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JP3966468B2 - 生体組織の弾力特性測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織の弾力特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
婦人の出産後、または加齢が進むにつれ、尿道を支えていた筋肉が伸びきって、その弾力が低下し、ちょっとした衝撃で失禁を起こしやすくなる。そのため、例えば骨盤に支え穴を設けて、その穴を利用し、尿道周辺の筋肉を吊り上げ、尿道を支える筋肉の弾力を回復させる手術が行われる。また、この手術とは別に、あるいは併用されて、尿道を支える筋肉の弾力を回復させるトレーニングの指導が行われる。
【0003】
手術を適切に行うためには、尿道付近の筋肉についての弾力低下の程度を判断し、弾力を回復させるための支え穴への筋肉の吊り上げ程度を定める必要がある。また、術後に弾力の回復度合いを評価することも重要である。弾力回復トレーニングの指導においても、尿道付近の筋肉についての弾力低下の程度及びトレーニングによる弾力の回復効果を評価することが必要である。従来は、このような尿道付近の筋肉の弾力評価は、術者や指導者の手による触診等、経験に頼る診断により判断されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
尿道付近の筋肉の弾力評価を術者の触診等の経験でなく、定量的に評価するため、尿道に探触子を挿入して直接弾力特性を測定することも考えられるが、尿道はきわめて細いため、探触子の挿入は患者に負担を与える。そこで尿道のごく近傍にあり、その径が約15mm程度ある膣であれば探触子の挿通は可能であるので、膣の管部に探触子を挿入し、管部内側の生体組織を介して尿道付近の筋肉の弾力評価を行うことが検討されている。
【0005】
しかし、尿道を取り囲む筋肉の機能の一つは、尿道を適度の弾力で拡張させ、また収縮させる拡張・収縮特性にあるので、膣の管部内側の生体組織に対する一般的な応力測定あるいはひずみ測定では十分な評価ができない。
【0006】
また、尿失禁をきたす筋肉の弾力低下の程度は、膣の管部内側における1点の測定等の局部的な測定では十分な評価ができない。術後あるいはトレーニングによる弾力回復の評価についても同様である。すなわち、どの部分の筋肉の回復が行われ、どの分の筋肉が回復していないかの評価を行うことができない。
【0007】
また、尿道を取り囲む筋肉の機能を評価するには、例えば患者に「いきませて」あるいは「弛緩させて」、そのときの膣全体の収縮・拡張の程度をリアルタイムで観察することが好ましいが、そのような観察に適当な手段が考えられていない。
【0008】
さらに、患者のトレーニングの成果を迅速に次のトレーニングに反映させるには、患者自身がトレーニングを続けつつその回復度合いを自宅等で容易に理解できる評価装置が望まれる。
【0009】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、生体組織の拡張・収縮特性をリアルタイムで測定することを可能とする生体組織の弾力特性測定装置を提供することである。他の目的は、生体組織の拡張・収縮特性を容易に理解できる生体組織の弾力特性測定装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明に係る生体組織の弾力特性測定装置は、生体の管部に挿通し、管部内側の組織の弾力特性を測定する生体組織の弾力特性測定装置であって、生体の管部に挿通する探触子基部と、探触子基部の挿通軸方向に沿った同じ挿通深さにおいて挿通軸周りに複数設けられ、生体の管部内側において生体組織に近接配置されて生体組織の複数の測定位置に対し押付け戻し駆動される複数の探触子と、各探触子に設けられ、押付け戻し駆動されるときの生体組織からの反力から、各測定位置において生体組織に与える応力を検出する複数の応力検出センサと、各応力検出センサに対応して設けられ、探触子基部に対する各応力検出センサの変位量から各測定位置における生体組織の変位量を検出する複数の変位量検出センサと、生体の管部の前記挿通深さにおいて、各測定位置の各変位量と、生体組織に応力を与えない状態の標準輪郭とに基づいて、押付け戻された生体の管部の変位輪郭を算出する変位輪郭算出部と、押付け戻し駆動による変位輪郭の変化と、対応する各応力値の変化とをリアルタイムで表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成により、生体の管部に挿通され、挿通軸方向に沿った同じ挿通深さにおいて挿通軸周りに設けられる複数の探触子を備える。複数の探触子は、生体の管部内側における生体組織の複数の測定位置に対し押付け戻し駆動され、そのときの各測定位置における応力と変位量とが検出される。そして生体の管部の標準輪郭と、各測定位置における変位量とから、押付け戻しにおける変位輪郭を算出し、応力の変化とともに表示する。したがって、この変位輪郭の変化等から、膣等の生体の管部内側における生体組織の拡張・収縮特性をリアルタイムで測定することができる。また、変位輪郭の変化をビジュアルに表示することで、例えば患者等が、生体組織の拡張・収縮特性を容易に理解することができる。また、標準輪郭は、生体の管部の前記挿通深さにおける断層図形であることが好ましい。
