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JPH1014083A - ディジタルリレーのアナログ監視及び自動調整方式 - Google Patents

ディジタルリレーのアナログ監視及び自動調整方式

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JPH1014083A
JPH1014083A JP8163972A JP16397296A JPH1014083A JP H1014083 A JPH1014083 A JP H1014083A JP 8163972 A JP8163972 A JP 8163972A JP 16397296 A JP16397296 A JP 16397296A JP H1014083 A JPH1014083 A JP H1014083A
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Toshiyuki Okitsu
俊幸 興津
Takashi Ichikawa
市川  隆
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Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイナミックレンジの全領域に亘り、A/D
変換器の直線性を保証可能とすること、並びに補正定数
を得るための既知の入力の簡易な印加手段を提供するこ
と。 【解決手段】 アナログフィルタ1、サンプルホールド
回路2、マルチプレクサ3、A/D変換器5などよりな
るアナログ部に系統入力を加え、そのA/D変換値を用
いてコンピュータ処理部6でリレー演算を行うディジタ
ルリレーにおいて、コンピュータ処理で任意の波形また
は電圧値の信号を生成させるD/A変換器7を設ける。
このD/A変換器7の出力をA/D変換精度監視信号と
してマルチプレクサ3の1チャンネルに入力し、監視電
圧を所定範囲で増減させてA/D変換精度をA/D変換
器5のダイナミックレンジ全域に亘って監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル形電力
系統保護継電装置(ディジタルリレー)におけるアナロ
グ部の監視方式とアナログ部のゲイン・オフセット誤差
の自動調整方式に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルリレーの監視方式には規定が
あり、(1) アナログ部A/D精度監視、(2) 高調波重畳
監視もその規定にある。
【0003】前者は、マルチプレクサの入力に1チャン
ネルだけ既定の電圧を入力し、その電圧をA/D変換し
て直流レベルでA/D変換器の精度を監視する方式であ
る。図12に監視回路を含むアナログ部の回路構成を示
す。図中、1はアナログフィルタ、2はサンプルホール
ド回路、3はマルチプレクサ、4はバッファ、5はA/
D変換器、10はA/D精度監視用抵抗分圧回路で、こ
の分圧回路10の一定の分圧電圧をマルチプレクサ3の
1入力としている。
【0004】後者は、高調波電圧をアナログフィルタの
入力に常時重畳させ、そのディジタル変換データから高
調波電圧を演算により抽出してフィルタからA/D変換
器までの透過性を監視する方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
(1) アナログ部のA/D精度監視(その1) アナログ部のA/D精度監視は、図12に示すように抵
抗分圧回路10を付設して予め決められた電圧値を得る
など、簡単な構成で行っていたが、このような方式で
は、高性能、高信頼性のディジタルリレーとする場合に
問題がある。その点を以下に述べる。
【0006】最近の電力ニーズによってディジタルリレ
ーのダイナミックレンジの拡大が要求されるため、A/
D変換器は12ビットから16ビットへと高精度化して
いる。ところが、A/D精度監視では既知の固定的な入
力を監視対象としているため、A/D変換器の故障や部
品劣化による直線性の変化を的確に検知できるとは保証
されない。
【0007】例えば、±10V、12ビットのA/D変
換回路(約10Vで“7FF”のヘキサ値)では、監視
電圧を5Vとすると、“3FF”のヘキサ値となる。こ
