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JPH0620092A - 文書画像の領域識別方法 - Google Patents

文書画像の領域識別方法

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JPH0620092A
JPH0620092A JP4178192A JP17819292A JPH0620092A JP H0620092 A JPH0620092 A JP H0620092A JP 4178192 A JP4178192 A JP 4178192A JP 17819292 A JP17819292 A JP 17819292A JP H0620092 A JPH0620092 A JP H0620092A
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高志 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 文書画像の文字列、コラムの抽出精度を上げ
る。 【構成】 文書画像の縮小画像を生成し(102)、文
書画像の傾きを検出し(106)、縮小画像より文字候
補としての黒画素連結成分を抽出し(103,10
4)、文字候補黒画素連結成分の近接するものを統合し
て文字列領域を求め(105)、空白セパレータを抽出
し(107)、文書画像の傾き情報を利用しまた空白セ
パレータを領域分割線として扱って、文字列領域の文字
列への統合と文字列のコラムへの統合を行なう(10
8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文書画像の領域識別に
係り、特に、縦書き文書または横書き文書の画像上の文
字列、文章領域(コラム)の識別に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、周辺への黒画素の射影ヒストグラ
ムを利用し、黒画素の分布の高い部分を文字列の範囲と
する方法が知られている(秋山,増田 「周辺分布、線
密度、外接矩形特徴を併用した文書画像の領域分割」
電子通信学会論文誌、’86/8 Vol.J69−D
No.8,pp.1187−1195)。
【0003】また、本発明に関連するものとして、平成
3年第128340号特許出願に係る文字領域抽出方法
がある。この方法は、文書画像の縮小画像上のスキャン
ラインの白、黒ランを抽出し、「ぼかし」処理によっ
て、長い白ランで区切られた黒ランと短い白ランの繋っ
た範囲を抽出し、この範囲で上下に連絡するランの集合
をブロックとして抽出する。そして、ブロックの中で文
字列の領域と見做されるブロックを文字列に統合し、さ
らに文字列をコラムに統合する。予め文書画像の傾きを
検出し、この傾きを文字列統合及びコラム統合の際に考
慮することによって、文書画像の傾きの影響を排除す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記論文の方法では、
入力した文書画像に傾きがある場合、文字列の方向が射
影面に垂直でなくなるため正常な処理を期待できないの
で、文書画像の傾きを補正する処理が必要となる。しか
し、この傾き補正処理は画像全体に対する処理であるた
め、処理量が非常に多くなるという問題がある。また、
文章領域以外の領域(写真領域等)が混在した文書画像
の場合に、射影ヒストグラム上で文字列と写真領域等の
黒画素の分布が混同し、識別が困難になることがある。
さらに、ワープロ文書のように文字間隔が広い文書画像
の場合に、文字間の空白部がコラム間空白部と誤って抽
出され、その結果として一つの領域であるべきコラムが
分割されてしまうことがある。
【0005】前記特許出願に係る方法では、画像の傾き
を考慮しながら文字列への統合、コラムへの統合を行な
うことで、処理量の多い画像の傾き補正処理を不要にで
きるとともに、写真と文字の混在にも強いが、改良すべ
き点もある。すなわち、文字領域と文字以外の領域が非
常に接近している場合に対応できない。これは「ぼか
し」処理を行なうためである。また、近接したコラム領
域の融合や、文字間隔の広い行の未統合が起こる場合が
ある。
【0006】よって本発明の目的は、前記従来技術の弱
点を改善し、文書画像の文字列、コラム領域の識別のた
めのより優れた方法を提供すること、より具体的には、
前記特許出願に係る方法の利点を活かしつつ、その問題
点を解消する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明によれば、文書画像の縮小画像を生
成するステップと、文書画像の傾きを検出するステップ
と、縮小画像より文字候補としての黒画素連結成分を抽
出するステップと、文字候補としての黒画素連結成分の
近接するものを統合し文字列領域を得るステップと、文
書画像の傾き情報を利用し文字列領域を文字列方向へ統
