[go: nahoru, domu]


この記事は Lisa Bos, Senior Product Manager at Cesium と Danbi Lee, Product Manager, Google Maps Platform による Google Cloud Blog の記事 "Commonly asked questions about our recently launched Photorealistic 3D Tiles" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

編集者注 : 5 月の I/O Photorealistic 3D Tiles の試験運用版をリリースして以来、デベロッパーの皆様の関心も高く、このプロダクトに関するデモも紹介されています。また、デベロッパーの皆様から多くのご質問が寄せられています。Cesium のシニア プロダクト マネージャーである Lisa Bos 氏とともに、デベロッパーの皆様から寄せられた最も一般的な質問を取り上げていきます。  


なぜ割り当てが低いのでしょうか?割り当てを上げてもらうことはできますか?

Danbi: Photorealistic 3D Tiles のような試験運用フェーズにある Google Maps Platform プロダクトでは、通常はプロジェクトあたりのデフォルトの 1 日の割り当てが低めに設定されています。このフェーズの間は、試験運用しているユースケースに基づいた、お客様からの反応を検証しています。一部のお客様についてはすでに個々のタイル リクエストの割り当て制限が制約になっていることがわかっており、この制限については次のリリース ステージであるプレビューに向けて適切な値となるように再検討しています。

無料で使用できますか?

Danbi: Photorealistic 3D Tiles のような試験運用フェーズにある Google Maps Platform プロダクトは、試験運用フェーズの間は無料でご利用いただけますが、上述のように割り当てが制限されています。このリリース フェーズの目的は、プロダクトのプレビュー版をリリースする前にデベロッパーの皆様からのフィードバックを収集することです。皆様からのフィードバック、デモ、ご質問、公開 Issue Tracker は非常に重要ですので、フィードバックをお待ちしております。

ただし、プレビュー期間は通常、プロダクトの料金情報を共有します。このリリース ステージの間、お客様への請求には 100% の割引が適用されます。請求先アカウントをすでに設定している場合、特に操作は必要ありません。お客様の API キーは引き続き機能します。これは、プレビュー版から一般提供に移行するまでに、お客様によるプロダクトと使用量の調整のための期間を設けるためです。

Lisa: デベロッパーの皆様は、Map Tiles API のセッションとリクエストを管理するための周到な戦略を適用したいとお考えでしょう。プレビュー リリース ステージの期間は、CesiumJS やその他の Cesium ランタイムを使用する際に実装の選択がデータ使用量にどのような影響を与えるかを把握できるよう、Cesium がガイダンスをご提供する予定です。提供可能になった時点で、コミュニティ フォーラムでお知らせいたします。

なぜ地図に権利帰属を表示する必要があるのですか?どのような権利帰属を表示する必要がありますか?

Danbi: Google は、たくさんのデベロッパーの方々がこのプロダクトを試験運用していることを大変喜ばしく思っています。また、適切な権利帰属表示が忘れられがちであることはよく理解しています。しかし、権利帰属表示は Google の利用規約および Map Tiles API ポリシーに明記されているもので、また一般に地図作成における標準的な慣行と考えられています。


ブランド権利帰属表示とデータ権利帰属表示の例

重要な権利帰属表示には、ブランド権利帰属表示とデータ権利帰属表示の 2 種類があります。ブランド権利帰属表示では、ビジュアライゼーションに地図や画像を表示するときは常に Google ロゴを表示する必要があります。データ権利帰属表示では、画像の提供元のデータ プロバイダを表示する必要があります。Google マップ アプリケーションを見るとおわかりのように、画像の提供元は Google および他のプロバイダです。ビジュアライゼーションでユーザーが地図上を移動すると、API はビューポートの内容に基づいて、更新されたデータ権利帰属文字列をレンダラに送信します。

権利帰属の表示方法に関するガイドラインをすべてのユースケースに適用できるわけではないことは承知しています。特に、標準または従来の「地図」のビジュアライゼーションとは異なる、映画のようなユーザー エクスペリエンスは権利帰属表示の影響を受けるため、適切でない場合もあります。このような問題に対処するために、Google は、プレビューに移行する際に代替の権利帰属表示方法に関する追加のガイダンスをご提供する予定です。

Lisa: Cesium の各ランタイム(CesiumJS、Cesium for Unity、Cesium for Unreal、Cesium for Omniverse)には、ロゴとデータの権利帰属を表示する方法が用意されています。CesiumJS を使用している場合は、ロゴの追加方法についてこちらをご覧ください。デフォルトでは、ロゴは左下に追加され、データ権利帰属リンクはその右側に表示されます。ロゴと権利帰属表示の配置と外観は、CSS を使用して変更できます。

ストリート レベルのジオメトリをさらに精緻にすることはできますか?

