trade name), Texas red (trade name), etc.). A laser scanner or the like can be used for detection, and the obtained data may be processed by a computer system having a program according to an appropriate algorithm. In addition, protein array technology may utilize tagged recombinant expressed protein products, including two-dimensional electrophoresis (2-DE), mass spectrometry (MS) including enzyme digestion fragments (including electrolysis). Includes technologies such as spray ionization (ESI), matrix-assisted laser desorption / ionization (MALDI), MALDI-TOF analyzer, ESI-3 quadrupole analyzer Staining techniques, isotope labeling and analysis, image processing techniques, etc. can be used. Therefore, the present invention may also include software, databases, etc. relating to the soluble RAGE obtained or used above and antibodies thereto.
[0054]
In transferring the DNA obtained in the present invention (for example, DNA encoding soluble RAGE) to a target animal, it is bound as a DNA fragment or downstream of a promoter capable of expressing the DNA in animal cells. It is generally advantageous to use it. For example, when soluble RAGE DNA is introduced into a mouse, gene constructs bound to downstream of various promoters capable of expressing animal-derived soluble RAGE DNA having high homology with this are fertilized by the target animal. Gene-introduced (transgenic) mice that produce highly soluble RAGE can be produced by microinjection into eggs, such as mouse fertilized eggs. The mouse is not particularly limited to a pure mouse, for example, C57BL / 6, Balb / C, C3H, (C57BL / 6 × DBA / 2) F 1 (BDF 1 ) And the like. As this promoter, for example, a virus-derived promoter, a ubiquitous expression promoter such as metallothionein, and the like can be preferably used. In addition, when the soluble RAGE DNA is introduced, it can be recombined into a recombinant retrovirus and used. Preferably, a mouse fertilized egg into which the target DNA has been introduced can be grown, for example, using a foster mother mouse such as ICR.
Transfer of the DNA obtained by the present invention (for example, DNA encoding soluble RAGE) at the fertilized egg cell stage is ensured to be present in all germ cells and somatic cells of the subject animal. The presence of DNA encoding soluble RAGE in the germ cells of the produced animal after DNA transfer means that all of the progeny of the produced animal have DNA encoding the soluble RAGE in all the germ cells and somatic cells. Means that. The offspring of this type of animal that inherited the gene has the potential to express the soluble RAGE in all of its germ cells and somatic cells.
[0055]
The soluble RAGE DNA-introduced animal can be reared in a normal breeding environment as a DNA-bearing animal after confirming that the gene is stably retained by mating. Furthermore, by mating male and female animals carrying the target DNA, homozygous animals having the transgene on both homologous chromosomes are obtained, and by mating this male and female animals, all offspring will have the DNA. Can be bred to passage. The animal into which the soluble RAGE DNA has been introduced has high expression of the soluble RAGE protein, and thus is useful as an animal for screening for inhibitors against the soluble RAGE protein. . Further, it is useful as an antisense oligonucleotide capable of inhibiting the expression of soluble RAGE gene, for example, an animal for screening for antisense DNA and the like.
This transgenic animal can also be used as a cell source for tissue culture. For example, it is possible to analyze proteins related to the interaction between AGE and RAGE by directly analyzing DNA or RNA in the tissues of transgenic mice or analyzing proteins and tissues expressed by genes. it can. Cells of tissues that produce the soluble RAGE are cultured by standard tissue culture techniques, and using these cells, for example, blood cells such as brain, thymus, vascular endothelial cells, blood cells, testis, brain, intestines, kidneys, The function of cells derived from other tissues can be studied. In addition, by using the cells, it is possible to contribute to the development of medicines that enhance the functions of various tissues, for example. In addition, if there is a high-expressing cell line, soluble RAGE can be isolated and purified therefrom. Techniques related to transgenic mice include, for example, Brinster, RL, et al.,; Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 4438, 1985; Costantini, F. & Jaenisch, R. (eds): Genetic manipulation of the early mammalian embryo, Cold Spring Harbor Laboratory, 1985, or the like, a method described in the literature cited therein, or a modification thereof.
[0056]
A mutant mouse (knockout mouse) that has a mutation in the gene obtained in the present invention (for example, DNA encoding mouse soluble RAGE corresponding to soluble RAGE) and does not express mouse soluble RAGE at all is created. be able to. For example, targeting with a mutant gene in which a gene cassette consisting of a neo resistance gene-polyA addition signal is inserted in an exon that is located near the center of the genomic DNA of approximately 8 kb, including 4 kb before and after the translation initiation codon of the gene. A vector can be constructed. Examples of gene cassettes to be inserted include DT-A cassettes, tk cassettes, and lacZ cassettes in addition to neo-resistant gene cassettes. The targeting vector is opened in a linear form, introduced into established mouse embryonic stem cells (ES cells) by electroporation, and further cultured to select ES cells that have acquired neo resistance. ES cells can be prepared by selecting from mouse strains such as 129, C57BL / 6, F1 (C57BL / 6 × CBA) mice. ES cells that have acquired neo resistance are assumed to have undergone homologous recombination with a targeting vector inserted with a gene cassette in the mouse soluble RAGE gene region, and at least one mouse soluble RAGE gene allele is destroyed. Thus, mouse soluble RAGE cannot be expressed normally. For selection, an appropriate method is selected depending on the inserted gene cassette, and the introduction of the mutation can be confirmed using a method such as PCR, Southern hybridization or Northern hybridization.
[0057]
Transduced ES cells are injected into 8-cell embryos taken from C57BL / 6, BALB / c, ICR mice, etc., and cultured for 1 day, then transplanted to a foster parent such as ICR. Can be grown up to individuals. The born mouse is a chimeric mouse derived from a mutant ES cell and a normal host embryo, and the degree of ES cell-derived cells is determined by the individual's coat color. Therefore, it is desirable to combine ES cells and host embryos with different hair colors. The resulting chimeric mouse has a heterozygous mutation, and a homozygous mouse can be obtained by appropriately crossing these. The homozygous mutant mice thus obtained are disrupted only in the mouse soluble RAGE gene in all germ cells and somatic cells, do not express any mouse soluble RAGE gene, Has a similar expression system.
This knockout mouse is useful for analyzing the role of soluble RAGE in the life cycle of individuals such as development, growth, reproduction, aging and death and the function of soluble RAGE in each organ and tissue in comparison with normal mice It is. It can also be applied to drug development related to the interaction between AGE and RAGE. The knockout mouse can be used not only as a model animal but also as a cell source for tissue culture, and can be used for functional analysis of soluble RAGE at the cell level. For example, Mansour, SL, et al.,; Nature, 336: 348-352, 1988; Joyner, AL, ed .; Gene targeting, IRL Press, 1993; Shin Aizawa, Gene targeting Production of mutant mice using ES cells, methods described in documents such as Yodosha, 1995, or the methods described in the documents cited therein, and modifications thereof can be used.
[0058]
According to the present invention, an antisense oligonucleotide (nucleic acid) capable of inhibiting the expression of soluble RAGE gene is cloned on the basis of the nucleotide sequence information of the DNA encoding soluble RAGE that has been cloned or determined. Can be designed and synthesized. Such oligonucleotides (nucleic acids) can hybridize with mRNA of soluble RAGE gene, inhibit the function of the mRNA, or interact with soluble RAGE-related mRNA. It can regulate / control the expression of soluble RAGE gene. Oligonucleotides complementary to selected sequences of soluble RAGE-related genes and oligonucleotides that can specifically hybridize with soluble RAGE-related genes are soluble in vivo and in vitro. It is useful for regulating / controlling the expression of and for the treatment or diagnosis of diseases associated therewith. The term “corresponding” means homologous to or complementary to a specific sequence of nucleotides, base sequences or nucleic acids including genes. “Corresponding” between a nucleotide, base sequence or nucleic acid and peptide (protein) usually refers to the amino acid of the peptide (protein) in the direction derived from the nucleotide (nucleic acid) sequence or its complement. . 5 ′ end hairpin loop of the gene, 5 ′ end 6-base pair repeat, 5 ′ end untranslated region, polypeptide translation initiation codon, protein coding region, ORF translation initiation codon, 3 ′ end untranslated region, 3 ′ The end palindromic region and the 3 ′ end hairpin loop can be selected as preferred target regions, but any region within the gene can be selected as the target.
[0059]
The relationship between the nucleic acid of interest and the oligonucleotide complementary to at least a part of the region of interest means the relationship between the oligonucleotide that can hybridize to the object and that it is “antisense”. it can. Antisense oligonucleotides are polydeoxynucleotides containing 2-deoxy-D-ribose, polydeoxynucleotides containing D-ribose, and other types of polysides that are N-glycosides of purine or pyrimidine bases. Nucleotides or other polymers with a non-nucleotide backbone (eg, commercially available protein nucleic acids and synthetic sequence specific nucleic acid polymers) or other polymers containing special linkages, provided that the polymer is found in DNA or RNA And a nucleotide having a configuration allowing base attachment). They can be double-stranded DNA, single-stranded DNA, double-stranded RNA, single-stranded RNA, and also DNA: RNA hybrids, and also unmodified polynucleotides or unmodified oligonucleotides, as well as known modifications Of, for example, those with a label known in the art, capped, methylated, one or more natural nucleotides replaced with analogs, intramolecular nucleotide modifications Such as those having uncharged bonds (eg methylphosphonates, phosphotriesters, phosphoramidates, carbamates, etc.), charged bonds or sulfur-containing bonds (eg phosphorothioates, phosphorodithioates, etc.) What you have, such as proteins (nucleases, nuclease inhibitors, toxins, antibodies, signal peptides, poly-L- Lysine, etc.) and sugars (eg, monosaccharides), etc., having side chain groups, intercurrent compounds (eg, acridine, psoralen, etc.), chelate compounds (eg, metals, having radioactivity) It may be one containing a metal, boron, oxidizing metal, etc., one containing an alkylating agent, or one having a modified bond (for example, α-anomeric nucleic acid etc.). As used herein, “nucleoside”, “nucleotide” and “nucleic acid” may contain not only known purine and pyrimidine bases but also those having other modified heterocyclic bases. Such modifications may include methylated purines and pyrimidines, acylated purines and pyrimidines, or other heterocycles. Modified nucleosides and modified nucleotides may also be modified at the sugar moiety, eg, one or more hydroxyl groups are replaced by halogens or aliphatic groups, or converted to functional groups such as ethers, amines, etc. May have been.
[0060]
The antisense nucleic acid of the present invention is RNA, DNA, or a modified nucleic acid. Specific examples of the modified nucleic acid include, but are not limited to, nucleic acid sulfur derivatives and thiophosphate derivatives, and those resistant to degradation of polynucleoside amides and oligonucleoside amides. The antisense nucleic acid of the present invention can be preferably designed according to the following policy. That is, to make the antisense nucleic acid more stable in the cell, to increase the cell permeability of the antisense nucleic acid, to increase the affinity for the target sense strand, and to be antitoxic if toxic Make sense nucleic acids less toxic.
Many such modifications are known in the art, e.g. J. Kawakami et al., Pharm Tech Japan, 8: 247, 1992; 8: 395, 1992; ST Crooke et al. Ed., Antisense Research and Applications, CRC There are disclosures in Press, 1993, etc. The antisense nucleic acid of the present invention may be altered or contain modified sugars, bases and bonds, provided in special forms such as liposomes, microspheres, applied by gene therapy, It can be given in an added form. These additional forms include polycations such as polylysine that act to neutralize the charge of the phosphate group skeleton, lipids that enhance interaction with cell membranes and increase nucleic acid uptake ( For example, hydrophobic substances such as phospholipids and cholesterols). Preferred lipids to be added include cholesterol and derivatives thereof (for example, cholesteryl chloroformate, cholic acid, etc.). These can be attached to the 3 ′ end or 5 ′ end of the nucleic acid and can be attached via a base, sugar, or intramolecular nucleoside bond. Examples of the other group include a cap group specifically arranged at the 3 ′ end or 5 ′ end of a nucleic acid, which prevents degradation by nucleases such as exonuclease and RNase. Such capping groups include, but are not limited to, hydroxyl protecting groups known in the art, including glycols such as polyethylene glycol and tetraethylene glycol.
[0061]
The inhibitory activity of antisense nucleic acid can be examined using the transformant of the present invention, the in vivo or in vitro gene expression system of the present invention, or the in vivo or in vitro translation system of soluble RAGE. The nucleic acid can be applied to cells by various methods known per se.
The above-described research results of the present inventors have provided a method for obtaining a target soluble RAGE by transferring a soluble RAGE gene and a recombinant DNA molecule into a host and expressing the soluble RAGE. The Thus, according to the present invention, a recombinant or transfectant that substantially expresses a soluble RAGE gene, a method for producing the same, and a use thereof are also provided.
In another aspect, the present invention relates to a natural (native) soluble RAGE belonging to the RAGE family (particularly, an endogenous soluble RAGE), and has activity against the interaction between AGE and RAGE. (For example, it has the activity of inhibiting or inhibiting the binding of AGE to membrane-bound RAGE) and the amino acid sequence Glu of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing is located on the C-terminal side. 332 ~ Met 347 A protein or a salt thereof, which is a kind of a polypeptide having at least 1 to 16 consecutive amino acid residues, and has substantially the same activity as natural human soluble RAGE, Preferably, a polypeptide having at least a part or all of the protein having substantially the same activity or substantially the same primary structure conformation as soluble RAGE or a salt thereof, such as Escherichia coli It can relate to nucleic acids such as DNA and RNA that can be expressed in eukaryotes such as prokaryotes or mammalian cells. Such a nucleic acid, particularly DNA, includes (a) a sequence capable of encoding the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2 in the sequence listing or a sequence complementary thereto, (b) the DNA sequence of (a) or a fragment thereof. It can be a sequence capable of hybridizing and (c) a sequence having a degenerate code capable of hybridizing to the sequence (a) or (b). Here, the hybridization conditions can be stringent conditions. Prokaryotic organisms such as Escherichia coli or eukaryotic organisms such as mammalian cells that can be transformed with such nucleic acids and express the polypeptide of the present invention also feature the present invention.
[0062]
Thus, typically, the object of the present invention is to use a soluble RAGE gene, a probe derived therefrom, or, if necessary, an inhibitor against soluble RAGE, to dissolve soluble RAGE in a test sample. Alternatively, it is an object of the present invention to provide an excellent method for detecting and fractionating and quantifying the gene, and further the production cell, and a reagent kit therefor. It is understood that the present invention includes all the reagents in the reagent kit capable of detecting and fractionating and quantifying such soluble RAGE or its gene, as well as production cells, in the embodiment. Furthermore, the object of the present invention is to detect soluble RAGE or its gene, and further to produce and differentiate quantitatively by using the above-mentioned method, so that intracellular protein metabolism, activation of hormone precursors, tissue matrix or bone The role of AGE and RAGE interactions involved in many normal cellular processes, such as alterations in diabetes, diabetic complications, arteriosclerosis, thrombosis, hyperlipidemia, Alzheimer's disease, allergic diseases, inflammatory diseases, It is an object of the present invention to provide a method, a reagent or a diagnostic agent capable of monitoring many diseases such as osteoporosis, neurodegenerative diseases and cancer invasion / metastasis. Therefore, the above reagents are used for various purposes such as medical / physiological fields, research / analysis / measurement of responses / symptoms / diseases caused by the interaction between AGE and RAGE, diagnosis, prevention, treatment, etc. It is understood that all that is included in that embodiment of the invention.
[0063]
The soluble RAGE of the present invention or a salt thereof has an activity with respect to the interaction between AGE and RAGE, for example, has an activity to suppress or inhibit the binding between AGE and transmembrane RAGE.・ It is considered to be an important factor in aging, adult pathological vascular disorder, and cancer. The protein is considered to be useful for the treatment of soluble RAGE-related dysfunction diseases such as soluble RAGE aplasia, soluble RAGE expression deficiency, and soluble RAGE gene deficiency. In other words, if a drug containing soluble RAGE, a mutant, a modified product, or a derivative is used, it is possible to bring a patient with a disease due to insufficient activity of soluble RAGE into a healthy state. . The polypeptide of the present invention is one of AGE activity inhibitors, and is useful as a medicament for the treatment and / or prevention of various diseases that occur when the expression level of the protein or the AGE activity inhibition activity is decreased. It is. In addition, the polypeptide of the present invention is useful as a medicament for treating and / or preventing various diseases that occur when AGE activity is enhanced. For example, in the case of a patient who does not have sufficient biological activity in cells due to a decrease or deficiency of soluble RAGE in the living body or who has abnormal symptoms, (A) (B) by administering a nucleic acid such as the DNA of the present invention to the patient to express the protein of the present invention in vivo, or (C) By transplanting a cell into which a nucleic acid such as the DNA of the present invention can be expressed in the patient, the symptom in the patient is improved by, for example, supplementing the protein of the present invention into the living body.
