[go: nahoru, domu]

この記事は Dominik Mengelt, Nick Alteen による Google Developers Blog の記事 "When to step-up your Google Pay transactions as a PSP" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

ステップアップ認証とは

決済処理を行う際に、ユーザーの操作や一定のリスクシグナルに基づいて追加の認証手段を義務づける手法をステップアップ認証(略して「ステップアップ」)と言います。例として、ユーザーを 3D セキュアにリダイレクトして取引の認証を行うことが挙げられます。これにより、詐欺や支払拒否の可能性を下げることができます。次の図は、取引にステップアップが必要な場合に処理内容を決定するおおまかなフローを示しています。

取引のおおまかなフローを示した図
図 1: ステップアップが必要な場合は、取引を認可に送る前にリスクエンジンを起動する

状況により、取引の際に Google Pay API は次のどちらかの応答を返します。

  • 追加でステップアップや認証を行うことなく処理できる承認済みのペイロード。たとえば、ユーザーが決済用のカードを Google Wallet に追加する場合。この場合、発行銀行によるユーザーの本人確認が完了している。
  • 3D セキュアなどの追加の認証手段が必要なクレジットカード番号(PAN)。たとえば、Chrome の自動入力に保存してある決済カードで購入する場合。

allowedAuthMethods パラメータを使うと、Google Pay の取引で使えるようにしたい認証手段を指定できます。

"allowedAuthMethods": [
    "CRYPTOGRAM_3DS",
    "PAN_ONLY"

]


この例では、両方のタイプの決済シートを表示するように Google Pay にリクエストしています。たとえば、決済時にユーザーが決済シートから PAN_ONLY カード(トークン化されておらず、非接触に対応していないカード)を選択すると、ステップアップが必要になります。実例を 2 つ挙げましょう。


最初のシナリオでは、Google Wallet に追加してあるカードが Google Pay シートに表示されています。カードのイメージと発行銀行の名前も表示されています。決済時にユーザーがこのカードを選択した場合、CRYPTOGRAM_3DS 認証手段に該当するので、ステップアップは不要です。

一方、2 つ目のシナリオのシートには、通常のカード ネットワークのアイコンが表示されています。これは PAN_ONLY 認証手段を表しているので、ステップアップが必要です。

PAN_ONLY vs. CRYPTOGRAM_3DS

両方の決済形態を認めるかどうかは、皆さんの判断です。CRYPTOGRAM_3DS の場合、Google Pay API は cryptogram も返します。また、ネットワークによっては、eciIndicator も返します。認可を続けるうえで、これらのプロパティを活用してください。

PAN_ONLY

この認証手段は、ユーザーの Google アカウントの決済カードに紐付けられています。返される決済データには、PAN と有効期限年月が含まれます。

CRYPTOGRAM_3DS

この認証手段は、発行者が提供する Android デバイス トークンとして保存されているカードに紐付けられています。返される決済データには、デバイスで生成された暗号文が含まれます。

Google Pay の取引でステップアップを使うべきタイミング

loadPaymentData メソッドを呼び出すと、Google Pay API は暗号化した決済トークン (paymentData.paymentMethodData.tokenizationData.token) を返します。復号化した paymentMethodDetails オブジェクトには assuranceDetails プロパティが含まれています。これは次のような形式になっています。

"assuranceDetails": {
    "cardHolderAuthenticated": true,
    "accountVerified": true
}

cardHolderAuthenticated と accountVerified の値によって、ステップアップ認証が必要になる場合があります。次の表に、考えられるシナリオと、取引にステップアップ認証を使うことを Google が推奨しているかどうかを示します。

cardHolderAuthenticated

accountVerified

ステップアップが必要

true

true

いいえ

false

true

はい

cardHolderAuthenticated と accountVerified の両方が true を返した場合のみ、ステップアップを省略できます。

次のステップ

まだ assuranceDetails を使っていない方は、利用を検討し、必要に応じて取引のステップアップを行ってください。また、欧州経済領域(EEA)で決済処理を行う場合は、強力な顧客認証(SCA)ガイドもご覧ください。Twitter で @GooglePayDevs をフォローすると、今後の最新情報を受け取ることができます。質問がある方は、ツイートに #AskGooglePayDevs を含めて、@GooglePayDevs をメンションしてください。



Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

この記事は Google Pay、デベロッパー アドボケート、Soc Sieng による Google Developers Blog の記事 "Updated Google Pay button increases click-through rates" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

Google Pay ヘッダー

Google Pay ボタンが改善され、クリックスルー率とご購入手続きのエクスペリエンスの向上にすばらしい効果を発揮しています。

アップデートされた Google Pay ボタンには、ユーザーのカード情報が表示されます。これにより、ユーザーがボタンを使う確率が 30%、コンバージョン率が 3.6% 上昇します。

カードの種類と下 4 桁を表示することで、ユーザーは支払いに使うカード情報が Google アカウントに保存済みであることを認識し、Google Pay が提供する素早く簡単な購入手続きを選ぶ可能性が高まります。

動作の仕組み

ユーザーが購入するときに、Google アカウントに有効な支払い方法が設定済みであれば、Google Pay ボタンに最後に使ったカードの種類と下 4 桁が表示されます。

動的な Google Pay ボタン

図 1. 追加情報を含む Google Pay ボタンの例

Google Pay ボタンで支払う

図 2. 追加情報を含まない Google Pay ボタンの例

カード情報を表示する方法

デフォルトのボタン オプションで createButton API を使うと、Google Pay ボタンが自動的にアップデートされ、ユーザーのカード ネットワークと下 4 桁が表示されるようになります。

createButton API をカスタマイズして buttonTypeplain または short に設定していた場合は、buy に設定すると、Google Pay ボタンにユーザーのカード情報が表示されます。

まだ createButton API を組み込んでいない方は、クリックすれば支払いの詳細が開くことをユーザーが認識できるように、今すぐ組み込むことをご検討ください。

実例

Google Pay ボタンをその他のボタン オプションで試すには、こちらのボタン カスタマイズ ツールをご確認ください。

次のステップ

Google Pay を始めるには、Google Pay の Business Console にアクセスします。新機能を使うには、createButton API を利用する必要があります。ご質問があれば、Twitter で #AskGooglePayDevs を使って @GooglePayDevs にツイートしてください。



Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

この記事は Google Pay プロダクト マーケティング、Cole Stuart による Google Developers Blog の記事 "The digital wallet is here to stay. It’s time for your business to cash in." を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

デジタル ウォレットは急速に普及が進み、ここ数年でユーザーによる採用と企業による受け入れが大幅に拡大しています。ここ数か月の動向を見てもわかるように、COVID-19 パンデミックの期間で従来型のカードや現金からデジタル決済へと向かうトレンドは加速する一方です。FIS Global Payments Report によれば、2019 年の世界の e コマースによる消費の 40% 以上が Google Pay、Apple Pay、Alipay などのデジタル ウォレットによるものでした1。今年は、10 億人以上の消費者がデジタル ウォレット決済を行うと予測されています。 

この動きは、まだ始まったばかりだと考えられます。今後 5 年間で、デジタル ウォレットの採用は急速に増加するでしょう。Worldpay のホワイト ペーパーでは、デジタル ウォレットの採用が貴社のような企業にどのようなメリットをもたらすのかが解説されています。主なポイントを以下にまとめます。
デジタル ウォレットが提供すべきもの Google Pay などのデジタル ウォレットは、企業の業績を向上させるだけでなく、日々の消費者に独自の価値を提供します。以下のようなメリットがあります。
  • コンバージョン率の上昇
  • シームレスなチェックアウト体験
  • カートの破棄率の低下
  • 高度なセキュリティと保護
Google Pay のご購入手続き画面
デジタル ウォレット vs 通常のカード決済 企業がデジタル ウォレットを採用すると、実際に具体的なメリットが得られます。たとえば、以下のようなものです。
  • 企業がデジタル ウォレット決済を利用すると、通常のカード決済と比べて、承認率は大幅に高く、拒否率は大幅に低くなります2
  • ほとんどのマーケットでは、デジタル ウォレットの決済総額はカードよりも低くなっていますが、2019 年の米国のデジタル ウォレット決済の価値は、通常のカード決済よりも平均 25% 高くなっています2