【0012】
また、表示手段は、変位輪郭を表示し、さらに変位輪郭上の測定位置に対応する位置に、各測定位置における各応力値に応じた大きさの図形を重畳させて表示することが好ましい。上記構成により、変位輪郭の変化に関連付けて応力の変化をリアルタイムで測定でき、ビジュアルに観察できる。
【0013】
また、変位輪郭算出部は、各測定位置における各変位量に基づき、隣接する測定位置の間を補間して変位輪郭を算出することが好ましい。上記構成により、離散的な各測定位置における変位量の変化のみならず、生体の管部の断面全体としての変化をリアルタイムで測定でき、ビジュアルに観察できる。
【0014】
また、探触子は、探触子基部の複数の挿通深さにそれぞれ設けられることが好ましい。上記構成により、生体の管部の内周に沿った測定のみならず、生体の管部の深さ方向に沿った測定を行うことができる。
【0015】
また、本発明に係る生体組織の弾力特性測定装置は、各測定時刻における変位輪郭及び対応する各応力値を記憶する記憶手段を備え、表示手段は、記憶手段から各測定時刻における変位輪郭及び対応する各応力値を読み出してそれぞれ表示することを特徴とする。
【0016】
上記構成により、同一画面上に変位輪郭の時々刻々変化する様子を表示することができる。また、同一画面上に応力の時々刻々変化する様子を表示することができる。さらに、同一画面上に変位輪郭及び応力の時々刻々変化する様子を表示することができる。
【0017】
また、本発明に係る生体組織の弾力特性測定装置は、各測定時刻における変位輪郭及び対応する各応力値を外部に送信する送信手段を備えることが好ましい。上記構成により、同一データを複数箇所で測定及び観察することができる。例えば患者の自宅で生体組織の弾力特性を観察するとともに、医師等のもとにそのデータを送信し、適切な指示を受けること等が可能となる。
【0018】
また、本発明に係る生体組織の弾力特性測定装置は、生体の管部に挿通し、管部内側の組織の弾力特性を測定する生体組織の弾力特性測定装置であって、生体の管部に挿通する探触子基部と、探触子基部の挿通軸方向に沿った同じ挿通深さにおいて挿通軸周りに複数設けられ、生体の管部内側において生体組織に近接配置されて生体組織の複数の測定位置に対し押付け戻し駆動される複数の探触子と、各探触子に設けられる複数の硬さセンサ部と、硬さセンサ部からの信号に基づき各測定位置における生体の硬さを検出する硬さ検出手段と、各硬さセンサ部に対応して設けられ、探触子基部に対する各硬さセンサ部の変位量から各測定位置における生体組織の変位量を検出する複数の変位量検出センサと、生体の管部の前記挿通深さにおいて、各測定位置の各変位量と、生体組織に応力を与えない状態の標準輪郭とに基づいて、押付け戻された生体の管部の変位輪郭を算出する変位輪郭算出部と、押付け戻し駆動による変位輪郭の変化と、対応する各硬さの変化とをリアルタイムで表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
上記構成により、生体組織の硬さと変位量を評価できる。硬さは、応力とひずみの比である弾性係数に密接に関係するので、硬さの変化から、生体組織の弾性係数に関する変化をリアルタイムで測定でき、観察できる。
【0020】
また、本発明に係る生体組織の弾力特性測定装置において、前記硬さセンサ部は、振動子と、振動検出センサとが設けられ、振動子に接続される入力端子と、振動検出センサに接続される出力端子を備え、前記硬さ検出手段は、前記硬さセンサ部の出力端子に入力端が接続される増幅器と、増幅器の出力端と前記硬さセンサ部の入力端子との間に設けられ、前記振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形との間に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトする位相シフト回路と、を備え、硬さセンサ部と生体組織を含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体組織の硬さが変化することで生ずる前記周波数変化から、生体組織の硬さを検出することを特徴とする。上記構成により、生体組織の硬さを定量的に検出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明に係る実施の形態について詳細に説明する。説明において、生体の管部として膣を用いたが、膣以外の生体の管部、例えば咽頭部、肛門から大腸に至る管部、耳の管部等であってもよい。あるいは、プローブ部の挿入開始部分の形状等を修正変更し、心臓、胃等の生体体腔に適用してもよい。
【0022】
図1は、弾力特性測定装置10の構成を示す図である。弾力特性測定装置10は、患者である生体20の膣22に挿通され、膣22の内壁24の生体組織の弾力特性に関する信号を検出するプローブ部40と、信号ケーブル90と、プローブ部40により検出された信号を処理して表示する装置本体100を含んで構成される。
【0023】