の例では、MSB(11)ビット、10ビットの0への
固定故障や、10ビット以下の1への固定故障は検出で
きない。16ビットの高分解能のA/D変換器を使用し
たシステムにおいても同様である。
【0008】このような故障があると、実際の系統事故
により過大入力が入った時に上位ビットが正しくA/D
変換されないため、ディジタルリレーが誤不動作となる
可能性がある。
【0009】(2) 高調波重畳監視の高調波次数の変更 ディジタルリレーの適用される系統が多様化するにつれ
て、従来の高調波重畳方式の監視における重畳高調波次
数が第3高調波が良いのか第4高調波が良いのかを選択
するニーズが発生してきた。また、将来予見されるディ
ジタルフィルタ処理の高度な波形弁別性能から、ソフト
処理で任意に重畳可能な波形発生回路の必要性が望まれ
た。
【0010】(3) アナログ部のA/D精度監視(その
2) 前記(1)項で述べたように、高精度化ニーズに対し、
複数チャンネルのフィルタ入力部からの精度を監視する
方法は存在しない。従来の方法は、常時監視の高調波重
畳監視であっても、ダイナミックレンジ全域に入力が印
加されるものではない。例えば、常時の印加では、1/
10程度(±10Vのフルスケールでは1V)といった
具合である。また、自動点検などで外部でCTを切り替
えて事故相当の入力を印加する方法や、定期点検時に人
為的に電圧、電流を印加して保護に必要な入力レベルと
する方法である。
【0011】いずれもダイナミックレンジ全域を確認し
ているわけではない。従って、各チャンネルのフィル
タ、サンプルホールドなどの回路で起こり得るゲイン、
オフセット特性の変化、故障によっては、各チャンネル
の直線性がずれてしまい、リレー特性の劣化となる可能
性がある。
【0012】(4) アナログ部の誤差調整方式 前記(1)項で述べたように、高精度化ニーズに対し、
アナログ部であるフィルタ、サンプルホールド回路、A
/D変換器にはオフセット誤差、ゲイン誤差が存在し、
これらを無視することはできない。12ビット精度の場
合は、アナログ入力部のゲイン、オフセット調整は可変
抵抗を用いた回路になっており、プリント板検査時に調
整を行っていた。このため、工数が多くかかり、調整精
度は検査員の技量によるところとなっていた。
【0013】16ビットとなると、調整工程の煩雑さだ
けでなく、高精度化のためにこれらの個々の部品性能を
上げることは、価格面、部品供給面においてデメリット
となるので、標準的な部品を使用して、ディジタルフィ
ルタ処理でこのオフセット誤差、ゲイン誤差を自動的に
補正しようとする方式が有効である。この場合、補正定
数を得るために、調整工程で一度だけ既知の入力を全チ
ャンネルに入力し補正定数を得るような自動調整工程が
必要となる。
【0014】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、常時監視のA/D精度監視で、ダイナミックレンジ
の全域に亘りA/D変換器の直線性を保証する監視方式
を提供することを目的とする。
【0015】本発明は、自動点検で、ダイナミックレン
ジの全域に亘りA/D変換器の直線性を保証する監視方
式を提供することを目的とする。
【0016】本発明は、将来予見される各種の次数の高
調波波形の入力が可能な監視方式を提供することを目的
とする。
【0017】また本発明は、補正定数を得るための調整
工程における既知の入力を容易に印加することが可能な
アナログ部の自動調整方式を提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、系統入力をア
ナログフィルタを介してA/D変換器に入力し、A/D
変換値を用いて所要のリレー演算を行うディジタルリレ
ーにおいて、コンピュータ処理で任意の波形または電圧
値の監視用信号を生成するD/A変換器を設け、このD
/A変換器の出力電圧をマルチプレクサなどを介してA
/D変換器に入力し、所定範囲で増減させてA/D変換
精度をA/D変換器のダイナミックレンジ全域に亘って
監視するようにしたことを特徴とする。
【0019】本発明は、系統入力をアナログフィルタを
介してA/D変換器に入力し、A/D変換値を用いて所
要のリレー演算を行うディジタルリレーにおいて、コン
ピュータ処理で任意の波形または電圧値の監視用信号を
