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Google Play で配信しているゲームにおける定期購入の売り上げは 2019 年から急伸しています。定期購入を導入すると定期的な収益を確保する以外にも、ユーザーのエンゲージメントを高めることでゲームの世界観を広げ、ファンを増やす効果があることがわかりました。


日本の Google Play におけるゲームの定期購入売上成長率





では、定期購入の機能をうまく使いこなしているゲームタイトルはどのような部分を大事に考え、サービスの設計をしているのでしょうか。


定期購入導入のベストプラクティス解決したい課題の設定

ゲームに定期購入を導入する際には、まず解決したい課題を明確にすることが大切です。その上で、魅力的な定期購入の特典設計をし、ユーザーの購入意欲を喚起して継続してもらうための施策を講じます。

ゲームにおいて解決したい課題は、ゲームによって異なり、例えば以下のように多岐にわたります。

  • ログイン率や継続率を向上させたい
  • イベントがないときもストック型の安定したベース収益を確保したい
  • ストーリークエストを進めてほしい


定期購入におけるユーザー特典の設計

次に、設定した課題を解決するために定期購入をどのように組み入れ、どのような価値を提供するべきかを検討し、短期的な特典、中期的な特典、長期的な特典の 3 つを組み合わせたサービス設計を行います。

  1. 短期的な特典 : 定期購入申し込み直後から恩恵を受けられるメリットを用意します。

    a. 即座に付与されるアイテム : ゲーム内通貨など



    b. ゲームがより快適になる機能 : オートバトルや周回機能、パーティや装備スロット数の増加など

     © 2015-2021 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.


    c. 限定クエストへのアクセス : 1 日 1 回挑戦できるレアな報酬クエストなど



    d. ゲーム外での特典 : グッズ購入の割引、イベントへの招待など



  2. 中期的な特典 : アクションに応じて得られるメリットを用意します。

    a. ログイン ボーナス : 豪華なログイン ボーナスを付与する
    b. 達成リワード : 敵を倒した数や歩いた歩数により、リワードが X 倍になる

    ドラゴンクエストウォーク」の例 (*定期購入ではなくシーズンパス)
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  3. 長期的な特典 : 定期購入を更新していくことで得られるメリットを用意します。

    a. 定期購入を継続しているユーザーに X か月毎にリワードを付与

     


その他、解決したい課題が複数ある場合、条件や特典、期間などを変えた複数の定期購入を提供することも効果的です。KLab株式会社の「BLEACH Brave Souls」は、定期購入プランの「ブレソル満喫パス」と「キャラ獲得パス」を提供し、異なる目的に合わせて課題の解決を実現しています。それぞれのパスに短期、中期、長期(満 3 ヶ月継続)の特典を設定しており、また、両方のパスを同時に購入することも可能です。

BLEACH Brave Souls」 の例

単独の定期購入プランでもゲームを楽しめる設計になっていながら、組み合わせて利用することでさらにゲームプレイを充実できるようにすることで、ユーザーの満足度を下げない仕組みになっています。

加入率、継続率を上げるためにできること


無料試用機能を活用し、定期購入の加入率を上げた「パズル&ドラゴンズ」



ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社が手掛けるパズルロールプレイングゲーム「パズル&ドラゴンズ」は 2019 年 12 月に定期購入プランの「パズドラパス」を導入しました。「パズドラパス」では通常課金メニューとは異なる特典とサービス設計を意識しており、また、1 週間の無料トライアル期間を設けることで、加入意欲を高める施策を講じています。

シーズンパス既存ユーザーに定期購入プランを初月無料で提供する「星のドラゴンクエスト」
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株式会社スクウェア・エニックスが手掛ける「星のドラゴンクエスト」は、2019 年 7 月より定期購入プラン「星パス (月額版)」を提供しています。

14 日間限定シーズンパス「星の冒険者パスポート」の月額版として位置づけ、シーズンパスよりもより魅力的な特典を付与しています。また、こちらも初回の星パス (月額版) を無料で提供し、かつ、シーズンパスをすでに購入済みのユーザーにも無料で購入できるよう設計することで、定期購入プランの購入ハードルを下げました。


定期購入継続期間に応じて特典を付与する「モンスターストライク」



モンスターストライク」などの人気ゲームを開発する株式会社ミクシィは、モンスターストライクの中で、定期購入プラン「モンパス」を 2017 年 9 月から提供しています。