プローブ部40は、探触子基部42と、探触子基部42の先端側に取り付けられた4個の探触子50(50a〜50d)と、探触子基部42の外周に摺動自在にはめこまれるスリーブ44と、スリーブ44の外周をガイドし、膣の入り口にあてがわれるフランジ板46とを備える。
【0024】
探触子基部42は、数mm角または直径数mmの棒状の部材である。探触子基部42の内部には、4個の探触子50からの各信号線が収納され、これらの信号線は探触子基部42の後端部から外部に引き出され、信号ケーブル90に接続される。探触子基部42の後端側の外周には、フランジ板46を基準とした探触子基部の膣22への挿入深さを示す目盛48が設けられる。
【0025】
各探触子50は、一端が探触子基部42に取り付けられる板バネ52(52a〜52d)と、板バネ52の自由端側に設けられたセンサ部54(54a〜54d)とを含む。各板バネ52の各一端は、探触子基部42の軸方向に沿った同じ挿入深さの位置に、探触子基部42の外周に沿って90度ずつの間隔で対称になるように取り付けられる。図2は、膣の深部からプローブ部の先端側を見た図である。このように、4個の板バネ52a〜52dの自由端に設けられた4個のセンサ部54a〜54dは、プローブ部の挿入軸周りに90度ずつの間隔で配置され、板バネ52a〜52dの弾性力により、同じ挿入深さにおける膣の内壁24の生体組織にほぼ等間隔で接触することができる。
【0026】
図3は、探触子基部42と、スリーブ44と、探触子50との関係を説明する図である。スリーブ44が、探触子基部42に対し、例えば図3において左側に移動すると、スリーブ44のパイプ状の内側が、探触子50の板バネ52に接触し、さらに左側に移動するにつれ、板バネ52を探触子基部42側に押付けるように働く。したがって、板バネ52の自由端に設けられたセンサ部54は、スリーブ44が左側に移動するにつれ下向きに動き、スリーブ44が右側に移動するときは上側に動く。このように、スリーブ44と探触子基部42との間の相対運動により、板バネ52の自由端に設けられたセンサ部54を、膣の内側の生体組織に対し、押付け戻し駆動をさせることができる。スリーブ44と探触子基部42との間の相対運動は、図示されていない小型モータにより行うことができる。また、簡単な測定においては、術者の手による操作によってスリーブ44と探触子基部42との相対的移動を行うこともできる。
【0027】
スリーブ44の左側の移動により、センサ部54を含み探触子50全体をスリーブ44の内部に収納することもできる。この場合は、複雑な機構の探触子50をスリーブ44の内部に収納した状態で、プローブ部40の先端部を膣における所定の挿入深さまで挿通でき、挿通がスムーズに行える。挿入深さの制御は、フランジ板46と探触子基部42に刻まれた目盛を用いて行うことができる。そして、所定の挿入深さにおいて、スリーブ44を移動させることにより、膣内部で4個の探触子50を傘状に開き、すぼめることができる。探触子の数は、複数個であればよく、4個に限られない。
【0028】
図4は、センサ部54を含めた探触子50周りの詳細図である。探触子50は、探触子基部42の外周に取り付けられた板バネ52の自由端に、応力検出基台56を備えた略半球状のプラスチック製の接触ボール58が接着により取り付けられ、応力検出基台56に応力検出センサ60が貼り付けられる。また、板バネ52の応力検出基台56が取り付けられる側と反対側と、それに対向する探触子基部42の表面とに、対をなして形成される変位量検出センサ62a,62bが配置される。応力検出センサ60、変位量検出センサ62a,62bには、それぞれ信号線92,94が接続され、上記のように探触子基部42の内部を通り、信号ケーブル90に導かれる。
【0029】
応力検出センサ60には、ひずみゲージを用いることができる。変位量検出センサ62a,62bには、一対の受光素子と発光素子を用いることができる。あるいは変位量検出センサとして、一対の磁石と磁気センサ等、他の小型の近接センサを用いることもできる。応力検出基台56と接触ボール58とは、同じ材料で構成するほか、別々の材料を用いこれらを積層構造で形成してもよい。
【0030】
図5は、硬さセンサ部55を設けた探触子50の部分図である。図4と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。硬さセンサ部55は、板バネ52の自由端に、振動子64と、振動検出センサ66とが接着等により積層されて設けられ、その上部に略半球状のプラスチック製の接触ボール58が接着により取り付けられる。また、板バネ52の反対側と、それに対向する探触子基部42の表面とには、図4に説明したと同様に、対を成して形成される変位量検出センサ62a,62bが配置される。振動子64に信号線96a、振動検出センサ66に信号線96bがそれぞれ接続され、これらの信号線96a,96bは、上記のように、探触子基部42の内部を通り、信号ケーブル90を介して、後述する硬さ検出部に導かれる。
【0031】
上記構成のプローブ部40の動作について説明する。4個の探触子50を傘状にすぼめてスリーブ44の内側に収納した状態で、探触子基部42及びスリーブ44を、フランジ板46の開口部から、生体の管部、例えば患者の膣22の弾力特性を測定したい挿通深さまで挿入する。所望の挿通深さにおいて、術者の手動あるいは小型モータによって、スリーブ44は探触子基部42に対し徐々に手前側(図1に示す矢印方向)に移動され、探触子50は傘状に開いてゆく。このとき、接触ボール58は、膣22の内側の生体組織側に動き、膣22の内壁が拡張されるように接触ボール58の押付けが行われる。その後、スリーブ44は探触子基部42に対し、徐々に左側に戻され、探触子50は次第にすぼめられる。このとき、接触ボール58は、膣22の内側の生体組織から離れる方向に動き、膣22の内壁の収縮に応じて接触ボール58の押し戻しが行われる。例えば、図1において、接触ボール58の押し戻しに対応して、膣22は、内壁24a,24b,24cが初期状態の内壁24a、拡張状態の内壁24b、収縮状態の内壁24cのように変化する。
【0032】
膣22の内壁の拡張・収縮による反力Fは、接触ボール58が設けられた応力検出基台56に設けられた応力検出センサ60により検出される。応力検出センサ60がひずみゲージの場合は、抵抗値変化の信号となって、信号線92により、装置本体100に送られ、そこで演算処理され、応力に換算される。
【0033】
一方、探触子基部42に対する接触ボール58の距離の変化、すなわち接触ボール58が膣22の内壁拡張・収縮するときの相対的な変位量は、変位量検出センサ62a,62bで検出される。すなわち、探触子基部42に対する接触ボールの距離が変化すると、発光素子と受光素子との間の距離が変化し、その距離に応じて、受光量変化の信号となって、信号線94により装置本体100に送られ、そこで演算処理され、変位量に換算され、先ほどの応力と対応付けが行われる。
【0034】
プローブ部における他の実施形態につき説明する。図6に、探触子として上述の板ばね構造に代えて、流体圧により膨脹伸縮自在のバルーンを用いる例を示す。図6において、バルーン70を探触子基部42に取り付けられる。バルーン70の内壁には探触子54が取り付けられる。バルーン70は、ポンプ72に接続され、ポンプ72の圧力を調整することで、生体組織に対し押付け戻し駆動されることができる。
【0035】
図7は、異なる3つの挿通深さにおいて、それぞれ4個ずつの探触子49,50,51を設けた例を示す。この場合、1個のスリーブを用いて、3組の探触子を挿通深さの深い順から傘状に順次開き、また挿通深さの浅い順から傘状に順次しぼめることができる。3個の部分スリーブを探触子51と探触子50との間、探触子50と探触子49の間、探触子49の手前側の探触子基部に配置し、これらを遠隔操作等で個別にスライドする機構を設け、各探触子49,50,51を独立に押し戻し駆動することもできる。探触子を設ける挿通深さは3つに限られず、測定の便宜に応じ適宜設定してもよい。
【0036】
次に、装置本体100につき説明する。図8は、装置本体100のブロック図である。装置本体は、一般的なコンピュータに、応力測定用のインタフェイス基板、変位量測定用のインタフェイス基板、硬さ測定用の硬さ検出部基板等を増設することで構成することができる。硬さ検出部基板は、独立した機器として構成し、一般的なコンピュータと接続することもできる。
【0037】
装置本体100は、CPU102と、キーボード等の入力部104、ディスプレイ等の出力部106、ネットワーク等を介して外部の診断機器と接続する通信制御部108、CPU102において算出または作成されたデータ等を蓄積する記憶装置110を含む。また、装置本体100は、プローブ部からの信号線92,94,96にそれぞれ接続される応力センサI/F(InterFace)112、変位量センサI/F114、硬さ検出部116が設けられる。
【0038】
応力センサI/F(InterFace)112は、上記の例において、応力検出センサ60の検出する抵抗値変化の信号についてディジタル信号処理のための変換処理等を行う機能を有する回路である。変位量センサI/F114は、上記の例において、変位量検出センサ62a,62bの検出する受光量変化の信号についてディジタル信号処理のための変換処理等を行う機能を有する回路である。
【0039】
図9は、硬さ検出部116のブロック図である。硬さ検出部116は、硬さセンサ部55における振動子64と信号線96aを介して接続される入力端子140と、振動検出センサ66と信号線96bを介して接続される出力端子142を備える。また、硬さ検出部116は、出力端子142に入力端が接続される増幅器144と、増幅器144の出力端と入力端子140との間に設けられ、振動子64への入力波形と振動検出センサ66からの出力波形との間に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトする位相シフト回路146とを備える。かかる機能を持つ位相シフト回路の内容については、特開平9−145691号公報に詳しく述べられている。
【0040】
このような構成で、振動子64、振動検出センサ66と生体組織を含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体組織の硬さが変化することで生ずる周波数変化を、周波数偏差検出部148で検出し、硬さ変換器150により周波数変化を硬さに変換する。変換された硬さ信号は、ディジタル信号に変換される。周波数変化を硬さに変換するには、例えば標準物質で較正されている換算テーブル等を用いることができる。このようにして生体の硬さを定量的に得ることができる。
