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JP2017058036A - 乾燥システム - Google Patents

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Abstract

【課題】含水固形物を効率よく乾燥させる。【解決手段】乾燥システム100は、含水固形物(褐炭)を収容する収容部(第1収容部112)と、収容部において含水固形物が加熱されることで気化した第1水蒸気と、外部で生じた、第1水蒸気より高温の第2水蒸気とを混合して混合水蒸気を生成する混合水蒸気生成部250と、混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気を収容部の底面から供給し、収容部内において含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部(第1流動化ガス供給部114)と、収容部内に配され、混合水蒸気が流通するとともに、流通過程において、混合水蒸気が有する熱で含水固形物を加熱する伝熱部(第1伝熱部116)と、収容部内の流動層の温度を測定する温度センサ118と、測定された流動層の温度に応じて、混合水蒸気生成部が混合する第2水蒸気の流量を制御する流量制御部310とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、含水固体燃料等の含水固形物を乾燥させる乾燥システムに関する。
石炭は、可採年数が150年程度と、石油の可採年数の3倍以上であり、また、石油と比較して埋蔵地が偏在していないため、長期に亘り安定供給が可能な天然資源として期待されている。石炭は、炭素含有量の低い順に、泥炭、亜炭、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭、半無煙炭、無煙炭に分類され、泥炭、亜炭、褐炭、亜瀝青炭(以下、含水固体燃料と称する)は、瀝青炭、半無煙炭、無煙炭(以下、無煙炭等と称する)と比較して水の含有率(含水率)が高い。
含水固体燃料のうち、褐炭は、世界の石炭埋蔵量の半分を占めると言われているため、褐炭の有効利用が検討されている。しかし、上述したように、褐炭等の含水固体燃料は、無煙炭等と比較して含水率が高いため、単位重量あたりの発熱量が低く、輸送コストに対する燃料としてのエネルギー効率が低い。
そこで、含水固体燃料の流動層が形成される流動層室内に伝熱管を配しておき、含水固体燃料を加熱することで生じた水蒸気を圧縮機で圧縮し高温高圧の水蒸気として伝熱管に流通させることで、含水固体燃料に水蒸気の熱を伝達して含水固体燃料を乾燥させる技術が開発されている(例えば、特許文献1)。なお、この技術では、圧縮機が生成した高温高圧の水蒸気は、流動層室内にも供給され、含水固体燃料を流動層化する流動化ガスとしても機能する。
国際公開第2012/141217号
上記特許文献1の技術では、含水固体燃料から生じた水蒸気のみが、伝熱管および流動層室に供給されている。このため、流動層室への含水固体燃料の供給量が変動したり、流動層室へ供給される含水固体燃料の含水率が変動したりした場合に、伝熱管に供給する水蒸気と、流動層室に供給する水蒸気とのバランスが崩れ、乾燥が長期化してしまったり、流動層が形成されなくなるといった不具合が生じるおそれがある。
ここで、乾燥時間の長期化を回避するために、圧縮機の回転数を増加させて、伝熱管に供給される水蒸気の温度を上昇させることも考えられるが、圧縮機のランニングコスト(消費エネルギー)がかかるという問題がある。
したがって、含水固体燃料の供給量や含水固体燃料の含水率が変動した場合であっても、消費エネルギーを低減して、含水固体燃料を効率よく乾燥できる技術の開発が希求されている。
そこで本発明は、このような課題に鑑み、含水固体燃料等の含水固形物の供給量や含水固形物の含水率が変動した場合であっても、含水固形物を効率よく乾燥させることが可能な乾燥システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の乾燥システムは、含水固形物を収容する収容部と、収容部において含水固形物が加熱されることで気化した水蒸気である第1水蒸気と、外部で生じた、第1水蒸気より高温の水蒸気である第2水蒸気とを混合して混合水蒸気を生成する混合水蒸気生成部と、混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気を収容部の底面から供給し、収容部内において含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部と、収容部内に配され、混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気が流通するとともに、流通過程において、混合水蒸気が有する熱で含水固形物を加熱する伝熱部と、収容部内の流動層の温度を測定する温度センサと、測定された流動層の温度に応じて、混合水蒸気生成部が混合する第2水蒸気の流量を制御する流量制御部と、を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の乾燥システムは、含水固形物を収容する収容部と、収容部において含水固形物が加熱されることで気化した水蒸気である第1水蒸気と、外部で生じた、第1水蒸気より高温の水蒸気である第2水蒸気とを混合して混合水蒸気を生成する混合水蒸気生成部と、混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気を収容部の底面から供給し、収容部内において含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部と、収容部内に配され、混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気が流通するとともに、流通過程において、混合水蒸気が有する熱で含水固形物を加熱する伝熱部と、混合水蒸気生成部が生成した混合水蒸気の流量を測定する流量センサと、測定された混合水蒸気の流量に応じて、混合水蒸気生成部が混合する第2水蒸気の流量を制御する流量制御部と、を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の乾燥システムは、含水固形物を収容する収容部と、収容部において含水固形物が加熱されることで気化した水蒸気である第1水蒸気と、外部で生じた、第1水蒸気より高温の水蒸気である第2水蒸気とを熱交換して、第1水蒸気を加熱する熱交換部と、熱交換部によって加熱された第1水蒸気を収容部の底面から供給し、収容部内において含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部と、収容部内の流動層の温度を測定する温度センサと、測定された流動層の温度に応じて、熱交換部に供給される第2水蒸気の流量を制御する流量制御部と、を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の乾燥システムは、含水固形物を収容する収容部と、収容部において含水固形物が加熱されることで気化した水蒸気である第1水蒸気と、外部で生じた、第1水蒸気より高温の水蒸気である第2水蒸気とを熱交換して、第1水蒸気を加熱する熱交換部と、熱交換部によって加熱された第1水蒸気を収容部の底面から供給し、収容部内において含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部と、収容部内から排出される第1水蒸気の流量を測定する流量センサと、測定された第1水蒸気の流量に応じて、熱交換部に供給される第2水蒸気の流量を制御する流量制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、含水固形物は、含水固体燃料であり、乾燥された含水固体燃料を燃焼させて水を加熱し、水蒸気を生成するボイラと、ボイラによって生成された水蒸気によって発電するスチームタービンと、をさらに備え、第2水蒸気は、スチームタービンを通過した水蒸気であるとしてもよい。
本発明によれば、含水固体燃料等の含水固形物の供給量や含水固形物の含水率が変動した場合であっても、含水固形物を効率よく乾燥させることが可能となる。
自由水および結合水を説明するための図である。 第1の実施形態にかかる乾燥システムの概略図を示す図である。 第2の実施形態にかかる乾燥システムの概略図を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態:乾燥システム100)
図1は、自由水および結合水を説明するための図である。なお、図1中、褐炭に含まれている水の割合(褐炭の含水率)を横軸に示し、褐炭に接触させる水蒸気の温度(℃)を縦軸に示す。上述したように、褐炭等の含水固体燃料は、自由水と結合水とを含んでいる。図1に示すように、常圧で100℃の水蒸気を褐炭に接触させて加熱した場合、褐炭の含水率が30%程度まで低下する。このように、褐炭に含まれる水のうち、100℃程度で気化する水が自由水である。一方、100℃を上回り200℃未満の水蒸気を褐炭に接触させて加熱した場合、褐炭の含水率が3%程度まで低下する。このように、褐炭に含まれる水のうち、100℃を上回り200℃未満で気化する水が結合水である。つまり、自由水は、結合水よりも、気化に要する熱エネルギー(気化熱、蒸発熱)が小さい。そこで、本実施形態では、まず、含水固形物から自由水を気化させて除去し、続いて、自由水が除去された含水固形物から結合水を気化させて除去する。ここで熱エネルギーは、含水固形物に含まれる水を気化させるために必要なエネルギー(kJ/mol)である。
図2は、第1の実施形態にかかる乾燥システム100の概略図を示す図である。なお、図2中、褐炭の流れを一点鎖線の矢印で、水蒸気および空気等のガスの流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で示す。本実施形態では、含水固形物として褐炭を乾燥させる場合を例に挙げて説明する。
図2に示すように、乾燥システム100は、含水固形物導入部102と、第1乾燥炉110と、発電ユニット210と、混合水蒸気生成部250と、流量制御部310と、第2乾燥炉410と、冷却部510と、気液分離ユニット610、620とを含んで構成される。
本実施形態の乾燥システム100では、含水固形物導入部102によって第1乾燥炉110に未乾燥の褐炭が導入され、第1乾燥炉110において、褐炭に含まれる自由水を気化させて除去し、第2乾燥炉410において、自由水が除去された褐炭に含まれる結合水を気化させて除去し、第2乾燥炉410において乾燥された褐炭を冷却部510で冷却する。
以下、第1乾燥炉110、発電ユニット210、混合水蒸気生成部250、流量制御部310、第2乾燥炉410、冷却部510、気液分離ユニット610、620の具体的な構成について説明する。
(第1乾燥炉110)
第1乾燥炉110は、第1収容部112(収容部)と、第1流動化ガス供給部114(流動化ガス供給部)と、第1伝熱部116(伝熱部)と、温度センサ118と、流量センサ120とを含んで構成される。
第1収容部112は、含水固形物導入部102によって導入された褐炭を収容する。第1流動化ガス供給部114は、風箱114aと、風箱114aに第1流動化ガスを送り込むブロワ114bとを含んで構成される。風箱114aは、第1収容部112の下方に設けられ、乾燥システム100を運転する際には、風箱114aを通じて第1収容部112の底面から当該第1収容部112内に第1流動化ガスが供給されることとなる。
