[go: nahoru, domu]

JP4201987B2 - 血管閉塞を治療するための方法および装置 - Google Patents

血管閉塞を治療するための方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4201987B2
JP4201987B2 JP2000568543A JP2000568543A JP4201987B2 JP 4201987 B2 JP4201987 B2 JP 4201987B2 JP 2000568543 A JP2000568543 A JP 2000568543A JP 2000568543 A JP2000568543 A JP 2000568543A JP 4201987 B2 JP4201987 B2 JP 4201987B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catheter
distal end
tissue
shaft
intravascular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000568543A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002524157A (ja
Inventor
マシュー アール セルモン
チャールズ エフ ミロ
ロバート エル ウェイン
スレッシュ エス パル
ケント ディ デル
チャールズ グリスル
ジェラルド ハンセン
イー リチャード ヒル
Original Assignee
ルーメンド インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/149,875 external-priority patent/US6217549B1/en
Priority claimed from US09/149,874 external-priority patent/US6508825B1/en
Application filed by ルーメンド インコーポレイテッド filed Critical ルーメンド インコーポレイテッド
Publication of JP2002524157A publication Critical patent/JP2002524157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4201987B2 publication Critical patent/JP4201987B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M29/00Dilators with or without means for introducing media, e.g. remedies
    • A61M29/02Dilators made of swellable material
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/22Implements for squeezing-off ulcers or the like on the inside of inner organs of the body; Implements for scraping-out cavities of body organs, e.g. bones; Calculus removers; Calculus smashing apparatus; Apparatus for removing obstructions in blood vessels, not otherwise provided for
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/32Surgical cutting instruments
    • A61B2017/320044Blunt dissectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/32Surgical cutting instruments
    • A61B17/3205Excision instruments
    • A61B17/3207Atherectomy devices working by cutting or abrading; Similar devices specially adapted for non-vascular obstructions
    • A61B2017/320741Atherectomy devices working by cutting or abrading; Similar devices specially adapted for non-vascular obstructions for stripping the intima or the internal plaque from a blood vessel, e.g. for endarterectomy

