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電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

画像処理ツール Gimp の新バージョンが出ていました。

2008年04月30日 06時00分36秒 | コンピュータ
単身赴任先のアパートに置いた旧型デスクトップを、少しでも使いやすくしようと、いろいろなツールをダウンロードしておりますが、その中で嬉しかったことが一つ。グラフィック・エディタの Gimp がバージョンアップして、だいぶ便利になっておりました。

当方、1999年のアスキー誌8月号付録のCD-ROMで VineLinux1.1 を導入し、愛用しておりましたが、Gimp を意識して使うようになったのは、「日経Linux」誌の2000年1月号に「画像処理ソフトGimp入門」というカラーの特集が掲載されてからです。VineLinux に含まれていた Gimp で、写真のサイズ変更や部分カット、あるいは陰付き処理やロゴ作成など、細かな作業に欠かせないツールとして愛用しました。当時のバージョンは、たしか Gimp 1.0 だったと思います。

その後、Windows 機の更新につれて、画像処理ソフトのバージョンアップに追従したり、ライセンスを追加したりするのが面倒になり、Windows でも通常用途には Gimp を主体にするようになりました。ただ、これまでメインに使っていた Gimp1.2 系では、Script-Fu やフォントまわりなど、本体とは別に順番にインストールする必要があり、慣れない人にとっては、けっこう面倒な面がありました。今回、試しに最新の Gimp2.4.5 を install してみたら、zip ファイルを一個導入するだけでよく、面倒さはぐっと減っていました。これはありがたいことです。

試しに、陰付き処理をしてみます。



ごらんのとおり、近ごろでは珍しくもない小技ですが、しゃれた雰囲気を出す効果はあります。

(*1):Wikipedia より、「Gimp」のページ
(*2):Gimp2を使おう~日本語版最新バージョンをダウンロード
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高橋克彦『火怨~北の耀星アテルイ~(下)』を読む

2008年04月29日 07時06分33秒 | 読書
講談社文庫の高橋克彦著『火怨~北の耀星アテルイ~(下)』を読みました。古代東北の英雄物語、当面の戦いに勝利したアテルイらは、物部氏の天鈴の導きにより、ひそかに都に上り、坂上田村麻呂と対面します。互いに尊敬できる好敵手と認め合い、船で陸奥に戻りますが、そこでは蝦夷の団結に乱れが見られました。東日流(つがる)の赤頭の日和見主義が一定の影響力を持っていたのです。しかし、アテルイらが東日流(つがる)に乗り込み、毅然と対応して蝦夷の内部分裂は回避されます。

そしてついに坂上田村麻呂が征東副将軍に任ぜられ、十万の兵とともに陸奥にやってきます。蝦夷の軍は一万五千。平原で戦えば勝ち目はありません。蝦夷軍の軍師である母礼は策をめぐらし、山中に多くの砦を築きます。一方、田村麻呂はそれまでの朝廷軍の失敗を詳細に分析し、一年かけて地形や天候を調べます。ついに始まる戦いとその結果については、実際に読んでみてのお楽しみと言うことで省略しますが、なるほど、そうきたか、という感じでありました。古代東北の英雄物語、ゲリラ戦の顛末は悲劇的な色彩を帯びながら、鎮魂の最後を迎えます。



裏岩手連峰の縦走を機に接して30数年、偶然に知ったアテルイ伝説の詳細は、じゅうぶんに満足できるものでした。

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連休の始まりに聴いた音楽など

2008年04月28日 08時04分22秒 | クラシック音楽
ゴールデンウィークが始まり、昨日は早起きして桃の花摘みと、大型ダンプが引っ掛けて壊して行った板塀の屋根の修繕、老父の軽自動車等のタイヤ交換と大忙しです。単身赴任をしていると、こうした日常の男手の要る仕事がたまっております。



午前中には、入院中の老父の経過と今後について、主治医の説明がありました。腸閉塞で一ヶ月も食事が取れずだいぶ衰弱しましたが、手術後の経過は良好で、食事が摂れるようになりました。ありがたいことです。今後は在宅での化学療法が主体になるとのこと、この月末には退院できる見通しです。本人も老母も一時は覚悟を決めただけに、主治医の先生に余命をいただいたと感謝し安堵しております。

