【発明の詳細な説明】
特異的抗体の製造方法
発明の背景
哺乳動物のごとき抗体産生動物において、抗体が合成され、血漿細胞、すなわ
ち、あるタイプの分化したBリンパ球により最終的に体液中に分泌される。動物
を外来分子に曝露(すなわち、免疫することにより)することは、一般的には、
血中および他の体液中の抗体の異種混合物を生じる多数の血漿細胞クローンを生
じさせる。免疫された動物の血液を集め、凝固させ、クロットを除去して免疫に
対して生じた抗体を含む血清を残すことができる。ポリクローナル抗体を含むこ
の残った液体または血清を抗血清という。しかしながら、かかる抗血清は、多く
の異なる抗原に特異的な多くの異なるタイプの抗体を含んでいる。過剰免疫され
た動物においてさえも、循環抗体の10分の1以上が動物を免疫するのに用いた
特定の免疫原に特異的であることはめったにない。これらの抗体混合集団の使用
は、多くの状況において有用であるが、免疫化学的方法において種々の異なる問
題を生じる。例えば、かかる抗血清は、一般的には、免疫原と、免疫原と共通し
た多くの決定因子を共有する密接に関連した分子との間の識別における使用には
不十分である。
一定の抗原に対する高い特異性のため、モノクローナル抗体(コーラー(Kohl
er)およびミルステイン(Milstein)(1975年)ネイチャー(Nature)第25
6巻:495頁)の出現は、科学的にも商業的にも需要な結果を伴った重要な技
術上のブレイク−スルーをもたらした。モノクローナル抗体(Mabs)は、伝
統的には、動物から単一抗体分泌細胞(例えば、リンパ球)を単離し、リンパ球
を骨髄腫細胞(または他の不死細胞)と融合させてハイブリッド細胞(ハイブリ
ドーマと呼ぶ)を形成させ、次いで、選択されたハイブリドーマ細胞をインビボ
またはインビトロで培養して構造および特異性が同じである抗体を得ることによ
り製造される。抗体分泌細胞系は不死であるため、抗体の特徴はバッチか
らバッチへと再生産可能である。モノクローナル抗体に有用性は3つの特徴−そ
れらの結合特異性、それらの均質性、および実質的に無限に産生されるそれらの
能力に由来する。
モノクローナル抗体の産生はポリクローナル法よりも特定の抗原に対してより
高い特異性のある抗体の産生を引き起こすが、それにもかかわらず、これらの方
法およびそれにより製造される抗体に関連した多くの限界がある。例えば、モノ
クローナル抗体の単離における鍵となる態様は、いかに多くの異なる特異性を有
する抗体産生ハイブリドーマ細胞を実際に確立でき、特定の抗原での免疫に応答
してサンプリングでき、いかに多くの特異的特徴を有する抗体を得るためにサン
プリングされる理論的必要性と比較できるかに関連している。例えば、ネズミ・
免疫系にリンパ球により一度に発現された異なる抗体特異性の数は約107個で
あると考えられ、特異性の可能性のあるレパートリーのほんの小さな部分を代表
するにすぎない。
免疫法は所望抗体を産生するB細胞を濃厚化することを提供しうる。しかしな
がら、これらの方法を用いるとしても、抗体産生B細胞を単離するための典型的
なプロトコールは、一般的には、1匹の免疫動物につき500個未満の抗体産生
ハイブリドーマ細胞のサンプリングを可能にするものである。よって、モノクロ
ーナル抗体の製造のための伝統的方法は、免疫優性分子に対するモノクローナル
抗体の生成にとり統計学的に好都合であり、まれな、あるいはより免疫優性でな
いエピトープに特異的な抗体の単離を困難とする。多くの例において、純粋な抗
原は、特に細胞表面抗原の場合においては免疫原として使用できないという事実
により、さらにこの問題は難問となりうる。無処理細胞を用いる免疫は、特に異
型免疫に関しては、しばしば、関係のないエピトープに対する抗体の産生を引き
起こす。まれな「免疫劣性」抗原に対するモノクローナル抗体の産生を増加させ
るためには、免疫寛容が用いられている。新生児寛容化および化学的免疫抑制は
、「バックグラウンド」抗原シグナルに応答するB細胞のクローンの爆発的増大
を抑えるために通常用いられ、それにより対象のエピトープに応答するB細胞の
集団が濃厚化させられる。しかしながら、免疫抑制効率がしばしば許容されない
も
のであるか、またはシクロホスファミド免疫抑制の場合には一般的には、免疫動
物1匹あたりごくわずかな抗体産生ハイブリドーマ細胞しか生じず、免疫劣性エ
ピトープに特異的なモノクローナル抗体が単離される可能性を小さくするため、
抑制的免疫方法の実際の適用は非常に困難でありうる。
発明の概要
本発明は、免疫劣性エピトープに特異的な抗体、および該抗体をコードする核
酸の製造方法を提供する。主題方法は、一般的には、抗体可変領域からなる雑多
なディスプレイライブラリーを得て、次いで、免疫劣性エピトープに対する所望
の結合特異性を有する抗体の可変領域をライブラリーから選択する工程よりなる
。ディスプレイライブラリーを得るために用いる抗体可変領域は免疫寛容に由来
する抗体レパートリーからクローン化される。
本明細書記載のように、ディスプレイライブラリーの抗体可変領域は、ディス
プレイパッケージに接触する抗原への抗体の結合を可能にする免疫反応性コンテ
キスト(immunoreactive context)における複製可能な遺伝学的ディスプレイパ
ッケージにより提供される。よって、アフィニティー選択法を用いて、免疫劣性
エピトープに対する所望の結合特異性を有する抗体可変領域を有するディスプレ
イパッケージの集団を濃厚化させることができる。代表的な具体例において、デ
ィスプレイライブラリーはファージディスプレイライブラリーであってよい。別
法として、ディスプレイライブラリーを細菌細胞表面または胞子上に生成させる
こともできる。
主題方法を用いて、例えば、胎児有核赤血球マーカーのごとき胎児細胞マーカ
ー、結腸癌マーカーもしくは転移性主要細胞マーカーのごとき癌細胞マーカー、
前駆神経細胞もしくは造血幹細胞に関するマーカーのごとき幹細胞マーカーをは
じめとする細胞タイプ特異的マーカーのような免疫劣性エピトープに特異的な抗
体を単離することができる。
同様に、主題方法を用いて、蛋白の変種形態と蛋白の他の関連形態との間を結
合によって識別することのできる抗体を生成させることができる。免疫劣性エピ
トープを生じるために変種蛋白は他の関連蛋白と1個またはそれ以上のアミノ酸
により異なっていてもよく、また、グリコシレーションまたは他の翻訳後修飾に
より抗原的に関連蛋白と異なっていてもよい。アポリポ蛋白Eファミリーにより
示されるように蛋白ファミリーの異なるイソ体間のような変化が自然に生じても
よく、あるいは腫瘍原蛋白またはp53のごとき腫瘍抑制蛋白の新生物形質転換
突然変異により示されるように遺伝学的変状により変化が生じてもよい。
主題方法の説明となる具体例において、免疫劣性エピトープに特異的な抗体を
、免疫寛容に由来する抗体レパートリー由来の抗体ファージディスプレイライブ
ラリーをアフィニティー精製することにより得ることができる。例えば、融合抗
体/コート蛋白を表すファージ粒子のライブラリーをコードする複製可能なファ
ージベクターのライブラリーを用いて適当な宿主細胞を形質転換する。ここに、
融合蛋白はファージコート蛋白部分および抗体可変領域部分とを含んでいる。抗
体可変領域を免疫寛容に由来する抗体レパートリーから得る。形質転換細胞を培
養すると、ファージ粒子が形成され、抗体融合蛋白が発現される。免疫劣性エピ
トープに特異的に結合する抗体可変領域部分を有する、得られたすべてのファー
ジ粒子を、免疫劣性エピトープに特異的に結合しないファージ粒子から分離する
ことができる。
さらに本発明は、主題方法により得られる新規免疫劣性抗体ライブラリーに関
する。主題方法により、例えば、興味の対象である免疫劣性エピトープに特異的
に結合する抗体に富む抗体ディスプレイライブラリーを単離することができる。
該ディスプレイライブラリーは、免疫寛容に由来する抗体レパートリーからクロ
ーン化され、免疫劣性エピトープを用いるアフィニティー分離を経たディスプレ
イパッケージによる発現後にさらに濃厚化される雑多なV−遺伝子ライブラリー
を発現するディスプレイパッケージの集団からなる。
個々の抗体、およびこれらの抗体をコードする遺伝子を主題方法の抗体ライブ
ラリーから単離できるということが、本発明により企図される。例えば、免疫劣
性エピトープに特異的に結合する抗体に関して抗体ディスプレイライブラリーを
アフィニティー濃厚化した後、個々のディスプレイパッケージを得て、その中に
含まれる抗体遺伝子を所望の使用のための抗体の製造に適した適当な他の発現ベ
クター中にサブクローン化する。
図面の説明
図1Aおよび1Bは、ネズミ・抗体遺伝子由来の重鎖および軽鎖双方の可変領
域を増幅するための可変領域PCRプライマーを示す。
図2は、Fab’発現カセットを図式的に表したものである。
図3は、HEL細胞系により濃厚化されたファージ抗体(phab)プールの結合
を示す片対数グラフである(数は濃厚化の回数を示す)。グラフは、濃厚化され
たphabプールと、他の免疫グロブリン(T3、抗−Mおよびウイルマ(Wilm
a))のHEL細胞に対する結合とのさらなる比較を示す。
図4は、主題方法により単離された個々のphab単離体により染色された細
胞(HELまたは成熟白血球のいずれか)のパーセンテージ示す。
図5Aは、phab結合のための胎児肝細胞へのプレー吸着および濃厚化の連
続ラウンドの結果を示す。胎児肝細胞に結合するファージ抗体のパーセンテージ
の増加はファージ抗体に結合する胎児細胞についての濃厚化を示す。ファージ抗
体ライブラリーは、免疫された宿主動物由来のV−遺伝子ライブラリーを用いて
得られた。対照的に、図5Bは、図5Aにおける免疫寛容実験の結果を、免疫さ
れているが寛容化されていない宿主動物由来のファージ抗体ライブラリーを用い
る連続ラウンドの選別(panning)の結果と比較する。
図6は、ヒト・抗体遺伝子由来の重鎖および軽鎖双方の可変領域を増幅するた
めの可変領域PCRプライマーを示す。
図7は、胎児細胞により濃厚化された個々のphab単離体に関する重鎖およ
び軽鎖双方のCDR3領域の配列を詳しく示す。
図8Aおよび8Bは、それぞれ、FB3−2およびH3−3抗体の一般的特徴
を、フレームワーク領域(二重下線;FRs)、相補性決定領域(CDRs)、
および不変領域(イタリック;IgG1 CH1またはカッパ不変領域)を含め
て示す。FB3−2およびF4−7抗体間において異なるアミノ酸残基を、
図8AのFB3−2配列の下に示す。
発明の詳細な説明
本発明は、現在の方法論によっては得ることが極端に困難であるかまたは不可
能な特異的抗体を単離するための強力かつ直接的なアプローチを用いることを可
能にする。本発明の1の態様は、免疫劣性標的エピトープに対する所望の結合ア
フィニティーを有する抗体の効率的な単離における劇的かつ驚くべき相乗作用を
得るために免疫寛容化法および雑多なディスプレイライブラリーを組み合わせる
方法の総合である。抑制的免疫法のごとき免疫寛容を用いて、免疫劣性標的エピ
トープに対する抗体を産生するリンパ球の部分集合を免疫動物において濃厚化す
る。引き続き行う免疫動物からの抗体産生細胞の単離および単離された細胞によ
り発現される抗体の少なくとも可変領域のPCR増幅により、抗体可変領域遺伝
子(V−遺伝子)の雑多なライブラリーが得られる。主題方法によって、(i)
各可変領域遺伝子によりコードされる抗体を複製可能な遺伝学的ディスプレイパ
ッケージ上に表して抗体ディスプレイライブラリーを作り出し、次いで、(ii)
アフィニティー選択法を用いて、標的エピトープに対する所望の結合特異性を有
する抗体をコードするV−遺伝子を含むディスプレイパッケージに関してディス
プレイパッケージの集団を濃厚化することにより、このV−遺伝子ライブラリー
から標的エピトープに特異的な抗体をコードする遺伝子が選択される。
一般的には、当該分野で知られた組み換え抗体ディスプレイ法により単離され
る大部分の抗体を興味の対象である抗原の実質的に純粋な標品を用いて得ると、
109M-1に達する結合定数(Kas)を有するごく少数の単離体が得られる。フ
ァージディスプレイ法は、慣用的なハイブリドーマ法により得られる抗体の特異
性またはアフィニティーのいすれにおいても等価である、生細胞とともに選別さ
れる抗体(すなわち、未精製抗原)を単離することはない。対照的に、下記実施
例に示すように、主題方法を用いると、特に結合アフィニティーおよび特異性の
程度に関しては、先行技術の組み合わせ法およびハイブリドーマ法双方により得
られる抗体よりも優れた抗体を得ることができる。
例えば、主題方法により単離される抗体は108M-1、例えば109M-1ないし
1012M-1の範囲の結合アフィニティーを有しうる。そのうえ、これらの抗体の
特異性は、細胞表面エピトープに対する抗体に関しては、組み合わせ法およびハ
イブリドーマ法により得られる抗体よりも数倍(大きさのオーダーでないとして
も)良いものでありうる。例えば、主題方法は、他の関連細胞に対する結合バッ
クグラウンドが実質的になく、例えば、関連細胞へのバックグラウンド結合より
も標的細胞への結合が10倍以上特異的である。後に示すように、他のエピトー
プと実質的に交差反応せず、好ましくは、バックグラウンドよりも20倍、好ま
しくは50、75もしくは100倍、さらに好ましくは125倍以上高い特異性
を有する抗体を得ることができる。
本発明の目的からすると、種々の文法上の形態における用語「抗体」は当該分
野において認識されており、免疫グロブリン分子および免疫グロブリンの免疫学
的に活性のある部分、すなわち、抗原に特異的に結合(免疫反応)する抗原結合
部位を有する分子を包含する。構造的には、最も単純な天然に存在する抗体(I
gG)は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、ジスルフィド結合により互いに結
合した2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖からなる。軽鎖は、カッパ(κ)
およびラムダ(λ)と呼ばれる2種の異なる形態で存在する。各鎖は不変(C)領
域および可変(V)領域を有する。各鎖は一連のドメインに組織化されている。
軽鎖は、C領域ともう1つはV領域に対応している2つのドメインを有する。重
鎖は、1つがV領域に3つ(ドメイン1、2および3)がC領域に対応している
4つのドメインを有する。天然に存在する抗体は2本のアーム(各アームはFa
b領域である)を有し、それぞれが互いに結合したVLおよびVH領域からなって
いる。1の抗体を別の抗体とは異なるようにするのはV領域のこのペアー(VL
およびVH)である(アミノ酸配列の変化による)。重鎖および軽鎖のそれぞれ
に関する可変領域は4つのフレームワーク領域(FRs)をはじめとする同じ一
般的構造を有しており、それらの配列は相対的に保存されており、3つの超可変
領域または相補性決定領域(CDRs)により結合されている。各鎖の可変領域
は、典型的には、一般式FR1−CDR1−FR2−CDR2−RF3−
CDR3−FR4で表される。特別な可変領域に対するCDRsはフレームワー
ク領域により互いに接近して保持されおり、他の鎖由来のCDRsと一緒になっ
て抗原認識に関与し、抗原結合部位(ABS)を提供している。
そのうえ、上記のごとく天然に存在する抗体のフラグメントにより抗原結合機
能が果たされることが示されており、抗原結合フラグメントは用語「抗体」とも
命名される。用語「抗体」の範囲内にある結合フラグメントの例は、(i)VL、
VH、CLおよびCH1ドメインからなるFabフラグメント;(ii)VHおよびCH 1
ドメインからなるFdフラグメント;(iii)抗体のシングルアームのVLおよ
びVHドメインからなるFvフラグメント;(iv)VHドメインからなるdAbフ
ラグメント(ワード(Ward)ら,(1989年)ネイチャー(Nature)第341
巻:544〜546頁);(v)単離CDR領域;および(vi)ヒンジ領域にお
いてジスルフィド架橋により結合した2つのFabフラグメントからなる2価フ
ラグメントであるF(ab')2フラグメントを包含する。さらにそのうえ、Fvフ
ラグメントの2つのドメインは別々の遺伝子によりコードされており、それらを
組み換え法により単一蛋白鎖(1本鎖Fv(scFv)として知られる;バード
(Bird)ら(1988年)サイエンス(Science)第242巻:423〜426
頁;およびハストン(Huston)ら(1988年)PNAS第85巻:5879〜
5883頁)にすることを可能にする合成リンカーの作成が可能であることがわ
かっている。かかる1本鎖抗体も用語「抗体」の現用される意味の中に包含され
る。
用語「抗体可変領域」は当該分野において同様に認識されており、集合して抗
原結合部位を形成しうる抗体の部分を包含する。例えば、抗体可変領域は、各フ
レームワーク領域(FR1〜FR4)およびIgG分子の一方または両方の鎖に
対する相補性決定領域(CDR1〜CDR3)からなっていてもよい。
用語「免疫劣性エピトープに対する所望の結合特異性」ならびにより一般的な
用語「抗体特異性」は、個々の抗体が特異的に異なった抗原と免疫反応する能力
をいう。所望の結合特異性は、典型的には、抗体が異なったように結合する能力
のリファレンス点から決定され、それゆえ、特に、2つの抗原が多くの共通した
エピトープとともに存在する独自のエピトープを有する場合に、2つの異なる抗
原を識別するものである。例えば、免疫劣性エピトープに対する所望の結合アフ
ィニティーは、成人と胎児との間、または正常細胞と形質転換細胞との間のごと
き関連細胞間を識別する抗体の能力ともいえる。他の具体例において、所望の結
合アフィニティーは、野生型蛋白とは異なったように変異形態の蛋白に結合する
、あるいはまた蛋白の異なるイソ体間の結合を区別する抗体の能力といえる。免
疫劣性エピトープに特異的に結合する抗体を「特異的抗体」という。用語「相対
的特異性」は、バックグラウンド免疫反応性(例えば、非標的抗原への結合)に
対する特異的免疫反応性の割合をいう。例えば、胎児細胞に対する相対的特異性
を、母性細胞への結合パーセントに対する胎児細胞への結合パーセントの割合と
して表現することができる。母性細胞のごとき非標的抗原に対する実質的なバッ
クグラウンド結合がない抗体は高い相対的特異性(例えば、バックグラウンド結
合よりも10倍高い)を有する。
特定の細胞との抗体の免疫反応性に関する語句「個々に選択的なやり方」およ
び「個々に選択的な結合」は、その結合が表現型上は依存的なものであることに
加えて、例えば細胞の起源のごとき細胞が単離される特定の個体にも依存してい
るある種の細胞表現型に対する抗体の結合をいう。「個々に選択的な結合」は結
合の種間特異性をいうのではなく、むしろ種内特異性に関連している。
抗原への抗体の結合は、もっぱら非共有結合であるが、それにもかかわらず、
ある抗原に対しては別の抗原に対するよりも精妙に特異的であり、しばしば非常
に強力である。抗体は、大部分の複合蛋白、核酸、および多糖抗原の異なる構造
成分に特異的に結合することができる。一般的には、高分子は抗体の抗原結合部
位よりもずっと大きい。それゆえ、抗体は、本明細書において「決定基」または
「エピトープ」といわれる高分子の特別な部分にのみ結合する。特定の動物にお
ける抗体産生細胞の集団により産生される抗体の総数は「抗体レパートリー」と
いわれる。抗体レパートリーの極端な広範性は、レパートリーを形成する個々の
抗体における抗原結合部位の構造の可変性の結果である。
「免疫」のプロセスは、動物(抗体産生能のある動物)を外来抗原に曝露して
能動免疫を誘導し、そのことにより外来抗原に対する抗体の産生を誘導すること
をいう。免疫応答を生じさせる分子を免疫原と呼ぶ。
用語「免疫劣性エピトープ」は、適宜、用語「まれなエピトープ」または「標
的エピトープ」と置き換えて用いられ、通常は免疫原として存在しまたは単離さ
れるという文脈において、少なくともポリクローナルおよびモノクローナル抗体
の産生が関連するかぎり、免疫化によって抗体応答を発生させる用途には効率的
でないエピトープをいう。一般的には、かかる免疫劣性エピトープは、免疫原に
おけるエピトープに通常は関連している他のエピトープよりも豊富でなく、さら
に/あるいは抗原性が少ない。免疫劣性エピトープが強力な抗体応答を誘導しう
る環境においてさえ、例えば、この応答は、免疫原における免疫劣性エピトープ
に関連する他のエピトープ(本明細書において「免疫学的優性エピトープ」また
は「バックグラウンドエピトープ」という)のため、抗原のチャレンジの結果と
して産生される抗体の総数により統計学的にマスクされうる。免疫劣性エピトー
プは、例えば、特定の細胞表現型にユニーク(unique)である細胞表面抗原に関
連していてもよい。多くの場合、この細胞表面抗原は、本質的には、およびそれ
自体は、免疫原としては利用できない。なぜならば、抗原の精製形態が得られて
いないからである。このことは、精製中にコンホーメーションを失う膜内在性蛋
白の場合に、特に真実でありうる。よって、免疫劣性エピトープを含む免疫原は
、免疫劣性エピトープにより活性化されるBリンパ球の全体としてのパーセンテ
ージを減じる作用をしうる多くのバックグラウンドエピトープをも包含している
。典型的な具体例において、免疫原は、免疫劣性エピトープが表面上に発現され
ている全細胞からなる可能性がある。例えば、免疫劣性エピトープは、癌細胞マ
ーカー、胎児細胞マーカー、または幹細胞マーカーのごとき細胞タイプマーカー
であってもよい。同様に、免疫劣性エピトープは、関連蛋白とはアミノ酸がわず
か1個または2個異なる変異体のごとき変異体形態の蛋白にユニークなエピトー
プからなっていてもよい。例えば、免疫劣性エピトープは、野生型p53上には
ない変異体p53の決定基であってもよく、あるいはApoE4のごときヒト・
アポリポ蛋白Eの特定のイソ体にユニークなエピトープであってもよい。
「寛容化」は、動物中に存在する抗原性でありうる物質に対する動物の免疫学
的応答性を低下させるプロセスをいい、寛容が作り出される抗原性物質を「トレ
ラゲン(torelagen)」という。寛容は、リンパ球が活性化されずに殺されるか
または非応答性にされる条件下におけるリンパ球上での抗原受容体とトレラゲン
との相互作用から生じる。特定の抗原に対する寛容、あるいはより正確には抗原
の特定のエピトープに対する寛容を、新生児寛容化または化学的に誘導される寛
容化をはじめとする多くの手段により誘導することができ、これは誘導されたク
ローンの脱落またはクローンのアネルギーの結果である可能性がある。抗原の投
与経路も、免疫原またはトレラゲンのいずれかとして作用する抗原の能力に影響
する可能性がある。
用語「免疫寛容化手段」は、免疫劣性エピトープに対する抗体応答がバックグ
ラウンドエピトープに対する抗体応答の欠失によってはマスクされないプロセス
をいう。例えば、免疫寛容化の第1段階として、免疫学的優性エピトープからな
るトレラゲンに動物を曝露する。しかしながら、トレラゲンは免疫劣性エピトー
プを欠くものである。これらのバックグラウンドエピトープに対する寛容を誘導
した後、免疫劣性エピトープを含む免疫原を動物に投与する。バックグラウンド
に対する抗体応答の欠失により、まれなエピトープに応答して活性化されたB細
胞のパーセンテージが当該動物の全B細胞集団に対して増加する。すなわち、免
疫寛容化手段を用いて免疫劣性エピトープに特異的な抗体を産生する細胞を「濃
厚化する」ことができる。よって、本明細書の用語「バックグラウンドエピトー
プ」は、さらに、免疫原とトレラゲンとの間に共通したエピトープとして定義さ
れるが、一方では、用語「免疫劣性エピトープ」は、さらに、免疫原に独自のエ
ピトープをいうものと理解される(トレラゲンに対して)。免疫原およびトレラ
ゲンは、典型的には、例えば、表現型的に関連した細胞、または蛋白の変異体も
しくは異なるイソ体において密接に関連しているであろう。
用語「免疫寛容に由来する抗体レパートリー」は、免疫劣性エピトープに対す
る抗体の濃厚化を意図する免疫寛容化に由来する抗体産生細胞の集団およびそれ
らの抗体をいう。
用語「雑多なV−遺伝子ライブラリー」は、免疫寛容に由来する抗体レパート
リーの重鎖および軽鎖の一方または両方の少なくとも抗体可変領域をコードする
組み換え型核酸分子の混合物をいう。雑多なV−遺伝子ライブラリーが表面にク
ローン化され発現されるディスプレイパッケージの集団を、同様に、「雑多な抗
体ディスプレイライブラリー」または「抗体ディスプレイライブラリー」という
。
用語「複製可能な遺伝学的ディスプレイパッケージ」または「ディスプレイパ
ッケージ」は、生物学的粒子であって当該粒子に複製能を与える遺伝学的情報を
有するものをいう。パッケージは、雑多なV−遺伝子ライブラリー由来の抗体を
含む融合蛋白を表すことができる。融合蛋白の抗体部分は、免疫反応コンテキス
トにおけるディスプレイパッケージにより提供され、そのことは、ディスプレイ
パッケージと接触している抗原への抗体の結合を可能にする。一般的には、ディ
スプレイパッケージは、非常に大規模の雑多なV−遺伝子ライブラリーのサンプ
リング、ならびに精製ディスプレイパッケージからの組み換え型V−遺伝子の容
易な単離を可能にする系由来であろう。例えば、ディスプレイパッケージは、栄
養型細菌細胞、細菌胞子、および細菌ウイルス(特にDNAウイルス)由来であ
ってもよい。V−遺伝子の少なくとも一部をコードするディスプレイパッケージ
の雑多な混合物を、「抗体ディスプレイライブラリー」ともいう。
用語「分別結合手段」、ならびに「アフィニティー選択」、「アフィニティー
濃厚化」は、標的エピトープに結合するライブラリーの各ディスプレイパッケー
ジの表面上の抗体の異なる能力に基づく抗体ディスプレイライブラリーのメンバ
ーの分離をいう。ディスプレイの抗体による免疫劣性エピトープの分別結合を、
特異的結合しない抗体からの免疫劣性エピトープに特異的に結合する抗体のアフ
ヌティー分離に用いることができる。例えば、免疫寛容化段階において免疫原と
して使用した同じ分子または細胞をアフィニティー濃厚化段階において使用して
特異的にそれに結合する抗体を発現するディスプレイパッケージを回収すること
もできる。典型的には、アフィニティー選択プロトコールは、バックグラウンド
エピトープに特異的に結合しうるディスプレイパッケージが除去されるプレ濃厚
化段階をも包含する。アフィニティー選択手段の例は、アフィニティークロマト
グラフィー、免疫沈降、蛍光活性化細胞ソーティング、凝集、およびプラーク釣
り上げを包含する。下記のように、アフィニティークロマトグラフィーは、精製
または固定化抗原ならびに完全細胞を用いる生物選別法(bio-panning techniqu
es)を包含する。
本発明の典型的な具体例において、ディスプレイパッケージは、雑多なV−遺
伝子ライブラリー由来の抗体可変領域のアミノ酸配列を含む抗体融合コート蛋白
からなるファージ粒子である。よって、複製可能なファージベクターのライブラ
リーを得て、適当な宿主細胞を形質転換する。キメラ蛋白から形成されるファー
ジ粒子を、特定のファージ粒子に結合した抗体が標的エピトープに特異的に結合
する能力に基づくアフィニティー選択により分離することができる。好ましい具
体例において、ライブラリーの個々のファージ粒子それぞれは、パッケージ表面
上にディスプレイされた抗体融合コート蛋白をコードする対応ファージミドのコ
ピーを含んでいる。個々の粒子上にディスプレイされた抗体が特定のエピトープ
に結合する能力に基づくファージ粒子の精製も、当該抗体をコードするV−遺伝
子の単離を提供する。本発明の雑多な抗体ライブラリーを得るための典型的なフ
ァージは、M13、f1、fd、If1、Ike、Xf、Pf1、Pf3、λ、
T4、T7、P2、P4、φX−174、MS2およびf2を包含する。
用語「融合蛋白」および「キメラ蛋白」は、本明細書において互いに置き換え
て用いられる当該分野で認識されている用語であり、アミド結合を介して1種ま
たはそれ以上のアミノ酸配列に結合している第1のポリペプチドからなる隣接ポ
リペプチドを包含する。該アミノ酸配列は、外来ドメインないし第1のポリペプ
チドのドメインとは実質的に同種でないドメインであるポリペプチドドメインを
定義する配列である。融合蛋白が構築される1のポリペプチドは、クローン化さ
れたV−遺伝子ライブラリー由来の組み換え型抗体からなる。融合蛋白の第2の
ポリペプチド部分は、典型的には、「ディスプレイパッケージ」(後に定義する
)をその外表面に結合させる外表面蛋白またはディスプレイアンカー蛋白に由来
する。下記のごとく、ディスプレイパッケージはファージである場合には、この
アンカー蛋白は、ウイルスコート蛋白のように、遺伝学的パッケージに対してネ
イ
ティブな表面蛋白に由来するものであってもよい。融合蛋白がウイルスコート蛋
白または抗体からなる場合、それを「抗体融合コート蛋白」という。さらに融合
蛋白は、融合蛋白のアミノ末端における短鎖アミノ酸配列であるシグナル配列か
らなっていてもよく、シグナル配列は、融合蛋白を細胞質ゾルから分泌させ、細
胞膜の細胞外サイドに局在化させる。
融合蛋白をコードする遺伝子構築物は、同様に「キメラ遺伝子」または「融合
遺伝子」という。
用語「キメラ抗体」は、別の蛋白の少なくとも一部へのペプチド結合により結
合された免疫グロブリン分子の少なくとも抗原結合部分を含む蛋白をいうのに用
いる。キメラ抗体は、例えば、第1の種(例えば、齧歯類)由来の可変領域およ
び第2の種(例えば、ヒト)由来の不変領域を有する、あるいはまた第1の種由
来のCDRsおよび第2の種由来のFRsならびに不変領域を有する種間キメラ
であってもよい。
用語「ベクター」は、遺伝子を挿入して組み換え型DNAを構築することので
きる、宿主細胞において複製可能なDNA分子をいう。
用語「ファージベクター」および「ファージミド」は認識されており、バクテ
リオファージ用の複製開始点、および任意ではあるが、好ましくは細菌プラスミ
ドの複製開始点を含んでいてもよい、ファージゲノムの修飾により誘導されるベ
クターをいう。ファージゲノム自体よりもむしろファージベクターの使用は、野
生型コート蛋白に対するキメラ抗体/コート蛋白の割合についてのより大きな柔
軟性、ならびに下記2本鎖抗体構築物において有用でありうるような、他の可変
領域をコードするさらなる遺伝子のファージ遺伝子への補足を提供する。
用語「ヘルパーファージ」は、欠損ファージゲノムまたはファージベクターを
含む細胞を感染させるのに使用され、欠損の補足物として機能するファージをい
う。該欠損は、ファージ粒子の産生に必要なファージゲノム配列の除去または不
活性化から生じるものであってもよい。ヘルパーファージの例はM13K07お
よびM13K07遺伝子IIIno.3である。
DNAまたはRNAに関して使用される本明細書の用語「単離された」は、そ
れぞれ、他のDNAsまたはRNAsから分離された分子をいい、高分子の天然
ソース中に存在するものである。例えば、本発明抗体の1つをコードする単離さ
れた核酸は、好ましくは、天然においてはゲノムDNA中の抗体遺伝子に隣接し
ている長くとも10キロベース(kb)の核酸配列、より好ましくは、長くとも
5kbのかかる天然に存在する隣接配列を含んでいる。本明細書においては用語
「単離された」を、組み換えDNA法により製造される場合には細胞物質、ウイ
ルス物質、または培地を実質的に含まない、あるいは化学合成される場合には化
学的前駆体もしくは他の化学薬品を実質的に含まない核酸またはペプチドをいう
ために用いる。さらにそのうえ、「単離核酸」は、フラグメントとして天然に存
在せず、天然の状態では見いだすことのできない核酸フラグメントを包含するこ
とを意味する。
1の態様において、本発明は、細胞タイプ特異的抗体の迅速かつ有効な単離方
法を示す。例えば、胎児細胞にユニークな、あるいはまた、癌細胞にユニークな
エピトープに特異的に結合する抗体を本発明方法により得ることができる。同様
に、本発明方法を用いて蛋白の変異体形態に対する抗体を得ることができ、これ
を、例えば、蛋白の変異を検出するために、あるいは蛋白の種々のイソ体を区別
するために用いることができる。よって、本発明は、精製、診断、および治療へ
の適用に有用な抗体を提供することができる。
もう1つの態様において、本発明は、主題方法により得られる新規免疫劣性抗
体ライブラリー、ならびにそこから単離される個々の抗体に関する。本発明方法
によれば、例えば、興味の対象とする免疫劣性エピトープに特異的に結合する抗
体を濃厚化した抗体ディスプレイライブラリーを単離することができる。該ディ
スプレイライブラリーは、免疫寛容に由来する抗体レパートリーからクローン化
され、さらに免疫劣性エピトープを用いるアフィニティー分離によるディスプレ
イパッケージによる発現後にさらに濃厚化された雑多なV−遺伝子ライブラリー
を発現するディスプレイパッケージに集団からなる。よって、胎児細胞マーカー
、腫瘍細胞マーカー、ならびに変異体形態の蛋白のごとき細胞表面マーカーに対
する特異的抗体を濃厚化した抗体ディスプレイライブラリーを得ることができる
。
免疫劣性エピトープは免疫寛容に由来する抗体レパートリーを得るために用い
られる免疫原とトレラゲンとの間の相違に依存するので、主題ライブラリーにお
いて濃厚化された抗体の特異性を、使用される特定の免疫原/トレラゲンのセッ
トに関して決定することができる。例えば、特異的抗体が共通または同様の起源
または表現型の種々の細胞を識別するために必要な場合には、特異的抗体が必要
とされている細胞を免疫原として用い、識別されるべき関連細胞をトレラゲンと
して用いる。免疫劣性エピトープにおいて興味の対象である細胞に関する細胞タ
イプ特異的マーカーが表される。説明のために、細胞タイプ特異的マーカーが胎
児有核赤血球細胞に関するマーカーである場合には、トレラゲンは母性赤芽細胞
を包含してもよく、免疫原は胎児赤芽細胞であってもよい。同様に、マーカーが
結腸癌に関するものである場合、トレラゲンは正常結腸細胞を包含してもよく、
免疫原は結腸癌細胞系から選択することができる。主題抗体ライブラリー、なら
びにそこから得られる個々の抗体をえるために有用な他の典型的な免疫原/トレ
ラゲンのセットは以下の記載において示され、他のものは当業者に明らかであろ
う。
同様に、免疫原/トレラゲンのセットの選択により、主題ライブラリーを得て
、変異体形態の蛋白および他の関連形態の蛋白とを結合によって識別する能力の
ある特異的抗体を濃厚化することができる。変異体蛋白は他の関連蛋白とは1個
またはそれ以上のアミノ酸残基が相違している可能性があり、その結果、免疫劣
性エピトープを生じ、さらにグリコシレーションまたは他の翻訳後修飾によって
もトレラゲンとは異なるように抗原性を変化させる。アポリポ蛋白Eファミリー
により示されるように、蛋白ファミリーの異なるイソ体間のような変化は自然に
生じうるし、あるいは腫瘍原蛋白またはp53のごとき腫瘍リプレッサー蛋白の
新生物形質転換変異により示されるように、遺伝学的変状によっても生じうる。
個々の抗体およびこれらの抗体をコードする遺伝子を、主題方法の抗体ライブ
ラリーから単離できることも本発明により企図される。例えば、免疫劣性エピト
ープに特異的に結合する抗体に関して抗体ディスプレイライブラリーをアフィニ
ティー濃厚化した後、個々のディスプレイパッケージを得ることができ、その中
に含まれる抗体遺伝子を、所望用途の抗体の産生に適した他の適当な発現ベクタ
ー中にサブクローン化することができる。
主題発明の主な態様は、一般的には以下に記載され、好ましい具体例は添付し
た実施例においてより詳細に記載されるであろう。
I.免疫寛容化
本発明において免疫寛容化を用いて、引き続き行われるV−遺伝子クローニン
グ段階に使用する抗体レパートリーを得ることができる。該段階において、免疫
劣性エピトープに対する抗体の応答はマスクされない。免疫寛容化をインビボま
たはインビトロ免疫システムにおいて行うことができる。例えば、本発明におい
て免疫寛容化を用いて、興味の対象とする免疫劣性エピトープに指向された抗体
を産生する細胞に関して免疫動物中の活性化Bリンパ球のプールを濃厚化するこ
とができる。主題方法の典型的な免疫寛容化において、レラゲンに曝露いしてか
らいくぶん後に免疫原を動物の免疫系に導入する。トレラゲンの効果はトレラゲ
ンの決定基に動物を再暴露することによる免疫学的応答を全体的に減少または廃
棄することである。一般的には、トレラゲンを構成する決定基は免疫原を含むそ
れらの抗原の決定基の一部であるので(すなわち、バックグラウンドエピトープ
)、免疫原でのチャレンジによるバックグラウンドエピトープに対する低下した
抗体応答は、免疫原の免疫劣性エピトープに対する抗体の応答をマスクしないよ
うに作用することができる。マスクされないことにより、免疫劣性エピトープに
指向された抗体産生細胞の集団は、効率的に、動物における抗体産生細胞の全集
団のうちの大きなパーセンテージを占めるようになることが意味される(ウィリ
アムズ(Williams)ら(1992年)バイオテクニックス(Biotechniques)第
12巻:842〜847頁参照)。
主題方法における最も好ましい免疫寛容手段は、まれなエピトープに特異的な
抗体を産生するクローンに関してB細胞のプールを濃厚化するための抑制的免疫
(subtractive immunization)を包含する。一般的には、抑制的免疫は2段階法
である。第1段階は、特定のセットの分子、すなわちトレラゲンに対する宿主動
物の免疫系において寛容の状態が誘導される抑制段階である。第2段階は、別の
セットの分子、すなわち免疫原が免疫系に導入される免疫化段階である。一般的
には、トレラゲンからなる分子は免疫原からなる分子の部分集合である。理想的
には、免疫原への曝露後、免疫系により抗体が生成される分子のみが免疫原に存
在するがトレラゲンには存在しない分子である。抑制的免疫化のために2つの主
要なアプローチは用いられてきた:新生児寛容化および化学的免疫抑制である。
本発明の1の具体例において、新生児寛容化を用いてB細胞の濃厚化されたプ
ールを得る。新生児寛容化は、発達している免疫系の自己トエランス化プロセス
を用いる。いずれの種においても、不連続な発達時期があり、その間、免疫系は
体内に存在するすべての分子を自己であると分類し、それらの分子に対する免疫
寛容の誘導状態を生じる(ビリンガム(Billingham)ら(1953年)ネイチャ
ー(Nature)第172巻:603〜606頁;ゴルムベスキ(Golumbeski)ら(
1986年)アナリティカル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.)第154
巻:373〜381頁;ハセク(Hasek)ら(1979年)イミュノロジカル・
レビューズ(Immunol.Rev.)第46巻:3〜26頁;リーディング(Reading)
(1982年)ジャーナル・オブ・イミュノロジカル・メソッズ(J Immunol.Me
thods)第53巻:261〜291頁;およびストライレン(Streilen)ら(1
979年)イミュノロジカル・レビューズ(Immunol.Rev.)第46巻:125〜
146頁)。引き続き行うこの段階において存在するすべての分子に対する曝露
は、免疫学的不応答性に遭遇するであろう。抑制的免疫化のために、マウス(ま
たは他の宿主動物)を新生児のうちにトレラゲンに曝露する。これらの動物が免
疫学的に成熟している場合には、それらを免疫原に曝露する。理論的には、免疫
系は免疫学的に免疫原における分子にのみ応答するがトレラゲンにおける分子に
は応答しないはずである。
主題方法のもう1つの具体例において、引き続き行う可変領域遺伝子(V−遺
伝子)のクローニングのために濃厚化されたB細胞集団を得るために化学的免疫
抑制が用いられる免疫寛容化手段である。例えば、細胞傷害性薬剤シクロホスフ
ァミドによる化学的免疫抑制は、抑制的免疫化のための有用な方法である(アー
メ
ド(Ahmed)ら(1984年)ジャーナル・オブ・アメリカン・アカデミー・オ
ブ・ダーマトロジー(J.Am.Acad.Dermatol.)第11巻:1115〜1126頁;
マシュー(Matthew)ら(1983年)CSH・シンポ・クアンタ・バイオロ(C
SH Symp.Quant.Biol.)第48巻:625〜631頁;マシュー(Matthew)ら(
1987年)ジャーナル・オブ・イミュノロジカル・メソッズ(J.Immunol.Meth
ods)第100巻:73〜82頁;およびターク(Turk)ら(1972年)イミ
ュノロジー(Immunology)第23巻:493〜501頁)。外来抗原に曝露され
た動物への化学薬剤シクロホスファミドの適用は、外来抗原分子の存在に応答し
て増殖するように刺激されたB細胞を選択的に殺す。シクロホスファミド処理後
、引き続き行われるそれらの分子に対する曝露は低下した免疫学的応答を引き起
こす。抑制的免疫法として、ます、動物を外来抗原分子(すなわち、トレラゲン
)に曝露し、次いで、シクロホスファミドを注射する。該薬剤がクリアランスさ
れた後、動物を免疫原に曝露する。理論的には、免疫系は、免疫学的には、トレ
ラゲンにおいて見いだされない免疫原のエピトープにのみ応答するはずである。
他の抑制的免疫プロトコールも主題方法において利用でき、例えば、インター
ロイキン−標的毒素の使用を包含する。例えば、IL−2−毒素融合蛋白(ケリ
ー(Kelly)ら(1988年)PNAS第85巻:3980〜3984頁)およ
びIL−4−毒素融合蛋白(ラキス(Lakkis)ら(1991年)ヨーロピアン・
ジャーナル・オブ・イミュノロジー(Eur.J.Immunol.)第21巻:2253〜
2258頁)を用いてトレラゲンのエピトープに対する寛容を選択的に誘導する
ことができる。
II.抗体遺伝子ライブラリーの生成
免疫寛容化段階後、生じたB細胞プールの抗体レパートリーをクローン化する
。一般的に方法は知られており、主題方法においてオリゴマープライマー混合物
およびPCRを用いることにより免疫グロブリン分子の多様な集団の可変領域の
DNA配列を直接得るために当該方法を適用することができる。例えば、5’リ
ーダー(シグナルペプチド)配列および/またはフレームワーク1(FR1)配
列に対応する混合オリゴヌクレオチドプライマー、並びに保存的な3’不変領域
プライマーに対するプライマーを、多数のネズミ・抗体由来の重鎖および軽鎖可
変領域のPCR増幅に用いることができる(ラリック(Larrick)ら(1991
年)バイオテクニックス(Biotechniques)第11巻:152〜156頁)。類
似の方法を用いてヒト・抗体由来の重鎖および軽鎖可変領域を増幅することもで
きる(ラリックら(1991年)メソッズ:コンパリゾン・トゥ・メソッズ・イ
ン・エンザイモロジー(Methods:Comparison to Methods in Enzymology)第2
巻:106〜110頁)。ヒト・免疫グロブリン遺伝子をクローン化する能力は
、トランスジェニック動物におけるヒト・抗体レパートリーの生成における利点
の観点から特別な意義を有する(例えば、ブルッゲマン(Bruggeman)ら(19
93年)イヤー・イミュノロジー(Year Immunology)第7巻:33〜40頁;
トゥアイロン(Tuaillon)ら(1993年)PNAS第90巻:3720〜37
24頁;ブルッゲマンら(1991年)ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イミュ
ノロジー(Eur.J.Immunol.)第21巻:1323〜1326頁;およびウッド(
Wood)らPCT公開WO91/00906参照)。
典型的な具体例において、標準的プロトコール(例えば、米国特許第4,68
3,202号;オルランディ(Orlandi)らPNAS(1989年)第86巻:3
833〜3837頁;サストリー(Sastry)らPNAS(1989年)第86巻
:5728〜5732頁;およびフース(Huse)ら(1989年)サイエンス(
Science)第246巻:1275〜1281頁)を用いて、RNAをB細胞、例
えば末梢血細胞、骨髄、または脾臓調製物から単離する。重鎖の不変領域および
κならびにλ鎖のそれぞれに特異的なプライマー、並びにシグナル配列に対する
プライマーを用いて第1のcDNA鎖を合成する。図1Aおよび1B(マウス)
あるいは図6(ヒト)に示すような可変領域PCRプライマーを用いて、重鎖お
よび軽鎖両方の可変領域を増幅し、それぞれのみを、あるいはそれらを組み合わ
せてディスプレイパッケージの生成におけるさらなる操作のための適当なベクタ
ー中に結合する。
増幅プロトコールにおいて有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、ユニーク
なものであっても、縮重したものであっても、縮重位置にイノシンを含むもので
あってもよい。発現を目的として、増幅されたフラグメントを前以て決定された
ベクターの読み取り枠中にクローニングすることを可能にするために、制限エン
ドヌクレアーゼ認識配列をプライマー中に含ませてもよい。
III.雑多な抗体ディスプレイ
免疫寛容により得られた抗体レパートリーからクローン化されたV−遺伝子ラ
イブラリーをディスプレイパッケージの集団により発現して抗体ディスプレイラ
イブラリーを形成することができる。好ましくは、雑多な抗体ライブラリーが明
