以下、実施の形態の一例を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、パチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、第1実施形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な第1表示手段としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを「特別図柄」と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを「特別図柄表示器(変動表示部)」と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態を「リーチ状態」という。)で行なわれる演出を「リーチ演出」という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左、右の図柄表示エリアで停止された図柄は、「リーチ形成図柄」、または、「リーチ図柄」と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出を「リーチ演出」という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化を「リーチ演出表示」という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチを「スーパーリーチ」という。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して「始動入賞口または始動口」ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、「保留表示」、または、「保留記憶表示」と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。この実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、遊技盤6と演出表示装置9との間に位置し、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置9の前方の位置)に移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、この実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として「高ベース状態」と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(「第1保留記憶」ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(「第2保留記憶」ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図10は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、保留変化態様決定用のSR2、変化演出の内容の決定用のSR3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図11は、図10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[保留変化演出]
次に、各種の演出について説明する。この実施の形態では、保留表示の表示態様を変化させることで、変化した保留表示の変動表示が開始される前にその保留表示の大当り期待度を示す保留変化演出が実行される。保留変化演出では、通常白色で表示されていた保留表示が青色、緑色、赤色のうちいずれかの色に変化する。大当り期待度は、白色<青色<緑色<赤色の順に高くなっている。
[保留変化演出の種類]
保留変化演出には、始動入賞が発生し保留表示が開始されるときや保留表示がシフトされるときに保留表示の色が変化する通常保留変化演出と、保留表示を変化させるための作用演出を実行した後に保留表示を変化させる作用演出による保留変化演出とが設けられている。
[作用演出]
作用演出では、保留表示の表示態様の変化に関わる示唆画像を当該保留表示の表示領域とは異なる領域に表示する。そして、作用演出では、その示唆画像を保留表示に作用させることにより保留表示の表示態様を変化させる。ここで作用させるとは、保留表示に対して何等かの影響を与えることであり、具体的な作用演出の例については、図12により説明する。また、示唆画像が表示されてから作用演出が実行されるまでには、所定期間が設けられている。そして、示唆画像が表示されてから作用演出が実行されるまでの期間において、示唆画像の表示態様が変化することがある。また、作用演出は、複数種類設けられている。この実施の形態では、第1パターン〜第3パターンの作用演出が設けられている。また、作用演出には、保留変化が起こらないガセ演出のパターンも設けられている。
図12は、作用演出を説明するための図である。図12(a)は、変動開始時の演出表示装置9の表示例を示す図である。図12(b),(d),(f)は、作用演出が実行されるときの示唆画像が表示された時点での演出表示装置9の表示例を示す図である。図12(c),(e),(g)は、それぞれ、第1パターン〜第3パターンの作用演出が実行されたときの演出表示装置9の表示例を示す図である。
図12(a)に示すように、左,中,右の演出図柄が変動表示中である状態が、3つの下向き矢印で示されている。また、図12(a)に示すように、演出表示装置9の表示領域において、3つの下向き矢印の下方には、第1保留記憶数と、第2保留記憶数との合計数を示す合算保留記憶表示部18cが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して表示してもよい。
また、合算保留記憶表示部18cでは、変動表示が開始される際に、最も古くから表示されている保留表示(最も左側の保留表示)が消去される。また、残りの保留表示は、左側に1つずつシフトされる。合算保留記憶表示部18cから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアAHAが演出表示装置9の表示領域における左下側の領域に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ表示AHとして表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
図12(a)の状態から、新たな始動入賞が発生し、その始動入賞が保留変化演出を伴う(保留変化をしないガセ演出を含む)ものであったとする。このような保留表示を以下ではターゲット保留THとして説明する。図12(b)に示すように、ターゲット保留THが発生して合算保留記憶表示部18cに表示されると、示唆画像としての第1キャラクタ画像91が表示される。第1キャラクタ画像91は、人型をしており右手に矢印で示す画像を持った態様で表示される。
図12(b)の状態から、ターゲット保留THの変動表示が開始される1つ手前の変動表示の実行中に、図12(c)に示す第1パターンの作用演出が実行される。第1パターンの作用演出では、最初に表示された第1キャラクタ画像91がターゲット保留THに向かって、持っていた矢印画像を投げる演出が実行される。しかしながら、図12(c)に示すように、矢印画像は、ターゲット保留THまで届かずターゲット保留THに作用しないまま途中で失速する。このように、作用演出が実行されるが、実際は保留変化が起こらないガセの第1パターンの作用演出が、図12(b),(c)に示されている。
また、図12(a)の状態から、図12(d)に示すように、ターゲット保留THが発生して合算保留記憶表示部18cに表示されると示唆画像としての第2キャラクタ画像92が表示される。第2キャラクタ画像92は、人型をしており右手に矢印で示す画像を持った態様で表示され、第1キャラクタ画像91とは、たとえば、色が異なっている。
図12(d)の状態から、ターゲット保留THの変動表示が開始される1つ手前の変動表示の実行中に、図12(e)に示す第2パターンの作用演出が実行される。第2パターンの作用演出では、最初に表示された第2キャラクタ画像92がターゲット保留THに向かって、持っていた矢印画像を投げる演出が実行される。図12(e)に示すように、矢印画像は、ターゲット保留THに刺さることにより保留表示に対して作用し、ターゲット保留THの表示態様が通常の白色(図中の白丸)から大当り期待度の高い赤色(図中の黒丸)へと変化する。ターゲット保留THの表示態様が変化することで、当該保留表示が大当りとなることに期待を持たせることができる。
また、図12(a)の状態から、図12(f)に示すように、ターゲット保留THが発生して合算保留記憶表示部18cに表示されると示唆画像としての第1キャラクタ画像91が表示される。
図12(f)の状態から、ターゲット保留THの変動表示が開始される1つ手前の変動表示の実行中に、図12(g)に示す第3パターンの作用演出が実行される。第3パターンの作用演出では、最初に表示された第1キャラクタ画像91が矢印画像を投げる演出が実行されるまでの所定期間において、第1キャラクタ画像91から第2キャラクタ画像92へとキャラクタ画像が変化する。具体的には、ターゲット保留THの変動表示が開始される1つ手前の変動表示の実行中に、第1キャラクタ画像91から第2キャラクタ画像92へとキャラクタ画像が変化する。そして、第2キャラクタ画像92がターゲット保留THに向かって、持っていた矢印画像を投げる演出が実行される。図12(g)に示すように、矢印画像は、ターゲット保留THに刺さることにより保留表示に対して作用し、ターゲット保留THの表示態様が通常の白色(図中の白丸)から大当り期待度の高い赤色(図中の黒丸)へと変化する。
上述した作用演出の設定例について以下に説明する。図13は、保留変化態様決定テーブルを示す図である。保留変化態様決定テーブルでは、保留変化を行なうか否か、および、保留変化を行なうときには、保留表示の表示態様を青色、緑色、赤色のいずれにするかが決定される。保留変化態様決定テーブルには、図13(A)の大当り時保留変化態様決定テーブルと、図13(B)のはずれ時保留変化態様決定テーブルとが含まれている。これら各保留変化態様決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図13(A)の大当り時保留変化態様決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすると決定されたときに用いられる。図13(B)のはずれ時保留変化態様決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすると決定されたときに用いられる。
図13(A),(B)の各保留変化態様決定テーブルでは、保留変化態様決定用の乱数SR2(0〜110の数値範囲)の合計110個の数値が、変化なし(白色)の決定と、青色の決定と、緑色の決定と、赤色の決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
図13(A)の大当り時保留変化態様決定テーブルでは、保留態様決定用の乱数SR2の値によって、「変化ない(白)<青<緑<赤」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。また、図13(B)のはずれ時保留変化態様決定テーブルでは、保留態様決定用の乱数SR2の値によって、「変化ない(白)>青>緑>赤」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
図13に示すようなデータの設定により、大当り時には、はずれ時と比べて保留変化演出が実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、大当り時には、はずれ時と比べて「青<緑<赤」という大小関係となるように保留変化しやすい。よって、保留変化が実行された場合には、この順で大当り期待度が高い。
図14は、保留変化演出決定テーブルおよびガセ演出決定テーブルを示す図である。図14(A),(B)には大当り時とはずれ時とにおける保留変化演出決定テーブルが示されている。図14(C)には、ガセ演出決定テーブルが示されている。これらテーブルは、ROM102に記憶されている。
図14(A)の大当り時保留変化演出態決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすると決定されたときに用いられる。図14(B)のはずれ時保留変化演出決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすると決定されたときに用いられる。また、図14(C)のガセ演出決定テーブルは、図13(B)において保留変化なしと決定された場合に、ガセ演出を実行するか否か、および、ガセ演出を実行する場合にはその内容を決定するときに用いられる。
図14(A),(B)の各保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出の内容決定用の乱数SR3(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が、通常保留変化演出の決定と、第1パターン作用演出の決定と、第2パターン作用演出の決定と、第3パターン作用演出の決定とに割振られている。また、図14(C)のガセ演出決定テーブルでは、ガセ演出の内容決定用の乱数SR3(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が、ガセ演出なしの決定と、ガセの第1パターン作用演出の決定と、ガセの第2パターン作用演出の決定と、ガセの第3パターン作用演出の決定とに割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
図14(A)の大当り時保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出決定用の乱数SR3の値によって、「通常保留変化演出<第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。また、図13(B)のはずれ時保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出決定用の乱数SR3の値によって、「通常保留変化演出>第1パターン作用演出>第2パターン作用演出>第3パターン作用演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
また、図14(C)のガセ演出決定テーブルでは、ガセ演出決定用の乱数SR3の値によって、「ガセ演出なし<第1パターン作用演出(ガセ)<第2パターン作用演出(ガセ)<第3パターン作用演出(ガセ)」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
図14(A),(B)に示すようなデータの設定により、大当り時には、はずれ時と比べて通常保留変化演出よりも作用演出を伴う保留変化演出が実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、大当り時には、はずれ時と比べて「通常保留変化演出<第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出」という大小関係となるように保留変化演出の内容が決定されやすい。よって、保留変化演出が実行された場合には、この順で大当り期待度が高い。
また、図14(B),(C)に示すようなデータの設定により、はずれ時において第1パターン作用演出と、第2パターン作用演出と、第3パターン作用演出とは、第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出の割合で実行されやすい。また、第1パターン作用演出よりも第2パターン作用演出の方がガセ演出が実行されにくい。また、第1パターン作用演出よりも第3パターン作用演出の方がガセ演出が実行されにくい。つまり、第1パターン作用演出よりも第2パターン作用演出が実行された方が、保留表示が変化しやすく、第1パターン作用演出よりも第3パターン作用演出が実行された方が、保留表示が変化しやすい。保留表示の変化は、第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出の順に変化する割合が高い。より具体的には、第1パターン作用演出では、30/(30+20)=約60%で保留表示が変化し、第2パターン作用演出では、20/(20+10)=約66%で保留表示が変化し、第3パターン作用演出では、10/(10+1)=約90%で保留表示が変化する。
図15は、演出実行タイミング決定テーブルを表形式で示す図である。演出実行タイミング決定テーブルは、保留変化演出等の各種演出の実行タイミングを決定するためのテーブルである。各種演出には、図16において説明した通常保留変化演出、第1〜第3パターンの作用演出、第1〜第3パターンのガセ演出が含まれる。演出実行タイミング決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図15の演出タイミング決定テーブルは、合算保留数が1〜8の場合における各種演出の実行タイミングを示している。この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cに表示される保留記憶(保留情報)のうち最も左側の保留記憶から順番に消化されることにより、変動表示が順番に実行されていく。最も左側の保留記憶に基づく保留表示が消去されると、次の変動に基づく保留表示が最も左側へ表示される。このように、保留表示は所定のタイミングで次の保留表示の領域へ移動(シフト)する。そして、各種演出の実行タイミングは、保留表示がシフトした後に実行される変動表示中のタイミングである。よって、現在の合算保留記憶数と保留表示のシフト回数との関係により、各種演出が実行されるタイミングが決定される。図15のテーブルに示す数字は、各種演出を実行するタイミングがいずれのタイミングであるかを合算保留記憶数ごとにパーセントで示しており、「−」はこのタイミングでは各種演出が実行されないことを示している。
たとえば、合算保留記憶数が3個のときには、各種演出の実行タイミングは、保留表示が3から2へシフトする場合に30パーセント、保留表示が2から1へシフトする場合に70パーセントの実行割合で各種演出が行なわれる。なお、合算保留記憶数が2のときは、保留表示が2から1へシフトするときに100パーセントの実行割合で各種演出が実行される。図15に示すように、各種演出の実行タイミングは、ターゲットの変動表示開始から近いタイミングとなる程、実行される割合が高くなるように設定されている。なお、通常保留変化演出と作用演出とで、演出の実行タイミングを異ならせてもよい。また、大当り表示結果となるかはずれ表示結果となるかにより、各種演出の実行タイミングを異ならせてもよい。
図16は、先読み予告処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、RAM103に形成される演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドという4つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる。
先読み予告処理において、演出制御用CPU101は、まず、新たに受信したコマンドが最新のコマンドであるかを確認するために、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、合算保留記憶数指定コマンド、および変動種別コマンド(始動入賞時の変動パターン種別を指定するコマンド)の受信時であるか否かを判定する(S501)。これらのコマンドが、始動入賞時受信コマンドバッファの最新の領域(始動入賞時受信コマンドバッファの領域のうち、最も後に受信されたコマンド(最新のコマンド)を格納する領域)に無ければ処理を終了する(S501のN)。一方、これらのコマンドを受信したときであれば(S501のY)、変化演出制限フラグがセットされているか否かを判定する(S502)。変化演出制限フラグは、後述するS512の処理において設定されるフラグであり、ガセ演出も含めた保留表示を変化させることに関連する演出が実行されている場合には、それ以降に新たに始動入賞が発生した場合であっても変化演出の実行を制限するためのフラグである。変化演出制限フラグがセットされているときは処理を終了する(S502のY)。
変化演出制限フラグがセットされていないときは(S502のN)、現在の保留記憶数の合計数が2以上であるか否かを判定する(S503)。現在の保留記憶数の合計数が2以上であるか否かは、合算保留記憶数指定コマンドの値により判定する。現在の保留記憶数の合計数が2以上でなければ処理を終了する(S503のN)。この実施の形態では、現在実行されている変動表示の次の変動表示の開始以降(開始時)に、各種の演出が実行されるので、保留記憶数の合計数が2以上であることが必要である。なお、保留記憶数の合計数が1個のときに実行される1回の変動表示期間だけではなく、時短状態に制御されている場合など、変動時間が短縮しているときは、各種の演出を実行する時間が十分に取れないおそれがあるため、保留記憶数の合計数が2以上であることにより各種の演出を実行する時間を確保することができる。しかしながら、変動時間が長い場合には、保留記憶数の合計数が2未満であっても各種の演出を実行するようにしてもよい。
現在の保留記憶数の合計数が2以上の場合は(S503のY)、新たな保留記憶がリーチの変動パターン種別であるか否かを判定する(S504)。新たな保留記憶がリーチの変動パターン種別であるか否かは、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された変動種別コマンドに基づいて判定する。具体的には、たとえば、図6(b)に示すランダム2の数値範囲が180〜251の範囲内の変動パターン種別に基づく変動種別コマンドであれば、リーチと判定する。新たな保留記憶がリーチの変動パターン種別でない場合は、処理を終了する(S504のN)。新たな保留記憶がリーチの変動パターン種別である場合は(S504のY)、新たな保留記憶が大当りであるか否かを判定する(S505)。新たな保留記憶が大当りであるか否かは、変動種別コマンドや図柄指定コマンドに基づいて判定する。
S505において、新たな保留記憶が大当りと判定された場合には(S505のY)、SR2を抽出し、図13(A)に示す大当り時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様を決定し(S506)、S507の処理へ移行する。
S507では、S506で決定された保留変化の態様が保留変化するか否かを判定する。保留変化の態様として保留変化しないと決定されたときは処理を終了する(S507のN)。一方、保留変化すると決定されたときは(S507のY)、図14(A)に示す大当り時保留変化演出決定テーブルにより、保留変化演出の内容を決定し(S508)、S509の処理へ移行する。
S505において、新たな保留記憶が大当りではないと判定された場合には(S505のN)、SR2を抽出し、図13(B)に示すはずれ時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様を決定し(S514)、S515の処理へ移行する。
S515では、S514で決定された保留変化の態様が保留変化するか否かを判定する(S515)。保留変化の態様として保留変化すると決定されたときは(S515のY)、図14(B)に示すはずれ時保留変化演出決定テーブルにより、保留変化演出の内容を決定し(S516)、S509の処理へ移行する。
S509では、S508またはS516で決定された演出が作用演出であったか否かを判定する(S509)。作用演出を実行する場合は(S509のY)、示唆画像としてのキャラクタ画像を表示し(S510)する。次いでS511の処理へ移行する。一方、作用演出を実行しない場合は(S509のN)、通常保留変化演出が実行されるので、S510の処理を実行せずに、S511の処理へ移行する。S511においては、変化演出制限フラグをセットし、S512の処理へ移行する。変化演出制限フラグは、演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。
S512では、図15に示す演出実行タイミング決定テーブルにより、各種演出の実行タイミングを決定し(S512)、決定された内容をRAM103に設けられた記憶領域(演出制御バッファ設定部)に保存し(S513)、処理を終了する。
また、S515において、S514で決定された保留変化の態様が保留変化しないと決定されていた場合は(S515のN)、図14(C)に示すガセ演出決定テーブルにより、ガセ演出の内容を決定する(S517)。次いで、作用演出(ガセ)を実行するか否かを判定する(S518)。作用演出(ガセ)を実行する場合は(S518のY)、S510の処理へ移行する。一方、S518において、作用演出(ガセ)を実行しない場合は(S518のN)、処理を終了する。
図16のS502において変化演出制限フラグがセットされている場合には、以降の処理を実行しないように制御される。このようにすれば、示唆画像としてのキャラクタ画像を用いた作用演出に対する注目度を高めることができる。
また、図16のS510,S512に示すように、キャラクタ画像を表示してから図15の演出実行タイミング決定テーブルにより、複数回の変動表示に亘る期間が作用演出の期間として決定される。このようにすれば、複数回の変動表示に亘る期間、遊技者を注目させることができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態を説明する。第2実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100により、保留記憶情報に基づいて保留表示とアクティブ表示とを実行し、対象となる保留記憶情報に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミング(たとえば、保留表示中とアクティブ表示中との複数のタイミング)のうちのいずれかのタイミングで保留等変化演出を実行させる場合において、変化対象の表示の種別が、通常表示態様とは異なる第1特定表示態様と第2特定表示態様とのいずれであるかに応じて、表示態様変化を実行するタイミングの選択割合が異なる例を説明する。ここで、保留等変化演出とは、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる演出のことである。また、保留等変化演出が実行される変動表示を保留等変化演出実行変動と呼ぶ場合がある。
第2実施形態においては、新たに保留記憶情報が発生したときに、保留表示およびアクティブ表示の画像として、所定表示態様と、第1特定表示態様と、第2特定表示態様との3つのうちいずれかの表示態様の画像が選択され、選択された画像が表示される。たとえば、所定表示態様としては一般的な「円形」の形状の表示態様、第1特定表示態様としては「文字」を用いたアイコン形状の表示態様(文字アイコンとも呼ぶ)、第2特定表示態様としては、「動物キャラクタ」よりなる「キャラクタ」を用いたアイコン形状の表示態様(「キャラクタアイコン」とも呼ぶ)である。
第2実施形態では、新たに保留記憶情報が発生したときに、所定の保留表示選択テーブルを用いて、出現させる保留表示として、通常表示態様の画像と、第1特定表示態様の画像と、第2特定表示態様の画像とのいずかが選択される。たとえば、第1特定表示態様、および、第2特定表示態様は、はずれとなるときよりも大当りとなるときに選択される割合が高く設定されている。
図17は、文字アイコン選択テーブルおよびキャラクタアイコン選択テーブルを示す図である。図17(A)に文字アイコン選択テーブルが示され、図17(B)にキャラクタアイコン選択テーブルが示されている。
第2実施形態では、通常表示態様の画像は、画像の色が選択可能であり、かつ、保留等変化演出により画像の色が変化可能である。そして、図17(A)のように、第1特定表示態様の画像は、複数種類の文字のうちから文字の種類が選択可能であり、かつ、保留等変化演出により文字の種類が変化可能である。また、図17(B)のように、第2特定表示態様の画像は、複数種類のキャラクタ数のうちからキャラクタ数の種類が選択可能であり、かつ、保留等変化演出によりキャラクタ数の種類が変化可能である。
出現させる保留表示として第1特定表示態様が選択されたときには、図17(A)に示すように、出現時表示に「小」という文字が示された文字アイコン(小表示)が表示された後、文字アイコンが、第1変化表示として「中」という文字が示された文字アイコン(中表示)、または、第2変化表示として「大」という文字が示された文字アイコン(大表示)に変化可能である。対応する保留記憶情報に基づく変動表示の結果が大当り表示結果となる期待度は、小表示<中表示<大表示という関係が設定されている。
第2実施形態については、所定表示態様としての円形状の保留表示およびアクティブ表示と、第1特定表示態様としての文字アイコン形状の保留表示およびアクティブ表示と、第2特定表示態様としてのキャラクタアイコン形状の保留表示およびアクティブ表示とを用いる例を示す。第1特定表示態様と第2特定表示態様とのいずれであるかに応じて、その特定表示態様の表示態様変化を実行させるタイミングの選択割合が異なる例を説明する。
第2実施形態において、アクティブ表示にのみ用いる文字アイコンは、所定表示態様の保留表示(円形状の保留表示)、第1特定表示態様の保留表示(文字アイコン形状の保留表示)、および、第2特定表示態様の保留表示(キャラクタアイコン形状の保留表示)のうちのいずれから変化可能なものとしてもよい。また、アクティブ表示にのみ用いる文字アイコンは、所定表示態様の保留表示(円形状の保留表示)、第1特定表示態様の保留表示(文字アイコン形状の保留表示)、および、第2特定表示態様の保留表示(キャラクタアイコン形状の保留表示)のうちのいずれか1つからのみ変化可能なものとしてもよい。また、アクティブ表示にのみ用いる文字アイコンは、所定表示態様の保留表示(円形状の保留表示)、第1特定表示態様の保留表示(文字アイコン形状の保留表示)、および、第2特定表示態様の保留表示(キャラクタアイコン形状の保留表示)のうちのいずれか2つ(たとえば、第1特定表示、第2特定表示態様)から変化可能なものとしてもよい。
出現させる保留表示として第2特定表示態様が選択されたときには、図17(B)に示すように、出現時表示に「1匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(1匹表示)が表示された後、キャラクタアイコンが、第1変化表示として「2匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(2匹表示)、または、第2変化表示として「3匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(3匹表示)に変化可能である。対応する保留記憶情報に基づく変動表示の結果が大当り表示結果となる期待度は、1匹表示<2匹表示<3匹表示という関係が設定されている。
図18は、保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、および、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理に用いられる各種データテーブルである。
図18(A)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図18(B)は、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いるキャラクタ保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図18(A),(B)では、保留表示中とアクティブ表示中という2種類の表示態様変化演出タイミングに、表示態様変化演出タイミング決定用の乱数値MR10が割振られている。
図18(A),(B)では、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。一方、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。これにより、表示態様変化演出の変化対象の表示種別(例えば、文字アイコン、キャラクタアイコンという表示種別)および表示態様変化のタイミング(例えば、保留表示中、アクティブ表示中というタイミング)に遊技者を注目させることができ、保留表示の態様を変化させる演出について遊技の興趣を向上させることができる。
また、文字アイコンの表示、および、キャラクタアイコンの表示については、後述する図18(E)〜(L)のように、表示態様変化演出実行後に、実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中とアクティブ表示中とで等しい。したがって、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高く、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示よりも表示態様変化演出が実行される割合が高いことに基づけば、保留表示が文字アイコン表示と、キャラクタアイコンの表示とのいずれで表示されるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なるので、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。これにより、アイコン形状で表示された保留表示の表示態様の変化とアクティブ表示の表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、表示態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
図18(C)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留変化演出種類選択テーブルである。文字アイコンによる保留表示が実行されるときの変化演出の種類としては、青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第1変化演出と、赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第2変化演出とが、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11の割振りにより選択可能に設けられている。
図18(D)は、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いるキャラクタ保留変化演出種類選択テーブルである。キャラクタアイコンによる保留表示が実行されるときの表示態様変化演出の種類としては、青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第3変化演出と、赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第4変化演出とが、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11の割振りにより選択可能に設けられている。
図18(E)〜(H)は、文字アイコンによる保留表示の変化演出について、図18(A)および図18(B)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。
保留表示中に第1変化演出が実行される決定がされたときには、図18(E)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第1変化演出が実行される決定がされたときには、図18(F)のテーブルが用いられる。保留表示中に第2変化演出が実行される決定がされたときには、図18(G)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第2変化演出が実行される決定がされたときには、図18(H)のテーブルが用いられる。保留表示中に第3変化演出が実行される決定がされたときには、図18(I)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第3変化演出が実行される決定がされたときには、図18(J)のテーブルが用いられる。保留表示中に第4変化演出が実行される決定がされたときには、図18(K)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第4変化演出が実行される決定がされたときには、図18(L)のテーブルが用いられる。
図18(E)〜(H)の変化選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて「変化なし」と「中」表示と「大」表示とに、変化態様選択用の乱数値MR12(0〜99)の100個が、異なる選択割合で割振られている。また、図18(I)〜(L)の変化選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて「変化なし」と「2匹」表示と「3匹」表示とに、変化態様選択用の乱数値MR12(0〜99)の100個が、異なる選択割合で割振られている。
図18(E)〜(H)において、「変化なし」は、文字アイコンが変化しない態様を示し、「中」表示は、文字アイコンが「中」という文字のアイコンに変化する態様を示し、「大」表示は、文字アイコンが「大」という文字のアイコンに変化することを示す。
図18(E)〜(H)では、変化選択用の乱数値MR12が、大当り表示結果となるときに「変化なし<中+大(変化あり)」、ハズレ表示結果となるときに「変化なし>中+大(変化あり)」という関係の選択割合で割振られている。また、図18(E)〜(H)では、大当り表示結果となるときに「中<大」、ハズレ表示結果となるときに「中>大」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、文字アイコンが変化したときは、文字アイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、文字アイコンが「大」に変化したときは、文字アイコンが「中」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
文字アイコン表示については、図18(A),(B)のように、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、アクティブ表示中に保留表示中と比べて、「中」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「大」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
図18(I)〜(L)は、キャラクタアイコンによる保留表示の表示態様変化演出について、図18(A)および図18(B)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。これら演出選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて、「変化なし」と「2匹」表示と「3匹」表示とに、変化選択用の乱数値MR12が、異なる選択割合で割振られている。
図18(I)〜(L)において、「変化なし」は、キャラクタアイコンが変化しない態様を示し、「2匹」表示は、キャラクタアイコンが「2匹」のアイコンに変化する態様を示し、「3匹」表示は、キャラクタが「3匹」のアイコンに変化することを示す。
図18(I)〜(L)では、大当り表示結果となるときに「2匹<3匹」、ハズレ表示結果となるときに「2匹>3匹」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、キャラクタアイコンが変化したときは、キャラクタアイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、キャラクタアイコンが「3匹」に変化したときは、キャラクタアイコンが「2匹」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
キャラクタアイコン表示については、図18(B),(C)のように、保留表示中にアクティブ表示中と比べてキャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、保留表示中にアクティブ表示中と比べて、「2匹」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「3匹」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、保留表示とアクティブ表示とついて、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図12(f),(g)に示すように、作用演出が実行されるまでに、第1キャラクタ画像91を表示し、第1キャラクタ画像91から第2キャラクタ画像92にキャラクタ画像の表示態様を変更可能である。このようにすれば、作用演出を実行する前の過程について、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図12(f),(g)に示すように、作用演出が実行されるまでに第1キャラクタ画像91を表示し、第1キャラクタ画像91から第2キャラクタ画像92にキャラクタ画像の表示態様を変更可能である。また、図14(A),(B)に示すように、大当り時には、はずれ時よりもキャラクタ画像の表示態様を変更する第3パターンが選択されやすくなっている。このようにすれば、作用演出を実行する前の過程について、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図16のS502において変化演出制限フラグがセットされている場合には、以降の処理を実行しないように制御される。このようにすれば、示唆画像としてのキャラクタ画像を用いた作用演出に対する注目度を高めることができる。
(4) 図12(b),(c)に示すように、第1キャラクタ画像91を表示してから矢印を保留表示に刺す第1パターンと、図12(d),(e)に示すように、第2キャラクタ画像92を表示してから矢印を保留表示に刺す第2パターンと、図12(f),(g)に示すように、第1キャラクタ画像91を表示した後、第2キャラクタ画像92に変化させてから矢印を保留表示に刺す第3パターンとが設けられている。このようにすれば、複数のパターンが実行可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図14(B),(C)に示すように、第1パターンよりも第2パターンの方が変化演出が実行されやすく(ガセ演出が選択され難く)、第1パターンよりも第3パターンの方が変化演出が実行されやすい(ガセ演出が選択され難い)。このようにすれば、いずれのパターンが実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(6) 図16のS510,S512に示すように、キャラクタ画像を表示してから図15の演出実行タイミング決定テーブルにより、複数回の変動表示に亘る期間が作用演出の期間として決定される。このようにすれば、複数回の変動表示に亘る期間、遊技者を注目させることができる。
(7) 第2実施形態において、図18(A),(B)のように、文字アイコン形状表示態様は保留表示中に変化演出実行割合が高い。そして、図18(E)〜(L)のように、変化演出実行時に実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中と、アクティブ表示中とで等しい。したがって、文字アイコン形状表示態様と、動物キャラクタアイコン形状表示態様とのいずれであるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なり、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。このようにすれば、保留表示態様変化と変動対応表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、保留表示の態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、キャラクタ画像が表示されてから作用演出が実行されるまでの期間に応じて、保留表示が変化する期待度が異なるようにしてもよい。具体的には、キャラクタ画像が表示されてから、作用演出が実行されるまでの期間が長い程、保留表示が変化しやすいようにしてもよい。つまり、作用演出が実行されるまでの期間が長い程、ガセ演出が実行され難くしてもよい。このようにすれば、示唆画像としてのキャラクタ画像が表示されてから作用演出が実行されるまでの期間にも注目させることができる。また、逆にキャラクタ画像が表示されてから作用演出が実行されるまでの期間が短い程、保留表示が変化しやすいようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、作用演出が実行される第3パターンとして、示唆画像としてのキャラクタ画像が変化する場合を説明した。しかし、示唆画像が変化するのではなく、示唆画像の数が増加するようにしてもよい。具体的には、最初1人のキャラクタ画像が表示され、作用演出が実行されるまでに2人や3人とキャラクタ画像の数が増加するようにしてもよい。また、示唆画像が増加するタイミングにより、保留表示の変化期待度や大当り期待度が異なるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、保留表示を対象として、作用演出等が実行される場合を説明した。しかし、保留表示ではなく、アクティブ表示を対象として作用演出等が実行されるようにしてもよい。また、保留表示とアクティブ表示との両方において作用演出が実行されるようにしてもよい。また、保留表示の段階で示唆画像を表示し、当該保留表示がアクティブ表示にシフトした後に、作用演出が実行されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、通常保留変化演出は作用演出よりも大当り期待度が低いものとして説明した。しかしながら、通常保留変化演出の方が作用演出よりも大当り期待度が高くなるように設定してもよい。また、通常保留変化演出は、シフト時に保留表示の色が変化するものとして説明したが、キャラクタが保留表示に作用することで、保留表示の表示態様を変化させるものでもよい。