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、概略的には、血管閉塞を治療するために設計された医療器具およびカテーテルに関連している。より詳細には、本発明は、体腔または血管内の閉塞部にワイヤを通すために、血管閉塞を充分に破砕し、崩壊または偏位させる能力を有する心臓血管カテーテルに関連している。本発明は更に、閉塞物を崩壊させることにより、実質的に閉塞した血管を横切って、ガイドワイヤ、またはステントもしくはのカテーテル装置のような介入的心臓血管装置を通過させる通路を提供するための、血管カテーテルに関連している。
【0002】
【発明の背景】
長年に亘って、医学は、動脈ルーメン(動脈の内部通路)のステノーシス(狭窄または閉塞)を生じる疾病状態のための効果的な治療法を探し求めてきた。一般に血管閉塞として知られているこの症状は、アテローム硬化症(動脈における繊維、脂肪または石灰化組織の蓄積)の患者に見られる。動脈閉塞の症状には、高血圧症(高血圧)、虚血(循環不足)、アンギナ(胸部痛)、心筋梗塞(心臓発作)、心臓発作または死が含まれる。閉塞は、部分的または全体的であったり、軟質かつ柔軟または硬質かつ石灰化したものであったり、または、大動脈、冠動脈および末梢動脈を含む動脈系の極めて広範な部位に存在することがある。
【0003】
心臓医学にとって特に興味があるのは、冠動脈(心臓に血液を供給する動脈)に発生するしばしば不能的または致死的な閉塞である。従来、冠動脈閉塞は冠動脈バイパス手術によって治療されてきた。これは、患者の脚部から患者の伏在静脈の切片を取出して、閉塞部分の近位点(上流)および遠位点(下流)において、これを患部動脈に移植する手法である。この手法は、虚血およびアンギナを減少させることによって患者の生活を改善することができるが、かなりの合併症および死亡の危険、並びに長い回復期間を伴う大手術である。結局、それは年齢および他の因子のために、多くの患者にとっては禁忌である。更に、かなりのパーセンテージの患者において、伏在静脈の移植は、元の閉塞を起こした同じ疾病プロセスのために、時間の経過と共に閉塞に至る可能性がある。患者ががもう一つの伏在静脈を有していれば二回目のバイパス手術を行うことができるが、再度、この手術の危険、費用および長い入院を背負い込むことになる。実際に、バイパス患者の25%以下は繰返し手術を必要とする可能性がある。
【0004】
動脈閉塞の治療において、現在は、より新しい最小侵襲手術が好まれる。この手法には、当該技術でカテーテルとして知られる長く、細く且つ極めて可撓性が高い装置を使用することが含まれる。手術の際、カテーテルは鼡径部、上腕部、または頚部における小動脈穿刺を通してより大きい動脈に導入され、狭窄部位へと前進および操縦される。カテーテルの遠位端には、狭窄した動脈に対して手術を行うための種々の装置が開発されている。例えば、より普及している最小侵襲手術は、経皮的経管的冠動脈形成術(PTCA)、方向性の冠動脈粥腫切除術(DCA)およびステント法が含まれる。PTCAは、狭窄部を機械的に拡張するためにバルーンを用いる。PTCAでは、X線透視観察の下に、狭くなった動脈の中に操縦可能なガイドワイヤを導入および前進させ、狭窄部(例えば閉塞部)を通過させる。次に、遠位端にバルーンを付けたカテーテルをガイドワイヤ上で前進させ、狭窄した部分を横切って配置する。次いで、バルーンを膨張させて粥腫を分離し、破砕し、さもなくば変形させ、狭くなった動脈のルーメンを充分に拡大して、先に虚血または略虚血した心筋部分への血流を増大させる。方向性粥腫切除術は、開発されているもう一つの最小侵襲手術であり、カッターを収容したハウジングを遠位端に有するカテーテルがガイドワイヤ上で狭窄部分へと進められる。バルーンの膨張により該ハウジングを粥腫に当接付勢することによって、粥腫の一部を、ハウジング側部の窓を通して侵入させる。X線透視観察の下で、カッターを使用して粥腫を切除する。切除物はハウジングの円錐頭部に回収され、カテーテルと共に抜き取られる。同様に、ステント法は現在のもう一つの手法であり、この手法ではステントとして知られるワイヤフレームワークが圧縮され、バルーンカテーテルで運ばれる。該ステントは、動脈の狭窄部分を横切って配置される。バルーンを膨張させ、ステントを拡張させて、ステントを動脈壁に押しつける。期待される結果は、長期間に亘って、ステントが動脈ルーメンを開いた状態に維持することである。PTCAまたはDCAの直後に、ステントを動脈内に配置することが多い。上記手法の多くのために選択されるカテーテルは、「ワイヤ上カテーテル (over-the-wire catheters)」として知られている。これらのカテーテルは、遠位端に操縦のための可撓性部分を有するガイドワイヤを位置決めすることに依存する。ワイヤ上カテーテルは、ガイドワイヤが狭窄した動脈部分を通過しまたはこれを横切って配置されるまでは、これを狭窄部に隣接して配置してこの手術を行うことができない。従って、閉塞が重篤でガイドワイヤが通過できない場合、またはバルーン、カッターまたはステント供給カテーテルのための充分な余裕がない場合は、PTCA、DCAまたはステント法の何れも有効に実施することができない。
【0005】
不運にも、血管閉塞は極端に固い石灰化した組織を含むことが多く、これは、ガイドワイヤが閉塞部を簡単に通過して前進するのを阻む貫通障壁を形成する。全部ではないにしても、閉塞部はガイドワイヤの操縦遠位端を妨害または逸脱させ得る複雑な構造を含むことがある。従って、ガイドワイヤは完全には閉塞部を通過せず、粥腫と動脈壁との間の内膜下空間の中に逸れたり、または粥腫の中に埋没する可能性もある。何れの場合にも、狭窄部位を横切ってガイドワイヤを適正に配置し、バルーンまたは切断部材を案内することはできない。このような場合に、付随する費用、危険および回復期間を伴うバイパス手術が必要になる。従って、重篤なまたは完全な動脈閉塞の患者において、バイパス手術を行うのではなく、重篤にまたは完全に閉塞した動脈自体を開通させるために、過去には困難または不可能であったことを実行することが好ましい。ガイドワイヤおよび作業カテーテルを粥腫に通過させることができれば、PTCA、DCAステント法、部位特異的な薬物投与および放射線照射、またはこれらの様々な療法の組合せを含む多くの介入的処置によって、閉塞を治療することができる。
【0006】
従って、血管閉塞を迂回することは医学的に有利であろう。治療される血管または動脈を穿孔することなく、また極度に重篤かつ生命を脅かす結果を伴わずに、閉塞を通過するための適切な装置および方法が選択されるべきである。一般に、医者は安全でないシステムを使用しないであろし、患者も医者がこのようなシステムを使用することを望まないであろう。従って、粥腫のような血管閉塞を通過させる問題の解決は安全であるべきであり、多くの場合、このような閉塞をバイパスする装置のための案内システムを含むべきである。介入的な心臓学および放射線学の実施において、これらタイプの血管装置のための信頼性のある案内システムが長らく必要とされてきた。当業者が理解するように、当該装置は、閉塞部位に到達するまでに、複雑な曲がりくねった血管の解剖学的構造を通って進む。また、閉塞それ自身が不規則な形状の(例えば、普通ではない)形態を有することが多い。隣接血管の信頼性のある撮像を伴わずに、このような閉塞を通過しようとするのは危険である。例えば、閉塞物の代わりに動脈壁の組織を切開して、誤ったルーメンを形成し、場合によっては動脈を穿孔してしまうことは容易におこる。もし、穿孔された動脈からの充分な血液が心臓を取囲む心臓周囲の空間にたまると、心臓が圧迫されて心タンポナーデとして知られる症状を生じ、心不全および死を回避するために緊急の外科的介入が必要となる。医者は、二方向X線透視のような撮像システム/処置を使用して、このような有害な事態を回避するように試みてきた。これは、冠動脈カテーテル法と組合せて使用される撮像システムであり、ここでは、医者が異なる角度から得られた二つの平坦なリアルタイムX線画像を観察する。しかし、二方向X線透視は信頼性がなく、コストが高く、且つ比較的遅い。多くの場合、遅延は外傷およびストレスに寄与し、また合併症および技術の失敗の機会を生じることになるので許されない。進歩した医学的撮像システムは診断上はメリットがあるが、それは重篤な閉塞動脈疾患のための効果的な介入的治療に取って代わるものではない。当該技術では、動脈を穿孔する危険の比較的低い血管装置が今も必要とされている。患部血管内での正常な血流速度を安全に回復する際に、医者を補助する治療的な作業装置が特に必要とされている。更に、重篤な閉塞動脈、特に完全に閉塞した動脈の効果的な治療を可能にし得る血管カテーテルシステムが必要とされている。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、血管閉塞を治療するための方法および装置を提供する。本発明の一つの目的は、正常な循環系機能を回復するための全体の努力の一部として、ガイドワイヤ、介入装置およびカテーテルを配置するための通路を与えるために、血管閉塞または血管内に形成された障害物を粉砕させることである。閉塞の中または回りの機械的抵抗が最小または比較的小さい通路を提供および/または作成することによって、血管閉塞を通過させることは有利である。本発明は更に、動脈壁の外膜を穿孔する危険を最小限にしながら、血管閉塞を破壊し若しくは機械的に粉砕し、または血管壁から血管閉塞を分離する装置および方法を提供する。
【0008】
本発明の一つの態様は、血管閉塞を治療するための装置を提供する。シャフトの近位端部から遠位端部へと伸びる少なくとも一つのルーメンが形成された、細長いシャフトを具備するカテーテルを選択することができる。ヒンジ結合された拡開部材を、シャフトの相対的に遠位端側の部分に配置すればよい。この拡開部材は、血管閉塞部を粉砕させるために、シャフトの中心軸から実質的に横方向に移動する最も遠位側の端を含むことができる。加えられた駆動力に応答して、拡開部材の遠位端を移動または方向付けするために、細長いシャフトの少なくとも一部に沿って駆動アセンブリーを配置してもよい。この駆動アセンブリーは、更に、ヒンジ結合された拡開部材の相対的に内側の部分に形成されるカム従動節または他の案内領域を含むことができる。
【0009】
本発明のもう一つの実施例には、血管組織を拡開または伸長させるための血管内カテーテルが含まれる。この血管内組織拡開カテーテルは、カテーテルシャフトの長手方向軸線に沿って延びた、少なくとも一つの導管をもった遠位端により構成されるカテーテルシャフトを含んでいてもよい。該カテーテルシャフトの遠位端にハウジングを形成してもよく、該ハウジングは最遠位端チップに構成された、少なくとも一つのヒンジ結合された偏向部材を含んでおり、該チップは、シャフトの中心軸から実質的に横方向に移動して血管閉塞部を取囲む組織を広げる。また、ヒンジ結合された偏向部材をシャフトの中心軸から遠ざかるように移動させるために、カテーテルシャフトに沿って駆動アセンブリーを配置してもよい。また、カテーテルシャフトは、網目状材料およびカラムロードを支持する可撓性内部コイルシャフト部材で形成してもよい。
【0010】
本発明の更なる目的は、血管内の閉塞物を開裂または破砕するための組織拡開アセンブリーが形成された血管カテーテルを提供することである。この血管カテーテルは、遠位端部および少なくとも一つの長手方向導管が形成されたカテーテル本体を含むことができる。この少なくとも一つの組織拡開部材は、カテーテル本体の遠位端部に結合すればよい。この拡開部材は、相対的に近位端側の部分および相対的に遠位端側の部分を含むとができ、該遠位端部は前記拡開部材の近位端部を基準にして広がるように構成される。カテーテル本体内に駆動アセンブリーを配置してもよく、また組織拡開部材の遠位端部を開くように、これを拡開部材の近位端部に連絡させてもよい。カテーテルの遠位端部は更に、相対的な固定された延長部を含んでいてもよい。組織拡開部材の相対的に近位端側の部分は、組織拡開部材の相対的に遠位端側の部分をこの固定延長部から遠くへ移動させるように、固定延長部にヒンジピンで結合してもよい。
【0011】
本発明の追加の目的は、可変カラムロードを支持する可撓性カテーテルシャフトを提供することである。該シャフトは、長手方向のシャフトルーメンによって構成される外部カテーテルシャフトを含む。この外部シャフトのカラムロード補強のために、長手方向のコイルルーメンによって構成される内部コイル本体を、前記長手方向シャフトルーメン内に配置してもよい。前記長手方向コイルルーメン内に可動性の引張り素子を摺動可能に配置して、前記内部コイル体に対して前記引張り素子を相対的に移動させるようにしてもよい。本発明のもう一つの変形例は、補強された外部カテーテルシャフトを備えたカテーテルシャフトを提供することである。外部シャフトにはルーメンを形成してもよく、この外部シャフトルーメンはその中に配置される内部シャフトを収容する。更に、前記内部シャフトは、駆動ルーメンおよび少なくとも一つの内部シャフトルーメンを含んでもよく、また押出しによって形成することができる。カラムロード補強スリーブには、前記駆動ルーメン内に配置されるスリーブを形成してもよい。加えて、前記スリーブルーメン内に駆動ワイヤを摺動可能に配置して、該スリーブ内において前記ワイヤの相対的な移動を提供してもよい。上記少なくとも一つの内部シャフトルーメンは、ガイドワイヤを配置するために構成してもよい。更にもう一つの変形例では、長手方向のカテーテルシャフトルーメンを形成した編上げ補強されたカテーテルシャフトを有する補強されたカテーテル本体を選択してもよい。駆動導管およびガイドワイヤ導管を、前記カテーテルシャフトの長手方向ルーメン内に別々に形成してもよい。加えて、圧縮支持を与える圧縮または巻回コイルはコイルルーメンを含むことができ、また前記駆動導管のカラムロード補強のために駆動導管内に配置されてもよい。前記コイル内での相対的な摺動移動のために、引張り素子を前記コイルルーメン内に配置してもよい。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、組織を拡開するための血管内カテーテルであって、外側の補強シャフトを形成したカテーテル本体を含み、該カテーテル本体はそのカラムロード補強のための内部コイル体の回りに同軸的に形成された血管内カテーテルを提供することである。該内部コイル体は更に、前記カテーテル本体の相対的に遠位端側の部分に至る駆動導管を含んでいてもよい。前記カテーテル本体の遠位端部に、組織拡開部材を結合してもよい。この組織拡開部材の内部表面は、カム従動節を含むことができる。加えて、この組織拡開部材は相対的に近位端側の部分および相対的に遠位端側の部分によって限定され、該遠位端部は前記拡開部材の近位端部に対して拡開するように構成することができる。駆動素子を選択して、これを前記内部コイル体に形成された駆動導管内に配置することができる。この駆動素子は、駆動力を支持するワイヤまたは管として形成することができ、更に、前記組織拡開部材のカム従動節と連絡して、駆動されたときに該拡開部材の遠位端部を拡開させるためのカムを含むことができる。該カムの表面は、種々の湾曲した、または非線形の形状を含み、好ましくは対応するカム従動節の形状に対して相補的である。
【0013】
本発明のもう一つの態様は、血管閉塞を粉砕し、横切らせるための方法を含むものである。血管内に正常な循環機能を回復させる全体的な努力の一部として、ガイドワイヤまたは介入装置の配置に適合させるために、血管閉塞物を分離し、破砕し、または偏位させることができる。
【0014】
本発明の一つの目的は、先ず、カテーテルの遠位端領域に配置された拡開部材が形成された血管カテーテルを選択することにより、血管内閉塞を偏位させる方法を提供することである。この拡開部材は、閉塞物および/または血管組織を押し広げ、または伸長するように構成すればよく、また、カテーテルの長手方向軸線に沿って方向付けされた力に応答して活性化または駆動させることができる。駆動アセンブリーを前記カテーテルの少なくとも一部に沿って配置して、線形方向または回転方向に、または相対的に遠位端側の方向の圧力を駆動バルーンに伝達することにより加えられる方向付けされた力を、前記カテーテルの遠隔または近位端部から前記拡開部へと伝達すればよい。この血管カテーテルは、前記拡開部材を拡開するために方向付けされた力を前記駆動アセンブリーに加える前に、選択された血管内の実質的または完全な血管閉塞部に隣接して配置すればよい。伸長可能な血管壁と血管閉塞物を形成する物質との間の弾性の相違に基づいて、閉塞は偏位または崩壊され得る。前記選択された血管から血管カテーテルを除去した後に、案内ワイヤまたはステントのような介入装置の配置に適合させるために、血管閉塞物それ自身もまた崩壊または粉砕されて、閉塞部を横切る通路を与えることができる。前記閉塞の少なくとも一部を貫通して、またはその回りに通路を形成するために、前記拡開部材を拡開させて血管閉塞を崩壊させればよい。加えて、前記拡開部材は血管壁を伸長させて、実質的に閉塞物と血管壁との間に通路を形成することができる。血管閉塞物が選択された血管の壁に付着しているときは、前記拡開部材を拡開して血管壁の層を分離させてもよい。血管カテーテルは、前記血管閉塞部を通して遠位端方向に前進させることにより、該閉塞部の少なくとも一部を通過させ、またはその全体を通過させることができる。本発明のもう一つの変形例は、ガイドワイヤを選択し、このガイドワイヤを、血管カテーテル内に形成された導管の中に通す方法を含む。このガイドワイヤは、前記カテーテルの長さに沿って伸び、閉塞部位に達することができる。少なくとも一つの拡開部材を活性化すると、前記ガイドワイヤは閉塞部の少なくとも一部を通して、またはその回りを前進することができる。
【0015】
実質的に閉塞した血管を横切る他の種々の方法が、本発明の概念に従って提供される。相対的に近位端側の部分および相対的に遠位端側の部分によって構成され、該遠位端部は拡開部材の近位端部に対して拡開するように構成された、遠位端に装着された組織拡開部材を含む血管カテーテルを選択すればよい。加えて、前記拡開部材の遠位端部を拡開するために、拡開力を伝達する駆動アセンブリーを、血管カテーテル内に配置することができる。前記組織拡開部材を血管内で閉塞に近接して配置し、続いてこれを作動させて血管壁を伸長し、閉塞物を崩壊させて通路を貫通させることができる。その後に組織拡開部材を非作動にし、血管内カテーテルを標的血管から除去すればよい。ステントまたは他の介入装置の配置を容易にするために、崩壊または偏位された閉塞部内にまたはこれに沿って形成された通路内に、ガイドワイヤを配置することができる。また、前記組織拡開部材を非作動にする前に、ガイドワイヤを前記閉塞の少なくとも一部に通過させてもよい。前記カテーテルも同様に、血管閉塞物が粉砕されたときに、閉塞の少なくとも一部を通して又は横切って前進させればよい。
【0016】
本発明の更にもう一つの変形例では、冠動脈閉塞を横切るための方法が提供される。この方法は、ガイドワイヤを選択し、血管内を血管閉塞に前進させることによって開始することができる。冠動脈内案内カテーテルは、カテーテルの遠位端が血管閉塞部に近接するように、ガイドワイヤ上を進めることができる。ガイドワイヤは、その後に血管から除去すればよい。案内カテーテル内に配置するために、その長手方向軸線に沿って方向付けされた力に応答するように配置された拡開部材を含んだ血管内カテーテルを選択することができる。加えて、前記カテーテルの近位端部から加えられる方向付けされた力を拡開部材に伝達するために、駆動アセンブリーを血管内カテーテルに沿って配置することができる。この血管内カテーテルは、該血管内カテーテルの拡開部材が血管内の血管閉塞部に実質的に隣接する位置まで、冠動脈内案内カテーテルを通して前進させることができる。前記血管閉塞部を偏位させるために、方向付けされた力を前記駆動アセンブリーに加えて前記拡開部材を拡開させればよい。この方法のもう一つの変形例は、前記血管内カテーテルを前記血管から除去する前に、前記閉塞を通過し又は横切って、冠動脈内案内カテーテルを前進させることを含んでいてもよい。加えて、前記血管内カテーテルを除去した後で、且つ前記冠動脈内案内カテーテルを除去する前に、偏位された血管閉塞部を通過し又は横切ってガイドワイヤを前進させてもよい。