らかになっているディスプレイパッケージに関して、ディスプレイパッケージは
しばしば、(i)抗体の少なくとも可変領域をコードするように遺伝学的に変化
させられ、(ii)培養物中において維持され増幅され、(iii)アフィニティー
分離中に抗体を標的エピトープと相互作用させるやり方で抗体遺伝子産物を表す
ように操作し、次いで(iv)抗体遺伝子配列が得られるように抗体遺伝子を保持
しつつアフィニティー分離されることが本明細書の議論から理解されるであろう
。好ましい具体例において、ディスプレイはアフィニティー分離合成において生
存している。
理想的には、ディスプレイパッケージは、非常に大規模な雑多な抗体ディスプ
レイライブラリーのサンプリング、各アフィニティー分離後の迅速なソーティン
グ、および精製ディスプレイパッケージからの抗体遺伝子の容易な単離を可能に
するシステムからなる。このタイプのスクリーニングに関する最も魅力的な候補
は、迅速に増幅され、比較的操作が簡単で、多数のクローンが得られることから
、原核生物およびウイルスである。例えば、好ましいディスプレイパッケージは
、栄養細菌細胞、細菌胞子を包含し、最も好ましくは、細菌ウイルス(特にDN
Aウイルス)を包含する。しかしながら、本発明は、可能性のあるディスプレイ
パッケージとしての酵母およびそれらの胞子をはじめとする真核生物細胞(本来
的に
抗体を産生する細胞以外のもの、すなわちB細胞)の使用も企図する。
ファージディスプレイライブラリーを得るための市販キット(例えば、ファル
マシア(Pharmacia)のリコンビナント・ファージ・アンチボディー・システム(
Recombinant Pharge Antibidy Sysytem),カタログ番号27−9400−01;
およびストラタジーン(Stratagene)のSurfZAPTMファージディスプレイ
キット,カタログ番号240612)のほかに、本発明の雑多な抗体デイスプレ
イの生成における使用に特に用いられる方法および試薬の例は、例えば、ラドナ
ー(Ladner)ら米国特許第5,223,409号;カング(Kang)ら国際公開WO
92/18619号;ダウアー(Dower)ら国際公開WO91/17271;ウィ
ンター(Winter)ら国際公開WO92/20791;マークランド(Markland)
ら国際公開WO92/15679;ブレイトリング(Breitling)ら国際公開W
O93/01288;マカファティー(McCafferty)ら国際公開WO92/01
047;ジェラード(Gerrard)ら国際公開WO92/09690;ラドナーら
国際公開WO90/02809;フックス(Fuchs)ら(1991年)バイオ/
テクノロジー(Bio/Technology)第9巻:1370〜1372頁;ヘイ(Hay)
ら(1992年)ヒューマン・アンチボディー・ハイブリドーマズ(Hum Antibo
d Hybridomas)第3巻:81〜85頁;フーズ(Huse)ら(1989年)サイエン
ス(Science)第246巻:1275〜1281頁;グリフィス(Griffiths)ら
(1993年)EMBO J第12巻:725〜734頁;ホーキンス(Hawkin
s)ら(1992年)ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J Mol B
iol)第226巻:889〜896頁;クラックソン(Clackson)ら(1991
年)ネイチャー(Nature)第352巻:624〜628頁;グラム(Gram)ら(
1992年)PNAS第89巻:3576〜3580頁;ガラード(Garrard)
ら(1991年)バイオ/テクノロジー第9巻:1373〜1377頁;ホーゲ
ンボーム(Hoogenboom)ら(1991年)ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(
Nuc Acid Res)第19巻:4133〜4137頁;およびバーバス(Barbas)ら
(1991年)PNAS第88巻:7978〜7982頁において見いだされる
。
ディスプレイが細菌細胞、またはペリプラズムにおいて集合するファージに基
づく場合、パッケージのディスプレイ手段は、少なくとも2つの成分からなる。
第1の成分は、細胞膜(ディスプレイパッケージがファージの場合には宿主細胞
の細胞膜)の細胞外側に局在化する組み換え型抗体に指向される分泌シグナルで
ある。この分泌シグナルはシグナルペプチダーゼにより特徴的に開裂されてプロ
セッシングされた「成熟抗体」を生じる。第2の成分は、抗体を外表面に結合さ
せるようにディスプレイパッケージに指令するディスプレイアンカー蛋白である
。後に説明するように、このアンカー蛋白は、遺伝学的パッケージに対してネイ
ティブな表面蛋白またはコート蛋白由来であってよい。
ディスプレイパッケージが細菌胞子、または蛋白コーティングが細胞内で集合
するファージである場合、宿主細胞の内膜へと抗体を指向する分泌シグナルは不
要である。これらの場合、雑多な抗体ライブラリーを配列させる手段は、融合蛋
白として使用される胞子またはファージのコート蛋白誘導体からなる。
ディスプレイの抗体成分は、少なくとも、抑制的免疫化段階において単離され
たB細胞からクローン化されたVHまたはVL領域のいずれか1つからなる。しか
しながら、VH領域および/またはVL領域は、抗体の可変領域以外に、不変領域
の全部または一部を含んでいてもよいことが理解されるであろう。典型的には、
ディスプレイライブラリーは、少なくともFvフラグメントを生成させるための
重鎖および軽鎖両方の可変領域を含むであろう。分かりやすくするために、本明
細書記載の具体例は、ディスプレイアンカー蛋白を伴う融合蛋白を構築するため
にクローン化されたVH領域の使用からなるような最小の抗体ディスプレイを詳
述する。しかしながら、VLおよびVH鎖の役割がディスプレイライブラリーの構
築において逆転している類似の具体例がありうることが理解されるはずである。
ある環境下においては、抗体ディスプレイのVH部分は抑制的免疫化段階の単
離細胞由来であるが、VL鎖は存在しないかまたは「固定された」VL(すなわち
、ディスプレイの各抗体につき同じVL鎖)であるかのいずれかである。例えば
、ディスプレイのVL部分が固定されている場合、VL鎖は、VH鎖をコードする
構築物以外の遺伝子構築物から、または宿主細胞自体(すなわち、軽鎖産生骨髄
腫
細胞)から与えられ、あるいはすでに表面上でディスプレイされているVH鎖と
再結合するように外部からパッケージに添加される。しかしながら、VL鎖が、
VH遺伝子がクローン化されるのと同じB細胞集団からクローン化される雑多な
VLライブラリー由来であることが一般的に好ましい。かかる場合、好ましい具
体例は、VL遺伝子をVH遺伝子と同じ構築物中に置いて両方が容易に一緒に回収
されるようにする。
所望の抗体ディスプレイが複数鎖抗体(例えば、VHおよびVLが別々のポリペ
プチド鎖である)である場合、軽鎖をコードするcDNAを、重鎖コート蛋白ラ
イブラリーを含むベクターの適当な部位中に直接クローン化してもよい。あるい
は別法として、軽鎖を別々のライブラリーとして異なるプラスミドベクター中に
クローン化し、増幅し、次いで、重鎖をコードするベクターライブラリー中にフ
ラグメントをクローン化してもよい。かかる状況下において、宿主細胞のペリプ
ラズム中への分泌を指令するシグナルリーダー配列とともに発現されるようにVL
鎖をクローン化する。例えば、イー・コリ(E.coli)においていくつかのリー
ダー配列は、OmpA(フシウング(Hsiung)らバイオ/テクノロジー(198
6年)第4巻991〜995頁)およびphoA(スケラ(Skerra)およびプラ
クサム(Pluckthum),サイエンス(1988年)第240巻:1038頁)の
ごとき抗体配列の分泌を指令することが示されている。
ディスプレイパッケージがファージである例において、ファージミド中のVL
鎖配列のためのクローニング部位は、正常なファージ機能を実質的に妨害しない
ように置かれるべきである。1のかかる位置はジンダー(Zinder)およびベケ(
Boeke),(1982年)ジーン(Gene)第19巻:1〜10頁に記載された遺
伝子間領域である。典型的な具体例は、M13ファージディスプレイライブラリ
ーからなり、好ましくは、VL配列はHL−coIII産物(後に説明)と同等また
はそれ以上のレベルで発現されてペリプラズムにおいて高いVL濃度を維持し、
VLとVH鎖との効率的な集合(会合)を提供する。例えば、別々の遺伝子、すな
わち、VH/コート融合蛋白およびVL鎖の両方をコードするようにファージミド
を構築することができる。適当な誘導下において、両方の鎖が発現され、宿主細
胞のペリプラズム空間において集合するようになり、集合した抗体は、コート蛋
白融合構築物の一部であるVH鎖によりファージ粒子に結合される。
重鎖と軽鎖の可能な組み合わせはおそらく1012通りを超えるであろう。でき
るかぎり多くの組み合わせをサンプリングすることは、一部には、多数の形質転
換体を回収する能力に依存する。プラスミド様形態のファージ(フィラメント状
ファージ)に関して、電気形質転換は、DNAインプットに対する非常に大きな
受容能力のほかに、インビトロパッケージングを用いるファージトランスフェク
ションに比肩しうる効率を提供する。このことは、多数のベクターDNAを用い
て非常に多くの形質転換体を得ることを可能にする。該方法は、ダウアー(Dowe
r)ら(1988年)ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Resea
rch)第16巻:6127〜6145頁に記載されており、例えば、これを用い
てイー・コリ(MC1061株のごとき)中の結合されたベクター1μgあたり
約107個の割合でfd−tet由来の組み換え体を形質転換してもよく、ライ
ブラリーを約3x108種までまたはそれ以上のメンバーからなるfd−tet
Bl中に構築してもよい。DNAインプットを増加させること、および当業者の
能力の範囲内でクローニングプロトコールに対して変更を加えることは、形質転
換体の回収率を約10倍上昇させ、1010個までまたはそれ以上の組み換え体の
ライブラリーを提供しうる。
他の具体例において、1本鎖Fvフラグメントを形成するための柔軟性のある
リンカーにより結合された重鎖および軽鎖のV領域ドメインを、同じポリペプチ
ド上において発現させることができ、次いで、scFV遺伝子を所望発現ベクタ
ーまたはファージ中にクローン化する。マカファティー(McCafferty)ら,ネイ
チャー(Nature)(1990年)第348巻:552〜554頁において一般的
に記載されているように、柔軟性のある(Gly4−Ser3)3リンカーにより結
合された、抗体の完全なVHおよびVLドメインを用いて、抗原アフィニティーに
基づいてディスプレイパッケージを分離可能にすることのできる1本鎖抗体を得
ることができる。
当業者に明らかなように、高アフィニティー抗体が検索される具体例において
、
本発明選択方法に関する重要な判断基準は、それが特定の抗原に対する異なるア
フィニティーの抗体間を識別し、最も高いアフィニティーの抗体について優先的
に濃厚化することができるということであってよい。抗体アフィニティーおよび
結合価(すなわち、結合活性)に関するよく知られた理論を適用すると、ディス
プレイパッケージを効率的に1価にするように操作することにより、多価ディス
プレイパッケージを用いて単離することのできるより広範囲のアフィニティーと
比較して一般的により高い結合アフィニティー(すなわち、106ないし1010
M-1の範囲の結合定数)に関してアフィニティー濃厚化を行うことができる。1
価ディスプレイを得るために、ディスプレイに抗体を固定するのに用いる天然型
(すなわち、野生型)の表面蛋白またはコート蛋白を、ディスプレイパッケージ
中の抗体融合蛋白の包含をほとんど完全に除去するに十分な高レベルで添加する
ことができる。かくして、多くとも1コピーの抗体融合蛋白を含む非常に大多数
のディスプレイパッケージを得ることができる(例えば、ガラード(Garrard)ら
(1991年)バイオ/テクノロジー第9巻:1373〜1377頁)。1価デ
ィスプレイライブラリーの好ましい具体例において、ディスプレイパッケージの
ライブラリーは多くとも5ないし10%多価ディススプレイからなり、より好ま
しくは多くとも2%のディスプレイが多価であり、最も好ましくは多くとも1%
の多価ディスプレイパッケージが集団中に存在する。野生型アンカー蛋白の源は
、例えば、抗体融合蛋白と同じ構築物上に存在する野生型遺伝子のコピーにより
提供されうるし、あるいはまた別々の構築物を一緒にして提供されうる。しかし
ながら、類似の操作により多価ディスプレイを得てより広範囲の結合アフィニテ
ィーのものを単離できることが同じく明らかである。かかる抗体は、例えば、抗
体活性が所望のものでありうる精製プロトコールにおいて有用である可能性があ
る。
i)ディスプレイパッケージとしてのファージ
バクテリオファージは、主題発明に使用される魅力的な原核生物に関連した生
物である。バクテリオファージは、インタクトな成熟ファージに関連した酵素活
性がほとんどないか全くなく、さらにそれらの遺伝子は細菌宿主外では不活性で
あり、変異ファージ粒子を代謝の面において不活性にするので、雑多な抗体ライ
ブラリーのディスプレイ系を提供する優れた候補である。一般的には、ファージ
表面は比較的単純な構造である。ファージは簡単に増殖して数を増やすことがで
き、多くの可能性を秘めた大量スクリーニングプログラムにおいて使用される実
際の取り扱いに適しており、それらは、小型で単純なパッケージ中にそれら自身
の合成のための遺伝情報を有している。抗体遺伝子がファージゲノム中に挿入さ
れるので、本発明において使用される適当なファージの選択は、一般的には、大
体において、(i)ファージのゲノムが、さらなる遺伝物質を許容することによ
りまたは置換可能な遺伝物質を有することのいずれかにより、抗体遺伝子の導入
を許すかどうか;(ii)遺伝物質の挿入または置換を受け入れた後にウイルス粒
子がゲノムをパッキングできるかどうか;および(iii)ファージ表面上の抗体
のディスプレイが、ファージ増殖を妨害するほど十分にウイルス粒子構造を破壊
しないかどうかによるであろう。
ファージの使用に伴う1の懸念は、ファージの形態形成経路が、抗体が折り畳
まれる機会を有する環境を決定するというものである。一般的にディスプレイさ
れた抗体は必須のジスルフィドを含有しているので、ペリプラズムで集合したフ
ァージは好ましいものであり、かかる抗体は細胞中で正しく折り畳まれない可能
性がある。しかしながら、ディスプレイパッケージが細胞内で生成する特別な具
体例(例えば、λファージが用いられる)において、ファージが細胞から放出さ
れた後、抗体が正しい折り畳みをする可能性があることが示された。
ファージの使用に関連するが、細菌細胞および胞子の使用にも関するもう1つ
の懸念は、多重感染が、1の特定の抗体に関する遺伝子を有するが少なくとも1
つまたはそれ以上の異なった抗体をその表面上に有するハイブリッドディスプレ
イを発生させうることである。それゆえ、低多重度感染を引き起こす条件下で細
胞をファージに感染させることによりこの可能性を最小にすることは、任意に行
われることであるが、好ましいといえる。しかしながら、抗体ディスプレイをコ
ードしている遺伝子構築物間での同種の組み換えの発生を増加させてさらに抗
体ディスプレイライブラリーのレパートリーを拡張するような状況のごとき、高
多重度感染条件が望ましい状況があるかもしれない。
一定のバクテリオファージについては、好ましいディスプレイ手段はファージ
表面上に存在する蛋白(例えば、コート蛋白)である。糸状ファージは螺旋格子
、等大ファージ、さらに20面体格子により説明されうる。各主要コート蛋白の
各モノマーは格子点上に存在し、その隣のものと定まった相互作用をする。すべ
てではないがいくつかの正常な格子との接触を作ることによって格子中にフィッ
トする蛋白は、ウイルス粒子の形成を失敗させることにより、また、ウイルス粒
子中にギャップを残して核酸が保護されないようにすることにより、ウイルス粒
子を不安定化させる可能性がある。よって、バクテリオファージにおいては、細
菌および胞子の場合と異なり、ウイルス粒子中の他の蛋白と相互作用するコート
蛋白の残基を抗体融合蛋白中に保持することが一般的に重要である。例えば、M
13cpVIII蛋白を用いる場合、一般的に、全成熟蛋白はcpVIIIのN末端を付
加されている抗体フラグメントとともに保持されるであろうが、一方、抗体融合
蛋白中のM13cpIIIコート蛋白の100個(またはそれ以下の)のカルボキ
シ末端残基のみを保持すれば十分でありうる。
λファージを用いる場合のような適当な誘導下において、抗体ライブラリーが
発現され、細菌の細胞質において集合することができる。ファージ粒子のいくら
かの複製、いくらかのファージ構造蛋白の合成、およびいくらかのファージ粒子
の集合が起こるまで蛋白の誘導を遅延させてもよい。次いで、集合した蛋白鎖は
、ファージ粒子外表面上のアンカー蛋白の結合により、ファージ粒子と相互作用
する。細胞を溶解し、ライブラリーによりコードされた受容体蛋白(当該ファー
ジのDNA中に含まれている特異的なライブラリー配列に対応する)を有するフ
ァージを放出させ、細菌残渣から単離する。
所望蛋白をコードするクローン化されたライブラリー配列を含んでいるファー
ジを濃厚化し単離するために、かくして、核酸配列自体を最終的に単離するため
に、細菌残渣から収穫されたファージをアフィニティー精製する。下記のごとく
、特定の抗原または抗原決定基に特異的に結合する抗体が所望の場合、抗原また
は
決定基を用いて所望抗体をディスプレイしているファージを回収することができ
る。次いで、そのようにして得られたファージを宿主細胞中に感染させることに
より増幅してもよい。所望レベルの濃厚化が得られるまで、さらなる回数のアフ
ィニティー濃厚化、次いで、増幅を行う。
標識抗原をプローブとして用いる発現プラーク(またはコロニー)リフト(例
えば、ヤング(Young)およびデイビス(Davis),サイエンス(Science)(1
983年)第222巻:778〜782頁参照)のような、さらなる検出方法を
用いて、濃厚化された抗体−ファージをスクリーニングすることができる。その
スクリーニングプロトコールから得られるファージを細胞中に感染させ、増殖さ
せ、次いで、ファージDNAを単離し、配列決定し、次いで/または原核生物ま
たは真核生物における遺伝子発現を意図されたベクター中に再クローン化して大
量の選択特定抗体を得る。
さらにもう1つの具体例において、細菌ペリプラズムのごとき細胞質外コンパ
ートメントへと抗体を輸送するが、ウイルスコート蛋白を伴った融合蛋白として
輸送する。この具体例において、所望蛋白(あるいは、それが複数鎖の抗体であ
る場合にはそのポリペプチド鎖の1つ)を、ウイルスコート蛋白と融合させて発
現させるが、該所望蛋白はプロセッシングされて細胞内膜に輸送される。もし存
在するならば、他の鎖を分泌リーダーとともに発現させ、かくしてペリプラズム
に輸送し、あるいは細胞質外に位置づけることにより細胞内に輸送する。次いで
、細胞質外に存在する鎖(例えば、重鎖および軽鎖)は集合して完全な抗体(ま
たはその結合フラグメント)となる。ファージが宿主の膜を通って押し出され、
コート蛋白がファージDNAのまわりに集合するため、集合した分子はファージ
コート蛋白への付着によりファージ中に取り込まれるようになる。次いで、抗体
複合体を有するファージを、下記アフィニティー濃厚化によりスクリーニングし
てもよい。
a)糸状ファージ
M13、fl、fd、Ifl、Ike、Xf、Pfl、およびPf13を包含
する糸状ファージは、細菌に感染する関連ウイルスのグループである。それらは
、バクテリオファージゲノムを形成するデオキシリボ核酸(DNA)を包む伸長
したカプセルからなる長く薄い粒子であるので、糸状と呼ばれる。F繊毛糸状バ
クテリオファージ(Ffファージ)は、F繊毛の先端に特異的に吸着することに
よりグラム陽性細菌のみに感染し、それはfd、flおよびM13を包含する。
他のバクテリオファージと比較すると、一般的に、糸状ファージは魅力的であ
り、特にM13は魅力的である。なぜなら、(i)ウイルス粒子の3次元構造が
知られている;(ii)コート蛋白のプロセッシングがよく理解されている;(ii
i)ゲノムが伸長可能である;(iv)ゲノムが小さい;(v)ゲノム配列が知られ
ている;(vi)ウイルス粒子が剪断、熱、低温、尿素、塩化グアニジウム、低p
H、および高濃度の塩に対して物理的に耐性がある;(vii)ファージが配列決
定用ベクターであり配列決定が特に容易である;(viii)抗生物質耐性遺伝子が
ゲノム中にクローン化されており、結果を予想できる(ハインス(Hines)ら,
(1980年)ジーン(Gene)第11巻:207〜218頁);(ix)培養およ
び保存が容易であり、感染細胞は、普通でない、あるいは高価な培地を必要とし
ない;(x)バーストサイズが大きく、感染後、各感染細胞は100ないし10
00個のM13子孫を生じる;そして(xi)収穫および濃縮が容易(サリバー(
Salivar)ら,(1964年)ウイロロジー(Virology)第24巻:359〜3
71頁)だからである。通常のクローニングおよび配列決定用ベクターである糸
状ファージM13の全生活環はよく理解されている。完全配列を含めて、M13
の遺伝子構造はよく知られており(シャラー(Schaller)ら,ザ・シングル−ス
トランデッド・DNAファージズ(The Single-Stranded DNA Phages),デンハ
ート(Denhardt)ら編(NY:CSHLプレス,1978年))、10個の遺伝
子の同一性および機能、および転写順序ならびにプロモーター位置並びにウイル
ス粒子の物理的構造もよく知られている(スミス(Smith)ら,(1985年)
サイエンス第228巻:1315〜1317頁;ラシャド(Raschad)ら(19
86年)マイクロバイオロ・ディベ(Microbiol Dev)第50巻:401〜42
7頁;クーン(Kuhn)ら(1987年)サイエンス第238巻:1413〜1
415頁;ジンマーマン(Zimmerman)ら,(1982年)ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー(J Biol Chem)第257巻:6529〜653
6頁;およびバンナー(Banner)ら(1981年)ネイチャー第289巻:81
4〜816頁)。ゲノムが小型(6423bp)であるので、1本鎖オリゴヌク
レオチドに指向される突然変異(フリッツ(Fritz)ら,DNA・クローニング(
DNA Cloning)(グロバー(Glover)編、英国オックスフォードのIRCプレス
,1985年)中)のようなカセット突然変異がRF M13に対して用いられ
る(アウスベル(Ausbel)ら編,カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラ
ー・バイオロジー(Current Protocoles in Molecular Biology)(ニューヨー
クのジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons),1991年)
。M13はプラスミドであり、それ自体形質転換系であり、理想的な配列決定用
ベクターである。イー・コリ(E.coli)の組み換え型株でM13を増殖させるこ
とができる。M13ゲノムは伸長可能であり(メッシング(Messing)ら,ザ・
シングル−ストランデッド・DNAファージズ(The Single-Stranded DNA Phag
es),デンハート(Denhardt)ら編(NY:CSHLプレス,1978年)中,
449〜453頁;およびフリッツら,上記)、M13は細胞を溶解しない。追
加の遺伝子をM13中に挿入することができ、それらは安定な様式でウイルスゲ
ノム中に維持されるであろう。
Ffファージの成熟カプセルは5種のファージによりコードされる遺伝子産物
のコートからなる。すなわち、遺伝子VIIIの主要コート蛋白産物であるcpIII
(カプセルの大部分を形成する);および4種のマイナーなコート蛋白(カプセ
ルの一端にあるcpIIIならびにcpIV、およびカプセルの他方の端にあるcpV
IIならびcpIX)である。カプセルの長さは、特徴的な糸状構造を形成する秩序
ある螺旋配置となった2500ないし3000コピーのcpVIIIにより形成さ
れる。遺伝子IIIによりコードされる蛋白(cpIII)は、典型的には、1つのカ
プセル末端に4ないし6コピー存在し、感染の初期段階においてファージのその
細菌宿主への結合のための受容体として役立つ。Ffファージ構造の詳細なレビ
ューについては、ラシェド(Rasched)ら,マイクロバイオロ・レビ
(Microbiol.Rev.)第50巻:401〜427頁(1986年);およびカレン
ダー(Calendar)ら編,プレナム・プレス(Plenum Press),「ザ・バクテリオ
ファージ(The Bacteriophge)」第2巻(1988年)中、モデル(Model)ら
,375〜456頁参照。
ファージ粒子の集合は、宿主細胞の膜を通過するウイルスゲノムの押し出しが
必要である。押し出しの前に、主要コート蛋白cpVIIIおよびマイナーなコート
蛋白cpIIIが合成され、宿主細胞の膜へと輸送される。cpVIIIおよびcpIII
は、それらが成熟粒子中に取り込まれる前に宿主細胞膜に固定される。さらに、
ウイルスゲノムが生産され、cpV蛋白でコートされる。押し出し工程の間にc
pVによりコートされたゲノムDNAからcpVが剥ぎ取られ、同時に成熟コート
蛋白で再被覆される。
cpIIIおよびcpVIII蛋白は、成熟ファージ粒子の集合にためのシグナルを
提供する2個のドメインを含む。第1のドメインは、新たに合成された蛋白を宿
主細胞膜に指向する分泌シグナルである。分泌シグナルはポリペプチドのアミノ
末端に位置し、ポリペプチドを少なくとも細胞膜に向ける。第2のドメインは、
宿主細胞膜との結合および集合の間のファージ粒子との結合に関するシグナルを
提供する。cpVIIIおよびcpIII双方に関するこの第2のシグナルは、少なく
とも膜に達するための疎水性領域からなる。
50個のアミノ酸の成熟遺伝子VIIIによるコート蛋白(cpVIII)は73個の
アミノ酸のプレコートとして合成される(イトー(Ito)ら(1979年)PN
AS第76巻:1199〜1203頁)。cpVIIIはモデル膜蛋白として広く研
究されている。なぜなら、それは、酸性アミノ末端は膜の外側に向かい、塩基性
カルボキシ末端は膜の内側に向くようにして、非対称な方向で細胞膜のごとき脂
質障壁中に組み入れられうるからである。最初の23個のアミノ酸は、初期のポ
リペプチドを細胞内膜中に挿入されるようにする典型的なシグナル配列を構成し
ている。イー・コリのシグナルペプチダーゼ(SP−1)は、アミノ酸18、2
1、および23を認識し、さらに残基22をより弱く認識し、プレコートの残基
23と24との間を切断する(クーン(Kuhn)ら(1985年)ジャーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)第260巻:15914
〜15918頁;およびクーンら(1985年)ジャーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリー第260巻:15907〜15913頁)。シグナル配列の
除去後、成熟コートのアミノ末端は内膜のペリプラズム側に位置し、そのカルボ
キシ末端は細胞質側に位置する。約3000コピーの成熟コート蛋白は内膜中に
並んで結合する。
遺伝子VIIIの配列は知られており、アミノ酸配列を合成遺伝子上にコードする
ことができる。成熟遺伝子VIIIの蛋白は環状1本鎖DNAの周囲の鞘を形成する
。遺伝子VIIIの蛋白はアンカー蛋白として適当でありうる。なぜなら、ウイルス
粒子中でのその位置および方向が知られているからである(バンナー(Banner)
ら(1981年)ネイチャー第289巻)。好ましくは、抗体を成熟M13コー
ト蛋白のアミノ末端に付着させてファージディスプレイライブラリーを得る。上
記のごとく、感染細胞における野生型cpVIIIおよびAb/cpVIII融合物双方
の濃度の変化を用いてディスプレイの結合活性を低下させることができ、そのこ
とにより、標的エピトープに指向された高アフィニティー抗体の検出を促進する
ことができる。
抗体をディスプレイするためのもう1つの手段は、それを遺伝子IIIの一部ま
たは全部を含むキメラ遺伝子のドメインとして発現させることである。1価のデ
ィスプレイが必要な場合には、ファージ粒子形成の間において、キメラgpIII
に対する野生型gpIIIの割合の変化を容易にコントロールすることができるた
め、gpIIIを伴う融合蛋白としてV−遺伝子を発現させることが好ましい具体
例でありうる。この遺伝子は、M13のマイナーなコート蛋白の1つをコードし
ている。遺伝子VI、VIIおよびIXもマイナーなコート蛋白をコードしている。こ
れらのマイナーなコート蛋白はそれぞれ、ウイルス粒子1個あたり約5コピーで
存在し、形態形成または感染に関連している。対照的に、主要コート蛋白はウイ
ルス粒子1個あたり2500コピー以上で存在する。遺伝子VI、VII、およびIX
蛋白はウイルス粒子の末端に存在する。これら3つの蛋白は翻訳前にはプロセッ
シングされない(ラシェドら(1986年)アニュアル・レビュー・オブ・マイ
クロ
バイオロジー(Ann.Rev.Microbiol.)第41巻:507〜541頁)。詳細には
、1本鎖環状ファージDNAは約5コピーの遺伝子III蛋白に結合し、次いで、
DNAが蛋白の螺旋状の鞘に包まれるような様式で膜結合コート蛋白のパッチを
通して押し出される(ウェブスター(Webster)ら,「ザ・シングル−ストラン
デッド・DNA・ファージズ(The Single-Stranded DNA Pharges)ドレスナー
(Dressner)ら編中,(NY:CSHLプレス,1978年))。
cpIIIの配列の操作は、通常には膜アンカー機能に関与している疎水性アミ
ノ酸のC末端の23個のアミノ酸の伸長を種々の方法て変更することができ、膜
結合能を保持することができることを示した。Ffファージに基づく発現ベクタ
ーがまず記載され、そこではcpIIIアミノ酸残基配列が、ポリペプチドの「エ
ピトープ」(パーメリー(Parmely)ら,ジーン(Gene)(1988年)第73巻
:305〜318頁;およびクウィルラ(Cwirla)らPNAS(1990年)第
87巻:6378〜6382頁)または1本鎖抗体ドメインを決定するアミノ酸
残基配列(マカファティー(McCafferty)ら,サイエンス(Science)(1990
年)第348巻:552〜554頁)の挿入により変化させられた。遺伝子III
中への挿入はウイルス粒子外表面上の新規蛋白の生成を引き起こしうることが示
されている(スミス(Smith)(1985年)サイエンス第228巻:1315
〜1317頁;およびデ・ラ・クルス(de la Cruz)ら(1988年)ジャーナ
ル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー第263巻:4318〜4322頁)
。スミスおよびデ・ラ・クルスにより用いられた部位、すなわち、もう1つのド
メイン境界もしくは蛋白の表面ループまたは成熟蛋白のアミノ末端に対応するコ
ドンにおいて抗体遺伝子を遺伝子IIIと融合させてもよい。
一般的には、糸状ファージfdのcpIIIのごときファージコート蛋白を用い
るうまいクローニング法は、(1)コート蛋白(例えばcpIII)のN末端に融
合した抗体鎖の発現および宿主の内膜への輸送(ここにコート蛋白のC末端領域
における疎水性ドメインは、融合蛋白を膜中に固定し、ペリプラズム空間中に突
出した抗体鎖を含み、第2のまたはそれに続く鎖(例えば、FvまたはFabフ
ラグメントを形成するVL)との相互作用に利用可能なN末端を伴っており、か
くして第2のまたはそれに続く鎖はコート蛋白に付着する);および(2)もし
存在するならば第2のまたはそれに続く鎖(例えばVL)の十分な発現およびペ
リプラズムの可溶性コンパートメントへのこの鎖の輸送を提供するであろう。
同様の構築物を他の糸状ファージを用いて作成することができよう。Pf3は
、IncP−Iプラスミドを有するシュードモナス・アエルゲノサ(Pseudomona
s aerugenosa)に感染する、よく知られた糸状ファージである。全ゲノムが配列
決定されており(ルイテン(Luiten)ら(1985年)ジャーナル・オブ・ウィ
ロロジー(J.Virol.)第56巻268〜276頁)、複製および集合に関与する
遺伝シグナルが知られている(ルイテンら(1987年)DNA第6巻129〜
137頁)。PF3の主要コート蛋白は、その分泌を指令するシグナルペプチド
を有していない点で普通でない。その配列には荷電残基ASP−7、ARG−3
7、LYS−40およびPHE44があり、そのことはアミノ末端が露出してい
ることと矛盾しない。よって、Pf3表面上に抗体を出現させるために、3分節
遺伝子を構築することができ、該遺伝子はピー・アエルゲノサにおける分泌を引
き起こすことが知られているシグナル配列(該シグナル配列は抗体配列をコード
している遺伝子フラグメントにフレーム中で融合しており、該抗体配列は成熟P
f3コート蛋白をコードしているDNAにフレーム中で融合している)からなる
。所望により、1ないし10個のアミノ酸からなる柔軟性のあるリンカーをコー
ドするDNAを抗体遺伝子フラグメントとPf3コート蛋白遺伝子との間に挿入
する。この3分節遺伝子をPf3中に導入して、それがいかなるPf3遺伝子の
発現も妨害しないようにする。シグナル配列が開裂されると、抗体はペリプラズ
ム中にあり、成熟コート蛋白はアンカーおよびファージ集合シグナルとして作用
する。
b)バクテリオファージφX174
バクテリオファージφX174は、遺伝学、生化学および電子顕微鏡により完
全に研究されている非常に小型の20面体ウイルスである(ザ・シングル−スト
ランデッド・DNAファージズ(The Single-Stranded DNA Phages),デンハー
ト(Denhardt)ら編(NY:CSHLプレス,1978年)参照)。φX174
の3つの遺伝子産物は成熟ウイルス粒子の外側に存在する。それらはF(カプシ
ド)、G(大スパイク蛋白、ウイルス粒子1個あたり60コピー)、およびH(
マイナーなスパイク蛋白、ウイルス粒子1個あたり12コピー)である。G蛋白
は175個のアミノ酸からなるが、Hは328個のアミノ酸からなる。F蛋白は
ウイルスの1本鎖DNAと相互作用する。蛋白F、GおよびHはウイルス感染し
た細胞中の単一のmRNAから翻訳される。ウイルス遺伝子のいくつかが重複し
ているためウイルスは非常に束縛されているので、非常に少量の付加DNAしか
受け入れないという事実によりφX174は典型的にはクローニングベクターと
して用いられない。しかしながら、同じ宿主細胞において発現されるプラスミド
上に担持された野生型G遺伝子のコピーによりウイルスG遺伝子(G蛋白をコー
ドしている)を救済することができる(チャンバーズ(Chambers)ら(1982
年)ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nuc Acid Res)第10巻:6465〜
6473頁)。1の具体例において、1個またはそれ以上のストップコドンがG
遺伝子中に導入されてウイルスゲノムからG蛋白が生産されなくなる。次いで、
雑多な抗体遺伝子ライブラリーをH遺伝子の核酸配列と融合させることができる
。抗体遺伝子フラグメントのサイズと同じサイズの一定量のウイルスG遺伝子を
φX174ゲノムから除去し、ゲノムのサイズが最終的に変化しないようにする
。かくして、野生型G蛋白を発現する第2のプラスミドで宿主細胞をさらに形質
転換し、変異ウイルスからのウイルス粒子の生産を、外来性G蛋白ソースにより
救済する。φX174粒子1個あたりただ1つの抗体がディスプレイされること
が望ましい場合、第2のプラスミドはさらに野生型H蛋白遺伝子の1個またはそ
れ以上のコピーを含むことができ、その結果、ファージ粒子中への取り込みが起
こればHおよびAb/H蛋白の混合物が優性となるであろう。
c)大型のDNAファージ
λまたはT4のごときファージはM13またはφX174よりもずっと大きな
ゲノムを有しており、M13またはφPX174よりも複雑な3次元カプシド構
造を有し、より多くの選択される蛋白を有している。抗体ライブラリーがプロセ
ッシングされ機能的な形態に集合し、次いで、宿主細胞の細胞質中のバクテリオ
ファージ粒子と結合する本発明の具体例において、バクテリオファージλおよび
その誘導体は適当なベクターの例である。ファージの細胞内での形態形成は、通
常はジスルフィド結合を含んでいる蛋白ドメインが正しく折り畳まれることを潜
在的に防止する。しかしながら、重鎖および軽鎖の可変領域双方を包含する機能
的な抗体の集団を発現している雑多なライブラリーがλファージにおいて生成さ
れた(ヒューズ(Huse)ら(1989年)サイエンス第246巻:1275〜1
281頁;ムリナックス(Mullinax)ら(1990年)PNAS第87巻:80
95〜8099頁;およびピアソン(Peason)ら(1991年)PNAS第88
巻:2432〜2436頁)。かかる方法は、λファージの迅速な構築および有
効な形質転換能を利用する。
VH、VL、FV(可変領域フラグメント)またはFabのごとき抗体配列の発
現について使用する場合、ライブラリーDNAをλベクター中に容易に挿入する
ことができる。例えば、重鎖および軽鎖の可変領域の両方のクローン化されたも
のをZAPIIベクター(ヒューズら,上記)の多重クローニング部位中に挿入す
ることを特徴とするλZAPII(ショート(Short)ら(1988年)ヌクレイ
ック・アシッズ・リサーチ第16巻:7583頁)の修飾により、雑多な抗体ラ
イブラリーが構築された。説明すると、1対のλベクターを消化して、クローニ
ングおよび発現配列に隣接する制限部位に関して非対称とすることができる。こ
の非対称は活性蛋白の別々の鎖をコードするライブラリーの有効な組み換えを可
能にする。よって、抗体軽鎖可変領域(VL)を発現するライブラリーを、抗体
重鎖可変領域(VH)を発現するライブラリーと一緒にして、それにより、組み
合わせ抗体またはFab発現ライブラリーを構築することができる。例えば、ラ
イブラリー構築の初期工程において、λベクターを、抗体軽鎖配列に関するクロ
ーニングベクターとして役立つように設計し、もう1つのλベクターを、抗体重
鎖配列に関するクローニングベクターとして役立つように設計する。組み合わせ
ライブラリーを、2つのラムダライブラリーから、適当な制限部位においてそれ
ら
を交差させることにより構築する。DNAを最初に各ライブラリーから精製し、
各λベクターの右および左のアームを開裂して抗体鎖配列を無傷のままにする。
次いで、DNAを混合し、結合させ、互いのベクターの正しい集合から生じるク
ローンのみが生きたファージとして再構成する(ヒューズら,上記)。
ii)ディスプレイパッケージとしての細菌細胞
組み換え抗体は、その蛋白のN末端に細菌リーダー配列の付加後において細菌
膜を通過することができる(ベター(Better)ら(1988年)サイエンス第2
40巻;1041〜1043頁;およびスケラ(Skerra)ら(1988年)サイ
エンス第240巻 1038〜1041頁)。さらに、表面に発現させるために
、組み換え抗体が外膜蛋白に融合させられた。例えば、抗体を細菌表面にデイス
プレイさせるための1の方法は、完全な外膜蛋白の細胞表面露出部分中に抗体を
挿入することにより融合蛋白を得ることからなる(フックス(Fuchs)ら(19
91年)バイオ/テクノロジー(Bio/Technology)第9巻:1370〜1372
頁)。ディスプレイパッケージとして役立つ細菌細胞を選択することにおいて、
典型的には、十分に性質のわかっている細菌株はいずれも適当であるが、ただし
、細菌が培養中に増殖し、その表面上に抗体ライブラリーをディスプレイするよ
うに加工されることができ、さらに本発明において行われる特別なアフィニティ
ー選択工程に適合するものであることが条件である。細菌細胞のうち、好ましい
ディスプレイ系は、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、
バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、シュードモナス・アエルギノサ
(Pseudomonas aeruginosa)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)、クレ
ブシエラ・ニューモニア(Klebsiella pneumonia)、ネイセリア・ゴノロエアエ
(Neisseria gonorrhoeae)、ネイセリア・メニンギチジス(Neisseria meningi
tidis)、バクテロイデス・ノドスス(Bacteroides nodosus)、モラクセラ・ボ
ビス(Moraxella bovis)、および特にエシェリシア・コリ(Escherichia coli
)を包含する。本発明において有用な多くの細菌細胞表面蛋白が特徴づけられて
おり、これらの蛋白の局在化およびそれらの構造の決定
方法についての研究は、ベンツ(Benz)ら(1988年)アニュ・レビ・マイク
ロバイオロ(Ann Rev Microbiol)第42巻:359〜393頁;バルドゥイッ
ク(Balduyck)ら(1985年)バイオロ・ケミ・ホッペーザイラー(Biol Che
m Hoppe-Seyler)第366巻:9〜14頁;エールマン(Ehrmann)ら(199
0年)PNAS第87巻:7574〜7578頁;ヘイジネ(Heijne)ら(19
90年)プロテイン・エンジニアリング(Protein Engineering)第4巻109
〜112頁;ラドナー(Ladner)らの米国特許第5,223,409号;ラドナー
らのWO88/06630;フックス(Fuchs)ら(1991年)バイオ/テク
ノロジー第9巻:1370〜1372頁;およびゴワード(Goward)ら(199
2年)TIBS第18巻:136〜140頁を包含する。
さらに説明すると、イー・コリのLamB蛋白は、細菌細胞の表面上に雑多な
抗体ライブラリーを生成させるのに用いられうる、よく理解された表面蛋白であ
る(例えば、ロンコ(Ronco)ら(1990年)ビオヘミー(Biochemie)第72
巻:183〜189頁;ファン・デル・ウェイト(van der Weit)ら(1990
年)ワクチン(Vaccine)第8巻:269〜277頁;カラビット(Charabit)
ら(1988年)ジーン(Gene)第70巻:181〜189頁;およびランドナ
ー(Landner)の米国特許第5,222,409号参照)。イー・コリのLamB
は、マルトースおよびマルトデキストリン輸送のためのポーリンであり、バクテ
リオファージλおよびK10の吸着のための受容体として役立つ。機能的なN末
端シグナル配列が存在する場合、LamBは外膜に輸送される(ベンソン(Bens
on)ら(1984年)PNAS第81巻:3830〜3834頁)。他の細胞表
面蛋白と同じように、LamBは、後で除去される典型的なシグナル配列を伴っ
て合成される。よって、雑多な抗体遺伝子ライブラリーをLamB遺伝子中にク
ローン化すると、得られる融合蛋白のライブラリーは、抗体フラグメントを膜の
細胞外側に配向させて蛋白を細胞膜中に固定するに十分なLamB部分からなる
。蛋白のN末端としてLamBシグナル配列または他の適当なシグナル配列を含
ませることにより、融合蛋白の細胞外部分の分泌を容易にすることができる。
イー・コリのLamBが、エス・チフィムリウム(ハルッキ(Harkki)ら(1
986年)マイクロバイ・パソロ(Microb Pathol)第1巻:283〜288頁
)、およびケイ・ニューモニア(ヴェーマイアー(Wehmeier)ら(1989年)
モレ・ジェネ・ジェネティ(Mol Gen Genet)第215巻:529〜536頁)
から、機能的な形で発現されて、これらの種のうちのすべての抗体の集団をイー
・コリのLamBとの融合物としてディスプレイさせることができた。そのうえ
、ケイ・ニューモノアエは、使用可能なLamB類似のマルトポーリンを発現す
る。ピー・アエルギノサにおいて、D1蛋白(LamBの同族体)を用いること
ができる(トリアス(Trias)ら(1988年)バイオケミ・バイオフィジ・ア
クタ(Biochem Biophys Acta)第938巻:493〜496頁)。同様に、PAL
、OmPA、OmPC、OmPF、PhoE、ピリン、BtuB、FepA、F
huA、lutA、FecAおよびFhuEのごとき他の細菌表面蛋白を、細菌
細胞におけるディスプレイ手段の一部としてLamBのかわりに用いてもよい。
iii)ディスプレイパッケージとしての細菌胞子