そんなわけで、午後からはゆっくり音楽を聴きました。アルゲリッチのピアノで、シューマンの「幻想小曲集」、カラヤンとベルリン・フィルによるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」(1985年のデジタル録音)、もう一枚はオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団によるレスピーギの「ローマの松、ローマの泉、ローマの祭」三部作と、ゆったりと楽器の美しい音色を堪能できる演奏ばかり。CDを次々に取り替えて、久しぶりに満足しました。
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近ごろ聴いている音楽

2008年04月27日 06時13分14秒 | クラシック音楽
単身赴任先のアパートでは、まだ音楽を聴く環境が整っておりません。パソコンに接続した小型のスピーカと携帯CDプレーヤーだけです。イヤホンで聴けば、どんなCDでも聴くことができますし、小型とはいえ一応スピーカから音を出すことはできます。でも、数日間の出張ならいざしらず、毎日のこととなると、やはり不満が出てきます。リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」を、パソコン用の小型スピーカで、はたして満足できるか?とても無理です。音楽は、音の楽しみなのだとつくづく思います。高音から低音まで、バランス良く鳴ってくれるようでないと、特にオーケストラ作品などは、楽しめません。

そんなわけで、「シェエラザード」はもっぱら通勤の車中で聴いております。桜の花吹雪と新緑の芽吹きの中の郊外路を、信号も少なくほとんどノンストップで走る快適さは、「シェエラザード」の音楽とともに、また格別です。演奏は、以前も記事にした、オスカー・ダノン指揮のチェコ・フィルハーモニー管弦楽団。車専用に、某中古書店で確信犯的にダブり買いをしたCDです。

アパートでは、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを聴いております。ヨセフ・スークとヤン・パネンカの演奏で、今は第9番と第10番を1枚に収録したCDです。このくらいの編成ですと、ピアノの低音に不満は残りますが、なんとか楽しむことができます。

週末に帰宅し、さて自室で何を聴こうかとCD棚を探すのも、楽しみです。今日は、アルゲリッチのシューマンでも聴きましょうか。
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カタクリの花を見つける

2008年04月26日 06時19分34秒 | 散歩外出ドライブ
単身赴任先にもしだいに慣れて来ました。近ごろは、時間を見つけて近隣の山裾を散歩しています。先日は、里山の入口に、カタクリの群落を見つけました。なんと、かわいらしいカタクリの花が点々と咲いています。思わず息をのみ、見とれました。すごいです。各地の里山の荒廃が伝えられますが、当地の里山はまだ生きています。
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高橋克彦『火怨~北の耀星アテルイ(上)』を読む

2008年04月25日 06時43分03秒 | 読書
学生時代に、八幡平から岩手山に至る裏岩手を縦走して、すっかり気に入り、関連資料を探したことがあります。大学の図書館に、山と渓谷社から出ていた文庫本サイズの解説書があり、その中に記載された伝説に心を引かれました。朝廷に従わない蝦夷の頭領とその妻の悲話です。最後に坂上田村麻呂に捕らえられるところは、なぜか印象的に記憶しています。

ずっとこの伝説が気になっておりました。そして、過日たまたま書店で手に取った講談社文庫『火怨』をぱらぱらとめくったところ、まさにこの物語でした!高橋克彦著の、「北の耀星アテルイ」という副題のついた、2000年吉川英治文学賞受賞作品だそうです。30年ぶりに知る、伝説の詳細です。

胆沢の蝦夷の頭領の息子アテルイは、たんに剛勇なだけではなく、信望の厚い青年です。彼は、盟友のモレ(母礼)とともに、多賀城を根城に大仏建立のため陸奥の金を狙う朝廷の軍と幾度となく戦います。それは、同じ人間であることを認めない朝廷に対する、人間としての存在をかけた戦いでした。

上巻では、近隣の蝦夷を集め、蘇我氏と争って敗れた同族の物部氏と手を組み、朝廷軍に対抗できる軍事力を備えて、小黒麻呂や紀古佐美などが率いる大軍を打ち破ります。上巻では、蝦夷の騎馬軍団が成長する過程が描かれますので、上り調子の勢いが痛快です。

話し言葉がいわゆる近世の武家言葉であって、もちろん東北地方の蝦夷の言葉ではないのですが、まあ些細なことには目をつぶりましょう。なかなかスケールの大きな、古代東北の英雄伝説です。
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光岡知足『腸内細菌の話』を読む