【0017】
ここに記載した本発明の他の変形例には、血管内の閉塞を断裂または破断するための鈍端アセンブリーを形成した血管カテーテルが含まれる。本発明の追加の目的は、遠位端および近位端を有し、前記カテーテルの遠位端に作業端部材が交換可能に嵌合され、また該作業端部材は本発明に従う鈍端部材を含むようなアセンブリーを提供することである。本発明の追加の目的は、前記鈍端部材は閉じた第一の位置および開いた第二の位置を有し、血管のルーメン内で閉塞を断裂/破断するために繰返し開閉することができるようなアセンブリーを提供することである。本発明の更なる目的は、重篤または完全な動脈閉塞に対して安定して適用できる断裂または断裂力を提供することである。機械的な作業素子は、動脈壁の外膜または他の層を穿孔しないように、重篤または完全な動脈閉塞に対して安定に作用することができる。加えて、この鈍端部材アセンブリーは、前記カテーテルの遠位端に結合可能な鈍端部材であって、血管内に適合し、閉塞物を断裂および/または破断するための寸法および形状であり、閉塞部に配置することを可能にする第一の位置および閉塞を破断するための第二の位置を有する鈍端部材と;前記鈍端部材を前記第一および第二の位置の間で移動させるための駆動部材とを具備し、前記鈍端部材は前記カテーテルの遠位端に結合可能であり、また前記鈍端部材は前記第一の位置で前記閉塞部へ供給可能であり、前記閉塞を破断するために第二の位置へと駆動可能である。
【0018】
本発明の一実施例では、ワイヤ上の血管カテーテルであって、その遠位端に配置された鈍端部材と、該鈍端部材に対して近位端側において前記カテーテルの遠位端ゾーンの回りに配置された固定バルーンとを具備する血管カテーテルが提供される。このカテーテルおよび鈍端部材は、該鈍端部材を前進させて動脈内の閉塞物に接触することを可能にするような寸法および形状であればよい。前記バルーンは、前記カテーテルの遠位端ゾーンの外表面に配置することができ、また前記カテーテルの遠位端を動脈内に固定して、前記鈍端部材と前記閉塞との係合、または長手方向の位置合わせを維持するように膨張可能である。前記カテーテルには、バルーン膨張ルーメンが設けられる。この鈍端部材は、前記カテーテルの遠位端に固着され、その長手方向軸線に関して対称に配置し得る四つの顎部を含むことができる。該カテーテルは、前記顎部の間で、その遠位端に固定された球形のフェルールを有する後退可能な駆動シャフトを含むことができる。ガイドワイヤを収容するために、前記駆動シャフトはルーメンを含むことができ、また前記フェルールは中心開口を含む。前記顎部は閉じた第一の位置を有することができ、この位置において、前記カテーテルは前記顎部を前記閉塞物に係合させように前進することができる。前記駆動シャフトが後退されるとき、前記フェルールまたはカムは、前記顎部の内表面またはカム従動節に当接し、これを開いた第二の位置に向けて付勢して、前記閉塞物を破断する。該フェルールは、円錐台形のプロファイルで形成すればよい。
【0019】
本発明のもう一つの実施例において、夫々の顎部は矩形の遠位端またはスペード形状の構成を含むことができる。閉じた第一の位置において、前記顎部は、前記ガイドワイヤを前記鈍端部材の長手方向軸線に実質的に閉じ込めるためのチャンネルを形成する。前記顎部が閉じた第一の位置にあるときに、前記顎部の遠位端との接触点によって区切られた閉塞部の一部の中にガイドワイヤを前進させ得ることは、この実施例の一つの利点である。本発明のもう一つの実施例において、前記顎部は、ニッケルおよびチタンを含む合金から製造することができる。前記駆動部材によって前記フェルールが非作動または駆動解除されるときに、超弾性の合金が前記顎部の閉鎖を容易にすることは、本発明のこの実施例における一つの利点である。
【0020】
本発明のもう一つの実施例において、前記駆動部材は、前記カテーテル内に配置された駆動ケーブルを含むことができる。該ケーブルの近位端は前記カテーテルの近位端から操作可能であり、該ケーブルの遠位端は前記フェルールに結合される。このケーブルが、前記フェルールの後退の際に前記駆動部材の張力容量を増大することは、本発明のこの実施例における一つの利点である。この駆動部材のルーメンの一部は、摩擦低下コーティングを含むことができる。前記カテーテルが前記ガイドワイヤ上を容易に摺動することは、本発明のこの実施例における一つの利点である。本発明のもう一つの実施例において、前記鈍端部材に対する前記駆動部材の当接によって限定される対合表面は、摩擦低下コーティングを有する。前記顎部を遠くへと付勢する際に、前記駆動部材が最小の摩擦抵抗に遭遇することは、本発明のこの実施例における一つの利点である。
【0021】
本発明のもう一つの実施例において、全体の鈍端部材は単一の材料片で製造される。鈍端部材の製造が複数の部品の取付けまたは組立てを必要としないことは、本発明のこの実施例における一つの利点である。
【0022】
本発明のもう一つの実施例は、前記カテーテルの遠位端ゾーン内において前記駆動シャフトの回りに摺動可能に配置された剛性の管補強部材を含む鈍端部材を提供する。前記カテーテルの遠位端の外表面に、管状支持部材が配設される。この支持部材の遠位端は、複数の顎部を変形可能に支持するバネ部材を含む。該支持部材は、前記カテーテルの遠位端ゾーン上に収縮して、前記補強部材の上にカテーテルを固定する。前記カテーテルと前記鈍端部材との間に、単純でしかも安定な取り付けが形成されることは、本発明のこの実施例における一つの利点である。
【0023】
本発明の上記ならびに他の目的および利点は、明細書および図面を更に考慮することによって更に明かになるであろう。本発明の目的および利点の更なる理解のために、同様の部品には同様の参照番号を付した幾つかの添付図面と共に、以下の説明を参照することができる。
【0024】
【発明の詳細な説明】
本発明は、血管閉塞を粉砕して横切るための方法および装置を提供する。開示された実施例の夫々は、個別に、または本発明の他の変形例および態様と組合せて考察することができる。ここに例示される本発明の幾つかの変形例は、冠動脈への適用およびバイパス移植に向けられているように思えるかもしれないが、図面は例示に過ぎず、本発明は血管疾患を含む種々の症状によって閉塞に至り得る如何なる血管にも同様に適用可能である。
【0025】
図1および図2は、一般に、本発明の原理に従って形成された血管内カテーテルの例示をする。該カテーテルは、動脈または静脈血管の種々の区画内に形成された閉塞を粉砕するために使用することができる。このカテーテルは、接着剤の塗布、カシメまたは他の結合技術によって細長いカテーテルシャフトの遠位端に取付けられた、相対的に近位端側の部分に形成されたハウジング即ち鈍端部材アセンブリーを含んでいる。このハウジングは更に、閉塞部および/または血管壁と密接に接触または連通できるように構成された相対的に遠位端側の部分によって構成されていてもよい。この遠位端側に取付けられたハウジングは、更に、引張りワイヤまたは引張り管のような駆動部材によって機械的に駆動させることができる、一以上のヒンジ結合された拡張または偏向部材を含んでいてもよい。こうして、拡張力または機械的力が血管壁および閉塞部に加えられ、血管壁に接している閉塞物を断裂、破砕または粉砕させる。この閉塞物の粉砕によって、閉塞した血管領域の周囲の正常な循環機能を回復させる全体的な試みの一部として、障害物の少なくとも一部の回りに、またはこれを貫通して、ガイドワイヤまたは治療的カテーテルを通過させるのに、充分な大きさのチャンネルまたは通路が形成される。
【0026】
特に図1を参照すると、一般的に番号20で示される、本発明に従って形成された鈍端部材アセンブリーが示されている。該アセンブリー20は、鈍端部材22およびカテーテル24を含んでいる。点線26によって示される駆動部材は、鈍端部材を、図1に示す閉じた第一の位置から、図2に示す開いた第二の位置へと動かす即ち作動させることができる。カテーテルは、最初はガイドワイヤ28を使用して、鈍端部材22の遠位端が実質的または完全な閉塞に隣接するように配置される。配置されたら、カテーテル24は、アセンブリー20を血管内で安定化させるための部材、即ちバルーン部材30を用いて、特定の位置に相対的に固定されたままにすることができる。バルーン部材30は、鈍端部材22を駆動する際にカテーテル24を適正な場所に残るように、図2に示すように膨張させられるのがよい。
【0027】
図1および図2に示すように、鈍端部材22は、バイパスが機能しなくなりつつある全閉塞部に隣接した位置を含む種々の血管接合部に配置することができる。図1および図2に示すように、バイパスは拡散狭窄を発生する可能性がある。上記の説明に一致して、狭窄が動脈血管を塞ぐように充分に発生した場所では、バイパス手術が行われた後にバイパス中にも狭窄が発生または累積し、バイパスもまたブロックされ、または全閉塞に至る可能性がある。本発明に従って形成された鈍端部材22を使用して、元の本来の血管を再度開通させ、それにより血流の主要な供給源としてのバイパスを弱めることを可能にしてもよい。なお、ここに示した本発明の異なる態様は、特に本来の冠動脈に関する方法および装置を記載している。しかし、この図は例示に過ぎず、本発明は、狭窄または血管疾患によって冠動脈のような血管が閉塞された如何なる状況に適用してもよい。ここに与えられた他の特徴の中で、本発明は閉塞を粉砕または破砕して、本来の動脈または血管が、血流を維持するその主な責任を再開することを可能にする。
【0028】
図3〜図6は、種々の開放位置および閉鎖位置を有する鈍端部材22の更なる例示を提供する。鈍端部材22は、近位端部をカテーテル24の遠位端に取付けて形成することができる。鈍端部材22の取付け方法には、当業者の技量および知識の範囲内にある従来の技術が含まれる。鈍端部材22は、顎部42を形成する一組の区分部材を含んでいてもよい。顎部42は鈍端部材22の遠位端に位置し、図3に示す長手方向中心線44に対して等距離で離間させるのがよい。顎部42は、特に図3および図6に示す第二の位置へと開くことができ、また図3〜図5に示す第一の位置へと閉じ、または戻ることができる。顎部42を、その閉鎖位置から開放位置へと移動させる駆動ワイヤ即ち駆動部材54を、アセンブリー内に設けてもよい。種々の実施例において、顎部42は種々の形状を有することができ、それにはスペード形、端部に凹状湾曲部を有する直線形状、端部に凸状湾曲部を有する直線形状、三角形(針状ノーズ)、矩形およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。顎部42は、図4に示すように閉じているときであっても、相互に離間または分離していてよい。この構成は、閉塞部を最適に破砕または粉砕させるために、顎部42が動脈壁および閉塞部に対してピッタリ適合することを可能にする。
【0029】
図5および図6を参照すると、本発明に従って形成されたもう一つの鈍端部材22が示されている。この鈍端部材22は、逆円錐形の付勢部材50および離間した支持部材52を含んでいてもよい。これらの部材50および52は、カテーテル24の同じキャビティーまたはルーメンの中に適合する寸法、および形状にされるのがよい。部材50および52の夫々は、当該アセンブリーの長手方向中心線に沿った中心開口部を含んでいるのがよい。部材50および52の開口部は、ガイドワイヤ管54が開口部内に配置されて、カテーテル24の近位端部から前方へと摺動するように整列されているのがよい。図5および図6に示すように、フェルール56は、ガイドワイヤ管54に取付けられ、またはこれと一緒に結合されているのが良い。使用する結合技術は、カテーテル24および鈍端部材22を結合するための技術と同様である。加えて、シアノアクリレートのような接着剤、半田付け、または適切な種類の化学的もしくは物理的結合を使用することにより結合してもよい。従って、ガイドワイヤ管または駆動部材54はフェルール56に永久に結合され、この結合は閉塞部に対して働く付勢力に耐えるのに充分に強い。フェルール56もまた、部材50および52の中心開口部と整列した中心開口部を有する。しかし、フェルールの中心開口部は、外側のガイドワイヤ管54とは対照的に、内側ガイドワイヤ28の寸法に適合するように比較的小さい直径で形成すればよい。即ち、フェルール56はガイドワイヤ28のみを収容し、ガイドワイヤ管54は収容しないように設計すればよい。ガイドワイヤ38は、フェルール56の中心開口部内に挿入すればよい。フェルール56を円錐台形状に形成する一方、付勢部材50は、フェルール56の円錐台形状に当接して摺動するために適合した逆形状を形成するのがよい。フェルール56および付勢部材50の夫々が接触する表面は、係合表面を形成する。フェルール56および付勢部材50の夫々について選択される材料は、このような摺動接触に適合し得るものである。駆動に応答して、フェルール56はカテーテル24の近位端部に向けて引っ張られる結果、フェルール56を付勢部材50に当接して摺動させ、夫々の係合表面は相互に反対側へ摺動する。フェルールがカテーテルの近位端部に向けて引っ張られるにつれて、増大する力が顎部42を付勢して拡開させる。駆動部材が完全に駆動されると、図6に概略的に示すように、顎部は完全に開かれる。また、図3〜図5に示されるように、複数の顎部42は、ガイドワイヤが案内されて長手方向中心線に沿って閉じられたときにも、充分な距離だけ離間し得ることが理解されるであろう。顎部42は、それが閉じたときには、ガイドワイヤをカテーテル24の遠位端から前方に向けて摺動させるための内部ガイド58を形成する。部材50および52の内部開口もまた、顎部42が繰返し開閉されるときに、ガイドワイヤ管54のためのガイドを提供することができる。内部開口を通しての摺動運動による摩擦が大幅に低減されるように、部材50および52の内部開口ならびにガイドワイヤ管54の外側を、テフロン(登録商標)または同様のポリマーでコーティングするのが有利である。摩擦の減少によって、フェルールは更に大きな力を付勢部材50に対して効果的に加えることになり、これにより鈍端部材42が血管壁に加える断裂または破砕の量を最大にすることができる。ガイドワイヤ管54は編まれたものであってもよく、そのため部材50および52の内部開口に対して非常に磨耗性を高くできる。従って、ガイドワイヤ管54または部材50,52に対する摩擦低下コーティングの塗布は、摺動運動における摩擦を低減するために特に適切である。また、ガイドワイヤ管54はニチノール製ハイポ管であってよい。加えて、付勢部材50およびフェルール56の係合表面は可能な限り平滑であり、閉塞部を断裂させる動作に際して、これら係合表面が相互に対して摺動するときに発生する摩擦量を最小にするような適合性材料から選択される。種々の実施例において、付勢部材50はニッケルチタン合金製であってよく、フェルール56はステンレス鋼製で作られているのがよい。ここでも、フェルール56および付勢部材50の係合表面は、それらの間の摩擦を最小にするために可能な限り平滑に形成するのがよい。
【0030】
図5および図6に示すように、支持部材52は、アセンブリーを内側および外側の両方から支持する。支持部材52は、カテーテル24の遠位端に固定されたまま維持され、ガイドワイヤ管54の摺動運動のための内部開口を提供するのがよい。加えて、顎部42は、付勢部材50および支持部材52の両者を取囲み得る近位端部ゾーンを有する。顎部42の近位端部ゾーンは、アセンブリーを提供するために部材50および52を一緒に固定する。図6に示すように、支持部材52を切欠いて、顎部42に適合する固定結合を与えるショルダー62を形成してもよい。本発明によるもう一つの実施例では、図6に示すように、顎部42のエルボー64に開口部を切欠いてもよい。この構成は、開口部の角度および長さによって予め決定された軸に沿って、顎部42を変形させるための空間を許容する。鈍端顎部材42は、血管閉塞部を粉砕、開裂または除去するために必要な機械的力に耐える充分な強度をもった種々の材料で形成すればよい。好ましい実施例において、顎部はニッケルチタン製であるのがよく、これは生体適合性で且つ目的とする機能のために十分な強度を有する。勿論、部材50および52並びに顎部42を含む全体のアセンブリーを単一片のニッケルチタンで形成して、一体化されたアセンブリーを提供してもよい。説明したアセンブリーの異なる部品は、ステンレス鋼、ニッケルチタンまたは他の形状記憶合金、および当業者に公知のエンジニアリングプラスチックを含む種々の材料で形成することができる。加えて、生体適合性で且つここでの機能を行うために必要な機械的特性を有する他のポリマーまたは金属材料もまた、同様に適している。
【0031】
図7〜図10は、本発明に従って形成された鈍端部材100のもう一つの実施例を示している。この鈍端部材100は一以上の顎部102を含むことができる。図7〜図8に示すように、補強部材108をカテーテル管24の間に配置してもよく、またガイドワイヤ管54をカテーテル管のガイドワイヤルーメン内に配置してもよい。フェルール56を、本発明の他の実施例に関して先に説明したように、ガイドワイヤ管54に取り付けてもよい。また、鈍端部材100は、バネもしくはヒンジ部材104および支持部材106を含んでいてもよい。バネ部材104には、フェルール56に係合する係合表面を形成すればよい。駆動時には、フェルール56がカテーテル24の近位端部に向けて引張られ、係合表面が分離された顎部102に係合してこれを分離し、図8および図10に示す位置へと開く。このバネ部材104は、顎部102および鈍端部材100の残り(より具体的には支持部材106)を結合するように働くことができる。支持部材106は、その近位端110においてカシメられてもよい。支持部材106におけるカシメがカテーテル管24の遠位端部をサンドイッチするように、補強部材108を配置してもよい。補強部材108によって与えられるフープ強度は、カテーテル管24の遠位端への支持部材の固定を可能にすることが理解されるであろう。更に、支持部材のカシメと、補強部材108によって与えられる追加のフープ強度との組合せによって、鈍端部材100全体のための固定結合が与えられることが理解されるであろう。典型的には、鈍端部材22は、バネ104、顎部材102および支持部材106の接合部での結合によって支持することができる。これらの接合は、当該技術で周知の接着剤結合および金属接合法を用いた、種々の方法で形成することができる。例えば、これらの部材がポリマー製であれば、これらをエポキシ樹脂を用いて結合するのが好ましく、或いは、これらの部材が金属製であれば、溶接、半打付けまたは蝋付けを使用することが好ましい。好ましい実施例において、バネ104、支持部材106aおよび顎部10は、ニッケルチタンのような同じ材料で形成すればよい。しかし、バネ鋼などのような材料の他の組合せも適切である。他の実施例では、本発明の範囲内において、支持体およびバネ部材を形成することも想定される。加えて、変形例として、補強部材108を、ニッケルチタンまたはステンレス鋼で作ってもよい。また、鈍端部材100の製造のためには、ステンレス鋼およびポリカーボネートのような医療用高強度プラスチック等、種々のタイプの材料が適していることも想定される。
【0032】
本発明のもう一つの態様は、図7〜図10に示したのと同様の装置を用いて血管閉塞物を粉砕させる方法に関連している。図7に示すように、鈍端部材100は第一の閉鎖位置に配置される。従来の方法において一般的に行なわれているように、ガイドワイヤ28は患者の血管ルーメンを通して供給される。選択された位置に達すると、ガイドワイヤは閉塞部に出会うことになる。先に説明したように、フェルール56を備えた鈍端部材100が、閉塞部に直ぐ隣接して配置される。図示してはいないが、図7〜図10に示す如何なる実施例でも、バルーン30の配置も適用し得ることが理解されるであろう。血管のルーメン内にカテーテル24を安定化または配置した後に、駆動部材26を引っ張ることにより鈍端部材100を駆動して、バネ104およびフェルール56の係合表面を相互に接触させればよい。フェルール56は、顎部102を長手方向中心線から離れるように移動させることができる。この操作は、閉塞が粉砕されまたは破砕されるまで、または閉塞物が血管壁の内側から充分に分離されて、ここで説明した介入装置の通過が可能になるまで反復される。その結果、ガイドワイヤ28を血管の本来のルーメンを通して前進させることができる。カテーテル24はその後に除去され、もう一つの介入装置を、閉塞物またはその近傍に配置すればよい。このような介入装置には、ガイドワイヤ28が閉塞物を横切って配置されときに閉塞を治療するための、血管形成装置または粥腫切除装置、或いはステントまたは他の公知の介入装置および方法が含まれる。
