[go: nahoru, domu]

この記事は Chrome、プロダクト マネージャー、Marshall Vale による Chromium Blog の記事 "Protecting against resource-heavy ads in Chrome" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


Chrome は、高速で応答が速く、有害な経験に悩まされることのないブラウザとして開発されています。私たちは最近、Better Ads Standards に準じて、ほとんどの人が受け入れがたいと感じる広告に対処する取り組みを進めています。それに先立ち、Chrome の不正行為に対する一連の保護もリリースしています。

私たちが最近発見したのは、わずか数パーセントの広告が、ユーザーが知らないうちに、電池やネットワーク データなどの端末のリソースを大量に消費していることです。そういった広告(暗号通貨をマイニングするもの、プログラムの書き方が悪いもの、ネットワークの利用が最適化されていないものなど)があると、電池寿命が減ったり、既に逼迫しているネットワークが飽和状態になったり、課金が発生したりすることになります。 

Chrome でユーザーの電池やデータプランを守り、優れたウェブ体験を提供するため、ユーザーが広告とのインタラクションを行うまでは、ディスプレイ広告が利用できるリソースを制限する予定です。制限に達した広告のフレームにはエラーページが表示され、広告がリソースを使いすぎたことをユーザーに知らせます。次に示すのは、アンロードされた広告の例です。


アンロードのしきい値は、Chrome に表示されるさまざまな広告を測定した上で決定しました。対象にしたのは特に悪質な広告で、具体的には、検出されたすべての広告の 99.9% よりも多くの CPU やネットワーク帯域のリソースを使用しているものです。Chrome のしきい値設定は、4 MB のネットワーク データ、任意の 30 秒間における 15 秒の CPU 使用時間、または 60 秒の合計 CPU 使用時間としています。現時点でこのしきい値を超える広告は 0.3% だけですが、対象となる広告がすべての広告で使用されるネットワーク データの 27%、CPU 使用の 28% を占めています。




重い広告と重くない広告およびそれぞれの合計リソース使用量の比率

この制限は、今後数か月間にわたって試験運用を行った上で、8 月末を目処に Chrome の安定版でリリースする予定です。ロールアウトに時間をかけるのは、このしきい値に備えてワークフローに組み込むための適切な時間を広告作成者やツールのプロバイダに提供するためです。この介入による広告への影響を広告主が理解できるように、Chrome がどの広告をアンロードしたかに関するレポートを参照できるようにしました。 

この変更を含め、Chrome は画面表示と内部処理の両面で、優れたブラウズ体験をユーザーに提供し続けてまいります。


Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

この記事はプロダクト マネージャー、Jason James による Chromium Blog の記事 "Videos with fewer intrusive ads" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


Chrome は、ウェブを閲覧するユーザーにできる限り最高の体験を提供することに常に注力しています。私たちには、ポップアップ ウィンドウをブロックする、ページに不正なソフトウェアが含まれている場合に警告するなど、長きにわたり悩ましく有害な体験からユーザーを守ってきたという歴史があります。ここ数年間は、Chrome ユーザーが共通して抱えている不満、すなわち悩ましく煩わしい広告に対処するための作業を続けています。2018 年には、業界基準に従わず、煩わしい広告を継続的に表示しているウェブサイトから広告を削除する作業に着手しました。また、Google は、インターネット ユーザーが特に悩ましいと感じるような広告は販売および提供しないよう、自社の広告サービスを更新しました。それ以降、北米とヨーロッパでの Chrome の広告ブロック率は大きく低下しました。

ウェブ エクスペリエンスにとって最も煩わしい広告を把握するにあたって、Better Ads Standards を使っています。これは、世界中のユーザーのフィードバックに基づき、Google などの企業にガイダンスを提供している標準です。

本日、Better Ads Standards の作成を担当するグループである Coalition for Better Ads は、世界中の 45,000 人を対象にしたユーザー調査に基づき、動画コンテンツを表示する際の一連の新しい広告標準を発表しました。

動画の再生前、再生中、再生後に表示される広告にはさまざまな種類がありますが、Coalition の調査によると、ユーザーは 8 分以内の動画コンテンツで次の 3 つの広告を特に煩わしいと感じています。
イメージの出典: Coalition for Better Ads
スキップできない 31 秒を超える長いプリロール広告または広告グループ。動画の直前に表示され、最初の 5 秒間はスキップできないもの。
イメージの出典: Coalition for Better Ads

長さを問わないミッドロール広告。動画の再生中に表示され、ユーザー体験を中断させるもの。
イメージの出典: Coalition for Better Ads

再生中の動画の上に表示されるイメージまたはテキスト広告で、動画プレイヤー ウィンドウの中央 3 分の 1、または動画コンテンツの 20% を超える部分を覆うもの。