細菌胞子も本発明方法におけるディスプレイパッケージ候補として望ましい特
性を有している。例えば、栄養細菌細胞またはファージよりも化学的および物理
的要因に対してずっと耐性があり、それゆえ、非常にさまざまなアフィニティー
選択条件の使用が可能である。さらに、バチルスの胞子は、その表面上の蛋白を
代謝する活性がなく、さらにこれらを変化させることもない。しかしながら、胞
子は、胞子形成を開始させる分子機構が、M13の形成またはイー・コリ外膜へ
の蛋白の輸送よりもうまく作動しないという不利益を有するが、かかる制限は本
発明におけるそれらの使用を妨げるものではない。
バチルス属の細菌は、熱、放射線、乾燥、および毒性化学薬品によるダメージ
に対して極度に耐性のあるエンドスポア(endospore)を形成する(ロシック(L
osick)ら(1986年)アニュ・レビ・ジェネティ(Ann Rev Genet)第20巻
:625〜669頁によりレビューされている)。この現象は、コート
蛋白の極度の分子間クロスリンキングによるものである。比較的大まかなアフィ
ニティー分離工程を含む方法のごとき主題発明の特定の具体例において、バチル
スの胞子は好ましいディスプレイパッケージでありうる。バチルス属由来のエン
ドスポアは、例えば、ストレプトミセス由来のエキソスポア(exospore)よりも
安定である。そのうえ、バチルス・ズブチリスは4ないし6時間のうちに胞子を
形成するが、ストレプトミセス種は胞子形成に数日または数週間を必要としうる
。さらに、遺伝学的知識および操作は、他の胞子形成細菌よりもビー・バチルス
に関してずっとよく開発されている。
4種のコート蛋白のいずれかが失われたとしても、野生型とはほんのわずかに
異なる生きた胞子がビー・ズブチリスにおいて形成される(ドノバン(Donovan
)ら(1987年)ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J Mol Bi
ol)第196巻:1〜10頁)。そのうえ、通常は、プラスミドDNAは胞子中
に含まれ、プラスミドによりコードされた蛋白はバチルスの胞子の表面上に観察
されている(デブロ(Debro)ら(1986年)ジャーナル・オブ・バクテリオ
ロジー(J Bacteriol)第165巻:258〜268頁)。よって、胞子形成を
実質的に妨害することなく胞子形成の間において雑多な遺伝子ライブラリーの抗
体からなるキメラなコート蛋白をコードする遺伝子を発現することが可能である
。
説明すると、ビー・ズブチリスの胞子コートのいくつかのポリペプチド成分(
ドノバンら(1987年)ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー第1
96巻:1〜10頁)が特徴づけられた。2種の完全なコート蛋白および他の2
種のアミノ末端フラグメントの配列が決定された。抗体配列のcotCまたはc
otDフラグメントへの融合は、胞子表面上に抗体を生成させる可能性がある。
cotCもcotDもいずれも翻訳後修飾されないので、これらの胞子コート蛋
白それぞれの遺伝子は好ましいものである(レイダー(Lader)らの米国特許第
5,223,409号)。
IV.抗原を標的にする抗体の選択
発現後、雑多な抗体ディスプレイをアフィニティー濃厚化に供して前以て選択
された抗原に結合する抗体を選択する。用語「アフィニティー分離」または「ア
フィニティー濃厚化」は、(1)固定化抗原を用いるアフィニティークロマトグ
ラフィー、(2)可溶性抗原を用いる免疫沈降、(3)蛍光活性化細胞ソーティ
ング、(4)凝集、および(5)プラークリフト(plaque lift)を包含するが
、それらに限定しない。各具体例において、最終的には、興味の対象である抗原
上のエピトープに結合する結合抗体の能力に基づいてディスプレイパッケージの
ライブラリーが分離される。例えば、ランドナー(Landner)らの米国特許第5,
223,409号;カング(Kang)らの国際特許出願公開WO92/18619
;ダウワー(Dower)らの国際特許出願公開WO91/17271;ウィンター(W
inter)らの国際特許出願公開WO92/20791;マークランド(Markland
)らの国際特許出願公開WO92/15679;ブレイトリング(Breitling)
らの国際特許出願公開WO93/01288;マカファティー(McCafferty)ら
の国際特許出願公開WO92/10147;ガラード(Garrard)らの国際特許
出願公開WO92/09690;およびランドナー(Landner)らの国際特許出
願公開WO90/02809参照。最も好ましい具体例において、まずディスプ
レイライブラリーをトレラゲン(toleragen)のごときバックグラウンドエピト
ープの源に接触させてバックグラウンドエピトープに結合する抗体をさらに除去
することにより、まれなエピトープに特異的な抗体に関してディスプレイライブ
ラリーが前以て濃厚化されよう。次いで、ディスプレイパッケージを標的抗原に
接触させ、特異的に該抗原に結合しうるディスプレイの抗体を単離する。
アフィニティークロマトグラフィーに関して、カラムクロマトグラフィーから
バッチ溶離に至る、さらにELISAならびに生体選別(biopanning)法を含む
非常に多くのクロマトグラフィー法を本発明に適用できることが当業者により一
般的に理解されている。典型的には、セファロースまたはポリアクリルアミドゲ
ルビーズ、あるいはマイクロタイタープレートのウェルのごとき不溶性担体に標
的抗原を固定化する。下記のごとく、多くの細胞特異的マーカーを伴う場合のよ
うに、精製された標的抗原の源を容易に利用することができない場合には、抗原
がディスプレイされている細胞が不溶性マトリックス担体として役立つ。
標的抗原への抗体の結合に適合して条件下で、ディスプレイパッケージの集団
をアフィニティーマトリックスに適用する。次いで、標的抗原への抗体の特異的
結合には大きく影響しないが、抗原またはマトリックスへのディスプレイパッケ
ージのいかなる非特異的結合をも実質的に阻止する溶質での洗浄により、該集団
を分画する。結合、インキュベーションおよびその後の洗浄の条件を調節するこ
とにより、ディスプレイライブラリーから回収された抗体の結合特性についてあ
る程度のコントロールを行うことができる。アフィニティーおよび特異性の特定
の範囲内で、温度、pH、イオン強度、2価カチオン濃度、および洗浄体積なら
びに時間を抗体に関して選択することができる。通常は高アフィニティーを予想
できる遅い解離速度に基づく選択は非常に実際的な方法である。飽和量の遊離ハ
プテン(利用できる場合には)の存在下で継続されるインキュベーション、ある
いは洗浄の体積、回数および長さを増加させることのいずれかにより、これを行
ってもよい。それぞれの場合、解離した抗体−ディスプレイパッケージの再結合
が回避され、時間の延長に伴ってアフィニティーが高くなる抗体−ディスプレイ
パッケージが回収される。そのうえ、結合および洗浄方法についてさらに変更を
行って特別な特性を有する抗体を見いだしてもよい。いくつかの抗体のアフィニ
ティーはイオン強度またはカチオン濃度に依存する。抗体からの蛋白の除去のた
めに温和な条件が必要な場合に、このことは種々の蛋白のアフィニティー精製に
使用される抗体の関する有用な特性である。特別な例は、結合活性がCa++に依
存し、EGTA存在下でそれらのハプテンを遊離する抗体である(ホップ(Hopp
)ら(1988年)バイオテクノロジー(Biotechnology)第6巻:1204〜
1210頁)。最初にCa++存在下でハプテンに結合する抗体を単離し、次いで
、この群においてEGTA存在下で結合しない抗体を同定する二重スクリーニン
グによってかかる抗体を組み換え抗体ライブラリーにおいて同定することができ
る。
所望の場合には、非特異的に結合したディスプレイパッケージを除去するため
の「洗浄」の後に、特異的脱離(過剰の抗原を用いて)または非特異的脱離(p
H、極性を減少させる薬剤またはカオトロピック(chaotropic)薬剤を用い
て)のいずれかにより、特異的に結合したディスプレイパッケージを溶離するこ
とができる。好ましい具体例において、溶離プロトコールはディスプレイパッケ
ージとして用いられる生物を殺さないものであり、その結果、ディスプレイパッ
ケージの濃厚化された集団が、増殖によりさらに増幅されうる。可能な溶離剤の
リストは、塩(カウンターイオンの一方がNa+、NH4 +、Rb+、SO4 2-、H2
PO4 -、シトラート、K+、Li+、Cs+,HSO4 -、CO3 2-、Ca2+、Sr2+
、Cl-、PO4 2-、HCO3 -、Mg2+、Ba2+、Br-、HPO4 2-、またはアセ
タートであるような塩)、酸、熱、および利用可能な場合には可溶性形態の標的
抗原(またはそのアナログ)を包含する。アフィニティー分離工程の間に細菌は
代謝を継続し、一般的には、粗雑な条件によりダメージをより受けやすいので、
ディスプレイパッージがファージまたは胞子よりはもしろ細菌である場合に緩衝
成分(特に、溶離剤)はより限定されたものとなりうる。エタノール、アセトン
、エーテルまたは尿素のごとき中性溶質は、結合したデイスプレイパッケージを
溶出するための有用な他の薬剤の例である。
好ましい具体例において、アフィニティー濃厚化されたディスプレイパッケー
ジを繰り返し増幅し、所望の結合活性の濃厚化が検出されるまでアフィニティー
分離のさらなるラウンドに供する。特定の具体例において、特異的に結合したデ
ィスプレイパッケージ、特に細菌細胞はそれ自体溶離される必要がないが、むし
ろ、増殖のための適当な増殖培地に接種するためにマトリックスに結合したディ
スプレイパッケージを直接使用することができる。
ディスプレイパッケージがファージ粒子である場合、特に、cpIII蛋白がデ
ィスプレイアンカーとして用いられる場合に、コート蛋白を伴って生成される融
合蛋白が、引き続き行われる溶離ファージ粒子の増幅を実質的に妨害する可能性
がある。いくつかの抗体構築物は、5〜6本の尾線維の1つのみに存在するとし
ても、それらのサイズおよび/または配列のためにそれらのキャリアファージに
感染性に重大な欠陥を生じさせるかも知れない。このことは、各選別サイクル後
の再感染および増幅の間の集団からのファージの損失を引き起こす。1の具体例
において、抗体をデイスプレイパッケージの表面上に誘導して、ディスプレイさ
れ
た抗体の少なくとも抗原結合部位の共有結合を残りのパッケージから切断する蛋
白分解的開裂に感受性であるようにする。例えば、M13のcpIIIコート蛋白
を用いる場合、かかる方法を用いて、抗体の一部と尾線維融合蛋白のcoIII部
分との間を開裂する酵素での処理により感染性ファージを得ることができる(例
えば、エンテロキナーゼ開裂認識配列の使用のごとき)。
完全でない感染性に関連する問題をさらに最小化するために、溶離されたファ
ージから調製されたDNAをエレクトロポーレーションまたはよく知られた化学
的手段により宿主細胞中に形質転換することができる。マーカーの発現に十分な
時間細胞を培養し、DNA形質転換に典型的なようにして選択を適用する。コロ
ニーを増幅し、引き続き行われる選別のラウンドの間にファージを収穫する。
免疫劣性エピトープに対して所望の結合特異性を有する抗体をコードするデイ
スプレイパッケージを単離した後、精製されたディスプレイパッケージのそれぞ
れに対するV−遺伝子をコードしている核酸を適当な真核または原核発現ベクタ
ー中に再クローン化し、次いで、大量の蛋白の製造に適した宿主中にトランスフ
ェクションすることができる。例えば、単離V−遺伝子が不変領域の一部を欠き
、失われた部分が提供されることが望ましい場合、簡単な分子クローニング法を
用いて失われた部分を元通り付加することができる。標的エピトープを用いるよ
く知られた免疫アッセイ法によって抗体の結合アフィニティーを確認することが
できる(例えば、ハーロウ(Harlow)およびレイン(Lane),アンチボディーズ
:ア・ラボラトリー・マニュアル(Antibodies:A Laboratory Manual),コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Labor
atory Press),コールド・スプリング・ハーバー,NY(Cold Spring Harbor,N
Y)(1988年)参照)。
V.さらなる抗体の取り扱い、抗体組成物、およびイムノアッセイキット
本発明のもう1つの態様は、キメラ抗体、例えば、上記方法により単離された
免疫グロブリンのうちの少なくとも抗原結合部分が別の蛋白中に、好ましくは別
の抗体中にクローン化されている、変化した抗体に関する。本発明により企図さ
れるキメラ抗体の具体例において、主題抗体に対するさらなる操作を用いて、V
−遺伝子ライブラリーから単離された不変領域の部分を完成し、また、V−遺伝
子ライブラリーから単離された抗体の不変領域の全部または一部を異なる不変領
域、例えば、IgG1、IgG2もしくはIgG3のごとき異なるIgG由来の
不変領域で、あるいはIgE、IgA、IgDもしくはIgMのうちの1つ由来
の不変領域で置換する「クラス切り替え」を容易ならしめることができる。同様
のやり方で、1本鎖抗体および他の組み換えフラグメントをクローン化された遺
伝子から生成させることができる。
非ヒト対象において生産された抗体をヒトにおいて治療的に用いる場合、種々
の程度にまで外来性であると認識され、免疫応答が患者において生じるかも知れ
ない。したがって、下記実施例で説明するような非ヒト・V−遺伝子ライブラリ
ー由来である場合、単離抗体遺伝子に対する組み換え的操作を用いて抗体を「ヒ
ト化」させることができる。用語「ヒト化抗体」は、非ヒト種由来の免疫グロブ
リンに由来する抗原結合部位を有し、ヒト対象における分子の免疫原性を実質的
に低下させる必要がある場合に、分子の残りの免疫グロブリン由来の部分がヒト
・免疫グロブリン由来である分子をいうために用いられる。ヒト化抗体において
、抗原結合部位は、例えば、不変ドメインに融合した完全な可変ドメイン、また
はヒト・可変ドメイン中の適当なフレームワーク領域に接続されたCDRsのみ
を包含する。かかる抗体は上記組み換え抗体の等価物であるが、それゆえ、患者
に注射された場合、より寛容性がある可能性がある。
説明的な具体例において、下記実施例に記載されたH3−3、FB3−2また
はF4−7抗体のいずれかを調製して、これらのマウス由来の遺伝子のそれぞれ
の重鎖および軽鎖に関するヒト・不変領域を含ませることができる。例えば、ネ
ズミ・不変領域をコードする抗体遺伝子の一部を、ヒト・不変領域をコードする
遺伝子で置換ことができる(ロビンソン(Robinson)らの国際特許出願PCT/
US86/02269;アキラ(Akira)らの欧州特許出願第184,187号
;タニグチ,エム(Taniguchi,M.)の欧州特許出願第171,496号;モリソン
(Morrison)らの欧州特許出願第173,494号;ノイベルガー(Neuberger)
らのPCT出願公開WO86/01533;カビリー(Cabilly)らの米国特許
第4,816,567号:カビリーらの欧州特許出願第125,023号:ベター
(Better)ら(1988年)サイエンス(Science)第240巻:1041〜1
043頁;リウ(Liu)ら(1987年)PNAS第84巻:3439〜344
3頁;リウら(1987年)ジャーナル・オブ・イミュノロジー(J.Immnol.)
第139巻:3521〜3526頁;スン(Sun)ら(1987年)PNAS第
84巻:214〜218頁;ニシムラ(Nishimura)ら(1987年)キャンサ
ー・リサーチ(Canc.Res.)第47巻:999〜1005頁;ウッド(Wood)ら
(1985年)ネイチャー(Nature)第314巻:446〜449頁;およびショ
ー(Shaw)ら(1988年)ジャーナル・オブ・ナショナル・キャンサー・イン
スティテューション(J.Natl.Cancer Inst.)第80巻:1553〜1559頁参
照)。
抗原結合に関与しない可変領域の一部をヒト・可変領域の等価な部分で置換す
ることにより主題明抗体を「ヒト化」することもできる。「ヒト化」キメラ抗体
の一般的なレビューは、モリソン,エス・エル(Morrison,S.L.)(1985年)
サイエンス第229巻:1202〜1207頁;およびオイ(Oi)ら(1986
年)バイオ・テクノロジーズ(BioTechnologies)第4巻:214頁により提供
される。それらの方法は、少なくとも1つの重鎖または軽鎖由来の免疫グロブリ
ン可変領域の全部または一部をコードする核酸配列を単離、操作、および発現す
ることを包含する。かかる核酸の源は当業者によく知られている。次いで、キメ
ラ抗体またはそのフラグメントをコードするcDNAを適当な発現ベクター中に
クローン化することができる。別法として、適当な「ヒト化」抗体をCDR置換
により製造することができる(ウィンター(Winter)に付与された米国特許第5
,225,539号;ジョーンズ(Jones)ら(1986年)ネイチャー第321巻
:552〜525頁;バーホエイアン(Verhoeyan)ら(1988年)サイエン
ス第239巻:1534頁;およびベイドラー(Beidler)ら(1988年)ジ
ャーナル・オブ・イミュノロジー(J.Immnol.)第141巻;4053〜406
0頁参照)。
キメラな可変領域をコードしているDNA配列をオリゴヌクレオチド合成によ
り調製してもよい。これには、第1の抗体の少なくともフレームワーク領域およ
ひ主題抗体の少なくともCDRs配列が知られているかまたは容易に決定できる
ことが必要である。これらの配列の決定、オリゴヌクレオチドからのDNA合成
および適当なベクターの調製はいずれも、本明細書中の教示を参照して当業者に
より容易に行われる既知方法の使用を包含する。
別法として、変化した可変ドメインをコードするDNA配列を、プライマーに
指向された部位特異的突然変異法により調製することができる。本質的に、この
方法は、所望の変異をコードしているオリゴヌクレオチドを変異を含んでいる1
本鎖DNAとハイブリダイゼーションさせること、該1本鎖をオリゴヌクレオチ
ド伸長用鋳型として用いて変異を含む鎖を得ることを包含する。ゾラー(Zoller
)ら(1982年)ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nuc Acids Res Res)
第10巻:6487〜6500頁;ノリセット(Norriset)ら(1983年)ヌ
クレイック・アシッズ・リサーチ第11巻:5103〜5112頁;ソラーら(
1984年)DNA第3巻:479〜488頁;およびクラマー(Kramer)ら(
1982年)ヌクレイック・アシッズ・リサーチ第10巻:6475〜6485
頁により、この方法は種々の形態で記載されている。種々の理由により、最も単
純な形態のこの方法が、常に高頻度の変異を生じるとは限らない。しかしながら
、単一および多数双方のの変異をM13に基づくベクター中に導入するための改
良法が、カーター(Carter)ら(1985年)ヌクレイック・アシッズ・リサー
チ第13巻:4431〜4443頁により記載されている。長いオリゴヌクレオ
チドを用いると、多くの変化を同時に導入(例えば、カーターら,上記参照)す
ることが可能であることがわかり、かくして、それぞれがCDRをコードしてい
る単一のオリゴヌクレオチドを用いて、主題抗体由来の3つのCDRsをヒト・
抗体のフレームワーク領域中に導入することができる(米国特許第5,345,8
47号も参照)。この方法は、発現プラスミド中への挿入のために全VHドメイ
ンを裁断することよりも簡単でありうるので、この方法は全遺伝子合成よりは労
力がいらないのみならず、必要な特異性の可変ドメインを
発現する特に便利な方法を代表するものである。
部位特異的突然変異法に使用されるオリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチ
ド合成により調製してもよく、あるいは適当な制限酵素の使用により主題抗体の
可変ドメインをコードするDNAから単離することにより調製してもよい。一般
的には、かかる長いオリゴヌクレオチドは少なくとも30残基の長さであり、長
さ80残基までかまたはそれ以上であってもよい。
さらにもう1つの具体例において、融合蛋白を得るためのPCR法を用いてキ
メラ抗体を得ることができる。さらにアニーリングされてキメラなV−遺伝子配
列を生じる2つの連続したCDRおよびFRフラグメント間の相補的なオーバー
ハングを生じるもととなるアンカープライマーを用いてCDRおよびFR双方の
遺伝子フラグメントのPCR増幅を行うことができる(例えば、アウスベル(Au
sbel)ら編、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(
Current Protocols in Molecular Biology),ジョン・ウィリー・アンド・サン
ズ(John Wiley & Sons):1992年参照)。
主題抗体の抗原結合部位を用いて、非免疫グロブリン分子由来の蛋白配列を含
む融合蛋白を得ることができる。例えば、かかるキメラ抗体は、シュードモナス
の外毒素またはジフテリア毒素のドメインの付加のように、蛋白を細胞障害性ま
たは細胞分裂抑制性にする蛋白ドメイン(例えば、ユンク(Jung)ら(1994
年)プロテインズ(Proteins)第19巻:35〜47頁;シーサラム(Seethara
m)ら(1991年)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J Bio
l Chem)第266巻:17376〜17381頁;およびニコルス(Nichola)
ら(1993年)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー第268巻
:5302〜5308頁参照);DNA輸送を容易ならしめるためのDNA結合
ポリペプチド(例えば、米国特許第5,166,320号参照);ホスファターゼ
またはペルオキシダーゼ活性のごとき免疫グロブリン関連酵素活性を提供する触
媒ドメイン;およびグルタチオンから誘導されたマトリックスを用いる抗体の精
製のためのグルタチオン−S−トランスフェラーゼポリペプチド(例えば、アウ
スベル(Ausbel)ら編、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュ
ラー・バイオロジー(Current Protocols in Molecular Biology)、ジョン・ウ
ィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons):1991年参照)またはNi2 +
金属樹脂を用いるアフィニティークロマトグラフィーによるポリ(His)−
抗体の精製を可能にするポリー(His)/エンテロキナーゼ開裂部位配列(例
えば、ホチュリ(Hochuli)ら(1987年)ジャーナル・オブ・クロマトグラ
フィー(J.Chromatography)第411巻:177頁;およびジャンクネヒト(Ja
nknecht)らPNAS第88巻:8972頁参照)のごとき、抗体の精製を単純
化する精製ポリペプチドを包含しうる。
さらに本発明は、単離形態であるか、さもなくば他の細胞性および細胞外蛋白
、特に、抗原性蛋白、あるいは通常には抗原が結合する他の細胞外因子が実質的
にない、主題抗体の利用可能な単離形態を作るものである。用語「他の細胞性お
よび細胞外蛋白(本明細書では「混入蛋白」ともいう)が実質的にない」または
「実質的に純粋な、または精製された標品」は、20%未満(乾燥重量で)の混
入蛋白、好ましくは5%未満の汚染蛋白を含む主題抗体の標品を包含するものと
定義される。まず、本明細書記載のクローン化遺伝子を用いて、機能的形態の主
題抗体を精製標品として調製することができる。「精製された」は、ペプチドま
たはDNAまたはRNA配列をいう場合には、当該分子が、蛋白のごとき他の生
物学的高分子の実質的不存在下において存在していることを意味する。本明細書
の用語「精製された」は、好ましくは、少なくとも80重量%、より好ましくは
95〜99重量%の範囲、最も好ましくは少なくとも99.8重量%の存在する
同じタイプの生物学的高分子を意味する(しかし、水、緩衝剤、他の小型分子、
特に分子量5000未満の分子が存在してもよい)。本明細書の用語「純粋な」
は、好ましくは、すぐ上の「精製された」と同じ数値限定を有する。「単離され
た」および「精製された」は、ネイティブな状態の天然物質、あるいは成分に分
離(例えば、アクリルアミドゲルで)されているが純粋(例えば 混入蛋白を、
または変性剤やポリマー、例えば、アクリルアミドまたはアガロースのごときク
ロマトグラフィー試薬を含んでいない)な物質または溶液として得られない天然
物質を包含しない。
本発明のさらにもう1つの態様は、主題抗体の標品、特に医薬標品に関する。
便利には、本発明抗体またはその医薬上許容される塩を、水、緩衝化セイライン
、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレ
ングリコール等)またはそれらの適当な混合物のごとき生物学的に許容される媒
体とともに投与するために処方してもよい。選択された媒体中の活性成分の最適
濃度は、医化学者によく知られた方法に従って実験的に決定することができ、意
図される投与経路、患者の年齢ならびに体重のような因子に依存する。本明細書
で用いる「生物学的に許容される媒体」は、医薬標品の所望投与経路に適したい
かなる、そしてすべての溶媒、分散媒等を包含する。薬理学的に活性のある物質
のためのかかる媒体の使用は当該分野において知られている。いずれかの慣用的
な媒体または薬剤が抗体の活性(例えば、その特異性および/またはアフィニテ
ィー)に適合しないものであることを除き、本発明医薬標品におけるその使用が
企図される。適当な担体および他の蛋白を含めたそれらの処方が、例えば、レミ
ントンズ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(Remington's Pharmaceutic
al Sciences)(米国ペンシルベニア州イーストン(Easton)のマック・パブリ
ッシング・カンパニー(Mack Publishing Company)、1985年)なる本に記
載されている。これらの担体は注射可能な「デポジット処方(deposit formulati
ons)」を包含する。上記に基づくと、かかる医薬処方は、1種またはそれ以上の
医薬上許容される担体または希釈剤と混合物され、適当なpHであって生理学的
液体と等張な緩衝化媒体中に含まれている抗体の溶液または凍結乾燥粉末を包含
するが、それら以外のものを排除しない。説明目的のみであって、同一物に限定
されないのであるが、本発明の抗−癌細胞抗体を用いる増殖性疾患の治療のため
に溶液形態として調製されうる可能な組成物または処方が米国特許第5,218,
094号に示されている。凍結乾燥標品の場合には、マンニトールまたはグリシ
ン(これら以外のものを排除するのではない)のごとき支持賦形剤を用いてもよ
く、所望体積の適当な緩衝化溶液を用意して所望pHの十分な等張緩衝化溶液を
得てもよい。所望体積の等張溶液中の抗体からなる医薬組成物について同様の溶
液を用いてもよく、また、つねに所望pH(例えば、中性pH)の等張医薬標品
を得るた
めの適当濃度のリン酸塩またはクエン酸塩を含有する緩衝化セイライン溶液の使
用も含まれる(他のものを排除するものではない)。
本発明のさらにもう1つの態様は、例えば、試料中の免疫劣性エピトープの検
出に使用するとこのできるアッセイキットに関する。一般的には、該アッセイキ
ットは、例えば、分光学的方法(FACSを含む)またはラジオグラフィー的方
法により最終的に検出されうる標識基で誘導体化された免疫劣性エピトープに対
する抗体を提供する。例えば、標識は、多くのラジオアイソトープ、蛍光化合物
、酵素、および酵素コーファクターのうちのいずれかのものであってよい。説明
すると、標識基は、セイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファタ
ーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、ウレアーゼ、フルオレセインお
よびそのアナログ、ローダミンおよびそのアナログ、アロフィコシアニン、R−
フィコエリスリン、エリスロシン、ユーロピアム、ルミノール、ルシフェリン、
クマリンアナログ、125I、131I、3H、35S、14Cおよび32Pからなる群より
選択される官能基であってよい。
本発明により提供されるアッセイキットはいくつかの異なるタイプの主題抗体
の選択物を包含していてもよい。抗体は溶液であっても、あるいは凍結乾燥形態
であってもよい。いくつかの具体例において、抗体が固体支持体に前以て結合さ
れていてもよく、あるいはキットが使用される際にそれらが固体支持体の表面に
適用されてもよい。標識手段が前以て抗体に結合されていてもよく、あるいは使
用に先立ち、1またはそれ以上の成分、例えば、緩衝剤、抗体−酵素抱合体、酵
素基質等との結合を要するものであってもよい。多くのタイプの検出可能な標識
が市販されており、キットの1またはそれ以上の成分を構成しうる。種々の検出
可能な標識は当該分野において知られており、適当な標識基は検出可能なシグナ
ルを放出する基であることが一般的に認識されている。行われるイムノアッセイ
のタイプに応じて種々の標識基を用いることができる。有用な標識は、蛍光、放
射活性、リン光、化学発光、生物発光および遊離基あるものを包含する。さらに
、標識基は、ポリペプチド(例えば酵素または蛋白)、ポリマー、多糖類、受容
体、コファクターおよび酵素阻害剤を包含してもよい。本発明キットはさらなる
試薬
を含んでいてもよい。さらなる試薬は、固相表面への非特異的結合を減少させる
ためのブロッキング剤、洗浄剤、酵素基質等を包含しうる。固相表面は、蛋白の
固定化に適する塩化ポリビニル、ポリスチレン等の材料でできたマイクロタイタ
ープレート、微小球等の形態であってもよい。
VI.主題方法、および主題方法により得られた抗体の典型的な適用
本発明の主題方法を、精製、診断、および治療用途において有用な抗体の製造
に有利に適用することができる。免疫された動物由来でありうる抗体ディスプレ
イライブラリーとは対照的に、主題方法により得ることのできる抗体ディスプレ
イは、興味ある免疫劣性エピトープに対する高アフィニティー抗体の大きな集団
を提供し、また免疫劣性エピトープに特異的な抗体からなるディスプレイパッケ
ージの広範なプールを確立する。免疫劣性エピトープに関して、本発明ディスプ
レイライブラリーにより提供される抗体レパートリーの有効な接近は、例えば、
アフィニティー選択手段による有効な濃厚化が起こるのを可能にする。
上記のごとく、免疫劣性エピトープを、抑制的免疫工程に用いられるトレラゲ
ン(toleragen)および免疫原に関して定義することができ、それゆえ、それら
はトレラゲンに関する免疫原にユニークなものもである。かくして、所望抗体が
共通または類似の起源または表現型の種々の細胞間を識別すべきものである場合
、所望抗体が識別されるべき関連細胞をトレラゲンとして用いるが、本発明抗体
により特異的結合される細胞を免疫原として使用する。表1は、免疫原にユニー
クであるエピトープに特異的に結合する抗体を単離する主題方法において使用さ
れうる免疫原/トレラゲンの代表的な系を示す。トレラゲンおよび免疫原の選択
は、例えば、腫瘍細胞マーカー、胎児細胞マーカー、および幹細胞マーカーに対
して特異的な抗体を提供しうる。
同様に、主題方法を用いて、蛋白の変異形態または蛋白ファミリーの特定のイ
ソ体のごとき変種蛋白からなる免疫原、および野生型蛋白または変種蛋白の変化
したイソ体からなるトレラゲンを用いることにより、蛋白の変種形態と蛋白の他
の関連形態とを区別することのできる抗体を得ることができる。変種蛋白と野生
型蛋白(または他のイソ体)との間の決定因子(すなわち、免疫劣性エピトープ
)の相異は、典型的には、アミノ酸残基のごくわずかな相異からなる(すなわち
、15%未満、好ましくは1ないし3個のオーダーの残基の相異)。例えば、免
疫原およびトレラゲンのかかる組み合わせを本発明に用いて、腫瘍蛋白または腫
瘍リプレッサー蛋白、並びにヘモグロビン、アポリポ蛋白E、LDL受容体、心
臓β−ミオシン、ナトリウムまたは他のイオンチャンネル、コラーゲン、グルコ
キナーゼ、またはトランスシレチンの変種形態に特異的に結合しうる抗体を誘導
することができる。
本発明の典型的な具体例において、主題方法を用いて細胞タイプ特異的マーカ
ーに対する抗体を得る。実施例2に示すように、本発明方法を用いて、胎児細胞
特異的マーカーに特異的に指向された抗体を製造することができる。例えば、母
性赤芽細胞をトレラゲンとして用い、胎児赤免疫原細胞を免疫原として用いる主
題方法により、胎児有核赤血球細胞のマーカーに対する特異的抗体を得ることが
できる。造血前駆細胞のごとき細胞表面上のエピトープの特異的認識によるよう
な胎児細胞と母性細胞とを識別するために得られた場合、例えば、蛍光活性化細
胞ソーティング(FACS)により、主題方法によって得られた抗体を用いて胎
児細胞を母性血液から分離することができる。胎児有核赤芽細胞のごとき単離胎
児細胞は、親の遺伝学的スクリーニングのための胎児DNAの非侵略的な源であ
り、例えば羊水穿刺または慢性的に行われる絨毛サンプリングよりも有効で安全
な、侵略的方法に代わる方法を提供する。
もう1つの具体例において、本発明は、腫瘍細胞特異的マーカーに特異的な抗
体の生成を企図する。実施例1に記載のごとく、主題方法を有利に用いて、正常
細胞とそれらの形質転換体とを識別できる抗体を得ることができる。かかる抗体
は診断および治療用途に適する可能性がある。例えば、新生物または過形成物細
胞上に見いだされる細胞特異的マーカーを検出する本発明アッセイにおいて抗体
を選択することができる。そのようにして得られた抗体を用いて形質転換細胞を
同定することができ、それゆえ、腺癌、乳頭腫、鱗状および過渡期の細胞癌腫、
未分化の癌腫、類癌腫瘍、中皮腫、肝癌、メラノーマ、および生殖細胞腫瘍のご
とき癌および腫瘍の診断に用いられる。抗体により、あるいは毒素の送達により
、あるいは遺伝子治療のための核酸構築物の送達により結合した形質転換細胞の
細胞表面における補体の分別的活性化によって、インビボおよびインビトロ双方
においてこれらの抗体を用いて形質転換細胞を選択的に破壊してもよい。例えば
、正常結腸細胞をトレラゲンとして用い、結腸癌腫由来の細胞を免疫原として用
いることにより、結腸癌マーカーに特異的な抗体を本発明において得ることがで
きる。同様のやり方で、主題方法を用いて、非常に転移性のある腫瘍細胞の転移
を特異的に阻害する抗体を製造することができる。腫瘍細胞の非常に転移性のあ
る変種上のユニークなエピトープ(すなわち、非転移性変種よりもその発現が増
大している)を認識するように設計されたかかる抗体を用いて、転移のカスケー
ド(cascade)においてこれらのエピトープを含む細胞表面蛋白の機能を妨害す
ることができる。
同様のやり方で、幹細胞または胚の神経細胞マーカーに対する特異的抗体が所
望される場合には、分化した神経細胞をトレラゲンとして用い、神経突起細胞ま
たは中立的な前駆細胞のごとき胚の神経細胞を免疫原として用いて、免疫寛容に
由来し、主題方法に使用される抗体レパートリーを得ることができる。
造血細胞特異的抗体については、免疫原は造血幹細胞からなっていてよく、ト
レラゲンは中立的でない幹細胞であってよい。
さらなる具体例において、主題方法を、種々の蛋白を識別しうる抗体の生成に
適用することができる。かかる抗体を用いて天然に存在する蛋白の種々のイソ体
を識別し、また、蛋白中に生じたかも知れない変異を検出することができる。実
例となる具体例において、腫瘍遺伝子または抗−腫瘍遺伝子の変異により起こる
細胞の形質転換を検出するための免疫化学的アッセイにおいて用いることのでき
る抗体を、本発明により製造することができる。例えば、主題方法を用いて野生
型rasとrasの変異形態とを識別する抗体を得ることができる。例えば、r
asのSer−17→Asn変種を免疫原として用い、野生型rasをトレラゲ
ンとして用いて、細胞のras誘導形質転換を検出するのに有用な抗体を得るこ
とができる。
同様に、特異的に結合し、野生型腫瘍リプレッサー蛋白と変種腫瘍リプレッサ
ー蛋白とを識別する、診断に有用な抗体を本発明により製造することができる。
例えば、p53またはRb腫瘍サプレッサーのいずれかの変異を不活性化するこ
とは、細胞老化からの離脱につながり、形質転換へとつながる。主題方法を用い
て変種p53に特異的な抗体を得ることができ、野生型と変異体とを識別するそ
の能力は、Arg−273→Cys、Tyr−163→Asn、Val−157
→Phe、またはCys−238→Pheのごとき変異により作り出される独特
なエピトープに対する認識によって生じる。それゆえ、適当な免疫原/トレラゲ
ンのセットはp53変異種および野生型p53を包含する。
主題方法を用いて変種ヘモグロビン分子を検出するための抗体を製造すること
もでき、次いで、これを、鎌状赤血球貧血およびβ−地中海貧血のごとき異常赤
血球症を検出するための診断道具として使用することができる。大部分は点突然
変異により生じる多数のかかる異常は、胚、胎児、新生児、および成人の疾患の
異常なヘモグロビンとして観察されてきた(レビューのために、フイスマン(Hu
isman)(1993年)バイリエレス・クリニ・ヘマトロ(Baillieres Clin Hae
matol)第6巻:1〜30頁参照)。それゆえ、ヘモグロビン変種の独特なエ
ピトープに対する抗体は、正常および異常双方のヘモグロビンレベルの検出およ
び定量において大いに有用でありうる。
免疫原がアポリポ蛋白E4(ApoE4)であり、トレラゲンが他のApoE
イソ体からなる場合、患者の血漿または血清におけるApoE4レベルを測定す
るのに有用でありうる特異的抗体を主題方法により単離することができる。
ApoE4変種の存在はアルツハイマー症へのかかり易さの増大に関連しており
(ストリットマター(Strittmatter)ら(1993年)PNAS第90巻:80
98〜8102頁)、また、個体におけるコレステロール脂質およびリポ蛋白の
レベルの変化に有意な衝撃を与える(ロール(Rall)ら(1992年)ジャーナ
ル・インターナ・メディ(J.Intern.Med)第231巻:653〜659頁;およ
びウェイスグレイバー(Weisgraber)ら(1990年)ジャーナル・オブ・リピ
ッド・リサーチ(J.Lipid Res.)第31巻:1503〜1511頁)。同様のや
り方で、ApoE2またはApoE5に特異的に結合しうる抗体を包含する、他
のApoEイソ体に特異的な抗体を得ることができる。
他の典型的な具体例は、例えば、家族性高コレステロール血症の危険性の予測
において有用なLDL受容体変種に対する特異的抗体;肥大性心筋障害の診断に
用いることのできる心臓β−ミオシン変種に対する特異的抗体;先天性他はカリ
ウム血症の定期的な麻痺を引き起こすようなナトリウムまたは鉄チャンネルの変
種形態に対する特異的抗体;家族性骨炎の危険性の素因となる因子を示し得るC
ys−579コラーゲンのごときコラーゲン変種に対する抗体;インスリン非依
存性糖尿病を引き起こすようなグルコキナーゼの変種に対する特異的抗体;およ
び家族性アミロイド性多発神経障害を引き起こす可能性のあるトランスシレチン
の変異体に特異的な抗体の生成を包含する。
VII.胎児細胞/癌細胞エピトープと特異的に反応する抗体
以下に詳細に記載するように、胎児細胞および形質転換細胞の細胞表面マーカ
ーに対する抗体の開発に主題方法が有利に用いられた。慣用的なハイブリドーマ
法、あるいはプレ免疫ファージディスプレイライブラリーの使用とは対照的に、
主題方法の実施により、非常に迅速に濃厚化される抗体のライブラリーを得るこ
とができる。本発明は、組み合わせディスプレイライブラリーを用いて未知/未
単離細胞表面抗原に特異的な抗体が得られたという最初の例を示す。実際、免疫
劣性エピトープで免疫されたがバックグラウンドエピトープに対して寛容化され
ていない(本発明方法とは異なる)動物由来のV−遺伝子ライブラリーを用いる
初期の実験は、主題抗体が得られるが非常に困難で費用がかかり、おそらく、先
行技術の組み合わせディスプレイ法によっては全く得られないことを示唆した。
説明すると、図5Aは、免疫寛容化されたV−遺伝子ライブラリーからの特定
の抗体の迅速な濃厚化を示す。比較として、図5Bは、先行技術により調製され
たファージライブラリー(寛容化されていない#1および#2)は逐次選別ラウ
ンドによる有意な濃厚化を示さないこと(寛容化されたものを寛容化されていな
い#1および#2と比較せよ)を示す。同様に、より詳細に以下に示すように、
数年間のハイブリドーマ研究にもかかわらず、免疫寛容化プロトコールにより得
られたB細胞を用いて得られるハイブリドーマでさえも、胎児血液細胞と母性血
液細胞とを識別する抗体は、抗−CD171抗体と同じ程度の品質を有するもの
が得られただけであった。
他方、主題方法は、例えば、生細胞を選別すること、FACSアッセイ、また
は細胞に基づくELISAによる特異的抗体の検出が可能である高アフィニティ
ー抗体の豊富な源を含んでいるライブラリーを提供する。さらに説明すると、添
付された実施例は、単一ラウンドの選択で個々の抗体ディスプレイパッケージが
5000ないし3600000倍に濃厚化されたことを記載する。特定の単離体
のDNA配列分析は重鎖および軽鎖双方のアフィニティー成熟の注目すべき履歴
を示し、意外なことに、免疫学的レパートリーへの効果的なアクセスを示す。
さらにそのうえ、抗体の成熟の迅速化、およびおそらくかかる促進された成熟
を起こさせることに加えて、本発明方法は、特異性を識別することおよび免疫劣
性エピトープに対する高い結合アフィニティーの両方を有する抗体の選択を可能
にする。実際、主題方法により単離された抗体を先行技術の使用により利用可能
な抗体と比較すると、組み合わせ的に誘導された本発明抗体は、先行技術におい
て利用可能な抗体と比較して特異性およびアフィニティーに関してより良好な大
きさのオーダーである傾向があることが明らかとなる。
望ましい特異性および結合アフィニティーの両方を示す抗体のうち3種に関す
る遺伝子を配列決定した。実施例2に記載したように、F4−7およびH3−3
抗体は、もともと、胎児肝細胞を包含する選別法で単離されたものである。H3
−3抗体のさらなる特徴づけにより、この抗体は妊娠初期(16週未満)の胎児
血液細胞を認識したのみならず、不十分であるにもかかわらず妊娠後期の染色さ
れた胎児細胞をも認識したことが確認される。おそらく、このことは、免疫およ
び濃厚化両方の間における初期血液細胞前駆体から主としてなる胎児肝臓の利用
を反映する。しかしながら、ライブラリーから濃厚化された抗体の集団は、妊娠
後期の胎児血液細胞上に存在するエピトープに対して特異的な抗体が選択されや
すいことが下に示されている。単離体の1つであるFB3−2を特徴づけたとこ
ろ、成人血液細胞について極めて低いバックグラウンド染色レベルを有すること
が示された(例えば、0.1%未満)。これらのクローンそれぞれの核酸および
アミノ酸配列に対する指標を図2に示し、重鎖および軽鎖それぞれの可変領域の
全体構造を図8Aおよび図8Bに示す。
免疫された動物のV−遺伝子ライブラリー由来の、本発明方法により単離され
た抗体は、他の先行技術によっては明らかに利用されず、実際に、以前の方法に
より得られた抗体を大いに凌ぐ特性を示が示された。主題方法により完成された
抗体とは対照的に、同じ免疫工程であるが、ハイブリドーマ法の使用と組み合わ
された工程を用いると、胎児細胞選択性を示すごくわずかな抗体しか得られなか
った。これらの抗体の最良のものの1つ「抗−Em」に関する特異性を表3に示
す。他のハイブリドーマ法を用いて他の群により単離された胎児細胞選択的抗体
も比較した。当該分野において示されているように、抗−CD71抗体は胎児細
胞特異的抗体のうちで最良であると考えられている。しかしながら、表3に示す
ように(実施例4も参照)、本発明方法により得られた抗体は、免疫寛容(抗−
Em)およびハイブリドーマ法(抗−CD71)により得られた抗体のそれぞれ
よりも優れた品質を伴って作用する。
抗−Emおよび抗−CD71抗体はそれぞれ、先行技術における方法により誘
導された抗−胎児細胞抗体に対して優れた特異性があると考えられる。しかし、
表3に示すように、母性末梢血単核細胞(PBMC)に結合するバックグラウン
ドのレベルは、これらの抗体に関しては、主題抗体を用いる母性細胞のバックグ
ラウンド染色よりも何倍も高い。結果的に、抗−Em、抗−CD71抗体等は胎
児細胞を十分に染色するが、5%よりも大きな母性血液に対するそれらのバック
グラウンド染色は、母性血液試料由来の胎児血液細胞の非常に小さな集団を回収
するのに有用な抗体に対する実質的な改良の余地を提供する。
母性血液中の胎児細胞濃度についての評価の1つは、成人有核血液細胞10万
個のうち1個、ないし成人有核血液細胞100万個のうち1個(すなわち、0.