【0033】
図11Aから図11Cは、ヒンジ結合された拡開部材202を用いて形成された血管組織拡開アセンブリー200を含んだ、本発明のもう一つの実施例を示している。ヒンジ結合された拡開部材202は、周縁部分またはカラー204の回りに一緒に結合すればよい。また、カラー204は、溶接または蝋付け技術のような公知の方法によって、係合表面206に沿って結合された複数の部分から形成されてもよく、更に、カテーテルシャフト208の比較的な遠位端に取付けまたは接着剤で結合されてもよい。これらのカラー部分は、カラー204の周囲の選択された位置209において、点溶接により一緒に結合されてもよい。拡開部材202のヒンジ部分210に近接した特定の領域は回避して、この領域に対する顕著な熱応力を最小にし、拡開部材の自由な動きの妨害を低下させる。拡開部材202は、同様の結合または接合技術によって一緒に結合されるノーズ片またはノーズコーンを含む、幾つかの部分から同様に形成すればよい。ここに提供された例は、カラーに結合された一対の拡開部材202を含んでいるが、血管組織拡開アセンブリー202のために如何なる数の部材を選択してもよい。
【0034】
組織拡開アセンブリー200の典型的な仕上げ直径は、冠動脈用には0.058〜0.079インチを含む略0.030インチ〜0.090インチの範囲、末梢血管用には0.091インチを含む略0.080〜0.100インチの範囲であればよい。同様に、組織拡開アセンブリー200の仕上げ長さは、殆どの冠動脈用には略0.150〜0.250インチの範囲であり、殆どの末梢血管用には0.200〜0.600インチの範囲である。勿論、特定の適用ために、これら部品の他の適切な寸法を選択し、また変更してもよい。
【0035】
図11A〜図11Bに示した夫々の拡開部材202は、カラー204の周囲部分に取り付けられたヒンジ部分210を含んでいてもよい。拡開部材202およびカラー204は、別々に形成されてもよく、または一体に形成されてもよい。例えば、カラー204および拡開部材202は、一緒に結合される別々の射出成形されたプラスチックまたは金属で形成されてもよい。また、カラー204は円筒形状であってもよく、他の連結部品または半田付け、溶接若しくは蝋付け、または他の接合技術によって取り付けられるヒンジ部品を介して、拡開部材202と結合されてもよい。或いは、ヒンジ結合された拡開部材202およびカラー204は、放電加工(EDM)または当該技術で周知の他の技術を用いて、選択された材料の単一片から一体に形成してもよい。ヒンジ結合された拡開部材202およびカラー部材204は、拡開アセンブリーのために選択された一かたまりの材料から、選択された部分を除去することによって形成してもよい。組織拡開アセンブリーが形成された後、公知のニッケルチタン応力除去技術を使用して、全アセンブリーを520℃のカリウム浴中に2分以上浸漬した後、室温の水浴急冷によって応力を除去してもよい。カラー204および拡開部分202を含む血管組織アセンブリー200の全ての部品は、生体適合性の金属、またはデルリン、ポリカーボネートまたはABSのようなエンジニアリングプラスチック、或いはステンレス鋼もしくはカリフォルニア州のShape Memory Inc社が供給する45%冷間加工ガイドBBニチノールのようなニッケルチタン合金から製造すればよい。
【0036】
図11A〜図11Cに示すように、シャフトの近位端部から遠位端部に延び少なくとも一つのルーメンが形成された細長いシャフト208からなる、血管閉塞を治療するためのカテーテルが提供される。血管組織偏位アセンブリー200の一部としてのシャフトの遠位端部に、一以上のヒンジ結合された拡開部材202を形成してもよい。細長いシャフト28の遠位端部は、ハブ212を含んでもいてもよい。カラー部分204は、ハブ212の外表面の回りに嵌合されてもよい。加えて、一以上のヒンジ結合された拡開部材202を、カラー部分204に一体に接合してもよい。拡開部材または組織偏位部材202の遠位端は、血管閉塞部を粉砕させるために、図11Cに示したように、血管閉塞部をシャフト208の中心軸または長手方向軸線から離れるように移動させればよい。拡開部材202は、駆動力に応答して拡開部材202の遠位端を移動させるように、細長いシャフト208またはその一部に沿って配置された駆動アセンブリー220によって偏向されてもよい。組織偏位部材202は、カテーテルシャフト208の長手方向軸線から遠ざかって血管閉塞を取囲む組織を偏位させるように、その一端の回りで回転するように構成されてもよい。駆動アセンブリー220は、細長いシャフト208の近位端部側から操作可能なように構成することができる。
【0037】
駆動アセンブリー220は、拡開部材を実質的に横方向に付勢するように拡開部材202に形成された、カム従動節226との伝達のために、比較的遠位端に装着されたカム224を有する駆動素子222を含んでいてもよい。このカム従動節226は、ヒンジ結合された拡開部材202の比較的内側部分に沿って形成されているのがよい。また、カム224にはカムエッジ228を形成してもよく、これはカムが相対的に近位端方向に移動するときに、拡開部材202の内側部分に形成されたカム従動節226に摺動接触する。こうして、拡開部材202の遠位端は実質的に横方向へ弧状に移動することができる。
【0038】
図12A〜図12Bに示すように、駆動部材は、開放位置と閉鎖位置との間で組織偏位アセンブリー230の偏向部材242を動かしてもよい。引張り管232のような駆動部材は、図12Aに示す第一の閉鎖位置から図12Bに示す第二の開放位置へと、偏向部材または鈍端部材242を移動または駆動すればよい。偏向部材242は、血管内カテーテル(図示せず)の遠位端に結合されてもよく、また医者が駆動部材232を相対的に近位端部方向へと引っ張るまでは閉鎖位置のままであるように構成されてもよい。血管内カテーテルは、最初は偏向部材242の遠位端が血管内閉塞部に隣接し、または少なくとも部分的に血管閉塞部内に位置するように、ガイドワイヤを用いて動脈内に配置すればよい。配置されたら、カテーテルに結合された安定化バルーン(図示せず)を作動させることにより、カテーテルは動脈内の特定の位置に相対的に固定されたまま残される。安定化部材は、カテーテルに作用して該カテーテルを血管内の適正な位置に維持し易い摩擦力を与える機械的力を動脈壁に加えるのがよい。この安定化部材は、カテーテル本体内の形成された膨張ルーメンと連通し、且つこれによって膨張される膨張可能な位置決めまたは固定化バルーン、形状記憶金属バスケットのような拡大可能な固定化アセンブリーであればよい。偏向部材242が最終的に駆動されて開放位置へ移動されると、偏向部材の遠位端部はカテーテルの長手方向軸線から遠ざかるように実質的に横方向に拡大して広がることができる。従って、血管閉塞部を取囲む領域または血管壁には、偏向部材242によって機械的力が加えられる。駆動時に、偏向部材242の遠位端には比較的大きい拡開力を観察することができる。本発明の種々の実施例において、偏向部材アセンブリー230は、平方インチ当たり60〜330ポンド以下の力が働くように構成することができる。この偏向部材アセンブリー230は、更に、引張り部材232を解除したときに、能動的または受動的に偏向部材242が閉鎖位置に戻るように構成してもよい。
【0039】
ここに記載した偏向部材242は、該部材の遠位端領域244を拡開または変更させる種々の駆動アセンブリーによって作動されるのがよい。駆動アセンブリーは、血管組織拡開アセンブリー230のヒンジ結合された夫々の拡開部材242に、横方向の移動を生じさせるように構成すればよい。夫々の拡開部材242は、その内側部分に形成されたカム従動節を含むことができる。例えば、偏向部材または顎部242は、偏向部材の比較的内側に配置されたカム236およびカム従動節アセンブリーによって駆動されればよい。カム従動節234は、偏向部材242の内部表面に対して角度をもち且つ湾曲した表面として形成されるのがよい。カム236は、カテーテルシャフト内に配置される駆動部材232の遠位端に取付けられるのがよい。カムの表面238は、円筒形、ドーナツ形状または弓状の種々の形状で形成すればよく、また対応するカム従動節234と連絡する一以上の成形表面を有していてもよい。また、カム236は、偏向部材242の内部に配置された中央ハブとして構成されてもよい。カム236およびカム従動節234は、駆動部材232の長手方向(近位端部方向または遠位端方向)の運動が、カム236の表面または縁部238をカム従動節の表面上で摺動させるように構成してもよい。こうして、拡開力または駆動力が組織拡開部材242上に加えられ、これは偏向部材242の遠位端244をカテーテルの長手方向軸線に対して横方向に開き、または移動させる。カムおよびカム従動節表面の輪郭は、偏向部材242について、選択された量の横方向の偏位力または拡開力を与えるように構成すればよい。駆動部材232およびカム236の単位長手方向移動当たりの、偏向部材の横方向変位の比は略1:1〜2:1の範囲を含んで大きく変化する。
【0040】
図13に示すように、ヒンジ結合された偏向部材アセンブリー250は、複数のヒンジ254を含んでいてもよい。夫々の個別の偏向部材252は、更に2以上のヒンジ254を含むことができる。夫々の拡開部材または変更部材252のヒンジ部分254は、相対的に開いた位置および閉じた位置の間での移動に際して、個々の部材を補助する。ヒンジ254はまた、カテーテルの長手方向軸線または中心軸251に対する、拡開部材252の閉鎖位置から開放位置への弧状移動または偏心移動を与える。加えられた駆動力(略0.25〜8ポンドの範囲であればよいが、これに限定されない)に応答して、ヒンジ254を、拡開部材252が開いた位置へと拡開または偏向するように付勢されることができる。拡開力は、引張りまたは押込み管およびワイヤ、並びにカムアセンブリー(図示せず)のような、ここで説明した種々の機構によって拡開部材252を駆動するように加えられる。拡開部材252の偏向範囲は選択された用途に従って変化してよく、また、カテーテルの長手方向軸線251に対して45ー以下、またはそれ以上の組織拡開部材の横方向曲げ角度または拡開角度を含むことができる。
【0041】
図13に示した偏向部材アセンブリー250は、単一片の適切な材料から一体に形成されてもよく、または異なる部品の組合せを含んでいてもよい。夫々の偏向部材または拡開部材252は、一以上のヒンジ254を用いてカラー256に結合すればよい。追加のヒンジ254は、開放位置と閉鎖位置との間で移動するときに、偏向部材252のための追加の横方向支持を提供することができる。各ヒンジ254は、ニチノールワイヤまたは他の可撓性材料で別々に作製することができ、偏向部材をカラー256に結合することができる。カラー256は更に、カテーテルシャフト(図示せず)の比較的遠位端部分に取付けられる。
【0042】
図14A〜図14Dは、組織拡開部材のための種々の構造を示している。上記で述べたように、血管組織拡開部材は血管組織拡開部材は種々の構造および形状で形成すればよい。拡開部材260は特定の用途のために変形されてもよく、カバーを備えた直線状または線形の近位端部262と、比較的無外傷性の湾曲した遠位端部分264との種々の組合せを含むことができる。或いは、図14Bに示すように、拡開部材270の遠位端部分274に凸状の湾曲した遠位端を形成してもよい。図14C〜14Dもまた、それぞれ線形および非線形の傾斜したプロファイルをもった、拡開部材280および290の遠位端部分284および294に対する他の利用可能な変形を提供する。これらは、拡開部材の遠位端において、種々の尖端チップ286および296で終端する。勿論、特定の適用については、ここで説明した血管組織拡開部材のために他の形状を選択してもよい。
【0043】
ここで説明した拡開可能な偏位アセンブリーは、種々の機構によって駆動させられるのがよい。例えば、図15A〜15Bに示すように、遠位端に装着される拡開部材302は、拡開部材の遠位端部分306を拡開する作動バルーンを用いて作動させられるのがよい。拡開部材または偏向部材302は、偏向部材ハウジング300内に配置された膨張可能な作動バルーン304によって、相対的に外側に偏向させられるのがよい。作動バルーン304は、カテーテルの比較的遠位端部308に結合されるのがよく、またカテーテルの近位端部(図示せず)に結合された膨張装置と連絡した膨張ルーメンを通して膨張させることができる。作動バルーン304は、PETまたは放射線照射ポリエチレンのような高強度ポリマーを含む公知の材料で製造すればよく、また多段階で所望の圧力に膨張するように設計すればよい。作動バルーン304は、1平方インチ当たり略60〜330ポンドの拡開力を生じるように、偏向部材302の内表面に対して充分な力を働かせるように構成すればよい。ここで説明する他の引張りまたは押込み作動アセンブリーを用いるとき、拡開力は、加えられる圧力、並びに偏向部材302および内部に配置された略0.050〜0.200インチの膨張プロファイルを有し得る駆動バルーン304の相対的な寸法に従って変更すればよい。
【0044】
図15A〜図15Bに示すように、血管内組織拡開カテーテルは、カテーテルシャフトの長手方向軸線に沿って延びる少なくとも一つのルーメンまたは導管を有するカテーテルシャフト304を含んでいればよい。ハウジング300はカテーテルシャフト308の遠位端に形成すればよく、ここで該ハウジングは、血管閉塞部を取囲む領域を拡大するために、シャフトの中心軸から実質的に横方向に離れるように動く遠位端チップ306をもった、少なくとも一つのヒンジ結合された変更部材302を含んでいてもよい。更に、変更部材ハウジング300は複数の材料片で構成されてもよく、または変形可能な一体の材料で構成されてもよい。ハウジング300に形成されたスリット310は、基本的には、一体的に形成されたヒンジを備えた一対の変更部材302を提供する。選択された材料は、変更部材302の開放運動および閉鎖運動を支持するべきであり、また所望の偏向力を加えるために充分な相対的剛性を有するべきである。膨張性バルーン304のような作動アセンブリーは、ヒンジ結合された偏向部材302をシャフトの中心軸から離れるように偏向させるために、カテーテルシャフト304の少なくともある部分に沿って配置されてもよく、またはハウジング300内に配置されてもよい。勿論、膨張導管は、膨張性バルーン304に導かれるように、カテーテルシャフト308の長手方向軸線に沿って形成されるのがよい。
【0045】
図16A〜図16Dは、複数の変更部材で形成された種々の偏向アセンブリーを例示している。図16Aに示した偏位ハウジングウジングアセンブリー320は、単一片の成形材料で形成してもよく、また、作動させられたときに拡開する幾つかの偏向部材322を形成するように、ここで説明する技術により形成された複数のスリットまたは開口325を含んでいてもよい。この偏向部材アセンブリー320は、カテーテルシャフト328の比較的遠位端部分に沿って取付けられるのがよい。アセンブリーハウジング330内に配置された駆動部材334は、図16Bに示すように、偏向部材332の内側部分に沿って形成されたカム従動節338と連絡するための、中心ハブまたは湾曲表面を備えたカム336を含むことができる。駆動部材334は、特定の方向に回転されるときにカム336を遠位端方向または近位端方向に向けるネジ付き部分337を含んでいる。更に、ハウジング330は、ネジ付き部分337に適合するネジ付き部分を含んでいてもよい。カム336が隣接するカム従動節338に摺動接触して、ヒンジ結合された拡開部材332を拡開させるように、前記ネジ付き管334を回転させることによりカム336を相対的に近位端方向に動して、偏向部材332を開き、または離間するように付勢すればよい。ネジ付き管334を相対的に反対方向に回転させることによって、偏向部材332は同様に閉じることができる。
【0046】
図16C〜図16Dは、複数のヒンジ343を有する変更部材342を用いて形成された、もう一つの偏向部材アセンブリー340を示している。このアセンブリー340のハウジングは、一体の材料片から形成されてもよく、また偏向部材342の弧状運動に適合するように形成された開口部を含んでいてもよい。カム346は、ハウジング340の内部に配置されてもよく、また偏向部材342の内部表面に沿って形成されたカム従動節348に接触してもよい。カム346は、相対的に遠位端側の部分において引張り管344に結合されてもよく、また相対的に近位端側の部分方向に向けられて、ヒンジ結合された偏向部材342を拡開させてもよい。偏向部材ハウジング340は、引張り素子344が相対的に近位端側の部分方向に引っ張られたときに少なくとも一方の変更部材342の偏向を支持する、ピンまたはリベット無しのヒンジ結合部分を提供してもよい。また、図16Aから図16Dの駆動管およびアセンブリーには、偏向部材アセンブリーが開放または閉鎖されるときに、ガイドワイヤの通過を可能にするガイドワイヤルーメンが形成されてもよい。ここで説明した他のカム構成を用いるとき、内部に配置されるカムは、球形、円錐台形、または半平面形を含む種々の形態で形成してもよい。
【0047】
ここで説明する組織拡開カテーテルは、図17A〜図17Bに示した駆動(作動)素子または引張り素子355に接続される、単一ヒンジ結合された組織偏位部材352を含んでいてもよい。組織拡大アセンブリー350は、ヒンジ結合された上部拡開部材352およびアセンブリー350の相対的に固定された下部延長部354を備えていてもよい。組織拡開部材352は、ヒンジピンアセンブリー360を含むことができ、またヒンジピン362を用いて下部延長部354に回動自在に取り付けることができる。ヒンジピンアセンブリー350は、上部拡開部材352の一部に沿って形成されたヒンジピンソケットを含むことができ、これは下部延長部354に沿って形成された対応のヒンジピンソケットと整列することができる。ヒンジピン362は両方のソケットを貫通して嵌合され、上部拡開部材352がヒンジピンを中心に回動することを可能にする。ヒンジピン362は、その長さの一部に亘って外部にネジを切られてもよく、何れかのソケットに結合固定され、ナットまたは当該技術で公知の他の機械的取付け方法により圧縮嵌合によって適所に保持されるのがよい。ヒンジピン362の長手方向の位置は、拡開部材アセンブリー350の何れかの部分に沿って決められるのがよく、また該アセンブリーの遠位端から約0.200〜0.400インチに位置決めされるのがよい。組織拡開アセンブリー350の下部延長部354は、基部管状部分と、上部拡開部材352を回転可能に結合するためのヒンジピン362を収容するソケットとを含んだ、細長い遠位端部分を備えるように形成することができる。下部延長部354はまた、ガイドワイヤを配置および前進させるために、その長さの少なくとも一部に沿ったルーメン358を含んでもよい。
【0048】
図17Bに示すように、上部拡開部材の遠位端353がカテーテルの長手方向軸線に対して横方向に移動するように、拡開部材352は拡開し、または開くことができる。組織拡開部材352は、取付けられた引張りワイヤ355によって駆動することができる。引張りワイヤ355は、引張りワイヤピンおよびソケットアセンブリー364によって、上部拡開部材352の相対的に近位端側の部分に回転可能に取り付ければよい。勿論、引張りワイヤ355は上部拡開部材352の他の部分に取付けてもよく、また、溶接または蝋付け技術を含む他の公知の固定方法を用いて固定してもよい。加えて、引張りワイヤまたは部材355は、ステンレス鋼または他の適切な材料で形成すればよく、また引張りワイヤピン孔を有する平坦な遠位端部分を形成してもよい。この平坦な遠位端部は、上部拡開部材352における対応する引張りワイヤピン孔を形成した、対応するスロットまたは溝の中に嵌合すればよい。引張りワイヤピン366は、適切な位置に圧縮嵌合または固定されて、引張りワイヤ355および上部拡開部材352を一緒に保持することができる。上部拡開部材352は、取付けられた引張りワイヤに対して相対的に近位端側の部分方向に加えられる引張り力に応答して、ヒンジピン362の回りに回動することができる。組織拡開部材352の広がり角度は特定の適用に従って変化することができ、45ー以下またはそれ以上の範囲であってよい。ヒンジピン362および引張りワイヤピン366は、焼入れステンレス鋼または他の適切な金属で製造すればよい。他のヒンジ構成および公知の回動機構が、ここに記載した実施例および他の関連の実施例に同等に適用可能であることが理解されるであろう。
