以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば、7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えば、LCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば、上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは、単に「導出」ともいう)する。なお、例えば、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば、微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば、1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HLと、第2保留表示部5HRと、アクティブ表示部AHAとが配置されている。第1保留表示部5HLは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。第2保留表示部5HRは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態(有利状態)に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達していれば、第1始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達していれば、第2始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数および合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
第1保留表示部5HLでは、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第1保留表示部5HLは、例えば、右詰めで第1保留表示が行われるように構成されていればよい。第1保留表示部5HLには、第1特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、右端から左側へ向かって順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第1始動条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第1保留表示部5HLに他の第1保留表示がなければ、第1保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位にて、増加分の第1特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第1保留表示を追加する。第1保留表示部5HLに他の第1保留表示があれば、新たな第1保留表示を、他の第1保留表示が行われている表示部位の左隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第1保留表示部5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第1保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位における第1保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(右側)に移動(シフト)させる。
第2保留表示部5HRでは、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第2保留表示部5HRは、例えば、左詰めで第2保留表示が行われるように構成されていればよい。第2保留表示部5HRには、第2特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、左端から右側に向かって順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第2始動条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第2保留表示部5HRに他の第2保留表示がなければ、第2保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位にて、増加分の第2特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第2保留表示を追加する。第2保留表示部5HRに他の第2保留表示があれば、新たな第2保留表示を、他の第2保留表示が行われている表示部位の右隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第2保留表示部5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第2保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位における第2保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(左側)に移動(シフト)させる。
なお、第1保留表示部5HLでは、右詰めで第1保留表示が行われるように構成され、消化されると第1保留表示が右側にシフトする例を示したが、例えば、左詰めで第1保留表示が行われるように構成され、消化されると左側にシフトしてもよい。同様に、第2保留表示部5HRでは、左詰めで第2保留表示が行われるように構成され、消化されると第2保留表示が左側にシフトする例を示したが、例えば、右詰めで第2保留表示が行われるように構成され、消化されると右側にシフトしてもよい。
アクティブ表示部AHAは、実行中の可変表示に対応して、保留表示と同一の演出画像または異なる演出画像を表示する。アクティブ表示部AHAにおける表示は、アクティブ表示(可変表示対応表示、消化時表示あるいは今回表示などともいう)と称する。アクティブ表示部AHAでは、例えば、第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第1保留表示部5HLにて消去(消化)された第1保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ表示部AHAでは、例えば第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第2保留表示部5HRにて消去(消化)された第2保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。なお、第1保留表示や第2保留表示とアクティブ表示とでは、色彩や模様が共通するものであればよく、例えば、アクティブ表示は第1保留表示や第2保留表示よりも大きく表示されるものであってもよい。
第1保留表示及び第2保留表示は、これから実行される可変表示に対応した表示であり、アクティブ表示は、実行中の可変表示に対応した表示であるため、これらを可変表示に対応した対応表示とも称する。
図1に示す画像表示装置5の表示領域には、第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとの間にアクティブ表示部AHAが配置されている。これに対し、アクティブ表示部AHAは、第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとの間に配置されるものに限定されず、画像表示装置5の表示領域における任意の位置に配置されていればよい。また、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRの配置も任意に変更可能であり、例えば、第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとを入れ替えて配置したものでもよい。
第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRとともに、あるいは、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば、「4」)に対応した個数(例えば、4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。なお、上述した保留表示(第1保留表示、第2保留表示)それぞれに対応する情報を総称する語として「可変表示関連情報」を用いる場合がある。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が通過(進入)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(通過(進入)容易状態)と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態(通過(進入)困難(通過(進入)不可を含む)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に通過(進入)しやすい状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは、閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に通過(進入)した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が通過(進入)可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば、4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば、10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに、遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば、下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば、遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば、左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば、人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、スティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述する演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えば、セグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8Rおよび遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば、乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(いわゆる電断があっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えば、プロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される)、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を画像表示装置5に実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば、大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば、「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば、「16」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば、「50」)よりも多い第1回数(例えば、「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば、1/50)よりも高い第1確率(例えば、1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば、「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば、「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば、回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20において普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば、前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば、変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
一例として、「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば、29秒間)あるいは所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に、「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば、「16」)に達するまで繰返し実行される。
可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。また、「1」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「確変」または「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば、29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、16ラウンド(16回)などの所定回数分実行される。また、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば、0.5秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、2ラウンド(2回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「突確」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「突確大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄(たとえば、「5」)が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、大当り遊技状態後に大当りになる確率が変更されない小当りとなる。小当りとなったときには、突確大当りとなったときと実質的に同じ開放態様(例えば、開放時間0.5秒)で大入賞口が2回開放状態になる小当り遊技状態に制御される。これにより、遊技者は、大当り遊技の開放態様から、小当りであったのか突確大当りであったのかを特定することができない。また、小当りとなったときには、遊技状態は時短状態には制御されない。その結果、小当りとなって大入賞口が2回開放状態に制御されたときには、遊技者に対して突確大当りが発生したかのような印象を抱かせることができる。すなわち、小当りを突確大当りのいわゆる偽(ガセ)の大当りとして用いることができる。
この形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態および確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えば、システムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態および時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態および確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば、「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば、「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これらの演出を、飾り図柄の可変表示とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、および突確/小当り専用リーチが用意されている。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば、最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、例えば、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されている。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目が仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜2回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば、4回や5回としてもよい。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するようにしてもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を行って最変動演出を実行してもよい。
なお、飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば、「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば、「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば、始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。この実施の形態では、そのような先読み予告演出として、予告対象の保留表示(第1保留表示、第2保留表示)の表示態様を異ならせることで、可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な保留予告演出を実行可能になっている。具体的に、この実施の形態では、背景画像の種類に応じた変化パターンに従って、保留表示の表示形状や色を、通常時とは異なる形状や色に段階的に変化させる保留予告演出を実行可能である。なお、保留表示がシフトしたアクティブ表示において、表示形状や色が変化する場合もあるが、説明のため総称して「保留予告演出」という。
先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、「単独予告演出」(「単独予告」、「当該変動予告」、あるいは「可変表示中予告演出」ともいう)と称される。
また、保留表示の表示態様を変化させるときに、表示態様が変化することを示唆する作用演出が実行されることがある。作用演出が実行されると、作用演出の結果として、保留表示の表示態様が変化する。なお、作用演出は、例えば、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を含んでもよい。
次に、パチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えば、スイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入または通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えば、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図6参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「900」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えば、セグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な演出制御コマンドについて図3を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この形態では、変動パターンのそれぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が割り振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8A01(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞口指定コマンド)である。コマンド8A02(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞口指定コマンド)である。第1始動入賞口指定コマンドと第2始動入賞口指定コマンドとを始動入賞口指定コマンドと総称することがある。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を指定する、すなわち、可変表示結果を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が割り振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述する変動パターン判定結果指定コマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。コマンドA100(H)は、小当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の開放を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。コマンドA602(H)は、小当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」は、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」は、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、「特図保留記憶数指定コマンド」ということがある。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果を指定する演出制御コマンド(図柄判定結果指定コマンド)である。コマンドC5XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン判定結果指定コマンド)である。この形態では、後述するステップS101の処理において、第1始動入賞または第2始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜3が抽出される。抽出された乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、可変表示の開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1およびMR3に基づいて、可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か、および、可変表示の変動パターン(図12参照)が判定される。始動入賞時の判定は、これらの判定のことをいい、ステップS213の入賞時乱数値判定処理において実行される。なお、所定の場合には、この判定が行われないことがある。表示結果についての判定結果(判定なしの場合も含む)には、一意の番号が割り振られ、その番号が図柄指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定なし」であれば「00」、「ハズレ」であれば「01」、「大当り」であれば「02」など)。変動パターンについての判定結果(判定なしの場合も含む)には、一意の番号が割り振られ、その番号が変動パターン指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定なし」であれば「00」、「PA1−1」であれば「11」、「PA1−2」であれば「12」、「PB1−1」であれば「31」、「PC1−1」であれば「61」など)。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
図5は、ステップS101において実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理において第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定した場合(ステップS201;Yes)、CPU103は、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202において第1特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS202;No)、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201において第1始動口スイッチ22Aがオフであると判定した場合(ステップS201;No)や、ステップS202において第1特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合(ステップS202;Yes)には、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理において第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定した場合(ステップS204;Yes)、CPU103は、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205において第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS205;No)、CPU103は、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンではないと判定した場合(ステップS204;No)や、第2特図保留記憶数が上限値であると判定した場合(ステップS205;Yes)には、CPU103は、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203またはS206の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図6参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。こうして、第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される)とは、基本的に対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示部5HLの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示部5HLの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。こうして、第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される)とは、基本的に対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示部5HRの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示部5HRの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理を実行した後、CPU103は、予め用意された始動入賞口指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS211)。その後、CPU103は、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS212)。
続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS213)。入賞時乱数値判定処理は、上述のように、始動入賞時の判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1およびMR3に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」や「小当り」になるか否かおよび当該可変表示の変動パターン(図12参照)を判定する処理である。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS214;「2」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であると判定した場合(ステップS214;「1」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204に処理を進める。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図8は、入賞時乱数値判定処理として、図5のステップS213にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、入賞時乱数値判定処理では、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、このタイミングで抽出された乱数値(ステップS209の処理において抽出された乱数値)の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」や「小当り」になるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示の変動パターンがどれになるかの判定などを行う(いわゆる「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前(特図ゲームの開始条件成立前)に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを先読みし、この先読み結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示の表示態様などを決定することができる。
図8に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS301)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定する。例えば、特図プロセスフラグの値が、「4」〜「7」である場合には、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であると特定すればよい。
ステップS301の処理に続いて、CPU103は、特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS302)。大当り中でないと判定した場合(ステップS302;No)、CPU103は、さらに確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース中であるか否かを判定する(ステップS303)。高ベース中であると判定した場合(ステップS303;Yes)、または、ステップS302の処理において大当り中であると判定した場合(ステップS402;Yes)、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS304)。始動口バッファ値が「2」ではないと判定した場合(ステップS304;No)、CPU103は、入賞時判定を制限するための設定を行う(ステップS306)。
一方、始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS304;Yes)、または、ステップS303の処理において高ベース中ではないと判定した場合(ステップS303;No)、CPU103は、図10(A),(B)に示す第1特図表示結果決定テーブルまたは第2特図表示結果決定テーブルから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルを選択する(ステップS305)。
ステップS305の処理に続いて、CPU103は、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS307)。CPU103は、例えば、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図5に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
なお、ステップS307の処理において、例えば、CPU103は、ステップS210で特図保留記憶部に格納した乱数値MR1を読み出し、読み出した乱数値MR1を使用して上記の判定を行えばよい。また、CPU103は、ステップS210とは別に乱数値MR1をRAM102の所定領域(特図保留記憶部以外の領域)やCPU103の記憶領域などに保持しておき、保持した乱数値に基づいて上記の判定を行ってもよい。これは、後述する乱数値MR3についても同様である。このように、入賞時乱数値判定処理で使用される乱数値は、特図保留記憶部に格納された乱数値でなくてもよい。
ステップS307の処理において大当り決定範囲内であると判定した場合(ステップS307;Yes)、CPU103は、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS308)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、図10(C)に示す大当り種別決定テーブルから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。CPU103は、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。
ステップS308の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述する大当り変動パターン決定テーブル(図13参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS309)。大当り変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「大当り」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
図13に示す変動パターン決定テーブルでは、決定値の範囲の代わりに決定割合が記載されている。実際のテーブルでは、図13の決定割合に応じた範囲の決定値が各変動パターンに対して割り当てられていればよい。決定割合は、乱数値MR3が取り得る値の全範囲(1〜900)を100とした割合である。例えば、図13(A)に示すように、大当り種別が確変/非確変の場合、変動パターンPB1−1の決定割合は5で、変動パターンPB1−2の決定割合は25で、変動パターンPB1−3の決定割合は70であるため、変動パターンPB1−1には乱数値MR3と比較される決定値1〜45(5%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−2には乱数値MR3と比較される決定値46〜270(25%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−3には乱数値MR3と比較される決定値271〜900(70%の範囲)が割り当てられる。このような決定値の割り当ては、決定割合を記載した他のテーブルについても同様である。
ステップS307の処理において大当り決定範囲内でないと判定した場合(ステップS307;No)、CPU103は、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS310)。CPU103は、ステップS305の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り決定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。
小当り決定範囲の範囲内であると判定した場合(ステップS310;Yes)、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された小当り変動パターン決定テーブル(図13(B)参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS312)。小当り変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「小当り」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
一方、小当り決定範囲の範囲内ではないと判定した場合(ステップS310;No)、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブル(図13(C),(D)参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS311)。具体的には、ステップS301で特定した現在の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)である場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図13(C)のハズレ変動パターン決定テーブルを使用テーブルに設定し、ステップS301で特定した現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(時短フラグがオン状態のとき)には、図13(D)のハズレ変動パターン決定テーブルを使用テーブルに設定する。ハズレ変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「ハズレ」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
ステップS309、S311、S312のいずれかを実行した後、CPU103は、ステップS209で抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定されている大当り変動パターン決定テーブル、小当り変動パターン決定テーブル、ハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照し、乱数値MR3と合致する決定値に割り当てられている変動パターンを判定する(ステップS313)。CPU103は、例えば、各変動パターンに割り当てられた個々の決定値と、乱数値MR3とを、逐一比較することにより、乱数値MR3と合致する決定値の有無を判定することで変動パターンを判定してもよいし、あるいは、各変動パターンに割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR3と決定値の最小値や最大値とを比較することにより変動パターンを判定してもよい。
ステップS306、S313の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、ステップS308やステップS313の判定結果に応じた内容の始動入賞時コマンドの送信設定を行い(ステップS314)、入賞時乱数値判定処理を終了する。始動入賞時コマンドは、始動入賞口指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動入賞口指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動入賞口指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理において送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。送信設定する図柄指定コマンドは、ステップS307の判定結果が大当り決定範囲内であるときには(ステップS307;Yes)、可変表示結果の判定結果が「大当り」であることを指定するコマンド(「大当り」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS307の判定結果が小当り決定範囲であるときには(ステップS310;Yes)、可変表示結果の判定結果が「小当り」であることを指定するコマンド(「小当り」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS310の判定結果が小当り決定範囲でないときには(ステップS310;No)、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを指定するコマンド(「ハズレ」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS303の判定結果が始動口バッファ値=1であるときには(ステップS304;No)、始動入賞時の判定を行っていない「判定なし」であることを指定するコマンド(「判定なし」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。送信設定する変動パターン判定結果指定コマンドは、ステップS313で変動パターンを判定した場合には判定結果となる変動パターンを指定するコマンド(判定結果である変動パターンに対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS304の判定結果が始動口バッファ値=1(ステップS304;No)であるときには始動入賞時の判定を行っていない「判定なし」であることを指定するコマンド(「判定なし」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。
入賞時乱数値判定処理では、上記のように、今回ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示(特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」や「小当り」になるか否か、および、当該可変表示の変動パターン(図13参照)が判定され、いわゆる先読みが行われる。なお、この処理では現在の遊技状態に基づいて判定を行い、可変表示が実際に実行されるときの遊技状態に基づいて判定を行っていないため、当該判定は必ずしも正確なものでないが、ある程度の精度で可変表示結果や変動パターンを予測することができる。また、入賞時乱数値判定処理では、ステップS302の処理において大当り中であると判定した場合や、ステップS303の処理において時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS304の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS305などの処理を実行せずにステップS314の処理に進み、始動入賞時の判定を行わない。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読みが実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図4に示すステップS101において始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が「1」に更新される。
図9は、図4に示すステップS110において実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理を開始すると、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231において第2特図保留記憶数が「0」以外であると判定した場合(ステップS231;No)、CPU103は、例えば、第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、CPU103は、例えば、第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231において第2特図保留記憶数が「0」であると判定した場合(ステップS231;Yes)、CPU103は、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235において第1特図保留記憶数が「0」以外であると判定した場合(ステップS235;No)、例えば、第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS236の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、CPU103は、例えば、第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図10に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図10(A)に示す第1特図表示結果決定テーブルと、図10(B)に示す第2特図表示結果決定テーブルとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
図10(A)に示す第1特図表示結果決定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。図10(B)に示す第2特図表示結果決定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブルや第2特図表示結果決定テーブルにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブルと第2特図表示結果決定テーブルのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブルと第2特図表示結果決定テーブルのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブルの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30100」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブルの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば、時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブルにおいても、第1特図表示結果決定テーブルにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブルでは、第1特図表示結果決定テーブルに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにして特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」であると判定した場合(ステップS240;Yes)、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、CPU103は、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図10(C)に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図10(C)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別の「非確変」と「確変」と「突確」とにそれぞれ割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値が割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
図10(C)は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「70」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
ステップS242の処理を実行した後、CPU103は、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」ではないと判定した場合(ステップS240;No)、CPU103は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。特図表示結果が「小当り」であると判定した場合(ステップS244;Yes)、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS243の処理を実行した後、ステップS245の処理を実行した後、または、ステップS244の処理において特図表示結果が「小当り」ではないと判定した場合(ステップS244;No)のいずれかにおいて、CPU103は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。例えば、ステップS240において特図表示結果が「大当り」であると判定した場合、CPU103は、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定する。また、ステップS240において特図表示結果が「小当り」であると判定した場合、CPU103は、小当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定する。一方、ステップS244において特図表示結果が「小当り」ではないと判定した場合、CPU103は、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。
ステップS246の処理を実行した後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を「1」に更新し(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247において特図プロセスフラグの値が「1」に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235の処理において、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」であると判定した場合(ステップS235;Yes)、CPU103は、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば、画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図4に示すステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「2」に更新される。
図11は、図4に示すステップS111において実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理が開始されると、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS261)。大当りフラグがオン状態であると判定した場合(ステップS261;Yes)、CPU103は、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。ステップS261の処理において大当りフラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS261;No)、CPU103は、小当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS263)。小当りフラグがオン状態であると判定した場合(ステップS263;Yes)、CPU103は、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS263;No)、CPU103は、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図12は、変動パターンの具体例を示している。
変動パターンPA1−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定し、かつ、特図変動時間が通常の長さの非リーチ変動パターンである。
変動パターンPA1−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定し、かつ、特図変動時間が通常よりも短い時短用の非リーチ変動パターンである。
変動パターンPA2−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA2−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、スーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、スーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。
変動パターンPB1−1は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB1−2は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、スーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB1−3は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、スーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。
変動パターンPC1−1は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」のときと、可変表示結果が「小当り」のときと、に選択されるものであり、非リーチを指定する非リーチ変動パターンである。変動パターンPC1−2は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」のときと、可変表示結果が「小当り」のときと、に選択されるものであり、突確/小当り専用リーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。ここで、突確/小当り専用リーチとは、可変表示結果が突確大当りまたは小当りであるときのみ選択決定可能なリーチである。突確大当り用の飾り図柄は、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが「3」・「5」・「7」で停止表示された状態の図柄である。また、小当り用の飾り図柄は、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが「2」・「4」・「6」で停止表示された状態の図柄である。
図11に示すステップS262の処理では、例えば、ROM101の所定領域に予め記憶されている、図13(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。なお、図13(A)では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。