(5) 前述した実施の形態では、第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出の順に保留表示の変化する期待度が高いものについて説明した。しかし、保留表示の変化する期待度は、全てのパターンで同じでもよく、示唆画像としてのキャラクタ画像が変化しない方が、変化する場合に比べ変化期待度が高くなるように設定してもよい。
(6) 前述した実施の形態では、作用演出が擬似連の複数回の変動に跨る期間において実行されるものでもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。このような擬似連は、擬似連の再変動の回数(擬似連図柄が停止してから再度変動が行なわれる回数)が多い程、大当り期待度が高いものが一般的である。このような擬似連の再変動が実行されている所定期間に亘り示唆画像を表示することで、所定期間が長い程、作用演出を実行した際にアクティブ表示の表示態様の変化期待度が高くなるようにしてもよい。なお、擬似連演出において示唆画像を表示し、当該擬似連演出が実行されている際に表示されているアクティブ表示ではなく、保留表示に対して作用演出が実行されるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、作用演出が実行される際に表示される示唆画像としてのキャラクタ画像は、1段階のみ変化する場合を説明した。しかし、示唆画像は2段階、3段階と複数段階変化するようにしてもよい。また、変化する際は、一度に2段階変化してもよいし、1段階の変化が2回実行されるようしてもよい。また、1段階の変化よりも2段階以上の変化の方が、変化期待度が高くなるようにしてもよい。また、一度に2段階変化する方が、1段階の変化が2回実行されるよりも変化期待度が高くなるようにしてもよいし、その逆であってもよい。
(8) 前述した実施の形態では、作用演出により保留表示の表示態様が変化しない場合は、必ずはずれ表示結果となる例を説明した。しかし、作用演出が実行され保留表示に矢が刺さらない演出が実行された場合であっても、大当り表示結果となる場合があってもよい。たとえば、作用演出が実行された際に保留表示に矢が刺さらない演出が実行された場合であっても、対象となる保留表示の変動が開始された後にリーチとなった場合には、大当り表示結果となる期待度が高くなるようにしてもよい。また、この場合の大当り期待度は、作用演出が実行されて保留表示の表示態様が変化する場合よりも高くしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、示唆画像の変化タイミングが複数種類設けられていてもよい。また、示唆画像の変化タイミングにより、保留表示の変化期待度が異なるようにしてもよい。具体的には、示唆画像が表示されてから示唆画像が変化するまでの期間が長い程、保留表示の変化期待度が高くなるようにしてもよい。また、示唆画像が表示されてから示唆画像が変化するまでの期間が短い程、保留表示の変化期待度が高くなるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、示唆画像の種類によって作用演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、示唆画像としてのキャラクタ画像として第1のキャラクタ画像が表示されるときには、第1のキャラクタ画像が持つ矢印は細い矢印の態様で表示され、第2のキャラクタ画像が表示されるときには、第2のキャラクタ画像が持つ矢印は、第1のキャラクタ画像が持つ矢印よりも太い矢印の態様で表示されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、示唆画像と作用演出との組合せの種類を複数種類設けてもよい。そして、示唆画像と作用演出との組合せの種類により、保留表示やアクティブ表示が変化する期待度、保留表示やアクティブ表示の変化が成功した場合の大当り期待度を異ならせてもよい。
(12) 前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへの制御を示す演出として前述した各種演出を実行するようにしてもよい。たとえば、AT等に当選した契機(はずれの場合のガセ演出も含む)で保留表示やアクティブ表示を表示し、当該保留表示やアクティブ表示に対して前述したような作用演出が実行されるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(17) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(18) この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(19) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(20) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(21) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901等)であって、
変動表示についての特定表示(保留表示、アクティブ表示等)を表示可能な特定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図10のS707の処理等)と、
前記特定表示の表示態様の変化に関わる示唆画像(第1キャラクタ画像91,第2キャラクタ画像92等)を当該特定表示の表示領域(図12の合算保留記憶表示部18c等)とは異なる領域(図12に示す演出表示装置9の右下の領域等)に表示可能な示唆画像表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
前記示唆画像を前記特定表示に作用させることにより前記特定表示の表示態様を変化させる作用演出(図12(c),(e),(g)に示すように、矢印を保留表示に刺す演出等)を実行可能な作用演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
電気部品(例えば、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、
前記制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)とを備え、
前記出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図32(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図32(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能であり(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図31参照))、
当該出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられており(例えば、図25に示すように、発光体制御基板9016C上に複数の発光体ドライバが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板9016C上の発光体ドライバ間で順次伝送される)、
前記出力手段は、前記第2出力状態に設定されており(例えば、図35に示すように、発光体制御基板9016C上に搭載された発光体ドライバ90411ではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)、
前記示唆画像表示手段は、前記示唆画像を表示してから前記作用演出が実行されるまでの期間において、前記示唆画像の表示態様を変更可能である(図12(f),(g)に示すように、作用演出が実行されるまでに第1キャラクタ画像91を表示してから第2キャラクタ画像92にキャラクタ画像の表示態様を変更可能等)ことを特徴とする遊技機が挙げられる。
本発明の遊技機としては、さらに、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901等)であって、
変動表示についての特定表示(保留表示、アクティブ表示等)を表示可能な特定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図10のS707の処理等)と、
前記特定表示の表示態様の変化に関わる示唆画像(第1キャラクタ画像91,第2キャラクタ画像92等)を当該特定表示の表示領域(図12の合算保留記憶表示部18c等)とは異なる領域(図12に示す演出表示装置9の右下の領域等)に表示可能な示唆画像表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
前記示唆画像を前記特定表示に作用させることにより前記特定表示の表示態様を変化させる作用演出(図12(c),(e),(g)に示すように、矢印を保留表示に刺す演出等)を実行可能な作用演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
電気部品(例えば、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、
前記制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)とを備え、
前記出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図32(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図32(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能であり(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図31参照))、
当該出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブル、ワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられており(例えば、図29(2)に示すように、発光体ドライバ90413a〜90413cはそれぞれ異なる発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板9016D〜9016Fに搭載された発光体ドライバ90413a〜90413c間で順次伝送される)、
前記出力手段は、前記第1出力状態に設定されており(例えば、図37に示すように、発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載された発光体ドライバ90413a〜90413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)、
前記示唆画像表示手段は、前記示唆画像を表示してから前記作用演出が実行されるまでの期間において、前記示唆画像の表示態様を変更可能である(図12(f),(g)に示すように、作用演出が実行されるまでに第1キャラクタ画像91を表示してから第2キャラクタ画像92にキャラクタ画像の表示態様を変更可能等)ことを特徴とする遊技機が挙げられる。
これらの遊技機によれば、作用演出を実行する前の過程について、遊技の興趣を向上させることができる。また、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。また、遊技中にノイズに起因して意図しない演出が発生すると遊技者が違和感や不信感を感じることがあるが、上記遊技機は制御信号のノイズ耐性が高いので意図しない演出の発生を高いレベルで抑制できる。このことは、遊技機の信頼性につながる。特に、作用演出については、表示態様の変化により、遊技者の期待感を煽ったり、遊技者の注意を引きつけるところ、このような演出で意図しない表示が発生することを高度に抑制できるので、演出についての興趣を向上できるという効果をより得ることができる。
さらに、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる遊技機の例として、以下の(a)と(b)の遊技機が挙げられる。
(a) 電気部品(例えば、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、
前記制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)とを備え、
前記出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図32(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図32(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能であり(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図31参照))、
当該出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられており(例えば、図25に示すように、発光体制御基板9016C上に複数の発光体ドライバが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板9016C上の発光体ドライバ間で順次伝送される)、
前記出力手段は、第2出力状態に設定されている(例えば、図35に示すように、発光体制御基板9016C上に搭載された発光体ドライバ90411ではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)ことを特徴とする遊技機。
(b) 電気部品(例えば、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、
前記制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)とを備え、
前記出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図32(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図32(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能であり(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図31参照))、
当該出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブル、ワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられており(例えば、図29(2)に示すように、発光体ドライバ90413a〜90413cはそれぞれ異なる発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板9016D〜9016Fに搭載された発光体ドライバ90413a〜90413c間で順次伝送される)、
前記出力手段は、第1出力状態に設定されている(例えば、図37に示すように、発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載された発光体ドライバ90413a〜90413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)ことを特徴とする遊技機。
以下に、これらの遊技機の形態例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図19は、この形態例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。なお、図19では、後述する演出可動機構9050を破線で示している。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図19に示す例では、遊技領域の右下側)には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、メイン画像表示装置905MAが設けられている。メイン画像表示装置905MAは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。メイン画像表示装置905MAの画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、メイン画像表示装置905MAの表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、それぞれに対応した飾り図柄が可変表示される。この場合、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、メイン画像表示装置905MAの画面上では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、「仮停止表示」ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い短停止時間が経過するまでの期間にて、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
なお、飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されず、特図ゲームにおける特別図柄の変動と対応して、画像表示装置905(メイン画像表示装置905MAや後述のサブ画像表示装置905SU等)の画面上に任意の演出画像を表示可能としたものであればよい。例えばメイン画像表示装置905MAの画面上では、ストーリー性をもつ演出画像の表示により、特別図柄の可変表示結果などに応じたストーリーの結果を表示するような演出を実行可能にしてもよい。演出画像の表示による演出として、例えばプロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出が行われてもよい。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、試合やバトルに敗北する演出を行う。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、試合やバトルに勝利する演出を行う。あるいは、例えばメイン画像表示装置905MAの画面上では、特定の表示部位における表示色の変更表示と停止表示とを繰り返す。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、所定の表示色(例えば白色)で停止表示した状態を維持すること、あるいは所定の表示色を非表示とした状態で維持することで、飾り図柄を導出表示する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、所定の表示色とは異なる表示色(例えば赤色)で停止表示した状態を維持することで、飾り図柄を導出表示する。こうして、飾り図柄の可変表示中には、所定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(最終停止表示)されるものであってもよい。また、飾り図柄の可変表示中には、所定の図柄を示す演出画像の表示と非表示とを繰り返し、他の演出画像は表示されないようにしてもよい。そして、飾り図柄の可変表示結果としては、可変表示に用いられた所定の図柄を示す演出画像が停止表示されることはなく、所定の図柄とは異なる特定の数字や記号などを示す演出画像が表示されることで、飾り図柄を導出表示してもよい。
メイン画像表示装置905MAの画面上には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞にもとづいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件にもとづく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立にもとづく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立にもとづく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示905Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図19に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、第1特別図柄表示装置904Aおよび第2特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
メイン画像表示装置905MAの右側には、メイン画像表示装置905MAとは別個に複数種類の演出画像を含む各種画像の表示を行うサブ画像表示装置905SUが設けられている。なお、メイン画像表示装置905MAとサブ画像表示装置905SUの設置箇所は、遊技盤902における遊技領域の中央付近に限定されず、例えばメイン画像表示装置905MAは遊技領域の中央付近に設置される一方、サブ画像表示装置905SUは遊技領域の外部や遊技機用枠903の前面上部、前面下部、前面側方といった、パチンコ遊技機901における任意の位置に設置されてもよい。
メイン画像表示装置905MAの下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図22に示す普通電動役物用となるソレノイド9027によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置906Bは、普通電動役物用のソレノイド9027がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図22に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図22に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことにもとづき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことにもとづき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図22に示す大入賞口扉用となるソレノイド9028によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9028がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9028がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図22に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことにもとづき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図19に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄表示器9020の上方には、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普図保留表示器9025Cが設けられている。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車や多数の障害釘や単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技盤902には、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出を実行可能な可動部材として、演出可動機構9050が設けられている。演出可動機構9050は、複数(例えば4つ)の可動部材を有している。演出可動機構9050は、複数の可動部材がメイン画像表示装置905MAの画面上下に分かれて位置する退避状態と、複数の可動部材がメイン画像表示装置905MAの画面前方に位置する進出状態とに変化することができる。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機901の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
図19に示された演出可動機構9050は、退避状態となった場合のものである。この実施の形態では、例えば樹脂などで構成される図示しない透明板によって遊技盤902の遊技領域が構成されており、演出可動機構9050は、この透明板の後方に配置されて、遊技球は演出可動機構9050の前方を流下する。ただし、こうした例に限定されず、演出可動機構9050の複数の可動部材の少なくとも1つが、遊技領域を形成する透明板の前方に配置されてもよい。
図20は、演出可動機構9050に設けられた複数の可動部材がメイン画像表示装置905MAの前面に位置する進出状態となった場合を示している。図21は、演出可動機構9050の動作例を示している。演出可動機構9050は、退避状態においてメイン画像表示装置905MAの画面上側に位置する2つの可動部材9051、9052を備えた上側機構と、退避状態においてメイン画像表示装置905MAの画面下側に位置する2つの可動部材9053、9054を備えた下側機構とに分離可能である。すなわち、演出可動機構9050は、互いに離間または近接して配置可能な上側機構と下側機構とを含んで構成される。上側機構と下側機構とが互いに離間することで、第1状態としての退避状態となる。一方、上側機構と下側機構とが互いに近接することで、第2状態としての進出状態となる。演出可動機構9050の上側機構や下側機構には、退避状態と進出状態とに変化させる駆動手段が設けられている。可動部材9051、9052は、それぞれ左端が装飾部材9057により軸支され、装飾部材9057に対して回動可能に構成されている。装飾部材9057は、図22に示す動作用モータ9060Aからの動力が可動部材9051に出力されることにより、可動部材9051の動作に伴って上下に移動する。
可動部材9051は、前面部と、前面部の後方に配置されたベース体とを備え、前面部とベース体との間に可動部材9052を保持する。可動部材9052は、図22に示す動作用モータ9060Bからの動力を受けて、可動部材9051に対して上方または下方に回動する。動作用モータ9060Bは、可動部材9051が備えるベース体の前面に取り付けられていればよい。動作用モータ9060Bは、可動部材9052を動作可能に駆動するための駆動力を提供する。可動部材9053、9054は、所定のリンク機構などに連結され、図22に示す動作用モータ9060Cからの動力がリンク機構に係合した動力伝達部などを介して伝達されることで、上下に移動しつつ左端を中心に回動することができる。
演出可動機構9050の所定位置には、図22に示す可動部材位置センサ9061が設けられている。可動部材位置センサ9061は、可動部材9051〜9054や装飾部材9057の状態を、直接的に、または間接的に検出することができるものであればよい。一例として、可動部材位置センサ9061は、動作用モータ9060A〜9060Cに対応して設けられた第1〜第3位置センサを含んで構成されてもよい。第1〜第3位置センサは、それぞれがフォトインタラプタやロータリーエンコーダなどを用いて構成され、対応する動作用モータ9060A〜9060Cの動作状態などから、例えば可動部材9051〜9054および装飾部材9057の位置といった、可動部材9051〜9054および装飾部材9057の状態を検出可能にするものであればよい。具体的な一例として、第1位置センサは、動作用モータ9060Aの回転軸について回転量を検出すること、あるいは動作用モータ9060Aの回転軸に連結された駆動ギヤの回転位置を検出することにより、可動部材9051、9052や装飾部材9057の動作位置などを特定可能な位置検出信号を出力する。第2位置センサは、動作用モータ9060Bの回転軸について回転量を検出すること、あるいは動作用モータ9060Bの回転軸に連結された駆動ギヤの回転位置を検出することにより、可動部材9051に対する可動部材9052の相対的な動作位置などを特定可能な位置検出信号を出力する。第3位置センサは、動作用モータ9060Cの回転軸について回転量を検出すること、あるいは動作用モータ9060Cの回転軸に連結された駆動ギヤの回転位置を検出することにより、可動部材9053、9054の動作位置などを特定可能な位置検出信号を出力する。
他の一例として、可動部材位置センサ9061は、可動部材9051〜9054および装飾部材9057のそれぞれに対応して設けられた第1〜第5位置センサを含んで構成されてもよい。第1〜第4位置センサは可動部材9051〜9054のそれぞれに対応して設けられるとともに、第5位置センサは装飾部材9057に対応して設けられ、それぞれがフォトインタラプタやリニアエンコーダ、その他の赤外線センサなどを用いて構成されたものであればよい。これにより、第1〜第5位置センサは、対応する可動部材9051〜9054や装飾部材9057の動作状態などを検出し、その検出結果に応じた位置検出信号などを出力すればよい。このように、可動部材位置センサ9061は、複数の可動部材にそれぞれ対応して設けられた複数の位置センサを含んで構成されてもよい。
可動部材9051、9052のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材9051にて整列配置された複数の発光体は、図22に示す発光体ユニット9071〜9074のうちの発光体ユニット9071を構成する。可動部材9052にて整列配置された複数の発光体は、図22に示す発光体ユニット9071〜9074のうちの90を構成する。このように、可動部材9051、9052は、それぞれマトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。
発光体ユニット9071、9072を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材9051と可動部材9052は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット9071と発光体ユニット9072にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット9073および発光体ユニット9074は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材9051、9052が備える発光体ユニット9071、9072にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材9051、9052の区画体の前面には、可動部材9051、9052を装飾する前面板が設けられている。
可動部材9053、9054は、可動部材9051、9052のそれぞれと同様に、それぞれがマトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材9053、9054のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材9053にて整列配置された複数の発光体は、図22に示す発光体ユニット9071〜9074のうちの発光体ユニット9073を構成する。可動部材9054にて整列配置された複数の発光体は、図22に示す発光体ユニット9071〜9074のうちの発光体ユニット9074を構成する。
発光体ユニット9073、9074を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材9053と可動部材9054は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット9073と発光体ユニット9074にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット9073および発光体ユニット9074は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材9053、9054が備える発光体ユニット9073、9074にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材9053、9054の区画体の前面には、可動部材9053、9054を装飾する前面板が設けられている。
なお、複数の発光体としては、フルカラーLEDを用いるものに限定されず、例えば単色または複数色のLEDを用いてもよいし、LED以外の発光体を用いてもよい。区画体は、立体的に格子状に形成された部材により構成されてもよいし、例えば格子状の模様が印刷や切込みなどで透明または半透明な板材に形成されることで構成されてもよい。区画体は、複数の発光体を1つずつ区画するように構成されるものに限定されず、複数の発光体を所定数ずつ区画するように構成されてもよいし、所定方向(例えば横方向および縦方向)に沿って区画するように構成されてもよい。さらに、こうした区画体を備えなくてもよい。
図21(A)に示すように、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが互いに離間した退避状態では、可動部材9051〜9054がメイン画像表示装置905MAの表示画面(表示領域)に重ならない。このとき、可動部材9051、9052のそれぞれがメイン画像表示装置905MAの上方に位置するとともに、可動部材9052が可動部材9051の後方に位置して、遊技者は可動部材9052を視認不可能あるいは視認困難となる。また、可動部材9053、9054のそれぞれがメイン画像表示装置905MAの下方に位置するとともに、可動部材9053が可動部材9054の後方に位置して、遊技者は可動部材9053を視認不可能あるいは視認困難となる。このように、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが退避状態であるときには、メイン画像表示装置905MAの表示画面が視認可能となる。
図21(B)に示すように、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが互いに近接した進出状態では、可動部材9051〜9054がメイン画像表示装置905MAの表示画面(表示領域)に重なる。退避状態から進出状態へと変化するときに、可動部材9052は可動部材9051の裏側から回動を伴って下方に移動し、可動部材9053は可動部材9054の裏側から回動を伴って上方に移動する。また、可動部材9051は可動部材9052の移動を伴って下方に移動し、可動部材9054は可動部材9053の移動を伴って上方に移動する。こうして、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、メイン画像表示装置905MAの表示画面が視認困難または視認不可能となる。
演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが退避状態であるときには、図21(A)に示すように、可動部材9051〜9054のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致しない。一方、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、図21(B)に示すように、可動部材9051〜9054のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致する。このように、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態であるときには、可動部材9051〜9054のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が揃うことで、可動部材9051〜9054のそれぞれにおける表示演出に一体感をもたせることができる。特に、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態であるときに複数の可動部材9051〜9054で一体の表示演出を実行することにより、演出の興趣を向上させることができる。また、複数の可動部材9051〜9054の位置によってメイン画像表示装置905MAの表示画面に対する視認性が変化するので、演出が単調になることを防止して、演出の興趣を向上させることができる。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cが設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907、メイン画像表示装置905MAの周縁部に配置されたフレーム部材など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ9031Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ9031Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機901と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤902の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤902の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bは、遊技者による操作が検出された場合、図22に示す演出制御基板9012によってメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける表示演出が変更されたり、演出可動機構9050における動作やスピーカ908L、908Rからの音声出力や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cなどの発光体における点灯動作(点滅動作)が行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに代えて、あるいは、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bとともに、遊技者の動作を検出するためのセンサなどが設けられてもよい。例えば回動操作が可能なジョグダイアル、接触操作や押圧操作が可能なタッチパネルのように、遊技者の動作を直接的に検出する構成を備えてもよいし、赤外線センサ、超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者の動作を間接的(遠隔的)に検出する構成を備えてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手などの被写体を撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、任意の動作を検出できるようにしてもよい。すなわち、任意対象物の動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成を備えていればよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図22に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声出力基板9013といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。さらに、演出制御基板9012との間で演出制御用中継基板9016Aを介して接続された制御基板として、駆動制御基板9016B、発光体制御基板9016C〜9016Fが、搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御と消灯制御とを行って第1特図や第2特図の可変表示を制御するなどの所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。図22に示す主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100やスイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などが搭載されている。スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド9027や大入賞口扉用のソレノイド9028に伝送する。
図22に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された演出制御コマンドにもとづいて、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SU、発光体ユニット9071〜9074、スピーカ908L、908R、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、動作用モータ9060A〜9060Cに連結された可動部材9051〜9054および装飾部材9057、その他の演出装置といった、各種の演出用電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける画像表示、スピーカ908L、908Rからの音声出力、発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体における点灯、発光体ユニット9071〜9074とは異なる天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cおよび装飾用LEDを構成する発光部材における点灯、可動部材9051〜9054および装飾部材9057を移動させる動作用モータ9060A〜9060Cの駆動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。図22に示す演出制御基板9012には、演出制御用マイクロコンピュータ90120と、ROM90121と、RAM90122と、演出データメモリ90123A〜90123Cとが搭載されている。
演出制御基板9012には、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUに対して映像信号を伝送するための配線や、音声出力基板9013に対して音声信号(効果音信号)を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御用中継基板9016Aを介して駆動制御基板9016Bや発光体制御基板9016C、発光体制御基板9016Dに各種信号を伝送するための配線も接続されている。駆動制御基板9016Bに伝送される情報信号は、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動により可動部材9051〜9054や装飾部材9057を移動させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいればよい。発光体制御基板9016Cに伝送される情報信号は、発光体ユニット9071〜9074に対して複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、発光体制御基板9016Dは遊技機用枠903の左方に搭載されており、発光体制御基板9016Dに伝送される情報信号は、遊技機用枠903の左方に左枠LED909bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板9016Eは遊技機用枠903の上方に搭載されており、発光体制御基板9016Eに伝送される情報信号は、遊技機用枠903の上方に天枠LED909aとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板9016Fは遊技機用枠903の右方に搭載されており、発光体制御基板9016Fに伝送される情報信号は、遊技機用枠903の右方に右枠LED909cとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、この実施の形態では、図22に示すように、発光体制御基板9016Dに伝送される情報信号は、演出制御基板9012に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ90120から演出制御用中継基板9016Aのみを中継して伝送される。また、発光体制御基板9016Eに伝送される情報信号は、演出制御基板9012に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ90120から演出制御用中継基板9016Aに加えて発光体制御基板9016Dを中継して伝送される。さらに、発光体制御基板9016Fに伝送される情報信号は、演出制御基板9012に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ90120から演出制御用中継基板9016Aに加えて発光体制御基板9016Dおよび発光体制御基板9016Eを中継して伝送される。