合して文字列を得るステップと、文書画像の傾き情報を
利用し文字列をコラムに統合するステップとによって、
文書画像の領域識別がなされる。
【0008】また請求項2の発明によれば、文書画像を
文字列方向に複数の帯に分割し、各帯毎に文字列方向と
垂直の方向への文字列領域の射影をとることによって、
ある値以上かつある値以下の幅を持つ空白部を抽出し、
この空白部の繋りからなる空白セパレータを、文書画像
の傾き情報を利用して抽出するステップが導入され、そ
して、この空白セパレータが、文字列への統合とコラム
への統合の際に領域分割線、すなわち黒画素からなる本
来のセパレータとして扱われる。
【0009】
【作用】請求項1の発明によれば、前記特許出願に係る
方法と同様に、処理量の多い文書画像そのものの傾き補
正を行なわずに、傾きのある文書画像に対しても文字
列、コラムの識別抽出が可能である。しかも、前記特許
出願に係る方法と違って「ぼかし」処理を行なわないた
め、非常に接近した文字と文字以外の領域も分離可能に
なる。
【0010】請求項2の発明によれば、空白セパレータ
を抽出し、これを領域分割線ため本来のセパレータと同
様に扱うため、新聞のようなコラム間距離の狭い文書
や、ワープロ作成文書のような文字間距離の広い文書に
おいても、コラム間の融合や文字列の分離を防ぎ、正確
に文字列、コラムの識別抽出を行なうことができる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例のブロック図であ
る。101は文書の画像を2値画像として入力するスキ
ャナ等の画像入力部、102は入力画像の縮小画像を生
成する画像縮小部、103は縮小画像から黒画素連結成
分を抽出する連結成分抽出部、104は抽出された黒画
素連結成分の種類を判別する連結成分判別部、105は
文字候補として判別された黒画素連結成分の近接するも
のを統合して文字列領域を得る文字候補連結成分統合
部、106は入力画像の傾きを検出する画像傾き検出
部、107は本来の黒画素によるセパレータ(領域分割
線)と同様に扱われる空白部の繋り(空白セパレータ)
を検出する空白セパレータ検出部、108は文字列領域
の文字列への統合及び文字列のコラム領域への統合を行
なう文字領域統合部、109は抽出された黒画素連結成
分や空白セパレータ、統合された文字列、コラム等の各
種データを一時的に記憶するためのデータ記憶部、11
0は各部の動作を制御することによってシステム全体の
動きを統括する制御部である。111は各部間のデータ
や制御情報の伝達のためのシステムバスである。
【0012】図2は本実施例の全体処理フローを示す。
以下、図2に沿って処理内容を説明する。
【0013】まず画像入力部101によって文書を2値
画像として入力する(ステップ201)。次に、画像縮
小部102によって入力画像の縮小画像を生成する(ス
テップ202)。この縮小は、例えば400dpiの入
力画像の8×8画素の論理和を縮小画像の1画素とする
方法による。そして、連結成分抽出部103で、縮小画
像上の黒画素連結成分を外接矩形として抽出する(ステ
ップ203)。さらに連結成分判別部104において、
抽出された黒画素連結成分を、その大きさ、形状(縦横
比等)等によって文字候補、縦横セパレータ(本来の黒
画素からなる領域分割線)、写真または図等に分類判別
する(ステップ204)。
【0014】文字候補に分類された黒画素連結成分につ
いて、文字列方向に近接するものを統合する処理を文字
候補連結成分統合部105で行なう。これがステップ2
05の一次統合処理である。
【0015】この一次統合処理によって得られた文字列
領域に対応する入力画像の範囲内の黒画素連結成分の配
置から、入力画像の傾きを検出する(ステップ20
6)。ただし、傾き検出は他の適当な方法を用いてよい
(例えば前記特許出願の明細書を参照)。
【0016】次に、空白セパレータ検出部107におい
て、一次統合処理によって得られた文字列領域と画像の
傾き角度の情報に基づき空白セパレータを抽出する(ス
テップ207)。この処理の内容を図3並びに図4ない
し図7を参照して説明する。画像を文字列方向の帯状領
域に分割する(ステップ207a)。縦書き文書の場合
には縦方向(文字列方向)に分割し、横書き文書の場合
には横方向に分割する。
【0017】図4に帯分割の例を示す。この画像300
は横書きであるので、横方向の帯301〜309に分割
される。310は文字列、311は図形領域である。な
お、画像の傾きは無視する。この例の画像300は右上
がりに傾いているが、水平に帯分割を行なう。広い空白
部で区切られた文字列310の集合がコラムである。こ
の例では、文字列が1個のものを含め4個のコラムがあ
る。
【0018】次に帯毎に、その範囲に一部でも重なる文
字列領域(一次統合処理によって得られた領域)の高さ
のヒストグラムを作成し、その最頻値を標準文字サイズ
として求め、この標準文字サイズに所定値(例えば1.