Danbi: 一般に、3D メッシュモデルの作成には、複数のステレオペア画像を使用した写真測量法によって手続き的に表現されます。メッシュモデル作成には全画素マッチングのような複雑な計算が行われますが、それでも歩行者目線での実世界のモデリングの精度は若干低くなります。たとえば、駐車中の車や日除けがメッシュに溶け込んだり、樹木が浮遊物体としてモデリングされる場合があります。Photorealistic 3D Tiles の改善方法に関するフィードバックをお待ちしています。

精密な測量に使用できますか?標高情報やその他の属性を取得できますか?

Danbi: 現時点で Photorealistic 3D Tiles は「測量グレード」であるとは考えられていません。このプロダクトの本来の目的は、空間分析やモデル測定をサポートすることではなく、臨場感あふれるビジュアライゼーションを実現することです。また、3D 画像からプログラマティックに測定値(高さ、距離、標高など)を読み込んで記録することは派生物と見なされ、禁止されていることにもご注意ください。詳しくは、Google の利用規約に加えて、コンテンツのプリフェッチ、キャッシュ保存、保存に関するポリシーのページをお読みください。このページに、Google の画像データに基づく「画像解析、機械による解釈、オブジェクトの検出 / 識別、地理データの抽出または再販、上述のいずれかを含むオフラインでの使用」は許可されていないと明記されています。

Lisa: デベロッパーの皆様は Cesium を使用して Photorealistic 3D Tiles の現行リリースを他のデータと組み合わせることで、Danbi 氏が上述したようないくつかのユースケースに対応できます。この例では、Photorealistic 3D Tiles によって提供されるコンテキストで精度の高い建築物モデルが可視化されています。お客様自身のメタデータを Cesium アプリに追加して可視化することもできます。簡単な例については、この Cesium Stories チュートリアルをご覧ください。

Cesium World Terrain を Google の Photorealistic 3D Tiles と組み合わせて使用できますか

Danbi: Photorealistic 3D Tiles は現時点では Google の測地系を基にしているため、「測量グレード」と考えられる地理データや、局所的な精度とアライメントの精度が非常に高い地理データの場合、ある程度のずれが生じます。これが、Photorealistic 3D Tiles が現在では測量グレードとは考えられていないもう一つの理由です。しかし、お客様のユースケースにおいて標準測地系とのアライメントがどれだけ重要であるかに関しては、デベロッパーの皆様からのフィードバックをお待ちしています。

Lisa: Photorealistic 3D Tiles と Cesium World Terrain では使用している参照システムが異なるため、現時点では両者を一緒に使用することはおすすめしません。また、その必要もないと思われます。この例に示すように、地球(Cesium World Terrain)を非表示にできます。

Photorealistic 3D Tiles と Cesium を使用するユースケースについて検証する際は、X(旧 Twitter)では @GMapsPlatform、YouTube では @GoogleMapsPlatform、他のチャネルでは #GoogleMapsPlatform のタグをご使用ください。デモギャラリーへの掲載をご希望の場合はお知らせください。


Google Maps Platform に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。ご質問やフィードバックはページ右上の「お問い合わせ」より承っております。


Posted by 丸山 智康 (Tomoyasu Maruyama) - Developer Relations Engineer


この記事は Product Management の Mohit Moondra による Google Cloud Blog の記事 "Routes API is now generally available" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

昨年 9 月、Google は Routes API のプレビュー リリースを発表いたしました。Routes API は、Directions API と Distance Matrix API の拡張 API で、より有益で柔軟なルートをユーザーに提供することができます。

このたび、Routes API の一般提供を開始しました。Routes API は、Directions API と Distance Matrix API の基本機能に基づいて構築され、たとえば、リアルタイムの交通量を包括的に反映する最新のルート選択や、複数の出発地と目的地を組み合わせた距離行列から計算される到着予定時刻の提供など、ビジネスにおいて重要な役割を果たしています。さらに、従来より有益で柔軟なルートを提供し、到着予想時刻の精度を向上させるために、次のような高度な新機能も備えています。 

  • ルートの費用をより正確に算出するための通行料金データ(利用可能な地域
  • ルートの各区間のリアルタイム交通情報
  • 地点に通過地点と停止地点のいずれかを選択可能
  • レイテンシを低減するためのきめ細かいコントロール