「モンパス」は、ロイヤルユーザーとのタッチポイントとなる機能を持った定期購入プランとして設計され、定期購入を継続しているユーザーに毎日、1 か月ごと、3 か月ごとと異なる特典を設けることで、継続意欲を上げ解約率を下げる効果を高めています。


定期購入ユーザーを増やすには、加入率と継続率を高め、解約率を削減することが必要です。また、定期購入を解約したユーザーへ再度の購入を促すことも重要です。定期購入プランの特典設計の他に、各社の定期購入は、加入率を向上する無料試用とお試し価格や、ユーザーの予期しない解約を防ぐ猶予期間、アカウントの一時停止機能などを活用しています。

上記 3 タイトルの定期購入ユーザーと非購入ユーザーと比べると、定期購入ユーザーのログイン率が高くなる、または、よりゲームをプレイする傾向があることがわかりました。

「パズル&ドラゴンズ」と「星のドラゴンクエスト」では、定期購入ユーザーのログイン率が非購入ユーザーと比較して高くなりました。「パズル&ドラゴンズ」の場合、「パズドラパス」を 3 か月継続購入しているユーザーと、非購入ユーザーを中央値で比較すると 30 ポイントほどログイン率が高く、同程度のゲーム進行度のユーザーのみ抽出した際にも、購入ユーザーは 20 ポイントほどログイン率が高くなりました。「星のドラゴンクエスト」の「星パス (月額版)」 購入ユーザーは、非購入ユーザーよりも、ログイン率が 1.2 倍高くなりました。

ログイン率が上がることで、ゲームプレイの継続率やクエストクリア回数の向上にも繋がります。「星のドラゴンクエスト」の「星パス (月額版)」 購入ユーザーは、非購入ユーザーと比べ、クエストクリア回数が 2.6 倍、マルチクリア回数は 3.2 倍になりました。「モンスターストライク」の「モンパス」を購入したユーザーは、モンパス購入前と比較して、一日あたりのプレイ回数が 20% ほど増え、エンゲージメント促進に寄与しています。

定期購入を導入するメリット

ゲームに定期購入を導入することで、ユーザー数やエンゲージメントを高め、ビジネスの成功につなげることができます。Google Play は、定期購入の価格設定オプションを簡単にコントロールしたり、定期購入の内容を変更するための複数のオプションが用意されています。詳しくはこちらをご覧ください。


Posted by Toru Shimazaki - Google Play, Partner Development Manager




Android Developers のウェブサイトへ日本のデベロッパー様のケーススタディを公開しました。アプリ開発におけるテクニックや Android アプリ向けの新しい機能、機能の実装でさらにアプリのユーザーに良い体験を提供できるようになったことなどを詳しくご紹介しています。



日本は、アプリやゲームのデベロッパーの皆さんにとって、とても特色のある国の 1 つです。大多数の人が 4G 以上のサービスを提供している携帯会社と契約していますし、強く、安定しているモバイルネットワークを使い、自宅や学校、電車に乗っている時にスマートフォンでアプリやゲームを楽しんでいます。特に首都圏や大阪、福岡のような大都市では電車・地下鉄は便利な移動手段で、昨今の状況以外では、だいたい毎日多くの人が電車や地下鉄に乗っていて、スマートフォンをいつも 10分 未満から長い場合は 1 時間半以上も使っています。加えて、多数の人が高いサービス品質やユーザー対応に期待を寄せています。
日本の市場でアプリやゲームのビジネスをもっと拡大するには、とても短い時間であっても、長時間であっても楽しめてなおかつ高品質である製品を開発する必要があるでしょう。

tapple誕生、LIFULL HOME’S、mikan がどのようにアプリを改善し、より良いサービスの提供を行ったか事例をぜひご覧ください。






株式会社マッチングエージェントが提供する tapple誕生 は ユーザー数 500 万人、2 億以上のマッチングを実現しています。非常に意欲的なビジネスの目標を掲げ、会員のライフタイム バリュー(LTV)の最大化を行うために Google Play の定期購入Firebase Remote Config、 Firebase A/B Testing を活用してテストを重ね、2017 年から 2019 年にかけてLTV を 30% 高めることに成功しました




株式会社LIFULL は日本と 57 カ国で不動産情報サービスを提供し、ウェブサイトとアプリLIFULL HOME’S を日本国内向けに公開しています。コンバージョンとアプリ継続率の向上のために、ダークテーマの導入を検討してテストを重ねた結果 アプリ継続率を 10% 以上高めることに成功しました。 テスト環境の構築は Android API と Android Studio のプレビュー モードを使用して短期間で行い、続いてダークテーマを導入したアプリのユーザビリティについてマテリアル デザイン リソースのカラーツールを活用してデザイナーが検証を行いました。