また、駆動制御基板9016Bからは、可動部材位置センサ9061によって可動部材9051〜9054の位置を検出した結果を示す情報信号としての位置検出信号が、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012へと伝送される。さらに、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線も、演出制御基板9012に接続されていればよい。
音声出力基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力用の基板であり、演出制御基板9012からの音声信号に従って、音出力装置となるスピーカ908L、908Rから音声を出力させるための各種回路が搭載されている。
演出制御用中継基板9016Aは、遊技盤902の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、演出制御基板9012から駆動制御基板9016Bや発光体制御基板9016C、発光体制御基板9016Dに向けて伝送される各種信号を中継する。裏パックは、遊技盤902の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央にはメイン画像表示装置905MAが臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板9011や音声出力基板9013、駆動制御基板9016B、発光体制御基板9016Cなどを、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板9012が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。
駆動制御基板9016Bは、演出制御基板9012とは別個に設けられた演出可動機構制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどにもとづき、可動部材9051〜9054の回動制御や装飾部材9057の移動制御を行うためのドライバICなどが搭載されている。駆動制御基板9016Bからの出力信号は、動作用モータ9060A〜9060Cに向けて伝送される。また、駆動制御基板9016Bには、可動部材位置センサ9061から出力された位置検出信号を、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012へと伝送するための配線などが含まれていればよい。発光体制御基板9016Cは、演出制御基板9012とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどにもとづき、発光体ユニット9071〜9074に配置された複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
発光体制御基板9016D〜9016Fは、遊技機用枠903に搭載され、演出制御基板9012とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどにもとづき、天枠LED909a、左枠LED909b、および右枠LED909cとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909c、装飾用LED、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯動作などを制御するために用いられる発光体制御コマンド、演出可動機構9050の動作などを制御するために用いられる可動機構制御コマンドなどが含まれている。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105とを備えて構成される。なお、乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものに限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に外付されるものであってもよい。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路90104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図23は、演出制御基板9012に搭載された各種回路の構成例を示している。演出制御基板9012には、例えば演出制御用マイクロコンピュータ90120や、ROM90121、RAM90122、演出データメモリ90123A〜90123Cなどが搭載されている。なお、ROM90121、RAM90122、演出データメモリ90123A〜90123Cは、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵されたものであってもよいし、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ90120に外付けされたものであってもよい。図23に示す演出制御用マイクロコンピュータ90120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU90130と、ワークメモリ90131と、ホストインタフェース90132と、DRAMインタフェース90133と、データメモリインタフェース90134とを備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ90120は、VDP(Video Display Processor)90140と、VRAM(Video RAM)90141と、表示出力系統インタフェース90142と、音声処理回路90143と、音声インタフェース90144と、汎用出力コントローラ90145とを備えている。なお、VDP90140は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。VDP90140、VRAM90141、表示出力系統インタフェース90142、音声処理回路90143、音声インタフェース90144、汎用出力コントローラ90145は、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵されたものであってもよいし、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ90120の外部回路として構成されたものであってもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、演出制御用のプログラムに従って制御処理を実行する。ROM90121は、CPU90130が制御処理を実行するために読み出される演出制御用のプログラムや固定データなどを記憶する。RAM90122は、演出データメモリ90123A〜90123Cから読み出した各種の演出データを一時記憶する。RAM90122に一時記憶された演出データは、CPU90130やVDP90140による各種処理を実行するために提供される。ROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、発光体制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。RAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出データメモリ90123A〜90123Cは、演出を実行するための固定的なデータを記憶している。演出データメモリ90123A〜90123Cのうち、演出データメモリ90123A、90123Bには、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶する記憶領域が設けられていればよい。演出データメモリ90123Cには、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御内容を示す各種のモータデータを予め記憶する記憶領域や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cおよび発光体ユニット9071〜9074の点灯制御内容を示す各種の発光データを予め記憶する記憶領域などが、設けられていればよい。なお、発光体ユニット9071〜9074の点灯制御内容を示す発光データは、画像データを用いて生成されるものであってもよい。演出データメモリ90123A〜90123Cは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、NAND−ROMといったフラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909c、発光体ユニット9071〜9074の点灯データ(発光データ)を作成するためのデータは、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に表示させる演出画像の画像データとは別個に、演出データメモリ90123A、90123Bのいずれかに予め記憶される。なお、発光体ユニット9071〜9074の点灯データ(発光データ)を作成するためのデータは、サブ画像表示装置905SUの画面上に表示させる演出画像の画像データに付加されて、演出データメモリ90123A、90123Bのいずれかに予め記憶されてもよい。あるいは、発光体ユニット9071〜9074の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置905SUの画面上に表示させる演出画像の画像データとは別個の画像データあるいは発光データとして演出データメモリ90123A〜90123Cのいずれかに予め記憶され、演出制御用マイクロコンピュータ90120のVDP90140が描画処理を実行するときに、点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されてもよい。
図24は、ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cにおけるアドレスや記憶内容などの設定例を示している。図24(A)は、ROM90121における記憶内容の設定例を示している。ROM90121には、先頭アドレスとなるアドレスMA00から最終アドレスとなるアドレスMA10までの連続するアドレスが付与されている。図24(B1)は、演出データメモリ90123Aにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ90123Aには、先頭アドレスとして、ROM90121の最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA10+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA20までの連続するアドレスが付与されている。図24(B2)は、演出データメモリ90123Bにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ90123Bには、先頭アドレスとして、演出データメモリ90123Aの最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA20+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA30までの連続するアドレスが付与されている。図24(B3)は、演出データメモリ90123Cにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ90123Cには、先頭アドレスとして、演出データメモリ90123Bの最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA30+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA40までの連続するアドレスが付与されている。このように、ROM90121と演出データメモリ90123A〜90123Cとに連続するアドレスが付与され、ROM90121における最終アドレスの次アドレスが演出データメモリ90123Aの先頭アドレスとなっている。
ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cには、各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータが、演出データ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)として予め格納されている。ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cには、記憶内容に応じた複数の記憶エリア(記憶領域)が設けられている。例えば、ROM90121には、演出制御用のプログラムや各種の管理データが記憶される第1記憶エリアと、音声データが記憶される第2記憶エリアと、第1記憶エリアおよび第2記憶エリア以外のリザーブエリアとが設けられている。例えばROM90121の全体で8ギガビットの記憶容量を有する場合に、第1記憶エリアは1ギガビットの記憶容量を有するとともに、第2記憶エリアは6ギガビットの記憶容量を有するものであればよい。なお、第1記憶エリアは、1.5ギガビットあるいは2ギガビットの記憶容量を有する場合があってもよい。演出データメモリ90123Aには、音声データが記憶される記憶エリアと、画像データが記憶される記憶エリアとが設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130が各種の判定や決定、設定を行うために用意された各種テーブルのテーブルデータや、演出制御パターンを構成するパターンデータなどは、管理データとしてROM90121に記憶されていればよい。ROM90121と演出データメモリ90123Aには、スピーカ908L、908Rによる音出力を制御するために用いられる音声データが記憶される。演出データメモリ90123A、90123Bには、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける演出画像の表示を制御するために用いられる画像データが記憶され、さらに、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cなどの発光体、および発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体における点灯制御のために用いられる画像データが記憶されてもよい。
ROM90121には、音声データが記憶される記憶エリアが設けられて、少なくとも音声データが記憶される。したがって、ROM90121は、少なくともスピーカ908L、908Rから音声を出力させる音声制御に用いられる第1制御データとしての音声データを記憶する第1領域を提供する。演出データメモリ90123Aには、画像データが記憶される記憶エリアが設けられている。したがって、演出データメモリ90123Aは、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUに画像を表示させる表示制御あるいは天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cなどの発光体、および発光体ユニット9071〜9074に配置された複数の発光体を点灯させる点灯制御に用いられる第2制御データとしての画像データを記憶する第2領域を提供する。
この実施の形態では、音声データを記憶する記憶エリアが、ROM90121だけでなく演出データメモリ90123Aにも設けられている。ROM90121において音声データが記憶される記憶エリアは、図24(A)に示すアドレスMA02から、ROM90121における最終アドレスとなるアドレスMA10までに割り当てられている。演出データメモリ90123Aにおいて音声データが記憶される記憶エリアは、図24(B1)に示すように、演出データメモリ90123Aの先頭アドレスとなるアドレスMA10+1からアドレスMA11までに割り当てられている。このように、第2領域を提供する演出データメモリ90123Aには、第1領域を提供するROM90121の最終アドレスMA10の次アドレスMA10+1からアドレスMA11までの連続する特定アドレス範囲に、音声データを記憶する記憶エリアが割り当てられている。第2領域を提供する演出データメモリ90123Aにおいて、第1領域を提供するROM90121の最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアには、第1制御データとしての音声データが記憶されている。すなわち、第1制御データとしての音声データは、第1領域を提供するROM90121に設けられた記憶エリアだけでなく、第2領域を提供する演出データメモリ90123Aに設けられた記憶エリアにおいて、ROM90121の最終アドレスMA10の次アドレスとなるアドレスMA10+1からアドレスMA11までの連続するアドレスが付与された記憶エリアにも、記憶されている。
演出データメモリ90123Aは、本来、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの表示制御などに用いられる画像データを記憶するための記憶領域を提供する。一方、多様な楽曲に対応する音声データを用意する必要などから、ROM90121などにおいて各種の演出装置による演出を制御するために記憶すべき制御情報のデータ量が増大し、記憶容量が不足してしまう場合がある。この場合に、別個の新たな記憶装置を用意すると、パチンコ遊技機901の製造コストが増大する。そこで、演出データメモリ90123Aに画像データとは異なる制御に使用されるデータの記憶エリアを設けることで、パチンコ遊技機901の製造コストを低減することができる。音声データの記憶エリアを設ける場合には、ROM90121における音声データの記憶エリアに付与された最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアを、演出データメモリ90123Aに割り当てる。これにより、ROM90121の記憶エリアと演出データメモリ90123Aの記憶エリアとの双方に跨がって記憶されている音声データであっても、他の音声データと同様にアドレスを更新(インクリメント)しつつ読み出すことで、音声データを適切に読み出すことができる。
図23に示す演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、ROM90121から読み出した演出制御用のプログラムに従って、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。このときには、CPU90130がホストインタフェース90132を介してROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90130がDRAMインタフェース90133を介してRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90130がDRAMインタフェース90133を介してRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90130がホストインタフェース90132などを介して主基板9011といった演出制御用マイクロコンピュータ90120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90130がホストインタフェース90132や他の各種回路を介して演出制御用マイクロコンピュータ90120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。また、CPU90130は、データメモリインタフェース90134を介して演出データメモリ90123A〜90123Cにアクセスし、記憶データの読み出しなどを行うことができる。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のVDP90140は、例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、CPU90130からの表示制御指令に従い画像データ処理を実行する画像プロセッサである。VDP90140は、演出制御用マイクロコンピュータ90120の内部バスやデータメモリインタフェース90134を介して演出データメモリ90123A〜90123Cにアクセスし、画像データの読み出しなどを行うことができる。
VRAM90141は、演出データメモリ90123A、90123Bから読み出された画像データを一時記憶するためのワークエリアを提供したり、VDP90140による描画処理により作成される演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供したりする。VRAM90141の記憶領域には、例えばパレットデータが配置されるパレット領域、画像データメモリ121から読み出されたキャラクタ画像データが格納されるキャラクタ用バッファ、CG用バッファなどの各領域が割り当てられていればよい。CG用バッファは、VDP90140による描画処理が実行されるときにキャラクタの表示色が定義されたパレットデータを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的に保存したりするために用いられる。VRAM90141に展開記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)などにもとづいてVDP90140が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。なお、VRAM90141には、例えばメイン画像表示装置905MAの画面上に表示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、メイン画像表示装置905MAの画面上には表示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、VRAM90141の仮想表示領域にてメイン画像表示装置905MAの表示画面と同じ大きさの画面表示を行うための表示データが作成され、VDP90140により読み出された仮想表示領域の表示データを、表示出力系統インタフェース90142からメイン画像表示装置905MAの側へと出力してもよい。
VRAM90141の記憶領域には、画像表示領域と、画像描画領域とが割り当てられてもよい。画像表示領域には、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP90140からCPU90130に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割込信号が、VDP90140からCPU90130に対して出力される。
Vブランクが発生するごとに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示データを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間における描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にて表示出力系統インタフェース90142からメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUに向けて出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、描画処理で作成された表示データの格納が行われることになる。
VRAM90141において画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられてもよい。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置905MAの画面上に演出画像を表示させるための表示データなどが格納される。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置905SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、VDP90140に内蔵されたシステムレジスタやアトリビュートレジスタにアクセスする。そして、演出制御パターンに含まれる表示制御データなどのプロセスデータに従ってシステムレジスタおよびアトリビュートレジスタに各種指令やデータを格納する。こうして演出制御用マイクロコンピュータ90120では、CPU90130によって、メイン画像表示装置905MAおよびサブ画像表示装置905SUにおける表示動作が、間接的に制御される。
プロセスデータには、Vブランクが発生するごとに演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130がVDP90140のシステムレジスタやアトリビュートレジスタに対して行う設定内容が示されている。システムレジスタの設定内容としては、描画、データ転送の指令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタの設定内容は、演出画像の描画処理に使用されるパラメータとしてのアトリビュートを示していればよい。プロセスデータでは、Vブランクが発生するごとに画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。これにより、画像の更新を、Vブランクが発生するごとに行うことができる。
表示出力系統インタフェース90142は、VDP90140から出力された表示データに応じた色信号(階調制御信号)と所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)とをメイン画像表示装置905MAに出力することなどにより、メイン画像表示装置905MAの画面上にて各種画像を表示可能にする。また、表示出力系統インタフェース90142は、VDP90140から出力された表示データに応じた色信号(階調制御信号)と所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)とをサブ画像表示装置905SUに出力することなどにより、サブ画像表示装置905SUの画面上にて各種画像を表示可能にする。
音声処理回路90143は、音声信号処理を実行する処理回路である。音声処理回路90143は、演出制御用マイクロコンピュータ90120の内部バスやホストインタフェース90132を介してROM90121にアクセスしたり、演出制御用マイクロコンピュータ90120の内部バスやデータメモリインタフェース90134を介して演出データメモリ90123A〜90123Cにアクセスしたりすることで、音声データの読み出しなどを行うことができる。なお、音声処理回路90143は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに対して直接的にアクセスするものであってもよいし、例えばCPU90130によるアクセスによってROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cから読み出された音声データの供給を受けることで、間接的にアクセスするものであってもよい。音声処理回路90143は、音声データを用いて音声信号(効果音信号)を生成する。音声処理回路90143によって生成された音声信号(効果音信号)は、音声インタフェース90144を介して音声出力基板9013に向けて出力される。
汎用出力コントローラ90145は、例えば天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909c、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御や動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御といった、各種の演出装置における動作制御を行うための制御回路である。汎用出力コントローラ90145は、演出制御用マイクロコンピュータ90120の内部バスやデータメモリインタフェース90134を介して演出データメモリ90123A〜90123Cにアクセスすることで、モータデータや発光データの読み出しなどを行うことができる。なお、汎用出力コントローラ90145は、演出データメモリ90123A〜90123Cに対して直接的にアクセスするものであってもよいし、例えばCPU90130によるアクセスによって演出データメモリ90123A〜90123Cから読み出されたモータデータや発光データの供給を受けることで、間接的にアクセスするものであってもよい。汎用出力コントローラ90145は、演出データメモリ90123Cから読み出されたモータデータや発光データ、あるいはVDP90140から供給された表示データを、シリアル信号方式のデータ(シリアルデータ)として出力する。汎用出力コントローラ90145から出力されたシリアルデータは、演出制御用中継基板9016Aを介して駆動制御基板9016Bや発光体制御基板9016C、発光体制御基板9016Dへと伝送されるようにすればよい。
図25は、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体制御基板9016Cの構成例を示している。発光体制御基板9016Cには、発光体ユニット9071〜9074における複数の発光体による点灯態様を制御するための各種回路が搭載されている。図25に示す発光体制御基板9016Cには、バッファメモリ90151と、点灯データ生成回路90152と、シリアル出力回路90153と、発光体駆動部90154とが搭載されている。
バッファメモリ90151は、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120から伝送されたデータを一時記憶する。バッファメモリ90151に一時記憶されるデータは、VDP90140によって生成された表示データあるいは演出データメモリ90123Cから読み出された発光データに対応するものであればよい。点灯データ生成回路90152は、バッファメモリ90151の記憶データを読み出し、所定の変換処理を実行することで、点灯制御情報を構成する点灯データを生成する。点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データには、発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データと、発光体の各発光色に対応した輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データとが、含まれていればよい。
点灯データ生成回路90152は、可動部材9051〜9054のそれぞれにおいて発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体が配置された領域を、複数のブロックに分割して、それらのブロックごとに発光体の点灯データを作成する。この実施の形態では、複数のブロックとして、発光体ブロックB01〜B42が予め設定されている。点灯データ生成回路90153は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応する点灯データを生成する。
図26は、可動部材9051における複数の発光体が整列配置された領域について、複数のブロックに分割する設定例を示している。可動部材9051にて複数の発光体が配置された領域は、図26(A)に示すような発光体ブロックB01〜B06と、図26(B)に示すような発光体ブロックB07〜B15とに分割される。可動部材9051以外の可動部材9052〜9054についても、可動部材9051と同様に、複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割するように設定する。これにより、可動部材9051〜9054のそれぞれに設けられた発光体ユニット9071〜9074の全体では、発光体ブロックB01〜B42に分割されている。なお、発光体ブロックの分割数は、演出可動機構9050を構成する可動部材の数や、複数の発光体が配置された領域の大きさなどにもとづいて、任意に設定されたものであればよい。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれは、長方形または正方形といった方形状を基本形状としている。そのため、可動部材9051〜9054の形状などによって、発光体ユニット9071〜9074のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域のうちには、方形状の発光体ブロックに収まりきれず、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域が生じることがある。また、複数の発光体ブロックのうちには、方形状の一部に発光体が配置されていない空き領域が生じることがある。そこで、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域を、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含めることで、複数の発光体に対する点灯制御の処理負担を軽減させる。
シリアル出力回路90153は、点灯データ生成回路90152が生成した点灯データに対応する点灯制御情報を含む制御信号を、シリアル信号方式で発光体駆動部90154に出力する。点灯データに応じた制御信号には、駆動制御データに応じた駆動制御信号と、階調データに応じた階調データ信号とが含まれていればよい。シリアル出力回路90153は、制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、例えば21系統といった、複数の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。シリアル出力回路90153には、21系統のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対応するシリアル信号配線が接続され、各配線にシリアル信号方式で、点灯制御情報を含む制御信号を出力する。このように、シリアル出力回路90153は、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で複数系統のシリアル信号配線に出力する。
図27は、シリアル出力系統と発光体ブロックとの接続設定例を示している。図27に示す接続設定例では、シリアル出力系統K01〜K21ごとに、発光体ブロックB01〜B42のうち2つの発光体ブロックが割り当てられるように接続されている。例えば、シリアル出力系統K01には、シリアル信号配線を介して、発光体ブロックB01および発光体ブロックB02を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。シリアル出力系統K02には、シリアル信号配線を介して、発光体ブロックB03および発光体ブロックB04を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。シリアル出力系統K03以降についても、1のシリアル出力系統に対して2つの発光体ブロックを点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。1のシリアル出力系統に割り当てられた発光体ブロックに含まれる発光体の点灯制御を行う複数の発光体ドライバは、シリアル信号配線を介したシリアルバス方式で接続されていればよい。なお、シリアルバス方式で接続されるものに限定されず、複数の発光体ドライバが直列接続(デイジーチェーン方式で接続)されてもよい。
図25に示す発光体駆動部90154は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を点灯制御する複数のドライバIC(発光体ドライバ)を含んで構成される。各ドライバICは、シリアル信号配線を介してシリアル出力回路90153から伝送された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、複数の発光体の点灯制御を行う。各ドライバICは、例えばシフトレジスタを含んで構成され、シリアル信号方式で伝送されたデータをパラレル信号方式のデータに変換して、複数の信号線に出力する。複数の発光体ドライバはそれぞれ、駆動制御信号で示される駆動制御データに応じて発光体の駆動制御を行う駆動制御回路となるストローブ側のドライバICと、階調データ信号で示される階調データに応じて発光体の階調制御を行う階調制御回路となるデジット側のドライバICとのうち、いずれかに分類される。発光体ブロックB01〜B42のそれぞれでは、ストローブ側のドライバICと、デジット側のドライバICとを用いて、発光体ブロックごとに複数の発光体のダイナミック点灯制御が行われる。なお、図25に示すように、発光体制御基板9016Cでは、演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120から伝送された制御信号が、同じ発光体制御基板9016C上の発光体ドライバ間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバにそれぞれ伝送されるように構成されている。
図28は、具体的な一例として、発光体ブロックB11に対応するドライバICを用いた発光体ドライバの構成例を示している。図28に示す構成例では、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバとして、ストローブ側の発光体ドライバ90411Sと、デジット上側の発光体ドライバ90411DUと、デジット下側の発光体ドライバ90411DDとが設けられている。図27に示すシリアル出力系統K06のシリアル信号配線は、シリアル出力回路90153から発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ90411S、デジット上側の発光体ドライバ90411DU、デジット下側の発光体ドライバ90411DDの順に接続され、続いて発光体ブロックB12に対応して設けられた発光体ドライバへと接続されていればよい。
発光体ドライバ90411S、発光体ドライバ90411DU、発光体ドライバ90411DDのそれぞれには、互いに異なるアドレス情報が割り当てられている。シリアル出力回路90153は、アドレス情報を付加した点灯制御情報を示す制御信号を、シリアル出力系統K06に含まれるシリアル信号配線に出力することで、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバのいずれかに点灯制御情報を伝達する。
シリアル信号配線には、シリアルクロックSCが伝送されるシリアルクロック配線と、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDが伝送されるシリアルデータ配線とが含まれていればよい。シリアル信号配線に接続された発光体ドライバは、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDとして伝送される駆動制御データまたは階調データを取り込んで、複数の発光体の点灯制御を行う。
発光体ブロックB11は、デジット上側の発光体ドライバ90411DUによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Uと、デジット下側の発光体ドライバ90411DDによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Dとの組合せで構成されている。このように、各発光体ブロックは、その発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成されていればよい。なお、複数の発光体ブロックは、2つのハーフブロックの組合せで構成されたものに限定されない。例えば、複数の発光体ブロックのうちには、2つのハーフブロックを組み合わせて構成された発光体ブロックの他に、1つのハーフブロックのみで構成された発光体ブロックが含まれていてもよい。発光体ブロックB11が1つのハーフブロックのみで構成される場合には、ストローブ側の発光体ドライバ90411Sと、デジット上側の発光体ドライバ90411DUとを備える一方、デジット下側の発光体ドライバ90411DDを備えない構成とすればよい。このように、各発光体ブロックは、ストローブ側の発光体ドライバを1つ備えるとともに、デジット側の発光体ドライバを1つまたは2つ備えるように構成されればよい。
ハーフブロックB11UとハーフブロックB11Dはそれぞれ、発光体の数が同数となるように構成されていればよい。例えば、ストローブ側の発光体ドライバ90411Sは、12本のストローブ信号線が接続され、12列に整列配置された複数の発光体を駆動制御するための駆動制御信号となるストローブ信号を出力する。デジット上側の発光体ドライバ90411DUとデジット下側の発光体ドライバ90411DDはそれぞれ、8本のデジット信号線が接続され、8行に整列配置された複数の発光体を階調制御するための階調データ信号となるデジット信号を出力する。したがって、デジット上側に対応するハーフブロックB11Uとデジット下側に対応するハーフブロックB11Dはいずれも、ストローブ側の12列およびデジット側の8行からなる合計96個の発光体を含むように形成されている。発光体ブロックB11以外の発光体ブロックを構成するハーフブロックについても同様に、合計96個の発光体を含むように形成されていればよい。このように、発光体ブロックを構成するモジュールとしてのハーフブロックは、いずれも同数の発光体を点灯制御できるように構成されていればよい。
なお、1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、合計96個に限定されず、発光体ドライバの仕様や設計などにもとづいて予め定められた任意の個数であればよい。例えば、ストローブ信号線を8本構成として、8列に整列配置された複数の発光体を駆動制御する場合には、ストローブ側の8列およびデジット側の8行からなる合計64個の発光体が、1つのハーフブロックに含まれるように形成すればよい。また、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数と、実際に1つのハーフブロックに含まれている発光体の数とは、必ずしも常に一致していなくてもよい。例えば、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数が96個である一方、実際に1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、発光体ユニット9071〜9074における発光体の配置などにより、96個よりも少なくなる場合があってもよい。このように、複数の発光体が配置された領域を分割した複数のブロックよりも小さいモジュールとしてのハーフブロックごとに、所定数以下の発光体を点灯制御するように構成されていればよい。
点灯データ生成回路90152は、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御するための点灯データを生成する。例えば発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データとして、ストローブ信号線ごとに異なるタイミングで複数の発光体を時分割駆動するための制御データを生成する。また、各デジット信号線に接続された複数の発光体に応じたPWM(Pulse Width Modulation)制御により発光色ごとの輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データを生成する。なお、デジット側の発光体ドライバは、PWM制御方式のようにパルス信号の出力期間に応じて発光体の階調制御を行うものに限定されず、例えば一定期間内に出力するパルス信号の数(パルス数)や、パルス信号の振幅(駆動電流値)といった、パルス信号の物理量(パルス量)に応じて発光体の階調制御を行うものであればよい。
シリアル出力回路90153は、点灯データ生成回路90152によって生成された点灯データをシリアル信号方式で、点灯制御の対象となる発光体ブロックが接続されたシリアル出力系統のシリアル信号配線に出力する。各発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データにもとづくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。各発光体ブロックに対応して設けられたデジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データにもとづくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、発光体ユニット9071〜9074のそれぞれでは、整列配置された複数の発光体が、ストローブ信号がオンとなる発光駆動期間にてデジット信号に応じたデューティ比で発光して、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、ダイナミック点灯方式(パルス点灯方式、デューティ点灯方式、時分割点灯方式ともいう)により点灯態様を変化させることができる。このように、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行うように構成することで、発光体駆動部90154では、複数の発光体ドライバを用いた点灯制御の並列実行が可能になる。