図11に示すステップS264の処理では、例えば、ROM101の所定領域に予め記憶されている、図13(B)に示す小当り変動パターン決定テーブルを用いて、小当り時の変動パターンが決定される。一例として、小当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。なお、図13では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。なお、図13(B)では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。
図11に示すステップS265の処理では、例えば、ROM101の所定領域に予め記憶されている、図13(C),(D)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。遊技状態が非時短状態(時短フラグがオフ)であるときには、CPU103は、図13(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを参照する。遊技状態が時短状態(時短フラグがオン)であるときには、CPU103は、図13(D)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを参照する。一例として、各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。なお、図13(C),(D)では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。
図13(C),(D)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときには、特図変動時間の短い変動パターンPA1−2が選択されやすくなっており、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
図13に示すように、大当り(確変/非確変)時には、スーパーリーチBを実行する変動パターンPB1−3の決定割合が最も高くなっており、スーパーリーチAの変動パターンPB1−2、ノーマルリーチの変動パターンPB1−1の順に決定割合が徐々に低くなっている。ハズレ時には、非リーチの変動パターンPA1−1(PA1−2を含む)の決定割合が最も高くなっており、ノーマルリーチの変動パターンPA2−1、スーパーリーチAの変動パターンPA2−2、スーパーリーチBの変動パターンPA2−3の順に決定割合が徐々に低くなっている。このことから、スーパーリーチBが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(いわゆる、大当り期待度)が下がっていく。
また、図13に示すように、大当り(突確)時には、突確/小当りリーチの変動パターンPC1−2の決定割合が非リーチの変動パターンPC1−1の決定割合よりも高くなっている。一方、小当り時には、非リーチの変動パターンPC1−1の決定割合が突確/小当りリーチの変動パターンPC1−2の決定割合よりも高くなっている。このことから、突確/小当りリーチの変動パターンPC1−2が実行されたときは、可変表示結果が「大当り(突確)」になりやすく、非リーチの変動パターンPC1−1が実行されたときには、可変表示結果が「小当り」になりやすい。
ステップS262、S264、S265のいずれかの処理を実行した後、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、あらかじめ用意された複数の変動パターンに対応して、あらかじめ定められている。CPU103は、ステップS262、S264、S265の各処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後、CPU103は、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262またはS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS244で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262またはS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS244で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267において特図プロセスフラグの値が「2」に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4に示すステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が「3」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているか否かを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、CPU103は、確変状態や時短状態といった特別遊技状態を終了するための設定を行う。例えば、確変フラグ、時短フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「16」を設定する。その後、当り開始指定コマンドおよび現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは、通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に遊技状態が変更されるため、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、CPU103は、小当りフラグがオン状態であるか否かを判定し、小当りフラグがオン状態である場合には、小当り開始時演出待ち時間(小当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である)を設定し、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する制御コマンドである小当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「8」に更新する。一方、小当りフラグがオフ状態である場合には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。
続いて、CPU103は、確変状態や時短状態といった特別遊技状態を終了させるか否かの判定を行う。例えば、CPU103は、時短フラグがオン状態であるか否かを判定し、時短フラグがオン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。「1」減算したあとのカウント値が「0」であるか否かを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンド(ここでは、高確低ベース状態を指定するコマンド)を送信する送信設定を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「5」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)および大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる)などによってカウントされればよい)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(または、一部開放状態であってもよい)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、または、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば、9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が「6」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「7」に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「5」に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグおよび確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。また、大当り種別が「突確」であれば、確変フラグのみをオン状態とする。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「8」のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったこと、大入賞口を開放状態にするタイミングになったこと(例えば、上記で設定された小当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む)などに基づき、大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。また、小当り開放前処理では、例えば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」などに設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われる。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されると、特図プロセスフラグの値が「9」に更新される。ステップS118が繰り返し実行されることによって、大入賞口を開放状態にするまで待機状態に制御される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「9」のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(または、一部開放状態であってもよい)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(遊技球の個数が所定個数(例えば、9個)に達するか、ステップS118で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻したタイミングからの経過時間を計測する処理、計測した経過時間が予め設定された時間になった場合に再び大入賞口を開放状態とする処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、小当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである小当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が「10」に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS118が繰り返し実行され、ステップS119が繰り返し実行されることによって、小当り遊技状態が実現される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「10」のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理(待ち時間が経過するまで小当り終了処理を終了する)などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が「0」に更新される。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えば、CTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば、2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば、RAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。
図14は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動入賞口指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)の受信があったか否かを判定する(ステップS401)。
始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップS401;Yes)、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS402)。始動入賞時コマンドとして、第1始動入賞口指定コマンドや第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第1始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第1始動入賞時コマンドバッファに格納する。始動入賞時コマンドとして、第2始動入賞口指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第2始動入賞口指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第2始動入賞時コマンドバッファに格納する。
図15(A)は、第1始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞時に受信した始動入賞時受信コマンドを構成する各種コマンドデータが記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1特図保留記憶数の最大値(例えば、4)に対応する個数分の各種データを格納可能な格納領域(保留表示番号1〜4のそれぞれに対応する領域)が設けられている。
第1始動入賞口への始動入賞があったときは、第1始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)が、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファには、これらの第1始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドに加え、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを特定するデータを、受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域の先頭から格納する。第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」となっている。したがって、始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファにおいて、始動入賞時コマンドの格納領域がすべて「0000(H)」である最小の保留表示番号に対応する格納領域に、第1始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドの順に各演出制御コマンドデータを格納する。
また、第1始動入賞時コマンドバッファには、保留表示番号のそれぞれに対応するその他の情報を格納する格納領域をして、後述する対応表示変化パターンを格納するための格納領域が設けられている。対応表示変化パターンとは、保留表示およびアクティブ表示の表示態様(表示色)の変化(遷移)を示す型である。図15(A)に示すように、対応表示変化パターンが「0」の場合には、保留予告演出が実行されないため、保留表示およびアクティブ表示の表示態様(表示色)は、通常態様(白)のまま変化することはない。また、第1始動入賞時コマンドバッファには、保留表示番号のそれぞれに対応するその他の情報を格納する格納領域をして、後述する作用演出パターンを格納するための格納領域が設けられている。作用演出パターンとは、保留予告演出が実行される場合に、保留表示およびアクティブ表示といった対応表示の表示態様が変化する前に実行される作用演出の演出態様のパターンである。図15(A)に示すように、作用演出パターンが「0」の場合には、ガセの作用演出を除く作用演出は実行されない。
また、図15(B)は、第2始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞時に受信した始動入賞時受信コマンドを構成する各種コマンドデータが記憶される。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2特図保留記憶数の最大値(例えば、4)に対応する個数分の各種データを格納可能な格納領域(保留表示番号1〜4のそれぞれに対応する領域)が設けられている。
第2始動入賞口への始動入賞があったときは、第2始動入賞口指定コマンド、第2特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)が、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時コマンドバッファには、これらの第2始動入賞口指定コマンド、第2特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドに加え、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを特定するデータを、受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域の先頭から格納する。第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」となっている。したがって、始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファにおいて、始動入賞時コマンドの格納領域がすべて「0000(H)」である最小の保留表示番号に対応する格納領域に、第2始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドの順に各演出制御コマンドデータを格納する。
また、第2始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞時コマンドバッファと同様に、保留表示番号のそれぞれに対応するその他の情報を格納する格納領域をして、後述する対応表示変化パターンを格納するための格納領域が設けられている。図15(B)に示す保留表示番号「4」に対応する表示変化パターンには、「PT4−X−X」が格納されており、保留表示番号「4」に対応する保留表示について保留予告演出が実行されることを示している。また、第2始動入賞時コマンドバッファには、作用演出パターンを格納するための格納領域が設けられている。
図14に示すコマンド解析処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS402を実行した後、または、始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS401;No)、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS403)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS403;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグおよび高ベースフラグのオン/オフ状態を切り替える(ステップS404)。
高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態/オフ状態の切り替えに対応して、オン状態/オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態/オフ状態の切り替えに対応して、オン状態/オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグおよび時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグおよび高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態/オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグおよび時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグおよび高ベースフラグをともにオフ状態にする。
ステップS404を実行した後、または、始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS403;No)、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を実行し(ステップS405)、コマンド解析処理を終了する。
ここで、図16を参照して、コマンド解析処理において各演出制御コマンドの受信に応じて実行される処理について説明する。図16に示す「処理内容」の項目に示された内容は、例えば、ステップS405において実行される処理である。また、「処理内容」の項目に示されたステップ番号は、図14に示すフローチャート中のステップ番号を示し、該当するステップ処理が実行されることを意味する。また、「処理内容」の項目に示された各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることを意味する。
例えば、受信した演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドの場合には、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドの場合には、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
図17は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、保留表示設定処理を実行する(ステップS161)。
図18は、保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す保留表示設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップS501;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した始動入賞時コマンドが、低ベース状態で受信した第1保留記憶数加算指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2保留記憶数加算指定コマンド、のいずれかであるか否かを判定する(ステップS502)。この形態では、ステップS502の処理が実行されることによって、低ベース状態では第1始動入賞口13への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに保留予告演出が実行可能となり、高ベース状態では第2始動入賞口14への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに保留予告演出が実行可能になる。なお、この実施の形態では、例えば、すでに保留予告演出を実行中である場合には、S502にてNoと判定されるようにすることで、さらに保留予告演出を実行しないように制御する。
低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれかであると判定した場合(ステップS502;Yes)、演出制御用CPU120は、今回の入賞により保留数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が3以上になったか否かを判定する(ステップS503)。ステップS503では、低ベース状態では第1特図保留記憶数が3以上になったか否かを判定し、高ベース状態では第2特図保留記憶数が3以上になったか否かを判定すればよい。なお、保留数は、ステップS502にて第1始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第1特図保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第2特図保留記憶数指定コマンドを参照することにより特定すればよい。
保留数が3以上になったと判定された場合(ステップS503;Yes)、演出制御用CPU120は、保留表示やアクティブ表示といった対応表示の最終的な表示態様(最終表示態様)と、最終表示態様となるまでに対応表示の表示態様を段階的に変化させる演出(保留予告演出)のパターンである対応表示変化パターンを決定する(ステップS504)。即ち、この実施の形態では、保留数が3以上である場合に保留予告演出が実行されるようになっている。ステップS504では、対応表示の表示態様を変化させないパターンにも決定されるようになっており、保留数が3以上である場合に保留予告演出が実行されない場合もある。なお、高ベース状態で受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であっても、高ベース状態(時短状態)が対象の変動前に終了して低ベース状態になってしまう場合には、保留予告演出を実行しないようにしてもよい。
なお、保留数が3未満である場合にも、保留予告演出を実行可能にしてもよい。また、複数の保留予告演出が並行して実行される場合があるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留表示及びアクティブ表示の表示態様が変化する予告演出(保留予告演出)が実行されるようになっているが、保留表示のときのみ、または、アクティブ表示のときのみ、表示態様が変化する予告演出を実行してもよい。そして、そのような予告演出において、本願発明を適用してもよい。
ステップS504では、先ず、対応表示の最終表示態様を決定する。例えば、可変表示の可変表示結果および変動パターンに応じて、ROM121の所定領域に予め記憶されている図19示す最終表示態様決定テーブルを参照して、図19に示す決定割合で対応表示(アクティブ表示)における最終的な表示態様を決定する。なお、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンドおよび変動パターン判定結果指定コマンドを参照して、可変表示の可変表示結果および変動パターンを取得すればよい。
次に、保留表示の最終表示段階の決定について具体的に説明する。図19に示す最終表示態様決定テーブルは、保留予告演出における対応表示の変化(遷移)の最終的な表示態様(最終表示態様)をあらかじめ決定するためのテーブルである。最終表示態様決定テーブルは、図19に示すように、可変表示結果(大当り種別および変動パターンを含む)ごとに、最終表示態様(表示色)を「白」、「青」、「緑」、「赤」、「虹」のいずれとするかを決定するための決定割合が割り当てられている。より具体的には、可変表示結果は、「大当り(16R)」、「大当り(突確)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」、「上記以外」に区分され、それぞれに、最終表示態様として用意された「白」、「青」、「緑」、「赤」、「虹」に異なる決定割合が割り当てられている。
図19における「白」は、保留予告演出が実行されていない場合の表示態様(通常態様)である。即ち、図19において、最終表示態様が「白」に決定された場合には、保留予告演出が実行されない(対応表示の表示態様が変化しない)ことになる。図19における「青」、「緑」、「赤」、「虹」は、保留予告演出が実行される場合の表示態様(予告態様)である。なお、表示態様が変化するタイミングは、保留がされて保留表示がシフトしてから(変動が開始してから)所定時間(例えば5秒)経過したタイミングや保留表示からアクティブ表示にシフトしてから所定時間経過したタイミングとなっている。なお、表示態様が変化するタイミングはこれらに限定されず、変動中の任意のタイミングや変動終了時であってもよい。例えば、変化タイミングとして、変動開始時、各飾り図柄の停止前(高速変動中)、各飾り図柄の停止タイミング、リーチとなったとき、スーパーリーチへの発展時(保留表示やアクティブ表示中の複数のタイミング)、スーパーリーチのリーチ演出中等があってもよい。また、プッシュボタン31Bといった操作手段が操作されことに対応して変化するようにしてもよいし、擬似連の変動パターンである場合には、擬似連の各再変動時や各再変動中を変化タイミングとしてもよい。
保留予告演出では、「虹」>「赤」>「緑」>「青」の順に段階的に大当りとなる割合(大当り信頼度)やスーパーリーチとなる割合(スーパーリーチ信頼度)が高く、大当りの有利度合いも高くなっている。また、表示態様が「虹」となった場合には、16R大当りとなることが確定する。この実施の形態では、保留予告演出において、対応表示の表示態様の表示色を変化させるが、形状や大きさ、絵柄等を変化させてもよい。
なお、表示態様が「虹」となった場合には、大当りとなることが確定するようになっているが、大当りとなることが確定しなくてもよい。また、突確も含めた大当りが確定するようにしてもよい。最終表示態様の決定割合は、その表示態様によって遊技者にとって有利となりやすいことを報知できれば、その決定割合は任意であってよい。
ステップS504において、図19に示す最終表示態様決定テーブルを参照して、最終表示態様を決定した後には、決定された最終表示態様及び保留数に基づいて、保留予告演出における具体的な表示態様の変化に仕方に対応する対応表示変化パターンを決定する。具体的には、対応表示変化パターンを決定するための対応表示変化パターン決定テーブルを、決定された最終表示態様、保留数に対応して選択する。この実施の形態では、図20に示すように、最終表示態様及び保留数に応じた9種類の対応表示変化パターン決定テーブル1〜9が用意されている。この実施の形態では、最終的に最終表示態様に変化するように予め変化タイミングや変化段階(途中の表示態様)が設定された複数種類の対応表示変化パターンが設けられており、各テーブルでは、複数種類の対応表示変化パターンのいずれかに決定されるようになっている。
図21は、対応表示変化パターン決定テーブルの一例として、最終表示態様が「赤」であって保留数が「4」である場合に選択される対応表示変化パターン決定テーブル7を示す図である。図21に示すように、対応表示変化パターン決定テーブル7では、入賞時、保留表示番号3、保留表示番号2、保留表示番号1、アクティブ表示における表示態様(表示態様)がそれぞれ定められた複数種類の対応表示変化パターンが設定されている。入賞時に、対応表示変化パターンに対応した表示態様で表示され、各保留表示番号、アクティブ表示にシフトした段階で、異なる表示態様となる場合には、対応表示変化パターンに対応した表示態様に変化する。
例えば、対応表示変化パターン決定テーブル7における対応表示変化パターンPT4−4−1は、入賞時に保留表示が「白」で表示され、アクティブ表示にシフトしたときに「赤」に変化する対応表示変化パターンである。対応表示変化パターンPT4−4−21は、入賞時に保留表示が「青」で表示され、保留表示番号1にシフトしたときに「緑」に変化し、アクティブ表示にシフトしたときに「赤」に変化する対応表示変化パターンである。このような複数種類の対応表示変化パターンのいずれかに決定されればよい。なお、図21では、その決定割合を示してはいないが、ランダムに決定されればよく、例えば、可変表示結果に基づいて対応表示変化パターンを決定すればよい。例えば、変化回数や変化タイミングに応じて、各種の信頼度(大当り信頼度、リーチ信頼度、大当りの有利度合い)が異なるようにしてもよい。そのようにすることで、遊技者が最終的な表示態様のみならず、変化回数や変化タイミングに注目するようになる。決定された対応表示変化パターンは、図15に示す始動入賞時コマンドバッファ内の対応箇所に格納される。
なお、図21に示す対応表示変化パターン決定テーブル7においては、各対応表示変化パターンに、変化回数が示されている。この変化回数に応じて、後述する作用演出パターンが決定される。
ここでは、対応表示変化パターン決定テーブル7のみを示したが、その他の対応表示変化パターン決定テーブルにおいても、複数種類の対応表示パターンが設定され、そのいずれかに決定されるようになっていればよい。なお、図20に示すように、対応表示変化パターン決定テーブル1は、最終表示態様が「白」である場合に選択されるテーブルであるので、入賞時からアクティブ表示まで「白」のまま変化しない対応表示変化パターンのみが設定される。
ステップS504において、最終表示態様及び対応表示変化パターンを決定した後は、作用演出パターンを決定する(ステップS505)。この実施の形態では、保留予告演出が実行される場合には、保留記憶の消化に伴ってシフト表示された後に保留表示に対して演出画像(作用演出画像)が移動する等、保留表示に対して演出画像が作用(干渉)する作用演出が実行される。そして、その作用演出が実行された後に、演出の結果として表示態様が変化する場合がある。このようにすることで、遊技者が作用演出に注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、作用演出として、作用演出Aと作用演出Bとが実行されるようになっている。作用演出Bが実行された場合、保留表示は確実に表示態様が変化するようになっており、作用演出Aが実行された場合は、保留表示が変化しない場合もあるようになっている。即ち、遊技者の期待感を煽るのみのガセの作用演出A(作用演出Aガセ)が実行可能となっている。この実施の形態では、作用演出Aは、保留表示またはアクティブ表示に爆弾の画像が作用する演出であり、作用演出Bは、保留表示またはアクティブ表示に矢の画像が作用する演出となっている。なお、作用演出の演出態様はこれに限定されず任意の演出態様であってよい。作用演出Aガセは、対応表示がより期待度の高い段階の表示態様に変化することを示唆する示唆演出ともいう。
なお、この実施の形態では、作用演出Bが実行された場合には、保留表示は確実に表示態様が変化するようになっているが、低確率で保留表示の表示態様が変化しない場合があってもよい(作用演出Bガセがあってもよい)。例えば、作用演出Aが実行された場合よりも作用演出Bが実行された場合の方が、高い確率で保留表示の表示態様が変化するようにしてもよい。
この実施の形態では、図22に示すように、対応表示の変化回数に応じて、各段階(保留表示番号、アクティブ表示)においていずれの作用演出を実行するかに対応した複数種類の作用演出パターンが設けられている。図22に示すように、変化回数に応じて、作用演出Aと作用演出Bを組み合わせた、14種類の作用演出パターンが設けられている。ステップS505では、ステップS504にて決定された対応表示変化パターンにおける変化回数に応じて、いずれかの作用演出パターンに決定されればよい。例えば、ステップS504において、図21に示す作用演出パターンPT4−4−1に決定された場合には、変化回数が1回なので、作用演出パターンSTP1−1またはSTP1−2に決定される。図21に示す作用演出パターンPT4−4−21に決定された場合には、変化回数が2回なので、作用演出パターンSTP2−1〜STP2−4のいずれかに決定される。図21に示す作用演出パターンPT4−4−41に決定された場合には、変化回数が3回なので、作用演出パターンSTP3−1〜STP3−8のいずれかに決定される。決定された作用演出パターンは、始動入賞時コマンドバッファ内の対応箇所等に格納される。
なお、図22では、その決定割合を示してはいないが、ランダムに決定されればよく、例えば、可変表示結果に基づいて作用演出パターンを決定すればよい。例えば、作用演出Aまたは作用演出Bの出現数に応じて、各種の信頼度(大当り信頼度、リーチ信頼度、大当りの有利度合い)が異なるようにしてもよい。そのようにすることで、遊技者が最終的な表示態様のみならず、いずれの作用演出が実行されるかに注目するようになる。
また、決定された対応表示変化パターンに応じて、作用演出パターンの決定割合を異ならせてもよい。例えば、変化回数及び最終表示態様が同じで対応表示変化パターンであっても、変化段階数によって作用演出の決定割合を異ならせてもよい。具体的には、「白→白→緑→緑→赤」と変化するパターンであれば、最初の変化で2段階変化し、次の変化で1段階変化しているので、作用演出B→作用演出Aとなる作用演出パターンに決定されやすくする。また、「白→青→青→赤→赤」と変化するパターンであれば、最初の変化で1段階変化し、次の変化で2段階変化しているので、作用演出A→作用演出Bとなる作用演出パターンに決定されやすくしてもよい(あるいは作用演出Aと作用演出Bとが逆でもよい)。このようにすることで、作用演出の種類に応じて、複数段階変化する割合を異ならせることができ、いずれの作用演出が実行されるかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
なお、図22に示す作用演出パターンにおいては、各作用演出パターンに、作用演出Bの実行回数が示されている。この実施の形態では、作用演出Bの残り回数に応じた演出が実行される。詳しくは後述する。
この実施の形態では、少なくとも対応表示の変化回数は作用演出が実行されるようになっている。言い換えると、対応表示の表示態様が変化するときは必ず作用演出が実行されるようになっている。これに限定されず、作用演出を伴わず対応表示の表示態様が変化する場合があってもよい。
図18に示す保留表示設定処理の説明に戻り、ステップS502の処理において、低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、および、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれでもないと判定した場合(ステップS502;No)、ステップS503にて保留数が3未満であると判定した場合(ステップS503;No)、保留予告演出を実行しないので、入賞時からアクティブ表示まで「白」のまま変化しない対応表示変化パターンに決定する(ステップS506)。ここでは、図15に示す始動入賞時コマンドバッファ内の対応箇所に、保留予告演出を実行しないことに対応した「0」が格納される。
ステップS505またはS506の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS505またはステップS506の処理にて決定された対応表示変化パターンに応じて、画像表示装置5の表示画面の第1保留表示部5HLまたは第2保留表示部5HRに、対応表示(第1保留表示または第2保留表示)を追加表示させる(ステップS509)。
ステップS509の処理を実行した後、またはステップS501の処理において始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS501;No)、演出制御用CPU120は、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS510)。演出制御用CPU120は、例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグまたは第2変動開始指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否かを参照することにより、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定すればよい。変動開始指定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS510;No)、演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を終了する。
一方、変動開始指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS510;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した変動指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS512)。受信した変動開始指定コマンドが第2変動開始指定コマンドではない、すなわち、受信した変動開始指定コマンドが第1変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップS512;No)、画像表示装置5の第1保留表示部5HLにおいて、保留表示番号「1」の保留表示番号の保留表示を消去して、可変表示対応表示部AHAにアクティブ表示として表示させ、「2」〜「4」に対応する各第1保留表示の表示位置を1つずつ右方向に移動(シフト)させる(ステップS513)。
ステップS513の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「0」(アクティブ表示)の記憶内容を消去し、保留表示番号「1」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせる(ステップS514)。ステップS514の処理を実行した後、保留表示設定処理を終了する。
ステップS512の処理において、受信した変動指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップS512;Yes)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の第2保留表示部5HRにおいて、保留表示番号「1」の保留表示番号の保留表示を消去して、可変表示対応表示部AHAにアクティブ表示として表示させ、「2」〜「4」に対応する各第2保留表示の表示位置を1つずつ左方向に移動(シフト)させる(ステップS518)。
ステップS518の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「0」(アクティブ表示)の記憶内容を消去し、保留表示番号「1」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせる(ステップS519)。ステップS519の処理を実行した後、保留表示設定処理を終了する。
図17に示す演出制御プロセス処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS161の保留表示設定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、「0」である)に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、表示結果指定コマンドにより通知された可変表示結果が「大当り」、「小当り」または「ハズレ」のいずれとなるかを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」または「小当たり」である場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、又は、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「突確」であれば、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS175の大入賞口短期開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大入賞口短期開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における各種の演出制御(大当りや小当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口短期開放時処理は、例えば主基板11からの大当り終了指定コマンド又は小当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS176の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
続いて、この実施の形態における作用演出の詳細について説明する。上述のように、この実施の形態では作用演出Aと作用演出Bとが実行可能となっている。作用演出Aは、爆弾の画像が対応表示に作用する演出となっている。作用演出Aには、保留表示が変化しない作用演出Aガセが含まれる。
一方、作用演出Bは、一旦作用演出Bに対応した矢の画像が画像表示装置5上に表示された後、予告対象の対応表示が消去されるまでの間にその矢の画像が対応表示に作用する演出となっている。即ち、矢の画像が画像表示装置5に表示されることで、作用演出Bの実行がストックされた状態となる。このように、作用演出Bの実行をストック(示唆)する演出(矢の画像を表示する)は、作用演出Bが将来実行されることを報知する報知演出ともいう。また、作用演出Bは複数ストック可能になっている。即ち、矢の画像が複数表示された状態となることがあるようになっている。そして、作用演出Bが実行された場合には、保留表示が必ず変化するようになっているので、遊技者はストック(表示)されている矢の画像の数によって対応表示が変化する回数と最低限変化する段階(表示態様)を把握することができる。例えば、現在の対応表示の表示色が「青」であって、矢の画像が2つストックされている場合には、少なくとも作用演出Bが2回実行されることを認識でき、少なくとも2段階変化して「赤」になることが把握できる。このような作用演出B及び報知演出を実行することで、遊技者がこれらの演出に注目するようになり、興趣が向上する。
このように、この実施の形態では、1つの対応表示(1の保留予告演出)において、複数の報知演出を実行可能(作用演出Bは複数ストック)となっているので、報知演出の数によって、対応表示がいずれの段階まで変化するかを認識可能になり、遊技の興趣が向上する。また、この実施の形態では、図21に示すように、対応表示の表示態様が複数段階変化する場合がある。即ち、1の作用演出や1の報知演出に対応して複数段階変化する場合があるようになっている。これによって、遊技者は1の作用演出や1の報知演出に対応してより多くの段階変化すること期待するようになり、遊技の興趣が向上する。
なお、報知演出を1つずつ実行するようにしてもよいし、対応表示は1段階ずつ変化するようにしてもよい。
なお、作用演出Aや作用演出Bの演出態様(表示される画像)は一例であり、作用演出Aはガセの演出がある作用演出であり、作用演出Bは報知演出を伴う作用演出であればよい。また、作用演出Bをストックする演出(報知演出)の演出態様は一例であり、作用演出Bをストックしていることを示せる演出であればよい。
図17におけるステップS171の可変表示開始設定処理では、報知演出の実行数や、作用演出Aガセを実行するか否かを決定するための、作用演出設定処理が実行される。図23は、作用演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す作用演出設定処理では、まず、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファ(第1始動入賞時コマンドバッファまたは第2始動入賞時コマンドバッファ)に格納される対応表示変化パターンを参照すること等により、今回の変動において対応表示が変化するか(ガセでない作用演出が実行されるか)否かを判定する(ステップS601)。
今回の変動において対応表示が変化する場合は(ステップS601;Yes)、始動入賞時コマンドバッファに格納される作用演出パターンを参照すること等により、今回の変動において作用演出Bを実行するか否かを判定する(ステップS602)。今回の変動において作用演出Bを実行する場合には(ステップS602;Yes)、RAM122の所定領域に設けられたストック数カウンタにより特定される作用演出Bのストック数が0であるか否かを判定する(ステップS603)。
今回の変動において作用演出Bを実行するのにも関わらず、作用演出Bのストック数が0である場合(ステップS603;Yes)、演出に矛盾が生じるため、今回の変動において作用演出Bを1つストックする(1個の矢をストックする報知演出を実行する)ことを決定する(ステップS604)。なお、この場合、今回の変動において作用演出Bがストックされ、かつ、ストックされた作用演出Bが実行されることとなる。
また、今回の変動において対応表示が変化しない場合は(ステップS601;No)、作用演出Aガセの実行有無を決定する(ステップS605)図24は、ステップS605における決定割合の一例を示している。図24に示すように、この実施の形態では、今回の変動も含み将来的に対応表示が変化するか否か、現在の表示態様がいずれであるか、及び、現在の作用演出Bのストック数に応じて、異なる割合で作用演出Aガセを実行するか否かを決定するようになっている。
特に、将来の変化予定がある場合であって、現在の表示態様が同じ場合、現在のストック数が多い場合に、少ない場合よりも高い割合で作用演出Aガセが実行される旨が決定されやすくなっている。作用演出Bのストック数が多い場合は、そのストック数により期待度が最高の「虹」に変化する場合を除いて、さらに作用演出が実行されること、さらに作用演出が実行されて期待度が向上することを遊技者は期待する。そこで、この実施の形態では、現在の作用演出Bのストック数(報知演出の数)が多い場合程、作用演出Aガセ(示唆演出)の実行頻度を向上させることで、遊技者の期待感を効果的に煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、現在の作用演出Bのストック数(報知演出の数)によらず、報知演出が実行されている場合に実行されていない場合よりも、作用演出Aガセ(示唆演出)の実行頻度を向上させるようにしてもよい。このようにすることでも、同様の効果を奏することができる。
将来対応表示が変化する予定がない場合には、必然的にストック数が0になるが、作用演出Aガセの実行割合は低くなっている。特に、現在の表示態様が最高段階の「虹」である場合には、作用演出Aガセが実行されないように制限される。このようにすることで、これ以上対応表示が変化しないような状況でガセの演出が実行されることを防止でき、無駄な演出が実行されて興趣が低下してしまうことを防止できる。なお、この実施の形態では、現在の表示態様が最高段階の「虹」である場合には、必ず作用演出Aガセが実行されないようになっているが、低確率で実行されるように制限してもよい。
なお、保留予告演出の最高段階が大当り確定でない場合等は、作用演出Aガセのような演出が実行され得るようにしてもよい。その場合、保留予告演出の最高段階となっており、さらにガセの演出が実行された場合には、さらに期待度が高いことを示せればよい。
また、将来対応表示が変化する予定がない場合であっても、現在の表示態様が「白」である場合よりも「青」〜「赤」の段階の場合の方が作用演出Aガセの実行割合が高くなっている。このようにすることで、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
将来の対応表示の変化予定がある場合、現在の表示態様の段階が高ければ高い程、作用演出Aガセが実行される旨が決定されやすくなっている。現在の表示態様の段階が高ければ高い程、遊技者やより高い段階へ変化することを望むので、このような決定割合とすることで、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
ステップS605では、以上のような決定割合で作用演出Aガセを実行するか否かを決定すればよい。その決定結果はRAMの所定領域(始動入賞時コマンドバッファ等)に格納されればよい。なお、図24に示す決定割合は一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
今回の変動において作用演出Bを実行しない場合(ステップS602;No)、今回の変動において作用演出Bを実行する場合において、作用演出Bのストック数が0でない場合(ステップS603;No)、または、ステップS605の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、作用演出Bのストック数(報知演出の数、報知演出における矢の数)を決定する(ステップS606)。
図25は、ステップS606におけるストック数の決定割合の一例を示している。図25に示すように、ステップS606では、作用演出Bの残りの実行回数に応じて、今回のストック数(報知演出数)を決定する。なお、ストック数の決定割合は一例であり、1回あたりのストック数に応じて有利度合い(大当り信頼度等)が異なるようにしてもよい。
ステップS604またはS606の処理を実行した後は、その決定結果をRAMの所定領域(始動入賞時コマンドバッファ等)に格納する。また、RAM122の所定領域に設けられたストック数カウンタの値を更新する(ステップS607)。ステップS604の処理を実行した場合には、ストック数カウンタの値を1加算し、ステップS606の処理を実行した場合には、ステップS606における決定結果に基づいてストック数カウンタの値を更新すればよい。その後、作用演出設定処理を終了する。
なお、報知演出の実行数や、作用演出Aガセを実行するか否かは、このように変動のたびに決定されるようになっているが、対応表示変化パターンを決定するとき(入賞時)等に、予め報知演出の実行数や実行タイミング、作用演出Aガセを実行するか否かを決定するようにしてもよい。また、報知演出の実行数や実行タイミングや作用演出Aガセの有無、いずれの作用演出を実行するか等が予め対応付けられた対応表示変化パターンを用意して、対応表示変化パターンを決定することで、対応表示の変化の仕方のみならず、作用演出や報知演出の一連の演出態様が決定されるようにしてもよい。
図17におけるステップS172の可変表示中演出設定処理では、報知演出、作用演出、対応表示の表示態様の変化(保留予告演出)を実行するための、作用演出実行処理が実行される。図26は、作用演出実行処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す作用演出実行処理では、まず、演出制御用CPU120は、今回の変動において、作用演出Bのストック(報知演出)を実行するか場合であって、報知演出の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップS701)。この実施の形態では、報知演出は変動開始直後のタイミング(例えば変動開始後1秒)で実行されるようになっている。従って、ステップS701では、図23のステップS604、S606にて報知演出を実行することが決定されたか否か、及び、変動開始後1秒であるか否かを判定すればよい。
なお、報知演出の実行タイミングはこれに限定されず、変動中の任意のタイミングや変動終了時であってもよい。例えば、報知演出の実行タイミングとして、変動開始時、各飾り図柄の停止前(高速変動中)、各飾り図柄の停止タイミング、リーチとなったとき、スーパーリーチへの発展時(保留表示やアクティブ表示中の複数のタイミング)、スーパーリーチのリーチ演出中等があってもよい。また、プッシュボタン31Bといった操作手段が操作されことに対応して実行するようにしてもよいし、擬似連の変動パターンである場合には、擬似連の各再変動時や各再変動中を実行タイミングとしてもよい。
作用演出Bのストック(報知演出)を実行する場合であって、報知演出の実行タイミングである場合(ステップS701;Yes)、作用演出Bのストック(報知演出)を実行する(ステップS702)。具体的には、画像表示装置5に矢の画像を表示させる。
作用演出Bのストック(報知演出)を実行しない場合や、報知演出の実行タイミングでない場合(ステップS701;No)、または、ステップS702の処理を実行した後、作用演出を実行する場合であって、その実行タイミングであるか否かを判定する(ステップS703)。ここでいう作用演出には、ガセの作用演出も含む。即ち、ここでは、作用演出A、作用演出B、または、作用演出Aガセの実行タイミングであるか否かを判定する。なお、この実施の形態では、対応表示がシフトしてから(変動が開始してから)所定時間(例えば5秒)経過したタイミングが表示態様の変化タイミングとなっている。従って、作用演出はそれよりも前の特定のタイミング(例えば変動開始から4秒)に実行される。ステップS703では、変動開始後4秒であるか否かを判定することで作用演出の実行タイミングであるか否かを判定すればよい。作用演出を実行する場合でも実行タイミングでもない場合は(ステップS703;No)、作用演出実行処理を終了する。