生成するD/A変換器と、系統入力と監視入力を切り替
える入力選択回路とを設け、D/A変換器の出力電圧を
所定範囲で増減させてA/D変換精度をA/D変換器の
ダイナミックレンジ全域に亘って監視するようにしたこ
とを特徴とする。
【0020】本発明は、系統入力をアナログフィルタを
介してA/D変換器に入力し、A/D変換値を用いて所
要のリレー演算を行うディジタルリレーにおいて、コン
ピュータ処理で任意の波形または電圧値の監視用信号を
生成するD/A変換器を設け、このD/A変換器の出力
電圧をアナログフィルタの前段で系統入力にサンプリン
グ周期に同期して重畳し、常時監視をするようにしたこ
とを特徴とする。
【0021】また本発明は、系統入力をアナログフィル
タを介してA/D変換器に入力し、A/D変換値を用い
て所要のリレー演算を行うディジタルリレーにおいて、
ディジタルフィルタ処理でソフト演算によりオフセット
・ゲインの誤差補正を行う際、補正定数を求めるために
全チャンネルにD/A変換器から既知の入力をコンピュ
ータ処理部の指令によって供給するようにしたことを特
徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に本発明の実施形態1を示
す。図中、1はアナログフィルタ、2はサンプルホール
ド回路、3はマルチプレクサ、5はA/D変換器、6は
コンピュータ処理部、7はコンピュータ処理で任意の波
形または電圧値の信号を生成するD/A変換器であり、
D/A変換器7の出力を精度監視信号として前記マルチ
プレクサ3の1入力としている。D/A変換器7は、監
視対象となるA/D変換器5の精度との関係から決定さ
れる。16ビット精度のA/D変換器を精度良く監視し
ようとするならば16ビットD/A変換器を使用すれば
良いが、簡易的に12ビットD/A変換器を使用しても
4/216=0.5%の精度となり、精度管理的には十
分である。
【0023】このようにマルチプレクサ3の1チャンネ
ルを監視用チャンネルとし、D/A変換器7の出力端を
接続すると、(N+1)チャンネル毎にコンピュータで
設定した直流の電圧値が入力される。これによって、A
/D変換器5のダイナミックレンジ(例えば、−10V
から10V)の全ての任意の電圧レベルで精度の監視が
可能となる(図2参照)。
【0024】また、サンプリングタイミング毎に−10
Vから10Vにかけてn等分に分割した電圧レベルV1
からVn(V1=10VからVn=−10V:+、−のフ
ルスケール値)とすれば、図3に示すようにn等分の精
度でA/D変換器5の直線性を評価可能となる。
【0025】例えば、16ビットA/D変換器の直線性
をビット重み単位の16段階で評価するとすれば、1L
SB=10/32767=0.3mVだから、16ビッ
トD/A変換器を使用し、図4に示す電圧レベルを発生
させて監視すれば、A/D変換器5のビット重みがセッ
トされているか否かで直線性を評価できる。
【0026】なお、負極性についても同様に実施するこ
とが可能である。また、D/A変換器を12ビットで使
用しても、ビット4からMSBにかけて実用的なダイナ
ミックレンジ全域の監視が可能である。
【0027】12ビットの直線性をチェックする場合の
フロー例を図5に示す。まず、監視用データをセットし
(ステップS1)、直線性チェックの要否を判断する
(S2)。チェック要(Yes)の時は直線性監視のル
ーチンを実行し(S3)、全bitの終了を確認する
(S4)。Noの時はbitn更新を行う(S5)。直
線性監視時には、bitnがonか否かを判断する(S
6)。Yesであればbitnのonは正常であり(S
7)、Noであればbitnのoff故障である(S
8)。on正常の場合は、bitn-1がoffか否かを
判断する(S9)。Yesであればbitn-1のoff
は正常であり(S10)、Noであればbitn-1のo
n故障である(S11)。
【0028】即ち、前述の電圧範囲にD/A変換器7の
出力をセットすれば、マルチプレクサ3の監視チャンネ
ルから入力したA/D変換値は特定のbitnがonと
なり、その下位ビットのbitn-1はoffとなるべき
であるから、bitnのoff故障、bitn-1のon故
障の有無を全ビットについてチェックして直線性を評価
するようにしている。
【0029】上記例ではA/D変換器のビット単位のチ