具体的に説明すると、風箱114aの上部は、第1収容部112の底面としても機能し、通気可能である分散板114cで形成されている。分散板114cは、例えば、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が複数設けられた板や、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が設けられたノズルを設置した板で構成される。
ブロワ114bは、第1流動化ガスを風箱114aに送り込む。本実施形態においてブロワ114bは、後述する混合水蒸気生成部250が生成した混合水蒸気を第1流動化ガスとして風箱114aに送り込む。詳しくは後述するが、ここで、混合水蒸気は、第1収容部112において褐炭が加熱されて自由水が気化したことで生じる水蒸気である第1水蒸気(例えば、103℃。以下、「自由水由来の水蒸気」と称する。)、および、後述する発電ユニット210で生じた水蒸気である第2水蒸気(例えば、200℃、9atm)の混合物である。
こうして、第1流動化ガス供給部114によって第1収容部112に供給された混合水蒸気(第1流動化ガス)は、第1収容部112内で褐炭を流動させて、流動層を形成するとともに、混合水蒸気(第1流動化ガス)を褐炭と接触させることで褐炭に含まれる自由水の一部を気化させる。なお、第1収容部112に供給される混合水蒸気は、後述する流量制御部310によって、褐炭の流動層を効率よく形成するとともに、自由水を効率よく蒸発させる温度(例えば、120℃、2atm)および流量に調整される。
第1伝熱部116は、例えば、熱媒体が流通する配管で構成され、第1収容部112内に配される。第1伝熱部116は、熱媒体の流通過程において、熱媒体が有する熱で褐炭を加熱する。本実施形態において、第1伝熱部116には、熱媒体として、ブロワ116aによって、混合水蒸気生成部250が生成した混合水蒸気が供給される。なお、第1伝熱部116に供給される混合水蒸気(熱媒体)は、流量制御部310によって褐炭の自由水を効率よく蒸発させる温度(例えば、120℃、2atm)および流量に調整される。
第1伝熱部116を備える構成により、第1収容部112内において、熱媒体と、第1流動化ガスとの間で熱交換が行われ、上方に移動する第1流動化ガスをさらに加熱することができる。したがって、第1流動化ガスによる褐炭の乾燥(自由水の気化)がより促進されることとなる。
また、第1伝熱部116(第1伝熱部116を構成する管の外面)において、熱媒体と第1流動化ガスとで熱交換がなされると、熱媒体の一部が第1伝熱部116内で凝縮することとなる。そこで、気液分離ユニット610を設けておき、気液分離ユニット610によって、第1伝熱部116から送出された熱媒体を気液分離する。こうして、分離された、凝縮した熱媒体(液体の水)は、外部に送出されることとなる。
このように、第1乾燥炉110では、第1収容部112に未乾燥の褐炭が導入され、第1流動化ガス供給部114および第1伝熱部116によって褐炭が加熱され、褐炭から自由水が気化されて除去される。一方、褐炭の流れについて説明すると、第1収容部112に未乾燥の褐炭が導入されると、導入された褐炭の体積分、流動層の体積が増加する。そうすると、自由水が除去された褐炭(流動層)が第1収容部112の出口からオーバーフローして、第1収容部112と第2乾燥炉410の第2収容部412とを連通する配管を通じて第2収容部412に導入されることとなる。また、第1乾燥炉110において気化された自由水(103℃程度の水蒸気(第1水蒸気))は、ブロワ114bによって風箱114aに再度送り込まれたり、ブロワ116aによって第1伝熱部116に供給されたりすることとなる。
温度センサ118は、第1収容部112内の流動層(褐炭の流動層)の温度を測定する。流量センサ120は、混合水蒸気生成部250が生成した混合水蒸気の流量を測定する。
(発電ユニット210)
発電ユニット210は、ボイラ212と、スチームタービン214と、発電機216とを含んで構成され、ボイラ212によって生成された水蒸気でスチームタービン214を回転させることによって得られる回転エネルギーを電力に変換する。具体的に説明すると、ボイラ212は、燃料を燃焼させて水を加熱し、水蒸気を生成する。なお、本実施形態において、ボイラ212は、第1乾燥炉110、第2乾燥炉410で乾燥され、冷却部510で冷却された褐炭を燃料として燃焼させる。
スチームタービン214は、ボイラ212によって生成された水蒸気によって回転され、当該回転によって得られる回転エネルギーを、回転軸を通じて発電機216に伝達し、発電機216は、スチームタービン214から伝達された回転エネルギーを電力に変換する。
そして、スチームタービン214を通過した水蒸気である第2水蒸気(例えば、200℃、9atm)は、主流路220を通じて、混合水蒸気生成部250および第2伝熱部416に供給される。
(混合水蒸気生成部250)
混合水蒸気生成部250は、スチームタービン214に接続された主流路220から分岐された第1流路252と、第1収容部112から排出された水蒸気を第1流路252に送出する排出流路254とを含んで構成され、スチームタービン214を通過した水蒸気である第2水蒸気、および、自由水由来の水蒸気(第1水蒸気)を混合して混合水蒸気を生成する。
こうして生成された混合水蒸気は、第1流路252から分岐され風箱114aに接続された流動化ガス流路260を通じて風箱114a(第1収容部112)に供給されたり、第1流路252から分岐され第1伝熱部116に接続された熱媒体流路262を通じて第1伝熱部116に供給されたりする。なお、ブロワ114bは、流動化ガス流路260に設けられ、ブロワ116aは熱媒体流路262に設けられる。
また、主流路220から分岐され第2伝熱部416に接続された第2流路270が設けられている。なお、主流路220には、第1バルブ220aが、第1流路252には、第2バルブ252aが、第2流路270には、第3バルブ270aが設けられている。
(流量制御部310)
流量制御部310は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して、第1バルブ220a、第2バルブ252a、第3バルブ270aを制御する。