企業で Google Pay を導入する方法 デジタル ウォレットを採用し、お客様にシームレスな決済体験を提供する準備はできているでしょうか。導入はたった 4 段階の簡単なステップで完了します。こちらの Business Console でサインアップし、デベロッパー サイトにアクセスして詳しい情報を確認してください。こちらから、ホワイトペーパーの全編もご覧いただけます。他の企業が Google Pay を使ってどのように持続的な効果を実現したかを示す、これまでのケーススタディも掲載されています。
Business Console プロセスの図
ホワイトペーパーが気になった方は、以下の連絡先に直接ご連絡ください。

Google:

Steve Klebe

Google Pay、PSP パートナーシップ責任者

sklebe@google.com

Worldpay:

Rami Josef

Worldpay、シニア プロダクト マネージャー

rami.josef@fisglobal.com

[1] - Worldpay by FIS Global Payments Report
[2] - 出典は、2018 年第 4 四半期から 2020 年第 1 四半期のデータを使用した Worldpay の Worldwide Payments Gateway(WPG)

ご意見をお寄せください

質問がある方は、以下のコメント欄か、#AskGooglePayDev を使ってツイートしてお知らせください。

Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

この記事はデベロッパー アドボケート、Soc Sieng による Google Developers Blog の記事 "Simpler Google Pay integration for React and web developers" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

Google Pay API を使うと、迅速かつ簡単にウェブサイトで決済を行えます。
Google Pay JavaScript ライブラリは外部のライブラリやフレームワークに依存せず、ウェブサイトでどんなフレームワークが使われていても動作します(もちろん、使われていなくても動作します)。幅広い互換性が確保されているものの、ウェブサイトでフレームワークを使っている場合は、必ずしも簡単に統合できるとは限りません。そこで、この問題をどうにかしようとしています。

React 用の Google Pay ボタンの導入

React はウェブの UI の構築に特に広く使われているツールです。そこで、React 用の Google Pay ボタンをリリースし、効率良く統合できるようにしました。このコンポーネントを使えば、React の初心者でも経験豊富なベテランでも、また Google Pay を初めて組み込む方でも経験者でも、React を用いたウェブサイトに Google Pay を簡単に組み込むことができます。
このコンポーネントは GitHub のオープンソース プロジェクトとして公開されており、npm からも利用できます。この React コンポーネントは TypeScript で書かれており、対応しているエディタではコード補完が利用できます。また、ウェブサイトを TypeScript で構築している方は、入力中に型検証によってよくある問題を特定することもできます。

サポートされているエディタでは、リアルタイムでコードの補完と検証を行うことが可能

スタートガイド

最初のステップは、npm から Google Pay ボタン モジュールをインストールすることです。
npm install @google-pay/button-react

ボタンの追加と設定

Google Pay ボタンを React コンポーネントに追加するには、まずボタンをインポートします。
import GooglePayButton from '@google-pay/button-react';
その後、必要な設定値を使ってレンダリングします。
<GooglePayButton
  environment="TEST"
  paymentRequest={{ ... }}
   => {}}
  />
JSFiddle で試してみてください。
サポートされている設定プロパティの完全なリストは、コンポーネントのドキュメントをご覧ください。
統合を完了するには、paymentRequest.merchantInfo に 販売者 ID を設定する必要がある点に注意してください。販売者 ID は、Google Pay Business Console から取得できます。

販売者 ID は Google Pay Business Console で確認できる

その他のフレームワークのサポート

他のフレームワークを使っている、またはフレームワークをまったく使っていないデベロッパーのためのエクスペリエンスの改善も行っています。今回、Google Pay ボタン Custome Elementも同時にリリースしたのはそのためです。
Custom Element には次のような特長があります。
React コンポーネントと同様に、Google Pay ボタンCustom Element も GitHub にホストされており、npm から利用できます。実は、React コンポーネントと Custom Element は同じリポジトリを共有しており、コードの大部分も共通です。そのため、両方のバージョンが同等の機能を維持し、同じレベルで考慮されることになります。
JSFiddle でお試しください。

Google Pay JavaScript ライブラリ

既存の Google Pay JavaScript ライブラリに変更はありません。React コンポーネントや Custom Element の代わりに、Google Pay JavaScript ライブラリを直接使い続けることもできます。2 つのコンポーネントは、どちらも内部的に Google Pay JavaScript ライブラリを使っており、Google Pay JavaScript ライブラリ上に便利なレイヤーを提供しています。

