この記事は Dave Burke による Android Developers Blog の記事 "Android 11: Beta Plans" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

更新:日本時間  6 月 4  日午前  0 時より予定していた Android 11 The Beta Launch Show は昨今の事情を鑑み、延期いたします。なお、Android 11 ベータリリースについては改めてご案内します。


Android 11 ダイヤルロゴ

私たちが Android 11 を計画し始めたとき、世界のほぼすべての地域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がこの様な事態を引き起こすとは想定していませんでした。この変化によって、柔軟性や連携を維持できる新しい働き方を見つけなければならないという課題が生まれています。特に大きな課題は、デベロッパー コミュニティとの連携です。

そのような課題に対処できるように、Android 11 のリリース スケジュールを変更することをお知らせします。4 回目の Developer Preview を 5 月 6 日に公開し、Beta 1 のリリースを 6 月 10 日に変更します。また、#Android11: The Beta Launch Show というオンライン デベロッパー イベントを開催いたします。そこではリリースに関する情報をもれなくお伝えするとともに、必要になる技術リソースを提供します。

#Android11: The Beta Launch Show にご参加ください

このような状況のため、例年のように、 Shoreline Amphitheatre で開催するデベロッパー カンファレンス Google I/O で皆さんと直接お会いすることは叶いませんでした。しかし今年は、おすすめの Android の新機能をまとめて紹介するオンライン イベントを企画しています。ぜひ、#Android11: The Beta Launch Show にご参加ください。Android の開発担当者から Android の新機能について聞くことができるチャンスです。司会を務めるのは私、Dave Burke です。 6 月 3 日午前 11 時(日本時間 6 月 4 日午前 0 時)に始まります。さらに、イベント後にはライブ Q&A を行います。質問に #AskAndroid を付けてツイートし、ライブで回答してもらいましょう!




当日はその他にも、Android 開発に最新機能を役立てていただけるよう、もともと Google I/O のために企画していた Jetpack Compose、Android Studio、Google Play などのさまざまなトピックについてのトークを共有します。developer.android.com/android11 でサインアップすると、このデジタル イベントの最新情報を受け取ることができます。

Android 11 スケジュールのアップデート

この業界は猛スピードで動いており、パートナーの端末メーカーの各社は、今年中に新しいコンシューマ向け端末に Android 11 を搭載できるようになることを期待しています。また、Platform Stability などのマイルストーンも踏まえて、多くの皆さんが早い段階で Android 11 を使ってアプリやゲームをテストする作業を優先していることも把握しています。その一方で、私たちはリモートで協力し合いながら、家族や友人、同僚の健康も優先していかなければなりません。

そこで、デベロッパーやパートナーへの影響も考慮しつつ、エコシステムのニーズを満たすことができるように、Android 11 のリリース スケジュールに少しばかり余裕を持たせることにしました。Beta 1 とその後のすべてのマイルストーンを約 1 か月ずらします。これにより多少の余裕ができますが、第 3 四半期中に最終リリースを公開するという計画は維持できます。

新しいスケジュールの主な変更点は、以下のとおりです。
  • テストとフィードバックのために、Developer Preview 4 を 5 月 6 日にリリースしました。
  • Beta 1 のリリース日を 6 月 3 日に変更します。このリリースには確定版の SDK および NDK API が含まれます。また、Android 11 をターゲットにしたアプリを Google Play で公開できるようになります。
  • Beta 2 のリリースは 7 月に変更します。このリリースで、Platform Stability に到達します。
  • Beta 3 のリリースは 8 月に変更します。これには最終テスト用のリリース候補ビルドが含まれます。
確定版の API は元のスケジュールと同じタイミングで提供しますが、それ以外の日付は移動します。これにより、確定版の API を使ってコンパイルやテストを行う期間が 1 か月延びますが、Platform Stability から第 3 四半期後半に予定されている最終リリースまでは同じ期間を確保できます。次の図のスケジュールをご覧ください。
Android 11 タイムライン プレビュー プログラムの概要には、この新しいスケジュールがアプリのデベロッパーにもたらす影響について詳しく記載されています。

アプリの互換性

スケジュールの変更により、アプリの互換性テストを行って必要な作業を判断する時間が増えることになります。アップデートを受け取る Android ベータ版のユーザーはさらに多くなるので、6 月 3 日公開の Android 11 Beta 1 までに互換性のあるアプリのアップデートをリリースし、フィードバックを得られるようにすることをお勧めします。
Beta 1 のリリースとともに、SDK および NDK API は確定版になります。また、7 月の Platform Stability に到達すると、システムの動作と非 SDK グレーリストも確定します。その時点で、最終的な互換性テストと、完全に互換性のあるアプリ、SDK、ライブラリのリリースをできる限り早く行う計画を立てて、最終版の Android 11 のリリースに備えてください。詳細については、デベロッパー タイムラインをご覧ください。

互換性テストは、Pixel 2、3、3a、4 端末または Android Emulator を使って実施できます。最新ビルドを書き込み、現在の本番アプリをインストールして、ユーザーフローをテストしてください。また、アプリに影響する可能性がある領域について、動作の変更点を確認してください。現時点では、アプリの targetSdkVersion を変更する必要はありません。ただし、アプリのターゲットを新しい API レベルに設定すると多くの変更が適用されるため、作業の評価を行うことをお勧めします。

Android 11 の利用を開始する

5 月 6 日、最新のバグの修正、API の微調整、アプリで試用できる機能を反映した Developer Preview 4 をプッシュしました。Pixel 2、3、3a、4 の各端末で手動でのダウンロードと書き込みを行うことができます。既に Developer Preview ビルドを実行している場合は、 OTA(無線)アップデートを受け取ります。

Android 11 についての全体の情報は、Android 11 デベロッパー サイトでご覧いただけます。ぜひ感想をお聞かせください


Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Ryosuke Matsuuchi - Developer Relations Team