[0064]
A compound (agonist or promoter) or a salt thereof that promotes functions such as biological activity of the soluble RAGE of the present invention (for example, an activity that suppresses or inhibits the binding between AGE and transmembrane RAGE) Treatment of various diseases such as soluble RAGE dysfunction, diabetic complications, arteriosclerosis, thrombosis, hyperlipidemia, Alzheimer's disease, neurodegenerative disease, rheumatoid arthritis and cancer invasion / metastasis / Or can be used as a medicament useful as a preventive agent. On the other hand, a compound (antagonist or inhibitor) that inhibits functions such as biological activity of the soluble RAGE of the present invention (for example, an activity that suppresses or inhibits the binding between AGE and transmembrane RAGE) or the like The salt can be used as a medicament for treating and / or preventing various diseases such as hypersoluble RAGE dysfunction, diseases and illnesses caused by the interaction between AGE and RAGE, and cancer. For example, soluble RAGE has an action of suppressing or inhibiting the physiological action or biological activity of AGE, and is useful as a medicament for treating diseases caused by excessive AGE.
[0065]
Thus, the polypeptide such as the soluble RAGE of the present invention has functions such as the biological activity of the polypeptide such as the soluble RAGE of the present invention (for example, binding between AGE and transmembrane RAGE). It is useful as a reagent for screening a compound (agonist), a compound (antagonist) or a salt thereof that promotes an activity that suppresses or inhibits. Thus, a biology such as a protein such as the soluble RAGE of the present invention, a partial peptide thereof or a salt thereof using the polypeptide such as the soluble RAGE of the present invention, a part of the peptide or a salt thereof. A method for screening a compound (agonist), a compound (antagonist) or a salt thereof that promotes a function (such as an activity that suppresses or inhibits the physiological action or biological activity of AGE) is also provided.
In the screening, for example, (i) the protein of the present invention, a part of the peptide, or a salt thereof (which may contain a transformant expressing the protein, the same shall apply hereinafter) is contacted with a substrate such as AGE. And (ii) the case where the substrate and the test sample are contacted with the protein of the present invention, a part of the peptide, or a salt thereof. Specifically, in the above screening, the biological activity (for example, activity related to the interaction between AGE and RAGE) is measured and compared. The screening may be performed in the presence of membrane-bound RAGE.
Any substrate can be used as long as it can be a substrate such as AGE. For example, it can be selected from those used for the purpose of measuring the interaction between AGE and RAGE, and preferably, synthesized AGE or the like can be used. The substrate can be used as it is, but preferably a substrate labeled with a fluorescent, enzyme or radioactive substance such as fluorescein can be used.
[0066]
Examples of the test sample include proteins, peptides, non-peptidic compounds, synthetic compounds, fermentation products, plant extracts, tissue extracts such as animals, and cell extracts. Examples of test compounds used for test samples preferably include anti-AGE antibodies, anti-RAGE antibodies, AGE-RAGE binding inhibitors, compounds having inhibitory activity against protein glycation reactions, especially synthetic compounds, etc. You can leave. These compounds may be novel compounds or known compounds. The screening can be performed according to a usual method for measuring binding activity, and can be performed with reference to, for example, methods known in the art. In addition, various labels, buffer systems, and other appropriate reagents can be used, or the procedures described therein can be performed. The peptide used can be treated with an activator, or its precursor or latent form can be converted into an active form in advance. The measurement is usually performed in a buffer solution that does not adversely affect the reaction, such as a Tris-HCl buffer solution or a phosphate buffer solution, for example, at a pH of about 4 to about 10 (preferably, a pH of about 6 to about 8). It can be carried out. In these individual screenings, the normal conditions and procedures in each method are added to the ordinary technical considerations of those skilled in the art, and the soluble RAGE of the present invention or a polypeptide having substantially the same activity as the polypeptide or What is necessary is just to build the measurement system relevant to a peptide. Details of these general technical means can be referred to reviews, books, etc. (see, for example, Methods in Enzymology, Academic Press (USA)).
[0067]
The compound obtained by using the screening method or the screening kit of the present invention or a salt thereof is the above-mentioned test compound, for example, peptide, protein, non-peptide compound, synthetic compound, fermentation product, cell extract, plant extract, It is a compound selected from animal tissue extracts and the like and is a compound that promotes or inhibits the function of the protein of the present invention. Examples of the salt of the compound include pharmaceutically acceptable salts. Examples include salts with inorganic bases, salts with organic bases, salts with inorganic acids, salts with organic acids, salts with basic or acidic amino acids, and the like. Preferable examples of the salt with an inorganic base include alkali metal salts such as sodium salt and potassium salt, alkaline earth metal salts such as calcium salt and magnesium salt, aluminum salt and ammonium salt. Preferable examples of the salt with an organic base include, for example, trimethylamine, triethylamine, pyridine, picoline, 2,6-lutidine, ethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, cyclohexylamine, dicyclohexylamine, N, N′-dibenzyl. And salts with ethylenediamine and the like. Preferable examples of the salt with inorganic acid include salts with hydrochloric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid, phosphoric acid and the like. Preferable examples of salts with organic acids include formic acid, acetic acid, propionic acid, fumaric acid, oxalic acid, tartaric acid, maleic acid, citric acid, succinic acid, malic acid, methanesulfonic acid, benzenesulfonic acid, benzoic acid And salts with acids. Preferable examples of salts with basic amino acids include, for example, salts with arginine, lysine, ornithine, and preferable examples of salts with acidic amino acids include, for example, salts with aspartic acid, glutamic acid, and the like. Is mentioned.
[0068]
In the present specification, the term “antibody” may be used in a broad sense, and it may be a single monoclonal antibody against a desired soluble RAGE polypeptide and related peptide fragments or various epitopes. It may be an antibody composition with specificity and includes monovalent or multivalent antibodies as well as polyclonal and monoclonal antibodies, and further represents intact molecules and fragments and derivatives thereof. , F (ab ') 2 , Fab 'and Fab fragments, and further chimeric or hybrid antibodies with at least two antigens or epitope binding sites, or bispecifics such as quadrome, triome, etc. Recombinant antibodies, interspecific hybrid antibodies, anti-idiotypic antibodies, and those that are chemically modified or processed to be considered as derivatives thereof, applying known cell fusion or hybridoma technology or antibody engineering, Antibodies obtained using semi-synthetic techniques, conventional techniques known from the point of view of antibody production, antibodies prepared using DNA recombination techniques, target antigens described and defined herein Antibodies which have neutralizing properties or binding properties with respect to the substance or target epitope may be included. Particularly preferred antibodies of the present invention are those that can specifically identify a naturally-occurring soluble RAGE polypeptide. For example, from the full-length RAGE polypeptide or the full-length RAGE polypeptide, the N-terminal side or the C-terminal side thereof. It can be recognized by distinguishing it from a known solubilized RAGE polypeptide produced by cleaving.
[0069]
Monoclonal antibodies produced against antigenic material are produced using any method that can provide for the production of antibody molecules by a series of cell lines in culture. The modifier “monoclonal” indicates the character of the antibody as being derived from a substantially homogeneous population of antibodies, and should not be construed as requiring production of the antibody by any particular method. Don't be. Individual monoclonal antibodies are those that contain a population of antibodies that are identical except that only a small amount of naturally occurring variants may be present. Monoclonal antibodies have a high specificity, which is directed against sites with a single antigenicity. In contrast to conventional (polyclonal) antibody preparations that typically contain different antibodies directed against different antigenic determinants (epitopes), each monoclonal antibody is a single antigen on that antigen. It is intended for determinants. In addition to its specificity, monoclonal antibodies are also superior in that they are synthesized by hybridoma culture and have no or little contamination with other immunoglobulins. Monoclonal antibodies include hybrid antibodies and recombinant antibodies. They can either replace the variable domain with a constant domain (eg, a humanized antibody) or replace the light chain with a heavy chain, regardless of its origin or type of immunoglobulin class or subclass, as long as it exhibits the desired biological activity. Can be obtained by replacement, replacement of one chain with another, or fusion with a heterogeneous protein (eg, US Pat. No. 4,816,567; Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp .79-97, Marcel Dekker, Inc., New York, 1987). Examples of suitable methods for producing monoclonal antibodies include the hybridoma method (G. Kohler and C. Milstein, Nature, 256, pp. 495-497 (1975)); the human B cell hybridoma method (Kozbor et al., Immunology). Today, 4, pp.72-79 (1983); Kozbor, J. Immunol., 133, pp.3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp.51-63, Marcel Dekker, Inc., New York (1987); trioma method; EBV-hybridoma method (Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96 (1985)) (human monoclonal antibody (Methods for production); U.S. Pat.No. 4,946,778 (Technology for production of single chain antibodies) and the following literature on antibodies:
[0070]
S. Biocca et al., EMBO J, 9, pp.101-108 (1990); RE Bird et al., Science, 242, pp.423-426 (1988); MA Boss et al., Nucl. Acids Res ., 12, pp. 3791-3806 (1984); J. Bukovsky et al., Hybridoma, 6, pp. 219-228 (1987); M. DAINO et al., Anal. Biochem., 166, pp. 223 -229 (1987); JS Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, pp. 5879-5883 (1988); PT Jones et al., Nature, 321, pp. 522-525 (1986) JJ Langone et al. (Ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 121 (Immunochemical Techniques, Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies), Academic Press, New York (1986); S. Morrison et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, pp. 6851-6855 (1984); VT Oi et al., BioTechniques, 4, pp. 214-221 (1986); L. Riechmann et al., Nature, 332, pp.323-327 (1988); A. Tramontano et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83, pp.6736-6740 (1986); C. Wood et al., Nature, 314, pp.446-449 (1985); Nature, 314, pp.452-454 (1985) or references cited in it (refer to it for descriptions in them) More included in this disclosure).
[0071]
As long as they exhibit the desired biological activity, the monoclonal antibodies according to the present invention have a corresponding sequence of an antibody in which a part of the heavy and / or light chain is derived from a specific species or belongs to a specific antibody class or subclass. While the same or homologous, the remainder of the chain is a “chimeric” antibody (immunoglobulin) that is identical or homologous to the corresponding sequence of an antibody derived from another species or belonging to another antibody class or subclass. In particular (US Pat. No. 4,816,567; Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, pp. 6851-6855 (1984)). Hereinafter, taking a monoclonal antibody as an example, the production of the antibody will be described in detail. The monoclonal antibody of the present invention may be a monoclonal antibody obtained by utilizing cell fusion technology using myeloma cells, and can be prepared, for example, by the following steps.
1. Preparation of immunogenic antigen
2. Immunization of animals with immunogenic antigens
3. Preparation of myeloma cells (myeloma cells)
4). Cell fusion between antibody-producing cells and myeloma cells
5. Selection and monocloning of hybridomas (fusion cells)
6). Production of monoclonal antibodies
[0072]
1. Preparation of immunogenic antigen
As described above, as described above, a soluble RAGE polypeptide or an isolated fragment derived therefrom can be used, but the amino acid sequence information of the determined soluble RAGE is used as the antigen. In addition, an appropriate oligopeptide can be chemically synthesized and used as an antigen. Typically, SEQ ID NO: 2
(1) an amino acid sequence of at least positions 332 to 347;
(2) amino acid sequence from position 1 to position 117;
(3) the amino acid sequence from position 19 to position 347; and
(4) Amino acid sequence from position 1 to position 347
Peptides having at least 5 consecutive amino acids among amino acid residues present in a region selected from the group consisting of:
The antigen can be used to immunize an animal by mixing it with an appropriate adjuvant as it is, but may be an immunogenic conjugate or the like. For example, the antigen used as an immunogen is a fragment of soluble RAGE, or a synthetic polypeptide fragment obtained by selecting a characteristic sequence region based on its amino acid sequence, designing the polypeptide, and chemically synthesizing it. It may be. In addition, the fragment can be combined with various carrier proteins via an appropriate condensing agent to form an immunogenic conjugate such as a hapten-protein, and this can be used to react only with a specific sequence (or only a specific sequence). Can also be used to design monoclonal antibodies. A cysteine residue or the like can be added in advance to the polypeptide to be designed so that an immunogenic conjugate can be easily prepared. In binding to carrier proteins, the carrier proteins can first be activated. For such activation, introduction of an activated linking group can be mentioned.
The activated linking group includes (1) activated ester or activated carboxyl group, such as nitrophenyl ester group, pentafluorophenyl ester group, 1-benzotriazole ester group, N-succinimide ester group, etc. A dithio group, such as a 2-pyridyldithio group, can be mentioned. Examples of carrier proteins include keyholes, limpets, hemocyanin (KLH), bovine serum albumin (BSA), ovalbumin, globulins, polylysine and other polypeptides, and bacterial cell components such as BCG.
[0073]
2. Immunization of animals with immunogenic antigens
Immunization can be carried out by methods known to those skilled in the art, for example, Shigeru Muramatsu, et al., Laboratory Biology Laboratory 14, Immunobiology, Maruzen Co., Ltd., 1985, Japan Biochemical Society, secondary biochemistry experiment Lecture 5, Immunobiochemical Research Method, Tokyo Chemical Doujin, 1986, Japan Biochemical Society, New Chemistry Laboratory 12, Molecular Immunology III, Antigen / Antibody / Complement, Tokyo Chemical Dojin, 1992, etc. It can be performed according to. Immunization is accomplished by injecting the mammal with the immunizing agent (optionally with adjuvant) one or more times. Typically, the immunizing agent and / or adjuvant is administered to a mammal by multiple subcutaneous injections or intraperitoneal injections. Examples of the immunizing agent include those containing the above antigen peptide or a related peptide fragment thereof. The immunizing agent may be used in the form of a conjugate with a protein known to be immunogenic in the mammal to be immunized (for example, the above carrier proteins). Examples of adjuvants include Freund's complete adjuvant, Ribi adjuvant, pertussis vaccine, BCG, lipid A, liposome, aluminum hydroxide, silica and the like. Immunization is performed using, for example, mice such as BALB / c, hamsters, and other suitable animals. The dose of the antigen is, for example, about 1 to 400 μg / animal for mice, and is generally injected intraperitoneally or subcutaneously into the host animal, and thereafter every 1 to 4 weeks, preferably every 1 to 2 weeks. The booster immunization is repeated about 2 to 10 times internally, subcutaneously, intravenously or intramuscularly. As a mouse for immunization, BALB / c mouse, F1 mouse of BALB / c mouse and other mouse, and the like can be used. If necessary, an antibody titer measurement system can be prepared and the antibody titer can be measured to confirm the degree of animal immunity. The antibody of the present invention may be obtained from the immunized animal thus obtained and includes, for example, antiserum, polyclonal antibody and the like.
[0074]
3. Preparation of myeloma cells (myeloma cells)
The infinitely proliferative strain (tumor cell line) used for cell fusion can be selected from cell lines that do not produce immunoglobulins, such as P3-NS-1-Ag4-1 (NS-1, Eur. J. Immunol , 6: 511-519, 1976), SP-2 / 0-Ag14 (SP-2, Nature, 276: 269-270,1978), P3-X63-Ag8-U1 derived from mouse myeloma MOPC-21 cell line (P3U1, Curr. Topics Microbiol. Immunol., 81: 1-7, 1978), P3-X63-Ag8 (X63, Nature, 256: 495-497, 1975), P3-X63-Ag8-653 (653, J Immunol., 123: 1548-1550, 1979) can be used. 8-Azaguanine-resistant mouse myeloma cell line is prepared by adding antibiotics such as penicillin and amikacin, fetal bovine serum (FCS), etc. to cell culture medium such as Dulbecco's MEM medium (DMEM medium) and RPMI-1640 medium. It is subcultured in a medium supplemented with azaguanine (for example, 5-45 μg / ml), but it can be subcultured in a normal medium 2 to 5 days before cell fusion to prepare the required number of cell lines. The cell line used was prepared by thawing the cryopreserved strain completely at about 37 ° C, washing it with a normal medium such as RPMI-1640 medium three times or more, and then culturing in the normal medium to prepare the required number of cell lines. There may be.