フィードバック

私たち(Google Pay チーム)がフレームワーク固有のライブラリをリリースするのは、今回が初めてです。ぜひ、皆さんのフィードバックをお聞かせください。
Web Component 版の Google Pay ボタンは、React 以外のほとんどのフレームワークで利用できます。メリットや需要に応じて、他のフレームワークのサポートを追加することも検討する可能性があります。
React コンポーネントや Custom Element で問題が発生した場合は、GitHub の Issue に登録してください。または、問題を特定してその解決策を思いついた方は、遠慮なくプル リクエストをお送りください。その他の Google Pay 関連のリクエストや質問は、Google Pay Business Console の Contact Support オプションからお知らせください。

ご意見をお寄せください

質問がある方は、以下のコメント欄か、#AskGooglePayDev を使ってツイートしてお知らせください。


Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

この記事は Chrome プロダクト マネージャー、Sabine Borsay による Chromium Blog の記事 "Easier Payments with Chrome" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


ユーザーはウェブでのショッピングに高い期待を寄せています。それは、休暇の予約をする場合でも、人気のコンサートのチケットが売り切れる前に購入する場合でも変わりません。ユーザーが求めているのは、どんな端末を使っても、高速でシームレス、そして安全なショッピングができることです。

そこで本日(元記事公開時)より、Chrome による支払いの利便性を向上させています。ノートパソコンで Chrome にログインすれば、以前に Google アカウントに保存した支払い手段を使って支払いフォームに入力することができます。また、この機能は Chrome 同期をオンにしなくても使うことができます。さらに、Google Pay が利用できる場合は、Google アカウントに保存した支払い情報をすべての端末のログイン済みの Chrome から使うことができます。

主導権は常に皆さんにあります。ログインしている状態なら、Chrome は Google アカウントのカードを使うオプションを提示し、カードの CVC を確認します。アカウントに新しいカードを保存すると、Google Pay から追加情報が記載された確認メールが送信されます。アカウントのカード情報は、[Google Account] > [Payments & subscriptions] > [Payment methods] からいつでも管理や削除が可能です。



この新機能を使っても、Chrome 同期はオンになりません。もちろん、支払い方法の保存を端末のローカルのみにとどめたい場合は、そうすることもできます。[Chrome Settings]  > [Payment methods] > [Add] からカードを追加してください。Google のウェブサイトにログインすると、Chrome にも同じアカウントでログインされます。[Allow Chrome sign-in] をオフにすると、この機能を完全に無効にすることができます。

ブラウザを開くときは、必ず行いたいタスクがあるはずです。私たちが Chrome を構築したのは、検索、ウェブサイトの閲覧、商品の購入などの操作をできる限り高速かつ安全に行えるようにするためです。この機能も、皆さんの体験を改善する方法の 1 つです。


Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

この記事は Google Shopping & Payments の記事 "Bringing it all together with Google Pay" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

もしAndroid Pay を使ってお店で買い物をしたり、Chrome で支払いフォームにカード情報を自動入力したり、Google Play でアプリを購入したことがあれば、Google がオンラインやお店などの様々な場面でのお支払いをサポートしていることを、既に体験されているかと思います。私たちはこれらの体験をより簡単で、より安全で、一貫性のあるものにするよう努めてきました。

この度、これらの様々な決済サービスを今後、「Google Pay」として一つのブランドに統合していくことをお知らせします。

Google Pay により、Google アカウントに保存されているカード情報を使って、安心かつ簡単にお支払いすることができます。今後、オンラインで、お店で、または Google の様々なサービスで、Google Pay が利用できるようになります。



Google Pay を使用すると、アプリやウェブサイトでの支払い時のコンバージョン率を高め、カートが放棄される回数を減らすことが期待できます。実装方法については、Google ペイメントソリューションのウェブサイトを確認ください。また、Stripe、ACI ワールドワイド、GMO ペイメントゲートウェイ、ソフトバンク・ペイメント・サービス、ベリトランス、ペイジェントなどのパートナーと連携することで、よりスムースな実装が可能となります。


様々な決済サービスをひとつのブランドに統合することは、Google Pay としての第一歩です。今後のアップデートにご期待ください。


Google Pay チーム