作用演出を実行する場合であって、その実行タイミングである場合(ステップS703;Yes)、対応する作用演出を実行する(ステップS704)。
そして、実行した作用演出が作用演出Bである場合には(ステップS705;Yes)、RAM122の所定領域に設けられたストック数カウンタの値を1減算する(ステップS706)。このとき、作用演出Bにおいて使用された作用演出画像は画像表示装置5から消去される(矢の画像が1つ減る)。
実行した作用演出が作用演出B以外の場合や(ステップS;No)、ステップS706の処理の後、対応表示変化パターンに応じて対応表示を変化または維持させる(ステップS707)。これにより、作用演出の結果、対応表示の表示態様が変化または維持される。その後、作用演出実行処理を終了する。
次に、図27、図28を参照して、保留予告演出及び作用演出が実行される場合の演出画像例を説明する。
図27(A)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行中の画像表示装置5を示している。この実行中の可変表示に対応する可変表示対応表示としてアクティブ表示AHがアクティブ表示エリアAHAに表示されている。第1保留表示部5HLには、保留表示番号「1」〜「4」に対応する第1保留表示H1〜H4が表示されている。保留表示H1〜H3は通常態様である「白」の円形で表示されており、保留表示H4は、予告態様である「青」の円形で表示されている。
その後、図27(B)に示すように、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいてハズレ図柄が可変表示結果として導出表示される。
次回の可変表示が開始されるときに、図23のステップS606において、作用演出Bを1つストックする旨(矢を1つストックする報知演出を実行する旨)が決定されると、図27(C)に示すように、矢の作用演出画像SB1が画像表示装置5に表示される。この時点で、予告態様の「青」で表示されている保留表示H3は、少なくとも「緑」まで変化することがわかる。矢の作用演出画像SB1は、作用演出Bが実行されるまで表示され続ける。なお、矢の作用演出画像SB1がストックされていることをわかりやすくするために、作用演出画像の表示領域を設けたり、作用演出画像を枠で囲うようにしてもよい。
また、図23のステップS605において、作用演出Aガセを実行することが決定された場合、図27(D)に示すように、爆弾の作用演出画像SA1が保留表示H3に作用する作用演出が実行される。この演出がガセの演出なので、保留表示H3の表示態様は変化しない。
その後、図27(E)に示すように、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいてハズレ図柄が可変表示結果として導出表示される。
また、さらに作用演出Bを1つストックする旨(矢を1つストックする報知演出を実行する旨)が決定されると、図27(F)に示すように、矢の作用演出画像SB2が画像表示装置5に表示される。この時点で、作用演出Bが2つストックされており、予告態様の「青」で表示されている保留表示H2は、少なくとも2段階上の「赤」まで変化することがわかる。
なお、この表示例では、保留表示番号1とのきと、アクティブ表示のときに表示態様が変化する図21に示す対応表示変化パターンPT4−4−21に決定され、作用演出Bを2回実行することに決定されたものとする。
図27(G)に示すように、予告態様の保留表示が保留表示番号1になったときの可変表示中に、矢の作用演出画像SB1が保留表示H1に作用する作用演出Bが実行され、図27(H)に示すように、表示態様が「緑」に変化する。その後、図28(A)に示すように、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいてハズレ図柄が可変表示結果として導出表示される。
続いて、予告対象の可変表示が開始されると、図28(B)に示すように、矢の作用演出画像SB2がアクティブ表示AHに作用する作用演出Bが実行され、図28(C)に示すように、表示態様が「赤」に変化する。その後、図28(D)に示すように、たとえば、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて大当り図柄が可変表示結果として導出表示される。
(変形例)
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、図18のステップS504において、保留予告演出を実行する場合には、図19に示すテーブルに基づいて最終表示態様を決定した後に、図21に示す対応表示変化パターン決定テーブル等を用いて、各可変表示における対応表示の表示態様や変化タイミングが対応付けられた対応表示変化パターンを決定することで、保留予告演出の全体の演出内容が決定されていた。保留予告演出の演出内容の決定方法はこれに限定されず、任意の決定方法でよい。例えば図18のステップS504では、保留予告演出の実行の有無と最終表示態様のみを決定しておき、可変表示が実行されるごとに作用演出を実行するか否か、いずれの作用演出を実行するか、作用演出の結果として対応表示を変化させるか否かを決定するようにしてもよい。この場合、決定された最終表示態様に対して、帳尻があうように作用演出(表示態様の変化)を実行すればよい。
また、図18のステップS504において、入賞時の表示態様と最終表示態様を決定し、予告対象の可変表示が実行されるまでの各可変表示において、表示態様を変化させるか、変化させる場合の変化段階数を、入賞時の表示態様と最終表示態様とのレベル差(段階の差)に基づいて決定するようにしてもよい。図32は、このようにした場合の図18のステップS504において実行される変化パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。この変形例では、保留予告演出を所定演出ともいう。変化パターン決定処理では、先ず、演出制御用CPU120は、対応表示の入賞時の表示態様と最終表示態様を決定する(ステップS801)。ステップS801では、例えば、可変表示の可変表示結果および変動パターンに応じて、例えば、図33示す入賞時及び最終表示態様決定テーブルを参照して、図33に示す決定割合で対応表示の入賞時の表示態様と最終表示態様を決定する。図33に示すテーブルは可変表示結果が大当り(16R)の場合のテーブルである。これ以外にも、大当り(突確)、スーパーリーチハズレ、その他のハズレ等の場合のテーブルも用意される。図33の数値は決定割合(%)を示している。例えば、入賞時が「白」で最終表示態様が「虹」の決定割合は3%となっている。
続いて、最終表示態様とのレベル差に基づいて、各保留表示番号における変化段階数を決定する(ステップS802)。例えば、入賞時に保留数が4となった場合には、保留表示番号3、保留表示番号2、保留表示番号1、アクティブ表示となったときの4回のタイミングにおける変化段階数を決定する。
ステップS802では、図34示す変化段階数決定テーブルを参照して、各タイミングにおける変化段階数を決定する。ここで、レベル差とは、「白」と「青」で1、「白」と「緑」で2、「白」と「赤」で3、「白」と「虹」で4となる。例えば、入賞時の保留数が4となった場合であって、入賞時表示態様が「白」で最終表示態様が「虹」の場合、まず図34における、レベル差4、保留表示番号3の決定割合を参照して、保留表示番号3となるときの変化段階数を決定する。続いて、保留表示番号3における表示態様と最終表示態様(「虹」)とのレベル差、保留表示番号2の決定割合を参照して、保留表示番号2となるときの変化段階数を決定する。同様に、保留表示番号2における表示態様と最終表示態様(「虹」)とのレベル差、保留表示番号1の決定割合を参照して、保留表示番号1となるときの変化段階数を決定し、保留表示番号1における表示態様と最終表示態様(「虹」)とのレベル差、アクティブ表示の決定割合を参照して、アクティブ表示となるときの変化段階数を決定する。
このように、最終表示態様とのレベル差に基づいて各タイミングにおける変化段階が決定されるので、予め対応表示変化パターンを設けたり、それを決定するための複数のテーブルを設ける必要がなくなり、記憶容量を削減でき、処理負担も軽減できる。
以上のようにして、入賞時表示態様、最終表示態様、各タイミングにおける変化段階数を決定した後は、その一連の決定結果を保存する(ステップS803)。その後、変化パターン決定処理を終了する。
図17のステップS172の処理では、このようにして決定された入賞時表示態様、最終表示態様、各タイミングにおける変化段階に基づいて、保留予告演出が実行される。
なお、図32のステップS802の処理は、各変動開始時等に実行するようにしてもよい。即ち、入賞時表示態様及び最終表示態様を先に決定しておき、各変動開始時等に、現在の表示態様と最終表示態様に基づいて、変化段階数を決定するようにしてもよい。
図29、図30に示すように、画像表示装置5に加えて、サブ表示装置5Sを備える変形例のパチンコ遊技機おいて、本発明を適用してもよい。図29、図30に示す変形例のパチンコ遊技機では、画像表示装置5の下方にLCD(液晶表示装置)等から構成されるサブ表示装置5Sが設けられる。サブ表示装置5Sは、動作可能に設けられていてもよい。
図29、図30に示す変形例のパチンコ遊技機では、第1保留表示部5HLと、第2保留表示部5HRと、アクティブ表示部AHAと、がサブ表示装置5Sに設けられている。なお、これらのうち、少なくとも一部が画像表示装置5に設けられていてもよい。図29、図30に示す変形例のパチンコ遊技機では、保留予告演出として、矢の画像202、203が保留表示またはアクティブ表示に作用する作用演出を伴う演出が実行されるようになっている。
この変形例では、図29(3)〜(5)に示すように、サブ表示装置5Sのみを用いて実行される作用演出Aと、図30(3)〜(5)に示すように、画像表示装置5とサブ表示装置5Sとを連動させて実行される作用演出Bと、が実行可能になっている。
図29(3)〜(5)に示すように、変形例の作用演出Aを伴う保留予告演出では、サブ表示装置5Sにおいて矢の画像202が現れて、アクティブ表示(対応表示であればよい)に命中してアクティブ表示の表示態様が変化する。
図30(3)〜(5)に示すように、変形例の作用演出Bを伴う保留予告演出では、画像表示装置5において矢の画像203が現れて、その矢の画像203がサブ表示装置5Sに移動し、アクティブ表示(対応表示であればよい)に命中してアクティブ表示の表示態様が変化する。
このように、変形例のパチンコ遊技機では、複数の表示装置使用した保留予告演出(作用演出)が実行可能であり、保留予告演出(作用演出)が多彩になる。
そして、サブ表示装置5Sを用いて実行される作用演出Aと、画像表示装置5とサブ表示装置5Sとを連動させた態様により実行される作用演出Bと、のいずれにより対応表示が変化したかに応じて、期待度(遊技者の有利度合い)が異なるようにしてもよい。例えば、予告対象の可変表示結果に応じて、図31に示すような決定割合でいずれの作用演出を実行するかを決定すればよい。図31に示す決定割合では、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)やスーパーリーチ信頼度が高くなっている。このようにすることで、保留予告演出や作用演出が多彩になり、これらの演出の演出効果が向上する。
なお、第1演出装置となるサブ表示装置5Sと、第2演出装置となる画像表示装置5と、それぞれLCDにより構成されるが、LCD以外の演出装置であってもよい。例えば、ドット表示装置、セグメント表示装置、LED、役物、導光板、可動部材等の種々の演出装置を任意に組み合わせてもよい。また、演出装置は3つ以上設けられていてもよい。また、物理的には1つの表示装置であるものの、一部が遮蔽されており、外見上2つの表示装置に見えるようなものであってもよい。
なお、この変形例では、作用演出が実行された場合には、必ず対応表示の表示態様が変化するものとするが、作用演出が実行されても対応表示の表示態様が変化しないガセの保留予告演出が実行されてもよい。また、上述の実施の形態のように、作用演出をストック可能にしてもよい。即ち、変形例の作用演出を上記実施の形態に組み込んでもよい。例えば、上記実施の形態の作用演出Aをサブ表示装置5Sを用いて実行される演出とし、作用演出Bを画像表示装置5とサブ表示装置5Sとを連動させた態様により実行される演出としてもよい。この場合においても、サブ表示装置5Sを用いて実行される作用演出Aと、画像表示装置5とサブ表示装置5Sとを連動させた態様により実行される作用演出Bと、のいずれにより対応表示が変化したかに応じて、期待度(遊技者の有利度合い)が異なるようにすればよい。また、画像表示装置5とサブ表示装置5Sと他の演出装置(例えば遊技枠のランプ等)とを連動させた態様により実行される作用演出Cを設けてもよい。
また、この変形例では、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、期待度(大当りに対する信頼度やスーパーリーチ信頼度)が高かったり、有利度合いが高くなる場合を示しているが、そのような態様に限られない。この期待度は、確変大当り期待度や、擬似連期待度などでもよい。また、例えば、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、いわゆるガセの保留予告演出となる割合が少ないようにしてもよいし、遊技状態を報知しない場合に内部の遊技状態が遊技者にとって有利である割合が高くしてもよい。逆に、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、有利度合いが低くなるように構成してもよい。
上記実施の形態では、図23に示したように、作用演出(作用演出A、作用演出B、作用演出Aガセ)が実行される場合にも、作用演出Bのストック(報知演出)が実行され得るようになっていたが、作用演出が実行される可変表示においては、報知演出を実行しないようにしてもよい。即ち、今回の変動において作用演出が実行されないことを条件に報知演出が実行されるようにしてもよい。また、作用演出Bは、必ず作用演出Bのストック(報知演出)が実行された後に実行されるようになっていたが、報知演出を経ずに作用演出Bが実行される場合があるようにしてもよい。図35は、このようにした変形例における作用演出設定処理(図17のステップS171)の一例を示すフローチャートである。なお、上記実施の形態と同様の処理については、同じステップ番号を振り説明を省略する。
この変形例における作用演出設定処理では、今回の変動において作用演出Bを実行する場合には(ステップS602;Yes)、RAM122の所定領域に設けられたストック数カウンタにより特定される作用演出Bのストック数が1以上であるか否かを判定する(ステップS621)。作用演出Bのストック数が1以上である場合は(ステップS621;Yes)、ストック数カウンタの値を1減算して(ステップS622)、作用演出設定処理を終える。作用演出Bのストック数が0である場合は(ステップS621;No)、そのまま作用演出設定処理を終える。このように、今回の変動で作用演出Bを実行する場合であって、作用演出Bのストック数が0である場合には、報知演出を経ずに作用演出Bが直接実行されることになる。なお、作用演出Bのストック数が1以上である場合は、この処理で予めストック数カウンタの値を1減算するので、作用演出Bの実行時にストック数カウンタの値を1減算する処理(図26のステップS706)は省略する。なお、図26に示す作用演出実行処理において、ストック数を判定して1以上である場合は、そのときにストック数カウンタの値を1減算するようにしてもよい。
また、この変形例では、今回の変動において対応表示が変化しない場合(ステップS601;No)、即ち、作用演出Aも作用演出Bも実行されない場合に作用演出Aガセの実行有無を判定する(ステップS623)。そして、作用演出(作用演出A、作用演出B、作用演出Aガセ)を実行しないときのみ(ステップS623;No)、作用演出Bのストック数を決定する(ステップS606)。S606の処理を実行した後は、その決定結果をRAMの所定領域(始動入賞時コマンドバッファ等)に格納し、決定結果に応じてRAM122の所定領域に設けられたストック数カウンタの値を更新する(ステップS624)。作用演出Aガセを実行する場合や(ステップS623;Yes)、ステップS624の処理を実行した後には、作用演出設定処理を終了する。
このような変形例によれば、報知演出は作用演出が実行されないときの変動において実行されるので、保留予告演出の実行中に、何らかの演出が実行される可能性が高まり、保留予告演出の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、例えば、図19に示す最終表示態様決定テーブルにおいて、「大当り(確変/非確変)」、「大当り(突確)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」といった可変表示結果ごとに、保留表示の表示段階に割り当てる決定割合を異ならせた。しかし、可変表示の種類や可変表示結果に応じて各表示色に割り当てる決定割合は任意である。例えば、可変表示結果として16ラウンド遊技が実行される「大当り」と4ラウンド遊技が実行される「大当り」とを設定した場合、4ラウンド遊技が実行される「大当り」の保留表示の最終表示態様として「緑」等の決定割合を、16ラウンド遊技が実行される「大当り」よりも高くするなどしてもよい。また、可変表示結果として可変表示の上限回数が100回と50回の時短状態におけるそれぞれの「大当り」を設定した場合、可変表示の上限回数が50回の時短状態における「大当り」保留表示の最終表示段階として「緑」等の決定割合を可変表示の上限回数が100回の時短状態における「大当り」よりも高くするなどしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、図18に示すステップ502の処理において、低ベース状態で第1始動入賞口指定コマンドを受信した場合、または、高ベース状態で第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合に、保留予告演出による先読み予告を実行するようにした。しかし、受信した始動入賞口指定コマンドの別に関わらず、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態のいずれかである場合にのみ保留予告演出による先読み予告を実行するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、第1特図を用いた特図ゲームでは、図10(A)の第1特図表示結果決定テーブルに示すように、「大当り」、「小当り」、「ハズレ」を特図表示結果とし、第2特図を用いた特図ゲームでは、図10(B)の第2特図表示結果決定テーブルに示すように、「大当り」、「ハズレ」を特図表示結果とし、特図表示結果の各々に特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)を割り当てた。しかし、第1特図を用いた特図ゲームの特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のみとし、「小当り」を含めないようにしてもよい。また、第2特図を用いた特図ゲームの特図表示結果に「小当り」を含むようにしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末等を介して、パチンコ遊技機1および管理サーバとデータのやり取りを行なうようにしてもよい。遊技者は、携帯端末等を用いて管理サーバに接続し、予め遊技者自身のID等の発行を受け、自己の選択により、遊技中の自己の成績に関する報知を受信したり、過去の遊技履歴を反映させた遊技モードで遊技を行なうことが可能である。
上記の実施の形態では、例えば、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、例えば、「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示またはスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すことなども普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
なお、上記の実施の形態では、割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。例えば、一方の割合と他方の割合とを異ならせるとは、一方の割合を例えば3割として、他方の割合を7割とする他、一方の割合を例えば0割として、他方の割合を10割とすることも含む。また、一方の割合と他方の割合との合算が10割とならなくてもよい(一方と他方とのいずれにも含まれないものが存在して、所定割合を有してもよい)。また、一方の割合よりも他方の割合の方が高い割合とする場合には、一方の割合を0割とし、他方の割合を10割とすることを含む。例えば、上記において、有利状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と、特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とを異ならせるとは、一方で選ばれる可変表示パターンが他方では選ばれないようなことや一方で選ばれる可変表示パターンと他方で選ばれる可変表示パターンとが一部重複するか完全に重複しない場合も含む。これらは、割合を規定するテーブルの内容などによって規定されればよい。
上記実施の形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、パチンコ遊技機1は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うが、例えば、遊技領域に設けられたアタッカ内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。
上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。例えば、スロット機に適用する場合、小役や再遊技役(リプレイ)などの入賞役の発生数の総数をカウントし、カウントした入賞役の発生数の総数に基づいて入賞率を算出し特定演出を実行するように構成してもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901)であって、
可変表示に対応した対応表示を期待度が異なる複数段階の表示態様のいずれかにより表示可能な対応表示手段(例えば第1保留表示部5HL、第2保留表示部5HR、アクティブ表示部AHA)と、
対応表示がより期待度の高い段階の表示態様に変化することを所定期間に亘り継続的に報知する報知演出を実行する報知演出実行手段(例えばステップS604、S606、S702の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
対応表示がより期待度の高い段階の表示態様に変化することを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(例えばステップS605、S704の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
電気部品(例えば、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、
制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)と、を備え、
前記出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図49(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図49(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能であり(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図48参照))、
当該出力手段と同一基板内に前記他の出力手段が設けられており(例えば、図42に示すように、発光体制御基板9016C上に複数の発光体ドライバが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板9016C上の発光体ドライバ間で順次伝送される)、
前記出力手段は、第2出力状態に設定されており(例えば、図52に示すように、発光体制御基板9016C上に搭載された発光体ドライバ90411ではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)、
前記示唆演出実行手段は、前記報知演出が実行されているときには、前記報知演出が実行されていないときよりも高い割合により前記示唆演出を実行する(例えばステップS605の処理において、図24に示す決定割合で作用演出Aガセの実行有無を決定する)ことを特徴とする遊技機が挙げられる。
上記遊技機としては、さらに、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901)であって、
可変表示に対応した対応表示を期待度が異なる複数段階の表示態様のいずれかにより表示可能な対応表示手段(例えば第1保留表示部5HL、第2保留表示部5HR、アクティブ表示部AHA)と、
対応表示がより期待度の高い段階の表示態様に変化することを所定期間に亘り継続的に報知する報知演出を実行する報知演出実行手段(例えばステップS604、S606、S702の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
対応表示がより期待度の高い段階の表示態様に変化することを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(例えばステップS605、S704の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
電気部品(例えば、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、
制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)と、を備え、
前記出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図49(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図49(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能であり(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図48参照))、
当該出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブル、ワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に前記他の出力手段が設けられており(例えば、図46(2)に示すように、発光体ドライバ90413a〜90413cはそれぞれ異なる発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板9016D〜9016Fに搭載された発光体ドライバ90413a〜90413c間で順次伝送される)、
前記出力手段は、第1出力状態に設定されており(例えば、図54に示すように、発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載された発光体ドライバ90413a〜90413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)、
前記示唆演出実行手段は、前記報知演出が実行されているときには、前記報知演出が実行されていないときよりも高い割合により前記示唆演出を実行する(例えばステップS605の処理において、図24に示す決定割合で作用演出Aガセの実行有無を決定する)
ことを特徴とする遊技機も挙げられる。
このような遊技機によれば、示唆演出により好適に期待感を高めることができ、興趣が向上する。また、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。また、遊技中にノイズに起因して意図しない演出が発生すると遊技者が違和感や不信感を感じることがあるが、上記遊技機は制御信号のノイズ耐性が高いので意図しない演出の発生を高いレベルで抑制できる。このことは、遊技機の信頼性につながる。特に、対応表示については遊技者が遊技中に特に注意をはらう箇所の一つであり、このような対応表示で意図しない表示が発生することを高度に抑制できるので、期待感を高めて興趣を向上できるという効果をより得ることができる。
さらに、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる遊技機の例として、以下の(a)と(b)の遊技機が挙げられる。
(a) 電気部品(例えば、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、
前記制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)とを備え、
前記出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図49(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図49(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能であり(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図48参照))、
当該出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられており(例えば、図42に示すように、発光体制御基板9016C上に複数の発光体ドライバが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板9016C上の発光体ドライバ間で順次伝送される)、
前記出力手段は、第2出力状態に設定されている(例えば、図52に示すように、発光体制御基板9016C上に搭載された発光体ドライバ90411ではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)ことを特徴とする遊技機。
(b) 電気部品(例えば、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、
前記制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)とを備え、
前記出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図49(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図49(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能であり(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図48参照))、
当該出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブル、ワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられており(例えば、図46(2)に示すように、発光体ドライバ90413a〜90413cはそれぞれ異なる発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板9016D〜9016Fに搭載された発光体ドライバ90413a〜90413c間で順次伝送される)、
前記出力手段は、第1出力状態に設定されている(例えば、図54に示すように、発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載された発光体ドライバ90413a〜90413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)ことを特徴とする遊技機。
以下に、これらの遊技機の形態例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図36は、パチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。なお、図36では、後述する演出可動機構9050を破線で示している。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図36に示す例では、遊技領域の右下側)には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、メイン画像表示装置905MAが設けられている。メイン画像表示装置905MAは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。メイン画像表示装置905MAの画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、メイン画像表示装置905MAの表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、それぞれに対応した飾り図柄が可変表示される。この場合、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、メイン画像表示装置905MAの画面上では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、「仮停止表示」ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い短停止時間が経過するまでの期間にて、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
なお、飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されず、特図ゲームにおける特別図柄の変動と対応して、画像表示装置905(メイン画像表示装置905MAや後述のサブ画像表示装置905SU等)の画面上に任意の演出画像を表示可能としたものであればよい。例えばメイン画像表示装置905MAの画面上では、ストーリー性をもつ演出画像の表示により、特別図柄の可変表示結果などに応じたストーリーの結果を表示するような演出を実行可能にしてもよい。演出画像の表示による演出として、例えばプロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出が行われてもよい。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、試合やバトルに敗北する演出を行う。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、試合やバトルに勝利する演出を行う。あるいは、例えばメイン画像表示装置905MAの画面上では、特定の表示部位における表示色の変更表示と停止表示とを繰り返す。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、所定の表示色(例えば白色)で停止表示した状態を維持すること、あるいは所定の表示色を非表示とした状態で維持することで、飾り図柄を導出表示する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、所定の表示色とは異なる表示色(例えば赤色)で停止表示した状態を維持することで、飾り図柄を導出表示する。こうして、飾り図柄の可変表示中には、所定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(最終停止表示)されるものであってもよい。また、飾り図柄の可変表示中には、所定の図柄を示す演出画像の表示と非表示とを繰り返し、他の演出画像は表示されないようにしてもよい。そして、飾り図柄の可変表示結果としては、可変表示に用いられた所定の図柄を示す演出画像が停止表示されることはなく、所定の図柄とは異なる特定の数字や記号などを示す演出画像が表示されることで、飾り図柄を導出表示してもよい。
メイン画像表示装置905MAの画面上には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞にもとづいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件にもとづく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立にもとづく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立にもとづく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示905Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図36に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、第1特別図柄表示装置904Aおよび第2特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
メイン画像表示装置905MAの右側には、メイン画像表示装置905MAとは別個に複数種類の演出画像を含む各種画像の表示を行うサブ画像表示装置905SUが設けられている。なお、メイン画像表示装置905MAとサブ画像表示装置905SUの設置箇所は、遊技盤902における遊技領域の中央付近に限定されず、例えばメイン画像表示装置905MAは遊技領域の中央付近に設置される一方、サブ画像表示装置905SUは遊技領域の外部や遊技機用枠903の前面上部、前面下部、前面側方といった、パチンコ遊技機901における任意の位置に設置されてもよい。
メイン画像表示装置905MAの下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図39に示す普通電動役物用となるソレノイド9027によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置906Bは、普通電動役物用のソレノイド9027がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図39に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図39に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことにもとづき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことにもとづき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図39に示す大入賞口扉用となるソレノイド9028によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9028がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9028がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図39に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことにもとづき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図36に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄表示器9020の上方には、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普図保留表示器9025Cが設けられている。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車や多数の障害釘や単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技盤902には、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出を実行可能な可動部材として、演出可動機構9050が設けられている。演出可動機構9050は、複数(例えば4つ)の可動部材を有している。演出可動機構9050は、複数の可動部材がメイン画像表示装置905MAの画面上下に分かれて位置する退避状態と、複数の可動部材がメイン画像表示装置905MAの画面前方に位置する進出状態とに変化することができる。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機901の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
図36に示された演出可動機構9050は、退避状態となった場合のものである。この実施の形態では、例えば樹脂などで構成される図示しない透明板によって遊技盤902の遊技領域が構成されており、演出可動機構9050は、この透明板の後方に配置されて、遊技球は演出可動機構9050の前方を流下する。ただし、こうした例に限定されず、演出可動機構9050の複数の可動部材の少なくとも1つが、遊技領域を形成する透明板の前方に配置されてもよい。
図37は、演出可動機構9050に設けられた複数の可動部材がメイン画像表示装置905MAの前面に位置する進出状態となった場合を示している。図38は、演出可動機構9050の動作例を示している。演出可動機構9050は、退避状態においてメイン画像表示装置905MAの画面上側に位置する2つの可動部材9051、9052を備えた上側機構と、退避状態においてメイン画像表示装置905MAの画面下側に位置する2つの可動部材9053、9054を備えた下側機構とに分離可能である。すなわち、演出可動機構9050は、互いに離間または近接して配置可能な上側機構と下側機構とを含んで構成される。上側機構と下側機構とが互いに離間することで、第1状態としての退避状態となる。一方、上側機構と下側機構とが互いに近接することで、第2状態としての進出状態となる。演出可動機構9050の上側機構や下側機構には、退避状態と進出状態とに変化させる駆動手段が設けられている。可動部材9051、9052は、それぞれ左端が装飾部材9057により軸支され、装飾部材9057に対して回動可能に構成されている。装飾部材9057は、図39に示す動作用モータ9060Aからの動力が可動部材9051に出力されることにより、可動部材9051の動作に伴って上下に移動する。
可動部材9051は、前面部と、前面部の後方に配置されたベース体とを備え、前面部とベース体との間に可動部材9052を保持する。可動部材9052は、図39に示す動作用モータ9060Bからの動力を受けて、可動部材9051に対して上方または下方に回動する。動作用モータ9060Bは、可動部材9051が備えるベース体の前面に取り付けられていればよい。動作用モータ9060Bは、可動部材9052を動作可能に駆動するための駆動力を提供する。可動部材9053、9054は、所定のリンク機構などに連結され、図39に示す動作用モータ9060Cからの動力がリンク機構に係合した動力伝達部などを介して伝達されることで、上下に移動しつつ左端を中心に回動することができる。
演出可動機構9050の所定位置には、図39に示す可動部材位置センサ9061が設けられている。可動部材位置センサ9061は、可動部材9051〜9054や装飾部材9057の状態を、直接的に、または間接的に検出することができるものであればよい。一例として、可動部材位置センサ9061は、動作用モータ9060A〜9060Cに対応して設けられた第1〜第3位置センサを含んで構成されてもよい。第1〜第3位置センサは、それぞれがフォトインタラプタやロータリーエンコーダなどを用いて構成され、対応する動作用モータ9060A〜9060Cの動作状態などから、例えば可動部材9051〜9054および装飾部材9057の位置といった、可動部材9051〜9054および装飾部材9057の状態を検出可能にするものであればよい。具体的な一例として、第1位置センサは、動作用モータ9060Aの回転軸について回転量を検出すること、あるいは動作用モータ9060Aの回転軸に連結された駆動ギヤの回転位置を検出することにより、可動部材9051、9052や装飾部材9057の動作位置などを特定可能な位置検出信号を出力する。第2位置センサは、動作用モータ9060Bの回転軸について回転量を検出すること、あるいは動作用モータ9060Bの回転軸に連結された駆動ギヤの回転位置を検出することにより、可動部材9051に対する可動部材9052の相対的な動作位置などを特定可能な位置検出信号を出力する。第3位置センサは、動作用モータ9060Cの回転軸について回転量を検出すること、あるいは動作用モータ9060Cの回転軸に連結された駆動ギヤの回転位置を検出することにより、可動部材9053、9054の動作位置などを特定可能な位置検出信号を出力する。
他の一例として、可動部材位置センサ9061は、可動部材9051〜9054および装飾部材9057のそれぞれに対応して設けられた第1〜第5位置センサを含んで構成されてもよい。第1〜第4位置センサは可動部材9051〜9054のそれぞれに対応して設けられるとともに、第5位置センサは装飾部材9057に対応して設けられ、それぞれがフォトインタラプタやリニアエンコーダ、その他の赤外線センサなどを用いて構成されたものであればよい。これにより、第1〜第5位置センサは、対応する可動部材9051〜9054や装飾部材9057の動作状態などを検出し、その検出結果に応じた位置検出信号などを出力すればよい。このように、可動部材位置センサ9061は、複数の可動部材にそれぞれ対応して設けられた複数の位置センサを含んで構成されてもよい。
可動部材9051、9052のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材9051にて整列配置された複数の発光体は、図39に示す発光体ユニット9071〜9074のうちの発光体ユニット9071を構成する。可動部材9052にて整列配置された複数の発光体は、図39に示す発光体ユニット9071〜9074のうちの90を構成する。このように、可動部材9051、9052は、それぞれマトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。
発光体ユニット9071、9072を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材9051と可動部材9052は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット9071と発光体ユニット9072にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット9073および発光体ユニット9074は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材9051、9052が備える発光体ユニット9071、9072にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材9051、9052の区画体の前面には、可動部材9051、9052を装飾する前面板が設けられている。
可動部材9053、9054は、可動部材9051、9052のそれぞれと同様に、それぞれがマトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材9053、9054のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材9053にて整列配置された複数の発光体は、図39に示す発光体ユニット9071〜9074のうちの発光体ユニット9073を構成する。可動部材9054にて整列配置された複数の発光体は、図39に示す発光体ユニット9071〜9074のうちの発光体ユニット9074を構成する。
発光体ユニット9073、9074を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材9053と可動部材9054は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット9073と発光体ユニット9074にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット9073および発光体ユニット9074は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材9053、9054が備える発光体ユニット9073、9074にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材9053、9054の区画体の前面には、可動部材9053、9054を装飾する前面板が設けられている。
なお、複数の発光体としては、フルカラーLEDを用いるものに限定されず、例えば単色または複数色のLEDを用いてもよいし、LED以外の発光体を用いてもよい。区画体は、立体的に格子状に形成された部材により構成されてもよいし、例えば格子状の模様が印刷や切込みなどで透明または半透明な板材に形成されることで構成されてもよい。区画体は、複数の発光体を1つずつ区画するように構成されるものに限定されず、複数の発光体を所定数ずつ区画するように構成されてもよいし、所定方向(例えば横方向および縦方向)に沿って区画するように構成されてもよい。さらに、こうした区画体を備えなくてもよい。
図38(A)に示すように、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが互いに離間した退避状態では、可動部材9051〜9054がメイン画像表示装置905MAの表示画面(表示領域)に重ならない。このとき、可動部材9051、9052のそれぞれがメイン画像表示装置905MAの上方に位置するとともに、可動部材9052が可動部材9051の後方に位置して、遊技者は可動部材9052を視認不可能あるいは視認困難となる。また、可動部材9053、9054のそれぞれがメイン画像表示装置905MAの下方に位置するとともに、可動部材9053が可動部材9054の後方に位置して、遊技者は可動部材9053を視認不可能あるいは視認困難となる。このように、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが退避状態であるときには、メイン画像表示装置905MAの表示画面が視認可能となる。
図38(B)に示すように、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが互いに近接した進出状態では、可動部材9051〜9054がメイン画像表示装置905MAの表示画面(表示領域)に重なる。退避状態から進出状態へと変化するときに、可動部材9052は可動部材9051の裏側から回動を伴って下方に移動し、可動部材9053は可動部材9054の裏側から回動を伴って上方に移動する。また、可動部材9051は可動部材9052の移動を伴って下方に移動し、可動部材9054は可動部材9053の移動を伴って上方に移動する。こうして、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、メイン画像表示装置905MAの表示画面が視認困難または視認不可能となる。
演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが退避状態であるときには、図38(A)に示すように、可動部材9051〜9054のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致しない。一方、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、図38(B)に示すように、可動部材9051〜9054のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致する。このように、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、可動部材9051〜9054のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が揃うことで、可動部材9051〜9054のそれぞれにおける表示演出に一体感をもたせることができる。特に、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態であるときに複数の可動部材9051〜9054で一体の表示演出を実行することにより、演出の興趣を向上させることができる。また、複数の可動部材9051〜9054の位置によってメイン画像表示装置905MAの表示画面に対する視認性が変化するので、演出が単調になることを防止して、演出の興趣を向上させることができる。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cが設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907、メイン画像表示装置905MAの周縁部に配置されたフレーム部材など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ9031Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ9031Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機901と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤902の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤902の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bは、遊技者による操作が検出された場合、図39に示す演出制御基板9012によってメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける表示演出が変更されたり、演出可動機構9050における動作やスピーカ908L、908Rからの音声出力や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cなどの発光体における点灯動作(点滅動作)が行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに代えて、あるいは、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bとともに、遊技者の動作を検出するためのセンサなどが設けられてもよい。例えば回動操作が可能なジョグダイアル、接触操作や押圧操作が可能なタッチパネルのように、遊技者の動作を直接的に検出する構成を備えてもよいし、赤外線センサ、超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者の動作を間接的(遠隔的)に検出する構成を備えてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手などの被写体を撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、任意の動作を検出できるようにしてもよい。すなわち、任意対象物の動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成を備えていればよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図39に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声出力基板9013といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。さらに、演出制御基板9012との間で演出制御用中継基板9016Aを介して接続された制御基板として、駆動制御基板9016B、発光体制御基板9016C〜9016Fが、搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御と消灯制御とを行って第1特図や第2特図の可変表示を制御するなどの所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。図39に示す主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100やスイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などが搭載されている。スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド9027や大入賞口扉用のソレノイド9028に伝送する。
