[go: nahoru, domu]

[この記事は Akshay Kannan、プロダクト マネージャーによる Google Developers Blog の記事 "Surface new proximity-based experiences to users with Nearby" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

Google はこのたび、ユーザーが身の回りのものを発見し、それらとやりとりするための新しい場として、Android 向けに Nearby を公開しました。これは昨年公開した Nearby API を拡張したもので、近くにある他のデバイスやビーコンを簡単に発見し、通信できるようにします。Google では今年になって既に、Chrome for Android で Physical Web 対応ビーコンの実験も開始しています。Nearby によって、私たちはこうした取り組みをさらに一歩進めようとしています。

買い物の最中にバーコード スキャナーを起動するとか、博物館を見学中にオーディオ ツアーを見つけるといった場面を考えてみてください。Nearby が実現するのはそうしたエクスペリエンスです。Google はこれを可能にするために、デベロッパーが自分のモバイルアプリやウェブサイトを、ビーコンと関連づけられるようにしました。


既に数多くのデベロッパーがビーコンと Nearby を利用して、ロケーションベースの圧倒的なエクスペリエンスを開発しています。

  • ロサンゼルスの美術館 The Broad は、Area360Sensoro と協力して、来館者が展示を楽しみながら利用できるアプリ内オーディオツアーを提供しています。
  • ユナイテッド航空Radius Networks とともに、搭乗前にアプリをインストールしておけば、機内で無料上映される映画やテレビ番組をアプリでもっと簡単に視聴できるようにしました。
  • ノートルダム大学Radius Networks と共同で、キャンパスや周辺の重要施設を紹介するバーチャルツアーを来校者に提供し、喜ばれています。
  • CVSRadius Networks と協力して、来店客が写真プリントを簡単に注文し、店頭端末でプリントできるようにしています。
  • Airside の Mobile Passport は、旅行客が事前にスマートフォンからオンラインで税関申告書に記入し、提出しておけば、空港内で税関手続きの列に並ばなくてもすむシステムを、Bluvision と共同で開発しました。


Nearby の導入は簡単です。まず、Eddystone Beacons をいくつか入手しましょう。そうしたビーコンは、Eddystone 認証メーカーに注文できます。Android デバイスや BLE 対応スマートデバイスを、Eddystone フォーマットでの送信を行えるよう設定することもできます。

次に、対象としたいエクスペリエンスをリンクするように、入手したビーコンを設定します。Physical Web を使用してモバイルウェブページにリンクすることも、自分のアプリ内のエクスペリエンスに直接リンクすることもできます。アプリを持たないユーザー向けには、モバイルウェブにフォールバックを用意するか、アプリのダイレクト インストールを要求するか、いずれかの方法が可能です。

Nearby は、近々リリースされる Google Play サービスの一部として、ユーザーへの公開を開始しており、Android 4.4(KitKat)以上のバージョンを搭載しているデバイス上で動作します。導入にあたっては、Google のデベロッパー向けドキュメントをご確認ください。Android の Nearby 通知機能について詳しく知るには、Google I/O 2016 でのセッションもご覧ください。



Posted by Takeshi Hagikura - Developer Relations Team

[この記事は Physical Web の旅人 Ani Mohan による Chroimum Blog の記事 "The Physical Web expands to Chrome for Android" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

Physical Web は、省エネタイプの Eddystone Bluetooth ビーコンを使って、ユーザーが現在いる場所に関係のある URL を探すサイトです。iOS 向けの Chrome では、すでに昨年 Physical Web をサポートするための最初のステップが始まっており、将来有望なアプリケーションについての調査も行われています。Android 向けの Chrome では、バージョン 49 以降で Physical Web のコンテンツがカバーされるようになり、さらにたくさんの方にサイトをご利用いただけるようになりました。

Physical Web 対応のビーコンも普及しつつあり、デベロッパーはさまざまな方法でこのプラットフォームの実験を行っています。Mozilla コミュニティのあるコントリビューターは、Bluetooth ビーコンを使ってドローンを検出し操作する Physical Web のデモを作成しています。Brookwood 中学校では BKON のビーコンを使って、授業のノート、スポーツ大会の結果、最新ニュースなどを回覧しています。ビーコンのメーカー Radius Networks は、つい先日開催されたCES®(Consumer Electronics Show) で、参加者をショールームに案内するため、会場に 1,500 個のビーコンを配置しました。また NBA のチーム、Golden State Warriors は本拠地の Orace Arena で、Signal360 からの支援も得ながら Physical Web を利用し、会場を訪れたファンに向けて、試合のハイライト ビデオや歓迎用のコンテンツを提供しています。