【0049】
本発明の原理に従って形成された追加の血管内カテーテルが、図18A〜図18Dに示されている。これらのカテーテルは、それぞれ少なくとも一つの導管が形成されたカテーテル本体と、該カテーテル本体の遠位端部に結合された単一の組織拡開部材を含んでいる。拡開または偏向部材368は、相対的に近位端側の部分および相対的に遠位端側の部分によって構成される。駆動時に、拡開部材368の遠位端部分はその近位端部分を中心に回動し、または該近位端部分に対して広がるように構成されるのがよい。カテーテルの遠位端部分は更に、相対的に固定された延長部362を含んでいる。組織拡開部材368の相対的に近位端側の部分はヒンジピン366を用いて固定延長部362に結合され、組織拡開部材の相対的に遠位端側の部分が固定延長部から回動離間することを可能にする。図18A〜図18Bに示すように、カテーテル360の長手方向軸線に対して同心円的または心合わせされたガイドワイヤルーメン363を、下部延長部材362に形成してもよい。図18Bに示すように、ガイドワイヤルーメン363は、両者共に拡開部材アセンブリーを実質的に横切って配置される引張りワイヤピン364とヒンジピン366との間に納められるのがよい。この構成は、広範な種類のガイドワイヤまたは直径0.035インチ以上の装置を収容するように、比較的大きなガイドワイヤルーメン363を与えることができる。ガイドワイヤルーメン363は、更に、カテーテルの別個の部分、または下部組織拡開部材362の全長に沿って延びる内部ライナー管またはガイドワイヤ管延長部365を含んでいてもよい。内部ライナー管365は、ニチノール、ポリイミドのような高強度ポリマー、テフロン(登録商標)のような潤滑性ポリマーを含む広範な材料で形成すればよい。ヒンジ結合された偏向部材368にも、それが図18Bに示すように閉じた位置にあるときに、内部ライナー管365の回りに適合する湾曲面または輪郭を有する表面を形成してもよい。或いは、図18C〜図18Dに示すように、ガイドワイヤルーメン363は、カテーテル370の軸に対して中心から外して配置してもよい。この構成では、図18Dに示した断面で見たときに、ヒンジピン366を、上部拡開部材368を横切って配置された引張りワイヤピン364とガイドワイヤルーメン363との間に配置すればよい。同様に、内部ライニング管365をガイドワイヤルーメン363内に配置すればよく、カテーテルシャフトの別個の部分および/または拡開部材アセンブリーの全長に沿って延びることができる。
【0050】
ガイドワイヤ380は、図19A〜図19Eに示すように、ここで説明した血管内カテーテルの異なる部分に沿って形成された種々のルーメンを通過してもよい。ガイドワイヤは、通常は血管閉塞部に近い領域にカテーテルを配置するために使用されるが、勿論、ガイドワイヤを閉塞が装置によって偏位された後に閉塞の一部を通して、またはこれを横切って配置してもよい。更に、血管内カテーテルは、カテーテルの一部またはカテーテルの全長に沿って、その外側に取り付けられた案内管を含んでいてもよい。図19Aに示すように、案内管382はカテーテルの相対的に遠位端側の部分に沿って配置されて、ガイドワイヤ380を収容してもよい。案内管382は、ガイドワイヤ380が下部拡開部材に対して近位端部で案内管を出るように、下部拡開部材388の近位端部分に至る前に終端してもよい。或いは、図19Bに示すように、案内管392は相対的に下方の拡開部材398に形成されたもう一つのガイドワイヤルーメン394に延長され、または結合されて、ガイドワイヤ380が下部拡開部材の遠位端から出るようになっていてもよい。ガイドワイヤ案内管392は、ポリイミドおよびポリエチレンのような成形可能なポリマーを含む広範な材料で製造することができ、またはステンレス鋼またはニチノール製の金属ハイポ管で製造することができる。図19Cに示すように、ガイドワイヤルーメン384は、カテーテルシャフト386の少なくとも遠位端部分および拡開部材385に沿って延びていてもよい。図19D〜図19Eは、カテーテルシャフト396および一部は拡開部材395内に形成されたガイドワイヤルーメン393を示している。拡開部材395におけるガイドワイヤルーメン393は閉じていてもよく、またはカテーテルの外表面に部分的に露出されてもよい。カテーテルの少なくとも遠位端部分は、モノレールのようにガイドワイヤ380に沿って跨っていてもよい。カテーテルシャフトおよび拡開部材アセンブリーに沿った他の異なる領域を含めて、ガイドワイヤルーメンを配置するためのこれらの構成および同様の構成がここに含まれる。
【0051】
図20A〜図20Cは、本発明に従って形成された他の血管組織拡開アセンブリーを示している。図20A〜図20Bに示した組織拡開アセンブリー400は、先に説明したのと同様の方法で形成された、単一のヒンジ結合された拡開部材402を含んでいてもよい。このヒンジ結合された拡開部材402は、カム従動節が形成された湾曲した内側部分を含んでいてもよい。カテーテルシャフト405または拡開アセンブリー400の遠位端部分もまた、カテーテルの長手方向軸線に対して同一線上のベアリング表面408を有するカム従動節が形成された、相対的に固定されまたは静止した延長部404を含んでいてもよい。相補的表面413が形成されたカム410が、組織拡開アセンブリー400と共に内部に配置されてもよい。該カム410は、同一線上のベアリング表面408、および単一のヒンジ結合された拡開部材または偏向部材402の内側部分に沿って形成された内側カム従動節406に沿った、摺動可能な運動のために構成されてもよい。拡開部材402の遠位端チップ414を、カテーテルの長手方向軸線から遠ざかるように実質的に横方向に移動させるために、駆動部材または引張りワイヤ412をカム410に結合してもよい。拡開アセンブリー400およびカテーテルシャフト405の一部に沿って、駆動導管416を形成してもよい。引張り素子または引張りワイヤ412は、駆動導管416内において、カム416に対して相対的に近位端部側に配置すればよい。拡開アセンブリー400またはカテーテルシャフト405の少なくとも一部を通して、同様にガイドワイヤルーメン418を形成してもよい。
【0052】
図20A〜図20Bに示したカムアセンブリーは、不規則な形状のカム410、および単一のヒンジ結合された偏向部材402上に形成されたカム従動節406を含んでいてもよい。カム410のために広範な形状を選択してもよく、ここに示すように、これは対称および非対称であってもよく、また一以上の起伏のある表面または比較的線形の表面413を含んでいてもよい。カム従動節406は、CNCまたはEDM技術のような精密機械加工法を含む種々の公知の技術を用いて、偏向部材の内表面を機械加工することによって形成してもよい。或いは、カム従動節406および変更部材402は、キャスト熱処理金属部品またはモールドプラスチック部品から製造および形成してもよい。カム410は、高い強度および比較的低い表面摩擦をもったステンレス鋼、またはポリカーボネート、デルリン若しくはテフロンのようなエンジニアリングプラスチックで形成してもよい。また、カム410は、接着剤接合、カシメ、半田付け、溶接または他の周知の結合法を使用して、引張り管のような駆動部材に取付けられてもよい。また、カムおよび/またはカム従動節の表面を、テフロンのような潤滑性ポリマーコーティングでコートして、それらの間の摩擦を低減してもよい。
【0053】
図20Cは、血管内カテーテルの比較的遠位端部分に沿って配置され得るもう一つの組織偏位アセンブリー420を図示している。遠位端方向の力に応答して、偏位部材422の遠位端424をカテーテル軸から遠ざかるように変位させるために、駆動導管426内に押込み管421を配置してもよい。この押込み管421は、駆動導管426内において、カム従動節428に対して相対的に近位端部側に配置すればよく、これは種々の線形または湾曲表面で形成されてよい。先に説明したように、ここに記載したこれら種々の駆動機構は、本発明の他の態様および変形例に従って使用することができる。
【0054】
図21A〜図21Bに示すように、本発明に従って、回転駆動される偏向アセンブリー430および440が提供される。血管組織拡開部材の横方向の運動は、カテーテルの長手方向軸線の回りでの駆動部材の回転運動によって発生される。図21Aに示すように、カム従動節434を、少なくとも一つの拡開部材432の内表面上の螺旋溝として形成すればよい。カム436は、駆動部材435に取り付けられた螺旋状のネジまたは隆起線を含むことができる。血管組織アセンブリー430は、更に、相補的溝437を有するもう一つのカム従動節が形成された相対的に固定した延長部438を含んでもよい。駆動部材435がカテーテル軸を中心に回転されると、カム436は、カム従動節434および437に接触し、拡開部材432を広げる。或いは、図21Bに示すように、カム従動節444を組織拡開部材442の内側に沿った溝またはノッチとして形成してもよい。拡開部材440の相対的に固定された延長部449には、拡大された溝を有するカム従動節447を形成してもよい。カム446は、延長部材442が閉じた位置にあるときに、延長部448の溝内に摺動可能に嵌合するオフセットした湾曲表面または突起を含むことができる。しかし、駆動部材445がカテーテル軸を中心に回転するときに、湾曲したカム446の表面は摺動可能に回転してカム従動節444および447と連絡し、拡開部材442を開く。与えられた図は単一の拡開部材を示しているが、同様の回転駆動機構は、複数の拡開部材を備えたアセンブリーにも適用してもよいことが理解される。
【0055】
図22〜図24は、ここで説明した血管内装置のために選択できる種々のカテーテルシャフト構成を提供する。組織を拡開するための血管内カテーテルは、基本的には、カテーテル本体のカラムロードのために、内部コイル本体回りに同軸的に形成された外側補強シャフトを形成した本体を含むことができる。内側コイル本体には、駆動導管を形成してもよい。更に、このカテーテルは遠位端部に取付けられた組織拡開部材、およびカテーテルシャフト内に形成した導管内に配置された駆動素子を含むことができる。このカテーテルシャフトは大きさおよび機械的特性の独特の組合せを示すことができ、これによって冠動脈、脳または末梢血管を含む曲りくねった脈管構造を通過することを可能にする。これらカテーテルシャフトの可撓性およびカラムロードベアリング特性は、閉塞部を横切るチャンネルを形成するために、閉塞した血管領域を押し通し、または拡大するための充分な拡開力または崩壊力の伝達または供給を補助する。血管内カテーテルの寸法特性には、装置の全長に亘る比較的小さい直径、および循環機能の阻害を最小にする比較的低プロファイルが含まれる。更に、カテーテルシャフトの構造的および機械的特性には、特にカテーテルの遠位端部における、横方向の可撓性と共に、充分な剛性をもった圧縮および捻れ強度の組み合わせが含まれる。カテーテルの相対的に遠位端側の部分の外径は、特定の用途について、略0.014〜0.200インチを含めて広範囲に変化してもよい。冠動脈用では、外径は略0.014〜0.092インチに亘って変化してもよく、0.039〜0.78インチの好ましい範囲を含む。抹消での用途では、0.070〜0.200インチの範囲を選択すればよい。カテーテルの材料および構造は、医療実施者が、比較的小径のカテーテルの遠位端または近位端から相対的に遠位端側の部分へと、かなりの距離を横切って必要なまたは適切な長手方向の力を伝達することを可能にするように構成すればよい。遠位端に装着された組織偏位部材を拡開または変更させるために、引張りワイヤまたは引張り管のような駆動部材が、遠隔または近位端位置において相対的に近位端部方向に向けられる。その少なくとも一部は、高密度ポリエチレンまたはポリイミド製のカラムロードを支持する比較的固いシャフト、およびワイヤ編みまたは硬化ワイヤを使用することによって達成される。また、カテーテルは、ヒンジ結合された変位部材を、大腿、呼吸器または頚動脈アプローチから冠動脈または末梢血管の中に配置するために充分な長さを有することができる。これら適用のための典型的な長さは約60〜200cmの範囲を含み、冠動脈用では120〜160cmの好ましい範囲を含むが、これに限定されるものではない。末梢用では、80〜120cmの好ましい作業長さを選択してもよい。血管組織拡開アセンブリーは、冠動脈、脳動脈および末梢動脈のような種々の血管の中に配置することができる。拡開部材を操作して、実質的に閉塞した動脈もしくはその近傍を含む、吻合部またはバイパス移植片と冠動脈の接合部もしくはその近傍に配置することができる。ここに与えられる血管内カテーテルは、PTA、PTCAおよびステント使用のような、その後の主要な治療と共に使用するために、本来の血管内に充分な大きさのチャンネルまたはルーメンを再形成して、全閉塞部を横切ってガイドワイヤを配置するための通路を提供する。
【0056】
カテーテルシャフトは、基本的には、長手方向シャフトルーメンを形成した外部カテーテルシャフトを含む。外部シャフトのカラムロード補強のために、内部コイル体を長手方向シャフトルーメン内に配置してもよい。また、この内部コイル体に長手方向のコイルルーメンを形成して、遠位端に取付けられた偏位アセンブリーを駆動するための引張り素子または引張り管を収容してもよい。この引張り素子を内部コイル本体に対して相対的に移動させるために、移動可能な引張り素子を長手方向コイルルーメン内に摺動可能に配置してもよい。この内部コイルおよび外部シャフト構成は、カテーテルの全長に亘り可撓性および柱状力の改善された伝達性を与える。こうして、カテーテルの相対的に遠位端側の部分は、冠動脈膜血管を含む狭く且つ曲りくねった血管の中を前進し、そこで、遠位端に取付けられた血管組織拡開アセンブリーが駆動されて、血管閉塞部を偏位させる拡開力が与えられる。
【0057】
外部カテーテルシャフトは、種々の耐久性材料または適切なポリマーで形成することができ、またカテーテルの外壁周りに配置された補強部材を有していてもよい。外部カテーテルシャフトは編上げ補強されていてもよく、また略0.025〜0.080インチの外径を有することができる。勿論、これらの寸法を特定の用途に応じて変化させてもよい。この補強部材は、金属製の編まれたハイポ管またはHDPEのような硬質ポリマー管であればよい。補強部材はまた、ポリウレタンでコーティングされ、次いでポリイミド製内部コア(ジョージア州のHVテクノロジー社から入手可能)上に配置された、平坦なステンレス鋼の編上げワイヤで形成してもよい。或いは、補強部材は、ニューハンプシャー州のTFXメディカルコーポレーション社から入手可能なペバックス管の中に封入された編上げステンレス鋼で形成してもよい。
【0058】
外部シャフトの中に形成されたルーメンの内径を変化させてもよく、コイル状内部シャフトを収容するために略0.028〜0.030インチの範囲内又はこれ以上であるのがよい。コイル状の内部シャフトは、外部シャフト内に嵌合するための適切な外径を有しているのがよく、略0.027から0.029インチ以上であるのがよい。勿論、これらの相対的な寸法を特定の血管用に変化されてもよい。好ましい実施例において、コイル状シャフトの力伝達特性は、0.003インチ以下だけ外部シャフトの内径よりも小さい外径で達成することができる。このコイル状シャフトを、更に、ステンレス鋼またはシリコン含量が2%の鋼で構成してもよく、また隣接コイルとの間の密接な接触を与え得る狭いピッチで形成してもよい。コイル状シャフトは、顕著なコイルフィラー重なりまたはコイル上位シャフトの外径の増大を伴わずに、50ポンド以下の柱状力を伝達または保持することができる。内部コイル本体は密に巻回してもよく、また、ハイポ管を含む近位端部を有していてもよい。
【0059】
引張り部材は、ステンレス鋼またはカリフォルニア州のMemry Inc.社から入手可能なニチノール製のハイポ管で製造された引張り管であってもよい。引張り部材は、医者によって血管組織拡開アセンブリーに適用される長手方向の力の大きさを制限するように構成することができる。選択された限界を越える量の力が加えられると、この力は引張り部材は変形するだけで拡開部材に伝達されないように、引張り部材について予め選択された量の力を確立することができる。予め定められた量の長手方向の力の好ましい範囲には、5〜10ポンドの力が含まれ得る。これは、略5〜10ポンドの負荷で弾性的に変形し、8%以下の歪みで完全に弾性回復するように、引張り管を構成することによって達成することができる。この性質は、カリフォルニア州のシェープメモリーアロイInc社によって提供されるニチノールのような超弾性金属を使用することによって達成できる。
【0060】
カテーテルの中心軸に対する、駆動部材または引張り部材、ガイドワイヤおよびコイルの配置を変化させてもよい。これらの部品を、カテーテル本体内で同心円的に、または中心から外れて配置させることができる。一実施例では、図22A〜図22Bに示すように、カテーテルシャフト450は、カテーテル中心軸に対する引張り部材452およびガイドワイヤ451の両方に関して、同心円的または同軸的設計で形成することができる。外部カテーテルシャフト454には、内部コイル状シャフト453を収容する単一のルーメンを形成すればよい。内部コイルシャフト453には、引張り部材または引張り管452を摺動運動させるための、コイル状シャフトルーメンを形成してもよい。引張り管452にはまた、それを通してガイドワイヤを配置するためのルーメン455を形成してもよい。外部シャフト454の内径は、内部コイル状シャフト453を収容すればよい。同様に、内部コイル状シャフト453の内径は、引張り管452の摺動運動を提供すればよい。引張り管452はまた、その中に配置されたガイドワイヤ451の摺動運動を可能にする充分な内径を有する。内部コイル状シャフト453は、全体のカテーテルシャフト450が、カテーテルシャフトの実質的な圧縮およびその結果としての力の伝達ロスを伴わずに、カテーテルの長さに亘って、柱状または長手方向の力の伝達を維持することを可能にする。外部シャフト本体454は、コイル状シャフト453を適切な整列に維持して、コイルフィラーの重なりを回避するのを補助することができる。このコイルシャフト453内のフィラーは、必ずしも丸くなくてもよく、隣接するコイルとの増大した接触表面を与えるように比較的平坦であってもよい。従って、内部コイルシャフト453は、同様の寸法の管に亘る可撓性を増大する一方、力が加わるときの隣接するコイルの重なりによるコイル状シャフトの寸法の充分な増大を伴わずに、カテーテルに対して充分なカラムロードベアリング特性を与える。この全体の構造は、カテーテルシャフトがトルクを伝達し、カラムロードを支持すると共に、曲りくねった血管を通して医者がカテーテル装置を操縦するための充分な可撓性を与えることを可能にする。
【0061】
図23A〜図23Bに示すように、カテーテルシャフト460は、カテーテルの全体の長さに亘って、またはその所定の部分に沿って一以上のルーメンを含んでいてもよい。これらのルーメンは、ガイドワイヤ、引っ張りワイヤ、スプリングワイヤ、カテーテルおよび光学系を含む種々の装置を配置し、前進させるために使用することができる。このカテーテルは、更に、空気、塩水、および造影剤溶液のようなガスおよび液体を供給するためのポートを含むことができる。本発明の種々の実施例において、カテーテルシャフトは、カテーテル内に同心円的または偏心的(中心を外れた)に形成されるルーメンを含んでいてもよい。勿論、ルーメンのために利用できる広範な形状が可能であり、円形、半円形または楕円形の断面形状が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