図39に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された演出制御コマンドにもとづいて、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SU、発光体ユニット9071〜9074、スピーカ908L、908R、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、動作用モータ9060A〜9060Cに連結された可動部材9051〜9054および装飾部材9057、その他の演出装置といった、各種の演出用電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける画像表示、スピーカ908L、908Rからの音声出力、発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体における点灯、発光体ユニット9071〜9074とは異なる天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cおよび装飾用LEDを構成する発光部材における点灯、可動部材9051〜9054および装飾部材9057を移動させる動作用モータ9060A〜9060Cの駆動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。図39に示す演出制御基板9012には、演出制御用マイクロコンピュータ90120と、ROM90121と、RAM90122と、演出データメモリ90123A〜90123Cとが搭載されている。
演出制御基板9012には、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUに対して映像信号を伝送するための配線や、音声出力基板9013に対して音声信号(効果音信号)を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御用中継基板9016Aを介して駆動制御基板9016Bや発光体制御基板9016C、発光体制御基板9016Dに各種信号を伝送するための配線も接続されている。駆動制御基板9016Bに伝送される情報信号は、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動により可動部材9051〜9054や装飾部材9057を移動させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいればよい。発光体制御基板9016Cに伝送される情報信号は、発光体ユニット9071〜9074に対して複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、発光体制御基板9016Dは遊技機用枠903の左方に搭載されており、発光体制御基板9016Dに伝送される情報信号は、遊技機用枠903の左方に左枠LED909bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板9016Eは遊技機用枠903の上方に搭載されており、発光体制御基板9016Eに伝送される情報信号は、遊技機用枠903の上方に天枠LED909aとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板9016Fは遊技機用枠903の右方に搭載されており、発光体制御基板9016Fに伝送される情報信号は、遊技機用枠903の右方に右枠LED909cとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、この実施の形態では、図39に示すように、発光体制御基板9016Dに伝送される情報信号は、演出制御基板9012に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ90120から演出制御用中継基板9016Aのみを中継して伝送される。また、発光体制御基板9016Eに伝送される情報信号は、演出制御基板9012に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ90120から演出制御用中継基板9016Aに加えて発光体制御基板9016Dを中継して伝送される。さらに、発光体制御基板9016Fに伝送される情報信号は、演出制御基板9012に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ90120から演出制御用中継基板9016Aに加えて発光体制御基板9016Dおよび発光体制御基板9016Eを中継して伝送される。
また、駆動制御基板9016Bからは、可動部材位置センサ9061によって可動部材9051〜9054の位置を検出した結果を示す情報信号としての位置検出信号が、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012へと伝送される。さらに、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線も、演出制御基板9012に接続されていればよい。
音声出力基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力用の基板であり、演出制御基板9012からの音声信号に従って、音出力装置となるスピーカ908L、908Rから音声を出力させるための各種回路が搭載されている。
演出制御用中継基板9016Aは、遊技盤902の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、演出制御基板9012から駆動制御基板9016Bや発光体制御基板9016C、発光体制御基板9016Dに向けて伝送される各種信号を中継する。裏パックは、遊技盤902の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央にはメイン画像表示装置905MAが臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板9011や音声出力基板9013、駆動制御基板9016B、発光体制御基板9016Cなどを、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板9012が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。
駆動制御基板9016Bは、演出制御基板9012とは別個に設けられた演出可動機構制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどにもとづき、可動部材9051〜9054の回動制御や装飾部材9057の移動制御を行うためのドライバICなどが搭載されている。駆動制御基板9016Bからの出力信号は、動作用モータ9060A〜9060Cに向けて伝送される。また、駆動制御基板9016Bには、可動部材位置センサ9061から出力された位置検出信号を、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012へと伝送するための配線などが含まれていればよい。発光体制御基板9016Cは、演出制御基板9012とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどにもとづき、発光体ユニット9071〜9074に配置された複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
発光体制御基板9016D〜9016Fは、遊技機用枠903に搭載され、演出制御基板9012とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどにもとづき、天枠LED909a、左枠LED909b、および右枠LED909cとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909c、装飾用LED、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯動作などを制御するために用いられる発光体制御コマンド、演出可動機構9050の動作などを制御するために用いられる可動機構制御コマンドなどが含まれている。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105とを備えて構成される。なお、乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものに限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に外付されるものであってもよい。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路90104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図40は、演出制御基板9012に搭載された各種回路の構成例を示している。演出制御基板9012には、例えば演出制御用マイクロコンピュータ90120や、ROM90121、RAM90122、演出データメモリ90123A〜90123Cなどが搭載されている。なお、ROM90121、RAM90122、演出データメモリ90123A〜90123Cは、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵されたものであってもよいし、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ90120に外付けされたものであってもよい。図40に示す演出制御用マイクロコンピュータ90120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU90130と、ワークメモリ90131と、ホストインタフェース90132と、DRAMインタフェース90133と、データメモリインタフェース90134とを備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ90120は、VDP(Video Display Processor)90140と、VRAM(Video RAM)90141と、表示出力系統インタフェース90142と、音声処理回路90143と、音声インタフェース90144と、汎用出力コントローラ90145とを備えている。なお、VDP90140は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。VDP90140、VRAM90141、表示出力系統インタフェース90142、音声処理回路90143、音声インタフェース90144、汎用出力コントローラ90145は、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵されたものであってもよいし、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ90120の外部回路として構成されたものであってもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、演出制御用のプログラムに従って制御処理を実行する。ROM90121は、CPU90130が制御処理を実行するために読み出される演出制御用のプログラムや固定データなどを記憶する。RAM90122は、演出データメモリ90123A〜90123Cから読み出した各種の演出データを一時記憶する。RAM90122に一時記憶された演出データは、CPU90130やVDP90140による各種処理を実行するために提供される。ROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、発光体制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。RAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出データメモリ90123A〜90123Cは、演出を実行するための固定的なデータを記憶している。演出データメモリ90123A〜90123Cのうち、演出データメモリ90123A、90123Bには、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶する記憶領域が設けられていればよい。演出データメモリ90123Cには、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御内容を示す各種のモータデータを予め記憶する記憶領域や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cおよび発光体ユニット9071〜9074の点灯制御内容を示す各種の発光データを予め記憶する記憶領域などが、設けられていればよい。なお、発光体ユニット9071〜9074の点灯制御内容を示す発光データは、画像データを用いて生成されるものであってもよい。演出データメモリ90123A〜90123Cは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、NAND−ROMといったフラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909c、発光体ユニット9071〜9074の点灯データ(発光データ)を作成するためのデータは、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に表示させる演出画像の画像データとは別個に、演出データメモリ90123A、90123Bのいずれかに予め記憶される。なお、発光体ユニット9071〜9074の点灯データ(発光データ)を作成するためのデータは、サブ画像表示装置905SUの画面上に表示させる演出画像の画像データに付加されて、演出データメモリ90123A、90123Bのいずれかに予め記憶されてもよい。あるいは、発光体ユニット9071〜9074の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置905SUの画面上に表示させる演出画像の画像データとは別個の画像データあるいは発光データとして演出データメモリ90123A〜90123Cのいずれかに予め記憶され、演出制御用マイクロコンピュータ90120のVDP90140が描画処理を実行するときに、点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されてもよい。
図41は、ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cにおけるアドレスや記憶内容などの設定例を示している。図41(A)は、ROM90121における記憶内容の設定例を示している。ROM90121には、先頭アドレスとなるアドレスMA00から最終アドレスとなるアドレスMA10までの連続するアドレスが付与されている。図41(B1)は、演出データメモリ90123Aにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ90123Aには、先頭アドレスとして、ROM90121の最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA10+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA20までの連続するアドレスが付与されている。図41(B2)は、演出データメモリ90123Bにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ90123Bには、先頭アドレスとして、演出データメモリ90123Aの最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA20+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA30までの連続するアドレスが付与されている。図41(B3)は、演出データメモリ90123Cにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ90123Cには、先頭アドレスとして、演出データメモリ90123Bの最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA30+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA40までの連続するアドレスが付与されている。このように、ROM90121と演出データメモリ90123A〜90123Cとに連続するアドレスが付与され、ROM90121における最終アドレスの次アドレスが演出データメモリ90123Aの先頭アドレスとなっている。
ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cには、各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータが、演出データ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)として予め格納されている。ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cには、記憶内容に応じた複数の記憶エリア(記憶領域)が設けられている。例えば、ROM90121には、演出制御用のプログラムや各種の管理データが記憶される第1記憶エリアと、音声データが記憶される第2記憶エリアと、第1記憶エリアおよび第2記憶エリア以外のリザーブエリアとが設けられている。例えばROM90121の全体で8ギガビットの記憶容量を有する場合に、第1記憶エリアは1ギガビットの記憶容量を有するとともに、第2記憶エリアは6ギガビットの記憶容量を有するものであればよい。なお、第1記憶エリアは、1.5ギガビットあるいは2ギガビットの記憶容量を有する場合があってもよい。演出データメモリ90123Aには、音声データが記憶される記憶エリアと、画像データが記憶される記憶エリアとが設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130が各種の判定や決定、設定を行うために用意された各種テーブルのテーブルデータや、演出制御パターンを構成するパターンデータなどは、管理データとしてROM90121に記憶されていればよい。ROM90121と演出データメモリ90123Aには、スピーカ908L、908Rによる音出力を制御するために用いられる音声データが記憶される。演出データメモリ90123A、90123Bには、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける演出画像の表示を制御するために用いられる画像データが記憶され、さらに、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cなどの発光体、および発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体における点灯制御のために用いられる画像データが記憶されてもよい。
ROM90121には、音声データが記憶される記憶エリアが設けられて、少なくとも音声データが記憶される。したがって、ROM90121は、少なくともスピーカ908L、908Rから音声を出力させる音声制御に用いられる第1制御データとしての音声データを記憶する第1領域を提供する。演出データメモリ90123Aには、画像データが記憶される記憶エリアが設けられている。したがって、演出データメモリ90123Aは、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUに画像を表示させる表示制御あるいは天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cなどの発光体、および発光体ユニット9071〜9074に配置された複数の発光体を点灯させる点灯制御に用いられる第2制御データとしての画像データを記憶する第2領域を提供する。
この実施の形態では、音声データを記憶する記憶エリアが、ROM90121だけでなく演出データメモリ90123Aにも設けられている。ROM90121において音声データが記憶される記憶エリアは、図41(A)に示すアドレスMA02から、ROM90121における最終アドレスとなるアドレスMA10までに割り当てられている。演出データメモリ90123Aにおいて音声データが記憶される記憶エリアは、図41(B1)に示すように、演出データメモリ90123Aの先頭アドレスとなるアドレスMA10+1からアドレスMA11までに割り当てられている。このように、第2領域を提供する演出データメモリ90123Aには、第1領域を提供するROM90121の最終アドレスMA10の次アドレスMA10+1からアドレスMA11までの連続する特定アドレス範囲に、音声データを記憶する記憶エリアが割り当てられている。第2領域を提供する演出データメモリ90123Aにおいて、第1領域を提供するROM90121の最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアには、第1制御データとしての音声データが記憶されている。すなわち、第1制御データとしての音声データは、第1領域を提供するROM90121に設けられた記憶エリアだけでなく、第2領域を提供する演出データメモリ90123Aに設けられた記憶エリアにおいて、ROM90121の最終アドレスMA10の次アドレスとなるアドレスMA10+1からアドレスMA11までの連続するアドレスが付与された記憶エリアにも、記憶されている。
演出データメモリ90123Aは、本来、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの表示制御などに用いられる画像データを記憶するための記憶領域を提供する。一方、多様な楽曲に対応する音声データを用意する必要などから、ROM90121などにおいて各種の演出装置による演出を制御するために記憶すべき制御情報のデータ量が増大し、記憶容量が不足してしまう場合がある。この場合に、別個の新たな記憶装置を用意すると、パチンコ遊技機901の製造コストが増大する。そこで、演出データメモリ90123Aに画像データとは異なる制御に使用されるデータの記憶エリアを設けることで、パチンコ遊技機901の製造コストを低減することができる。音声データの記憶エリアを設ける場合には、ROM90121における音声データの記憶エリアに付与された最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアを、演出データメモリ90123Aに割り当てる。これにより、ROM90121の記憶エリアと演出データメモリ90123Aの記憶エリアとの双方に跨がって記憶されている音声データであっても、他の音声データと同様にアドレスを更新(インクリメント)しつつ読み出すことで、音声データを適切に読み出すことができる。
図40に示す演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、ROM90121から読み出した演出制御用のプログラムに従って、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。このときには、CPU90130がホストインタフェース90132を介してROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90130がDRAMインタフェース90133を介してRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90130がDRAMインタフェース90133を介してRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90130がホストインタフェース90132などを介して主基板9011といった演出制御用マイクロコンピュータ90120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90130がホストインタフェース90132や他の各種回路を介して演出制御用マイクロコンピュータ90120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。また、CPU90130は、データメモリインタフェース90134を介して演出データメモリ90123A〜90123Cにアクセスし、記憶データの読み出しなどを行うことができる。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のVDP90140は、例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、CPU90130からの表示制御指令に従い画像データ処理を実行する画像プロセッサである。VDP90140は、演出制御用マイクロコンピュータ90120の内部バスやデータメモリインタフェース90134を介して演出データメモリ90123A〜90123Cにアクセスし、画像データの読み出しなどを行うことができる。
VRAM90141は、演出データメモリ90123A、90123Bから読み出された画像データを一時記憶するためのワークエリアを提供したり、VDP90140による描画処理により作成される演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供したりする。VRAM90141の記憶領域には、例えばパレットデータが配置されるパレット領域、画像データメモリ121から読み出されたキャラクタ画像データが格納されるキャラクタ用バッファ、CG用バッファなどの各領域が割り当てられていればよい。CG用バッファは、VDP90140による描画処理が実行されるときにキャラクタの表示色が定義されたパレットデータを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的に保存したりするために用いられる。VRAM90141に展開記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)などにもとづいてVDP90140が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。なお、VRAM90141には、例えばメイン画像表示装置905MAの画面上に表示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、メイン画像表示装置905MAの画面上には表示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、VRAM90141の仮想表示領域にてメイン画像表示装置905MAの表示画面と同じ大きさの画面表示を行うための表示データが作成され、VDP90140により読み出された仮想表示領域の表示データを、表示出力系統インタフェース90142からメイン画像表示装置905MAの側へと出力してもよい。
VRAM90141の記憶領域には、画像表示領域と、画像描画領域とが割り当てられてもよい。画像表示領域には、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP90140からCPU90130に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割込信号が、VDP90140からCPU90130に対して出力される。
Vブランクが発生するごとに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示データを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間における描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にて表示出力系統インタフェース90142からメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUに向けて出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、描画処理で作成された表示データの格納が行われることになる。
VRAM90141において画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられてもよい。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置905MAの画面上に演出画像を表示させるための表示データなどが格納される。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置905SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、VDP90140に内蔵されたシステムレジスタやアトリビュートレジスタにアクセスする。そして、演出制御パターンに含まれる表示制御データなどのプロセスデータに従ってシステムレジスタおよびアトリビュートレジスタに各種指令やデータを格納する。こうして演出制御用マイクロコンピュータ90120では、CPU90130によって、メイン画像表示装置905MAおよびサブ画像表示装置905SUにおける表示動作が、間接的に制御される。
プロセスデータには、Vブランクが発生するごとに演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130がVDP90140のシステムレジスタやアトリビュートレジスタに対して行う設定内容が示されている。システムレジスタの設定内容としては、描画、データ転送の指令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタの設定内容は、演出画像の描画処理に使用されるパラメータとしてのアトリビュートを示していればよい。プロセスデータでは、Vブランクが発生するごとに画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。これにより、画像の更新を、Vブランクが発生するごとに行うことができる。
表示出力系統インタフェース90142は、VDP90140から出力された表示データに応じた色信号(階調制御信号)と所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)とをメイン画像表示装置905MAに出力することなどにより、メイン画像表示装置905MAの画面上にて各種画像を表示可能にする。また、表示出力系統インタフェース90142は、VDP90140から出力された表示データに応じた色信号(階調制御信号)と所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)とをサブ画像表示装置905SUに出力することなどにより、サブ画像表示装置905SUの画面上にて各種画像を表示可能にする。
音声処理回路90143は、音声信号処理を実行する処理回路である。音声処理回路90143は、演出制御用マイクロコンピュータ90120の内部バスやホストインタフェース90132を介してROM90121にアクセスしたり、演出制御用マイクロコンピュータ90120の内部バスやデータメモリインタフェース90134を介して演出データメモリ90123A〜90123Cにアクセスしたりすることで、音声データの読み出しなどを行うことができる。なお、音声処理回路90143は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに対して直接的にアクセスするものであってもよいし、例えばCPU90130によるアクセスによってROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cから読み出された音声データの供給を受けることで、間接的にアクセスするものであってもよい。音声処理回路90143は、音声データを用いて音声信号(効果音信号)を生成する。音声処理回路90143によって生成された音声信号(効果音信号)は、音声インタフェース90144を介して音声出力基板9013に向けて出力される。
汎用出力コントローラ90145は、例えば天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909c、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御や動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御といった、各種の演出装置における動作制御を行うための制御回路である。汎用出力コントローラ90145は、演出制御用マイクロコンピュータ90120の内部バスやデータメモリインタフェース90134を介して演出データメモリ90123A〜90123Cにアクセスすることで、モータデータや発光データの読み出しなどを行うことができる。なお、汎用出力コントローラ90145は、演出データメモリ90123A〜90123Cに対して直接的にアクセスするものであってもよいし、例えばCPU90130によるアクセスによって演出データメモリ90123A〜90123Cから読み出されたモータデータや発光データの供給を受けることで、間接的にアクセスするものであってもよい。汎用出力コントローラ90145は、演出データメモリ90123Cから読み出されたモータデータや発光データ、あるいはVDP90140から供給された表示データを、シリアル信号方式のデータ(シリアルデータ)として出力する。汎用出力コントローラ90145から出力されたシリアルデータは、演出制御用中継基板9016Aを介して駆動制御基板9016Bや発光体制御基板9016C、発光体制御基板9016Dへと伝送されるようにすればよい。
図42は、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体制御基板9016Cの構成例を示している。発光体制御基板9016Cには、発光体ユニット9071〜9074における複数の発光体による点灯態様を制御するための各種回路が搭載されている。図42に示す発光体制御基板9016Cには、バッファメモリ90151と、点灯データ生成回路90152と、シリアル出力回路90153と、発光体駆動部90154とが搭載されている。
バッファメモリ90151は、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120から伝送されたデータを一時記憶する。バッファメモリ90151に一時記憶されるデータは、VDP90140によって生成された表示データあるいは演出データメモリ90123Cから読み出された発光データに対応するものであればよい。点灯データ生成回路90152は、バッファメモリ90151の記憶データを読み出し、所定の変換処理を実行することで、点灯制御情報を構成する点灯データを生成する。点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データには、発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データと、発光体の各発光色に対応した輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データとが、含まれていればよい。
点灯データ生成回路90152は、可動部材9051〜9054のそれぞれにおいて発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体が配置された領域を、複数のブロックに分割して、それらのブロックごとに発光体の点灯データを作成する。この実施の形態では、複数のブロックとして、発光体ブロックB01〜B42が予め設定されている。点灯データ生成回路90153は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応する点灯データを生成する。
図43は、可動部材9051における複数の発光体が整列配置された領域について、複数のブロックに分割する設定例を示している。可動部材9051にて複数の発光体が配置された領域は、図43(A)に示すような発光体ブロックB01〜B06と、図43(B)に示すような発光体ブロックB07〜B15とに分割される。可動部材9051以外の可動部材9052〜9054についても、可動部材9051と同様に、複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割するように設定する。これにより、可動部材9051〜9054のそれぞれに設けられた発光体ユニット9071〜9074の全体では、発光体ブロックB01〜B42に分割されている。なお、発光体ブロックの分割数は、演出可動機構9050を構成する可動部材の数や、複数の発光体が配置された領域の大きさなどにもとづいて、任意に設定されたものであればよい。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれは、長方形または正方形といった方形状を基本形状としている。そのため、可動部材9051〜9054の形状などによって、発光体ユニット9071〜9074のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域のうちには、方形状の発光体ブロックに収まりきれず、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域が生じることがある。また、複数の発光体ブロックのうちには、方形状の一部に発光体が配置されていない空き領域が生じることがある。そこで、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域を、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含めることで、複数の発光体に対する点灯制御の処理負担を軽減させる。
シリアル出力回路90153は、点灯データ生成回路90152が生成した点灯データに対応する点灯制御情報を含む制御信号を、シリアル信号方式で発光体駆動部90154に出力する。点灯データに応じた制御信号には、駆動制御データに応じた駆動制御信号と、階調データに応じた階調データ信号とが含まれていればよい。シリアル出力回路90153は、制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、例えば21系統といった、複数の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。シリアル出力回路90153には、21系統のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対応するシリアル信号配線が接続され、各配線にシリアル信号方式で、点灯制御情報を含む制御信号を出力する。このように、シリアル出力回路90153は、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で複数系統のシリアル信号配線に出力する。
図44は、シリアル出力系統と発光体ブロックとの接続設定例を示している。図44に示す接続設定例では、シリアル出力系統K01〜K21ごとに、発光体ブロックB01〜B42のうち2つの発光体ブロックが割り当てられるように接続されている。例えば、シリアル出力系統K01には、シリアル信号配線を介して、発光体ブロックB01および発光体ブロックB02を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。シリアル出力系統K02には、シリアル信号配線を介して、発光体ブロックB03および発光体ブロックB04を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。シリアル出力系統K03以降についても、1のシリアル出力系統に対して2つの発光体ブロックを点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。1のシリアル出力系統に割り当てられた発光体ブロックに含まれる発光体の点灯制御を行う複数の発光体ドライバは、シリアル信号配線を介したシリアルバス方式で接続されていればよい。なお、シリアルバス方式で接続されるものに限定されず、複数の発光体ドライバが直列接続(デイジーチェーン方式で接続)されてもよい。
図42に示す発光体駆動部90154は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を点灯制御する複数のドライバIC(発光体ドライバ)を含んで構成される。各ドライバICは、シリアル信号配線を介してシリアル出力回路90153から伝送された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、複数の発光体の点灯制御を行う。各ドライバICは、例えばシフトレジスタを含んで構成され、シリアル信号方式で伝送されたデータをパラレル信号方式のデータに変換して、複数の信号線に出力する。複数の発光体ドライバはそれぞれ、駆動制御信号で示される駆動制御データに応じて発光体の駆動制御を行う駆動制御回路となるストローブ側のドライバICと、階調データ信号で示される階調データに応じて発光体の階調制御を行う階調制御回路となるデジット側のドライバICとのうち、いずれかに分類される。発光体ブロックB01〜B42のそれぞれでは、ストローブ側のドライバICと、デジット側のドライバICとを用いて、発光体ブロックごとに複数の発光体のダイナミック点灯制御が行われる。なお、図42に示すように、発光体制御基板9016Cでは、演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120から伝送された制御信号が、同じ発光体制御基板9016C上の発光体ドライバ間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバにそれぞれ伝送されるように構成されている。
図45は、具体的な一例として、発光体ブロックB11に対応するドライバICを用いた発光体ドライバの構成例を示している。図45に示す構成例では、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバとして、ストローブ側の発光体ドライバ90411Sと、デジット上側の発光体ドライバ90411DUと、デジット下側の発光体ドライバ90411DDとが設けられている。図44に示すシリアル出力系統K06のシリアル信号配線は、シリアル出力回路90153から発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ90411S、デジット上側の発光体ドライバ90411DU、デジット下側の発光体ドライバ90411DDの順に接続され、続いて発光体ブロックB12に対応して設けられた発光体ドライバへと接続されていればよい。
発光体ドライバ90411S、発光体ドライバ90411DU、発光体ドライバ90411DDのそれぞれには、互いに異なるアドレス情報が割り当てられている。シリアル出力回路90153は、アドレス情報を付加した点灯制御情報を示す制御信号を、シリアル出力系統K06に含まれるシリアル信号配線に出力することで、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバのいずれかに点灯制御情報を伝達する。
シリアル信号配線には、シリアルクロックSCが伝送されるシリアルクロック配線と、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDが伝送されるシリアルデータ配線とが含まれていればよい。シリアル信号配線に接続された発光体ドライバは、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDとして伝送される駆動制御データまたは階調データを取り込んで、複数の発光体の点灯制御を行う。
発光体ブロックB11は、デジット上側の発光体ドライバ90411DUによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Uと、デジット下側の発光体ドライバ90411DDによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Dとの組合せで構成されている。このように、各発光体ブロックは、その発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成されていればよい。なお、複数の発光体ブロックは、2つのハーフブロックの組合せで構成されたものに限定されない。例えば、複数の発光体ブロックのうちには、2つのハーフブロックを組み合わせて構成された発光体ブロックの他に、1つのハーフブロックのみで構成された発光体ブロックが含まれていてもよい。発光体ブロックB11が1つのハーフブロックのみで構成される場合には、ストローブ側の発光体ドライバ90411Sと、デジット上側の発光体ドライバ90411DUとを備える一方、デジット下側の発光体ドライバ90411DDを備えない構成とすればよい。このように、各発光体ブロックは、ストローブ側の発光体ドライバを1つ備えるとともに、デジット側の発光体ドライバを1つまたは2つ備えるように構成されればよい。
ハーフブロックB11UとハーフブロックB11Dはそれぞれ、発光体の数が同数となるように構成されていればよい。例えば、ストローブ側の発光体ドライバ90411Sは、12本のストローブ信号線が接続され、12列に整列配置された複数の発光体を駆動制御するための駆動制御信号となるストローブ信号を出力する。デジット上側の発光体ドライバ90411DUとデジット下側の発光体ドライバ90411DDはそれぞれ、8本のデジット信号線が接続され、8行に整列配置された複数の発光体を階調制御するための階調データ信号となるデジット信号を出力する。したがって、デジット上側に対応するハーフブロックB11Uとデジット下側に対応するハーフブロックB11Dはいずれも、ストローブ側の12列およびデジット側の8行からなる合計96個の発光体を含むように形成されている。発光体ブロックB11以外の発光体ブロックを構成するハーフブロックについても同様に、合計96個の発光体を含むように形成されていればよい。このように、発光体ブロックを構成するモジュールとしてのハーフブロックは、いずれも同数の発光体を点灯制御できるように構成されていればよい。
なお、1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、合計96個に限定されず、発光体ドライバの仕様や設計などにもとづいて予め定められた任意の個数であればよい。例えば、ストローブ信号線を8本構成として、8列に整列配置された複数の発光体を駆動制御する場合には、ストローブ側の8列およびデジット側の8行からなる合計64個の発光体が、1つのハーフブロックに含まれるように形成すればよい。また、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数と、実際に1つのハーフブロックに含まれている発光体の数とは、必ずしも常に一致していなくてもよい。例えば、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数が96個である一方、実際に1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、発光体ユニット9071〜9074における発光体の配置などにより、96個よりも少なくなる場合があってもよい。このように、複数の発光体が配置された領域を分割した複数のブロックよりも小さいモジュールとしてのハーフブロックごとに、所定数以下の発光体を点灯制御するように構成されていればよい。
点灯データ生成回路90152は、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御するための点灯データを生成する。例えば発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データとして、ストローブ信号線ごとに異なるタイミングで複数の発光体を時分割駆動するための制御データを生成する。また、各デジット信号線に接続された複数の発光体に応じたPWM(Pulse Width Modulation)制御により発光色ごとの輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データを生成する。なお、デジット側の発光体ドライバは、PWM制御方式のようにパルス信号の出力期間に応じて発光体の階調制御を行うものに限定されず、例えば一定期間内に出力するパルス信号の数(パルス数)や、パルス信号の振幅(駆動電流値)といった、パルス信号の物理量(パルス量)に応じて発光体の階調制御を行うものであればよい。
シリアル出力回路90153は、点灯データ生成回路90152によって生成された点灯データをシリアル信号方式で、点灯制御の対象となる発光体ブロックが接続されたシリアル出力系統のシリアル信号配線に出力する。各発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データにもとづくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。各発光体ブロックに対応して設けられたデジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データにもとづくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、発光体ユニット9071〜9074のそれぞれでは、整列配置された複数の発光体が、ストローブ信号がオンとなる発光駆動期間にてデジット信号に応じたデューティ比で発光して、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、ダイナミック点灯方式(パルス点灯方式、デューティ点灯方式、時分割点灯方式ともいう)により点灯態様を変化させることができる。このように、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行うように構成することで、発光体駆動部90154では、複数の発光体ドライバを用いた点灯制御の並列実行が可能になる。
図46(1)は、駆動制御基板9016Bの構成例を示している。図46(1)に示すように、駆動制御基板9016Bには、モータ駆動ドライバ90412が搭載されている。モータ駆動ドライバ90412には、演出制御用中継基板9016Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120からの制御信号が入力される。そして、モータ駆動ドライバ90412は、入力された制御信号で示される駆動制御情報にもとづいて、動作用モータ9060A,9060B,9060Cの駆動制御を行う。
なお、駆動制御基板9016Bには、可動部材位置センサ9061からの検出信号も入力され、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120に伝送されるのであるが、図46(1)に示す例では記載省略されている。
図46(2)は、天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体制御基板9016D〜9016Fの構成例を示している。図46(2)に示すように、発光体制御基板9016Dには、発光体ドライバ90413bが搭載されている。発光体ドライバ90413bには、演出制御用中継基板9016Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ90413bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、左枠LED909bの点灯制御を行う。なお、図46(2)において、発光体制御基板9016D〜9016Fは、例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネスなどの配線部材を介して相互に接続されている。
また、図46(2)に示すように、発光体制御基板9016Eには、発光体ドライバ90413aが搭載されている。発光体ドライバ90413aには、演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120からの制御信号が、演出制御用中継基板9016Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板9016Dを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ90413aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、天枠LED909aの点灯制御を行う。
また、図46(2)に示すように、発光体制御基板9016Fには、発光体ドライバ90413cが搭載されている。発光体ドライバ90413cには、演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120からの制御信号が、演出制御用中継基板9016Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板9016Dおよび発光体制御基板9016Eを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ90413cは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、右枠LED909cの点灯制御を行う。
なお、図46(2)に示すように、発光体制御基板9016D〜9016Fでは、演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120から伝送された制御信号が、異なる発光体制御基板9016D〜9016Fにそれぞれ搭載された発光体ドライバ90413a〜90413c間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバ90413a〜90413cにそれぞれ伝送されるように構成されている。