図29(1)は、駆動制御基板9016Bの構成例を示している。図29(1)に示すように、駆動制御基板9016Bには、モータ駆動ドライバ90412が搭載されている。モータ駆動ドライバ90412には、演出制御用中継基板9016Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120からの制御信号が入力される。そして、モータ駆動ドライバ90412は、入力された制御信号で示される駆動制御情報にもとづいて、動作用モータ9060A,9060B,9060Cの駆動制御を行う。
なお、駆動制御基板9016Bには、可動部材位置センサ9061からの検出信号も入力され、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120に伝送されるのであるが、図29(1)に示す例では記載省略されている。
図29(2)は、天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体制御基板9016D〜9016Fの構成例を示している。図29(2)に示すように、発光体制御基板9016Dには、発光体ドライバ90413bが搭載されている。発光体ドライバ90413bには、演出制御用中継基板9016Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ90413bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、左枠LED909bの点灯制御を行う。なお、図29(2)において、発光体制御基板9016D〜9016Fは、例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネスなどの配線部材を介して相互に接続されている。
また、図29(2)に示すように、発光体制御基板9016Eには、発光体ドライバ90413aが搭載されている。発光体ドライバ90413aには、演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120からの制御信号が、演出制御用中継基板9016Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板9016Dを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ90413aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、天枠LED909aの点灯制御を行う。
また、図29(2)に示すように、発光体制御基板9016Fには、発光体ドライバ90413cが搭載されている。発光体ドライバ90413cには、演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120からの制御信号が、演出制御用中継基板9016Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板9016Dおよび発光体制御基板9016Eを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ90413cは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、右枠LED909cの点灯制御を行う。
なお、図29(2)に示すように、発光体制御基板9016D〜9016Fでは、演出制御基板9012の演出制御用マイクロコンピュータ90120から伝送された制御信号が、異なる発光体制御基板9016D〜9016Fにそれぞれ搭載された発光体ドライバ90413a〜90413c間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバ90413a〜90413cにそれぞれ伝送されるように構成されている。
また、この実施の形態では、遊技機用枠903に設けられている各LEDをそれぞれ天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cと包括的に表現しているが、具体的には、遊技機用枠903の上方に天枠LED909aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技機用枠903の左方に左枠LED909bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技機用枠903の右方に右枠LED909cとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。
また、この実施の形態では、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ(例えば、図28に示す発光体ドライバ90411S,90411DU,90411DD。以下、単に「発光体ドライバ90411」ともいう。)、モータ駆動ドライバ90412、天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cは、同じ種類のシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて実現される。図30は、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、および発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。また、図31は、図30に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。
なお、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、および発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路には、入力したシリアル信号形式の信号を24チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものと、入力したシリアル信号形式の信号を12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものとの2種類があるのであるが、一部の回路素子や端子の数が異なるだけで同様の構成および機能を備えるため、図30および図31に示す例では代表して24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路について説明することとし、12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路については相違する部分のみ説明することとする。なお、この実施の形態では、発光体ドライバ90411は24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現され、モータ駆動ドライバ90412および発光体ドライバ90413a〜90413cは12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図30および図31に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、演出制御用中継基板9016Aや発光体制御基板9016D,9016Eを経由して演出制御用マイクロコンピュータ90120からのクロック信号を入力するCLK/I端子やデータを入力するDATA/I端子が設けられている。また、入力されたクロック信号とデータの一部はシリアル−パラレル変換回路内で分岐されて、そのままシリアル−パラレル変換回路からスルー出力可能であり、クロック信号をスルー出力するCLK/O端子とデータをスルー出力するDATA/O端子とが設けられている。
例えば、この実施の形態では、図29(2)に示すように、発光体制御基板16Dの発光体ドライバ90413bは、演出制御用中継基板9016Aを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板9016Eの発光体ドライバ90413aに出力しているのであるが、発光体ドライバ90413bを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ90413aを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。また、例えば、この実施の形態では、図29(2)に示すように、発光体制御基板9016Eの発光体ドライバ90413aは、演出制御用中継基板9016Aおよび発光体制御基板9016Dを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板9016Fの発光体ドライバ90413cに出力しているのであるが、発光体ドライバ90413aを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ90413cを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。
また、図30および図31に示すように、CLK/I端子から入力されたクロック信号およびDATA/I端子から入力されたデータの他の一部は、デコーダに入力されてシリアル信号形式から24チャネルのパラレル信号形式の信号にデコードされる。そして、レジスタブロックに設けられた各レジスタにそれぞれ一旦格納された後、内部発振クロック回路による内部クロック信号(本例では、6MHzの内部クロック信号)を用いてパルス幅変調(PWM)され、それぞれ各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力される。なお、12チャネルの回路である場合には、12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換されて各ドライブ出力端子Q0〜Q11から出力される。なお、各ドライブ出力端子Q0〜Q23や各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が、例えばLEDなどの発光体に供給されたり動作用モータに供給されたりすることになる。
また、図30および図31に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(12チャネルの回路ではAD0〜AD5)が設けられており、端子AD0〜AD4をそれぞれH(ハイ)またはL(ロー)に設定することにより、シリアル−パラレル変換回路ごとにアドレスを設定することが可能である。DATA/Iから入力されるデータにはアドレス情報も含まれ、シリアル−パラレル変換回路は、入力したデータに含まれるアドレス情報が設定したアドレスと一致するデータのみパラレス信号形式の信号にデコードして各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する。
なお、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が5端子AD0〜AD4設けられているので、最大32種類のアドレスを設定可能であり、最大で32個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が6端子AD0〜AD5設けられているので、最大64種類のアドレスを設定可能であり、最大で64個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたS端子は、CLK/O端子から出力するクロック信号のスルー出力、およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子である。S端子をL(ロー)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図32は、クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。図32(1)に示すように、S端子をL(ロー)に設定し通常のスルーレートの出力に設定すると、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)がある程度大きい。これに対して、図32(2)に示すように、S端子をH(ハイ)に設定し低スルーレートの出力に設定すると、通常のスルーレートの設定の場合と比較して、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが緩やかとなる。
一般に、基板からの電波放射を抑制するためにはスルーレートを低く抑えた方がよく、図32(2)に示す低スルーレートの出力に設定した方がよい。一方、ノイズに対する耐性を確保するためには波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい方がよく、図32(1)に示す通常のスルーレートの出力設定した方がよい。
なお、S端子の設定は、単にCLK/O端子から出力するクロック信号およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力の波形を設定するだけではなく、CLK/I端子から入力したクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えている。すなわち、一般に演出制御用マイクロコンピュータ90120などから出力されたクロック信号およびデータは、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、シリアル−パラレル変換回路のCLK/I端子およびDATA/I端子に到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号やデータが入力される場合がある。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路は、単に入力したクロック信号やデータをそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号やデータを本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備える。この場合、S端子の設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。一方で、S端子の設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、シリアル−パラレル変換回路の外部に増幅回路等を設けて、シリアル−パラレル変換回路の外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたT端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のタイムアウトリセット機能を設定するための設定端子である。T端子をL(ロー)に設定するとタイムアウトリセット機能が無効状態に設定され、端子をH(ハイ)に設定するとタイムアウトリセット機能が有効状態に設定される。
T端子をH(ハイ)に設定しタイムアウトリセット機能を有効状態に設定すると、CLK/I端子およびDATA/I端子からクロック信号およびデータを入力し、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から信号の出力を開始した後、所定期間(本例では、1秒)を経過するとタイムアウトしたものとされて、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が自動的にリセット(出力停止)される。従って、タイムアウトリセット機能を有効状態に設定した場合には、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から継続して各LEDや動作モータに信号を供給したい場合には、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120から少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する必要がある。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/S端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のドライブ方式を設定するための設定端子である。Q/S端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定される。また、Q/S端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/I端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号の出力論理を反転して出力するか否かを設定するための設定端子である。Q/I端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定される。また、Q/I端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたR端子は、電流リファレンス設定端子である。具体的には、図30に示すように、R端子は定電流回路を経由して各ドライブ出力端子A0〜A23と接続され、R端子とグランド(GND)との間に任意の抵抗値の外部抵抗を接続することによって、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値を所定の範囲(例えば、4mA〜20mA)で設定することができる。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたVP端子は、保護用の静電保護端子である。VP端子には、そのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧が接続される。すなわち、VP端子にそのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧を接続すれば、その電源電圧以上の過電圧を逃がすことができる。なお、シリアル−パラレル変換回路において複数種類の電源電圧が用いられる場合には、電圧値が高い方の電源電圧をVP端子に接続するようにすればよい。
次に、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットについて説明する。図33は、制御データフォーマットを説明するための説明図である。シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの基本的な制御データフォーマットは、図33(1)に示す共通フォーマットと、図33(2)に示す基本フォーマットとによって構成される。
図33(1)に示すように、共通フォーマットは、9ビットのヘッダ(HD)、4ビットのデバイスID(ID)、5ビットのデコードアドレスAD0〜AD4(図30および図31参照)、および1ビットのEXデータによって構成される。なお、EXデータは、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが基本フォーマットであるか、後述する拡張フォーマットであるかを設定するためのものであり、基本フォーマットではEX=0に設定される。
図33(2)に示すように、基本フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される。例えば、LEDの点灯制御を行うためのデータを伝送する場合、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとに時系列に6ビットのデータを設定して伝送することによって、LEDの諧調制御も含めた点灯制御を行うことができる。
また、制御データフォーマットとして、図33(2)に示す基本フォーマットに代えて拡張フォーマットを使用することも可能である。具体的には、図33(1)に示す共通フォーマットにおいてEX=1に設定されていれば、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが、図33(3)に示す拡張フォーマットとなる。
図33(3)に示すように、拡張フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される。拡張フォーマットでは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとのデータが1ビットで構成されるので、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットを小さくすることができる。例えば、シリアル−パラレル変換回路を用いて動作用モータを駆動制御する場合であれば、LEDなどの発光体の点灯制御を行う場合と異なり諧調制御などを行う必要がないので、図33(3)に示すような拡張フォーマットを用いることが有効である。
なお、図33では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットについて説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットでは、例えば、図33(1)に示す共通フォーマットが6ビットのデコードアドレスAD0〜AD5を含む点で異なる。また、例えば、図33(2)に示す基本フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される分短い点で異なる。さらに、例えば、図33(3)に示す拡張フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される分短い点で異なる。
また、シリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。図34は、シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では6MHzのクロック信号が出力されるので、図34に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの6相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q23を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
この実施の形態では、図34に示すように、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成され、ドライブ出力端子Q12〜Q15の4チャネルでグループ4が構成され、ドライブ出力端子Q16〜Q19の4チャネルでグループ5が構成され、ドライブ出力端子Q20〜Q23の4チャネルでグループ6が構成される。そして、図34に示すように、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
なお、図34では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
次いで、図30〜図34を用いて説明したシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバ90411や、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いる場合の接続例について説明する。図35〜図37は、シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図35は、シリアル−パラレル変換回路を発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ90411として用いる場合の接続例を示している。また、図36は、シリアル−パラレル変換回路を動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ90412として用いる場合の接続例を示している。また、図37は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いる場合の接続例を示している。
まず、図35を用いて、シリアル−パラレル変換回路を発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ90411として用いる場合の接続例を説明する。図35に示すように、この実施の形態では、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ90411は、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図35に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD0およびAD1は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD2〜AD4はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00011(B)に設定されている場合が示されている。なお、図35は、一例であり、発光体ユニット9071〜9074には複数の発光体ドライバが含まれているのであるから、発光体ドライバごとに異なるデコードアドレスが設定されるものとする。
また、図35に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図25に示すように、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体の点灯制御を行うための発光体ドライバ90411は、全て同じ発光体制御基板9016C上に搭載され、発光体ドライバ間の制御信号の伝送は同じ発光体制御基板9016C上で行われる(基板をまたがった伝送は行われない)ので、ノイズに対する耐性はそれ程気にする必要はない。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を低スルーレートの出力に設定することによって、むしろ基板からの電波放射を抑制するように構成している。
また、図35に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図35に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図35に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15mAに設定される。
また、図35に示す例では、VP端子には電源電圧VCL(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図35に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23は、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体に接続されている。なお、図35に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されている図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよいし、発光体として単色LEDを用いるのであれば1つの端子が1つの単色LEDに接続されるように構成してもよい。また、例えば、1つの端子に複数の単色LEDが直列に複数接続されるように構成してもよい。
また、図35に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
次に、図36を用いて、シリアル−パラレル変換回路を動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ90412として用いる場合の接続例を説明する。図36に示すように、この実施の形態では、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ90412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図36に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000111(B)に設定されている場合が示されている。なお、図36は、一例であり、デコードアドレスとして他の値が設定されていてもよい。
また、図36に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図29(1)に示すように、モータ駆動ドライバ90412と他のドライバとの間で制御信号の伝送が行われることはないのであるから、S端子をグランド(GND)に接続(L(ロー)に設定)してクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力となるように設定してもよい。
また、図36に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図36に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともに電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、Q/S端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定され、Q/I端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定されている。
また、図36に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15mAに設定される。
また、図36に示す例では、VP端子には電源電圧VCC(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図36に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子が1つ目の動作用モータ9060Aに接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子が2つ目の動作用モータ9060Bに接続されている。さらに、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ3のQ8〜Q1の4チャネルの端子が3つ目の動作用モータ9060Cに接続されている。
既に説明したように、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、グループ1〜3の3つのグループにグループ分けされてドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングが分散されているのであるが、同じ動作用モータに出力される信号間で出力タイミングが異なっていたのでは、動作用モータの駆動精度を維持できないおそれがある。そこで、この実施の形態では、図36に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続するようにして、そのように動作用モータの駆動精度を維持できなくなる事態が発生することを防止ししている。
なお、逆に、例えば、図35で説明した発光体ユニット9071〜9074の発光体に接続する場合や、後述する図37の天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cに接続する場合など発光体に接続する場合には、上記のような駆動精度の問題などは生じないのであるから、各発光体に出力される信号間で出力タイミングが異なっていても、それ程支障が生じることはない。従って、ドライブ出力端子からの出力信号をLEDなどの発光体に接続する場合には、それ程出力タイミングを気にする必要はない。
次に、図37を用いて、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cとして用いる場合の接続例を説明する。図37に示すように、この実施の形態では、天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図37に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD3は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD4およびAD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001111(B)に設定されている場合が示されている。なお、図37は、一例であり、3つの発光体ドライバ90413a〜90413cが存在するのであるから、発光体ドライバ90413a〜90413cごとに異なるデコードアドレスが設定されるものとする。
また、図37に示す例では、S端子はグランド(GND)に接続されている。すなわち、S端子をL(ロー)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図29(2)に示すように、天枠LED909a、左枠LED909bおよび右枠LED909cの点灯制御を行うための発光体ドライバ90413a〜90413cは、相互に異なる発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載され、異なる基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号の伝送が行われるので、ノイズの影響が大きい。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定することによって、ノイズに対する耐性を確保するように構成している。
また、図37に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図37に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図37に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15mAに設定される。
また、図37に示す例では、VP端子には電源電圧VDL(12V)が接続されている。すなわち、図37に示す例では、シリアル−パラレル変換回路には12Vの電源電圧(VDL)と5Vの電源電圧(VCL、VCC)とが用いられているので、で電圧値が高い方の12Vの電源電圧VDLをV端子に接続し、12V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図37に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11は、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cとしての複数の発光体に接続されている。なお、図37に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されていたり、同様の制御を行う3つの発光体(例えば、単色LED)が直列に接続されていたりする図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよい。
また、図37に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
また、図35〜図37に示すように、この実施の形態では、発光体ドライバ90411やモータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413cのT端子がそれぞれH(ハイ)に設定されタイムアウト機能が有効状態に設定されている。この実施の形態では、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120は、後述する演出制御プロセス処理(ステップS9065参照)において発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cを点灯制御するための制御信号を出力したり、動作用モータ9060A〜9060Cを駆動制御するための制御信号を出力したりするのであるが、タイムアウト機能が有効状態に設定されているので、制御信号を1度出力しただけでは所定期間(本例では、1秒)経過後には各ドライブ出力端子からの出力信号が自動的にリセットされて点灯制御や駆動制御を継続できない。そこで、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90120は、例えば、後述する演出制御プロセス処理(ステップS9065参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cの点灯制御を継続して実行したり、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を継続して実行したりするように制御している。
なお、この実施の形態では、上記のようにタイムアウト機能を有効状態に設定するように構成し、所定期間(本例では、1秒)ごとに発光体ドライバ90411やモータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413cのドライブ出力端子からの出力が自動的に停止されるように構成しているので、例えば、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を行った後、動作用モータ9060A〜9060Cを停止させる制御を行ったにもかかわらず、信号の取りこぼしや誤動作によって動作用モータ9060A〜9060Cの駆動が停止せず、動作用モータ9060A〜9060Cの焼き付きを起こしてしまうような事態を防止できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図35〜図37に示すように、一律にT端子をH(ハイ)に設定しタイムアウト機能を有効状態に設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、用途に応じてタイムアウト機能の有効状態と無効状態との設定を使い分けてもよい。例えば、モータ駆動ドライバについては動作用モータの焼き付き防止の観点からタイムアウト機能を有効状態に設定する一方で、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cなどの発光体に関しては動作用モータ9060A〜9060Cと異なり焼き付きなどの問題は生じないのであるから、T端子をL(ロー)に設定しタイムアウト機能を無効状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、点灯制御や駆動制御を継続して実行するために、演出制御用マイクロコンピュータ90120が少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する場合を示しているが、そのような制御態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90120とは別に出力回路(出力IC)を設け(演出制御基板9012上に設けてもよいし、演出制御用中継基板9016Aなど他の基板上に設けてもよい)、演出制御用マイクロコンピュータ90120が制御信号を1回出力すると、出力回路が、その1回出力された制御信号にもとづいて、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図35〜図37に示すように、T端子が電源電圧VCC(5V)に接続され、ハードウェア上で物理的にT端子がH(ハイ)に設定されてタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、T端子設定用のレジスタにT端子を接続し、演出制御用マイクロコンピュータ90120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的にタイムアウト機能を有効状態とするか無効状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図35〜図37に示すように、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値(本例では、10kΩ)の外部抵抗が接続され、ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11の全出力の駆動電流値が15mAに設定されている。ここで、内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))も存在することから、そのような内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして用いて、内部リファレンス抵抗を用いるように設定することも考えられるが、一般にシリアル−パラレル変換回路が備える内蔵リファレンス抵抗は駆動電流値が固定(例えば、20mA固定)であったり誤差も大きい(例えば、誤差±30%)。そこで、この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に外部抵抗を接続して外部リファレンス抵抗を用いることによって、適切な駆動電流値(本例では、15mA)に設定するとともに、誤差も提言している(本例では、誤差±3%)。
なお、発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして、内部リファレンス抵抗と外部リファレンス抵抗との両方を利用可能なシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて、用途に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、この実施の形態で示した発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体のようにLEDなどの複数の発光体が密集して設けられている場合には、発光がまばらとなると演出に支障が生じることから、外部リファレンス抵抗を用いるようにし誤差が小さくなるように構成してもよい。一方、エラー報知ようなど単独で用いられるLEDの点灯制御を行う場合には、そのような演出上の障害はなく多少誤差が大きくても構わないことから、内部リファレンス抵抗を用いるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、電気部品(本例では、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、可動部材9051〜9054を動作させるための動作用モータ9060A〜9060C)を制御するための制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(本例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(本例では、発光体ドライバ90411、モータ駆動ドライバ90412、発光体ドライバ90413a〜90413c)とを備える。また、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、入力した制御信号と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる第1出力状態(本例では、通常のスルーレートの出力状態)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(本例では、低スルーレートの出力状態)とのいずれかの出力状態に設定可能である(本例では、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される)。そのため、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、基板からの電波放射を抑制できる一方、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。具体的には、低スルーレートの出力状態に設定すれば基板からの電波放射を抑制でき、通常のスルーレートの出力状態に設定すれば誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられている(本例では、図25に示すように、発光体制御基板9016C上に複数の発光体ドライバが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板9016C上の発光体ドライバ間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第2出力状態に設定されている(本例では、図35に示すように、発光体制御基板9016C上に搭載された発光体ドライバ90411ではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、同一基板内に他の出力手段が設けられている場合には、基板からの電波放射を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている(本例では、図29(2)に示すように、発光体ドライバ90413a〜90413cはそれぞれ異なる発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板9016D〜9016Fに搭載された発光体ドライバ90413a〜90413c間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第1出力状態に設定されている(本例では、図37に示すように、発光体制御基板9016D〜9016F上に搭載された発光体ドライバ90413a〜90413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、配線部材を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている場合には、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