2008年04月24日 06時15分14秒 | -ノンフィクション
昔はよく岩波新書を読みました。値段も安かったし、内容も碩学の自在な解説を聞く趣があって、面白かったものです。30年前には、たしか月に三冊ほどのペースで刊行されていましたので、年に10冊くらいは読んでいたのではないかと思います。
今回手にしたのは、1978年9月の新刊で、光岡知足著『腸内細菌の話』、岩波新書の黄版です。同年10月初旬に購入したとメモがありますので、本当に購入後30年ぶりに読んだことになります。

メチニコフが「ヨーグルトの不老長寿効果」を説きましたが、ヨーグルトの乳酸菌は腸内で死滅することが実証されており、いわゆるヨーグルト信仰は怪しいことは知っておりました。しかし、ビールを飲みすぎたときや、風邪で抗生物質を連用したときなど、自家製ヨーグルトの整腸作用でしのいできており、不老長寿とまではいかなくても、ヨーグルトの効用は自分の体で知っています。では、その効用の裏づけは何か、腸内細菌の生態を知りたい、という雑学的な興味です。

I. 腸内細菌研究の流れ
II. 腸内細菌を培養する
III. 腸内細菌を分類する
IV. 腸内細菌の生態
(消化管のしくみと働き/腸内細菌の構成/腸内細菌のすみつきかた/腸内菌叢を変動させる要因)
V. 腸内細菌とからだ
(一つの仮説/腸内細菌と栄養/腸内細菌と免疫/腸内細菌の代謝と病気/下痢腸炎/長寿と腸内細菌)

細菌分類学・微生物生態学が専門の著者だけに、特定の菌のみのメカニズム論に陥らず、幅広い視野から眺めています。特に、IV. 腸内細菌の生態 と V. 腸内細菌とからだ の章が白眉でしょう。

個人的に面白かったのは、食事の欧米化とともに胃ガンから大腸ガンに移ってきたガンの主役の交代が、実は腸内菌叢の交代・変化と代謝との関わりで、その因果がとらえられることです。また、殺菌酸乳の投与によってさえ、マウスの延寿命効果が実証されることなど、乳酸菌の生死には関わらず、常在する腸内細菌へのヨーグルトの好ましい影響が認められることなど、たいへん興味深いものでした。

近頃は、タイトルだけが話題になるようなものが多く、こういう骨のある新書が少なくなっているような気がします。30年間には新たな知見も増えていることでしょうが、本書は学術的レベルが高い記述となっております。30年の時を超えて、「そうだったのか!」と知的な興奮を覚える好著でした。
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無印良品の蛍光ペン

2008年04月23日 06時28分17秒 | 手帳文具書斎
岩波新書『腸内細菌の話』が面白く、黄色の蛍光ペンで傍線を引きながら読んでいたら、たちまち一本を使い切ってしまいました。東京都内のコンビニで、無印良品の蛍光ペンを購入、1本84円と安価ですが、たくさん使うものですので、2本購入しました。蛍光染料の残量が見えるのはありがたいものです。

インドネシア製だそうですが、使ってみて違和感は感じません。色は各種ありますが、やはり黄色が一番です。三色ボールペンと組み合わせ、頁の余白に気づいたことを書き込んだり、黄色の傍線部の簡単な要約をつけたりしながら読むと、ずっとよく自分なりの理解ができるようです。

しかし、それにしてもJetstreamの3色ボールペン、書きやすさは抜群なのに、このデザインのチープさは、もう少しなんとかならないものでしょうか、ねぇ。
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マーラー「子供の不思議な角笛」を聴く

2008年04月22日 06時31分31秒 | -オーケストラ
最近、通勤の音楽として、マーラーの「子供の不思議な角笛」を繰り返して聴いておりました。また、先の週末の上京時には、電車の中でも携帯CDプレイヤーで楽しみました。演奏は、ジョージ・セル指揮ロンドン交響楽団、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Bar.)とエリザベート・シュワルツコップ(Sop.)が歌う、EMIの有名な録音で、LP時代から長く親しんできたものです。