また、この実施の形態では、遊技機用枠903に設けられている各LEDをそれぞれ天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cと包括的に表現しているが、具体的には、遊技機用枠903の上方に天枠LED909aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技機用枠903の左方に左枠LED909bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技機用枠903の右方に右枠LED909cとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。
また、この実施の形態では、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ(例えば、図45に示す発光体ドライバ90411S,90411DU,90411DD。以下、単に「発光体ドライバ90411」ともいう。)、モータ駆動ドライバ90412、天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cは、同じ種類のシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて実現される。図47は、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、および発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。また、図48は、図47に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。
なお、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、および発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路には、入力したシリアル信号形式の信号を24チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものと、入力したシリアル信号形式の信号を12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものとの2種類があるのであるが、一部の回路素子や端子の数が異なるだけで同様の構成および機能を備えるため、図47および図48に示す例では代表して24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路について説明することとし、12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路については相違する部分のみ説明することとする。なお、この実施の形態では、発光体ドライバ90411は24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現され、モータ駆動ドライバ90412および発光体ドライバ90413a〜90413cは12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図47および図48に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、演出制御用中継基板9016Aや発光体制御基板9016D,9016Eを経由して演出制御用マイクロコンピュータ90120からのクロック信号を入力するCLK/I端子やデータを入力するDATA/I端子が設けられている。また、入力されたクロック信号とデータの一部はシリアル−パラレル変換回路内で分岐されて、そのままシリアル−パラレル変換回路からスルー出力可能であり、クロック信号をスルー出力するCLK/O端子とデータをスルー出力するDATA/O端子とが設けられている。
例えば、この実施の形態では、図46(2)に示すように、発光体制御基板16Dの発光体ドライバ90413bは、演出制御用中継基板9016Aを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板9016Eの発光体ドライバ90413aに出力しているのであるが、発光体ドライバ90413bを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ90413aを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。また、例えば、この実施の形態では、図46(2)に示すように、発光体制御基板9016Eの発光体ドライバ90413aは、演出制御用中継基板9016Aおよび発光体制御基板9016Dを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板9016Fの発光体ドライバ90413cに出力しているのであるが、発光体ドライバ90413aを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ90413cを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。
また、図47および図48に示すように、CLK/I端子から入力されたクロック信号およびDATA/I端子から入力されたデータの他の一部は、デコーダに入力されてシリアル信号形式から24チャネルのパラレル信号形式の信号にデコードされる。そして、レジスタブロックに設けられた各レジスタにそれぞれ一旦格納された後、内部発振クロック回路による内部クロック信号(本例では、6MHzの内部クロック信号)を用いてパルス幅変調(PWM)され、それぞれ各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力される。なお、12チャネルの回路である場合には、12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換されて各ドライブ出力端子Q0〜Q11から出力される。なお、各ドライブ出力端子Q0〜Q23や各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が、例えばLEDなどの発光体に供給されたり動作用モータに供給されたりすることになる。
また、図47および図48に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(12チャネルの回路ではAD0〜AD5)が設けられており、端子AD0〜AD4をそれぞれH(ハイ)またはL(ロー)に設定することにより、シリアル−パラレル変換回路ごとにアドレスを設定することが可能である。DATA/Iから入力されるデータにはアドレス情報も含まれ、シリアル−パラレル変換回路は、入力したデータに含まれるアドレス情報が設定したアドレスと一致するデータのみパラレス信号形式の信号にデコードして各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する。
なお、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が5端子AD0〜AD4設けられているので、最大32種類のアドレスを設定可能であり、最大で32個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が6端子AD0〜AD5設けられているので、最大64種類のアドレスを設定可能であり、最大で64個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたS端子は、CLK/O端子から出力するクロック信号のスルー出力、およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子である。S端子をL(ロー)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図49は、クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。図49(1)に示すように、S端子をL(ロー)に設定し通常のスルーレートの出力に設定すると、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)がある程度大きい。これに対して、図49(2)に示すように、S端子をH(ハイ)に設定し低スルーレートの出力に設定すると、通常のスルーレートの設定の場合と比較して、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが緩やかとなる。
一般に、基板からの電波放射を抑制するためにはスルーレートを低く抑えた方がよく、図49(2)に示す低スルーレートの出力に設定した方がよい。一方、ノイズに対する耐性を確保するためには波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい方がよく、図49(1)に示す通常のスルーレートの出力設定した方がよい。
なお、S端子の設定は、単にCLK/O端子から出力するクロック信号およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力の波形を設定するだけではなく、CLK/I端子から入力したクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えている。すなわち、一般に演出制御用マイクロコンピュータ90120などから出力されたクロック信号およびデータは、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、シリアル−パラレル変換回路のCLK/I端子およびDATA/I端子に到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号やデータが入力される場合がある。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路は、単に入力したクロック信号やデータをそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号やデータを本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備える。この場合、S端子の設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。一方で、S端子の設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、シリアル−パラレル変換回路の外部に増幅回路等を設けて、シリアル−パラレル変換回路の外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたT端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のタイムアウトリセット機能を設定するための設定端子である。T端子をL(ロー)に設定するとタイムアウトリセット機能が無効状態に設定され、端子をH(ハイ)に設定するとタイムアウトリセット機能が有効状態に設定される。
T端子をH(ハイ)に設定しタイムアウトリセット機能を有効状態に設定すると、CLK/I端子およびDATA/I端子からクロック信号およびデータを入力し、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から信号の出力を開始した後、所定期間(本例では、1秒)を経過するとタイムアウトしたものとされて、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が自動的にリセット(出力停止)される。従って、タイムアウトリセット機能を有効状態に設定した場合には、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から継続して各LEDや動作モータに信号を供給したい場合には、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120から少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する必要がある。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/S端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のドライブ方式を設定するための設定端子である。Q/S端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定される。また、Q/S端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/I端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号の出力論理を反転して出力するか否かを設定するための設定端子である。Q/I端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定される。また、Q/I端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたR端子は、電流リファレンス設定端子である。具体的には、図47に示すように、R端子は定電流回路を経由して各ドライブ出力端子A0〜A23と接続され、R端子とグランド(GND)との間に任意の抵抗値の外部抵抗を接続することによって、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値を所定の範囲(例えば、4mA〜20mA)で設定することができる。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたVP端子は、保護用の静電保護端子である。VP端子には、そのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧が接続される。すなわち、VP端子にそのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧を接続すれば、その電源電圧以上の過電圧を逃がすことができる。なお、シリアル−パラレル変換回路において複数種類の電源電圧が用いられる場合には、電圧値が高い方の電源電圧をVP端子に接続するようにすればよい。
次に、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットについて説明する。図50は、制御データフォーマットを説明するための説明図である。シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの基本的な制御データフォーマットは、図50(1)に示す共通フォーマットと、図50(2)に示す基本フォーマットとによって構成される。
図50(1)に示すように、共通フォーマットは、9ビットのヘッダ(HD)、4ビットのデバイスID(ID)、5ビットのデコードアドレスAD0〜AD4(図47および図48参照)、および1ビットのEXデータによって構成される。なお、EXデータは、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが基本フォーマットであるか、後述する拡張フォーマットであるかを設定するためのものであり、基本フォーマットではEX=0に設定される。
図50(2)に示すように、基本フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される。例えば、LEDの点灯制御を行うためのデータを伝送する場合、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとに時系列に6ビットのデータを設定して伝送することによって、LEDの諧調制御も含めた点灯制御を行うことができる。
また、制御データフォーマットとして、図50(2)に示す基本フォーマットに代えて拡張フォーマットを使用することも可能である。具体的には、図50(1)に示す共通フォーマットにおいてEX=1に設定されていれば、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが、図50(3)に示す拡張フォーマットとなる。
図50(3)に示すように、拡張フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される。拡張フォーマットでは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとのデータが1ビットで構成されるので、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットを小さくすることができる。例えば、シリアル−パラレル変換回路を用いて動作用モータを駆動制御する場合であれば、LEDなどの発光体の点灯制御を行う場合と異なり諧調制御などを行う必要がないので、図50(3)に示すような拡張フォーマットを用いることが有効である。
なお、図50では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットについて説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットでは、例えば、図50(1)に示す共通フォーマットが6ビットのデコードアドレスAD0〜AD5を含む点で異なる。また、例えば、図50(2)に示す基本フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される分短い点で異なる。さらに、例えば、図50(3)に示す拡張フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される分短い点で異なる。
また、シリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。図51は、シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では6MHzのクロック信号が出力されるので、図51に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの6相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q23を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
この実施の形態では、図51に示すように、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成され、ドライブ出力端子Q12〜Q15の4チャネルでグループ4が構成され、ドライブ出力端子Q16〜Q19の4チャネルでグループ5が構成され、ドライブ出力端子Q20〜Q23の4チャネルでグループ6が構成される。そして、図51に示すように、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
なお、図51では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
次いで、図47〜図51を用いて説明したシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバ90411や、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いる場合の接続例について説明する。図52〜図54は、シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図52は、シリアル−パラレル変換回路を発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ90411として用いる場合の接続例を示している。また、図53は、シリアル−パラレル変換回路を動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ90412として用いる場合の接続例を示している。また、図54は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いる場合の接続例を示している。
まず、図52を用いて、シリアル−パラレル変換回路を発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ90411として用いる場合の接続例を説明する。図52に示すように、この実施の形態では、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ90411は、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図52に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD0およびAD1は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD2〜AD4はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00011(B)に設定されている場合が示されている。なお、図52は、一例であり、発光体ユニット9071〜9074には複数の発光体ドライバが含まれているのであるから、発光体ドライバごとに異なるデコードアドレスが設定されるものとする。
また、図52に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図42に示すように、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ90411は、全て同じ発光体制御基板9016C上に搭載され、発光体ドライバ間の制御信号の伝送は同じ発光体制御基板9016C上で行われる(基板をまたがった伝送は行われない)ので、ノイズに対する耐性はそれ程気にする必要はない。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を低スルーレートの出力に設定することによって、むしろ基板からの電波放射を抑制するように構成している。
また、図52に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図52に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図52に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15mAに設定される。
また、図52に示す例では、VP端子には電源電圧VCL(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図52に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23は、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体に接続されている。なお、図52に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されている図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよいし、発光体として単色LEDを用いるのであれば1つの端子が1つの単色LEDに接続されるように構成してもよい。また、例えば、1つの端子に複数の単色LEDが直列に複数接続されるように構成してもよい。
また、図52に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
次に、図53を用いて、シリアル−パラレル変換回路を動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ90412として用いる場合の接続例を説明する。図53に示すように、この実施の形態では、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ90412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図53に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000111(B)に設定されている場合が示されている。なお、図53は、一例であり、デコードアドレスとして他の値が設定されていてもよい。
また、図53に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図46(1)に示すように、モータ駆動ドライバ90412と他のドライバとの間で制御信号の伝送が行われることはないのであるから、S端子をグランド(GND)に接続(L(ロー)に設定)してクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力となるように設定してもよい。
また、図53に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図53に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともに電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、Q/S端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定され、Q/I端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定されている。
また、図53に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15mAに設定される。
また、図53に示す例では、VP端子には電源電圧VCC(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図53に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子が1つ目の動作用モータ9060Aに接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子が2つ目の動作用モータ9060Bに接続されている。さらに、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ3のQ8〜Q1の4チャネルの端子が3つ目の動作用モータ9060Cに接続されている。
既に説明したように、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、グループ1〜3の3つのグループにグループ分けされてドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングが分散されているのであるが、同じ動作用モータに出力される信号間で出力タイミングが異なっていたのでは、動作用モータの駆動精度を維持できないおそれがある。そこで、この実施の形態では、図53に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続するようにして、そのように動作用モータの駆動精度を維持できなくなる事態が発生することを防止ししている。
なお、逆に、例えば、図52で説明した発光体ユニット9071〜9074の発光体に接続する場合や、後述する図54の天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cに接続する場合など発光体に接続する場合には、上記のような駆動精度の問題などは生じないのであるから、各発光体に出力される信号間で出力タイミングが異なっていても、それ程支障が生じることはない。従って、ドライブ出力端子からの出力信号をLEDなどの発光体に接続する場合には、それ程出力タイミングを気にする必要はない。
次に、図54を用いて、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いる場合の接続例を説明する。図54に示すように、この実施の形態では、天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図54に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD3は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD4およびAD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001111(B)に設定されている場合が示されている。なお、図54は、一例であり、3つの発光体ドライバ90413a〜90413cが存在するのであるから、発光体ドライバ90413a〜90413cごとに異なるデコードアドレスが設定されるものとする。
また、図54に示す例では、S端子はグランド(GND)に接続されている。すなわち、S端子をL(ロー)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図46(2)に示すように、天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cは、相互に異なる発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載され、異なる基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号の伝送が行われるので、ノイズの影響が大きい。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定することによって、ノイズに対する耐性を確保するように構成している。
また、図54に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図54に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図54に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15mAに設定される。
また、図54に示す例では、VP端子には電源電圧VDL(12V)が接続されている。すなわち、図54に示す例では、シリアル−パラレル変換回路には12Vの電源電圧(VDL)と5Vの電源電圧(VCL、VCC)とが用いられているので、で電圧値が高い方の12Vの電源電圧VDLをV端子に接続し、12V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図54に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11は、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cとしての複数の発光体に接続されている。なお、図54に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されていたり、同様の制御を行う3つの発光体(例えば、単色LED)が直列に接続されていたりする図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよい。
また、図54に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
また、図52〜図54に示すように、この実施の形態では、発光体ドライバ90411やモータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413cのT端子がそれぞれH(ハイ)に設定されタイムアウト機能が有効状態に設定されている。この実施の形態では、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120は、後述する演出制御プロセス処理(ステップS9065参照)において発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cを点灯制御するための制御信号を出力したり、動作用モータ9060A〜9060Cを駆動制御するための制御信号を出力したりするのであるが、タイムアウト機能が有効状態に設定されているので、制御信号を1度出力しただけでは所定期間(本例では、1秒)経過後には各ドライブ出力端子からの出力信号が自動的にリセットされて点灯制御や駆動制御を継続できない。そこで、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90120は、例えば、後述する演出制御プロセス処理(ステップS9065参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cの点灯制御を継続して実行したり、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を継続して実行したりするように制御している。
なお、この実施の形態では、上記のようにタイムアウト機能を有効状態に設定するように構成し、所定期間(本例では、1秒)ごとに発光体ドライバ90411やモータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413cのドライブ出力端子からの出力が自動的に停止されるように構成しているので、例えば、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を行った後、動作用モータ9060A〜9060Cを停止させる制御を行ったにもかかわらず、信号の取りこぼしや誤動作によって動作用モータ9060A〜9060Cの駆動が停止せず、動作用モータ9060A〜9060Cの焼き付きを起こしてしまうような事態を防止できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図52〜図54に示すように、一律にT端子をH(ハイ)に設定しタイムアウト機能を有効状態に設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、用途に応じてタイムアウト機能の有効状態と無効状態との設定を使い分けてもよい。例えば、モータ駆動ドライバについては動作用モータの焼き付き防止の観点からタイムアウト機能を有効状態に設定する一方で、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cなどの発光体に関しては動作用モータ9060A〜9060Cと異なり焼き付きなどの問題は生じないのであるから、T端子をL(ロー)に設定しタイムアウト機能を無効状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、点灯制御や駆動制御を継続して実行するために、演出制御用マイクロコンピュータ90120が少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する場合を示しているが、そのような制御態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120とは別に出力回路(出力IC)を設け(演出制御基板9012上に設けてもよいし、演出制御用中継基板9016Aなど他の基板上に設けてもよい)、演出制御用マイクロコンピュータ90120が制御信号を1回出力すると、出力回路が、その1回出力された制御信号にもとづいて、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図52〜図54に示すように、T端子が電源電圧VCC(5V)に接続され、ハードウェア上で物理的にT端子がH(ハイ)に設定されてタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、T端子設定用のレジスタにT端子を接続し、演出制御用マイクロコンピュータ90120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的にタイムアウト機能を有効状態とするか無効状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図52〜図54に示すように、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値(本例では、10kΩ)の外部抵抗が接続され、ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11の全出力の駆動電流値が15mAに設定されている。ここで、内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))も存在することから、そのような内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして用いて、内部リファレンス抵抗を用いるように設定することも考えられるが、一般にシリアル−パラレル変換回路が備える内蔵リファレンス抵抗は駆動電流値が固定(例えば、20mA固定)であったり誤差も大きい(例えば、誤差±30%)。そこで、この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に外部抵抗を接続して外部リファレンス抵抗を用いることによって、適切な駆動電流値(本例では、15mA)に設定するとともに、誤差も提言している(本例では、誤差±3%)。
なお、発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして、内部リファレンス抵抗と外部リファレンス抵抗との両方を利用可能なシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて、用途に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、この実施の形態で示した発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体のようにLEDなどの複数の発光体が密集して設けられている場合には、発光がまばらとなると演出に支障が生じることから、外部リファレンス抵抗を用いるようにし誤差が小さくなるように構成してもよい。一方、エラー報知ようなど単独で用いられるLEDの点灯制御を行う場合には、そのような演出上の障害はなく多少誤差が大きくても構わないことから、内部リファレンス抵抗を用いるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、電気部品(本例では、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(本例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(本例では、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)とを備える。また、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、入力した制御信号と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる第1出力状態(本例では、通常のスルーレートの出力状態)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(本例では、低スルーレートの出力状態)とのいずれかの出力状態に設定可能である(本例では、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される)。そのため、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、基板からの電波放射を抑制できる一方、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。具体的には、低スルーレートの出力状態に設定すれば基板からの電波放射を抑制でき、通常のスルーレートの出力状態に設定すれば誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられている(本例では、図42に示すように、発光体制御基板9016C上に複数の発光体ドライバが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板9016C上の発光体ドライバ間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第2出力状態に設定されている(本例では、図52に示すように、発光体制御基板9016C上に搭載された発光体ドライバ90411ではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、同一基板内に他の出力手段が設けられている場合には、基板からの電波放射を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている(本例では、図46(2)に示すように、発光体ドライバ90413a〜90413cはそれぞれ異なる発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板9016D〜9016Fに搭載された発光体ドライバ90413a〜90413c間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第1出力状態に設定されている(本例では、図54に示すように、発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載された発光体ドライバ90413a〜90413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、配線部材を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている場合には、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
上記のように、この実施の形態では、一般に回路基板はノイズ耐性が高いので回路基板内における接続関係では電波放射の抑制を優先して低スルーレートの出力状態に設定して緩やかな信号波形とし、逆に基板間に接続される配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)はノイズ耐性が低いので回路基板間の絶族関係ではノイズ耐性を優先して通常のスルーレートの出力状態として矩形波に近い信号波形としている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
なお、この実施の形態では、図52〜図54に示すように、S端子が電源電圧VCC(5V)に接続されたりグランド(GND)に接続され、ハードウェア上で物理的にS端子がH(ハイ)に設定されて低スルーレートの出力状態に設定されたりL(ロー)に設定されて通常のスルーレートの出力状態に設定されたりしている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、S端子設定用のレジスタにS端子を接続し、演出制御用マイクロコンピュータ90120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的に低スルーレートの出力状態とするか通常のスルーレートの出力状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一基板内に搭載された出力手段(本例では、発光体ドライバ)間での低スルーレートの出力状態による制御信号の伝送、または異なる基板に搭載された出力手段間での通常のスルーレートの出力状態による制御信号の伝送のいずれか一方のみが行われる基板(本例では、発光体制御基板9016C〜9016F)を備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの発光体制御基板に複数の発光体ドライバが搭載されている場合であって、それらの発光体ドライバのうち同じ発光体制御基板上の発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものと、さらに他の発光体制御基板に搭載れた発光体ドライバに対して制御信号を伝送するものとが混在するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバであっても、発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものは低スルーレートの出力状態に設定し、他の発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバに対して制御信号を出力するものは通常のスルーレートの出力状態に設定するように構成してもよい。
また、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号を伝送する場合であっても、必ずしも低スルーレートの出力状態に設定するのではなく、例えば、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合には、通常のスルーレートの出力状態に設定するようにしてもよい。図55は、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合の変形例を示す説明図である。
図55に示す変形例1では、発光体制御基板9016G上に搭載された1つの発光体ドライバ90413dが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板9016G上の発光体ドライバ90413eに伝送され、分岐した他方の制御信号が同じ発光体制御基板9016G上の発光体ドライバ413fに伝送される場合が示されている。変形例1に示すように、同じ発光体制御基板9016G上であっても、制御信号が分岐されてそれぞれ他の発光体ドライバ90413e,90413fに伝送される場合には、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図55に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。
図55に示す変形例2では、発光体制御基板9016H上に搭載された1つの発光体ドライバ90413gが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板9016H上の発光体ドライバ90413hに伝送され、分岐した他方の制御信号が外部の発光体制御基板(図示せず)上の発光体ドライバ(図示せず)に伝送される場合が示されている。変形例2に示すように、分岐した他方の制御信号が外部基板に伝送される場合であっても、やはり変形例1と同様に、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図55に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する(本例では、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図51に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)。そして、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(本例では、図51に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)。そのため、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、動作を行う可動部材(本例では、可動部材9051〜9054)を備える。また、可動部材を動作させる駆動手段(本例では、動作用モータ9060A〜9060C)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(本例では、図53に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)。そのため、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(本例では、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(本例では、タイムアウト機能)を有する(本例では、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図48参照。)。そのため、配線不具合などによる動作不具合を回避でき、電気部品を安定して制御することができる。
また、この実施の形態によれば、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段を備える(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90120は、例えば、演出制御プロセス処理(ステップS9065参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cの点灯制御を継続して実行したり、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を継続して実行したりするように制御している)。そのため、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(本例では、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図48参照。)。そのため、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
次に、パチンコ遊技機901の制御について説明する。パチンコ遊技機901においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果にもとづいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機901における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことにもとづいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図39に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにもとづいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにもとづいて第1開始条件が成立する。こうして、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
遊技領域に向けて発射された遊技球が、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図39に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにもとづいて、第2開始条件が成立する。こうして、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。なお、普通可変入賞球装置906Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置906Bでは、普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことにもとづいて、電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。開放制御や拡大開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが第1可変状態としての拡大開放状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過容易または通過可能になる。普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件は、通過ゲート9041を通過した遊技球が図39に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことにもとづいて成立する。普図始動条件が成立した後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことにもとづいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定にもとづく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図39に示す主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から演出制御基板9012に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定にもとづいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特別図柄の可変表示に対応して、メイン画像表示装置905MAの画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、メイン画像表示装置905MAにおいて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことにもとづいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、メイン画像表示装置905MAの画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置907が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、大入賞口スイッチ9023により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機901は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことにもとづいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置906Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことにもとづく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、「高開放制御」(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な「特別遊技状態」(「有利遊技状態」ともいう)となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
メイン画像表示装置905MAにおいて、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態を「リーチ状態」という。)において行われる演出を、「リーチ演出」という。また、リーチ状態やその様子を「リーチ態様」という。さらに、リーチ演出が含まれる可変表示を「リーチ可変表示」という。リーチ態様は、飾り図柄の変動パターンなどに対応して予め複数種類が用意されており、リーチ態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。リーチ演出のうちには、ノーマルのリーチ演出と、ノーマルのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ演出とが含まれていればよい。そして、メイン画像表示装置905MAの画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
