この記事は Greg Hartrell, Head of Product Management, Games on Android & Google Play による Android Developers Blog の記事 "Google for Games Developer Summit March 2020" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。




皆さんと直接顔を合わせることができないのは残念でしたが、Google for Games Developer Summit は無事デジタルで配信されましたので、その内容を掻い摘んでここに報告させていただきます。

Android ゲームのエコシステムは盛り上がりを見せながら拡大し続けています。実際、Android は世界で最も人気のあるモバイル プラットフォームであり続けており、月に 25 億台以上の端末が使われています。ゲームに関して言えば、Google Play のゲームは 1 か月あたり 1.4 兆分以上もプレイされています。また、私たちにとって重要なことは、このプラットフォームをあらゆる種類のゲーム デベロッパーにとっても、便利なものとしていくことです。その一例として、Google Play のゲームは 65 か国以上に配布できるだけでなく、180 種類の携帯通信会社による課金オプション、世界中の 90 万箇所の小売店で扱われているギフトカードを含め、ユーザーの居住地に合わせた 275 以上の支払い方式を使用することができます。

Android や Google Play 全体にわたる私たちのミッションは、ゲームを開発、発見、体験するための最高のプラットフォームを提供することです。特に皆さんがすばらしいゲームを作り、そのゲームを多くのプレイヤーに届けるお手伝いすることには集中的に取り組んでおり、これまでさまざまな開発を続けてきました。Google for Games Developer Summit では、とりわけゲーム デベロッパーを意識して開発した複数の新しいツールやサービスについての発表をさせていただきました。以下のビデオは日本語字幕付きでも見られますので、ぜひご覧ください。


g.co/gamedevsummit で共有されているすべての情報をキャッチアップ




モバイルゲーム開発のための新しい Android ツール


私たちが主に取り組んでいる分野は、デベロッパーが Android 用のゲームを簡単に開発して最適化できるようにすることです。ここでは、今回リリースする複数の新しいツールについて説明します。

●Android Studio プロファイラ : Android Studio の System Trace プロファイラを全面的に見直し、コードがどのように実行されているのかをデベロッパーが詳しく調査して視覚化できるようにしました。さらに、ゲームがどのようにメモリを割り当てているのかを確認したり、メモリリークを見つけたりできるように、ネイティブメモリプロファイリング機能も追加しました。Android Studio 4.1 Canary をダウンロードし、セッションもご覧ください。

●Visual Studio 用の Android ゲーム開発拡張機能 : クロスプラットフォームゲームに Android サポートを簡単に追加できるようにする新ツールを導入します。これは、既存の Visual Studio ベースのワークフローに簡単に組み込めるので、APK の生成、Android 端末やエミュレータへのデプロイ、Visual Studio からの Android ゲームのデバッグを効率よく行えるようになります。デベロッパー プレビューに申し込みセッションもご覧ください。

●Android GPU Inspector : 新しい Android GPU Inspector を使うと、Android GPU を詳細に分析し、ゲームのレンダリングステージや GPU カウンターについての詳しい情報を確認できます。これにより、グラフィック エンジニアは情報や分析を活用し、ゲームを最適化してフレームレートや電池寿命を向上できるようになります。デベロッパー プレビューに申し込みセッションもご覧ください。

●Google の Unity 用ゲームパッケージレジストリ : この新しいパッケージレジストリは、さまざまな Google API を統合します。Google Play Billing、Android App Bundle、Play Asset Delivery、Play Instant、Firebase for Games を始めとして、あらゆるものが 1 つにまとまっています。詳細を確認し、セッションもご覧ください。

●Crytek が Android のサポートを発表 : CRYENGINE は、PC やゲーム機向けの高パフォーマンス ゲームエンジンとして知られています。この夏、このエンジンに完全な Android パイプラインが加わります。詳細はこちらをご覧ください。


さらに多くの端末やユーザーをカバーする新たな方法


デベロッパーの皆さんが、Android エコシステム全体で拡大しているプレイヤーにより容易にリーチできるよう、開発プロセスをサポートし、ゲームのパフォーマンスについて多くの知見を提供できるいくつかの新しいツールを導入します。

●Google Play Asset Delivery : App Bundle インフラストラクチャをベースに構築された、ゲームサービスを配信するための一連の新機能で、適切なゲームアセットを適切なタイミングで適切な端末に直接無償で配信します。この機能により、プレイヤーはアセットのダウンロード中にこれまでよりも早くゲームを楽しめることができ、デベロッパーはゲームのリソースのホスティングや配信にかかる費用を節約できます。詳細を確認し、セッションもご覧ください。

●Android vitals ネイティブクラッシュシンボリケーション : Play Console でシンボリケーションがサポートされ、ネイティブ コードでのクラッシュをさらに簡単にデバッグできるようになります。この機能は、ネイティブのデバッグシンボルをアップロードするだけで利用できます。オープンベータ版に申し込みセッションもご覧ください。

●Android vitals パフォーマンス インサイトと Android Performance Tuner : Android vitals の新しいパフォーマンス インサイトを活用し、フレームレートや多くの端末での再現度を最適化しましょう。新しいインサイトを得るには、Android Game SDK の新ライブラリである Android Performance Tuner をゲームに組み込みます。デベロッパー プレビューに申し込みセッションもご覧ください。

●Unity デベロッパー用 Play Billing Library 2 : Unity を使っているゲーム デベロッパーが、Play Billing Library 2 の全機能にアクセスできるようになり、現金払いやゲーム外での IAP 購入なども利用できます。これは、Unity デベロッパーが 2021 年の Play の Billing Library バージョン要件に対応する最善の方法です。詳細はこちらをご覧ください。


多くの端末をカバーし、市場開拓に成功するための新手法


Google Play ストアは、ゲームプレイを重視し、実際のゲームプレイの様子を伝える視覚表現を増やしていきます。また、ユーザーが特定のゲーム機能についての詳細を参照したり、検索したりできる新しいタグシステムも導入します。さらに皆さんの市場開拓活動の成功をサポートする以下の様なサービスがありますのでぜひご活用ください。


●品質を強調 :  優れた技術的パフォーマンスを備え、クラッシュしない、没入できるゲームプレイを推進するため、Google Play 全体で高品質なゲーム エクスペリエンスを強調する活動を続けています。詳細はこちらをご覧ください。

●事前登録 :  毎年、数億人のプレイヤーに利用されている Google Play の事前登録キャンペーンは、リリース時の到達範囲を効率的に拡大する方法です。早い時点でユーザーに気づいてもらい、リリース前の需要を逃さないように、事前登録されたすべてのゲームをローンチ初日に自動インストールする機能を近日中にロールアウトする予定です。

●Play Pass : 昨年後半に米国市場でサービスを開始した Play Pass は、ユーザーが Google Play で数 100 個のすばらしいアプリやゲームが利用できるサブスクリプション サービスです。広告やアプリ内購入はありません。詳細を確認し、お申し込みください。


すばらしいゲームを開発し、プラットフォームに提供し続けていただき、どうもありがとうございます。ぜひ、今回リリースしたばかりの新しいツールやサービスのいくつかも試してみてください。最新機能の開発を手助けするためにフィードバックを共有したい方は、Android や Google Play からデベロッパープレビュー プログラムにお申し込みください。Android で開発しているゲーム デベロッパーをサポートするすべてのプロダクトやサービスについては、d.android/games からも確認できます。




Reviewed by Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC