この記事はプロダクト マネージャー、Yana Yushkina による Chromium Blog の記事 "Helping users explore the web and continue prior tasks" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

皆さんがインターネットで情報を探したり、プロジェクトの作業に取り組んだりする場合、そのプロセスは直線的には進まないはずです。同じものを何度も探したり、ページ間をジャンプしたり、Google 検索に戻ったり、二度と見つけられないページを探すために履歴をたどったりするかもしれません。これは困難な作業であるだけでなく、なにより、用事を済ませるために使えるはずの時間を奪ってしまう可能性があります。

そこで今回、2 つの新しい試験運用を始めます。その目的は、ウェブで見つけたものを開いたり、詳しく調べたり、履歴を管理したりする作業を簡単にすることです。

ウェブの検索を続ける

あるトピックについてすでに調査を始めており、数日または数週間程度さまざまなサイトにアクセスしている場合、再度アクセスしたい有用な情報を見つけていることでしょう。しかしその過程で、ニュースを読む、友達にメールを送信する、新しい靴を買うなど、多少寄り道していることはほぼ確実です。そこで、完了した検索についての情報を評価したり、有用な情報に再度アクセスしてトピックの検索を続けたりする際に役立つように、Journeys という新機能を試しています。

数週間にわたってヨセミテ国立公園への旅行について調べている場合を考えてみましょう。Journeys は、アクセスしたページのうち、ヨセミテ国立公園に関連するものをすべてまとめてくれます。そのため、閲覧履歴を細かく調べなくても、そのページを簡単に参照できます。さらに、関連する検索の提案も表示されるので、すぐに旅行の計画の続きに取りかかることもできます。


重要な点は、皆さんが Journeys のエクスペリエンスをコントロールできることです。たとえば、Journeys はいつでもオフにすることができます。また、Chrome の設定を使うか、アドレスバーに「clear browsing data」と入力することで、いつでも簡単に閲覧履歴を削除できます。必要に応じて、特定の内容に関する履歴だけを削除することも、履歴全体を削除することもできます。なお、現在の Journeys の試験運用はデバイス内の履歴をグループ化するだけで、Google アカウントには何も保存されません。今後のバージョンでは、ユーザーのフィードバックと関心を踏まえて、(ブックマークやパスワードのように)複数のデバイスの Chrome から Journeys にアクセスする機能を提供するかもしれません。

Journeys は、デスクトップ向けの Chrome Canary 版で試験運用として公開します。広く展開する前に改善できるように、皆さんのフィードバックをお待ちしています。

Chrome OS で検索結果を簡単に比較する

過去の履歴に再アクセスする機能に加えて、何かを積極的に検索するときに、探しているものを簡単に見つけるための方法についても試しています。贈り物の買い物、旅行の計画、友人と会食するためのレストランの比較、夕食のレシピの検索などをしているとき、皆さんは必要なものを見つけるために複数のサイトにアクセスしているはずです。

Chrome で検索結果を簡単に比較して、探しているものをすばやく見つけられるように、Chrome OS の Dev チャンネルで新しいサイドパネルの試験運用を行っています。これを使うと、ページと検索結果を同時に見ることができます。メインブラウザのウィンドウに直接ページを表示できるので、ページを行き来したり、検索結果を失ったりすることはなくなります。この試験運用の目的は、先月お知らせした機能と同じく、結果を比較するユーザーを Chrome がどのくらいサポートできるかを確認することです。

検索バーの隣の G アイコンをクリックするだけで、サイドパネルを開いて結果を表示できます。探しているものが見つかった場合や、もう結果が不要になった場合は、いつでもパネルをクローズできます。この機能の試験運用は、まず Chrome OS の Dev チャンネルの Google 検索で行います。今後は、この機能を広く展開することで、多くのプラットフォームの多くのデフォルト検索エンジンに拡大したいと考えています。
今回の試験運用は、Chrome によるウェブの検索をさらに便利にするために試行を繰り返しているもののうち、わずか 2 つにすぎません。Journeys はデスクトップ向けの Chrome Canary 版で、新しいサイドパネルは Chrome OS の Dev チャンネルで、近日中に確認できるようになります。動作の仕組みについては、もう少し詳しく説明する機会を設けたいと思っています。また、いつものように、皆さんのフィードバックもお待ちしています。