メイン画像表示装置905MAの画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などにもとづいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置904Aまたは第2特別図柄表示装置904Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機901において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機901で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機901において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
図39および図40に示すような演出制御基板9012に搭載されるROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの一部または全部として、例えばNAND−ROMが用いられ、データ書込装置であるROMライタにより、記憶内容を書換可能としてもよい。このような書換可能なメモリは、データ領域と、冗長領域とを備えてもよい。データ領域は、パチンコ遊技機901などの遊技機において各種処理を実行するためのプログラムやデータを記憶する。冗長領域は、データ領域中の不良エリアに代えて使用する代替エリアを有している。CPU90130やVDP90140は、データ領域に記憶しているデータと、データ領域中に生じた不良エリアに代えて使用される代替エリアに記憶するデータにもとづいて、各種処理を実行する。このようなメモリの冗長領域には、メモリの履歴情報を記憶してもよい。履歴情報は、メモリのリサイクルに関する情報であればよい。一例として、履歴情報は、これまでにメモリが使用されたパチンコ遊技機901などの機種識別情報と、日付情報の少なくとも一方を含んでもよい。また、履歴情報は、これまでにメモリが使用された遊技店毎の店舗識別情報を含んでもよい。このように、メモリの冗長領域に履歴情報を記憶することで、メモリの外部にリサイクル管理のためのバーコード等を貼付する必要がなく、メモリに記憶している履歴情報にもとづいて正確にリサイクル管理を行うことができる。冗長領域に履歴情報を記憶させるので、履歴情報が通常使用するデータ領域などに影響を及ぼすことがなく、プログラムやデータの同一性を確保することができる。
あるいは、書換可能なメモリは、データ領域中の不良エリアと、冗長領域中の代替エリアとの対応関係を示す対応関係情報を記憶する制御領域を備えてもよい。制御領域は、冗長領域中の履歴情報の記憶位置を示す配置情報を記憶してもよい。あるいは、対応関係情報を記憶して、その対応関係情報にもとづいてデータの読み出しを行うメモリ制御部を、メモリに内蔵させ、このメモリ制御部は、冗長領域中の履歴情報の記憶位置を示す配置情報を記憶してもよい。このように、データ領域中の不良エリアと冗長領域中の代替エリアの対応関係を示す対応関係情報を記憶するとともに、履歴情報の記憶位置を示す配置情報を記憶することで、代替エリアに対するデータ読み出しと同様に、履歴情報の読み出しを適切に管理することが可能となる。
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板9011の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM90102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定にもとづく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図56は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図56に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90100のCPU90103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS9011)。一例として、ステップS9011では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オンまたはオフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS9011にて始動入賞が発生した場合には(ステップS9011;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS9012)。一例として、ステップS9012の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵(または外付)の乱数回路90104や、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ90100においてRAM90102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶されればよい。
ステップS9012の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS9013)。一例として、ステップS9013の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS9011にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS9011;No)、ステップS9013の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS9021)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS90101)。一例として、ステップS90101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS90101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS90101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS90101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS90102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、「特図表示結果」と称される。ステップS90102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS90102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS90102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS90103)。一例として、ステップS90103の処理では、ステップS90102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS90104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS90111)。図57は、パチンコ遊技機901において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、メイン画像表示装置905MAにおいて可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS90111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS90111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS90111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS90111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS90112)。一例として、ステップS90112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS90112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことにもとづく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことにもとづいて、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことにもとづいて、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS90113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS90121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS90122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS90121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS90123)。
ステップS90123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS90124)。一例として、ステップS90124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS90124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS90125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS90125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS90126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS90125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS90127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立にもとづき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS90131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS90131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS90131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS90133)。
一例として、ステップS90133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用マイクロコンピュータ90120では、CPU90130が演出制御メイン処理を実行する。
この実施の形態において、演出制御メイン処理では、予め定められたメモリ検査条件が成立することにより、メモリ検査処理が実行される場合がある。メモリ検査処理は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに記憶しているプログラムやデータが正常であるか否かを判定する判定処理となる。メモリ検査処理では、判定処理としてチェックサム処理を実行することで、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの記憶内容を検査して、検査結果となるチェックサムを表示可能とする。また、演出制御メイン処理は、演出制御用のタイマ割込みが発生したことにもとづいて実行される演出制御プロセス処理といった、各種の演出装置による演出を制御するための処理を含んでいる。
また、演出制御メイン処理では、予め定められた原点確認条件が成立することにより、可動部材9051〜9054の原点位置を確認する場合がある。可動部材9051〜9054の原点位置は、例えば図38(A)に示すような退避状態に対応する位置であり、可動部材9051、9052のそれぞれがメイン画像表示装置905MAの上方に配置されるとともに、可動部材9053、9054のそれぞれがメイン画像表示装置905MAの下方に配置される位置として、予め定められていればよい。原点確認条件が成立した場合には、可動部材9051〜9054の初期動作を実行して、可動部材9051〜9054のそれぞれを原点位置とするための制御が行われる。このときには、可動部材位置センサ9061により可動部材9051〜9054などの位置を検出した結果にもとづいて、可動部材9051〜9054を原点位置に停止させることができたか否かの確認が行われる。そして、原点位置に停止させることができなかった場合には、原点異常が発生したとして、異常報知が行われる。
図58は、CPU90130が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図58に示す演出制御メイン処理において、CPU90130は、まず、基板の接続状態を確認する(ステップS9051)。ステップS9051では、例えば演出制御基板9012が主基板9011と接続されているか否かと、演出制御基板9012が演出制御用中継基板9016Aと接続されているか否かとを特定する。主基板9011との接続確認を行うために、CPU90130は、内部タイマによる計時を開始した後、主基板9011から送信される初期化コマンドまたは電源復旧コマンドを受信したかどうかを判定してもよい。そして、初期化コマンドまたは電源復旧コマンドを受信することなく計時開始から所定時間が経過した場合には、演出制御基板9012と主基板9011とが未接続状態であると判定すればよい。
図59(A)、(B)は、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとを接続するための構成例を示している。図59(A)に示すように、演出制御基板9012には、ハーネスHN1の一端に設けられたコネクタ(プラグ)を挿入することで、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとを物理的および電気的に接続するためのコネクタ(ソケット)CN1が設けられている。図59(B)に示すように、演出制御用中継基板9016Aには、ハーネスHN1の他端に設けられたコネクタ(プラグ)を挿入することで、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとを物理的および電気的に接続するためのコネクタ(ソケット)CN2が設けられている。ハーネスHN1は、多数の配線ケーブルを結束して構成されたものであればよい。演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01は、端子TM01〜TM24を備えている。演出制御用中継基板9016Aに設けられたコネクタCN11は、端子TN01〜TN24を備えている。コネクタCN01が備える端子TM01〜TM24と、コネクタCN11が備える端子TN01〜TN24は、コネクタCN01およびコネクタCN11にハーネスHN1が取り付けられた場合に、それぞれ対応する番号の端子(例えば端子TM01と端子TN01)が物理的および電気的に接続される関係であればよい。
図59(C)は、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01が備える端子TM01〜TM24に対応する入出力内容の設定例を示している。コネクタCN01が備える端子TM01〜TM24は、グランド(GND)やVSL(AC24Vを整流および平滑)、VDL(DC12V)、VCL(DC5V)といった、各種の電圧を提供可能とする。また、端子TM01〜TM24には、駆動制御基板9016Bや発光体制御基板9016C〜9016Fに搭載されたドライバIC用のデータ信号やクロック信号を供給する端子TM03、TM04や、シリアル信号方式で各種データを送受信するための端子TM05〜TM08などが含まれている。さらに、端子TM01〜TM24のうちの端子TM22には、演出制御用中継基板9016Aとの接続確認に用いられる信号SM1が入力可能となる。図59(A)、(B)に示すように、コネクタCN01の端子TM20、TM21から出力されたVCLの電圧は、ハーネスHN1を介して、演出制御用中継基板9016Aに設けられたコネクタCN11の端子TN20、TN21に供給される。コネクタCN11の端子TN20〜TN22は、演出制御用中継基板9016Aの基板上で短絡されていればよい。したがって、ハーネスHN1が接続された状態の場合には、コネクタCN11の端子TN22からハーネスHN1を介して、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01の端子TM22へと、VCLに対応する電圧が供給される。これに対し、ハーネスHN1が接続されていない未接続状態の場合には、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01の端子TM22に対する電圧の供給が行われない。
図58に示すステップS9051において、演出制御用中継基板9016Aとの接続状態を確認するために、CPU90130は、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01の端子TM22における信号SM1の入力状態を判定する。そして、信号SM1がVCLに対応した高電圧状態であれば、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016AとがハーネスHN1を介して接続された状態であると判定する。これに対し、信号SM1が電圧未供給に対応した低電圧状態であれば、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態であると判定する。このように、接続確認用端子となる端子TM22における電圧にもとづいて、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとの接続状態を確認すればよい。
ステップS9051による接続状態の確認結果にもとづいて、演出制御用中継基板9016Aとの接続があるか否かを判定する(ステップS9052)。ステップS9052では、端子TM22における信号SM1がVCLに対応した高電圧状態である場合に演出制御用中継基板9016Aとの接続ありと判定するのに対し、端子TM22における信号SM1が電圧未供給に対応した低電圧状態である場合に演出制御用中継基板9016Aとの接続なしと判定すればよい。ステップS9052にて接続なしと判定された場合には(ステップS9052;No)、中継未接続フラグをオン状態にセットする(ステップS9053)。中継未接続フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵されたワークメモリ90131あるいは演出制御用マイクロコンピュータ90120に外付けされたRAM90122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に予め用意されていればよい。ステップS9052にて接続ありと判定された場合には、ステップS9053の処理を実行しないことで、中継未接続フラグがオフ状態に維持される。
続いて、ステップS9051による接続状態の確認結果にもとづいて、主基板9011との接続があるか否かを判定する(ステップS9054)。ステップS9054では、計時開始から所定時間が経過するまでに初期化コマンドまたは電源復旧コマンドの受信があった場合に主基板9011との接続ありと判定するのに対し、初期化コマンドまたは電源復旧コマンドの受信がないまま所定時間が経過した場合に主基板9011との接続なしと判定すればよい。なお、コマンド受信の有無に応じて接続の有無を判定するものに限定されず、演出制御用中継基板9016Aとの接続状態と同様に、接続確認用端子となる所定端子における電圧にもとづいて、主基板9011との接続があるか否かを判定してもよい。ステップS9054にて接続なしと判定された場合には(ステップS9054;No)、メモリ検査処理(ステップS9055)を実行した後、ループ処理を実行して待機する。
この実施の形態では、主基板9011と演出制御基板9012との間で各種の制御信号を伝送するコマンド線としてのケーブルを結束したハーネスが接続されていない状態で電力供給が開始された場合には、メモリ検査条件が成立して、ステップS9055にてメモリ検査処理が実行される。これに対し、主基板9011と演出制御基板9012との間でハーネスが接続された状態で電力供給が開始された場合には、メモリ検査条件が不成立となり、ステップS9055のメモリ検査処理が実行されない。このように、主基板9011と演出制御基板9012との間に取り付けられるコマンド線となるケーブル(ハーネス)を抜いた状態でパチンコ遊技機901の電源投入が行われることにより、メモリ検査条件が成立するようにしてもよい。
なお、メモリ検査条件は、コマンド線を抜いた状態で電源投入が行われることにより成立するものに限定されず、例えばプッシュボタン9031Bが押下された状態で電源投入が行われることにより成立するものであってもよい。あるいは、例えば開閉可能な遊技機用枠903が開放された状態で電源投入が行われることによりメモリ検査条件が成立してもよい。その他、予め定められた任意の状態が検知されることにより、メモリ検査条件が成立するようにしてもよい。
ステップS9055のメモリ検査処理では、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの記憶データを用いたチェックサム演算などが行われ、演算結果などをメイン画像表示装置905MAの画面上に表示可能とすればよい。メモリ検査処理が実行された場合には、パチンコ遊技機901の電源スイッチを一旦オフとした後、コマンド線としてのケーブル(ハーネス)を接続した状態で再び電源スイッチをオンとすることで、演出の制御を実行可能な状態とすればよい。あるいは、コマンド線としてのケーブル(ハーネス)を接続してリセットスイッチを押下することで、電源の再投入を行うことなく、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。あるいは、パチンコ遊技機901の電源スイッチを一旦オフとした後、プッシュボタン9031Bが押下されていない状態で電源投入を行うことで、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。その他、予め定められた演出制御条件が成立することで、ステップS9056に進み、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。
ステップS9054にて接続ありと判定された場合には(ステップS9054;Yes)、初期設定処理(ステップS9056)が実行される。ステップS9056の初期設定処理では、例えばRAM90122における記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタおよびタイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。この初期設定処理には、演出データ転送処理が含まれてもよい。演出データ転送処理は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納されて各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータのうちで、予め定められたデータ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)を、RAM90122やVRAM90141などへと転送するための処理であればよい。また、初期設定処理では、演出データ転送処理による演出データの転送とともに、可動部材9051〜9054および装飾部材9057による初期動作の実行制御が行われてもよい。このとき行われる初期動作は、例えば可動部材9051〜9054を退避状態から進出状態となるように変化(移動)させ、所定時間が経過するまで進出状態で停止させた後に、退避状態へと戻す動作などであればよい。
ステップS9056にて初期設定処理を実行した後には、中継未接続フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9057)。中継未接続フラグがオフである場合には(ステップS9057;No)、演出制御用中継基板9016Aが接続された状態であることに対応して、可動部材9051〜9054などの原点位置を確認する(ステップS9058)。この場合には、原点異常があるか否かを判定し(ステップS9059)、原点異常があるときには(ステップS9059;Yes)、原点異常の報知を行って(ステップS9060)、ステップS9058に戻る。なお、ステップS9060により原点異常の報知を行った後は、ステップS9061に進むようにしてもよい。
ステップS9058では、例えば可動部材9051〜9054の原点位置を確認するために、可動部材9051〜9054の位置検出信号として、可動部材位置センサ9061による検出信号を取得する。可動部材位置センサ9061による検出信号は、可動部材9051〜9054の位置を検出した結果を示している。図59(A)に示す演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01では、シリアル受信用の端子TM07に入力される信号のうちに、可動部材位置センサ9061による検出信号が含まれていればよい。CPU90130は、汎用出力コントローラ90145によって取得された可動部材位置センサ9061による検出信号を確認することで、可動部材9051〜9054の位置検出信号にもとづいて、可動部材9051〜9054が原点位置にあるか否かを確認できればよい。ステップS9060による原点異常の報知は、例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示、スピーカ908L、908Rからの音声出力、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cあるいは天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cとは別個に設けられた報知ランプの点灯、その他の演出装置を用いた報知動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、実行可能となるものであればよい。さらに、演出制御基板9012に設けられた特定端子からの信号出力を、原点異常の有無に応じて異なる出力状態としてもよい。このように、可動部材の異常報知は、任意の出力を制御することにより実現可能なものであればよい。
ステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合には、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01と、ハーネスHN1および演出制御用中継基板9016Aに設けられたコネクタCN11との接続がなく、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態となっている。この場合に、コネクタCN01の端子TM07には可動部材位置センサ9061による検出信号の入力がない。そのため、仮に可動部材9051〜9054などの原点位置を確認したとしても、原点異常ありと判定されてしまい、異常報知が実行されてしまうことになる。特に、製造段階や開発段階において、例えば演出制御用マイクロコンピュータ90120の動作確認などを行う目的で、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態のときに電源投入を行うことがある。このような製造段階や開発段階における異常報知の頻発を防止して作業効率を向上するために、ステップS9057にて中継未接続フラグがオンであるとの判定に対応して、ステップS9058〜S9060を実行しないようにする。これにより、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態となっている場合には、可動部材9051〜9054の原点位置を確認せず、原点異常の発生による異常報知を実行しない。
ステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合や(ステップS9057;Yes)、ステップS9059にて原点異常がないと判定された場合には(ステップS9059;No)、演出制御メイン処理において演出用乱数更新処理(ステップS9061)が実行され、演出用乱数となる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用乱数は、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵(または外付け)された乱数回路を用いて、ハードウェアにより更新される演出用乱数については、演出用乱数更新処理では更新されなくてもよい。あるいは、ハードウェアにより更新される乱数値を示す数値データを用いて、ソフトウェアにより演出用乱数が更新されてもよい。
ステップS9061にて演出用乱数更新処理を実行した後には、タイマ割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9062)。タイマ割込みフラグは、演出制御用のタイマ割込みが発生するとオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオンであると判定された場合には(ステップS9062;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS9063)、コマンド解析処理(ステップS9064)と、演出制御プロセス処理(ステップS9065)とを順次に実行してから、ステップS9061の処理に戻る。ステップS9064のコマンド解析処理やステップS9065の演出制御プロセス処理は、演出制御用のタイマ割込み処理に含まれる。タイマ割込みフラグがオフであると判定された場合には(ステップS9062;No)、ステップS9063〜S9065の処理を実行せずに、ステップS9061の処理に戻る。
図60は、図58に示す演出制御メイン処理のステップS9060による異常報知の実行例を示している。図60に示す実行例では、メイン画像表示装置905MAの画面上における画像表示により、原点異常の発生を報知する。このときには、可動部材位置センサ9061による検出結果を示す位置検出信号にもとづいて、演出可動機構9050における上側機構(上側役物)と下側機構(下側役物)のいずれに異常が生じているかを特定可能なエラーメッセージが表示されてもよい。このように、複数の可動部材を用いて構成された複数種類の役物のうち、いずれの種類の役物に異常が生じているかを遊技場の店員等が認識可能な報知態様で、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。
なお、メイン画像表示装置905MAの表示画面は、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態である場合に、視認困難または視認不可能となる。そのため、メイン画像表示装置905MAの画面上における画像表示により可動部材の異常報知を行った場合には、遊技場の店員等が異常発生を認識困難または認識不可能となるおそれがある。そこで、メイン画像表示装置905MAなどによる画像表示とともに、あるいは画像表示に代えて、演出可動機構9050の上側機構や下側機構の状態にかかわらず視認可能な報知ユニットを用いて、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。このような報知ユニットとして、例えば遊技機用枠903の上部位置や左部位置、右部位置に設けられて、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cに含まれる、あるいは天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cとは別個に設けられた、複数の報知用発光部材が用いられてもよい。これらの報知用発光部材は、例えばLEDを用いて構成されていればよい。複数の報知用発光部材による点灯態様の組合せに応じて、いずれの種類の役物に異常が生じているかを遊技場の店員等が認識可能な報知態様で、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。一例として、報知ユニットが第1報知用発光部材と第2報知用発光部材とを含む場合に、図58に示す演出制御メイン処理のステップS9060では、演出可動機構9050の上側機構に異常が発生すれば第1報知用発光部材が点灯する一方、演出可動機構9050の下側機構に異常が発生すれば第2報知用発光部材が点灯するように、報知ユニットの点灯制御が行われてもよい。このように、可動部材の状態にかかわらず認識可能な報知ユニットを用いて可動部材の異常報知を行うことで、可動部材の状態によって認識困難または認識不可能となる構成がある場合でも、可動部材に異常が発生したことや、いずれの可動部材に異常が発生したかのかを、特定可能に報知することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理を実行可能であり、主基板9011から中継基板9015を介して伝送される演出制御コマンドを、ホストインタフェース90132から取得できればよい。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。ステップS9064のコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。ステップS9065の演出制御プロセス処理では、例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上における演出用の画像表示、スピーカ908L、908Rからの音声出力、発光体ユニット9071〜9074のそれぞれに整列配置された複数の発光体における点灯、発光体ユニット9071〜9074とは異なる天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cおよび装飾用LEDなどの各種発光部材における点灯、可動部材9051〜9054を移動させる動作用モータ9060A〜9060Cの駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図61(A)は、メモリ検査処理として、図58のステップS9055にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。メモリ検査処理では、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの記憶データを用いたチェックサム演算として、ROM90121に設けられた複数の記憶エリアにおける記憶データを用いた第1チェックサム演算と、ROM90121における記憶データの全部を用いた第2チェックサム演算と、演出データメモリ90123A〜90123Cに設けられた複数の記憶エリアにおける記憶データを用いた第3チェックサム演算と、演出データメモリ90123A〜90123Cにおける記憶データの全部を用いた第4チェックサム演算とのうち、一部または全部の演算が実行されるようにすればよい。この実施の形態では、第1チェックサム演算に続いて第2チェックサム演算が実行された後に、第4チェックサム演算として演出データメモリ90123A〜90123Cのそれぞれにおける記憶データの全部を用いた演算が実行され、それぞれの演算結果などがメイン画像表示装置905MAの画面上に表示される。
図61(A)に示すメモリ検査処理において、CPU90130は、まず、メモリ検査設定テーブルをセットする(ステップS90201)。メモリ検査設定テーブルは、チェックサム演算によるチェックサムの算出開始アドレスや算出終了アドレスを設定するためのテーブルである。メモリ検査設定テーブルを構成するテーブルデータは、例えばROM90121の所定領域(例えば第1記憶エリア)などに予め記憶されていればよい。
図61(B)は、メモリ検査設定テーブルの構成例を示している。図61(B)に示す構成例では、表示回数が「0」〜「5」のそれぞれに対応して、チェックサムの算出開始アドレスと算出終了アドレスとが指定される。表示回数は、メイン画像表示装置905MAの画面上にチェックサムを表示した回数であり、初期値として「0」が設定された後、チェックサム演算による演算結果を表示するごとに1加算されるようにすればよい。
図61(A)に示すステップS90201での設定に続いて、表示回数を「0」に設定する(ステップS90202)。例えばステップS90202において、予め用意された表示回数カウンタをクリア(初期化)することで、表示回数のカウント値を「0」に設定できればよい。表示回数カウンタは、CPU90130の内蔵レジスタを用いて構成されてもよいし、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)を用いて構成されてもよい。
その後、表示回数に対応するパラメータの設定が行われる(ステップS90203)。例えばステップS90203では、クリアデータをチェックサムデータエリアにセットするとともに、チェックサムの算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの算出終了アドレスを、ポインタが示すアドレスとの比較が可能に設定する。これらのパラメータは、CPU90130が内蔵する複数のレジスタに設定されてもよいし、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域に設定されてもよい。
ステップS90203により設定されたパラメータを用いて、チェックサムを演算する(ステップS90204)。例えばステップS90204では、チェックサムデータエリアの内容とポインタが示すROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cのアドレスにおける記憶データとの排他的論理和を演算する。演算結果はチェックサムデータエリアの新たな記憶データとしてストアされるとともに、ポインタの値によって示されるアドレスが算出終了アドレスに達しているか否かを判定する。算出終了アドレスに達していない場合には、ポインタの値が1加算され、排他的論理和を演算する処理に戻る。算出終了アドレスに達した場合には、チェックサムデータエリアの内容となる各ビットの値を反転することなどにより、算出開始アドレスから算出終了アドレスまでの記憶データを用いたチェックサムを得ることができる。
ステップS90204によるチェックサム演算に伴い、中継未接続フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS90205)、中継未接続フラグがオンであれば(ステップS90205;Yes)、表示回数に応じた演算内容を更新表示する(ステップS90206)。したがって、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態となっている場合には、チェックサム演算の実行結果などについて、表示可能とするように制御する。これに対し、中継未接続フラグがオフであれば(ステップS90205;No)、ステップS90206の処理を実行しないようにする。これにより、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続された状態となっている場合には、チェックサム演算の実行結果などについて、表示を行わないように制御する。ステップS90206にて演算内容を更新表示することにより、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに記憶された演出データが正常であるか否かを判定する判定処理による判定結果を、メイン画像表示装置905MAといった表示装置にて表示可能となる。
その後、チェックサム演算が完了したか否かを判定し(ステップS90207)、完了していない場合には(ステップS90207;No)、ステップS90204に戻ってチェックサム演算を継続する。ステップS90207にて演算完了となった場合には(ステップS90207;Yes)、表示回数を1加算した後(ステップS90208)、その表示回数が終了判定値に達したか否かを判定する(ステップS90209)。終了判定値として、例えば「6」を予め設定しておくことにより、図61(B)に示すようなメモリ検査設定テーブルの設定に対応して、チェックサムの演算結果を6通り表示させることができる。終了判定値に達していない場合には(ステップS90209;No)、ステップS90203の処理に戻り、終了判定値に達した場合には、メモリ検査処理を終了する。
図62は、メイン画像表示装置905MAの画面上における演算結果の表示例を示している。この表示例では、図61(B)に示すようなメモリ検査設定テーブルの設定に対応するチェックサムの演算結果として、ROM90121に対応する「プログラムROM」について(A)〜(C)という3通りの演算結果などを表示させ、演出データメモリ90123A〜90123Cに対応する「データROM」について(A)〜(C)という3通りの演算結果などを表示させている。また、図62の表示例では、チェックサム演算の進行状況(完了率)や演算結果にもとづく異常の有無なども確認可能に表示させている。図62に示す「プログラムROM」の(A)は、図61(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「0」の場合に設定される算出開始アドレスMA00と算出終了アドレスMA01とに対応して、ROM90121において演出制御用のプログラムや各種の管理データが記憶される第1記憶エリアの記憶データを用いて算出されたチェックサムであることを示している。図62に示す「プログラムROM」の(B)は、図61(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「1」の場合に設定される算出開始アドレスMA02と算出終了アドレスMA10とに対応して、ROM90121において音声データが記憶される第2記憶エリアの記憶データを用いて算出されたチェックサムであることを示している。図62に示す「プログラムROM」の(C)は、図61(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「2」の場合に設定される算出開始アドレスMA00と算出終了アドレスMA10とに対応して、ROM90121における記憶データの全部を用いて算出されたチェックサムであることを示している。図62に示す「データROM」の(A)は、図61(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「3」の場合に設定される算出開始アドレスMA10+1と算出終了アドレスMA20とに対応して、演出データメモリ90123Aにおける記憶データの全部を用いて算出されたチェックサムであることを示している。図62に示す「データROM」の(B)は、図61(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「4」の場合に設定される算出開始アドレスMA20+1と算出終了アドレスMA30とに対応して、演出データメモリ90123Bにおける記憶データの全部を用いて算出されたチェックサムであることを示している。図62に示す「データROM」の(C)は、図61(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「5」の場合に設定される算出開始アドレスMA30+1と算出終了アドレスMA40とに対応して、演出データメモリ90123Cにおける記憶データの全部を用いて算出されたチェックサムであることを示している。
チェックサムの演算結果は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cにおける記憶データの内容に応じて異なるものとなる。例えばROM90121や演出データメモリ90123A〜90123CがEEPROMあるいはNAND−ROMなどの電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリである場合には、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納されている演出制御用のプログラムや各種データのバージョンに応じて、異なるチェックサムの演算結果が得られる。図61(A)に示すようなメモリ検査処理を実行して、メイン画像表示装置905MAの画面上にチェックサムの演算結果を表示させることで、パチンコ遊技機901の製造段階や開発段階において、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納されている演出制御用のプログラムや各種データのバージョンを容易に確認することができる。これにより、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cにおける記憶データのバージョン管理が容易になり、例えば演出制御用のプログラムと音声データや画像データなどのバージョンに不整合が生じることを確実に防止できる。なお、チェックサムの演算結果とともに、演出制御用のプログラムや各種データのバージョンを示すバージョン情報を、メイン画像表示装置905MAの画面上に表示させてもよい。バージョン情報は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの所定領域に予め記憶されていればよい。チェックサムの演算結果とともにバージョン情報を表示させることにより、演出制御用のプログラムや各種データのバージョンをより確認しやすくするとともに、バージョンに対応するチェックサムを読み取ることで、記憶データに誤りがあるか否かを容易に確認することができる。
なお、チェックサムの演算に用いる記憶データやチェックサムの表示回数などは、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cなどを対象としたメモリ検査の設定に応じて、任意に変更されたものであってもよい。一例として、図61(B)に示すメモリ検査設定テーブルのうちで、表示回数が「2」の場合に設定される算出開始アドレスMA00と算出終了アドレスMA10とに対応したチェックサムの演算を実行しない設定とすることで、より少ないチェックサムについて、演算結果を表示することができるようにしてもよい。あるいは、表示回数が「6」以上に対応する算出開始アドレスや算出終了アドレスの設定を追加することで、より多くのチェックサムについて、演算結果を表示することができるようにしてもよい。
図61(A)に示すメモリ検査処理は、図58に示す演出制御メイン処理のステップS9054にて主基板9011との接続がないと判定された場合に、ステップS9055で実行される。また、図61(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合には、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態となっている。したがって、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011の両方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、ステップS90206による更新表示が可能となり、チェックサムの演算結果にもとづくプログラムやデータの判定結果を表示可能とする。これに対し、図58に示す演出制御メイン処理のステップS9054にて主基板9011との接続があると判定された場合には、ステップS9055のメモリ検査処理が実行されない。また、ステップS9055にてメモリ検査処理が実行された場合でも、図61(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオフであると判定された場合には、ステップS90206による更新表示が行われない。これにより、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011のいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態であるだけでは、チェックサムの演算結果にもとづくプログラムやデータの判定結果について表示を行わないように制御する。
ステップS90206による演算内容の更新表示に代えて、あるいは、演算内容の更新表示とともに、チェックサムの演算結果にもとづく任意の報知が行われてもよい。例えばメイン画像表示装置905MAの画面上における画像表示に代えて、あるいは、この画像表示とともに、サブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示、スピーカ908L、908Rからの音声出力、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cあるいは天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cとは別個に設けられた報知ランプの点灯、その他の演出装置を用いた報知動作、これらの一部または全部の組合せなどによって、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに記憶された演出データが正常であるか否かを判定する判定処理の判定結果を特定可能な報知が実行されてもよい。さらに、演出制御基板9012に設けられた特定端子からの信号出力を、チェックサムの演算結果などに応じて異なる出力状態としてもよい。このように、演出データが正常であるか否かの判定結果は、任意の出力を制御することにより報知可能なものであればよい。
図63は、図58のステップS9065にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図63に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、BGM変更タイミングであるか否かを判定する(ステップS90151)。例えば、CPU90130は、主基板9011から伝送された演出制御コマンドなどにもとづいて、予め定められたBGM変更条件が成立したときに、BGM変更タイミングであると判定すればよい。一例として、BGM変更条件は、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のいずれかに変更されたときに、成立するように設定されていればよい。
ステップS90151にてBGM変更タイミングであると判定された場合には(ステップS90151;Yes)、BGMとして再生する楽曲に対応する音声データの開始アドレスと終了アドレスを特定する(ステップS90152)。例えば、ROM90121の所定領域には、パチンコ遊技機901における遊技状態ごとにBGMとして再生する楽曲に対応する音声データについて、ROM90121あるいは演出データメモリ90123Aにおける開始アドレスと終了アドレスを特定可能に示すデータを含むBGM設定テーブルが予め記憶されていればよい。CPU90130は、主基板9011から伝送された演出制御コマンドにもとづいて特定された遊技状態に応じて、BGM設定テーブルを参照することで、音声データの開始アドレスと終了アドレスを特定すればよい。
ステップS90152の処理に続いて、BGMとなる楽曲を繰り返し再生させるループ再生を開始するためのループ再生開始制御を行う(ステップS90153)。例えばCPU90130は、ステップS90152により特定された音声データの開始アドレスと終了アドレスとともに、ループ再生の指示が示される指令を、音声処理回路90143に対して通知する。音声処理回路90143では、ROM90121や演出データメモリ90123Aにアクセスして、CPU90130からの指令に示された開始アドレスと終了アドレスの区間から音声データを読み出すことができればよい。そして、ループ再生を行う指定に従って、音声データに応じた楽曲を先頭から順次に再生し、楽曲の末尾が再生されると、再び先頭に戻って楽曲の再生を繰り返すようにすればよい。
こうしたステップS90153によるループ再生開始制御により、例えばパチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態であるときには、通常時BGMとしての楽曲を、繰り返し再生することができる。また、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態であるときには、確変中BGMとしての楽曲を、繰り返し再生することができる。パチンコ遊技機901における遊技状態が時短状態であるときには、時短中BGMとしての楽曲を、繰り返し再生することができる。