1程度の値)を掛けることによって空白部閾値thaを
決定する(ステップ207b)。
【0019】次に、帯毎に、それに一部でも重なりのあ
る文字列領域について帯に垂直な方向の射影をとったと
きに、文字列領域が存在しない空白部の中で、先に決定
した空白部閾値tha以上の幅の空白部だけを抽出する
(ステップ207c)。
【0020】図5は、この空白部抽出の説明のための図
である。406は一つの帯、401〜414は帯406
に一部でも重なりのある文字列領域である。427は帯
426に関する垂直射影に相当するもので、415〜4
19は文字列領域が存在する領域、420〜425は文
字列領域が存在しない空白部である。このような空白部
の中から閾値tha以上の幅のものだけを抽出する。た
だし、空白部をすべて、その幅と無関係に抽出させる実
施例も可能である。
【0021】抽出された空白部の繋りを探ることによっ
て空白セパレータ候補を得る(ステップ207d)。図
6を例に説明する。501〜507は帯であり、無地の
部分が抽出された空白部を示している。508は画像の
傾き角度に合わせた射影面である。処理は上の帯から順
に行なう。まず帯501から帯502にかけて射影面5
08に対し共通部分を持つ空白部を抽出し、その共通部
を空白セパレータ候補とする(図6では509,51
0,512の各部)。
【0022】次に、この空白セパレータ候補と射影面5
08に対して共通部を持つ、閾値thb以上かつ閾値t
hc以下の幅の空白部を帯503において探す。この閾
値thcは予め決めた固定値(例えば入力画像上での3
cmに相当する値)としてもよいし、先の空白部選別の
ための閾値thaの数倍程度の値としてもよい。要は、
そのような条件を満たす空白部は、ある程度以上の幅
で、かつコラム間の空白よりも十分に広く、その後の処
理で文字列間の統合が行なわれないような大きさであれ
ばよい。
【0023】そのような条件を満たす空白部が見つかっ
た空白セパレータ候補は下へ延長するが、見つからなか
った空白セパレータ候補はそこで終りにする。したがっ
て、図6の空白セパレータ候補511は帯503の手前
で終了するが、他の空白セパレータ候補509,51
0,512は延長する。また、どの空白セパレータ候補
とも共通部を持たない空白部があれば、そこから新たに
空白セパレータ候補を発生させる。図6では、帯503
でそのような空白セパレータ候補513ができる。同様
の処理を順次下の帯へと繰り返す。
【0024】図6の帯507において、空白セパレータ
候補509,510と共通部を持つ空白部514があ
る。しかし、この空白部514は閾値thcを超える大
きな幅を持つため、空白候補セパレータ509,510
は帯506で終わりにする。図6の例では空白セパレー
タ候補509,510,512が最終的に得られる。
【0025】次に、検出された空白セパレータ候補か
ら、その長さが閾値thd(例えば帯の高さの3倍程
度)以上のもののみを空白セパレータとして選択する
(ステップ207e)。図6では、空白セパレータ候補
509,510,512が空白セパレータとしての条件
を満たす。
【0026】この条件判定により選別された空白セパレ
ータをすべて有効なものとして採用してもよい。しかし
本実施例においては、後続処理の処理量をできるだけ減
らすために、無駄あるいは有害な空白セパレータを除去
し、最終的な空白セパレータを決定する(ステップ20
7f)。
【0027】ここでは、まず画像の端部に位置する空白
セパレータを除去する。図6では、両端の空白セパレー
タ509,512が除去され、空白セパレータ510だ
けが残る。
【0028】また、二つの空白セパレータが非常に近接
している場合、その中の短いほうの空白セパレータを除
去する。図7の例では、非常に近接した空白セパレータ
552,553の中で空白セパレータ553が除去され
る。
【0029】さらに、注目した空白セパレータに対し
て、標準文字サイズから求めた閾値(通常の文字行に含
まれる文字数を考慮し、標準文字サイズの10倍程度)
以下の距離内に、ある本数以上の空白セパレータがある
場合、注目した空白セパレータを除去する。図7の例で
は、空白セパレータ555から閾値距離557,558
の範囲内に空白セパレータ554,556があるので、
空白セパレータ555を除去する。したがって、図7の
例では、空白セパレータ552,554,556が最終
的に抽出されることになる。551は画像領域を示す。
【0030】このようにして図2の空白セパレータ抽出
処理ステップ207を終わると、文字領域統合部108
で、空白セパレータを本来の黒画素によるセパレータ
(分割線)と同様に扱い、また画像の傾き情報も考慮し
て、文字列のさらなる統合と、文字列のコラムへの統合
(ステップ209)を実行する。
