Chrome でリソースを大量に消費する広告への対策
2020年5月28日木曜日
この記事は Chrome、プロダクト マネージャー、Marshall Vale による Chromium Blog の記事 "Protecting against resource-heavy ads in Chrome" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Chrome は、高速で応答が速く、有害な経験に悩まされることのないブラウザとして開発されています。私たちは最近、Better Ads Standards に準じて、ほとんどの人が受け入れがたいと感じる広告に対処する取り組みを進めています。それに先立ち、Chrome の不正行為に対する一連の保護もリリースしています。
Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team
Chrome は、高速で応答が速く、有害な経験に悩まされることのないブラウザとして開発されています。私たちは最近、Better Ads Standards に準じて、ほとんどの人が受け入れがたいと感じる広告に対処する取り組みを進めています。それに先立ち、Chrome の不正行為に対する一連の保護もリリースしています。
私たちが最近発見したのは、わずか数パーセントの広告が、ユーザーが知らないうちに、電池やネットワーク データなどの端末のリソースを大量に消費していることです。そういった広告(暗号通貨をマイニングするもの、プログラムの書き方が悪いもの、ネットワークの利用が最適化されていないものなど)があると、電池寿命が減ったり、既に逼迫しているネットワークが飽和状態になったり、課金が発生したりすることになります。
Chrome でユーザーの電池やデータプランを守り、優れたウェブ体験を提供するため、ユーザーが広告とのインタラクションを行うまでは、ディスプレイ広告が利用できるリソースを制限する予定です。制限に達した広告のフレームにはエラーページが表示され、広告がリソースを使いすぎたことをユーザーに知らせます。次に示すのは、アンロードされた広告の例です。
アンロードのしきい値は、Chrome に表示されるさまざまな広告を測定した上で決定しました。対象にしたのは特に悪質な広告で、具体的には、検出されたすべての広告の 99.9% よりも多くの CPU やネットワーク帯域のリソースを使用しているものです。Chrome のしきい値設定は、4 MB のネットワーク データ、任意の 30 秒間における 15 秒の CPU 使用時間、または 60 秒の合計 CPU 使用時間としています。現時点でこのしきい値を超える広告は 0.3% だけですが、対象となる広告がすべての広告で使用されるネットワーク データの 27%、CPU 使用の 28% を占めています。
重い広告と重くない広告およびそれぞれの合計リソース使用量の比率
この制限は、今後数か月間にわたって試験運用を行った上で、8 月末を目処に Chrome の安定版でリリースする予定です。ロールアウトに時間をかけるのは、このしきい値に備えてワークフローに組み込むための適切な時間を広告作成者やツールのプロバイダに提供するためです。この介入による広告への影響を広告主が理解できるように、Chrome がどの広告をアンロードしたかに関するレポートを参照できるようにしました。
この変更を含め、Chrome は画面表示と内部処理の両面で、優れたブラウズ体験をユーザーに提供し続けてまいります。
Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team