ステップS90151にてBGM変更タイミングではないと判定された場合や(ステップS90151;No)、ステップS90153によるループ再生開始制御を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じた処理が実行される。このとき、CPU90130は、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS90170〜S90176の処理が含まれている。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かにもとづき、メイン画像表示装置905MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、メイン画像表示装置905MAの画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、CPU90130は、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などにもとづいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS90174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどにもとづいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU90130は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容にもとづく演出画像をメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に表示させたり、発光体ユニット9071〜9074による表示演出を実行させたりすること、音声出力基板9013に対する効果音信号の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、発光体制御基板9016D〜9016Fに対する電飾信号の出力により天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909c、装飾用LEDを点灯または消灯あるいは点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板9011から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS90176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、CPU90130は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容にもとづく演出画像の表示や果音の出力、各種発光部材の点灯または消灯あるいは点滅、その他の演出動作を制御して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図64は、図63のステップS90171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図64に示す可変表示開始設定処理において、CPU90130は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS90401)。ステップS90401の処理として、CPU90130は、主基板9011から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容にもとづいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU90130は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU90130は、演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵(または外付け)された乱数回路あるいはワークメモリ90131やRAM90122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより更新される演出用乱数のうち、左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出用乱数のうちで右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出用乱数のうちで中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU131は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU90130は、演出用乱数のうちで左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出用乱数のうちで中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、CPU90130は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU90130は、演出用乱数のうちで大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS90401の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS90401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS90401における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS90402)。ステップS90402では、例えば予めROM90121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90130は、演出用乱数のうちで予告演出決定用の乱数値を示す数値データにもとづいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
ステップS90402による予告演出の決定に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS90403)。例えば、CPU90130は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、CPU90130は、ステップS90402の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS90403により演出制御パターンを決定した後、CPU90130は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90404)。そして、メイン画像表示装置905MAにおける飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS90405)。このときには、例えばステップS90404にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をVDP90140に対して伝送させることなどにより、メイン画像表示装置905MAの画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS90405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS90406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア905Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図65(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。図65(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、発光体制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板9011から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミングなどを示すデータが設定されていてもよい。このような演出制御パターンを構成するパターンデータは、管理データとして、ROM90121に予め記憶されていればよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。サブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示データには、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体による点灯態様を制御する点灯データの作成に用いられる表示データが付加されてもよい。この場合には、表示制御データによりサブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定すれば、発光体ユニット9071〜9074を構成するように整列配置された複数の発光体による点灯態様も指定することができる。表示制御データにより発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体における点灯態様を指定するものに限定されず、表示制御データとは別個の制御データを用いて、複数の発光体における点灯態様が指定されてもよい。
音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ908L、908Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作を指定するデータである。例えば、音声制御データは、ROM90121や演出データメモリ90123Aにおいて、楽曲などに対応する音声データの開始アドレスと終了アドレスに加え、ループ再生を行うか否かといった、各種の設定を示すものであればよい。
発光体制御データには、例えば発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、装飾用LEDといった各種発光部材における点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、発光体制御データは、各種発光部材の点灯動作を指定するデータである。可動部材制御データには、例えば可動部材9051〜9054を回動させたり移動させたりする動作用モータ9060A〜9060Cの駆動態様を示すデータといった、可動部材9051〜9054の動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、可動部材制御データは、可動部材9051〜9054の回動動作や移動動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ9031Aの操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン9031Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、発光体制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図65(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像をメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に表示させる制御を行う。また、表示制御データにより指定される態様で発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体を点灯させて表示演出を実行する制御を行ってもよい。さらに、音声制御データにより指定される態様でスピーカ908L、908Rから音声を出力させる制御を行うとともに、発光体制御データにより指定される態様で発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c等の各種発光部材を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ9031Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン9031Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどにもとづいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM90121から読み出してワークメモリ90131やRAM90122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM90121における記憶アドレスを、ワークメモリ90131やRAM90122の所定領域に一時記憶させて、ROM90121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、CPU90130は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(メイン画像表示装置905MA、サブ画像表示装置905SU、発光体ユニット9071〜9074、スピーカ908L、908R、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cを含む各種発光部材、可動部材9051〜9054および装飾部材9057など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、発光体制御データ#1〜発光体制御データ#n、可動部材制御データ#1〜可動部材制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130から、VDP90140、音声処理回路90143、汎用出力コントローラ90145などに対して出力される。CPU90130からの指令を受けたVDP90140は、その指令に示される画像データ(画像要素データ)を演出データメモリ90123A、90123Bから読み出してVRAM90141のワークエリアに一時記憶させる。また、VDP90140は、VRAM90141のワークエリアに記憶させた画像データから、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの表示画面に応じた画像データを選択し、選択した画像データをピクセルデータに変換するなどしてVRAM90141の画像描画領域における所定位置(メイン画像表示装置905MAなどの表示領域における表示位置を示す情報等によって示される位置)に配置する。これにより、VRAM90141の画像描画領域に1画面分の表示データを作成する。このとき、サブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示データには、発光体ユニット9071〜9074の点灯データを作成するために使用される表示データが付加されてもよい。その他、CPU90130からの指令を受けた音声処理回路90143では、その指令に示される音声データを取得して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図66は、図63のステップS90172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図66に示す可変表示中演出処理において、CPU90130は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などにもとづいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90451)。一例として、ステップS90451では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS90451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS90451;No)、スーパーリーチ演出開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS90452)。スーパーリーチ演出開始タイミングは、スーパーリーチにおけるリーチ演出の実行を開始させるタイミングであり、例えば図64に示すステップS90403の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。スーパーリーチ演出開始タイミングである場合には(ステップS90452;Yes)、BGMオフ設定を行う(ステップS90453)。例えば、CPU90130は、音声処理回路90143に対する指令により、BGMを再生する音声チャンネルのボリュームをオフに設定させる。音声処理回路90143では、例えばBGMのボリュームを変更して出力オフにすればよい。なお、BGMがオフの期間では、BGMのボリュームがオフに設定されるだけで、BGMに対応する楽曲の再生は継続して行われるようにしてもよい。あるいは、BGMがオフの期間では、BGMに対応する楽曲の再生が一時停止されるようにしてもよい。ステップS90453にてBGMオフ設定を行った後には、スーパーリーチ演出用の楽曲オン設定を行う(ステップS90454)。例えば、CPU90130は、音声処理回路90143に対する指令により、スーパーリーチ演出用の楽曲に対応する音声データの開始アドレスと終了アドレスを通知する。音声処理回路90143は、CPU90130からの指令によって通知された音声データの開始アドレスと終了アドレスにもとづいて、スーパーリーチ演出用の楽曲に対応する音声データを取得する。そして、スーパーリーチ演出用の楽曲を再生する音声チャンネルのボリュームをオンに設定するとともに、音声データに応じた楽曲などを先頭から順次に再生すればよい。
ステップS90452にてスーパーリーチ演出開始タイミングではない場合や(ステップS90452;No)、ステップS90454による楽曲オン設定を行った後には、スーパーリーチ演出終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS90455)。スーパーリーチ演出終了タイミングは、スーパーリーチにおけるリーチ演出の実行を終了させるタイミングであり、例えば図64に示すステップS90403の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。スーパーリーチ演出終了タイミングである場合には(ステップS90455;Yes)、スーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行う(ステップS90456)。例えば、CPU90130は、音声処理回路90143に対する指令により、スーパーリーチ演出用の楽曲を再生する音声チャンネルのボリュームをオフに設定させる。音声処理回路90143では、例えばスーパーリーチ演出用の楽曲のボリュームをオフに設定するとともに、その楽曲などの再生を終了すればよい。ステップS90456にてスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行った後には、BGMオン設定を行う(ステップS90457)。例えば、CPU90130は、音声処理回路90143に対する指令により、BGMを再生する音声チャンネルのボリュームをオンに設定させる。音声処理回路90143では、例えばBGMのボリュームを変更して出力オンにすればよい。
ステップS90455にてスーパーリーチ演出終了タイミングではない場合や(ステップS90455;No)、ステップS90457によるBGMオン設定を行った後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などにもとづいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS90458)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS90451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS90451;Yes)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90459)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90459;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS90459にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS90459;Yes)、例えばVDP90140に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS90460)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90461)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS90462)、可変表示中演出処理を終了する。
図66に示す可変表示中演出処理では、ステップS90456にてスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行った後、直ちにステップS90457にてBGMオン設定を行っている。これに対し、ステップS90456にて楽曲オフ設定を行った後に所定期間が経過してからBGMオン設定が行われるようにしてもよい。例えばステップS90460にて最終停止図柄を導出表示させる制御を行った後に、BGMオン設定が行われるようにしてもよい。あるいは、図63に示すステップS90170の可変表示開始待ち処理が実行されるときに、BGMオン設定が行われるようにしてもよい。特に、可変表示結果が「大当り」となる場合には、スーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定に続いて、可変表示結果が「大当り」となったことを報知するファンファーレ演出用の楽曲を再生し、その後に遊技状態が大当り遊技状態となることに対応して、大当り中演出用の楽曲を再生してもよい。なお、スーパーリーチ演出用の楽曲は、そのまま大当り中演出用の楽曲となり継続して再生されることがあってもよい。こうして可変表示結果が「大当り」となった場合には、大当り遊技状態が終了した後、図63に示すステップS90170の可変表示開始待ち処理が実行されることに対応してBGMオン設定を行えばよい。これにより、可変表示結果が「大当り」となった場合に、BGMとなる楽曲の再生を円滑に開始させることができる。
図66に示す可変表示中演出処理では、図64に示すステップS90403の処理で決定された演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンなど)から演出制御プロセスタイマ値にもとづいて取得したプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われる。図63に示すステップS90175の大当り中演出処理やステップS90176の大当り終了演出処理などにおいても、CPU90130がROM90121などから演出制御パターンを読み出し、演出制御プロセスタイマ値にもとづいて取得したプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われるようにすればよい。
こうした演出制御を行うために、CPU90130は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定を行い、タイムアウトしたらプロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う。すなわち、図65(A)に示すようなプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている表示制御データにもとづいて、メイン画像表示装置905MAおよびサブ画像表示装置905SUの表示制御とともに、発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体の点灯制御が行われてもよい。また、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている音声制御データにもとづいてスピーカ908L、908Rの音声出力制御が行われる。さらに、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている発光体制御データにもとづいて発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、装飾LEDの点灯制御が行われる。プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている可動部材制御データにもとづいて動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御が行われる。その他にも、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている操作検出制御データにもとづいてスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bによる指示操作の検出制御が行われる。
演出制御用マイクロコンピュータ90120において、VDP90140は、CPU90130からの表示制御指令にもとづいて、演出画像の表示に必要なキャラクタ画像データといった各種の画像データを演出データメモリ90123A、90123Bから読み出し、VRAM90141の所定領域に配置する。演出画像を表示するときには、何度も同じキャラクタ画像が繰返し表示されることがある。演出データメモリ90123A、90123Bに記憶されている画像データが圧縮されている場合には、これを読み出した後に伸長するための時間を要する。そこで、演出画像の表示を開始する段階で、必要なキャラクタ画像データなどをVRAM90141の記憶領域に配置することで、各フレームに対応して演出データメモリ90123A、90123Bから読出しを行うのに比較して、描画に要する時間を短縮することができる。
CPU90130は、演出画像の表示が開始された後、Vブランクが発生するごとに、VDP90140のアトリビュートレジスタにアトリビュートを設定してから、アトリビュートの読込実行を指示する。これに応じて、VDP90140は、アトリビュートを読み込む。この読込みが完了すると、VDP90140からCPU90130に対して読込終了割込信号が出力される。CPU90130は、読込終了割込信号を受けると、描画処理の実行を指示する。こうして、VDP90140は、読み込んだアトリビュートに従ってVRAM90141に表示データを書き込むことによる描画処理を実行する。
VRAM90141において画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる複数の記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられている。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置905MAの画面上にて画像表示するための表示データが格納される。例えば、メインフレームバッファには、横方向(X軸方向)に800ドット、縦方向(Y軸方向)に600ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置905SUの画面上にて画像表示するための表示データが格納されるとともに、発光体ユニット9071〜9074を点灯制御する点灯データの作成に用いられる表示データが格納されてもよい。例えば、サブフレームバッファには、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に885ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。
発光体ユニット9071〜9074を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データは、例えば横方向(X軸方向)に320ドット、縦方向(Y軸方向)に320ドットの画像サイズに対応している。VDP90140は、点灯データ作成用の画像データを、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに縮小する。縮小された画像サイズは、複数の発光体が整列配置された発光体ユニット9071〜9074の解像度に対応している。このように、点灯データ作成用の画像データは、発光体ユニット9071〜9074の解像度よりも高い解像度を有している。一例として、スーパーサンプリングといったアンチエイリアシング処理を行う。他の一例として、画像データにおける縦横が4ドット×4ドットの矩形範囲ごとに、左上のドットに対応するRGB値を取得して表示データとすることで、縦方向と横方向がそれぞれ1/4に縮小された表示データを作成してもよい。こうして、複数の発光体による表示の解像度よりも高い解像度を有する画像データを用いて、点灯データに変換される表示データを作成する。これにより、例えばキャラクタ画像などの輪郭に発生するジャギーを抑制して、発光体ユニット9071〜9074における表示の円滑性を高めることができる。特に、キャラクタ画像などの演出画像を移動表示させるときには、輪郭部分を円滑に表示して、発光体ユニット9071〜9074における表示演出の興趣を向上させることができる。なお、画像サイズの縮小は、VDP90140による画像データの変形処理や表示データの描画処理において行われてもよいし、所定のスケーラ回路を用いて行われてもよい。スケーラ回路は、VRAM90141から読み出した表示データの画素数を変換することで、所定の縮小率(例えば1/4)で画像サイズを縮小できればよい。このように、表示データのサイズ変更は、ハードウェア回路によって実現されてもよいし、ソフトウェアとしての所定プログラムを実行することで実現されてもよい。
VDP90140が読み出した画像データは、サブフレームバッファにおける所定領域(発光体点灯用データ領域)に書き込まれることで、点灯データの作成に用いられてもよい。一方、VDP90140が読み出した画像データは、メインフレームバッファに書き込まれることで、メイン画像表示装置905MAの画面上における画像表示に用いられる。また、VDP90140が読み出した画像データは、サブフレームバッファにおける発光体点灯用データ領域以外の領域に書き込まれることで、サブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示に用いられる。このように、同一の画像データであっても、VRAM90141における書込位置に応じて、用途を異ならせることができればよい。こうして、演出データメモリ90123A、90123Bから読み出されてVRAM90141に一時記憶される画像データは、メイン画像表示装置905MAまたはサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示用、あるいは、発光体ユニット9071〜9074を点灯制御する点灯データの作成用として、兼用することができればよい。したがって、演出データメモリ90123A、90123Bに記憶されている画像データは、メイン画像表示装置905MAまたはサブ画像表示装置905SUにおける演出画像の表示制御と、発光体ユニット9071〜9074の点灯制御とのうち、少なくともいずれかの制御に使用することが可能である。
サブフレームバッファに格納された表示データは、例えば1フレーム分が1/60秒(約16.7ミリ秒)で出力される。これにより、サブ画像表示装置905SUは、1/60秒のフレーム周期で表示画像を更新することができる。発光体制御用のデータも、サブ画像表示用のデータに付加されている場合には、1/60秒の周期で出力可能となる。発光体制御基板9016Cでは、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012から伝送された表示データを、バッファメモリ90151に一時記憶させる。したがって、バッファメモリ90151には、VDP90140が1フレーム分の表示データを出力する1/60秒の周期で、発光体制御用のデータが格納されてもよい。
発光体制御基板9016Cにおいて、点灯データ生成回路90152は、例えばサブ画像表示装置905SUといった、LCD(液晶表示装置)を用いた画像表示装置のフレーム周期(1/60秒など)よりも、短い周期で複数の発光体を点灯制御するための点灯データを生成してもよい。具体的な一例として、点灯データ生成回路90152は、1/120秒(約8.3ミリ秒)の周期で発光体を点灯制御するための点灯データを生成する。このように、点灯データ生成回路90152は、VDP90140による表示データの出力周期(1/60秒)よりも短い周期(1/120秒)で発光体の点灯データを生成して、シリアル出力回路90153により点灯データにもとづく制御信号を出力させる。この場合、バッファメモリ90151は、VDP90140から出力される1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータ、すなわち、80ドット×80ドットの発光体制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。また、比較的に短い周期で発光体を点灯させることで、発光体ユニット9071〜9074のそれぞれに整列配置された複数の発光体で実行される表示演出におけるフリッカー(ちらつき)を抑制して、表示演出の興趣を向上させることができる。発光体の点灯制御は、表示データの出力周期に対して1/2の周期で行われるものに限定されず、例えば、より短い周期(例えば1/3の周期など)といった、表示データの出力周期よりも短い任意の周期で行われるものであればよい。
シリアル出力回路90153は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータがバッファメモリ90151に書き込まれる所要時間よりも長い周期で、点灯データ生成回路90152によって生成された点灯データに対応する制御信号の出力を行うように設定されてもよい。このように、点灯データに対応する制御信号が出力される周期よりも短い時間で、1フレーム分に対応する発光制御用のデータをバッファメモリ90151に一時記憶させる。これにより、1フレーム分に対応する発光制御用のデータを一時記憶できる記憶データ容量のバッファメモリ90151を使用した場合でも、点灯データに対応する制御信号の出力周期よりも短い時間で、点灯データの生成を完了させることができる。
なお、バッファメモリ90151は、例えば2フレーム分の画像表示に対応した表示データといった、複数フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していてもよい。この場合、バッファメモリ90151の記憶領域には、複数のバッファ領域が割り当てられる。各バッファ領域は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。
点灯データ生成回路90152は、発光制御用のデータを記憶しているバッファメモリ90151の記憶位置(読出アドレスなど)に応じて、そのデータを複数のデータ範囲に区分けする。例えば、バッファメモリ90151の記憶領域は、その記憶アドレスなどに応じて、複数のバッファメモリエリアに分割される。点灯データ生成回路90152は、いずれのバッファメモリエリアに格納されているデータを読み出したかにもとづいて、複数の発光体ブロックB01〜B42のうち、いずれの発光体ブロックに含まれる発光体の点灯データに変換するかを特定する。
バッファメモリ90151に一時記憶された表示データは、複数に区分けされたデータ範囲ごとに、発光体ブロックB01〜B42のいずれかに割り当てられる。点灯データ生成回路90152は、予め用意された変換設定情報となるアドレス特定テーブルを参照することで、各発光体ブロックB01〜B42に割り当てられたデータ範囲を特定することができる。この特定結果にもとづいて、各発光体ブロックB01〜B42に対応して設けられた発光体ドライバのアドレス情報を指定することができる。アドレス特定テーブルは、点灯データ生成回路90152に内蔵(または外付け)されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。点灯データ生成回路90152は、アドレス情報が含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路90153により発光体駆動部90154へと出力させる。
また、点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データには、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光素子の階調制御量を示す階調データが含まれている。例えば、階調データは、PWM制御におけるパルス信号の出力期間(パルス幅)を、階調制御量として示すものであればよい。点灯データ生成回路90152は、バッファメモリ90151から読み出された表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)にもとづいて、予め用意された色変換設定情報となる点灯データ生成テーブルを参照することで、階調制御量を示す階調データを生成する。点灯データ生成テーブルは、点灯データ生成回路90152に内蔵(または外付け)されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。
点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データは、変換に用いた表示データにもとづいて表示される画像の階調数よりも少ない階調数に対応している。例えば演出制御基板9012から演出制御用中継基板9016Aを介して伝送されてバッファメモリ90151に一時記憶される表示データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「255」のうちいずれかのレベルとなるように、256段階で階調制御を可能にする。このように、演出制御基板9012から伝送される表示データにもとづいて表示される画像の階調数は「256」である。点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「63」のうちいずれかのレベルとなるように、64段階で階調制御を可能にする。このように、点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データは、「256」よりも少ない「64」の階調数を示している。
表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)と、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量との対応関係は、各発光色に対応する発光素子の特性(例えば発光効率)やホワイトバランスなどを考慮して、予め決定されていればよい。一例として、各発光体を構成する発光素子となる発光ダイオードは、印加電圧が所定値に達すると、急激に電流量が増加する非線形特性を有している。したがって、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例した階調制御量に変換すると、例えば白飛びや黒潰れといった、複数の発光体による表示演出の不都合が生じてしまうおそれがある。そこで、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光色に対応した発光素子が、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)と同等の発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておいてもよい。
図67は、点灯データ生成回路90152によって参照される点灯データ生成テーブルTC1の構成例を示している。点灯データ生成テーブルTC1では、表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に対応して、点灯データが示す各表示色のレベル(RGB値)が設定されている。ここで、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、いずれも輝度(階調)が「0」〜「10」のうちいずれかのレベルとなる場合には、点灯データが示す各表示色の輝度(階調)が「0」のレベルとなるように、テーブルデータが構成されてもよい。すなわち、1ドットに対応する1の発光体に含まれる各表示色の発光素子について、表示データに示される輝度(階調)がいずれも「10」以下となる場合には、各表示色の輝度(階調)が「0」となる点灯データを生成することで、その発光体を点灯させないように制限を設ける。
一方、点灯データ生成テーブルTC1は、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、少なくともいずれか1の輝度(階調)が「11」以上のレベルとなる場合に、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例したRGB値を示す点灯データが生成されるように、テーブルデータが構成されてもよい。例えば表示データにて示されるB(青)の輝度(階調)が「11」である場合に、点灯データにて示されるB(青)の輝度(階調)は「2」となり、この場合に、表示データにて示されるR(赤)やG(緑)の輝度が「0」〜「3」であれば輝度(階調)が「0」を示す点灯データが生成され、「4」〜「7」であれば輝度(階調)が「1」を示す点灯データが生成され、「8」〜「11」であれば輝度(階調)が「2」を示す点灯データが生成されるように、点灯データ生成テーブルTC1のテーブルデータが構成されている。
演出制御用マイクロコンピュータ90120にてVDP90140が演出データメモリ90123A、90123Bから読み出す画像データは、メイン画像表示装置905MAまたはサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示用と、発光体ユニット9071〜9074を点灯制御する点灯データの作成用とに、兼用されることがある。このとき、画像表示に用いられる画像データから作成された表示データで示される各表示色の輝度(階調)がいずれも所定量未満である場合に、所定量以上である場合と同じ比例関係の下で点灯データを生成すると、発光ダイオードにおける非線形特性の影響が顕著となり、不自然な表示演出が行われてしまうおそれがある。そこで、表示データで示される各表示色の輝度(階調)によると発光体の発光量が所定量未満となる場合には、その発光体を点灯させないように、点灯制御に制限が設けられる。こうして、複数の発光体のうち発光量が所定量未満となる発光体と所定量以上となる発光体とでは、点灯制御を異ならせる。特に、この実施の形態では、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設ける一方、発光量が所定量以上となる発光体は、表示データのRGB値と比例関係にある点灯データのRGB値に応じた点灯制御が行われる。このように、発光量が所定量未満であるか否かに応じて点灯制御を異ならせることにより、発光素子の非線形特性による影響などを軽減し、遊技者に表示演出の違和感を与えないようにして、演出の興趣低下を防止することができる。
点灯データ生成テーブルは、予め複数種類が用意され、所定の選択設定にもとづいて、いずれかの点灯データ生成テーブルが使用テーブルとして選択されてもよい。この場合には、各発光体に含まれる発光素子の発光色ごとに、異なる点灯データ生成テーブルが選択されてもよい。例えば発光体ブロックB01〜B06の場合に、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR01が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG01が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB01が選択される。これに対し、発光体ブロックB07、B08、B15の場合には、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR02が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG02が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB02が選択される。また、発光体ブロックB09〜B14の場合には、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR03が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG03が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB03が選択される。それぞれの点灯データ生成テーブルは、VDP141が作成した表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)を、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量に変換するテーブルデータなどを含んで構成されていればよい。点灯データ生成回路90152は、バッファメモリ90151から読み出した表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)にもとづいて、選択された点灯データ生成テーブルを参照することにより、点灯データで指定される階調制御量を決定する。
発光素子の特性は、発光色に応じて異なることがある。そこで、発光体を構成する各発光素子の発光色に応じて、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)との対応関係が異なる階調制御量に変換されるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておいてもよい。
各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置に応じて異なる点灯データ生成テーブルを用いて、表示データを点灯データに変換できればよい。発光体ユニット9071〜9074のそれぞれでは、複数の発光体が整列配置された領域の広さや、各発光体ユニットの前後関係などにより、複数の発光体それぞれの配置に応じて、同一階調で発光させても遊技者には異なる印象を与える場合がある。そこで、各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置によらず、同一の表示色に対応して可能な限り均一に近い印象を与えられる発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。
こうして、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)だけでなく、発光体を構成する複数の発光素子ごとの発光特性や、複数の発光体の配置などに応じて、それぞれの発光体に応じた階調制御量を示す階調データが生成される。これにより、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んだ発光体が、発光体ユニット9071〜9074の所定領域にて整列配置されている場合でも、色の再現性を高めて演出の興趣を向上させる。
なお、すべての点灯データが点灯データ生成テーブルを参照することにより生成されるものに限定されず、少なくとも一部の点灯データは、点灯データ生成回路90152が所定のデータ処理プログラムを実行することにより生成されてもよい。例えば表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、発光量が所定量未満となるか否かを判定し、いずれの発光量も所定量未満となる場合には、その発光体を点灯させないように輝度(階調)が「0」となる点灯データを生成する処理が実行されてもよい。
一例として、点灯データ生成回路90152が実行する点灯データ生成処理において、1ドット分の表示データを取得し、その表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下であるか否かを判定する。そして、すべて「10」以下である場合には、点灯データにおけるRGB値をすべて「0」に設定する。一方、表示データにて示されるRGB値の少なくともいずれかが「10」以下ではない場合には、発光体ブロックと発光色に応じた点灯データ生成テーブルを選択する。続いて、選択した点灯データ生成テーブルを用いて、表示データに対応する点灯データを生成する。そして、全ドットに対応する点灯データの生成が完了したか否かを判定し、未だ点灯データの生成が完了していなければ、次の1ドットに対応する表示データを取得し、同様の処理を繰り返し実行すればよい。一方、全ドットに対応する点灯データの生成が完了すれば、点灯データ生成処理を終了すればよい。
点灯データ生成処理では、点灯データ生成テーブルを参照することにより点灯データの生成するものに限定されず、所定の演算処理プログラムを実行することにより点灯データが生成されてもよい。例えば各表示色について256段階で階調制御を可能にする表示データは、2進数表示とした場合に各表示色の輝度(階調)が8ビットで表される。一方、各表示色について64段階で階調制御を可能にする点灯データは、2進数表示とした場合に各表示色の輝度(階調)が6ビットで表される。そこで、表示データにて示されるRGB値の少なくともいずれかが「10」以下ではない場合には、表示データにおける各表示色の輝度(階調)を示す8ビットデータの下位2ビットを切り捨てる数値処理を行うことにより、点灯データが生成されるようにしてもよい。あるいは、予め設定された演算式に従って、表示データに対応する点灯データが生成されるようにしてもよい。表示データから点灯データへの変換に使用可能な複数種類の演算処理プログラムを予め用意しておき、点灯データ生成回路90152は、発光素子の表示色や配置(発光体ブロックなど)に応じていずれかの演算処理プログラムを選択して実行することで、表示データを点灯データに変換してもよい。
表示データを1ドット分ずつ取得して点灯データの設定や生成を行うものに限定されず、例えば所定のマスクデータを用いることにより点灯データの設定や生成が一括して行われてもよい。この場合には、バッファメモリ90151に一時記憶されている1フレーム分の表示データに対して、RGB値がすべて「10」以下であるドットを検知し、検知されたドットに対応する点灯データにおけるRGB値をすべて「0」に設定するためのマスクデータを予め用意してもよい。
なお、1ドット分の表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下である場合に点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定するものに限定されず、1ドット分の表示データにて示されるRGB値のうち、いずれかの値が「10」以下である場合には、その表示色に対応する点灯データのみが「0」となるように設定してもよい。一例として、表示データにて示されるR(赤)の輝度(階調)が「100」、G(緑)の輝度(階調)が「8」、B(青)の輝度(階調)が「2」である場合には、点灯データにて示されるR(赤)の輝度(階調)は「25」となる一方、G(緑)およびB(青)の輝度(階調)は「0」となるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路90152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。このように、発光体における各表示色の発光素子ごとに、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けてもよい。ただし、1ドット分の表示データのうちでRGB値が「10」以下となる表示色がある場合に、その表示色のみ点灯データでのRGB値を「0」に設定すると、発光色の色味が変化してしまうおそれがある。そのため、1ドット分の表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下となる場合に、点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定することが望ましい。
あるいは、1ドット分の表示データにて示されるRGB値を加算して、合計値が所定値未満となる場合に、点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定してもよい。一例として、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)を加算した合計値が「30」以下である場合には、点灯データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)がすべて「0」となるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路90152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。この場合には、たとえ表示データにて示されるR(赤)の輝度(階調)が「11」であっても、G(緑)、B(青)の輝度(階調)が「0」であれば、点灯データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)はすべて「0」となる。このように、1の発光体を構成する複数の発光素子による発光量の合計(総量)が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けることで、遊技者に表示演出の違和感を与えないようにして、演出の興趣低下を防止することができる。
なお、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けるものに限定されず、例えば発光素子の非線形特性による影響などを考慮して、任意の制限が設けられるようにしてもよい。一例として、表示データにて示される各表示色の輝度(階調)が「0」〜「8」であれば輝度(階調)が「0」を示す点灯データが生成され、「9」または「10」であれば輝度(階調)が「1」を示す点灯データが生成されるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路90152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。このように、表示データで示される各表示色の輝度(階調)が所定量未満である場合に、所定量以上である場合の比例関係とは異なる対応関係で点灯制御が行われるように制限を設けてもよい。また、発光体の発光量が所定量未満となるか否かの閾値は、表示データにおけるRGB値で「10」となるものに限定されず、発光素子の非線形特性による影響などを考慮して、任意の値が設定されたものであればよい。発光素子の発光色(表示色)に応じて、発光量が所定量未満となるか否かの閾値を異ならせるように設定したものであってもよい。
演出データメモリ90123A、90123Bに記憶されている画像データは、表示制御と点灯制御とに兼用されるものに限定されず、点灯データを作成するために専用の画像データが用意され、予め演出データメモリ90123A、90123Bに記憶されてもよい。この場合には、表示データと比例関係の下で点灯データを生成すると発光量が所定量未満となってしまう発光体は点灯制御が行われない無点灯となるように、画像データが予め設定されるようにしてもよい。演出データメモリ90123Cに記憶されている発光データを用いて点灯データが作成されてもよい。この場合にも、発光量が所定量未満となってしまう発光体は点灯制御が行われない無点灯となるように、発光データが予め設定されるようにしてもよい。
点灯データ生成回路90152は、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバに割り当てられたアドレス情報を付加した階調データが含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路90153により発光体駆動部90154へと出力させる。さらに、点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データには、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御する駆動制御データが含まれている。点灯データ生成回路90152は、ストローブ側の発光体ドライバに割り当てられたアドレス情報を付加した駆動制御データが含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路90153により発光体駆動部90154へと出力させる。
シリアル出力回路90153は、図45に示すシリアルクロックSCとして、複数のシリアル出力系統K01〜K21に対し、それぞれに共通のクロック信号を出力する。シリアル出力回路90153から出力されたシリアルクロックSCは、シリアル信号配線を介して、発光体駆動部90154に含まれる複数の発光体ドライバのそれぞれに供給される。各発光体ドライバは、シリアルクロックSCに同期して伝送されたシリアルデータSDを受信する。
一方、シリアル出力回路90153は、シリアルデータSDとして、シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで、駆動制御データや階調データを含んだ制御信号を出力してもよい。シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対して同一のタイミングで制御信号を出力した場合には、発光体駆動部90154に含まれる多数の発光体ドライバによって、同一のタイミングで多数の発光体の点灯制御が開始されることがある。この場合、短期間で大量の駆動電流が突入電流となって流れることで、雑音電波などによる電波障害が発生するおそれがある。また、大量の駆動電流を生成するための電源回路が必要となることに伴い、製造コストが増加する場合もある。これに対して、シリアルデータSDとなる制御信号を、複数のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで出力することにより、突入電流の発生を抑制して、雑音電波の発生や製造コストの増加を防止することができる。