流量制御部310は、流動層の温度および混合水蒸気の流量に対する2つの目標値に対し、温度センサ118が測定した流動層の温度、および、流量センサ120が測定した混合水蒸気の流量をフィードバックして、所定の伝達関数を通じて、混合水蒸気生成部250が混合する第2水蒸気の流量を導出する。ここでは、流動層の温度および混合水蒸気の流量に相関はあるものの、制御量が1つ(第2水蒸気の流量)であるため、流動層の温度および混合水蒸気の流量に対する2つの目標値をいずれも達成するのは難しく、流動層が正常に形成される所定の流動化ガス(混合水蒸気)の流量の範囲内で適切な値に制御されることとなる。
そして、導出した流量の第2水蒸気が、排出流路254から送出される自由水由来の水蒸気(第1水蒸気)に混合されるように、第1バルブ220aおよび第2バルブ252aの開度を調整する。なお、本実施形態では、混合水蒸気生成部250で生成された混合水蒸気が、第1収容部112に供給される量と、第1伝熱部116に供給される量との比が固定化されている。したがって、伝達関数は、第1収容部112に供給される混合水蒸気によって褐炭の流動層が安定化し、かつ、第1伝熱部116に供給される混合水蒸気によって効率よく褐炭の自由水を蒸発させるような、第2水蒸気の流量が導出されるように設計される。
かかる構成により、第1収容部112への褐炭の供給量が変動したり、第1収容部112に供給される褐炭の含水率が変動したりする場合であっても、第1伝熱部116に供給する水蒸気と、第1収容部112に供給する水蒸気とのバランスを保ち、褐炭の流動層を維持したまま、効率よく褐炭を乾燥させることができる。具体的に説明すると、第1収容部112への褐炭の供給量が定格より増加した場合や、想定より高い含水率の褐炭が第1収容部112へ供給された場合、流動層の温度が低下する。そうすると、温度センサ118がこれを検知し、流量制御部310は、混合水蒸気生成部250が混合する第2水蒸気の流量を増加させる。これにより、第1伝熱部116に供給される第2水蒸気の流量が増加されて、第1伝熱部116を流通する混合水蒸気の温度を上昇させることができる。したがって、褐炭を効率よく乾燥させることが可能となる。
また、第1収容部112への褐炭の供給量が定格より低下した場合や、想定より低い含水率の褐炭が第1収容部112へ供給された場合、褐炭から生じる(気化する)水蒸気量が低下する。そうすると、流量センサ120がこれを検知し、流量制御部310は、混合水蒸気生成部250が混合する第2水蒸気の流量を増加させる。これにより、第1収容部112に供給される第2水蒸気の流量が増加されて、褐炭の流動層の安定化を図ることができる。したがって、褐炭の流動層を維持したまま、褐炭を効率よく乾燥させることが可能となる。
また、流量制御部310は、温度センサ418が測定した流動層の温度に応じて、第1バルブ220a、第3バルブ270aの開度を調整する。かかる制御については、後に詳述する。
(第2乾燥炉410)
第2乾燥炉410は、第2収容部412と、第2流動化ガス供給部414と、第2伝熱部416と、温度センサ418とを含んで構成される。
第2収容部412は、第1乾燥炉110によって自由水が除去された褐炭を収容する。第2流動化ガス供給部414は、第1乾燥炉110を構成する第1流動化ガス供給部114と同様に、風箱414aと、風箱414aに第2流動化ガスを送り込むブロワ414bとを含んで構成される。風箱414aは、第2収容部412の下方に設けられ、乾燥システム100を運転する際には、風箱414aを通じて第2収容部412の底面から当該第2収容部412内に第2流動化ガスが供給されることとなる。
具体的に説明すると、風箱414aの上部は、第2収容部412の底面としても機能し、通気可能である分散板414cで形成されている。分散板414cは、例えば、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が複数設けられた板や、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が設けられたノズルを設置した板で構成される。
ブロワ414bは、第2流動化ガスを風箱414aに送り込む。本実施形態においてブロワ414bは、第2収容部412において褐炭が加熱されて結合水が気化したことで生じる水蒸気(例えば、115℃。以下、「結合水由来の水蒸気」と称する。)を、第2流動化ガスとして風箱414aに送り込む。
こうして、第2流動化ガス供給部414によって第2収容部412に供給された第2流動化ガスは、第2収容部412内で褐炭を流動させて、流動層を形成するとともに、第2流動化ガス(例えば、115℃の水蒸気)を褐炭と接触させることで褐炭に含まれる結合水の一部を気化させる。
第2伝熱部416は、第1乾燥炉110を構成する第1伝熱部116と同様に、例えば、熱媒体が流通する配管で構成され、第2収容部412内に配される。第2伝熱部416は、熱媒体の流通過程において、熱媒体が有する熱で褐炭を加熱する。本実施形態において、第2伝熱部416には、熱媒体として、スチームタービン214を通過した水蒸気である第2水蒸気(例えば、200℃、9atm)が供給される。
第2伝熱部416を備える構成により、第2収容部412内において、熱媒体と、第2流動化ガスとの間で熱交換が行われ、上方に移動する第2流動化ガスをさらに加熱することができる。したがって、第2流動化ガスによる褐炭の乾燥(結合水の気化)がより促進されることとなる。
温度センサ418は、第2収容部412内の流動層(褐炭の流動層)の温度を測定する。そして、流量制御部310は、温度センサ418が測定した流動層の温度が所定の範囲内となるように、第2伝熱部416に供給する第2水蒸気の流量を導出する。そして、導出した第2水蒸気の流量となるように、第1バルブ220aおよび第3バルブ270aの開度を調整する。これにより、第2収容部412への褐炭の供給量が変動したり、第2収容部412に供給される褐炭の含水率が変動したりする場合であっても、効率よく褐炭を乾燥させることができる。
また、第2伝熱部416(第2伝熱部416を構成する管の外面)において、熱媒体と第2流動化ガスとで熱交換がなされると、熱媒体の一部が第2伝熱部416内で凝縮することとなる。そこで、気液分離ユニット620を設けておき、気液分離ユニット620によって、第2伝熱部416から送出された熱媒体を気液分離する。こうして、分離された、凝縮した熱媒体(液体の水)は、発電ユニット210を構成するボイラ212に返送されることとなる。
このように、第2乾燥炉410では、第1乾燥炉110において自由水が除去された褐炭が第2収容部412に導入され、第2流動化ガス供給部414および第2伝熱部416によって褐炭が加熱され、褐炭から結合水が気化されて除去される。一方、褐炭の流れについて説明すると、第1乾燥炉110から第2収容部412に自由水が除去された褐炭が導入されると、導入された褐炭の体積分、流動層の体積が増加する。そうすると、結合水が除去された褐炭(流動層)が第2収容部412の出口からオーバーフローして、第2収容部412と冷却部510の第3収容部512とを連通する配管を通じて第3収容部512に導入されることとなる。また、第2乾燥炉410において気化された結合水(115℃程度の水蒸気)は、ブロワ414bによって、風箱414aに再度送り込まれることとなる。
(冷却部510)
冷却部510は、第3収容部512と、冷却ガス供給部514とを含んで構成される。第3収容部512は、第2乾燥炉410によって結合水が除去された褐炭を収容する。冷却ガス供給部514は、第1流動化ガス供給部114、第2流動化ガス供給部414と同様に、風箱514aと、風箱514aに冷却ガス(例えば、空気)を送り込むブロワ514bとを含んで構成される。風箱514aは、第3収容部512の下方に設けられ、乾燥システム100を運転する際には、風箱514aを通じて第3収容部512の底面から当該第3収容部512内に冷却ガスが供給されることとなる。
具体的に説明すると、風箱514aの上部は、第3収容部512の底面としても機能し、通気可能である分散板514cで形成されている。分散板514cは、例えば、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が複数設けられた板や、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が設けられたノズルを設置した板で構成される。
冷却部510を備える構成により、自由水および結合水が除去された褐炭を冷却(例えば、50℃程度まで)することができる。こうして冷却された褐炭は、後段の褐炭利用設備(例えば、発電ユニット210のボイラ212)に送出されることとなる。
以上説明したように、本実施形態にかかる乾燥システム100では、温度センサ118が測定した流動層の温度、および、流量センサ120が測定した混合水蒸気の流量に応じて、流量制御部310が、混合水蒸気生成部250が混合する第2水蒸気の流量を制御する構成により、第1収容部112への褐炭の供給量が変動したり、第1収容部112に供給される褐炭の含水率が変動したりする場合であっても、褐炭の流動層を維持するとともに、効率よく褐炭を乾燥させることが可能となる。
また、本実施形態の乾燥システム100では、第1乾燥炉110の第1収容部112および第1伝熱部116、第2乾燥炉410の第2伝熱部416に、スチームタービン214を通過した水蒸気を第2水蒸気として流通させている。近年、スチームタービン214を通過した水蒸気が有する熱エネルギーの利用手段が開発されているものの、効率的な利用手段の開発には至っていない。そこで、スチームタービン214を通過した水蒸気(第2水蒸気)が有する熱エネルギーを、褐炭の乾燥に利用することにより、第2水蒸気が有する熱エネルギーを効率よく利用しつつ、褐炭を乾燥させることが可能となる。したがって、従来と比較して、高温高圧の熱媒体を生成するための圧縮機自体のコスト、および、圧縮機の消費エネルギーを削減することが可能となる。
さらに、気液分離ユニット620を備える構成により、第2伝熱部416において熱媒体として利用した第2水蒸気をスチームタービン214に返送することができるため、第2水蒸気を有効に利用することができる。
また、本実施形態にかかる乾燥システム100では、第1乾燥炉110において自由水を除去し、第2乾燥炉410において結合水を除去する。すなわち、自由水と結合水を異なる乾燥炉で段階的に除去する。
従来の構成では、1の乾燥炉で自由水および結合水を一度に気化させるため、結合水の気化熱(熱エネルギー)を有する熱媒体を伝熱部に供給する必要がある。そうすると、結合水よりも気化熱が小さい自由水についても、過剰な熱エネルギーを有する熱媒体(結合水の気化熱を有する熱媒体)で気化させることとなり、オーバースペックな熱エネルギーを有する熱媒体を生成することとなっていた。
しかし、本実施形態にかかる乾燥システム100では、少なくとも自由水を気化させることができる気化熱を有する熱媒体(水蒸気)を第1伝熱部116に供給すればよい。したがって、従来と比較して第1伝熱部116に流通させる熱媒体を生成するための装置自体のコスト、および、ランニングコストを低減することができる。
また、本実施形態の第1流動化ガス供給部114は、自由水由来の水蒸気を第1収容部112に供給しており、第1伝熱部116は、熱媒体として自由水由来の水蒸気を流通させているため、自由水由来の水蒸気の潜熱を有効に利用(回収)することができ、エネルギー効率を向上することが可能となる。同様に、第2流動化ガス供給部414は、結合水由来の水蒸気を第2収容部412に供給しているため、結合水由来の水蒸気の顕熱を有効に利用(回収)することができる。
(第2の実施形態:乾燥システム700)