【0031】ステップ208の文字列領域二次統合処理
について説明する。図8はその処理フロー図、図9及び
図10は処理内容の説明図である。
【0032】図9において、603は処理しようとして
いる文字列領域(図2のステップ205により文字候補
連結成分を統合した領域)、602はその時点までに作
成された文字列、601は文字列602の右端にある文
字列領域である。なお、この図では、横書きの文書を想
定し、これがスキャンラインに対して角度θだけ右上が
りに傾いているとしている。
【0033】まず、未処理の文字列領域603を次の処
理対象として選択し(ステップ208a,208b)、
作成済み文字列602の左端または右端にある文字列領
域、ここでは右端の文字列領域601との結合を試みる
(ステップ208c)。次の条件をすべて満足した場合
に結合することができる。
【0034】条件1:文字列領域間の距離(604)が
閾値以下である。 条件2:文字列領域の上下の実効範囲(文字列領域60
1については線605−606の範囲、文字列領域60
3については線607−608の範囲)に重なりがあ
る。 条件3:各文字列領域の上下の実効範囲から求めた文字
サイズ(610,611)の差が閾値以下である。 条件4:文字列領域間にコラムを仕切る分割線すなわち
セパレータが存在しない。ただし、先に抽出された空白
セパレータも、本来の黒画素によるセパレータと同様に
扱う。
【0035】ここで文字列領域の上下の実効範囲につい
て説明する。画像が傾いている場合には、文字列領域の
高さは実際の文字の高さよりも大きくなるので、画像の
傾きθを考慮して実際の文字の示す範囲を表わしたもの
が、この実効範囲である。
【0036】すなわち、文字列領域601の横幅の中心
位置612、文字列領域601の右端から文字列領域の
高さ613だけ離れた位置614、同様に文字列領域6
01の左端から文字列領域高さ613だけ離れた位置6
15を考える。そして、画像が右上がりに傾いている場
合、文字列領域601内の一番上の文字候補連結成分の
左上端616を通る傾きθの線605と、文字列領域6
01内の一番下の文字候補連結成分の右下端617を通
る傾きθの線606との間が文字列領域601の上下の
実効範囲となる。
【0037】ただし、図7の(b)に示すように、左上
端616が位置615より左側にあるときには、線60
5は文字列領域601の外接矩形上の点618を通る傾
きθの線に修正される。逆に、図7の(c)に示すよう
に、一番上の文字候補連結成分の左上端616が位置6
14より右側にあるとは、線605は文字列領域601
の外接矩形上の点619を通る傾きθの線に修正され
る。一番下の文字候補連結成分の右下端617が位置6
14−615の範囲を外れたときには、線606を同様
に修正する。
【0038】なお、画像が右下がりに傾いている場合
は、図7(a)を左右反転した形で上下の実効範囲を求
めればよい。つまり、線605は一番上の文字候補連結
成分の右上端を通る線、線606は一番下の文字候補連
結成分の左下端を通る線とすればよい。その修正も同様
に考えればよい。
【0039】処理しようとする文字列領域603につい
ては、その左上端を通る傾きθの線607と左下端を通
る傾きθの線608の間を上下の実効範囲とし、線60
7,608の距離611を文字サイズとする。そして、
文字列領域601,603を結合した場合、それによっ
て更新後の文字列622の上下の実効範囲は、更新前文
字列602の実効範囲(線623−624)と文字列領
域603の実効範囲(線607−608)の和、すなわ
ち線623−608となる。
【0040】さて、前記条件1〜4を全て満足すること
によって文字列領域が文字列に結合された場合は、ステ
ップ208dからステップ208aに戻り、次の未処理
の文字列領域について同様の処理を試みる。条件1〜4
のいずれか一つでも満たさない場合は結合することがで
きないので、その文字列領域を要素とする新しい文字列
を作成し(ステップ208e)、再びステップ208a
より処理を続ける。このような処理は、ステップ208
bで未処理の文字列領域がなくなったと判断されるまで
続けられる。
【0041】図10(a)に、ステップ208a〜20
8eによる文字列領域の結合の例を示す。文字列領域7
01,702,703,704は、この順に結合され、
それらの間にリンク705,706,707が張られ
る。
【0042】さて、ステップ208bで未処理領域がな
くなったと判断された場合、ステップ208fにおい
て、文字列の包含関係を調べ、包含関係にある文字列を
統合する処理を行なう。
【0043】例えば、図10(a)において、ステップ
208a〜208eの処理によって結合された文字列領
域701,702,703,704からなる文字列70