001%ないし0.0001%)というものである。主題方法により得られた抗
体に関する品質の属性は、母性試料からの胎児細胞の生成においてこれらの抗体
は十分有用であることを示唆する。主題方法により単離された抗体の、当該分野
で知られた抗体よりも改善された品質をさらに示すために、400個の男性の胎
児細胞を100万個の母性細胞中に添加し、混合物をフルオレセイン抱合H3−
3Fabで染色した。FACSソーティングを行い染色細胞を回収し、次いで、
インサイチュ(in situ)ハイブリダイゼーションを行ってY染色体DNAを検
出したところ、75%の収率、約40%の純度での男性の胎児細胞の回収が示さ
れた(全部で800個の回収された細胞のうち300個が男性の細胞)。上記抗
−Emまたは抗−CD71抗体のいずれかについて得られた最良の結果は、胎児
細胞の回収率と同じパーセンテージに到達したが、純度のオーダーが低かった(
例えば、100000個のPBMCのバックグラウンド中200〜300個の胎
児細胞)。
先行技術の抗体よりも明らかに優れている、主題方法により得られる抗体のも
う1つの特徴は、胎児細胞結合抗原に対するこれらの抗体の結合アフィニティー
に関する。実施例3に記載するように、H3−3およびFB3−2抗体のアフィ
ニティーを、ヒト・赤白血病(HEL)細胞に対して決定した(「HELスキャ
ッチャードアッセイ(HEL scatchard assay)」)。それぞれの場合、結合定数(Ka
)は109を超えた。例えば、モノマーH3−3およびFB3−2Fab'フラグ
メ
ントはそれぞれ6x1010M-1および8x1010M-1の結合定数を示した。組み
換え抗体のダイマー形態はさらに大きな結合定数を有し、それぞれ、H3−3に
ついてはKaが5x1012M-1、FB3−2についてはKaが1x1012M-1であ
った。
本発明者らの知見の結果として、ハイブリドーマ法またはファージディスプレ
イ法のいずれかにより現在得ることのできる抗体より優秀な、対応抗原に対する
特異性および/またはアフィニティーにより特徴づけられる抗体であって、免疫
劣性エピトープと免疫反応する抗体を単離するための再現可能で予想可能な方法
を提供することが、今や可能である。したがって、本発明の1の態様において、
主題方法は、免疫劣性エピトープに対して特異的な抗体を利用可能にする。ここ
に、106M-1より大きい、好ましくは108M-1より大きい、より好ましくは約
109M-1より大きい、そして最も好ましくは1010M-1、1011M-1、または
1012M-1よりも大きい、例えば、1010M-1ないし1013M-1の範囲のKaで
ある、免疫劣性エピトープに対する結合定数により抗体が特徴づけられる。
本発明のもう1つの態様において、主題方法は、低レベルのバックグラウンド
染色を有する抗体の単離の便宜を図る。これらの相対的特異性は、強度のオーダ
ーでないとしても、特に、細胞表面エピトープに関しては、組み合わせ法および
ハイブリドーマ法により得られた抗体の数倍でありうる。例えば、主題方法は、
他の関連細胞へのバックグラウンド結合が実質的にない抗体、例えば、関連細胞
へのバックグラウンド結合よりも標的細胞への結合の相対的特異性が10倍高い
抗体を提供しうる。示したように、他のエピトープと実質的に交差反応しない抗
体、好ましくはバックグラウンドよりも特異性が20倍、より好ましくは50、
75または100倍、さらにより好ましくは125倍高い抗体を得ることができ
る。例えば、FB3−2およびH3−3により代表される、本発明方法により得
られる抗−胎児細胞抗体が蛍光活性化細胞ソーティングにより試験され(「FA
CS有効性アッセイ」)、それぞれが、バックグラウンドよりも125倍高い相
対的特異性を有することが示された。対照的に、抗−CD71および抗−Fe抗
体は、それぞれ、バックグラウンドリも7.7倍および2.5倍高い相対
的特異性を有することが見いだされた。さらにそのうえ、主題方法により製造さ
れる胎児細胞特異的抗体の特異性を、抗−CD71抗体のごとき当該分野で知ら
れた抗体と比較して、母性細胞のバックグラウンド染色に関して特徴づけること
もできる。例えば、好ましくは、主題抗体は抗−CD71抗体よりも2倍少なく
非胎児細胞を染色し、より好ましくは少なくとも5倍少なく、さらにより好まし
くは少なくとも20倍少なく染色する。実施例4のFACS有効性アッセイのご
とき標準的なイムノアッセイを用いてかかる比較を行うことができる。典型的な
抗−CD71(例えば、抗−トランスフェリン受容体)抗体は、5E9抗体(A
TCC HB21)、L5.1抗体(ATCC HB84)およびL01.1抗体
(ベクトン・ディキンソン(Beckton Dickinson)のカタログ番号347510
)を包含する。
配列決定された特異的抗体、すなわち、H3−3、F4−7およびFB3−2
に関して、本発明の目的および意図から逸脱しないように各抗体をさらに操作す
ることができる。したがって、重鎖由来(残基E1〜S121、配列番号:51
)および軽鎖由来(残基D1〜K111、配列番号:53)の可変領域を含むキ
メラなFB3−2抗体を得ることができる。同様に、下記F4−7抗体由来の重
鎖(残基E1〜S121、配列番号:55)および軽鎖(残基D1〜K111、
配列番号:57)の可変領域を含むキメラなF4−7抗体を提供することができ
る。さらにそのうえ、例えば、H3−3抗体の重鎖由来(残基E1〜S115、
配列番号:59)および軽鎖由来(残基D1〜K111、配列番号:61)の可
変領域を含むキメラなH3−3抗体も企図される。
同様のやり方で、それぞれが以下の一般式により示される重鎖および軽鎖の可
変領域を含むキメラ抗体を得ることができる:FR(1)−CDR(1)−FR
(2)−CDR(2)−FR(3)−CDR(3)−FR(4)、ここにCDR
(1)、CDR(2)およびCDR(3)は主題抗体由来の相補性決定領域であ
り、FR(1)、FR(2)、FR(3)およびFR(4)は第2の抗体由来の
フレームワーク領域を示す。例えば、CDR(1)がSYWLEでありCDR(
2)がEILFGSGSAHYNEKFKGでありCDR(3)がGD
YGNYGDYFDYである重鎖、およびCDR(1)がRASQSVSTSR
YSYMHでありCDR(2)がFASNLESでありCDR(3)がHSWE
IPYTである軽鎖を含むキメラなFB3−2抗体を得ることができる。同様に
、CDR(1)がSSWLEでありCDR(2)がEILFGSGSAHYNE
KFKGでありCDR(3)がGDYGNYGDYFDYである重鎖、およびC
DR(1)がRVRQSVSTSSHSYMHでありCDR(2)がYASNL
ESでありCDR(3)がHSWEIPYTである軽鎖を含むキメラなF4−7
抗体を作成することができる。同様のやり方で、CDR(1)がDYYMYであ
りCDR(2)がTISDDGTYTYYADSVKGでありCDR(3)がD
PLYGSである重鎖、およびCDR(1)がRSSQSLVHSNGNTYL
HでありCDR(2)がKVSNRFSでありCDR(3)がSQSTHVLT
である軽鎖を含むキメラなH3−3抗体を提供することができる。それぞれの場
合において、結合されるフレームワーク領域(FR1〜FR4)は無関係な抗体
、好ましくはヒト・抗体由来であってよい。
さらに本発明は、主題組み換え抗体の製造方法に関する。例えば、抗体(また
はフラグメント)をコードするヌクレオチド配列の発現を指令する核酸ベクター
でトランスフェクションされた宿主細胞を適当な条件下で培養して抗体の発現を
起こさせ、もし必要ならば、重鎖/軽鎖ダイマーの集合を起こさせることができ
る。抗体を分泌させて、組み換え抗体を含有する細胞および培地の混合物から抗
体を単離してもよい。細胞培養物は、宿主細胞、培地および他の副産物を含む。
細胞培養に適する培地は当該分野においてよく知られている。蛋白A:セファロ
ースならびにイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限
界濾過および電気泳動を包含する、抗体精製のための当該分野で知られた方法を
用いて組み換え抗体ペプチドを、細胞培養用培地、宿主細胞、あるいはその両方
から単離することができる。好ましい具体例において、組み換え抗体は、その精
製を容易にするドメインを含む、GST融合蛋白またはポリ(His)融合蛋白の
ごとき融合蛋白である。
また本発明は、組み換え型の主題抗体を発現するようにトランスフェクション
された宿主細胞に関する。宿主細胞はいかなる原核細胞または真核細胞であって
もよく、その選択は、一部には、グリコシレーションのごとき翻訳後修飾の必要
性に基づいていてよい。よって、主題方法によって抗−胎児細胞または抗−腫瘍
原性細胞抗体のクローニングにより得られ、可変領域の全部または選択された一
部分をコードしているヌクレオチド配列を用いて、微生物または真核細胞プロセ
スにより組み換え型抗体を製造することができる。組み換え抗体遺伝子を発現ベ
クターのごとき遺伝子構築物中に結合させること、および真核細胞(酵母、鳥類
、昆虫または哺乳動物)または原核細胞(細菌細胞)いずれかの宿主中への形質
転換またはトランスフェクションは、他のよく知られた蛋白、例えば、インスリ
ン、インターフェロン、ヒト・成長ホルモン、IL−1、IL−2、並びに他の
組み換え抗体の製造において用いられる標準的な方法である。本発明により、同
様の方法、またはその変法を用いて、微生物的手段または組織培養法によって主
題抗体を製造することができる。
好ましくは、組み換え抗体を産生するように形質転換されている細胞系は不死
化哺乳動物細胞系であり、有利には、それはミエローマ、ハイブリドーマ、トリ
オーマまたはクアドローマ細胞系のごときリンパ球由来ものもである。さらに細
胞系は、エプステインーバー(Epstein-Barr)ウイルスのごときウイルスでの形
質転換により不死化されたB細胞のごとき正常リンパ球を包含してもよい。最も
好ましくは、不死化細胞系はミエローマ細胞系またはその誘導体である。
主題抗体蛋白またはその重鎖および軽鎖をコードする核酸を、原核細胞または
真核細胞、あるいはそれらの両方における発現に適するベクター中に結合するこ
とにより、組み換え抗体遺伝子を製造することができる。組み換え型の主題抗体
の製造のための発現ベクターは、プラスミドまたは他のベクターを包含する。例
えば、抗体の発現に適したベクターは、イー・コリ(E.coli)のごとき原核細胞
における発現用のpBR322由来のプラスミド、pEMBL由来のプラスミド
、pEX由来のプラスミド、pBTac由来のプラスミドおよびpUC由来のプ
ラスミドを包含する。
酵母における組み換え蛋白の発現のために多くのベクターが存在する。例えば
、
YEP24、TIP5、YEP51、YEP52およびYRP17は、エス・セ
レビシエ(S.cerevisiae)中への遺伝学的構築物の導入において有用なクローニ
ングおよび発現ビヒクルである(例えば、ブロウチ(Broach)ら(1983年)
、「イクスペリメンタル・マニピュレイション・オブ・ジーン・イクスプレッシ
ョン(Experimental Manipulation of Gene Expression)」(エム・イノウエ(
M.Inoue)編)、アカデミック・プレス(Academic Press)の83頁参照)。こ
れらのベクターは、pBR322のoriが存在するためイー・コリ中で複製可
能であり、さらに酵母・2ミクロンプラスミドの複製決定基によりエス・セレビ
シエにおいて複製可能である。さらに、アンピシリンのごとき薬剤耐性マーカー
を用いることができる。説明的な具体例において、H3−3またはFB3−2抗
体の重鎖および軽鎖遺伝子のそれぞれに関する可変領域のコーディング配列をサ
ブクローニングすることにより得られる発現ベクターを用いて、抗体を組み換え
的に製造する。
好ましい哺乳動物発現ベクターは、細菌中でのベクターの増殖を容易にするた
めの原核配列、および真核細胞において発現される1個またはそれ以上の真核転
写ユニットの両方を含んでいる。pcDNA/amp、pcDNAI/neo、
pRc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2−dhfr、pT
k2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、pko−neoおよびpHyg
から誘導されたベクターは、真核細胞のトランスフェクションに適した哺乳動物
発現ベクターの例である。これらのベクターのいくつかを、pBR322のごと
き細菌プラスミド由来の配列で修飾して原核細胞および真核細胞両方における複
製および薬剤耐性による選択を可能にする。別法として、ウシ・乳頭腫ウイルス
(BPV−1)またはエプステインーバーウイルス(pHEBo、pREP−か
らの誘導体およびp205)のごときウイルスの誘導体を、真核細胞における一
時的な蛋白の発現に用いることができる。プラスミドの調製および宿主生物の形
質転換に用いられる種々の方法は当該分野においてよく知られている。原核細胞
および真核細胞の両方に適した他の発現系、並びに一般的な組み換え法について
は、サムブルック(Sambrook)、フリッチュ
(Fritsch)およびマニアティス(Maniatis)により編集された「モレキュラー
・クローニング・ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Cloning A Labora
tory Manual)第2版(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレ
ス(Cold Spring Harbor Laboratory Press):1989年)」第16章および
第17章参照。いくつかの場合、バキュロウイルス発現系の使用により組み換え
抗体を発現することが好ましいかもしれない。かかるバキュロウイルス発現系の
例は、pVLから誘導されたベクター(pVL1392、pVL1393および
pVL941のごとき)、pAcUWから誘導されたベクター(pAcUW1の
ごとき)、およびpBlueBacから誘導されたベクター(β−galを含ん
でいるpBlueBacIIIのごとき)を包含する。
VIII.例示
今や本発明は一般的に説明され、本発明の特定の態様および具体例の説明のみ
を目的として包含されるが本発明を限定するものでない下記実施例を参照するこ
とにより、本発明はより容易に理解されよう。
以下に記載するように、胎児および形質転換細胞の細胞表面マーカーに対する
抗体の開発に主題方法を有利に適用した。慣用的なハイブリドーマ法またはプレ
免疫ファージディスプレイライブラリーの使用とは対照的に、本発明は、非常に
迅速に濃厚化される抗体の注目すべきライブラリーを得ることができる。下記実
施例に記載された典型的な具体例において、個々の抗体ディスプレイパッケージ
は単一ラウンドの選択において5000ないし3600000倍に濃厚化された
。特定の単離体のDNA配列分析により、重鎖および軽鎖両方のアフィニティー
成熟の注目すべき履歴が示され、免疫学的レパートリーへの予期せぬ効果的なア
クセスが示された。
I.材料および方法
特に示さないかぎり、サムブルックら、モレキュラー・クローニング:ア・ラ
ボラトリー・マニュアル、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プ
レス、コールド・スプリング・ハーバー、NY(1989)により記載されたよ
うにして、組み換えDNA法および微生物学的方法を行った。下記材料および方
法を用いて実施例1および実施例2両方に記載の抗体ディスプレイライブラリー
を得た。生化学的試薬
DNA修飾酵素を、ニュー・イングランド・バイオラブズ(New England Biol
abs)(マサチューセッツ州ビバリー(Beverly))から得て、供給者により推奨
された条件下で使用した。Taqポリメラーゼをパーキン・エルマー(コネチカ
ット州ノーウォーク(Norwalk))から得た。ライフ・テクノロジーズ(Life Te
chnologies)(メリーランド州ゲイサースバーグ(Gaithersburg))から得たD
NAフラグメントのセット(1Kbのラダー)を、アガロースゲル電気泳動によ
るDNAフラグメントの分子量に関する標準物質として用いた。DNAプライマ
ーは、ジェノシス,インコーポレイテッド(Genosys,Inc.)(テキサス州ザ・ウ
ッドランズ(The Woodlands))またはクルアケム,インコーポレイテッド(Crua
chem,Inc.)(バージニア州スターリング(Sterling))により慣例どおり合成
された。デオキシアデノシン5'[α−(35S)チオ]トリホスフェートをニュー・
イングランド・ニュクリア(New England Nuclear)(マサチューセッツ州ボス
トン(Boston))から購入した。ポリクローナルなビオチン化抗−M13抗体を
5プライム−3プライム(5 prime-3 prime)(コロラド州ボウルダー(Boulder
)から得た。スチレプトアビジン−アルカリホスファターゼおよびポリクローナ
ルなヤギ・抗−マウスカッパ−アルカリ性ホスファターゼをフィッシャー・バイ
オテク(Fisher Biotech)(ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburg)から
得た。細菌株および培養
イー・コリ株XL−1、SolR、およびLE392をストラタジーン(Stra
tagene)(カリフォルニア州ラジョラ(LaJolla))から得た。ラムダファ
ージ耐性XL−1を標準的方法により単離し、本明細書に記載する。LB、SO
B、2X YT、NZY培地(サムブルック、1989年)またはTB培地:1
リットルあたりバクト−トリプトン12g、酵母エキス24g、およびグリセロ
ール5.04gを含有する0.1M KH2PO4バッファー,pH7.5(リン酸バ
ッファーは別にオートクレーブした)を満たしたエルレンマイヤーフラスコ中で
振盪しながら30℃または37℃においてイー・コリを定常期まで増殖させた。
固体培地上での細菌の増殖のために、最終濃度2%(重量/体積)となるよう寒
天(ディフコ(Difco)、ミシガン州デトロイト(Detroit)を添加した。グルコ
ースの補足は0.5%までとし、カルベニシリン、クロラムフェニコール、およ
びカナマイシンを必要な場合、それぞれ50、30、および50μgまで添加し
た。ベクターおよびバクテリオファージ
イー・コリのクローニングベクター、ラムダSurfZapTMおよびヘルパー
ファージExAssistTMおよびVCSM13をストラタジーンから得た。細胞の調製
妊娠していない個体からの全血を、インターステイト・ブラッド・プロダクツ
(Interstate Blood Products)(テネシー州)から得た。成人末梢血単核細胞
(「PBMC」)を標準的なフィコール−ハイパーク(Ficoll-Hypaque)グラジ
エント法により調製した。胎児血単核細胞を、妊娠12〜20週(その週齢にお
いて、肝臓は原始的な造血期間である)において流産した胎児から得た肝臓から
調製した。滅菌Ca−Mg不含PBSの存在下において滅菌マイクロスクリーン
を通すことにより、周囲の結合組織から細胞を遊離させた。得られた細胞懸濁液
をPBSで20mlにまで希釈し、血液単核細胞フラクションを標準的なフィコ
ール−ハイパークグラジエント遠心分離により得た。フィコール界面から回収後
、成人および胎児両方の細胞を滅菌Ca−Mg不含PBSで2回洗浄し、PBS
中に再懸濁して1mlあたり2x107個とした。寛容免疫化
インタクトな固定された細胞に関するシクロホスファミド寛容の使用は当該分
野においてよく知られた方法である。本発明における方法は、全血、骨髄または
胎児肝からの単離直後に固定されていない細胞を用い、細胞の化学的および/ま
たは物理的プロセッシングによる抗原の変化の発生を避けるものであった。シク
ロホスファミドをシグマ・ケミカル(Sigma chemical)から得て、復元して10
mg/ml滅菌セイラインとした。用いた寛容化法は、マシュー(Matthew)ら
(1987年)ジャーナル・イミュノロ・メソッズ(J Immunol Methods)第1
00巻:72〜82頁の方法と本質的に同じであった。
寛容化および免疫のもう1つのスケジュールを以下に示す:6週齢のメスのB
alb/cマウスに500μlPBS中1x107個の成人PBMCを腹腔内(
「I.P.」)注射した。成人PBMC注射10分後、シクロホスファミドを10
0mg/kgとなるようI.P.注射した。24時間目および48時間目にシクロ
ホスファミドを繰り返した。さらに14日後、寛容化を繰り返した。
3週間後、500μlPBS中1x107個の胎児細胞をI.P.注射すること
により、胎児単核血液細胞でマウスを免疫した。さらに2週間後、最初の寛容化
ラウンドに関して記載したように成人PBMCでもう1度マウスを寛容化した。
最終的に、3週間後、500μlPBS中1x107個の胎児細胞をI.P.注射
することにより、胎児血液単核細胞で再度寛容化した。胎児細胞免疫を24時間
および48時間目に繰り返した。さらに24時間後、マウスを屠殺した。脾臓を
取り、即座に液体窒素中で凍結した。RNAの単離およびcDNA合成
標準的方法(コムクジンスキ(Chomczynski),米国特許第4,843,155号
)を用いて脾臓またはハイブリドーマ細胞系から全RNAを単離した。RNA標
品をRNAase不含の水中に−70℃で使用まで保存した(サムブルックら、
モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル、コールド・スプ
リ
ング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、N
Y(1989))。ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)から得たス
ーパースクリプト・プレアンプリフィケイションキット(Superscript preampli
fication kit)を用いて、供給者の推奨に従って第1鎖cDNAを調製した。DNAの単離
DNA配列の分析または制限酵素による分析のためのイー・コリからのプラス
ミドDNAの単離はアルカリ溶解法(バーンボイム(Birnboim)およびドリー(
Doly),1979年)であった。製造者であるマケレイ−ナーゲル(Macherey-N
agel)(ドイツのデュレム(Durem))により記載されたヌクレオボンド(nucle
obond)・カラムクロマトグラフィーを用いてプラスミドの大量調製を行った。
抗体のクローンを含んでいるイー・コリのクローンからのプラスミドDNAの単
離のためのすべての培養物を、0.5%グルコースおよび50μg/mlカルベ
ニシリン含有2xYT培地中で振盪しながら37℃で一晩増殖させた。抗体カッパ鎖およびIgG1重鎖コーディング領域のPCR増幅
脾臓のmRNA中にコードされている抗体コーディング領域のレパートリーか
らのPCR生成物の限定されたセットへの偏倚を最小にし、また、マウス・カッ
パ鎖および重鎖Fabがコードする配列の90%以上を増幅するように、図1A
および図1Bに示す縮重プライマーのセットを設計した。カッパ鎖または重鎖の
コーディング配列の増幅を、それぞれについて5組のプライマーペアーを用いて
行った。プライマーは制限酵素部位も含んでおり、Surf−Zapベクター(
ストラタジーン)における挿入に適する細菌Fab発現カセット中への軽鎖およ
び重鎖PCR生成物の結合を可能にした。以下のプロトコールを用いて自動化さ
れたバイオシステムズ・テンプ−サイクラー(BioSystems temp-cycler)でPC
R反応を行った。一般的には、スーパースクリプト・ファーストストランドシン
セシスキット(Superscript first strand synthesis kit)(BRL)を用
いてRNAをcDNAに変換した。適当なプライマーペアー(図1Aおよび1B
参照)を添加した、10mM Tris−HCl,pH8.3、50mM KCl
、1.5mM MgCl2、0.01%ゼラチンを含有する100μlのバッファ
ー中の第1鎖cDNA0.5〜1μgを98℃で5分間インキュベーションし、
60℃まで冷却し、次いで、2UのTaqポリメラーゼを添加した。次いで、以
下の4つの温度プロフィールを35サイクル行って生成物を増幅した:72℃1
20秒、54℃90秒、45℃30秒。35サイクル後、試料を72℃でさらに
10分インキュベーションして生成物のポリマー化を完了した。個々の反応を調
節して約1〜2μgの0.7Kb PCR生成物を最少回のサイクル(普通には3
0〜38サイクル)で得ることが重要である。カッパおよび重鎖PCR生成物からのFab発現カセットの集合
5つの別々の反応からの各PCR生成物1〜2μgを混合してカッパ鎖および
別々の重鎖生成物プールを得た。次いで、供給者(ミリポア(Millipore))に
より推奨されたようにしてまず、PVDFスピンフィルター(ミリポア)で蛋白
および残渣を除去し、次いで、プールを30000MWカットオフのスピンフィ
ルターを用いて低分子成分を除去することによりプールを精製した。各生成物プ
ール約5μgを、50ユニットのSfiIを含有する300μlのSfiIバッ
ファー中で50℃において2時間消化した。酵素およびSfiI消化により生じ
た小型の末端フラグメントを上記スピンカラム(spin column)法を用いて除去
した。50μlの体積中4℃で一晩かけて、SfiI消化軽鎖生成物をSfiI
消化重鎖生成物(それぞれ約2μg)に結合した。次いで、結合混合物を上記の
ようにスピンカラムで精製し、100μl中NotIおよびSpeI制限酵素各
50ユニットで消化した。消化生成物をアガロースゲル電気泳動により分離し、
ダイマーをコードしている1.4kbカッパ鎖重鎖を、ジーン・クリーンII(Gen
e Clean II)(プロメガ(Promega))を用いて供給者により推奨されたように
して精製した。
Fab’発現カセットの構築のための単純でより信頼できる方法を図2にダイ
アグラムで示す。上記の約10ngのカッパおよび重鎖生成物プールを、図2(
および図1Aおよび図1B)に示すプライマーで増幅して3’カッパおよび5’
重鎖配列を得た。これらは、dTTP存在下でT4ポリメラーゼ処理された場合
、8塩基の適合するオーバーハングを生じ、カッパおよび重鎖配列の非常に有効
な方向づけられた結合を可能にする。PCR生成物を上記のごとく精製した。5
ユニットのT4ポリメラーゼ、5mM dTTPを含有する体積50μl中、3
7℃で1時間、約2μgの各生成物を別々に処理した。PCR生成物と同様にし
て生成物を精製し、約500ngの各生成物を、室温で3時間、2ユニットのD
NAリガーゼを含有する体積25μlの結合用バッファー(プロイメガ)中で結
合した。
アニーリングを55℃で1時間行い、伸長時間を4分に延長したこと以外は、
図2に示す5’カッパ鎖プライマーおよび3’重鎖プライマーを用いて標準的な
条件下で、いずれかの方法から得られたダイマーをコードしているFabを増幅
した。一般的には、これらの条件下で12〜25サイクル行って約1〜2μgの
1.4kbカッパー重鎖ダイマーを得た。上記のようにスピンカラムを用いてこ
の生成物を精製し、次いで、NotIおよびSpeI制限酵素各75ユニットを
含有する体積200μl中で消化した。100000MWスピンカラム(アミコ
ン(Amicon))消化生成物を用いて消化生成物からプライマーをより有効に除去
したこと以外は上記のようにして消化生成物を精製した。精製された1.4kb
のダイマーを使用まで4℃で保存した。雑多なFabクローンバンクの構築
NotI−SpeI消化した1.4kbのFabをコードしているフラグメン
トの結合を以下のように行った:3ユニットのT4リガーゼを含有するプロメガ
・結合用バッファー10μl中、4℃で一晩、0.2μgの消化生成物を2μg
のラムダsurf−zapアームに結合した。次いで、ギガ−パック・ゴールド
・パッケージングキット(Giga-pack Gold packaging kit)を供給者(ストラタ
ジーン)により推奨されたように用いて、結合混合物の一部をラムダヘッド中に
パッ
ケージングした。パッキング反応物をイー・コリLE392で滴定し、プールし
て1次ライブラリーを得た。次いで、慣用的な方法を用いてこの1次ライブラリ
ーをイー・コリLE392中で増幅した。一般的には、5x109個のイー・コ
リXL1細胞を、10mlの10mM MgSO4中で、107個のインビトロパ
ッケージングされたSURF−ZAP1次クローンに37℃で10分間感染させ
た。感染細胞を50℃の100mlのNZYトップアガロースに添加した。即座
に混合物を、NZY寒天を含有する2枚の20x20cmのプレート上にプレー
ティングし、固化させ、次いで、8〜16時間インキュベーションした。SMバ
ッファ−25mlを重層して2時間ロッキング(rocking)することにより増幅
されたライブラリーを収穫した。ファージ抗体クローンバンクの生成
本質的にはストラタジーンにより推奨されたようにしてM13エクサシスト(
exassist)ヘルパーファージでの重感染により、1次ラムダSURF−ZAPラ
イブラリーからファージミドクローンバンクを救済した。一般的には、1011個
のイー・コリXLI細胞を、我々が増幅したsurf−zapライブラリーから
の1010個のラムダクローンおよび1012個のエクサシストM13ファージに感
染させた。LBまたはTB培地で3.5時間増殖させた後、遠心分離により細胞
を除去した。エクサシスト救済ライブラリーを70℃で20分処理し、次いで、
4℃で保存した。
イー・コリSOLR1:1の救済ファージミドでの感染によりファージ抗体を
得て、1次ライブラリーサイズよりも10〜100倍多く表現している、カルベ
ニシリン耐性抗体クローンを含む細胞集団を得た。カルベニシリンを含有するT
B培地中で、トランスダクションされた細胞を初期対数期まで増殖させ、次いで
、細胞に対して10倍過剰のVCS M13ヘルパーファージに感染させた。3
7℃で1時間後、カナマイシンを添加し、定常期になるまで培養物を振盪しなが
ら30℃でインキュベーションした。遠心分離により細胞を除去し、遠心分離に
よって回収することによりファージ抗体を上清から回収し、1mlのTEバッ
ファーに溶解し、次いで、PEG沈殿した。ファージ抗体を1mlのTEまたは
PBSバッファーに溶解し、4℃で保存した。全細胞上の細胞表面結合phabsの濃厚化
全細胞の濃厚化により細胞特異的ファージ抗体を単離した。ブロッキングバッ
ファー(ハンクス(Hanks)・緩衝化塩溶液中0.1%加水分解カゼイン、3%B
SA)で2回洗浄することにより細胞を濃厚化用に調製した。第1ラウンドの濃
厚化の間に、200μlのブロッキングバッファー中の1011個のファージ抗体
を106個の細胞に添加し、氷上で1時間インキュベーションした。次いで、冷
ブロッキングバッファーで8回洗浄することにより非特異的ファージ抗体を除去
した。エッペンドルフ微量遠心機において3500rpmで遠心分離することに
よる各回の洗浄後、細胞を収穫した。次いで、細胞表面結合ファージ抗体を、3
M尿素および0.5%BSAを含有する500μlの0.2MグリシンpH2.2
中に溶離させた。遠心分離により残渣を除去し、50μlの1MTris pH
9.5を添加することにより上清を中和した。アミコンの100000MWカッ
トオフのスピンカラムを用いて3回バッファーを交換して尿素およびバッファー
成分を除去した。濃厚化されたファージ抗体の集団をXL1細胞で滴定し、次い
で、以下のプロトコールにより増幅した。200μlのSMバッファー中の溶離
したファージ抗体を1mlの10mM MgSO4中の5x109個のプレーティ
ング細胞に添加し、室温で10分インキュベーションした。次いで、感染した細
胞を用いて2Lフラスコ中の100mlのTBブロスに接種し、振盪しながら3
0℃でインキュベーションした。1時間インキュベーションした後、カルベニシ
リンを添加して50μg/mlとした。初期定常期(2つの連続した時点でOD
600の増加が同じままである)まで、振盪しながら30℃でインキュベーショ
ンを継続した。デュポン/ソーバル(Dupont/Sorvall)SS34ローター中12
000rpmで10分遠心分離することにより細胞を除去した。次いで、ファー
ジ抗体をPEG沈殿により精製した。負荷されるファージ抗体量を1010まで減
少させ、洗浄回数を増加させ(10〜20回)、
グリシン−尿素での溶離の前に100mMクエン酸バッファー(pH4.5また
はpH3.5)での洗浄を加えることにより、引き続きの濃厚化ラウンドにおけ
る洗浄の厳密さを増大させた。結合特異性の分析のための個々のファージ抗体の調製
イー・コリXL1をファージ抗体希釈物に感染させ、0.5%グルコースおよ
び50μg/mlカルベニシリンを含有するLB培地上にプレーティングした。
50μg/mlのカルベニシリンを含有する2mlの2xYT培地の入った20
mmの培養用試験管に単離されたコロニーを接種し、振盪しながら30℃で一晩
増殖させた。翌朝、37℃で1時間、培養物1mlをゆるやかに振盪し、次いで
、1011個のM13VCSファージに感染させた。カルベニシリンを含有する2
5mlのTBブロスの入った250mlフラスコにVCS感染培養物を接種し、
30℃で1時間振盪し、カナマイシンを添加して50μg/mlとし、初期定常
期(OD600nm=5〜12)までインキュベーションを継続した。遠心分離
により細胞を除去し、上記のようにPEG沈殿によりファージ抗体を精製した。
ファージ抗体を200μlのTE(pH7.5)バッファーに溶解した。抗体単離体の配列決定
H3−3、FB3−2およびF4−7クローンのごとき個々の単離体を単離し
、標準的プロトコール(アウスベル(Ausbel)ら編、「カレント・プロトコール
ズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current Protocols in Molecular Biol
ogy)」(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ:1992年;およびサムブルック
ら、モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバ
ー、NY:1989年参照)を用い、Surf−Zapベクターの3'および5'
フランキング配列を基礎とするプライマーを用いて重鎖および軽鎖挿入物それぞ
れを配列決定した。全細胞に結合しているファージ抗体の流動細胞計測アッセイ
全細胞の表面マーカーに結合しているファージ抗体の試験用に流動細胞計測プ
ロトコールを工夫した。1x106個の成人または胎児の単核細胞を2mlのマ
イクロ試験管中に分注し、ファージ濃厚化法と同様にブロッキングバッファーで
洗浄した。最初のアッセイのために、2x1010個のファージを洗浄された細胞
に添加し、カゼイン/BSA/HBSSで体積を100μlとした。ファージを
細胞とともに4℃で1時間インキュベーションした。ファージ−細胞を1mlの
ブロッキングバッファーで3回洗浄した。ビオチン化ヒツジ・抗−ファージポリ
クローナル抗体(5プライム−2プライム(5 prime-2 Prime)社製)をファー
ジ−細胞に、1試料あたり5〜7.5μl(ポリクローナル抗体の各ロットにつ
き最適化)添加した。ブロッキングバッファーで体積をもう1度100μlとし
た。抗−ファージを4℃で90分インキュベーションした。ストレプトアビジン
−FITC(ジャクソン・イミュノリサーチ(Jackson Immunoresearch))をC
a−Mg不含PBSで1:50に希釈し、250μlをファージ−細胞の各試料
に添加した。4℃で30分インキュベーションした後、ファージ−細胞をブロッ
キングバッファーで2回洗浄し、400μlの0.5%ホルムアルデヒドを添加
することにより固定した。
すべての試料を流動細胞計測法により分析した。非−ディスプレイファージ(
VCS M13)を陰性対照として用いることにより蛍光バックグラウンドを決
定した。各細胞上のバックグラウンド以上のFITC蛍光は特異的に結合したフ
ァージの数に直接的に比例していた。
2つのパラメーターを評価することにより各クローンの相対的結合活性を決定
した。該2つのパラメーターは:(1)相対的な細胞表面エピトープ数および各
ファージクローンに関する発現の均一性の決定のための蛍光強度に対する散乱パ
ターン(より数値が大きく、より均一な数値が最も好ましい)、(2)ファージ
および蛍光結合強度の保持の滴定値−相対的なファージ抗体のアフィニティーの
決定用である。
上記結合アッセイの変法において、可溶性抗体(「Fab」)を活性に関して
試験した。Fabフラグメントについて、抗体−ファージ/ストレプトアビジン
−FITCを、Fabフラグメントのκ鎖を認識するヤギ・抗−IgG−FIT
C F(ab')2ポリクローナル抗体(TAGO)と置き換えた。1試料あたり2
.5%正常ヒト・血清中1:10に希釈されたヤギ・抗−IgG−FITC30
μlを用いた。ヒト・血清中への希釈は、上記ポリクローナル抗体とヒト・血液
細胞抗原との交差反応性を最小にすることを確実にした。
II.実施例1:癌細胞上のファージ抗体の濃厚化
6x107個の1次クローンを含んでいる、IgG1およびカッパ鎖由来のF
abの組み合わせファージディスプレイライブラリーを、ヒト成人血液で寛容化
され胎児肝細胞で免疫されたマウスから構築した。個々の増殖特性によるクロー
ンの偏倚を最小にするために、抗体クローンまたはクローンのプールを含有する
培養物を常にリッチな培地中(TBまたは1%グルコース含有2xYT)に置い
た。さらに、ファージ抗体を生産するのに用いる培養物を、できるだけピークの
増殖近傍で収穫した。なぜなら、増殖の定常期の開始以降は結合活性が低下する
ことが見いだされたからである。
ヒト・赤白血球細胞系(HEL)は、胎児肝細胞上にも見いだされる腫瘍/胎
児細胞表面マーカーを有する。この特徴およびこの細胞を培養する能力は、それ
を、上記ファージライブラリーからの細胞系特異的抗体の濃厚化方法を開発する
ための信頼できる細胞源とした。この細胞系(HEL)上で濃厚化されたファー
ジ抗体プールの結合を図3に示す。
これらの結果は、3ラウンドの濃厚化後、2.5x10-7から1.25x10-3
までの結合の増加を示し、細胞表面へのファージの結合における4log増加を
反映していた。我々は、蛍光活性化細胞ソーティングにより、HEL、Raji
、および成人血液細胞上の16個の独立した単離体から調製したファージ抗体の
特異性を試験した。ビオチン標識抗−ファージ抗体、次いで、蛍光抱合ストレプ
トアビジンにより、細胞表面へのファージ抗体の特異的結合を検出した。図4に
示すこれらのアッセイからの結果は、濃厚化3からの16個の単離体(アステリ
スクにより示す)(すなわち、3回のインテラティブ選別(interative panning
)
後に単離されファージ)のうち少なくとも6個がHEL細胞上にのみ見いだされ
る決定基に対して特異的であるように思われるということを示した。
全細胞上で濃厚化している抗体の集団がいかに多様であるかを評価するために
、これらの6つのファージ抗体単離体由来のCDR3を含む領域をコードしてい
るDNA配列を決定した。6つのHEL特異的単離体には、単一複製物のみが存
在した。この結果は、全細胞上での濃厚化により行われたHEL特異的抗体の単
離が成し遂げられたことを示した。
III.実施例2:胎児細胞上のファージ抗体の濃厚化
胎児細胞地区いて基クローンの単離のチャンスを最大にするために、プレー吸
着を行わない濃厚化のほかに、胎児肝細胞上での各濃厚化サイクルに先立って実
施例1記載のファージ抗体ライブラリーを成人有核血液上にプレー吸着させた。
胎児肝細胞上で引き続いて行ったプレー吸着および濃厚化のラウンドの結果を図
5Aに示す。胎児肝細胞に結合するファージ抗体のパーセンテージの増加は、胎
児細胞に結合するファージ抗体についての濃厚化を示す。
際立っていることに、単一ラウンドの胎児細胞上での濃厚化後、胎児細胞の結
合するファージ抗体の純粋な集団が単離されたことが観察された。各段階からの
ランダムな単離体のサンプリングの特徴づけ、個々の単離体の胎児細胞への結合
に関するFACSによるアッセイと組み合わされたDNA配列分析により、この
ことが示された。これらの実験結果を図7に示す。DNA配列決定は、胎児細胞
に結合する抗体の重鎖のアミノ酸配列に基づき、胎児細胞に結合する抗体には3
つのクラスがあることを示す。各クラスは、アフィニティー成熟を反映するCD
R3領域中またはその付近におけるアミノ酸変化により最初に確認され、次に、
異なるカッパ鎖の結合により確認されるサブタイプを含んでいた。
表4は、成人細胞上へのプレ吸着が有る場合またはない場合の、HELまたは
胎児細胞上での濃厚化の異なる段階における異なるファージ抗体タイプの分配を
示す。3つのクラスのファージ抗体は、胎児肝細胞および成人細胞に対するそれ
らの異なる染色プロフィールの相違に基づいて、3つの異なるエピトープを認識
する可能性がある。
濃厚化の4番目のラウンド(成人細胞上へのプレ吸着を包含する濃厚化シリー
ズにおいて)の後、phabタイプ5のみが胎児肝細胞から溶離された。最も厳
密な洗浄条件下でのこのタイプについての選択は、それが重鎖と軽鎖との最高の
アフィニティー結合体であることを示唆する。
106個の非特異的対照M13ファージ中に1個添加された3種の異なるファ
ージ抗体が胎児肝細胞上で濃厚化された模擬濃厚化実験(表5)は、胎児肝細胞
上でのこれらのファージ抗体の単一ラウンドの劇的な105〜106倍の濃厚化を
示した。この濃厚化の倍率のオーダーが、精製抗体を用いる組み合わせ法により
誘導された抗体の濃厚化に関して報告された倍率の上限であり、そのことは、本
実験で標的とされたエピトープが非常に複雑な細胞表面抗原であってどのように
しても精製されなかったと考えられる場合に重要である。
一貫した細胞源(HEL)上に見られる大多数の細胞表面結合単離体は、構築
されたライブラリーの有効性と広範性を反映する。ライブラリーの構築と増幅の
ための本発明方法の有効性のほかに、寛容免疫法の組み合わせにより、全細胞上
で非常に迅速に濃厚化されうるファージ抗体の注目すべきライブラリーが得られ
た。かかる結果は、異なる固体由来の特定の標的細胞タイプに非常に特異的なp
habsを同定することに関して重要である。プレ吸着なしに単離された大部分
のphabs(寛容化免疫を用いた場合でも)も成人細胞を認識するという事実
により、このことは特に強調される。さらに、独立別個の胎児由来の胎児肝細胞
を用いる各段階における濃厚化は、個々の特異的なマーカーを認識するそれらの
抗体を除去する。パン−胎児(pan-fetal)特異的抗体に関する濃厚化において
付加されたこの厳密性は、本発明方法の有効性を強調し、3つのクラスのパン
−胎児特異的抗体の13種の異なるバージョンを生じた。対照的に、慣用的なハ
イブリドーマ法とともに同じ寛容化法を用いると、2つの同じ型のIgGsが得
られただけであった。
IV.実施例3:H3−3およびFB3−2抗体のアフィニティーの決定
精製抗体のアフィニティーをスキャッチャード分析(Scatchard analysis)に
より決定した。有意に過剰な種々の量の抗体を一定数のHEL細胞とともに4℃
で16時間インキュベーションした。さらに洗浄を行った後、結合抗体をpH2
においてHELから溶離し、ELISAで定量した。スキャッチャード分析につ
いて、遊離抗体は添加された全数に等しいと仮定した。結合/遊離抗体に対する
結合抗体のプロットから得られる直線の負の傾きから各抗体のKaを得た。すべ
ての点を3系で行い、すべての報告された傾きに関する相関係数は90%を越え
ていた。
V.実施例4:H3−3およびFB3−2抗体の特異性
抗−CD71および抗−EMのごときハイブリドーマ由来の抗体を主題抗体と
比較するために、分析用流動細胞計測法によりこれらの抗体の胎児細胞および母
性細胞との反応性を試験した(FACS有効性アッセイ)。簡単に説明すると、
1試料あたり10000個の細胞を一定量のFITC抱合純粋抗体で染色した。
各試料につき10000個の細胞を分析した。上表3に示す結果は、イソタイプ
−対合陰性対照抗体(isotype-matched negative control-antibody)により確
立されたバックグラウンド蛍光以上の染色が見いだされた細胞のパーセンテージ
を示す「陽性%」として示されている。
成人造血細胞とは対照的な胎児造血細胞に対するH3−3抗体の非常に特異的
な認識が、FACSおよび引き続き行われたソーティングされた細胞に対する蛍
光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)分析によりさらに示された
。簡単に説明すると、Y−PCRにより男性であることが示された400個の胎
児肝細胞を100万個の成人PBMC中に添加した。次いで、添加試料をヘシュ
ト
(Hoescht)−DNA染料および1μgのFITC抱合H3−3抗体で染色した
。有核細胞(ヘシュトに対して陽性の細胞)をH3−3陽性体に関してソーティ
ングし、スライドグラスに固定し、男性細胞の存在についてFISHにより分析
した。男性(Y)プローブをCy3で検出し;女性(X)プローブをFITCに
より検出した。結果を以下にまとめる:胎児細胞の初発純度=0.04%;成人
細胞のバックグラウンド染色=0.05%;回収された胎児(男性)細胞=30
1個;H3−3についてソーティングされた胎児細胞の純度=36.4%。
上で引用した文献および刊行物のすべてを参照により本明細書に記載されてい
るものとみなす。
均等物
当業者は、日常的な実験以上の実験を用いずに、本明細書記載の特定の方法お
よび試薬に対する多くの均等物を認識し、あるいは確認できるであろう。かかる
均等物は本発明の範囲内にあると見なされ、下記請求の範囲によって包含される
。
Detailed Description of the Invention
Method for producing specific antibody
BACKGROUND OF THE INVENTION
In antibody-producing animals, such as mammals, antibodies are synthesized in plasma cells,
Then, it is finally secreted into body fluid by a certain type of differentiated B lymphocyte. animal
Exposing (ie, by immunizing) to a foreign molecule generally involves
Produced numerous plasma cell clones that gave rise to heterogeneous mixtures of antibodies in blood and other body fluids.
Make Blood from immunized animals is collected, allowed to clot, and clots removed for immunization
Serum containing antibodies raised against it can be retained. Contains polyclonal antibody
The remaining liquid or serum is called antiserum. However, many such antisera are
It contains many different types of antibodies specific for different antigens. Overimmunized
More than one-tenth of circulating antibody was used to immunize animals, even in
It is rarely specific to a particular immunogen. Use of these antibody mixed populations
While useful in many contexts, they have many different problems in immunochemical methods.
Problem. For example, such antisera are generally common to immunogens and immunogens.
For use in discriminating between closely related molecules that share many determinants
Not enough.
Due to its high specificity for certain antigens, monoclonal antibodies (Kohl (Kohl
er) and Milstein (1975) Nature 25
6: 495) has emerged as an important technique, with scientifically and commercially demanding consequences.
It brought about an operative breakthrough. Monoclonal antibodies (Mabs)
Generally, a single antibody-secreting cell (eg, lymphocyte) is isolated from an animal and
Fused with myeloma cells (or other immortal cells) to produce hybrid cells (hybrid cells).
Denomas) and then selected hybridoma cells in vivo.
Or by culturing in vitro to obtain antibodies of similar structure and specificity.
Manufactured. Since antibody-secreting cell lines are immortal, are antibody characteristics batch-wise?
Can be re-produced from batch to batch. There are three characteristics that are useful for monoclonal antibodies.
Their binding specificities, their homogeneity, and their production of virtually unlimited
It comes from ability.
Monoclonal antibody production is better for specific antigens than polyclonal
Causes the production of highly specific antibodies, nevertheless
There are many limitations associated with the method and the antibodies produced thereby. For example, things
A key aspect in the isolation of clonal antibodies is how many different specificities they have.
Can actually establish antibody-producing hybridoma cells that respond to immunization with specific antigens
Sample to obtain antibodies with many specific characteristics.
It is related to the theoretical need to be pulled. For example, a mouse
The number of different antibody specificities expressed at one time by lymphocytes in the immune system is about 107Individually
Represents only a small part of the repertoire that is considered to have potential and specificity
Just do it.
Immunization can provide for enriching B cells that produce the desired antibody. But
However, even though these methods are used, typical methods for isolating antibody-producing B cells
Protocols generally produce less than 500 antibodies per immunized animal
It enables the sampling of hybridoma cells. Therefore, monochrome
The traditional method for the production of monoclonal antibodies is monoclonal to immunodominant molecules.
Statistically favorable for antibody production, rare or less immunodominant
It is difficult to isolate an antibody specific to a specific epitope. In many cases pure anti-
The fact that prima cannot be used as an immunogen, especially in the case of cell surface antigens
This can make this problem even more difficult. Immunization with untreated cells is particularly different.
With regard to type immunity, it often induces the production of antibodies to unrelated epitopes.
Wake up. Increases production of monoclonal antibodies against rare "immunorecessive" antigens
Tolerance has been used to do this. Newborn tolerization and chemoimmunosuppression
, Explosive expansion of B cell clones in response to "background" antigen signals
Of B cells that are commonly used to suppress
The population is enriched. However, immunosuppressive efficiency is often unacceptable
Also
In general, or in the case of cyclophosphamide immunosuppression,
Only a few antibody-producing hybridoma cells were produced per animal, and
To reduce the chance of isolation of a pitope-specific monoclonal antibody,
The practical application of suppressive immunization methods can be very difficult.
Summary of the Invention
The present invention provides an antibody specific to an immunorecessive epitope, and a nucleus encoding the antibody.
Provided is a method for producing an acid. The subject method generally comprises a heterogeneous array of antibody variable regions.
An efficient display library and then desired for immunorecessive epitopes
The process consists of selecting from the library the variable regions of antibodies with different binding specificities.
. The antibody variable region used to obtain the display library is derived from immune tolerance