株式会社 mikan は、「1 億総バイリンガル」をミッションに掲げる日本のスタートアップ企業です。この目標を達成するため、同社はこれまでに 15 種類以上の学習アプリを開発してきました。2014 年の創業時にリリースした最初の英単語学習アプリは、わずか 3 日間で 10 万件を超えるダウンロードを記録しましたが、以降課題となったのは、アプリの収益化を行い、ビジネスの成長を維持し、目標を達成することでした。そこで、Firebase Remote Config を使用して、Android での A/B テストを実施。ユーザーにとって最も魅力的な価格と定期購入の期間を調査した結果、8 か月間でユーザーの 70% 以上が 1 年プランを選択し、安定した収入源となっています。

ご紹介した 3 社のケーススタディからは、アプリを公開した後にマネタイズ(収益化)とユーザーの利便性を向上することは、ビジネスの成功に不可欠であることがわかります。

私たちは引き続き開発者向けのツールと Google Play ポリシーの変更を通じて、定期購入やダークモードなどを活用したビジネスの成長をサポートしていきます。また、定期購入の円滑な導入や最適化に欠かせないテストツールも提供しています。


Posted by Hidenori Fujii -  Google Play Developer Marketing APAC

この記事は Angela Ying による Android Developer Blog の記事 "New features to acquire and retain subscribers" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


定期購入は、Google Play アプリのビジネスモデルの中でも、特に成長著しいモデルであり続けています。定期購入ビジネスが進化し、洗練されていく中、私たちのプラットフォームも皆さんのニーズに応えるために進化を続けています。本日は、新しい定期購入者を獲得する際に役立つプロモーション コード、ユーザーに価値を伝えて離脱したユーザーに復帰してもらうための新たなチャンスなど、Android 11 Beta リリースで発表した新しい定期購入機能について詳しくお伝えします。これらの機能の多くが、Play Billing Library バージョン 3 を使って構築されています。

新機能に加えて、既存のプラットフォームへの改善も行っています。ここ数年間で、アカウントの一時停止とアカウントの復元などの多くの機能をリリースしてきました。これらの機能は、意図的な離脱や意図的でない離脱の削減に大きな効果を発揮しています。そのため、誰もがこれらの機能のメリットを活用できるように、2020 年 11 月 1 日から、デフォルトの設定を省略可能ではなく必須またはデフォルトでオンに変更することを計画しています。機能の詳細と実装要件は、この投稿の最後に記載しています。

次の表に、定期購入プラットフォームに関するすべての変更点をまとめました。




対象を絞ったプロモーション


プロモーションと取引は、ビジネスを拡大して新しい顧客を獲得する重要な方法です。昨年を通して定期購入向けの新しいプロモーション コード機能を準備してきたのはそのためです。この機能を使うと、対象を絞った一部のユーザーだけにプロモーションをすることができます。

昨年の Googl I/O 2019 では、定期購入のワンタイム プロモーション コードをリリースしました。一意な英数字のコードを個々のユーザーに配布して、精算に使ってもらうことができます。今回は、スムーズな精算フローを新しくリリースします。これにより、ユーザーは簡単にコードを使って定期購入を行い、わずか数ステップで Google Play ストアのアプリをインストールできるようになります。ユーザーがコードを使う際の手間が削減されるので、ユーザー エクスペリエンスが大幅に簡素化されます。定期購入フローがアプリの外部で開始するので、この機能は Billing Library 2.0 以降を使っているデベロッパーのみが利用できます。




ワンタイムのコードに加えて、カスタムコード(バニティコード)も正式にリリースしました。複数のユーザーが利用できるカスタムコードは、定期購入ユーザー獲得を促進するマーケティング キャンペーンに活用できます。たとえば、覚えやすいカスタムコードを広告やソーシャル プロモーションに掲載し、積極的に潜在顧客にアピールすることができます。ユーザーがアプリでカスタムコードを使うには、定期購入を行う際に支払い方法にコードを入力します。


ユーザーに定期購入の価値を伝える


定期購入の維持は、長期にわたって定期購入ビジネスの健全性を保つために欠かせません。ユーザーが定期購入を続けるのは、その定期購入サービスに継続的な価値を感じているからです。この価値を伝わりやすくするため、先日、ユーザーが定期購入をキャンセルしようとする際に、定期購入の利点を思い出してもらうためのモジュールをリリースしました。このモジュールを活用するには、定期購入のメリットを最大 4 項目に短くまとめ、そのリストを Google Play Console に追加します。