ェックを示しているが、−10Vから+10Vの間をm
等分してy=ax+bの1次関数(直線性の真値a=
1,b=0)との相関関係(a,bの許容値)から直線
性の良否を判定してもよい。実際の処理方法としては、
図6に示すように入力基本周波数の周期のn倍(例え
ば、12倍、96倍)のサンプリング周期tに同期し
て、監視チャンネルの監視用電圧を順次更新するように
D/A変換器のデータを用意し、サンプリング周期毎に
監視チャンネルのA/D変換データをチェックする。
【0030】このような監視方式を採用することによ
り、A/D変換器のビット単位の故障を検出することが
可能となり、A/D変換器の直線性を保証できるように
なる。
【0031】図7に本発明の実施形態2を示す。実施形
態2は、高調波重畳監視時に高調波次数を変更する場合
である。図中、1´は入力部に系統入力と監視信号を合
成するアナログ回路を有するアナログフィルタ、2はサ
ンプルホールド回路、3はマルチプレクサ、5はA/D
変換器、6はコンピュータ処理部、7はコンピュータ処
理で任意の波形または電圧値の信号を生成するD/A変
換器であり、D/A変換器7の出力を精度監視信号Dn
として前記アナログフィルタ1´に系統入力Inと共に
入力している。従って、マルチプレクサ3は全チャンネ
ルが計測用となる。また、コンピュータ処理部6には、
系統入力に重畳する高調波の監視用信号の波形パターン
の瞬時値をアナログ部のサンプリング周期に同期して自
動的にD/A変換器7にセットできるようなDMA(D
irect Memory Access)方式のRA
M(例えば、CPU側から書き込み可能であり、D/A
変換器側から読み出し可能な2ポートメモリなど)を装
備させている。
【0032】このようにD/A変換器7から任意の波形
の信号Dnをフィルタ1´の前段に供給して交流入力I
nに重畳すれば、ソフトウェアによって重畳高調波次数
の変更が容易であり、あらゆる次数の高調波監視が可能
となる。つまり、アナログフィルタ1´とコンピュータ
処理部6のディジタルフィルタ処理により既知の波形デ
ータをキャンセルし、各チャンネルの透過性を保証可能
とする。
【0033】例えば、アナログフィルタ1´がローパス
フィルタである場合、基本波成分以下の周波数は減衰せ
ずに通過するので、基本波の1/2や1/nの周波数成
分をD/A変換器7で生成し、それを重畳させれば、A
/D変換器5にはその成分が加算された状態で入力され
る。この場合、印加データとローパスフィルタの位相遅
れが既知であるから、コンピュータ処理部6において基
本波の1/nの周波数の周期で既知の値を減算すれば、
系統入力のみとなる。つまり、入力にD/A変換器7の
出力(低次周波数)を重畳させ(An=In+Dn)、
コンピュータ処理部6でそれをキャンセルする(In´
=An´−Dn´)。但し、In´,An´,Dn´は
In,An,Dnのフィルタの位相遅れを考慮した瞬時
値である。図8に各電圧の関係を示す。図中、Anはn
時点のフィルタ後の瞬時値、Inはn時点の系統入力
値、Dnはn時点のD/A変換器7の出力(基本波以下
の周波数成分)の瞬時値である。
【0034】このような基本波より低周波数の信号を重
畳する方式では、系統に発生する高調波の影響を受けず
に処理が可能となる。
【0035】図9に本発明の実施形態3を示す。実施形
態3は、アナログ部のA/D変換精度監視を点検時に入
力切り替えによって行う場合である。図中、1はアナロ
グフィルタ、2はサンプルホールド回路、3はマルチプ
レクサ、5はA/D変換器、6はコンピュータ処理部、
7はコンピュータ処理で任意の波形または電圧値の信号
を生成するD/A変換器、8は前記アナログフィルタ1
の入力側に設けた入力選択回路であり、系統入力とD/
A変換器7の出力(精度監視信号)を入力選択回路8の
入力とし、コンピュータ処理部6からの入力選択信号に
より点検時にD/A変換器7側に切り替えるようにして
いる。入力選択回路8は、電子スイッチなどにより構成
する。
【0036】点検時にコンピュータ処理部6から入力選
択回路8に入力選択信号を与えて監視入力側(D/A変
換器7側)に切り替える。監視入力は予め直線性を監視
できる電圧にセットしておき、コンピュータ処理部6で
直線性確認のための電圧レベルを順次変更する。例え
ば、−10Vから+10Vまでを全チャンネル分チェッ