[0075]
4). Cell fusion between antibody-producing cells and myeloma cells
2. In the animal immunized according to the above step, for example, a mouse, the spleen is removed 2 to 5 days after the final immunization, and then a spleen cell suspension is obtained. In addition to spleen cells, lymph node cells in various parts of the body can be obtained and used for cell fusion. The spleen cell suspension thus obtained and 3. The myeloma cell line obtained according to the above step is placed in a cell medium such as minimum essential medium (MEM medium), DMEM medium, RPMI-1640 medium, and a cell fusion agent such as polyethylene glycol is added. As the cell fusion agent, those known in various other fields can be used, and examples thereof include inactivated Sendai virus (HVJ: Hemagglutinating Virus of Japan). Preferably, for example, 0.5 to 2 ml of 30 to 60% polyethylene glycol can be added, polyethylene glycol having a molecular weight of 1,000 to 8,000 can be used, and polyethylene glycol having a molecular weight of 1,000 to 4,000 can be more preferably used. The concentration of polyethylene glycol in the fusion medium is preferably 30 to 60%, for example. If necessary, for example, a small amount of dimethyl sulfoxide or the like can be added to promote fusion. The ratio of spleen cells (lymphocytes): myeloma cell line used for the fusion is, for example, 1: 1 to 20: 1, more preferably 4: 1 to 7: 1.
The fusion reaction is performed for 1-10 minutes and then a cell culture medium such as RPMI-1640 medium is added. The fusion reaction treatment can be performed multiple times. After the fusion reaction treatment, the cells are separated by centrifugation or the like and then transferred to a selection medium.
[0076]
5. Selection and monocloning of hybridomas (fusion cells)
Examples of the selection medium include media such as FCS-containing MEM media and RPMI-1640 media containing hypoxanthine, aminopterin and thymidine, so-called HAT media. In general, the selective medium can be replaced by adding a volume equal to the volume dispensed to the culture plate the next day, and then replacing the HAT medium half by half every 1 to 3 days. You can also change this. On the 8th to 16th day after the fusion, the medium can be changed every 1 to 4 days with a so-called HT medium excluding aminopterin. For example, mouse thymocytes can be used as a feeder, which may be preferred.
The culture supernatant of the culture well in which the hybridoma grows can be measured using a measurement system such as radioimmunoassay (RIA), enzyme immunoassay (ELISA), or fluorescence immunoassay (FIA), or a fluorescence-induced cell separator (FACS). Then, screening is performed by using a predetermined fragment peptide as an antigen, or by measuring a target antibody using a labeled anti-mouse antibody.
The hybridoma producing the target antibody is cloned. Cloning can be done by picking up colonies in agar or by limiting dilution. More preferably, the limiting dilution method can be used. Cloning is preferably performed multiple times.
[0077]
6). Production of monoclonal antibodies
The obtained hybridoma strain can be cultured in an appropriate growth medium such as an FCS-containing MEM medium or RPMI-1640 medium, and a desired monoclonal antibody can be obtained from the medium supernatant. In order to obtain a large amount of antibody, ascites of the hybridoma can be mentioned. In this case, each hybridoma is transplanted into the abdominal cavity of a histocompatibility animal syngeneic with an animal derived from myeloma cells, or each hybridoma is transplanted into, for example, a nude mouse, and allowed to proliferate. The produced monoclonal antibody can be recovered and obtained. Prior to transplantation of the hybridoma, the animal can be administered intraperitoneally with mineral oil such as pristane (2,6,10,14-tetramethylpentadecane). After that treatment, the hybridoma is allowed to grow and ascites is collected. You can also Ascites fluid is used as it is, or conventionally known methods such as salting out such as ammonium sulfate precipitation, gel filtration by Sephadex, ion exchange chromatography, electrophoresis, dialysis, ultrafiltration, affinity chromatography They can be purified by high performance liquid chromatography and used as monoclonal antibodies. Preferably, the ascites containing the monoclonal antibody can be purified and separated by treatment with an anion exchange gel such as DEAE-Sepharose and an affinity column such as a protein A column after ammonium sulfate fractionation. Particularly preferably, affinity chromatography in which an antigen or antigen fragment (for example, a synthetic peptide, recombinant antigen protein or peptide, a site specifically recognized by an antibody, etc.) is immobilized, affinity chromatography in which protein A is immobilized, hydroxy Examples include apatite chromatography.
[0078]
In addition, transgenic mice or other organisms, such as other mammals, can be used to express antibodies such as humanized antibodies against the immunogenic polypeptide products of the invention.
It is also possible to determine the sequence of the antibody thus obtained in large quantities, or to produce an antibody by a gene recombination technique using a nucleic acid sequence encoding the antibody obtained from a hybridoma strain. The nucleic acid encoding the monoclonal antibody can be isolated and sequenced by conventional techniques such as using an oligonucleotide probe that can specifically bind to the gene encoding the heavy or light chain of the mouse antibody. . Once isolated, the DNA can be put into an expression vector as described above and then into host cells such as CHO and COS. The DNA can be modified, for example, by substituting a sequence encoding a human heavy chain or light chain constant region domain in place of the homogeneous mouse sequence (Morrison et al., Proc Natl. Acad. Sci. USA, 81: 6581, 1984). Thus, it is possible to prepare a chimeric antibody or a hybrid antibody having a desired binding specificity. In addition, the antibody can be modified by preparing a chimeric antibody or a hybrid antibody by applying a chemical protein synthesis technique including the use of a condensing agent as described below.
Humanized antibodies can be performed by techniques known in the art (eg, Jones et al., Nature, 321: pp. 522-525 (1986); Riechmann et al., Nature, 332: pp .323-327 (1988); Verhoeyen et al., Science, 239: pp.1534-1536 (1988)). Human monoclonal antibodies can also be performed by techniques known in the art, and human myeloma cells and human / mouse heteromyeloma cells for producing human monoclonal antibodies are known in the art (Kozbor, J. Immunol., 133, pp. 3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63, Marcel Dekker, Inc., New York (1987)). Methods for producing bispecific antibodies are also known in the art (Millstein et al., Nature, 305: pp. 537-539 (1983); WO93 / 08829; Traunecker et al., EMBO J., 10: pp.3655-3659 (1991); Suresh et al., "Methods in Enzymology", Vol. 121, pp.210 (1986)).
[0079]
Furthermore, Fab, Fab ', F (ab') obtained by treating these antibodies with enzymes such as trypsin, papain, pepsin and optionally reducing them 2 Such an antibody fragment may be used.
The antibodies can be used in any known assay, such as competitive binding assays, direct and indirect sandwich assays, and immunoprecipitation assays (Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp. 147-158 (CRC Press, Inc., 1987).
Any method known in the art can be used to conjugate each antibody to a detectable atomic group, such as David et al., Biochemistry, 13, 1014-1021 (1974); Pain et al, J. Immunol. Meth., 40: pp. 219-231 (1981); and “Methods in Enzymology”, Vol. 184, pp. 138-163 (1990). As an antibody for imparting a label, an IgG fraction, or a specific binding part Fab ′ obtained by reduction after digestion with pepsin can be used. Examples of the label in these cases include enzymes (peroxidase, alkaline phosphatase, β-D-galactosidase, etc.), chemical substances, fluorescent substances, and radioisotopes as described below.
[0080]
Detection and measurement in the present invention can be performed by immunostaining such as tissue or cell staining, immunoassay such as competitive immunoassay or non-competitive immunoassay, radioimmunoassay, ELISA, etc., and BF separation. The measurement can be performed with or without. Preferred are radioimmunoassay and enzyme immunoassay, and further include a sandwich type assay. For example, in the sandwich type assay, one is an antibody against the soluble RAGE of the present invention and its related peptide fragment, the other is an antibody against the C-terminal residue of the soluble RAGE, and one is detectably labeled. Other antibodies capable of recognizing the same antigen are immobilized on the solid phase. Incubation treatment is performed in order to sequentially react the sample, labeled antibody, and solid-phased antibody as necessary. After separating the unbound antibody, the labeled product is measured. The amount of label measured is proportional to the amount of antigen, ie soluble RAGE polypeptide fragment antigen. This assay is referred to as a simultaneous sandwich type assay, a forward sandwich type assay, a reverse sandwich type assay, or the like depending on the order of addition of the insolubilized antibody or the labeled antibody. For example, washing, stirring, shaking, filtration, or pre-extraction of antigen are appropriately employed in these measurement steps under specific circumstances. Other measurement conditions such as the concentration of a specific reagent, buffer, etc., temperature, or incubation time can be varied according to factors such as the concentration of antigen in the sample and the nature of the sample. A person skilled in the art can perform measurement by appropriately selecting optimum conditions effective for each measurement using a normal experimental method.
[0081]
Many carriers capable of immobilizing an antigen or antibody are known, and in the present invention, they can be appropriately selected and used. Various carriers used for antigen-antibody reactions and the like are known, and of course, in the present invention, these carriers can be selected and used. Particularly preferably used are, for example, glass, such as activated glass, porous glass, silica gel, silica-alumina, alumina, magnetized iron, magnetized alloy and other inorganic materials, polyethylene, polypropylene, polyvinyl chloride, polyfluoride Cross-linked albumin such as vinylidene, polyvinyl acetate, polymethacrylate, polystyrene, styrene-butadiene copolymer, polyacrylamide, cross-linked polyacrylamide, styrene-methacrylate copolymer, polyglycidyl methacrylate, acrolein-ethylene glycol dimethacrylate copolymer Natural or modified cellulose such as collagen, gelatin, dextran, agarose, cross-linked agarose, cellulose, microcrystalline cellulose, carboxymethylcellulose, cellulose acetate, Organic polymer materials such as polyamides such as dextran and nylon, polyurethane and polyepoxy resins, and those obtained by emulsion polymerization of them, cells, erythrocytes, etc. If necessary, functional groups with silane coupling agents etc. The thing which introduce | transduced is mentioned.
In addition, filter paper, beads, inner walls of test containers, such as test tubes, titer plates, titer wells, glass cells, synthetic resin cells such as synthetic resin cells, glass rods, synthetic material rods, thickened ends, etc. Alternatively, the surface of a solid substance (object) such as a thinned rod, a rod having a round protrusion at the end or a flat protrusion, a thin plate, or the like may be used.
[0082]
An antibody can be bound to these carriers, and preferably a monoclonal antibody that specifically reacts with the antigen obtained in the present invention can be bound. The binding between the carrier and those involved in the antigen-antibody reaction may be performed by a physical method such as adsorption, a chemical method using a condensing agent, an activated one, etc. It can be performed by a method using a chemical bonding reaction.
Labels include enzymes, enzyme substrates, enzyme inhibitors, prosthetic molecules, coenzymes, enzyme precursors, apoenzymes, fluorescent materials, dye materials, chemiluminescent compounds, luminescent materials, chromogenic materials, magnetic materials, metal particles such as gold Examples thereof include radioactive materials such as colloids. Examples of enzymes include oxidoreductases such as dehydrogenase, reductase, and oxidase, such as transferases that catalyze the transfer of amino groups, carboxyl groups, methyl groups, acyl groups, phosphate groups, and the like, such as ester bonds, Examples include hydrolase, lyase, isomerase, ligase and the like that hydrolyze glycoside bonds, ether bonds, peptide bonds, and the like. The enzyme can be used for detection by using a plurality of enzymes in combination. For example, enzymatic cycling can be used.
[0083]
Typical radioisotope labeling isotopes include [ 32 P], [ 125 I], [ 131 I], [ Three H], [ 14 C], [ 35 S].
Typical enzyme labels include peroxidase such as horseradish peroxidase, galactosidase such as E. coli β-D-galactosidase, maleate dehydrogenase, glucose-6-phosphate dehydrogenase, glucose oxidase, glucoamylase, acetylcholinesterase, catalase, bovine Examples thereof include alkaline phosphatase such as small intestine alkaline phosphatase and Escherichia coli alkaline phosphatase.
When alkaline phosphatase is used, umbelliferone derivatives such as 4-methylumbelliferyl phosphate, phosphorylated phenol derivatives such as nitrophenyl phosphate, enzymatic cycling systems using NADP, luciferin derivatives, dioxetane derivatives and other substrates It can be measured by the fluorescence, luminescence, etc. that occur when used. A luciferin or luciferase system can also be used. When catalase is used, it reacts with hydrogen peroxide to produce oxygen, so that the oxygen can be detected by an electrode or the like. The electrode may be a glass electrode, an ion electrode using a hardly soluble salt film, a liquid film type electrode, a polymer film electrode, or the like.
The enzyme label can be replaced with a biotin label and enzyme-labeled avidin (streptavidin). The label may use a plurality of different types of labels. In such cases, it may be possible to perform multiple measurements continuously or discontinuously and simultaneously or separately.
[0084]
In the present invention, 4-hydroxyphenylacetic acid, 1,2-phenylenediamine, tetramethylbenzidine and the like, horseradish peroxidase, umbelliferyl galactoside, nitrophenyl galactoside and the like, β-D-galactosidase, glucose- Combinations of enzyme reagents such as 6-phosphate and dehydrogenase can also be used. Quinol compounds such as hydroquinone, hydroxybenzoquinone and hydroxyanthraquinone, thiol compounds such as lipoic acid and glutathione, phenol derivatives and ferrocene derivatives can be used as enzymes. What can be formed can be used.
Examples of fluorescent substances or chemiluminescent compounds include fluorescein isothiocyanate, such as rhodamine derivatives such as rhodamine B isothiocyanate and tetramethylrhodamine isothiocyanate, dansyl chloride, dansyl fluoride, fluorescamine, phycobiliprotein, acridinium salt, lumiferin, luciferase And luminol such as equolin, imidazole, oxalate ester, rare earth chelate compound, and coumarin derivative.
The labeling can be performed using a reaction between a thiol group and a maleimide group, a reaction between a pyridyl disulfide group and a thiol group, a reaction between an amino group and an aldehyde group, etc., and can be easily performed by a known method or a person skilled in the art. It is possible to apply the method appropriately selected from methods that can be used in addition to methods modified by them. Further, a condensing agent that can be used for preparing the immunogenic complex, a condensing agent that can be used for binding to a carrier, and the like can be used.
[0085]
Examples of the condensing agent include formaldehyde, glutaraldehyde, hexamethylene diisocyanate, hexamethylene diisothiocyanate, N, N′-polymethylene bisiodoacetamide, N, N′-ethylene bismaleimide, ethylene glycol bissuccinimidyl succinate. , Bisdiazobenzidine, 1-ethyl-3- (3-dimethylaminopropyl) carbodiimide, succinimidyl 3- (2-pyridyldithio) propionate (SPDP), N-succinimidyl 4- (N-maleimidomethyl) cyclohexane-1-carboxy (SMCC), N-sulfosuccinimidyl 4- (N-maleimidomethyl) cyclohexane-1-carboxylate, N-succinimidyl (4-iodoacetyl) aminobenzoate, N-succinimidyl 4- (1-maleimidophenyl) Butyrate, N- (ε-Maleimide cap Yloxy) succinimide (EMCS), iminothiolane, S-acetylmercaptosuccinic anhydride, methyl-3- (4'-dithiopyridyl) propionimidate, methyl-4-mercaptobutyrylimidate, methyl-3-mercapto Examples include propion imidate and N-succinimidyl-S-acetylmercaptoacetate.
[0086]
According to the measurement method of the present invention, a labeled antibody reagent such as a monoclonal antibody in which a substance to be measured is labeled with an enzyme and the antibody bound to a carrier can be reacted sequentially or simultaneously. . The order in which reagents are added depends on the type of carrier system selected. When using beads such as sensitized plastics, first place a labeled antibody reagent such as a monoclonal antibody labeled with an enzyme together with a specimen sample containing the substance to be measured in an appropriate test tube, and then Measurements can be made by adding beads such as sensitized plastic.