8と、結合されなかった単独の文字列領域からなる文字
列709,710が生成されたとする。これらの間で、
左右の範囲及び上下の実効範囲(文字列708は線71
1−712の範囲、文字列709は線713−714の
範囲、文字列710は線715−716の範囲)を比較
すれば、文字列709は文字列708に包含されること
が分かる。したがって、図10(b)に示すように、文
字連れ709は文字列708に統合され、その構成要素
たる文字列領域701,702,703,704,70
9は、その左端位置が左にあるものから順に改めてリン
ク718,719,720,721によって結合され
る。
【0044】以上のようにして文字列への統合が終わる
と、次に文字列のコラムへの統合処理が行なわれる(ス
テップ209)。図11はその処理フローを示す。以
下、図12に示した例を用いて処理内用を説明する。
【0045】図12において、902〜905は文字
列、901は文字列902が統合されたコラムである。
906と907は文字列902の上下の実効範囲を示す
線、908は文字列902の文字サイズである。同様
に、909と910は文字列903の上下の実効範囲を
示す線、914は文字列904の文字サイズである。9
15と916は文字列905の上下の実効範囲を示す
線、917は文字列905の文字サイズである。なお、
画像はスキャンラインより右上がりに傾いているものと
している。
【0046】まず、コラムへの未統合の文字列を探し
(ステップ209a)、見つかったときは、その文字列
を作成済みコラムへの統合を試みる(ステップ209
c)。なお、上にある文字列から下の文字列へ順に、す
なわち文字列902,903,904,905をこの順
に処理する。
【0047】文字列903が処理対象として選ばれたと
すると、この時点で作成されているコラム901の最下
行である文字列902(行は1個または複数個の文字列
から構成され、902は文字列であると同時に行でもあ
る)に対して、以下の条件をすべて満足した場合に、文
字列903をコラム901に、文字列902の次行とし
て統合し、コラム901を更新する。
【0048】条件5:それぞれの文字列(902,90
3)の文字サイズ(908,911)の差が閾値以下で
ある。 条件6:それぞれの文字列(902,903)の上下の
距離(907−909)つまり行間が所定の範囲内であ
る。 条件7:コラム(901)を構成する行が閾値以上(例
えば3以上)ある場合、このコラム内の行間の平均値に
比べ、条件6の行間(907−909)が閾値以上大き
くない。 条件8:コラム(901)の左右の実効範囲(919−
919)と統合しようとする文字列(903)の左右の
範囲(920−921)が重なりを有する。 条件9:両方の文字列(902,903)の行間に領域
分割線すなわちセパレータ(空白セパレータも含む)が
存在しない。
【0049】ここで条件8におけるコラムの左右の実効
範囲は次のようにして求める。まず、コラム内の各行の
左右の実効範囲を求め、それらの和をとってコラムの左
右の実効範囲とする。この処理は、コラムに新しい行も
しくは文字列を統合する時など、コラムの更新の都度行
なう。
【0050】各行の左右の実効範囲は次のようにして求
める。ここでは、単独で行を構成する文字列902につ
いて考えると、画像が右上がりに傾いているので、文字
列902の左下端を通り、画像と同じ傾きを持つ線91
8と、文字列902の右上端を通り画像と同じ傾きを持
つ線922との範囲を左右の実効範囲とする。画像が右
下がりに傾いている場合には、文字列902の左上端を
通る同じ傾きの線と右下端を通る同じ傾きの線との範囲
を左右の実効範囲とする。
【0051】さて、注目した文字列903は以上の5条
件を満足するのでコラム901に統合し、文字列は新し
い行を構成する。続いて、文字列904が処理対象とな
り、これもコラム901に統合され、コラム901が更
新される。
【0052】次に処理対象となる文字列904は、その
時のコラム901の最下行903に対して条件6を満足
しない。そこで文字列904が次の条件を全て満たすか
否かを調べ、満足するならば文字列904を最下行90
3に統合する。
【0053】条件10:最下行(903)の一つ上の行
(902)との間で、先の条件5から条件8を満足す
る。 条件11:最下行(903)に対して、上下の実効範囲
が共通する部分(923)が閾値以上ある。 条件12:最下行(903)との間(920−924)
にセパレータ(空白セパレータも含む)が存在しない。
【0054】ここで注目している文字列904は、最下
行903に対して条件10〜12を満たすので、最下行
903に統合され、コラムの最下行は文字列903,9
04を要素とする行に更新される。
【0055】次に文字列905に対する処理が行なわれ