【0041】
再び図8に戻り、CPU102における応力算出モジュール120は、応力I/F112から入力された抵抗値変化のディジタル信号をひずみゲージのゲージファクタ等を用いて演算処理し、探触子の先端の接触ボールが受ける反力を換算して膣の内壁の生体組織における応力を表すディジタル値として算出する機能を有する。
【0042】
変位量算出モジュール122は、変位量センサI/F114から入力された受光量値変化のディジタル信号を、発光素子と受光素子との間の距離と受光量変化との間の関係式等を用いて演算処理し、探触子の先端の接触ボールの移動量を換算して膣の内壁の生体組織における変位量を表すディジタル値として算出する機能を有する。
【0043】
上記のように、プローブ部において探触子の押し戻し駆動が行われると、各測定タイミングにおいて、4個の探触子から4個の応力検出信号と4個の変位量検出信号が得られるので、これらの信号より、4個の応力値と4個の変位量とが算出される。算出された各データは、測定タイミングと対応付けて記憶装置110に記憶することができる。
【0044】
変位輪郭算出モジュール124は、各測定タイミングで得られる4個の変位量から、補間法により膣の内壁の変位輪郭を算出する機能を有する。表示処理モジュールは、算出された応力、変位輪郭、硬さ等の合成等の処理を行い、出力部106に表示データとして出力する機能を有する。算出された変位輪郭、作成された表示データは、測定タイミングと対応付けて記憶装置110に記憶することができる。
【0045】
以下に変位輪郭算出モジュール124において変位輪郭を求める様子、及び表示処理モジュール126において行われる各種の処理について説明する。
【0046】
図10は、変位輪郭算出の様子を示す模式図である。変位量算出モジュール122で求められた4個の変位量は、膣への挿通軸周りに90度間隔で設けられた4個の測定位置における各変位量であるので、隣接する測定位置の間を補間することで、その挿通深さにおける膣の内壁全体の輪郭を得ることができる。補間の基準として、膣の内壁にいずれの探触子も接触していない状態、すなわち膣の内壁応力を与えない状態の膣の内壁の標準輪郭を用いるのが好ましい。このような標準輪郭としては、X線CT(Computed Tomography)法による断層画像、MRI(nuclear Magnetic Resonance Imaging)法による断層画像等を用いることができる。
【0047】
図10において、所定の膣深さにおける標準輪郭200が示され、この膣深さプローブ部の挿通深さとし、4個の探触子の位置を膣断面の長軸202及び短軸204におよそ合わせたときにおける4個の探触子の位置206a〜206dが示される。ここで、探触子を傘状に開いて膣の内壁に押し付けたとき、4個の探触子の位置208a〜208dは、それぞれの場所における膣の内壁の生体組織の弾力特性の相違により、異なった変位量で移動する。この4個の探触子の位置208a〜208dの隣接する変位量測定位置の間は、標準輪郭200をおよそ相似形で外側に移動するようにして補間を行い、変位輪郭210を得ることができる。
【0048】
この他に、補間の基準点を標準輪郭200の長軸202と短軸204との交点212にとり、交点212からの放射状の距離について補間を行う方法を用いて変位輪郭を得ることもできる。例えば、交点212と変位量測定位置208aとの間の距離と、交点212と標準輪郭200の短軸上の位置200aとの距離とを比較してその比dを求め、同様に交点212と変位量測定位置208bとの間の距離と、交点212と標準輪郭200の長軸上の位置200bとの距離とを比較してその比dを求める。変位量測定位置208aと変位量測定位置208bの間については、交点212から放射状に角度θxの位置で線分214xを引いて、標準輪郭200との交点200xと交点212との距離Lを求める。角度θxの大きさに応じて、比dと比dを比例配分して補間比dxを出す。補間比dxに距離Lを乗ずることで、補間点208xの位置を求めることができる。このように隣接する測定位置の間を補間して、変位輪郭を求めることができる。
【0049】
図11、図12に、変位輪郭データと応力データとを対応付けて表示する画面220,230を示す。画面220,230は、応力算出モジュール120により算出された応力データと、変位輪郭算出モジュール124で算出された変位輪郭データとに基づいて、表示処理モジュール126に画像データ化され、合成処理が行われて作成される。
【0050】
図11の画面220においては、変位輪郭210が標準輪郭200とともに示され、この変位輪郭210を算出する基礎となっている探触子の4個の変位量に対応する応力値が、4個の棒グラフ222a〜222dで示される。各棒グラフ222a〜222dは、フルスケールの枠の中に算出応力値がフルスケールに対する割合として斜線部分で示されている。各棒グラフ222a〜222dは、画面220の余白部分において、変位輪郭210上の4個の測定位置に対応付けられた位置に配置される。
【0051】