Physical Web の Bluetooth ビーコンを利用したスカベンジャー ハントも実施された CES® 2016

Android 版の Chrome ユーザーが対象に加わったため、Physical Web のデベロッパーはベータ チャネルを開設し、間もなく本格的な展開も始める予定です。初めてのビーコンのそばを通り過ぎたユーザは通知を受信し、その通知から Physical Web のサービスを有効化することができます。その後ユーザーがビーコンに遭遇すると、バイブレーションなしの通知が送信され、通知をタップすると、近隣の情報の URL のリストが入手できます。
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Physical Web が Android 向け Chrome に拡大

デベロッパーは、Eddystone 準拠のビーコンを設定して任意の URL を Eddystone-URL フレーム タイプでブロードキャストすることにより 、自身が開発した Web コンテンツを Physical Web に検出させることができます。Physical Web は Android 向けの Chrome と密接に統合されているため、1度導入するだけで、モバイル プラットフォームの違いを超えて、あらゆる Chrome ユーザーに、状況に応じた情報を届けることができます。

Physical Web は現在も進化し続けています。そして、状況に応じたサービスを提供する仕組みをどのようにデベロッパーが活用してくれるのか、私たちもとても楽しみにしています。皆さんもどうぞ、私たちのメーリング リストに参加して会話に加わってください。また、何が実現できるのかを詳しく知りたい場合は、Physical Web Cookbookにアクセスしてください。

Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team


[この記事は Jake Leichtling、Physical Web 調査担当による Chromium Blog の記事 "Exploring the Physical Web with Chrome for iOS" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

インターネットに接続されている現在の世界では、人々と瞬時に電子的なやりとりをする方法が数多く存在します。たとえば、高度なパーキング メーターではクラウドを介して支払いをすることができます。ただし、開発者にとっては、人々が簡単にアクセスできるコンテクスチュアルなエクスペリエンスの構築は容易ではありません。スマートフォンが普及した現在でも、ユーザーは外出中にアプリのインストールをしたり URL の入力をしたがらないという傾向があります。

Physical Web は、ユーザーが抵抗なく使用できるコンテクスチュアルなインタラクションを構築するために役立つオープン ソース アプローチです。数か月前、Chrome for iOS に Today ウィジェットが追加され、ユーザーが新しいタブを開いたり、通知センターから直接音声検索を実行したりできるようになりました。 また、新しい Chrome for iOS では Physical Web が Chrome Today ウィジェットに統合され、ユーザーが自分に関係のある Web コンテンツのオンデマンド リストにアクセスできるようになりました。
先日発表されたオープン Bluetooth Low Energy ビーコン フォーマットである Eddystone を使用した Physical Web により、コンテンツを検索可能にすることが容易になりました。Eddystone では、各種のユースケースのために複数のフレーム タイプがサポートされます。Physical Web は、圧縮された URL を表示するために設計されたビーコン フレーム タイプの Eddystone-URL を使用し、ブロードキャストされるコンテンツを表示します。コンテンツを Physical Web に追加するには、Eddystone-URL をサポートするビーコンを設定して、選択した URL を送信するだけです。

Physical Web を有効にしているユーザーが Today ビューを開くと、Chrome ウィジェットがブロードキャストされた URL をスキャンしてその結果を表示し、ビーコンとの距離を推測してコンテンツをランク付けします。Physical Web によって実現されるユーザー エクスペリエンスをより詳しく知りたい場合は、Google の Cookbook にアクセスし、GitHub のオープン ソース コミュニティに参加してください。

新しい Chrome for iOS は、ユーザーの日々のモバイル エクスペリンスに、Physical Web へのアクセスを追加するための最初の試みといえます。エコシステムの拡充に伴い、 Google は Physical Web を ユーザーの手元に届ける新しい方法を模索し続けます。みなさんの開発した新しいコンテクスチュアル エクスペリエンスに出会える日を楽しみにしています。

Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team