上記のように、この実施の形態では、一般に回路基板はノイズ耐性が高いので回路基板内における接続関係では電波放射の抑制を優先して低スルーレートの出力状態に設定して緩やかな信号波形とし、逆に基板間に接続される配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)はノイズ耐性が低いので回路基板間の絶族関係ではノイズ耐性を優先して通常のスルーレートの出力状態として矩形波に近い信号波形としている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
なお、この実施の形態では、図35〜図37に示すように、S端子が電源電圧VCC(5V)に接続されたりグランド(GND)に接続され、ハードウェア上で物理的にS端子がH(ハイ)に設定されて低スルーレートの出力状態に設定されたりL(ロー)に設定されて通常のスルーレートの出力状態に設定されたりしている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、S端子設定用のレジスタにS端子を接続し、演出制御用マイクロコンピュータ90120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的に低スルーレートの出力状態とするか通常のスルーレートの出力状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一基板内に搭載された出力手段(本例では、発光体ドライバ)間での低スルーレートの出力状態による制御信号の伝送、または異なる基板に搭載された出力手段間での通常のスルーレートの出力状態による制御信号の伝送のいずれか一方のみが行われる基板(本例では、発光体制御基板9016C〜9016F)を備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの発光体制御基板に複数の発光体ドライバが搭載されている場合であって、それらの発光体ドライバのうち同じ発光体制御基板上の発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものと、さらに他の発光体制御基板に搭載れた発光体ドライバに対して制御信号を伝送するものとが混在するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバであっても、発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものは低スルーレートの出力状態に設定し、他の発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバに対して制御信号を出力するものは通常のスルーレートの出力状態に設定するように構成してもよい。
また、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号を伝送する場合であっても、必ずしも低スルーレートの出力状態に設定するのではなく、例えば、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合には、通常のスルーレートの出力状態に設定するようにしてもよい。図38は、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合の変形例を示す説明図である。
図38に示す変形例1では、発光体制御基板9016G上に搭載された1つの発光体ドライバ90413dが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板9016G上の発光体ドライバ90413eに伝送され、分岐した他方の制御信号が同じ発光体制御基板9016G上の発光体ドライバ413fに伝送される場合が示されている。変形例1に示すように、同じ発光体制御基板9016G上であっても、制御信号が分岐されてそれぞれ他の発光体ドライバ90413e,90413fに伝送される場合には、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図38に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。
図38に示す変形例2では、発光体制御基板9016H上に搭載された1つの発光体ドライバ90413gが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板9016H上の発光体ドライバ90413hに伝送され、分岐した他方の制御信号が外部の発光体制御基板(図示せず)上の発光体ドライバ(図示せず)に伝送される場合が示されている。変形例2に示すように、分岐した他方の制御信号が外部基板に伝送される場合であっても、やはり変形例1と同様に、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図38に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する(本例では、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図34に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)。そして、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(本例では、図34に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)。そのため、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、動作を行う可動部材(本例では、可動部材9051〜9054)を備える。また、可動部材を動作させる駆動手段(本例では、動作用モータ9060A〜9060C)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(本例では、図36に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)。そのため、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(本例では、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(本例では、タイムアウト機能)を有する(本例では、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図31参照。)。そのため、配線不具合などによる動作不具合を回避でき、電気部品を安定して制御することができる。
また、この実施の形態によれば、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段を備える(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90120は、例えば、演出制御プロセス処理(ステップS9065参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cの点灯制御を継続して実行したり、動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御を継続して実行したりするように制御している)。そのため、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(本例では、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図31参照。)。そのため、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
次に、パチンコ遊技機901の制御について説明する。パチンコ遊技機901においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果にもとづいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機901における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことにもとづいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図22に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにもとづいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにもとづいて第1開始条件が成立する。こうして、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
遊技領域に向けて発射された遊技球が、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図22に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにもとづいて、第2開始条件が成立する。こうして、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。なお、普通可変入賞球装置906Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置906Bでは、普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことにもとづいて、電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。開放制御や拡大開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが第1可変状態としての拡大開放状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過容易または通過可能になる。普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件は、通過ゲート9041を通過した遊技球が図22に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことにもとづいて成立する。普図始動条件が成立した後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことにもとづいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定にもとづく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図22に示す主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から演出制御基板9012に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定にもとづいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特別図柄の可変表示に対応して、メイン画像表示装置905MAの画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ「左図柄」、「中図柄」、「右図柄」ともいう。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、メイン画像表示装置905MAにおいて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことにもとづいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、メイン画像表示装置905MAの画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置907が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、大入賞口スイッチ9023により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機901は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことにもとづいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置906Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことにもとづく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、「高開放制御」(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な「特別遊技状態」(「有利遊技状態」ともいう)となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
メイン画像表示装置905MAにおいて、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態を「リーチ状態」という。)において行われる演出を、「リーチ演出」という。また、リーチ状態やその様子を「リーチ態様」という。さらに、リーチ演出が含まれる可変表示を「リーチ可変表示」という。リーチ態様は、飾り図柄の変動パターンなどに対応して予め複数種類が用意されており、リーチ態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。リーチ演出のうちには、ノーマルのリーチ演出と、ノーマルのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ演出とが含まれていればよい。そして、メイン画像表示装置905MAの画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
メイン画像表示装置905MAの画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などにもとづいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置904Aまたは第2特別図柄表示装置904Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機901において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機901で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機901において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
図22および図23に示すような演出制御基板9012に搭載されるROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの一部または全部として、例えばNAND−ROMが用いられ、データ書込装置であるROMライタにより、記憶内容を書換可能としてもよい。このような書換可能なメモリは、データ領域と、冗長領域とを備えてもよい。データ領域は、パチンコ遊技機901などの遊技機において各種処理を実行するためのプログラムやデータを記憶する。冗長領域は、データ領域中の不良エリアに代えて使用する代替エリアを有している。CPU90130やVDP90140は、データ領域に記憶しているデータと、データ領域中に生じた不良エリアに代えて使用される代替エリアに記憶するデータにもとづいて、各種処理を実行する。このようなメモリの冗長領域には、メモリの履歴情報を記憶してもよい。履歴情報は、メモリのリサイクルに関する情報であればよい。一例として、履歴情報は、これまでにメモリが使用されたパチンコ遊技機901などの機種識別情報と、日付情報の少なくとも一方を含んでもよい。また、履歴情報は、これまでにメモリが使用された遊技店毎の店舗識別情報を含んでもよい。このように、メモリの冗長領域に履歴情報を記憶することで、メモリの外部にリサイクル管理のためのバーコード等を貼付する必要がなく、メモリに記憶している履歴情報にもとづいて正確にリサイクル管理を行うことができる。冗長領域に履歴情報を記憶させるので、履歴情報が通常使用するデータ領域などに影響を及ぼすことがなく、プログラムやデータの同一性を確保することができる。
あるいは、書換可能なメモリは、データ領域中の不良エリアと、冗長領域中の代替エリアとの対応関係を示す対応関係情報を記憶する制御領域を備えてもよい。制御領域は、冗長領域中の履歴情報の記憶位置を示す配置情報を記憶してもよい。あるいは、対応関係情報を記憶して、その対応関係情報にもとづいてデータの読み出しを行うメモリ制御部を、メモリに内蔵させ、このメモリ制御部は、冗長領域中の履歴情報の記憶位置を示す配置情報を記憶してもよい。このように、データ領域中の不良エリアと冗長領域中の代替エリアの対応関係を示す対応関係情報を記憶するとともに、履歴情報の記憶位置を示す配置情報を記憶することで、代替エリアに対するデータ読み出しと同様に、履歴情報の読み出しを適切に管理することが可能となる。
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板9011の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM90102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定にもとづく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図39は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90100のCPU90103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS9011)。一例として、ステップS9011では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オンまたはオフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS9011にて始動入賞が発生した場合には(ステップS9011;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS9012)。一例として、ステップS9012の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵(または外付)の乱数回路90104や、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ90100においてRAM90102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶されればよい。
ステップS9012の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS9013)。一例として、ステップS9013の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS9011にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS9011;No)、ステップS9013の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS9021)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS90101)。一例として、ステップS90101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS90101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS90101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS90101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS90102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、「特図表示結果」と称される。ステップS90102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS90102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS90102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS90103)。一例として、ステップS90103の処理では、ステップS90102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS90104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS90111)。図40は、パチンコ遊技機901において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、メイン画像表示装置905MAにおいて可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS90111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS90111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS90111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS90111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS90112)。一例として、ステップS90112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS90112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことにもとづく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことにもとづいて、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことにもとづいて、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS90113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS90121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS90122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS90121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS90123)。
ステップS90123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS90124)。一例として、ステップS90124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS90124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS90125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS90125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS90126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS90125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS90127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立にもとづき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS90131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS90131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS90131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS90133)。
一例として、ステップS90133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用マイクロコンピュータ90120では、CPU90130が演出制御メイン処理を実行する。
この実施の形態において、演出制御メイン処理では、予め定められたメモリ検査条件が成立することにより、メモリ検査処理が実行される場合がある。メモリ検査処理は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに記憶しているプログラムやデータが正常であるか否かを判定する判定処理となる。メモリ検査処理では、判定処理としてチェックサム処理を実行することで、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの記憶内容を検査して、検査結果となるチェックサムを表示可能とする。また、演出制御メイン処理は、演出制御用のタイマ割込みが発生したことにもとづいて実行される演出制御プロセス処理といった、各種の演出装置による演出を制御するための処理を含んでいる。
また、演出制御メイン処理では、予め定められた原点確認条件が成立することにより、可動部材9051〜9054の原点位置を確認する場合がある。可動部材9051〜9054の原点位置は、例えば図21(A)に示すような退避状態に対応する位置であり、可動部材9051、9052のそれぞれがメイン画像表示装置905MAの上方に配置されるとともに、可動部材9053、9054のそれぞれがメイン画像表示装置905MAの下方に配置される位置として、予め定められていればよい。原点確認条件が成立した場合には、可動部材9051〜9054の初期動作を実行して、可動部材9051〜9054のそれぞれを原点位置とするための制御が行われる。このときには、可動部材位置センサ9061により可動部材9051〜9054などの位置を検出した結果にもとづいて、可動部材9051〜9054を原点位置に停止させることができたか否かの確認が行われる。そして、原点位置に停止させることができなかった場合には、原点異常が発生したとして、異常報知が行われる。
図41は、CPU90130が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す演出制御メイン処理において、CPU90130は、まず、基板の接続状態を確認する(ステップS9051)。ステップS9051では、例えば演出制御基板9012が主基板9011と接続されているか否かと、演出制御基板9012が演出制御用中継基板9016Aと接続されているか否かとを特定する。主基板9011との接続確認を行うために、CPU90130は、内部タイマによる計時を開始した後、主基板9011から送信される初期化コマンドまたは電源復旧コマンドを受信したかどうかを判定してもよい。そして、初期化コマンドまたは電源復旧コマンドを受信することなく計時開始から所定時間が経過した場合には、演出制御基板9012と主基板9011とが未接続状態であると判定すればよい。
図42(A)、(B)は、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとを接続するための構成例を示している。図42(A)に示すように、演出制御基板9012には、ハーネスHN1の一端に設けられたコネクタ(プラグ)を挿入することで、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとを物理的および電気的に接続するためのコネクタ(ソケット)CN1が設けられている。図42(B)に示すように、演出制御用中継基板9016Aには、ハーネスHN1の他端に設けられたコネクタ(プラグ)を挿入することで、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとを物理的および電気的に接続するためのコネクタ(ソケット)CN2が設けられている。ハーネスHN1は、多数の配線ケーブルを結束して構成されたものであればよい。演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01は、端子TM01〜TM24を備えている。演出制御用中継基板9016Aに設けられたコネクタCN11は、端子TN01〜TN24を備えている。コネクタCN01が備える端子TM01〜TM24と、コネクタCN11が備える端子TN01〜TN24は、コネクタCN01およびコネクタCN11にハーネスHN1が取り付けられた場合に、それぞれ対応する番号の端子(例えば端子TM01と端子TN01)が物理的および電気的に接続される関係であればよい。
図42(C)は、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01が備える端子TM01〜TM24に対応する入出力内容の設定例を示している。コネクタCN01が備える端子TM01〜TM24は、グランド(GND)やVSL(AC24Vを整流および平滑)、VDL(DC12V)、VCL(DC5V)といった、各種の電圧を提供可能とする。また、端子TM01〜TM24には、駆動制御基板9016Bや発光体制御基板9016C〜9016Fに搭載されたドライバIC用のデータ信号やクロック信号を供給する端子TM03、TM04や、シリアル信号方式で各種データを送受信するための端子TM05〜TM08などが含まれている。さらに、端子TM01〜TM24のうちの端子TM22には、演出制御用中継基板9016Aとの接続確認に用いられる信号SM1が入力可能となる。図42(A)、(B)に示すように、コネクタCN01の端子TM20、TM21から出力されたVCLの電圧は、ハーネスHN1を介して、演出制御用中継基板9016Aに設けられたコネクタCN11の端子TN20、TN21に供給される。コネクタCN11の端子TN20〜TN22は、演出制御用中継基板9016Aの基板上で短絡されていればよい。したがって、ハーネスHN1が接続された状態の場合には、コネクタCN11の端子TN22からハーネスHN1を介して、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01の端子TM22へと、VCLに対応する電圧が供給される。これに対し、ハーネスHN1が接続されていない未接続状態の場合には、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01の端子TM22に対する電圧の供給が行われない。
図41に示すステップS9051において、演出制御用中継基板9016Aとの接続状態を確認するために、CPU90130は、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01の端子TM22における信号SM1の入力状態を判定する。そして、信号SM1がVCLに対応した高電圧状態であれば、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016AとがハーネスHN1を介して接続された状態であると判定する。これに対し、信号SM1が電圧未供給に対応した低電圧状態であれば、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態であると判定する。このように、接続確認用端子となる端子TM22における電圧にもとづいて、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとの接続状態を確認すればよい。
ステップS9051による接続状態の確認結果にもとづいて、演出制御用中継基板9016Aとの接続があるか否かを判定する(ステップS9052)。ステップS9052では、端子TM22における信号SM1がVCLに対応した高電圧状態である場合に演出制御用中継基板9016Aとの接続ありと判定するのに対し、端子TM22における信号SM1が電圧未供給に対応した低電圧状態である場合に演出制御用中継基板9016Aとの接続なしと判定すればよい。ステップS9052にて接続なしと判定された場合には(ステップS9052;No)、中継未接続フラグをオン状態にセットする(ステップS9053)。中継未接続フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵されたワークメモリ90131あるいは演出制御用マイクロコンピュータ90120に外付けされたRAM90122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に予め用意されていればよい。ステップS9052にて接続ありと判定された場合には、ステップS9053の処理を実行しないことで、中継未接続フラグがオフ状態に維持される。
続いて、ステップS9051による接続状態の確認結果にもとづいて、主基板9011との接続があるか否かを判定する(ステップS9054)。ステップS9054では、計時開始から所定時間が経過するまでに初期化コマンドまたは電源復旧コマンドの受信があった場合に主基板9011との接続ありと判定するのに対し、初期化コマンドまたは電源復旧コマンドの受信がないまま所定時間が経過した場合に主基板9011との接続なしと判定すればよい。なお、コマンド受信の有無に応じて接続の有無を判定するものに限定されず、演出制御用中継基板9016Aとの接続状態と同様に、接続確認用端子となる所定端子における電圧にもとづいて、主基板9011との接続があるか否かを判定してもよい。ステップS9054にて接続なしと判定された場合には(ステップS9054;No)、メモリ検査処理(ステップS9055)を実行した後、ループ処理を実行して待機する。
この実施の形態では、主基板9011と演出制御基板9012との間で各種の制御信号を伝送するコマンド線としてのケーブルを結束したハーネスが接続されていない状態で電力供給が開始された場合には、メモリ検査条件が成立して、ステップS9055にてメモリ検査処理が実行される。これに対し、主基板9011と演出制御基板9012との間でハーネスが接続された状態で電力供給が開始された場合には、メモリ検査条件が不成立となり、ステップS9055のメモリ検査処理が実行されない。このように、主基板9011と演出制御基板9012との間に取り付けられるコマンド線となるケーブル(ハーネス)を抜いた状態でパチンコ遊技機901の電源投入が行われることにより、メモリ検査条件が成立するようにしてもよい。
なお、メモリ検査条件は、コマンド線を抜いた状態で電源投入が行われることにより成立するものに限定されず、例えばプッシュボタン9031Bが押下された状態で電源投入が行われることにより成立するものであってもよい。あるいは、例えば開閉可能な遊技機用枠903が開放された状態で電源投入が行われることによりメモリ検査条件が成立してもよい。その他、予め定められた任意の状態が検知されることにより、メモリ検査条件が成立するようにしてもよい。
ステップS9055のメモリ検査処理では、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの記憶データを用いたチェックサム演算などが行われ、演算結果などをメイン画像表示装置905MAの画面上に表示可能とすればよい。メモリ検査処理が実行された場合には、パチンコ遊技機901の電源スイッチを一旦オフとした後、コマンド線としてのケーブル(ハーネス)を接続した状態で再び電源スイッチをオンとすることで、演出の制御を実行可能な状態とすればよい。あるいは、コマンド線としてのケーブル(ハーネス)を接続してリセットスイッチを押下することで、電源の再投入を行うことなく、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。あるいは、パチンコ遊技機901の電源スイッチを一旦オフとした後、プッシュボタン9031Bが押下されていない状態で電源投入を行うことで、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。その他、予め定められた演出制御条件が成立することで、ステップS9056に進み、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。
ステップS9054にて接続ありと判定された場合には(ステップS9054;Yes)、初期設定処理(ステップS9056)が実行される。ステップS9056の初期設定処理では、例えばRAM90122における記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタおよびタイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。この初期設定処理には、演出データ転送処理が含まれてもよい。演出データ転送処理は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納されて各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータのうちで、予め定められたデータ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)を、RAM90122やVRAM90141などへと転送するための処理であればよい。また、初期設定処理では、演出データ転送処理による演出データの転送とともに、可動部材9051〜9054および装飾部材9057による初期動作の実行制御が行われてもよい。このとき行われる初期動作は、例えば可動部材9051〜9054を退避状態から進出状態となるように変化(移動)させ、所定時間が経過するまで進出状態で停止させた後に、退避状態へと戻す動作などであればよい。
ステップS9056にて初期設定処理を実行した後には、中継未接続フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9057)。中継未接続フラグがオフである場合には(ステップS9057;No)、演出制御用中継基板9016Aが接続された状態であることに対応して、可動部材9051〜9054などの原点位置を確認する(ステップS9058)。この場合には、原点異常があるか否かを判定し(ステップS9059)、原点異常があるときには(ステップS9059;Yes)、原点異常の報知を行って(ステップS9060)、ステップS9058に戻る。なお、ステップS9060により原点異常の報知を行った後は、ステップS9061に進むようにしてもよい。
ステップS9058では、例えば可動部材9051〜9054の原点位置を確認するために、可動部材9051〜9054の位置検出信号として、可動部材位置センサ9061による検出信号を取得する。可動部材位置センサ9061による検出信号は、可動部材9051〜9054の位置を検出した結果を示している。図42(A)に示す演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01では、シリアル受信用の端子TM07に入力される信号のうちに、可動部材位置センサ9061による検出信号が含まれていればよい。CPU90130は、汎用出力コントローラ90145によって取得された可動部材位置センサ9061による検出信号を確認することで、可動部材9051〜9054の位置検出信号にもとづいて、可動部材9051〜9054が原点位置にあるか否かを確認できればよい。ステップS9060による原点異常の報知は、例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示、スピーカ908L、908Rからの音声出力、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cあるいは天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cとは別個に設けられた報知ランプの点灯、その他の演出装置を用いた報知動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、実行可能となるものであればよい。さらに、演出制御基板9012に設けられた特定端子からの信号出力を、原点異常の有無に応じて異なる出力状態としてもよい。このように、可動部材の異常報知は、任意の出力を制御することにより実現可能なものであればよい。
ステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合には、演出制御基板9012に設けられたコネクタCN01と、ハーネスHN1および演出制御用中継基板9016Aに設けられたコネクタCN11との接続がなく、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態となっている。この場合に、コネクタCN01の端子TM07には可動部材位置センサ9061による検出信号の入力がない。そのため、仮に可動部材9051〜9054などの原点位置を確認したとしても、原点異常ありと判定されてしまい、異常報知が実行されてしまうことになる。特に、製造段階や開発段階において、例えば演出制御用マイクロコンピュータ90120の動作確認などを行う目的で、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態のときに電源投入を行うことがある。このような製造段階や開発段階における異常報知の頻発を防止して作業効率を向上するために、ステップS9057にて中継未接続フラグがオンであるとの判定に対応して、ステップS9058〜S9060を実行しないようにする。これにより、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態となっている場合には、可動部材9051〜9054の原点位置を確認せず、原点異常の発生による異常報知を実行しない。
ステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合や(ステップS9057;Yes)、ステップS9059にて原点異常がないと判定された場合には(ステップS9059;No)、演出制御メイン処理において演出用乱数更新処理(ステップS9061)が実行され、演出用乱数となる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用乱数は、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵(または外付け)された乱数回路を用いて、ハードウェアにより更新される演出用乱数については、演出用乱数更新処理では更新されなくてもよい。あるいは、ハードウェアにより更新される乱数値を示す数値データを用いて、ソフトウェアにより演出用乱数が更新されてもよい。
ステップS9061にて演出用乱数更新処理を実行した後には、タイマ割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9062)。タイマ割込みフラグは、演出制御用のタイマ割込みが発生するとオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオンであると判定された場合には(ステップS9062;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS9063)、コマンド解析処理(ステップS9064)と、演出制御プロセス処理(ステップS9065)とを順次に実行してから、ステップS9061の処理に戻る。ステップS9064のコマンド解析処理やステップS9065の演出制御プロセス処理は、演出制御用のタイマ割込み処理に含まれる。タイマ割込みフラグがオフであると判定された場合には(ステップS9062;No)、ステップS9063〜S9065の処理を実行せずに、ステップS9061の処理に戻る。
図43は、図41に示す演出制御メイン処理のステップS9060による異常報知の実行例を示している。図43に示す実行例では、メイン画像表示装置905MAの画面上における画像表示により、原点異常の発生を報知する。このときには、可動部材位置センサ9061による検出結果を示す位置検出信号にもとづいて、演出可動機構9050における上側機構(上側役物)と下側機構(下側役物)のいずれに異常が生じているかを特定可能なエラーメッセージが表示されてもよい。このように、複数の可動部材を用いて構成された複数種類の役物のうち、いずれの種類の役物に異常が生じているかを遊技場の店員等が認識可能な報知態様で、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。
なお、メイン画像表示装置905MAの表示画面は、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが進出状態である場合に、視認困難または視認不可能となる。そのため、メイン画像表示装置905MAの画面上における画像表示により可動部材の異常報知を行った場合には、遊技場の店員等が異常発生を認識困難または認識不可能となるおそれがある。そこで、メイン画像表示装置905MAなどによる画像表示とともに、あるいは画像表示に代えて、演出可動機構9050の上側機構や下側機構の状態にかかわらず視認可能な報知ユニットを用いて、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。このような報知ユニットとして、例えば遊技機用枠903の上部位置や左部位置、右部位置に設けられて、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cに含まれる、あるいは天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cとは別個に設けられた、複数の報知用発光部材が用いられてもよい。これらの報知用発光部材は、例えばLEDを用いて構成されていればよい。複数の報知用発光部材による点灯態様の組合せに応じて、いずれの種類の役物に異常が生じているかを遊技場の店員等が認識可能な報知態様で、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。一例として、報知ユニットが第1報知用発光部材と第2報知用発光部材とを含む場合に、図41に示す演出制御メイン処理のステップS9060では、演出可動機構9050の上側機構に異常が発生すれば第1報知用発光部材が点灯する一方、演出可動機構9050の下側機構に異常が発生すれば第2報知用発光部材が点灯するように、報知ユニットの点灯制御が行われてもよい。このように、可動部材の状態にかかわらず認識可能な報知ユニットを用いて可動部材の異常報知を行うことで、可動部材の状態によって認識困難または認識不可能となる構成がある場合でも、可動部材に異常が発生したことや、いずれの可動部材に異常が発生したかのかを、特定可能に報知することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理を実行可能であり、主基板9011から中継基板9015を介して伝送される演出制御コマンドを、ホストインタフェース90132から取得できればよい。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。ステップS9064のコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。ステップS9065の演出制御プロセス処理では、例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上における演出用の画像表示、スピーカ908L、908Rからの音声出力、発光体ユニット9071〜9074のそれぞれに整列配置された複数の発光体における点灯、発光体ユニット9071〜9074とは異なる天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cおよび装飾用LEDなどの各種発光部材における点灯、可動部材9051〜9054を移動させる動作用モータ9060A〜9060Cの駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図44(A)は、メモリ検査処理として、図41のステップS9055にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。メモリ検査処理では、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの記憶データを用いたチェックサム演算として、ROM90121に設けられた複数の記憶エリアにおける記憶データを用いた第1チェックサム演算と、ROM90121における記憶データの全部を用いた第2チェックサム演算と、演出データメモリ90123A〜90123Cに設けられた複数の記憶エリアにおける記憶データを用いた第3チェックサム演算と、演出データメモリ90123A〜90123Cにおける記憶データの全部を用いた第4チェックサム演算とのうち、一部または全部の演算が実行されるようにすればよい。この実施の形態では、第1チェックサム演算に続いて第2チェックサム演算が実行された後に、第4チェックサム演算として演出データメモリ90123A〜90123Cのそれぞれにおける記憶データの全部を用いた演算が実行され、それぞれの演算結果などがメイン画像表示装置905MAの画面上に表示される。
図44(A)に示すメモリ検査処理において、CPU90130は、まず、メモリ検査設定テーブルをセットする(ステップS90201)。メモリ検査設定テーブルは、チェックサム演算によるチェックサムの算出開始アドレスや算出終了アドレスを設定するためのテーブルである。メモリ検査設定テーブルを構成するテーブルデータは、例えばROM90121の所定領域(例えば第1記憶エリア)などに予め記憶されていればよい。
図44(B)は、メモリ検査設定テーブルの構成例を示している。図44(B)に示す構成例では、表示回数が「0」〜「5」のそれぞれに対応して、チェックサムの算出開始アドレスと算出終了アドレスとが指定される。表示回数は、メイン画像表示装置905MAの画面上にチェックサムを表示した回数であり、初期値として「0」が設定された後、チェックサム演算による演算結果を表示するごとに1加算されるようにすればよい。
図44(A)に示すステップS90201での設定に続いて、表示回数を「0」に設定する(ステップS90202)。例えばステップS90202において、予め用意された表示回数カウンタをクリア(初期化)することで、表示回数のカウント値を「0」に設定できればよい。表示回数カウンタは、CPU90130の内蔵レジスタを用いて構成されてもよいし、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)を用いて構成されてもよい。
その後、表示回数に対応するパラメータの設定が行われる(ステップS90203)。例えばステップS90203では、クリアデータをチェックサムデータエリアにセットするとともに、チェックサムの算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの算出終了アドレスを、ポインタが示すアドレスとの比較が可能に設定する。これらのパラメータは、CPU90130が内蔵する複数のレジスタに設定されてもよいし、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域に設定されてもよい。
ステップS90203により設定されたパラメータを用いて、チェックサムを演算する(ステップS90204)。例えばステップS90204では、チェックサムデータエリアの内容とポインタが示すROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cのアドレスにおける記憶データとの排他的論理和を演算する。演算結果はチェックサムデータエリアの新たな記憶データとしてストアされるとともに、ポインタの値によって示されるアドレスが算出終了アドレスに達しているか否かを判定する。算出終了アドレスに達していない場合には、ポインタの値が1加算され、排他的論理和を演算する処理に戻る。算出終了アドレスに達した場合には、チェックサムデータエリアの内容となる各ビットの値を反転することなどにより、算出開始アドレスから算出終了アドレスまでの記憶データを用いたチェックサムを得ることができる。
ステップS90204によるチェックサム演算に伴い、中継未接続フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS90205)、中継未接続フラグがオンであれば(ステップS90205;Yes)、表示回数に応じた演算内容を更新表示する(ステップS90206)。したがって、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態となっている場合には、チェックサム演算の実行結果などについて、表示可能とするように制御する。これに対し、中継未接続フラグがオフであれば(ステップS90205;No)、ステップS90206の処理を実行しないようにする。これにより、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続された状態となっている場合には、チェックサム演算の実行結果などについて、表示を行わないように制御する。ステップS90206にて演算内容を更新表示することにより、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに記憶された演出データが正常であるか否かを判定する判定処理による判定結果を、メイン画像表示装置905MAといった表示装置にて表示可能となる。
その後、チェックサム演算が完了したか否かを判定し(ステップS90207)、完了していない場合には(ステップS90207;No)、ステップS90204に戻ってチェックサム演算を継続する。ステップS90207にて演算完了となった場合には(ステップS90207;Yes)、表示回数を1加算した後(ステップS90208)、その表示回数が終了判定値に達したか否かを判定する(ステップS90209)。終了判定値として、例えば「6」を予め設定しておくことにより、図44(B)に示すようなメモリ検査設定テーブルの設定に対応して、チェックサムの演算結果を6通り表示させることができる。終了判定値に達していない場合には(ステップS90209;No)、ステップS90203の処理に戻り、終了判定値に達した場合には、メモリ検査処理を終了する。
図45は、メイン画像表示装置905MAの画面上における演算結果の表示例を示している。この表示例では、図44(B)に示すようなメモリ検査設定テーブルの設定に対応するチェックサムの演算結果として、ROM90121に対応する「プログラムROM」について(A)〜(C)という3通りの演算結果などを表示させ、演出データメモリ90123A〜90123Cに対応する「データROM」について(A)〜(C)という3通りの演算結果などを表示させている。また、図45の表示例では、チェックサム演算の進行状況(完了率)や演算結果にもとづく異常の有無なども確認可能に表示させている。図45に示す「プログラムROM」の(A)は、図44(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「0」の場合に設定される算出開始アドレスMA00と算出終了アドレスMA01とに対応して、ROM90121において演出制御用のプログラムや各種の管理データが記憶される第1記憶エリアの記憶データを用いて算出されたチェックサムであることを示している。図45に示す「プログラムROM」の(B)は、図44(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「1」の場合に設定される算出開始アドレスMA02と算出終了アドレスMA10とに対応して、ROM90121において音声データが記憶される第2記憶エリアの記憶データを用いて算出されたチェックサムであることを示している。図45に示す「プログラムROM」の(C)は、図44(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「2」の場合に設定される算出開始アドレスMA00と算出終了アドレスMA10とに対応して、ROM90121における記憶データの全部を用いて算出されたチェックサムであることを示している。図45に示す「データROM」の(A)は、図44(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「3」の場合に設定される算出開始アドレスMA10+1と算出終了アドレスMA20とに対応して、演出データメモリ90123Aにおける記憶データの全部を用いて算出されたチェックサムであることを示している。図45に示す「データROM」の(B)は、図44(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「4」の場合に設定される算出開始アドレスMA20+1と算出終了アドレスMA30とに対応して、演出データメモリ90123Bにおける記憶データの全部を用いて算出されたチェックサムであることを示している。図45に示す「データROM」の(C)は、図44(B)に示すメモリ検査設定テーブルで表示回数が「5」の場合に設定される算出開始アドレスMA30+1と算出終了アドレスMA40とに対応して、演出データメモリ90123Cにおける記憶データの全部を用いて算出されたチェックサムであることを示している。
チェックサムの演算結果は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cにおける記憶データの内容に応じて異なるものとなる。例えばROM90121や演出データメモリ90123A〜90123CがEEPROMあるいはNAND−ROMなどの電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリである場合には、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納されている演出制御用のプログラムや各種データのバージョンに応じて、異なるチェックサムの演算結果が得られる。図44(A)に示すようなメモリ検査処理を実行して、メイン画像表示装置905MAの画面上にチェックサムの演算結果を表示させることで、パチンコ遊技機901の製造段階や開発段階において、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納されている演出制御用のプログラムや各種データのバージョンを容易に確認することができる。これにより、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cにおける記憶データのバージョン管理が容易になり、例えば演出制御用のプログラムと音声データや画像データなどのバージョンに不整合が生じることを確実に防止できる。なお、チェックサムの演算結果とともに、演出制御用のプログラムや各種データのバージョンを示すバージョン情報を、メイン画像表示装置905MAの画面上に表示させてもよい。バージョン情報は、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cの所定領域に予め記憶されていればよい。チェックサムの演算結果とともにバージョン情報を表示させることにより、演出制御用のプログラムや各種データのバージョンをより確認しやすくするとともに、バージョンに対応するチェックサムを読み取ることで、記憶データに誤りがあるか否かを容易に確認することができる。
なお、チェックサムの演算に用いる記憶データやチェックサムの表示回数などは、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cなどを対象としたメモリ検査の設定に応じて、任意に変更されたものであってもよい。一例として、図44(B)に示すメモリ検査設定テーブルのうちで、表示回数が「2」の場合に設定される算出開始アドレスMA00と算出終了アドレスMA10とに対応したチェックサムの演算を実行しない設定とすることで、より少ないチェックサムについて、演算結果を表示することができるようにしてもよい。あるいは、表示回数が「6」以上に対応する算出開始アドレスや算出終了アドレスの設定を追加することで、より多くのチェックサムについて、演算結果を表示することができるようにしてもよい。
図44(A)に示すメモリ検査処理は、図41に示す演出制御メイン処理のステップS9054にて主基板9011との接続がないと判定された場合に、ステップS9055で実行される。また、図44(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合には、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態となっている。したがって、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011の両方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、ステップS90206による更新表示が可能となり、チェックサムの演算結果にもとづくプログラムやデータの判定結果を表示可能とする。これに対し、図41に示す演出制御メイン処理のステップS9054にて主基板9011との接続があると判定された場合には、ステップS9055のメモリ検査処理が実行されない。また、ステップS9055にてメモリ検査処理が実行された場合でも、図44(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオフであると判定された場合には、ステップS90206による更新表示が行われない。これにより、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011のいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態であるだけでは、チェックサムの演算結果にもとづくプログラムやデータの判定結果について表示を行わないように制御する。
ステップS90206による演算内容の更新表示に代えて、あるいは、演算内容の更新表示とともに、チェックサムの演算結果にもとづく任意の報知が行われてもよい。例えばメイン画像表示装置905MAの画面上における画像表示に代えて、あるいは、この画像表示とともに、サブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示、スピーカ908L、908Rからの音声出力、天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cあるいは天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cとは別個に設けられた報知ランプの点灯、その他の演出装置を用いた報知動作、これらの一部または全部の組合せなどによって、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに記憶された演出データが正常であるか否かを判定する判定処理の判定結果を特定可能な報知が実行されてもよい。さらに、演出制御基板9012に設けられた特定端子からの信号出力を、チェックサムの演算結果などに応じて異なる出力状態としてもよい。このように、演出データが正常であるか否かの判定結果は、任意の出力を制御することにより報知可能なものであればよい。
図46は、図41のステップS9065にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、BGM変更タイミングであるか否かを判定する(ステップS90151)。例えば、CPU90130は、主基板9011から伝送された演出制御コマンドなどにもとづいて、予め定められたBGM変更条件が成立したときに、BGM変更タイミングであると判定すればよい。一例として、BGM変更条件は、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のいずれかに変更されたときに、成立するように設定されていればよい。
ステップS90151にてBGM変更タイミングであると判定された場合には(ステップS90151;Yes)、BGMとして再生する楽曲に対応する音声データの開始アドレスと終了アドレスを特定する(ステップS90152)。例えば、ROM90121の所定領域には、パチンコ遊技機901における遊技状態ごとにBGMとして再生する楽曲に対応する音声データについて、ROM90121あるいは演出データメモリ90123Aにおける開始アドレスと終了アドレスを特定可能に示すデータを含むBGM設定テーブルが予め記憶されていればよい。CPU90130は、主基板9011から伝送された演出制御コマンドにもとづいて特定された遊技状態に応じて、BGM設定テーブルを参照することで、音声データの開始アドレスと終了アドレスを特定すればよい。
ステップS90152の処理に続いて、BGMとなる楽曲を繰り返し再生させるループ再生を開始するためのループ再生開始制御を行う(ステップS90153)。例えばCPU90130は、ステップS90152により特定された音声データの開始アドレスと終了アドレスとともに、ループ再生の指示が示される指令を、音声処理回路90143に対して通知する。音声処理回路90143では、ROM90121や演出データメモリ90123Aにアクセスして、CPU90130からの指令に示された開始アドレスと終了アドレスの区間から音声データを読み出すことができればよい。そして、ループ再生を行う指定に従って、音声データに応じた楽曲を先頭から順次に再生し、楽曲の末尾が再生されると、再び先頭に戻って楽曲の再生を繰り返すようにすればよい。
こうしたステップS90153によるループ再生開始制御により、例えばパチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態であるときには、通常時BGMとしての楽曲を、繰り返し再生することができる。また、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態であるときには、確変中BGMとしての楽曲を、繰り返し再生することができる。パチンコ遊技機901における遊技状態が時短状態であるときには、時短中BGMとしての楽曲を、繰り返し再生することができる。
ステップS90151にてBGM変更タイミングではないと判定された場合や(ステップS90151;No)、ステップS90153によるループ再生開始制御を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じた処理が実行される。このとき、CPU90130は、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS90170〜S90176の処理が含まれている。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かにもとづき、メイン画像表示装置905MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、メイン画像表示装置905MAの画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、CPU90130は、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などにもとづいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS90174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどにもとづいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU90130は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容にもとづく演出画像をメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に表示させたり、発光体ユニット9071〜9074による表示演出を実行させたりすること、音声出力基板9013に対する効果音信号の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、発光体制御基板9016D〜9016Fに対する電飾信号の出力により天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909c、装飾用LEDを点灯または消灯あるいは点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板9011から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS90176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、CPU90130は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容にもとづく演出画像の表示や果音の出力、各種発光部材の点灯または消灯あるいは点滅、その他の演出動作を制御して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図47は、図46のステップS90171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図47に示す可変表示開始設定処理において、CPU90130は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS90401)。ステップS90401の処理として、CPU90130は、主基板9011から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容にもとづいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU90130は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU90130は、演出制御用マイクロコンピュータ90120に内蔵(または外付け)された乱数回路あるいはワークメモリ90131やRAM90122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより更新される演出用乱数のうち、左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出用乱数のうちで右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出用乱数のうちで中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU131は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU90130は、演出用乱数のうちで左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出用乱数のうちで中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、CPU90130は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。CPU90130は、演出用乱数のうちで大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS90401の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS90401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS90401における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS90402)。ステップS90402では、例えば予めROM90121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90130は、演出用乱数のうちで予告演出決定用の乱数値を示す数値データにもとづいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
ステップS90402による予告演出の決定に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS90403)。例えば、CPU90130は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、CPU90130は、ステップS90402の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS90403により演出制御パターンを決定した後、CPU90130は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90404)。そして、メイン画像表示装置905MAにおける飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS90405)。このときには、例えばステップS90404にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をVDP90140に対して伝送させることなどにより、メイン画像表示装置905MAの画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS90405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS90406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア905Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図48(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。図48(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、発光体制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、ワークメモリ90131またはRAM90122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板9011から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミングなどを示すデータが設定されていてもよい。このような演出制御パターンを構成するパターンデータは、管理データとして、ROM90121に予め記憶されていればよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。サブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示データには、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体による点灯態様を制御する点灯データの作成に用いられる表示データが付加されてもよい。この場合には、表示制御データによりサブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定すれば、発光体ユニット9071〜9074を構成するように整列配置された複数の発光体による点灯態様も指定することができる。表示制御データにより発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体における点灯態様を指定するものに限定されず、表示制御データとは別個の制御データを用いて、複数の発光体における点灯態様が指定されてもよい。
音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ908L、908Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作を指定するデータである。例えば、音声制御データは、ROM90121や演出データメモリ90123Aにおいて、楽曲などに対応する音声データの開始アドレスと終了アドレスに加え、ループ再生を行うか否かといった、各種の設定を示すものであればよい。
発光体制御データには、例えば発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、装飾用LEDといった各種発光部材における点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、発光体制御データは、各種発光部材の点灯動作を指定するデータである。可動部材制御データには、例えば可動部材9051〜9054を回動させたり移動させたりする動作用モータ9060A〜9060Cの駆動態様を示すデータといった、可動部材9051〜9054の動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、可動部材制御データは、可動部材9051〜9054の回動動作や移動動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ9031Aの操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン9031Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、発光体制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図48(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像をメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上に表示させる制御を行う。また、表示制御データにより指定される態様で発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体を点灯させて表示演出を実行する制御を行ってもよい。さらに、音声制御データにより指定される態様でスピーカ908L、908Rから音声を出力させる制御を行うとともに、発光体制御データにより指定される態様で発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c等の各種発光部材を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ9031Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン9031Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどにもとづいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM90121から読み出してワークメモリ90131やRAM90122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM90121における記憶アドレスを、ワークメモリ90131やRAM90122の所定領域に一時記憶させて、ROM90121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、CPU90130は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(メイン画像表示装置905MA、サブ画像表示装置905SU、発光体ユニット9071〜9074、スピーカ908L、908R、発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909cを含む各種発光部材、可動部材9051〜9054および装飾部材9057など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、発光体制御データ#1〜発光体制御データ#n、可動部材制御データ#1〜可動部材制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ90120のCPU90130から、VDP90140、音声処理回路90143、汎用出力コントローラ90145などに対して出力される。CPU90130からの指令を受けたVDP90140は、その指令に示される画像データ(画像要素データ)を演出データメモリ90123A、90123Bから読み出してVRAM90141のワークエリアに一時記憶させる。また、VDP90140は、VRAM90141のワークエリアに記憶させた画像データから、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの表示画面に応じた画像データを選択し、選択した画像データをピクセルデータに変換するなどしてVRAM90141の画像描画領域における所定位置(メイン画像表示装置905MAなどの表示領域における表示位置を示す情報等によって示される位置)に配置する。これにより、VRAM90141の画像描画領域に1画面分の表示データを作成する。このとき、サブ画像表示装置905SUの表示画面における演出画像の表示データには、発光体ユニット9071〜9074の点灯データを作成するために使用される表示データが付加されてもよい。その他、CPU90130からの指令を受けた音声処理回路90143では、その指令に示される音声データを取得して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図49は、図46のステップS90172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す可変表示中演出処理において、CPU90130は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などにもとづいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90451)。一例として、ステップS90451では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS90451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS90451;No)、スーパーリーチ演出開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS90452)。スーパーリーチ演出開始タイミングは、スーパーリーチにおけるリーチ演出の実行を開始させるタイミングであり、例えば図47に示すステップS90403の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。スーパーリーチ演出開始タイミングである場合には(ステップS90452;Yes)、BGMオフ設定を行う(ステップS90453)。例えば、CPU90130は、音声処理回路90143に対する指令により、BGMを再生する音声チャンネルのボリュームをオフに設定させる。音声処理回路90143では、例えばBGMのボリュームを変更して出力オフにすればよい。なお、BGMがオフの期間では、BGMのボリュームがオフに設定されるだけで、BGMに対応する楽曲の再生は継続して行われるようにしてもよい。あるいは、BGMがオフの期間では、BGMに対応する楽曲の再生が一時停止されるようにしてもよい。ステップS90453にてBGMオフ設定を行った後には、スーパーリーチ演出用の楽曲オン設定を行う(ステップS90454)。例えば、CPU90130は、音声処理回路90143に対する指令により、スーパーリーチ演出用の楽曲に対応する音声データの開始アドレスと終了アドレスを通知する。音声処理回路90143は、CPU90130からの指令によって通知された音声データの開始アドレスと終了アドレスにもとづいて、スーパーリーチ演出用の楽曲に対応する音声データを取得する。そして、スーパーリーチ演出用の楽曲を再生する音声チャンネルのボリュームをオンに設定するとともに、音声データに応じた楽曲などを先頭から順次に再生すればよい。
ステップS90452にてスーパーリーチ演出開始タイミングではない場合や(ステップS90452;No)、ステップS90454による楽曲オン設定を行った後には、スーパーリーチ演出終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS90455)。スーパーリーチ演出終了タイミングは、スーパーリーチにおけるリーチ演出の実行を終了させるタイミングであり、例えば図47に示すステップS90403の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。スーパーリーチ演出終了タイミングである場合には(ステップS90455;Yes)、スーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行う(ステップS90456)。例えば、CPU90130は、音声処理回路90143に対する指令により、スーパーリーチ演出用の楽曲を再生する音声チャンネルのボリュームをオフに設定させる。音声処理回路90143では、例えばスーパーリーチ演出用の楽曲のボリュームをオフに設定するとともに、その楽曲などの再生を終了すればよい。ステップS90456にてスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行った後には、BGMオン設定を行う(ステップS90457)。例えば、CPU90130は、音声処理回路90143に対する指令により、BGMを再生する音声チャンネルのボリュームをオンに設定させる。音声処理回路90143では、例えばBGMのボリュームを変更して出力オンにすればよい。
ステップS90455にてスーパーリーチ演出終了タイミングではない場合や(ステップS90455;No)、ステップS90457によるBGMオン設定を行った後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などにもとづいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS90458)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS90451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS90451;Yes)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90459)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90459;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS90459にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS90459;Yes)、例えばVDP90140に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS90460)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90461)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS90462)、可変表示中演出処理を終了する。
図49に示す可変表示中演出処理では、ステップS90456にてスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定を行った後、直ちにステップS90457にてBGMオン設定を行っている。これに対し、ステップS90456にて楽曲オフ設定を行った後に所定期間が経過してからBGMオン設定が行われるようにしてもよい。例えばステップS90460にて最終停止図柄を導出表示させる制御を行った後に、BGMオン設定が行われるようにしてもよい。あるいは、図46に示すステップS90170の可変表示開始待ち処理が実行されるときに、BGMオン設定が行われるようにしてもよい。特に、可変表示結果が「大当り」となる場合には、スーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定に続いて、可変表示結果が「大当り」となったことを報知するファンファーレ演出用の楽曲を再生し、その後に遊技状態が大当り遊技状態となることに対応して、大当り中演出用の楽曲を再生してもよい。なお、スーパーリーチ演出用の楽曲は、そのまま大当り中演出用の楽曲となり継続して再生されることがあってもよい。こうして可変表示結果が「大当り」となった場合には、大当り遊技状態が終了した後、図46に示すステップS90170の可変表示開始待ち処理が実行されることに対応してBGMオン設定を行えばよい。これにより、可変表示結果が「大当り」となった場合に、BGMとなる楽曲の再生を円滑に開始させることができる。