発光体駆動部90154において、各発光体ドライバは、受信したシリアルデータSDに含まれるアドレス情報で示される発光体ドライバアドレスと、自分に割り当てられた発光体ドライバアドレスとが合致するか否かを確認する。このとき、合致していれば駆動制御データや階調データとなるシリアルデータSDを取り込んで、パラレルデータに変換し、これにもとづく発光体の点灯制御を行う。例えばストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データにもとづくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。また、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データにもとづくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体のダイナミック点灯制御を行い、演出可動機構9050を構成する可動部材9051〜9054が備える発光体ユニット9071〜9074のそれぞれにて、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が行われる。
演出可動機構9050による具体的な表示演出の一例として、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが離間してメイン画像表示装置905MAの表示画面が視認可能な退避状態(第1状態)では、遊技者が視認可能な可動部材9051〜9054に配置された複数の発光体を用いた表示演出を、メイン画像表示装置905MAによる表示演出に連動させて実行する。退避状態のときには、可動部材9051、9052が上方に位置するとともに可動部材9053、9054が下方に位置している。このように可動部材9051〜9054が回動動作していない退避状態のとき(停止しているとき)には、複数の発光体のうちで、パチンコ遊技機901の前方から視認可能な発光体のみを点灯制御する。これにより、電力消費を低減することができる。こうした発光体の点灯制御による表示演出としては、例えば文字やシンボルを表示させたり、複数の発光体における点滅や発光色を所定順序で移動させて、メイン画像表示装置905MAによる可変表示に合わせた可変表示演出などが実行されてもよい。また、リーチ演出が実行されるときには、可動部材9051〜9054の少なくとも1つを可動(振動、進出など)させたり、複数の発光体を用いて「リーチ」などの文字やシンボルを表示してもよい。
一方、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが近接してメイン画像表示装置905MAの表示画面が視認困難または視認不可能な進出状態(第2状態)では、可動部材9051〜9054に配置された複数の発光体をすべて用いた表示演出を、メイン画像表示装置905MAによる表示演出に連動させて、あるいはメイン画像表示装置905MAによる表示演出とは別個独立に、実行する。進出状態のときには、演出可動機構9050の上側機構における装飾部材9057の下方への移動に伴って可動部材9051、9052が回動するとともに下側機構の可動部材9053、9054が上方に位置している。このように可動部材9051〜9054が回動動作している進出状態のとき(動作しているとき)には、複数の発光体をすべて点灯制御する。
可動部材9051〜9054における一体の表示演出は、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが退避状態から進出状態へと変化する前または変化している最中に、開始されてもよい。このように、可動部材9051〜9054が回動しているときには、パチンコ遊技機901の前方から視認可能か否かにかかわらず、複数の発光体をすべて点灯させて表示演出を実行すればよい。これにより、可動部材9051〜9054の回動動作の演出効果を大きくすることができる。また、パチンコ遊技機901の前方から視認可能か否かにかかわらず複数の発光体をすべて点灯させることで、簡易な制御によって、点灯制御を行っていない発光体が遊技者に視認されてしまうのを抑制できる。
図39、図40に示すような演出制御基板9012に搭載されたROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cには、記憶内容に応じた複数の記憶エリアが設けられている。例えばROM90121には、演出制御用のプログラムや各種の管理データが記憶される第1記憶エリアとなるプログラム等管理エリアR01と、音声データが記憶される第2記憶エリアとなる音声データ第1記憶エリアR11とが設けられている。演出データメモリ90123Aには、音声データが記憶される記憶エリアとして音声データ第2記憶エリアR12と、画像データが記憶される記憶エリアとしての画像データ第1記憶エリアR21とが設けられている。演出データメモリ90123Bには、画像データが記憶される記憶エリアとしての画像データ第2記憶エリアR22が設けられている。音声データ第1記憶エリアR11と音声データ第2記憶エリアR12には、スピーカ908R、908Lによる音声出力を制御するために用いられる音声データが記憶される。画像データ第1記憶エリアR21と画像データ第2記憶エリアR22には、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける演出画像の表示を制御するために用いられる画像データとともに、発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体における点灯制御のために用いられる画像データが記憶されてもよい。
図68(A)は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と、演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12とに記憶される音声データの構成例を示している。図68(A)に示す例では、複数の楽曲に対応して、それぞれの音声データが記憶されている音声データ第1記憶エリアR11や音声データ第2記憶エリアR12における開始アドレスと終了アドレスとが設定されている。例えば楽曲A−1に対応する音声データは、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態である通常時のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA02から終了アドレスMA03までの区間に記憶されている。楽曲A−2に対応する音声データは、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ演出時における演出音を再生するために用いられ、開始アドレスMA03+1から終了アドレスMA05までの区間に記憶されている。これらの楽曲A−1、楽曲A−2に対応する音声データは、いずれも音声データ第1記憶エリアR11に記憶されていればよい。
図68(A)の楽曲B−1に対応する音声データは、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態である確変中のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA19+1から終了アドレスMA21までの区間に記憶されている。ここで、楽曲B−1の開始アドレスMA09+1は、ROM90121の最終アドレスとなるアドレスMA10よりも小さいアドレス値となり、第1領域を提供するROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11に含まれている。これに対し、楽曲B−1の終了アドレスMA1aは、ROM90121の最終アドレスとなるアドレスMA10よりも大きいアドレス値となり、第2領域を提供する演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12に含まれている。このように、楽曲B−1に対応する音声データは、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と、演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12との双方に、跨がって記憶されている。楽曲B−2に対応する音声データは、パチンコ遊技機901における遊技状態が時短状態である時短中のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA1a+1から終了アドレスMA1cまでの区間に記憶されている。楽曲Xに対応する音声データは、パチンコ遊技機901における遊技状態が大当り遊技状態である大当り中における演出音を再生するために用いられ、開始アドレスMA1g+1から終了アドレスMA11までの区間に記憶されている。楽曲B−2、楽曲Xに対応する音声データは、いずれも音声データ第2記憶エリアR12に記憶されていればよい。
図68(A)に示す楽曲B−1に対応する音声データは、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と、演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12との双方に、跨がって記憶されている。この場合でも、音声データ第1記憶エリアR11と音声データ第2記憶エリアR12は、ROM90121と演出データメモリ90123Aにおいて連続するアドレスが付与された部分に設けられているので、楽曲B−1を再生するときには、他の楽曲を再生するときと同様に、音声データの開始アドレスと終了アドレスを指定して、開始アドレスから順次に読出アドレスを更新するとともに音声データを読み出すことで、楽曲B−1に対応する音声データを適切に読み出すことができる。
図68(B1)〜(B4)は、パチンコ遊技機901において楽曲を再生する動作例を示すタイミング図である。このうち、図68(B1)は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中である「実行」と停止している「停止」の期間を示している。図68(B2)は、パチンコ遊技機901における遊技状態を示している。図68(B3)は、図68(A)に示すような音声データを用いて再生可能な複数の楽曲のうちで、再生の対象となる楽曲を示している。図68(B4)は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12とのうちで、音声データの読み出し対象となる記憶エリアを示している。
図68(B1)に示す可変表示は、タイミングT01となるより前に、実行が開始される。このとき、図68(B2)に示すパチンコ遊技機901における遊技状態は、通常状態となっている。こうした通常状態における飾り図柄の可変表示中に、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されなければ、図68(A)に示す通常時BGMとしての楽曲A−1がループ再生されるように、開始アドレスMA02から終了アドレスMA03までの区間から、楽曲A−1に対応する音声データが読み出される。開始アドレスMA02から終了アドレスMA03までの区間は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11に含まれている。したがって、タイミングT01となるまでは、図68(B3)に示すように再生の対象となる楽曲A−1のループ再生が行われ、図68(B4)に示すように音声データ第1記憶エリアR11が音声データの読み出し対象エリアとなる。
その後、タイミングT01では、スーパーリーチにおけるリーチ演出が開始される。このとき、図66に示すステップS90452の処理にてスーパーリーチ演出開始タイミングであると判定されることで、ステップS90453の処理によりBGMオフ設定が行われる。そして、ステップS90454の処理によりスーパーリーチ演出用の楽曲オン設定が行われる。このように、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行される期間では、図68(A)に示すスーパーリーチ演出用の楽曲A−2が再生されるように、開始アドレスMA03+1から終了アドレスMA05までの区間から、楽曲A−2に対応する音声データが読み出される。開始アドレスMA03+1から終了アドレスMA05までの区間は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11に含まれている。したがって、タイミングT01にてスーパーリーチ演出開始タイミングとなってから、タイミングT02にてスーパーリーチ演出終了タイミングとなるまでは、図68(B3)に示すように楽曲A−2が再生の対象となり、図68(B4)に示すように音声データ第1記憶エリアR11が音声データの読み出し対象エリアとなる。
タイミングT02では、図66に示すステップS90455の処理にてスーパーリーチ演出終了タイミングであると判定される。このときには、ステップS90456の処理によりスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定が行われ、ステップS90457の処理によりBGMオン設定が行われる。その後、タイミングT03では、可変表示結果が「大当り」となったことにもとづいて、図68(B2)に示すように、パチンコ遊技機901における遊技状態が大当り遊技状態に制御される。なお、可変表示結果が「大当り」となる場合などには、タイミングT02からタイミングT03までの期間にて、例えば可変表示結果が「大当り」となることを報知する専用の楽曲が再生されてもよい。可変表示結果が「ハズレ」となる場合でも、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されたことに対応する専用の楽曲が再生されてもよい。あるいは、タイミングT03となるまで、スーパーリーチ演出用の楽曲A−2が継続して再生されてもよい。あるいは、可変表示結果を明確に報知するために、楽曲の再生が一時停止されてもよい。
タイミングT03にて大当り遊技状態になれば、図68(A)に示す大当り中演出用の楽曲Xが再生されるように、開始アドレスMA1g+1から終了アドレスMA11までの区間から、楽曲Xに対応する音声データが読み出される。開始アドレスMA1g+1から終了アドレスMA11までの区間は、演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12に含まれている。したがって、タイミングT03にて大当り遊技状態となってから、タイミングT04にて大当り遊技状態が終了するまでは、図68(B3)に示すように楽曲Xが再生の対象となり、図68(B4)に示すように音声データ第2記憶エリアR12が音声データの読み出し対象エリアとなる。
タイミングT04では、大当り遊技状態が終了して、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態に制御される。このときには、図63に示すステップS90151にてBGM変更タイミングであると判定される。そして、ステップS90152、S153の処理により、図68(A)に示す確変中BGMとしての楽曲B−1がループ再生されるように、開始アドレスMA09+1から終了アドレスMA1aまでの区間から、楽曲B−1に対応する音声データが読み出される。開始アドレスMA09+1から終了アドレスMA1aまでの区間は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12の双方に含まれている。したがって、確変状態にて楽曲B−1をループ再生するときには、音声データの読み出し対象エリアがROM90121の音声データ第1記憶エリアR11となる期間と演出データメモリ90123Aの音声データ第2記憶エリアR12となる期間とがある。例えばタイミングT04からタイミングT08までの期間では、図68(B3)に示すように再生の対象となる楽曲B−1のループ再生が行われる。この期間のうち、タイミングT04からタイミングT05までの期間と、タイミングT06からタイミングT07までの期間では、図68(B4)に示すように音声データ第1記憶エリアR11が音声データの読み出し対象エリアとなる。これに対し、タイミングT05からタイミングT06までの期間と、タイミングT07からタイミングT08までの期間では、図68(B4)に示すように音声データ第2記憶エリアR12が音声データの読み出し対象エリアとなる。タイミングT08以後の期間でも、確変状態が終了するまでの期間、あるいは、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるまでの期間において、確変中BGMとしての楽曲B−1がループ再生されるようにすればよい。
このように、確変状態において確変中BGMとなる楽曲B−1をループ再生するときには、音声データの読み出し対象エリアがROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12とで切り替わる。演出データメモリ121における音声データ第2記憶エリアR12は、ROM90121における音声データ第1記憶エリアR11の最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応している。したがって、CPU90130は、楽曲B−1の開始アドレスMA09+1と終了アドレスMA1aを指定すれば、他の楽曲を再生する場合と同様にアドレスを更新(インクリメント)しつつ音声データを読出可能となり、楽曲B−1に対応する音声データを音声データ第1記憶エリアR11と音声データ第2記憶エリアR12の双方から円滑に読み出して、楽曲B−1を再生させることができる。
図58に示す演出制御メイン処理では、ステップS9056の初期設定処理において演出データ転送処理を実行することにより、各種の演出装置による演出の実行に用いられる演出データのうちで、少なくとも一部の演出データが、例えばROM90121からRAM90122やワークメモリ90131へと転送されたり、演出データメモリ90123A〜90123CなどからVRAM90141などへと転送されたりしてもよい。この場合には、例えば演出データメモリ90123A、90123Bから読み出した画像データをVRAM90141へと転送する制御が開始され、この転送と並行して、可動部材9051〜9054などによる初期動作が実行されてもよい。このように、予め定められた演出データの転送と並行して可動部材の初期動作を実行することで、効率よく演出データの転送を行い、遅延の発生を抑制できる。
あるいは、例えばメイン画像表示装置905MAといった、表示装置による演出の実行に用いられる第1演出データを、例えば可動部材9051〜9054の動作やスピーカ908L、908Rによる音声出力などのように、表示装置による演出とは異なる演出の実行に用いられる第2演出データよりも優先して転送してもよい。この場合には、第2演出データの転送と並行して、既に転送された第1演出データを用いてメイン画像表示装置905MAなどに初期信号を供給する。これにより、効率よく演出データの転送を行い、メイン画像表示装置905MAなどの表示装置による初期表示を、電力供給が開始されてから短時間のうちに開始可能とすることで、表示装置などにおける不安定な表示を抑制できる。
演出データ転送処理では、可動部材の初期動作に用いられる動作用初期データの転送を開始させてから、表示装置の初期表示に用いられる表示用初期データの転送を開始させてもよい。また、演出データ転送処理では、可動部材の通常動作に用いられる動作用通常データの転送を開始させてから、表示装置の通常表示に用いられる表示用通常データの転送を開始させてもよい。こうして、例えば可動部材9051〜9054などのように、第2演出装置による演出の実行に用いられる演出データを、例えばメイン画像表示装置905MAといった、第1演出装置による演出の実行に用いられる演出データよりも優先して転送する。これにより、効率よく演出データの転送を行い、例えば可動部材9051〜9054などによる初期動作を、電力供給が開始されてから短時間のうちに開始可能とすることで、遅延の発生を抑制できる。
図58に示す演出制御メイン処理において、ステップS9056の初期設定処理では、可動部材9051〜9054および装飾部材9057による初期動作を実行する制御が行われてもよい。こうした初期動作として、可動部材9051〜9054を、メイン画像表示装置905MAの表示画面(表示領域)と重ならない第2状態としての退避状態から、メイン画像表示装置905MAの表示画面(表示領域)と重なる第1状態としての進出状態へと変化させてもよい。これにより、例えば不安定な表示が行われるメイン画像表示装置905MAの表示領域を視認困難または視認不可能にすることで、適切に初期動作を実行しつつ、遅延の発生を抑制できる。
あるいは、初期設定処理での制御にもとづく初期動作として、複数の動作パターンを混合してなる初期動作パターンで、可動部材9051〜9054などの演出装置を動作させてもよい。パチンコ遊技機901では、予告演出やリーチ演出において、複数の動作パターンで可動部材9051〜9054および装飾部材9057を動作させることができる。
図69は、演出可動機構9050のうちで、可動部材9051、9052および装飾部材9057を備えた上側機構9050Tにおける初期状態としての退避状態と、上側機構9050Tによる複数の動作パターンを示している。上側機構9050Tが備える可動部材9051、9052は、装飾部材9057に軸支されて回動可能であり、可動部材9051と可動部材9052とで回動範囲が異なっている。すなわち、可動部材9052は、可動部材9051に対して退避した位置と進出した位置とに回動できる。可動部材9051は、複数の発光体が設けられた前面部の後方にベース体が配置される構成を有し、前面部とベース体との間に可動部材9052を保持する。
図69(A)に示すように、上側機構9050Tが初期状態としての退避状態であるときには、可動部材9051の長手方向が略水平方向に沿った状態で上側に位置する。図69(B)に示す動作パターンT1では、図39に示す動作用モータ9060Bの駆動力により、装飾部材9057や可動部材9051は移動させずに可動部材9052を回動させることができる。図69(C)に示す動作パターンT2では、図39に示す動作用モータ9060Aの駆動力により、装飾部材9057の下方への移動に伴い可動部材9051、9052を重なった状態で回動させることができる。図69(D)に示す動作パターンT3では、動作用モータ9060Aの駆動力により装飾部材9057の下方への移動に伴い可動部材9051を回動させるとともに、動作用モータ9060Bの駆動力により可動部材9052を可動部材9051に対して回動させ、可動部材9051の下方に可動部材9052を進出させることができる。
図70は、演出可動機構9050のうちで、可動部材9053、9054を備えた下側機構9050Bにおける初期状態としての退避状態と、下側機構9050Bによる複数の動作パターンを示している。下側機構9050Bが備える可動部材9053、9054は、所定のリンク機構を介して下側支持ユニットのフレームに連結され、図39に示す動作用モータ9060Cの動力により所定範囲で移動することができる。リンク機構には、例えば図70(B)に示すリンク部材90642a、90642bやリンク部材90645a、90645bなどが含まれている。リンク部材90645a、90645bは、一端がフレームに軸支されるとともに、他端が可動部材9054の下端付近に軸支され、可動部材9054の移動をガイドする。
図70(A)に示すように、下側機構9050Bが初期状態としての退避状態であるときには、可動部材9053、9054のそれぞれが下方に位置するとともに、可動部材9053が可動部材9054の後方に位置して、遊技者は可動部材9053をほとんど視認することができない。図70(B)に示す動作パターンB1では、動作用モータ9050Cの駆動力により、可動部材9053が可動部材9054の裏側から若干の回動を伴って上方に移動する。図70(C)に示す動作パターンB2では、動作用モータ9050Cのさらなる駆動力により、可動部材9053の移動に伴って可動部材9054を上方に移動させることができる。
初期動作パターンは、上側機構9050Tを動作パターンT1〜T3で連続して動作させる初期動作と、下側機構9050Bを動作パターンB1、B2で連続して動作させる初期動作とを実行可能にする。上側機構9050Tを動作させる初期動作と、下側機構9050Bを動作させる初期動作は、それぞれの初期動作が順番に実行され、互いの実行期間が重複しないように設定されてもよいし、少なくとも一部の実行期間が重複することで、それぞれの初期動作が並行して実行可能となるように設定されてもよい。それぞれの初期動作が順番に実行される場合でも、初期動作時間が経過するまでに実行される初期動作としては、複数の動作パターンを混合してなる初期動作パターンで可動部材9051〜9054および装飾部材9057を動作させることになる。また、それぞれの初期動作が並行して実行される場合には、初期動作が並行して実行される期間などにおいて、複数の動作パターンを混合してなる初期動作パターンで可動部材9051〜9054および装飾部材9057を動作させる。
このように、複数の動作パターンを混合してなる初期動作パターンで可動部材9051〜9054および装飾部材9057を動作させる。これにより、パチンコ遊技機901の電力供給が開始されたときに、遊技の実行に伴う演出に対応した複数の動作パターンで演出装置を動作させることができ、適切に動作確認を行うことができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機901は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、図58に示すステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS9060による原点異常の報知を行わないようにする。すなわち、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合に可動部材の異常報知を実行可能とする一方、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合には可動部材の異常報知を行わないように制御する。これとともに、図58に示すステップS9054にて主基板9011との接続なしと判定し、なおかつ図61(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS90206の更新表示によりチェックサムの演算内容などを表示するように制御される。すなわち、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011の両方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合にはチェックサムの演算結果などを表示可能とする一方、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011のいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合にはチェックサムの演算結果などの表示を行わないように制御する。しかしながら、これに限定されず、可動部材の異常報知を実行可能とするか否かの制御と、チェックサムの演算結果などを表示可能とするか否かの制御とのうちで、少なくともいずれか一方を実現可能に構成されたものであればよい。
以下では、まず、可動部材の異常報知に関する変形例を説明する。上記実施の形態では、図58に示す演出制御メイン処理のステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合に、ステップS9058、S9059の処理を、ステップS9060の処理とともに実行しないようにすることで、可動部材の異常報知だけでなく、原点位置の確認も行わないように制御するものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、例えば中継未接続フラグがオンである場合にもステップS9058、S9059の双方またはステップS9058のみを、実行するようにしてもよい。すなわち、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合には、可動部材位置センサ9061からの位置検出信号にもとづいて可動部材9051〜9054の原点位置を確認したり、原点異常の有無を判定したりする一方で、原点異常が発生した場合に可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。
あるいは、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合にも可動部材の異常報知を行うことができる一方で、異常報知の報知態様は、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合における異常報知の報知態様と比べて、認識しにくい報知態様となるようにしてもよい。例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示により可動部材の異常報知が行われる場合には、画像の表示サイズを小さくすること、画像の透明度を高めること、画像の表示期間を短縮すること、画像の表示回数を減少させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、可動部材の異常報知を認識しにくい報知態様とすることができればよい。複数の演出装置を用いて報知動作が行われる場合に、報知動作に用いられる演出装置の数を減少させることによって、可動部材の異常報知を認識しにくい報知態様としてもよい。このように、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されているか否かという接続状態の範囲を定めるとともに、可動部材の異常報知を実行しないという異常報知の限界を定めること、あるいは認識しにくい報知態様で実行するという異常報知の限界を定めることで、接続状態に応じて可動部材の異常報知に制限を設けたものであればよい。
上記実施の形態では、図58に示す演出制御メイン処理において、中継未接続フラグがオンである場合でもステップS9056の初期設定処理において可動部材の初期動作を実行可能にするものとして説明した。これに対し、中継未接続フラグがオンである場合には、可動部材の初期動作を実行しないように制御してもよい。すなわち、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合に可動部材の初期動作を実行可能とする一方で、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合には可動部材の初期動作を行わないように制御してもよい。
上記実施の形態では、演出制御用中継基板9016Aのように、演出制御基板9012とハーネスHN1を介して直接的に(他の基板を介することなく)接続される基板について、演出制御基板9012と未接続状態である場合に可動部材の異常報知を行わないように制御するものとして説明した。これに対し、例えば駆動制御基板9016Bのように、演出制御用中継基板9016Aといった他の基板を介して演出制御基板9012と間接的に接続される基板について、演出制御基板9012と未接続状態である場合に可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。
上記実施の形態では、可動部材9051〜9054などを移動させる駆動力を提供する動作用モータ9060A〜9060Cと、可動部材9051〜9054の動作状態などを検出する可動部材位置センサ9061とが、いずれも駆動制御基板9016Bに接続されるものとして説明した。これに対し、動作用モータ9060A〜9060Cが接続される基板と、可動部材位置センサ9061が接続される基板とを、別個に設けた構成としてもよい。例えば、動作用モータ9060A〜9060Cは駆動制御基板9016Bに接続される一方で、可動部材位置センサ9061は駆動制御基板9016Bとは異なるセンサ基板に接続されるように構成されてもよい。この場合には、演出制御基板9012と直接的または間接的に接続可能な複数の基板について、それぞれの接続状態に応じて異なる制御が行われるようにしてもよい。一例として、演出制御基板9012と駆動制御基板9016Aとが直接的または間接的に接続されている一方で、演出制御基板9012とセンサ基板とが未接続状態である場合には、可動部材の初期動作を実行する一方で、可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。また、演出制御基板9012と駆動制御基板9016Aとが未接続状態である一方で、演出制御基板9012とセンサ基板とが直接的または間接的に接続されている場合には、可動部材の初期動作を実行しない一方で、可動部材の異常報知を行うように制御されてもよい。
上記実施の形態では、可動部材9051〜9054などの可動部材における状態を検出する構成として、可動部材位置センサ9061を用いて、可動部材9051〜9054の位置などを検出可能にするものとして説明した。これに対し、可動部材における任意の状態を検出可能とし、その検出結果にもとづいて可動部材の異常報知を実行可能なものであればよい。例えば、可動部材9051〜9054の速度、加速度、移動量、回転量、動作時間、形状、温度、あるいは、これらの一部または全部を、直接的または間接的に検出可能なセンサなどを所定位置に設定して、その検出結果にもとづいて可動部材の異常報知を実行可能とするものであればよい。また、可動部材9051〜9054などの可動部材における状態とともに、あるいは、可動部材における状態に代えて、動作用モータ9060A〜9060Cのような可動部材を変化(移動)させる駆動力を供給する駆動機構における任意の状態を検出可能とし、その検出結果にもとづいて異常報知を実行可能なものであってもよい。動作用モータ9060A〜9060Cに代えて、例えばソレノイドといった駆動力を供給する任意の駆動機構により、可動部材を変化(移動)させるものであってもよい。このように、任意の駆動機構における任意の状態を検出可能とし、その検出結果にもとづいて異常報知を実行可能なものであってもよい。
上記実施の形態では、図58に示す演出制御メイン処理のステップS9058にて可動部材9051〜9054などの原点位置を確認し、ステップS9059にて原点異常があると判定された場合に、ステップS9060により原点異常が発生したことを報知するものとして説明した。このような可動部材の初期設定における異常報知とともに、あるいは、可動部材の初期設定における異常報知に代えて、例えば図58に示すステップS9065の演出制御プロセス処理で可動部材9051〜9054の状態などを検出した結果にもとづいて、可動部材の異常報知を実行可能とするものであってもよい。こうした可動部材の通常動作中における異常報知について、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合に可動部材の異常報知を実行可能とする一方、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合には可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。
上記実施の形態では、可動部材9051〜9054のように、演出用の可動部材について異常報知を実行可能なものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、パチンコ遊技機901における遊技の進行に応じて動作可能な任意の可動部材について異常報知を実行可能なものであってもよい。例えば、図39に示す普通電動役物用のソレノイド9027や大入賞口扉用のソレノイド9028を駆動するための配線は、ソレノイド中継基板を介して主基板9011に接続されてもよい。また、普通可変入賞球装置906Bに設けられた可動翼片の動作状態を検出するためのセンサや特別可変入賞球装置907に設けられた大入賞口扉の動作状態を検出するためのセンサによる検出信号を伝送するための配線が、ソレノイド中継基板またはセンサ中継基板を介して、主基板9011に接続されてもよい。このような構成において、主基板9011とソレノイド中継基板またはセンサ中継基板とが接続されている場合に可動翼片や大入賞口扉の異常報知を実行可能とする一方、主基板9011とソレノイド中継基板またはセンサ中継基板とが未接続状態である場合には可動翼片や大入賞口扉の異常報知を行わないように制御してもよい。あるいは、払出制御基板と発射制御基板とが接続されている場合に発射モータの異常報知を実行可能とする一方、払出制御基板と発射制御基板とが未接続状態である場合には発射モータの異常報知を行わないように制御してもよい。
さらに、可動部材について異常報知を実行可能なものに限定されず、任意の回路や装置その他の素子について異常報知を実行可能なものであってもよい。異常報知に限定されず、任意の出力を可能なものであってもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとの接続状態といった、複数の基板間における接続状態に応じて、異常報知の有無を異ならせるものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、例えば単一の基板内あるいは基板外に設けられた任意の回路や装置その他の素子における接続状態に応じて、異常報知の有無を異ならせるものであってもよい。すなわち、互いに接続可能な第1接続部と第2接続部とが設けられた構成において、第1接続部と第2接続部とが接続されている場合に任意の異常報知を実行可能とする一方、第1接続部と第2接続部とが未接続状態である場合には異常報知を行わないように制御するものであればよい。異常報知に限定されず、互いに接続可能な第1接続部と第2接続部とが設けられた構成において、第1接続部と第2接続部とが接続されている場合に任意の出力を可能とする一方、第1接続部と第2接続部とが未接続状態である場合には出力を行わないように制御するものであってもよい。また、基板どうしの未接続状態や、接続部どうしの未接続状態としては、少なくとも一部の配線が接続されており他の一部の配線が未接続である状態を含むものであってもよい。
次に、チェックサムの演算結果などを表示する場合の変形例を説明する。上記実施の形態では、図58に示すステップS9054にて主基板9011との接続なしと判定された場合に、ステップS9055にてメモリ検査処理を実行し、図61(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオフであると判定された場合にはステップS90206の処理を実行しないようにすることで、チェックサムの演算結果などを表示しないように制御するものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、図58に示すステップS9054にて主基板9011との接続なしと判定された場合でも、中継未接続フラグがオフである場合には、ステップS9055のメモリ検査処理が実行されないようにしてもよい。すなわち、演出制御基板9012と主基板9011とが未接続状態でも、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合には、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納された演出データを用いたチェックサムの演算そのものが実行されず、これに伴い演算結果などの表示が行われないように制御してもよい。また、図58に示すステップS9054では、中継未接続フラグがオンであるか否かを判定して、オンであると判定された場合にはステップS9055のメモリ検査処理を実行してもよい。この場合には、図61(A)に示すステップS90205にて主基板9011との接続があるか否かを判定し、接続なしと判定された場合にはステップS90206によりチェックサムの演算結果などを表示可能とする一方、接続ありと判定された場合にはステップS90206の処理を実行しないことで、チェックサムの演算結果などを表示しないように制御してもよい。このように、主基板9011および演出制御用中継基板9016Aのいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムを演算する処理そのものを実行しないことでチェックサムの演算結果などを表示しないように制御してもよいし、チェックサムを演算する処理は実行するもののチェックサムの演算結果などは表示しないように制御してもよい。
あるいは、主基板9011および演出制御用中継基板9016Aのいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合にもチェックサムの演算結果などを表示することができる一方で、その表示態様は、主基板9011および演出制御用中継基板9016Aの両方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合における表示態様と比べて、認識しにくい表示態様となるようにしてもよい。例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示によりチェックサムの演算結果などを表示する場合には、画像の表示サイズを小さくすること、画像の透明度を高めること、画像の表示期間を短縮すること、画像の表示回数を減少させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、チェックサムの演算結果などを認識しにくい表示態様で表示することができればよい。このように、主基板9011および演出制御用中継基板9016Aの両方と演出制御基板9012とが未接続状態であるか主基板9011および演出制御用中継基板9016Aのいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態であるかという接続状態の範囲を定めるとともに、チェックサムの演算結果などを表示しないという表示の限界を定めること、あるいは認識しにくい表示態様で表示するという表示の限界を定めることで、接続状態に応じて表示に制限を設けたものであればよい。
上記実施の形態では、主基板9011は中継基板9015を介して間接的に演出制御基板9012と接続される一方、演出制御用中継基板9016AはハーネスHN1を介して直接的に(他の基板を介することなく)演出制御基板9012と接続されるものとして説明した。これに対し、例えば駆動制御基板9016Bのように、演出制御用中継基板9016Aといった他の基板を介して演出制御基板9012と間接的に接続される複数の基板について、それらの全部と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果などを表示可能とし、それらの一部と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果などを表示しないように制御してもよい。あるいは、演出制御基板9012と直接的に接続可能な複数の基板について、それらの全部と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果などを表示可能とし、それらの一部と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果などを表示しないように制御してもよい。
上記実施の形態では、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納された演出データが正常であるか否かを判定する判定処理として、図61(A)に示すようなメモリ検査処理におけるステップS90204にてチェックサムを演算し、その演算結果などを表示可能にするものとして説明した。これに対し、データの判定手法については、チェックサムの演算に限定されず、任意の判定手法を採用することも可能である。チェックサムの演算では、1番地のデータ毎に排他的論理和を演算するものに限定されず、複数番地のデータを演算単位として、排他的論理和などを演算するものであってもよい。
上記実施の形態では、ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cの全部を対象として、記憶データのチェックサムを演算し、その演算結果などを表示可能にするものとして説明した。これに対し、ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cの一部を対象として、記憶データのチェックサムを演算し、その演算結果などを表示可能なものとしてもよい。ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cにおける記憶内容に応じて、チェックサムの演算対象とするか否かを異ならせてもよい。例えばROM90121の第1記憶エリアに記憶された演出制御用のプログラムおよび各種の管理データと、演出データメモリ90123A、90123Bに記憶された画像データについては、チェックサムの演算対象として、その演算結果などを表示可能とする一方、ROM90121の第2記憶エリアに記憶された音声データや、演出データメモリ90123Aに記憶された画像データ以外の音声データ、演出データメモリ90123Cに記憶されたモータデータおよび発光データについては、チェックサムの演算対象とならず、演算結果などの表示が行われないようにしてもよい。予め定められた演算条件の成立状況に応じて、いずれの記憶データを用いたチェックサムを演算するかの設定を異ならせてもよい。例えばプッシュボタン9031Bが押下された状態で電源投入が行われた場合には、ROM90121の記憶データを用いてチェックサムを演算し、その演算結果などを表示可能とする一方、演出データメモリ90123A〜90123Cの記憶データを用いたチェックサムの演算は行われないようにしてもよい。
上記実施の形態では、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cといった、演出制御基板9012に搭載されて演出の実行に用いられる演出データを記憶可能な記憶装置について、その記憶データが正常であるか否かの判定結果を表示可能にするものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、パチンコ遊技機901における任意の制御に用いられる制御データを記憶可能な記憶装置について、その記憶データが正常であるか否かの判定結果を表示可能にするものであってもよい。例えば、主基板9011に搭載されてパチンコ遊技機901における遊技の制御に用いられる制御データ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)を記憶可能なROM90101について、その記憶データが正常であるか否かの判定結果を表示可能なものであってもよい。この場合には、例えば払出制御基板や情報端子基板といった、主基板9011と接続可能な複数の基板のうちで、第2基板および第3基板となるものを予め設定しておけばよい。そして、第2基板および第2基板の両方と主基板9011とが未接続状態である場合に、ROM90101の記憶データを用いたチェックサムの演算結果など、記憶データの判定結果をメイン画像表示装置905MAなどの表示装置にて表示可能とし、第2基板および第3基板のいずれか一方と主基板9011とが未接続状態である場合に、記憶データの判定結果の表示を行わないように制御してもよい。また、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cのような不揮発性記録媒体の記憶データが正常であるか否かを判定するものに限定されず、例えばRAM90122やワークメモリ90131のような揮発性記録媒体の記憶データが正常であるか否かを判定し、その判定結果を表示可能とするものであってもよい。
上記実施の形態では、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011と演出制御基板9012との接続状態といった、複数の基板間における接続状態に応じて、記憶データの判定結果となるチェックサムの演算結果などを表示するか否かを異ならせるものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、例えば単一の基板内あるいは基板外に設けられた任意の回路や装置その他の素子における接続状態に応じて、記憶データの判定結果を表示するか否かを異ならせるものであってもよい。すなわち、第1接続部と接続可能な第2接続部および第3接続部が設けられた構成において、第2接続部および第3接続部の両方と第1接続部とが未接続状態である場合に、記憶データを用いた判定処理による判定結果を表示可能とし、第2接続部および第3接続部のいずれか一方と第1接続部とが未接続状態である場合に、記憶データを用いた判定処理による判定結果の表示を行わないように制御するものであってもよい。記憶データを用いた判定処理による判定結果の表示に限定されず、第1接続部と接続可能な第2接続部および第3接続部が設けられた構成において、第2接続部および第3接続部の両方と第1接続部とが未接続状態である場合に、任意のデータを用いた任意の処理結果を出力可能とし、第2接続部および第3接続部のいずれか一方と第1接続部とが未接続状態である場合に、任意のデータを用いた任意の処理結果を出力しないように制御するものであってもよい。
その他にも、様々な変形や応用が可能である。例えば、接続状態を確認するための構成は、図59(A)、(B)に示した端子TM22、TN22のような接続確認用端子における電圧を用いるもの、あるいはコマンド受信の有無を判定するものに限定されず、例えばスイッチやセンサなどを用いて、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、接続状態を確認可能な任意の構成としてもよい。
上記実施の形態では、図56に示すステップS90102の処理にて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行い、確変状態とする決定にもとづいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことにもとづいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「16」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機901は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことにもとづいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
パチンコ遊技機901としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことにもとづいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。このようなパチンコ遊技機901において、図58に示すような演出制御メイン処理や図61(A)に示すようなメモリ検査処理が実行されることにより、可動部材の異常報知を実行可能とするか否かの制御と、チェックサムの演算結果などを表示可能とするか否かの制御とのうちで、少なくともいずれか一方を実現可能に構成されたものであってもよい。
上記の形態は、パチンコ遊技機901に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果にもとづいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機901が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。すなわち、スロットマシンにおいて、図58に示すような演出制御メイン処理や図61(A)に示すようなメモリ検査処理が実行されることにより、可動部材の異常報知を実行可能とするか否かの制御と、チェックサムの演算結果などを表示可能とするか否かの制御とのうちで、少なくともいずれか一方を実現可能に構成されたものであってもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生にもとづいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生にもとづいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機901やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上に説明したように、上記実施の形態では、例えば図58に示すステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS9060による原点異常の報知を行わないようにする。これに対し、ステップS9057にて中継未接続フラグがオフであると判定した場合には、ステップS9060による原点異常の報知を実行可能である。こうして、演出制御基板9012のような第1基板と、演出制御用中継基板9016Aのような第2基板とが未接続状態である場合に、可動部材の異常報知を行わないように制御することで、製造段階や開発段階で頻繁に異常報知が実行されることを防止して、作業効率を向上できる。
図59(A)、(B)に示すコネクタCN01、CN11は、それぞれ接続確認用端子となる端子TM22、TN22を含み、図58に示すステップS9052などでは、こうした接続確認用端子における電圧にもとづいて接続状態を確認する。これにより、簡素な構成で接続状態を確認できる。
上記実施の形態では、例えば図58に示すステップS9054にて主基板9011との接続なしと判定し、なおかつ図61(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS90206の更新表示によりチェックサムの演算内容などを表示するように制御される。これに対し、ステップS9054にて主基板9011との接続ありと判定された場合や、図61(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオフであると判定した場合には、ステップS90206の更新表示が行われず、チェックサムの演算内容などを表示しないように制御される。こうして、演出制御基板9012のような第1基板と、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011のような第2基板および第3基板とを備える構成において、第2基板および第3基板のいずれか一方と第1基板とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果といった判定処理による判定結果の表示を行わないように制御することで、検査用の出力を適切に抑制できる。これにより、例えば遊技店に設置された状態で偶発的に第2基板および第3基板のいずれか一方と第1基板とが未接続状態(一時的なケーブル抜け)となって電源が投入された状況において、チェックサムの演算結果などの判定処理による判定結果の表示が行われないことによって、遊技店側での故障の誤認の発生を抑制できる。
さらに、例えば図41(A)に示すようなROM90121には音声制御に用いられる音声データが記憶され、図41(B1)に示すような演出データメモリ90123Aには表示制御などに用いられる画像データが記憶されるところ、ROM90121の最終アドレスから連続した演出データメモリ90123Aの特定アドレス範囲に対応する記憶エリアにも、音声データが記憶されている。こうして、音声データのような第1制御データを第1領域の最終アドレスから連続した第2領域の特定アドレス範囲に対応する領域にも記憶させることで、記憶領域を有効に活用して製造コストを低減するとともに、制御データを円滑に読み出して適切な制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。