図12の画面230においては、4個の応力値が、応力値の大きさに応じた直径の円232a〜232dで示される。応力値を示す各円232a〜232dは、変位輪郭210上の4個の測定位置に対応した位置に配置される。
【0052】
図13は、同じ挿通深さにおいて探触子を操作により押し戻しする場合の変位輪郭における一連の変化の様子を示す図である。図13(a)は、探触子の挿通軸に平行な面で切断した膣周辺断面図、(b)は、挿通軸に垂直な面で切断した膣周辺断面図を示す。探触子が十分に開いていない状態では、探触子の先端240a〜240dは膣の内壁250に接触しない。操作により次第に探触子を開いてゆくと、探触子の先端242a〜242dが膣の内壁250に接触し始める。ここまでは膣の内壁は標準輪郭251のままである。さらに探触子を開くと、探触子の先端244a〜244dが膣の内壁を押し広げる。このときの探触子の先端244a〜244dの位置から、上記の補間法により変位輪郭255を求めることができる。ついでさらに探触子を開くと、探触子の先端246a〜246dが膣の内壁を押し広げ、このときの探触子の先端246a〜246dの位置から変位輪郭257を求めることができる。探触子を操作により次第にしぼめてゆくときも同様に変位輪郭を順次求めてゆくことができる。図13(b)に示すように、探触子の一連の押し戻しにおける各測定タイミングにおける変位輪郭を、1個だけを表示するのでなく、各測定タイミングに従って順次重畳して表示することで、膣の内壁の弾力特性の変化を視覚により直接把握でき、理解しやすくなる。
【0053】
図14は、同じ挿通深さにおいて探触子をスリーブからフリーな状態、すなわち探触子は膣の内壁の運動によってのみ押し戻しされる場合の変位輪郭における一連の変化の様子を示す図である。図14(a)、(b)に示す内容は図13と同様である。患者の膣にプローブ部を挿通し、スリーブを十分手前に戻した状態では膣の内壁270に探触子の先端260a〜260dが接触している。このときの膣の内壁は標準輪郭271のままである。その状態で患者が「いきむ」と、膣の内壁270が膣の内壁272まで収縮し、それに応じて探触子の先端260a〜260dが探触子の先端262a〜262dまで押し戻され、このときの探触子の先端262a〜262dの位置から変位輪郭273を求めることができる。さらに患者が「いきむ」と、膣の内壁272が膣の内壁274まで収縮し、それに応じて探触子の先端262a〜262dが探触子の先端264a〜264dまで押し戻され、このときの探触子の先端264a〜264dの位置から変位輪郭275を求めることができる。患者が「弛緩」を行うときも同様に変位輪郭を順次求めてゆくことができる。
【0054】
患者が行う一連の「いきみ」「弛緩」における各測定タイミングにおける変位輪郭を、1個だけを表示するのでなく、各測定タイミングに従って順次重畳して示すことで、膣の内壁の弾力特性が理解しやすくなる。この方法は、尿失禁を防ぐための尿道を支える筋肉の弾力の回復程度を、わかりやすく反映できるものと考えることができる。なお、実際には、探触子の板バネの弾性力により、膣の内壁の生体組織は押し戻されるが、説明の簡単のため、探触子の先端の移動は「いきみ」による膣の内壁の移動のみにより生ずるとした。
【0055】
図15は、各測定タイミングにおける変位輪郭282〜288と、応力を示す円292〜298を関連付けた上ですべて重畳させて表示する画面280を示す。
測定タイミングの違いで変位輪郭、応力を識別できるようにしてもよい。例えば、測定タイミングが異なる変位輪郭及び応力を示す円の線の色を異ならせることができる。線の種類を異ならせてもよい。
【0056】
画面280は、記憶装置110に記憶されている各測定タイミングにおける応力データと、変位輪郭データとに基づいて、表示処理モジュール126において画像データ化され、合成処理が行われて作成される。また、各測定タイミングにおいて応力算出モジュール120で算出される応力データと、変位量算出モジュール122で算出される変位量データとに基づき、リアルタイムで表示処理モジュール126において画像データ化され、順次合成処理が行われて作成することもできる。この場合には、測定タイミングが進むにつれ、変位輪郭と応力を示す円が順次前の状態に加わる状態で重畳されてゆくことになる。
【0057】
図16は、さらに3つの挿通深さにおいて、各測定タイミングにおける変位輪郭と応力を示す円とについて、すべてを重畳させて表示する画面300を示す。図に示すように、各測定タイミングごとの図形を傾けて画面に配置することで見やすい表示にすることができる。このように、膣の内壁において、内周に沿った変位輪郭および応力の変化のみならず、深さ方向に沿った変位輪郭および応力の変化もリアルタイムでわかりやすく表示することができる。
【0058】
図11、12及び図15、16における画面220,230,280,300は、装置本体100の出力部106において表示される。また、これらの画面を構成するデータは、装置本体100の通信制御部108を介し、通信ケーブルあるいは無線ネットワークを経由して外部の診断装置に伝送することができる。例えば、患者の自宅に生体組織の弾力特性測定装置10一式を設定し、患者自身による測定を行い、患者自身が装置本体100の出力部106であるモニタ画面を見るとともに、主治医のもとにデータを伝送し、主治医もまた同じ画面を見ることができる。したがって、弾力回復トレーニングの効果程度を患者自身が自宅においてリアルタイムで評価できるとともに、主治医もそのデータを同時に見ながら適切な診断と処方を行うことができる。