クする。このコンピュータ処理部6の監視例を図10に
フローで示す。
【0037】まず、点検の要否を判断し(S21)、Y
esであれば監視入力選択(S22)、Noであれば入
力選択(S23)とする。監視入力選択の処理の後、直
線性監視を実行する(S24)。直線性監視時には、電
圧初期値セット(S25)を行ってから、電圧チェック
(S26)を開始する。チェック後に全電圧終了か否か
を判断し(S27)、Noであれば電圧変更(S28)
を行って電圧チェック(S26)を実施する。電圧チェ
ック時には、該当チャンネルチェックを行い(S2
9)、全チャンネル終了か否かを判断する(S30)。
Noであれば次チャンネルに変更し(S31)、チャン
ネルチェック(S29)を実施する。
【0038】なお、電圧チェックは、前述の実施形態1
のように行ってもよい。
【0039】次に、アナログ部の誤差調整方式を実施形
態4として説明する。この説明にも実施形態3の回路構
成(図9のブロック図)を用いる。誤差調整時には、コ
ンピュータ処理部6からの入力選択信号で入力選択回路
8の入力切り替えを行い、ゲイン・オフセット誤差補正
用の定数を求めるために既知の入力を印加する。自動調
整時にはD/A変換器7の出力に全チャンネルの入力を
切り替えて、全チャンネルに共通の入力を印加する。例
えば、全チャンネルに0Vを入力して全チャンネルのオ
フセット誤差補正値を求める。また、全チャンネルにフ
ルスケール近傍の値を入力してゲイン誤差補正値を求め
る。
【0040】このように、コンピュータ処理部6で自動
的に入力をD/A変換器出力に切り替え、オフセット、
ゲイン誤差を補正する値をソフト演算で求めるようにし
ており、そのフローを図11に示す。
【0041】まず、自動調整か否か判断し(S41)、
Yesであれば自動調整(S42)、Noであれば入力
切り替え(S43)とする。自動調整時には、入力をD
/A変換器出力に切り替え(S44)、オフセットチェ
ック(S45)、ゲインチェック(S46)を順次実施
する。オフセットチェック時は、電圧0Vセット(S4
7)、該当チャンネルオフセット補正値算出(S48)
の順に処理し、全チャンネル終了か否かを判断する(S
49)。未終了(No)であれば次チャンネル変更を行
い(S50)、補正値算出(S48)を再度実施する。
ゲインチェック時は、電圧+10Vセット(S51)、
該当チャンネルゲイン補正値算出(S52)の順に処理
し、全チャンネル終了か否かを判断する(S53)。未
終了(No)であれば次チャンネル変更を行い(S5
4)、補正値算出(S52)を再度実施する。
【0042】ところで、A/D変換値yと入力xの関係
は y=f(x) となる。fは入力値をA/D変換した直線性関数であ
り、ゲイン1、オフセット0の関数、つまり y=ax+b (a=1,b=0) となるものである。
【0043】今、オフセットチェックで得られた0V入
力の瞬時値y´は、オフセットbとなる。即ち、x´=
0の時、y´=bとなる。
【0044】また、ゲインチェックで得られた10V
(但し、オーバーフローしない任意の電圧でよい)のゲ
イン(傾き)aは、x´=10Vの時、y´=a(10
V)+bから a=(y´−b)/(10V) となる。
【0045】以上から、補正定数b,aをもって、常時
の入力瞬時値xに対し、ゲイン・オフセット補正後の真
値=(入力瞬時値x−オフセット値b)/傾きaを処理
すると、誤差調整が行われる(図3参照)。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、 (1) アナログ部のA/D変換精度監視(その1) a.所定の電圧範囲にD/A変換器の出力をセットした
時、マルチプレクサの監視チャンネルから入力したA/
D変換値は特定のbitnがonとなり、その下位ビッ
トのbitn-1はoffとなることから、A/D変換器
のビット誤り(off故障、on故障)を検出可能であ
る、 b.全ビットのチェックによりA/D変換器の直線性を
評価可能である、 (2) 高調波重畳監視の高調波次数の変更 a.コンピュータ処理で任意波形または電圧値の信号を
生成するD/A変換器を搭載したので、将来予見される
各種の次数の高調波波形の監視信号を入力可能である、 b.系統に発生する高調波の影響を受けない低周波数の