図3は、第2の実施形態にかかる乾燥システム700の概略図を示す図である。なお、図3中、褐炭の流れを一点鎖線の矢印で、水蒸気および空気等のガスの流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で示す。図3に示すように、乾燥システム700は、含水固形物導入部102と、第1乾燥炉710と、発電ユニット210と、第2乾燥炉810と、冷却部510と、気液分離ユニット610、620と、流量制御部910とを含んで構成される。なお、上記乾燥システム100の構成と実質的に等しい構成については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは、第1乾燥炉710、第2乾燥炉810、流量制御部910について詳述する。
(第1乾燥炉710)
第1乾燥炉710は、第1収容部112(収容部)と、第1流動化ガス供給部714(流動化ガス供給部)と、第1伝熱部116と、温度センサ118と、流量センサ720と、第1熱交換部730(熱交換部)とを含んで構成される。
第1流動化ガス供給部714は、風箱114aと、風箱114aに第1流動化ガスを送り込むブロワ714bとを含んで構成される。本実施形態では、第1収容部112から排出された水蒸気が導かれる排出流路716と、排出流路716から分岐され第1伝熱部116に接続される熱媒体流路716aと、排出流路716から分岐され風箱114aに接続される流動化ガス流路716bとが設けられており、ブロワ714bは流動化ガス流路716bに設けられ、ブロワ116aは、熱媒体流路716aに設けられる。また、流動化ガス流路716bにおけるブロワ714bの下流側(風箱114a側)には、後述する第1熱交換部730が設けられる。
流量センサ720は、第1収容部112から排出された第1水蒸気の流量を測定する。具体的に説明すると、本実施形態において流量センサ720は、排出流路716を流通する第1水蒸気の流量を測定する。
第1熱交換部730は、流動化ガス流路716bを流通する自由水由来の水蒸気(第1水蒸気)と、発電ユニット210のスチームタービン214を通過した水蒸気である第2水蒸気とを熱交換して、第1水蒸気を加熱する。具体的に説明すると、本実施形態において、発電ユニット210のスチームタービン214に接続された主流路220は、第2流路270と、主熱交換流路920に分岐され、主熱交換流路920は第1熱交換流路922と、第2熱交換流路924に分岐されている。そして、第1熱交換流路922が第1熱交換部730に接続され、第2水蒸気は、主流路220、主熱交換流路920、第1熱交換流路922を通って第1熱交換部730に供給されることとなる。したがって、風箱114a(第1収容部112)には、第1熱交換部730によって加熱された、自由水由来の水蒸気(第1水蒸気)が供給されることとなる。なお、熱交換された後の第2水蒸気は、気液分離ユニット620に送出される。
(第2乾燥炉810)
第2乾燥炉810は、第2収容部412(収容部)と、第2流動化ガス供給部814(流動化ガス供給部)と、第2伝熱部416と、温度センサ418と、流量センサ820と、第2熱交換部830(熱交換部)とを含んで構成される。
第2流動化ガス供給部814は、風箱414aと、風箱414aに第2流動化ガスを送り込むブロワ814bとを含んで構成される。本実施形態では、第2収容部412から排出された第1水蒸気が導かれる排出流路816と、排出流路816から分岐され風箱414aに接続される流動化ガス流路816aとが設けられており、流動化ガス流路816aにはブロワ814bが設けられる。また、流動化ガス流路816bにおけるブロワ814bの下流側(風箱414a側)には、後述する第2熱交換部830が設けられる。
流量センサ820は、第2収容部412から排出された第1水蒸気の流量を測定する。具体的に説明すると、本実施形態において流量センサ820は、排出流路816を流通する第1水蒸気の流量を測定する。
第2熱交換部830は、流動化ガス流路816bを流通する結合水由来の水蒸気(第1水蒸気)と、発電ユニット210のスチームタービン214を通過した水蒸気である第2水蒸気とを熱交換して、第1水蒸気を加熱する。具体的に説明すると、第2熱交換部830には、第2熱交換流路924が接続されており、第2水蒸気は、主流路220、主熱交換流路920、第2熱交換流路924を通って第2熱交換部830に供給されることとなる。したがって、風箱414a(第2収容部412)には、第2熱交換部830によって加熱された、結合水由来の水蒸気(第1水蒸気)が供給されることとなる。なお、熱交換された後の第2水蒸気は、気液分離ユニット620に送出される。
(流量制御部910)
流量制御部910は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して、第1バルブ220a、第3バルブ270a、主熱交換流路920に設けられた主熱交換バルブ920a、第2熱交換流路924に設けられた副熱交換バルブ924aを制御する。
本実施形態において流量制御部910は、流動層の温度、および、排出される第1水蒸気(自由水由来の水蒸気)の流量に対する2つの目標値に対し、温度センサ118が測定した流動層の温度、および、流量センサ720が測定した第1水蒸気の流量をフィードバックして、所定の伝達関数を通じて、第1熱交換部730に供給する第2水蒸気の流量(第1熱交換部730における第1水蒸気の加熱量)を導出する。また、流量制御部910は、流動層の温度、および、排出される第1水蒸気(結合水由来の水蒸気)の流量に対する2つの目標値に対し、温度センサ418が測定した流動層の温度、および、流量センサ820が測定した第1水蒸気の流量をフィードバックして、所定の伝達関数を通じて、第2熱交換部830に供給する第2水蒸気の流量(第2熱交換部830における第1水蒸気の加熱量)を導出する。ここでは、流動層の温度、および、排出される第1水蒸気の流量に相関はあるものの、制御量が1つ(第2水蒸気の流量)であるため、流動層の温度、および、排出される第1水蒸気の流量に対する2つの目標値をいずれも達成するのは難しく、流動層が正常に形成される所定の流動化ガス(第1水蒸気)の流量の範囲内で適切な値に制御されることとなる。