内部シャフト465は、ガイドワイヤルーメンおよび別の引張り管もしくは引張りワイヤルーメンを与える二重ルーメン構造をもたせて、ポリエチレンまたは同様の材料から押出すことができる。コイル463は、引張り管もしくはワイヤルーメンを含み、またその中に配置された駆動部材を含むことができる。従って、ガイドワイヤ461および引っ張り管もしくはワイヤ462は、偏心的または中心を外れた関係を有することができる。勿論、ガイドワイヤルーメンおよび引張り管ルーメンは、内部シャフト内で相互に対する他の位置関係で形成してもよい。内部カテーテル465は、ポリイミド、ペバックス、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコーンを含む種々の可撓性医療ポリマーで形成すればよい。加えて、ステンレス鋼またはニチノールのような柔軟な金属ハイポ管を選択してもよく、両者をポリマーで被覆してもよい。内部シャフト465は、共重合体および当業者に知られた上記ポリマーの他の組合せによって形成してもよく、また単一もしくは複数のルーメンを伴って公知の押出し法によって形成すればよい。カテーテル本体はまた、多層ラミネート管、または一以上の上記ポリマーおよび成分で製造された管の結合された長手方向区画を含んでいてもよい。
【0063】
図23A〜図23Bに示したカテーテルシャフトは、補強された外部カテーテルシャフト464を含んでおり、これは外部シャフトルーメンおよびその中に配置された内部シャフト465を有し、駆動ルーメンおよび少なくとも一つの内部シャフトルーメンが形成されている。コイルルーメンが形成されたカラムロード補強コイル463を駆動ルーメン内に配置することができ、該コイルルーメン内には駆動ワイヤ462を摺動可能に配置して、該ワイヤの相対的運動を与えることができる。コイル463は更に、コイルまたはコイルルーメンを取囲む追加のスリーブ(図示せず)を含んでいてよい。内部シャフトルーメンは、ガイドワイヤ461の配置のために構成することができ、また駆動ルーメンに対して並列または非同心的に構成することができる。
【0064】
図24A〜図24Bは、ガイドワイヤ用ならびに引張り管およびコイルアセンブリー用の、二つの別々の内部導管または管475および478を含むことができる外部カテーテルシャフト470を示している。補強されたカテーテル本体470は、長手方向のカテーテルシャフトルーメン477を形成した編上げ補強カテーテルシャフト474を含むことができる。駆動導管475を長手方向駆動導管と共に形成してもよく、またカテーテルシャフトの長手方向ルーメン477内のガイドワイヤ導管478に沿って配置してもよい。更に、駆動導管475のカラムロード補強のために、駆動導管ルーメン内に、コイル管ルーメンを形成したコイル状支持管473を配置してもよい。引張り素子472もまた、支持管473内での相対的摺動運動のためにコイル管内に配置してもよい。
【0065】
図25A〜図25Cに示すように、ここで説明する駆動または引張り部材481は、該部材の長手方向移動を与えるために、その近位端において引張り機構480に結合されるのがよい。引張り機構480は、レバーピン486を用いてレバーアーム484に回動自在に結合されたハンドル482を備えている。レバーアーム484は近位端部アダプタ488に固定すればよく、該アダプタは更にカテーテル490の近位端に結合される。レバー484は、図25Bに示すスロット485の中に嵌合すればよい。スロット485の寸法は、該レバーの長手方向移動を所定のまたは固定された量に制限するように、レバー484の係合端の相対的寸法に関連して選択すればよい。図25Cに示した関連の実施例では、ハンドル482およびレバー484の対合表面にラチェット機構495を用いて、レバー484の長手方向移動を固定増分に制御してもよい。
【0066】
図25Aに示した近位端部アダプタは、液体およびガスの導入を含む、ここに記載した種々の材料を通過させるための一以上のポート492を含むことができる。これらのポート492は、更に、それらの相対的に近位端側の部分に、改善された密封性を与えるO-リング弁またはルアー備品を有することができる。一以上のポート492は、カテーテル490内のルーメンと流体的または空間的に連結されたルーメンを有していればよい。近位端部アダプタ488は、射出成形プラスチックまたは他の通常使用される材料で作製すればよい。引張り部材481の近位端部はレバー484に取付けて、医者がレバーを近位端部方向に引いたときに、レバーが引張り部材を近位端部方向に引張るようにすればよい。ハンドル482およびレバー484は、高強度の射出モールドされたプラスチックまたは他の適切な材料で作製すればよい。引張り管481を利用する実施例については、引張り管の近位端部をハンドル482の近位端に取付ければよい。更に、引張り管481は、ガイドワイヤ496の該引張り管の中への導入を容易にするために、近位端部において取付けたガイドワイヤ導入体494を含むことができる。この導入体494は、円錐形または漏斗形を含む種々の構成を有することができ、また滑性プラスチックで製造することができる。
【0067】
本発明のもう一つの態様は、図26A〜図26Bに示すような、血管閉塞を偏位または粉砕する方法を提供する。カテーテルの遠位端領域に配置された一以上の拡開部材502を有し、該拡開部材はカテーテルの長手方向軸線に沿って向けられた力に応答するような血管内カテーテル500を選択すればよい。カテーテルの相対的に近位端側の部分から加えられた方向付けされた力を相対的に遠位端側の部分の拡開部材502に伝達またはリレーするように、カテーテルに沿って配置された駆動アセンブリー510によって、方向付けされた力を与えることができる。図26Aに示した血管カテーテルは、実質的または完全な血管閉塞部501に隣接して、最初は閉じた位置で、選択された血管503内に配置すればよい。図26Bに示すように、駆動アセンブリー510を介して方向付けされた力を加え、拡開部材502を開いた位置に展開または拡開して、血管閉塞物510を粉砕させることができる。拡開部材502は、血管閉塞物501を取囲む組織、または該閉塞物の中の組織を粉砕又は偏位させて、実質的に閉塞部を貫通する通路または該閉塞部の回りの通路を形成することができる。血管壁505もまた、閉塞物501と血管壁との間に実質的に通路を形成するように伸長されてもよい。血管閉塞物が選択された血管の壁に付着しているときは、拡開部材502を拡開して血管壁505の層を分離することも可能であろう。加えて、閉塞物501の少なくとも一部を貫通して形成された通路、またはその回りに形成された通路に沿って、血管カテーテルを遠位端方向に進めてもよい。或いは、ガイドワイヤ515を選択し、閉塞物501の部位へのルーメンまたは導管を通して、閉塞部の少なくとも一部の回りに、またはこれを貫通して前進させてもよい。その前または後に血管カテーテル500を、血管503から除去してもよく、或いはそのままの位置に維持し、カテーテルによって与えられる切開用チャンネルを通して、閉塞部を貫通するガイドワイヤ515を配置するような所望の処置を行ってもよい。血管内閉塞部のこの分離または偏位は、少なくとも一部は、血管閉塞物と血管壁との間の弾性の差に起因するものである。例えば、動脈壁に堆積したプラークは、比較的伸長可能な動脈壁に比較して比較的脆いとみなすことができる。こうして、血管壁を傷つける危険を低減して、閉塞を破砕または粉砕することができる。
【0068】
図27A〜図27Bに示すように、本発明に従えば、実質的に閉塞した血管を横切るもう一つの方法が提供される。遠位端に取付けられた組織偏位アセンブリー600を有する血管内カテーテルを選択すればよい。このアセンブリー600は、遠位端部が拡大部材の近位端部に対して膨張するように構成されるように、相対的に近位端側の部分604および相対的に遠位端側の部分606をもった少なくとも一つの組織偏位部材602を含むのがよい。組織偏位部材602は、その一端の回りに回転するように構成してもよい。駆動アセンブリー608を血管内カテーテル内に配置して、拡開部材602の遠位端部606を拡大するための拡開力を伝達させてもよい。組織拡開部材602は、閉塞物603に近接させて標的血管601内に配置すればよい。図示のように、ガイドワイヤ609を具備し、または具備しない血管内カテーテルを配置するために、案内カテーテル607を選択することができる。組織偏位アセンブリー600を選択し、その偏位部材602が拡開して周囲の血管壁605領域を拡開および伸長させることにより、閉塞物603を崩壊してその中を通過させるようにすればよい。組織拡開部材602の遠位端部606は駆動前の元の直径を有することができ、また、遠位端部606はその下の直径の少なくとも略110パーセントに等しい拡大直径にまで開くことができる。また、組織偏位部材602は、間欠的な拡開を提供するように制御可能に作動させることができ、その後、最終的には非作動化して血管601から除去することができる。
【0069】
血管閉塞物を横切るもう一つの方法は、冠動脈内カテーテル702を含むガイドワイヤを選択し、これを血管内に配置して、血管閉塞部位にまで前進させることを含む。図28A〜図28Bに示すように、冠動脈内カテーテル702を含む案内カテーテルアセンブリー701をガイドワイヤ703上に配置して、冠動脈内案内カテーテルの遠位端を、心臓領域内の慢性完全閉塞のような血管閉塞部705に近接させ、またはこれと接触させることができる。図28Cに示すように、ガイドワイヤ703を除去した後、図28Dに示すように、少なくとも一つのルーメンを有する血管内カテーテル710を血管内の案内カテーテル701の中に挿入すればよい。血管内カテーテル710は、更に、カテーテルの長手方向軸線に沿って方向付けられた力に応答する、カテーテルの遠位端領域に配置された拡開または組織偏位部材を含むことができる。ここで説明した駆動アセンブリー(図示せず)は、その少なくとも一部はカテーテル710内に配置して、カテーテルの近位端部から加えられた方向付けした力を拡開部材に伝達するようにすればよい。血管内カテーテルは、案内カテーテルアセンブリー701を通して、血管閉塞部705に実質的に隣接し、または少なくとも部分的に該閉塞部内にある血管内カテーテルの拡開部材の位置まで前進させればよい。血管閉塞物705を取囲む組織を偏位させるために、駆動アセンブリーから方向付けされた力を与えて、組織偏位部材を拡開させればよい。冠動脈内案内カテーテル702および/または血管内カテーテル710は、血管から除去する前に、図28E〜図28Fに示すように前進させて、閉塞部705を通過させることができる。ガイドワイヤ703は、血管内カテーテル710および/または案内カテーテルアセンブリー701の一部を除去する前または後に、図29H〜図29Iに示すように、血管閉塞部705を横切って、その遠位端方向へ通過するように配置すればよい。上記の一以上の工程の如何なる組合せも、何れかの血管内に位置する閉塞部を横切るために、種々のシーケンスで実行し、または反復してもよいことが理解されるべきである。
【0070】
上記の用途を参照して本発明の全ての態様を説明してきたが、この種々の実施例および方法の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。上記の実施例は例示および説明の目的で提示したものである。ここに提示した具体的な描写、構造または相対的な比率は種々の条件および変数に依存するものであり、本発明の全ての側面はこれらに限定されるものではない。本明細書は網羅的なものではなく、本発明をここに開示した正確な形態に限定することを意図するものではない。開示された発明の特定の実施例の形態および詳細における種々の変形例、および非本質的な変更は、本明細書の開示を参照することによって、当業者には明かであろう。従って、特許請求の範囲の記載は、本発明の真の精神および範囲内に入るような、記載した実施例の如何なる変形または変更をもカバーすべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、閉塞した血管内に配置された閉塞治療装置を示す斜視図である。
【図2】 図2は、完全な閉塞を破砕または断裂させるプロセスにある、図1に示したのと同様の組織拡開部材を有するカテーテルの側面図である。
【図3】 図3は、第一の閉じた位置と第二の開いた位置を有する組織拡開部材または鈍端部材の拡大側面図である。
【図4】 図4は、閉じた位置で示された、図3に示した組織拡開部材の端面図である。
【図5】 図5は、相対的に閉じた位置で示された、ヒンジ結合された拡開部材の断面図である。
【図6】 図6は、相対的に開いた位置で示された、図5に示したのと同様のヒンジ結合された拡開部材の断面図である。
【図7】 図7は、閉じた位置で示された、本発明によるヒンジ結合された偏向部材の断面図である。
【図8】 図8は、開いた位置で示された、図7に示したのと同様の本発明によるヒンジ結合された偏向部材の断面図である。
【図9】 図9は、相対的に閉じた位置で示された、図7に示した偏向部材の端面図である。
【図10】 図10は、相対的に開いた位置で示された、図8に示した偏向部材の端面図である。
【図11A】 図11Aは、ハブおよびヒンジ結合した偏向部材を備えた偏向部材ハウジングアセンブリーの側面図である。
【図11B】 図11Bは、ハブおよびヒンジ結合された偏向部材を備えた偏向部材ハウジングアセンブリーの側面図である。
【図11C】 図11Cは、ハブおよびヒンジ結合された偏向部材を備えた偏向部材ハウジングアセンブリーの側面図である。
【図12A】 図12Aは、閉じた位置で示された、偏向部材を用いて形成された血管組織拡開および駆動アセンブリーの断面図である。
【図12B】 図12Bは、開いた位置で示された、偏向部材を用いて形成された血管組織拡開および駆動アセンブリーの断面図である。
【図13】 図13は、開いた位置および閉じた位置で示された、ヒンジ結合された偏向部材アセンブリーの単純化した側面図である。
【図14A】 図14Aは、組織拡開部材についての種々の形状の単純化された部分側面図である。
【図14B】 図14Bは、組織拡開部材についての種々の形状の単純化された部分側面図である。
【図14C】 図14Cは、組織拡開部材についての種々の形状の単純化された部分側面図である。
【図14D】 図14Dは、組織拡開部材についての種々の形状の単純化された部分側面図である。
【図15A】 図15Aは、拡開部材の開いた遠位端部分を拡開する作動バルーンを備えた、遠位端に装着された拡開部材の側面図である。
【図15B】 図15Bは、拡開部材の開いた遠位端部分を拡開する作動バルーンを備えた、遠位端に装着された拡開部材の側面図である。
【図16A】 図16Aは、複数の変更部材で形成された、遠位端に取付けられる偏向部材を示している。
【図16B】 図16Bは、複数の変更部材で形成された、遠位端に取付けられる偏向部材を示している。
【図16C】 図16Cは、複数の変更部材で形成された、遠位端に取付けられる偏向部材を示している。
【図16D】 図16Dは、複数の変更部材で形成された、遠位端に取付けられる偏向部材を示している。
【図17A】 図17Aは、引張り素子に結合された単一のヒンジ結合部材を備えた、血管組織拡開アセンブリーを示す側面図である。
【図17B】 図17Bは、引張り素子に結合された単一のヒンジ結合部材を備えた、血管組織拡開アセンブリーを示す側面図である。
【図18A】 図18Aは、ヒンジ結合された偏向部材およびガイドワイヤを用いた位置決めを示す単純化された図である。
【図18B】 図18Bは、ヒンジ結合された偏向部材およびガイドワイヤを用いた位置決めを示す単純化された図である。
【図18C】 図18Cは、ヒンジ結合された偏向部材およびガイドワイヤを用いた位置決めを示す単純化された図である。
【図18D】 図18Dは、ヒンジ結合された偏向部材およびガイドワイヤを用いた位置決めを示す単純化された図である。
【図19A】 図19Aは、遠位端に装着された拡開部材およびガイドワイヤ案内通路を備えたカテーテルシャフトの側面および断面図である。
【図19B】 図19Bは、遠位端に装着された拡開部材およびガイドワイヤ案内通路を備えたカテーテルシャフトの側面および断面図である。
【図19C】 図19Cは、遠位端に装着された拡開部材およびガイドワイヤ案内通路を備えたカテーテルシャフトの側面および断面図である。
【図19D】 図19Dは、遠位端に装着された拡開部材およびガイドワイヤ案内通路を備えたカテーテルシャフトの側面および断面図である。
【図19E】 図19Eは、遠位端に装着された拡開部材およびガイドワイヤ案内通路を備えたカテーテルシャフトの側面および断面図である。
【図20A】 図20Aは、単一のヒンジ結合された偏向部材を偏向させるための種々の駆動およびカムアセンブリーを備えた、血管組織拡開アセンブリーの単純化された側断面図である。
【図20B】 図20Bは、単一のヒンジ結合された偏向部材を偏向させるための種々の駆動およびカムアセンブリーを備えた、血管組織拡開アセンブリーの単純化された側断面図である。
【図20C】 図20Cは、単一のヒンジ結合された偏向部材を偏向させるための種々の駆動およびカムアセンブリーを備えた、血管組織拡開アセンブリーの単純化された側断面図である。
【図21A】 図21Aは、回転駆動され得るヒンジ結合された拡開部材の側面および断面図である。
【図21B】 図21Bは、回転駆動され得るヒンジ結合された拡開部材の側面および断面図である。
【図22A】 図22Aは、カテーテルシャフトの構成を示す単純化された側面図である。
【図22B】 図22Bは、図22Aのカテーテルシャフトの単純化された端面図である。
【図23A】 図23Aは、カテーテルシャフトの構成を示す単純化された側面図である。
【図23B】 図23Bは、図23Aのカテーテルシャフトの単純化された端面図である。
【図24A】 図24Aは、カテーテルシャフトの構成を示す単純化された側面図である。
【図24B】 図24Bは、図24Aのカテーテルシャフトの単純化された端面図である。
【図25A】 図25Aは、オペレータが使用するためのレバーを形成した、近位端部に配置された駆動アセンブリーの単純化された側面図である。
【図25B】 図25Bは、図25Aの駆動アセンブリーの一部を示す斜視図である。
【図25C】 図25Cは、図25Aの駆動アセンブリーの一部を示す斜視図である。
【図26A】 図26Aは、閉塞した血管内の複数の偏向部材を有する拡開部材アセンブリーを、その閉じた位置で示す断面図である。
【図26B】 図26Bは、閉塞した血管内の複数の偏向部材を有する拡開部材アセンブリーを、その開いた位置で示す断面図である。
【図27A】 図27Aは、閉塞した血管内の単一の偏向部材を有する拡開部材アセンブリーを、その閉じた位置で示す断面図である。
【図27B】 図27Bは、閉塞した血管内の単一の偏向部材を有する拡開部材アセンブリーを、その開いた位置で示す断面図である。
【図28A】 図28Aは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。
【図28B】 図28Bは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。
【図28C】 図28Cは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。
【図28D】 図28Dは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。
【図28E】 図28Eは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。
【図28F】 図28Fは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。
【図28G】 図28Gは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。
【図28H】 図28Hは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。
【図28I】 図28Iは、本発明によって提供される装置および方法を用いて、冠動脈閉塞部を横切る方法を示す単純化された図である。