第1曲「死んだ鼓手」。始まりのオーケストラの響きとリズムの的確さがすばらしく、またフィッシャー=ディースカウの明瞭な歌唱発音に感嘆します。
第2曲「うき世の暮らし」。シュワルツコップの母親が、と腹をすかせた子供に、「もうちょっと待っててね」"Warte nur! Warte nur!"と答えるときの、半音階的な弦の表情が絶妙です。
第3曲「無駄な骨折り」。眠い人にのどが渇いたと訴えても無駄だ、ということでしょうか。熱心に誘う娘と、いっこうに関心を示さない男の対照を、二人がユーモラスに歌います。
第4曲「ラインの伝説」。シュワルツコップの歌で。ラインに指輪を流す伝説や習慣があったのなら、R.シューマンの指から救助のどさくさで指輪をくすねた人がいてもおかしくない。
第5曲「少年鼓手」。脱走して処刑されようとする少年鼓手の別れの挨拶でしょうか。フィッシャー=ディースカウの歌唱は抑え気味ですが効果的で、オーケストラの沈痛な音楽もまた素晴らしい。
第6曲「歩哨の夜の歌」。戦場の現実の中で、男が幻想的な女の声を聞きます。フィッシャー=ディースカウの緊張感のある歌唱と、シュワルツコップの幻想的な歌声とが、シュールな対比。オーケストラも、シンバルやティンパニなどの鳴り物で、対比を強調します。
第7曲「この歌をひねり出したのはだれ?」。フィッシャー=ディースカウがユーモアをまじえて歌います。短い曲です。
第8曲「高遠なる知性のおほめの言葉」。カッコウとナイチンゲール(夜鶯)の「のどくらべ・歌くらべ」に審判をつとめる、調子はずれのロバの判定を、なんとシュワルツコップが歌います。なんともシニカルでユーモラスな歌です。
第9曲「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」。民謡風の旋律を、フィッシャー=ディースカウが歌います。お説教は心にしみるようですが、魚たちはやっぱり元のまま、という歌詞は皮肉ですが、見る眼はリアルです。
第10曲「塔の中の囚人の歌」。とらわれの囚人と、彼を慕う娘の歌。精神的自由のために囚われの身を嘆かない不屈の男と、いつも傍らにいたいと嘆く娘の心情とが、対比して歌われます。
第11曲「不幸の中の慰め」。どっちもどっちの男と女、軽騎兵と娘が、互いに幻滅して別れる場面を歌う、短い曲です。
第12曲「美しいトランペットが鳴り渡るところ」。戦場の緑の下に埋もれている戦死者の幻が、最愛の恋人のもとへ訪れます。美しく甘美ですが、間違いなく娘に対する死の誘惑です。シュワルツコップとフィッシャー=ディースカウの2人の抑制された歌声と、よく統御されたロンドン交響楽団の響きのバランスが、なんとも美しい最終曲です。

フィッシャー=ディースカウとシュワルツコップという名歌手2人の歌唱が抜群に素晴らしいうえに、オーケストラが、時に歌手に寄り添い、時に鋭いリズムと響きでコントラストを示しながら、あまりグロテスクにならずに踏みとどまって表現しているようです。ジョージ・セルの音楽の気品というものを感じます。

1969年3月、セル死去のおよそ1年と少し前、ロンドンのキングズウェイ・ホールで録音されています。プロデューサーはウォルター・レッグ。シュワルツコップの夫君です。こういう優れた演奏が録音として残されたことに、心から感謝したいと思います。

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レコードやCDのカタログのこと

2008年04月21日 06時31分35秒 | クラシック音楽
古いレコードやCDのカタログの中には、ずいぶん立派なものがありました。当方も、何冊か今も保存しています。ネットの時代になり、クラシックCDのカタログもずいぶん少なくなりました。DENON のクレスト1000シリーズなどは、よほど力を入れて作っているほうではないでしょうか。



紙のカタログのよいところは、ぱらぱらとめくりながら、こんな録音もあったなと思い出してはCDを取り出して聴くのに便利なところです。ネットでは、ある演奏・録音について調べるには便利ですが、この「ふらりとわき道を散歩する」ような楽しさはありません。当時、高価で手が出なかった録音が、セットものになって安価に入手できたりする時代、古いレコードやCDのカタログを通じて昔の記憶にタイムスリップするような感覚は、なかなかいいものです。
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一人暮しになった老人を慰める

2008年04月20日 20時42分36秒 | Weblog
週末に上京し、妻の叔母が亡くなり一人暮しとなってしまった叔父を訪ねました。亡くなった叔母さんは私の方でも旧知の人でもあり、若い頃に結核にかかり、しばしば見舞いに来てくれた勤務先の同僚であった叔父さんと結婚した話は、まるで三浦綾子の小説のようです。叔母さんはその後心臓を患ったために子供も持たず、二人で寄り添うように暮らして来ただけに、叔母さんの急死でさぞや気落ちしているだとろうと、妻と二人で慰めに行ってきたところです。
マンションの部屋の一角に置かれた遺骨に手を合わせ、思い出話やら近況やらを話してきました。老父の闘病の様子などもたずねられ、ようやく食事が取れるようになったことを聞いて、喜んでおりました。一緒に食事をしながら昼間からビールを飲みましたが、格別にうまい味がいたしました。
別れ際に、「お元気で」と声をかけてきましたが、少しずつ生きる気力が戻って来たようだと話す姿に、ほっとしたところです。
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液晶ディスプレイを新調しデスクトップ・パソコンを再利用