【0059】
図11、12及び図15、16においては、応力データを変位輪郭に対応付けて表示する説明を行ったが、応力データに代えて、あるいは応力データとともに、硬さデータを変位輪郭に対応付けて表示することもできる。
【0060】
【発明の効果】
本発明に係る生体組織の弾力特性測定装置によれば、生体組織の拡張・収縮特性をリアルタイムで測定することが可能となる。本発明に係る生体組織の弾力特性測定装置によれば、生体組織の拡張・収縮特性を容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態における弾力特性測定装置の構成図である。
【図2】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、膣の深部からプローブ部の先端側を見た図である。
【図3】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、探触子基部とスリーブと探触子との関係を説明する図である。
【図4】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、センサ部を含めた探触子周りの詳細図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、硬さセンサ部を設けた探触子の部分図である。
【図6】 他の実施の形態において、探触子としてバルーンを用いる例を示す図である。
【図7】 他の実施の形態において、異なる3つの挿通深さにおいてそれぞれ4個ずつの探触子を設けた例を示す図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、装置本体のブロック図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、硬さ検出部のブロック図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、変位輪郭算出の様子を示す模式図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、変位輪郭データと応力データとを対応付けて表示する画面の例を示す図である。
【図12】 変位輪郭データと応力データとを対応付けて表示する他の画面の例を示す図である。
【図13】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、探触子を操作により押し戻しする場合の変位輪郭における一連の変化の様子を示す図である。
【図14】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、探触子が膣の内壁の運動によってのみ押し戻しされる場合の変位輪郭における一連の変化の様子を示す図である。
【図15】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、各測定タイミングにおける変位輪郭と応力を示す円とを関連付けて重畳させて表示する画面の例を示す図である。
【図16】 本発明に係る実施の形態の弾力特性測定装置において、3つの挿通深さにおいて、各測定タイミングにおける変位輪郭と応力を示す円とについて重畳させて表示する画面の例を示す図である。
【符号の説明】
10 弾力特性測定装置、20 生体、22 膣、24a,24b,24c、250,254,256,270,272,274 膣の内壁、40 プローブ部、42 探触子基部、44 スリーブ、49,50,51 探触子、52,52a〜52d 板バネ、54,54a〜54d センサ部、55 硬さセンサ部、56 応力検出基台、58 接触ボール、60 応力検出センサ、62a,62b 変位量検出センサ、64 振動子、66 振動検出センサ、70 バルーン、92,94,96,96a,96b 信号線、100 装置本体、102 CPU、106 出力部、110 記憶装置、116 硬さ検出部、120 応力算出モジュール、122 変位量算出モジュール、124 変位輪郭算出モジュール、126 表示処理モジュール、144 増幅器、146 位相シフト回路、148 周波数偏差検出部、150 硬さ変換器、200,251,271標準輪郭、210,255,257,273,275,282,284,286,288 変位輪郭、222a〜222d 応力を示す棒グラフ、232a〜232d,292,294,296,298 応力を示す円。

Claims (10)

  1. 生体の管部に挿通し、管部内側の組織の弾力特性を測定する生体組織の弾力特性測定装置であって、
    生体の管部に挿通する探触子基部と、
    探触子基部の挿通軸方向に沿った同じ挿通深さにおいて挿通軸周りに複数設けられ、生体の管部内側において生体組織に近接配置されて生体組織の複数の測定位置に対し押付け戻し駆動される複数の探触子と、