監視が可能である、 c.重畳波形弁別機能に有用な任意の波形の監視信号を
発生できる、 (3) アナログ部のA/D変換精度監視(その2) a.自動点検で、チャンネル毎にダイナミックレンジの
全領域に亘るアナログ入力の直線性を保証する監視が可
能である、 (4) アナログ部の誤差調整方式 a.誤差をソフト補正するための基準量に、コンピュー
タ処理部で設定した既知のD/A変換器出力を用い、こ
れを全チャンネルに共通に入力するため、補正定数を得
るための調整工程における既知の入力を容易に印加可能
であり、しかも補正の自動化も可能である、といった利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すブロック図。
【図2】実施形態1におけるD/A変換器出力によるA
/D変換精度監視状況を示す説明図。
【図3】実施形態1におけるA/D変換器の直線性評価
を説明するためのグラフ。
【図4】実施形態1におけるビット重みに対応する電圧
レベルでの直線性評価を示す説明図。
【図5】実施形態1において12ビットの直線性をチェ
ックする場合のフロー図。
【図6】実施形態1における監視チャンネルの入力レベ
ルの変更例を示す波形図。
【図7】本発明の実施形態2を示すブロック図。
【図8】実施形態2の系統入力、監視入力及びその合成
波の関係を示す波形図。
【図9】本発明の実施形態3(実施形態4)を示すブロ
ック図。
【図10】実施形態3におけるコンピュータ処理部の監
視例を示すフロー図。
【図11】実施形態4における誤差補正動作のフロー
図。
【図12】ディジタルリレーのアナログ部監視方式の従
来例を示すブロック図。
【符号の説明】
1,1´…アナログフィルタ 2…サンプルホールド回路 3…マルチプレクサ 5…A/D変換器 6…コンピュータ処理部 7…D/A変換器 8…入力選択回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 系統入力をアナログフィルタを介してA
    /D変換器に入力し、A/D変換値を用いて所要のリレ
    ー演算を行うディジタルリレーにおいて、コンピュータ
    処理で任意の波形または電圧値の監視用信号を生成する
    D/A変換器を設け、このD/A変換器の出力電圧をマ
    ルチプレクサなどを介してA/D変換器に入力し、所定
    範囲で増減させてA/D変換精度をA/D変換器のダイ
    ナミックレンジ全域に亘って監視するようにしたことを
    特徴とするディジタルリレーのアナログ監視方式。
  2. 【請求項2】 系統入力をアナログフィルタを介してA
    /D変換器に入力し、A/D変換値を用いて所要のリレ
    ー演算を行うディジタルリレーにおいて、コンピュータ
    処理で任意の波形または電圧値の監視用信号を生成する
    D/A変換器と、系統入力と監視入力を切り替える入力
    選択回路とを設け、D/A変換器の出力電圧を所定範囲
    で増減させてA/D変換精度をA/D変換器のダイナミ
    ックレンジ全域に亘って監視するようにしたことを特徴
    とするディジタルリレーのアナログ監視方式。
  3. 【請求項3】 系統入力をアナログフィルタを介してA
    /D変換器に入力し、A/D変換値を用いて所要のリレ
    ー演算を行うディジタルリレーにおいて、コンピュータ
    処理で任意の波形または電圧値の監視用信号を生成する
    D/A変換器を設け、このD/A変換器の出力電圧をア
    ナログフィルタの前段で系統入力にサンプリング周期に
    同期して重畳するようにしたことを特徴とするディジタ
    ルリレーのアナログ監視方式。
  4. 【請求項4】 系統入力をアナログフィルタを介してA
    /D変換器に入力し、A/D変換値を用いて所要のリレ
    ー演算を行うディジタルリレーにおいて、ディジタルフ
    ィルタ処理でソフト演算によりオフセット・ゲインの誤
    差補正を行う際、補正定数を求めるために全チャンネル
    にD/A変換器から既知の入力をコンピュータ処理部の
    指令によって供給するようにしたことを特徴とするディ
    ジタルリレーの自動調整方式。
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