図49に示す可変表示中演出処理では、図47に示すステップS90403の処理で決定された演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンなど)から演出制御プロセスタイマ値にもとづいて取得したプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われる。図46に示すステップS90175の大当り中演出処理やステップS90176の大当り終了演出処理などにおいても、CPU90130がROM90121などから演出制御パターンを読み出し、演出制御プロセスタイマ値にもとづいて取得したプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われるようにすればよい。
こうした演出制御を行うために、CPU90130は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定を行い、タイムアウトしたらプロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う。すなわち、図48(A)に示すようなプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている表示制御データにもとづいて、メイン画像表示装置905MAおよびサブ画像表示装置905SUの表示制御とともに、発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体の点灯制御が行われてもよい。また、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている音声制御データにもとづいてスピーカ908L、908Rの音声出力制御が行われる。さらに、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている発光体制御データにもとづいて発光体ユニット9071〜9074を構成する複数の発光体や、天枠LED909a、左枠LED909b、右枠LED909c、装飾LEDの点灯制御が行われる。プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている可動部材制御データにもとづいて動作用モータ9060A〜9060Cの駆動制御が行われる。その他にも、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている操作検出制御データにもとづいてスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bによる指示操作の検出制御が行われる。
演出制御用マイクロコンピュータ90120において、VDP90140は、CPU90130からの表示制御指令にもとづいて、演出画像の表示に必要なキャラクタ画像データといった各種の画像データを演出データメモリ90123A、90123Bから読み出し、VRAM90141の所定領域に配置する。演出画像を表示するときには、何度も同じキャラクタ画像が繰返し表示されることがある。演出データメモリ90123A、90123Bに記憶されている画像データが圧縮されている場合には、これを読み出した後に伸長するための時間を要する。そこで、演出画像の表示を開始する段階で、必要なキャラクタ画像データなどをVRAM90141の記憶領域に配置することで、各フレームに対応して演出データメモリ90123A、90123Bから読出しを行うのに比較して、描画に要する時間を短縮することができる。
CPU90130は、演出画像の表示が開始された後、Vブランクが発生するごとに、VDP90140のアトリビュートレジスタにアトリビュートを設定してから、アトリビュートの読込実行を指示する。これに応じて、VDP90140は、アトリビュートを読み込む。この読込みが完了すると、VDP90140からCPU90130に対して読込終了割込信号が出力される。CPU90130は、読込終了割込信号を受けると、描画処理の実行を指示する。こうして、VDP90140は、読み込んだアトリビュートに従ってVRAM90141に表示データを書き込むことによる描画処理を実行する。
VRAM90141において画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる複数の記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられている。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置905MAの画面上にて画像表示するための表示データが格納される。例えば、メインフレームバッファには、横方向(X軸方向)に800ドット、縦方向(Y軸方向)に600ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置905SUの画面上にて画像表示するための表示データが格納されるとともに、発光体ユニット9071〜9074を点灯制御する点灯データの作成に用いられる表示データが格納されてもよい。例えば、サブフレームバッファには、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に885ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。
発光体ユニット9071〜9074を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データは、例えば横方向(X軸方向)に320ドット、縦方向(Y軸方向)に320ドットの画像サイズに対応している。VDP90140は、点灯データ作成用の画像データを、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに縮小する。縮小された画像サイズは、複数の発光体が整列配置された発光体ユニット9071〜9074の解像度に対応している。このように、点灯データ作成用の画像データは、発光体ユニット9071〜9074の解像度よりも高い解像度を有している。一例として、スーパーサンプリングといったアンチエイリアシング処理を行う。他の一例として、画像データにおける縦横が4ドット×4ドットの矩形範囲ごとに、左上のドットに対応するRGB値を取得して表示データとすることで、縦方向と横方向がそれぞれ1/4に縮小された表示データを作成してもよい。こうして、複数の発光体による表示の解像度よりも高い解像度を有する画像データを用いて、点灯データに変換される表示データを作成する。これにより、例えばキャラクタ画像などの輪郭に発生するジャギーを抑制して、発光体ユニット9071〜9074における表示の円滑性を高めることができる。特に、キャラクタ画像などの演出画像を移動表示させるときには、輪郭部分を円滑に表示して、発光体ユニット9071〜9074における表示演出の興趣を向上させることができる。なお、画像サイズの縮小は、VDP90140による画像データの変形処理や表示データの描画処理において行われてもよいし、所定のスケーラ回路を用いて行われてもよい。スケーラ回路は、VRAM90141から読み出した表示データの画素数を変換することで、所定の縮小率(例えば1/4)で画像サイズを縮小できればよい。このように、表示データのサイズ変更は、ハードウェア回路によって実現されてもよいし、ソフトウェアとしての所定プログラムを実行することで実現されてもよい。
VDP90140が読み出した画像データは、サブフレームバッファにおける所定領域(発光体点灯用データ領域)に書き込まれることで、点灯データの作成に用いられてもよい。一方、VDP90140が読み出した画像データは、メインフレームバッファに書き込まれることで、メイン画像表示装置905MAの画面上における画像表示に用いられる。また、VDP90140が読み出した画像データは、サブフレームバッファにおける発光体点灯用データ領域以外の領域に書き込まれることで、サブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示に用いられる。このように、同一の画像データであっても、VRAM90141における書込位置に応じて、用途を異ならせることができればよい。こうして、演出データメモリ90123A、90123Bから読み出されてVRAM90141に一時記憶される画像データは、メイン画像表示装置905MAまたはサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示用、あるいは、発光体ユニット9071〜9074を点灯制御する点灯データの作成用として、兼用することができればよい。したがって、演出データメモリ90123A、90123Bに記憶されている画像データは、メイン画像表示装置905MAまたはサブ画像表示装置905SUにおける演出画像の表示制御と、発光体ユニット9071〜9074の点灯制御とのうち、少なくともいずれかの制御に使用することが可能である。
サブフレームバッファに格納された表示データは、例えば1フレーム分が1/60秒(約16.7ミリ秒)で出力される。これにより、サブ画像表示装置905SUは、1/60秒のフレーム周期で表示画像を更新することができる。発光体制御用のデータも、サブ画像表示用のデータに付加されている場合には、1/60秒の周期で出力可能となる。発光体制御基板9016Cでは、演出制御用中継基板9016Aを介して演出制御基板9012から伝送された表示データを、バッファメモリ90151に一時記憶させる。したがって、バッファメモリ90151には、VDP90140が1フレーム分の表示データを出力する1/60秒の周期で、発光体制御用のデータが格納されてもよい。
発光体制御基板9016Cにおいて、点灯データ生成回路90152は、例えばサブ画像表示装置905SUといった、LCD(液晶表示装置)を用いた画像表示装置のフレーム周期(1/60秒など)よりも、短い周期で複数の発光体を点灯制御するための点灯データを生成してもよい。具体的な一例として、点灯データ生成回路90152は、1/120秒(約8.3ミリ秒)の周期で発光体を点灯制御するための点灯データを生成する。このように、点灯データ生成回路90152は、VDP90140による表示データの出力周期(1/60秒)よりも短い周期(1/120秒)で発光体の点灯データを生成して、シリアル出力回路90153により点灯データにもとづく制御信号を出力させる。この場合、バッファメモリ90151は、VDP90140から出力される1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータ、すなわち、80ドット×80ドットの発光体制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。また、比較的に短い周期で発光体を点灯させることで、発光体ユニット9071〜9074のそれぞれに整列配置された複数の発光体で実行される表示演出におけるフリッカー(ちらつき)を抑制して、表示演出の興趣を向上させることができる。発光体の点灯制御は、表示データの出力周期に対して1/2の周期で行われるものに限定されず、例えば、より短い周期(例えば1/3の周期など)といった、表示データの出力周期よりも短い任意の周期で行われるものであればよい。
シリアル出力回路90153は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータがバッファメモリ90151に書き込まれる所要時間よりも長い周期で、点灯データ生成回路90152によって生成された点灯データに対応する制御信号の出力を行うように設定されてもよい。このように、点灯データに対応する制御信号が出力される周期よりも短い時間で、1フレーム分に対応する発光制御用のデータをバッファメモリ90151に一時記憶させる。これにより、1フレーム分に対応する発光制御用のデータを一時記憶できる記憶データ容量のバッファメモリ90151を使用した場合でも、点灯データに対応する制御信号の出力周期よりも短い時間で、点灯データの生成を完了させることができる。
なお、バッファメモリ90151は、例えば2フレーム分の画像表示に対応した表示データといった、複数フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していてもよい。この場合、バッファメモリ90151の記憶領域には、複数のバッファ領域が割り当てられる。各バッファ領域は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。
点灯データ生成回路90152は、発光制御用のデータを記憶しているバッファメモリ90151の記憶位置(読出アドレスなど)に応じて、そのデータを複数のデータ範囲に区分けする。例えば、バッファメモリ90151の記憶領域は、その記憶アドレスなどに応じて、複数のバッファメモリエリアに分割される。点灯データ生成回路90152は、いずれのバッファメモリエリアに格納されているデータを読み出したかにもとづいて、複数の発光体ブロックB01〜B42のうち、いずれの発光体ブロックに含まれる発光体の点灯データに変換するかを特定する。
バッファメモリ90151に一時記憶された表示データは、複数に区分けされたデータ範囲ごとに、発光体ブロックB01〜B42のいずれかに割り当てられる。点灯データ生成回路90152は、予め用意された変換設定情報となるアドレス特定テーブルを参照することで、各発光体ブロックB01〜B42に割り当てられたデータ範囲を特定することができる。この特定結果にもとづいて、各発光体ブロックB01〜B42に対応して設けられた発光体ドライバのアドレス情報を指定することができる。アドレス特定テーブルは、点灯データ生成回路90152に内蔵(または外付け)されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。点灯データ生成回路90152は、アドレス情報が含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路90153により発光体駆動部90154へと出力させる。
また、点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データには、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光素子の階調制御量を示す階調データが含まれている。例えば、階調データは、PWM制御におけるパルス信号の出力期間(パルス幅)を、階調制御量として示すものであればよい。点灯データ生成回路90152は、バッファメモリ90151から読み出された表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)にもとづいて、予め用意された色変換設定情報となる点灯データ生成テーブルを参照することで、階調制御量を示す階調データを生成する。点灯データ生成テーブルは、点灯データ生成回路90152に内蔵(または外付け)されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。
点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データは、変換に用いた表示データにもとづいて表示される画像の階調数よりも少ない階調数に対応している。例えば演出制御基板9012から演出制御用中継基板9016Aを介して伝送されてバッファメモリ90151に一時記憶される表示データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「255」のうちいずれかのレベルとなるように、256段階で階調制御を可能にする。このように、演出制御基板9012から伝送される表示データにもとづいて表示される画像の階調数は「256」である。点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「63」のうちいずれかのレベルとなるように、64段階で階調制御を可能にする。このように、点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データは、「256」よりも少ない「64」の階調数を示している。
表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)と、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量との対応関係は、各発光色に対応する発光素子の特性(例えば発光効率)やホワイトバランスなどを考慮して、予め決定されていればよい。一例として、各発光体を構成する発光素子となる発光ダイオードは、印加電圧が所定値に達すると、急激に電流量が増加する非線形特性を有している。したがって、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例した階調制御量に変換すると、例えば白飛びや黒潰れといった、複数の発光体による表示演出の不都合が生じてしまうおそれがある。そこで、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光色に対応した発光素子が、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)と同等の発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておいてもよい。
図50は、点灯データ生成回路90152によって参照される点灯データ生成テーブルTC1の構成例を示している。点灯データ生成テーブルTC1では、表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に対応して、点灯データが示す各表示色のレベル(RGB値)が設定されている。ここで、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、いずれも輝度(階調)が「0」〜「10」のうちいずれかのレベルとなる場合には、点灯データが示す各表示色の輝度(階調)が「0」のレベルとなるように、テーブルデータが構成されてもよい。すなわち、1ドットに対応する1の発光体に含まれる各表示色の発光素子について、表示データに示される輝度(階調)がいずれも「10」以下となる場合には、各表示色の輝度(階調)が「0」となる点灯データを生成することで、その発光体を点灯させないように制限を設ける。
一方、点灯データ生成テーブルTC1は、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、少なくともいずれか1の輝度(階調)が「11」以上のレベルとなる場合に、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例したRGB値を示す点灯データが生成されるように、テーブルデータが構成されてもよい。例えば表示データにて示されるB(青)の輝度(階調)が「11」である場合に、点灯データにて示されるB(青)の輝度(階調)は「2」となり、この場合に、表示データにて示されるR(赤)やG(緑)の輝度が「0」〜「3」であれば輝度(階調)が「0」を示す点灯データが生成され、「4」〜「7」であれば輝度(階調)が「1」を示す点灯データが生成され、「8」〜「11」であれば輝度(階調)が「2」を示す点灯データが生成されるように、点灯データ生成テーブルTC1のテーブルデータが構成されている。
演出制御用マイクロコンピュータ90120にてVDP90140が演出データメモリ90123A、90123Bから読み出す画像データは、メイン画像表示装置905MAまたはサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示用と、発光体ユニット9071〜9074を点灯制御する点灯データの作成用とに、兼用されることがある。このとき、画像表示に用いられる画像データから作成された表示データで示される各表示色の輝度(階調)がいずれも所定量未満である場合に、所定量以上である場合と同じ比例関係の下で点灯データを生成すると、発光ダイオードにおける非線形特性の影響が顕著となり、不自然な表示演出が行われてしまうおそれがある。そこで、表示データで示される各表示色の輝度(階調)によると発光体の発光量が所定量未満となる場合には、その発光体を点灯させないように、点灯制御に制限が設けられる。こうして、複数の発光体のうち発光量が所定量未満となる発光体と所定量以上となる発光体とでは、点灯制御を異ならせる。特に、この実施の形態では、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設ける一方、発光量が所定量以上となる発光体は、表示データのRGB値と比例関係にある点灯データのRGB値に応じた点灯制御が行われる。このように、発光量が所定量未満であるか否かに応じて点灯制御を異ならせることにより、発光素子の非線形特性による影響などを軽減し、遊技者に表示演出の違和感を与えないようにして、演出の興趣低下を防止することができる。
点灯データ生成テーブルは、予め複数種類が用意され、所定の選択設定にもとづいて、いずれかの点灯データ生成テーブルが使用テーブルとして選択されてもよい。この場合には、各発光体に含まれる発光素子の発光色ごとに、異なる点灯データ生成テーブルが選択されてもよい。例えば発光体ブロックB01〜B06の場合に、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR01が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG01が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB01が選択される。これに対し、発光体ブロックB07、B08、B15の場合には、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR02が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG02が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB02が選択される。また、発光体ブロックB09〜B14の場合には、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR03が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG03が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB03が選択される。それぞれの点灯データ生成テーブルは、VDP141が作成した表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)を、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量に変換するテーブルデータなどを含んで構成されていればよい。点灯データ生成回路90152は、バッファメモリ90151から読み出した表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)にもとづいて、選択された点灯データ生成テーブルを参照することにより、点灯データで指定される階調制御量を決定する。
発光素子の特性は、発光色に応じて異なることがある。そこで、発光体を構成する各発光素子の発光色に応じて、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)との対応関係が異なる階調制御量に変換されるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておいてもよい。
各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置に応じて異なる点灯データ生成テーブルを用いて、表示データを点灯データに変換できればよい。発光体ユニット9071〜9074のそれぞれでは、複数の発光体が整列配置された領域の広さや、各発光体ユニットの前後関係などにより、複数の発光体それぞれの配置に応じて、同一階調で発光させても遊技者には異なる印象を与える場合がある。そこで、各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置によらず、同一の表示色に対応して可能な限り均一に近い印象を与えられる発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。
こうして、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)だけでなく、発光体を構成する複数の発光素子ごとの発光特性や、複数の発光体の配置などに応じて、それぞれの発光体に応じた階調制御量を示す階調データが生成される。これにより、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んだ発光体が、発光体ユニット9071〜9074の所定領域にて整列配置されている場合でも、色の再現性を高めて演出の興趣を向上させる。
なお、すべての点灯データが点灯データ生成テーブルを参照することにより生成されるものに限定されず、少なくとも一部の点灯データは、点灯データ生成回路90152が所定のデータ処理プログラムを実行することにより生成されてもよい。例えば表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、発光量が所定量未満となるか否かを判定し、いずれの発光量も所定量未満となる場合には、その発光体を点灯させないように輝度(階調)が「0」となる点灯データを生成する処理が実行されてもよい。
一例として、点灯データ生成回路90152が実行する点灯データ生成処理において、1ドット分の表示データを取得し、その表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下であるか否かを判定する。そして、すべて「10」以下である場合には、点灯データにおけるRGB値をすべて「0」に設定する。一方、表示データにて示されるRGB値の少なくともいずれかが「10」以下ではない場合には、発光体ブロックと発光色に応じた点灯データ生成テーブルを選択する。続いて、選択した点灯データ生成テーブルを用いて、表示データに対応する点灯データを生成する。そして、全ドットに対応する点灯データの生成が完了したか否かを判定し、未だ点灯データの生成が完了していなければ、次の1ドットに対応する表示データを取得し、同様の処理を繰り返し実行すればよい。一方、全ドットに対応する点灯データの生成が完了すれば、点灯データ生成処理を終了すればよい。
点灯データ生成処理では、点灯データ生成テーブルを参照することにより点灯データの生成するものに限定されず、所定の演算処理プログラムを実行することにより点灯データが生成されてもよい。例えば各表示色について256段階で階調制御を可能にする表示データは、2進数表示とした場合に各表示色の輝度(階調)が8ビットで表される。一方、各表示色について64段階で階調制御を可能にする点灯データは、2進数表示とした場合に各表示色の輝度(階調)が6ビットで表される。そこで、表示データにて示されるRGB値の少なくともいずれかが「10」以下ではない場合には、表示データにおける各表示色の輝度(階調)を示す8ビットデータの下位2ビットを切り捨てる数値処理を行うことにより、点灯データが生成されるようにしてもよい。あるいは、予め設定された演算式に従って、表示データに対応する点灯データが生成されるようにしてもよい。表示データから点灯データへの変換に使用可能な複数種類の演算処理プログラムを予め用意しておき、点灯データ生成回路90152は、発光素子の表示色や配置(発光体ブロックなど)に応じていずれかの演算処理プログラムを選択して実行することで、表示データを点灯データに変換してもよい。
表示データを1ドット分ずつ取得して点灯データの設定や生成を行うものに限定されず、例えば所定のマスクデータを用いることにより点灯データの設定や生成が一括して行われてもよい。この場合には、バッファメモリ90151に一時記憶されている1フレーム分の表示データに対して、RGB値がすべて「10」以下であるドットを検知し、検知されたドットに対応する点灯データにおけるRGB値をすべて「0」に設定するためのマスクデータを予め用意してもよい。
なお、1ドット分の表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下である場合に点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定するものに限定されず、1ドット分の表示データにて示されるRGB値のうち、いずれかの値が「10」以下である場合には、その表示色に対応する点灯データのみが「0」となるように設定してもよい。一例として、表示データにて示されるR(赤)の輝度(階調)が「100」、G(緑)の輝度(階調)が「8」、B(青)の輝度(階調)が「2」である場合には、点灯データにて示されるR(赤)の輝度(階調)は「25」となる一方、G(緑)およびB(青)の輝度(階調)は「0」となるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路90152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。このように、発光体における各表示色の発光素子ごとに、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けてもよい。ただし、1ドット分の表示データのうちでRGB値が「10」以下となる表示色がある場合に、その表示色のみ点灯データでのRGB値を「0」に設定すると、発光色の色味が変化してしまうおそれがある。そのため、1ドット分の表示データにて示されるRGB値がすべて「10」以下となる場合に、点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定することが望ましい。
あるいは、1ドット分の表示データにて示されるRGB値を加算して、合計値が所定値未満となる場合に、点灯データにおけるRGB値がすべて「0」となるように設定してもよい。一例として、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)を加算した合計値が「30」以下である場合には、点灯データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)がすべて「0」となるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路90152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。この場合には、たとえ表示データにて示されるR(赤)の輝度(階調)が「11」であっても、G(緑)、B(青)の輝度(階調)が「0」であれば、点灯データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の輝度(階調)はすべて「0」となる。このように、1の発光体を構成する複数の発光素子による発光量の合計(総量)が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けることで、遊技者に表示演出の違和感を与えないようにして、演出の興趣低下を防止することができる。
なお、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設けるものに限定されず、例えば発光素子の非線形特性による影響などを考慮して、任意の制限が設けられるようにしてもよい。一例として、表示データにて示される各表示色の輝度(階調)が「0」〜「8」であれば輝度(階調)が「0」を示す点灯データが生成され、「9」または「10」であれば輝度(階調)が「1」を示す点灯データが生成されるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されてもよいし、点灯データ生成回路90152が所定の演算処理プログラムを実行してもよい。このように、表示データで示される各表示色の輝度(階調)が所定量未満である場合に、所定量以上である場合の比例関係とは異なる対応関係で点灯制御が行われるように制限を設けてもよい。また、発光体の発光量が所定量未満となるか否かの閾値は、表示データにおけるRGB値で「10」となるものに限定されず、発光素子の非線形特性による影響などを考慮して、任意の値が設定されたものであればよい。発光素子の発光色(表示色)に応じて、発光量が所定量未満となるか否かの閾値を異ならせるように設定したものであってもよい。
演出データメモリ90123A、90123Bに記憶されている画像データは、表示制御と点灯制御とに兼用されるものに限定されず、点灯データを作成するために専用の画像データが用意され、予め演出データメモリ90123A、90123Bに記憶されてもよい。この場合には、表示データと比例関係の下で点灯データを生成すると発光量が所定量未満となってしまう発光体は点灯制御が行われない無点灯となるように、画像データが予め設定されるようにしてもよい。演出データメモリ90123Cに記憶されている発光データを用いて点灯データが作成されてもよい。この場合にも、発光量が所定量未満となってしまう発光体は点灯制御が行われない無点灯となるように、発光データが予め設定されるようにしてもよい。
点灯データ生成回路90152は、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバに割り当てられたアドレス情報を付加した階調データが含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路90153により発光体駆動部90154へと出力させる。さらに、点灯データ生成回路90152によって生成される点灯データには、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御する駆動制御データが含まれている。点灯データ生成回路90152は、ストローブ側の発光体ドライバに割り当てられたアドレス情報を付加した駆動制御データが含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路90153により発光体駆動部90154へと出力させる。
シリアル出力回路90153は、図28に示すシリアルクロックSCとして、複数のシリアル出力系統K01〜K21に対し、それぞれに共通のクロック信号を出力する。シリアル出力回路90153から出力されたシリアルクロックSCは、シリアル信号配線を介して、発光体駆動部90154に含まれる複数の発光体ドライバのそれぞれに供給される。各発光体ドライバは、シリアルクロックSCに同期して伝送されたシリアルデータSDを受信する。
一方、シリアル出力回路90153は、シリアルデータSDとして、シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで、駆動制御データや階調データを含んだ制御信号を出力してもよい。シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対して同一のタイミングで制御信号を出力した場合には、発光体駆動部90154に含まれる多数の発光体ドライバによって、同一のタイミングで多数の発光体の点灯制御が開始されることがある。この場合、短期間で大量の駆動電流が突入電流となって流れることで、雑音電波などによる電波障害が発生するおそれがある。また、大量の駆動電流を生成するための電源回路が必要となることに伴い、製造コストが増加する場合もある。これに対して、シリアルデータSDとなる制御信号を、複数のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで出力することにより、突入電流の発生を抑制して、雑音電波の発生や製造コストの増加を防止することができる。
発光体駆動部90154において、各発光体ドライバは、受信したシリアルデータSDに含まれるアドレス情報で示される発光体ドライバアドレスと、自分に割り当てられた発光体ドライバアドレスとが合致するか否かを確認する。このとき、合致していれば駆動制御データや階調データとなるシリアルデータSDを取り込んで、パラレルデータに変換し、これにもとづく発光体の点灯制御を行う。例えばストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データにもとづくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。また、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データにもとづくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体のダイナミック点灯制御を行い、演出可動機構9050を構成する可動部材9051〜9054が備える発光体ユニット9071〜9074のそれぞれにて、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が行われる。
演出可動機構9050による具体的な表示演出の一例として、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが離間してメイン画像表示装置905MAの表示画面が視認可能な退避状態(第1状態)では、遊技者が視認可能な可動部材9051〜9054に配置された複数の発光体を用いた表示演出を、メイン画像表示装置905MAによる表示演出に連動させて実行する。退避状態のときには、可動部材9051、9052が上方に位置するとともに可動部材9053、9054が下方に位置している。このように可動部材9051〜9054が回動動作していない退避状態のとき(停止しているとき)には、複数の発光体のうちで、パチンコ遊技機901の前方から視認可能な発光体のみを点灯制御する。これにより、電力消費を低減することができる。こうした発光体の点灯制御による表示演出としては、例えば文字やシンボルを表示させたり、複数の発光体における点滅や発光色を所定順序で移動させて、メイン画像表示装置905MAによる可変表示に合わせた可変表示演出などが実行されてもよい。また、リーチ演出が実行されるときには、可動部材9051〜9054の少なくとも1つを可動(振動、進出など)させたり、複数の発光体を用いて「リーチ」などの文字やシンボルを表示してもよい。
一方、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが近接してメイン画像表示装置905MAの表示画面が視認困難または視認不可能な進出状態(第2状態)では、可動部材9051〜9054に配置された複数の発光体をすべて用いた表示演出を、メイン画像表示装置905MAによる表示演出に連動させて、あるいはメイン画像表示装置905MAによる表示演出とは別個独立に、実行する。進出状態のときには、演出可動機構9050の上側機構における装飾部材9057の下方への移動に伴って可動部材9051、9052が回動するとともに下側機構の可動部材9053、9054が上方に位置している。このように可動部材9051〜9054が回動動作している進出状態のとき(動作しているとき)には、複数の発光体をすべて点灯制御する。
可動部材9051〜9054における一体の表示演出は、演出可動機構9050の上側機構と下側機構とが退避状態から進出状態へと変化する前または変化している最中に、開始されてもよい。このように、可動部材9051〜9054が回動しているときには、パチンコ遊技機901の前方から視認可能か否かにかかわらず、複数の発光体をすべて点灯させて表示演出を実行すればよい。これにより、可動部材9051〜9054の回動動作の演出効果を大きくすることができる。また、パチンコ遊技機901の前方から視認可能か否かにかかわらず複数の発光体をすべて点灯させることで、簡易な制御によって、点灯制御を行っていない発光体が遊技者に視認されてしまうのを抑制できる。
図22、図23に示すような演出制御基板9012に搭載されたROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cには、記憶内容に応じた複数の記憶エリアが設けられている。例えばROM90121には、演出制御用のプログラムや各種の管理データが記憶される第1記憶エリアとなるプログラム等管理エリアR01と、音声データが記憶される第2記憶エリアとなる音声データ第1記憶エリアR11とが設けられている。演出データメモリ90123Aには、音声データが記憶される記憶エリアとして音声データ第2記憶エリアR12と、画像データが記憶される記憶エリアとしての画像データ第1記憶エリアR21とが設けられている。演出データメモリ90123Bには、画像データが記憶される記憶エリアとしての画像データ第2記憶エリアR22が設けられている。音声データ第1記憶エリアR11と音声データ第2記憶エリアR12には、スピーカ908R、908Lによる音声出力を制御するために用いられる音声データが記憶される。画像データ第1記憶エリアR21と画像データ第2記憶エリアR22には、メイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUにおける演出画像の表示を制御するために用いられる画像データとともに、発光体ユニット9071〜9074に整列配置された複数の発光体における点灯制御のために用いられる画像データが記憶されてもよい。
図51(A)は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と、演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12とに記憶される音声データの構成例を示している。図51(A)に示す例では、複数の楽曲に対応して、それぞれの音声データが記憶されている音声データ第1記憶エリアR11や音声データ第2記憶エリアR12における開始アドレスと終了アドレスとが設定されている。例えば楽曲A−1に対応する音声データは、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態である通常時のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA02から終了アドレスMA03までの区間に記憶されている。楽曲A−2に対応する音声データは、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ演出時における演出音を再生するために用いられ、開始アドレスMA03+1から終了アドレスMA05までの区間に記憶されている。これらの楽曲A−1、楽曲A−2に対応する音声データは、いずれも音声データ第1記憶エリアR11に記憶されていればよい。
図51(A)の楽曲B−1に対応する音声データは、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態である確変中のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA19+1から終了アドレスMA21までの区間に記憶されている。ここで、楽曲B−1の開始アドレスMA09+1は、ROM90121の最終アドレスとなるアドレスMA10よりも小さいアドレス値となり、第1領域を提供するROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11に含まれている。これに対し、楽曲B−1の終了アドレスMA1aは、ROM90121の最終アドレスとなるアドレスMA10よりも大きいアドレス値となり、第2領域を提供する演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12に含まれている。このように、楽曲B−1に対応する音声データは、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と、演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12との双方に、跨がって記憶されている。楽曲B−2に対応する音声データは、パチンコ遊技機901における遊技状態が時短状態である時短中のBGMを再生するために用いられ、開始アドレスMA1a+1から終了アドレスMA1cまでの区間に記憶されている。楽曲Xに対応する音声データは、パチンコ遊技機901における遊技状態が大当り遊技状態である大当り中における演出音を再生するために用いられ、開始アドレスMA1g+1から終了アドレスMA11までの区間に記憶されている。楽曲B−2、楽曲Xに対応する音声データは、いずれも音声データ第2記憶エリアR12に記憶されていればよい。
図51(A)に示す楽曲B−1に対応する音声データは、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と、演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12との双方に、跨がって記憶されている。この場合でも、音声データ第1記憶エリアR11と音声データ第2記憶エリアR12は、ROM90121と演出データメモリ90123Aにおいて連続するアドレスが付与された部分に設けられているので、楽曲B−1を再生するときには、他の楽曲を再生するときと同様に、音声データの開始アドレスと終了アドレスを指定して、開始アドレスから順次に読出アドレスを更新するとともに音声データを読み出すことで、楽曲B−1に対応する音声データを適切に読み出すことができる。
