[この記事は Rob Jagnow、Google VR ソフトウェア エンジニアによる Google Developers Blog の記事 "Daydream Labs: animating 3D objects in VR" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

ゲームをプレイしている場合でも、ビデオを見ている場合でも、VR で新しい世界に入り込み、ストーリーのヒーローになることができます。しかし、自分のストーリーを伝えたい場合はどうすればよいでしょうか。


臨場感のある 3D アニメーションの制作は難しく、コストもかかります。キーフレームを設定してスプライン補間を行う複雑なソフトウェアや、俳優の動きをライブでトラッキングするための高価なモーション キャプチャを必要とします。プロのアニメーターは、自然で表現力の高いシーケンスを作るためにかなりの労力を費やします。

Daydream Labs では、VR でアニメーションを行う際に技術的な複雑さを緩和し遊び感覚を向上させる方法を実験してきました。ある実験では、被験者がおもちゃを拾い上げたり、それを時間や空間の中で動かすことで、キャラクターを生き生きと動き回らせ、そのシーンをリプレイすることができました。



このようにして構築したアニメーションの実験で人々が遊ぶのを見て、いくつかのことに気づきました。

VR では複雑なメタファーは必要ない: 2D で複雑になる可能性があるものでも、3D では直感的にすることができます。グラフ エディタや位置を表すアイコンでアニメーションする代わりに、単純に手を伸ばして仮想世界にあるおもちゃをつかみ、シーンの中でそれを動かすことが可能です。このようなシンプルなアニメーションには手作りの魅力があり、驚くほど高度に感情を表現できました。

学習曲線がゼロに: 現実世界のおもちゃをどう使えばよいかはよくわかっているので、実験に参加した人々は、すぐにストーリーを伝え始めることができました。長いチュートリアルがなくてもアニメーションを変更したり、追加の説明なしに新しいキャラクターを追加することができました。

仮想環境での反応は現実世界での反応と同じ: VR 環境の遊び場に足を踏み入れた人々は、そこが、おもちゃを使って安全に遊ぶことができる場所だと理解し、臆することなくキャラクターを演じたり、愉快な声を出して遊んでいました。この仮想環境は遊ぶために作られているとわかっているので、さまざまなリスクにも挑戦しようとします。

さらに複雑なアニメーションを作るために、1 つのキャラクターの複数の関節を独立してアニメーションする別の実験も構築しました。操り人形のようにキャラクターの足、手、頭を別々にアニメーションさせ、その動きを記録できるものです。



VR は、ソフトウェアに対する考え方を変え、ユースケースを自然で直感的なものにします。この種のアニメーション システムはプロ用のツールの代替にはなりませんが、誰でも自分のストーリーを伝えることができます。VR を使ったストーリーの表現には、ビデオやアニメーションをはじめとしてさまざまな例があります。多くのクリエーターが VR で自身のストーリーを共有し、新しい視点が生みだされることを楽しみにしています。


Posted by Takeshi Hagikura - Developer Relations Team