二輪車(オートバイ)用ートと通行料金データの表示例

 

「当社では、ルート検索や距離および移動時間の計算機能を使って、お客様の多様なニーズに応えています。Routes API によって、お客様の要望にきめ細かく応えられるようになっただけでなく、実装もさらに簡単になりました。たとえば、ポリライン機能の改善により、ズームレベルを高くしたときでも高解像度のポリラインを維持したいと考えるお客様のニーズに応えられるようになりました。また、Compute Route Matrix で返される要素の総数が増えたことにより、幅広いユースケースに対応することが可能になっています。」

Google Cloud パートナー、株式会社ゴーガ 代表取締役 今関 雄人氏


Routes API の一般提供の開始後も、既存の Directions APIDistance Matrix API にも引き続きアクセスできますが、Routes API には Compute Routes や Compute Route Matrix をはじめとする新機能が追加されており、パフォーマンスも強化されています。

まずは、ウェブページドキュメント移行ガイドをご覧ください。実際にお試しいただく場合や、詳細を確認したい場合は、ライブデモをご覧ください。

Google Maps Platform に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。ご質問やフィードバックはページ右上の「お問い合わせ」より承っております。




この記事は Google Maps Platform グループ プロダクト マネージャーの Shalin Mantri による Google Cloud Blog の記事 "Announcing new routing, address validation and map customization capabilities" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

Google Maps Platform では、デベロッパーの皆様が革新的な地理空間情報を活用したサービス構築が行えるよう、便利な新機能の継続的な開発や提供に努めています。たとえば、一般ユーザーが毎日使用している Google マップの最新のイノベーションを API として提供したり、ご要望の多い機能をプラットフォームに追加しています。このたび、新しい Routes API で「環境に優しいルート選択」の提供を開始することを発表致します。Google マップのユーザーアプリですでに利用することができる環境に優しいルート選択を使用すると、燃料消費を抑えるように最適化されたルートを選択できます。さらに、世界中のデベロッパーから多くの要望が寄せられた、高度なルート選択、地図のカスタマイズ、住所確認などの新機能も発表します。これらの新機能を使用すると、アカウントの登録時や決済時にユーザーの住所を確認したり、より有益で柔軟なルートをドライバーに提供したり、高度にカスタマイズされたマーカーを作成できるため、ユーザー エクスペリエンスが向上し、業務効率が高まります。

より有益かつ柔軟な、環境に優しいルートの提示

Google はここ数年間、運送業界や物流業界の最大手企業と密接に連携し、モビリティ サービスを通じて、カスタマー エクスペリエンスや配送業務の大規模な改善を支援してきました。このたび多数のご要望にお応えして、これらの高度なルート選択機能の多くを、環境に優しいルート選択とともに、利用可能な国のすべての Google Maps Platform デベロッパー向けにリリースいたします。

環境に優しいルート選択で、より一層サステナブルなナビゲーションと、燃料消費を抑えるための最適化を実現

ドライバーが Google マップで環境に優しいルート選択を利用すると、米国エネルギー省の国立再生可能エネルギー研究所の分析情報と欧州環境機関のデータに基づいて、最も燃料効率が良いルートを見つけることができます。リリース以来、削減してきた二酸化炭素排出量は推定で 50 万トン以上にのぼります。これは、燃料自動車 10 万台分の二酸化炭素排出量削減に相当します。年内には、環境に優しいルート選択をデベロッパー向けに提供開始できる見込みです。

これにより、環境に優しいルート選択を有効にするオプションを製品やアプリに組み込んで、燃料消費の節約に貢献できるようになります。エンジンの種類を選択し、リアルタイムの交通情報を有効にすると、環境に優しいルート選択を使用した場合の燃料効率やエネルギー効率を、最も正確に見積もることができます。たとえば、配送業者やライドシェアリング サービスは、燃料消費量と節約量を 1 回の走行、複数回の走行、あるいは保有する車両全体で測定して、業績の向上につなげられます。

環境に優しいルート選択は、Google マップですでに利用可能となっている場所で、数か月以内にプレビュー版の提供が開始されます。登録すると最新情報を受け取ることができます。

環境に優しいルート選択と燃料節約量の見積もりの例を示すサンプル


新しい Routes API でより有益かつ柔軟なルートを提供

今回、さらに、新しい Routes API のプレビュー リリースを発表します。これは、Directions API と Distance Matrix API のパフォーマンスを最適化したバージョンであり、デベロッパーはより有益で柔軟なルートをユーザーに提供できるようになります。