Cloned from the antibody repertoire.
As described herein, the display library antibody variable regions are
An immunoreactive container that allows the binding of antibodies to the antigen that contacts the prey package.
Replicable Genetic Display Patterns in Kist (immunoreactive context)
Package. Therefore, using the affinity selection method, immunorecessive
Display having an antibody variable region having the desired binding specificity for an epitope
It is possible to enrich the population of iPackage. In a typical example,
The display library may be a phage display library. Another
As a method, generate a display library on the bacterial cell surface or on spores
You can also.
Using the subject method, for example, fetal cell markers such as fetal nucleated red blood cell markers
-, Cancer cell markers such as colon cancer markers or metastatic major cell markers,
Stem cell markers such as markers for progenitor or hematopoietic stem cells
Anti-recessive epitope-specific anti-reactivity such as cell-type specific markers
The body can be isolated.
Similarly, the subject method can be used to link between variant forms of a protein and other related forms of the protein.
Antibodies can be generated that can be identified by the combination. Immuno recessive epi
A variant protein contains one or more amino acids together with other related proteins to produce a taupe.
Depending on glycosylation or other post-translational modifications.
It may be more antigenically different from the related protein. By the apolipoprotein E family
Even if changes occur naturally between different isoforms of the protein family, as shown
Well, or neoplastic transformation of tumorigenic proteins or tumor suppressor proteins such as p53
Changes may be caused by genetic alterations as indicated by mutations.
In specific embodiments that illustrate the subject method, antibodies specific for immunorecessive epitopes are
, Live antibody phage display from antibody repertoire derived from immune tolerance
The rally can be obtained by affinity purification. For example, fusion anti
A replicable file encoding a library of phage particles representing body / coat proteins
The vector library is used to transform an appropriate host cell. here,
The fusion protein contains a phage coat protein portion and an antibody variable region portion. Anti
The body variable region is obtained from an antibody repertoire derived from immune tolerance. Cultivate transformed cells
Upon feeding, phage particles are formed and the antibody fusion protein is expressed. Immuno recessive epi
All of the resulting furs that have an antibody variable region portion that specifically binds to the taupe.
Separation of diparticles from phage particles that do not specifically bind immunorecessive epitopes
be able to.
The invention further relates to novel immunorecessive antibody libraries obtained by the subject method.
I do. The subject method allows, for example, specificity to the immunorecessive epitope of interest.
An antibody display library rich in antibodies that bind to can be isolated.
The display library is cloned from an antibody repertoire derived from immune tolerance.
Screened and subjected to affinity separation using immunorecessive epitopes
A miscellaneous V-gene library that is further enriched after expression by iPackage
It consists of a group of display packages expressing.
The antibody live of the subject method with individual antibodies and the genes encoding these antibodies
It is contemplated by the present invention that it can be isolated from rally. For example, immunodeficiency
Antibody display library for antibodies that specifically bind to the active epitope
After affinity enrichment, get individual display packages,
The antibody gene contained may be expressed in any suitable expression vector suitable for the production of the antibody for the desired use.
Subclone into the vector.
Description of the drawings
1A and 1B show the variable regions of both the heavy and light chains from the murine antibody gene.
The variable region PCR primers for amplifying the region are shown.
FIG. 2 is a schematic representation of the Fab 'expression cassette.
Figure 3. Binding of phage antibody (phab) pools enriched by HEL cell lines.
Is a semi-logarithmic graph (number indicates the number of times of enrichment). The graph is thickened
Phab pool and other immunoglobulins (T3, anti-M and Wilma).
A further comparison with a)) binding to HEL cells is shown.
FIG. 4 shows cells stained with individual phab isolates isolated by the subject method.
The percentage of cells (either HEL or mature leukocytes) is indicated.
FIG. 5A shows the sequence of preadsorption and enrichment on fetal hepatocytes for phab binding.
The result of the following round is shown. Percentage of phage antibodies that bind to fetal hepatocytes
Increase indicates enrichment for fetal cells that bind the phage antibody. Phage anti
The body library is a V-gene library derived from the immunized host animal.
Obtained. In contrast, FIG. 5B immunizes the results of the tolerance experiment in FIG. 5A.
Using a phage antibody library derived from a host animal that is
Compare with the results of panning of successive rounds.
FIG. 6 shows amplification of variable regions of both heavy and light chains derived from human antibody genes.
The variable region PCR primers for
FIG. 7 shows the heavy chain and individual phab isolates enriched by fetal cells.
And the sequences of the CDR3 regions of both light chain and light chain are detailed.
8A and 8B are general features of FB3-2 and H3-3 antibodies, respectively.
, Framework regions (double underlined; FRs), complementarity determining regions (CDRs),
And an invariant region (italic; IgG1 CH1 or kappa invariant region)
Shown. The amino acid residues that differ between the FB3-2 and F4-7 antibodies are:
It is shown below the FB3-2 sequence in FIG. 8A.
Detailed Description of the Invention
The present invention is extremely difficult or impossible to obtain with current methodologies.
It is possible to use a powerful and direct approach to the isolation of competent specific antibodies.
Noh. One aspect of the invention is the desired binding binding to an immunorecessive target epitope.
Dramatic and astonishing synergies in the efficient isolation of antibodies with finity
Combine immunotolerization and miscellaneous display libraries to obtain
It is a synthesis of methods. Using immune tolerance, such as suppressive immunization, immunorecessive target epi
Enrich a subset of lymphocytes that produce antibodies to the taupe in immunized animals
You. Subsequent isolation of antibody-producing cells from the immunized animal and isolation of the isolated cells
By PCR amplification of at least the variable region of the expressed antibody.
A heterogeneous library of offspring (V-genes) is obtained. Depending on the subject method, (i)
A genetic display pattern capable of replicating the antibody encoded by each variable region gene.
To display the antibody display library on the package, and then (ii)
Use the affinity selection method to obtain the desired binding specificity for the target epitope.
The display package containing the V-gene encoding the antibody
This V-gene library is enriched by enriching the population of prey packages.
From which a gene encoding an antibody specific for the target epitope is selected.
In general, isolation by recombinant antibody display methods known in the art
Most of the antibodies obtained using a substantially pure preparation of the antigen of interest,
109M-1Constant (KaOnly a few isolates with s) are obtained. H
The image display method is a specific method of the antibody obtained by the conventional hybridoma method.
Sorted with live cells that are equivalent in either sex or affinity
The isolated antibody (ie, the crude antigen) is not isolated. In contrast, the following
As shown in the examples, the subject method can be used to specifically determine binding affinity and specificity.
In terms of degree, it is obtained by both the combination method of the prior art and the hybridoma method.
It is possible to obtain an antibody which is superior to the above antibody.
For example, 10 antibodies isolated by the subject method8M-1, For example 109M-1No
1012M-1Can have a binding affinity in the range of Moreover, of these antibodies
Specificity depends on the method of combination and h
Several times higher than the antibody obtained by the ibridoma method (assuming that it is not on the order of size
Well) can be good. For example, the subject method can be used as a binding buffer for other related cells.
Substantially free of background, eg, from background binding to relevant cells
Also has a 10-fold or more specific binding to target cells. Other episodes, as shown below
Substantially no cross-reactivity with groups, preferably 20-fold over background, preferred
Higher specificity of 50, 75 or 100 times, more preferably 125 times or more
Can be obtained.
For the purposes of the present invention, the term "antibody" in its various grammatical forms
Immunology of immunoglobulin molecules and immunoglobulins recognized in the field
Biologically active part, that is, antigen binding that specifically binds to the antigen (immune reaction)
Includes molecules with sites. Structurally, the simplest naturally occurring antibody (I
gG) is linked to each other by four polypeptide chains, namely disulfide bonds.
It consists of two heavy (H) chains and two light (L) chains combined. Light chain is kappa (κ)
And exist in two different forms called lambdas (λ). Each chain is invariant (C)
Regions and variable (V) regions. Each chain is organized into a series of domains.
The light chain has two domains, corresponding to the C region and the V region. Heavy
One of the chains corresponds to the V region and three corresponds to the C region (domains 1, 2 and 3)
It has four domains. Naturally occurring antibodies have two arms (each arm is Fa
b regions), each bound to each other VLAnd VHConsisting of areas
I have. It is this pair of V regions (V that makes one antibody different from another).L
And VH) (Due to changes in amino acid sequence). Heavy and light chains respectively
The variable region for is the same, including the four framework regions (FRs).
Have a general structure, their sequences are relatively conserved, and three hypervariable
It is joined by regions or complementarity determining regions (CDRs). Variable region of each chain
Is typically of the general formula FR1-CDR1-FR2-CDR2-RF3-
It is represented by CDR3-FR4. CDRs for special variable regions are framework
Are held in close proximity to each other by the region and together with CDRs from other chains
It is involved in antigen recognition and provides an antigen binding site (ABS).
Moreover, as described above, the antigen-binding mechanism may be altered by the naturally-occurring antibody fragment.
It has been shown to perform well and the antigen-binding fragment is also referred to as the term "antibody".
Is named. Examples of binding fragments within the scope of the term "antibody" are (i) VL,
VH, CLAnd CH1Fab fragment consisting of domain; (ii) VHAnd CH 1
Fd fragment consisting of domain; (iii) V of single arm of antibodyLAnd
And VHFv fragment consisting of domain; (iv) VHDAb consisting of domains
Lagment (Ward et al., (1989) Nature No. 341
Vol .: 544-546); (v) isolated CDR region; and (vi) hinge region.
And a divalent fragment consisting of two Fab fragments linked by a disulfide bridge.
F (ab ') which is a lagment2Include fragments. Furthermore, Fv
The two domains of Lagment are encoded by different genes,
Single protein chain by recombinant method (known as single chain Fv (scFv); Bird
(Bird) et al. (1988) Science 242: 423-426.
Page; and Huston et al. (1988) PNAS Vol. 85: 5879-.
It has been found that it is possible to make synthetic linkers that allow
I'm sorry. Such single chain antibodies are also included within the current meaning of the term "antibody".
You.
The term "antibody variable region" is also recognized in the art and is collectively referred to as
It includes the portion of the antibody that can form the original binding site. For example, antibody variable regions are
The framework region (FR1 to FR4) and one or both chains of the IgG molecule
It may be composed of complementary complementarity determining regions (CDR1 to CDR3).
The term "desired binding specificity for an immunorecessive epitope" as well as the more general
The term "antibody specificity" refers to the ability of individual antibodies to specifically immunoreact with different antigens.
Say. The desired binding specificity is typically the ability of the antibody to bind differently.
Determined from a reference point of, and thus, in particular, the two antigens have many common
Two distinct anti-antibodies if they have a unique epitope that is present with the epitope.
It identifies the source. For example, the desired binding affinity for an immunorecessive epitope.
Infinity is defined as between an adult and a fetus or between a normal cell and a transformed cell.
It can be said to be the ability of the antibody to discriminate between related cells. In other embodiments, the desired
Combined affinity binds to mutant forms of the protein differently than the wild-type protein
, Or alternatively, the ability of the antibody to distinguish between different isoforms of the protein. Exemption
An antibody that specifically binds to an epidemic recessive epitope is called a "specific antibody". The term "relative
Specificity "refers to background immunoreactivity (eg, binding to non-target antigens)
The ratio of specific immunoreactivity to the above. For example, relative specificity for fetal cells
Is the ratio of the percentage of binding to fetal cells to the percentage of binding to maternal cells.
Can be expressed as Substantial buffer against non-target antigens such as maternal cells
Antibodies without background binding have a high relative specificity (eg background binding).
10 times higher than the sum).
The phrase "individually selective approach" and the term regarding the immunoreactivity of an antibody with a particular cell
And "individually selective binding" means that the binding is phenotypically dependent.
In addition, it depends on the particular individual from which the cell is isolated, such as on the origin of the cell.
Antibody binding to certain cell phenotypes. "Individual selective binding" is the result
It does not refer to interspecificity of the combination, but rather to intraspecificity.
The binding of the antibody to the antigen is exclusively non-covalent, but nevertheless
It is more subtly specific for one antigen than another and is often
Be powerful. Antibodies are different structures of most complex proteins, nucleic acids, and polysaccharide antigens.
The component can be specifically bound. Generally, the macromolecule is the antigen-binding part of an antibody.
Much larger than the rank. Therefore, an antibody is herein referred to as a "determinant" or
It binds only to a special part of the macromolecule, called the "epitope". For specific animals
The total number of antibodies produced by a population of antibody-producing cells is
It is said. The extreme breadth of the antibody repertoire depends on the individual parts that make up the repertoire.
It is the result of the variability of the structure of the antigen binding site in the antibody.
The process of "immunization" involves exposing an animal (animal capable of producing antibodies) to a foreign antigen.
Inducing active immunity and thereby inducing the production of antibodies against foreign antigens
Say. Molecules that produce an immune response are called immunogens.
The term "immunorecessive epitope" refers to the term "rare epitope" or "standard" as appropriate.
`` Epitope '' and is usually present as an immunogen or isolated.
In the context of at least polyclonal and monoclonal antibodies
Efficient for use in generating an antibody response by immunization, as long as production of
Not an epitope. Generally, such immunorecessive epitopes are immunogenic.
Is less abundant than other epitopes normally associated with
And / or low antigenicity. Immunorecessive epitopes induce a strong antibody response
Even in an environment where, for example, this response is an immunorecessive epitope in the immunogen.
Other epitopes associated with (also referred to herein as "immunologically dominant epitopes"
Is the “background epitope”), and
Can be statistically masked by the total number of antibodies produced. Immuno recessive epitome
Groups relate to, for example, cell surface antigens that are unique to a particular cell phenotype.
You may be in a row. Often, this cell surface antigen is essentially, and
As such, it cannot be used as an immunogen. Because a purified form of the antigen was obtained
Because there is no. This is an integral membrane protein that loses conformation during purification.
This can be especially true in the case of white. Therefore, immunogens containing immunorecessive epitopes
, The overall percentage of B lymphocytes activated by immunorecessive epitopes
It also contains many background epitopes that can act to reduce
. In an exemplary embodiment, the immunogen is an immunorecessive epitope expressed on the surface.
It may consist of whole cells. For example, an immunorecessive epitope is a cancer cell marker.
Cell type markers such as markers, fetal cell markers, or stem cell markers
It may be. Similarly, immunorecessive epitopes do not share amino acids with related proteins.
A unique epitope for a mutant form of a protein, such as one or two different mutants
It may consist of For example, immunorecessive epitopes on the wild-type p53
Non-mutant p53 may be a determinant, or humans such as ApoE4
It may be an epitope unique to a particular isoform of apolipoprotein E.
"Tolerization" is the immunology of an animal to substances that may be antigenic that are present in the animal.
The process of reducing the responsiveness of an antigenic substance that produces tolerance
It is called "torelagen". Tolerance is killed without activation of lymphocytes
Antigens and toleragens on lymphocytes under conditions rendered unresponsive or
Results from the interaction with. Tolerance to a specific antigen, or more accurately the antigen
Tolerance to specific epitopes of neonatal tolerance or chemically induced tolerance
It can be induced by many means including solubilization, which is induced by
It may be the result of a loan loss or clone anergy. Antigen throw
The route of application also affects the ability of the antigen to act as either an immunogen or toleragen.
there's a possibility that.
The term "immunogenicity" means that the antibody response to an immunorecessive epitope is background.
Processes not masked by loss of antibody response to round epitopes
Say. For example, as a first step in immunotolerization
Exposing the animals to trerelogen. However, toleragen is immunorecessive
It lacks a lot. Inducing tolerance to these background epitopes
Then, the animal is administered an immunogen containing the immunorecessive epitope. Background
B antibody activated in response to a rare epitope due to lack of antibody response to
The percentage of vesicles increases relative to the total B cell population of the animal. That is, exempt
Cells that produce antibodies specific to the immunorecessive epitope are "concentrated" using the pluripotentiation means.
Can be thickened ”. Therefore, the term "background epitome" in this specification
Is further defined as a common epitope between the immunogen and toleragen.
However, on the other hand, the term "immunorecessive epitope" further refers to an immunogen that is unique to
It is understood as referring to a pitope (relative to trellagen). Immunogen and tolera
Gens typically also include, for example, phenotypically related cells, or variants of proteins.
However, it may be closely related in different isoforms.
The term "antibody repertoire derived from immune tolerance" refers to immunorecessive epitopes
And a population of antibody-producing cells derived from immunotolerization intended to enrich the antibody
These antibodies.
The term "miscellaneous V-gene library" refers to an antibody repertoire derived from immune tolerance.
At least one antibody variable region of one or both of the heavy and light chains of
Refers to a mixture of recombinant nucleic acid molecules. A miscellaneous V-gene library is generated on the surface.
A group of display packages that are loaned out and expressed are similarly labeled as "miscellaneous
"Body display library" or "antibody display library"
.
The terms "replicable genetic display package" or "display pack"
A package is a biological particle that contains genetic information that confers on the particle the ability to replicate.
I have what I have. The package contains antibodies from a diverse V-gene library.
A fusion protein can be included. The antibody portion of the fusion protein is
Provided by a display package in
Allows binding of the antibody to the antigen in contact with the package. In general,
The spray package is a very large and diverse sample of V-gene libraries.
Recombinant V-gene from ring and purified display package
It will be from a system that allows easy isolation. For example, the display package is
Derived from cultivated bacterial cells, bacterial spores, and bacterial viruses (especially DNA viruses)
You may. Display package encoding at least part of V-gene
The miscellaneous mixture of is also referred to as "antibody display library".
The terms "differential binding means", as well as "affinity selection", "affinity"
"Enrichment" refers to each display package in the library that binds to the target epitope.
Members of antibody display libraries based on the different abilities of antibodies on the surface of di
-Separation. Fractional binding of immunorecessive epitopes by display antibodies,
Af of antibodies that specifically bind to an immunorecessive epitope from an antibody that does not specifically bind
It can be used for nuty separation. For example, in the immunotolerization stage
Used the same molecule or cells that were used in the affinity enrichment step
Recovering a display package that expresses an antibody that specifically binds to it
You can also Affinity selection protocols are typically
Pre-concentration eliminates display packages that can specifically bind to epitopes
It also includes a chemical conversion step. An example of affinity selection means is affinity chromatography.
Chromatography, immunoprecipitation, fluorescence activated cell sorting, aggregation, and plaque fishing
Including the lift. As described below, affinity chromatography
Alternatively, a bio-panning techniqu
es) is included.
In an exemplary embodiment of the invention, the display package is a miscellaneous V-resistor.
Antibody fusion coat protein containing amino acid sequence of antibody variable region derived from gene library
Are phage particles. Therefore, a library of phage vectors that can replicate
And a suitable host cell is transformed. Fur formed from chimeric protein
Antibodies that bind diparticles to specific phage particles specifically bind to target epitopes
They can be separated by affinity selection based on their ability to Preferred tool
In the body example, each individual phage particle of the library is
The corresponding phagemid code encoding the antibody fusion coat protein displayed above.
Contains pea. Antibodies displayed on individual particles have specific epitopes
Purification of phage particles based on their ability to bind to the V-gene also encodes the antibody.
Provide isolation of offspring. A typical library for obtaining the heterogeneous antibody library of the present invention.
The pages are M13, f1, fd, If1, Ike, Xf, Pf1, Pf3, λ,
Includes T4, T7, P2, P4, φX-174, MS2 and f2.
The terms "fusion protein" and "chimeric protein" are used interchangeably herein
Is an art-recognized term that is used to
Or a contiguous polypeptide consisting of the first polypeptide linked to a higher amino acid sequence.
Includes peptides. The amino acid sequence is derived from the foreign domain or the first polypeptide.
The polypeptide domain, which is a domain that is not substantially homologous to the tide domain.
The array to define. One polypeptide from which the fusion protein is constructed is cloned.
V-gene library derived recombinant antibody. The second of the fusion protein
The polypeptide portion typically is a "display package" (defined later).
Derived from an outer surface protein or display anchor protein that binds) to its outer surface
I do. If the display package is phage,
Anchor proteins, like viral coat proteins, are not attached to the genetic package.
I
It may be derived from active surface proteins. The fusion protein is the virus coat protein.
When it consists of white or an antibody, it is called an "antibody fusion coat protein". Further fusion
Is the protein a signal sequence that is a short amino acid sequence at the amino terminus of the fusion protein?
The signal sequence may cause the fusion protein to be secreted from the cytosol and
Localize to the extracellular side of the alveolar membrane.
The gene construct encoding the fusion protein may also be a "chimeric gene" or a "fusion".
"Gene".
The term "chimeric antibody" is joined by a peptide bond to at least a portion of another protein.