離脱した定期購入者を取り戻す


私たちは、ユーザーが定期購入から離脱した場合でも、希望すればいつでも簡単に再開できるようにしたいと考えています。これを実現するため、最近期限が切れた定期購入を Google Play の定期購入センターから直接再開できるようにする機能をリリースしました。定期購入再開の SKU は、Google Play Console から有効化できます。この定期購入はアプリの外部で開始されるので、この機能は Billing Library バージョン 2 以降を使っているデベロッパーのみが利用できます。




価格値下げ時のオプトインを省略


ユーザーが定期購入の値下げ価格をオプトインしなければならないのは煩雑すぎるというフィードバックが寄せられています。今後は、定期購入の価格を下げる場合、定期購入を継続するためにユーザーがオプトインする操作は必要なくなります。ユーザーは、価格の値下げ予定についての通知を受け取り、変更予定を Google Play の定期購入センターで確認できるようになります。


プラットフォームの維持設定の更新

ここ数年間にわたり、このプラットフォームは、自発的な離脱と自発的でない離脱(支払いの失敗による離脱)の両方を減らすための機能を通して、定期購入者の維持に大きく貢献しています。たとえば、アカウントの一時停止は、一時停止を行わない場合と比べて、自発的でない離脱を 8% 減少させ、支払いの失敗からの復帰率を 35% 上昇させて、デベロッパーの皆さんに貢献しています。こういった機能は効果的ですが、最初から実装しておくべきものだったのかもしれません。

そのため、今まで省略可能だったいくつかの定期購入機能のデフォルトを更新します。これは、2020 年 11 月 1 日から有効になります。



  • 定期購入を有効化しているすべてのデベロッパーで、定期購入の一時停止と定期購入の再開がデフォルトでオンになります。11 月までに変更を実装できない場合は、どちらの機能も任意のタイミングで Google Play Console からオプトアウトできます。

    • 定期購入の一時停止を行うと、ユーザーは最大 3 か月間定期購入を一時停止できます。一時停止期間が終了すると、定期購入は自動的に再開されます。定期購入の一時停止を行うには、アカウントの一時停止を有効化する必要があります。本機能は 11 月 1 日以前に無効にできます。その場合は、Google Play Console の [定期購入の設定] で [無効] をオフにします。定期購入の一時停止を組み込む方法はこちらをご覧ください
    • 定期購入の再開機能を有効にすると、定期購入期間の終了から 12 か月以内に離脱したユーザーが、再度定期購入することが可能になります。この機能は、Billing Library バージョン 2.0 以降をサポートするアプリでのみ利用できます。
    • 本機能は 11 月 1 日以前に無効にできます。その場合は、Google Play Console の各定期購入商品で、[再度定期購入] の設定を [無効] に変更します。定期購入の再開を組み込む方法はこちらをご覧ください

これらの新機能に対応するために、アプリやサーバーの変更が必要になる場合もあります。具体的には、アプリで以下の対応を行う必要があります。

  • ユーザーが定期購入へのアクセスを失ったタイミングと、後ほどユーザーが復帰したタイミングを認識する

    • アプリで Billing Library を使っており、Google Play Developer API の Purchases.subscriptions を使って定期購入者の最新ステータスを管理していない場合は、アプリが自動的にこれを処理できる必要があります。
    • ただし、Google Play Developer API を使っている場合(ウェブなどの複数のプラットフォームからアクセスできる定期購入のデベロッパーは、これを使うのが一般的です)は、サーバーで常に定期購入者の最新ステータスを保持していることが重要です。
    • 常に定期購入者の最新ステータスを保持できるように、リアルタイム デベロッパー通知を実装することを強くおすすめします。詳細はこちらをご覧ください

  • アプリ外購入にうまく対処する(Billing Library 2.0 以降のみ)
    • ユーザーが定期購入の再開後にアプリを開いたときに、購入を承諾し、新規購入を認識したことを伝えるアプリ内メッセージを表示するようにします。アプリ外購入を扱うベスト プラクティスをご覧ください。

すべての機能で変更が必要になるわけではありませんが、11 月 1 日までに各機能をテストしておくことを強くおすすめします。簡単に移行できるように、Google はすべてのライセンス テスト アカウントでアカウントの一時停止、アカウントの復元、定期購入の一時停止、定期購入の再開を有効化しています。詳しくは、定期購入固有の機能をテストするをご覧ください。