図51(B1)〜(B4)は、パチンコ遊技機901において楽曲を再生する動作例を示すタイミング図である。このうち、図51(B1)は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中である「実行」と停止している「停止」の期間を示している。図51(B2)は、パチンコ遊技機901における遊技状態を示している。図51(B3)は、図51(A)に示すような音声データを用いて再生可能な複数の楽曲のうちで、再生の対象となる楽曲を示している。図51(B4)は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12とのうちで、音声データの読み出し対象となる記憶エリアを示している。
図51(B1)に示す可変表示は、タイミングT01となるより前に、実行が開始される。このとき、図51(B2)に示すパチンコ遊技機901における遊技状態は、通常状態となっている。こうした通常状態における飾り図柄の可変表示中に、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されなければ、図51(A)に示す通常時BGMとしての楽曲A−1がループ再生されるように、開始アドレスMA02から終了アドレスMA03までの区間から、楽曲A−1に対応する音声データが読み出される。開始アドレスMA02から終了アドレスMA03までの区間は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11に含まれている。したがって、タイミングT01となるまでは、図51(B3)に示すように再生の対象となる楽曲A−1のループ再生が行われ、図51(B4)に示すように音声データ第1記憶エリアR11が音声データの読み出し対象エリアとなる。
その後、タイミングT01では、スーパーリーチにおけるリーチ演出が開始される。このとき、図49に示すステップS90452の処理にてスーパーリーチ演出開始タイミングであると判定されることで、ステップS90453の処理によりBGMオフ設定が行われる。そして、ステップS90454の処理によりスーパーリーチ演出用の楽曲オン設定が行われる。このように、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行される期間では、図51(A)に示すスーパーリーチ演出用の楽曲A−2が再生されるように、開始アドレスMA03+1から終了アドレスMA05までの区間から、楽曲A−2に対応する音声データが読み出される。開始アドレスMA03+1から終了アドレスMA05までの区間は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11に含まれている。したがって、タイミングT01にてスーパーリーチ演出開始タイミングとなってから、タイミングT02にてスーパーリーチ演出終了タイミングとなるまでは、図51(B3)に示すように楽曲A−2が再生の対象となり、図51(B4)に示すように音声データ第1記憶エリアR11が音声データの読み出し対象エリアとなる。
タイミングT02では、図49に示すステップS90455の処理にてスーパーリーチ演出終了タイミングであると判定される。このときには、ステップS90456の処理によりスーパーリーチ演出用の楽曲オフ設定が行われ、ステップS90457の処理によりBGMオン設定が行われる。その後、タイミングT03では、可変表示結果が「大当り」となったことにもとづいて、図51(B2)に示すように、パチンコ遊技機901における遊技状態が大当り遊技状態に制御される。なお、可変表示結果が「大当り」となる場合などには、タイミングT02からタイミングT03までの期間にて、例えば可変表示結果が「大当り」となることを報知する専用の楽曲が再生されてもよい。可変表示結果が「ハズレ」となる場合でも、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されたことに対応する専用の楽曲が再生されてもよい。あるいは、タイミングT03となるまで、スーパーリーチ演出用の楽曲A−2が継続して再生されてもよい。あるいは、可変表示結果を明確に報知するために、楽曲の再生が一時停止されてもよい。
タイミングT03にて大当り遊技状態になれば、図51(A)に示す大当り中演出用の楽曲Xが再生されるように、開始アドレスMA1g+1から終了アドレスMA11までの区間から、楽曲Xに対応する音声データが読み出される。開始アドレスMA1g+1から終了アドレスMA11までの区間は、演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12に含まれている。したがって、タイミングT03にて大当り遊技状態となってから、タイミングT04にて大当り遊技状態が終了するまでは、図51(B3)に示すように楽曲Xが再生の対象となり、図51(B4)に示すように音声データ第2記憶エリアR12が音声データの読み出し対象エリアとなる。
タイミングT04では、大当り遊技状態が終了して、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態に制御される。このときには、図46に示すステップS90151にてBGM変更タイミングであると判定される。そして、ステップS90152、S153の処理により、図51(A)に示す確変中BGMとしての楽曲B−1がループ再生されるように、開始アドレスMA09+1から終了アドレスMA1aまでの区間から、楽曲B−1に対応する音声データが読み出される。開始アドレスMA09+1から終了アドレスMA1aまでの区間は、ROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12の双方に含まれている。したがって、確変状態にて楽曲B−1をループ再生するときには、音声データの読み出し対象エリアがROM90121の音声データ第1記憶エリアR11となる期間と演出データメモリ90123Aの音声データ第2記憶エリアR12となる期間とがある。例えばタイミングT04からタイミングT08までの期間では、図51(B3)に示すように再生の対象となる楽曲B−1のループ再生が行われる。この期間のうち、タイミングT04からタイミングT05までの期間と、タイミングT06からタイミングT07までの期間では、図51(B4)に示すように音声データ第1記憶エリアR11が音声データの読み出し対象エリアとなる。これに対し、タイミングT05からタイミングT06までの期間と、タイミングT07からタイミングT08までの期間では、図51(B4)に示すように音声データ第2記憶エリアR12が音声データの読み出し対象エリアとなる。タイミングT08以後の期間でも、確変状態が終了するまでの期間、あるいは、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるまでの期間において、確変中BGMとしての楽曲B−1がループ再生されるようにすればよい。
このように、確変状態において確変中BGMとなる楽曲B−1をループ再生するときには、音声データの読み出し対象エリアがROM90121に設けられた音声データ第1記憶エリアR11と演出データメモリ90123Aに設けられた音声データ第2記憶エリアR12とで切り替わる。演出データメモリ121における音声データ第2記憶エリアR12は、ROM90121における音声データ第1記憶エリアR11の最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応している。したがって、CPU90130は、楽曲B−1の開始アドレスMA09+1と終了アドレスMA1aを指定すれば、他の楽曲を再生する場合と同様にアドレスを更新(インクリメント)しつつ音声データを読出可能となり、楽曲B−1に対応する音声データを音声データ第1記憶エリアR11と音声データ第2記憶エリアR12の双方から円滑に読み出して、楽曲B−1を再生させることができる。
図41に示す演出制御メイン処理では、ステップS9056の初期設定処理において演出データ転送処理を実行することにより、各種の演出装置による演出の実行に用いられる演出データのうちで、少なくとも一部の演出データが、例えばROM90121からRAM90122やワークメモリ90131へと転送されたり、演出データメモリ90123A〜90123CなどからVRAM90141などへと転送されたりしてもよい。この場合には、例えば演出データメモリ90123A、90123Bから読み出した画像データをVRAM90141へと転送する制御が開始され、この転送と並行して、可動部材9051〜9054などによる初期動作が実行されてもよい。このように、予め定められた演出データの転送と並行して可動部材の初期動作を実行することで、効率よく演出データの転送を行い、遅延の発生を抑制できる。
あるいは、例えばメイン画像表示装置905MAといった、表示装置による演出の実行に用いられる第1演出データを、例えば可動部材9051〜9054の動作やスピーカ908L、908Rによる音声出力などのように、表示装置による演出とは異なる演出の実行に用いられる第2演出データよりも優先して転送してもよい。この場合には、第2演出データの転送と並行して、既に転送された第1演出データを用いてメイン画像表示装置905MAなどに初期信号を供給する。これにより、効率よく演出データの転送を行い、メイン画像表示装置905MAなどの表示装置による初期表示を、電力供給が開始されてから短時間のうちに開始可能とすることで、表示装置などにおける不安定な表示を抑制できる。
演出データ転送処理では、可動部材の初期動作に用いられる動作用初期データの転送を開始させてから、表示装置の初期表示に用いられる表示用初期データの転送を開始させてもよい。また、演出データ転送処理では、可動部材の通常動作に用いられる動作用通常データの転送を開始させてから、表示装置の通常表示に用いられる表示用通常データの転送を開始させてもよい。こうして、例えば可動部材9051〜9054などのように、第2演出装置による演出の実行に用いられる演出データを、例えばメイン画像表示装置905MAといった、第1演出装置による演出の実行に用いられる演出データよりも優先して転送する。これにより、効率よく演出データの転送を行い、例えば可動部材9051〜9054などによる初期動作を、電力供給が開始されてから短時間のうちに開始可能とすることで、遅延の発生を抑制できる。
図41に示す演出制御メイン処理において、ステップS9056の初期設定処理では、可動部材9051〜9054および装飾部材9057による初期動作を実行する制御が行われてもよい。こうした初期動作として、可動部材9051〜9054を、メイン画像表示装置905MAの表示画面(表示領域)と重ならない第2状態としての退避状態から、メイン画像表示装置905MAの表示画面(表示領域)と重なる第1状態としての進出状態へと変化させてもよい。これにより、例えば不安定な表示が行われるメイン画像表示装置905MAの表示領域を視認困難または視認不可能にすることで、適切に初期動作を実行しつつ、遅延の発生を抑制できる。
あるいは、初期設定処理での制御にもとづく初期動作として、複数の動作パターンを混合してなる初期動作パターンで、可動部材9051〜9054などの演出装置を動作させてもよい。パチンコ遊技機901では、予告演出やリーチ演出において、複数の動作パターンで可動部材9051〜9054および装飾部材9057を動作させることができる。
図52は、演出可動機構9050のうちで、可動部材9051、9052および装飾部材9057を備えた上側機構9050Tにおける初期状態としての退避状態と、上側機構9050Tによる複数の動作パターンを示している。上側機構9050Tが備える可動部材9051、9052は、装飾部材9057に軸支されて回動可能であり、可動部材9051と可動部材9052とで回動範囲が異なっている。すなわち、可動部材9052は、可動部材9051に対して退避した位置と進出した位置とに回動できる。可動部材9051は、複数の発光体が設けられた前面部の後方にベース体が配置される構成を有し、前面部とベース体との間に可動部材9052を保持する。
図52(A)に示すように、上側機構9050Tが初期状態としての退避状態であるときには、可動部材9051の長手方向が略水平方向に沿った状態で上側に位置する。図52(B)に示す動作パターンT1では、図22に示す動作用モータ9060Bの駆動力により、装飾部材9057や可動部材9051は移動させずに可動部材9052を回動させることができる。図52(C)に示す動作パターンT2では、図22に示す動作用モータ9060Aの駆動力により、装飾部材9057の下方への移動に伴い可動部材9051、9052を重なった状態で回動させることができる。図52(D)に示す動作パターンT3では、動作用モータ9060Aの駆動力により装飾部材9057の下方への移動に伴い可動部材9051を回動させるとともに、動作用モータ9060Bの駆動力により可動部材9052を可動部材9051に対して回動させ、可動部材9051の下方に可動部材9052を進出させることができる。
図53は、演出可動機構9050のうちで、可動部材9053、9054を備えた下側機構9050Bにおける初期状態としての退避状態と、下側機構9050Bによる複数の動作パターンを示している。下側機構9050Bが備える可動部材9053、9054は、所定のリンク機構を介して下側支持ユニットのフレームに連結され、図22に示す動作用モータ9060Cの動力により所定範囲で移動することができる。リンク機構には、例えば図53(B)に示すリンク部材90642a、90642bやリンク部材90645a、90645bなどが含まれている。リンク部材90645a、90645bは、一端がフレームに軸支されるとともに、他端が可動部材9054の下端付近に軸支され、可動部材9054の移動をガイドする。
図53(A)に示すように、下側機構9050Bが初期状態としての退避状態であるときには、可動部材9053、9054のそれぞれが下方に位置するとともに、可動部材9053が可動部材9054の後方に位置して、遊技者は可動部材9053をほとんど視認することができない。図53(B)に示す動作パターンB1では、動作用モータ9050Cの駆動力により、可動部材9053が可動部材9054の裏側から若干の回動を伴って上方に移動する。図53(C)に示す動作パターンB2では、動作用モータ9050Cのさらなる駆動力により、可動部材9053の移動に伴って可動部材9054を上方に移動させることができる。
初期動作パターンは、上側機構9050Tを動作パターンT1〜T3で連続して動作させる初期動作と、下側機構9050Bを動作パターンB1、B2で連続して動作させる初期動作とを実行可能にする。上側機構9050Tを動作させる初期動作と、下側機構9050Bを動作させる初期動作は、それぞれの初期動作が順番に実行され、互いの実行期間が重複しないように設定されてもよいし、少なくとも一部の実行期間が重複することで、それぞれの初期動作が並行して実行可能となるように設定されてもよい。それぞれの初期動作が順番に実行される場合でも、初期動作時間が経過するまでに実行される初期動作としては、複数の動作パターンを混合してなる初期動作パターンで可動部材9051〜9054および装飾部材9057を動作させることになる。また、それぞれの初期動作が並行して実行される場合には、初期動作が並行して実行される期間などにおいて、複数の動作パターンを混合してなる初期動作パターンで可動部材9051〜9054および装飾部材9057を動作させる。
このように、複数の動作パターンを混合してなる初期動作パターンで可動部材9051〜9054および装飾部材9057を動作させる。これにより、パチンコ遊技機901の電力供給が開始されたときに、遊技の実行に伴う演出に対応した複数の動作パターンで演出装置を動作させることができ、適切に動作確認を行うことができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機901は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、図41に示すステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS9060による原点異常の報知を行わないようにする。すなわち、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合に可動部材の異常報知を実行可能とする一方、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合には可動部材の異常報知を行わないように制御する。これとともに、図41に示すステップS9054にて主基板9011との接続なしと判定し、なおかつ図44(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS90206の更新表示によりチェックサムの演算内容などを表示するように制御される。すなわち、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011の両方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合にはチェックサムの演算結果などを表示可能とする一方、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011のいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合にはチェックサムの演算結果などの表示を行わないように制御する。しかしながら、これに限定されず、可動部材の異常報知を実行可能とするか否かの制御と、チェックサムの演算結果などを表示可能とするか否かの制御とのうちで、少なくともいずれか一方を実現可能に構成されたものであればよい。
以下では、まず、可動部材の異常報知に関する変形例を説明する。上記実施の形態では、図41に示す演出制御メイン処理のステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合に、ステップS9058、S9059の処理を、ステップS9060の処理とともに実行しないようにすることで、可動部材の異常報知だけでなく、原点位置の確認も行わないように制御するものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、例えば中継未接続フラグがオンである場合にもステップS9058、S9059の双方またはステップS9058のみを、実行するようにしてもよい。すなわち、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合には、可動部材位置センサ9061からの位置検出信号にもとづいて可動部材9051〜9054の原点位置を確認したり、原点異常の有無を判定したりする一方で、原点異常が発生した場合に可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。
あるいは、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合にも可動部材の異常報知を行うことができる一方で、異常報知の報知態様は、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合における異常報知の報知態様と比べて、認識しにくい報知態様となるようにしてもよい。例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示により可動部材の異常報知が行われる場合には、画像の表示サイズを小さくすること、画像の透明度を高めること、画像の表示期間を短縮すること、画像の表示回数を減少させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、可動部材の異常報知を認識しにくい報知態様とすることができればよい。複数の演出装置を用いて報知動作が行われる場合に、報知動作に用いられる演出装置の数を減少させることによって、可動部材の異常報知を認識しにくい報知態様としてもよい。このように、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されているか否かという接続状態の範囲を定めるとともに、可動部材の異常報知を実行しないという異常報知の限界を定めること、あるいは認識しにくい報知態様で実行するという異常報知の限界を定めることで、接続状態に応じて可動部材の異常報知に制限を設けたものであればよい。
上記実施の形態では、図41に示す演出制御メイン処理において、中継未接続フラグがオンである場合でもステップS9056の初期設定処理において可動部材の初期動作を実行可能にするものとして説明した。これに対し、中継未接続フラグがオンである場合には、可動部材の初期動作を実行しないように制御してもよい。すなわち、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合に可動部材の初期動作を実行可能とする一方で、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合には可動部材の初期動作を行わないように制御してもよい。
上記実施の形態では、演出制御用中継基板9016Aのように、演出制御基板9012とハーネスHN1を介して直接的に(他の基板を介することなく)接続される基板について、演出制御基板9012と未接続状態である場合に可動部材の異常報知を行わないように制御するものとして説明した。これに対し、例えば駆動制御基板9016Bのように、演出制御用中継基板9016Aといった他の基板を介して演出制御基板9012と間接的に接続される基板について、演出制御基板9012と未接続状態である場合に可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。
上記実施の形態では、可動部材9051〜9054などを移動させる駆動力を提供する動作用モータ9060A〜9060Cと、可動部材9051〜9054の動作状態などを検出する可動部材位置センサ9061とが、いずれも駆動制御基板9016Bに接続されるものとして説明した。これに対し、動作用モータ9060A〜9060Cが接続される基板と、可動部材位置センサ9061が接続される基板とを、別個に設けた構成としてもよい。例えば、動作用モータ9060A〜9060Cは駆動制御基板9016Bに接続される一方で、可動部材位置センサ9061は駆動制御基板9016Bとは異なるセンサ基板に接続されるように構成されてもよい。この場合には、演出制御基板9012と直接的または間接的に接続可能な複数の基板について、それぞれの接続状態に応じて異なる制御が行われるようにしてもよい。一例として、演出制御基板9012と駆動制御基板9016Aとが直接的または間接的に接続されている一方で、演出制御基板9012とセンサ基板とが未接続状態である場合には、可動部材の初期動作を実行する一方で、可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。また、演出制御基板9012と駆動制御基板9016Aとが未接続状態である一方で、演出制御基板9012とセンサ基板とが直接的または間接的に接続されている場合には、可動部材の初期動作を実行しない一方で、可動部材の異常報知を行うように制御されてもよい。
上記実施の形態では、可動部材9051〜9054などの可動部材における状態を検出する構成として、可動部材位置センサ9061を用いて、可動部材9051〜9054の位置などを検出可能にするものとして説明した。これに対し、可動部材における任意の状態を検出可能とし、その検出結果にもとづいて可動部材の異常報知を実行可能なものであればよい。例えば、可動部材9051〜9054の速度、加速度、移動量、回転量、動作時間、形状、温度、あるいは、これらの一部または全部を、直接的または間接的に検出可能なセンサなどを所定位置に設定して、その検出結果にもとづいて可動部材の異常報知を実行可能とするものであればよい。また、可動部材9051〜9054などの可動部材における状態とともに、あるいは、可動部材における状態に代えて、動作用モータ9060A〜9060Cのような可動部材を変化(移動)させる駆動力を供給する駆動機構における任意の状態を検出可能とし、その検出結果にもとづいて異常報知を実行可能なものであってもよい。動作用モータ9060A〜9060Cに代えて、例えばソレノイドといった駆動力を供給する任意の駆動機構により、可動部材を変化(移動)させるものであってもよい。このように、任意の駆動機構における任意の状態を検出可能とし、その検出結果にもとづいて異常報知を実行可能なものであってもよい。
上記実施の形態では、図41に示す演出制御メイン処理のステップS9058にて可動部材9051〜9054などの原点位置を確認し、ステップS9059にて原点異常があると判定された場合に、ステップS9060により原点異常が発生したことを報知するものとして説明した。このような可動部材の初期設定における異常報知とともに、あるいは、可動部材の初期設定における異常報知に代えて、例えば図41に示すステップS9065の演出制御プロセス処理で可動部材9051〜9054の状態などを検出した結果にもとづいて、可動部材の異常報知を実行可能とするものであってもよい。こうした可動部材の通常動作中における異常報知について、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合に可動部材の異常報知を実行可能とする一方、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが未接続状態である場合には可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。
上記実施の形態では、可動部材9051〜9054のように、演出用の可動部材について異常報知を実行可能なものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、パチンコ遊技機901における遊技の進行に応じて動作可能な任意の可動部材について異常報知を実行可能なものであってもよい。例えば、図22に示す普通電動役物用のソレノイド9027や大入賞口扉用のソレノイド9028を駆動するための配線は、ソレノイド中継基板を介して主基板9011に接続されてもよい。また、普通可変入賞球装置906Bに設けられた可動翼片の動作状態を検出するためのセンサや特別可変入賞球装置907に設けられた大入賞口扉の動作状態を検出するためのセンサによる検出信号を伝送するための配線が、ソレノイド中継基板またはセンサ中継基板を介して、主基板9011に接続されてもよい。このような構成において、主基板9011とソレノイド中継基板またはセンサ中継基板とが接続されている場合に可動翼片や大入賞口扉の異常報知を実行可能とする一方、主基板9011とソレノイド中継基板またはセンサ中継基板とが未接続状態である場合には可動翼片や大入賞口扉の異常報知を行わないように制御してもよい。あるいは、払出制御基板と発射制御基板とが接続されている場合に発射モータの異常報知を実行可能とする一方、払出制御基板と発射制御基板とが未接続状態である場合には発射モータの異常報知を行わないように制御してもよい。
さらに、可動部材について異常報知を実行可能なものに限定されず、任意の回路や装置その他の素子について異常報知を実行可能なものであってもよい。異常報知に限定されず、任意の出力を可能なものであってもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとの接続状態といった、複数の基板間における接続状態に応じて、異常報知の有無を異ならせるものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、例えば単一の基板内あるいは基板外に設けられた任意の回路や装置その他の素子における接続状態に応じて、異常報知の有無を異ならせるものであってもよい。すなわち、互いに接続可能な第1接続部と第2接続部とが設けられた構成において、第1接続部と第2接続部とが接続されている場合に任意の異常報知を実行可能とする一方、第1接続部と第2接続部とが未接続状態である場合には異常報知を行わないように制御するものであればよい。異常報知に限定されず、互いに接続可能な第1接続部と第2接続部とが設けられた構成において、第1接続部と第2接続部とが接続されている場合に任意の出力を可能とする一方、第1接続部と第2接続部とが未接続状態である場合には出力を行わないように制御するものであってもよい。また、基板どうしの未接続状態や、接続部どうしの未接続状態としては、少なくとも一部の配線が接続されており他の一部の配線が未接続である状態を含むものであってもよい。
次に、チェックサムの演算結果などを表示する場合の変形例を説明する。上記実施の形態では、図41に示すステップS9054にて主基板9011との接続なしと判定された場合に、ステップS9055にてメモリ検査処理を実行し、図44(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオフであると判定された場合にはステップS90206の処理を実行しないようにすることで、チェックサムの演算結果などを表示しないように制御するものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、図41に示すステップS9054にて主基板9011との接続なしと判定された場合でも、中継未接続フラグがオフである場合には、ステップS9055のメモリ検査処理が実行されないようにしてもよい。すなわち、演出制御基板9012と主基板9011とが未接続状態でも、演出制御基板9012と演出制御用中継基板9016Aとが接続されている場合には、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納された演出データを用いたチェックサムの演算そのものが実行されず、これに伴い演算結果などの表示が行われないように制御してもよい。また、図41に示すステップS9054では、中継未接続フラグがオンであるか否かを判定して、オンであると判定された場合にはステップS9055のメモリ検査処理を実行してもよい。この場合には、図44(A)に示すステップS90205にて主基板9011との接続があるか否かを判定し、接続なしと判定された場合にはステップS90206によりチェックサムの演算結果などを表示可能とする一方、接続ありと判定された場合にはステップS90206の処理を実行しないことで、チェックサムの演算結果などを表示しないように制御してもよい。このように、主基板9011および演出制御用中継基板9016Aのいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムを演算する処理そのものを実行しないことでチェックサムの演算結果などを表示しないように制御してもよいし、チェックサムを演算する処理は実行するもののチェックサムの演算結果などは表示しないように制御してもよい。
あるいは、主基板9011および演出制御用中継基板9016Aのいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合にもチェックサムの演算結果などを表示することができる一方で、その表示態様は、主基板9011および演出制御用中継基板9016Aの両方と演出制御基板9012とが未接続状態である場合における表示態様と比べて、認識しにくい表示態様となるようにしてもよい。例えばメイン画像表示装置905MAやサブ画像表示装置905SUの画面上における画像表示によりチェックサムの演算結果などを表示する場合には、画像の表示サイズを小さくすること、画像の透明度を高めること、画像の表示期間を短縮すること、画像の表示回数を減少させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、チェックサムの演算結果などを認識しにくい表示態様で表示することができればよい。このように、主基板9011および演出制御用中継基板9016Aの両方と演出制御基板9012とが未接続状態であるか主基板9011および演出制御用中継基板9016Aのいずれか一方と演出制御基板9012とが未接続状態であるかという接続状態の範囲を定めるとともに、チェックサムの演算結果などを表示しないという表示の限界を定めること、あるいは認識しにくい表示態様で表示するという表示の限界を定めることで、接続状態に応じて表示に制限を設けたものであればよい。
上記実施の形態では、主基板9011は中継基板9015を介して間接的に演出制御基板9012と接続される一方、演出制御用中継基板9016AはハーネスHN1を介して直接的に(他の基板を介することなく)演出制御基板9012と接続されるものとして説明した。これに対し、例えば駆動制御基板9016Bのように、演出制御用中継基板9016Aといった他の基板を介して演出制御基板9012と間接的に接続される複数の基板について、それらの全部と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果などを表示可能とし、それらの一部と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果などを表示しないように制御してもよい。あるいは、演出制御基板9012と直接的に接続可能な複数の基板について、それらの全部と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果などを表示可能とし、それらの一部と演出制御基板9012とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果などを表示しないように制御してもよい。
上記実施の形態では、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cに格納された演出データが正常であるか否かを判定する判定処理として、図44(A)に示すようなメモリ検査処理におけるステップS90204にてチェックサムを演算し、その演算結果などを表示可能にするものとして説明した。これに対し、データの判定手法については、チェックサムの演算に限定されず、任意の判定手法を採用することも可能である。チェックサムの演算では、1番地のデータ毎に排他的論理和を演算するものに限定されず、複数番地のデータを演算単位として、排他的論理和などを演算するものであってもよい。
上記実施の形態では、ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cの全部を対象として、記憶データのチェックサムを演算し、その演算結果などを表示可能にするものとして説明した。これに対し、ROM90121および演出データメモリ90123A〜90123Cの一部を対象として、記憶データのチェックサムを演算し、その演算結果などを表示可能なものとしてもよい。ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cにおける記憶内容に応じて、チェックサムの演算対象とするか否かを異ならせてもよい。例えばROM90121の第1記憶エリアに記憶された演出制御用のプログラムおよび各種の管理データと、演出データメモリ90123A、90123Bに記憶された画像データについては、チェックサムの演算対象として、その演算結果などを表示可能とする一方、ROM90121の第2記憶エリアに記憶された音声データや、演出データメモリ90123Aに記憶された画像データ以外の音声データ、演出データメモリ90123Cに記憶されたモータデータおよび発光データについては、チェックサムの演算対象とならず、演算結果などの表示が行われないようにしてもよい。予め定められた演算条件の成立状況に応じて、いずれの記憶データを用いたチェックサムを演算するかの設定を異ならせてもよい。例えばプッシュボタン9031Bが押下された状態で電源投入が行われた場合には、ROM90121の記憶データを用いてチェックサムを演算し、その演算結果などを表示可能とする一方、演出データメモリ90123A〜90123Cの記憶データを用いたチェックサムの演算は行われないようにしてもよい。
上記実施の形態では、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cといった、演出制御基板9012に搭載されて演出の実行に用いられる演出データを記憶可能な記憶装置について、その記憶データが正常であるか否かの判定結果を表示可能にするものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、パチンコ遊技機901における任意の制御に用いられる制御データを記憶可能な記憶装置について、その記憶データが正常であるか否かの判定結果を表示可能にするものであってもよい。例えば、主基板9011に搭載されてパチンコ遊技機901における遊技の制御に用いられる制御データ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)を記憶可能なROM90101について、その記憶データが正常であるか否かの判定結果を表示可能なものであってもよい。この場合には、例えば払出制御基板や情報端子基板といった、主基板9011と接続可能な複数の基板のうちで、第2基板および第3基板となるものを予め設定しておけばよい。そして、第2基板および第2基板の両方と主基板9011とが未接続状態である場合に、ROM90101の記憶データを用いたチェックサムの演算結果など、記憶データの判定結果をメイン画像表示装置905MAなどの表示装置にて表示可能とし、第2基板および第3基板のいずれか一方と主基板9011とが未接続状態である場合に、記憶データの判定結果の表示を行わないように制御してもよい。また、ROM90121や演出データメモリ90123A〜90123Cのような不揮発性記録媒体の記憶データが正常であるか否かを判定するものに限定されず、例えばRAM90122やワークメモリ90131のような揮発性記録媒体の記憶データが正常であるか否かを判定し、その判定結果を表示可能とするものであってもよい。
上記実施の形態では、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011と演出制御基板9012との接続状態といった、複数の基板間における接続状態に応じて、記憶データの判定結果となるチェックサムの演算結果などを表示するか否かを異ならせるものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、例えば単一の基板内あるいは基板外に設けられた任意の回路や装置その他の素子における接続状態に応じて、記憶データの判定結果を表示するか否かを異ならせるものであってもよい。すなわち、第1接続部と接続可能な第2接続部および第3接続部が設けられた構成において、第2接続部および第3接続部の両方と第1接続部とが未接続状態である場合に、記憶データを用いた判定処理による判定結果を表示可能とし、第2接続部および第3接続部のいずれか一方と第1接続部とが未接続状態である場合に、記憶データを用いた判定処理による判定結果の表示を行わないように制御するものであってもよい。記憶データを用いた判定処理による判定結果の表示に限定されず、第1接続部と接続可能な第2接続部および第3接続部が設けられた構成において、第2接続部および第3接続部の両方と第1接続部とが未接続状態である場合に、任意のデータを用いた任意の処理結果を出力可能とし、第2接続部および第3接続部のいずれか一方と第1接続部とが未接続状態である場合に、任意のデータを用いた任意の処理結果を出力しないように制御するものであってもよい。
その他にも、様々な変形や応用が可能である。例えば、接続状態を確認するための構成は、図42(A)、(B)に示した端子TM22、TN22のような接続確認用端子における電圧を用いるもの、あるいはコマンド受信の有無を判定するものに限定されず、例えばスイッチやセンサなどを用いて、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、接続状態を確認可能な任意の構成としてもよい。
上記実施の形態では、図39に示すステップS90102の処理にて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行い、確変状態とする決定にもとづいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、これに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことにもとづいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「16」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機901は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことにもとづいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
パチンコ遊技機901としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことにもとづいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。このようなパチンコ遊技機901において、図41に示すような演出制御メイン処理や図44(A)に示すようなメモリ検査処理が実行されることにより、可動部材の異常報知を実行可能とするか否かの制御と、チェックサムの演算結果などを表示可能とするか否かの制御とのうちで、少なくともいずれか一方を実現可能に構成されたものであってもよい。
この発明は、パチンコ遊技機901に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果にもとづいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機901が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。すなわち、スロットマシンにおいて、図41に示すような演出制御メイン処理や図44(A)に示すようなメモリ検査処理が実行されることにより、可動部材の異常報知を実行可能とするか否かの制御と、チェックサムの演算結果などを表示可能とするか否かの制御とのうちで、少なくともいずれか一方を実現可能に構成されたものであってもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには天枠LED909aや左枠LED909b、右枠LED909cおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生にもとづいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生にもとづいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機901やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上に説明したように、上記実施の形態では、例えば図41に示すステップS9057にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS9060による原点異常の報知を行わないようにする。これに対し、ステップS9057にて中継未接続フラグがオフであると判定した場合には、ステップS9060による原点異常の報知を実行可能である。こうして、演出制御基板9012のような第1基板と、演出制御用中継基板9016Aのような第2基板とが未接続状態である場合に、可動部材の異常報知を行わないように制御することで、製造段階や開発段階で頻繁に異常報知が実行されることを防止して、作業効率を向上できる。
図42(A)、(B)に示すコネクタCN01、CN11は、それぞれ接続確認用端子となる端子TM22、TN22を含み、図41に示すステップS9052などでは、こうした接続確認用端子における電圧にもとづいて接続状態を確認する。これにより、簡素な構成で接続状態を確認できる。
上記実施の形態では、例えば図41に示すステップS9054にて主基板9011との接続なしと判定し、なおかつ図44(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS90206の更新表示によりチェックサムの演算内容などを表示するように制御される。これに対し、ステップS9054にて主基板9011との接続ありと判定された場合や、図44(A)に示すステップS90205にて中継未接続フラグがオフであると判定した場合には、ステップS90206の更新表示が行われず、チェックサムの演算内容などを表示しないように制御される。こうして、演出制御基板9012のような第1基板と、演出制御用中継基板9016Aおよび主基板9011のような第2基板および第3基板とを備える構成において、第2基板および第3基板のいずれか一方と第1基板とが未接続状態である場合に、チェックサムの演算結果といった判定処理による判定結果の表示を行わないように制御することで、検査用の出力を適切に抑制できる。これにより、例えば遊技店に設置された状態で偶発的に第2基板および第3基板のいずれか一方と第1基板とが未接続状態(一時的なケーブル抜け)となって電源が投入された状況において、チェックサムの演算結果などの判定処理による判定結果の表示が行われないことによって、遊技店側での故障の誤認の発生を抑制できる。
さらに、例えば図24(A)に示すようなROM90121には音声制御に用いられる音声データが記憶され、図24(B1)に示すような演出データメモリ90123Aには表示制御などに用いられる画像データが記憶されるところ、ROM90121の最終アドレスから連続した演出データメモリ90123Aの特定アドレス範囲に対応する記憶エリアにも、音声データが記憶されている。こうして、音声データのような第1制御データを第1領域の最終アドレスから連続した第2領域の特定アドレス範囲に対応する領域にも記憶させることで、記憶領域を有効に活用して製造コストを低減するとともに、制御データを円滑に読み出して適切な制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。