Used to refer to a protein containing at least the antigen-binding portion of a combined immunoglobulin molecule
I have. Chimeric antibodies include, for example, variable regions from a first species (eg, rodent) and
And a constant region derived from a second species (eg, human), or also from the first species
Interspecific chimera with native CDRs and FRs from a second species and constant regions
It may be.
The term "vector" refers to the insertion of a gene into which recombinant DNA is constructed.
Refers to a DNA molecule that is replicable in a host cell.
The terms "phage vector" and "phagemid" are recognized and include
An origin of replication for the lyophage, and, optionally, preferably bacterial plasmids.
A vector derived by modification of the phage genome, which may include a replication origin of
I mean Kuta. The use of phage vectors, rather than the phage genome itself,
Greater flexibility in the ratio of chimeric antibody / coat protein to live coat protein
Flexibility, as well as other variables that may be useful in the following double-chain antibody constructs
It provides a complement to the phage gene with additional genes encoding the region.
The term "helper phage" refers to a defective phage genome or phage vector.
Phage used to infect cells that contain and function as a complement to the defect.
U. The deletion is due to the removal or deletion of phage genomic sequences necessary for the production of phage particles.
It may result from activation. Examples of helper phages include M13K07
And M13K07 gene III no.3.
The term "isolated," as used herein with respect to DNA or RNA, refers to
Each is a molecule isolated from other DNAs or RNAs,
It exists in the source. For example, an isolated antibody encoding one of the antibodies of the invention.
Nucleic acid preferably flanks the antibody gene naturally in genomic DNA.
A nucleic acid sequence of at most 10 kilobases (kb), more preferably at most
It contains 5 kb of such a naturally occurring flanking sequence. Terms in this specification
“Isolated” refers to cellular material, virus, if produced by recombinant DNA methods.
If it is substantially free of loose substances or medium, or chemically synthesized,
Refers to nucleic acids or peptides that are substantially free of biological precursors or other chemicals
Used for Furthermore, "isolated nucleic acid" exists naturally as a fragment.
Include non-existing nucleic acid fragments that cannot be found in nature.
Means and.
In one aspect, the invention provides a rapid and effective method for isolating cell type-specific antibodies.
Show the law. For example, unique to fetal cells, or unique to cancer cells
An antibody that specifically binds to an epitope can be obtained by the method of the present invention. As well
In addition, the method of the invention can be used to obtain antibodies against variant forms of the protein, which
, For example, to detect mutations in the protein or to distinguish different isoforms of the protein
Can be used to Therefore, the present invention is applicable to purification, diagnosis, and treatment.
Antibodies useful for the application of
In another aspect, the invention provides a novel immunorecessive anti-antigen obtained by the subject method.
A body library, as well as individual antibodies isolated therefrom. The method of the present invention
According to, for example, anti-specific binding to the immunorecessive epitope of interest.
Body enriched antibody display libraries can be isolated. The day
Spray library cloned from antibody repertoire derived from immune tolerance
And display by affinity separation using immunorecessive epitopes.
Miscellaneous V-gene library further enriched after expression by iPackage
It consists of a group in a display package that expresses. Therefore, fetal cell marker
, Tumor cell markers, and cell surface markers such as variant forms of proteins.
It is possible to obtain an antibody display library enriched with specific antibodies
.
Immune recessive epitopes used to obtain antibody repertoire derived from immune tolerance
It depends on the difference between the immunogen and the toleragen used, so
The specificity of the enriched antibody is determined by the specific immunogen / treragen set used.
You can make decisions about For example, specific antibodies have a common or similar origin
Or specific antibodies are needed if necessary to distinguish different cells of phenotype
Cells used as immunogens, and related cells to be identified as toleragen
Used. The cell tag for the cell of interest in the immunorecessive epitope
Ip-specific markers are represented. For purposes of explanation, cell-type specific markers
When it is a marker for infant nucleated red blood cells, toleragen is maternal erythroblast
And the immunogen may be fetal erythroblasts. Similarly, the marker
When it relates to colon cancer, the toleragen may include normal colon cells,
The immunogen can be selected from colon cancer cell lines. If the subject antibody library,
And other typical immunogens / tres useful for obtaining individual antibodies derived therefrom.
A set of lagens is shown in the description below, others should be obvious to those skilled in the art.
U.
Similarly, selection of a set of immunogens / treragens yielded a subject library
, Its ability to discriminate between variant forms of proteins and other related forms of proteins by binding
Certain specific antibodies can be enriched. Mutant protein is one with other related proteins
Or more amino acid residues may differ, resulting in immunodeficiency
By producing glycosyl epitopes and further by glycosylation or other post-translational modifications
Also changes antigenicity differently from toleragen. Apolipoprotein E family
As shown by, changes such as between different isoforms of a protein family naturally occur.
Of the tumor prototypic protein or tumor repressor protein such as p53
It can also be caused by genetic alterations, as shown by neoplastic transformation mutations.
The individual antibodies and the genes that encode these antibodies can be analyzed live using the subject methods.
It is also contemplated by the present invention that it can be isolated from rally. For example, immunorecessive epitome
Antibody display library for antibodies that specifically bind to
After tee thickening, individual display packages can be obtained, in which
Other suitable expression vector suitable for producing an antibody for a desired use.
Can be subcloned into the clone.
The main aspects of the subject invention are generally described below, with preferred embodiments accompanying
Examples will be described in more detail.
I.Immune tolerance
Subsequent V-gene clonin using immunotolerization in the present invention
An antibody repertoire can be obtained which is used for the cloning step. At that stage, immunity
The antibody response to the recessive epitope is not masked. In vivo tolerization
Alternatively, it can be performed in an in vitro immune system. For example, in the present invention
Antibodies directed against immunorecessive epitopes of interest using immunotolerization
Enriching the pool of activated B lymphocytes in immunized animals with respect to cells producing
Can be. Exposed to Relagen in the Typical Tolerization of the Subject Method?
Some time later the immunogen is introduced into the animal's immune system. The effects of toleragen are tolerage
The overall reduction or elimination of immunological responses due to animal re-exposure to determinants
It is to abandon. In general, the determinants that make up toleragen include immunogens.
Because they are part of the determinants of these antigens (ie background epitopes
), Decreased against background epitopes by challenge with immunogen
The antibody response does not mask the antibody's response to immunorecessive epitopes of the immunogen
Can act like that. By not being masked
The population of directed antibody-producing cells is an efficient collection of antibody-producing cells in an animal.
It is meant to make up a large percentage of the group (Willi
Williams et al. (1992) Biotechniques
12: 842-847).
The most preferred means of tolerization in the subject method is specific for rare epitopes
Suppressive immunity to enrich pool of B cells for antibody producing clones
(Subtractive immunization) is included. In general, suppressive immunity is a two-step method
It is. The first stage is the host activity against a particular set of molecules, namely toleragen.
It is a suppressive step that induces a state of tolerance in the product's immune system. The second stage is another
The set of molecules, or immunogens, is the immunization stage at which they are introduced into the immune system. general
In some cases, molecules consisting of toleragen are a subset of molecules consisting of immunogens. Ideal
Only the molecules in which the immune system produces antibodies after exposure to the immunogen are present in the immunogen.
It is a molecule that is present but not in trellagen. Two main factors for suppressive immunization
Key approaches have been used: neonatal tolerization and chemoimmunosuppression.
In one embodiment of the invention, neonatal tolerization is used to enrich for B cell enrichment.
Get Neonatal tolerization is the process of self-tolerance of the developing immune system
Is used. In all species, there are discontinuous developmental periods during which the immune system
Classify all molecules in the body as self and immunize against those molecules
Inducing a state of tolerance induction (Billingham et al. (1953) Nature.
-(Nature) 172: 603-606; Golumbeski et al.
1986) Analytical Biochemistry (Anal.Biochem.) No. 154
Volume: 373-381; Hasek et al. (1979) Immunological
Reviews (Immunol. Rev.) Volume 46: 3 to 26; Reading
(1982) Journal of Immunological Methods (J Immunol.Me
thods) 53: 261-291; and Streilen et al. (1
979) Immunological Reviews (Immunol. Rev.) Volume 46: 125
146). Subsequent exposure to all molecules present at this stage
Will encounter immunological unresponsiveness. For suppressive immunization, mice (or
Or other host animals) are exposed to toleragen in newborns. These animals are free
If epidemiologically mature, expose them to the immunogen. In theory, immunity
The system immunologically responds only to molecules in the immunogen, but to molecules in trellagen.
Should not respond.
In another embodiment of the subject method, the subsequent variable region gene (V-gene)
Chemical immunization to obtain enriched B cell populations for cloning
Suppression is the means of tolerization used. For example, the cytotoxic drug cyclophosph
Chemo-immunosuppression with amides is a useful method for suppressive immunization.
Me
Ahmed et al. (1984) Journal of American Academy
Bu Dermatology (J. Am. Acad. Dermatol.) 11: 1115-1126;
Matthew et al. (1983) CSH, Sympo, Quanta, Biolo (C
SH Symp.Quant.Biol.) 48: 625-631; Matthew et al.
1987) Journal of Immunological Methods (J.Immunol.Meth)
ods) 100: 73-82; and Turk et al. (1972) Imi.
Immunology 23: 493-501). Exposed to foreign antigens
Application of the chemical drug cyclophosphamide to living animals responds to the presence of foreign antigen molecules.
Selectively kill B cells stimulated to proliferate. After cyclophosphamide treatment
, Subsequent exposure to those molecules elicits a reduced immunological response
Rub Increasingly, animals are treated with foreign antigen molecules (ie, trellagen) as a suppressive immunization method.
) And then injected with cyclophosphamide. The drug is cleared
After exposure, the animal is exposed to the immunogen. Theoretically, the immune system
It should respond only to immunogenic epitopes not found in lagen.
Other suppressive immune protocols can also be used in the subject methods, eg,
Includes the use of leukin-targeted toxins. For example, IL-2-toxin fusion protein
-(Kelly) et al. (1988) PNAS Vol. 85: 3980-3984) and
And IL-4-toxin fusion protein (Lakkis et al. (1991) European
Journal of Immunology (Eur.J.Immunol.) Volume 21: 2253-
2258) to selectively induce tolerance of toleragen to epitopes
be able to.
II.Generation of antibody gene library
Cloning the antibody repertoire of the resulting B cell pool after the tolerization step
. Methods are generally known and in the subject method oligomer primer mixtures
And by using PCR for the variable regions of diverse populations of immunoglobulin molecules.
The method can be applied to obtain the DNA sequence directly. For example, 5 '
(Signal peptide) sequence and / or framework 1 (FR1) sequence
Mixed oligonucleotide primers corresponding to rows, as well as conserved 3'invariant regions
The primer can be a heavy chain or a light chain derived from many murine antibodies.
It can be used for PCR amplification of variable regions (Larrick et al. (1991)
Biotechniques 11: 152-156). Kind
A similar method can be used to amplify the heavy and light chain variable regions from human antibodies.
Can (Lalique et al. (1991) Method: Comparison to Method
Second: Methods: Comparison to Methods in Enzymology
Vol: 106-110). The ability to clone human immunoglobulin genes
Advantages in the generation of human antibody repertoires in transgenic animals
Has a special significance in terms of (eg, Bruggeman et al. (19
1993) Year Immunology 7: 33-40;
Tuaillon et al. (1993) PNAS Volume 90: 3720-37
24; Bruggegmann et al. (1991) European Journal of Immu
Eur.J.Immunol. 21: 1323-1326; and Wood (
Wood) et al. PCT publication WO91 / 00906).
In typical embodiments, standard protocols (eg, US Pat. No. 4,684) are used.
No. 3,202; Orlandi et al. PNAS (1989) 86: 3.
833-3837; Sastry et al. PNAS (1989) Vol. 86.
: 5728-5732; and Huse et al. (1989) Science (
Science) 246: 1275-1281), using RNA for B cells, eg
For example, isolated from peripheral blood cells, bone marrow, or spleen preparations. The constant region of the heavy chain and
For primers specific to each of the κ and λ chains, and the signal sequence
The first cDNA strand is synthesized using the primer. Figures 1A and 1B (mouse)
Alternatively, using a variable region PCR primer as shown in FIG. 6 (human),
And variable regions of both light chain and light chain, amplifying each alone or combining them
A suitable vector for further manipulation in the generation of the display package
-Connect inside
Unique oligonucleotide primers useful in amplification protocols are unique
And degenerate ones that contain inosine at the degenerate position.
There may be. Amplified fragments were previously determined for expression purposes
In order to allow cloning into the open reading frame of the vector, restriction
A donase recognition sequence may be included in the primer.
III.Miscellaneous antibody display
V-gene cloned from an antibody repertoire obtained by immunological tolerance
The antibody display library is created by expressing the evary with a group of display packages.
An ibrary can be formed. Preferably, a heterogeneous antibody library is used.
As for the display package that has become clear, the display package is
Often (i) is genetically altered to encode at least the variable region of the antibody.
(Ii) maintained and amplified in culture, (iii) affinity
Represents the antibody gene product in a manner that allows the antibody to interact with the target epitope during separation
And then retain the antibody gene so that (iv) the antibody gene sequence is obtained.
It will be understood from the discussion herein that they are affinity separated while
. In a preferred embodiment, the display is used in affinity separation synthesis.
Exist.
Ideally, the display package should be a very large, miscellaneous antibody display.
Ray library sampling, rapid sorting after each affinity separation
And easy isolation of antibody genes from purified display packages
It consists of a system. The most attractive candidates for this type of screening
Is rapidly amplified, relatively easy to work with, and yields large numbers of clones.
, Prokaryotes and viruses. For example, the preferred display package is
, Vegetative bacterial cells, bacterial spores, most preferably bacterial viruses (especially DN).
A virus). However, the present invention is a potential display.
Eukaryotic cells including yeast and their spores as a package (originally
Typically
The use of other than antibody producing cells, ie B cells) is also contemplated.
Commercial kits for obtaining phage display libraries (eg
Recombinant Phage Antibody System of Pharmacia (
Recombinant Pharge Antibidy Sysytem), Catalog No. 27-9400-01;
And Stratagene's SurfZAPTMPhage display
Kit, Catalog No. 240612), as well as miscellaneous antibody displays of the invention.
Examples of methods and reagents particularly used for use in the production of b.
US Patent No. 5,223,409; Ladner et al .; International Publication WO, Kang et al.
92/18619; Dower et al. International Publication WO 91/17271;
International publication WO92 / 20791; Markland
International Publication WO92 / 15679; Breitling et al International Publication W
O93 / 01288; International publication WO92 / 01 by McCafferty et al.
047; Gerrard et al. International Publication WO92 / 09690; Radnor et al.
International publication WO90 / 02809; Fuchs et al. (1991) Bio /
Technology (Bio / Technology) Volume 9: 1370-1372; Hay
(1992) Human Antibody Hybridomas (Hum Antibo
d Hybridomas) Volume 3: 81-85; Huse et al. (1989) Sayen
Volume 246: 1275-1281; Griffiths et al.
(1993) EMBO J Volume 12: 725-734; Hawkins
s) et al. (1992) Journal of Molecular Biology (J Mol B
iol) 226: 889-896; Clackson et al. (1991).
Year 352, Nature 352: 624-628; Gram et al.
1992) PNAS Vol. 89: 3576-3580; Garrard.
Et al. (1991) Bio / Technology 9: 1373-1377; Hoge
Hoogenboom et al. (1991) Nucleic Acids Research (
Nuc Acid Res) 19: 4133-4137; and Barbas et al.
(1991) found in PNAS Vol. 88: 7978-7982.
.
Display is based on bacterial cells, or phage that assemble in the periplasm
If so, the display means of the package consists of at least two components.
The first component is the cell membrane (host cell if the display package is a phage).
Secretory signal directed to a recombinant antibody that is localized outside the cell membrane)
is there. This secretory signal is characteristically cleaved by the signal peptidase and
This produces a processed "mature antibody". The second component binds the antibody to the outer surface.
Is a display anchor protein that directs the display package to
. As will be explained later, this anchor protein binds to the genetic package.
It may be derived from active surface proteins or coat proteins.
Display packages are bacterial spores or protein coatings are assembled intracellularly
, The secretory signal that directs the antibody to the inner membrane of the host cell is absent.
It is important. In these cases, the means by which the miscellaneous antibody library was sequenced was a fusion protein.
It consists of a spore or phage coat protein derivative used as white.
The antibody component of the display is at least isolated during the suppressive immunization step.
Cloned from isolated B cellsHOr VLIt consists of one of the areas. Only
While VHArea and / or VLThe region is the constant region other than the variable region of the antibody.
It will be appreciated that all or part of the may be included. Typically,
The display library is for generating at least Fv fragments.
It will include the variable regions of both the heavy and light chains. To make it easier to understand,
The detailed example is for constructing a fusion protein with a display anchor protein.
Cloned into VHDetails of minimal antibody display, such as consisting of use of area
Will be described. However, VLAnd VHThe role of the chain is the structure of the display library.
It should be understood that there may be similar embodiments that are reversed in construction.
Under certain circumstances, V of antibody displayHThe part is a single part of the suppressive immunization stage
Derived from isolated cells, but VLNo chains or "fixed" VL(Ie
, The same V for each antibody on the displayLChain). For example
, Display VLIf the part is fixed, VLThe chain is VHCode chains
From a genetic construct other than the construct or from the host cell itself (ie, light chain producing bone marrow
Tumor
V) that has been given from the cell) or has already been displayed on the surfaceHchain and
It is added to the package externally to rejoin. However, VLThe chain
VHThe miscellaneous cloned from the same B cell population in which the gene was cloned
VLIt is generally preferred that it is from a library. In such cases, the preferred ingredients
Body example is VLV geneHPlace genes in the same construct and both are easily recovered together
To be done.
The desired antibody display is a multi-chain antibody (eg VHAnd VLBut different polype
Is a peptide chain), the cDNA encoding the light chain is
It may be cloned directly into an appropriate site in the vector containing the ibrary. There
Alternatively, the light chains can be used as separate libraries in different plasmid vectors.
It is cloned, amplified and then cloned into a vector library encoding the heavy chain.
The Lagment may be cloned. Under such circumstances, the host cell
V as expressed with a signal leader sequence that directs secretion into the rumL
Clone the chain. For example, some leads on E.coli
The sequence of the sequencer is OmpA (Hsiung et al. Bio / Technology (198
6) Vol. 4, pp. 991-995, and phoA (Skerra and Pla.
Pluckthum, Science (1988) 240: 1038).
Have been shown to direct the secretion of antibody sequences such as.
In the example where the display package is a phage, V in the phagemidL
Cloning sites for the strand sequences do not substantially interfere with normal phage function
Should be placed as. The position where 1 is applied is Zinder and Beke (
Boeke), (1982) Gene 19: 1-10.
This is the inter-generic region. A typical example is the M13 phage display library.
And preferably VLThe sequence is similar to the HL-coIII product (discussed below).
Is expressed at higher levels and has a high V in the periplasmLMaintain concentration,
VLAnd VHProvides efficient assembly (association) with the chains. For example, separate genes,
Wow, VH/ Coat fusion protein and VLPhagemid to encode both chains
Can be built. Under proper induction, both chains are expressed and expressed in host cells.
The cells become assembled in the periplasmic space of the cell, and the assembled antibodies are
V, which is part of the white fusion constructHIt is bound to the phage particle by a chain.
Probably 10 possible combinations of heavy and light chains12Will cross the street. Can
Sampling as many combinations as possible can, in part, result in multiple transformations.
It depends on the ability to recover the replacement. A plasmid-like form of phage (filamentous
Phage), electrotransformation is very large for DNA input.
In addition to capacity, phage transfection using in vitro packaging
Provides efficiency comparable to that of the option. This uses a large number of vector DNA
It is possible to obtain a large number of transformants. The method is based on Dowe
r) et al. (1988) Nucleic Acids Resea
rch) 16: 6127-6145, for example, using
Per μg of ligated vector in E. coli (such as MC1061 strain)
About 107Fd-tet-derived recombinants may be transformed at a ratio of
Brary about 3x108Fd-tet consisting of up to or more species
It may be constructed in Bl. Increasing DNA input, and
Making changes to the cloning protocol within its capabilities is not
Increase the recovery rate of the substitute by about 10 times,TenUp to or more recombinants
A library can be provided.
In other embodiments, single chain FvFlexible for forming fragments
The heavy and light chain V region domains joined by a linker are labeled with the same polypeptide.
Expression vector, the scFV gene is then expressed in the desired expression vector.
Or clone into phage. McCafferty et al., Ney
General in Nature (1990) 348: 552-554.
Flexible (GlyFour-SerThree)ThreeLinked by a linker
Complete V of antibodyHAnd VLUsing domains for antigen affinity
Based on a single-chain antibody that can make the display package separable
Can be
As will be apparent to those of skill in the art, in the specific examples where high affinity antibodies are searched for,
,
An important criterion for the selection method of the present invention is that it is different for a particular antigen.
Distinguish between finity antibodies and give preference to the highest affinity antibody
It may be possible to enrich it. Antibody affinity and
Applying the well-known theory of valency (ie, binding activity), the
By operating the play package efficiently to make it a single price,
With a broader range of affinities that can be isolated using prey packages
Generally higher binding affinity (ie 106Through 10Ten
M-1Affinity enrichment can be performed for binding constants in the range. 1
Native form used to immobilize the antibody on the display to obtain a high-value display
Display proteins (ie, wild type) surface or coat proteins
Added at a high enough level to almost completely eliminate inclusion of the antibody fusion protein in
be able to. Thus, the vast majority containing at most one copy of the antibody fusion protein
Display packages can be obtained (for example, Garrard et al.
(1991) Bio / Technology 9: 1373-1377). 1-value de
In a preferred embodiment of the display library, the display package
The library consists of at most 5-10% polyvalent displays and is more preferred
Preferably at most 2% of displays are polyvalent, most preferably at most 1%
There are multivalent display packages in the population. The source of wild-type anchor protein
, For example, by copying a wild-type gene present on the same construct as the antibody fusion protein
It may be provided, or alternatively, the separate constructs may be provided together. However
However, a similar operation yields a multi-valued display that allows for a wider range of combined affinity.
It is also clear that one can be isolated. Such antibodies are, for example, anti-
Physical activity may be useful in purification protocols that may be desired
You.
i) Phage as a display package
Bacteriophages are the raw materials associated with the attractive prokaryotes used in the subject invention.
Things. Bacteriophage is an enzyme activity associated with intact mature phage.
With little or no sex, and their genes are inactive outside the bacterial host.
Yes, it renders the mutant phage particles metabolically inactive, and therefore can
It is an excellent candidate for providing a display system for Brary. Generally, phage
The surface is a relatively simple structure. Phages can easily multiply and increase in number
And the potential for use in large-scale screening programs with many potential
Suitable for handling when they are themselves in a small and simple package
It has the genetic information for the synthesis of. The antibody gene was inserted into the phage genome.
Therefore, the selection of the appropriate phage used in the present invention is generally large.
In the body, the (i) phage genome allows for additional genetic material.
Of the antibody gene, either by
(Ii) virus particles after accepting insertion or substitution of genetic material
Whether the offspring can pack the genome; and (iii) antibodies on the phage surface
Display disrupts virus particle structure enough to interfere with phage growth
It will depend on whether or not to do it.
One concern with the use of phage is that the morphogenetic pathway of phage causes the antibody to fold.
It is about deciding the environment that has the opportunity to be caught. Generally displayed
Antibodies contain essential disulfides, so they are assembled in the periplasm.
Is preferred and such antibodies may not fold correctly in cells
There is a nature. However, the special features that the display package produces inside the cell
In body examples (eg, lambda phage is used), phage are released from cells.
It was shown that the antibody is likely to fold correctly.
Another related to the use of phages but also to the use of bacterial cells and spores
The concern is that multiple infections have at least one gene for a particular antibody.
A hybrid display having one or more different antibodies on its surface
It is possible to generate b. Therefore, it is necessary to
Minimizing this possibility by infecting cells with phage is voluntary.
However, it can be said that it is preferable. However, the antibody display
Increase the occurrence of homologous recombination between the carrying genetic constructs and
In situations such as expanding the body display library repertoire, high
There may be situations where multiplicity of infection conditions are desirable.
For certain bacteriophage, phage is the preferred display means.
It is a protein (eg, coat protein) that is present on the surface. Filamentous phage is a spiral lattice
, Isometric phage, and can be further explained by an icosahedral lattice. Of each major coat protein
Each monomer exists on a lattice point and has a certain interaction with its neighbor. Everything
But not in the grid by making contact with some normal grids.
The protein that causes the
By leaving a gap in the offspring so that the nucleic acid is not protected,
May destabilize the child. Therefore, in bacteriophage,
Unlike in fungi and spores, a coat that interacts with other proteins in viral particles
It is generally important to retain the protein residues in the antibody fusion protein. For example, M
When using the 13 cpVIII protein, in general, all mature proteins will have the N-terminus of cpVIII.
Antibody fusion that would be retained with the added antibody fragment, while antibody fusion
100 (or less) carboxy of M13cpIII coat protein in protein
It may be sufficient to retain only the Si-terminal residue.
Under suitable induction, such as when using lambda phage, the antibody library
It can be expressed and assembled in the bacterial cytoplasm. How much of a phage particle
Replication, some phage structural protein synthesis, and some phage particles
The induction of the protein may be delayed until the assembly of Then, the assembled protein chains
, Interacts with phage particles by binding anchor proteins on the outer surface of phage particles
I do. The cells are lysed and the receptor protein encoded by the library
Corresponding to the specific library sequence contained in the DNA of
The charge is released and isolated from the bacterial residue.
Far containing cloned library sequences encoding the desired protein
To enrich and isolate the di and thus to ultimately isolate the nucleic acid sequence itself.
First, the phage harvested from the bacterial residue is affinity purified. As below
, If an antibody that specifically binds to a particular antigen or antigenic determinant is desired, the antigen or
Is
Determinants can be used to recover phage displaying the desired antibody
You. Then, infecting the host cells with the phage thus obtained
It may be further amplified. A further number of times is required until the desired level of enrichment is obtained.
Inner enrichment followed by amplification.
Expression plaque (or colony) lift using labeled antigen as probe (eg
For example, Young, Davis, Science (1
983) 222: 778-782).
Can be used to screen for enriched antibody-phage. That
Infect cells with phages from the screening protocol and propagate
The phage DNA is then isolated, sequenced, and / or prokaryotic.
Alternatively, gene expression in eukaryotes can be largely recloned into the intended vector.
Select quantity of specific antibody is obtained.
In yet another embodiment, an extracytoplasmic companion such as a bacterial periplasm.
Transports the antibody to the library, but as a fusion protein with the viral coat protein.
transport. In this embodiment, the desired protein (or it is a multi-chain antibody
One of the polypeptide chains), it is fused with the viral coat protein and expressed.
As will be revealed, the desired protein is processed and transported to the intracellular membrane. If exist
If present, express the other chain with a secretory leader, thus periplasmic
Or intracellularly by positioning it outside the cytoplasm. Then
, Chains residing outside the cytoplasm (eg, heavy and light chains) are assembled into whole antibodies (or
Or its binding fragment). The phage are pushed through the host membrane,
As the coat proteins assemble around the phage DNA, the assembled molecules are phage
It becomes incorporated into the phage by its attachment to the coat protein. Then the antibody
The phage with the complex were screened by the following affinity enrichment.
May be.
a) Filamentous phage
Includes M13, fl, fd, Ifl, Ike, Xf, Pfl, and Pf13
Filamentous phages are a group of related viruses that infect bacteria. They are
, An extension encapsulating deoxyribonucleic acid (DNA) forming the bacteriophage genome
It is called filament because it is a long and thin particle consisting of capsules. F Ciliary thread
Cteriophage (Ff phage) is specifically adsorbed on the tip of F cilia.
Only more Gram-positive bacteria are infected, including fd, fl and M13.
Filamentous phages are generally attractive compared to other bacteriophages.
In particular, M13 is attractive. Because (i) the three-dimensional structure of the virus particle
Known; (ii) well understood processing of coat proteins; (ii)
i) the genome is extendable; (iv) the genome is small; (v) the genome sequence is known
(Vi) Virus particles are sheared, heat, low temperature, urea, guanidinium chloride, low p
Physically resistant to H and high salt; (vii) phage sequenced
It is a routine vector and is particularly easy to sequence; (viii) an antibiotic resistance gene
It has been cloned into the genome and results can be predicted (Hines et al.,
(1980) Gene 11: 207-218); (ix) Culture and
And easy to store, infected cells require unusual or expensive media.
No; (x) Large burst size, 100-100 infected cells after infection
Yields 00 M13 progeny; and (xi) easy to harvest and concentrate (Saliver (
Salivar) et al. (1964) Virology, Vol. 24: 359-3.
(P. 71). Threads that are conventional cloning and sequencing vectors
The entire life cycle of filamentous phage M13 is well understood. M13, including complete sequence
The gene structure of Escherichia coli is well known (Schaller et al., The Singles
Denha, The Single-Stranded DNA Phages
Denhardt et al. (NY: CSHL Press, 1978), 10 genes
Offspring identity and function, and transcriptional order and promoter position and virus
The physical structure of spurs is also well known (Smith et al., (1985))
Science 228: 1315-1317; Raschad et al. (19
1986) Microbiol Dev Volume 50: 401-42
7; Kuhn et al. (1987) Science 238: 1413-1.
415 p .; Zimmerman et al., (1982) Journal of.
Biological Chemistry (J Biol Chem) Vol. 257: 6529-653.
6; and Banner et al. (1981) Nature 289: 81.
Pp. 4-816). Since the genome is small (6423bp), it is a single-stranded oligo
Mutations directed to leotide (Fritz et al., DNA cloning (
DNA Cloning (edited by Glover, IRC Press, Oxford, UK)
, 1985)) and cassette mutations have been used for RF M13.
Ru (Ausbel et al., Current Protocols in Molecular)
ー Biology (Current Protocoles in Molecular Biology) (New York
John Wiley & Sons, 1991
. M13 is a plasmid, a transformation system itself, ideal for sequencing
Vector. Propagation of M13 in a recombinant strain of E. coli
Can be. The M13 genome is extendable (Messing et al., The.
The Single-Stranded DNA Phags
es), edited by Denhardt et al. (NY: CSHL Press, 1978),
449-453; and Fritz et al., Supra), M13 does not lyse cells. Add
Additional genes can be inserted into M13, which are in a stable fashion.
Will be maintained throughout the nom.
The mature capsule of Ff phage is a gene product encoded by 5 types of phages.
It consists of a coat. That is, the major coat protein product of gene VIII, cpIII
(Forms the bulk of the capsule); and four minor coat proteins (capse
CpIII and cpIV at one end of the capsule and cpV at the other end of the capsule
II and cpIX). Capsule length is ordered to form a characteristic thread-like structure
Formed by 2500 to 3000 copies of cpVIII in a spiral configuration
It is. The protein encoded by gene III (cpIII) is typically one protein.
There are 4 to 6 copies at the ends of the cells, and
Serves as a receptor for binding to the bacterial host. Detailed Levi of Ff phage structure
For a review, Rasched et al., Microbiolo Levi
(Microbiol. Rev.) 50: 401-427 (1986); and Karen.
Edited by Calendar et al., Plenum Press, “The Bacterio
Phage (The Bacteriophge) "Volume 2 (1988), Model et al.
, Pages 375-456.
The assembly of phage particles results in the extrusion of the viral genome across the host cell membrane.
is necessary. Prior to extrusion, major coat protein cpVIII and minor coat
The protein cpIII is synthesized and transported to the host cell membrane. cpVIII and cpIII
Are fixed to the host cell membrane before they are incorporated into the mature particle. further,
The viral genome is produced and coated with the cpV protein. C during extrusion process
cpV was stripped from the genomic DNA coated with pV, and at the same time matured
Recoated with protein.
The cpIII and cpVIII proteins provide signals for assembly of mature phage particles.
Contains two domains provided. The first domain hosts the newly synthesized protein.
It is a secretory signal directed to the main cell membrane. The secretion signal is the amino acid of the polypeptide
Located at the end, it directs the polypeptide at least to the cell membrane. The second domain is
Signals for host cell membrane binding and phage particle binding during assembly
provide. This second signal for both cpVIII and cpIII is less
Both consist of hydrophobic regions to reach the membrane.
The 50 amino acid mature gene VIII coat protein (cpVIII) contains 73
Synthesized as an amino acid precoat (Ito et al. (1979) PN
AS 76: 1199-1203). cpVIII has been widely studied as a model membrane protein.
Has been pursued. Because the acidic amino terminus goes to the outside of the membrane and the basic
Make sure the carboxy terminus faces the inside of the membrane so that the asymmetric orientation
It can be incorporated into the quality barrier. The first 23 amino acids are the initial po
It constitutes a typical signal sequence that allows the polypeptide to be inserted into the intracellular membrane.
ing. E. coli signal peptidase (SP-1) has amino acids 18, 2
1 and 23, and weaker recognition of residue 22, pre-coated residues
Cutting between 23 and 24 (Kuhn et al. (1985) Journal
Of Biological Chemistry (J. Biol. Chem.) Volume 260: 15914
~ 15918; and Kuhn et al. (1985) Journal of Biology.
Cal Chemistry 260: 15907-15913). Signal sequence
After removal, the amino terminus of the mature coat is located on the periplasmic side of the inner membrane and its
The xy terminus is located on the cytoplasmic side. About 3000 copies of mature coat protein in the inner membrane
Join side by side.
The sequence of gene VIII is known and encodes the amino acid sequence on the synthetic gene
be able to. Maturation gene VIII protein forms a sheath around circular single-stranded DNA
. The protein of gene VIII may be suitable as an anchor protein. Because the virus
Because its position and orientation in the particle is known (Banner)
Et al. (1981) Nature 289). Preferably, the antibody is the mature M13 coat.
A phage display library is obtained by attaching it to the amino terminus of the protein. Up
As noted, both wild type cpVIII and Ab / cpVIII fusions in infected cells.
Can be used to reduce the binding activity of the display, which
Facilitates detection of high affinity antibodies directed against the target epitope
be able to.
Another means for displaying antibodies is to make it part of gene III.
Or it is expressed as a domain of a chimeric gene containing all of them. One-value de
If the display is required, the chimeric gpIII is formed during phage particle formation.
It was possible to easily control the change in the ratio of wild type gpIII to
Therefore, it is preferable to express the V-gene as a fusion protein with gpIII.
It can be an example. This gene encodes one of the minor coat proteins of M13
ing. Genes VI, VII and IX also encode minor coat proteins. This
Each of these minor coat proteins is approximately 5 copies per virus particle.
Present and associated with morphogenesis or infection. In contrast, the major coat protein is wi
It is present at 2500 copies or more per loose particle. Genes VI, VII, and IX
The protein is located at the end of the viral particle. These three proteins are processed before translation.
Not Thing (Rashed et al. (1986) Annual Review of My
Black
Biology (Ann. Rev. Microbiol.) Vol. 41: 507-541). For details
The single-stranded circular phage DNA binds to about 5 copies of the gene III protein, then
Patches of membrane-bound coat protein in such a way that the DNA is wrapped in a helical sheath of protein.
Extruded through (Webster et al., “The Single Strand
Dead DNA Phages (The Single-Stranded DNA Pharges) Dresdner
(Dressner) et al. (NY: CSHL Press, 1978)).
Manipulation of the cpIII sequence normally involves hydrophobic amino acids that are involved in membrane anchoring function.
The extension of the 23 amino acids at the C-terminus of the no acid can be modified in various ways
It was shown that the binding ability can be retained. Expression vector based on Ff phage
Is first described, in which the cpIII amino acid residue sequence is
Pitope "(Parmely et al., Gene (1988) Vol. 73)
: 305-318; and Cwirla et al. PNAS (1990).
87: 6378-6382) or amino acids that determine the single chain antibody domain.
Residue sequence (McCafferty et al., Science (1990)
(Year) 348: 552-554). Gene III
Insertion into the virus particle has been shown to cause the production of new proteins on the outer surface
(Smith (1985) Science Vol. 228: 1315
~ 1317; and de la Cruz et al. (1988) Journal
Le of Biological Chemistry, Vol. 263: 4318-4322).
. The site used by Smith and De La Cruz, the other
The codon corresponding to the main boundary or the surface loop of the protein or the amino terminus of the mature protein.
The antibody gene may be fused to gene III at Don.
Generally, a phage coat protein such as cpIII of filamentous phage fd is used.
The good cloning method is (1) fusion to the N-terminus of coat protein (eg cpIII).
Expression of the combined antibody chain and transport to the inner membrane of the host (where the C-terminal region of the coat protein is
The hydrophobic domain in the protein anchors the fusion protein in the membrane and projects it into the periplasmic space.
A second or subsequent chain (eg, FvOr Fab
V forming a lagmentL) With an N-terminus available for interaction with
The second or subsequent chain is attached to the coat protein); and (2) if
The second or subsequent chain, if present (eg VL) Sufficient expression and
It will provide transport of this chain to the soluble compartment of the lipasm.
Similar constructs could be made with other filamentous phage. Pf3 is
, Pseudomonas carrying the IncP-I plasmid
aerugenosa) is a well-known filamentous phage. Entire genome is a sequence
It has been decided (Luiten et al. (1985) Journal of We
Rology (J. Virol. 56: 268-276), involved in replication and assembly
Genetic signals are known (Ruiten et al. (1987) DNA Vol. 6 129-
137). The major coat protein of PF3 is a signal peptide that directs its secretion.
It is unusual in not having. The sequence contains charged residues ASP-7, ARG-3.
7, LYS-40 and PHE44, which have an exposed amino terminus.
It is consistent with that. Therefore, in order to allow the antibody to appear on the surface of Pf3, the three segments
A gene can be constructed that induces secretion in P. aergenosa.
Signal sequence known to occur (the signal sequence encodes an antibody sequence
Fused in frame to the gene fragment carrying the
fused to the DNA encoding the f3 coat protein in frame)
. If desired, a flexible linker consisting of 1 to 10 amino acids can be coded for.
Insertion DNA between the antibody gene fragment and the Pf3 coat protein gene
I do. This three segment gene was introduced into Pf3, which
Do not interfere with expression. When the signal sequence is cleaved, the antibody is periplasmic.
The mature coat protein acts as an anchor and a phage assembly signal.
I do.
b) Bacteriophage φX174
The bacteriophage φX174 was completed by genetics, biochemistry and electron microscopy.
It is a very small icosahedral virus that has been fully studied (The Singlest
The Single-Stranded DNA Phages, Denha
Edited by Denhardt et al. (NY: CSHL Press, 1978). φX 174
The three gene products of are located outside the mature virus particle. They are F (Capsi
D), G (large spike protein, 60 copies per virus particle), and H (
It is a minor spike protein, 12 copies per virus particle). G protein
Consists of 175 amino acids, while H consists of 328 amino acids. F protein
It interacts with the single-stranded DNA of the virus. Proteins F, G and H are virally infected
Translated from a single mRNA in the cell. Some of the viral genes overlap
Since the virus is very tightly bound, only very small amounts of added DNA
Due to the fact that it does not accept, φX174 is typically a cloning vector.
Not used. However, a plasmid expressed in the same host cell
The viral G gene (G protein is encoded by
Can be rescued (Chambers et al. (1982)
Nuc Acid Res, Vol. 10: 6465
6473). In one embodiment, one or more stop codons are G
When introduced into a gene, G protein is not produced from the viral genome. Then
A heterogeneous antibody gene library can be fused to the nucleic acid sequence of the H gene
. A fixed amount of the viral G gene of the same size as the antibody gene fragment
Remove from φX174 genome so that the size of the genome does not change
. Thus, the host cell is further transformed with the second plasmid expressing the wild-type G protein.
Production of virions from a mutated virus by conversion with an exogenous G protein source
To rescue. Only one antibody is displayed per φX174 particle
If desired, the second plasmid further comprises one or more of the wild type H protein genes.
More than one copy, which results in uptake into phage particles.
This would predominate the mixture of H and Ab / H proteins.
c) Large DNA phage
Phages such as λ or T4 are much larger than M13 or φX174
3D capsid structure that has a genome and is more complex than M13 or φPX174
Structure and have more selected proteins. The antibody library is
Bacillus in the cytoplasm of the host cell
In an embodiment of the invention which binds to phage particles, bacteriophage λ and
The derivative is an example of a suitable vector. Intracellular morphogenesis of phages is
The protein domain that normally contains disulfide bonds is hidden from proper folding.
Prevent locally. However, functions involving both the heavy and light chain variable regions
A heterogeneous library expressing a population of specific antibodies was generated in lambda phage.
Hase et al. (1989) Science Volume 246: 1275-1
281; Mullinax et al. (1990) PNAS Vol. 87:80.
