この記事は Ethan Mahintorabi, Johan Euphrosine, Aaron Cunningham による Google Open Source Blog の記事 "Google funds open source silicon manufacturing shuttles for GlobalFoundries PDK" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

Google が GlobalFoundries PDK のオープンソース チップ製造シャトルの資金を提供

オープンソース PDK を使って自分だけのチップを無償で開発

2022 年 8 月に GlobalFoundries 180nm MCU テクノロジー プラットフォーム向けの Process Design Kit(PDK)を Apache 2.0 ライセンスで公開しました。このオープンソース PDK は、GlobalFoundries テクノロジーとの連携の成果で、以下の標準セルを含めることによって、オープンソース チップ設計者に大量生産、手頃な価格、さまざまな電圧オプションといった新たな可能性を提供します。

  • デジタル標準セルライブラリ(7 トラックと 9 トラック)
  • 低(3.3V)、中(5V、6V)、高(10V)の電圧オプション
  • SRAM マクロ(64x8、128x8、256x8、512x8)
  • I/O とプリミティブ(レジスタ、キャパシタ、トランジスタ、eFuse)セルライブラリ
GlobalFoundries が Google のオープンソース チップに関する取り組みに参加したことはすでにお知らせしましたが、これより私たちは、今後行われる GF180MCU PDK の一連の無償 OpenMPW シャトルランに資金提供します。


このシャトルでは、同じ Caravel ハーネスを使い、OpenLane 自動設計フローをベースとした既存の OpenMPW シャトルのインフラストラクチャを活用します。プロジェクトの提出には Efabless プラットフォームを利用します。

それぞれのシャトルランでは、以下の条件に基づいて 40 のプロジェクトを選びます。
  • 設計仕様がオープンソース ライセンスで公開されていること。
  • 設計仕様と GF180MCU PDK からプロジェクトを再現できること。
  • シャトルの締め切りまでにプロジェクトを提出すること(早めに提出されたプロジェクトは、選ばれる可能性が高くなります)。
  • プロジェクトが製造前のチェックに合格すること。
初回のシャトル GF-MPW-0 はテストシャトルで、2022 年 10 月 31 日から 2022 年 12 月 5 日まで提出を受け付ける予定です。これは、オープンソース チップ ツールチェーンによる新しい PDK と Caravel ハーネスの組み合わせをコミュニティとともに検証する方法として活用されます。以降のシャトルでは、プロジェクトの提出期間が長くなり、テストが改善されます。

オープンソース PDK 間の移植性を確認する方法として、次の手順に従って、このシャトルに以前の OpenMPW シャトル プロジェクトを再提出することをお勧めします。
  • developers.google.com/silicon にアクセスします。
  • [Create a new Project] リンクを開きます。
  • 指示に従って、プロジェクトを最新版の caravel_user_project テンプレートに組み込みます。
  • コマンドを実行する前に、環境変数 PDK=gf180mcuC をワークスペースにエクスポートして、適切な種類の GF180MCU PDK(5LM_1TM_9K)を選択するようにします。
  • 製造に向けて、Efabless プラットフォームでプロジェクトを提出します。
設計者の皆さんがこのプログラムを活用し、以前に OpenMPW シャトルに提出した既存プロジェクトを移植したり、GF180MCU PDK をターゲットとした新しいプロジェクトを設計したりしてくれることを楽しみにしています。そうすれば、ともにオープンソース チップ エコシステムの探求と発展を進めることを期待しています。



Posted by Johan Euphrosine and Takuo Suzuki - Developer Relations Team