新しい Routes API は、ビジネスにおいて重要な役割を果たしている Directions API と Distance Matrix API の基本機能に基づいて構築されています。たとえば、リアルタイムの交通量を反映する最新のルートや、複数の出発地と目的地を組み合わせた複雑な行列計算から算出される距離や到着予定時刻などの機能です。さらに、より有益で柔軟なルートを提供し、到着予想時刻の精度を向上するために、次のような高度な新機能も備えています。

  • ルートの費用をより正確に算出するための通行料金データ(利用可能な地域

  • ルートのリアルタイムの交通状況の可視化

  • 地点に通過地点と停止地点のいずれかを選択可能

  • レイテンシを低減するためのきめ細かいコントロール

  • 環境に優しいルート選択(年内に提供予定)

新しい Routes API は、プレビュー版で提供を開始しました。この新しい API の機能と利点について詳しくは、プロダクトのブログをご覧ください。

オートバイ用ルートと通行料金データの例を示すサンプル


Address Validation でアカウント登録、決済、配送を改善

住所は、人や場所を見つけるだけではなく、商品を配達し、銀行口座を開設するためにも必要なものです。しかし、無効な住所データは、ビジネスの時間や費用の浪費につながることがあります。最近の調査では、オンライン注文での住所の誤字や脱字は、その大半が住所確認ツールを導入していれば回避できていたことが明らかになっています1。この問題を解決するため、無効な住所入力の検出に役立つ新しい API、Address Validation の提供を開始します。Address Validation は、住所の構成要素の特定、エラーの修正、住所に不足しているデータの補完によって、注文のキャンセル、カスタマー サポート チケットの発行、払い戻しを防ぐためのツールです。これには、グローバルに収集されている Google Maps Platform のプレイスデータ、Google が蓄積している幅広い地域の住所情報、広範囲の住所が網羅されている米国内の郵便データが活用されています。Address Validation を導入すると、アカウント登録や決済がスムーズになるため、ユーザー エクスペリエンスが向上し、ビジネスの時間や費用を節約できます。

Address Validation は、今後数か月以内に一部の市場で一般提供が開始される予定です。登録すると最新情報を受け取ることができます。

Address Validation が住所の構成要素を識別し、住所が存在することを確認

「高度なマーカー」で独自のマーカーを作成

デフォルトの赤いピンをコード内で簡単にカスタマイズする機能と、SVG 要素と HTML 要素を使用してカスタム マーカーを作成する機能は、いずれもデベロッパーからの要望が特に多かった機能です。このたび、このオプションを備えた Maps JavaScript API 用の「高度なマーカー」のプレビュー リリースを発表いたします。 

高度なマーカーを使用すると、Google マップの赤いピンを簡単にカスタマイズできます。デフォルトのピンの色、背景、アイコン、枠線をコードで直接変更でき、画像は必要ありません。SVG を直接的にサポートしているため、ブランドのロゴなどの画像を使用してカスタム マーカーを作成できます。また、CSS を最大限に活用して、ユーザーの操作に反応する HTML 要素を使用したカスタム マーカーを作成できます。たとえば、不動産業の場合は、ユーザーの操作に応じて住宅価格を表示するマーカーを作成できます。高度なマーカーを使うと、作業効率も向上します。読み込みが速くなり、パンやズームがよりスムーズになるうえ、豊富な種類のマーカーを高速で読み込んでお使いいただけます。


カスタム HTML 要素を使用して作成された高度なマーカーのサンプル


高度なマーカーは、最近プレビュー リリースしたデータドリブンのスタイル設定と同様に、Maps JavaScript API 用 Dynamic Maps に組み込まれており、クラウドベースのマップのスタイル設定に最新の機能として追加されています。JavaScript 用の高度なマーカーは、数週間後にプレビュー版の提供が開始される予定です。登録すると最新情報を受け取ることができます。

Google は、デベロッパーの皆様が Google Maps Platform を使用して構築する、現実世界を体現したクリエイティブで革新的な地理空間サービスから、絶えず新しい着想をいただいています。今後も皆様からのフィードバックに耳を傾け、優れた体験を実現するために必要な機能を提供できるよう、尽力してまいります。新しい機能の提供開始に関する最新情報を受け取るには、こちらからご登録ください。皆様が構築されるサービスを楽しみにしております。

1 Baymard: "Have an address validator"(住所確認ツールを利用する)


Google Maps Platform に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。ご質問やはページ右上の「お問い合わせ」より承っております。


Posted by 丸山 智康 (Tomoyasu Maruyama) - Developer Relations Engineer