Claims (37)

  1. 血管内組織拡開カテーテルにおいて:
    遠位端および長手方向軸線によって構成されるカテーテルシャフトであって、前記長手方向軸線に沿って延びる少なくとも一つの導管を有するカテーテルシャフトと;
    前記カテーテルシャフトの遠位端に形成されたハウジングであって、該ハウジングは、前記シャフトの長手方向軸線から遠ざかるように実質的に横方向に移動して血管組織を広げる遠位端チップによって構成された、少なくとも一つのヒンジ結合された偏向部材を含むハウジングと;
    少なくとも一つのヒンジ結合された偏向部材の遠位端チップを前記シャフトの長手方向軸線から遠ざかるように移動させるために、カテーテルシャフトに沿って配置された駆動アセンブリーとを具備し、
    前記偏向部材はヒンジを含み、
    前記少なくとも一つの偏向部材には、内側カム従動節が形成されており、
    前記駆動アセンブリーは、前記少なくとも一つの偏向部材をカム従動節に沿って摺動移動させて、前記偏向部材の遠位端を実質的に横方向に移動させるために、前記ハウジング内に配置されたカムを含むことを特徴とする血管内組織拡開テーテル。
  2. 請求項1に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記偏向部材は複数のヒンジを含む血管内組織拡開カテーテル。
  3. 請求項1に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記駆動アセンブリーは、前記カテーテルシャフトに沿って形成された駆動導管と、該駆動導管内で前記カム従動節に相対的に近接して配置された押込み管とを含む血管内カテーテル。
  4. 請求項1に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記駆動アセンブリーは、前記カテーテルシャフトに沿って形成された駆動導管と、該駆動導管内で前記カム従動節に相対的に近接して配置された回転管とを含む血管内組織拡開カテーテル。
  5. 請求項1に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記駆動アセンブリーは、前記カテーテルシャフトに沿って形成された駆動導管と、該駆動導管内で前記カム従動節に相対的に近接して配置された引張り素子とを含む血管内組織拡開カテーテル。
  6. 請求項1に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記駆動アセンブリーは、前記少なくとも一つの偏向部材に結合された引張り素子を含む血管内組織拡開カテーテル。
  7. 請求項6に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記偏向部材はヒンジピンで前記ハウジングに結合されて、前記引張り素子が相対的に近位端部方向に引っ張られたときに、前記少なくとも一つの偏向部材の回動を補助するヒンジを形成する血管内組織拡開カテーテル。
  8. 請求項6に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記偏向部材および前記ハウジングはニチノールで一体に形成されて、前記引張り素子が相対的に近位端部側方向に引っ張られたときに、前記少なくとも一つの偏向部材の偏向を補助するリベットなしのヒンジ部分を提供する血管内組織拡開カテーテル。
  9. 請求項6に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記引張り素子はニチノールで形成される血管内組織拡開カテーテル。
  10. 請求項1に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記カテーテルシャフトは外部表面によって構成され、またシャフトの外表面内にガイドワイヤ導管が形成される血管内組織拡開カテーテル。
  11. 請求項10に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記ガイドワイヤ導管は前記シャフトの長手方向軸線から偏心して形成される血管内組織拡開カテーテル。
  12. 請求項1に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記カテーテルシャフトは外部表面によって構成され、またシャフトの外表面内に沿ってガイドワイヤ導管が形成される血管内カテーテル。
  13. 血管内組織拡開カテーテルにおいて:
    遠位端および長手方向軸線によって構成されるカテーテルシャフトであって、前記長手方向軸線に沿って延びる少なくとも一つの導管を有するカテーテルシャフトと;
    前記カテーテルシャフトの遠位端に形成されたハウジングであって、該ハウジングは、前記シャフトの長手方向軸線から遠ざかるように実質的に横方向に移動して血管組織を広げる遠位端チップによって構成された、少なくとも一つのヒンジ結合された偏向部材を含むハウジングと;
    少なくとも一つのヒンジ結合された偏向部材の遠位端チップを前記シャフトの長手方向軸線から遠ざかるように移動させるために、カテーテルシャフトに沿って配置された駆動アセンブリーとを具備し、
    前記ハウジングは偏向可能な材料で形成され、また前記駆動アセンブリーは、前記ハウジング内に配置される前記カテーテルシャフトの遠位端に形成された膨張性バルーンと、前記カテーテルシャフトの長手方向軸線に沿って形成された膨張導管とを含み、
    前記偏向部材の遠位端が前記カテーテルシャフトの長手方向軸線から遠ざかるように実質的に横方向に移動するように、前記膨張性バルーンが膨張して前記少なくとも一つの偏向部材を拡開させることを特徴とする血管内組織拡開カテーテル。
  14. 請求項13に記載の血管内組織拡開カテーテルであって、前記シャフトは、編上げ材および内部コイルシャフト部材で形成される血管内組織拡開カテーテル。
  15. 血管内カテーテルにおいて:
    遠位端部および少なくとも一つの導管が形成されたカテーテル本体と;
    前記カテーテル本体の遠位端部に結合された少なくとも一つの組織拡開部材であって、該拡開部材は相対的に近位端側の部分および相対的に遠位端側の部分を含み、該遠位端部は前記近位端部に対して拡開するように構成された組織拡開部材と;
    前記組織拡開部材と連絡して前記カテーテル本体内に配置され、前記拡開部材の遠位端を拡開する駆動アセンブリーとを具備し、
    前記遠位端部は相対的に固定された延長部を含み、前記組織拡開部材の相対的に近位端側の部分はヒンジピンで前記固定延長部に結合されて、前記組織拡開部材の相対的に遠位端側の部分が前記固定延長部から遠ざかるように移動することを可能にすることを特徴とする血管内カテーテル。
  16. 請求項15に記載の血管内カテーテルであって、前記駆動アセンブリーは、駆動ワイヤアタッチメントを用いて前記組織拡開部材の相対的に近位端側の部分に結合された駆動ワイヤを含む血管内カテーテル。
  17. 請求項16に記載の血管内カテーテルであって、前記遠位端部にはガイドワイヤルーメンが形成される血管内カテーテル。
  18. 請求項17に記載の血管内カテーテルであって、前記ヒンジピンは、前記カテーテル本体の遠位端部内において、前記ガイドワイヤルーメンと前記駆動ワイヤアタッチメントとの間に配置される血管内カテーテル。
  19. 請求項17に記載の血管内カテーテルであって、前記ガイドワイヤルーメンは、前記カテーテル本体の遠位端部内において、前記ヒンジピンと前記駆動ワイヤアタッチメントとの間に配置される血管内カテーテル。
  20. 請求項17に記載の血管内カテーテルであって、更に、前記固定延長部の少なくとも一部に沿って位置する外表面で構成された、ガイドワイヤを囲むためのガイドワイヤ管延長部を具備する血管内カテーテル。
  21. 請求項17に記載の血管内カテーテルであって、前記組織拡開部材には、前記ガイドワイヤ管延長部の外表面に対して相補的な表面が形成されている血管内カテーテル。
  22. 組織を拡開するための血管内カテーテルにおいて:
    遠位端部により構成されたカテーテル本体であって、該遠位端部には、カテーテル本体のカラムロード補強のために、内部コイル体の回りに同軸的に形成された外部補強シャフトが形成され、前記内部コイル体には駆動導管が形成されているカテーテル本体と;
    前記カテーテル本体の遠位端部に結合された内部カム従動節により限定された組織拡開部材であって、相対的に近位端側の部分および相対的に遠位端側の部分を含み、該遠位端部は前記近位端部に対して拡開するように構成された組織拡開部材と;
    前記駆動導管内に配置された駆動部材であって、前記駆動部材には、前記組織拡開部材の内部カム従動節と連携して、駆動されたときに前記拡開部材の遠位端を拡開するためのカムが形成された駆動部材とを具備することを特徴とする血管内カテーテル。
  23. 組織を拡開するための血管内カテーテルにおいて:
    遠位端部により限定されたカテーテル本体であって、該遠位端部には、カテーテル本体のカラムロード補強のために、内部コイル体の回りに同軸的に形成された外部補強シャフトが形成され、前記内部コイル体には駆動導管が形成されているカテーテル本体と;
    前記カテーテル本体の遠位端部に結合された組織拡開部材であって、相対的に近位端側の部分および相対的に遠位端側の部分を含み、該遠位端部は前記近位端部に対して拡開するように構成された組織拡開部材と;
    駆動されたときに前記拡開部材の遠位端を拡開するために、前記駆動導管内に配置された駆動部材とを具備し、
    前記カテーテル本体の遠位端部は相対的に固定された延長部を含み、また前記組織拡開部材の相対的に近位端側の部分はヒンジピンで前記固定延長部に結合されて、前記組織拡開部材の相対的に遠位端側の部分が前記固定延長部から遠くへ移動するのを可能にすることを特徴とする血管内カテーテル。
  24. 請求項23に記載の血管内カテーテルであって、前記駆動素子は、駆動ワイヤアタッチメントを用いて前記組織拡開部材の相対的に近位端側の部分に結合された引張りワイヤである血管内カテーテル。
  25. 血管閉塞を治療するためのカテーテルにおいて:
    近位端部分および遠位端部分によって構成された細長いシャフトであって、前記シャフトの近位端部から遠位端部へと延びる少なくとも一つのルーメンが形成されたシャフトと;
    前記シャフトの遠位端部分に形成された少なくとも一つのヒンジ結合された拡開部材であって、前記シャフトの長手方向軸線から遠ざかるように移動して、血管閉塞物を粉砕させる遠位端によって構成される拡開部材と;
    駆動力に応答して前記拡開部材の遠位端を移動させるために、前記細長いシャフトに沿って配置された駆動アセンブリーとを具備し、
    前記少なくとも一つのヒンジ結合された拡開部材は、カム従動節が形成された相対的な内側部分を含み、
    前記駆動アセンブリーは、遠位端と、少なくとも一つの拡開部材に形成されたカム従動節と連絡して前記拡開部材を実質的に横方向に付勢するために、前記遠位端に形成されたカムによって構成される駆動素子とを含むことを特徴とするカテーテル。
  26. 請求項25に記載のカテーテルであって、前記カムは、該カムが相対的に近位端側の部分方向に移動して前記拡開部材の遠位端を実質的に横方向に動かすときに、前記少なくとも一つのヒンジ結合された拡開部材の内側部分に形成されたカム従動節と摺動接触する中心ハブとして構成されるカテーテル。
  27. 請求項25に記載のカテーテルであって、前記カムには、該カムが相対的に遠位端方向に移動して前記拡開部材を実質的に横方向に動かすときに、前記少なくとも一つのヒンジ結合された拡開部材の内側部分に形成されたカム従動節と摺動接触するカムエッジが形成されているカテーテル。
  28. 請求項25に記載のカテーテルであって、前記シャフトの遠位端部分には、コリニアなベアリング表面が形成されているカテーテル。
  29. 請求項28に記載のカテーテルであって、前記カムは、単一のヒンジ結合された拡開部材の前記コリニアなベアリング表面および前記カム従動節に沿って、摺動可能に移動するために構成されているカテーテル。
  30. 請求項25に記載のカテーテルであって、前記細長いシャフトの遠位端部分はノーズコーンを含むカテーテル。
  31. 請求項25に記載のカテーテルであって、前記細長いシャフトの遠位端部分は、外表面によって構成されるハブを含むカテーテル。
  32. 請求項31に記載のカテーテルであって、更に、前記ハブの外表面の回りに嵌合されたカラー部分を具備するカテーテル。
  33. 請求項32に記載のカテーテルであって、少なくとも二つのヒンジ結合された拡開部材が、前記カラー部分に一体に結合されているカテーテル。
  34. 請求項25に記載のカテーテルであって、前記ヒンジ結合された拡開部材は、実質的に湾曲した端部によって構成されるカテーテル。
  35. 請求項25に記載のカテーテルであって、前記ヒンジ結合された拡開部材は、実質的にテーパした端部によって構成されるカテーテル。
  36. 請求項25に記載のカテーテルであって、前記ヒンジ結合された拡開部材は、実質的に尖った端部によって構成されるカテーテル。
  37. 血管閉塞を治療するためのカテーテルにおいて:
    近位端部および遠位端部、長手方向軸線、およびその中を延びる少なくとも一つのルーメンを有する細長いシャフトと;
    前記遠位端部に少なくとも一つの組織偏位部材を有する組織偏位アセンブリーであって、長手方向軸線から遠ざかるようにその一端を中心に回動して、血管閉塞部の組織を偏位させるように構成された組織偏位アセンブリーと;
    前記組織拡開部材の一端を回動させるために前記細長いシャフト内の少なくとも一部に配置され、且つ前記細長いシャフトの近位端部から操作可能に構成された駆動アセンブリーとを具備するカテーテル。
JP2000568543A 1998-09-08 1999-08-27 血管閉塞を治療するための方法および装置 Expired - Lifetime JP4201987B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/149,875 US6217549B1 (en) 1997-02-28 1998-09-08 Methods and apparatus for treating vascular occlusions
US09/149,875 1998-09-08
US09/149,874 1998-09-08
US09/149,874 US6508825B1 (en) 1997-02-28 1998-09-08 Apparatus for treating vascular occlusions
PCT/US1999/019649 WO2000013738A2 (en) 1998-09-08 1999-08-27 Methods and apparatus for treating vascular occlusions