る。ある文字列が前述の統合条件を満足しない場合、そ
の文字列を要素とする新しいコラムを生成する(ステッ
プ209e)。また、未処理の文字列がなくなり、これ
をステップ209bで判断すると、処理を終了する。
【0056】なお、本実施例においては、空白部の繋り
からなる空白セパレータの抽出の際に、帯毎に求めた標
準文字サイズから有効な空白部の幅の判定のための閾値
を決定した。このようにすると、文字間距離が変化して
も安定して空白セパレータを抽出できるという効果があ
る。
【0057】本実施例においては、画像の端部に位置す
る空白セパレータを除去し、また近接した空白セパレー
タはその中の短いものを除去したが、これは処理量の削
減につながるという効果がある。
【0058】また、ある空白セパレータから、標準文字
サイズより求めたある距離内に、他の空白セパレータが
ある個数以上存在するときに、当該空白セパレータを除
去している。このようにすると、空白セパレータとして
抽出されるべきでない余白部分の影響を排し、より安定
した処理が可能となる。
【0059】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、処理量の多い
文書画像の傾き補正を行なわずに、傾きのある文書画像
に対しても文字列、コラムの識別抽出が可能であり、ま
た「ぼかし」処理を行なわないため、非常に接近した文
字と文字以外の領域も分離可能となり、より高精度の領
域の識別抽出が可能である。
【0060】また、請求項2の発明によれば、空白セパ
レータを抽出し、これを領域分割線たる本来のセパレー
タと同様に扱うため、新聞のようなコラム間距離の狭い
文書や、ワープロ作成文書のような文字間距離の広い文
書においても、コラム間の融合や文字列の分離を防いで
正確な文字列、コラムの識別抽出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】全体的処理の流れを示すフローチャートであ
る。
【図3】空白セパレータ抽出処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図4】画像の帯分割の説明図である。
【図5】(a)帯毎の文字列領域の分布の例を示す図で
ある。 (b)帯毎の文字列領域の垂直射影を示す図である。
【図6】空白部の延長による空白セパレータの抽出を説
明する図である。
【図7】余分な空白セパレータの除去を説明するための
図である。
【図8】文字列領域の文字列への統合の処理の流れを示
すフローチャートである。
【図9】(a)文字列への統合の説明図である。 (c)文字列領域の上下の実効範囲の修正の説明図であ
る。 (d)文字列領域の上下の実効範囲の修正の説明図であ
る。
【図10】(a)文字列領域の結合された例を示す図で
ある。 (c)包含関係による文字列の更新の例を示す図であ
る。
【図11】文字列のコラムへの統合の処理の流れを示す
フローチャートである。
【図12】コラムへの統合の説明図である。
【符号の説明】
101 画像入力部 102 画像縮小部 103 連結成分抽出部 104 連結成分判別部 105 文字候補連結成分統合部 106 画像傾き検出部 107 空白セパレータ検出部 108 文字領域統合部 109 データ記憶部 110 制御部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文書画像の縮小画像を生成するステップ
    と、文書画像の傾きを検出するステップと、縮小画像よ
    り文字候補としての黒画素連結成分を抽出するステップ
    と、文字候補としての黒画素連結成分の近接するものを
    統合し文字列領域を得るステップと、文書画像の傾き情
    報を利用し文字列領域を文字列方向へ統合して文字列を
    得るステップと、文書画像の傾き情報を利用し文字列を
    コラムに統合するステップとを有する文書画像の領域識
    別方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の文書画像の領域識別方法
    において、文書画像を文字列方向に複数の帯に分割し、
    各帯毎に文字列方向と垂直の方向への文字列領域の射影
    をとることによって、ある値以上かつある値以下の幅を
    持つ空白部を抽出し、この空白部の繋りからなる空白セ
    パレータを、文書画像の傾き情報を利用して抽出するス
    テップを有し、文字列への統合のステップ及びコラムへ
    の統合のステップにおいて空白セパレータを領域分割線
    として扱うことを特徴とする文書画像の領域識別方法。
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