In the quantification method of the present invention, an immunological measurement method is used. In this case, as a solid phase carrier, polystyrene, polycarbonate, polypropylene or polyvinyl balls, microplates that adsorb proteins such as antibodies well are used. Various materials and forms such as sticks, microparticles or test tubes can be arbitrarily selected and used.
The measurement can be performed in an appropriate buffer system so as to maintain an optimum pH, for example, a pH of about 4 to about 9. Particularly suitable buffers include, for example, acetate buffer, citrate buffer, phosphate buffer, Tris buffer, triethanolamine buffer, borate buffer, glycine buffer, carbonate buffer, Tris-HCl. A buffering agent etc. are mentioned. The buffering agents can be mixed and used at any ratio. The antigen-antibody reaction is preferably performed at a temperature between about 0 ° C and about 60 ° C.
Incubation treatment of antibody reagents such as monoclonal antibodies labeled with enzymes, antibody reagents bound to carriers, and substances to be measured can be performed until equilibrium is reached, but the equilibrium of the antigen-antibody reaction has been achieved. The reaction can be stopped after a limited incubation by separating the solid and liquid phases at a much earlier time, and the extent of the presence of a label such as an enzyme in either the liquid phase or the solid phase can be determined. Can be measured. The measurement operation can be performed using an automated measuring device, and a luminescence detector, a photo detector or the like is used to detect and measure a display signal generated by converting a substrate by the action of an enzyme. You can also.
[0087]
In the antigen-antibody reaction, appropriate measures can be taken to stabilize the reagents used, substances to be measured, and labels such as enzymes, or to stabilize the antigen-antibody reaction itself. In addition, proteins, stabilizers, surfactants, chelating agents, etc. can be added to the incubation solution to eliminate non-specific reactions, reduce the inhibitory effect, or activate the measurement reaction. It can also be added. As the chelating agent, ethylenediaminetetraacetate (EDTA) is more preferable.
A blocking treatment for preventing a non-specific binding reaction commonly employed in the field or known to those skilled in the art may be performed, for example, normal serum proteins such as mammals, albumin, skim milk, milk fermentation substances , Collagen, gelatin and the like. As long as the purpose is to prevent non-specific binding reaction, these methods are not particularly limited and can be used.
As a sample to be measured by the measurement method of the present invention, any form of solution, colloidal solution, non-fluid sample, etc. can be used, but preferably a sample derived from a living organism such as thymus, testis, intestine, kidney, brain, breast cancer. , Ovarian cancer, colorectal cancer, blood, serum, plasma, joint fluid, cerebrospinal fluid, pancreatic fluid, bile fluid, saliva, amniotic fluid, urine, other body fluids, cell culture fluid, tissue culture fluid, tissue phomodulate, biopsy Samples, tissues, cells and the like can be mentioned.
When various analysis / quantification methods including these individual immunological measurement methods are applied to the measurement method of the present invention, special conditions, operations, and the like are not required to be set. A measurement system related to the target substance of the present invention or a substance having substantially the same activity may be constructed by adding ordinary technical considerations to those skilled in the art to the normal conditions and operation methods in each method. .
[0088]
For details of these general technical means, refer to reviews, books, etc. [For example, Hiroshi Irie, “Radioimmunoassay”, Kodansha, published in 1974; Hiroshi Irie, “Second radioimmunoassay” "Kodansha, published in 1979; edited by Eiji Ishikawa et al.," Enzyme Immunoassay ", Medical School, published in 1978; edited by Eiji Ishikawa et al.," Enzyme Immunoassay "(2nd edition), Medical School, Showa Published in 1957; edited by Eiji Ishikawa et al., “Enzyme Immunoassay” (3rd edition), Medical School, published in 1987; HV Vunakis et al. (Ed.), “Methods in Enzymology”, Vol. 70 (Immunochemical Techniques, Part A), Academic Press, New York (1980); JJ Langone et al. (Ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 73 (Immunochemical Techniques, Part B), Academic Press, New York (1981) JJ Langone et al. (Ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 74 (Immunochemical Techniques, Part C), Academic Press, New York (1981); JJ Langone et al. ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 84 (Immunochemical Techniques, Part D: Selected Immunoassays), Academic Press, New York (1982); JJ Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol 92 (Immunochemical Techniques, Part E: Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods), Academic Press, New York (1983); JJ Langone et al. (Ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 121 (Immunochemical Techniques, Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies), Academic Press, New York (1986); JJ Langone et al. (Ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 178 (Antibodies, Antigens, and Molecular Mimicry), Academic Press, New York (1989); M. Wilchek et al. (Ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 184 (Avidin-Biotin Technology), Academic Press, New York (1990); JJ Langone et al. (Ed. ), "Methods in Enzymology", Vol. 203 (Molecular Design and Modeling: Concepts and Applications, Part B: Anibodies and Antigens, Nucleic Acids, Polysaccharides, and Drugs), Academic Press, New York (1991), etc. In cited literature (described in in them are included in the present disclosure by reference thereto)].
[0089]
Epitope mapping can also be performed using the anti-soluble RAGE antibody of the present invention, particularly a monoclonal antibody. If an antibody that recognizes each epitope is used, soluble RAGE and its related peptide fragments are detected and measured. be able to.
Antibodies against soluble RAGE and related peptide fragments can be detected and / or measured by suppressing or inhibiting the interaction between AGE and membrane-bound RAGE receptor by soluble RAGE, and by excess of AGE. It is useful for the detection and / or measurement of various physiologically active substances or physiological phenomena or biological phenomena that occur, and for research and development of factors and mechanisms that control soluble RAGE production. The antibody, particularly a monoclonal antibody, detects (i) a disorder, abnormality and / or disease associated with a tissue or cell caused by an interaction between AGE and RAGE, or (ii) a relationship between AGE and RAGE. Detection of cell tumorigenesis, cell migration, invasion, migration and / or metastasis due to interactions between them, or the possibility thereof, and (iii) disorders, abnormalities and / or associated with protein glycation reactions Or detect disease or its potential, (iv) measure the expression level of soluble RAGE, (v) detect and / or measure changes in AGE capture activity, (vi) soluble RAGE It is useful for searching for compounds that control production and / or (vii) detecting and / or measuring the activity of compounds that control the production of soluble RAGE. It is expected that it can be used to determine the extent of diabetic complications, tissue abnormalities, cancer mobility, invasiveness, chemotaxis and / or metastasis.
According to the present invention, the inhibitory or inhibitory activity of the interaction of AGE with membrane-bound RAGE by soluble RAGE is detected and / or measured, and a therapeutic agent for diabetes, a preventive / therapeutic agent for diabetic complications, tissue disease Used as an effect monitor for prophylactic / therapeutic agents, anti-inflammatory agents, anticancer agents, cancer metastasis inhibitors, arteriosclerosis therapeutic agents, Alzheimer's therapeutic agents, joint destruction therapeutic agents, antiallergic agents and / or immunosuppressive agents It becomes possible to do.
In addition, the present invention can provide a method for detecting and / or measuring a tissue / cell or protein abnormality phenomenon due to AGE and a reagent therefor.
[0090]
The active ingredient of the present invention [for example, (a) a soluble RAGE polypeptide, a part of the peptide or a salt thereof, a peptide related thereto, (b) the soluble RAGE or the soluble RAGE polypeptide Nucleic acids such as encoding DNA, (c) the antibody of the present invention, a partial fragment thereof (including a monoclonal antibody) or a derivative thereof, (d) a mutual relationship between AGE by soluble RAGE and transmembrane RAGE A compound or salt thereof that suppresses and / or inhibits a biological activity such as a phenomenon such as suppression or inhibition of action or a tissue or protein alteration / overproduction or degradation phenomenon, or a compound or salt thereof that controls the production of soluble RAGE (E) an antisense oligonucleotide for a nucleic acid such as the DNA of the present invention, (f) an active substance found using the present invention, etc.) as a pharmaceutical, for example, between AGE and RAGE These interaction inhibitors or salts thereof can be administered as a pharmaceutical composition or a pharmaceutical preparation, etc., usually alone or mixed with various pharmacologically acceptable adjuvants. Preferably, it is administered in the form of a pharmaceutical preparation suitable for use such as oral administration, topical administration, or parenteral administration, and depending on the purpose, any dosage form (including inhalation or rectal administration) is preferred. Good.
The active ingredient of the present invention includes diabetic complication agent, arteriosclerosis agent, antihyperlipidemic agent, antitumor agent (anticancer agent), tumor transfer inhibitor, thrombus formation inhibitor, Alzheimer treatment Can also be used in combination with agents, joint destruction treatment agents, anti-inflammatory agents and / or immunosuppressive agents, and they can be used without limitation as long as they have advantageous effects, such as those known in the art You can choose from.
[0091]
The parenteral dosage form may include topical, transdermal, intravenous, intramuscular, subcutaneous, intradermal or intraperitoneal administration, but can also be administered directly to the affected area. Is also preferred. Preferably, orally or parenterally to mammals including humans (eg, intracellular, tissue, intravenous, intramuscular, subcutaneous, intradermal, intraperitoneal, intrathoracic, intrathecal, instillation, injection Administration to the intestines, rectum, ear drops, eye drops, nose, teeth, skin and mucous membranes, etc.). Specific preparation preparation forms include solution preparations, dispersion preparations, semi-solid preparations, granular preparations, molded preparations, leachable preparations, etc., for example, tablets, coated tablets, sugar-coated preparations, Agents, troches, hard capsules, soft capsules, microcapsules, implants, powders, powders, granules, fine granules, injections, solutions, elixirs, emulsions, irrigation agents, syrups, Water solution, emulsion, suspension, liniment, lotion, aerosol, spray, inhalant, spray, ointment, plaster, patch, pasta, poultice, cream, oil, suppository ( For example, rectal suppositories), tinctures, skin preparations, eye drops, nasal drops, ear drops, coatings, infusions, liquids for injection, freeze-dried preparations, gel preparations, etc. Can be mentioned.
The pharmaceutical composition can be formulated according to a usual method. For example, as necessary, physiologically acceptable carriers, pharmaceutically acceptable carriers, adjuvant agents, excipients, excipients, diluents, flavoring agents, fragrances, sweeteners, vehicles, preservatives, stable Agent, binder, pH adjuster, buffer, surfactant, base, solvent, filler, extender, solubilizer, solubilizer, isotonic agent, emulsifier, suspending agent, dispersant , Thickeners, gelling agents, curing agents, absorbents, adhesives, elastic agents, plasticizers, disintegrating agents, propellants, preservatives, antioxidants, sunscreen agents, moisturizers, relaxation agents, antistatic agents, By using a soothing agent alone or in combination with the protein of the present invention and the like, it can be produced into a unit dosage form required for the practice of a generally accepted formulation.
Formulations suitable for parenteral use include sterile solutions or suspensions of the active ingredient with water or other pharmaceutically acceptable media such as injections. In general, water, saline, dextrose aqueous solution, other related sugar solutions, and glycols such as ethanol, propylene glycol, and polyethylene glycol are preferable liquid carriers for injections. When preparing an injection, the solution is prepared by a method known in the art using a carrier such as distilled water, Ringer's solution, physiological saline, an appropriate dispersing agent or wetting agent and suspending agent. Injectable forms such as suspensions and emulsions.
[0092]
Examples of aqueous solutions for injection include isotonic solutions containing physiological saline, glucose and other adjuvants (eg, D-sorbitol, D-mannitol, sodium chloride, etc.), and are pharmacologically acceptable. Suitable solubilizers such as alcohols (eg ethanol), polyalcohols (eg propylene glycol, polyethylene glycol etc.), nonionic surfactants (eg polysorbate 80) TM , HCO-50, etc.). Examples of the oily liquid include sesame oil and soybean oil. As a solubilizing agent, benzyl benzoate, benzyl alcohol and the like may be used in combination. Further, a buffer (for example, phosphate buffer, sodium acetate buffer, etc.) or a reagent for adjusting osmotic pressure, a soothing agent (for example, benzalkonium chloride, procaine, etc.), a stabilizer (for example, human) Serum albumin, polyethylene glycol, etc.), preservatives (eg, benzyl alcohol, phenol, etc.), antioxidants such as ascorbic acid, absorption promoters and the like. The prepared injection solution is usually filled in a suitable ampoule.
[0093]
For parenteral administration, a solution in a sterile pharmaceutically acceptable liquid such as water, ethanol or oil, with or without the addition of surfactants and other pharmaceutically acceptable auxiliaries, or Formulated in the form of a suspension. The oily vehicle or solvent used in the formulation includes natural, synthetic or semi-synthetic mono-, di- or triglycerides, natural, semi-synthetic or synthetic fats or fatty acids, such as peanut oil, corn oil, large Examples include vegetable oils such as bean oil and sesame oil. For example, this injection can be prepared so that it usually contains about 0.1 to 10% by weight of the compound of the present invention.
Preparations suitable for topical, eg oral, or rectal use include, for example, mouthwash, toothpaste, oral spray, inhalant, ointment, dental filler, dental coating, dental paste, suppository, etc. Is mentioned. The mouthwash and other dental agents are prepared by a conventional method using a pharmacologically acceptable carrier. As an oral spray and an inhalant, the compound of the present invention itself or a pharmacologically acceptable inert carrier can be dissolved in an aerosol or nebulizer solution, or can be administered to teeth as a fine powder for inhalation. The ointment is prepared by a conventional method by adding a commonly used base such as an ointment base (white petrolatum, paraffin, olive oil, Macrogol 400, Macrogol ointment, etc.) and the like.
[0094]
Drugs for topical application to teeth, skin can be formulated into solutions or suspensions in appropriately sterilized water or non-aqueous excipients. Additives include, for example, buffering agents such as sodium bisulfite or disodium edetate; antiseptics including antibacterial and antifungal agents such as acetic acid or phenylmercuric nitrate, benzalkonium chloride or chlorohexidine and hypromelrose A thickener is mentioned.
Suppositories are carriers well known in the art, preferably non-irritating suitable excipients such as polyethylene glycols, lanolin, cocoa butter, fatty acid triglycerides, etc., preferably solid at normal temperature but at the temperature of the intestinal tract. Although it is prepared by a conventional method using a liquid that melts in the rectum and releases a drug, it is usually prepared so as to contain about 0.1 to 95% by weight of the compound of the present invention. Depending on the excipient and concentration used, the drug can be suspended or dissolved in the excipient. Adjuvants such as local anesthetics, preservatives and buffering agents can be dissolved in the vehicle. Examples of preparations suitable for oral use include solid compositions such as tablets, pills, capsules, powders, granules, and troches, and liquid compositions such as liquids, syrups, and suspensions. Can be mentioned. When preparing the formulation, formulation adjuvants known in the art are used. Tablets and pills can also be manufactured with an enteric coating. When the dispensing unit form is a capsule, a liquid carrier such as fats and oils can be further contained in the above-mentioned type of material.
[0095]
Further, when the nucleic acid such as the DNA of the present invention is used as a therapeutic and / or prophylactic agent as described above, the nucleic acid can be used alone or used in the gene recombination technique as described above. It can be used by binding to an appropriate vector, for example, a virus-derived vector such as a retrovirus-derived vector. Nucleic acids such as the DNA of the present invention can be administered in the usual known manner, either as it is or with appropriate adjuvants or physiologically acceptable carriers so as to promote uptake into cells, for example. And can be used as a pharmaceutical composition or pharmaceutical preparation as described above. A method known as gene therapy can also be applied.
The active ingredient of the present invention can be administered over a wide range of dosages, and the dosage and number of administrations are determined according to the sex, age, weight, general health condition, diet, administration time, administration method, etc. Depending on the excretion rate, combination of drugs, and the extent of the condition being treated by the patient, these or other factors may be taken into account.
[0096]
In the manufacture of pharmaceuticals, the additives and preparation methods are described in, for example, the Japanese Pharmacopoeia Manual Editorial Committee, the 14th revised Japanese Pharmacopoeia Manual, published on June 27, 2001, Yodogawa Shoten Co., Ltd .; Ichibanase Nao et al. Drug Development Volume 12 (Formulation Base [I]), published on October 15, 1990, Yodogawa Shoten Co., Ltd .; Drug Development Volume 12 (Formulation Material [II]) Heisei Issuing on October 28, 2 years, referring to the description of Yodogawa Shoten Co., Ltd., etc., it is possible to select and apply as necessary from among them.