2008年04月19日 06時52分21秒 | コンピュータ
単身赴任先で使っているB5サイズの小型ノートパソコンは、本来はプレゼン用のもので、日常的に使うには、画面サイズやキーボード入力など、やや不便です。今や、ニュースも音楽もパソコンに頼っているのが実情ですので、なんとか早急に改善したいものだと思っておりました。まずは目を大切に、17インチの液晶ディスプレイを新調することに。近くの量販店で探してみたところ、幸いに手ごろなものが見つかり、さっそく購入しました。iiyama の ProLite E1705V という機種で、28,800円でした。一時の15インチCRTと似たようなお値段に、思わずびっくりしました。17インチ・ディスプレイとはいうものの、マット仕上げ(ノングレア)の made in china の製品。自宅でメインに使っている、光沢仕上げの三菱のディスプレイと比較して、細かなところで違いはありますが、単身赴任先での当面の用途には、画質等に文句はありません。

続いて、自宅から持参したデスクトップ型パソコンをセット。これは、だいぶ前に使っていた、2000年頃の省スペース型のもので、NEC Valuestar NX といい、PentiumIII(たしか650MHz?)に128MBのメモリ、8GBだかのHD容量のものです。

これに、やはり自宅で眠っていた単品の Windows2000Professional(SP3) をインストール。Windows Update で SP4 相当に更新し、InternetExplorer6 も SP1 にします。さらに、当時の MicrosoftOffice2000Professional をフルインストール。ウィルス対策ソフトとして、AVG を導入。一応、サポートの切れた Windows2000 環境としては最新になったと思います。やれやれ、ここまでに何回再起動させられたことか!

これから、おもむろにブラウザの Firefox とメールソフトの Thunderbird をインストールする予定。あとは、一般ユーザーを作って、ふだんはこちらの一般ユーザーで作業します。



ノートパソコンと比較すると、画面の広さ、キーボードの角度と打ちやすさ、スクロール・マウスの使いやすさなど、だんぜん上です。また、キーボードをディスプレイの下部に格納すると、手元が広々と使えるのもうれしいものです。

今日と明日は、親戚の法事と息子の様子を見るために上京します。残念ながら、山響定期は聴けませんので、チケットは娘にあげました。良い演奏会になることを祈ります。
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藤沢周平『霜の朝』を読む

2008年04月18日 06時32分40秒 | -藤沢周平
新潮文庫で、藤沢周平の『霜の朝』を読みました。全部で11の短編を集めた作品集で、昭和56年に、蒼樹社から刊行されたものの文庫化ということです。

第1話「報復」、たいへん印象的な作品です。仲睦まじく理想的な武家夫婦を敬愛していた下男の松平が、理不尽にも主を諫死させた上に家名存続を餌に未亡人を我が物にした次席家老に報復します。下男は下男のやり方で、とされていますが、斧に込められた渾身の力が、見事な描写です。
第2話「泣く母」、年長にもかかわらず家格が上の新入りを嫉視する同門の男に対し、異父弟にかわり真剣で立ち合う兄。母が自分を産み落として家を去らなければならなかった事情を知り、母を再び泣かせてはならないと考えます。幕切れの母の涙の甘さが感じ取れます。
第3話「くしゃみ」、漢字では難しい字ですが、クシャミです。奇癖譚の部類でしょう。小太刀を使う細君との見合いの場面はユーモラスですが好ましいものです。
第4話「密告」、職業的密告者である磯六の不気味さの描写が秀逸です。
第5話「おとくの神」、信頼の源泉であった思い出の土人形を壊され、おとくは仙吉を見限ります。この怒りは深く、強いもの。ふだんおとなしい人を本気で怒らせてしまうと、本当に怖いものです。
第6話「虹の空」、人情ものですが、実の親と育ての親に対する特別な感情は、私にはあまりぴんと来ません。
第7話「禍福」、将来有望な手代から小間物の行商に身を落とし、不幸せだと思っていましたが、代わりに婿に入った長次郎の近況は、なんとも気の毒。禍福はわからないものです。
第8話「追われる男」、岡っ引きはやはり気づいていました。加勢を頼みに行っただけでした。おしんの心理描写が、簡潔で説得力があります。
第9話「怠け者」、生来の怠け者なのに、品のよい、大慈大悲の観音さまのようなおかみさんを裏切ることはできない。悪党たちに痛めつけられても、「いやだ。おれにゃ出来ねぇ」と断り続けます。ここにも、運命に抗う男の意地が出てきます。こういう場面を描くと、藤沢周平は本当にうまいです。
第10話「歳月」、対照的な姉妹の運命と、歳月がもたらした、意気地のない夫への情愛。
第11話、表題作「霜の朝」です。豪快に小判を撒く奈良茂に、「お金は、働いてもらいます」と言い切ったお里という若い娘と、相思で飛び立っていく有能な宗助の二人。残された者の空虚さが余韻となって残ります。