    各探触子に設けられ、押付け戻し駆動されるときの生体組織からの反力から、各測定位置において生体組織に与える応力を検出する複数の応力検出センサと、
    各応力検出センサに対応して設けられ、探触子基部に対する各応力検出センサの変位量から各測定位置における生体組織の変位量を検出する複数の変位量検出センサと、
    生体の管部の前記挿通深さにおいて、各測定位置の各変位量と、生体組織に応力を与えない状態の標準輪郭とに基づいて、押付け戻された生体の管部の変位輪郭を算出する変位輪郭算出部と、
    押付け戻し駆動による変位輪郭の変化と、対応する各応力値の変化とをリアルタイムで表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  2. 請求項1に記載の弾力特性測定装置において、
    標準輪郭は、生体の管部の前記挿通深さにおける断層図形であることを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  3. 請求項1に記載の弾力特性測定装置において、
    表示手段は、変位輪郭を表示し、さらに変位輪郭上の測定位置に対応する位置に、各測定位置における各応力値に応じた大きさの図形を重畳させて表示することを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  4. 請求項2に記載の弾力特性測定装置において、
    変位輪郭算出部は、各測定位置における各変位量に基づき、隣接する測定位置の間を補間して変位輪郭を算出することを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  5. 請求項1に記載の弾力特性測定装置において、
    探触子は、探触子基部の複数の挿通深さにそれぞれ設けられることを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  6. 請求項1に記載の弾力特性測定装置において、
    各測定時刻における変位輪郭及び対応する各応力値を記憶する記憶手段を備え、
    表示手段は、記憶手段から各測定時刻における変位輪郭及び対応する各応力値を読み出してそれぞれ表示することを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  7. 請求項1に記載の弾力特性測定装置において、
    各測定時刻における変位輪郭及び対応する各応力値を外部に送信する送信手段を備えることを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  8. 生体の管部に挿通し、管部内側の組織の弾力特性を測定する生体組織の弾力特性測定装置であって、
    生体の管部に挿通する探触子基部と、
    探触子基部の挿通軸方向に沿った同じ挿通深さにおいて挿通軸周りに複数設けられ、生体の管部内側において生体組織に近接配置されて生体組織の複数の測定位置に対し押付け戻し駆動される複数の探触子と、
    各探触子に設けられる複数の硬さセンサ部と、
    硬さセンサ部からの信号に基づき各測定位置における生体の硬さを検出する硬さ検出手段と、
    各硬さセンサ部に対応して設けられ、探触子基部に対する各硬さセンサ部の変位量から各測定位置における生体組織の変位量を検出する複数の変位量検出センサと、
    生体の管部の前記挿通深さにおいて、各測定位置の各変位量と、生体組織に応力を与えない状態の標準輪郭とに基づいて、押付け戻された生体の管部の変位輪郭を算出する変位輪郭算出部と、
    押付け戻し駆動による変位輪郭の変化と、対応する各硬さの変化とをリアルタイムで表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  9. 請求項8に記載の弾力特性測定装置において、
    前記硬さセンサ部は、
    振動子と、振動検出センサとが設けられ、振動子に接続される入力端子と、振動検出センサに接続される出力端子を備え、
    前記硬さ検出手段は、
    前記硬さセンサ部の出力端子に入力端が接続される増幅器と、
    増幅器の出力端と前記硬さセンサ部の入力端子との間に設けられ、前記振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形との間に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトする位相シフト回路と、を備え、硬さセンサ部と生体組織を含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体組織の硬さが変化することで生ずる前記周波数変化から、生体組織の硬さを検出することを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
  10. 請求項1または請求項8に記載の弾力特性測定装置において、
    前記探触子は、流体圧により膨張収縮自在のバルーンに取り付けられ、バルーンの膨張収縮により生体組織に押付け戻し駆動されることを特徴とする生体組織の弾力特性測定装置。
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