そして、導出した流量の第2水蒸気が、第1熱交換部730、第2熱交換部830にそれぞれ供給されるように、第1バルブ220a、主熱交換バルブ920a、副熱交換バルブ924aの開度を調整する。
かかる構成により、第1収容部112への褐炭の供給量が変動したり、第1収容部112に供給される褐炭の含水率が変動したりする場合であっても、第1収容部112、および、第2収容部412に供給される水蒸気(流動化ガス)の温度を上昇させることができ、効率よく褐炭を乾燥させることが可能となる。
また、本実施形態の乾燥システム700では、スチームタービン214を通過した水蒸気を第2水蒸気として、第1熱交換部730および第2熱交換部830に供給している。したがって、スチームタービン214を通過した水蒸気(第2水蒸気)が有する熱エネルギーを、流動化ガスの加熱に利用することができ、第2水蒸気が有する熱エネルギーを効率よく利用しつつ、褐炭を乾燥させることが可能となる。これにより、従来と比較して、高温高圧の熱媒体を生成するための圧縮機自体のコスト、および、圧縮機の消費エネルギーを削減することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、含水固形物として褐炭を例に挙げて説明した。しかし、乾燥システム100、700は、水を含んで構成されるものであれば、泥炭、亜炭、亜瀝青炭等の含水固体燃料や、他の含水固形物を乾燥させることができる。
また、上記第1の実施形態において、乾燥システム100は、温度センサ118および流量センサ120を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、乾燥システムは、温度センサおよび流量センサのいずれか一方のみを備えるとしてもよい。例えば、乾燥システムが流量センサを備えず温度センサのみを備える場合、流量制御部は、流動層の温度に対し、温度センサが測定した流動層の温度をフィードバックして、所定の伝達関数を通じて、混合水蒸気生成部が混合する第2水蒸気の流量を導出するとよい。また、例えば、乾燥システムが温度センサを備えず流量センサのみを備える場合、流量制御部は、混合水蒸気の流量に対し、流量センサが測定した混合水蒸気の流量をフィードバックして、所定の伝達関数を通じて、混合水蒸気生成部が混合する第2水蒸気の流量を導出するとよい。
また、上記第2の実施形態において、乾燥システム700は、温度センサ118、418および流量センサ720、820を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、乾燥システムは、温度センサおよび流量センサのいずれか一方のみを備えるとしてもよい。例えば、乾燥システムが流量センサを備えず温度センサのみを備える場合、流量制御部は、流動層の温度に対し、温度センサが測定した流動層の温度をフィードバックして、所定の伝達関数を通じて、熱交換部に供給する第2水蒸気の流量を導出するとよい。また、例えば、乾燥システムが温度センサを備えず流量センサのみを備える場合、流量制御部は、第2水蒸気の流量に対し、流量センサが測定した第1水蒸気の流量をフィードバックして、所定の伝達関数を通じて、熱交換部に供給する第2水蒸気の流量を導出するとよい。
また、上記第1の実施形態において、温度センサ118は、第1収容部112内の流動層の温度を測定する構成を例に挙げて説明したが、排出流路254内等の他の箇所の温度を測定してもよい。また、上記第1の実施形態において、流量センサ120は、第1流路252を流通する混合水蒸気の流量を測定する構成を例に挙げて説明したが、流動化ガス流路260や、熱媒体流路262を流通する混合水蒸気、排出流路254を流通する水蒸気等の他の箇所の流量を測定してもよい。
また、上記第2の実施形態において、温度センサ118は、第1収容部112内の流動層の温度を測定し、温度センサ418は、第2収容部412内の流動層の温度を測定する構成を例に挙げて説明した。しかし、温度センサ118は、排出流路716内等の他の箇所の温度を測定してもよいし、温度センサ418は、排出流路816内等の他の箇所の温度を測定してもよい。また、上記第2の実施形態において、流量センサ720は、排出流路716を流通する第1水蒸気の流量を測定する構成を例に挙げて説明したが、熱媒体流路716aや、流動化ガス流路716bを流通する水蒸気等の他の箇所の流量を測定してもよい。さらに、上記第2の実施形態において、流量センサ820は、排出流路816を流通する第1水蒸気の流量を測定する構成を例に挙げて説明したが、流動化ガス流路816aを流通する水蒸気等の他の箇所の流量を測定してもよい。
また、上記第1の実施形態において、流量制御部310が温度センサ118および流量センサ120の値をフィードバックし、所定の伝達関数を通じて第2水蒸気の流量を制御する構成を例に挙げて説明した。しかし、その制御方式は、かかる場合に限らず、様々な制御方式を採用できる。例えば、ON/OFF制御を採用した場合、流動層が正常に形成される所定の流動化ガス(混合水蒸気)の流量の範囲内で、流動層の温度および混合水蒸気の流量それぞれに対し上限値および下限値を設定し、下限値以下になると、所定量の第2水蒸気を加え、上限値以上となると第2水蒸気を切ることで流動層を維持するとしてもよい。
また、上記第2の実施形態において、流量制御部910が温度センサ118および流量センサ720の値をフィードバックし、所定の伝達関数を通じて第1熱交換部730に供給する第2水蒸気の流量を制御するとともに、温度センサ418および流量センサ820の値をフィードバックし、所定の伝達関数を通じて第2熱交換部830に供給する第2水蒸気の流量を制御する構成を例に挙げて説明した。しかし、その制御方式は、かかる場合に限らず、様々な制御方式を採用できる。例えば、ON/OFF制御を採用した場合、流動層が正常に形成される所定の流動化ガス(第1水蒸気)の流量の範囲内で、流動層の温度および排出される第1水蒸気の流量それぞれに対し上限値および下限値を設定し、下限値以下になると、所定量の第2水蒸気を供給し、上限値以上となると第2水蒸気を切ることで流動層を維持するとしてもよい。