動画コンテンツへの影響の有無

Coalition は、ウェブサイトの所有者は今後 4 か月以内に、サイトにアクセスするユーザーにこういった広告を表示するのをやめるべきだと述べています。それを受けて、Chrome も 2020 年 8 月 5 日からユーザー保護を拡大し、どの国においても、煩わしい広告を繰り返し表示しているサイトですべての広告を表示しなくなります。重要な点として、動画コンテンツを表示する他のサイトと同様、YouTube.com でもこの標準に準拠しているかどうかが確認されます。これまでの Better Ads Standards と同じく、この標準を受けて YouTube を含む広告プラットフォーム全体のプロダクト計画をアップデートするとともに、調査結果をツールとして活用して今後のプロダクト開発に役立てたいと考えています。

広告を表示するウェブサイトを運営している方は、広告に関する問題レポートでサイトのステータスを確認することを検討してください。このツールを使うと、Chrome が違反とみなす広告エクスペリエンスがあるかどうかを、サイト運営者が確認できます。今週より(元記事公開当時)、広告に関する問題レポートをアップデートし、サイト運営者が現在のサイトで新しい動画基準に関する問題を解決する際に役立つ情報を追加していきます。このプロセスに関する詳しい情報については、ヘルプセンターおよびコミュニティ フォーラムをご覧ください

Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

この記事は Chrome プロダクト シニア ディレクター、Ben Galbraith による Chromium Blog の記事 "Building a Better World Wide Web" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


Google では、ユーザー エクスペリエンスがあらゆることの中核に据えられており、プロダクトに関する意思決定や開発、方向性に影響を与えています。Chrome には、ポップアップ ウィンドウをブロックするページに不正なソフトウェアが含まれている場合に警告するなど、長きにわたり悩ましく有害な体験からユーザーを守ってきたという歴史があります。

オンライン体験を損なう特定のタイプの広告は、Chrome ユーザーに共通する不満となっていますが、そのような広告から Chrome ユーザーを守るための対策もとってきました。たとえば昨年より、北米とヨーロッパのサイトで、業界基準に違反して繰り返し表示され、ウェブサイトを訪れる人々の邪魔になっている広告のフィルタリングを始めています。さらに、Google の広告プラットフォームでは、基準に違反しており、Chrome ユーザーの悩みの種となっている広告の販売を停止しています。

Chrome で広告をフィルタリングするウェブサイトを決めるにあたっては、Better Ads Standards(優良広告基準)に従いました。この基準は、ウェブ広告エクスペリエンスの改善を目的とした業界団体 Coalition for Better Ads(優良広告連合)が世界中の 66,000 人を超えるユーザーからのフィードバックに基づいて作成したものです。ここでは、ユーザーが煩わしいと感じるため、広告主やサイト運営者、テクノロジー ベンダーが表示すべきでない 12 種類の広告が定められています。

現在の Better Ads Standards には、ユーザーを特に悩ませていることがわかった 12 種類の広告エクスペリエンスが定められている。イメージの出典: Coalition for Better Ads

本日 Coalition for Better Ads は、最初の Better Ads Standards を北米とヨーロッパ以外にも拡大し、世界のすべての国を対象とすることを発表しました。それを受けて、Chrome も 2019 年 7 月 9 日からユーザー保護を拡大し、どの国においても、煩わしい広告を繰り返し表示しているサイトですべての広告を表示しなくなります。

ウェブサイトの所有者への影響

広告を表示するウェブサイトを運営している方は、広告に関する問題レポートでサイトのステータスを確認することを検討してください。このツールを使うと、Chrome が違反とみなす広告エクスペリエンスがあるかどうかを、サイト運営者が確認できます。本日より(元記事掲載当時)、北米とヨーロッパ以外のリージョンのサイト運営者も、このツールを使えるようになりました。サイト上の煩わしい広告エクスペリエンスの有無やサイトの現在のステータス(合格 / 問題なしまたは不合格)を確認し、主な問題を解決したり、レビューに対する異議を送信できます。Google は既に世界中の数百万のサイトをレビューしていますが、今後もそのレビューを拡大してゆく予定です。


広告に関する問題レポートの概要。

米国、カナダ、ヨーロッパでの先行結果

私たちの最終目的は、広告をフィルタリングすることではなく、すべての場所であらゆる人にとって優れたウェブを構築することです。Chrome が Coalition の基準を強制することで、多くのウェブサイトの所有者は、自分のサイトでユーザーにとって快適な広告エクスペリエンスを提供するように改善を促されることになります。米国、カナダ、ヨーロッパでは、ウェブサイトの所有者は自分のサイトの広告をうまく変更してくれました。2019 年 1 月 1 日現在、かつては Better Ads Standards を満たしていなかったサイト運営者の 3 分の 2 が良好な状態になっています。さらに、これまで Google がレビューしてきた数百万のサイトで、広告がフィルタリングされたのは 1% 未満に過ぎません。

私たちは、これからも業界と連携しつつ、最高のユーザー エクスペリエンスだけで構成され、活気があり、優れたウェブ エコシステムを構築したいと考えています。ウェブは毎日の生活に不可欠な存在です。今後も最高のユーザー エクスペリエンスを提供し続けてまいります。

詳細については、こちらの Coalition のサイトをご覧ください。

投稿者: Chrome プロダクト シニア ディレクター、Ben Galbraith

Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team