The active ingredient of the present invention is not particularly limited as long as it has a biological activity such as suppressing or inhibiting the activity of AGE, particularly the interaction between AGE and RAGE, but preferably has an advantageous effect. Things. The active ingredient of the present invention includes, for example, (a) soluble RAGE, a mutant polypeptide thereof, a partial peptide thereof or a salt thereof, (b) DNA encoding the soluble RAGE, soluble type Nucleic acid such as DNA encoding RAGE variant polypeptide, (c) antibody of the present invention, partial fragment thereof (including monoclonal antibody) or derivative thereof, (d) AGE and RAGE of soluble RAGE A compound having a beneficial effect on biological activity such as inhibiting or inhibiting the interaction between the two or a salt thereof.
[0097]
The active ingredient of the present invention is expected to be useful for suppressing or inhibiting changes in various tissues or cells resulting from the interaction between AGE and RAGE. The active ingredient is useful for suppressing the expression of AGE activity, and is useful for preventing or treating disorders, abnormalities and / or diseases caused by the interaction between AGE and RAGE. In addition, it is expected to be useful for the control, for example, suppression of migration, invasion, migration and / or metastasis of tumor cells involved in the interaction between AGE and RAGE.
Soluble RAGE and related peptides are useful for the prevention and / or suppression of malignant tumors, i.e., cancer migration, invasion and / or metastasis, and angiogenesis / neogenesis inhibitors, antitumor agents and / or Expected to be a cancer metastasis inhibitor. It is also useful for the prevention or treatment of AGE-related disorders, abnormalities and / or diseases of blood cells, diabetic complication treatment / prevention agent, arteriosclerosis treatment / prevention agent, thrombosis treatment / prevention agent, It can also be expected as an anti-inflammatory agent and / or an immunosuppressant. Furthermore, it can be expected as a therapeutic agent for Alzheimer, a therapeutic agent for joint destruction, and the like.
[0098]
Further, in the present invention, in the amino acid sequence of (a) soluble RAGE, a sequence ranging from the first amino acid residue to the 347th amino acid residue:
(b) a sequence ranging from the first amino acid residue to the 117th amino acid residue in the amino acid sequence of soluble RAGE: and
(c) Sequence in the range from the 332nd amino acid residue to the 347th amino acid residue in the amino acid sequence of soluble RAGE
It can be used to obtain a substance having an activity of suppressing or inhibiting the interaction between AGE and RAGE by applying a molecular design based on a substance selected from the group consisting of The substance thus obtained is also within the scope of the idea of the present invention and can be treated as the active ingredient of the present invention. Whether a particular feature is selected from the sequence, and (i) whether a pharmacophore is replaced with an isostere, or (ii) at least one of the constituent amino acid residues is replaced with a D-form amino acid residue (Iii) modify the side chain of the amino acid residue, (iv) place and link amino acid residues different from the amino acid residues present in the sequence, or (v) analyze the three-dimensional structure and mimic Designing the body, etc., can be carried out by utilizing the techniques adopted in this field (for example, Shinichi Suto, Volume 7 of Drug Development (Molecular Design), issued on June 25, 1990, Yodogawa Co., Ltd.) Bookstores and references and papers cited there). Some of these techniques include those described above.
In the specification and drawings, the terms are based on the meanings of terms used by the IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature or conventionally used in the art.
The hybridoma producing the anti-soluble RAGE monoclonal antibody described in Example 2 (g) described later: 269-9C2 was obtained from February 22, 2001, 1st Central, 1st Street, Tsukuba City, Ibaraki Prefecture. Address notation: 1-3-3 Higashi, Tsukuba City, Ibaraki Pref. (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, International Patent Organism Depositary: IPOD) ) (Former name: National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (NIBH)) and deposited (Accession No. FERM P-18218).
[0099]
【Example】
The present invention will be specifically described below with reference to examples. However, it should be understood that the present invention is not limited to these examples, and various embodiments based on the idea of the present specification are possible. is there.
All examples were performed or can be performed using standard techniques, except as otherwise described in detail, and are well known and routine to those skilled in the art. .
In the following examples, unless otherwise indicated, specific procedures and processing conditions are as follows for DNA cloning in J. Sambrook, EF Fritsch & T. Maniatis, “Molecular Cloning”, 2nd ed., Cold. Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989) and DM Glover et al. Ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press ( 1995); Especially in PCR, HA Erlich ed., PCR Technology, Stockton Press, 1989; DM Glover et al. Ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) and MA Innis et al. Ed., “PCR Protocols”, Academic Press, New York (1990), and use commercially available reagents or kits. If so, they use attached protocols (protocols) and attached chemicals.
As a reagent,
Tween 20: Bio-Rad
Skim milk: Morinaga Milk Industry
Trizma base: Sigma
Ethanolamine: Sigma
Other reagents were purchased from Wako Pure Chemical.
[0100]
Example 1
〔cell〕
Primary cultured human skin microvascular endothelial cells were obtained from Cascade Biologics, Inc. (Portland, OR) and poly (A) + Cells with passage numbers 5-10 were used for RNA purification.
[Polysome-derived poly (A) + (Separation of RNA)
Human skin microvascular endothelial cells cultured in a tissue culture flask were washed with ice-cold phosphate buffered saline and then scraped with a cell scraper. The cell suspension is centrifuged to collect the cells as a precipitate, and 0.25 M KCl, 10 mM MgCl 2 , 1mM EDTA, 0.25M sucrose (RNase free), 0.1mM DTT, 2mM 4- (2-aminoethyl) -benzenesulfonyl fluoride, 1,000u / ml RNase inhibitor (Ambion, Inc., Austin, TX) After suspending in a buffer solution (pH 7.6), it was crushed with a Dounce homogenizer. In order to remove cell nuclei and mitochondria, the cell lysate was centrifuged at 12,000 xg for 15 minutes, and the supernatant was collected. The obtained supernatant was centrifuged at 100,000 × g for 60 minutes, and the polysome fraction was recovered as a precipitate. From the obtained polysome fraction, using the Quickprep micro mRNA isolation kit (Amersham Pharmacia Biotech), poly (A) + RNA was purified.
[0101]
[Separation of soluble RAGE cDNA]
Poly (A) derived from human skin microvascular endothelial cell polysome + RNA was used as a template to synthesize cDNA using oligo (dT) primer and AMV-derived reverse transcriptase, and primers corresponding to exon 1 and exon 11 (see Fig. 1) of the RAGE gene (SEQ ID NO: 3, 5 in the sequence listing) '-GCCAGGACCCTGGAAGGAAGCA-3'; SEQ ID NO: 4, 5'-CTGATGGATGGGATCTGTCTGTG-3 ') and TaKaRa La Taq polymerase were used to amplify RAGE cDNA. The amplified RAGE cDNA was inserted into pCR2.1 (Invitrogen) to transform E. coli XL1-Blue. Plasmid DNA was purified from the resulting 32 recombinant Escherichia coli colonies, and nucleotide sequences were determined using an ABI377 sequencer (Aplied Biosystems Inc) to obtain cDNA encoding soluble RAGE.
The nucleotide sequence of the cDNA encoding the soluble RAGE thus determined and the amino acid sequence encoded by the open reading frame of the sequence are shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing. In addition, SEQ ID NO: 2 in the sequence listing shows the amino acid sequence of soluble RAGE. 2 to 4 show that the present invention is compared with a so-called recombinant solubilized RAGE (US5864018) artificially produced from transmembrane RAGE (fullRAGE) and RAGE cDNA having a transmembrane domain (US5864018). This shows the base sequence of nucleic acid encoding soluble RAGE (solubleRAGE). FIG. 5 shows the amino acid sequence of soluble RAGE (solubleRAGE) of the present invention compared with fullRAGE and US5864018. The soluble type RAGE (solubleRAGE) of the present invention is a native type (endogenous), and fullRAGE is a C-terminal portion of 16 amino acids (sequence Glu of SEQ ID NO: 2). 332 ~ Met 347 ) Is different.
[0102]
[Preparation of soluble RAGE expression vector]
5'-primer with EcoRI recognition sequence (SEQ ID NO: 5, 5'-GAGAATTCGCCAGGACCCTGGAAGGAAGCA-3 ') and 3'-primer with XbaI recognition sequence (arrangement) using cDNA encoding soluble RAGE as template Amplification was performed using SEQ ID NO: 6, 5′-GATCTAGAGATTGTTGACCATCCCCCCAG-3 ′) in the column table. The amplified DNA was purified, digested with EcoRI and XbaI, and inserted into the EcoRI and XbaI sites of the animal cell expression vector pCI-neo vector (Stratagen). The expression vector DNA was purified with a plasmid purification kit from QIAGEN (Valencia, Calif.), And the nucleotide sequence was confirmed using an ABI377 sequencer (Aplied Biosystems Inc).
[0103]
[Introduction of soluble RAGE expression vector into COS 7 cells and isolation of stable transformant]
The soluble RAGE expression vector was introduced into COS 7 cells using Tfx-20 reagent (Promega Corp., Madison, Wis.). 48 hours after introduction of the expression vector, G418 (Geneticin) was added to the cell culture medium, and a plurality of G418-resistant colonies were obtained 2 weeks later. The obtained clones were cultured separately, and the cell extract and culture medium were analyzed by Western blot using an anti-human RAGE antibody, and clones that highly expressed soluble RAGE were selected.
[Transformant culture]
Using a 150 mm dish for tissue culture, soluble RAGE overexpressing COS7 cells in Dulbecco's modified Eagle's medium containing 5% fetal calf serum and 500 μg / ml G418 at 37 ° C, 5% CO 2 After culturing to confluence under the conditions of 2+ / Mg 2+ -free), and the medium was completely removed. Subsequently, the cells were cultured in serum-free Dulbecco's modified Eagle medium for 48 hours. Thereafter, the culture medium was collected, and the supernatant obtained by centrifugation at 10,000 rpm for 20 minutes was filtered through a 0.22 μm membrane filter, and soluble RAGE was purified from the obtained treated medium according to the following method.
[0104]
[Purification of soluble RAGE protein]
4L of treatment medium was applied to HiTrap Heparin (column volume 3 x 5 ml, Amersham Pharmacia) equilibrated with 20 mM Tris-HCl (pH 7.4) at a flow rate of 3 ml / min, and 75 ml of 0.15 M NaCl containing 20 mM The column was washed with Tris-HCl (pH 7.4) at a flow rate of 2 ml / min. Subsequently, the heparin-binding substance bound to the column was eluted stepwise with 75 ml of 0.3 mM, 0.5 M and 1 M NaCl in 20 mM Tris-HCl pH7.4 at a flow rate of 2 ml / min. I drew it. The eluted soluble RAGE fraction was identified by Western blotting. Next, a soluble RAGE fraction diluted 5-fold with 50 mM sodium acetate buffer (pH 4.5) was added to a RESOURCE S 1 ml column (Amersham Pharmacia) equilibrated with 50 mM sodium acetate buffer (pH 4.5). Applying at a flow rate of 1 ml / min, the column was washed with 3 ml of 50 mM sodium acetate buffer containing 0.2 M NaCl at a flow rate of 1 ml / min. Next, using 5 ml of 50 mM sodium acetate buffer, apply a linear NaCl concentration gradient from 0.2 M to 1.0 M at a flow rate of 1 ml / min to elute the anion substances bound to the column sequentially. Fractionated one by one. The soluble RAGE fraction was determined by Western blotting. 2 ml of the soluble RAGE fraction obtained in PBS (Ca 2+ / Mg 2+ -free) equilibrated with HiTrap Desalting column (column volume 2 × 5 ml, Amersham Pharmacia) and PBS (Ca 2+ / Mg 2+ -free), and gel filtration was performed at a flow rate of 0.5 ml / min to collect a high molecular weight fraction. Thereafter, a soluble RAGE (sRAGE) concentrated solution was prepared by ultrafiltration using Centricon YM-3 (MILLIPORE) as necessary.
The purity of the purified sRAGE protein was evaluated by silver staining of the gel after separation of 10 ng protein equivalent by 10% SDS-PAGE. The result is shown in FIG. In FIG. 6, 1 is a silver stained image of the cell culture supernatant, and 2 is a silver stained image of the purified protein.
The above chromatograph is
[Expression 1]
Figure 0004171228
Using the system (Amersham Pharmacia), the eluate was monitored by measuring the absorbance at 230 nm, 280 nm and 300 nm.
[0105]
[Binding test between purified recombinant soluble RAGE protein and AGE]
The AGE binding ability of soluble RAGE was confirmed by surface plasmon resonance using BIACORE (Biacore, Sweden). The purified soluble RAGE protein was immobilized on Sensor chip CM5 (Biacore) using the amino coupling method. AGE-BSA prepared by aseptically incubating glucose and bovine serum albumin (BSA) at 37 ° C. for 12 weeks was added to the BIACORE microchannel system as an analyte at a concentration of 500 μg / ml. As a result, it did not react at all with the inline reference (control chip) or the chip on which immunoglobulin was immobilized, and showed specific binding only with the sensor chip on which soluble RAGE was immobilized.
[0106]
Example 2: Preparation of monoclonal antibodies
(a) Immunogen
As an antigen used for immunization, a synthetic peptide designed based on the amino acid sequence of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing, including recombinant soluble RAGE, can be used. Further, as the antigen used for immunization, recombinant soluble RAGE obtained by ligating the obtained cDNA to an animal cell expression vector and expressing it in CHO cells, COS cells, etc. can be used. These antigenic proteins can be purified by ion exchange, gel filtration or other various chromatography.
The purified antigen for immunization is immunized by a general method, antibody-producing cells are induced, and antibody-producing cells can be obtained as hybridomas by cell fusion. Furthermore, it can be established as a cloned and monoclonal antibody-producing hybridoma based on the reactivity with the purified antigen for immunization.
In addition, as an immunogen for obtaining a soluble RAGE-specific monoclonal antibody, a haptenized synthetic peptide having an amino acid sequence characteristic of soluble RAGE can be used. For example, at the C-terminus, at least three or more consecutively selected from Glu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met, preferably It is particularly preferred to contain 5 or more consecutive peptide sequences. Specifically, Cys-Glu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met (CEGFDKVREAEDSPQHM) is suitable as an immunogen.
[0107]
(b) Preparation of antigen polypeptide
A characteristic sequence is selected from the amino acid sequences of human soluble RAGE described in SEQ ID NO: 2 and synthesized. Peptides are synthesized by the Fmoc-bop method using a peptide synthesizer (peptide synthesizer 9600, MilliGen / Biosearch). Cysteine is introduced at the N-terminus of the polypeptide. The synthesized peptide is purified by high performance liquid chromatography using μBondasphere, C18 column (Waters). Cys-Glu-Gly-Phe-Asp-Lys-Val-Arg-Glu-Ala-Glu-Asp-Ser-Pro-Gln-His-Met [SEQ ID NO: 7] was synthesized and used in the following experiment.
(c) Preparation of polypeptide and BSA complex
It was combined with bovine serum albumin (BSA) via a cysteine residue to obtain an antigen conjugate. Mix 10.1 mg BSA dissolved in 1 mL 0.1 M phosphate buffer, pH 7.0 with 1.14 mg EMCS (N- (ε-maleimidecaproyloxy) -succinimide) dissolved in 24.9 μL dimethylformamide. The mixture is allowed to react at 30 ° C. for 30 minutes, and then the above mixture is subjected to gel filtration with a Sephadex G-25 (Pharmacia) gel column (diameter 13 mm, length 120 mm) equilibrated with 0.1 M phosphate buffer, pH 7.0. . The polypeptide synthesized in (b) is dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.0, and mixed in an approximately 50-fold molar amount with respect to maleimide-bound BSA. That is, maleimide-bound BSA is mixed with the polypeptide and incubated at 4 ° C. for 20 hours to prepare a BSA-polypeptide complex. The resulting BSA-polypeptide complex is diluted with 0.1 M phosphate buffer, pH 7.0, then dispensed in 150 μL aliquots and stored frozen at -30 ° C.