Reviewed by Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC

この記事は Angela Ying による Android Developers Blog の記事 "Building user trust through more transparent subscriptions" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

多くのデベロッパーにとって、定期購入はビジネスを支える重要な要素です。Google Play は、Play Console の新しいレポート機能などのデベロッパー ツールや、ユーザーがすべての定期購入を簡単に管理できる定期購入センターの改善などユーザー エクスペリエンスの向上を通して、定期購入の拡大を支えてきました。定期購入のユーザー エクスペリエンスを改善する目的には、定期購入者の信頼に応えるプラットフォームを育むことも含まれています。そのためには、ユーザーがアプリ内で定期購入を申し込む際に、申し込みに必要なすべての情報が提示されていると認識される必要があります。

そこで、定期購入の信頼性を向上するため、定期購入ポリシーを変更しました。これは、定期購入に対するユーザーの信頼を築き、Google Play 全体におけるユーザーの安全性を拡大するため、さらに幅広く Google Play のポリシーを改善する作業の一環です。この新しいポリシーは、皆さんが定期購入でユーザーに提供する内容を透明化することを求めています。つまり、ユーザーに皆さんのサービスを提供する上で、十分な情報を提示していると評価される状態にする必要があります。

定期購入で提示する内容が不明瞭なためにユーザーの信頼を失った場合、ユーザーはアプリの定期購入を取りやめて否定的なレビューを残します。その結果、皆さんのビジネスに不利益が生じます。一方、明確で説得力のある内容であれば、意思決定に必要なすべての情報をユーザーに提示でき、サービスへの信頼が増します。その結果、ユーザーは長期間定期購入を続けてくれることでしょう。

定期購入ポリシーに準拠する

利用規約、課金頻度、価格が明確なアプリ規約を隠し、課金頻度や価格が不明確なアプリ

今回のポリシー 変更の目的は、ユーザーに定期購入の内容、無料試用や発売記念価格に関する規約、キャンセルを含む定期購入の管理方法を理解してもらうことです。ポリシーセンターで、このポリシーについての詳しい情報を確認し、ベスト プラクティスやよくある違反事項の例を見ることができますが、最も重要なことは、アプリ内で定期購入の内容をユーザーに明確に示すことです。以下のベスト プラクティスをご覧いただき、定期購入のページの変更などについてご検討ください。

以下のような定期購入の利用規約を明確にします。 
  • アプリの全部または一部の機能やサービスを使うために、定期購入する必要があるかどうか。定期購入が必要でない場合、ユーザーは簡単に定期購入のオファーを拒否できるかどうか。
  • 定期購入の価格
  • 課金サイクルの頻度

無料試用や発売記念価格を提供する場合は、以下のことを明確かつ正確に提示します。

  • 期間
  • 価格設定
  • 無料試用や発売記念価格に含まれる内容
  • 無料試用が有償の定期購入に切り替わるタイミング
  • 有償の定期購入に切り替えたくない場合、キャンセルする方法

アプリでは、定期購入のキャンセルや管理を行う方法を明確に示すようにします。2020 年 6 月 16 日までに、既存のアプリをこのポリシーに準拠させてください。


追加の開発作業なしにユーザー エクスペリエンスを改善する


今回のポリシーの変更と併せて、以下のようなプラットフォームレベルのプロダクトの変更を行いました。これは、ユーザーの信頼を高め、安心して定期購入を行ってもらうための対応です。

  • 透明性を高めてユーザー エクスペリエンスを改善するために、購入用のカートを改善しました。
  • 無料試用やお試し価格が終了する前に、ユーザーにメールで通知します。
  • 3 か月、6 か月、年間のプランで定期購入を行っているユーザーには、更新が近づいたときにメールで通知します。
  • アプリやゲームをアンインストールしても自動的に定期購入が解除されない場合、アンインストールした定期購入ユーザーに通知します。
短期的に見れば、この対応によってコンバージョンの減少や定期購入のキャンセルにつながる可能性もあるでしょう。しかし、最終的にはアプリやゲームの品質が高まり、払い戻しや支払い拒否の確率が低い定期購入ユーザーの獲得につながるはずです。全体的に見れば、安定した定期的な収益が得られることになります。