95-8099; and Peason et al. (1991) PNAS 88.
Volume: 2432-2436). Such a method allows for the rapid construction and presence of lambda phage.
Utilizes effective transformation ability.
VH, VL, FV(Variable region fragment) or the expression of an antibody sequence such as Fab.
For current use, insert library DNA easily into lambda vector
be able to. For example, both the heavy and light chain variable regions have been cloned
Is inserted into the multiple cloning site of the ZAPII vector (Hughes et al., Supra).
ΛZAPII (Short et al. (1988) Nuclei characterized by
C. Acids Research 16: 7583).
Ibrary was built. To explain, digest a pair of lambda vectors and
And a restriction site flanking the expressed sequence can be asymmetric. This
The asymmetry of allows for efficient recombination of libraries encoding separate chains of active protein.
Noh. Therefore, the variable region of the antibody light chain (VL) Expressing the library
Heavy chain variable region (VH) Is expressed together with a library expressing
Combined antibody or Fab expression libraries can be constructed. For example, la
In the initial steps of the library construction, the λ vector was cloned into the antibody light chain sequence.
Designed to serve as a training vector and another lambda vector
Designed to serve as a cloning vector for chain sequences. combination
The library was cloned from two lambda libraries at appropriate restriction sites.
La
Construct by crossing. DNA was first purified from each library,
The right and left arms of each lambda vector are cleaved to leave the antibody chain sequence intact.
The DNAs are then mixed and ligated, resulting in the correct assembly of the vectors with each other.
Only the loan reconstitutes as a live phage (Hughes et al., Supra).
ii) Bacterial cells as a display package
Recombinant antibody is a bacterial antibody after addition of a bacterial leader sequence to the N-terminus of the protein.
Can cross membranes (Better et al. (1988) Science No. 2
40; 1041-1043; and Skerra et al. (1988) Sai.
Ens 240, 1038-1041). Furthermore, in order to express it on the surface
, A recombinant antibody was fused to the outer membrane protein. For example, antibodies can be placed on the surface of bacteria
One method for playing is to place the antibody in the exposed cell surface of the intact outer membrane protein.
Consists of obtaining the fusion protein by insertion (Fuchs et al. (19
1991) Bio / Technology Volume 9: 1370-1372
page). In selecting the bacterial cells to serve as a display package,
Typically, any well-characterized bacterial strain is suitable,
, Bacteria will grow in culture and display an antibody library on their surface
The special affinity that can be processed in
-It must be compatible with the selection process. Preferred among bacterial cells
The display system is Salmonella typhimurium,
Bacillus subtilis, Pseudomonas aeruginosa
(Pseudomonas aeruginosa), Vibrio cholerae, Cle
Klebsiella pneumonia, Neisseria gonorrhoeae
(Neisseria gonorrhoeae), Neisseria meningi
tidis), Bacteroides nodosus, Moraxella bo
Bis (Moraxella bovis), and especially Escherichia coli
). Many bacterial cell surface proteins useful in the present invention have been characterized
And the localization of these proteins and the determination of their structure
Research on methods is described by Benz et al. (1988) Anu Levi Mike
Loviolo (Ann Rev Microbiol) 42: 359-393; Balduit
Balduyck et al. (1985) Biol Chemi Hoppe Sailer
m Hoppe-Seyler) 366: 9-14; Ehrmann et al. (199).
0 years) PNAS Vol. 87: 7574-7578; Heijne et al. (19
90 years) Protein Engineering Vol. 4, 109
~ 112; Ladner et al., U.S. Pat. No. 5,223,409; Ladner.
WO 88/06630; Fuchs et al. (1991) Bio / Tech.
Noology 9: 1370-1372; and Goward et al. (199
2 years) TIBS 18: 136-140.
To further explain, the E. coli LamB protein is a heterogeneous protein on the surface of bacterial cells.
A well-understood surface protein that can be used to generate antibody libraries.
(Eg, Ronco et al. (1990) Biochemie No. 72).
Volume: 183-189; van der Weit et al. (1990)
Year) Vaccine Volume 8: 269-277; Charabit
(1988) Gene 70: 181-189; and Landner.
(See US Pat. No. 5,222,409 to Landner)). Lamb of E. coli
Is a porin for maltose and maltodextrin transport,
Serves as a receptor for adsorption of lyophage λ and K10. Functional N end
In the presence of the edge signal sequence, LamB is transported to the outer membrane (Benson (Bens
on) et al. (1984) PNAS Vol. 81: 3830-3834). Other cell surface
Like surface proteins, LamB has a typical signal sequence that is later removed.
Are synthesized. Therefore, a miscellaneous antibody gene library was cloned into the LamB gene.
Upon loaning, the resulting library of fusion proteins will be loaded with antibody fragments from the membrane.
Consists of a LamB portion sufficient to orient the protein outside the cell and fix the protein in the cell membrane
. Include a LamB signal sequence or other suitable signal sequence as the N-terminus of the protein.
By doing so, the extracellular portion of the fusion protein can be easily secreted.
E. coli's LambB, S. typhimurium (Harkki et al. (1
986) Microb Pathol Volume 1: 283-288.
), And Kay Newmonia (Wehmeier et al. (1989)
(Mol Gen Genet 215: 529-536)
Are expressed in a functional form from E. coli to produce a population of all antibodies of these species.
-It could be displayed as a fusion with LamB of Kori. Besides,
Kay New Monoae expresses a usable LamB-like maltoporin
You. Using the D1 protein (a homologue of LamB) in P. aeruginosa
Can (Trias et al. (1988) Biochem BiophysiA
Kuta (Biochem Biophys Acta) 938: 493-496). Similarly, PAL
, OmPA, OmPC, OmPF, PhoE, pilin, BtuB, FepA, F
Other bacterial surface proteins such as huA, lutA, FecA and FhuE are
It may be used instead of LamB as part of the display means in cells.
iii) Bacterial spores as a display package
Bacterial spores are also desirable features as display package candidates in the method of the invention.
Have sex. For example, chemical and physical rather than vegetative bacterial cells or phage
Much more resistant to biological factors, and therefore a very different affinity
Selection conditions can be used. In addition, Bacillus spores carry proteins on their surface.
It has no metabolic activity and does not alter them. However,
The molecular mechanism that initiates sporulation is the formation of M13 or the outer membrane of E. coli.
It has the disadvantage that it does not work better than the protein transport of
It does not prevent their use in the invention.
Bacillus bacteria are damaged by heat, radiation, drying, and toxic chemicals
Forms an extremely resistant endospore (endospore)
osick) et al. (1986) Volume 20 of Ann Rev Genet
: 625-669). This phenomenon is a coat
This is due to the extreme intermolecular cross-linking of proteins. A relatively rough affi
In certain embodiments of the subject invention, such as a method that includes a unity separation step,
Spores may be the preferred display package. Bacillus-derived ene
Dospores are, for example, more exotic than those derived from Streptomyces.
It is stable. Moreover, Bacillus subtilis sporulates in 4 to 6 hours.
But Streptomyces species may require days or weeks for sporulation
. In addition, genetic knowledge and manipulation is more important for Bee Bacillus than other sporulating bacteria.
Is much better developed.
Even if one of the four coat proteins is lost, it is only slightly different from the wild type.
Different live spores are formed in B. subtilis (Donovan
) Et al. (1987) Journal of Molecular Biology (J Mol Bi
ol) 196: 1-10). Moreover, usually the plasmid DNA is in spores
, A protein encoded by the plasmid, is observed on the surface of Bacillus spores.
(Debro et al. (1986) Journal of Bacteria
J. Bacteriol, 165: 258-268). Therefore, sporulation
Antigen of a miscellaneous gene library during sporulation without substantial interruption
It is possible to express a gene encoding a chimeric coat protein consisting of the body
.
To explain, some polypeptide components of the spore coat of B. subtilis (
Donovan et al. (1987) Journal of Molecular Biology 1st
96: 1-10) have been characterized. 2 complete coat proteins and 2 others
The amino terminal fragment of the species was sequenced. Antibody sequence cotC or c
Fusion to the otD fragment may generate antibodies on the spore surface.
Neither cotC nor cotD is post-translationally modified, so these spore coat proteins
Each white gene is preferred (Lader et al., US Pat. No.
5,223,409).
IV.Selection of antibody targeting antigen
After expression, miscellaneous antibody display is subjected to affinity enrichment for preselection
Antibodies that bind to the selected antigen are selected. The terms "affinity separation" or "a
"Finity enrichment" refers to (1) affinity chromatography using immobilized antigen.
Raffy, (2) Immunoprecipitation with soluble antigen, (3) Fluorescence activated cell sorty
Including (4) aggregation, and (5) plaque lift,
, But not limited to them. In each of the embodiments, finally, the antigen of interest
Of the display package based on the ability of the bound antibody to bind to the above epitope
The library is separated. For example, US Pat.
223,409; International Patent Application Publication WO 92/18619 by Kang et al.
International patent application publication WO 91/17271 by Dower et al .; Winter (W
international patent application publication WO 92/20791; Markland
) Et al., International Patent Application Publication WO 92/15679; Breitling.
International Patent Application Publication No. WO 93/01288; McCafferty et al.
International Patent Application Publication No. WO92 / 10147; International Patent by Garrard et al.
Published application WO92 / 09690; and international patent issued by Landner et al.
See the application publication WO90 / 02809. In the most preferred embodiment, first the display
Ray library with background epitome like toleragen
The antibody that binds to the background epitope by contacting the source of the loop
By displaying live antibodies specific to rare epitopes
The rally will be enriched in advance. Then use the display package as the target antigen
Contact is made and the display antibody capable of specifically binding to the antigen is isolated.
For affinity chromatography, from column chromatography
Includes additional ELISA and biopanning methods leading to batch elution
It will be appreciated by those skilled in the art that numerous chromatographic methods can be applied to the present invention.
Generally understood. Typically, Sepharose or polyacrylamide gel
Labeled beads or insoluble carriers such as wells in microtiter plates.
Immobilize the target antigen. As with many cell-specific markers, as described below.
As such, if the source of the purified target antigen is not readily available, the antigen
The cells being displayed serve as the insoluble matrix carrier.
Population of display packages under conditions compatible with antibody binding to the target antigen
To the affinity matrix. Then the specificity of the antibody for the target antigen
Does not significantly affect binding, but does not affect display packaging to antigen or matrix
By washing with a solute that substantially blocks any non-specific binding of the
Fractionate. The binding, incubation and subsequent washing conditions can be adjusted.
Shows the binding characteristics of the antibody recovered from the display library.
Can be controlled to a certain degree. Affinity and specificity identification
Within the range of temperature, pH, ionic strength, divalent cation concentration, and wash volume.
The time and time can be chosen for the antibody. Usually expects high affinity
Selection based on the possible slow dissociation rate is a very practical method. Saturated amount of free
Continued incubation in the presence of puten (when available)
Or increase the volume, number and length of washes.
You may. Reassociation of dissociated antibody-display package in each case
Antibodies with high affinity over time-display
The package is collected. In addition, further changes in binding and cleaning methods
One may go to find antibodies with particular properties. Some antibody afini
The tee depends on ionic strength or cation concentration. Removal of protein from antibody
This is useful for affinity purification of various proteins when mild conditions are required for
It is a useful property of the antibody used. A special example is that the binding activity is Ca++Depends on
Exist and release their haptens in the presence of EGTA (Hopp (Hopp
) Et al. (1988) Biotechnology Volume 6: 1204-
1210). First Ca++Isolate the antibody that binds to the hapten in the presence, and then
, A double screenin identifying antibodies that do not bind in the presence of EGTA in this group
Enables such antibodies to be identified in recombinant antibody libraries by
You.
To remove non-specifically bound display package, if desired
After "washing" with specific elimination (with excess antigen) or non-specific elimination (p
H, using agents that reduce polarity or chaotropic agents
Specifically) to elute the specifically bound display package.
Can be. In the preferred embodiment, the elution protocol is a display package.
It does not kill the organisms used as a display, and as a result, the display package
The enriched population of cages can be further amplified by growth. Of possible eluents
The list is salt (one of the counter ions is Na+, NHFour +, Rb+, SOFour 2-, H2
POFour -, Citrate, K+, Li+, Cs+, HSOFour -, COThree 2-, Ca2+, Sr2+
, Cl-, POFour 2-, HCOThree -, Mg2+, Ba2+, Br-, HPOFour 2-, Or asse
Target such as salt), acid, heat, and soluble form, if available
It includes an antigen (or an analog thereof). During the affinity separation process, the bacteria
Continues metabolism and, in general, is more susceptible to damage due to rough conditions,
Buffer when display package is more bacteria than phage or spores
The components (especially the eluent) can be more limited. Ethanol, acetone
Neutral solutes, such as ether or urea, can be combined with the display package.
Examples of other agents useful for eluting.
In a preferred embodiment, an affinity-enhanced display package.
The amplified DNA was repeatedly amplified and affinity was increased until the desired enrichment of binding activity was detected.
Subject to further rounds of separation. In certain embodiments, specifically bound data
Display packages, especially bacterial cells, do not need to be eluted by themselves,
, The matrix-bound dice to inoculate the appropriate growth medium for growth.
The spray package can be used directly.
Especially when the display package is phage particles, the cpIII protein is
When used as a display anchor, the fusion produced with the coat protein
Combined protein may substantially interfere with subsequent amplification of eluted phage particles
There is. Some antibody constructs were present in only one of the 5-6 tail fibers
Even because of their size and / or sequence
May cause serious defects in infectivity. This means that after each sorting cycle
Cause re-infection and loss of phage from the population during amplification. Specific example of 1
Antibody is directed onto the surface of the display package and displayed.
Re
Antibodies that cleave at least the antigen-binding site of the antibody from the rest of the package.
Be sensitive to white cleavage. For example, M13 cpIII coat protein
If such a method is used, a part of the antibody and the coIII part of the tail fiber fusion protein are
Infectious phage can be obtained by treatment with an enzyme that cleaves between
For example, using the enterokinase cleavage recognition sequence).
To further minimize the problems associated with incomplete infectivity, the eluted fa
DNA prepared from DNA is electroporated or well-known chemistry
Can be transformed into a host cell by a suitable means. Enough for marker expression
Cells are cultured for hours and selection is applied as is typical for DNA transformation. Coro
The knee is amplified and the phage harvested during subsequent rounds of selection.
The data encoding the antibody with the desired binding specificity for the immunorecessive epitope.
After isolating the spray package, each of the refined display package
A suitable eukaryotic or prokaryotic expression vector for the nucleic acid encoding the V-gene
And cloned into a host suitable for large-scale protein production.
Can be operated. For example, the isolated V-gene lacks part of the constant region.
, If it is desired that the missing parts be provided, then a simple molecular cloning method should be used.
You can use it to add the lost parts back. Use target epitope
Confirming antibody binding affinity by well-known immunoassays
Yes (eg Harlow and Lane, Antibodies
: A Laboratory Manual (Antibodies: A Laboratory Manual), Cole
Cold Spring Harbor Laboratories Press
atory Press), Cold Spring Harbor, NY (Cold Spring Harbor, N
Y) (1988)).
V.Additional antibody handling, antibody compositions, and immunoassay kits
Another aspect of the invention is a chimeric antibody, eg, isolated by the method described above.
At least the antigen-binding portion of immunoglobulin is contained in another protein, preferably in another protein.
Antibody that has been cloned into the antibody of. Contemplated by the present invention
In an embodiment of a chimeric antibody that is
-Completing part of the constant region isolated from the gene library, and
Invariant regions that differ from all or part of the constant region of the antibody isolated from the offspring library
Region, eg, from different IgG such as IgG1, IgG2 or IgG3
In the constant region or from one of IgE, IgA, IgD or IgM
It is possible to easily perform "class switching" for replacing with the invariant region of. As well
Cloned single-chain antibodies and other recombinant fragments in
Can be generated from a gene.
When therapeutically using an antibody produced in a non-human subject in humans, various
To the extent that it is recognized as foreign and an immune response may occur in the patient.
Absent. Therefore, a non-human V-gene library as described in the Examples below.
Antibody is derived from recombinant antibody using recombinant engineering to the isolated antibody gene.
Can be converted into The term "humanized antibody" refers to an immunoglob derived from a non-human species.
It has an antigen-binding site derived from phosphorus, which renders the molecule substantially immunogenic in human subjects.
The remaining immunoglobulin-derived portion of the molecule is
-Used to refer to molecules that are derived from immunoglobulins. In humanized antibodies
, The antigen-binding site is, for example, a complete variable domain fused to an invariant domain,
Is only CDRs connected to appropriate framework regions in human variable domains
Includes. Such an antibody is the equivalent of the above recombinant antibody, but is therefore
May be more tolerant if injected into.
In an illustrative embodiment, H3-3, FB3-2 or
Prepared any of the F4-7 antibodies to produce each of these mouse-derived genes.
The human constant regions for the heavy and light chains of can be included. For example,
Part of the antibody gene that encodes the invariant region encodes the human invariant region
Can be replaced with a gene (Robinson et al. International patent application PCT /
US86 / 02269; European patent application No. 184,187 to Akira et al.
European Patent Application No. 171,496 of Taniguchi, M .; Morrison;
European Patent Application No. 173,494 to Morrison et al .; Neuberger
PCT Application Publication WO 86/01533; US Patent to Cabilly et al.
No. 4,816,567: European Patent Application No. 125,023 to Kabile et al .: Better
(Better) et al. (1988) Science 240: 1041-1.
043; Liu et al. (1987) PNAS 84: 3439-344.
Page 3; Liu et al. (1987) Journal of Immunology (J.Immnol.)
Volume 139: 3521-3526; Sun et al. (1987) PNAS No.
84: 214-218; Nishimura et al. (1987) Cancer
-Research (Canc. Res.) Volume 47: 999-1005; Wood et al.
(1985) Nature 314: 446-449;
(Shaw) et al. (1988) Journal of National Cancer Inn
Situation (J. Natl. Cancer Inst.) Volume 80: 1553-1559.
See).
Replace part of the variable region that is not involved in antigen binding with an equivalent part of human variable region
The subject clear antibody can also be "humanized" by. "Humanized" chimeric antibody
A general review of Morrison, S.L. (1985)
Science 229: 1202-1207; and Oi et al. (1986).
Year) BioTechnologies Volume 4: Provided by page 214
Is done. Those methods include immunoglobulin derived from at least one heavy or light chain.
Nucleic acid sequence encoding all or part of a variable region
Including that. Sources of such nucleic acids are well known to those of skill in the art. Then texture
CDNA encoding the antibody or fragment thereof in an appropriate expression vector
Can be cloned. Alternatively, replace the appropriate "humanized" antibody with the CDRs.
Can be manufactured by (US Patent No. 5 to Winter)
, 225, 539; Jones et al. (1986) Nature 321
: 552-525; Verhoeyan et al. (1988) Sayen
Su 239: 1534; and Beidler et al. (1988) J.
Journal of Immunology (J.Immnol.) Vol. 141; 4053-406
(See page 0).
The DNA sequence encoding the chimeric variable region was synthesized by oligonucleotide synthesis.
You may prepare it. This includes at least the framework regions of the first antibody and
At least the CDRs sequences of the subject antibodies are known or can be readily determined.
It is necessary. Determination of these sequences, DNA synthesis from oligonucleotides
And preparation of suitable vectors are well known to those of skill in the art with reference to the teachings herein.
It includes the use of known methods that are more easily performed.
Alternatively, the DNA sequence encoding the altered variable domain can be used as a primer.
It can be prepared by directed site-directed mutagenesis. Essentially this
The method includes mutating an oligonucleotide that encodes the desired mutation.
Hybridizing with single-stranded DNA, the single-stranded DNA
And obtaining a chain containing the mutation as a template for extension. Zoller
) Et al. (1982) Nuc Acids Res Res
Volume 10: 6487-6500; Norriset et al. (1983) Nu
Craic Acids Research Vol. 11: 5103-5112; Solar et al.
1984) DNA 3: 479-488; and Kramer et al.
1982) Nucleic Acids Research Volume 10: 6475-6485
The page describes this method in various forms. For most reasons,
The pure form of the method does not always produce a high frequency of mutations. However
, For the introduction of both single and multiple mutations into M13-based vectors.
Ryoho is Carter et al. (1985) Nucleic Acids Reser
Chi 13: 4431-4443. Long oligonucleo
With Tide, many changes can be introduced simultaneously (eg Carter et al., Supra).
It is possible that each code a CDR.
Humanized three CDRs derived from the subject antibody using a single oligonucleotide
It can be introduced into the framework region of an antibody (US Pat. No. 5,345,8).
See also No. 47). This method uses whole V for insertion into the expression plasmid.HDomei
This method is more laborious than whole gene synthesis because it can be easier than cutting
Not only does it require power, but also variable domains with the required specificity.
It represents a particularly convenient way of expression.
Oligonucleotides used for site-directed mutagenesis
Of the subject antibody by the use of suitable restriction enzymes.
It may be prepared by isolation from DNA encoding the variable domain. General
Typically, such long oligonucleotides are at least 30 residues in length and
It may be up to 80 residues or more.
In yet another embodiment, PCR is used to obtain the fusion protein.
Mela antibody can be obtained. Further annealed to form a chimeric V-gene array
Complementary over between two consecutive CDR and FR fragments that give rise to a row
Using the anchor primer from which the hang is generated, both CDR and FR are
PCR amplification of the gene fragment can be performed (eg Ausubel (Au
sbel) et al., Current Protocols in Molecular Biology (
Current Protocols in Molecular Biology), John Willie & Son
(John Wiley & Sons): 1992).
The antigen-binding site of the subject antibody is used to include a protein sequence derived from a non-immunoglobulin molecule.
A fusion protein can be obtained. For example, such a chimeric antibody is a Pseudomonas
Proteins, such as the addition of the exotoxin or diphtheria toxin domains of
Or a protein domain that renders it cytostatic (eg, Jung et al. (1994)
19) Proteins 19: 35-47; Seethara
m) et al. (1991) Journal of Biological Chemistry (J Bio
l Chem) 266: 17376-17381; and Nichola.
Et al. (1993) Volume 268, Journal of Biological Chemistry.
: 5302-5308); DNA binding to facilitate DNA transport.
Polypeptides (see, eg, US Pat. No. 5,166,320); phosphatases
Or a touch that provides immunoglobulin-related enzyme activity, such as peroxidase activity.
Antibody domain using matrix derived from glutathione
For production of glutathione-S-transferase polypeptides (eg,
Edited by Ausbel et al., Current Protocols in Molecular
J. Wu, Current Protocols in Molecular Biology
John Wiley & Sons: 1991) or Ni2 +
Poly (His) -by affinity chromatography using metal resin
Poly (His) / enterokinase cleavage site sequences that allow antibody purification (eg,
For example, Hochuli et al. (1987) Journal of Chromatograph.
F. (J. Chromatography) Volume 411: 177; and Junk Necht (Ja
nknecht) et al., PNAS Vol. 88: 8972).
It can include a purified polypeptide that oxidizes.
In addition, the present invention is directed to isolated cellular or otherwise other cellular and extracellular proteins.
, Especially antigenic proteins or other extracellular factors to which the antigen normally binds
To make available isolated forms of the subject antibodies. The term "other cellular
And substantially free of extracellular proteins (also referred to herein as "contaminating proteins") or
"Substantially pure or purified preparation" means less than 20% (by dry weight) of a mixture.
To include a preparation of the subject antibody containing an input protein, preferably less than 5% contaminating protein.
Defined. First, using the cloned gene described herein, the
The subject antibody can be prepared as a purified preparation. "Purified" means a peptide or
When referring to DNA or RNA sequences, the molecule is not a source of other sources such as proteins.
It means that it exists in the substantial absence of a physical polymer. This specification
The term "purified" preferably means at least 80% by weight, more preferably
Present in the range of 95-99% by weight, most preferably at least 99.8% by weight
Means biological macromolecules of the same type (but water, buffers, other small molecules,
In particular, molecules with a molecular weight of less than 5000 may be present). As used herein, the term “pure”
Preferably have the same numerical limitations as "purified" immediately above. "Isolated
The term "purified" and "purified" refers to natural substances or ingredients in their native state.
Separated (eg, on an acrylamide gel) but pure (eg, contaminating proteins,
Or modifiers or polymers such as acrylamide or agarose.
Natural (not containing chromatographic reagents) or not available as a solution
Does not include substances.
Yet another aspect of the invention relates to preparations of the subject antibodies, especially pharmaceutical preparations.
Conveniently, the antibody of the present invention or a pharmaceutically acceptable salt thereof is treated with water or a buffered saline.
, Polyols (eg glycerol, propylene glycol, liquid polyethylene)
Glycol, etc.) or suitable mixtures thereof.
It may be formulated for administration with the body. Optimum of active ingredient in selected medium
The concentration can be determined empirically according to methods familiar to medicinal chemists.
It will depend on factors such as the route of administration illustrated, the age of the patient as well as the body weight. This specification
The "biologically acceptable medium" used in is suitable for the desired route of administration of the pharmaceutical preparation.
Comprising, and including all solvents, dispersion media and the like. Pharmacologically active substance
The use of such media for media is known in the art. Any idiomatic
The active medium or agent is dependent on the activity of the antibody (eg its specificity and / or affinity).
The use in the pharmaceutical preparation of the present invention is not limited to
Is contemplated. Their formulations, including suitable carriers and other proteins, are described, for example, in remycin.
Remington's Pharmaceutic
al Sciences (Mac Publi, Easton, PA, USA)
In a book called Sack Company (Mack Publishing Company, 1985)
It is listed. These carriers are injectable "deposit formulas.
ons) ”. Based on the above, such pharmaceutical formulations may include one or more
When mixed with a pharmaceutically acceptable carrier or diluent, at a suitable pH and physiologically
Includes a solution or lyophilized powder of the antibody contained in a buffered medium that is isotonic with the liquid
Yes, but do not exclude anything else. For explanation purposes only, limited to the same item
But for the treatment of proliferative disorders using the anti-cancer cell antibodies of the invention.
A possible composition or formulation which can be prepared as a solution form in US Pat. No. 5,218,218,
No. 094. For freeze-dried preparations, mannitol or glycine
Support excipients such as (but not excluding others)
In addition, prepare an appropriate buffered solution of the desired volume and prepare a sufficient
You may get it. A similar composition was prepared for a pharmaceutical composition consisting of the antibody in the desired volume of isotonic solution.
A liquid may be used, and an isotonic pharmaceutical preparation always having a desired pH (eg, neutral pH)
Got
Buffered saline solution containing appropriate concentrations of phosphate or citrate for
Is included (not excluding others).
Yet another aspect of the invention is, for example, the detection of immunorecessive epitopes in a sample.
The present invention relates to an assay kit which can be used when it is used. Generally, the assay key
For example, spectroscopic methods (including FACS) or radiographic methods
To immunorecessive epitopes derivatized with a labeling group that can be finally detected by the method.
Antibodies are provided. For example, labels are used for many radioisotopes, fluorescent compounds.
, An enzyme, and an enzyme cofactor. Description
Then, the labeling groups are horseradish peroxidase and alkaline phosphatase.
, Β-galactosidase, luciferase, urease, fluorescein
And its analogs, rhodamine and its analogs, allophycocyanin, R-
Phycoerythrin, erythrosine, europium, luminol, luciferin,
Coumarin analog,125I,131I,ThreeH,35S,14C and32From the group consisting of P
It may be a functional group of choice.
The assay kit provided by the present invention comprises several different types of subject antibodies.
May also include a selection of Antibody in solution or in lyophilized form
It may be. In some embodiments, the antibody is pre-bound to the solid support.
May be present on the surface of the solid support when the kit is used.
May be applied. The labeling means may be pre-bound to the antibody, or used.
Prior to use, one or more components, such as buffers, antibody-enzyme conjugates, fermentations,
It may be one that requires a bond with an elementary substrate or the like. Many types of detectable labels
Are commercially available and may comprise one or more components of the kit. Various detection
Possible labels are known in the art and suitable labeling groups are not
It is generally recognized that it is a group that releases a group. Immunoassay performed
Various labeling groups can be used depending on the type of. Useful labels include fluorescent and
Some include radioactivity, phosphorescence, chemiluminescence, bioluminescence and free radicals. further
, Labeling groups include polypeptides (eg enzymes or proteins), polymers, polysaccharides, acceptors
Body, cofactor and enzyme inhibitors may be included. The kit of the present invention is further
reagent
May be included. Additional reagents reduce non-specific binding to solid surface
Blocking agents, detergents, enzyme substrates, etc. The solid surface is
Microtiter made of materials such as polyvinyl chloride and polystyrene suitable for immobilization
It may be in the form of a plate, a microsphere, or the like.
VI.The subject methods and typical applications of antibodies obtained by the subject methods
The subject method of the invention is used to produce antibodies useful in purification, diagnostic, and therapeutic applications.
Can be applied to advantage. Antibody display, which may be from an immunized animal
In contrast to library, antibody display obtainable by the subject method
B) a large population of high affinity antibodies to the immunorecessive epitope of interest
And a display package comprising antibodies specific for immunorecessive epitopes.
Establish an extensive pool of space. Regarding immunorecessive epitopes, the display of the present invention
Effective access to the antibody repertoire provided by the Ray Library is described in, for example:
Allows effective enrichment by affinity selection means to occur.
As described above, the immunorecessive epitope is used as a trelage that is used in the suppressive immunization process
Can be defined in terms of toleragens and immunogens, and therefore they
Is also a unique immunogen for toleragen. Thus, the desired antibody
When it is necessary to distinguish between various cells of common or similar origin or phenotype
, The relevant cells whose desired antibody is to be identified are used as the toleragen, but the antibody of the present invention
Cells that are more specifically bound by are used as immunogens. Table 1 shows the immunogen
Used in the subject method of isolating antibodies that specifically bind to an epitope that is
A representative system of possible immunogens / treragens is shown. Selection of toleragen and immunogen
For example against tumor cell markers, fetal cell markers, and stem cell markers.
To provide a specific antibody.
Similarly, the subject method can be used to identify a variant form of a protein or a particular protein in a protein family.
Immunogens consisting of variant proteins such as Soja and changes in wild-type or variant proteins
By using toleragen consisting of isolated isoforms, it is possible to
An antibody can be obtained which can be distinguished from the related forms of Variant protein and wild
Determinants between protein (or other isoforms) (ie immunorecessive epitopes)
) Differences typically consist of only minor differences in amino acid residues (ie
, Less than 15%, preferably residues of the order of 1 to 3). For example, exempt
Such combinations of epidemics and toleragens have been used in the present invention to provide oncoproteins or tumors.
Ulcer repressor protein, hemoglobin, apolipoprotein E, LDL receptor, heart
Visceral β-myosin, sodium or other ion channel, collagen, gluco
Induce antibodies that can specifically bind to kinases, or variant forms of transthyretin
can do.
In an exemplary embodiment of the invention, the subject method is used to employ cell type-specific markers.
To obtain an antibody against As shown in Example 2, using the method of the present invention, fetal cells
Antibodies can be produced that are specifically directed against a specific marker. For example, mother
Primary use of sex erythroblasts as toleragen and fetal red immunogens as immunogen
By the method described above, specific antibodies to the markers of fetal nucleated red blood cells can be obtained.
it can. By specific recognition of epitopes on the cell surface such as hematopoietic progenitor cells
When obtained to distinguish between fetal and maternal cells, for example, fluorescence activated cells.
By means of vesicle sorting (FACS) using the antibodies obtained by the subject method.
Offspring cells can be separated from maternal blood. Isolated fetus such as fetal nucleated erythroblasts
Puppy cells are a non-invasive source of fetal DNA for genetic screening of parents.
More effective and safer than, for example, amniocentesis or chronic villous sampling
And provide an alternative to the invasive method.
In another embodiment, the present invention provides an anti-antibody specific for a tumor cell specific marker.
Contemplate the generation of the body. As described in Example 1, the subject method was advantageously used to
Antibodies can be obtained that can distinguish between cells and their transformants. Such antibody
May be suitable for diagnostic and therapeutic applications. For example, neoplastic or hyperplastic cells
Antibodies in the assay of the invention for detecting cell-specific markers found on cells
Can be selected. Transformed cells are transformed with the antibody thus obtained.
Adenocarcinoma, papilloma, squamous and transitional cell carcinoma,
For undifferentiated carcinoma, carcinoma, mesothelioma, liver cancer, melanoma, and germ cell tumor.
Sometimes used to diagnose cancer and tumors. By antibodies or by delivery of toxins
, Or of the transformed cells bound by delivery of the nucleic acid construct for gene therapy.
Differential activation of complement at the cell surface allows for both in vivo and in vitro
In these, these antibodies may be used to selectively destroy transformed cells. For example
, Using normal colon cells as toleragen, cells from colon carcinoma as immunogen
Therefore, an antibody specific to a colon cancer marker can be obtained in the present invention.
Wear. In a similar fashion, using the subject method, metastasis of highly metastatic tumor cells
It is possible to produce an antibody that specifically inhibits. The tumor cells are highly metastatic
Unique variant (i.e., its expression is increased over the non-metastatic variant)
Using such an antibody designed to recognize
Block the function of cell surface proteins containing these epitopes in the cascade
Can be
In a similar manner, specific antibodies to stem cell or embryonic neuronal markers are located.
If desired, differentiated neurons are used as a toleragen to reduce neurite cells.
Or immune cells using embryonic nerve cells such as neutral progenitor cells
The antibody repertoire from which it is derived and used in the subject method can be obtained.
For hematopoietic cell-specific antibodies, the immunogen may consist of hematopoietic stem cells.
Relagen may be non-neutral stem cells.
In a further embodiment, the subject method involves the generation of antibodies capable of distinguishing various proteins.
Can be applied. Various isoforms of naturally occurring proteins using such antibodies
Can be identified and mutations that may have occurred in the protein can be detected. Real
In an exemplary embodiment, caused by a mutation in an oncogene or anti-oncogene
Can be used in immunochemical assays to detect transformation of cells
Antibodies can be produced according to the present invention. For example, using the subject method wild
Antibodies can be obtained that distinguish between type ras and mutant forms of ras. For example, r
The Ser-17 → Asn variant of as was used as an immunogen, and wild-type ras was treated as a tolerage.
Used as an antibody to obtain antibodies useful for detecting ras-induced transformation of cells.
Can be.
Similarly, it binds specifically to the wild-type tumor repressor protein and the variant tumor repressor.
Antibodies useful for diagnosis, which distinguish them from proteins, can be produced by the present invention.
For example, inactivating mutations in either p53 or the Rb tumor suppressor.
And leads to withdrawal from cell senescence, leading to transformation. Using the subject method
Antibody specific for variant p53 can be obtained, which discriminates between wild type and mutant.
Ability of Arg-273 → Cys, Tyr-163 → Asn, Val-157
→ Phe or Cys-238 → Unique created by mutation such as Phe
Caused by recognition of different epitopes. Therefore, a suitable immunogen / trerage
The set of proteins includes p53 variants and wild-type p53.
Producing antibodies for detecting variant hemoglobin molecules using the subject method
Can then be treated with abnormal redness such as sickle cell anemia and β-thalassemia.
It can be used as a diagnostic tool for detecting hemocytosis. Mostly dot sudden
Many such abnormalities caused by mutations are associated with disease in embryos, fetuses, neonates, and adults.
It has been observed as abnormal hemoglobin (for review, Huisman (Hu
isman) (1993) Baillieres Clin Hae
matol) Volume 6: 1-30). It is therefore a unique hemoglobin variant.
Antibodies to the pitope detect and detect both normal and abnormal hemoglobin levels.
And can be very useful in quantitation.
The immunogen is apolipoprotein E4 (ApoE4), and the toleragen is other ApoE.
ApoE4 levels in plasma or serum of patients, if composed of isoforms
Specific antibodies, which may be useful for the analysis, can be isolated by the subject method.
Presence of ApoE4 variant is associated with increased susceptibility to Alzheimer's disease
(Strittmatter et al. (1993) PNAS 90:80
98-8102) and of cholesterol lipids and lipoproteins in individuals.
Significant impact on level changes (Rall et al. (1992) Journal
J. Intern.Med, 231: 653-659; and
And Weisgraber et al. (1990) Journal of Lipi
J. Lipid Res. 31: 1503-1511). Similar or
In other words, including an antibody capable of specifically binding to ApoE2 or ApoE5, etc.
It is possible to obtain an antibody specific to the ApoE isoform of.
Other typical embodiments include, for example, predicting the risk of familial hypercholesterolemia.
Antibodies useful for LDL receptor variants useful in
Specific antibodies against cardiac β-myosin variants that can be used;
Alterations in sodium or iron channels that cause regular paralysis of umemia
Specific antibodies to species morphology; C that may represent a factor predisposing to the risk of familial osteomyelitis
Antibodies to collagen variants such as ys-579 collagen; insulin independent
Specific antibodies against variants of glucokinase that cause persistent diabetes; and
And transfamiliary amyloidogenic polyneuropathy may cause transthyretin
Production of antibodies specific for the variant of.
VII.Antibody specifically reacting with fetal cell / cancer cell epitope
Cell surface markers for fetal and transformed cells, as described in detail below.
The subject method was advantageously used for the development of antibodies against Conventional hybridoma
Method, or in contrast to using a pre-immune phage display library,
Performing the subject method yields a library of antibodies that is enriched very rapidly.
Can be. The present invention uses unknown / unknown
The first example shows that an antibody specific for an isolated cell surface antigen was obtained. In fact, immunity
Immunized with a recessive epitope but tolerized against background epitopes
Using V-gene library derived from animal (not different from the method of the present invention)
Early experiments yielded the subject antibody but were very difficult and expensive, and probably
It was suggested that it could not be obtained by the combined display method of line technology.
To illustrate, FIG. 5A shows identification from a tolerized V-gene library.
Shows a rapid enrichment of antibodies. For comparison, FIG. 5B was prepared according to the prior art.
Phage libraries (# 1 and # 2 that were not tolerized) were serially screened.
Not show significant enrichment by
(Compare # 1 and # 2). Similarly, as shown in more detail below,
Obtained by immunotolerization protocol despite several years of hybridoma research
Even the hybridomas obtained using the obtained B cells, fetal blood cells and maternal blood
The antibody that distinguishes from liquid cells has the same quality as the anti-CD171 antibody.
Was only obtained.
On the other hand, the subject methods include, for example, sorting live cells, FACS assays,
Has a high affinity allowing detection of specific antibodies by cell-based ELISA
-Provides a library containing a rich source of antibodies. To explain further,
The examples provided are for individual antibody display packages in a single round of selection.
It is described that the concentration was increased to 5000 to 3600000 times. Specific isolate
DNA sequence analysis of Escherichia coli reveals a remarkable history of affinity maturation of both heavy and light chains
And, surprisingly, show effective access to the immunological repertoire.
Moreover, accelerated maturation of antibodies, and possibly such accelerated maturation
In addition to causing
Selection of antibodies with both high binding affinity for active epitopes
To In fact, antibodies isolated by the subject method can be used by using prior art
Compared with various antibodies, the antibody of the present invention, which is derived in combination, is
Better specificity and affinity compared to available antibodies
It becomes clear that they tend to be of the order of size.
Relates to three of the antibodies that exhibit both the desired specificity and binding affinity
The gene was sequenced. F4-7 and H3-3 as described in Example 2.
The antibody was originally isolated by a selection method involving fetal hepatocytes. H3
Due to the further characterization of the -3 antibody, this antibody is
Not only were blood cells recognized, but they were stained in late pregnancy despite being inadequate.
It is confirmed that the recognized fetal cells were also recognized. Perhaps this is immune and
Utilization of fetal liver predominantly from early blood cell precursors during both saturation and enrichment
To reflect. However, the population of antibodies enriched from the library
Antibodies specific for epitopes present on late fetal blood cells were selected.
The combing is shown below. Characterization of FB3-2, one of the isolates
Have a very low background staining level for adult blood cells
Was shown (for example, less than 0.1%). The nucleic acid of each of these clones and
The index for the amino acid sequence is shown in FIG.
The overall structure is shown in FIGS. 8A and 8B.
Isolated from the V-gene library of immunized animals by the method of the invention
Antibodies were obviously not utilized by other prior art, and in fact
It was shown to exhibit properties far superior to the obtained antibodies. Completed by the subject method
In contrast to antibodies, the same immunization process, but combined with the use of hybridoma methods
Fetal cell selectivity can be obtained using the specified process
Was. The specificity for one of the best of these antibodies, "anti-Em", is shown in Table 3.