[0108]
(d) Preparation of antibody-producing cells
The BSA-polypeptide complex prepared in the above (c) was intraperitoneally administered to 6-week-old Balb / c female mice together with complete Freund's adjuvant for initial immunization. On the 18th day, a BSA-polypeptide complex dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.5 is intraperitoneally administered to the first immunized mouse and boosted. Further, on the approximately 52nd day, a BSA-polypeptide complex dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.5 is intravenously administered to make the final immunization. Four days later, the spleen is removed and a spleen cell suspension is prepared.
(e) Cell fusion
The following materials and methods are used for cell fusion. RPMI-1640 medium: RPMI-1640 (Flow Lab.) With sodium bicarbonate (24 mM), sodium pyruvate (1 mM), penicillin G potassium (50 U / ml), amikacin sulfate (100 μg / ml) and dry ice Adjust the pH to 7.2 and filter with 0.2 μm Toyo Membrane Filter. NS-1 medium: Fetal bovine serum (FCS, MA Bioproducts) that has been sterilized and filtered to the above RPMI-1640 medium is added to a concentration of 15% (v / v). PEG-4000 solution: Prepare a serum-free medium in which polyethylene glycol-4000 (PEG-4000, Merk & Co.) is added to RPMI-1640 medium at 50% (w / w).
Fusion with 8-azaguanine-resistant myeloma cells SP2 (SP2 / 0-Ag14) was performed by Oi et al. Described in Selected Method in culture immunology p351-372 (ed. BB Mishell and SN Shiigi), WH Freeman and Company (1980). The method is slightly modified.
[0109]
The nucleated spleen cells (live cell rate 100%) and myeloma cells (live cell rate 100%) prepared in (d) are fused at a ratio of approximately 5: 1 to 10: 1 by the following procedure. The polypeptide-immunized spleen cell suspension and myeloma cells are each washed with RPMI1640 medium. Next, suspend nucleated splenocytes and myeloma cells for suspension in the same medium. That is, approximately 4.0 x 10 8 Approximately 8.0 x 10 per nucleated splenocyte 7 Mix myeloma cells.
Next, each cell mixture is centrifuged to precipitate cells, and the supernatant is completely removed by aspiration. RPMI-1640 medium containing 50% PEG-4000 heated to 37 ° C on the precipitated cells (myeloma cells are approximately 3 × 10 7 (The volume is determined so that the number of cells / mL is reached) is dropped, and the cells are resuspended and dispersed. Next, RPMI-1640 medium heated to 37 ° C., which is twice the volume of RPMI-1640 medium containing 50% PEG-4000, is added dropwise. Furthermore, RPMI-1640 medium in a volume 7 times that of the added 50% PEG-4000-containing RPMI-1640 medium is added dropwise with constant stirring to disperse the cells. This is centrifuged and the supernatant is completely aspirated off. Next, myeloma cells are roughly 3 x 10 6 NS-1 medium warmed to 37 ° C / ml is immediately added to the precipitated cells, and the large cell mass is carefully dispersed by pipetting. Furthermore, add the same medium and dilute, and approximately 96 x 10 myeloma cells per well in a 96-well polystyrene well. Five Inoculate to be individual. The microwells to which the respective cells are added are cultured in 7% carbon dioxide / 93% air at a temperature of 37 ° C. and a humidity of 100%.
[0110]
(f) Selective growth of hybridomas on selective medium
(1) The culture media used are as follows.
HAT medium: Hypoxanthine (100 μM), aminopterin (0.4 μM) and thymidine (16 μM) are further added to the NS-1 medium described in (e) above.
HT medium: The same composition as the HAT medium except that aminopterin was removed.
(2) On the next day (1st day) after the start of the culture in (e) above, add 2 drops (about 0.1 ml) of HAT medium to the cells with a Pasteur pipette. On days 2, 3, 5, and 8, half of the medium (approximately 0.1 ml) is replaced with fresh HAT medium and on day 10 half of the medium is replaced with fresh HT medium. For all wells where growth of the hybridoma was observed with the naked eye, positive wells were examined by a solid phase-antibody binding test (ELISA). First, coat a 96-well polystyrene plate (100 ng / well) with the antigen polypeptide diluted in 20 mM carbonate buffer (pH 9.6), and then wash with PBS containing 0.05% Tween20 to remove unadsorbed peptide. except. Add 0.1 ml of culture supernatant from wells where growth of hybridoma has been confirmed to each well and let stand at room temperature for about 1 hour. After washing, horseradish peroxidase (HRP) -labeled goat anti-mouse immunoglobulin (Cappel) is added as a secondary antibody and allowed to stand at room temperature for about 1 hour. After washing, hydrogen peroxide as a substrate and 3,3 ′, 5,5′-tetramethylbenzidine (TMB) are added to cause color development. Add 2N sulfuric acid to each well to stop the color reaction, and measure the degree of color development at an absorbance of 450 nm using a microplate absorbance analyzer (MRP-A4, Tosoh).
[0111]
(g) Cloning of hybridoma
The hybridoma in the positive well for the antigenic peptide obtained in (f) above is monocloned using the limiting dilution method. That is, approximately 10 feeders per 1 ml of NS-1 medium. 7 A cloning medium containing mouse thymocytes is prepared, and the hybridomas are diluted to 96, 96, and 0.5 wells per well, and added to 36, 36, and 24 wells, respectively. On day 5 and 12, add approximately 0.1 ml NS-1 medium to all wells. The ELISA described in the section (f) is performed on the group in which sufficient hybridoma growth is observed macroscopically after the start of cloning and the colony formation negative well is 50% or more. If all the wells examined are not positive, select 4 to 6 wells with 1 colony in the antibody-positive well and repeat the cloning. Finally, a hybridoma producing a monoclonal antibody against each polypeptide is obtained. Four types of monoclonal antibodies were obtained.
(h) Determination of monoclonal antibody class and subclass
According to the ELISA described above, the hybridoma supernatant obtained in the above (g) is added to a polystyrene 96-well plate coated with each polypeptide. Next, after washing with PBS, an isotype-specific rabbit anti-mouse IgG antibody (Zymed Lab.) Is added. After washing with PBS, horseradish peroxidase-labeled goat anti-rabbit IgG (H + L) was added, and the class and subclass were determined using hydrogen peroxide and 2,2'-azino-di (3-ethylbenzothiazophosphate) as substrates. To do.
[0112]
[Table 1]
Figure 0004171228
[0113]
(i) Hybridoma culture and monoclonal antibody purification
The obtained hybridoma cells are cultured in NS-1 medium, and monoclonal antibodies can be obtained from the supernatant. The obtained hybridoma 10 7 The mice were also intraperitoneally administered to mice (Balb / c strain, female, 6 weeks of age) that received pristane intraperitoneally one week in advance. After 1-2 weeks, 4-7 mg / ml Ascites fluid containing antibodies can be obtained. The obtained ascites is salted out with 40% saturated ammonium sulfate, and then purified by adsorbing IgG class antibody onto Protein A Affigel (Bio-Rad) and eluting with 0.1 M citrate buffer, pH 5.0.
[0114]
Example 3: Western blotting
9 μl of culture supernatant of COS7 cells expressing human soluble RAGE, 750 ng of purified recombinant human full-length mature RAGE (membrane-type RAGE) and 150 ng of human lung extract protein under reducing conditions on 10% SDS-PAGE After separation, it was transferred to a polyvinylidene difluoride (PVDF) membrane (MILLIPORE). Subsequently, after blocking for 1 hour at room temperature with PBS containing 1% BSA, 5% skim milk and 0.1% Tween 20 (blocking buffer), hybridoma cell lines 269-1D10, 269- expressing human soluble RAGE-specific antibodies The culture supernatant of 4C9, 269-6B12 or 269-9C2 was incubated at 25 ° C. for 1 hour. Each membrane was washed 4 times with PBS containing 0.1% Tween 20 (0.1% PBS-T), and the bound antibody was diluted 1: 1,000 with blocking buffer to an HRP-conjugated sheep anti-mouse immunoglobulin antibody (Amersham Pharmacia) and 25. The reaction was carried out at ° C for 1 hour. After the reaction, the membrane was washed 4 times with 0.1% PBS-T, and the bound antibody was detected by Enhanced chemiluminescence (ECL, Amersham Pharmacia). The positive control was human soluble RAGE protein-expressing COS7 cell culture supernatant, human recombinant full-length mature RAGE protein and human lung extract protein 3 μl, 250 ng and 50 ng, respectively, diluted 1: 500 with blocking buffer The same treatment was carried out with rabbit anti-human RAGE antiserum and HRP-conjugated goat anti-rabbit IgG (H + L) antibody (Zymed) diluted 1: 2,000 with blocking buffer, and ECL was detected. The results are shown in FIG.
M: Molecular weight marker
1, 4, 7, 10, 16: Recombinant membrane type RAGE
2, 5, 8, 11, 17: Recombinant soluble RAGE
3, 6, 9, 12, 18: Human lung extract (including a lot of membrane RAGE)
result
Each monoclonal antibody did not cross-react with recombinant membrane type RAGE and human lung extract medium membrane type RAGE, but reacted with soluble type RAGE.
[0115]
Example 4: Sandwich EIA
According to the following method, at least one anti-soluble RAGE antibody prepared in Example 2 is selected, and human soluble RAGE is specifically detected and measured by an appropriate combination of two anti-RAGE antibodies. A sandwich EIA system can be configured. The EIA system can be either a one-step method or a two-step method, and the labeled antibody is not limited to Fab′-HRP. The composition and reaction conditions of each reaction buffer can be adjusted according to the purpose of measurement, such as shortening or extending. In addition, human soluble RAGE as a standard product can be purified from tissue culture supernatant, cell culture supernatant, or a recombinant expressed in Example 2 or other methods. Purification can be achieved by ion exchange, gel filtration, affinity chromatography using an anti-human soluble RAGE monoclonal antibody, or any other combination of affinity chromatography.
(a) Preparation of labeled antibody
Anti-human soluble RAGE monoclonal antibody is digested at 37 ° C. for 24 hours by adding 2% (W / W) of pepsin to 0.1 M acetate buffer solution, pH 4.2 containing 0.1 M NaCl. Add 3M Tris-HCl, pH 7.5 to the digest to stop the reaction. F (ab ') by gel filtration on Ultrogel AcA54 column equilibrated with 0.1M phosphate buffer, pH 7.0 2 Collect fractions. This F (ab ') 2 Add cysteamine hydrochloride to the fraction to a final concentration of 0.01M, reduce it at 37 ° C for 1.5 hours, and perform gel filtration on a Ultrogel AcA54 column equilibrated with 0.1M phosphate buffer containing 5 mM EDTA, pH 6.0. Collect the Fab 'fraction.
Separately from the above procedure, dissolve HRP in 0.1M phosphate buffer, pH 7.0, add 25 times molar amount of EMCS as HRP as DMF solution, and react at 30 ° C for 30 minutes. This is subjected to gel filtration with a NICK-5 column (Pharmacia) equilibrated with 0.1 M phosphate buffer, pH 6.0 to fractionate the maleimide-labeled HRP fraction.
Both fractions were mixed so that the Fab ′ fraction and maleimide-labeled HRP were equimolar and reacted at 4 ° C. for 20 hours, and then unreacted thiol groups were removed with N-ethylmaleimide in a 10-fold molar amount of Fab ′. To block. This is subjected to gel filtration with a Ultrogel AcA54 column equilibrated with 0.1 M phosphate buffer, pH 6.5, and the Fab′-HRP labeled antibody is collected. Add 0.1% BSA and 0.001% chlorhexidine to this and store at 4 ° C.
[0116]
(b) Preparation of monoclonal antibody binding carrier
Dissolve anti-human soluble RAGE monoclonal antibody in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.5, and adjust to a concentration of 50 μg / mL. Add 100 μL of this monoclonal antibody solution to a 96-well microplate per well and let stand at 4 ° C. for 18 hours. Remove the monoclonal antibody solution and once with physiological saline, 0.05% Tween20, 0.1M NaCl, 5mM CaCl 2 1% BSA, 0.1 M NaCl, 5 mM CaCl after washing 3 times with Tris-HCl buffer, pH 8.0 2 Block by adding Tris-HCl buffer, pH 8.0.
(C) One-step sandwich EIA method
A standard curve for quantification of human soluble RAGE is prepared using the purified human soluble RAGE fraction as a standard antigen. 1% BSA, 0.05% Brij35, 0.05% Tween20, 0.1M NaCl, 5mM CaCl 2 Disperse 60 μL of standard human soluble RAGE serially diluted with Tris-HCl buffer, pH 8.0, 1% BSA, 0.05% Brij35, 0.05% Tween 20, 0.1M NaCl, 5 mM CaCl 2 Add 60 μL of labeled antibody Fab′-HRP prepared to 100 ng / 50 μL in Tris-HCl buffer solution, pH 8.0, and mix well. Prepare antibody-bound microplates with 0.05% Tween20, 0.1M NaCl, 5mM CaCl 2 Wash 3 times with Tris-HCl buffer, pH 8.0, and add 100 μL / well of standard antigen and labeled antibody mixture. After 1 hour reaction at room temperature, 0.05% Tween20, 0.1M NaCl, 5mM CaCl 2 Wash 3 times with Tris-HCl buffer, pH 8.0. Next, add 100 μL of 0.01% 3,3 ', 5,5'-tetramethylbenzidine dissolved in 0.1 M acetic acid buffer (pH 5.5) containing 6% dimethylformamide and 0.005% hydrogen peroxide, After 20 minutes of reaction at room temperature, add 100 μL of 2N sulfuric acid to stop the reaction. Measure 450 nm of this reaction mixture using a microplate reader to obtain a standard curve.
Samples to be measured are human serum, spinal fluid, plasma, joint fluid, urine and saliva, body fluid components derived from humans, various human tissue extracts, cell extracts of various cultured cells such as human or recombinant cells, Prepared from Qing et al. Each measurement sample is subjected to the above-mentioned one-step sandwich EIA instead of the standard human soluble RAGE, and the reaction is allowed to proceed simultaneously with the standard human soluble RAGE. The absorbance obtained from the measurement sample is applied to a standard curve, and the amount of human soluble RAGE contained in the measurement sample is calculated.
[0117]
Example 5: Assay of human soluble RAGE monoclonal antibody
Western blotting
Human mature RAGE protein overexpressing GEN-T cell extract (750 ng protein equivalent), human soluble RAGE protein overexpressing COS 7 cell culture supernatant 3 μl, human lung extract (150 ng protein equivalent) and Rainbow Marker (Myosin, phosphorylase b, bovine serum albumin, ovalbumin, carbonic anhydrase, trypsin inhibitor, lysozyme 3 μg each) ) (Amersham Pharmacia) was separated by 10% SDS-PAGE under reducing conditions, transferred to Immobilon transmembrane (MILLIPORE), and the membrane was transferred to PBS / 0.1% Tween 20/5% skim milk solution at room temperature. Shake gently over time. Next, after the membrane was reacted at room temperature for 1 hour in the culture supernatant of clone numbers 269-1D10, -4C9, -6B12 and -9C2, it was washed 4 times with 0.1% Tween 20 / PBS solution for 15 minutes. did. Subsequently, in anti-mouse Ig (Anti-mouse Ig), horseradish peroxidase linked whole antibody (from sheep) (Amersham Pharmacia) diluted 1,000-fold with PBS / 0.1% Tween 20/5% skim milk solution at room temperature. The mixture was allowed to react for 1 hour and washed 4 times with a PBS / 0.1% Tween 20 solution for 15 minutes. Thereafter, the membrane was treated with ECL Western Blotting Detection System (Amersham Pharmacia), and the signal was detected with X-ray film. The results are shown in FIG. In FIG. 8, M: molecular weight marker (each 3 μg), R: human mature RAGE-His tag protein, CM: COS 7 cell overexpressing human soluble RAGE protein, and L: human lung extract. None of the monoclonal antibodies reacted with human mature RAGE and human lung extract, but reacted only with human soluble RAGE.