弱い立場の男が、運命に抗うお話を、藤沢周平はよく描きます。その中でも、「報復」は、この作家にしてはやや意外なほど、鮮烈な破壊のイメージです。内に秘めた激しさのあらわれかもしれません。
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音楽ブログの困りごと

2008年04月17日 06時20分27秒 | ブログ運営
音楽ブログの効用は、以前記事にしたことがあります(*)が、その反対に、音楽ブログを続けているがゆえの困りごとというものもあるのでしょうか。実は、当「電網郊外散歩道」を続ける際に、しばしば陥りやすい困りごとというのが、いくつかあります。

(1) まず、新しい曲や演奏を記事にすることに追われ、一度すでに記事にした、大好きな曲を、何度も聴くことが難しくなることがあります。セルとフルニエのドヴォルザークやR.シュトラウスなど、お気に入りの曲は、これまで何度もくり返し聴いてきました。新しい記事のために、お気に入りの音楽を聴くことができなくなるのは悲しい。本末転倒にならないように、記事のジャンルと頻度が、あまり音楽だけに偏らないよう、適度に分散させるようにしております。
(2) 色々な演奏や録音の情報が集まって来るために、興味にまかせて購入していると、CDの枚数がどんどん増殖していき、ますます聴く時間が減少してしまいます。お金にまかせた購入は控え、できるだけいきつけの店や出先で見つけるものを主体にするようにしております。
(3) コメントの質と量。多くの方に読んでいただけるのはありがたい限りですが、多過ぎるコメントへの対応は、プライベートな時間に食い込み、生活を破壊してしまいかねません。明らかにスパムとわかるものは単純に削除すればすむ話ですが、誤解のないようにするには、文章もそれなりに考える必要あり。ほどほどにおさめるのがよろしいようです。

それにしても、海の向こうでは著明なブロガーの急死が相次いだり、国内でもドクターストップがかかったりしている(*2)のだそうで、たいへんだなぁと思います。ブログを職業としている人ならばともかく、当方のような素人音楽愛好家が、あまりブログにむきになってもしかたがないな、とも思います。趣味としてほどよく続けられれば、よしとすべきでしょう。

(*):音楽愛好家にとってのブログの効用~「電網郊外散歩道」
(*2):米国で著名ブロガー死亡相次ぐ 日本でも「ドクターストップ」発生~Yahoo!ニュースより
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単身赴任のアパートに開通したADSL回線の速度は

2008年04月16日 06時20分07秒 | コンピュータ
先日、単身赴任のアパートに、ADSL(1.5M)が開通し、ようやくインターネット接続が可能になりました。昭和の香りのする、築20年超のアパートは、まだマンションタイプの光回線は入っていなくて、しかも局から4~5kmも離れているとのこと、接続の安定性を重視し、あえて最低水準に近い選択としました。

先日届いたモデムに、自宅で光接続にする以前に使っていたルータを接続し、ノートパソコンで接続設定をすると、あっけなく開通。数日ぶりのネット環境に、ようやくひと安心です。

で、実際の回線速度はどうか。画像転送速度で測定した下りのデータです。

下り(ダウンロード)速度テスト結果
最高データ転送速度 1.13Mbps (142.41kB/sec)
平均データ転送速度 829.50kbps (103.68kB/sec)
転送データ容量 556.10kB (111.22kB×5回)
転送時間 5.538 秒
測定日時 2008年04月15日(火) 19時29分

ふむふむ、1.5MB とまではいきませんが、局からの距離を思えば、まずまずの値でしょう。
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