You. Fetal cell selective antibodies isolated by other groups using other hybridoma methods
Also compared. As indicated in the art, anti-CD71 antibodies are used in fetal cells.
It is considered to be the best of the cell-specific antibodies. However, as shown in Table 3
As such (see also Example 4), the antibody obtained by the method of the present invention is immunotolerant (anti-
Em) and each of the antibodies obtained by the hybridoma method (anti-CD71)
Works with better quality than.
Anti-Em and anti-CD71 antibodies were each induced by methods in the prior art.
It is believed that there is excellent specificity for the derived anti-fetal cell antibodies. But,
As shown in Table 3, background that binds to maternal peripheral blood mononuclear cells (PBMC)
The levels of these are, for these antibodies, the background of maternal cells using the subject antibody.
Many times more expensive than round dyeing. As a result, anti-Em, anti-CD71 antibody, etc.
Sufficiently stains fetal cells, but their background to maternal blood greater than 5%
Ground staining collects a very small population of fetal blood cells from a maternal blood sample
It provides substantial room for improvement over antibodies useful for doing so.
One of the evaluations for fetal cell concentration in maternal blood is 100,000 adult nucleated blood cells.
1 out of 1 or 1 in 1 million adult nucleated blood cells (ie.
001% to 0.0001%). Anti-obtained by subject method
The quality attributes of the body are these antibodies in the generation of fetal cells from maternal samples.
Suggests that it is useful enough. Antibodies isolated by the subject method
400 male fetuses to further demonstrate improved quality over the antibody known in
Puplets were added to 1 million maternal cells and the mixture was fluorescein-conjugated H3-.
Stained with 3 Fab. FACS sorting is performed to collect the stained cells, and then
Perform in situ hybridization to detect Y chromosome DNA.
When released, it showed a recovery of male fetal cells with a yield of 75% and a purity of about 40%.
(300 out of a total of 800 recovered cells were male cells). Above
The best results obtained with either -Em or anti-CD71 antibodies were fetal
The same percentage of cell recovery was reached, but the order of purity was low (
For example, 200-300 fetuses in the background of 100,000 PBMCs.
Child cell).
Some of the antibodies obtained by the subject method are clearly superior to prior art antibodies.
Another feature is the binding affinity of these antibodies for fetal cell-associated antigens.
About. As described in Example 3, affy of H3-3 and FB3-2 antibodies.
Nity was determined on human erythroleukemia (HEL) cells ("HEL scan").
HEL Scatchard assay "). In each case, the coupling constant (Ka
) Is 109Exceeded. For example, the monomer H3-3 and FB3-2Fab 'flags
Me
6x10 eachTenM-1And 8x10TenM-1The binding constant of Braid
The dimeric forms of the recombinant antibodies have larger binding constants, each at H3-3
About KaIs 5x1012M-1, K for FB3-2aIs 1x1012M-1In
Was.
As a result of our findings, the hybridoma method or phage display
Against the corresponding antigen, which is superior to the antibodies currently available by either method
Antibodies characterized by specificity and / or affinity for immunization
A reproducible and predictable method for isolating antibodies that immunoreact with recessive epitopes
It is now possible to provide Therefore, in one aspect of the invention,
The subject method makes available antibodies specific for immunorecessive epitopes. here
And 106M-1Greater than, preferably 108M-1Greater than, more preferably about
109M-1Greater than, and most preferably 10TenM-1, 1011M-1Or
1012M-1Greater than, for example, 10TenM-1Through 1013M-1K in the rangeaso
Antibodies are characterized by a binding constant for an immunorecessive epitope.
In another aspect of the invention, the subject method provides a low level background
For convenience of isolation of the stained antibody. These relative specificities are in the order of strength.
If not, especially with regard to cell surface epitopes,
It may be several times higher than the antibody obtained by the hybridoma method. For example, the subject method is
An antibody that is substantially free of background binding to other related cells, eg, related cells
10-fold higher relative specificity of binding to target cells than background binding to
Antibodies may be provided. As shown, anti-antibodies that do not substantially cross-react with other epitopes.
The body, preferably 20 times more specific than background, more preferably 50
Antibodies can be obtained which are 75 or 100 fold higher, and even more preferably 125 fold higher
You. For example, obtained by the method of the present invention represented by FB3-2 and H3-3.
Anti-fetal cell antibodies tested were tested by fluorescence activated cell sorting ("FA
CS efficacy assay "), each with 125 times higher phase than background
It was shown to have pairwise specificity. In contrast, anti-CD71 and anti-Fe anti
The body also has a background level that is 7.7 and 2.5 times higher, respectively.
It has been found to have specificity. Furthermore, it is manufactured by the subject method.
The specificity of the fetal cell-specific antibody is known in the art, such as anti-CD71 antibody.
The background staining of maternal cells compared to the isolated antibody
You can also For example, preferably, the subject antibody is 2 times less than the anti-CD71 antibody.
Stain non-fetal cells, more preferably at least 5 times less, even more preferred
Dye at least 20 times less. For the FACS efficacy assay of Example 4
Sometimes such comparisons can be made using standard immunoassays. Typical
Anti-CD71 (eg, anti-transferrin receptor) antibodies are 5E9 antibodies (A
TCC HB21), L5.1 antibody (ATCC HB84) and L01.1 antibody
(Beckton Dickinson Catalog Number 347510
).
Sequenced specific antibodies, namely H3-3, F4-7 and FB3-2
With respect to, each antibody is further engineered without departing from the purpose and intent of the invention.
Can be Therefore, derived from heavy chain (residues E1-S121, SEQ ID NO: 51
) And from the light chain (residues D1-K111, SEQ ID NO: 53).
Mela FB3-2 antibody can be obtained. Similarly, the F4-7 antibody-derived heavy
A chain (residues E1 to S121, SEQ ID NO: 55) and a light chain (residues D1 to K111,
A chimeric F4-7 antibody containing the variable region of SEQ ID NO: 57) can be provided.
You. Furthermore, for example, from the heavy chain of the H3-3 antibody (residues E1 to S115,
SEQ ID NO: 59) and derived from light chain (residues D1 to K111, SEQ ID NO: 61)
Chimeric H3-3 antibodies containing variable regions are also contemplated.
In a similar manner, each of the heavy and light chains represented by the general formula
Chimeric antibodies containing variable regions can be obtained: FR (1) -CDR (1) -FR
(2) -CDR (2) -FR (3) -CDR (3) -FR (4), where CDR
(1), CDR (2) and CDR (3) are complementarity determining regions derived from the subject antibody.
FR (1), FR (2), FR (3) and FR (4) are derived from the second antibody.
Indicates a framework area. For example, CDR (1) is SYWLE and CDR (
2) is EILFGSGSAHYNEKFKG and CDR (3) is GD
The heavy chain that is YGNYGDYFDY, and CDR (1) is RASQSVSTSR
YSYMH, CDR (2) is FASNLES, CDR (3) is HSWE
A chimeric FB3-2 antibody containing a light chain that is IPYT can be obtained. As well
, CDR (1) is SSWLE and CDR (2) is EILFGSGSAHYNE
A heavy chain that is KFKG and CDR (3) is GDYGNYGDYFDY, and C
DR (1) is RVRQSVSTSSSHSYMH and CDR (2) is YASNLL
Chimeric F4-7 containing a light chain of ES and CDR (3) of HSWEIPYT
Antibodies can be made. In a similar fashion, CDR (1) is DYYMY
The CDR (2) is TISDDGTYTYYYADSVKG and the CDR (3) is D
The heavy chain that is PLYGS, and the CDR (1) is RSSQSLVHSNGNTYL
H and CDR (2) is KVSNRFS and CDR (3) is SQSTHVLT
It is possible to provide a chimeric H3-3 antibody containing a light chain that is Each place
In this case, the framework regions (FR1 to FR4) to be bound are irrelevant antibodies
, Preferably derived from human antibodies.
The invention further relates to methods of making the subject recombinant antibodies. For example, antibodies (also
Nucleic acid vector directing the expression of a nucleotide sequence encoding
Culture of host cells transfected with
And can cause heavy / light chain dimer assembly to occur if necessary.
You. The antibody is secreted so that it can be secreted from the mixture of cells and medium containing the recombinant antibody.
The body may be isolated. A cell culture contains host cells, media and other by-products.
Suitable media for cell culture are well known in the art. Protein A: Cephalo
And ion exchange chromatography, gel filtration chromatography,
Methods known in the art for antibody purification, including field filtration and electrophoresis.
Recombinant antibody peptide used in cell culture medium, host cells, or both
Can be isolated from In a preferred embodiment, the recombinant antibody is the purified antibody.
Of a GST fusion protein or a poly (His) fusion protein containing a domain that facilitates production.
It is a fusion protein.
The invention also provides for transfection to express a recombinant subject antibody.
Host cell. The host cell can be any prokaryotic or eukaryotic cell
Well, that selection is in part due to the need for post-translational modifications such as glycosylation.
May be based on gender. Thus, depending on the subject method, anti-fetal cells or anti-tumor
The entire variable region or a selected
The nucleotide sequence encoding the portion is used to encode a microbial or eukaryotic process.
The recombinant antibody can be produced by Express recombinant antibody gene
Binding into genetic constructs such as K. lactis and eukaryotic cells (yeast, avian
, Insects or mammals) or prokaryotic cells (bacterial cells) into the host
Transformation or transfection can be performed using other well-known proteins such as insulin.
, Interferon, human growth hormone, IL-1, IL-2, and other
It is a standard method used in the production of recombinant antibodies. According to the present invention,
By a microbial means or a tissue culture method.
The subject antibody can be produced.
Preferably, the cell line transformed to produce the recombinant antibody is immortal
Human mammalian cell line, which is advantageously a myeloma, a hybridoma, a chicken
It may also be of lymphocyte origin, such as the Oma or Quadroma cell line. Even finer
Cell system is formed by a virus such as the Epstein-Barr virus.
Normal lymphocytes such as B cells immortalized by cytoplasmic conversion may be included. most
Preferably, the immortalized cell line is a myeloma cell line or derivative thereof.
A nucleic acid encoding the subject antibody protein or its heavy and light chains is labeled with a prokaryotic cell or
Ligated into a vector suitable for expression in eukaryotic cells, or both.
A recombinant antibody gene can be produced by Recombinant subject antibody
The expression vector for the production of E. coli includes plasmids or other vectors. An example
For example, a suitable vector for antibody expression is a prokaryotic cell such as E. coli.
Derived from pBR322, pEMBL derived plasmid for expression in
, PEX derived plasmids, pBTac derived plasmids and pUC derived plasmids.
Includes rasmid.
Many vectors exist for the expression of recombinant proteins in yeast. For example
,
YEP24, TIP5, YEP51, YEP52 and YRP17 are SSE
Clonies useful in the introduction of genetic constructs into S. cerevisiae
And expression vehicle (eg, Broach et al. (1983).
, "Experimental Manipulation of Gene Expressi
(Experimental Manipulation of Gene Expression) "(M Inoue (
M. Inoue)), Academic Press (see page 83). This
These vectors can replicate in E. coli due to the presence of the pBR322 ori.
S. cerevisiae due to the replication determinants of the yeast 2 micron plasmid.
It can be duplicated in Cie. In addition, drug resistance markers such as ampicillin
Can be used. In illustrative embodiments, H3-3 or FB3-2
The variable region coding sequences for each of the body's heavy and light chain genes are
Recombining the antibody using the expression vector obtained by cloning
To manufacture.
Preferred mammalian expression vectors facilitate the propagation of the vector in bacteria.
For eukaryotic sequences and one or more eukaryotic translocations expressed in eukaryotic cells.
Includes both copy units. pcDNA / amp, pcDNAI / neo,
pRc / CMV, pSV2gpt, pSV2neo, pSV2-dhfr, pT
k2, pRSVneo, pMSG, pSVT7, pko-neo and pHyg
Vectors derived from Escherichia coli are suitable for transfection of eukaryotic cells
It is an example of an expression vector. Some of these vectors were cloned into pBR322
Sequence in both prokaryotic and eukaryotic cells by modification with sequences from bacterial plasmids.
Allows selection by manufacturing and drug resistance. Alternatively, bovine papilloma virus
(BPV-1) or Epstein-Barr virus (pHEBo, pREP-
And viral derivatives such as p205) in eukaryotic cells.
It can be used for temporal protein expression. Preparation of plasmid and form of host organism
The various methods used for quality conversion are well known in the art. Prokaryotic cell
Other expression systems suitable for both eukaryotic and eukaryotic cells, and general recombinant methods
Sambrook, Fritsch
"Molecular" edited by (Fritsch) and Maniatis
・ Cloning a Laboratory Manual (Molecular Cloning A Labora
tory Manual 2nd edition (Cold Spring Harbor Laboratory Pre)
(Cold Spring Harbor Laboratory Press): 1989 ”Chapter 16 and
See Chapter 17. In some cases, recombination through the use of baculovirus expression systems
It may be preferable to express the antibody. Such a baculovirus expression system
Examples include vectors derived from pVL (pVL1392, pVL1393 and
a vector derived from pAcUW (such as pVL941) (of pAcUW1).
And a vector derived from pBlueBac (including β-gal
(For example, pBlueBacIII).
VIII.Example
The present invention is now described generally and only describes particular aspects and embodiments of the present invention.
Reference is made to the following examples which are included for the purpose of, but are not intended to limit the invention.
The invention will be more easily understood by the following.
For cell surface markers on fetal and transformed cells, as described below.
The subject method was advantageously applied to the development of antibodies. Conventional hybridoma method or pre-
In contrast to the use of immunophage display libraries, the present invention
A remarkable library of rapidly enriched antibodies can be obtained. The following
In the exemplary embodiments described in the examples, individual antibody display packages
Was enriched 5000 to 3600000 times in a single round selection
. DNA sequence analysis of specific isolates showed affinity for both heavy and light chains.
A notable history of maturity is shown, with unexpected and effective access to the immunological repertoire.
Access was shown.
I.Materials and methods
Unless otherwise indicated, Sambrook et al., Molecular Cloning: A Ra
Volatility Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Program
Res, Cold Spring Harbor, NY (1989).
Thus, recombinant DNA and microbiological methods were performed. The following materials and methods
Antibody display library described in both Example 1 and Example 2 using the method
I gotBiochemical reagents
The DNA-modifying enzyme was added to New England Biolabs.
abs) (Beverly, Mass.), recommended by the supplier
It was used under the specified conditions. Perkin Elmer (Connectica)
Obtained from Norwalk, Tut. Life Technologies
chnologies (Gaithersburg, Maryland)
The set of NA fragments (1 Kb ladder) was subjected to agarose gel electrophoresis.
Was used as a standard for the molecular weight of the DNA fragment. DNA primer
-Genosys, Inc. (The U.S.A.
The Woodlands or Kluakem, Incorporated (Crua
chem, Inc.) (Sterling, VA) as routinely synthesized
Was done. Deoxyadenosine 5 '[α- (35S) Thio] triphosphate
New England Nuclear (Boss, Massachusetts)
Purchased from Boston. Polyclonal biotinylated anti-M13 antibody
5 prime-3 prime (Boulder, Colorado)
). Styreptoavidin-alkaline phosphatase and polycloner
A goat anti-mouse kappa alkaline phosphatase
From Fisher Biotech (Pittsburgh, PA)
Obtained.Bacterial strains and culture
E. coli strains XL-1, SolR, and LE392 were added to Stratagene (Stra
tagene) (LaJolla, CA). Lambda Fa
-Resistant XL-1 was isolated by standard methods and is described herein. LB, SO
B, 2X YT, NZY medium (Sambrook, 1989) or TB medium: 1
Bacto-tryptone 12 g, yeast extract 24 g and glycero per liter
0.1M KH containing 5.04 g2POFourBuffer, pH 7.5 (phosphate buffer
In a Erlenmeyer flask filled with
E. coli was grown to stationary phase at 30 ° C or 37 ° C with shaking.
Due to the growth of bacteria on the solid medium, cold to a final concentration of 2% (weight / volume).
Heaven (Difco, Detroit, Mich.) Was added.
Up to 0.5%, carbenicillin, chloramphenicol, and
And kanamycin, if needed, should be added to 50, 30, and 50 μg, respectively.
Was.Vectors and bacteriophage
E. coli cloning vector Lambda SurfZapTMAnd helper
Phage ExAssistTMAnd VCSM13 were obtained from Stratagene.Cell preparation
Interstate Blood Products from whole blood from non-pregnant individuals
(Interstate Blood Products) (Tennessee). Adult peripheral blood mononuclear cells
("PBMC") as standard Ficoll-Hypaque Grazi
It was prepared by the ent method. Fetal blood mononuclear cells are used for 12 to 20 weeks gestation (at that age).
And the liver is a primitive hematopoietic period) from a liver obtained from a fetus aborted
Prepared. Sterile microscreen in the presence of sterile Ca-Mg-free PBS
The cells were released from the surrounding connective tissue by passing through. Cell suspension obtained
Is diluted to 20 ml with PBS and the blood mononuclear cell fraction is diluted with standard phyco
It was obtained by a vacuum-hyper gradient gradient centrifugation. After recovery from Ficoll interface
, Adult and fetal cells were washed twice with sterile Ca-Mg-free PBS and
Resuspend in 2 x 10 per ml7I made it into an individual.Tolerance immunization
The use of cyclophosphamide tolerance on intact, fixed cells is relevant.
This is a well-known method in the field. The method according to the invention may be performed on whole blood, bone marrow or
Immediately after isolation from fetal liver, unfixed cells are used to chemically and / or chemically
It also avoids the occurrence of antigenic changes due to physical processing. Shiku
Rofosfamide was obtained from Sigma chemical and reconstituted 10
mg / ml sterilized saline. The tolerization method used was Matthew et al.
(1987) J. Immunol Methods No. 1
Volume 00: essentially the same as the method of pages 72-82.
Another schedule of tolerization and immunization is shown below: 6 weeks old female B
alb / c mouse 1 × 10 in 500 μl PBS7Individual adult PBMCs intraperitoneally (
"IP") was injected. Cyclophosphamide 10 minutes after injection of adult PBMC
An IP injection was made to give 0 mg / kg. Cyclo at 24 and 48 hours
The phosphamide was repeated. After another 14 days, the tolerization was repeated.
After 3 weeks 1 × 10 in 500 μl PBS7IP injection of individual fetal cells
The mice were immunized with fetal mononuclear blood cells by. After two more weeks, the first tolerization
Mice were tolerized again with adult PBMCs as described for rounds.
Finally, after 3 weeks, 1x10 in 500 μl PBS.7IP injection of individual fetal cells
, To re-tolerize the fetal blood mononuclear cells. Fetal cell immunization 24 hours
And at 48 hours. After an additional 24 hours, the mice were sacrificed. The spleen
It was taken and immediately frozen in liquid nitrogen.RNA isolation and cDNA synthesis
Standard method (Chomczynski, US Pat. No. 4,843,155)
Was used to isolate total RNA from spleen or hybridoma cell lines. RNA marker
The product was stored in RNAase-free water at -70 ° C until use (Sambrook et al.,
Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Sp
Re
Ning Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N
Y (1989)). Swear from Life Technologies
-Superscript preamplification kit (Superscript preampli
First strand cDNA was prepared using the fication kit) according to the supplier's recommendations.DNA isolation
Plus from E. coli for DNA sequence analysis or restriction enzyme analysis
Isolation of the mid DNA was carried out by the alkaline lysis method (Birnboim and Dolly (
Doly), 1979). The manufacturer, Macherey-Nagel
agel) (Durem, Germany)
A large amount of plasmid was prepared using obond) column chromatography.
Plasmid DNA fragment from E. coli clone containing antibody clone
All cultures for dissociation were treated with 0.5% glucose and 50 μg / ml carbe.
Grow overnight at 37 ° C with shaking in 2xYT medium containing nicillin.PCR amplification of antibody kappa chain and IgG1 heavy chain coding region
Is it a repertoire of antibody coding regions encoded in spleen mRNA?
Minimized the bias towards a limited set of PCR products, and
FIG. 1A to amplify over 90% of the sequences encoded by the Fab and heavy chain Fabs.
And the set of degenerate primers shown in Figure 1B was designed. Of kappa or heavy chain
Amplification of coding sequences was performed using 5 primer pairs for each
went. The primer also contains a restriction enzyme site, and the Surf-Zap vector (
And a light chain into a bacterial Fab expression cassette suitable for insertion in (Stratagene)
And allowed the ligation of heavy chain PCR products. Automated using the following protocol
PC with a built-in BioSystems temp-cycler
The R reaction was performed. Generally, Superscript First Strand Thin
For Cesis Kit (Superscript first strand synthesis kit) (BRL)
Then, the RNA was converted into cDNA. Appropriate primer pairs (Figures 1A and 1B)
See, 10 mM Tris-HCl, pH 8.3, 50 mM KCl.
1.5 mM MgCl2, 100 μl buffer containing 0.01% gelatin
Incubate 0.5-1 μg of the first strand cDNA in
Cool to 60 ° C., then add 2 U of Taq polymerase. Then,
The following four temperature profiles were run for 35 cycles to amplify the product: 72 ° C 1
20 seconds, 54 ℃ 90 seconds, 45 ℃ 30 seconds. After 35 cycles, sample at 72 ° C
Polymerization of the product was completed by incubation for 10 minutes. Adjust individual reactions
Approximately 1-2 μg of the 0.7 Kb PCR product is used for a minimum number of cycles (usually 3
0-38 cycles) is important.Assembly of Fab expression cassettes from kappa and heavy chain PCR products
1-2 μg of each PCR product from 5 separate reactions were mixed to mix kappa chain and
Separate heavy chain product pools were obtained. Then to the supplier (Millipore)
As recommended, first use PVDF spin filters (Millipore) to remove proteins.
And debris were removed and the pool was then spun onto a 30,000 MW cutoff.
The pool was purified by removing low molecular weight components using Luther. Each product
Approximately 5 μg of the SfiI buffer was added to 300 μl of SfiI containing 50 units.
Digested in fur for 2 hours at 50 ° C. Produced by enzyme and SfiI digestion
Removed small end fragments using the above spin column method
did. The SfiI digested light chain product was digested with SfiI in a volume of 50 μl at 4 ° C. overnight.
It bound to the digested heavy chain products (about 2 μg each). The binding mixture is then
Were purified by spin column as above, and each of NotI and SpeI restriction enzymes in 100 μl
Digested with 50 units. The digestion products are separated by agarose gel electrophoresis,
The 1.4 kb kappa chain heavy chain encoding the dimer was converted to Gene Clean II (Gen
as recommended by the supplier using eClean II) (Promega)
And purified.
A simple and more reliable method for the construction of Fab 'expression cassettes is shown in FIG.
Shown in agram. Approximately 10 ng of the above kappa and heavy chain product pools were transferred to
And amplified with the primers shown in FIGS. 1A and 1B) to generate 3'kappa and 5 '.
The heavy chain sequence was obtained. These were treated with T4 polymerase in the presence of dTTP.
Highly compatible with kappa and heavy chain sequences, resulting in a compatible overhang of 8 bases
Allows for a more directed bond. The PCR product was purified as above. 5
3 in a volume of 50 μl containing units of T4 polymerase, 5 mM dTTP
About 2 μg of each product was treated separately at 7 ° C. for 1 hour. Similar to the PCR product
The products were purified by adding about 500 ng of each product for 3 hours at room temperature for 2 units of D
The ligation was carried out in a binding buffer (Promega) having a volume of 25 μl containing NA ligase.
It matched.
Except for annealing at 55 ° C for 1 hour and extending the extension time to 4 minutes,
Using the 5'kappa chain primer and 3'heavy chain primer shown in FIG.
Amplifies Fab encoding dimer obtained by either method under conditions
did. Generally, 12-25 cycles under these conditions will yield about 1-2 μg of
A 1.4 kb kappa heavy chain dimer was obtained. Use the spin column as described above.
Of the product, and then added 75 units each of NotI and SpeI restriction enzymes.
Digested in a containing volume of 200 μl. 100,000MW spin column (Amico
More effective removal of primers from digestion products using Amicon digestion products
The digestion product was purified as described above except that Purified 1.4 kb
The dimer was stored at 4 ° C until use.Construction of various Fab clone banks
Fragment encoding NotI-SpeI digested 1.4 kb Fab
Ligation was performed as follows: Promega containing 3 units of T4 ligase
2 μg of 0.2 μg digestion product in 10 μl binding buffer overnight at 4 ° C.
Of the lambda surf-zap arm. Then Giga-Pack Gold
・ Supplier of packaging (Giga-pack Gold packaging kit)
A portion of the binding mixture into the lambda head, as recommended by Gene.
Pack
Caged. The packing reaction was titrated with E. coli LE392 and pooled.
To obtain a primary library. This primary library is then used using conventional methods.
Was amplified in E. coli LE392. Generally, 5x109Eco
LiXL1 cells are treated with 10 ml of 10 mM MgSO 4.FourIn 107In vitro pad
Infection with the packaged SURF-ZAP primary clone for 10 minutes at 37 ° C.
Was. Infected cells were added to 100 ml NZY top agarose at 50 ° C. Instantly
Play the mixture on two 20 x 20 cm plates containing NZY agar.
It was allowed to set, solidified, and then incubated for 8-16 hours. SM bus
Amplification by stacking 25 ml of buffer and rocking for 2 hours
The harvested library was harvested.Generation of phage antibody clone bank
In essence the M13 Exerciser (as recommended by Stratagene
exassist) by helper phage superinfection, primary lambda SURF-ZAP
The phagemid clone bank was rescued from Ibrary. Generally 1011Pieces
E. coli XLI cells from our amplified surf-zap library
Of 10TenLambda clones and 1012Sensitivity to individual exerciser M13 phage
Dyed. Cells are grown by centrifugation for 3.5 hours in LB or TB medium and then centrifuged.
Was removed. Treat the exorcist rescue library at 70 ° C for 20 minutes, then
Stored at 4 ° C.
Infection with E. coli SOLR 1: 1 rescue phagemid
We obtained 10 to 100 times more than the size of the primary library.
A cell population containing a nicillin resistant antibody clone was obtained. T containing carbenicillin
Transduced cells were grown to early log phase in B medium, then
, Cells were infected with a 10-fold excess of VCS M13 helper phage. Three
After 1 hour at 7 ° C, kanamycin was added and the culture was shaken until stationary phase.
And incubated at 30 ° C. Remove cells by centrifugation and centrifuge
Therefore, by recovering, the phage antibody was recovered from the supernatant, and 1 ml of TE bag was recovered.
Dissolved in fur and then PEG precipitated. Phage antibody to 1 ml TE or
It was dissolved in PBS buffer and stored at 4 ° C.Enrichment of cell surface bound phabs on whole cells
Cell-specific phage antibodies were isolated by enrichment of whole cells. Blocking bag
Fur (Hanks, 0.1% hydrolyzed casein in buffered salt solution, 3% B)
Cells were prepared for enrichment by washing twice with SA). First round of darkness
During thickening, 10 in 200 μl blocking buffer11Individual phage antibody
106Cells were added and incubated on ice for 1 hour. Then cold
Remove non-specific phage antibody by washing 8 times with blocking buffer
did. For centrifuging at 3500 rpm in an Eppendorf microcentrifuge
The cells were harvested after each round of washing. The cell surface-bound phage antibody was then added to 3
500 μl 0.2 M glycine pH 2.2 containing M urea and 0.5% BSA
Eluted in. Remove debris by centrifugation, 50 μl 1M Tris pH
The supernatant was neutralized by adding 9.5. Amicon 100,000MW
Urea and buffer with 3 buffer exchanges using a Tooff spin column
The ingredients were removed. The enriched population of phage antibodies was titrated on XL1 cells and then
Then, it was amplified by the following protocol. Elution in 200 μl SM buffer
The phage antibody was added to 1 ml of 10 mM MgSO 4.Four5x10 in9Pieces of platey
Ng cells and incubated at room temperature for 10 minutes. Then the infected
Cells inoculate 100 ml TB broth in a 2 L flask and shake 3 times
Incubated at 0 ° C. After incubation for 1 hour, carbenisi
Phosphorus was added to make 50 μg / ml. Early stationary phase (OD at two consecutive points
Incubation at 30 ° C. with shaking until the increase of 600 remains the same).
Continued. 12 out of the Dupont / Sorvall SS34 rotors
Cells were removed by centrifugation at 000 rpm for 10 minutes. Then fur
The diantibody was purified by PEG precipitation. The amount of phage antibody to be loaded is 10TenDown to
Decrease, increase the number of washings (10 to 20 times),
Prior to elution with glycine-urea, 100 mM citrate buffer (pH 4.5 or
In a subsequent thickening round by adding a wash at pH 3.5)
Increased stringency of cleaning.Preparation of individual phage antibodies for analysis of binding specificity
E.coli XL1 was infected with a phage antibody dilution to give 0.5% glucose and
And LB medium containing 50 μg / ml carbenicillin.
20 with 2 ml of 2xYT medium containing 50 μg / ml carbenicillin
mm inoculate test tubes with the isolated colonies and shake at 30 ° C overnight.
Propagated. The next morning, gently shake 1 ml of the culture at 37 ° C for 1 hour, then
, 1011Were infected with M13VCS phage. 2 containing carbenicillin
Inoculate a 250 ml flask containing 5 ml TB broth with the VCS infection culture,
Shake at 30 ° C for 1 hour, add kanamycin to 50 μg / ml, and stabilize at the initial stage.
Incubation was continued until the period (OD600nm = 5-12). Centrifugation
The cells were removed by and the phage antibody was purified by PEG precipitation as described above.
The phage antibody was dissolved in 200 μl of TE (pH 7.5) buffer.Sequencing of antibody isolates
Individual isolates such as H3-3, FB3-2 and F4-7 clones were isolated
, Standard Protocol, edited by Ausbel et al., "Current Protocol"
Current Protocols in Molecular Biol
ogy) "(John Willie and Sons: 1992; and Sam Brook
Et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold
Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Herba
, NY: 1989), and 3'and 5'of Surf-Zap vector.
Heavy and light chain inserts using primers based on flanking sequences, respectively
It was sequenced.Flow cytometric assay of phage antibody bound to whole cells
A flow cytometer for testing phage antibodies bound to surface markers on whole cells.
I devised a rotocall. 1x106Each adult or fetal mononuclear cell was
Dispense into a black test tube and add blocking buffer as in the phage concentration method.
Washed. 2x10 for the first assayTenCells washed with 1 phage
And to a volume of 100 μl with casein / BSA / HBSS. Phage
Incubated with cells for 1 hour at 4 ° C. 1 ml of phage-cell
Washed 3 times with blocking buffer. Biotinylated sheep anti-phage poly
Clonal antibody (manufactured by 5 prime-2 prime)
For di-cells, 5-7.5 μl per sample (for each lot of polyclonal antibody
Optimization) was added. Bring the volume to 100 μl again with blocking buffer.
Was. Anti-phage were incubated at 4 ° C for 90 minutes. Streptavidin
-FITC (Jackson Immunoresearch) C
Dilute 1:50 with a-Mg-free PBS and 250 μl of each phage-cell sample
Was added to. After incubation for 30 minutes at 4 ° C, phage-cells were blocked.
Wash twice with King buffer and add 400 μl of 0.5% formaldehyde
It was fixed by doing.
All samples were analyzed by flow cytometry. Non-display phage (
The fluorescence background was determined by using VCS M13) as a negative control.
Specified. The FITC fluorescence above the background on each cell is specifically bound by the fluorescence.
It was directly proportional to the number of pages.
Determine the relative avidity of each clone by evaluating two parameters
did. The two parameters are: (1) relative cell surface epitope numbers and each
Scattering parameters for fluorescence intensity to determine expression homogeneity for phage clones.
Turn (larger number, more uniform number is most preferred), (2) phage
And titration of retention of fluorescence binding strength-of relative phage antibody affinity
It is for decision.
In a modified version of the above binding assay, soluble antibody (“Fab”) is tested for activity.
Tested. For Fab fragments, antibody-phage / streptavidin
-FITC is a goat anti-IgG-FIT that recognizes the κ chain of Fab fragment.
C F (ab ')2It was replaced with a polyclonal antibody (TAGO). 2 per sample
0.5% normal human goat anti-IgG-FITC30 diluted 1:10 in serum
μl was used. For dilution into human or serum, use the above polyclonal antibody and human or blood.
It was ensured to minimize cross-reactivity with cellular antigens.
II.Example 1: Enrichment of phage antibody on cancer cells
6x107F from IgG1 and kappa chains containing 1 primary clone
Tolerizing a combinatorial phage display library of ab in human adult blood
Constructed from mice immunized with fetal hepatocytes. Claws due to individual growth characteristics
Contains antibody clones or pools of clones to minimize bias
Always place cultures in rich medium (TB or 2xYT with 1% glucose)
Was. In addition, cultures used to produce phage antibodies should be
Harvested near growth. Because binding activity decreases after the start of the stationary phase of proliferation
Because it was discovered.
Human / red leukocyte cell line (HEL) is also found on fetal liver cells
It has an offspring cell surface marker. This characteristic and the ability to culture this cell
To develop a method for enriching cell line specific antibodies from the above phage library
A reliable source of cells for. Fur enriched on this cell line (HEL)
The binding of the diantibody pool is shown in FIG.
These results are 2.5x10 after 3 rounds of enrichment.-7From 1.25x10-3
Up to 4 log increase in phage binding to the cell surface.
Was reflected. We used HEL, Raji by fluorescence activated cell sorting.
, And of phage antibodies prepared from 16 independent isolates on adult blood cells
The specificity was tested. Biotin-labeled anti-phage antibody, followed by fluorescent conjugated strep
Specific binding of phage antibody to the cell surface was detected by toavidin. In Figure 4
The results from these assays shown show that 16 isolates (Asteri) from enrichment 3
(Indicated by a square) (that is, three times of interactive panning)
)
At least 6 of the later isolated phages) were found only on HEL cells
It appears to be specific to certain determinants.
To assess how diverse the population of antibodies enriched on all cells is
, Encoding the CDR3-containing region from these six phage antibody isolates
The DNA sequence was determined. Only 6 single replicates are present in the 6 HEL-specific isolates
I was there. This result shows that the HEL-specific antibody single antibody was obtained by enrichment on whole cells.
Showed that separation has been achieved.
III.Example 2: Enrichment of phage antibody on fetal cells
In order to maximize the chance of isolation of the basic clone in the fetal cell area, play sucking
In addition to non-enrichment, prior to each enrichment cycle on fetal hepatocytes
The phage antibody library described in Example 1 was pre-adsorbed on adult nucleated blood.
Graphical results of subsequent rounds of pre-adsorption and enrichment on fetal hepatocytes
5A. An increase in the percentage of phage antibodies that bind to fetal hepatocytes is
Enrichment for phage antibodies binding to pups is shown.
Remarkably, fetal cell binding after enrichment on a single round of fetal cells.
It was observed that a pure population of matching phage antibodies was isolated. From each stage
Characterization of random isolate sampling, binding of individual isolates to fetal cells
DNA sequence analysis combined with an FACS-based assay for
It was shown that. The results of these experiments are shown in FIG. DNA sequencing is fetal cells
Based on the amino acid sequence of the heavy chain of the antibody that binds to the
Indicates that there are two classes. Each class is a CD that reflects affinity maturation
First identified by amino acid changes in or near the R3 region, then
It contained subtypes identified by the binding of different kappa chains.
Table 4 shows HEL or with or without pre-adsorption on adult cells.
Partitioning of different phage antibody types at different stages of enrichment on fetal cells
Show. The three classes of phage antibodies are those against fetal liver cells and adult cells.
Recognize three different epitopes based on their different staining profiles
there's a possibility that.
Fourth round of enrichment (enriched series including pre-adsorption on adult cells
Phas type 5 only) was eluted from fetal hepatocytes. Most strict
The choice for this type under dense wash conditions is that it is the best choice for heavy and light chains.
It is suggested that it is an affinity binder.
1063 different phages added 1 in non-specific control M13 phage
In the simulated enrichment experiment (Table 5), in which antibody was enriched on fetal hepatocytes,
A dramatic 10 single round of these phage antibodies aboveFive-106Double enrichment
Indicated. The order of this enrichment ratio depends on the combination method using purified antibodies.
It is the upper limit of the folds reported for induced antibody enrichment, which is
How the experimentally targeted epitope is a very complex cell surface antigen
It is important if you think that it has not been purified.
The majority of cell surface-bound isolates found on a consistent cell source (HEL) were constructed.
It reflects the effectiveness and breadth of the libraries produced. Library construction and amplification
In addition to the efficacy of the method of the present invention for
Yielding a remarkable library of phage antibodies that can be enriched very rapidly in
Was. Such a result shows that p is highly specific for specific target cell types from different individuals.
Important for identifying habs. Most isolated without pre-adsorption
Fact that other phabs (even with tolerizing immunity) also recognize adult cells
This is particularly emphasized by In addition, fetal hepatocytes from independent fetuses
Enrichment at each step using
Remove antibody. In enrichment for pan-fetal specific antibodies
This added rigor underscores the effectiveness of the method of the present invention, and the three classes of bread
-Produced 13 different versions of fetal specific antibodies. In contrast, conventional ha
Using the same tolerization method with the ibridoma method yielded two IgGs of the same type
I was only asked.
IV.Example 3: Determination of affinity of H3-3 and FB3-2 antibodies.
Affinity of purified antibodies for Scatchard analysis
Decided. A significant excess of varying amounts of antibody at a constant temperature of 4 ° C with a fixed number of HEL cells
Incubation for 16 hours. After further washing, the bound antibody was adjusted to pH 2
Was eluted from HEL in and quantified by ELISA. About Scatchard analysis
Therefore, free antibody was assumed to be equal to the total number added. For bound / free antibody
From the negative slope of the straight line obtained from the plot of bound antibodies, the K of each antibodyaI got Everything
All points were performed in 3 systems and correlation coefficients for all reported slopes exceeded 90%.
I was
V.Example 4: Specificity of H3-3 and FB3-2 antibodies
Antibodies derived from hybridomas such as anti-CD71 and anti-EM are the subject antibodies.
For comparison, fetal cells and mothers of these antibodies were analyzed by analytical flow cytometry.
Reactivity with sex cells was tested (FACS efficacy assay). Briefly,
10000 cells per sample were stained with a fixed amount of FITC-conjugated pure antibody.
10,000 cells were analyzed for each sample. The results shown in Table 3 above are isotypes
− Confirmed by isotype-matched negative control-antibody
Percentage of cells where staining was found above established background fluorescence
Is shown as "% positive".
High specificity of H3-3 antibody against fetal hematopoietic cells as opposed to adult hematopoietic cells
Recognition of FACS and subsequent sorting of sorted cells
Further demonstrated by light in situ hybridization (FISH) analysis
. Briefly, 400 fetuses shown to be male by Y-PCR
Baby hepatocytes were added into 1 million adult PBMCs. Then add the spiked sample
G
(Hoescht) -stained with DNA dye and 1 μg of FITC-conjugated H3-3 antibody
. Sort nucleated cells (cells positive for Hest) for H3-3 positives
Mounted on glass slides and analyzed by FISH for the presence of male cells
did. Cy3 detected male (Y) probe; female (X) probe on FITC
Detected more. The results are summarized below: Initial purity of fetal cells = 0.04%; adult
Background staining of cells = 0.05%; recovered fetal (male) cells = 30
1; Purity of fetal cells sorted for H3-3 = 36.4%.
All references and publications cited above are incorporated herein by reference.
Be considered.
Equivalent
Those of ordinary skill in the art will appreciate that certain methods described herein may be used without undue experimentation.
And many equivalents to reagents will be recognized or identified. Take
Equivalents are considered to be within the scope of this invention and are covered by the following claims.
.
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
//(C12N 1/21
C12R 1:19)
(C12P 21/08
C12R 1:19)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AU,CA,JP
(72)発明者 ヒルハウス,デーナ
アメリカ合衆国01915マサチューセッツ州
ビバリー、ホイットニー・アベニュー33
番、トップ・フロアー
(72)発明者 ジョンソン,トレーシー
アメリカ合衆02173マサチューセッツ州
レキシントン、コンコード・アベニュー
136番─────────────────────────────────────────────────── ─── Continuation of front page (51) Int.Cl. 6 Identification code Internal reference number FI // (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/08 C12R 1:19) (81) Designated country EP (AT, BE, CH, DE, DK, ES, FR, GB, GR, IE, IT, LU, MC, NL, PT, SE), AU, CA, JP (72) Inventor Hill House, Dana United States 01915 33, Whitney Avenue, Beverly, Massachusetts, Top Floor (72) Inventor Johnson, Tracy United States 02173 Concord Avenue 136, Lexington, Massachusetts