この記事は Google Play アプリおよびゲーム事業開発担当ディレクター、Purnima Kochikar による Android Developers Blog の記事 "Looking forward with Google Play" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
先日、
Android 9 Pie がリリースされました。Android プラットフォームは進化を続けています。同時に、アプリを効率的に配布し、ユーザーに皆さんの作品を見つけて使ってもらい、エコシステムの全般的なセキュリティを改善するための新たな方法も私たちは探り続けています。Google Play は今年、とても忙しい 1 年を送っています。
以下のように、皆さんとユーザーをつなげるための大きな変更があったためです。
- ダウンロード サイズの縮小: Android アプリバンドルとダイナミック配信によってアプリのサイズが最大 65% 小さくなり、ダウンロード数が増加して、アンインストール数が少なくなっています。
- 品質向上のサポート: Play Console の新しいツールで、クラッシュ率が最大 70% 減少しています。
- 見つけやすさの改善: 見つけやすさが改善されたことにより、直近 12 か月での Google Play ストアのアクセス数が 30% 増加しています。
- ユーザー保護の向上: Google Play プロテクトは、毎日 500 億回以上アプリをスキャンしています。また、Android API レベル 26 への対応が必須になることにより、アプリのセキュリティとパフォーマンスが向上しています。
Google Play は、良質なアプリビジネスの構築や拡大をサポートし、世界中に 20 億台以上ある Android 端末と皆さんをつなげ、ユーザーに優れたエクスペリエンスを提供することに貢献しています。以下では、今年重点的に取り組んでいるいくつかの重要な領域について説明します。
配布における技術革新
Play Console にテストツールを追加し、各種のテストトラックや段階的ロールアウトを通し貴重な初期段階でのフィードバックを得られるようにすることで、デベロッパーがアプリのリリースに伴うリスクを軽減できるようにしています。今年は、初めて Android で開発を行うデベロッパーを対象に、アプリの最適化に関する追加のガイダンスをリリース前に提供する
Start on Android プログラムを全世界に展開しました。
Google Play Instant は、ユーザーが面倒なインストールを行わずにアプリを利用できるようにすることで、新たなアプリの発見やコンバージョン数の増加に有効な手段となっています。
アーリー アダプターからは非常に好意的な意見が寄せられており、今年を通して、一手間で操作を適用できる新たな機能の追加、広告の設定などを構築しやすくするための作業を行っています。
アプリの品質向上
Google Play は、デベロッパーが品質やパフォーマンスの問題を把握し、修正する際に役立つ重要な役割を担っています。I/O では、電池や安定性の改善に加え、
Android Vitals の表示内容を拡張し、アプリの起動時間、拒否されたパーミッションなどを報告するようにしてきました。これによって、デベロッパーがアプリの無応答エラーを最大 95% 削減できています。さらに、
リリース前レポートによる自動端末テスト機能を拡張し、ゲームのテストを行えるようにしています。先日は、
検索やおすすめを表示する際に、アプリの品質の重要性を増加させるようにしました。これによって、ダウンロードされたゲームのエンゲージメントや満足度が向上しています。
さらにゲームを見つけやすく
昨年は、
エディターによるコンテンツを追加したほか、ユーザーに気に入ってもらえるおすすめのアプリやゲームを提示できるよう、機械学習を強化しています。ゲームのダウンロードの大半は、(検索やディープリンクではなく)ストアのブラウジングによるものです。そのため、新しいゲームのホームページ、人気のゲームや新しいゲーム専用のセクション、迫力のある動画トレーラーやスクリーンショット、
即座にゲームを試せる機能など、ゲームを見つけやすくすることに特に重点を置いています。また、アプリをさらに見つけやすくすることで、ダウンロード数の増加に貢献できる新しいプログラムも導入しています。たとえば、2016 年には
アプリの事前登録プログラムをリリースし、すでに 2 億 5000 万回の事前登録が行われています。今後は、LiveOps カードなどのプログラムも展開し、デベロッパーとユーザーとの関係をさらに強化できるようにしたいと考えています。
課金プラットフォームの展開
現在の Google Play は、クレジット カード、携帯通信会社による直接課金(DCB)、Paypal、ギフトカードを通して、150 のマーケットで支払いを受けることができます。携帯通信会社による直接課金は、64 のマーケットで 167 の携帯通信会社で利用できます。2018 年は、アフリカやラテンアメリカへの展開に重点的に取り組み、ガーナ、ケニア、タンザニア、ナイジェリア、ペルー、コロンビアでリリースを行っています。また、世界中の 80 万以上の小売店で、ギフトカードなどの手段によって Google Play クレジットを購入できます。今年は、18 の新しいマーケットで
販売者サポートをリリースし、販売者サポートが導入されているマーケットの数は 98 になりました。サブスクリプションの提供も継続的に改善され、機械学習を活用した不正使用の検知や、
定期購入者やデベロッパーの操作向上が実現されています。不正なトランザクションや購入 API は、Google Play のリスク モデリングによって自動的に検知されるため、払い戻しデータの分析精度が向上し、疑わしいアクティビティを特定することができます。
安全で安心できるエコシステムの維持
Google Play プロテクトなどのシステムは、
毎日 500 億以上のアプリのスキャンや分析を行うことで、ユーザーやデベロッパーにとって安全なエコシステムを維持しています。実際、Google Play のみからアプリをダウンロードしているユーザーは、他のソースからダウンロードしているユーザーよりも、有害な可能性のあるアプリをダウンロードする可能性が
9 分の 1になっています。新たな機械学習モデルや技法を利用して、なりすまし、不適切なコンテンツ、詐欺、不正なソフトウェアなどの不正利用を検知する機能も大きく改善しています。その結果、不正なコンテンツを提供するアプリの 99% は、
誰もインストールしないうちに特定され、却下されています。さらに、その他の脆弱性を見つけるために、Hacker One と連携して
Google Play Security Rewards Program も継続しています。
私たちは、デベロッパーの皆さんが作るものに触発され続けています(
#IMakeApps では、いくつかのすばらしいサンプルを見ることができます)。そして、すべてのデベロッパーが成功するために必要なツールを手にしてもらいたいと考えています。皆さんが次に行うことを見るのが待ちきれません。
Reviewed by
Hak Matsuda - Developer Relations Team