参考情報

私たちは、皆さんが定期購入ユーザーに適切に対応するためのお手伝いをしたいと考えています。そこで、Google Play の「アプリ開発を成功させるためのアカデミー」にチェックリストトレーニングを公開しました(今現在コンテンツは英語のみです)。また、最近のポリシー変更内容を日本語で解説した動画を作成しました。アプリやゲームに必要なアップデートを行う際の参考情報としてご活用ください。




Google Play をデベロッパーやユーザーにとって信頼できるプラットフォームにすることにいつもご協力いただき、ありがとうございます。すばらしいユーザー エクスペリエンスを生み出すだけでなく、定期購入ビジネスをますます拡大させるために、これからもご協力をお願いいたします。

Reviewed by Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC

この記事は Google Play プロダクト マネージャー、Larry Yang、Angela Ying による Android Developers Blog の記事 "Grow and optimize your subscriptions with new Google Play features" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

Google Play の定期購入は引き続き大幅に拡大しており、定期購入者は前年比で 80% 以上増加しています。I/O 2018 では、定期購入の障壁を下げるためのいくつかのユーザー エクスペリエンスの改善や、自在なビジネス運営を実現できるツール群について発表しました。

定期購入者にとってさらに管理しやすく


定期購入によってたくさんの価値がもたらされます。しかし、私たちが行った調査から、キャンセルできずに定期購入から「抜け出せなくなる」ことに対する恐怖や、どのくらいの額を使っているかわからなくなるという不安が、ユーザーにとってアプリの定期購入を躊躇させる要因になっていることがわかりました。この恐怖に対処するため、ユーザーが  Google Play の定期購入を一元的に管理できる新しい定期購入センターを先日リリースしました。


ユーザーは、この定期購入センターから以下のことができます。
  • すべての定期購入の詳細やステータスを見る
  • バックアップとなる支払い方法の設定を含む、支払い方法を管理および更新する
  • 定期購入を更新する
  • キャンセルした定期購入を再開する
  • 定期購入をキャンセルする

さらに、キャンセル理由をデベロッパーにフィードバックするため、ユーザーが定期購入をキャンセルした際に、キャンセル時アンケートが表示されるようになりました。今のところ、キャンセル時アンケートのデータは、サーバーサイド API に対してクエリを実行することで確認できます。


新しいサブスクリプション センターには、空の状態で [Get Started] リンクが表示されるので、ユーザーはローカライズされた選りすぐりの定期購入アプリを見つけることができます。


定期購入センターのリリースに合わせて、新しいディープリンクもリリースしています。これを使うと、ユーザーはアプリ、メール、ウェブから直接定期購入の管理画面を開くことができます。これを実装するには、パッケージ名と SKU を使ってディープリンクを作成し、ボタンやリンクとしてアプリの好きな場所に追加します。詳細については、Android のデベロッパー向けウェブサイトをご覧ください。

デベロッパーのできることが増加


ユーザーのエクスペリエンス向上に加えて、デベロッパーの皆さんのビジネス運営の柔軟性向上に役立つ新しいツール群もリリースしています。特に多くのリクエストが寄せられている機能に、価格の変更があります。近日中に、Google Play Console で簡単な操作をするだけで、価格の変更を受け入れるかどうかをユーザーに尋ねることができるようになります。まったく新しい SKU を設定する必要はありません。ユーザーには、Google Play からメール、プッシュ通知、アプリ内メッセージングで変更が通知されます。ユーザーが更新日までに同意しない場合、定期購入がキャンセルされます。この機能の早期アクセス プログラムへの参加を希望する方は、こちらからお申し込みください

その他にも、定期購入関連のビジネス運営に役立つ次の機能が I/O でリリースされました。

これは、今年既に発表された、テスト用の更新間隔の短縮柔軟なお試し価格の設定に続く改善です。

これらすべての機能を簡単に実装するには、I/Oで バージョン 1.1 がリリースされた Google Play Billing Library を使います。この課金ライブラリは、AIDL ファイルの上位にあたる抽象化レイヤーです。ビルド依存関係ファイルをアップデートして次にアプリをコンパイルするタイミングで、API のアップデートが自動的に取得されます。価格の変更と、有効期限を変えないアップグレードおよびダウングレードは、この課金ライブラリでのみ利用できます。この点は、今後のリリースでも変わらない予定です。

すべての人にメリットを

すばらしいユーザー エクスペリエンスを構築することが、高品質の定期購入者ベースを作ることにつながると、私たちは強く信じています。この目的のため、ビジネスの運営を改善するツールやインサイトを提供いたします。それを活用すれば、ビジネスやお客様にとって最適なことを実現する柔軟性を手にすることができるでしょう。