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002524157A JP2002524157A (ja) 2002-08-06
JP4201987B2 true JP4201987B2 (ja) 2008-12-24

Family

ID=26847123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000568543A Expired - Lifetime JP4201987B2 (ja) 1998-09-08 1999-08-27 血管閉塞を治療するための方法および装置

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP1112103B1 (ja)
JP (1) JP4201987B2 (ja)
AT (1) ATE314871T1 (ja)
AU (1) AU6021599A (ja)
BR (1) BR9913538A (ja)
CA (1) CA2343050A1 (ja)
DE (1) DE69929364D1 (ja)
WO (1) WO2000013738A2 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU8911001A (en) * 2000-09-14 2002-03-26 Cook Urological Inc Minimally-invasive medical retrieval device
AU2002243987A1 (en) * 2001-02-13 2002-08-28 Lumend, Inc. Method and apparatus for micro-dissection of vascular occlusions
US6579302B2 (en) 2001-03-06 2003-06-17 Cordis Corporation Total occlusion guidewire device
US8702626B1 (en) 2004-04-21 2014-04-22 Acclarent, Inc. Guidewires for performing image guided procedures
US8747389B2 (en) 2004-04-21 2014-06-10 Acclarent, Inc. Systems for treating disorders of the ear, nose and throat
US9399121B2 (en) 2004-04-21 2016-07-26 Acclarent, Inc. Systems and methods for transnasal dilation of passageways in the ear, nose or throat
US20060063973A1 (en) 2004-04-21 2006-03-23 Acclarent, Inc. Methods and apparatus for treating disorders of the ear, nose and throat
US8894614B2 (en) 2004-04-21 2014-11-25 Acclarent, Inc. Devices, systems and methods useable for treating frontal sinusitis
US7803150B2 (en) 2004-04-21 2010-09-28 Acclarent, Inc. Devices, systems and methods useable for treating sinusitis
US20070167682A1 (en) 2004-04-21 2007-07-19 Acclarent, Inc. Endoscopic methods and devices for transnasal procedures
US7654997B2 (en) 2004-04-21 2010-02-02 Acclarent, Inc. Devices, systems and methods for diagnosing and treating sinusitus and other disorders of the ears, nose and/or throat
US10188413B1 (en) 2004-04-21 2019-01-29 Acclarent, Inc. Deflectable guide catheters and related methods
US20070208252A1 (en) 2004-04-21 2007-09-06 Acclarent, Inc. Systems and methods for performing image guided procedures within the ear, nose, throat and paranasal sinuses
US20190314620A1 (en) 2004-04-21 2019-10-17 Acclarent, Inc. Apparatus and methods for dilating and modifying ostia of paranasal sinuses and other intranasal or paranasal structures
US8414473B2 (en) 2004-04-21 2013-04-09 Acclarent, Inc. Methods and apparatus for treating disorders of the ear nose and throat
US8951225B2 (en) 2005-06-10 2015-02-10 Acclarent, Inc. Catheters with non-removable guide members useable for treatment of sinusitis
US8360969B2 (en) * 2007-03-29 2013-01-29 Frantz Medical Development, Ltd. Securable cannula and method
US9186170B2 (en) * 2008-06-05 2015-11-17 Cardiovascular Systems, Inc. Bidirectional expandable head for rotational atherectomy device
DE102009018723A1 (de) 2009-04-27 2010-10-28 Karl Storz Gmbh & Co. Kg Medizinisches Dilatationsinstrument
US20150080795A1 (en) * 2013-07-26 2015-03-19 Cardiovascular Systems, Inc. Devices, systems and methods for performing atherectomy and subsequent balloon angioplasty without exchanging devices
US11690645B2 (en) 2017-05-03 2023-07-04 Medtronic Vascular, Inc. Tissue-removing catheter
CN110582243A (zh) 2017-05-03 2019-12-17 美敦力瓦斯科尔勒公司 具有导丝隔离衬套的组织移除导管
CN109498959A (zh) * 2019-01-28 2019-03-22 郑州大学第附属医院 冠状动脉张合微导管
US11819236B2 (en) 2019-05-17 2023-11-21 Medtronic Vascular, Inc. Tissue-removing catheter
CN113243970B (zh) * 2021-05-12 2023-10-31 中国科学院自动化研究所 面向cto病变的新型血管介入装置及主动开通器械

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2945237A1 (de) * 1979-11-09 1981-05-14 Stavros Prof. Dr.med. 5100 Aachen Lymberopoulos Steinfaenger zur transurethralen entfernung von harnleitersteinen
US4648402A (en) * 1985-10-03 1987-03-10 Santos Manuel V Blood vessel dilating surgical instrument
US5156594A (en) * 1990-08-28 1992-10-20 Scimed Life Systems, Inc. Balloon catheter with distal guide wire lumen
US5263963A (en) * 1989-09-08 1993-11-23 Advanced Cardiovascular Systems, Inc. Expandable cage catheter for repairing a damaged blood vessel
US5766151A (en) * 1991-07-16 1998-06-16 Heartport, Inc. Endovascular system for arresting the heart
US5423846A (en) * 1991-10-21 1995-06-13 Cathco, Inc. Dottering auger catheter system
US5279565A (en) * 1993-02-03 1994-01-18 Localmed, Inc. Intravascular treatment apparatus and method
DE4429117A1 (de) * 1994-08-17 1996-02-22 Bess Medizintechnik Gmbh Dilatationskatheter
US5968064A (en) * 1997-02-28 1999-10-19 Lumend, Inc. Catheter system for treating a vascular occlusion

Also Published As

Publication number Publication date
BR9913538A (pt) 2001-06-05
CA2343050A1 (en) 2000-03-16
WO2000013738A3 (en) 2000-11-23
EP1112103A2 (en) 2001-07-04
DE69929364D1 (de) 2006-03-30
WO2000013738A2 (en) 2000-03-16
ATE314871T1 (de) 2006-02-15
AU6021599A (en) 2000-03-27
EP1112103B1 (en) 2006-01-04
JP2002524157A (ja) 2002-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4201987B2 (ja) 血管閉塞を治療するための方法および装置
US6746462B1 (en) Methods and apparatus for treating vascular occlusions
US6508825B1 (en) Apparatus for treating vascular occlusions
EP1054704B1 (en) Catheter system for treating a vascular occlusion
JP4653104B2 (ja) 血管閉塞部を開通させるためのカテーテル装置及び方法
EP3113828B1 (en) Catheter assemblies for stabilizing a catheter assembly within a subintimal space
AU2012275754B2 (en) System and method for dilating and adjusting flexibility in a guiding device
US6398798B2 (en) Catheter system for treating a vascular occlusion
US10080868B2 (en) Catheter systems with a blocking mechanism and methods for bypassing an occlusion in a blood vessel
JP2023515276A (ja) 経皮的冠動脈インターベンションのための血管内送入システム及び方法
US8974482B2 (en) Device to steer into subintimal false lumen and parallel park in true lumen
JP2008523910A (ja) 操作可能なガイドカテーテル及びその使用方法
US20020143358A1 (en) Method and apparatus for micro-dissection of vascular occlusions
JP6820611B2 (ja) 二重同心のガイドワイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070918

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071218

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4201987

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term