[0118]
Example 6: Immunoprecipitation
1 ml of Protein G Sepharose (Amersham Pharmacia) was centrifuged at 200 × g for 1 minute, the supernatant was removed, TSA was added, and the resin was washed three times in the same manner. Next, 600 μl of culture supernatant of human soluble RAGE overexpressing COS 7 cells centrifuged at 10,000 rpm for 20 minutes was added, gently stirred at room temperature for 2 hours, and centrifuged at 200 × g for 1 minute. . 50 μg each of soluble RAGE monoclonal antibodies 269-1D10, 269-9C2 or normal mouse immunoglobulin dissolved in 100 μl of PBS was added to 50 μl of resin washed with TSA as above, and allowed to stand at 4 ° C. for 2 hours with occasional stirring. . Next, the mixture was centrifuged at 200 × g for 1 minute, and the supernatant was discarded. Then, 150 μl of the culture supernatant was dispensed and left at 4 ° C. for 2 hours with occasional stirring. After centrifugation at 200 × g for 1 minute and discarding the supernatant, 500 μl of TSA was added and the resin was washed three times in the same manner. Finally, 500 μl of Tris-HCl pH 6.8 was added to wash the resin, and then centrifuged at 200 × g for 1 minute, and the supernatant was discarded. Sample buffer (0.05 M Tris-HCl, pH 6.8 / 2% SDS / 0.6% 2-mercaptoethanol / 10% glycerol / 0.005% bromophenol blue) 50 μl was added, heated at 100 ° C. for 3 minutes, and 20 μl of the supernatant centrifuged at 200 × g for 1 minute was separated by 10% SDS-PAGE. After separation, the membrane was transferred to an Immobilon transmembrane (MILLIPORE), and the membrane was gently shaken in a PBS / 0.1% Tween 20/5% skim milk solution at room temperature for 1 hour. Next, the membrane was reacted in a 5 μg / ml rabbit anti-human soluble RAGE polyclonal antibody / PBS / 0.1% Tween 20/5% skim milk solution at room temperature for 1 hour, and then in a 0.1% Tween 20 / PBS solution for 15 minutes. Washed 4 times. Subsequently, in anti-mouse Ig (Anti-mouse Ig), horseradish peroxidase linked whole antibody (from sheep) (Amersham Pharmacia) diluted 1,000-fold with PBS / 0.1% Tween 20/5% skim milk solution at room temperature. The mixture was allowed to react for 1 hour and washed 4 times with a PBS / 0.1% Tween 20 solution for 15 minutes. Thereafter, the membrane was treated with ECL Western Blotting Detection System (Amersham Pharmacia), and the signal was detected with X-ray film. The results are shown in FIG. In FIG. 9, 1: monoclonal antibody 269-1D10, 2: monoclonal antibody 269-9C2, and 3: normal mouse immunoglobulin are shown. Anti-soluble RAGE monoclonal antibody binding affinity column trapped human soluble RAGE. The mouse normal immunoglobulin binding affinity column used as a control could not trap human soluble RAGE.
[0119]
Example 7: Preparation of human soluble RAGE immunoaffinity column
Dissolvable PD-10 column (Amersham Pharmacia) is used to couple the solvent of human soluble RAGE monoclonal antibody 269-1D10 to a coupling buffer (0.2 M NaHCO Three , 0.5 M NaCl, pH 8.3). 1 ml of the above human soluble RAGE monoclonal antibody solution was injected into 1 ml of HiTrap NHS-activated (Amersham Pharmacia) washed with 6 ml of ice-cold 1 mM hydrochloric acid and allowed to react at room temperature for 30 minutes. Then inject 3 ml of coupling buffer into the column, add 1 ml of 2M Glycine-HCl, pH 2.0 to the eluate, and add A 280 And the coupling efficiency was calculated. The column was washed sequentially with 6 ml Buffer A (0.5 M ethanolamine, 0.5 M NaCl, pH 8.3) and 6 ml Buffer B (0.1 M acetate, 0.5 M NaCl, pH 4.0), and then 6 ml Buffer A was added. Poured and left at room temperature for 30 minutes. The column was again washed sequentially with 6 ml Buffer B and 6 ml Buffer A, and finally with 6 ml Buffer A. The column is 2 ml stock solution (0.05 M Na 2 HPO Four , 0.1% NaN Three , pH 7.0) was stored at 4 ° C. after injection. All the above operations were performed at a flow rate of 200 μl / min.
[0120]
Example 8: Separation of soluble RAGE protein from human serum
A soluble RAGE immunoaffinity column prepared according to the above method was attached to the SMART system, 5 ml start buffer (start buffer: 50 mM Tris-HCl, 150 mM NaCl, pH 8.0), 5 ml elution buffer (elution buffer: After washing sequentially with 100 mM glycine-HCl, 150 mM NaCl, pH 2.5), the column was equilibrated with 10 ml start buffer. Next, 8 ml of start buffer (start buffer) is added to 2 ml of human serum filtered with MILLEX-GV 0.22 μm Filter Unit (MILLIPORE), applied to the column at a flow rate of 100 μl / min, and 10 ml of start buffer (start buffer). Washed. Subsequently, while monitoring the eluate by ultraviolet absorption at 230 nm, 280 nm, and 300 nm, the bound product was eluted with 3 ml of elution buffer, and 100 μl was fractionated. 0.9 times the amount of trichloroacetic acid was added to the obtained peak fraction, left in ice for 30 minutes, centrifuged at 15,000 rpm for 20 minutes, then the supernatant was discarded and 750 μl of ethanol was added and centrifuged again at 15,000 rpm for 5 minutes. The supernatant was discarded and air-dried. The resulting precipitate was developed by 10% SDS-PAGE under reducing conditions, transferred to Immobilon transmembrane (MILLIPORE), and the membrane was transferred to PBS / 0.1% Tween20 / 5% skim milk solution at room temperature for 1 hour. Shake gently. Next, the membrane was reacted in a 5 μg / ml rabbit anti-human soluble RAGE polyclonal antibody / PBS / 0.1% Tween 20/5% skim milk solution at room temperature for 1 hour, and then with a PBS / 0.1% Tween 20 solution. Washed 4 times for 4 minutes. Subsequently, the membrane was reacted with 1.5 μg / ml anti-rabbit IgG (H + L) HRP conjugate (Zymed) /PBS/0.1% Tween20 / 5% skim milk solution at room temperature for 1 hour, and PBS / 0.1% Washed 4 times with Tween 20 solution for 15 minutes. Thereafter, the membrane was treated with ECL Western Blotting Detection System (Amersham Pharmacia), and the signal was detected with X-ray film. The results are shown in FIG.
The soluble RAGE in human serum was trapped with an anti-soluble RAGE monoclonal antibody-binding affinity column, and it was confirmed by Western blot that the trapped protein was human RAGE. From this, it was confirmed that soluble RAGE lacking the C-terminus of RAGE protein exists in human serum.
[0121]
Example 9: Examination of AGE neutralization of soluble RAGE
(Effect of soluble RAGE on AGE-induced enhancement of VEGF expression)
25 cm for the experiment 2 Primary cultured human skin microvascular endothelial cells (purchased from Cascade Biologics, Inc., Portland, OR, Kurabo, Osaka) cultured to subconfluent in a flask were used. Cells are fresh 5% fetal bovine serum, 5 ng / ml basic fibroblast growth factor, 10 μg / ml heparin containing Hu-Media MV2 medium (assay medium) and then replaced with assay medium (1) not added, (2) added 10 μg / ml AGE2-BSA, (3) added 10 μg / ml AGE2-BSA and 25 μg / ml purified soluble RAGE, 37 ° C Incubated for 4 hours. After treatment, poly (A) from cells + RNA was isolated using Quickprep micro mRNA isolation kit (Amersham Pharmacia Biotech), and VEGF mRNA was detected using SuperScript One-Step RT-PCR kit (GIBCO BRL). Poly (A) used for VEGF mRNA amplification + The amount of RNA is 30 ng and the number of PCR cycles is 30. Β-actin was used as an internal control (30 ng, 20 cycles). After separating RT-PCR products by 3% agarose gel electrophoresis, alkaline transfer to nylon membrane, 32 Hybridization was performed with a P-labeled VEGF specific oligonucleotide probe. Primers and probes for VEGF mRNA amplification are the same as Nomura et al., J. Biol. Chem. 1995.
The results are shown in FIG. The level of VEGF mRNA expression in primary cultured human skin microvascular endothelial cells increases approximately 2-fold by the addition of AGE, but when AGE and soluble RAGE coexist, soluble RAGE acts as a dominant negative, and AGE mRNA levels by AGE Was prevented.
[0122]
Example 10: Sandwich assay for specifically measuring human soluble RAGE
(Measurement system A)
(a) Preparation of monoclonal antibody-binding carrier
Anti-human soluble RAGE monoclonal antibody 278-13F11 was dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.5, and prepared to a concentration of 25 μg / mL. This monoclonal antibody solution was added to a 96-well microplate at 100 μL per well and allowed to stand at 4 ° C. for 16-24 hours. Remove the monoclonal antibody solution, wash once with purified water, add 300 μL of 1 mM BSA, 0.15 M NaCl, 0.001% chlorohexidine in 10 mM phosphate buffer, pH 7.0, and leave at 4 ° C. for 24 hours or longer. Blocked.
(b) Preparation of polyclonal antibody
Synthetic peptide [SEQ ID NO: 7] was conjugated to KLH by MBS method, and rabbit was immunized to obtain antiserum. The antiserum was purified using an affinity column coupled with the same synthetic peptide.
[0123]
(c) Sandwich EIA method using polyclonal antibody
A standard curve was prepared using the purified human soluble RAGE fraction as a standard antigen (FIG. 12). The prepared monoclonal antibody-binding carrier was washed once with 300 μL of 5 mM phosphate buffer containing 30 mM NaCl and 0.01% Tween 20, pH 7.0 (washing solution A). 1% BSA, 0.1 M NaCl, 15% Block Ace (Dainippon Pharmaceutical), 35 μg / mL HAMA reagent-containing 10 mM phosphate buffer, pH 7.0 (Buffer A) adjusted to 1.7 μg / mL 160 μL of soluble RAGE C-terminal peptide polyclonal antibody was added to each antibody-binding plate. Furthermore, 40 μL of the prepared standard solution or measurement sample was added and mixed well with a microplate mixer, and then a seal was attached to prevent the reaction solution from evaporating and left at 4 ° C. for 16 to 24 hours. Washing was performed 4 times with 300 μL per well of Washing Solution A, and 100 μL of anti-rabbit IgG peroxidase-labeled antibody (Amersham Pharmacia) diluted 5000-fold with Buffer A was added and allowed to stand at 25 ° C. for 2 hours. Wash 4 times with Wash Solution A, 300 μL per well, 0.1 mg / mL 3, 3 ', 5, 5'-tetramethylbenzidine, 0.0075% hydrogen peroxide, 1% DMF in 0.1M citrate buffer, pH 4.0 Was added in 100 μL aliquots and allowed to stand at 25 ° C. for 30 minutes. The reaction was stopped by adding 100 μL of 2N sulfuric acid, the reaction mixture was measured at a wavelength of 450 nm, and the measured value of the specimen was obtained from a standard curve.
[0124]
Example 11: Sandwich assay for specifically measuring human soluble RAGE
(Measurement system B)
(a) Preparation of monoclonal antibody-binding carrier
Anti-human soluble RAGE C-terminal peptide monoclonal antibody 269-1D10 was dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.5, and prepared to a concentration of 25 μg / mL. Add 100 μL of this monoclonal antibody solution per well to a 96-well microplate and let stand at 4 ° C. for 16-24 hours. Remove the monoclonal antibody solution, wash once with purified water, add 1% BSA, 0.15 M NaCl, 0.001% chlorohexidine in 10 mM phosphate buffer, pH 7.0, 300 μL at a time, and leave at 4 ° C. for 24 hours or longer to block. did.
(b) Sandwich EIA method using monoclonal antibody
A standard curve was prepared using the purified human soluble RAGE fraction as a standard antigen (FIG. 13). The prepared monoclonal antibody-binding carrier was washed once with 300 μL of washing solution A. 160 μL of enzyme-labeled antibody solution (278-3A6, IgG-HRP) prepared to 1 μg / mL with buffer A was added to the antibody-binding plate. Furthermore, 40 μL of the prepared standard solution or measurement sample was added and mixed well with a microplate mixer, and then a seal was attached to prevent the reaction solution from evaporating and left at 4 ° C. for 16 to 24 hours. Wash 4 times with Wash Solution A at 300 μL per well, 0.1 mg / mL 3, 3 ', 5, 5'-tetramethylbenzidine, 0.0075% hydrogen peroxide, 0.1M citrate buffer with 1% DMF, pH 4.0 Add 100 μL each and leave at 25 ° C for 30 minutes. The reaction was stopped by adding 100 μL of 2N sulfuric acid, the reaction mixture was measured at a wavelength of 450 nm, and the measured value of the specimen was obtained from a standard curve.
[0125]
Example 12: Sandwich assay specifically measuring human soluble and membrane RAGE
(Measurement system C)
(a) Preparation of monoclonal antibody-binding carrier
Anti-human soluble RAGE monoclonal antibody 278-13F11 was dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.5, and prepared to a concentration of 25 μg / mL. Add 100 μL of this monoclonal antibody solution per well to a 96-well microplate and let stand at 4 ° C. for 16-24 hours. Remove the monoclonal antibody solution, wash once with purified water, add 1% BSA, 0.15 M NaCl, 0.001% chlorohexidine in 10 mM phosphate buffer, pH 7.0, 300 μL at a time, and leave at 4 ° C. for 24 hours or longer to block. did.
(b) Sandwich EIA method using monoclonal antibody
A standard curve was prepared using the purified human soluble RAGE fraction as a standard antigen (FIG. 14). The prepared monoclonal antibody-binding carrier was washed once with 300 μL of washing solution A. 100 μL of enzyme-labeled antibody solution (278-3A6, IgG-HRP) prepared to 1 μg / mL with buffer A was added to the antibody-binding plate. Furthermore, 20 μL of the prepared standard solution or measurement sample was added, and after mixing well with a microplate mixer, the mixture was allowed to stand at 25 ° C. for 1 to 2 hours. Wash 4 times with Wash Solution A at 300 μL per well, 0.1 mg / mL 3, 3 ', 5, 5'-tetramethylbenzidine, 0.0075% hydrogen peroxide, 0.1M citrate buffer with 1% DMF, pH 4.0 Was added in 100 μL aliquots and allowed to stand at 25 ° C. for 30 minutes. The reaction was stopped by adding 100 μL of 2N sulfuric acid, the reaction mixture was measured at a wavelength of 450 nm, and the measured value of the specimen was obtained from a standard curve.
[0126]
[Specificity of each measurement system]
In all of measurement systems A, B, and C, a good standard curve could be drawn in the range of 0.1 to 6.4 ng / mL using human soluble RAGE as a standard substance.
Membrane-type RAGE overexpressing COS-7 cells were cultured to confluence, the medium was removed, and the cell layer was washed with PBS. Thereafter, the cells were lysed with 20 mM Tris-HCl, pH 7.4 containing 1% n-Octylglucoside, 0.1 M NaCl, 1 mM PMSF, and the centrifuged supernatants were respectively A, B, and C using soluble RAGE as a standard substance. The measurement system of The measurement value in the measurement system C was 48 ng / mL, but in the measurement systems A and B, they were 0 ng / mL and 2.7 ng / mL, respectively (FIG. 15). From these, it was confirmed that the measurement system C recognizes both soluble type and membrane type RAGE, and the measurement systems A and B recognize only soluble type RAGE.
[0127]
[Measurement of soluble RAGE in human blood using measurement system A]
Diabetes disease duration 7.8-17.3 years (average 12.5 ± 2.6 years), measurement system A that specifically measures human soluble RAGE in type I diabetic sera and plasma treated only with subcutaneous insulin self-injection therapy Measured with
The degree of progression of retinopathy was classified into normal and simple retinopathy based on the fundus findings. As for nephropathy, the urinary albumin / creatinine ratio by urine was determined to be less than 30 mg / g as early stage nephropathy and 30-299 mg / g as early stage nephropathy according to the revision plan of the Ministry of Health and Welfare. Patient samples with preproliferative retinopathy, proliferative retinopathy and overt nephropathy and patients with renal failure with serum creatinine value of 2 mg / dL or higher were excluded. Patients with no retinopathy and nephropathy (no complication group), patients with simple retinopathy without nephropathy (simple retinopathy patient group), and early nephropathy without retinopathy The amount of soluble RAGE in the blood was measured using a measurement system A between patient groups (early nephropathy patient group) and statistically analyzed.