また、上記実施形態において、スチームタービン214を通過した第2水蒸気が、第1収容部112、第1伝熱部116、第2伝熱部416に供給される構成を例に挙げて説明した。しかし、第1収容部112、第1伝熱部116、第2伝熱部416に供給される第2水蒸気は、乾燥システム100、700の外部で生成されれば、供給源に限定はない。
また、第1乾燥炉110、第2乾燥炉410、冷却部510は、それぞれ1つの収容部で構成されてもよいし、複数の収容部を含んで構成されてもよい。
本発明は、含水固体燃料等の含水固形物を乾燥させる乾燥システムに利用することができる。
100 乾燥システム
112 第1収容部(収容部)
114 第1流動化ガス供給部(流動化ガス供給部)
116 第1伝熱部(伝熱部)
118 温度センサ
120 流量センサ
212 ボイラ
214 スチームタービン
310 流量制御部
412 第2収容部(収容部)
418 温度センサ
700 乾燥システム
714 第1流動化ガス供給部(流動化ガス供給部)
720 流量センサ
730 第1熱交換部(熱交換部)
814 第2流動化ガス供給部(流動化ガス供給部)
830 第2熱交換部(熱交換部)
910 流量制御部

Claims (5)

  1. 含水固形物を収容する収容部と、
    前記収容部において前記含水固形物が加熱されることで気化した水蒸気である第1水蒸気と、外部で生じた、該第1水蒸気より高温の水蒸気である第2水蒸気とを混合して混合水蒸気を生成する混合水蒸気生成部と、
    前記混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気を前記収容部の底面から供給し、該収容部内において前記含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部と、
    前記収容部内に配され、前記混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気が流通するとともに、流通過程において、該混合水蒸気が有する熱で該含水固形物を加熱する伝熱部と、
    前記収容部内の流動層の温度を測定する温度センサと、
    測定された前記流動層の温度に応じて、前記混合水蒸気生成部が混合する前記第2水蒸気の流量を制御する流量制御部と、
    を備えたことを特徴とする乾燥システム。
  2. 含水固形物を収容する収容部と、
    前記収容部において前記含水固形物が加熱されることで気化した水蒸気である第1水蒸気と、外部で生じた、該第1水蒸気より高温の水蒸気である第2水蒸気とを混合して混合水蒸気を生成する混合水蒸気生成部と、
    前記混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気を前記収容部の底面から供給し、該収容部内において前記含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部と、
    前記収容部内に配され、前記混合水蒸気生成部によって生成された混合水蒸気が流通するとともに、流通過程において、該混合水蒸気が有する熱で該含水固形物を加熱する伝熱部と、
    前記混合水蒸気生成部が生成した混合水蒸気の流量を測定する流量センサと、
    測定された前記混合水蒸気の流量に応じて、前記混合水蒸気生成部が混合する前記第2水蒸気の流量を制御する流量制御部と、
    を備えたことを特徴とする乾燥システム。
  3. 含水固形物を収容する収容部と、
    前記収容部において前記含水固形物が加熱されることで気化した水蒸気である第1水蒸気と、外部で生じた、該第1水蒸気より高温の水蒸気である第2水蒸気とを熱交換して、該第1水蒸気を加熱する熱交換部と、
    前記熱交換部によって加熱された前記第1水蒸気を前記収容部の底面から供給し、該収容部内において前記含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部と、
    前記収容部内の流動層の温度を測定する温度センサと、
    測定された前記流動層の温度に応じて、前記熱交換部に供給される前記第2水蒸気の流量を制御する流量制御部と、
    を備えたことを特徴とする乾燥システム。
  4. 含水固形物を収容する収容部と、
    前記収容部において前記含水固形物が加熱されることで気化した水蒸気である第1水蒸気と、外部で生じた、該第1水蒸気より高温の水蒸気である第2水蒸気とを熱交換して、該第1水蒸気を加熱する熱交換部と、
    前記熱交換部によって加熱された前記第1水蒸気を前記収容部の底面から供給し、該収容部内において前記含水固形物を流動させ流動層を形成する流動化ガス供給部と、
    前記収容部内から排出される前記第1水蒸気の流量を測定する流量センサと、
    測定された前記第1水蒸気の流量に応じて、前記熱交換部に供給される前記第2水蒸気の流量を制御する流量制御部と、
    を備えたことを特徴とする乾燥システム。
  5. 前記含水固形物は、含水固体燃料であり、
    乾燥された前記含水固体燃料を燃焼させて水を加熱し、水蒸気を生成するボイラと、
    前記ボイラによって生成された水蒸気によって発電するスチームタービンと、
    をさらに備え、
    前記第2水蒸気は、前記スチームタービンを通過した水蒸気であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の乾燥システム。
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