As a result, the amount of soluble RAGE in the group without complications (diabetes morbidity 12.1 ± 2.3 years) was as follows: patients with simple retinopathy (diabetes morbidity 13.1 ± 2.6 years), patients with early nephropathy (diabetes morbidity 11.7 years) (P + 2.5 years) and significant (p <0.005, p A high value was observed at <0.05) (Fig. 16).
There are individual differences in the onset of diabetic complications, and it is known that about 30%, especially in nephropathy, is susceptible. In this study, the amount of soluble RAGE in the blood in the complication-free group was significantly higher than that in the simple retinopathy patient group and the early nephropathy patient group. This suggests that the genetic difference in the expression of soluble RAGE among individuals during the onset of diabetic complications is one of the determinants of susceptibility / resistance to diabetic complications. The possibility of functioning protectively against the occurrence of the disease was considered. That is, the possibility of predicting the susceptibility and resistance to diabetic complications by quantifying soluble RAGE was suggested.
[0128]
【The invention's effect】
It is possible to measure natural soluble RAGE and is useful for diagnosis of diseases caused by the interaction between AGE and RAGE, investigation of the cause of diabetic complications, diagnosis and risk prediction. It is possible to create an active substance such as a monoclonal antibody against human soluble RAGE protein and to develop a measurement system for the protein using this, for predicting the risk of developing or developing diabetic complications. Useful. In addition, it is possible to develop a compound that controls the production of soluble RAGE, and it is useful for diagnosis of cancer metastasis and invasion.
The soluble RAGE of the present invention is a naturally occurring peptide (endogenous peptide or endogenous peptide) that exists in vivo, and differs from the RAGE protein in 16 amino acid residues at the C-terminal portion. The soluble RAGE of the present invention is a natural form produced endogenously, so it is physiological, has a low risk of forming an antibody, and has developed an orally soluble soluble RAGE production control compound and drug. Then, if the expression of the soluble RAGE of the present invention can be induced by such a medicine, it is possible to protect diabetic patients from complications without causing pain. INDUSTRIAL APPLICABILITY According to the present invention, it is possible to design and obtain an endogenous soluble RAGE polypeptide or a salt thereof, as well as mutants, modifications, derivatives and the like based on the endogenous soluble RAGE polypeptide, and nucleic acids encoding them, the nucleic acids A host cell transformed with the vector, a disease associated with endogenous soluble RAGE, such as diabetic complications, various diseases associated with aging, Alzheimer's disease, arteriosclerosis, in vivo protein It is useful for studying the onset and / or progression of diseases or illnesses caused by glycation of drugs, and pathological conditions or symptoms such as tumor invasion or spread. It can be expected to open the way.
It will be apparent that the invention may be practiced otherwise than as particularly described in the foregoing description and examples. Many modifications and variations of the present invention are possible in light of the above teachings, and thus are within the scope of the claims appended hereto.
[0129]
[Sequence Listing]
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228
Figure 0004171228

[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the structure of the human RAGE gene and the molecular diversity of the RAGE protein produced by alternative splicing of the RAGE gene transcript. The C-terminal deletion soluble type corresponds to the soluble type RAGE of the present invention.
[Fig. 2] The soluble RAGE of the present invention is compared with a transmembrane RAGE (fullRAGE) and a so-called solubilized RAGE (US5864018) artificially produced from a fullRAGE gene having a transmembrane domain. Shows the base sequence of the encoding nucleic acid (solubleRAGE).
FIG. 3 shows the base sequences of fullRAGE, US5864018 and solubleRAGE following FIG.
FIG. 4 shows the base sequences of fullRAGE, US5864018 and solubleRAGE following FIG.
FIG. 5 shows the amino acid sequence of soluble RAGE of the present invention compared to fullRAGE and US5864018.
FIG. 6 shows an electrophoresis photograph after 10% SDS-PAGE separation of sRAGE protein. 1 is a silver-stained image of the cell culture supernatant, and 2 is a silver-stained image of the purified protein.
FIG. 7 shows the results of Western blotting using the anti-soluble RAGE monoclonal antibody of the present invention.
FIG. 8 shows an electrophoretogram of the results of Western blotting of hybridoma clones.
After separating mature RAGE (R), soluble RAGE overexpressing COS 7 cell culture supernatant (CM), human lung extract protein (L) and molecular weight marker (M) containing 7 kinds of proteins by SDS-PAGE, Western blotting was performed using the supernatant of the hybridoma culture producing the anti-soluble RAGE monoclonal antibody.
FIG. 9 shows an electrophoresis photograph of the result of immunoprecipitation using a soluble RAGE monoclonal antibody.
Soluble RAGE monoclonal antibody 269-1D10 (1), 269-9C2 (2) or protein G Sepharose conjugated with normal mouse immunoglobulin (3) The protein was immunoprecipitated, separated by SDS-PAGE, and soluble RAGE was detected by Western blotting.
[Fig. 10] Obtained from the elution pattern and peak fraction obtained as a result of immunoaffinity column chromatography using anti-human soluble RAGE monoclonal antibody to detect soluble RAGE protein present in human serum. An electrophoretic photograph of the resulting precipitate is shown.
2 ml of human serum was applied to an immunoaffinity column bound with 2.5 mg of human soluble RAGE monoclonal antibody 269-1D10, and column chromatography was performed. The peak fraction (fraction no. 16 to 18) was treated with TCA, the precipitate was developed by SDS-PAGE, and Western blotting was performed using a rabbit anti-human soluble RAGE polyclonal antibody.
FIG. 11 shows neutralizing action of AGE endothelial action by soluble RAGE.
After treatment of primary cultured human skin microvascular endothelial cells in (1) not added, (2) 10 μg / ml AGE2-BSA added, (3) 10 μg / ml AGE2-BSA and 25 μg / ml purified soluble RAGE added culture medium, Poly (A) than cells + RNA was isolated and VEGF mRNA was detected.
FIG. 12 shows a standard curve of a soluble RAGE fraction (standard antigen) obtained by a human soluble RAGE measurement sandwich assay system (measurement system A) using an anti-human soluble RAGE antibody.
FIG. 13 shows a standard curve of a soluble RAGE fraction (standard antigen) obtained by a human soluble RAGE measurement sandwich assay system (measurement system B) using an anti-human soluble RAGE antibody.
FIG. 14: Standard curve of soluble RAGE fraction (standard antigen) obtained by sandwich assay system (measurement system C) specific for human soluble type and membrane type RAGE using anti-human soluble type RAGE antibody Indicates.
FIG. 15 shows the results of measuring lysates (supernatant) of membrane-type RAGE overexpressing COS-7 cells with measurement systems A, B and C. Soluble RAGE was used as a standard substance.
FIG. 16 shows the results of measuring human soluble RAGE in blood using measurement system A for type I diabetic patients.

Claims (5)

(1)以下の(i)または(ii)のアミノ酸配列からなり且つ後期糖化反応生成物(Advanced glycation endproducts, AGE)と結合する活性を有する可溶型蛋白質:
(i) 配列表の配列番号:2のアミノ酸配列
(ii) 配列表の配列番号:2のアミノ酸番号332〜347のうちの少なくとも7〜16個の連続したアミノ酸配列を有し、且つ、上記(i)のアミノ酸配列のアミノ酸の一部が欠損、置換若しくは付加され、その結果上記(i)のアミノ酸配列から変異しているアミノ酸の数が10個以内であるアミノ酸配列
に対する抗体であり且つ配列表の配列番号:2のアミノ酸番号332〜347のうちの少なくとも7〜16個の連続したアミノ酸配列と特異的に免疫反応する抗体、あるいは、
(2) 配列表の配列番号:2のアミノ酸番号332〜347のうちの少なくとも7〜16個の連続したアミノ酸配列からなるペプチドに対する抗体。
(1) A soluble protein comprising the following amino acid sequence (i) or (ii) and having an activity of binding to an advanced glycation endproducts ( AGE ):
(i) Amino acid sequence of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing
(ii) having at least 7 to 16 consecutive amino acid sequences of amino acid numbers 332 to 347 of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing, and a part of the amino acids of the amino acid sequence of (i) above being deleted, Among the amino acid numbers 332 to 347 of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing, which is an antibody against an amino acid sequence which is substituted or added, and as a result, has no more than 10 amino acids mutated from the amino acid sequence of (i) above An antibody that specifically immunoreacts with at least 7 to 16 consecutive amino acid sequences, or
(2) An antibody against a peptide comprising a continuous amino acid sequence of at least 7 to 16 of amino acid numbers 332 to 347 of SEQ ID NO: 2 in the Sequence Listing.
請求項1に記載の抗体を測定試薬として用いることを特徴とする
(1)以下の(i)または(ii)のアミノ酸配列からなり且つ後期糖化反応生成物と結合する活性を有する可溶型蛋白質またはその塩:
(i) 配列表の配列番号:2のアミノ酸配列
(ii) 配列表の配列番号:2のアミノ酸番号332〜347のうちの少なくとも7〜16個の連続したアミノ酸配列を有し、且つ、上記(i)のアミノ酸配列のアミノ酸の一部が欠損、置換若しくは付加され、その結果上記(i)のアミノ酸配列から変異しているアミノ酸の数が10個以内であるアミノ酸配列、
または
(2) 配列表の配列番号:2のアミノ酸番号332〜347のうちの少なくとも7〜16個の連続したアミノ酸配列からなるペプチドまたはその塩
の免疫学的測定方法。
The antibody according to claim 1 is used as a measurement reagent.
(1) A soluble protein or salt thereof comprising the following amino acid sequence (i) or (ii) and having an activity of binding to a late glycation reaction product:
(i) Amino acid sequence of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing
(ii) having at least 7 to 16 consecutive amino acid sequences of amino acid numbers 332 to 347 of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing, and a part of the amino acids of the amino acid sequence of (i) above being deleted, An amino acid sequence in which the number of amino acids that have been substituted or added and consequently mutated from the amino acid sequence of (i) above is within 10;
Or
(2) A method for immunologically measuring a peptide consisting of at least 7 to 16 consecutive amino acid sequences of amino acid numbers 332 to 347 of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing or a salt thereof.
請求項1に記載の抗体を含むことを特徴とする組成物。 A composition comprising the antibody according to claim 1. 請求項1に記載の抗体を含むことを特徴とする
(1)以下の(i)または(ii)のアミノ酸配列からなり且つ後期糖化反応生成物と結合する活性を有する可溶型蛋白質またはその塩:
(i) 配列表の配列番号:2のアミノ酸配列
(ii) 配列表の配列番号:2のアミノ酸番号332〜347のうちの少なくとも7〜16個の連続したアミノ酸配列を有し、且つ、上記(i)のアミノ酸配列のアミノ酸の一部が欠損、置換若しくは付加され、その結果上記(i)のアミノ酸配列から変異しているアミノ酸の数が10個以内であるアミノ酸配列、
または
(2) 配列表の配列番号:2のアミノ酸番号332〜347のうちの少なくとも7〜16個の連続したアミノ酸配列からなるペプチドまたはその塩
の免疫学的測定試薬。
The antibody according to claim 1 is included.
(1) A soluble protein or salt thereof comprising the following amino acid sequence (i) or (ii) and having an activity of binding to a late glycation reaction product:
(i) Amino acid sequence of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing
(ii) having at least 7 to 16 consecutive amino acid sequences of amino acid numbers 332 to 347 of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing, and a part of the amino acids of the amino acid sequence of (i) above being deleted, An amino acid sequence in which the number of amino acids that have been substituted or added and consequently mutated from the amino acid sequence of (i) above is within 10;
Or
(2) An immunoassay reagent for a peptide consisting of at least 7 to 16 consecutive amino acid sequences of amino acid numbers 332 to 347 of SEQ ID NO: 2 in the sequence listing or a salt thereof.
請求項1記載の抗体を含有していることを特徴とする後期糖化反応生成物とそのレセプターの間の相互作用、後期糖化反応生成物と結合する活性を有する可溶型蛋白質の発現量及び/又は後期糖化反応生成物捕捉活性の変化に起因した疾患診断剤。 An interaction between the late saccharification reaction product and its receptor, the expression level of a soluble protein having an activity of binding to the late saccharification reaction product, comprising the antibody according to claim 1 and / or Alternatively, a diagnostic agent for a disease caused by a change in capture activity of late saccharification reaction product.
JP2002048096A 2001-03-19 2002-02-25 Soluble type RAGE measurement method Expired - Lifetime JP4171228B2 (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002048096A JP4171228B2 (en) 2001-03-19 2002-02-25 Soluble type RAGE measurement method

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001078409 2001-03-19
JP2001-78409 2001-03-19
JP2001-243114 2001-08-10
JP2001243114 2001-08-10
JP2002048096A JP4171228B2 (en) 2001-03-19 2002-02-25 Soluble type RAGE measurement method

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003128700A JP2003128700A (en) 2003-05-08
JP4171228B2 true JP4171228B2 (en) 2008-10-22

Family

ID=27346281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002048096A Expired - Lifetime JP4171228B2 (en) 2001-03-19 2002-02-25 Soluble type RAGE measurement method

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4171228B2 (en)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005337952A (en) * 2004-05-28 2005-12-08 Kanazawa Univ Tlo Inc Life-style related disease prediction factor
JP4779115B2 (en) * 2005-12-16 2011-09-28 国立大学法人東北大学 Postoperative prognostic method for early lung cancer
AU2007226863A1 (en) * 2006-03-21 2007-09-27 Wyeth Methods for preventing and treating amyloidogenic diseases
JP4933159B2 (en) * 2006-06-02 2012-05-16 国立大学法人金沢大学 Diagnostic method for Alzheimer's disease
JP6445861B2 (en) * 2014-12-18 2018-12-26 国立大学法人金沢大学 Sample pretreatment method for oxytocin detection

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003128700A (en) 2003-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3837494B2 (en) Soluble RAGE protein
JP4465148B2 (en) Nogo receptor homolog
WO2002006483A1 (en) Novel physiologically active peptide and use thereof
JP2006136323A (en) New polypeptide and nucleic acid encoding the same
US8604162B2 (en) Collectin
EP1586325A1 (en) Drugs containing galectin 9
JP4171228B2 (en) Soluble type RAGE measurement method
WO2006068326A1 (en) Novel polypeptide and the use thereof
JP2003189874A (en) Agent for regulating galectin-9 activity
JP2008509655A (en) UNC5H2 splice variant
JP2004244411A (en) Medicament containing galectin-9
WO2007037245A1 (en) Polypeptide having anti-angiogenic activity
JP2003321494A (en) Method for adjusting activation of prommp-7
US20070031415A1 (en) Regulation of interaction between rapl and rap1
JP2006180813A (en) Aminopeptidase o and its use
BRPI0616438A2 (en) protein, polynucleotide, antibody against a secretory or membrane protein, or a functional fragment thereof, hybridoma, therapeutic agent for an autoimmune disease, agent for inhibiting t-cell adhesion, and method for screening for a substance
JPWO2004069869A1 (en) Apoptosis-inducing genes and their use
JP2003000249A (en) ACTIVATION OF proMMP-2 WITH CLAUDINS THROUGH MT-MMPs
JP2003180384A (en) Adamts-15, -16, -17, -18 and -19
KR20030074805A (en) Neurotonin and use thereof
JP2004166695A (en) CONTROL OF RAPL-Rap1 INTERACTION
WO2007119623A1 (en) Novel use of g-protein-conjugated receptor and ligand thereof
US20040115682A1 (en) Novel scavenger receptor class a protein
GB2546773A (en) Cancer
JP2000157263A (en) Novel human cathepsin y protein, and gene encoding the same, and their uses

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080729

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080808

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4171228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140815

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term